(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-09
(45)【発行日】2023-05-17
(54)【発明の名称】複合バッテリ筐体
(51)【国際特許分類】
B60L 50/64 20190101AFI20230510BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20230510BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20230510BHJP
H01M 50/271 20210101ALI20230510BHJP
H01M 50/209 20210101ALI20230510BHJP
B60K 1/04 20190101ALI20230510BHJP
【FI】
B60L50/64
H01M50/249
H01M50/204 101
H01M50/271 B
H01M50/209
B60K1/04 Z
(21)【出願番号】P 2021527832
(86)(22)【出願日】2019-11-20
(86)【国際出願番号】 US2019062411
(87)【国際公開番号】W WO2020106837
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2022-09-07
(32)【優先日】2018-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520005303
【氏名又は名称】ティーピーアイ コンポジッツ,インコーポレーティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホワード,マイケル,エフ.
(72)【発明者】
【氏名】べロソ,マッケヴィン
【審査官】清水 康
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-065490(JP,A)
【文献】特開2003-133756(JP,A)
【文献】特開平10-250622(JP,A)
【文献】特開2013-032066(JP,A)
【文献】国際公開第2018/082896(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0156539(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0251863(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03345779(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0255764(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0192914(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00 - 3/12
B60L 7/00 - 13/00
B60L 15/00 - 58/40
H01M 50/20 - 50/282
B60K 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両シャーシ用のバッテリ筐体であって、
上面および下面と複数の縁部とを有するベースプレートと、
上面および下面を有し、その下面から延在するフランジ部を有する外側支持構造であって、前記外側支持構造は、前記ベースプレートの上面に配置され、前記ベースプレートの複数の前記縁部の周囲に延在する、外側支持構造と、
上面および下面と、上面から延在するフランジ部と、複数の縁部とを有するバッテリトレイであって、前記ベースプレートの上面に配置され、前記上面上に個々のセル画定する複数の隆起表面機構を有し、各セルが、少なくとも1つのバッテリを受け入れるように構成される、バッテリトレイと、
上面および下面を有し、前記バッテリトレイの前記フランジ
部上に配置される、蓋と、を備え、
前記外側支持構造は、前記バッテリトレイ
の前記フランジ部の下方に配置され、複数の前記バッテリトレイ縁部の周囲に延在する、バッテリ筐体。
【請求項2】
前記バッテリトレイの前記隆起表面機構は、単一梁を含む、請求項1に記載のバッテリ筐体。
【請求項3】
前記ベースプレート、前記外側支持構造、前記バッテリトレイ、および/または前記蓋のうちの少なくとも1つが、複合材料から構成される、請求項1に記載のバッテリ筐体。
【請求項4】
前記蓋の前記上面は、車両シャーシに結合されている、請求項1に記載のバッテリ筐体。
【請求項5】
前記外側支持構造の前記フランジ
部は、前記外側支持構造の垂直な側壁から横方向外側に延在する、請求項1に記載のバッテリ筐体。
【請求項6】
前記外側支持構造は、隣接する直線梁間に、少なくとも1つのコーナー接合ノードを含む、請求項1に記載のバッテリ筐体。
【請求項7】
前記コーナー接合ノードは、弓形面を有する、請求項6に記載のバッテリ筐体。
【請求項8】
前記個々のセルは、複数の対称セルを含む、請求項1に記載のバッテリ筐体。
【請求項9】
前記蓋と前記バッテリトレイとの間にシールが形成される、請求項1に記載のバッテリ筐体。
【請求項10】
前記バッテリトレイと前記外側支持構造との間にシールが形成される、請求項1に記載のバッテリ筐体。
【請求項11】
