IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シーエスピー テクノロジーズ,インコーポレイティドの特許一覧

特許7275362基材に対してホットメルト混入ポリマーを分注し、接着させるための方法
<>
  • 特許-基材に対してホットメルト混入ポリマーを分注し、接着させるための方法 図1
  • 特許-基材に対してホットメルト混入ポリマーを分注し、接着させるための方法 図2
  • 特許-基材に対してホットメルト混入ポリマーを分注し、接着させるための方法 図3
  • 特許-基材に対してホットメルト混入ポリマーを分注し、接着させるための方法 図4
  • 特許-基材に対してホットメルト混入ポリマーを分注し、接着させるための方法 図5
  • 特許-基材に対してホットメルト混入ポリマーを分注し、接着させるための方法 図6
  • 特許-基材に対してホットメルト混入ポリマーを分注し、接着させるための方法 図7
  • 特許-基材に対してホットメルト混入ポリマーを分注し、接着させるための方法 図8
  • 特許-基材に対してホットメルト混入ポリマーを分注し、接着させるための方法 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-09
(45)【発行日】2023-05-17
(54)【発明の名称】基材に対してホットメルト混入ポリマーを分注し、接着させるための方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 65/02 20060101AFI20230510BHJP
   B29C 48/36 20190101ALI20230510BHJP
   B29C 48/395 20190101ALI20230510BHJP
   B29C 48/08 20190101ALI20230510BHJP
   B29C 48/154 20190101ALI20230510BHJP
   C08L 23/00 20060101ALI20230510BHJP
   C08L 91/00 20060101ALI20230510BHJP
   C08K 3/01 20180101ALI20230510BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20230510BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20230510BHJP
【FI】
B29C65/02
B29C48/36
B29C48/395
B29C48/08
B29C48/154
C08L23/00
C08L91/00
C08K3/01
B65D65/40 D
C08L101/00
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022103899
(22)【出願日】2022-06-28
(62)【分割の表示】P 2020546344の分割
【原出願日】2018-09-05
(65)【公開番号】P2022132308
(43)【公開日】2022-09-08
【審査請求日】2022-07-27
(31)【優先権主張番号】PCT/US2018/020978
(32)【優先日】2018-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501014005
【氏名又は名称】シーエスピー テクノロジーズ,インコーポレイティド
【住所又は居所原語表記】960 West Veterans Boulevard, Auburn, Alabama 36832 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー・ピータース
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・アール・フリードマン
(72)【発明者】
【氏名】フランクリン・リー・ルーカス・ジュニア
【審査官】▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-234832(JP,A)
【文献】特開2002-206046(JP,A)
【文献】特開2006-327690(JP,A)
【文献】特開2014-50988(JP,A)
【文献】特表2016-513748(JP,A)
【文献】特開平9-85830(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 65/00-65/82
B29C 48/00-48/96
B29C 63/00-63/48
B32B 1/00-43/00
B65D 67/00-85/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
混入ポリマーのストリップを形成させ、基材に対して接着させる方法であって、
a.溶融された形態にある混入ポリマー組成物を押し出す工程;
b.前記混入ポリマー組成物の適用を受けるための表面を有する基材を備える工程;及び
c.溶融された形態にある前記混入ポリマー組成物を、前記基材の表面の一部に、ストリップの形状で適用し、前記基材の表面上に固化した混入ポリマーのストリップを形成させる工程
を含み;
前記混入ポリマー組成物が、ベースポリマー及び微粒子状活性剤の混合物を含み、前記微粒子状活性剤が、前記混入ポリマーの合計重量を基準にして、重量で、20%~80%の範囲にあり;
前記混入ポリマー組成物は加熱接着により前記基材の表面の前記一部に付着し、前記混入ポリマーのストリップは、前記混入ポリマー組成物を冷却及び固化させることにより形成され;
前記方法は、以下を含むホットメルトの分注装置を使用して実施され:
i.前記混入ポリマー組成物をブレンド及び溶融し、前記装置を通して、溶融された形態にある前記混入ポリマー組成物の流れを提供するためのエクストルーダー、
ii.溶融された形態にある前記混入ポリマー組成物の流れを受け取るための、前記エクストルーダーの出口と流体的につながっている内腔を有するホース、及び
iii.前記ホースと流体的につながっているアプリケーターであって、溶融された前記混入ポリマー組成物を分注するためのディスペンサーを含むアプリケーター;
前記内腔は、前記アプリケーターの所で終端していて、それに対して溶融された形態にある前記混入ポリマー組成物が前記ホースを通して移送され、前記ディスペンサーは、前記基材の表面に対して、溶融された形態にある前記混入ポリマー組成物を適用する、方法。
【請求項2】
混入ポリマー構造物を形成させ、基材に対して接着させる方法であって、
a.溶融された形態にある混入ポリマー組成物を押し出す工程;
b.前記混入ポリマー組成物の適用を受けるための表面を有する固体形態の基材を備える工程;及び
c.溶融された形態にある前記混入ポリマー組成物を、前記基材の表面に、所定の形状で適用し、前記基材の表面上に固化した前記混入ポリマー構造物を形成させる工程
を含み;
前記混入ポリマー組成物が、ベースポリマー及び微粒子状活性剤の混合物を含み;
前記混入ポリマー組成物は加熱接着により前記基材の表面に付着し、前記混入ポリマー構造物は、前記混入ポリマー組成物を冷却及び固化させることにより形成され、固化した前記混入ポリマー構造物は外側境界を含み、前記基材の表面は前記外側境界を越えて延在し;
前記方法は、溶融された形態にある前記混入ポリマー組成物をディスペンサーに移送するエクストルーダーを含むホットメルトの分注装置を使用して実施され、前記ディスペンサーは、溶融された形態にある前記混入ポリマー組成物を前記基材の表面に適用し、前記ディスペンサーを流れる溶融された形態にある前記混入ポリマー組成物は、ASTM D1238/ISO 1133の標準条件下で、200g/10分~5000g/10分の範囲にあるメルトフローインデックス(MFI)を有する、方法。
【請求項3】
ホットメルトの分注装置を使用した、自動化されたパッケージ製造ラインで、混入ポリマー構造物を形成させ、基材に対して接着させる方法であって、
a.以下を含むホットメルトの分注装置を備える工程:
i.混入ポリマー組成物をブレンド及び溶融するためのエクストルーダーであって、前記エクストルーダーを通して、前記エクストルーダーの出口から、溶融された形態にある前記混入ポリマー組成物の流れを提供するためのエクストルーダー、
ii.前記エクストルーダーの出口に動作可能に接続され、前記エクストルーダーの出口と流体的につながっているマニホールドであって、溶融された形態にある前記混入ポリマー組成物を、前記マニホールドに動作可能に接続され、前記マニホールドと流体的につながっている複数のホースに移送するように構成されるマニホールド;ここで、各ホースは、溶融された形態にある前記混入ポリマー組成物の流れを受け取るように構成される内腔を有し、各ホースは、溶融された前記混入ポリマー組成物を分注するためのディスペンサーにつながる;
b.溶融された形態にある前記混入ポリマー組成物を、前記エクストルーダーを通して押し出す工程;
c.溶融された形態にある前記混入ポリマー組成物を、前記エクストルーダーから、前記マニホールドを通して、各ホースを通して、それぞれのホースのディスペンサーを通して移送する工程;
d.前記混入ポリマー組成物の適用を受けるための表面を有する固体形態の基材を備える工程;及び
e.溶融された形態にある前記混入ポリマー組成物を、各ディスペンサーから分注し、前記基材の表面に、前記混入ポリマー組成物を所定の形状で適用し、前記基材の表面上に固化した前記混入ポリマー構造物を形成させる工程
を含み;
前記混入ポリマー組成物が、ベースポリマー及び微粒子状活性剤の混合物を含み;
前記混入ポリマー組成物は加熱接着により前記基材の表面に付着し、前記混入ポリマー構造物は、前記混入ポリマー組成物を冷却及び固化させることにより形成され、固化した前記混入ポリマー構造物は外側境界を含み、前記基材の表面は前記外側境界を越えて延在する、方法。
【請求項4】
自動化されたパッケージ製造ラインで、繰返して所定のパターンで、混入ポリマー組成物を形成させ、基材に対して接着させる方法であって、
a.溶融された形態にある混入ポリマー組成物を押し出す工程;
b.前記混入ポリマー組成物の適用を受けるための表面を有する基材を備える工程;
c.溶融された形態にある前記混入ポリマー組成物を、前記基材の表面の一部に、所定のパターンの形状で適用し、前記基材の表面上に固化した混入ポリマーのパターンを形成させる工程;及び
