(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-09
(45)【発行日】2023-05-17
(54)【発明の名称】ソースアクセスノード、ターゲットアクセスノード、および拡張ハンドオーバの方法
(51)【国際特許分類】
H04W 36/18 20090101AFI20230510BHJP
H04W 76/18 20180101ALI20230510BHJP
H04W 92/20 20090101ALI20230510BHJP
【FI】
H04W36/18
H04W76/18
H04W92/20
(21)【出願番号】P 2021547534
(86)(22)【出願日】2020-02-13
(86)【国際出願番号】 SE2020050156
(87)【国際公開番号】W WO2020167230
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2021-11-01
(32)【優先日】2019-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【氏名又は名称】藤井 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100150670
【氏名又は名称】小梶 晴美
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー, ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】ペーション, クラース-ヨーラン
(72)【発明者】
【氏名】ワレンティン, ポントス
【審査官】篠田 享佑
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/031110(WO,A1)
【文献】Nokia, Nokia Shanghai Bell,Report from [104#61][LTE/feMOB] Solution directions for minimizing user data interruption for UL/DL (Nokia)[online],3GPP TSG RAN WG2 #105 R2-1900619,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_105/Docs/R2-1900619.zip>,2019年02月13日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)のハンドオーバに関連するソースアクセスノードによって実施される方法であって、
ターゲットアクセスノードに、前記ターゲットアクセスノードが拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバを要求する第1の明示的インジケータを含む、最初のハンドオーバ準備メッセージを伝送すること(501、511)と、
前記要求された拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバを許容または拒否する第2の明示的インジケータを含む、ハンドオーバ準備応答メッセージを前記ターゲットアクセスノードから受信すること(502、512)と、
前記ハンドオーバ準備応答メッセージから、前記拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバに関連する前記ターゲットアクセスノードの能力を学習すること(503)と、
拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバの拒否または非対応を示す前記ハンドオーバ準備応答メッセージを前記ターゲットアクセスノードから受信すると、可能なフォールバックメカニズムを選択すること(506、513)と、を含む、方法。
【請求項2】
前記要求された拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバの失敗または拒否の場合、前記ターゲットアクセスノードに所望のフォールバックを通知すること(504)を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ターゲットアクセスノードの前記能力が、要求された拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバの成功応答または失敗応答に基づいて学習される、請求項
1に記載の方法。
【請求項4】
前記可能なフォールバックメカニズムを選択すること(506)が、前記所望のフォールバックおよび/または前記ターゲットアクセスノードの学習した前記能力を考慮に入れる、請求項2
または3に記載の方法。
【請求項5】
前記ソースアクセスノードが、前記ターゲットアクセスノードに前記所望のフォールバックを通知し、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバに対する前記第1の明示的インジケータおよび前記所望のフォールバックメカニズムに対するインジケータが、前記最初のハンドオーバ準備メッセージの単一の情報要素で組み合わされる、請求項2から
4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の明示的
インジケータが、ソースからターゲットに伝送される前記最初のハンドオーバ準備メッセージの追加情報として追加される、請求項1から
5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の明示的
インジケータが、ソースからターゲットにシグナリングされる無線リソース制御(RRC)コンテキストに含まれる、請求項1から
6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の明示的
インジケータがハンドオーバ要求メッセージに追加される、請求項1から
7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記可能なおよび/または所望のフォールバックが、レガシーハンドオーバへのフォールバック、リリース14のメイク・ビフォア・ブレークハンドオーバへのフォールバック、およびハンドオーバ要求の拒否のうち1つもしくは複数を含む、請求項1から
8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバ要求の拒否の場合、前記ターゲットアクセスノードからの選択された可能なフォールバックメカニズムの通知を受信すること(505)を更に含む、請求項1から
9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記可能なフォールバックメカニズムを選択すること(506)が前記通知を考慮に入れる、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
ソースアクセスノードからターゲットアクセスノードへのユーザ機器(UE)のハンドオーバに関連する前記ターゲット
アクセスノードによって実施される方法であって、
拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバを要求する前記ソースアクセスノードからの第1の明示的インジケータを含む、最初のハンドオーバ準備メッセージを受信すること(601、611)と、
前記拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバ要求を許容または拒否する第2の明示的インジケータを含むハンドオーバ準備応答メッセージを用いて、前記ソースアクセスノードによって伝送された前記最初のハンドオーバ準備メッセージに応答すること(605、615)と、を含
み、
前記ソースアクセスノードにおいて、前記ハンドオーバ準備応答メッセージから、前記拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバに関連する前記ターゲットアクセスノードの能力が学習され、
前記ソースアクセスノードにおいて、前記拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバの拒否または非対応を示す前記ハンドオーバ準備応答メッセージを前記ターゲットアクセスノードから受信すると、可能なフォールバックメカニズムが選択される、
方法。
【請求項13】
前記拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバの失敗または拒否の場合、可能なフォールバック方法を選択すること(603、614)と、
前記拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバ要求の失敗または拒否の場合、前記ソースアクセスノードに前記選択された
可能なフォールバック方法を通知すること(604)と、を更に含む、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
前記拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバ要求を拒否する第2のインジケータと、選択された可能なフォールバック方法のインジケータとを含む、ハンドオーバ準備応答メッセージを用いて前記ソースアクセスノードに応答する、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
応答することが、明示的な拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバインジケータを、前記ソースアクセスノードに転送されるRRC HandoverCommandメッセージに挿入することを含む、請求項
12から
14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記要求された拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバの失敗または拒否の場合、前記ソースアクセスノードから所望のフォールバックの通知を受信すること(602)を更に含む、請求項
12から
15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
可能なフォールバックメカニズムを選択すること(613)が前記受信した通知を考慮に入れる、請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つのプロセッサで実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに、前記ソースアクセスノードまたは前記ターゲットアクセスノードそれぞれによって実施されるような、請求項1から
17のいずれか一項に記載の方法を実施させる命令を備える、コンピュータプログラム。
【請求項19】
少なくとも1つのプロセッサで実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに、前記ソースアクセスノードまたは前記ターゲットアクセスノードそれぞれによって実施されるような、請求項1から
17のいずれか一項に記載の方法を実施させる命令を備えるコンピュータプログラムが格納された、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
ユーザ機器(UE)のハンドオーバを扱うソースアクセスノードであって、
ターゲットアクセスノードに、前記ターゲットアクセスノードが拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバを要求する第1の明示的インジケータを含む、最初のハンドオーバ準備メッセージを伝送し、
前記要求された拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバを許容または拒否する第2の明示的インジケータを含む、ハンドオーバ準備応答メッセージを前記ターゲットアクセスノードから受信し、
前記ハンドオーバ準備応答メッセージから、前記拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバに関連する前記ターゲットアクセスノードの能力を学習し、
拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバの拒否または非対応を示す前記ハンドオーバ準備応答メッセージを前記ターゲットアクセスノードから受信すると、可能なフォールバックメカニズムを選択するように設定された、ソースアクセスノード。
【請求項21】
前記ソースアクセスノードが、
請求項1から
11のいずれか一項に記載の方法を実施するように更に設定された、請求項
20に記載のソースアクセスノード。
【請求項22】
ソースアクセスノードからターゲットアクセスノードへのユーザ機器(UE)のハンドオーバを扱うターゲットアクセスノードであって、
拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバを要求する前記ソースアクセスノード(103)からの第1の明示的インジケータを含む、最初のハンドオーバ準備メッセージを受信し、
前記拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバ要求を許容または拒否する第2の明示的インジケータを含むハンドオーバ準備応答メッセージを用いて、前記ソースアクセスノードによって伝送された前記最初のハンドオーバ準備メッセージに応答するように設定され
、
前記ソースアクセスノードにおいて、前記ハンドオーバ準備応答メッセージから、前記拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバに関連する前記ターゲットアクセスノードの能力が学習され、
前記ソースアクセスノードにおいて、前記拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバの拒否または非対応を示す前記ハンドオーバ準備応答メッセージを前記ターゲットアクセスノードから受信すると、可能なフォールバックメカニズムが選択される、ターゲットアクセスノード。
【請求項23】
前記ターゲットアクセスノードが、
請求項
12から
17のいずれか一項に記載の方法を実施するように更に設定された、請求項
22に記載のターゲットアクセスノード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の実施形態は、ソースアクセスノード、ターゲットアクセスノード、およびそれらにおいて実施される無線通信の方法に関する。更に、コンピュータプログラム製品およびコンピュータ可読記憶媒体も本明細書において提供される。特に、本明細書の実施形態は、拡張ハンドオーバのためのネットワークシグナリングに関する。
【背景技術】
【0002】
ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)は、第二世代(2G)の汎欧州移動体通信規格(GSM)から進化した、第三世代(3G)の電気通信ネットワークである。第四世代(4G)ネットワークまたはロングタームエボリューション(LTE)とも呼ばれる、進化型パケットシステム(EPS)に関する規格は、第三世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)内で完成されたものであり、この研究は、例えば、第五世代(5G)新無線(NR)ネットワークを規定するため、来る3GPPリリースにおいて継続している。
【0003】
図1に示される無線通信システムについて考察する。無線通信システムは、1つまたは複数の無線アクセスネットワーク(RAN)を備えてもよく、ネットワークノードと呼ばれることもある無線アクセスネットワーク10は、無線接続17~18を使用して1つまたは複数のアクセスノード13~14と通信する、ユーザ機器(UE)12とともに示されている。アクセスノード13~14はコアネットワーク(CN)ノード16に接続される。アクセスノード13~14は無線アクセスネットワーク10の一部である。
【0004】
3GPP TS 36.300 v.15.0.0および関連する規格で規定されているものなど、3GPP EPSまたはLTEまたは4G標準規格に準拠した無線通信システムの場合、アクセスノード13~14は一般的に、エボルブドノードB(eNB)に対応し、コアネットワークノード16は一般的に、モビリティ管理エンティティ(MME)および/またはサービングゲートウェイ(SGW)に対応する。eNBは、この場合は進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E-UTRAN)である、無線アクセスネットワーク10の一部であり、MMEおよびSGWは両方とも進化型パケットコアネットワーク(EPC)の一部である。
【0005】
3GPP TS 38.300 v.15.0.0および関連する規格で規定されているものなど、5G NR標準規格とも呼ばれる3GPP 5Gシステム(5GS)に準拠した無線通信システムの場合、他方では、アクセスノード13~14は一般的に、gNBと示される5GノードBに対応し、コアネットワークノード16は一般的に、アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)ノードならびに/あるいはユーザプレーン機能(UPF)ノードのどちらかに対応する。gNBは、この場合は次世代無線アクセスネットワーク(NG-RAN)である、無線アクセスネットワーク10の一部であり、AMFおよびUPFは両方とも5Gコアネットワーク(5GC)の一部である。
【0006】
NRとLTEとの間の高速モビリティに対応し、コアネットワークの変化を回避するため、eNBとして示されるLTEアクセスノードはまた、インターフェースNG-Uおよび/またはNG-Cを介して5G-CNに接続され、Xnインターフェースに対応してもよい。5GCに接続されたeNBは、次世代eNB(ng-eNB)と呼ばれ、NG-RANの一部とみなされる。5GCに接続されたLTEは、本明細書ではこれ以上考察されないが、本明細書においてLTEおよびNRに関して記載する解決策および特徴のほとんどは、5GCに接続されたLTEにも当てはまることに留意されたい。本明細書では、更なる規定なしにLTEという用語が使用されるとき、LTE-EPCを指す。
【0007】
LTEおよびNRでのRRC_CONNECTEDにおけるモビリティ。
RRC_CONNECTED状態におけるモビリティは、ハンドオーバとしても知られている。ハンドオーバの目的は、UE 12を、例えばモビリティによって、ソース無線接続17を使用するソースアクセスノード13から、ターゲット無線接続18を使用するターゲットアクセスノード14へと移動させることである。ターゲット無線接続18は、ターゲットアクセスノード14によって制御されるターゲットセルと関連付けられる。そこで、換言すれば、ハンドオーバの間、UE 12はソースセルからターゲットセルへと移動する。
【0008】
いくつかの例では、ソースアクセスノード13およびターゲットアクセスノード14は、異なるeNBまたはgNBなど、異なるノードである。これらの例は、ノード間ハンドオーバ、eNB間ハンドオーバ、またはgNB間ハンドオーバと呼ばれる。他の例では、ソースアクセスノード13およびターゲットアクセスノード14は、同じeNBおよびgNBなど、同じノードである。これらの例は、ノード内ハンドオーバ、eNB内ハンドオーバ、またはgNB内ハンドオーバと呼ばれ、ソースおよびターゲットセルが同じ無線アクセスノードによって制御される事例をカバーする。更に他の例では、ハンドオーバは同じセル内で、したがってそのセルを制御する同じアクセスノード内で実施される。これらの例はセル内ハンドオーバと呼ばれる。
【0009】
したがって、ソースアクセスノード13およびターゲットアクセスノード14は、特定のUEのハンドオーバ中に所与のアクセスノードによってサーブされる役割を指すことが理解されるべきである。例えば、所与の無線アクセスノードは、あるUEのハンドオーバ中はソースアクセスノードとしてサーブし、また異なるUEのハンドオーバ中はターゲットアクセスノードとしてサーブしてもよい。また、所与のUEのノード内またはセル内ハンドオーバの場合、同じ無線アクセスノードがそのUEに対するソースアクセスノードおよびターゲットアクセスノードの両方としてサーブする。
【0010】
E-UTRANまたはNG-RANにおけるRRC_CONNECETD UEは、サービングセルおよび近隣セルの測定を実施するように、ネットワークによって設定することができ、UEによって伝送された測定報告に基づいて、近隣セルに対するUEのハンドオーバを実施することを決定してもよい。ネットワークは次に、ハンドオーバコマンドメッセージをUEに、例えば、LTEでは、RRCConnectionReconfigurationメッセージをmobilityControlInformationと呼ばれるフィールドとともに、NRでは、RRCReconfigurationメッセージをreconfigurationWithSyncフィールドとともに伝送する。
【0011】
これらの再設定は、実際には、EUTRA-EPCの場合はX2もしくはS1インターフェースを、またはNG-RAN-5GCの場合はXnもしくはNGインターフェースを通じてソースアクセスノードから要求されると、ターゲットアクセスノードによって準備され、ノード間要求で提供されるソースアクセスノードとともにUEが有する既存の無線リソース制御(RRC)設定を考慮に入れる。ターゲットアクセスノードによって提供される再設定パラメータは、例えば、UEがターゲットアクセスノードにアクセスするのに必要な情報、例えば、ランダムアクセス設定、ターゲットアクセスノードによって割り当てられた新しいセル無線ネットワーク一時識別子(C-RNTI)、ならびにUEが、ターゲットアクセスノードにアクセスする際に新しいセキュリティキーに基づいて、暗号化され整合性が保護されたハンドオーバ完了メッセージをシグナリング無線ベアラ(SRB1)で伝送できるように、UEがターゲットアクセスノードに関連付けられた新しいセキュリティキーを計算できるようにするセキュリティパラメータを含む。
【0012】
図2は、例として5G/NRを使用するハンドオーバ手順の間の、UEと、ソースgNBまたはソースセルとしても知られるソースアクセスノード13と、ターゲットgNBまたはターゲットセルとしても知られるターゲットアクセスノード14との間の、シグナリングのフローを示している。
【0013】
図2のシグナリングフローは、5G/NRのハンドオーバシナリオを示しているが、UEがハンドオーバを実施する場合のいくつかの一般的な共通の原理、またはより一般的な用語では、LTEおよびNRでのRRC_CONNECTEDにおけるモビリティがある。
【0014】
ネットワークは、負荷状況、異なるノードのリソース、利用可能周波数など、現在の状況に関する最良の情報を有するので、RRC_CONNECTEDにおけるモビリティはネットワーク制御型である。ネットワークはまた、ネットワークによってサーブされる他のUEからの、例えばリソース割当ての観点からの影響を考慮に入れることができる。
【0015】
ネットワークは、UEがターゲットアクセスノード14にアクセスする前に、そのアクセスノードによって制御されるターゲットセルを準備する。ソースアクセスノード13は、ターゲットセルにおけるハンドオーバ(HO)完了メッセージを伝送するときにUEによって使用されるシグナリング無線ベアラ1(SRB1)設定など、ターゲットセルで使用されるRRC設定をUEに提供する。
【0016】
UEには、ターゲットアクセスノードによって新しいC-RNTIが提供される。UE 12は、HO完了メッセージのメッセージ3(MSG3)でC-RNTIを伝達することによって、自身を識別する。したがって、不具合が起こらない限り、ターゲットアクセスノードとソースアクセスノードとの間にコンテキストの取込みはない。
【0017】
ハンドオーバを加速するため、ネットワークは、ターゲットアクセスノードにどのようにアクセスするかの情報、例えばランダムアクセスチャネル(RACH)設定をUE 12に提供するので、UE 12は、ハンドオーバの前にシステム情報(SI)を獲得する必要はない。
【0018】
UEには、無競合ランダムアクセス(CFRA)リソースが提供されてもよく、即ちその場合、ターゲットアクセスノード14はMSG1のプリアンブルからUEを識別する。原理は、ハンドオーバ手順をネットワークの事前割当てされたリソースによって常に最適化することができるというものである。
【0019】
セキュリティは、UEがターゲットアクセスノードによって制御されるターゲットセルにアクセスする前に準備され、即ち、暗号化され整合性が保護されたHO完了メッセージを、LTEの場合はRRC接続再設定完了メッセージを伝送する前に、UEをターゲットアクセスノードによって検証できるように、キーをリフレッシュしなければならない。
