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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-09
(45)【発行日】2023-05-19
(54)【発明の名称】防塵構造
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20230510BHJP
   H02B 1/28 20060101ALN20230510BHJP
【FI】
H05K7/20 K
H02B1/28 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022550068
(86)(22)【出願日】2020-09-15
(86)【国際出願番号】 JP2020034897
(87)【国際公開番号】W WO2022059065
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2022-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100207192
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 健一
(72)【発明者】
【氏名】杷野 満
【審査官】ゆずりは 広行
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-204415(JP,A)
【文献】特開平8-032248(JP,A)
【文献】特開2017-021141(JP,A)
【文献】特開平9-220417(JP,A)
【文献】実開平5-69994(JP,U)
【文献】実開昭60-52681(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
H02B 1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器を収容し、第1通気口が形成された筐体と、
前記第1通気口を覆い、前記第1通気口とは別の第2通気口を有する非磁性のカバー部材と、
前記カバー部材に着脱自在に固定されて前記第2通気口を覆うように形成されているとともに、前記第1通気口を流れる気体が通過する孔が形成され、前記カバー部材に固定されることにより磁化された磁性部材と、
前記カバー部材に、前記筐体に接触しないように固定され、前記磁性部材を磁化するとともに磁力によって前記磁性部材を前記カバー部材に固定する磁石と、
を備える防塵構造。
【請求項4】
前記カバー部材に前記磁石を固定する固定部材を備える
請求項1に記載の防塵構造。
【請求項5】
前記流路に配置される濾過部材を備える
請求項1又は請求項4に記載の防塵構造。
【請求項6】
前記磁性部材である第1磁性部材と前記電気機器との間の前記筐体の内部に配置される第2磁性部材を備える
請求項1、請求項4、請求項5のいずれか1項に記載の防塵構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、防塵構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷却空気が流通する吸気口及び排気口が形成された筐体を備える制御盤がある。制御盤は、筐体の外部から内部に導入される冷却空気によって内部の発熱源を冷却する。
しかしながら、冷却空気とともに導電性の微粒子が筐体の内部に侵入すると、制御盤の内部の電気機器で短絡等の異常が生じる可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国特開2016-111194号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、筐体の内部への導電性の異物の侵入を抑制することができる防塵構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の防塵構造は、筐体と、カバー部材と、磁性部材と、磁石と、を備える。筐体は、電気機器を収容し、第1通気口が形成されている。カバー部材は、第1通気口を覆い、第1通気口とは別の第2通気口を有する非磁性である。磁性部材は、カバー部材に着脱自在に固定されて第2通気口を覆うように形成されているとともに、第1通気口を流れる気体が通過する孔が形成され、カバー部材に固定されることにより磁化されている。磁石は、カバー部材に、筐体に接触しないように固定され、磁性部材を磁化するとともに磁力によって磁性部材をカバー部材に固定する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態の防塵構造の斜視図。
図2】実施形態の防塵構造の分解斜視図。
図3】実施形態の防塵構造の前部をX-Z平面に平行な断面で破断して示す断面図。
図4】実施形態の変形例での防塵構造の前部の分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の防塵構造を、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態の防塵構造10の斜視図である。図2は、実施形態の防塵構造10の分解斜視図である。図3は、実施形態の防塵構造10の前部をX-Z平面に平行な断面で破断して示す断面図である。