d.前記自動化されたパッケージ製造ラインで、前記工程b及びcを繰返して、前記基材の表面に繰返して前記所定のパターンを形成させ、接着させる工程
を含み;
前記混入ポリマー組成物が、ベースポリマー及び微粒子状活性剤の混合物を含み、前記微粒子状活性剤が、前記混入ポリマーの合計重量を基準にして、重量で、20%~80%の範囲にあり;
前記混入ポリマー組成物は加熱接着により前記基材の表面の前記一部に付着し、所定のパターンの前記混入ポリマー組成物は、前記混入ポリマー組成物を冷却及び固化させることにより形成され;
前記方法は、以下を含むホットメルトの分注装置を使用して実施され:
i.前記混入ポリマー組成物をブレンド及び溶融し、前記装置を通して、溶融された形態にある前記混入ポリマー組成物の流れを提供するためのエクストルーダー、
ii.溶融された形態にある前記混入ポリマー組成物の流れを受け取るための、前記エクストルーダーの出口と流体的につながっている内腔を有するホース、及び
iii.前記ホースと流体的につながっているアプリケーターであって、溶融された前記混入ポリマー組成物を分注するためのディスペンサーを含むアプリケーター;
前記内腔は、前記アプリケーターの所で終端していて、それに対して溶融された形態にある前記混入ポリマー組成物が前記ホースを通して移送され、前記ディスペンサーは、前記所定のパターンで、前記基材の表面に対して、溶融された形態にある前記混入ポリマー組成物を適用し、前記混入ポリマー組成物が前記ホースを通して前記ディスペンサーに移送される際、前記内腔を加熱して、前記混入ポリマー組成物を溶融状態に保ち、前記ディスペンサーを加熱して、前記混入ポリマー組成物を前記基材の表面に適用するために溶融状態に保ち、前記混入ポリマー組成物が繰り返して所定の形状に正確に形成されることを容易とする、方法。
【請求項5】
前記微粒子状活性剤が抗菌剤を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記微粒子状活性剤が乾燥剤を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記微粒子状活性剤がでんぷん乾燥剤を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記微粒子状活性剤がモレキュラーシーブを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記微粒子状活性剤がシリカゲルを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記微粒子状活性剤が更に抗菌剤を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記微粒子状活性剤がクレーを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記微粒子状活性剤が更に抗菌剤を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記混入ポリマー組成物がチャネリング剤を含み、前記チャネリング剤は、固化した前記混入ポリマー中の前記ベースポリマーを通過する通路を形成する、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記混入ポリマー組成物がチャネリング剤を含み、前記チャネリング剤は、固化した前記混入ポリマー中の前記ベースポリマーを通過する通路を形成する、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記混入ポリマー組成物がチャネリング剤を含み、前記チャネリング剤は、固化した前記混入ポリマー中の前記ベースポリマーを通過する通路を形成する、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記基材がフォイルであり、且つ前記基材の表面が前記フォイル上にポリマーシーリング層を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記微粒子状活性剤が、前記混入ポリマー組成物の合計重量を基準にして、重量で、30%~80%の範囲で存在する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記微粒子状活性剤がモレキュラーシーブであり、前記基材と、前記基材の表面上に接着した固化した混入ポリマーとが複合材料を形成する、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記複合材料は、水分の影響を受けやすい製品のためのパウチの一部を形成する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記複合材料は、ブリスターパックの一部を形成する、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、混入ポリマー(entrained polymer)、及びその混入ポリマーを、場合によってはインラインの製造プロセスにおいて、溶融状態で押出成形するための方法に関する。より詳しくは、本発明は、表面を有する基材に対する、溶融された活性ポリマーの適用及び接着に関する。その表面には、その溶融された活性ポリマーと相溶することが可能な物質が含まれていて、それに対する加熱接着が容易となっている。
【背景技術】
【0002】
環境の中には、好ましくは貯蔵され、出荷され、及び/又は使用される、制御及び/又は調節しなければならない、数多くの物品が存在している。たとえば、水分調節の分野においては、その中に閉じ込められている過剰な水分を吸収する能力を有する、コンテナー及び/又はパッケージが望ましいと考えられてきた。水分、酸素、エチレン、及びその他の気体状物質を制御することは、医薬品、電子部品及び食品の包装用途では、望ましい場合がある。
【0003】
慣用的には、乾燥剤、酸素吸収剤、及びその他の活性剤(active agent)が、原料の形で、たとえば、パッケージの内部環境を調節するためには、パッケージの内部のサッシュ又はキャニスターに組みこまれた、ばらばらの微粒子として使用されてきた。多くの用途においては、そのように、ばらばらの状態で貯蔵された活性物質は望ましいものではない。この問題に対処するために、本出願譲受人は、活性剤を含む、活性な混入ポリマーを開発したが、そのようなポリマーは、押出成形及び/又は金型成形して、所望される形態、たとえば、コンテナーのライナー、プラグ、フィルムシート、ペレット、及びその他のそのような構造物とすることができる。場合によっては、そのような活性な混入ポリマーには、チャネリング剤、たとえばポリエチレングリコール(PEG)が含まれていてよいが、それらは、その混入ポリマーの表面とその内部の間にチャネルを形成し、選択された物質(たとえば、水分)を、混入された活性剤(たとえば、水分吸収のための乾燥剤)に移行させる。混入ポリマーは、2相配合物(すなわち、ベースポリマー及び活性剤を含むが、チャネリング剤はなし)であっても、或いは3相配合物(すなわち、ベースポリマー、活性剤、及びチャネリング剤を含む)であってもよい。混入ポリマーは、たとえば以下の特許に記載されている:米国特許第5,911,937号明細書、米国特許第6,080,350号明細書、米国特許第6,124,006号明細書、米国特許第6,130,263号明細書、米国特許第6,194,079号明細書、米国特許第6,214,255号明細書、米国特許第6,486,231号明細書、米国特許第7,005,459号明細書、及び米国特許出願公開第2016/0039955号明細書(それらそれぞれを、参考として引用し、あたかもその全てを言及したように本明細書に組み入れたものとする)。
【0004】
いくつかのパッケージ、たとえば、パウチ又はブリスターパックのような場合には、混入ポリマーのフィルム又は層を、基材(たとえば、他のポリマー又はフォイル)に接着させて、パッケージを形成させるのが好ましい。それを実施する一つの方法は、製造の際にそのフィルム又は層に接着剤を適用して、それを基材に接着させることによる方法である。これは望ましくない場合もあるが、その理由は、それが別の接着剤を適用する工程を必要とし、そしてその接着剤がパッケージ内容物に対して有害な溶媒を含んでいる可能性があるからである。それに代わる一つの方法は、加熱かしめ(heat staking)方法によるものであって、その方法では、混入ポリマーのフィルム又は層を基材に接着するためには、別の接着剤を適用する必要がない。米国特許第8,142,603号明細書(その全てを参考として引用し、本明細書に組み入れたものとする)に記載されているように、その加熱かしめ方法には以下の工程が含まれる:フォイル基材を加熱する工程;フォイルに混入ポリマーのフィルムを適用する工程;並びに、フィルムとフォイルとの組合せに対して十分な圧力、及びフォイルに対して十分な熱をかけて、フィルムをフォイルに接着させる工程。
【0005】
加熱かしめ法は、基材に対して混入ポリマーのフィルムを接着させるのに、慣用される接着剤を使用する場合の改良法である。しかしながら、大量生産の場合においては、加熱かしめ法では、典型的には、成形したフィルムをバルク状態で準備し、切断工程を適用して、予め切断したフィルムを備えておくことが必要となる。これは、パッケージ製造業者、ラベル貼付機、又は充填機にとって、必ずしも望ましいものではない。予備成形したり、予備切断したりした形態で混入ポリマーを準備することを必要とせずに、基材に対して、成形された混入ポリマーを適用し、接着させるような、インライン製造方法が必要とされている。理想的には、その方法が、基材に対して混入ポリマーを接着させるのに、別の接着剤物質を使用することを必要としないことであろう。そのような最終目的に向かうには、そのようなインラインの製造プロセスに適合した混入ポリマーが必要とされる。同様にして、その混入ポリマーも、インラインの製造プロセスで成形されるような配合物として提供されるのがよい。
【0006】
米国特許第5,605,720号明細書には、連続式のインライン操作における、ホットメルト接着剤を配合し、適用する方法が開示されている。しかしながら、その装置及び方法は、1相で、低密度で、且つ低粘度である接着剤ポリマーを目的としたものである。その装置及び方法は、多相で、高密度で、且つ高粘度の物質には適用できない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、一つの態様においては、混入ポリマー組成物が提供される。その混入ポリマー組成物は、少なくとも1種のベースポリマー及び1種の微粒子状活性剤で形成されている。