前記外側支持構造と前記ベースプレートとの間にシールが形成される、請求項1に記載のバッテリ筐体。
【請求項12】
前記外側支持構造の前記フランジ
部は、第1の距離だけ外側に延在し、前記バッテリトレイ
の前記フランジ部は、第2の距離だけ外側に延在する、請求項1に記載のバッテリ筐体。
【請求項13】
前記第1の距離は前記第2の距離よりも大きい、請求項12に記載のバッテリ筐体。
【請求項14】
前記蓋は、前記バッテリトレイの前記隆起表面機構と係合して、少なくとも1つの閉鎖空間セルを形成する、請求項1に記載のバッテリ筐体。
【請求項15】
前記外側支持構造は、耐荷重構造を形成する、請求項1に記載のバッテリ筐体。
【請求項16】
前記耐荷重構造の前記上面は、前記バッテリトレイ
の前記フランジ部の前記下面と係合する、請求項16に記載のバッテリ筐体。
【請求項17】
前記蓋、前記バッテリトレイ、前記外側支持構造、および前記ベースプレートのそれぞれは、六角形の形状として形成される、請求項1に記載のバッテリ筐体。
【請求項18】
前縁部と後縁部とが平行である、請求項17に記載のバッテリ筐体。
【請求項19】
前縁の長さが、前記後縁の長さよりも短い、請求項17に記載のバッテリ筐体。
【請求項20】
前記外側支持構造の前記フランジ
部は、前記バッテリ筐体の5つの側面からのみ延在する、請求項17に記載のバッテリ筐体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年11月20日に出願された米国仮出願第62/769,925号に対する米国特許法第119条に基づく利益を主張し、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
本開示の主題の分野
本開示の主題は、複合封止区画のためのシステムに関する。特に、本開示の主題は、複合バッテリ筐体に関する。
【背景技術】
【0002】
自立型であり、車両システムのバランスから構造的に分離しているバッテリ筐体には、種々の構造があることが知られている。この結果、システム全体の質量が増大し、したがって経済性が低下し(製造コストが増大する)、性能が低下する(重量が大きいほど、チャージ間の動作範囲が減少するか、またはハイブリッドの燃料経済性が低下する)。
【0003】
バッテリの質量が大きいと、一般的には、バッテリを車両システム内に保持するための剛性および強度を提供するためにかなりの材料が必要となる。同様に、従来の設計のバッテリ筐体は、車両衝突の場合に物体の侵入を防止するためにかなりの補強を必要とする。車両とバッテリ筐体の構造要件は伝統的に分離されており、それによって、バッテリ筐体は純粋に寄生質量となり、車両の性能に対して冗長となる。
【0004】
従来のバッテリ筐体の例は以下の刊行物に提供され、その各々はその全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第8286743号
【文献】第8393427号
【文献】第8833499号
【文献】第5620057号
【文献】第7323272号
【文献】第8115450号
【文献】第8210301号
【文献】第8875828号
【文献】第9331321号
【文献】米国特許出願公開第2010/0136402号
【文献】米国特許出願公開第2012/0103714号
【文献】米国特許出願公開第2015/079454号
【文献】米国特許出願公開第2015/318525号
【0006】
本開示の主題は、ハイブリッド、プラグインハイブリッドおよび電気自動車用途のためのバッテリの収納、保護および使用のための新しい革新的な解決策を提供する。本開示の利点には、以下のものが挙げられる。
・従来のメタリックデザインよりも軽量化(例:最大30%)
・重量(ひいては動力)の節約による車両の範囲の増加
・バッテリ格納領域からの流体の侵入/流出を禁止/抑制する
・火炎の侵入、バッテリの外部燃焼による損傷の禁止/抑制
・バッテリモジュールの内部漏洩時の火災・化学物質の放出の禁止/抑制
・前面衝撃、背面衝撃、側面衝撃時のバッテリ損傷の禁止/抑制
・筐体のベースプレートに加わるジャッキ荷重によるバッテリの損傷の禁止/抑制
・垂直方向の衝突荷重によるバッテリの損傷の禁止/抑制
・内圧上昇中も筐体は環境的に密閉されたままである
・筐体は電磁周波数を遮蔽し、放射される周波数強度をCISPRによって概説される許容限界に制限する
・非導電性および非熱伝導性の表面
・成形された冷却チャネルをバッテリトレイに統合し、別システムを取り付ける必要がなくなる。
さらに、本開示のバッテリ筐体のシステムおよび構造は、輸送用のハイブリッド、プラグインハイブリッドおよびプラグイン電気乗用車、並びに他の大量輸送システム(例えば、バス、シャトルおよび鉄道車両)のために適用可能である。
【発明の概要】
【0007】
本開示の主題の目的および利点は以下の説明に記載され、以下の説明から明らかになり、また、本開示の主題の実施によって理解される。本開示の主題のさらなる利点は、本明細書および特許請求の範囲、ならびに添付の図面から特に指摘される方法およびシステムによって実現され、達成される。
【0008】
