(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-09
(45)【発行日】2023-05-17
(54)【発明の名称】フィルタのためのデバイス、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
B01D 39/20 20060101AFI20230510BHJP
【FI】
B01D39/20 A
(21)【出願番号】P 2021537840
(86)(22)【出願日】2019-12-24
(86)【国際出願番号】 US2019068491
(87)【国際公開番号】W WO2020139894
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2022-01-12
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500013898
【氏名又は名称】モット・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ボルイト ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト ウェイン
(72)【発明者】
【氏名】ビューン アレン
(72)【発明者】
【氏名】モハンラム アラヴィンド
(72)【発明者】
【氏名】ローゼンバーガー ジョン イー.
【審査官】瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-514493(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0211411(US,A1)
【文献】実開平02-017210(JP,U)
【文献】特開平05-154322(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 23/00-35/04;35/08-37/08
B01D 39/00-41/04
B01D 46/00-46/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタであって、
金属繊維媒体を含む多孔質の細長い本体であって、開放されている第1の端、閉鎖されている第2の端、および多孔質側壁であって、それを通って流れる流体を濾過するように構成された、多孔質側壁を有する、多孔質の細長い本体と、
前記第1の端から前記第2の端まで延在するダクトと、を備え、
前記多孔質の細長い本体が、前記第1の端から、前記ダクト内に、前記多孔質側壁を横切る流路を画定
し、
前記多孔質の細長い本体が、1つ以上の金属繊維媒体の圧延シートと、金属繊維媒体の前記圧延シートの端に沿った第1のシーム溶接部と、前記多孔質の細長い本体に沿って延在する長手方向軸を中心として、前記第1のシーム溶接部から実質的に180度オフセットされた、前記多孔質の細長い本体に沿った第2のシーム溶接部と、を備える、フィルタ。
【請求項2】
前記第2の端に固体プレートをさらに備える、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項3】
前記多孔質の細長い本体の前記第1の端の周囲に接続されたフェルールをさらに備える、請求項2に記載のフィルタ。
【請求項4】
前記多孔質側壁を横切る前記流路を通る流体の流れが
、10ポンド/平方インチ未満の圧力差を含む、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項5】
フィルタシステムであって、
複数の多孔質の細長い本体であって、各々が、金属繊維媒体を含み、各々が、開放されている第1の端、閉鎖されている第2の端、前記第1の端から前記第2の端まで延在するダクトを有し、前記多孔質の細長い本体が、前記第1の端から、前記ダクト内に、多孔質側壁を横切る流路を画定する、複数の多孔質の細長い本体と、
前記複数の多孔質の細長い本体の周囲に配設された、入口および出口を有するハウジングと、を備え、
前記複数の多孔質の細長い本体は、各第1の端が、前記入口に向かって配向され、各第2の端が、前記出口に向かって配向されるように、前記ハウジング内に平行に配設されてい
て、
少なくとも1つの前記多孔質の細長い本体が、1つ以上の金属繊維媒体の圧延シートと、金属繊維媒体の前記圧延シートの端に沿った第1のシーム溶接部と、前記多孔質の細長い本体に沿って延在する長手方向軸を中心として、前記第1のシーム溶接部から実質的に180度オフセットされた、前記多孔質の細長い本体に沿った第2のシーム溶接部と、を備える、フィルタシステム。