【0008】
したがって、一つの態様においては、その混入ポリマー組成物が、ASTM D1238/ISO 1133の条件下で、200g/10分~5000g/10分、場合によっては500g/10分~4500g/10分、場合によっては1000g/10分~4000g/10分、場合によっては1200g/10分~2500g/10分の範囲にあるメルトフローインデックスを有している。
【0009】
したがって、一つの態様においては、その混入ポリマー組成物が、1,000cp~50,000cp、場合によっては3,000cp~40,000cp、場合によっては3,000cp~20,000cp、場合によっては3,000cp~15,000cp、場合によっては3,000cp~10,000cpの範囲にある粘度を有しているが、ここで、その粘度は、レオメーターを用い、190℃で、5Hzで2分間剪断をかけた後で測定したものである。
【0010】
したがって、一つの態様においては、その混入ポリマー組成物がモノリシック物質である。
【0011】
したがって、一つの態様においては、その混入ポリマー組成物が、ベースポリマー、流動剤(flow agent)、微粒子状活性剤、及び任意成分のチャネリング剤で形成されている。
【0012】
したがって、一つの態様においては、溶融状態において基材に対して接着して混入ポリマー構造物を形成する、混入ポリマー組成物が提供される。
【0013】
したがって、一つの態様においては、混入ポリマー構造物を形成させ、基材に対して接着させる方法が提供される。その方法には、溶融された混入ポリマーの適用を受け取れるように構成された基材を備えることが含まれる。溶融された形態にある微粒子混入ポリマーが、基材の表面に対して所定の形状で適用され、その基材の上に、固化された混入ポリマー構造物が形成される。その混入ポリマーには、少なくとも1種のベースポリマー及び1種の微粒子状活性剤から形成されたモノリシック物質が含まれる。その基材の表面は、溶融された混入ポリマーと相溶性があって、そのため、それと熱的に接着される。このようにして、混入ポリマーが基材に接着し、混入ポリマーを十分に冷却すると固化する。別の接着剤物質を使用することなく、その固化された混入ポリマー構造物が、基材に対して接着するのが好ましい。
【0014】
場合によっては、任意の実施形態において、その混入ポリマーが、少なくとも2相の配合物である。
【0015】
場合によっては、任意の実施形態において、その混入ポリマーが、少なくとも3相の配合物である。
【0016】
場合によっては、任意の実施形態において、その混入ポリマーが、チャネリング剤を含む。
【0017】
場合によっては、任意の実施形態において、その混入ポリマーが、添加剤を含む。
【0018】
場合によっては、任意の実施形態において、その添加剤が、流動剤である。
【0019】
場合によっては、任意の実施形態において、その基材が、フォイルであり、且つその基材の表面が、フォイル上のポリマーシーリング層である。
【0020】
場合によっては、任意の実施形態において、その方法が、ホットメルト分注(dispensing)装置を用いて実施される。その装置には、溶融された形態にある微粒子混入ポリマーに流動を与えるためのフィーダーが含まれている。そのフィーダーは、場合によっては、エクストルーダーである。その装置にはさらに、1本又は複数本のホースが含まれていて、そのそれぞれが、溶融された形態にある微粒子混入ポリマーの流れを受け取るための、フィーダーの出口と流体的につながっている内腔を有している。その内腔は、アプリケーターの所で終端し、それに対して、溶融された形態にある混入ポリマーが移送される。そのアプリケーターには、基材の表面に対して混入ポリマーを所定の形状で適用するためのディスペンサーが含まれている。
【0021】
場合によっては、任意の実施形態において、その内腔は、その内腔を通って混入ポリマーが移送される間、溶融状態に保つために、加熱される。
【0022】
場合によっては、任意の実施形態において、そのディスペンサーを加熱して、混入ポリマーを溶融状態に保ち、そして混入ポリマーを所定の形状に正確に形成させることを容易とする。
【0023】
場合によっては、任意の実施形態において、そのディスペンサーには、閉止状態と開口状態とを切り替えて、混入ポリマー構造物を正確に所定の形状に形成させるための、バルブが含まれる。
【0024】
場合によっては、任意の実施形態において、その微粒子状活性剤が、ベースポリマーよりも摩耗性の高い、粒状物質である。
【0025】
場合によっては、任意の実施形態において、その活性剤が、乾燥剤、場合によってはモレキュラーシーブ、シリカゲル、クレー、又はベースポリマーよりも摩耗性の高い粒状物質であるその他の乾燥剤、である。
【0026】
場合によっては、任意の実施形態において、その混入ポリマーが、500g/10分よりも大きいメルトフローインデックス(MFI)を示す(ASTM D1238/ISO 1133標準試験法、190℃、2.16kg)。
【0027】
場合によっては、任意の実施形態において、その混入ポリマーが、40,000cPよりも低い粘度を示す(平行プレート構造を有するレオメーターを使用して分析、190℃、剪断速度5Hzで2分間)。
【0028】
場合によっては、任意の実施形態において、基材と、固化された混入ポリマー構造物との一方又は両方が、可撓性のある物質である。
【0029】
場合によっては、任意の実施形態において、固体の混入ポリマーのペレットがフィーダーに供給され、溶融されて、溶融された形態にある混入ポリマーを形成する。
【0030】
場合によっては、任意の実施形態において、その固化された混入ポリマー構造物が、以下の形態にある:シート、フィルム、ビーズ、ドット、ストリップ、又は渦巻状。
【0031】
場合によっては、任意の実施形態において、その固化された混入ポリマー構造物が、0.1mm~1.5mm、場合によっては0.2mm~1.2mm、場合によっては0.3mm~0.8mmの厚みを有するフィルムの形態にある。場合によっては、その基材がフォイルである場合には、その基材の表面が、フォイル上のポリマーシーリング層であり、且つその基材が、水分の影響を受けやすい製品のためのパッケージの一部であり、場合によってはそのパッケージが、フレキシブルパッケージ、パウチ、又はブリスターパックである。
【0032】
場合によっては、任意の実施形態において、その方法が、自動化された、インラインのパッケージ製造プロセスの一部として実施される。
【0033】
場合によっては、任意の実施形態において、別の接着剤物質を使用することなく、その固化された混入ポリマー構造物が、基材に対して接着される。
【0034】
場合によっては、任意の実施形態において、その活性剤が、混入ポリマーの、重量で、30%~80%、場合によっては30%~75%、場合によっては30%~70%、場合によっては35%~70%、場合によっては40%~65%、場合によっては45%~55%である。
【0035】
場合によっては、任意の実施形態において、複合材料が、本明細書において開示された方法に従って作成される。その複合材料には、基材と、それに接着された固化された混入ポリマー構造物とが含まれる。場合によっては、任意の実施形態において、その複合材料が、フレキシブルパッケージ、パウチ、又はブリスターパックの一部である。
【0036】
以下の図面に関連させて本発明を説明するが、それらの図の中で、同様の参照番号は、同様の要素を示している:
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本明細書で開示された概念の方法に従って基材の上に付着されることが可能な、混入ポリマーから形成されたプラグの斜視図である。
図2図1の線2-2に従って切断された断面図である。
図3図2と類似の断面図であるが、本明細書で開示された概念の方法に従って基材の上に付着されることが可能な、また別の実施形態の混入ポリマーから形成されたプラグを示している。
図4】本明細書で開示された概念の方法に従って使用することが可能な混入ポリマーの模式図であるが、ここではその活性剤が、吸収性物質又は吸着性物質である。
図5】本明細書で開示された概念の方法に従って、バリアーシート基材に接着された、混入ポリマーから形成されたシートの断面図である。
図6】本明細書で開示された概念の方法に従って形成することが可能な、パッケージの断面図である。
図7】溶融された形態にある混入ポリマーを基材に送達するための、ホットメルトの分注装置の任意の実施形態の模式図である。
図8】ホットメルトの分注装置の任意の実施形態を使用して、シートに接着させた混入ポリマーのフィルムを示す写真である。
図9】ホットメルトの分注装置の任意の実施形態を使用して、シートに接着させた混入ポリマーのストリップを示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
定義
本明細書で使用するとき、「活性な(active)」という用語は、本明細書で開示された概念に従って、選択された物質(たとえば、水分又は酸素)に作用を及ぼしたり、それらと相互作用を行ったり、或いはそれらと反応したりすることが可能であることと、定義される。そのような作用又は相互作用の例としては、選択された物質の、吸収、吸着、又は放出が挙げられ得る。
【0039】
本明細書で使用するとき、「活性剤(active agent)」という用語は、以下のような物質と定義される:(1)ベースポリマーとは非混和性であり、ベースポリマー及びチャネリング剤と混合し、加熱した場合には、溶融しないであろう、すなわち、そのベースポリマー又はそのチャネリング剤のいずれかの融点よりも高い融点を有している、そして(2)選択された物質に作用したり、相互作用したり、或いは反応したりする。「活性剤」という用語には、選択された物質を、吸収、吸着、又は放出する物質を含むことができるが、それらに限定される訳ではない。微粒子の形状をしている活性剤は、本明細書においては、「微粒子状活性剤(particulate active agent)」とも呼ばれる。鉱物質の形状をしている活性剤は、本明細書においては、「鉱物質活性剤(mineral active agent)」とも呼ばれる。本明細書で開示された概念に従った活性剤は、微粒子状活性剤であってよいが、(特に断らない限り)本発明が、微粒子状活性剤に限定されるとみなしてはならない。それにも関わらず、本発明は、鉱物質活性剤、たとえばモレキュラーシーブ又はシリカゲルを用いて形成させた混入ポリマーに特に適している。