これらおよびその他の利点を達成し、本開示の主題の目的に従って、具体化されかつ広範囲に記載されるように、本開示の主題は、車両シャーシ用バッテリ筐体を含む。バッテリ筐体は、上下面および複数の縁部を有するベースプレートと、上面および下面を有し、下面からフランジ部が延在する外側支持構造であって、前記ベースプレートの上面に配置され、前記ベースプレートの複数の縁部の周囲に延在する外側支持構造と、上下面および複数の縁部を有し、上面からフランジ部が延在するバッテリトレイであって、前記ベースプレートの上面に配置され、その上面に、個々のセルの輪郭を画定する複数の隆起表面機構を有し、各セルが少なくとも1つのバッテリを受け入れるように構成されている、バッテリトレイと、上下面を有し、前記バッテリトレイの前記フランジ上に配置される蓋と、を備え、前記外側支持構造は、前記バッテリトレイの前記フランジの下に配置され、前記バッテリトレイの前記複数の縁部の周囲に延在する。
【0009】
いくつかの実施形態では、バッテリトレイの隆起表面機構は、単一梁(solid beams)を含む。いくつかの実施形態では、ベースプレート、外側支持構造、バッテリトレイ、および/または蓋のうちの少なくとも1つは、複合材料から構成される。いくつかの実施形態では、蓋の上面が車両シャーシに連結される。いくつかの実施形態では、外側支持構造が少なくとも1つのロッカー支持構造を含む。いくつかの実施形態では、外側支持構造が、隣接する直線梁間の少なくとも1つのコーナー接合ノードを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、個々のセルが複数の対称セルを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、蓋とバッテリトレイとの間にシールが形成される。いくつかの実施形態では、バッテリトレイと外側支持構造との間にシールが形成される。いくつかの実施形態では、外側支持構造とベースプレートとの間にシールが形成される。
【0012】
いくつかの実施形態では、外側支持構造フランジは、第1の距離だけ外側に伸び、バッテリトレイフランジは、第2の距離だけ外側に伸びる。いくつかの実施形態では、第1の距離は、第2の距離よりも大きい。いくつかの実施形態では、蓋は、バッテリトレイの隆起表面機構と係合して、少なくとも1つの閉鎖容積セルを形成する。いくつかの実施形態では、外側支持構造が耐荷重構造を形成する。いくつかの実施形態では、耐荷重構造の上面がバッテリトレイフランジの下面と係合する。
【0013】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、本開示の主題の方法およびシステムを例示し、さらに理解するために含まれる。説明と共に、図面は、本開示の主題の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本明細書で説明される主題の様々な態様、特徴、および実施形態の詳細な説明は、以下で簡単に説明される添付の図面を参照して提供される。図面は例示的なものであり、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、いくつかの構成要素および特徴は、明確にするために誇張されている。図面は本主題の様々な態様および特徴を示し、本主題の1つまたは複数の実施形態または実施例を全体的にまたは部分的に示すことができる。
【0015】
【
図1】本開示の主題に係るバッテリ筐体の構成要素の斜視図を示す分解概略図である。
【0016】
【
図2】本開示の主題に係る外側支持構造の例示的な実施形態である。
【0017】
【
図3】本開示の主題に係る周囲穴および横方向横断部材を有するバッテリトレイの例示的な実施形態である。
【0018】
【
図4】本開示の主題に係る外側支持構造に結合されたバッテリトレイの例示的な実施形態である。
【0019】
【
図5】本開示の主題に係るバッテリ筐体の下側に結合されたベースプレートの例示的な実施形態である。
【0020】
【
図6】本開示の主題に係る、結合されたアルミニウム冷却プレート、結合された三角形の支持ブラケットを有する結合された横方向横断部材、および横断部材に取り付けられた蓋取り付けブラケットを表示するために、蓋を取り外したバッテリ筐体アセンブリの例示的な実施形態である。
【0021】
【
図7】本開示の主題に係る蓋が組み立てられたバッテリ筐体の例示的な実施形態である。
【
図8】本開示の主題に係るバッテリ筐体の構成要素の斜視図を示す分解概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ここで、本開示の主題の例示的な実施形態を詳細に参照し、その一例を添付の図面に示す。本開示の主題の方法および対応する手順は、システムの詳細な説明と併せて説明される。
【0023】
本明細書で提示される方法およびシステムは、バッテリ筐体構造のために使用することができる。本開示の主題は、複数の構成要素を含む複合バッテリ筐体構造に特に適しており、複数の構成要素の各々は、多材複合材料積層体を使用した設計によって電磁圧縮、耐火、高強度および高剛性のようなそれらの必要な特性を発揮するように最適化することができる。追加的に、本開示のバッテリ筐体は、導電性表面積を減少させ、それによって、車両に関連する電気構成要素の設置の容易性を向上させる。同様に、本開示のバッテリ筐体は熱伝導性材料の量を低減し、それによって、断熱性を改善し、バッテリ冷却システムによって必要とされる仕事を低減する。
【0024】
限定ではなく、説明および例示の目的のために、本開示の主題に係るシステムの例示的な実施形態が