【0008】
以下、3次元空間で互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸の各軸方向は、各軸に平行な方向である。例えば、防塵構造10の前後方向は、X軸方向と平行である。X軸方向の正方向は、防塵構造10の後部から前部に向かう方向である。防塵構造10の左右方向は、Y軸方向と平行である。Y軸方向の正方向は、防塵構造10の右側から左側に向かう方向である。防塵構造10の上下方向及び鉛直方向は、Z軸方向と平行である。Z軸方向の正方向は、防塵構造10の下部から上部に向かう方向である。
【0009】
図1に示すように、実施形態の防塵構造10は、電気設備等に備えられる各種の盤1に設けられている。盤1は、例えば、電力変換装置、電源装置及びモータ駆動装置等を構成する配電盤、分電盤及び制御盤等である。盤1は、例えば、変圧器、開閉器、遮断器、計測機器及び制御装置等の各種の電気機器2を備える。
【0010】
図1図2及び図3に示すように、防塵構造10は、筐体11と、カバー部材12と、複数の永久磁石13と、磁性材フィルター14(請求項における磁性部材、第1磁性部材の一例)と、エアフィルター(請求項における濾過部材の一例)15と、磁性材シールド16(請求項における第2磁性部材の一例)と、を備える。
【0011】
筐体11は、各種の電気機器2を内部に収容する。筐体11は、上部21に固定されたファン22を備える。ファン22は、筐体11の上部21を貫通する排気口23を塞ぐように配置されている。排気口23は、例えば矩形の開口である。
筐体11の前部24には、吸気口25が形成されている。吸気口25は、例えばX軸方向で電気機器2と対向するように配置されている。吸気口25は、例えば矩形の開口である。
【0012】
ファン22は、筐体11の前部24の吸気口25から筐体11の外部の空気を内部に吸入するとともに、筐体11の上部21の排気口23から筐体11の内部の空気を外部に排出する。ファン22は、筐体11の内部を流れる空気によって電気機器2を冷却する。
【0013】
カバー部材12の外形は、例えば矩形箱型である。カバー部材12は、例えば合成樹脂等の磁場によって磁化されない非磁性の材料によって形成されている。
カバー部材12は、筐体11の前部24の表面24Aに固定されている。カバー部材12は、筐体11の外部から吸気口25を覆う。
カバー部材12の前部31には、大部分に通気口32が形成されている。通気口32は、例えばX軸方向で吸気口25と対向する。通気口32は、例えば矩形の開口である。
【0014】
カバー部材12は、複数の永久磁石13を筐体11に接触させずに固定する複数の固定部材33を備える。複数の固定部材33の各々の外形は、例えばリブ型の突起である。
複数の固定部材33は、例えば二対の固定部材33である。例えば、二対の固定部材33の各対は、カバー部材12の前部31の裏面31Aでの左右の両端(Y軸方向の両端)のいずれかからX軸方向に所定間隔を置いて離れている。二対の固定部材33の各対は、カバー部材12の上部34及び下部35の各裏面34A,35AからZ軸方向の内側に突出する2つの固定部材33である。
【0015】
複数の永久磁石13の各々の外形は、例えば四角柱型の棒状である。複数の永久磁石13は、例えば一対の永久磁石13である。例えば、一対の永久磁石13は、カバー部材12の前部31の裏面31Aでの左右の両端(Y軸方向の両端)に二対の固定部材33によって固定されている。各永久磁石13は、例えばY軸方向のスライド移動によって一対の固定部材33により固定又は一対の固定部材33による固定が解除される。
一対の永久磁石13は、磁場によって磁性材フィルター14を磁化する。一対の永久磁石13は、磁力によって磁性材フィルター14をカバー部材12に固定する。
【0016】
一対の永久磁石13は、例えばメンテナンス作業時等にカバー部材12に対する固定が解除されることによって、カバー部材12から容易に取り外される。
例えば一対の永久磁石13の磁場に起因してカバー部材12に付着する導電性の異物が存在する場合であっても、一対の永久磁石13がカバー部材12から取り外されることによって、導電性の異物が容易に回収される。
【0017】
磁性材フィルター14の外形は、例えば複数の貫通孔14aが形成された矩形の格子状又は網状である。磁性材フィルター14は、例えば鉄等の強磁性の材料によって形成されている。
磁性材フィルター14は、一対の永久磁石13の磁力によってカバー部材12の前部31の表面31Bに固定されている。磁性材フィルター14は、カバー部材12の通気口32を覆う。磁性材フィルター14は、一対の永久磁石13の磁力に抗う外力によってカバー部材12に対する固定が解除される。
【0018】
磁性材フィルター14は、一対の永久磁石13の磁場によって磁化される。磁性材フィルター14は、カバー部材12の通気口32及び筐体11の吸気口25に向かって複数の貫通孔14aを通過する空気から導電性の塵埃等の異物を分離して捕集する。
磁性材フィルター14は、筐体11の外部に配置されていることによって、吸気口25から筐体11の内部に導電性の異物が侵入することを抑制する。