【0040】
本明細書で使用するとき、「ベースポリマー(base polymer)」という用語は、場合によっては、チャネリング剤の気体透過速度よりは、実質的に低いか、低いか、又は実質的に同等である、選択された物質の気体透過速度を有するポリマーである。例を挙げれば、そのような透過速度は、その選択された物質が水分であり、その活性剤が水吸収性の乾燥剤であるような実施形態における、水蒸気透過速度であろう。そのベースポリマーの主たる機能は、混入ポリマーのための構造を与えることである。好適なベースポリマーとしては、たとえば以下のような熱可塑性ポリマーが挙げられる:ポリオレフィンたとえばポリプロピレン及びポリエチレン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリブテン、ポリシロキサン、ポリカーボネート、ポリアミド、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、エチレン-メタクリレートコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ酸無水物、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリアクリリックエステル、アクリリック、ポリウレタン、及びポリアセタール、又はそれらのコポリマー若しくは混合物。
【0041】
ベースポリマーとチャネリング剤の水蒸気透過速度の比較に関して言えば、一つの実施形態においては、そのチャネリング剤が、そのベースポリマーの水蒸気透過速度の、少なくとも2倍の水蒸気透過速度を有している。また別の実施形態においては、そのチャネリング剤が、そのベースポリマーの水蒸気透過速度の、少なくとも5倍の水蒸気透過速度を有している。また別の実施形態においては、そのチャネリング剤が、そのベースポリマーの水蒸気透過速度の、少なくとも10倍の水蒸気透過速度を有している。さらにまた別の実施形態においては、そのチャネリング剤が、そのベースポリマーの水蒸気透過速度の、少なくとも20倍の水蒸気透過速度を有している。さらにまた別の実施形態においては、そのチャネリング剤が、そのベースポリマーの水蒸気透過速度の、少なくとも50倍の水蒸気透過速度を有している。さらにまた別の実施形態においては、そのチャネリング剤が、そのベースポリマーの水蒸気透過速度の、少なくとも100倍の水蒸気透過速度を有している。
【0042】
本明細書で使用するとき、「ベースポリマー物質(base polymer material)」という用語は、ベースポリマーと、場合によっては添加剤とを含む物質と定義される。添加剤が加えられない場合には、そのベースポリマー物質は、ベースポリマーから構成される。場合によっては、そのベースポリマーとその添加剤とは、混和性がある。
【0043】
本明細書で使用するとき、「添加剤(additive)」という用語は、ある種の性質を変化させるためにそのベースポリマーに添加される物質と定義される。場合によっては、添加剤が、少なくともメルトフローインデックス、すなわち、ベースポリマーの粘度、したがって混入ポリマーの粘度を修正するための流動剤(flow agent)である。
【0044】
本明細書で使用するとき、「チャネリング剤(channeling agent)」(1種又は複数種)という用語は、ベースポリマー又はベースポリマー物質とは非混和性であり、且つそのベースポリマー又はベースポリマー物質よりも早い速度で、気相物質を移送する親和力を有している物質と定義される。場合によっては、チャネリング剤をベースポリマー又はベースポリマー物質と混合することにより成形したときに、そのチャネリング剤が、混入ポリマーを貫通するチャネルを形成することができる。場合によっては、そのようなチャネルによって、選択された物質を、ベースポリマー又はベースポリマー物質単独の場合よりは早い速度で、混入ポリマーの中を移行させることができる。
【0045】
本明細書で使用するとき、「チャネル(channel)」又は「相互連結チャネル(interconnecting channel)」という用語は、チャネリング剤によって形成され、ベースポリマーを貫通している流路(passage)と定義され、それらは、相互連結されていてもよい。
【0046】
本明細書で使用するとき、「混入ポリマー(entrained polymer)」という用語は、少なくともベースポリマー物質、及び活性剤、場合によってはさらに、全体にわたって混入されるか分散されたチャネリング剤とから形成された、モノリシック物質(monolithic material)と定義される。したがって、混入ポリマーには、少なくとも2相又は少なくとも3相を有するポリマーが含まれる。微粒子状の形状を有する活性剤を含む混入ポリマーは、本明細書においては、「微粒子混入ポリマー(particulate entrained polymer)」とも呼ばれている。鉱物質の形状を有する活性剤を含む混入ポリマーは、本明細書においては、「鉱物質混入ポリマー(mineral entrained polymer)」とも呼ばれている。
【0047】
本明細書で使用するとき、「混入ポリマー組成物(entrained polymer composition)」という用語は、混入ポリマー、又は混入ポリマーをもたらす配合物と定義される。
【0048】
本明細書で使用するとき、「モノリシック(monolithic)」、「モノリシック構造物(monolithic structure)」、又は「モノリシック組成物(monolithic composition)」という用語は、2つ以上の不連続な巨視的な層又は部分からはなっていない組成物又は物質と定義される。したがって、「モノリシック組成物」には、多層の複合材料は含まれない。
【0049】
本明細書で使用するとき、「相(phase)」という用語は、全体にわたって均質に分散されて、その構造物又は組成物に、モノリシックな特性を付与する、モノリシック構造物又は組成物の一部又は成分と定義される。
【0050】
本明細書で使用するとき、「選択された物質(selected material)」という用語は、活性剤に作用したり、それに作用されたり、或いはそれと相互作用を有したり、反応したりし、その混入ポリマーのチャネルを通過して移行することが可能な物質と定義される。たとえば、その中で乾燥剤が活性剤として使用されている、いくつかの実施形態においては、その選択された物質が、その乾燥剤によって吸収されることが可能な、水分又は気体であってよい。その中で放出性物質(releasing material)が活性剤として使用されている、いくつかの実施形態においては、その選択された物質が、放出性物質から放出される薬剤、たとえば水分、芳香、又は抗菌剤であってよい。その中で吸着性物質(adsorbing material)が活性剤として使用されている、いくつかの実施形態においては、その選択された物質が、ある種の揮発性有機化合物であってよく、その吸着性物質が活性炭であってよい。
【0051】
本明細書で使用するとき、「3相(three phase)」という用語は、3相以上の相を含む、モノリシック組成物又は構造物と定義される。本明細書で開示された概念に従って使用されることが可能な3相の組成物の例としては、ベースポリマー、活性剤、及びチャネリング剤から形成された混入ポリマーが挙げられるであろう。場合によっては、3相組成物又は構造物に、追加の相、たとえば着色剤が含まれていてもよい。
【0052】
本発明の方法に適した混入ポリマー
溶融された微粒子又は鉱物質の混入ポリマーを加工する際の困難の一つは、エクストルーダーを通して移送される溶融された物質に実質的に一定の剪断力を加え、その後で、分注する点までその物質の溶融状態を維持することである。このことは、典型的には、単純な「1相」ポリマー、又は溶融ポリマーの混合物の場合には、大きな問題にはならないであろう。しかしながら、配合物の中に粒状で、摩耗性の高い鉱物質成分、たとえば典型的な乾燥剤(たとえば、モレキュラーシーブ又はシリカゲル)を含んでいると、そのプロセスに複雑さが加わることになる。そのような粒状の鉱物質成分は、その混入ポリマーをエクストルーダーに通すため、及び基材の表面にその溶融された混入ポリマーを所定の形状で適用して、その上に固化された混入ポリマー構造物(たとえば、フィルム)を形成させるために分注するときに、それを溶融状態に保つために、必要とされる一定の剪断力を達成することを妨害する。それらの問題点は、その粒状の鉱物質成分が高い含量レベルである場合には特に深刻となる。
【0053】
物質科学及び流体力学の観点からは、混入ポリマーの粘度は、剪断速度を上げるにつれて、変化し、低くなることが知られている。この非ニュートン性で疑塑性の物質は、そのチキソトロピー構造が、剪断力によって次第に破壊され、静止状態にすると徐々に再構築されるために、混合及び取扱いにおいて、大きな課題をもたらす。「チキソトロピー構造(thixotropic structure)」という用語は、次の「チキソトロピー(thixotropy)」という定義に基づいており、これは、レオロジーの分野で使用される用語であって、その物質の粘度が、剪断力をかけたときには顕著に低下し、その後で、流動をもたらしたその力が除かれると、顕著に増大するということを意味している。
【0054】
本願発明者らは、米国特許第7,005,459号明細書に記載されているような、標準的な微粒子又は鉱物質の混入ポリマーは、標準的なタンク融解システムでは加工することが困難であることを見出したが、その理由は、標準的なタンク融解システムでは、加熱が使用されるだけであって、剪断力が加えられることがないからである。剪断力による低粘度化が存在しないために、低剪断応力での粘度が高すぎて、そのために、そのチキソトロピー的挙動が、いかなる流動にも抵抗しようとすることから、その物質を流動させたり、分注したりすることが、できなくなるであろう。その高い粘度は、微粒子又は鉱物質の混入ポリマーの密度が高いことによって悪化する。溶融された形態にある、微粒子又は鉱物質の混入ポリマー化合物に流動を起こさせるためには、エクストルーダーを介しての一定の圧力と剪断力を必要とするが、このことは、加圧タンク融解システムを使用することによって、緩和されるであろう。加圧タンク融解システムでは、空気圧シリンダーを用いて、混入ポリマーに対してプレートを押し込む。
【0055】