図1に示され、参照符号1000によって全体的に示される。機能的に対応するが、必ずしも同一ではない構造を示すために、本明細書で提示される様々な図および図面の間で類似の参照番号(先頭の数字によって区別される)が付与される場合がある。
図1に示すように、バッテリ筐体システム1000は、一般に、ベース部材プレート100と、カバー部材200と、格子支持構造300とを含む複数の構成要素を備え、これらの構成要素の各々は、以下でさらに詳細に説明される。
【0025】
蓋部材
【0026】
図1、7および8は、バッテリ筐体の上部構造の例示的な実施形態を示す。蓋400は、シールするために、蓋の周囲がバッテリトレイ300(以下にさらに詳細に説明する)と一致するように、種々のサイズ/形状で構成することができる。これらのシールは個々のバッテリモジュールを封入して車両シャーシから効果的に分離し、湿気の侵入/浸入を防ぎ、塵埃/破片の蓄積を排除することができる。シールは、バッテリトレイおよび蓋の周囲を取り囲む連続部材、または複数の別個の部材とすることができる。また、シールはバッテリトレイの上方に延びるような寸法および形状とすることができ、蓋400の閉鎖時にシールの圧縮を可能にする弾性材料から形成することができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、蓋400が取り外し可能および/またはヒンジ式またはスライド式に蓋に取り付けることができるアクセスパネルまたは窓を有していてもよい。このような窓は、個々のバッテリの修理/交換を可能にするために、下部にあるバッテリセルへのアクセスを可能にする。
図1に示す例示的な実施形態では、蓋は、蓋の残りの部分に対し隆起させることができるシュラウド(shroud)402を有し、配線およびバッテリ管理システムを配線するためのトンネルを提供する。シュラウド402は、アクセス窓を取り囲む第1の部分と、窓から蓋400の縁部まで延びる長手方向部分とを含むことができる。蓋400は、高い内部圧力および燃焼温度(例えば、1バールを超える温度まで;2分間の曝露の後、燃焼を伴わずに1200℃までまたはそれを超える耐火性)に耐えるように構成することができる。
【0028】
追加的に、蓋400は、例えば1kHz~1GHzの範囲の周波数にわたって電磁周波数(EMF)の放出をシールドすることができ、一方、EMF封じ込めおよび電気的接地のために設計された取り付け表面を介して電気的導通を提供する。EMFシールドは様々な方法で組み込むことができ、例えば、EMFシールドは、金属充填塗料、導電性インクの形態で、または積層体に埋め込まれるか織り込まれる金属箔または金網の形態で、蓋400全体に提供することができる。このような実施形態では、電流がボルトおよびねじを介して、トレイ、蓋、および車両のシャーシの間を移動する。追加的にまたは代替的に、金属ロッド、チェーン、または釘を、電気伝達方法として使用することができる。例えば、
図1および
図8に示すようなレール404は、蓋を横切る電流を伝導するように指定することができる。いくつかの実施形態では、蓋400は、炭素、ガラス繊維、アラミド、スペクトル、玄武岩、金属配線、および/またはそれらの組み合わせを含む補強材を含有させることができ、これらは蓋の構造的完全性を高める。いくつかの実施形態では、蓋400は、フェノール、エポキシ、ポリエステル、ビニルエステル、および/またはそれらの組み合わせを含むマトリックス材料を含有させることができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、蓋400は、ATH、発泡性固体、ガラス若しくはプラスチック微粒子、内部剥離剤、および/またはそれらの組み合わせを含む添加剤を含有させることができる。いくつかの実施形態では、蓋400は、カーボンブラック、酸化鉄、ニグロシン、および/またはそれらの組み合わせを含む顔料を含有させることができる。いくつかの実施形態では、蓋400は、膨張性塗料、ゲルコート、および/またはそれらの組み合わせを含むコーティングを含有させることができる。追加的に、蓋400は、周囲に延びるシールのための一体成形チャネル、および/または下にあるバッテリトレイ300との漏れのない結合を形成するための結合されたシールを備えるように構成することができる。適切なシールの例としては、シリコーン、ゴム、発泡体、および発泡性固体などの耐火材料、ならびにニッケル-グラファイトフィラー、銀および銅などのEMI遮蔽材料が挙げられる。
【0030】
蓋は、下にあるバッテリトレイ300、外側支持構造200、およびベースプレート100と相補的な幾何学形状で形成することができる。例示的な実施形態では、これらの構成要素が六角形の形状で形成され、側面には1~6の番号が付されており、アセンブリの後端はアセンブリの前端よりも幅広である。図示のように、組立体の後縁1並びに側部2および6はほぼ直角に配向され、側部3および5は縁2および6に対してある角度(例えば、約15°~45°)で配向され、前縁4は後縁1に対して平行に配向される。この例示的な構成は、車両のホイールウェルに近接して配置する際の柔軟性を高めるテーパ状アセンブリを提供することによって「フットプリント」を最小化しつつ、バッテリ収納のための容量を最大化するという点で有利である。
【0031】
蓋400は、組み立てられたときにバッテリトレイ300のみと係合するように設計することができ、外側支持構造200およびベースプレート100は、バッテリトレイ300と直接係合/当接する。換言すれば、蓋400は、外側支持構造200およびベースプレート100から離間したままとすることができる。いくつかの実施形態では、接着剤をそれぞれの構成要素、すなわち、蓋400、バッテリトレイ300、外側支持構造200、およびベースプレース100の係合面に塗布することができる。
