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特許7275271ドレッシング装置および研削ツールをドレッシングするための方法
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  • 特許-ドレッシング装置および研削ツールをドレッシングするための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-09
(45)【発行日】2023-05-17
(54)【発明の名称】ドレッシング装置および研削ツールをドレッシングするための方法
(51)【国際特許分類】
   B24B 53/053 20060101AFI20230510BHJP
   B24B 53/00 20060101ALI20230510BHJP
   B24B 53/14 20060101ALI20230510BHJP
【FI】
B24B53/053
B24B53/00 C
B24B53/14
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021532082
(86)(22)【出願日】2019-11-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-27
(86)【国際出願番号】 DE2019101024
(87)【国際公開番号】W WO2020114553
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-06-04
(31)【優先権主張番号】102018130908.2
(32)【優先日】2018-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】515009952
【氏名又は名称】シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Schaeffler Technologies AG & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Industriestr. 1-3, 91074 Herzogenaurach, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ヴォイヴォーデ
(72)【発明者】
【氏名】ゲールハルト マール
(72)【発明者】
【氏名】トルステン ロート
【審査官】大光 太朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-071266(JP,A)
【文献】特開2001-162530(JP,A)
【文献】特開2013-158906(JP,A)
【文献】特開昭57-083363(JP,A)
【文献】米国特許第04073281(US,A)
【文献】独国特許発明第102015007023(DE,B3)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 53/053
B24B 53/00
B24B 53/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸(RA)を有する芯なしスルーフィード研削ツール(3)を輪郭付けし、研ぐためのドレッシング装置であって、前記回転軸(RA)の軸方向に互いにオフセットされている2つの回転可能なツール(4、5)、すなわち前記研削ツール(3)を輪郭付けするための輪郭付けツール(4)および前記研削ツール(3)を研ぐための研ぎツール(5)を備え、前記輪郭付けツール(4)が、前記研ぎツール(5)に対して相対的な位置を調整可能であり、
前記2つのツール(4、5)が、共通の回転軸(RP、RSc)を有し、前記2つのツール(4、5)は前記共通の回転軸(RP、RSc)に沿って互いに独立して変位可能であることを特徴とする、ドレッシング装置。
【請求項2】
前記2つのツール(4、5)が、互いに独立して回転可能であることを特徴とする、請求項1に記載のドレッシング装置。
【請求項3】
前記研ぎツール(5)が、切断材料としてコランダムを有することを特徴とする、請求項1または2に記載のドレッシング装置。
【請求項4】
回転軸(RA)を有する芯なしスルーフィード研削ツール(3)をドレッシングするための方法であって、輪郭付けるプロセスおよび研ぐプロセスを含み、両方のプロセスが、前記回転軸(RA)の軸方向に変位することで前記研削ツール(3)に対して接触及び離間される2つの回転可能なツール(4、5)、すなわち前記研削ツール(3)を輪郭付けするための輪郭付けツール(4)および前記研削ツール(3)を研ぐための研ぎツール(5)を有する単一のドレッシング装置(1)によって実行される方法で、前記2つのツール(4、5)が、共通の回転軸(RP、RSc)を有し、前記2つのツール(4、5)は、前記共通の回転軸(RP、RSc)に沿って互いに独立して変位することを特徴とする、方法。
【請求項5】