【請求項6】
前記複数の多孔質の細長い本体の各々が、前記第2の端に固体プレートをさらに含む、請求項
5に記載のフィルタシステム。
【請求項7】
前記固体プレートの各々が、前記ハウジングの出口ブレースに接続されている、請求項
6に記載のフィルタシステム。
【請求項8】
前記複数の多孔質の細長い本体の各々が、前記第1の端の周囲に接続されたフェルールをさらに含む、請求項
5に記載のフィルタシステム。
【請求項9】
前記フェルールの各々が、前記ハウジングの入口ブレースに接続されている、請求項
8に記載のフィルタシステム。
【請求項10】
前記入口から前記出口を通る前記フィルタシステムを通る流体の流れが、500標準リットル/分を超える流量、およ
び10ポンド/平方インチ未満の圧力差を含む、請求項
5に記載のフィルタシステム。
【請求項11】
フィルタを製造する方法であって、
1つ以上の薄いシート
を多孔質の細長い本体に圧延し、それにより、
1つ以上の前記シートの一部分がそれ自体に重なり合って存在し、前記一部分が
、8分の1インチである、圧延することと、
前記多孔質の細長い本体の前記一部分をシーム溶接することと、
前記多孔質の細長い本体の長手方向軸を中心として、実質的に180度オフセットされて、前記多孔質の細長い本体の長さに沿ってシーム溶接することと、を含
み、
それにより、前記多孔質の細長い本体が、1つ以上の金属繊維媒体の圧延シートと、金属繊維媒体の前記圧延シートの端に沿った第1のシーム溶接部と、前記多孔質の細長い本体に沿って延在する長手方向軸を中心として、前記第1のシーム溶接部から実質的に180度オフセットされた、前記多孔質の細長い本体に沿った第2のシーム溶接部と、を備える、方法。
【請求項12】
前記多孔質の細長い本体の第1の端を中心として、コネクタをシーム溶接することをさらに含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記多孔質の細長い本体の第2の端で固体プレートをシーム溶接することをさらに含む、請求項
11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、濾過の分野に関する。特に、本開示は、金属繊維媒体の多孔質体を通る高流量および低圧力差に関する濾過デバイス、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
流体流を提供する供給ラインは、流体が処理に使用される前に濾過を必要とし得る。入口からの流体の初期圧力は、処理のために最終的な出口で供給される圧力よりも実質的に高い場合がある。バルクフィルタなどのような従来のフィルタは、多くの場合、流体流を実質的に妨げ得る粉末金属ベースである、より密度の高い媒体を使用するか、または低い圧力降下を達成するために表面積を増加させるためのプリーツ加工などの追加のコーティング層および/もしくは追加の処理戦略を必要とする。これらのフィルタはまた、高流量に適応することができない可能性がある、および/または直列に配置された複数のフィルタを必要とする可能性があるため、小径および短い長さでは、効果がない場合がある。これらのフィルタによって引き起こされる圧力降下は、処理のために望ましくない場合があり、所望の高流量を維持するためにシステムに追加される追加のエネルギーおよびコストを必要とし得る。
【0003】
様々な有利な流れおよび濾過性能結果が、望ましくない圧力差なしで、入口および出口の両方における望ましい流量を可能にする、本開示の濾過デバイス、システム、および方法によって実現され得る。
【発明の概要】
【0004】
本開示の実施形態は、概して、大幅な圧力降下または流量損失なく流体濾過を補助し得る。一実施形態では、フィルタは、多孔質の細長い本体を含み得る。多孔質の細長い本体は、金属繊維媒体を含み得、開放されている第1の端、閉鎖されている第2の端、および多孔質側壁であって、それを通って流れる流体を濾過するように構成された、多孔質側壁を有し得る。ダクトが、第1の端から第2の端まで延在し得る。多孔質の細長い本体が、第1の端から、ダクト内に、多孔質側壁を横切る流路を画定し得る。固体プレートが、第2の端にあり得る。フェルールが、多孔質の細長い本体の第1の端の周囲に接続され得る。多孔質の細長い本体は、金属繊維媒体の圧延シートを含み得る。第1のシーム溶接部が、金属繊維媒体の圧延シートの端に沿って延在し得る。第2のシーム溶接部が、多孔質の細長い本体に沿って延在する長手方向軸を中心として、第1のシーム溶接部から実質的に約180度オフセットされて、多孔質の細長い本体に沿い得る。多孔質側壁を横切る流路を通る流体の流れが、約10ポンド/平方インチ未満の圧力差を含み得る。