【0032】
バッテリトレイ
【0033】
図1および3-4、6は、バッテリトレイの下部構造の例示的な実施形態を示す。
【0034】
いくつかの実施形態では、バッテリトレイ300は、車両動力システムを構成する個々のバッテリを受け入れるための「セル」を画定し形成する複数の軸方向および横方向の表面機構310を有する一体成形として形成することができる。このような表面機構310の存在は、接合面の適切な位置決め(registration)を介して、各セル内でのバッテリの適切な設置の触覚的および視覚的確認を提供することによって、組み立てを容易にする。さらに、個別セルの形成は、筐体内の隣接するバッテリ間の有害事象(例えば、漏れ、熱変化など)を隔離することができるという利点がある。
【0035】
図示の例示的な実施形態では、表面機構が矩形セルを画定する隆起した、または上方に延びるリブまたはチャネル310であるが、バッテリトレイ300は代替の形状のセルで形成することができることを理解されたい。同様に、表面機構310は、バッテリトレイ300の底面から上方に突出する横方向横断部材として形成することができる。図示の例示的な実施形態では、横方向横断部材310は、バッテリトレイ300の周囲側壁320よりも低い高さを有する。しかし、所望に応じて、様々な寸法および相対的な比率を提供することができることを理解されたい。横方向横断部材310は中実断面構造として、または代替的に、バッテリセルの周囲の配線および/または冷却導管の通過を可能にする中空部材として形成することができる。横方向横断部材310は周囲側壁320と一体的に形成することができ、または横方向支持ブラケット312を含むことができ、側壁320に固定して取り付けることができ、横方向横断部材310をその中に受け入れるように構成することができる。これは、変化するバッテリ設計に対応する調整可能なセルサイズを提供するために、選択された横方向横断部材310を取り外し/交換することを可能にする。
【0036】
バッテリトレイ300はまた、周辺部またはその選択部分を取り囲むフランジ330を有していてもよい。フランジ330は、その上面で蓋400に結合され、その底面で外側支持構造200に結合されることができる。いくつかの実施形態では、フランジ330は、表面機構310の距離または垂直高さよりも短い距離だけ横方向に延びる幅で形成することができる。
【0037】
追加的に、軸方向および横方向の表面機構310、およびフランジ部330は、蓋400内の同様の軸方向および横方向に整列した表面機構およびフランジ部と整合または整列するように配置することができ、これにより、以下にさらに詳細に説明するように、完全に係合/包絡し、かつ内部に組み立てられた個々のバッテリセルを収容する閉鎖空間を作り出すことができる。
【0038】
バッテリトレイ300は、強化繊維を含む様々な材料から形成することができる。そのような強化繊維のいくつかの例示的な例として、フェノール、エポキシ、ポリエステル、ビニルエステルを含むマトリックス材料;ATH、発泡性固体、ガラスまたは微粒子、内部剥離剤を含む添加剤;カーボンブラック、酸化鉄、ニグロシンを含む顔料;発泡性塗料、ゲルコートおよび/またはそれらの組み合わせを含むコーティングが挙げられる。追加的に、上述の蓋400に関する説明と同様に、バッテリトレイ300は導電性材料(例えば、薄い積層箔、導電性インク、導電性塗料、膨張金属箔、金属製織システム)の形態でのEMF遮蔽を有していてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、バッテリトレイ300は、一体化された能動冷却成形、結合若しくは締結された機構;伝熱板;バッテリモジュール接続のための取り付け点;バッテリからの電力伝導のための一体化されたバスバー(直列/並列);バッテリ管理システムのための成形ハウジング;および/または炭素、ガラス繊維、アラミド、スペクトル、玄武岩、および金属配線を含む補強材を有していてもよい。空気、水および/または液体冷却剤を含む様々な冷却媒体を使用することができる。本明細書に開示される複合筐体は、冷却剤が流れるためのチャネルを有していてもよく、それによって二次冷却システムアセンブリが不要となる。
【0040】
追加的にまたは代替的に、バッテリトレイ300は、例えば横方向横断部材310によって形成されたウェル内に、バッテリモジュールの締結のためのリベットナット締結具、および/またはバッテリモジュールの締結のための結合されたねじ切りインサートを有していてもよい。また、バッテリトレイは、例えば、フランジ330の周囲に分散された、蓋400をトレイ300に締結するためのリベットナット締結具および/または蓋をトレイに固定するための結合されたねじ切りインサートを有していてもよい。トレイ300は、シールのための一体成形チャネル;シリコーン、ゴム、発泡体、および発泡性固体などの耐火材料、ならびにニッケル-グラファイトフィラー、銀、および銅などのEMI遮蔽材料を含むことができる結合シールをさらに有していてもよい。さらに、トレイ300は、バッテリモジュールを冷却するために、結合または締結された熱伝導性プレートを有していてもよい。いくつかの実施形態では、これらのプレートは、バッテリトレイまたはベースプレートに結合/取り付けることができ、バッテリモジュールはプレートの上に直接載置することができる。