前記2つのツール(4、5)が、前記研削ツール(3)を同時に機械加工し、前記研削ツール(3)は立方晶窒化ホウ素(CBN)を含む研削ホイールであることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載の、研削ツールを輪郭付けし、研ぐために設計されたドレッシング装置に関する。本発明は、研削ツールをドレッシングするための方法にさらに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なタイプのドレッシング装置は、例えば、US4,073,281Aから既知である。請求項1の前提部の特徴部を示す既知のドレッシング装置の第1の変形例では、ドレッシングローラおよび研ぎローラが、共通の主軸に取り付けられる。US4,073,281Aによるドレッシング装置のさらなる変形例では(図8)、ドレッシングローラおよび研ぎローラは、相互に平行な軸を中心に回転し、両方のローラが、単一のベルトによって駆動される。この場合、軸方向のオフセットが、2つのローラ間に提供されることはない。US4,073,281Aによる装置は、立方晶窒化ホウ素(CBN)から作成される研削ホイールを機械加工するために特に好適であることが意図される。
【0003】
さらなるドレッシング装置がまたCBN研削ホイールを機械加工するために提供され、US4,259,940Aにおいて開示される。ドレッシングのために提供されるローラ(ツルーイングホイール)は、本明細書においてある回転方向に回転することができる。さらに、US4,259,940Aによる装置は、仕上げのためのローラ(ドレッシングロール)を備え、これが加工に使用される場合、反対の方向に回転する。2つの加工ツール、すなわち、ローラおよびロールは、共通の作業用主軸上で互いに隣り合わせで締結される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、前述の先行技術と比較して、研削ツール、特に立方晶窒化ホウ素に基づく研削ホイールを機械加工するためにさらに発展し、有効であり、および多様なオプションを詳細に述べることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、この目的は、請求項1の特徴を有するドレッシング装置によって達成される。この目的はまた、請求項9に記載の研削ツールをドレッシングするための方法によっても達成される。ドレッシング方法に関連して以下に説明される本発明の構成および利点はまた、ドレッシング装置にも同様に適用され、逆も同様である。
【0006】
ドレッシングは、研削ツールを輪郭付けすること、および研ぐことの組み合わせを意味すると理解される。それに応じて、言わば既知の基本的な概念において、ドレッシング装置は、2つの回転可能なツール、すなわち輪郭付けツールおよび研ぎツールを備える。ツールは、互いに対して平行な回転軸を有し、これはまた回転軸の固有性を含む。ツールは、回転軸の軸方向に互いにオフセットされる。本発明によれば、輪郭付けツールは、研ぎツールに対して位置を調整可能であり、少なくともツールの共通の軸方向の、これらのツール間の調節機能が好ましくは存在する。
【0007】
ドレッシング装置の実施形態によって、2つのツール間の調節機能は、研削ホイールを連続してドレッシングし、かつ研ぐか、研削ツールの異なる表面積において、輪郭付けツールおよび研ぎツールを同時に使用するかのいずれかで使用することができる。
【0008】
1つの可能な実施形態によれば、2つのツール、すなわち輪郭付けツールおよび研ぎツールは、共通の回転軸を有し、この回転軸に沿って、輪郭付けツールおよび研ぎツールが互いに対して位置を調整可能である。この場合、2つのツール間の回転不能な結合は、解除することができ、または最初から提供されない場合がある。特に、これはツールのうちの一方が駆動されている間、他方は停止している。
【0009】
互いに関してツールの配置が独立することで、ツールドライブが実装されて、一方のツールの速度を他方のツールの速度に対して変化させることが可能となり得る。例えば、各ツールは、この目的のためにそれ自体の電動機によって駆動される。ドレッシング装置の2つのツールが互いに平行な非同一回転軸を有する場合、これらの回転軸は、好ましくは互いに関して位置を調整可能である。
【0010】
第1の変形例によれば、ツールの回転軸は、各動作状態において、研削ツールの回転軸と共通の平面内にある。この場合、輪郭付けツールの回転軸と研削ツールの回転軸との間の距離、および研ぎツールと研削ツールの回転軸との間の距離は両方とも、好ましくは変更可能である。
【0011】
第2の変形例によれば、輪郭付けツールの回転軸は、研削ツールの回転軸とともに第1の平面内にあり、一方で研ぎツールの回転軸は、研削ツールの回転軸とともに第2の平面内にあり、例えば、45°未満の角度、特に30°未満の角度などの鋭角が、2つの平面の間に含まれる。輪郭付けツールの回転軸と研削ツールの回転軸との間の調節機能は、例えば、ドレッシング装置のツールの2つの回転軸が、関連する平面内で変位可能であるように提供される。代替的にまたは加えて、2つの平面が互いに対して枢動可能であり、研削ツールの回転軸は、枢動軸を表すという実施形態を実装することもまた可能である。
【0012】
ドレッシング装置の研ぎツールは、例えば、切断材料としてコランダムを有する。加工される研削ツールは、好ましくは、セラミック接合された立方晶窒化ホウ素を含有する。
【0013】
本発明による方法は、概して、輪郭付けのプロセスおよび研ぐプロセスを含み、両方のプロセスは、輪郭付けツールおよび研ぎツールを有するドレッシング装置によって実行され、ツールは研削ツールに対して供給され、かつ前進する。供給方向は、前進方向と直角を形成する。2つのツールの場合、供給および前進の変量のうちの少なくとも1つは、異なって設定される。