【0005】
別の態様では、フィルタシステムが、複数の多孔質の細長い本体を含み得、各々が、金属繊維媒体を含む。各本体が、開放されている第1の端、閉鎖されている第2の端、第1の端から第2の端まで延在するダクトを有し得、第1の端から、ダクト内に、多孔質側壁を横切る流路を画定し得る。ハウジングが、複数の多孔質の細長い本体の周囲に配設された、入口および出口を有し得る。複数の多孔質の細長い本体は、各第1の端が、入口に向かって配向され、各第2の端が、出口に向かって配向されるように、ハウジング内に平行に配設され得る。複数の多孔質の細長い本体の各々が、第2の端に固体プレートを含み得る。固体プレートの各々が、ハウジングの出口ブレースに接続され得る。複数の多孔質の細長い本体の各々が、第1の端の周囲に接続されたフェルールを含み得る。フェルールの各々が、ハウジングの入口ブレースに接続され得る。複数の多孔質の細長い本体の各々が、金属繊維媒体の圧延シートを含み得る。複数の多孔質の細長い本体の各々が、金属繊維媒体の圧延シートの端に沿った第1のシーム溶接部を含み得る。複数の多孔質の細長い本体の各々が、多孔質の細長い本体に沿って延在する長手方向軸を中心として、第1のシーム溶接部から実質的に約180度オフセットされている第2のシーム溶接部を含み得る。入口から出口を通るフィルタシステムを通る流体の流れが、500標準リットル/分を超える流量、および約10ポンド/平方インチ未満の圧力差を含み得る。
【0006】
別の態様では、フィルタを製造する方法は、複数の金属繊維を第1の薄いシートに圧縮することを含み得る。第1の薄いシートが、切断され得る。第1の薄いシートが、シートの一部分がそれ自体に重なり合って存在するように、第1の多孔質の細長い本体に圧延され得る。一部分が、約8分の1インチであり得る。多孔質の細長い本体の一部分が、シーム溶接され得る。シーム溶接することが、多孔質の細長い本体の長手方向軸を中心として、実質的に180度オフセットされて、多孔質の細長い本体の長さに沿い得る。コネクタが、多孔質の細長い本体の第1の端の周囲にシーム溶接され得る。固体プレートが、多孔質の細長い本体の第2の端にシーム溶接され得る。第2の薄いシートが、多孔質の細長い本体の周囲に配設され得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示の非限定的な実施形態は、添付図を参照して例として説明され、図は、概略的であり、縮尺どおりに描かれるように意図されない。図では、例示される各同一またはほぼ同一の構成要素は、典型的には、単一の数字によって表される。明確化の目的で、全ての構成要素が全ての図で符号付けされているわけではなく、当業者が本開示を理解することを可能にするために例示が必要ではない場合、各実施形態の全ての構成要素が示されるわけでもない。
【0008】
【
図1】本開示の一実施形態による、フィルタを例示する。
【
図2】本開示の一実施形態による、フィルタの端部分を例示する。
【
図3A】本開示の一実施形態による、複数の多孔質の細長い本体を含むフィルタシステムの軸方向図を例示する。
【
図4】本開示の一実施形態による、フィルタを製造する方法を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、説明された特定の実施形態に限定されない。本明細書に使用される用語は、単に特定の実施形態を説明する目的であり、添付の特許請求の範囲を越えて制限するように意図されていない。別途定義されない限り、本明細書に使用される全ての技術用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。
【0010】
本明細書に使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明示的に別様に示さない限り、複数形も含むように意図される。「含む(comprises)」および/もしくは「含む(comprising)」、または「含む(includes)」および/もしくは「含む(including)」という用語は、本明細書に使用されるとき、記載された特徴、領域、工程、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、領域、整数、工程、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除しない。