【0041】
バッテリトレイ300はまた、破裂ディスク(筐体の側面、例えば、車両の後側に配置することができる)を取り付けるための取り付け穴またはブラケットと、圧力逃がし弁(1つまたは複数)のための取り付け穴またはブラケットと、EMF放出を遮蔽するためのスロットまたは穴のためのカバーとを有していてもよく、このカバーはアルミニウムプレート、アルミニウム配線、銅線、真鍮配線、ニッケル-グラファイト充填シリコーンの任意の組合せを含むことができ、トレイへの結合または締結を必要としうる。
【0042】
外側支持構造
【0043】
図1および
図2は、バッテリ筐体の外側支持構造200の例示的な実施形態を示す。
【0044】
いくつかの実施形態では、外側支持構造200は、成形され、引抜成形され、注入され、プリプレグされ、フィラメントが巻き付けられ、および/または編組される単一/一体構造として形成され得る。構造は、炭素、ガラス繊維、アラミド、玄武岩などの補強材;フェノール、エポキシ、ビニルエステル、ポリエステルなどのマトリックス材料を含むことができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、外側支持構造200は、機械加工、鋳造、金属射出成形、3D印刷、および/またはアルミニウム、亜鉛、鋼、真鍮、チタン、またはこれらの任意の金属の合金の押出成形体とすることができる接合ノード202を有する多成分構造として形成することができる。追加的にまたは代替的に、接合ノード202は、ガラス繊維、炭素繊維、アルミニウム繊維、または鋼繊維などの構造充填材を含むことができる、射出成形、鋳造、成形、または3D印刷プラスチックを含むことができる。接合ノード202は、外側支持構造の隣接する線形構造要素210(例えば、梁(beam)または桁(spar))の間に配置することができる。いくつかの位置において、接合ノード202は線形/平面表面を有し、他の位置において、接合ノードは、湾曲/弓形表面を有する。接合ノード202は、オス/メス結合または実はぎ結合(tongue and groove coupling)において、外側支持構造の隣接する線形構造要素210(例えば、梁または桁)を受け入れることができる。
【0046】
衝撃時にエネルギを吸収/消散することによって側面および/または後部衝撃バッファーを改善するロッカー支持構造230、例えばフランジを設けることができる。追加的に、ロッカー支持体230は、改善されたモード応答のための、および/または後部または前部衝突応答のための接続点またはブラケットとして機能することができる。
図1、
図2および
図4に示す例示的な実施形態では、ロッカー支持構造230は、垂直線形構造要素210の外側壁から横方向に延在することができる。追加的に、ロッカー支持構造230は、選択(例えば、6つのうちの5つ)側のみがロッカー支持構造を含むように、外側支持構造200の全周未満の周囲に延在することができる。例えば、前縁4(
図1を参照)は、ロッカー支持構造230から解放することができる。この構成は、側面/後面の衝撃から最大限の保護を提供しつつ、通常は車両の前輪の後ろに配置され、直接衝撃を受けにくい、前縁での重量損失(weight penalty)を最小限に抑える。
【0047】
また、外側支持構造200は、バッテリトレイ300および/または外側支持構造200のいずれかの内部に取り付けられた複数の横方向横断部材を有していてもよい。例えば、外側支持構造200は、位置が一致し、バッテリトレイ300の横方向横断部材310内に入れ子になるようなサイズにされた横方向横断部材を有していてもよい。これらのブラケットは、三角ブラケット、Lブラケット、Piクリップ、矩形ブロック、および/または一体成形された機構として構成することができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、外側支持構造200は、支持構造200の周囲の冷却剤循環のための一体成形配管を有する。また、一体成形された機構またはキャビティを有することにより、冷却剤のための配管を取り付けまたは支持することができる。さらに、外側支持構造200は、破裂ディスクおよび/または圧力逃がし弁を取り付けるための取り付け穴またはブラケットを有していてもよい。
【0049】
外側支持構造200は、締結具、例えば、リベットナット締結具、結合ねじ切りインサートなどを用いて、蓋400に直接取り付けることができる。追加的にまたは代替的に、外側支持構造200は、例えばフランジ330に沿って、取り外し可能なサブアセンブリを形成するために、フランジ330を蓋400に取り付けた状態で、バッテリトレイ300に取り付けることができる。外側支持構造200のロッカー支持構造210は、ベースプレート100に密封して取り付けることができる。
【0050】
ベースプレート
【0051】
図1、
図5、
図7および
図8は、バッテリ筐体のベースプレート100の例示的な実施形態を示す。
【0052】