上述の対策に加えて、混入ポリマーのレオロジーは、基材の表面上に排出させる際に、きれいな溶融フィラメントが生成できるようにする必要もある。そうでないと、それにより生じる欠陥、たとえば「エンジェル・ヘア・アンド・テイル」が、その分注プロセスを、不十分で高コストなものとしてしまう。さらには、その基材の表面に対して効果的に接着させるためには、その混入ポリマーとその基材の表面とが、化学的に相溶性である必要がある。
【0056】
本願発明者らは、無混合の標準的なタンク融解システムを使用したインラインプロセスのための混入ポリマー組成物、並びに、溶融された混入ポリマーを、基材の表面に対して所定の形状で効率的に分注するためのアプリケーターを開発した。
【0057】
一つの実施形態においては、その混入ポリマー組成物に、少なくともベースポリマー物質及び活性剤が含まれる。また別の実施形態においては、その混入ポリマー組成物に、少なくともベースポリマー物質、活性剤、及びチャネリング剤が含まれる。
【0058】
また別の実施形態においては、そのベースポリマー物質に、ベースポリマー及び任意成分の添加剤が含まれる。
【0059】
好適なベースポリマーとしては、たとえば以下のような熱可塑性ポリマーが挙げられる:ポリオレフィンたとえばポリプロピレン及びポリエチレン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリブテン、ポリシロキサン、ポリカーボネート、ポリアミド、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、エチレン-メタクリレートコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ酸無水物、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリアクリリックエステル、アクリリック、ポリウレタン、及びポリアセタール、又はそれらのコポリマー若しくは混合物。
【0060】
その添加剤は、充填剤、流動剤、着色剤、可塑剤、又は安定剤であってよい。一つの実施形態においては、その添加剤が、流動剤である。一つの任意の実施形態においては、その流動剤が、低分子量ポリオレフィン、低分子量オリゴマー性オレフィン、ポリオレフィン、又は変性ポリオレフィンである。また別の任意の実施形態においては、その流動剤が、天然、誘導、又は合成ワックスである。天然由来のワックスとしては、動物系、植物系、及び鉱物系のタイプが挙げられるが、最も一般的なのは、微結晶タイプ及びパラフィン鉱物質タイプである。合成ワックスは、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びフィッシャー・トロプシュワックスである。これらのワックスは、そのポリマー鎖が、1種のモノマー単位、たとえばエチレンをベースとするホモポリマーであってもよいし、或いは、それらが、2種以上の単位、たとえばエチレンと酢酸ビニルとをベースとするコポリマーであってもよい。合成のホモポリマー又はコポリマーが、変性工程で官能化されていてもよい。それらのワックスのタイプは、その化学構造において特段の制限はない。一つの任意の実施形態においては、その流動剤が、パラフィン、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリエチレン誘導体、エチレンビス(ステアルアミド)(EBS)、又はパルミチン酸セチルである。
【0061】
適切なチャネリング剤としては、以下のものが挙げられる:ポリグリコールたとえば、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレン-ビニルアルコール(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVOH)、グリセリンポリアミン、ポリウレタン、及びポリカルボン酸(ポリアクリル酸又はポリメタクリル酸を含む)。別な態様では、そのチャネリング剤35を、たとえば以下のものとすることもできる:水不溶性ポリマー、たとえばプロピレンオキシド重合体-モノブチルエーテル、たとえばPolyglykol B01/240(CLARIANT製)。他の実施形態においては、そのチャネリング剤を以下のものとすることもできる:プロピレンオキシド重合体モノブチルエーテル、たとえば、Polyglykol B01/20(CLARIANT製)、プロピレンオキシド重合体、たとえばPolyglykol D01/240(CLARIANT製)、エチレン酢酸ビニル、ナイロン6、ナイロン66、又は前述のものの各種の組合せ。
【0062】
本明細書で開示された概念に従った、適切な活性剤としては、吸収性物質、たとえば乾燥性化合物が挙げられる。その活性剤が乾燥剤である場合、与えられた用途に適した任意の乾燥剤を使用することができる。典型的には、多くの用途では、物理的吸収性の乾燥剤が好ましい。そのようなものとしては、モレキュラーシーブ、シリカゲル、クレー、及びデンプンを挙げることができる。別な方法として、その乾燥剤が、含水結晶を形成する化合物、又は水と反応して新規な化合物を形成する化合物であってもよい。
【0063】
場合によっては、任意の実施形態において、その活性剤が、酸素捕捉剤であってもよい。
【0064】
好適な吸収性物質としては、以下のものが挙げられる:(1)金属及び合金、たとえば、ニッケル、銅、アルミニウム、ケイ素、はんだ、銀、金(これらに限定される訳ではない);(2)金属メッキされた微粒子、たとえば銀メッキされた銅、銀メッキされたニッケル、銀メッキされたガラスミクロスフェア;(3)無機物、たとえばBaTiO3、SrTiO3、SiO2、Al23、ZnO、TiO2、MnO、CuO、Sb23、WC、融解石英、ヒュームドシリカ、非晶質融解石英、ゾル-ゲル法シリカ、ゾル-ゲル法チタネート、混合チタネート、イオン交換樹脂、リチウム含有セラミックス、中空ガラスミクロスフェア;(4)炭素ベースの物質、たとえば炭素、活性炭、カーボンブラック、ケッチェムブラック(ketchem black)、粉末ダイヤモンド;(5)エラストマー、たとえばポリブタジエン、ポリシロキサン、及び半金属、セラミック、並びに;(6)その他の充填剤及び顔料。
【0065】
また別の例においては、その吸収性物質が、二酸化炭素捕捉剤、たとえば酸化カルシウムであってもよい。水分と二酸化炭素とが存在すると、酸化カルシウムが、転化されて炭酸カルシウムとなる。したがって、酸化カルシウムは、二酸化炭素の吸収が必要とされる用途における吸収性物質として使用することができる。そのような用途としては、二酸化炭素を放出する生鮮食料品(たとえば、果実及び野菜)の保存が挙げられる。
【0066】
本明細書で開示された概念に従った、その他の好適な活性剤としては、放出性物質が挙げられる。そのような物質としては、その放出性物質から選択された物質が放出されるであろう、各種の適切な物質が挙げられる。その放出性物質から放出される、その選択された物質は、固体、ゲル、液体、又は気体の形態をとることができる。これらの物質は、以下のような各種の機能を果たすことができる:芳香、香味、若しくは香りの発生源として機能;生物学的に有効な成分たとえば、殺虫剤、害虫駆除剤、抗菌剤、誘引剤、芳香族医薬品などの供給源;加湿又は乾燥用物質の提供源;空気浮遊性活性化学物質、たとえば腐食抑制剤の送達;熟成剤、並びに臭気マスキング剤。
【0067】
本明細書で開示された概念の混入ポリマーの中の放出性物質として使用するのに適した殺生物剤としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定される訳ではない:殺虫剤、除草剤、殺線虫剤、殺真菌剤、殺鼠剤、及び/又はそれらの混合物。殺虫剤に加えて、本明細書で開示された概念の範囲はさらに、以下のものにも拡げることができる:栄養素、植物成長調節因子、フェロモン、枯葉剤、及び/又はそれらの混合物。
【0068】
四級アンモニウム化合物を、本明細書で開示された概念に従った放出性物質として使用することもできる。そのような化合物は、界面活性剤として機能するだけではなく、その混入ポリマーの表面に無菌性を与えるか、或いは、微生物(その内のいくつかは病原性を有し得る)の数を低減させる条件を作り出すこともできる。多くのその他の抗菌剤、たとえば塩化ベンザルコニウム及び関連するタイプのヘキサクロロフェンのような化合物もまた、本明細書で開示された概念に従った放出剤として使用することができる。
【0069】
可能性があるその他の放出性物質としては、芳香剤(天然ものを含む)、精油、及び合成香料、並びにそれらのブレンド物が挙げられる。その有効成分の一部、又は可能であれば全部を形成することが可能な、典型的な香料物質としては、以下のものが挙げられる:天然の精油、たとえば、レモン油、マンダリン油、チョウジ油、プチグレン油、セダーウッド油、パッチュリ油、ラバンディン油、ネロリ油、イラン油、純バラ油、又は純ジャスミン油;天然樹脂、たとえば、ラブダナム樹脂又は乳香樹脂;天然物から単離されるか若しくは合成的に製造され得る単一の香料化学物質、たとえばアルコール類、たとえば、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、リナロール、テトラヒドロゲラニオール、ベータフェニルエチルアルコール、メチルフェニルカルビノール、ジメチルベンジルカルビノール、メントール、又はセドロール;そのようなアルコール-アルデヒドから誘導される、酢酸エステル及びその他のエステル、たとえば、シトラール、シトロネラール、ヒドロキシシトロネラール、ラウリンアルデヒド、ウンデシレンアルデヒド、シンナムアルデヒド、アミルシンナムアルデヒド、バニリン、又はヘリオトロピン;そのようなアルデヒドから誘導されるアセタール;ケトン、たとえば、メチルヘキシルケトン、イオノン、及びメチルイオノン;フェノール系化合物、たとえば、オイゲノール、及びイソオイゲノール;合成ジャコウ、たとえば、ジャコウキシレン、ジャコウケトン、及びエチレンブラシレート。
【0070】
その混合物中の活性剤濃度が高いほど、最終組成物の吸収容量、吸着容量、又は(場合によっては)放出容量が大きくなると考えられる。しかしながら、活性剤濃度が高すぎると、混入ポリマーはより脆くなり、溶融された、活性剤、ベースポリマー物質、及びチャネリング剤の混合物の加熱成形、押出成形、又は射出成形が、いずれの場合でも、より困難となる可能性がある。
【0071】