【0020】
完全再設定およびデルタ再設定の両方に対応しているので、HOコマンドを最小限にすることができる。
【0021】
メイク・ビフォア・ブレーク Rel-14
ハンドオーバ中断時間は、一般的に、UEがソースアクセスノード13(eNBまたはgNB)との送受信を停止してから、ターゲットアクセスノード14(eNBまたはgNB)がUE 12との送受信を再開するまでの時間として定義される。
【0022】
LTE プレRel-14では、3GPP TR 36.881 v.14.0.0にしたがって、ハンドオーバ中断時間は少なくとも45msである。LTEおよびNRでは、それ以来、ハンドオーバ中断時間を減少させる異なる解決策が検討されてきた。例えば、低レイテンシに対する新しいサービス要件、例えば、短い中断時間が保証されるべき、空中、産業用自動化、産業用制御によって、改善策が推進される。
【0023】
かかる改善策の一例として、ハンドオーバ中断時間を短縮してできるだけ0msに近付ける目的で、メイク・ビフォア・ブレーク(MBB)がLTE Rel-14に導入された。
図3は、LTE Rel-14におけるメイク・ビフォア・ブレークのシグナリングを示している。
【0024】
LTE Rel-14に導入されるようなMBBハンドオーバ手順は、UEが媒体アクセス制御(MAC)をリセットし、ソースセルのHOコマンドメッセージである、mobilityControlInfoを有するRRCConnectionReconfigurationメッセージを受信する際に、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)を再確立する、標準的なハンドオーバ手順とは異なり、UEがソースセルから分断される前にターゲットセルに接続する、ハンドオーバメカニズムを指す。RRCConnectionReconfigurationメッセージのmobilityControlInfoは、UEにソースセルへの接続を保持するように命令する情報要素(IE)makeBeforeBreakを含む。3GPP TS 36.331 v.15.0.0による。
【0025】
makeBeforeBraek(MBB)情報要素(IE)
この情報要素は、物理的ランダムアクセスチャネル(PRACH)を通してターゲットの周波数内プライマリセル(PCell)への第1の送信を実施するか、またはrach-Skipが設定された状態でターゲットの周波数内PCellへの最初の物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信を実施する前、UEがソースセルとのアップリンク送信および/またはダウンリンク受信を継続すべきであることを示す。
【0026】
注記1a:これは、makeBeforeBreakが設定される場合、TS 36.133 v16.0.0に規定されるように、ソースセルとのアップリンク送信および/またはダウンリンク受信を停止して、ターゲットセルに対する接続の再調整を開始するときの、UEに依存した実現例である。
【0027】
MBBの解決策では、makeBeforeBreak IEがmobilityControlInfoに存在する、RRCConnectionReconfigurationメッセージの受信後、UEがターゲットセルの最初のアップリンク送信を実行するまで、ソースセルへの接続が維持され、即ち、UEがターゲットセルでランダムアクセスを実施するまで、MACおよびPDCPリセットがUEにおいて遅延される。これは、ソースセルとのアップリンク送信/ダウンリンク受信を停止して、ターゲットセルに対する接続の再調整を開始するときの、UEに依存した実現例である。
【0028】
LTE Rel-14 v.14.0.0(3GPP TS 36.300およびTS 36.331)に規定されるようなMBBは、いくつかの既知の制限を有する。MBB、およびRACHなしのハンドオーバなどの他の実現例が組み合わされる場合であっても、~0msのハンドオーバ中断時間に達することは依然として不可能である。Rel-14のMBBは、単一の送受信(Tx/Rx)チェーンを有するUE向けに設計され、つまり、実際のMBBは周波数内ハンドオーバにしか対応しないことを意味する。周波数内ハンドオーバのシナリオでは、単一RxのUEは、ターゲットセルおよびソースセル両方からDLデータを受信することができるが、単一TxのUEは両方のセルに同時に送信することができないであろう。このように、MBB Rel-14では、UEは第1のUL送信でソースセルへの接続を解除することになる。これは、UEがRACHプリアンブルを送信するとき、またはRACHなしのHOが設定された場合、HO完了メッセージを送信するときに起こる。
【0029】
結果として、UEは、ターゲットセルとの接続がパケット送信および/または受信の準備ができる前に、ソースセルとの接続を解除する。
【0030】
拡張メイク・ビフォア・ブレーク
LTEおよびNRにおけるモビリティ拡張のための2つの新しい作業項目が、3GPPのリリース16で始まっている。作業項目の主な目的は、ハンドオーバにおける堅牢性を改善し、ハンドオーバの中断時間を更に減少させることである。
【0031】
LTE Rel-14のメイク・ビフォア・ブレークハンドオーバに対する改善策は、過去に提案されている。これらの改善策のいくつかは、二重Tx/Rx無線チェーンを有するUEを利用するものであり、かかるUEは、二重の無線送信機および受信機と、関連する二重のユーザプレーンプロトコルスタックとを有する。LTE Rel-16に関するかかる提案される改善策の一例が、
図4に示されている。
【0032】
拡張MBB手順を用いて0msのHO中断時間に対応する重要なステップは、下記の通りである。
【0033】
ステップ4:ソースeNBは、ハンドオーバコマンド、即ちmobilityControlInfoを含むRCConnectionReconfigurationメッセージを、インジケータを含む、例えば0msのHO中断を実施する拡張MBBインジケータを含むインジケータを、UEに伝送する。
【0034】
ステップ5:ソースeNBは、DL PDCPパケットのターゲットeNBへの転送を開始し、UEとの間でPDCPパケットの送受信を継続する(ステップ7)。ソースeNBから転送されたDL PDCPパケットは、ターゲットeNBでバッファリングされる。
【0035】
ステップ6:UEは、ソースセルとの接続を保持しながら、ターゲットセルとの同期を開始する。
【0036】
ステップ7:パケットデータは依然としてソースセルを介して送受信される。
【0037】
ステップ8:UEは、ターゲットセルでのランダムアクセスを実施し、ターゲットeNBはアップリンクリソースをスケジューリングする。
【0038】
ステップ9:UEは、ターゲットセル内のRRCConnectionReconfigurationCompleteメッセージを伝送する。ターゲットeNBはここで、PDCPパケットをUEに伝送し始めることができ、それと同時に、ソースeNBはPDCPパケットのUEへの伝送を継続してもよい。この時点から、UEはターゲットセルを介してULデータのみを伝送する。PDCP二重検査を用いてターゲットeNBを支援する目的で、UEは、RRCConnectionReconfigurationCompleteメッセージでPDCP状態レポートを伝達してもよい。PDCP状態レポートの情報に基づいて、ターゲットeNBは、ソースセルでUEによって受信されなかったPDCPパケットのみをUEに伝送する。
【0039】
ステップ10:UEは、ソースおよびターゲットセルから受信したPDCPパケットを区別する。
【0040】
ステップ11:ソースeNBは、UEとの間の送受信が終わったとき、アップリンク/ダウンリンクPDCP SN受信機/送信機状態を示す、通し番号(SN)状態転送メッセージをターゲットeNBに伝送する。
【0041】
ステップ12:UEは、ターゲットセルに対する接続手順が完了すると、ソースセルから分離する。
【0042】
ステップ13:ターゲットeNBは、UEコンテキストをリリースするようにソースeNBに知らせる。
【0043】
例えば、ターゲットアクセスノードから必要とされる追加のアクションを含む、LTEの拡張メイク・ビフォア・ブレークに基づいて、ハンドオーバ中断時間を減少させるという3GPPの考察は、現在LTEおよびNRに関して進行している。
【0044】
モビリティのためのノード間メッセージ。
RRCノード間メッセージ。
NRおよびLTEにおける、ソースgNBからターゲットgNB、またはソースeNBからターゲットeNBなど、ソースアクセスノードからターゲットアクセスノードへのハンドオーバなどモビリティの間、2つのノード間メッセージが一般的に使用される。HandoverpreparationInformationおよびHandoverCommand。ソースアクセスノードがUEをハンドオーバすることを決定すると、ソースアクセスノードは、ハンドオーバ実行時にターゲットセルにアクセスするときにUEによって使用される、HandoverCommandに提供される、RRCReconfigurationをターゲットアクセスノードが準備できるようにする、HandoverpreparationInformationの何らかの情報をターゲットアクセスノードに提供する。TS 38.331 v.15.0.0からの定義を下記に示す。
【0045】
HandoverPreparationInformation。
このメッセージは、UE能力情報を含む、ハンドオーバ準備中にターゲットgNBによって使用されるNR RRC情報を伝達するのに使用される。
【0046】
方向:ソースgNB/ソースRANからターゲットgNBへ
【0047】
HandoverCommand
このメッセージは、ターゲットgNBによって生成されるようなハンドオーバコマンドを伝達するのに使用される。
方向:ターゲットgNBからソースgNB/ソースRANへ
【0048】
ハンドオーバ/DCセットアップのためのXnノード間メッセージ
TS 38.420 v.15.2.0によれば、下記のように定義される「ハンドオーバ準備機能」と呼ばれる機能がある。
【0049】
ハンドオーバ準備機能
この機能は、ターゲットに対する特定のUEのハンドオーバを開始するため、ソースおよびターゲットNG-RANノード間での情報の交換を可能にする。
【0050】
関連する別の機能は、以下に定義するような「ハンドオーバ取消し」機能である。
【0051】
ハンドオーバ取消し機能
この機能は、準備されたハンドオーバが行われないことを、既に準備されたターゲットNG-RANノードに知らせることを可能にする。それにより、ハンドオーバ準備機能の間に割り当てられたリソースを解除することが可能になる。
【0052】
TS 38.423 v.15.2.0で、これらの機能が更に詳細に記載されている。セクション8.2.1および8.2.3を参照のこと。
【0053】
既存の解決策、即ちリリース14のメイク・ビフォア・ブレークでは、レガシーハンドオーバと比較して、ターゲットアクセスノードからの特別なアクションは示唆されていない。拡張メイク・ビフォア・ブレークでは、ターゲットアクセスノードは、決定を、即ち拒否または許容を行い、また、Rel-14のメイク・ビフォア・ブレークなど、他のタイプのハンドオーバと比較して拡張されたメイク・ビフォア・ブレークでは異なる場合がある、要求されたアクションを開始するために、ソースアクセスノードが拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバを要求していることを理解する必要がある。かかるアクションの一例は、ソースアクセスノードからのSN状態転送の送信である。また、異なるベンダーの場合または異なるソフトウェアバージョンの場合など、ソースアクセスノードが対応していても、ターゲットアクセスノードは拡張メイク・ビフォア・ブレークに対応していない場合がある。
【発明の概要】
【0054】
本明細書の実施形態を展開する一部として、以下が特定されている。ソースアクセスノードは、ターゲットアクセスノードが拡張メイク・ビフォア・ブレーク要求を拒否した場合、使用される所望のフォールバックメカニズムをシグナリングしない。これは、UEが新しいノードにハンドオーバされるのに追加の遅延をもたらすことがあり、即ち、ソースノードは、同じまたは別のターゲットノードに向かって新しいハンドオーバ手順を開始するのが必要なことがある。