【0011】
本明細書に使用される場合、接続詞「および(and)」は、文脈が別途明確に示さない限り、そのように接続される構造、構成要素、特徴などの各々を含み、接続詞「または(or)」は、文脈が別途明確に示さない限り、そのように接続される構造、構成要素、特徴などの一方または他方を、単独で、かつ任意の組み合わせおよび数で含む。
【0012】
全ての数値は、本明細書では、明示的に示されるか否かにかかわらず、「約(about)」という用語によって修飾されるとみなされる。「約」という用語は、数値の文脈において、概して、当業者が列挙された値に相当する(すなわち、同じ機能または結果を有する)と考慮する数の範囲を指す。多くの事例では、「約」という用語は、最も近い有効数字に丸められた数を含み得る。「約」という用語の他の使用(すなわち、数値以外の文脈における)は、別途指定されない限り、本明細書から理解され、本明細書の文脈と一致するように、それらの通常の慣習的な定義(複数可)を有するとみなされ得る。終点による数値範囲の列挙は、終点を含む、その範囲内の全ての数を含む(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、および5を含む)。
【0013】
本明細書における「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」などに対する参照は、説明される実施形態(複数可)が、特定の特徴、構造、または特性を含み得るが、全ての実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、または特性を含んでいなくてもよいことを示すことに留意されたい。さらに、そのような語句は、必ずしも同じ実施形態を指すものではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が一実施形態に関連して説明されるとき、明示的に説明されるか否かにかかわらず、反対に明示的に記載されない限り、他の実施形態に関連するそのような特徴、構造、または特性に影響を及ぼすことは、当業者の知識の範囲内である。つまり、以下に説明される様々な個々の要素は、特定の組み合わせで明示的に示されていなくても、それにもかかわらず、当業者によって理解されるように、他の追加の実施形態を形成するか、または説明される実施形態(複数可)を補完および/もしくは拡充するために、互いに組み合わせ可能または配置可能であるものとして企図される。
【0014】
プロセスに使用される液体は、使用可能な製品形態になる前に濾過される必要がある場合がある。そのような流体は、比較的高い供給流量、例えば、濾過中に望ましくない圧力降下を引き起こし得る、200,000標準リットル/分(SLPM)を有し得る。
流入の供給点から使用点までの濾過は、濾過システムにわたる顕著な圧力降下に起因する流量を妨げ得る、直列に配置された1つ以上のフィルタを含み得る。処理流量(例えば、500SLPM以上)および必要な圧力は、従来の濾過システムと関連付けられた圧力降下のため、達成不可能である場合がある。粒子保持要件を満たすが、望ましい流量および低い圧力降下を維持しようとする従来の材料(例えば、粉末金属多孔質媒体および/または緩い繊維チューブ)を使用するフィルタは、大きい濾過面積を必要とし得る。従来の材料は、製造プロセスの制限および媒体自体の性能の制限に起因して、サイズが制限される(例えば、直径が約0.5インチ(12.7mm)以下、長さが約15インチ(381mm)以下、または直径が約1インチ(25.4mm)以下、長さが約3インチ(76.2mm)以下など)。これらのフィルタは、本明細書の本開示に説明される実施形態よりも、流体流路内により多くの媒体、より大きい濾過面積、より多くの機器、および/またはより大きいフットプリントを必要とし得る。
【0015】
本開示の様々な実施形態は、金属繊維濾過媒体の使用を行う。いくつかの実施形態では、使用される媒体は、効率的な濾過シートであり、金属繊維で作製される。金属繊維媒体は、圧縮され、薄いシートに焼結される、多数の小さい(例えば、直径1.5μmの)金属繊維を含み得る。シートは、例えば、約4%の金属および約96%の空隙で構成され得る。そのような薄い金属シートは、約50,000SLPMを超える流体流量および約3.0psi未満のシート全体の圧力降下、または約500SLPMを超える流量および約10psi未満のシート全体の圧力降下に適応し得る。これらおよび他の薄い金属シートは、本明細書に説明される実施形態で操作および/または使用され得る。様々な実施形態は、多孔質体を画定するために軸方向に圧延された1つ以上の金属繊維層を含む多孔質体を含む。そのような多孔質体で構成されたフィルタは、金属繊維シートの粒子保持特性および低密度が単位面積当たりのより高い流量を提供し、かつ流量面積(例えば、以下に説明されるように、