一つの実施形態においては、その活性剤の担持レベルを、混入ポリマーの合計重量を基準にして、重量で、10%~80%の範囲(その中に包含される、いかなるサブレンジ又は数値も含む)とすることができる。一つの任意の実施形態においては、その活性剤の担持量が、混入ポリマーの合計重量を基準にして、重量で、20%以上、場合によっては30%以上、場合によっては40%以上、場合によっては50%以上である。また別の任意の実施形態においては、その活性剤担持量が、混入ポリマーの合計重量を基準にして、重量で、70%以下、場合によっては60%以下、場合によっては50%以下である。また別の任意の実施形態においては、その活性剤担持量が、20%~80%、場合によっては20%~60%、場合によっては20%~50%、場合によっては20%~40%、場合によっては30%~80%、場合によっては30%~60%、場合によっては30%~50%、場合によっては30%~40%、場合によっては40%~80%、場合によっては40%~60%、場合によっては40%~50%である。
【0072】
場合によっては、そのチャネリング剤が、混入ポリマーの重量の1%~10%の範囲(その中に包含される、いかなるサブレンジ又は数値も含む)にあるようにしてよい。一つの任意の実施形態においては、そのチャネリング剤を、以下の範囲になるようにしてよい:1%~8%、場合によっては1%~6%、場合によっては1%~5%、場合によっては1%~4%、場合によっては1%~3%、場合によっては2%~8%、場合によっては2%~6%、場合によっては2%~5%、場合によっては2%~4%、場合によっては2%~3%、場合によっては3%~8%、場合によっては3%~6%、場合によっては3%~5%、場合によっては3%~4%、場合によっては4%~8%、場合によっては4%~6%、場合によっては4%~5%。また別の任意の実施形態においては、そのチャネリング剤が、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、又は10%になるようにしてよい。
【0073】
場合によっては、そのベースポリマーが、混入ポリマーの、重量で、10%~50%の範囲(その中に包含される、いかなるサブレンジ又は数値も含む)としてよい。一つの任意の実施形態においては、そのベースポリマーが、混入ポリマーの合計重量を基準にして、重量で、20%以上、場合によっては30%以上、場合によっては40%以上である。また別の任意の実施形態においては、そのベースポリマーが、混入ポリマーの合計重量を基準にして、重量で、40%以下、場合によっては30%以下である。また別の任意の実施形態においては、そのベースポリマーが、混入ポリマーの、重量で、15%~40%、場合によっては20%~35%、場合によっては25%~30%の範囲であってよい。
【0074】
場合によっては、流動剤は、混入ポリマーの重量で5%~50%の範囲(その中に包含されるいかなるサブレンジ又は数値も含む)としてよい。一つの任意の実施形態においては、その流動剤が、混入ポリマーの合計重量を基準にして、重量で、10%以上、場合によっては20%以上、場合によっては30%以上である。また別の任意の実施形態においては、その流動剤が、混入ポリマーの合計重量を基準にして、重量で、40%以下、場合によっては30%以下である。また別の任意の実施形態においては、その流動剤が、混入ポリマーの合計重量を基準にして、重量で、10%~40%、場合によっては10%~35%、場合によっては20%~40%、場合によっては20%~30%の範囲であってよい。場合によっては、着色剤を、混入ポリマーの合計重量の、たとえば約2重量%となるように添加する。
【0075】
本発明のインライン溶融接着プロセスに好適な混入ポリマーはさらに、そのメルトフローインデックス(MFI)も特徴とし得る。典型的には、ベースポリマー、たとえばポリプロピレンが、約12g/10分のMFIを有している(ASTM D1238/ISO 1133の標準的条件、MFIに関連しては、以後省略)。米国特許第7,005,459号明細書に開示されているものに合わせた、サンプルの乾燥剤混入ポリマーは、12g/10分未満のMFIを有している。本発明の混入ポリマーは、200g/10分~5000g/10分の範囲のMFIを有している。一つの任意の実施形態においては、その混入ポリマーのMFIは、500g/10分以上、場合によっては1000g/10分以上、場合によっては1500g/10分以上、場合によっては2000g/10分以上である。また別の任意の実施形態においては、その混入ポリマーのMFIは、4000g/10分以下、場合によっては3500g/10分以下、場合によっては3000g/10分以下、場合によっては2500g/10分以下である。また別の任意の実施形態においては、その混入ポリマーのMFIは、以下の範囲である:500g/10分~4000g/10分、場合によっては500g/10分~3500g/10分、場合によっては500g/10分~3000g/10分、場合によっては500g/10分~2500g/10分、場合によっては500g/10分~2000g/10分、場合によっては500g/10分~1500g/10分、場合によっては1000g/10分~4000g/10分、場合によっては1000g/10分~3500g/10分、場合によっては1000g/10分~3000g/10分、場合によっては1000g/10分~2500g/10分、場合によっては1000g/10分~2000g/10分、場合によっては1000g/10分~1500g/10分、場合によっては1200g/10分~4000g/10分、場合によっては1200g/10分~3500g/10分、場合によっては1200g/10分~3000g/10分、場合によっては1200g/10分~2500g/10分、場合によっては1200g/10分~2000g/10分、場合によっては1500g/10分~4000g/10分、場合によっては1500g/10分~3500g/10分、場合によっては1500g/10分~3000g/10分、場合によっては1500g/10分~2500g/10分。MFIが比較的に高いことによって、インライン分注及び接着のプロセスにおける、溶融された混入ポリマーの流れが容易となる。
【0076】
本発明のインライン溶融接着プロセスに好適な混入ポリマーは、追加的又は代替的に、その粘度も特徴とし得る。米国特許第7,005,459号明細書に開示されているものに合わせた、サンプルの乾燥剤混入ポリマーは、100,000cPのオーダーの粘度を有している(平行プレート構造を有するレオメーターを使用して分析、190℃、剪断速度5Hzで2分間)(本明細書を通じて使用される条件、以後においては、粘度に関しては省略)。本発明の混入ポリマーは、1,000cP~50,000cPの範囲の粘度を有している。一つの任意の実施形態においては、その混入ポリマーの粘度は、40,000cp以下、場合によっては20,000cP以下、場合によっては15,000cp以下、場合によっては12,000cp以下、場合によっては10,000cp以下、場合によっては8,000cp以下、場合によっては6,000cp以下、場合によっては4,000cp以下、場合によっては2,000cp以下である。また別の任意の実施形態においては、その混入ポリマーの粘度は、以下の範囲にある:3,000cp~40,000cp、場合によっては3,000cp~30,000cp、場合によっては3,000cp~20,000cp、場合によっては3,000cp~15,000cp、場合によっては3,000cp~12,000cp、場合によっては4,000cp~40,000cp、場合によっては4,000cp~30,000cp、場合によっては4,000cp~20,000cp、場合によっては4,000cp~15,000cp、場合によっては4,000cp~12,000cp、場合によっては6,000cp~40,000cp、場合によっては6,000cp~30,000cp、場合によっては6,000cp~20,000cp、場合によっては6,000cp~15,000cp、場合によっては6,000cp~12,000cp、場合によっては8,000cp~40,000cp、場合によっては8,000cp~30,000cp、場合によっては8,000cp~20,000cp、場合によっては8,000cp~15,000cp、場合によっては8,000cp~12,000cp、場合によっては10,000cp~40,000cp、場合によっては10,000cp~30,000cp、場合によっては10,000cp~20,000cp、場合によっては10,000cp~15,000cp、場合によっては10,000cp~12,000cp、場合によっては12,000cp~40,000cp、場合によっては12,000cp~30,000cp、場合によっては12,000cp~20,000cp、場合によっては12,000cp~15,000cp。粘度が比較的に低いことによって、インライン分注及び接着のプロセスにおける、溶融された混入ポリマーの流れが容易となる。
【0077】
本発明が提供する混入ポリマーは、活性が高く、基材の上への大規模で高処理性能のインライン適用に適した良好な流動特性を有し、及び分注を正確に制御して表面又は筐体(enclosure)の広い範囲にわたって複雑なパターンを形成させることができる。そのインラインプロセスでは、予め形成したモノリシック混入ポリマーを、出発物質として使用することもできる。しかしながら、必須成分たとえば、ベースポリマー、特定の活性剤、添加剤、及びチャネリング剤を、混合し、同一のプロセスの中で加熱して溶融された形態とし、その直後に基材に適用することも可能である。同様にして、必須成分のサブセットを含む中間物質を、他の必須成分と混合して、インライン適用プロセスで使用される混入ポリマー組成物を形成させてもよい。先に一例として述べた、モノリシックな混入ポリマーを使用する組成物の作成法も同様に、混入ポリマー組成物にも適用される。
【0078】
図1~6に、混入ポリマー10、並びに本明細書で開示された概念に従った混入ポリマーにより形成された各種のパッケージ集合体(packaging assembly)を示す。それぞれの場合において、その混入ポリマー10には、ベースポリマー物質25、チャネリング剤35、及び活性剤30が含まれている。示されているように、チャネリング剤35が、混入ポリマー10を貫通する相互連結チャネル45を形成している。活性剤30の少なくとも幾分かは、これらのチャネル45の内部に含まれていて、それにより、チャネル45が、混入ポリマー10の外部表面に形成されたチャネル開口部48を介して、活性剤30と混入ポリマー10の外部との間を連通している。活性剤30は、たとえば、各種の吸収性、吸着性、又は放出性の物質のいずれかであってよい(以下においてさらに詳しく説明する)。たとえば、チャネリング剤35が好ましくはあるものの、本明細書で開示される概念には、より広く、場合によってはチャネリング剤を含まない混入ポリマーも含まれる。