【0055】
ターゲットアクセスノードが拡張メイク・ビフォア・ブレーク要求を拒否した場合、例えばレガシーハンドオーバに対して、UEが新しいノードにハンドオーバされる際の追加の遅延を回避することができる、ハンドオーバフォールバックメカニズムを選択できない。
【0056】
ターゲットアクセスノードが拡張メイク・ビフォア・ブレークに対応していない場合、ソースアクセスノードはそれを知らないことがあり、したがって既に分離されたUEにDLパケットを伝送し始めることがある。ソースアクセスノードが、ターゲットアクセスノードが拡張MBBに対応しているか否かを知るために、ソースアクセスノードは、ターゲットアクセスノードによって準備された透過コンテナに含まれる、例えばHANDOVER REQUEST ACKNOWLEDGEメッセージに含まれる、MobilityControlInfoの内容を読む必要がある。
【0057】
ターゲットアクセスノードが拡張メイク・ビフォア・ブレークを拒否したかまたはそれに対応していない場合、ソースアクセスノードは、UEが新しいノードにハンドオーバされる際の追加の遅延をもたらす、新しいハンドオーバ準備を開始する必要がある。
【0058】
ターゲットアクセスノードが拡張メイク・ビフォア・ブレーク(eMBB)を拒否したかまたはそれに対応していない場合、ソースアクセスノードはそれら2つの、即ち非対応のeMBBまたは一時的に拒否されたeMBBの間で違わないことがあり、したがって、この特徴に対応していないノードに要求を伝送し続けることができる。この挙動を回避するために、ソースアクセスノードを、可能なターゲットアクセスノード能力をすべて有して設定する必要がある。
【0059】
したがって、本明細書の実施形態の目的は、UEのハンドオーバを扱う改善された方法を提供することである。
【0060】
本明細書の実施形態によれば、目的は、UEのハンドオーバに関連するソースアクセスノードによって実施される方法を提供することによって達成されてもよい。ソースアクセスノードはターゲットアクセスノードに、ターゲットアクセスノードが拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバを要求する第1の明示的インジケータを含む、最初のハンドオーバ準備メッセージを伝送する。ソースアクセスノードは、要求された拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバを許容または拒否する第2の明示的インジケータを含む、ハンドオーバ準備応答メッセージをターゲットアクセスノードから受信する。更に、ソースアクセスノードは、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバの拒否または非対応を示すハンドオーバ準備応答メッセージをターゲットアクセスノードから受信すると、可能なフォールバックメカニズムを選択する。例えば、本明細書では、UEに対する拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバを実施する決定を行い、ターゲットアクセスノードを準備し、ターゲットアクセスノードからの応答メッセージで作用する、ソースアクセスノードで実施される方法であって、ターゲットアクセスノードが拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバを要求する明示的インジケータを含む、最初のハンドオーバ準備メッセージを伝送することと、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバ要求の失敗または拒否の場合に、ターゲットアクセスノードに所望のフォールバックを通知することと、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバ要求を許容または拒否する明示的インジケータを含む、ハンドオーバ準備応答メッセージをターゲットアクセスノードから受信し処理することと、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバ要求に対するターゲット応答メッセージから、ターゲット拡張メイク・ビフォア・ブレーク能力を学習することと、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバを拒否するかまたはそれに対応していないターゲットアクセスノードを受信すると、可能なフォールバックメカニズム、即ちハンドオーバの代替を選択することと、を含む、方法が開示される。
【0061】
本明細書の実施形態によれば、目的は、ソースアクセスノードからターゲットアクセスノードへのUEのハンドオーバに関連する、ターゲットアクセスノードによって実施される方法を提供することによって達成されてもよい。ターゲットアクセスノードは、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバを要求するソースアクセスノードからの第1の明示的インジケータを含む、最初のハンドオーバ準備メッセージを受信し、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバ要求を許容または拒否する第2の明示的インジケータを含むハンドオーバ準備応答メッセージによって、ソースアクセスノードによって伝送された最初のハンドオーバ準備メッセージに応答する。例えば、ターゲットアクセスノードは、UEに対する拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバ要求を許容または拒否する決定を行い、ソースアクセスノードを知らせる、方法を実施してもよい。方法は、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバを要求するソースアクセスノードからの明示的インジケータを含む、最初のハンドオーバ準備メッセージを受信し処理することと、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバ要求を許容または拒否する明示的インジケータを含む、ソースアクセスノードによって伝送された最初のハンドオーバ準備メッセージに応答することと、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバの拒否の場合に、可能なフォールバックメカニズムを選択することと、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバ要求の拒否の場合に、所望のフォールバックメカニズムのソースアクセスノードを通知することと、UEに通知するために、明示的な拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバインジケータを、ソースに転送されるRRC HandoverCommandメッセージに挿入することと、を含んでもよい。
【0062】
本明細書では更に、少なくとも1つのプロセッサで実行されると、少なくとも1つのプロセッサに、ソースアクセスノードまたはターゲットアクセスノードそれぞれによって実施されるような、上述の方法を実施させる命令を備える、コンピュータプログラム製品が提供される。本明細書では更に、少なくとも1つのプロセッサで実行されると、少なくとも1つのプロセッサに、ソースアクセスノードまたはターゲットアクセスノードそれぞれによって実施されるような、上述の方法を実施させる命令を備えるコンピュータプログラム製品が格納された、コンピュータ可読記憶媒体が提供される。
【0063】
目的は、UEのハンドオーバを扱うソースアクセスノードを提供することによって達成されてもよい。ソースアクセスノードはターゲットアクセスノードに、ターゲットアクセスノードが拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバを要求する第1の明示的インジケータを含む、最初のハンドオーバ準備メッセージを伝送するように設定される。ソースアクセスノードは更に、要求された拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバを許容または拒否する第2の明示的インジケータを含む、ハンドオーバ準備応答メッセージをターゲットアクセスノードから受信し、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバの拒否または非対応を示すハンドオーバ準備応答メッセージをターゲットアクセスノードから受信すると、可能なフォールバックメカニズムを選択するように設定される。
【0064】
従来技術、即ち、背景技術に記載したようなレガシーハンドオーバ、またはリリース14のメイク・ビフォア・ブレークハンドオーバの既存の手順と比較して、後述する実施形態による解決策の利点は、ソースアクセスノードが、
例えば、前もって能力を交換または設定することなく、eMBBのターゲットアクセスノード能力を学習してもよく、
例えば、eMBBに対応していないかまたはターゲットノードによって拒否されるはずである場合、使用する所望のフォールバックメカニズムをターゲットアクセスノードにシグナリングしてもよく、
例えば、ターゲットアクセスノードがeMBBに対応しておらず、したがってDLパケットを既に分離されたUEに伝送しないことを知らされてもよく、
例えば、ターゲットアクセスノードがeMBBに対応していない場合、レガシーハンドオーバがターゲットアクセスノードによって準備され、それによって新しいハンドオーバ手順の開始を回避することを知らされてもよいという点である。
【0065】
目的は、ソースアクセスノードからターゲットアクセスノードへのUEのハンドオーバを扱うターゲットアクセスノードを提供することによって達成されてもよい。ターゲットアクセスノードは、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバを要求するソースアクセスノードからの第1の明示的インジケータを含む、最初のハンドオーバ準備メッセージを受信し、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバ要求を許容または拒否する第2の明示的インジケータを含むハンドオーバ準備応答メッセージによって、ソースアクセスノードによって伝送された最初のハンドオーバ準備メッセージに応答するように設定される。
【0066】
従来技術、即ち、レガシーハンドオーバまたはリリース14のメイク・ビフォア・ブレークの既存の手順と比較して、後述する実施形態による解決策の利点は、ターゲットアクセスノードが、
例えば、eMBB要求の許容または拒否に関して知らされた決定を行い、要求されたアクションを開始してもよく、
例えば、eMBB要求の許容をソースアクセスノードにシグナリングしてもよく、
例えば、eMBB要求の拒否を、例えば選ばれたフォールバックメカニズムとともに、ソースアクセスノードにシグナリングしてもよいという点である。
【0067】
上述したような本明細書の実施形態によるこれらのアクションは、ノード間の不要な能力設定を回避し、ハンドオーバ要求の不具合または拒否によって起こる追加のハンドオーバ遅延を回避し、UE、ソースおよびターゲットアクセスノード間の挙動における不一致を回避する、最適化されたeMBB手順をもたらすであろう。したがって、本明細書の実施形態は、UEのハンドオーバを扱う改善された方法を提供する。
【0068】
本明細書の実施形態の例について、添付図面を参照して更に詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【
図1】従来技術による無線通信ネットワークを示す図である。
【
図2】5G/NRにおけるハンドオーバシグナリングを示す図である。
【
図3】メイク・ビフォア・ブレークシグナリングLTEを示す図である。
【
図4】LTE Rel-16における0msのHO中断時間に対応する、提案される拡張MBB手順を示す図である。
【
図5A】本明細書の実施形態が実現されてもよい無線通信ネットワークを示す図である。
【
図5B】本明細書の一実施形態によるソースアクセスノードで実施される方法を示すフローチャートである。
【
図5C】本明細書の一実施形態によるソースアクセスノードで実施される方法を示すフローチャートである。
【
図6A】本明細書の別の実施形態によるターゲットアクセスノードで実施される方法を示すフローチャートである。
【
図6B】本明細書の別の実施形態によるターゲットアクセスノードで実施される方法を示すフローチャートである。