図1のA
flow=πdL)がLおよびdを増加させることによって容易に増加し得るため、従来のフィルタの3倍以上の流量を達成し得る。
【0016】
図1を参照すると、金属繊維媒体で構成された多孔質フィルタの細長い本体100を含む、本開示によるフィルタ用のシステムの実施形態が例示される。細長い本体100は、開放されている第1の端102と、閉鎖されている第2の端104と、第1の端102から第2の端104まで延在するダクトと、を有する。細長い本体100は、それを通って流れる流体を濾過するように構成された多孔質側壁を有する。
図1では、この側壁は、実質的に円筒形であり、本体100の長さに沿って延在する。第1の端102は、流体をダクトに受容するために開放されている。フェルール106が、細長い本体100の第1の端102の周囲に接続され、第1の端102が供給ラインに流体連結されるように、フィルタを流体の供給ラインと接続することを補助し得る。多孔質の細長い本体100は、第1の端102から、ダクト内に、細長い本体100の多孔質側壁を横切る、流体用の流路を画定する。細長い本体100の第2の端104は、流体が第2の端104から外にダクトから出ることを実質的に防止する固体プレート108を含む。第2の端104が固体プレート108を用いて閉塞されるため、ダクトを通る流体の流れは、多孔質の細長い本体100の側壁を横切ることを強制される。代替的に、固体プレート108は、それを横切る流体の流れも可能にし得る多孔質プレートを含み得る。フィルタの実施形態は、約1インチ(25.4mm)~約36インチ(914.4mm)であり得る長さLと、約0.5インチ(12.7mm)~約4インチ(101.6mm)であり得る直径dとを有する多孔質の細長い本体を含み得る。
【0017】
図2を参照すると、圧延金属繊維シートである多孔質フィルタの細長い本体200を含む、本開示によるフィルタ用のデバイスの実施形態の端部分が例示される。一実施形態では、細長い本体200は、本体200の多孔質側壁に圧延されるシートを含む。シートは、細長い本体200を構成するシートの端に沿って重なり合う領域202が存在するように圧延される。重なり合う領域202内の細長い本体200のシートの重なり合う量は、製造許容範囲および精度に依存して変化し得、例えば、約0.125インチ(3.175mm)であり得る。第1のシーム溶接部210は、細長い本体200の多孔質側壁を横切って流れることなく、多孔質の細長い本体200内のダクトから相当量の流体が出ることができないように、重なり合う領域202の長さに沿って延びる。第2のシーム溶接部212は、多孔質の細長い本体200の長さに沿って延在し、細長い本体200を通って延在する長手方向軸1を中心として、第1のシーム溶接部210から約180度オフセットされている。第2のシーム溶接部212は、細長い本体200に沿って第1のシーム溶接部210を配設するときに生じた任意の曲げから、長手方向軸に沿って細長い本体200を実質的に直線状にする。固体プレート208は、細長い本体200の端上に配設される。固体プレート208は、第3のシーム溶接部214によって細長い本体200の端204に取り付けられる。固体プレート208は、ダクト内から細長い本体200の端204から外への流体流路を実質的に防止する。
【0018】
図3Aおよび
図3Bを参照すると、多数の多孔質フィルタの細長い本体300を収容するハウジング310を含む、本開示によるフィルタ用のシステムの実施形態が例示される。多孔質の細長い本体300は、各々、金属繊維媒体で構成され、各々、開放されている第1の端302と、閉鎖されている第2の端304と、第1の端302から第2の端304まで延在するダクト301と、を有する。各細長い本体300の第1の端302は、ハウジング310の入口ブレース318に接続されたフェルール306を含む。各細長い本体300の第2の端304は、ハウジング310の出口ブレース320と位置合わせする1/8インチのロッドである位置決めピン322を有する固体プレート308を含む。入口ブレース318は、フェルール306のための多数の開口を含み、例えば、約12インチなどの全体的な直径を有し得る。ブレース318、320は、各細長い本体300の開放端に流体の流れを強制する圧力境界である。