【0019】
磁性材フィルター14は、例えばメンテナンス作業時等にカバー部材12に対する固定が解除されることによって、一対の永久磁石13による磁化が解消される。磁化された磁性材フィルター14に捕集された導電性の異物は、磁化が解消された磁性材フィルター14から分離し易くなるので、容易に回収される。
磁性材フィルター14が一対の永久磁石13から離れることに伴って磁性材フィルター14の磁化は徐々に解消されるので、磁性材フィルター14に捕集された導電性の異物が空気中に飛散することが抑制される。
【0020】
エアフィルター15の外形は、例えば複数の貫通孔が形成された矩形の網状である。エアフィルター15は、例えば合成樹脂等の磁場によって磁化されない非磁性の材料によって形成されている。
エアフィルター15は、例えば筐体11の前部24と磁性材シールド16とによってX軸方向の両側から挟み込まれて固定されている。エアフィルター15は、筐体11の内部から吸気口25を覆う。
【0021】
エアフィルター15は、吸気口25から筐体11の内部に流入して複数の貫通孔を通過する空気から異物を分離して捕集する。エアフィルター15は、磁性材フィルター14によって取り除くことができなかった異物、例えば非導電性の塵埃等の異物を空気から分離して捕集する。
【0022】
磁性材シールド16の外形は、例えば複数の貫通孔16aが形成された矩形の格子状又は網状である。磁性材シールド16は、例えば鉄等の強磁性の材料によって形成されている。
磁性材シールド16は、筐体11の前部24の裏面(内面)24Bに固定されている。磁性材シールド16は、例えばねじ等の固着具によって筐体11に固定されている。磁性材シールド16は、エアフィルター15とともに筐体11の内部から吸気口25を覆う。
【0023】
磁性材シールド16は、エアフィルター15から複数の貫通孔16aに流入する空気を筐体11の内部に向かって通過させる。磁性材シールド16は、磁性材フィルター14及び一対の永久磁石13と筐体11の内部の電気機器2との間で磁気を遮断する。磁性材シールド16は、筐体11の内部の電気機器2を磁性材フィルター14及び一対の永久磁石13の磁気から遮蔽する。
【0024】
以上説明した実施形態によれば、防塵構造10は、筐体11に形成された吸気口25を流れる空気の流路であるカバー部材12の通気口32を覆う磁性材フィルター14を備えることにより、筐体11の内部への導電性の塵埃等の異物の侵入を抑制することができる。
【0025】
防塵構造10は、磁性材フィルター14を磁化するとともに磁力によってカバー部材12に固定する一対の永久磁石13を備えることにより、磁性材フィルター14の固定が解除された場合に磁性材フィルター14の磁化を解消することができる。磁化された磁性材フィルター14に捕集された導電性の異物は、磁化が解消された磁性材フィルター14から分離し易くなることによって、容易に回収される。磁性材フィルター14が一対の永久磁石13から離れることに伴って磁性材フィルター14の磁化は徐々に解消されることにより、磁性材フィルター14に捕集された導電性の異物が空気中に飛散することは抑制される。
【0026】
防塵構造10は、カバー部材12に一対の永久磁石13を固定する二対の固定部材33備えることにより、一対の永久磁石13をカバー部材12から容易に取り外すことができる。例えば一対の永久磁石13の磁場に起因してカバー部材12に付着する導電性の異物が存在する場合であっても、一対の永久磁石13がカバー部材12から取り外されることによって、導電性の異物は容易に回収される。
【0027】
防塵構造10は、筐体11の内部にエアフィルター15を備えることにより、磁性材フィルター14によって取り除くことができなかった異物、例えば非導電性の塵埃等の異物を、吸気口25から筐体11の内部に流入する空気から分離して捕集することができる。
【0028】
防塵構造10は、筐体11の内部に磁性材シールド16を備えることにより、磁性材フィルター14及び一対の永久磁石13と筐体11の内部の電気機器2との間で磁気を遮断することができる。磁性材シールド16は、筐体11の内部の電気機器2を磁性材フィルター14及び一対の永久磁石13の磁気から遮蔽することができる。
【0029】
以下、変形例について説明する。
上述した実施形態では、磁性材フィルター14はカバー部材12の前部31の通気口32を覆うとしたが、これに限定されない。磁性材フィルター14は、カバー部材12の前部31以外の他の部位に形成された通気口を覆ってもよい。
図4は、実施形態の変形例での防塵構造10Aの前部の分解斜視図である。
図4に示すように、変形例の防塵構造10Aは、上述した実施形態のカバー部材12、複数の永久磁石13及び磁性材フィルター14とは異なる変形例のカバー部材12A、複数の永久磁石13A及び複数の磁性材フィルター14Aを備える。
【0030】
変形例のカバー部材12Aの外形は、例えば矩形箱型に形成されている。変形例のカバー部材12Aは、例えば合成樹脂等の磁場によって磁化されない非磁性の材料によって形成されている。カバー部材12Aは、例えば、遮蔽部41と、支持部42と、を備える。
遮蔽部41の外形は、例えば矩形板状である。遮蔽部41は、X軸方向で吸気口25を覆う。遮蔽部41は、筐体11の前部24の表面24AからX軸方向に所定距離を置いて離れている。遮蔽部41の少なくとも一部は、X軸方向から見て吸気口25の全域に重なっている。