【
図7A】ソースアクセスノードの一実施形態を示す概略ブロック図である。
【
図7B】ターゲットアクセスノードの一実施形態を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
RAT内(同じRAT内)、RAT間(異なるRATの間)、NG-RAN、E-UTRAN、および更なる免責事項
本明細書の実施形態で定義されるネットワークおよびUEのアクションのほとんどは、NG-RANまたはE-UTRANで実施されるものとして記載される。これらすべての異なるフレーバーにおいて、拡張メイク・ビフォア・ブレーク(eMBB)が準備されてもよいソースアクセスノードおよびターゲットアクセスノードはそれぞれ、E-UTRANノード、即ちeNodeB、NG-RANノード、即ちNRに対応するgNodeB、またはLTEに対応するng-eNodeBであってもよい。
【0071】
そのため、本明細書の実施形態に記載されるノード間手順は、2つのeNodeB、2つのgNodeB、2つのng-eNodeB、または同じRATもしくは異なるRATからの任意の2つのRANノードの間であってもよい。したがって、5GCに接続されたNG-RANノードの場合はXnAPプロトコル、またはX2APプロトコル、または両方で実現されてもよい。
【0072】
換言すれば、ノード間手順およびメッセージに関する考察は、次のいずれかであってもよい。
Xnを通したgNodeBなどの、ノード間RAT内システム内、
Xnを通したng-eNodeBなどの、ノード間RAT内システム内、
X2を通したeNodeBなどの、ノード間RAT内システム内、
Xnを通したng-eNodeBおよびgNodeBなど、ノード間RAT間システム内、
E-UTRANおよびNG-RAN、即ち、NGおよびS1を通したgNodeB/en-eNodeBならびにeNodeBなど、ノード間RAT間システム間。
【0073】
それに加えて、手順はまた、NGおよびS1インターフェースを通したRANノードとコアネットワークノードとの間、ならびに異なるシステムからのコアネットワークノード間、即ちN26インターフェースを通したEPCと5GCとの間の、メッセージが関与する解決策を記載する。
【0074】
本明細書の実施形態による無線通信システムが、
図5Aに示されている。無線通信システムは、1つまたは複数の無線アクセスネットワーク(RAN)を備えてもよく、無線アクセスネットワーク100は、無線接続107~108を使用して1つまたは複数のアクセスノード103~104と通信する、ユーザ機器(UE)102とともに示されている。アクセスノード103~104はコアネットワーク(CN)ノード106に接続される。アクセスノード103~104は無線アクセスネットワーク100の一部である。ソースアクセスノード103およびターゲットアクセスノード104。本明細書の実施形態は、ソースアクセスノード103からターゲットアクセスノード104への、UE 102のeMBBハンドオーバに関する。
【0075】
以下、実施形態による通信ネットワーク1におけるUE 102のHOを扱う、ソースアクセスノード103によって実施される方法のアクションについて、
図5Bに示されるフローチャートを参照して記載する。アクションは、後述する順序で行われなくてもよく、任意の好適な順序で行われてもよい。いくつかの実施形態で実施されるアクションは破線のボックスで示される。
【0076】
アクション501。ソースアクセスノード103はターゲットアクセスノード104に、ターゲットアクセスノード104がeMBBハンドオーバを要求する第1の明示的インジケータを含む、最初のハンドオーバ準備メッセージ、例えばハンドオーバ要求を伝送する。第1の明示的指示は、追加情報として、ソースアクセスノード103からターゲットアクセスノード104に伝送される最初のハンドオーバ準備メッセージに追加されてもよい。第1の明示的インジケータは、ソースアクセスノード103からターゲットアクセスノード104にシグナリングされる、無線リソース制御(RRC)コンテキストに含まれてもよい。第1の明示的インジケータはハンドオーバ要求メッセージに追加されてもよい。
【0077】
アクション502。次に、ソースアクセスノード103は、要求されたeMBBハンドオーバを許容または拒否する第2の明示的インジケータを含む、ハンドオーバ準備応答メッセージをターゲットアクセスノード104から受信する。
【0078】
アクション503。ソースアクセスノード103は、ハンドオーバ準備応答メッセージから、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバに関連するターゲットアクセスノード104の能力を学習してもよい。ターゲットアクセスノード104の能力は、要求された拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバの成功応答または失敗応答に基づいて学習されてもよい。
【0079】
アクション504。ソースアクセスノード103は更に、要求された拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバの失敗または拒否の場合、ターゲットアクセスノード104に所望のフォールバックを通知してもよい。拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバに対する第1の明示的インジケータおよび所望のフォールバックメカニズムに対するインジケータは、アクション501の最初のハンドオーバ準備メッセージにおける単一の情報要素で組み合わされてもよいことが注目されるべきである。
【0080】
アクション505。ソースアクセスノード103は、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバ要求の拒否の場合、ターゲットアクセスノード104から、選択された可能なフォールバックメカニズムの通知を受信してもよい。
【0081】
アクション506。次に、ソースアクセスノード103は、eMBBハンドオーバの拒否または非対応を示すハンドオーバ準備応答メッセージをターゲットアクセスノード104から受信すると、可能なフォールバックメカニズムを選択する。ソースアクセスノード103は、所望のフォールバックおよび/またはターゲットアクセスノード104の学習した能力を考慮に入れることによって、可能なフォールバックメカニズムを選択してもよい。例えば、ソースアクセスノード103は所望のフォールバックを考慮に入れてもよく、所望のフォールバックは、ターゲットアクセスノード104の学習した能力に基づいてもよい。可能なおよび/または所望のフォールバックは、レガシーハンドオーバへのフォールバック、リリース14のMBBハンドオーバへのフォールバック、およびハンドオーバ要求の拒否のうち1つもしくは複数を含んでもよい。ソースアクセスノード103は、ターゲットアクセスノード104からの選択された可能なフォールバックの通知を考慮に入れることによって、可能なフォールバックメカニズムを選択してもよい。このように、本明細書の実施形態は、ハンドオーバ準備応答メッセージの受信に応答して、ソースアクセスノード103がハンドオーバ準備応答メッセージに基づいて、eMBBを拒否するターゲットアクセスノード104を受信した際に可能なフォールバック方法に関する決定を行ってもよいことを、開示してもよい。
【0082】
拡張ハンドオーバのための本明細書の実施形態による方法について、以下に詳細に記載する。
【0083】
I.最初のハンドオーバ準備メッセージにおけるソースアクセスノード103のシグナリング。
本明細書の例示の実施形態にしたがって、ソースアクセスノード103で実施される方法について、
図5Cを参照して記載する。方法は、以下のアクションまたはステップを含み、それらのアクションは任意の好適な順序で実施されてもよい。
【0084】
アクション511。ソースアクセスノード103は、ターゲットアクセスノード104が拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバを要求する第1の明示的インジケータ、例えば拡張メイク・ビフォア・ブレークインジケータを含む、最初のハンドオーバ準備メッセージを伝送する。
【0085】
一実現例では、第1の明示的インジケータは、追加情報として、ソースからターゲットに伝送される最初のハンドオーバ準備メッセージに追加されてもよい。
【0086】
別の実現例では、第1の明示的インジケータは、ソースからターゲットにシグナリングされるRRCコンテキストに含まれてもよい。
【0087】
XnAP(3GPP TS 38.423 v15.0.0)HANDOVERREQUESTメッセージをベースラインとして取る、上記第1の代替策の可能な実現例の一例が、下線を引いたテキストによって以下に示される。
【0088】
9.1.1.1 HANDOVER REQUEST
このメッセージは、ハンドオーバのためにリソースの準備を要求するため、ソースNG-RANノードによってターゲットNG-RANノードに伝送される。
方向:ソースNG-RANノード→ターゲットNG-RANノード
【0089】
一実施形態では、ソースアクセスノード103は、ターゲットアクセスノード104が拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバ(eMBB)要求を拒否した場合、ターゲットアクセスノード104に所望のフォールバックを通知してもよい。
【0090】
一実施形態では、ソースアクセスノード103は、ターゲットアクセスノード104が拡張メイク・ビフォア・ブレーク要求を拒否した場合、所望のフォールバックメカニズムに関する決定を行ってもよい。この決定は、例えば、測定値、サービスの品質(QoS)、UEの能力、ネットワーク能力、加入などに基づいてもよい。可能なフォールバック方法の一例を以下に列挙する。
レガシーハンドオーバへのフォールバック、
リリース14のMBBハンドオーバへのフォールバック、
ハンドオーバ要求の拒否。
【0091】
別の実施形態では、ソースアクセスノード103は、例えば、最初のハンドオーバ準備メッセージの追加情報を介して、ターゲットアクセスノード104に所望のフォールバックメカニズムを知らせてもよい。
【0092】
別の実施形態では、拡張メイク・ビフォア・ブレークのインジケータ、即ち第1の明示的インジケータ、および所望のフォールバックメカニズムのインジケータは、最初のハンドオーバ準備メッセージにおける単一の情報要素に組み合わされてもよい。
【0093】
XnAP(3GPP TS 38.423 v.15.0.0)ハンドオーバ要求メッセージをベースラインとして取って、拡張メイク・ビフォア・ブレーク要求の許容とともに、「IE拡張メイク・ビフォア・ブレーク情報」の形で、ターゲットアクセスノード104に所望のフォールバックメカニズムを知らせるソースアクセスノード103の可能な実現例の一例が、下線を引いたテキストとして以下に示される。
【0094】
9.1.1.1 HANDOVER REQUEST
このメッセージは、ハンドオーバのためにリソースの準備を要求するため、ソースNG-RANノードによってターゲットNG-RANノードに伝送される。
方向:ソースNG-RANノード→ターゲットNG-RANノード
【0095】
アクション512。ソースアクセスノード103は、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバ要求を許容または拒否する第2の明示的インジケータを含む、ハンドオーバ準備応答メッセージをターゲットアクセスノード104から受信し処理する。
【0096】
アクション513。一実施形態では、最初のハンドオーバ準備メッセージに対するターゲットアクセスノードの応答を受信した後、ソースアクセスノード103は、アクション506で記載したような、可能なフォールバック方法に関する決定を行ってもよい。その場合、ソースアクセスノード103は次の間で選択を行ってもよい。
【0097】
ターゲットアクセスノード104によって提案されるフォールバック方法を許容する。
例えばHANDOVER CANCELメッセージを使用して、ハンドオーバ手順を取り消し、同じノードを用いて、例えばeMBBインジケータなしで、または異なるノードを用いて、新しいハンドオーバ手順を開始する。
【0098】
以下、本明細書の実施形態による、ソースアクセスノード103からターゲットアクセスノード104へのUEのハンドオーバを扱う、ターゲットアクセスノード104によって実施される方法のアクションについて、