ハウジング310は、任意選択的に、入口ブレース318と出口ブレース320との間に延在し、それらを支持する支持ブレース316を含む。多孔質の細長い本体300は、好ましくは、各第1の端302がハウジング310の入口312に向かって実質的に配向されるように、ハウジング310内に平行に設置される。各細長い本体300は、ハウジング310の長手方向軸1と実質的に平行に延在する。細長い本体300の各第1の端302は、長手方向軸1と実質的に横断する実質的に平面内にある。細長い本体300の各第2の端304は、ハウジング310の出口314に向かって配向される。細長い本体300の各第2の端304は、長手方向軸1と実質的に横断する実質的に平面内にある。このシステムを通る流体流路は、入口312を通って、多数の第1の端302内に、ダクト301内に、多孔質の細長い本体300の側壁を横切って、出口314を通って延在する。多数の多孔質の細長い本体300は、1つの多孔質本体300が単独で濾過し得るよりも、ハウジング310の入口312内へのより大きい体積の流体を可能にする。追加的に、ハウジング310内の平行体300は、従来のフィルタと比較したときに、流体流量および圧力を実質的に維持することができる。そのような配置はまた、設置に必要なシステムのフットプリントを低減し得る。
【0019】
図4を参照すると、金属繊維を薄いシートに圧縮および焼結することを含み得る、本開示の一実施形態によるフィルタを製造する方法が例示される。薄いシートは、多孔質の細長い本体を作成するために望ましいサイズに切断され得る。シートは、実質的に湾曲したおよび/または円筒の形状であり得る多孔質の細長い本体に圧延され得る(400)。圧延シートは、シートの一部分自体が重なり合い得る。重なり合う部分が、シーム溶接され得る(402)。溶接厚さに対するシート厚さの比率が非常に小さいため、シート溶接部は、シートの全体的な形状に影響を及ぼし得る。例えば、細長い本体の長さに沿った重なり合う部分上のシーム溶接部は、細長い本体の全体的な形状を、実質的に直線配向から曲がったおよび/または撓んだ配向に変形、曲げ、および/または撓み得る。追加のシーム溶接部は、実質的に直線配向の多孔質の細長い本体の長手方向軸を中心として、実質的に180度オフセットされて、細長い本体に沿って溶接され得る(404)。追加のシームは、細長い本体を変形された形状から実質的に直線形状に再配向し得る。固体プレートが、細長い本体の端にシーム溶接され得る(406)。コネクタが、細長い本体の別の端にタック溶接され得る(408)。第2の薄いシートが、細長い本体の周囲に配設され得る(410)。
【0020】
様々な実施形態では、多孔質の細長い本体は、薄い金属繊維シートで構成され得る。これらのシートは、それらの長さおよび/または直径に対して、それらの比較的小さい壁厚および小さい質量のため、繊細であり得る。繊細なシートの長さに沿ってシーム溶接を適用して、多孔質の細長い本体を作成することは、細長い本体の一部分に対する熱および質量の追加のため、細長い本体を変形させ得る。1つ以上の追加のシーム溶接が、任意の望ましくない変形を実質的に相殺するために、細長い本体の他の部分に適用され得る。様々な実施形態では、特定の種類の溶接(例えば、シーム溶接、タック溶接など)を具体的に参照するが、そのような溶接は、追加的または代替的に、ろう付け、レーザ溶接、アーク溶接、電子ビーム溶接、または他の同様の金属接合技術を含み得る。
【0021】
本開示の実施形態が実装され得る例示的なデバイス、システム、および方法としては、限定されるものではないが、米国特許第7,112,234号、および米国特許出願第15/395,528号に説明されるものが挙げられ、これらの各々は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。そこに説明される例示的なデバイスは、本開示の実施形態または特徴を組み込むように修正され得る。
【0022】
本明細書に開示および特許請求されるデバイスおよび/または方法の全ては、本開示に照らして過度の実験なしに作製および実行され得る。本開示のデバイスおよび方法は、好ましい実施形態の観点から説明されてきたが、変形が、本開示の概念、趣旨、および範囲から逸脱することなく、デバイスおよび/または方法、ならびに本明細書に説明される方法の工程または工程の順序に適用され得ることは、当業者には明らかであり得る。当業者に明らかな、そのような同様の代替例および修正例は、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の趣旨、範囲、および概念内であるとみなされる。