ベースプレートは、外側支持構造およびバッテリトレイ300(存在する場合)に取り付けることができる。バッテリトレイ300を有しない実施形態では、個々のバッテリセルは、周囲梁および横方向梁上に、またはベースプレート100上に取り付けることができる。バッテリトレイ300は、衝撃のたわみに対応するためにベースプレート100とバッテリトレイ300との間にスタンドオフ(空間または間隙)を提供する機構または「スペーサ」を含むことができ、これらのスタンドオフ「スペーサ」は衝撃時に変形して衝突時のエネルギを吸収することができる。これらのスタンドオフ「スペーサ」は、一般に横方向部材310の下に配置されて、ベースプレート100から横方向部材310または外側支持構造200内に荷重を伝達し、バッテリトレイ内への過剰な荷重伝達を直接防止する。追加的にまたは代替的に、ベースプレート100は、一体成形機構、矩形ブロック若しくはストリップ、ハット部(Hat sections)、中空梁、シリンダ、金属スキッドレール若しくはスキッドプレートから製造されたスペーサ、および/または、一体成形複合スキッドレールもしくはスキッドプレートの形態のスペーサを有していてもよい。スペーサは、各スペーサが隣接するスペーサから等距離に位置するように均一に分散させることができる。代替的に、スペーサは不均一であってもよく、様々なサイズのバッテリ/セルを収容するようにスケールさせることができる。
【0053】
追加的に、ベースプレート100は、車両動力システムを構成する個々のバッテリを受け入れるための「セル」を画定し形成する複数の軸方向および横方向表面機構110を有することができる。このような表面機構110の存在は、接合面の適切な位置決めにより各セル内にバッテリを適切に設置することの触覚的および視覚的確認を提供することによって、バッテリの組み立てを容易にする。
【0054】
例示的な実施形態では、表面機構110は、ベースプレート100の上面から上方に突出する中実リブ部材として形成することができるが、代替構成(例えば、中空導管)も本開示の範囲内であると考えられる。
【0055】
ベースプレート100は、外側支持部材200の底縁部から延びるロッカー支持構造210に、また縁部4(ロッカー支持構造210は省略されている)に沿った線形構造要素210に沿って取り付けることができ、その結果、ベースプレートおよび外側支持構造は、全周に沿って、またはその選択部分に沿って接合される。蓋400と、バッテリトレイ300と、外側支持構造200との間の結合と同様に、ベースプレート100は、機械的締結、化学的(例えば、接着剤)結合、および/または融着(例えば、超音波溶接)を含む様々な方法で結合することができる。
【0056】
追加的に、蓋400の横方向表面402機構は、完全に係合/包絡し、閉鎖空間を作り出して、内部に組み立てられた個々のバッテリセルを収容するように、バッテリトレイ300およびベースプレート110内の同様の横方向に整列した表面機構310と整合または整列するように配置することができる。閉鎖空間の形成は、任意の特定のセル内の有害事象を分離するのに有利である。任意の1つまたは複数の横壁110、210、310は、その中に収容された各セルに加熱/冷却を伝導する導管および配線を含むことができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、蓋400とバッテリトレイ300との間、および/またはバッテリトレイ300とベースプレート100との間に、追加のシール部材を設けることができる。シール部材は、周囲にのみ延在することができる。追加的にまたは代替的に、シール部材は、選択されたセルの周りに延在することができる。シール部材は、流体がセルに出入りするのを防止するために、圧縮性ガスケット、例えばOリングとして形成することができる。
【0058】
本明細書に開示される様々な構成要素は、強化繊維を含む様々な材料から形成することができる。そのような強化繊維のいくつかの例示的な例としては、炭素繊維、ガラス繊維、ケブラー(登録商標)(アラミド)繊維;およびそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、液体熱硬化性樹脂の以下の化学クラス:エポキシ、不飽和イソフタル酸ポリエステル、ビニルエステル、メチルメタクリレートまたはフェノール樹脂;またはそれらの組み合わせのいずれかからの樹脂のマトリックス中で安定化されたポリエチレンまたはポリプロピレン繊維を使用することができる。いくつかの実施形態では、強化繊維は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド(ナイロン)、アクリル、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、またはポリフェニレンサルファイド(PPS);ウレタン樹脂またはそれらの組み合わせを含む熱可塑性樹脂中で安定化することができる。
【0059】
本開示の一態様によれば、構造材料は、上述の繊維材料の整列した連続(および/または非整列不連続)繊維補強材の複数の個々の層を含むことができる。例えば、ベース部材は、エンドグレインバルサ(end grain balsa)、またはポリ塩化ビニル(PVC)、架橋ポリ塩化ビニル(CPVC)、スチレンアクリロニトリル(SAN)、ポリウレタン若しくはポリエチレンテレフタレート(PET);ポリウレタンフォーム;およびそれらの組み合わせを含む内部発泡(発泡剤)で鋳造または押出成形された樹脂のクラスを含みうるコア材料のクラスから、低密度材料のコアに積層された補強材料の複数の層を有するサンドイッチ材料として製造することができる。このような実施形態では、カバー部材は、高密度のバッテリパックによって加えられる荷重から加えられ得る垂直に加えられた荷重による変形に対する抵抗を得る。しかしながら、下部構造の面内(伸長)剛性は、積層体中の二軸繊維の弾性率(moduli)によって主に駆動されるので、かなり柔軟性(compliant)(剛性が低い)のままである可能性がある。