図6Aに示されるフローチャートを参照して記載する。アクションは、後述する順序で行われなくてもよく、任意の好適な順序で行われてもよい。いくつかの実施形態で実施されるアクションは破線のボックスで示される。
【0099】
アクション601。ターゲットアクセスノード104は、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバを要求するソースアクセスノード103からの第1の明示的インジケータを含む、最初のハンドオーバ準備メッセージを受信する。
【0100】
アクション602。ターゲットアクセスノード104は、要求された拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバの失敗または拒否の場合、ソースアクセスノード103から所望のフォールバックの通知を受信してもよい。
【0101】
アクション603。ターゲットアクセスノード104は更に、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバの失敗または拒否の場合、可能なフォールバックメカニズムを選択してもよい。例えば、ターゲットアクセスノード104におけるフォールバックの解決策の選択は、ハンドオーバ準備メッセージに含まれる所望のフォールバックに基づいてもよい。
【0102】
アクション604。次に、ターゲットアクセスノード104は、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバ要求の失敗または拒否の場合、ソースアクセスノード103に選択された可能なフォールバックメカニズムを通知してもよい。
【0103】
アクション605。ターゲットアクセスノード104は、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバ要求を許容または拒否する第2の明示的インジケータを含むハンドオーバ準備応答メッセージを用いて、ソースアクセスノード103によって伝送された最初のハンドオーバ準備メッセージに応答する。ターゲットアクセスノード104は、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバ要求を拒否する第2のインジケータと、選択された可能なフォールバック方法のインジケータとを含む、ハンドオーバ準備応答メッセージを用いてソースアクセスノード103に応答してもよい。ターゲットアクセスノード104は、明示的な拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバインジケータを、ソースアクセスノード103に転送されるRRC HandoverCommandメッセージに挿入することによって応答してもよい。ターゲットアクセスノード104は、所望のフォールバックのソースアクセスノード103から受信した通知を考慮に入れることによって、可能なフォールバックメカニズムを選択してもよい。
【0104】
II.ターゲットアクセスノード104からのハンドオーバ準備応答。
本明細書の1つの例示の実施形態にしたがって、ターゲットアクセスノード104で実施される方法について、
図6Bを参照して記載する。方法は、以下のアクションまたはステップを含み、それらのアクションは任意の好適な順序で実施されてもよい。
【0105】
アクション611。ターゲットアクセスノード104は、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバを要求するソースアクセスノード103からの明示的インジケータ、即ち第1の明示的インジケータを含む、最初のハンドオーバ準備メッセージを受信し処理する。
【0106】
アクション612。次に、ターゲットアクセスノード104は、拡張メイク・ビフォア・ブレーク要求に関する決定、例えば許容、フォールバック、または拒否を行ってもよい。この決定は、例えば、QoS、ネットワーク能力、利用可能なリソース、設定などに基づいてもよい。ターゲットアクセスノードの決定は次のようなものであってもよい。
拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバを許容、
レガシーハンドオーバへのフォールバック、
rel-14メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバへのフォールバック、
ハンドオーバを拒否。
【0107】
アクション613。ターゲットアクセスノード104がeMBBハンドオーバを許容した場合、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバ要求を許容する第2の明示的インジケータを含む、ハンドオーバ準備応答メッセージをソースアクセスノード103に伝送する。
【0108】
ターゲットアクセスノード104は、例えば、ハンドオーバ準備応答メッセージの追加情報を介して、ソースアクセスノード103に、拡張メイク・ビフォア・ブレーク要求に関するその決定を知らせてもよい。
【0109】
成功または部分的な成功のため、例えばフォールバックメカニズムが使用される場合、可能な実現例の一例は、XnAP(3GPP TS 38.423 v.15.0.0)HANDOVERREQUEST ACKNOWLEDGEメッセージをベースラインとして取り、下線を引いたテキストによって示されるようなIE「拡張メイク・ビフォア・ブレークインジケータ」を追加する。
【0110】
9.1.1.2 HANDOVER REQUEST ACKNOWLEDGE
このメッセージは、ターゲットで準備されたリソースに関してソースNG-RANノードに知らせるため、ターゲットNG-RANノードによって伝送される。
方向:ターゲットNG-RANノード→ソースNG-RANノード
【0111】
アクション614。ターゲットアクセスノード104がeMBBハンドオーバを拒否した場合、ターゲットアクセスノード104は可能なフォールバック方法を選択してもよい。
【0112】
ハンドオーバ失敗の場合、例えばターゲットアクセスノード104がHOを拒否し、フォールバック方法が使用されなかった場合、可能な実現例の一例は、XnAP(3GPP TS 38.423 v.15.0.0)HANDOVER PREPARATION FAILUREメッセージをベースラインとして取り、下線を引いたテキストで示されるように拒否された新しい原因値eMBBを使用してもよい。
【0113】
9.1.1.3 HANDOVER PREPARATION FAILURE
このメッセージは、ハンドオーバ準備が失敗したことをソースNG-RANノードに知らせるため、ターゲットNG-RANノードによって伝送される。
方向:ターゲットNG-RANノード→ソースNG-RANノード
【0114】
9.2.3.2 原因
原因IEの目的は、XnAPプロトコルに関する特定のイベントの理由を示すことである。
【0115】
異なる原因値の意味は以下の表で指定される。一般に、「非対応」の原因値は関連する能力が欠けていることを示す。他方で、「利用不能」の原因値は、関連する能力は存在しないが、要求されたアクションを実施するのに不十分なリソースは利用可能であったことを示す。
【0116】
アクション615。一実施形態では、ターゲットアクセスノード104は、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバ要求を拒否する第2の明示的インジケータと、選択された可能なフォールバック方法のインジケータとを含む、ハンドオーバ準備応答メッセージをソースアクセスノード103に伝送する。
【0117】
一実施形態では、eMBBに対応していないターゲットアクセスノード104は、既存の原因値、例えば抽象構文エラー(拒否)を含む、ハンドオーバ要求失敗を伝送してもよい。
【0118】
一実施形態では、ソースアクセスノード103は、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバ要求を許容または拒否する第2の明示的インジケータを含む、上述のハンドオーバ準備応答メッセージをターゲットアクセスノード104から受信し、処理してもよい。
【0119】
III.ソースアクセスノード103におけるターゲットアクセスノードのeMBB能力の学習。
図5Bのアクション503を参照すると、上述の実施形態に従属する一実施形態では、ソースアクセスノード103は、ターゲットアクセスノード104からの応答にしたがって、ターゲットアクセスノードのeMBB能力に関して学習してもよい。
【0120】
ソースアクセスノード103が、追加のeMBB情報を含まない成功応答を受信した場合、ターゲットアクセスノード104はeMBBに対応していないと推論してもよい。
【0121】
ソースアクセスノード103が、追加のeMBB情報、例えばeMBB許容または所望のフォールバックを含む、成功応答を受信した場合、ターゲットアクセスノード104はeMBBに対応していると推論してもよい。
【0122】
ソースアクセスノード103が、追加のeMBB情報、例えば原因値=eMBB非許容を含む、失敗応答を受信した場合、ターゲットアクセスノード104はeMBBに対応していると推論してもよい。
【0123】
この情報は、同じまたは異なるUEの同じターゲットアクセスノード104への後続のハンドオーバに関する決定を行うために、ソースアクセスノード103に格納されてもよい。
【0124】
IV.RRCハンドオーバコマンドの拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバインジケータは、ソースアクセスノード103に転送されるコマンドメッセージである
一実施形態では、ターゲットアクセスノード104がソースアクセスノード103からの拡張メイク・ビフォア・ブレーク要求を許容した場合、ターゲットアクセスノード104は、拡張メイク・ビフォア・ブレークインジケータとして例示される第2のインジケータを、LTEの場合はMobilityControlInfo IEを含むRRCConnectionReconfigurationメッセージ、NRの場合はreconfigurationWithSync IEを含むRRCReconfigurationメッセージに対応する、RRC HandoverCommandメッセージに挿入して、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバを実施すべきであることをUEにシグナリングしてもよい。
【0125】
拡張MakeBeforeBreak-r16 IE(下線)が、LTEに対するRRCConnectionReconfigurationメッセージに含まれるMobilityControlInfoに追加される、LTEに関するASN.1の例を以下に示す。
【0126】
拡張MakeBeforeBreak-r16 IE(下線)が、NRにおけるRRCReconfigurationメッセージに含まれるreconfigurationWithSync IEに追加される、NRに関する一例を以下に示す。
【0127】
V.ターゲットアクセスノード104がeMBBに対応していない場合の、リリース14 MBBへのフォールバック。
一実施形態では、ソースアクセスノード103は、リリース14のメイク・ビフォア・ブレークに使用される、即ち、RRC HandoverPreparationメッセージのmakeBeforeBreak-r14インジケータと、アクション501で定義される新しいインジケータ、即ち第1の明示的インジケータとを加える、シグナリング方法を組み合わせてもよい。ターゲットアクセスノード104がeMBBに対応しており、eMBB要求を許容する場合、アクション605で定義されるように、RRC eMBBインジケータをRRC HandoverCommandメッセージに挿入する。ターゲットアクセスノード104がeMBBに対応しており、eMBB要求を拒否する場合、RRCリリース14 MBBインジケータをRRC HandoverCommandメッセージに挿入する。ターゲットアクセスノード104が、eMBBに対応していないがリリース14 MBBには対応している場合、リリース14 RRC MBBインジケータをRRC HandoverCommandメッセージに挿入する。
【0128】
VI.拡張メイク・ビフォア・ブレーク準備のための可能なソースアクセスノード103およびターゲットアクセスノード104のアクション