【0079】
図1を参照すると、任意の実施形態に従った混入ポリマーで構成されたインサート20が示されている。そのインサート20は、プラグ55の形態をとっていて、それは、コンテナー又は他の筐体の中に付着させたり、基材(たとえば、フォイル)の上に付着させたりすることができる。
【0080】
図2を参照すると、活性剤30及び親水剤すなわちチャネリング剤35と予め均質にブレンドしておいたベースポリマー25を含む、混入ポリマー10から構成されたプラグ55の断面図が示されている。図2の図面において、その混入ポリマーは、固化していて、そのため、混入ポリマー10全体にわたって相互連結チャネル45が形成されており、その固化したプラグ55全体に流路が確立されている。図1及び2の両方からわかるように、それらの流路は、プラグ55の外部表面にあるチャネル開口部48で終端している。
【0081】
図3には、図2のプラグ55と構成的にも形状的にも似ているプラグ55の実施形態を示しているが、ここで相互連結チャネル45は、図2のそれと比較して極めて細かい。これは、チャネリング剤35と共にダイマー剤(すなわち、可塑剤)を使用することによって得られた結果であり得る。そのダイマー剤は、ベースポリマー25とチャネリング剤35との間の相溶性を向上させることができる。このように相溶性を向上させることによって、ブレンド物の粘度を下げることが容易となり、そのことによって、ベースポリマー物質25とチャネリング剤35とのブレンドが促進されてより徹底され得る(通常の条件下では、その組合せを均質な溶液とするのが妨げられる可能性がある)。その中に添加されたダイマー剤を含む混入ポリマー10が固化すると、全体にわたって形成された相互連結チャネル45の分散がより大きくなり、且つ多孔度がより小さくなるので、それにより、プラグ55の全体にわたって、相互連結チャネルの密度が、より高くなる。
【0082】
たとえば本明細書において開示されたような、相互連結チャネル45によって、所望の物質、たとえば水分、気体、又は臭気が、ベースポリマー物質25(一般的には、それらの物質の通過に抵抗し、そのため、それらに対するバリアーとして作用する)を容易に通過できるようになる。この理由から、ベースポリマー物質25そのものが、その中に活性剤30を混入することが可能な、バリアー物質として機能する。チャネリング剤35によって形成された相互連結チャネル45が、所望の物質のための通路を与えて、混入ポリマー10の中を移動できるようにする。これらの相互連結チャネル45が存在しないとすると、ベースポリマー物質25を通過しての、活性剤30へ、又はそれからの所望の物質の移行量が、相対的に小さくなると考えられる。所望の物質が活性剤30に向かって移行するような場合においては(たとえばその活性剤30が、乾燥剤又は酸素吸収剤などの活性剤であるような実施形態においては)、それが、活性剤30によって吸収されることができる。所望の物質が、活性剤30から移行するような場合においては(たとえばその活性剤30が、放出性物質、たとえば芳香物質又は気体放出性物質であるような実施形態においては)、それを活性剤30から放出させることができる。
【0083】
図4に、本明細書で開示された概念に従った混入ポリマー10の実施形態を示しているが、ここでは、その活性剤30が、吸収性物質又は吸着性物質である。矢印は、混入ポリマー10の外部から、チャネル45を通過して、その選択された物質を吸収又は吸着する活性剤30の粒子状物質に到る、選択された物質、たとえば水分又は気体の経路を示している。
【0084】
図5には、本明細書で開示された概念に従った方法の最終製品の実施形態を示している。本発明の混入ポリマー10から形成された混入ポリマー構造物75を、バリアーシート80と組み合わせて使用して、本発明の態様に従った複合材料を形成している。混入ポリマー構造物75の特性は、プラグ55に関して記述したものと、同様である。バリアーシート80は、基材たとえばフォイルであってもよいし、及び/又は低い水分透過率若しくは酸素透過率を有するポリマーであってもよい。その基材80は、混入ポリマー構造物75とは相溶性があり、したがって、分注した後で混入ポリマー構造物75が固化すると(これについては、以下で説明する)、混入ポリマー構造物75に対して熱的に接着されるように構成されている。
【0085】
図6に、混入ポリマー構造物75と基材80とを組み合わせて、混入ポリマー構造物75の中の混入ポリマー10によって形成された内部表面での活性特性、並びにバリアーシートすなわち基材80によって形成された外部表面での蒸気抵抗特性を有するパッケージ包装材を形成させた実施形態を示している。この実施形態においては、混入ポリマー構造物75が、バリアーシートすなわち基材80の一部を占拠している。混入ポリマー構造物75を作成し、それを基材80に接着させるための、本明細書で開示された概念に従った方法を以下で説明する。
【0086】
一つの実施形態においては、図5のシートを互いにつなぎ合わせて、図6に示したような、活性パッケージ85を形成させる。示されているような、それぞれ、混入ポリマーから形成された構造物75を、バリアーシートすなわち基材80と組み合わせた、2つの積層品又は複合材料を準備する。そのシート積層品を、混入ポリマー構造物75を用いて相互に向かい合うように積み重ねて、パッケージの内側に配置し、シーリング領域90のところで連結して、パッケージ内部のシールされた領域の周縁で形成される。
【0087】
本発明の混入ポリマーの第一の目的は、インラインの製造プロセスにおいて使用して、微粒子又は鉱物質の混入ポリマーを相溶性のある基材に適用し、加熱接着を介して、その(先ず溶融させ、次いで固化させた)混入ポリマーを、基材に対して接着させることである。しかしながら、本発明の混入ポリマーの用途はそれに限定されるものではない。本発明は、高生産性のインラインの製造プロセスに採用可能な、高密度、高メルトフローインデックス、且つ低粘度の活性ポリマーを提供する。
【0088】
本発明に従う方法の例
本発明の態様に従った、混入ポリマー構造物を適切な基材に対して適用及び接着させるための方法を、今や以下で説明する。
【0089】
本発明はさらに、先に述べた混入ポリマー又は混入ポリマー組成物を使用した混入ポリマー構造物を形成し、それを基材と接着させるための方法も提供する。一例として、予め形成されたモノリシック混入ポリマーを出発物質として使用し、その方法を以下において説明する。
【0090】
第一に、その混入ポリマーをフィーダーに導入する。熱を加えて、その混入ポリマーを溶融状態に転化させる。
【0091】
第二に、溶融状態にある混入ポリマーの流れをアプリケーターに移送させる。その溶融された混入ポリマーの流速と可塑性を維持するために、流路に沿って加熱することが必要となる場合がある。
【0092】
第三に、ディスペンサーを介してその溶融された混入ポリマーを基材の表面上に、所望のパターン又は形状で分注する。その担持量は、たとえば、アプリケーターに加える空気圧、基材の送り速度、及びディスペンサーの吐出時間によって、正確に調節する。表面に相溶性があることによって、混入ポリマーと基材との接着が可能となる。十分に冷却させると、付着させた混入ポリマーが固化し、その基材の表面の上に混入ポリマーの構造物が形成される。付着物のパターン又は形状には、特段の制約はない。たとえば、その混入ポリマー構造物は、シート、フィルム、ビーズ、ドット、ストリップ、又は渦巻状の形状であってよい。
【0093】
その方法は、出発物質として、予め形成された混入ポリマーを使用することに限定される訳ではない。同様にして、混入ポリマーの各成分を混合し、加熱して、予め形成された混入ポリマーと組成的に同じ特徴を共有する、溶融された組成物を形成させることもまた可能である。
【0094】
本願発明者らは、ある種の単軸スクリューエクストルーダー装置と、それを使用するためのプロセスを採用することによって、先に述べたプロセス的な困難を克服することができることを発見した。そのエクストルーダーは、典型的なエクストルーダーと同様に、フィード物を輸送及び融解させ、そして分注するための溶融させたポリマーの圧力上昇を与える。典型的には、エクストルーダーには、加熱ゾーンを有する中空のチャンバーと、その中心軸の周りで回転する、ねじ付きシャフトすなわちスクリューとを備えている。エクストルーダーには、典型的には、一端にホッパーがあって、それが、エクストルーダーの中に(典型的には2~10mmのサイズの固体のペレットの形状である)ポリマー物質をフィードする。
【0095】
ここで図7を参照すると、混入ポリマー構造物を形成し、基材に対して接着させるための方法を実施するための、ホットメルトの分注装置100の任意の実施形態が示されている。ホットメルトの分注装置100には、溶融された形態にある微粒子又は鉱物質混入ポリマーの流れを与えるための、フィーダー102(場合によっては、エクストルーダー又はローダー)が含まれている。そのフィーダー102には、出口106が備わっていて、それに対してホース104(場合によっては2本以上のホース)が連結されている。ホース104には、内腔108が含まれ、それが出口106と流体的につながっていて、溶融された形態にある微粒子又は鉱物質混入ポリマーの流れを受け取っている。内腔108はアプリケーター110の所で終端し、それに対して、溶融された形態にある混入ポリマーが移送される。アプリケーター110には、溶融された形態にある混入ポリマーを表面又は筐体に対して、正確な量及び配置(すなわち、所定の形状)で送るように構成されたディスペンサー112が備わっている。
【0096】
図に示した実施形態においては、ディスペンサー112が、基材114の表面116に対して、溶融された形態にある微粒子又は鉱物質混入ポリマーを付着させて、その上に混入ポリマー構造物118を形成させ、接着させている。場合によっては、その基材114がフォイルであり、且つその表面116が、構造物118と表面116との間の加熱接着を実現するのに役立つポリマーシーリング層(これは、微粒子又は鉱物質の混入ポリマーのベースポリマー物質と相溶性がある)である。内腔108及び/又はディスペンサー112(好ましくはその両方)を加熱して、フィーダー102から内腔108を通ってディスペンサー112に移送されるまで、混入ポリマーを溶融状態に保つ。このようにしてディスペンサー112を加熱することは、混入ポリマーを所定の形状に正確に形成させることを容易にするのに役立つ可能性もある。