【0031】
支持部42の外形は、例えば矩形筒状である。支持部42は、遮蔽部41と一体である。支持部42は、筐体11の前部24の表面24Aのうち吸気口25の周縁部に固定されている。
支持部42には、Y軸方向及びZ軸方向の各々で貫通する複数の通気口43が形成されている。複数の通気口43は、例えば各軸方向に2つずつの合計4つの通気口43である。
【0032】
変形例の複数の永久磁石13Aの各々の外形は、例えば四角柱型の棒状である。複数の永久磁石13Aは、例えば4つの永久磁石13Aである。例えば4つの永久磁石13Aは、カバー部材12Aの支持部42の裏面での4つの隅部に複数の固定部材によって固定されている。4つの隅部は、支持部42の裏面での上端の左右端及び下端の左右端である。複数の固定部材の各々は、例えば支持部42の裏面から突出するリブ型の突起等である。
4つの永久磁石13Aは、磁場によって4つの磁性材フィルター14Aを磁化する。4つの永久磁石13Aは、磁力によって4つの磁性材フィルター14Aをカバー部材12Aの支持部42に固定する。
【0033】
変形例の複数の磁性材フィルター14Aの各々の外形は、例えば複数の貫通孔14aが形成された矩形の格子状又は網状である。各磁性材フィルター14Aは、例えば鉄等の強磁性の材料によって形成されている。
複数の磁性材フィルター14Aは、例えばカバー部材12Aの支持部42の4つの通気口43を覆う4つの磁性材フィルター14Aである。4つの磁性材フィルター14Aの各々は、4つの永久磁石13Aのうちの適宜に隣り合う一対の永久磁石13Aの磁力によってカバー部材12Aの支持部42の表面に固定されている。各磁性材フィルター14Aは、適宜の一対の永久磁石13Aの磁力に抗う外力によってカバー部材12Aに対する固定が解除される。
【0034】
4つの磁性材フィルター14Aの各々は、適宜の一対の永久磁石13Aの磁場によって磁化される。各磁性材フィルター14Aは、カバー部材12Aの支持部42の各通気口43及び筐体11の吸気口25に向かって複数の貫通孔14aを通過する空気から導電性の塵埃等の異物を分離して捕集する。
【0035】
上述した実施形態では、磁性材フィルター14は筐体11の外部に配置されるとしたが、これに限定されない。磁性材フィルター14は、筐体11に形成された吸気口25を流れる空気の流路に配置されていればよい。
例えば、磁性材フィルター14は、筐体11の内部に配置されてもよい。例えば、一対の永久磁石13が固定されたカバー部材12は、筐体11の前部24の裏面24Bに固定されてもよい。カバー部材12は、筐体11の内部から吸気口25を覆う。磁性材フィルター14は、筐体11の内部で一対の永久磁石13の磁力によってカバー部材12に固定され、カバー部材12の通気口32を覆う。
【0036】
上述した実施形態では、カバー部材12は、リブ型の突起である複数の固定部材33によって複数の永久磁石13を固定するとしたが、これに限定されない。
各固定部材33は、例えばねじ等の固着具又は粘着テープ等であってもよい。
【0037】
上述した実施形態では、磁性材フィルター14及び複数の永久磁石13の各々は直接に接触せずにカバー部材12に固定されるとしたが、これに限定されない。
例えば、磁性材フィルター14及び複数の永久磁石13は磁力によって直接に接触してカバー部材12に固定されてもよい。
例えば、磁性材フィルター14及び複数の永久磁石13の少なくともいずれかはカバー部材12に対する固定が解除不可であってもよい。
例えば、カバー部材12は省略されて、磁力によって直接に接触する磁性材フィルター14及び複数の永久磁石13は筐体11に固定されてもよい。
【0038】
上述した実施形態では、エアフィルター15は筐体11の前部24と磁性材シールド16との間に配置されるとしたが、これに限定されない。
例えば、エアフィルター15は磁性材シールド16と電気機器2との間又は筐体11の外部に配置されてもよい。
例えば、エアフィルター15及び磁性材シールド16の少なくともいずれかは省略されてもよい。
【0039】
上述した実施形態では、磁性材フィルター14,14Aのみ磁化させたとしたが、これに限定されない。磁性材シールド16を磁化させて、この磁性材シールド16に磁性材フィルター14としての機能をもたせてもよい。この場合、磁性材フィルター14を設けなくてもよい。
【0040】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、防塵構造10(又は防塵構造10A)は、筐体11の吸気口25を流れる空気の流路に配置される磁化された磁性材フィルター14(又は磁性材フィルター14A)を備えることにより、筐体11の内部への導電性の異物の侵入を抑制することができる。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0042】
1…盤、2…電気機器、10…防塵構造、11…筐体、12…カバー部材、13…永久磁石、14…磁性材フィルター(磁性部材、第1磁性部材)、15…エアフィルター(濾過部材)、16…磁性材シールド(第2磁性部材)、25…吸気口、32…通気口、33…固定部材
図1
図2
図3
図4