本明細書の実施形態は、拡張メイク・ビフォア・ブレーク準備のための、ネットワークシグナリングに関する可能なソースおよびターゲットアクセスノードのアクションを定義している。これらのアクションは、異なる可能なシナリオにしたがって定義される。異なる可能なシナリオは、以下の基準/イベントの組み合わせである。
【0129】
ソースアクセスノード103からのeMBB要求を受信する際の、ターゲットアクセスノードのeMBB対応および決定。
I.ターゲットアクセスノード104はeMBBに対応しており、eMBB要求を許容する。
II.ターゲットアクセスノード104はeMBBに対応しており、eMBB要求を拒否する。
III.ターゲットアクセスノード104はeMBBに対応していない。
【0130】
ターゲットアクセスノード104がeMBB要求を拒否する場合、どのノードが、即ちソースまたはターゲットが、使用されるフォールバック方法に対する最終決定を行うか。
A.フォールバック方法はターゲットアクセスノード104によって決定される。ソースアクセスノード103は、フォールバック方法が適切でない場合、後でいつでも取り消すことができる。
B.フォールバック方法は、ハンドオーバ要求の前にソースアクセスノード103によって決定される。
C.フォールバック方法は、ハンドオーバ準備の失敗がターゲットアクセスノード104から受信された後に、ソースアクセスノード103によって決定される。
【0131】
フォールバック方法または他のソース/ターゲットアクセスノードの決定
1)レガシーハンドオーバへのフォールバック
2)リリース14のメイク・ビフォア・ブレークへのフォールバック
3)ハンドオーバが拒否される
4)ハンドオーバが取り消される
【0132】
すべての可能な選択肢を組み合わせることによって、ソースおよびターゲットアクセスノードに関する以下の挙動が定義されてもよい。
【0133】
ターゲットアクセスノード104がeMBBに対応しており、eMBB要求を許容する。
I.ターゲットアクセスノード104は、第1の明示的インジケータ、例えばeMBBインジケータを、RRC HandoverCommandメッセージ内に追加し、任意のIEの第2の明示的インジケータ、例えばeMBB許容を、ハンドオーバ要求肯定応答に追加し、即ち、ターゲットアクセスノード104は、eMBBが許容されていることを、明示的にシグナリングしてもよいので、ソースアクセスノード103は、RRC HandoverCommandメッセージをチェックする必要なく分かっている。場合によっては、「eMBB許容」を「eMBB非対応」イベントと区別するのが必要なことがある。ソースアクセスノード103は、ターゲットアクセスノード104がeMBBに対応していると学習することができる。
【0134】
ターゲットアクセスノード104はeMBBに対応しており、eMBB要求を拒否する。
【0135】
II.A.1.ターゲットアクセスノード104は、eMBBインジケータをRRC HandoverCommandメッセージ内に追加せず、任意のIE、例えばレガシーHOへのフォールバックを、ハンドオーバ要求肯定応答に追加する。ソースアクセスノード103は、ターゲットアクセスノード104がeMBBに対応していると学習してもよい。
【0136】
II.A.2.ターゲットアクセスノード104は、rel-14 MBBインジケータをRRC HandoverCommandメッセージ内に追加し、任意のIE、例えばrel-14 MBBへのフォールバックを、ハンドオーバ要求肯定応答に追加する。ソースアクセスノード103は、ターゲットアクセスノード104がeMBBに対応していると学習することができる。eMBBに対応しているソースアクセスノード103は、rel-14 MBBにも対応していると仮定される。
【0137】
II.A.3.ターゲットアクセスノード104は、新しい原因値、例えばeMBB拒否を含むハンドオーバ準備失敗メッセージをレガシーに伝送してもよい。次に、ソースアクセスノード103は、ターゲットアクセスノード104がeMBBに対応していると学習してもよい。ソースアクセスノード103は、別のハンドオーバ要求を、eMBBインジケータを含まずに同じノードに対して試みてもよい。あるいは、eMBBを含むかまたは含まずに、別のターゲットアクセスノードを試みる。
【0138】
II.A.4.該当なし。
【0139】
II.B.1.ターゲットアクセスノード104は、eMBBインジケータをRRC HandoverCommandメッセージ内に追加せず、任意のIE、例えばレガシーHOへのフォールバックを、ハンドオーバ要求肯定応答に追加する。ソースアクセスノード103は、ターゲットアクセスノード104がeMBBに対応していると学習することができる。
【0140】
II.B.2.ターゲットアクセスノード104は、rel-14 MBBインジケータをRRC HandoverCommandメッセージ内に追加し、任意のIE、例えばrel-14 MBBへのフォールバックを、ハンドオーバ要求肯定応答に追加する。ソースアクセスノード103は、ターゲットがeMBBに対応していると学習してもよい。
【0141】
II.B.3.ターゲットアクセスノード104は、新しい原因値、例えばeMBB拒否を含むハンドオーバ準備失敗メッセージを伝送する。ソースアクセスノード103は、ターゲットアクセスノード104がeMBBに対応していると学習してもよい。ソースアクセスノード13は、eMBBを含むかまたは含まずに、別のターゲットアクセスノードを試みることができる。
【0142】
II.B.4.不要。その場合、ソースアクセスノード103はII.B.3.に記載したアクションを使用するべきである。
【0143】
II.C.1.ターゲットアクセスノード104は、新しい原因値、例えばeMBB拒否を含むハンドオーバ準備失敗メッセージを伝送する。ソースアクセスノード103は、ターゲットアクセスノード104がeMBBに対応していると学習してもよい。ソースアクセスノード103は、eMBBインジケータを含まない新しいハンドオーバ要求を伝送する。
【0144】
II.C.2.ターゲットアクセスノード104は、新しい原因値、例えばeMBB拒否を含むハンドオーバ準備失敗メッセージを伝送する。ソースアクセスノード103は、ターゲットアクセスノード104がeMBBに対応していると学習してもよい。ソースアクセスノード103は、rel-14 MBBインジケータを含まない新しいハンドオーバ要求を伝送する。MBBはターゲットアクセスノード104からのいずれの特定のアクションも必要としないので、ターゲットアクセスノード104は、rel-14として許容することができるはずである。
【0145】
II.C.3.ターゲットアクセスノード104は、新しい原因値、例えばeMBB拒否を含むハンドオーバ準備失敗メッセージを伝送する。ソースアクセスノード103は、ターゲットアクセスノード104がeMBBに対応していると学習してもよい。ソースアクセスノード103は、eMBBを含むかまたは含まずに、別のターゲットアクセスノードを試みてもよい。
【0146】
II.C.4.該当なし。
【0147】
ターゲットアクセスノード104はeMBBに対応していない。
【0148】
III.A.1.ターゲットアクセスノード104は、eMBBインジケータをRRC HandoverCommandメッセージ内に追加せず、任意のIEをハンドオーバ要求肯定応答メッセージに追加しない。ソースアクセスノード103は、ターゲットアクセスノード104がeMBBに対応していないと学習してもよい。
【0149】
III.A.2.RRCのeMBBインジケータがrel-14 MBBインジケータと同様でない限り、該当なし。その場合、ターゲットアクセスノード10は、rel-14 MBBインジケータをHOコマンド内に追加し、任意のIEをHO要求肯定応答に追加しない。ソースアクセスノード103は、ターゲットがeMBBに対応していないと学習してもよい。この使用例を網羅する必要がある場合、ソースからのシグナリングは1および2を組み合わせて、ターゲットがeMBBに対応している事例を網羅する。
【0150】
III.A.3.該当なし。
【0151】
III.A.4.該当なし。
【0152】
III.B.該当なし。
【0153】
III.C.1. III.A.1と同様。これは、eMBBに対応していないターゲットアクセスノード104からのデフォルトのアクションである。
【0154】
III.C.2.ターゲットアクセスノード104は、eMBBインジケータをRRC HandoverCommandメッセージ内に追加せず、任意のIEをハンドオーバ要求肯定応答メッセージに追加しない。ソースアクセスノード103は、ターゲットアクセスノード104がeMBBに対応していないと学習してもよい。ターゲットアクセスノード104は、HOを取り消し、rel-14 MBBインジケータを含む新しいハンドオーバ要求を伝送する。
【0155】
III.C.3.該当なし。
【0156】
III.C.4.ターゲットアクセスノード104は、eMBBインジケータをRRCハンドオーバコマンドメッセージのeMBB内に追加しない。ソース/ターゲットアクセスノードは、HOを取り消し、eMBBを含むかまたは含まずに、別のターゲットアクセスノードを試みることができる。
【0157】
eMBBに対応していないノードに関する上述のアクションに対する1つの代替案は、既存の原因値、例えば抽象構文エラー(拒否)を含む、ハンドオーバ要求失敗を伝送することである。
【0158】
ソースアクセスノード103において方法を実施するため、ソースアクセスノード103は、
図7Aに示されるようなモジュールを備えてもよい。ソースアクセスノード103は、受信モジュール710、送信モジュール720、判定モジュール730、処理モジュール740、メモリ750などを備えてもよい。受信モジュール710、送信モジュール720、判定モジュール730、および処理モジュール740は、プロセッサ760として示される、1つのモジュールとして組み合わされてもよい。
【0159】
本明細書の実施形態による方法は、ソースアクセスノード103内のプロセッサ760など、1つまたは複数のプロセッサによって、本明細書の実施形態の機能およびアクションを実施するコンピュータプログラムコードとともに、実現されてもよい。上述のプログラムコードはまた、例えば、ソースアクセスノード103にロードされると本明細書の実施形態を実施する、
図7Aに示されるような、コンピュータプログラムコード770を保持するデータキャリア780の形態の、コンピュータプログラム製品として提供されてもよい。かかる1つのキャリアは、CD ROMディスクの形態であってもよい。しかしながら、メモリスティックなど、他のデータキャリアで実現可能である。コンピュータプログラムコードは更に、サーバまたはクラウド上の純粋なプログラムコードとして提供され、ソースアクセスノード103にダウンロードされてもよい。
【0160】
ソースアクセスノード103内のメモリ750は、1つまたは複数のメモリユニットを備えてもよく、受信した情報、測定値、データ、設定、およびアプリケーションを格納して、ソースアクセスノード103で実行されたときに本明細書の方法を実施するのに使用されるように配置されてもよい。
【0161】
ソースアクセスノード103、プロセッサ760、または送信モジュール720は、ターゲットアクセスノード104に、ターゲットアクセスノード104が拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバを要求する第1の明示的インジケータを含む、最初のハンドオーバ準備メッセージを伝送するように設定される。
【0162】
ソースアクセスノード103、プロセッサ760、または受信モジュール710は、要求された拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバを許容または拒否する第2の明示的インジケータを含む、ハンドオーバ準備応答メッセージをターゲットアクセスノード104から受信するように設定される。
【0163】
ソースアクセスノード103、プロセッサ760、または判定モジュール730は、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバの拒否または非対応を示すハンドオーバ準備応答メッセージをターゲットアクセスノード104から受信すると、可能なフォールバックメカニズムを選択するように設定される。
【0164】
ソースアクセスノード103、プロセッサ760、または処理モジュール740は、要求された拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバの失敗または拒否の場合、ターゲットアクセスノード104に所望のフォールバックを通知するように設定されてもよい。