【0060】
いくつかの実施形態では、上述の様々な構成要素が均一な断面形状で形成されるが、他の実施形態では、支持構造が様々な寸法で形成される。例えば、外側支持部材200の縁部を形成する軸方向支持部材は、バッテリトレイの縁部の間に配置される横方向横断部材310よりも大きい断面形状を有することができる。
【0061】
図示の実施形態では、セルは対称(すなわち、長方形)であるが、代替の設計も本開示の範囲内である。例えば、横方向構造支持梁(またはまとめて「セル壁」)は、変化する、不均一な幾何学的形状で形成することができる。例えば、正面衝突シナリオに対する剛性を高めるために、バッテリ筐体の前面に、より多数のセル壁(例えば、より小さなサイズのセル、または複製/並列補強壁のいずれか)を備えた勾配設計を採用することができる。
【0062】
また、いくつかの実施形態では、セル壁は、セル内に形成されたアクセス機構(例えば、開口、溝など)を有し、セル内に収容されたバッテリへの配線などの、隣接するセル間の導管および相互接続を可能にすることができる。同様に、これらのアクセス機構は、バッテリセル間の通気手段として機能することができる。いくつかの実施形態では、セルの加熱または冷却を提供するために、そのようなアクセス機構を通して流体の流れを導くことが望ましい場合がある。さらに、幾つかの実施形態では、例えば、技術者が、ヒューズ、プリント回路基板、コネクタ、制御装置等のような制限されたライフサイクルを有する装置を交換するために、複合筐体は、アクセスポイントを有していてもよい。アクセスポイントは、筐体の水平軸に沿ってスライドさせることによって、または筐体内に形成されたヒンジを中心に旋回させることによって、または筐体の残りの部分から取り外すことによって、開くことができる、密閉可能なパネルとして形成することができる。いくつかの実施形態では、アクセスポイント(およびその下にある交換可能な装置)は、バッテリを含むセルから隔離された(すなわち、開いていない、またはそれと流体連通していない)区画内に配置される。この構成は、バッテリと周囲空気との間で常に(すなわち、アクセスパネルのない区画内で)気密シールが維持されることを保証する。
【0063】
さらに、本明細書に示される例示的な実施形態は、一定の厚さを有する概して長方形の筐体を描写しているが、代替の設計、例えば、所望のバッテリ容量と、バッテリ筐体をどのように、どこに結合するかを示す車両シャーシ設計との両方に対応するために、様々な(テーパ状または階段状の)幅および/または高さを有するバッテリ筐体を提供することができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、上述のような複数の複合バッテリ筐体を、例えば、互いの上に垂直に積層してバッテリ容量を増加させるように、モジュール式に組み合わせることができる。このような積層は、質量を増加させ、したがって、集合体構造の剛性を増加させるとともに、あらゆる望ましくない振動荷重を減衰させる。さらに、本開示の複合バッテリ筐体は、先に形成された車両シャーシに後付けすることができる。
【0065】
本開示の別の態様によれば、本明細書に記載される複合バッテリ筐体は、電磁シールド特性を組み込むことができる。いくつかの実施形態では、電磁シールドは、筐体の外側の周囲に設けることができる。いくつかの実施形態では、電磁シールドは、筐体の選択セル(個別または複数)の周囲に設けることができる。このようなEMF/EMCシールドの存在は、バッテリと車両の他の構成要素との間の望ましくない電気的干渉を抑制する。
【0066】
本開示の主題は、特定の好ましい実施形態に関して本明細書に記載されているが、当業者は、本開示の主題に対して、その範囲から逸脱することなく、様々な修正および改善がなされ得ることを理解しうる。さらに、本開示の主題の1つの実施形態の個々の特徴は、本明細書で説明されるか、または1つの実施形態の図面に示されてもよく、他の実施形態では示されないが、1つの実施形態の個々の特徴は、別の実施形態の1つ若しくは複数の特徴、または複数の実施形態の特徴と組み合わされてもよいことが明らかである。
【0067】
以下に特許請求される特定の実施形態に加えて、本開示の主題は、以下に特許請求される従属する特徴と上記に本開示の特徴との任意の他の可能な組み合わせを有する他の実施形態にも関する。したがって、従属請求項に提示され、上記で開示された特定の特徴は、本開示の主題の範囲内で他の方法で互いに組み合わせることができ、本開示の主題は、任意の他の可能な組み合わせを有する他の実施形態にも具体的に関するものとして理解されるべきである。したがって、本開示の主題の特定の実施形態の前述の説明は、例示および説明の目的で提示された。網羅的であること、または本開示の主題を開示された実施形態に限定することは意図されていない。
【0068】
本開示の主題の精神または範囲から逸脱することなく、本開示の主題の方法およびシステムにおいてさまざまな修正および変形を行うことができることは、当業者には明らかであろう。したがって、本開示の主題は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内にある修正および変形を含むことが意図される。