【0014】
ドレッシング装置は、芯なしスルーフィード研削のための機械加工研削ツールに特に好適である。輪郭付けすることと、研ぐこととの組み合わせは、早い段階で研ぐことが可能なツールを有する研削システムを提供する。研削ツールのより長い自由研削に依存する従来の方法と比較して、本発明によるドレッシング装置は、自由研削の大幅な短縮または実に省略も可能にする。ドレッシングに統合される研ぎツールによる研ぐプロセスの結果として、可変的に使用され、および輪郭付けツールと同時に、または輪郭付けツールとは独立して、任意選択的に使用することができ、主に接合構成要素は、研削ツールから除去される。これは、研削ツールの深さの効果的な粗さを増加させ、被加工物が低い研削力で機械加工されることを可能にする。
【0015】
以下では、本発明の3つの例示的な実施形態が、図面を用いてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】加工されるドレッシング装置の構成要素、ならびに研削ツールを平面図で示す。
図2図1による配置を斜視図で示す。
図3】ドレッシング装置の第2の例示的な実施形態を、図1および図2に類似する図で示す。
図4】ドレッシング装置の第2の例示的な実施形態を、図1および図2に類似する図で示す。
図5】ドレッシング装置の第3の例示的な実施形態を図1および図2と類似する図で示す。
図6】ドレッシング装置の第3の例示的な実施形態を図1および図2と類似する図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
特に明記しない限り、以下の説明は、全ての例示的な実施形態に関連する。全ての図において、相互に対応する部品または基本的に同じ効果を有する部品には同じ参照符号が付されている。同じことが、幾何学的構造の識別にも適用される。
【0018】
図では、研削ツール3が示され、これはセラミック接合された立方晶窒化ホウ素(CBN)から作成される。研削ツール3をドレッシングするために、ドレッシングデバイス1が使用されるが、そのうち2つのツール4、5、すなわち輪郭付けツール4および研ぎツール5が示される。輪郭付けツール4は、回転軸RPを中心に回転可能であり、研ぎツール5は、回転軸RScを中心に回転可能である。研削ツール3の回転軸は、RAとして表示される。全ての回転軸RA、RP、RScは、全ての例示的な実施形態および全ての動作状態において、互いに平行に位置合わせされる。
【0019】
図1および図2による例示的な実施形態では、回転軸RP、RScは、幾何学的に一致する。2つのツール4、5は、互いに独立して移動する。ドレッシング装置1の各ツール4、5は、それ自体の電気駆動装置を有する。ツール4、5は、共通の回転軸RP、RScに沿って互いに独立して変位可能である。ツール4、5の回転軸RP、RScと研削ツール3の回転軸RAとの間の距離は、調整可能である。
【0020】
図1および図2による実施形態では、ツール4、5のうちの一方のみが、研削ツール3を機械加工するために好ましくは使用され、一方で他方のツール5、4は、依然として待機位置にある。
【0021】
図3および図4による例示的な実施形態では、軸方向距離の調節は、ドレッシング装置1のツール4、5間に提供されない。反対に、回転軸RP、RScは、互いに平行に変位可能である。図3および図4による構成では、回転軸RP、RScは、一致する。この構成に基づいて、2つのツール4、5のうちの一方のみが回転軸RAの径方向に研削ツール3上へ移動することが可能である。関連するツール4、5が次いで回転軸RP、RScの縦方向に移動する場合、他方のツール5、4はまた、軸方向のこの移動を実行し、依然として研削ツール3との係合の外にあり得る。修正された方法の実行において、図3および図4によるドレッシング装置1を使用して、ツール4、5を研削ツール3と同時に係合させる、すなわち、同期して動作させたツール4、5により単一の通過で研削ツール3を輪郭付けする、および研ぐことがまた可能である。
【0022】
図5および図6は、例示的な実施形態を示し、ツール4、5は、離間した回転軸RP、RScを中心に回転可能であり、これらの回転軸RP、RScに沿って互いに独立して移動可能である。ドレッシング装置1の各回転軸RP、RScは、研削ツール3の回転軸RAに関して位置を調整可能である。
【0023】
図5および図6による設計では、第1の平面は、回転軸RA、RPによって画定される。第2の平面は、回転軸RA、RScによって画定される。鋭角が、回転軸RAと交差するこれらの平面間に形成され、例示的な実施形態では、30度未満である。
【0024】
全ての設計では、実行されるツール4、5の制御および同期は、ドレッシング装置1の機械制御を介して達成される。研ぎツール5は、切断材料としてコランダムを含有し、また研削ツール3を洗浄するために使用され得る。
【符号の説明】
【0025】
1 ドレッシング装置
3 研削ツール
4 輪郭付けツール
5 研ぎツール
RA 研削ツールの回転軸
RP 輪郭付けツールの回転軸
RSc 研ぎツールの回転軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6