【0165】
ソースアクセスノード103、プロセッサ760、または処理モジュール740は、ハンドオーバ準備応答メッセージから、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバに関連するターゲットアクセスノード104の能力を学習するように設定されてもよい。ターゲットアクセスノード104の能力は、要求された拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバの成功応答または失敗応答に基づいて学習されてもよい。ソースアクセスノード103、プロセッサ760、または判定モジュール730は、所望のフォールバックを考慮に入れる可能なフォールバックメカニズム、ならびに/あるいはターゲットアクセスノード104の学習した能力を選択するように設定されてもよい。
【0166】
ソースアクセスノード103、プロセッサ760、または判定モジュール730は、ターゲットアクセスノード104に所望のフォールバックを通知するように設定されてもよく、その場合、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバに対する第1の明示的インジケータおよび所望のフォールバックメカニズムに対するインジケータは、最初のハンドオーバ準備メッセージの単一の情報要素で組み合わされる。
【0167】
ソースアクセスノード103、プロセッサ760、または送信モジュール720は、追加情報としての第1の明示的指示を最初のハンドオーバ準備メッセージに追加するように設定されてもよい。
【0168】
第1の明示的指示は、ソースアクセスノードからターゲットアクセスノードにシグナリングされる、RRCコンテキストに含まれてもよい。第1の明示的指示はハンドオーバ要求メッセージに追加されてもよい。
【0169】
可能なおよび/または所望のフォールバックは、レガシーハンドオーバへのフォールバック、リリース14のMBBハンドオーバへのフォールバック、およびハンドオーバ要求の拒否のうち1つもしくは複数を含んでもよい。
【0170】
ソースアクセスノード103、プロセッサ760、または受信モジュール710は、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバ要求の拒否の場合、ターゲットアクセスノード104から、選択された可能なフォールバックメカニズムの通知を受信するように設定されてもよい。
【0171】
ソースアクセスノード103、プロセッサ760、または判定モジュール730は、通知を考慮に入れることによって、可能なフォールバックメカニズムを選択するように設定されてもよい。
【0172】
ターゲットアクセスノード104において方法を実施するため、ターゲットアクセスノード104は、
図7Bに示されるようなモジュールを備えてもよい。ターゲットアクセスノード104は、受信モジュール711、送信モジュール721、判定モジュール731、処理モジュール741、メモリ751などを備えてもよい。受信モジュール711、送信モジュール721、判定モジュール731、および処理モジュール741は、プロセッサ761として示される、1つのモジュールとして組み合わされてもよい。
【0173】
ターゲットアクセスノード104、プロセッサ761、および/または受信モジュール711は、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバを要求するソースアクセスノード103からの第1の明示的インジケータを含む、最初のハンドオーバ準備メッセージを受信するように設定される。
【0174】
ターゲットアクセスノード104、プロセッサ761、および/または送信モジュール721は、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバ要求を許容または拒否する第2の明示的インジケータを含むハンドオーバ準備応答メッセージを用いて、ソースアクセスノード103によって伝送された最初のハンドオーバ準備メッセージに応答するように設定される。
【0175】
ターゲットアクセスノード104、プロセッサ761、および/または判定モジュール731は、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバの失敗または拒否の場合、可能なフォールバックメカニズムを選択するように設定されてもよい。
【0176】
ターゲットアクセスノード104、プロセッサ761、および/または送信モジュール721は、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバ要求の失敗または拒否の場合、ソースアクセスノード103に選択された可能なフォールバックメカニズムを通知するように設定されてもよい。
【0177】
ターゲットアクセスノード104、プロセッサ761、および/または送信モジュール721は、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバ要求を拒否する第2のインジケータと、選択された可能なフォールバック方法のインジケータとを含む、ハンドオーバ準備応答メッセージを用いてソースアクセスノード103に応答するように設定されてもよい。
【0178】
ターゲットアクセスノード104、プロセッサ761、および/または送信モジュール721は、明示的な拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバインジケータを、ソースアクセスノード103に転送されるRRC HandoverCommandメッセージに挿入することによって応答するように構成されてもよい。
【0179】
ターゲットアクセスノード104、プロセッサ761、および/または受信モジュール711は、要求された拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバの失敗または拒否の場合、ソースアクセスノード103から所望のフォールバックの通知を受信するように設定されてもよい。ターゲットアクセスノード104、プロセッサ761、および/または判定モジュール731は、受信した通知を考慮に入れる、可能なフォールバックメカニズムを選択するように設定されてもよい。
【0180】
本明細書の実施形態による方法は、ターゲットアクセスノード104内のプロセッサ761など、1つまたは複数のプロセッサによって、本明細書の実施形態の機能およびアクションを実施するコンピュータプログラムコードとともに、実現されてもよい。上述のプログラムコードはまた、例えば、ターゲットアクセスノード104にロードされると本明細書の実施形態を実施する、
図7Bに示されるような、コンピュータプログラムコード771を保持するデータキャリア781の形態の、コンピュータプログラム製品として提供されてもよい。かかる1つのキャリアは、CD ROMディスクの形態であってもよい。しかしながら、メモリスティックなど、他のデータキャリアで実現可能である。コンピュータプログラムコードは更に、サーバまたはクラウド上の純粋なプログラムコードとして提供され、ターゲットアクセスノード104にダウンロードされてもよい。
【0181】
ターゲットアクセスノード104内のメモリ751は、1つまたは複数のメモリユニットを備えてもよく、受信した情報、測定値、データ、設定、およびアプリケーションを格納して、ターゲットアクセスノード104で実行されたときに本明細書の方法を実施するのに使用されるように配置されてもよい。
【0182】
以下、いくつかの実施形態について記載する。
実施形態1:ターゲットアクセスノードへのUEのハンドオーバを実施する、ソースアクセスノードにおける方法であって、
ターゲットアクセスノードが拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバを要求するインジケータを含む、最初のハンドオーバ準備メッセージを伝送することと、
拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバ要求の拒否の場合、ターゲットアクセスノードに所望のフォールバックを通知することと、
拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバ要求を許容または拒否するインジケータを含む、ハンドオーバ準備応答メッセージをターゲットアクセスノードから受信することと、
ハンドオーバ準備応答メッセージの受信に応答して、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバを拒否するターゲットアクセスノードを受信すると、可能なフォールバック方法に関する決定を行うことと、を含む、方法。
【0183】
実施形態2:実施形態1にしたがって、ソースアクセスノードが、拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバ要求に対するターゲット応答メッセージから、ターゲットアクセスノード拡張メイク・ビフォア・ブレーク能力を学習する。
【0184】
グループB実施形態
実施形態3:ソースアクセスノードからのUEのハンドオーバを実施する、ターゲットアクセスノードにおける方法であって、
拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバを要求するソースアクセスノードからのインジケータを含む、最初のハンドオーバ準備メッセージを受信することと、
拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバ要求を許容または拒否するインジケータを含む、ソースアクセスノードによって伝送された最初のハンドオーバ準備メッセージに応答することと、
拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバの拒否の場合、可能なフォールバック方法を選択することと、
拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバ要求の拒否の場合、ソースアクセスノードに選択されたフォールバック方法を通知することと、
UEに通知するために、明示的な拡張メイク・ビフォア・ブレークハンドオーバインジケータを、ソースアクセスノードに転送されるRRC HandoverCommandメッセージに挿入することと、を含む、方法。
【0185】
図2~4内の文字が小さすぎて不鮮明で読めない場合に備えて、以下に参照を示す。
図2:3GPP TS 38.300 v15.2.0の
図9.2.3.2.1-1による。
図3:3GPP TS 36.300 v14.8.0の
図10.1.2.1.1-1による。
図4:R2-1817396,Enhancements to Make-Before-Break,Ericsson,3GPP TSG-RAN WG2#104,Spokane,USA,2018年11月12~16日による。
【0186】
以下の略語の少なくとも一部が本開示で使用されることがある。略語の間に不一致がある場合、上記でどのように使用されているかを優先するものとする。以下で複数回列挙されている場合、最初の列挙をその後の列挙よりも優先するものとする。
【0187】
略語の説明
5GS 5Gシステム
5GC 5Gコアネットワーク
AMF アクセスおよびモビリティ管理機能
CHO 条件付きハンドオーバ
C-RNTI セルRNTI
DL ダウンリンク
eNB エボルブドノードB
eMBB 拡張メイク・ビフォア・ブレーク
E-UTRAN 進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク
EPC 進化型パケットコアネットワーク
gNB 5GノードB
HO ハンドオーバ
IE 情報要素
LTE ロングタームエボリューション
MBB メイク・ビフォア・ブレーク
NCC ネクストホップチェイニングカウンタ
NG-RAN 次世代無線アクセスネットワーク
NR 新無線
PDCP パケットデータコンバージェンスプロトコル
RA ランダムアクセス
RAR ランダムアクセス応答
RAT 無線アクセス技術
RNTI 無線ネットワーク一時識別子
RRC 無線リソース制御
Rx 受信
SDU サービスデータユニット
SN シーケンス番号
Tx 送信
UE ユーザ機器
UL アップリンク
UPF ユーザプレーン機能