【0097】
場合によっては、その装置100を使用する方法を、自動化された、インラインの製造プロセスの一部として実施する。容易にこれを可能とするためには、たとえば、溶融された混入ポリマーをその上に、自動化付着させるために、コンベヤベルトで基材114を非連続式若しくは連続式に移動させてもよい。たとえば、インラインプロセスの一環として、コンベヤベルトが、基材114のユニット又はシートをD方向に移動させてもよい。そのインラインプロセスは、たとえば、パッケージ製造プロセスであってもよい。混入ポリマー構造物118と基材114とが組み合わさって複合材料が形成されるが、それは、たとえば、フレキシブルパッケージ、パウチ、又はブリスターパックの一部であってもよい。
【0098】
場合によっては、そのディスペンサー112には、閉止状態と開口状態とを切り替えて、混入ポリマー構造物118を正確に所定の形状に形成させるための、バルブが含まれる。場合によっては、ディスペンサー112に、ホットメルトプレシジョンスロットダイ押出コーティングヘッドが含まれる。このタイプのディスペンサー構成は、正確な熱分布及び安定性を確保し、正確な繰返し精度を与えるのに役立ち得る。混入ポリマーが、ディスペンサーの析出ノズルを通して流出するが、その理由は、加えた剪断力による低粘度化及び圧力が、結合を剪断し、その物質の弾性に破壊をもたらし、その結果、物質に流動を起こさせるからである。その弾性は、ノズルから出るとすぐに回復し、その混入ポリマーが固化して、その形状及び強度が保持される。その結果として、固化した混入ポリマーのストリップ又はその他の構造物が、相溶性のある基材に対して、熱的に接着された構成となる。
【0099】
場合によっては、各種の実施形態において、物質の貯蔵又は供給タンクを、疑塑性の高粘度物質を貯蔵し、その物質(たとえば、固体の混入ポリマーのペレット)をポンプに供給できるように構成してもよい。そのポンプは、その物質に力を加えて、その疑塑性の高粘度物質を剪断力により低粘度化させ、物質の粘度を低下させ、そのことによって、物質を流動化させるように構成されている。
【0100】
ホットメルト混入ポリマーをフィードするためにエクストルーダーを使用する場合には、基材の上に物質を位置決め及び分注するための手段が必要となる。このことは、たとえば、先に説明したように、エクストルーダーの出口に接続されていて、流体的につながっている、フレキシブルホース又はリジッドホースによって可能となる。そのフレキシブルホースには、その中を通して溶融された混入ポリマーが移送される内腔が含まれるが、その内腔は、好ましくは、エクストルーダーを出るポリマーの温度と同じか又はそれより高い温度に加熱されている。そのような高い温度は、流動を妨げる可能性がある熱損失を防止するように構成されている。混入ポリマーは、析出ノズルを通して流出することができるが、その理由は、加えた剪断力による低粘度化及び圧力が、結合を剪断し、その物質の弾性に破壊をもたらし、その結果、物質に流動を起こさせるからである。その弾性は、ノズルから出るとすぐに回復し、その混入ポリマーが固化して、その形状及び強度を保持する。その結果として、固化した混入ポリマーのストリップ又は所望の形状にあるその他の構造物が、相溶性のある基材に対して、熱的に接着された構成となる。
【0101】
場合によっては、各種の実施形態において、溶融された混入ポリマーと接触状態にある、ホース104の内腔108を、エクストルーダーを出ていく物質の温度と同じ又はそれより高い温度にまで加熱する。場合によっては、各種の実施形態において、ディスペンサー112を加熱して、混入ポリマーの溶融状態を維持し、分注工程において、混入ポリマーを所定の形状に正確に形成させることを容易にする。場合によっては、各種の実施形態において、装置100を、漸増的に加熱して、分注工程において、分注される溶融された混入ポリマーが、加熱されて柔らかな(本来的な接着性を有するホットメルトの形態の)状態となって、基材114の上への分注を、容易に制御し、変動できるようにする。このことは、たとえば、先に述べたようにして、ホース及び/又はディスペンサーを加熱することによって達成することができる。場合によっては、各種の実施形態において、必要に応じて、ディスペンサー112を、(たとえば、ヘッドを交換することによって)単一の物質源から、各種の、混入ポリマーの形状及び物質容積に分注することが可能となるように構成する。
【0102】
場合によっては、各種の実施形態において、本明細書で開示された概念の方法を加工ラインに組み入れるために、溶融された本発明の混入ポリマー組成物を加熱したホースにフィードする計量ポンプの中に移送してもよく、空気圧制御のディスペンサーを使用して、分注を正確に制御する。場合によっては、加工からのフィードバックを使用して、エクストルーダーから計量ポンプへ、及び計量ポンプからディスペンサーへの物質のフィードを制御してもよい。たとえば、プログラム可能論理制御装置を使用して、フィーダー(たとえば、エクストルーダー)のオン/オフ及び速度を調節して、計量ポンプへの溶融された物質のフィードを維持してもよい。場合によっては、1台の計量ポンプをマニホールドに接続して、複数の加熱したホース及びディスペンサーに供給することも可能である。
【0103】
本発明による方法を使用する主目的は、相溶性のある基材に対して微粒子又は鉱物質の混入ポリマーを適用し、加熱接着を介して、(最初に溶融され、次いで固化される)混入ポリマーを基材に接着させることである。しかしながら、本発明のそれに代わる態様では、混入ポリマーを、基材に対して又はコンパートメントの中に、加熱接着を起こさせることなく、それに代えて混入ポリマーと基材とを固定する手段が必要となるようにして、分注する方法が含まれていてよい。そのような場合においても、エクストルーダーを通して物質を流すこと、及びそのエクストルーダー装置の適用などの点では、そのプロセスのほとんどは、同様であろう。しかしながら、機械的なインターロック、混入ポリマーと基材との間のタイ層、ポリマーの中に混入させる接着性添加剤、又はいくつかの(加熱接着に代わる)他の手段を備えて、混入ポリマーの、基材又はコンパートメントへの固定を与える必要がある。たとえば、電子産業においては、基材又はコンパートメントには、電子部品、及び、活性物質たとえば混入ポリマーを設けるのが望ましい、その電子部品を取り巻く空いたスペースを含んでいてよい。混入ポリマーを含む独立した部品を射出成形し、次いでそのような部品を基材又はコンパートメントに取り付けるよりも、本明細書で開示された概念の態様に従った方法であれば、微粒子又は鉱物質の混入ポリマーを用いて、基材又はコンパートメントの所望のスペースに、分注し、充填することが可能となるであろう。そのようなインラインプロセスであれば、別の取り付け工程が不要となるであろう。その基材又はコンパートメントの表面が、その混入ポリマーとは非相溶性であって、そのために、加熱接着を形成させることが不可能であるような場合においては、機械的なインターロック又は構造を設けて、固化した混入ポリマーを固定するのがよい。たとえば、集合体を形成させる基材又はコンパートメントを覆うカバーを設けてもよく、それによって、混入ポリマーの場所を固定する。
【0104】
本発明に従う製品の例
混入ポリマー構造物と、それに接着された基材とで形成される複合材料は、フレキシブルパッケージ、パウチ、又はブリスターパックの一部とすることができる。本発明の混入ポリマー及び製造方法により製造した製品の一例を、図6に示す。活性剤を含むこれらの製品は、直接使用することが可能である。
【0105】
以下の実施例を参照しながら本発明をさらに詳しく説明するが、本発明がそれらに限定されると考えるべきではないことは理解されたい。
【実施例
【0106】
実施例1
次の表1に記載の乾燥剤混入ポリマーのサンプルを調製して、押出成形ペレットの形態とした。
【0107】
【表1】
【0108】
実施例2
本発明の方法の一つの態様に従ったホットメルトインラインプロセスのために、MFI、及びMFI測定における物質の性能に基づいて、実施例1のサンプル3及び4を選択した。
【0109】
本願発明者らは、エクストルーダーを再構成して、エクストルーダーアセンブリーを創り、乾燥剤混入ポリマー組成物を開発して、本発明の任意の態様に従った方法を実施した。そのエクストルーダーアセンブリーは、鉱物質混入ポリマーをペレットの形態から満足のいくレベルで押出加工し、その溶融された物質を、加熱したホースの中を移送し、加熱したホットメルトガン又はディスペンサーからそれを分注して、フォイル基材に接着された混入ポリマー構造物を形成させた。
【0110】
典型的なエクストルーダーは、ダイを直接通して分注して、特定の形状の物質、たとえば、中実又は中空のストランド又はチューブを製造する。特別に、本明細書で開示された概念に従ったエクストルーダーアセンブリーには、エクストルーダーの出口に接続された加熱したホース、及びホースのディスペンサー側末端に接続された加熱されたディスペンサーが含まれていた。そのホースの内腔を、エクストルーダーを出る物質と同じ又はそれ以上の温度に加熱して、混入ポリマーが圧力下にエクストルーダーからホースを通して移送される際に、そのポリマーを溶融状態に維持できるようにした。ディスペンサーを閉じることによって、その系の圧力を上げることが可能となった。ディスペンサーを開閉させることによって、物質を、極めてよく制御し、正確に流すことが可能となった。その配合物の中で使用されるベースポリマーは、フォイル基材の上のポリマーコーティング(ポリマーシール層)と相溶性があった。このことにより、鉱物質混入ポリマーが溶融状態となり(これは、加熱ディスペンサーを介してさらに維持される)、混合され、接触させる物質の性質が似ているためにコーティングされた基材に接着された。その結果、固化された混入ポリマー構造物が形成され、フォイル基材の上に接着された。
【0111】
図8及び9は、それぞれ、ホットメルトの分注装置の任意の実施形態を使用してシートに接着させた、混入ポリマーのフィルム及びストリップを写した写真である。
【0112】
本発明を、その具体例を参照しながら詳細に説明してきたが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、各種の変更及び修正が可能であることは当業者には明らかであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9