(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-18
(54)【発明の名称】加熱されたキャパシタ、及び加熱されたキャパシタを形成する方法
(51)【国際特許分類】
H01G 4/33 20060101AFI20230511BHJP
H01G 4/18 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
H01G4/33 101
H01G4/18
(21)【出願番号】P 2020208112
(22)【出願日】2020-12-16
(62)【分割の表示】P 2016570003の分割
【原出願日】2015-05-28
【審査請求日】2021-01-12
(32)【優先日】2014-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】ホンリン グオ
(72)【発明者】
【氏名】バイロン ラヴェル ウィリアムズ
【審査官】菊地 陽一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0141834(US,A1)
【文献】実開昭60-001437(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2011/0051309(US,A1)
【文献】特公昭42-003344(JP,B1)
【文献】特開平04-364014(JP,A)
【文献】特表2013-515353(JP,A)
【文献】特開平05-166578(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/33
H01G 4/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱されるキャパシタであって、
絶縁層と、
前記絶縁層に接し、電位サージ源に結合される第1の金属層と、
前記絶縁層に接し、基準電圧に結合される第2の金属層であって、前記絶縁層が前記第1及び第2の金属層の間に位置する、前記第2の金属層と、
前記絶縁層に接し、前記第1又は第2の金属層に横方向に近接して位置する第1の金属構造であって、第1の電圧に結合される第1の部分と第2の電圧に結合される第2の部分と前記第1又は第2の金属層の第1の部分に沿って延在する第1のトレース部分と前記第1又は第2の金属層の第2の部分に沿って延在する第2のトレース部分とを含み、前記第1及び第2のトレース部分が互いに平行であり、前記第1の電圧と前記第2の電圧とが異なり、前記第1の電圧と前記第2の電圧との間の差が前記第1の金属構造内に電流を流れさせ、前記電流が前記絶縁層から水分の取り除くように前記第1の金属構造の抵抗から熱を生成する、前記第1の金属構造と、
を有する、加熱されるキャパシタ。
【請求項2】
請求項
1に記載の加熱されるキャパシタであって、
前記第2の金属層が、前記第2の金属層の周縁の周りに延在する側壁を有し、前記第1の金属構造が前記第2の金属層の側壁の半分に近接して位置する、加熱されるキャパシタ。
【請求項3】
請求項
1に記載の加熱されるキャパシタであって、
前記絶縁層がポリマーを含む、加熱されるキャパシタ。
【請求項4】
請求項
1に記載の加熱されるキャパシタであって、
前記第1の金属層が、前記第1の金属層の周縁の周りに延在する側壁を有し、前記第1の金属構造が前記第1の金属層の側壁の半分に近接して位置する、加熱されるキャパシタ。
【請求項5】
請求項
1に記載の加熱されるキャパシタであって、
前記基準電圧が接地電位である、加熱されるキャパシタ。
【請求項6】
請求項
2に記載の加熱されるキャパシタであって、
前記絶縁層に接する第2の金属構造であって、前記第1の金属層に横方向に近接して位置し、第3の電圧に結合される第3の部分と第4の電圧に結合される第4の部分とを含み、前記第3の電圧と前記第4の電圧とが異なり、前記第3の電圧と前記第4の電圧との間の差が電流を前記第2の金属構造内に流れさせ、前記第2の金属構造を介して流れる電流が前記絶縁層から水分を取り除くように前記第2の金属構造の抵抗から熱を生成する、前記第2の金属構造を更に含む、加熱されるキャパシタ。
【請求項7】
請求項
6に記載の加熱されるキャパシタであって、
前記第1の電圧と前記第3の電圧とが等しく、前記第2の電圧と前記第4の電圧とが等しい、加熱されるキャパシタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、概してキャパシタに関し、更に特定して言えば、加熱されたキャパシタ、及び加熱されたキャパシタを形成する方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
キャパシタは電荷をストアする周知のエレクトロニクスデバイスである。キャパシタは、絶縁性材料により分離される下部及び上部導電プレートを有する。キャパシタは、スタンドアロン構造として、又は集積回路の一部として、半導体ダイ上に形成され得る。
【0003】
キャパシタの一般的な用途の一つは、他の電子回路を、外部事象から生じる電気サージから保護することである。例えば、キャパシタが、アンテナへの落雷から、RFフロントエンド及び関連する回路要素を保護するように、キャパシタの下部プレートが接地に接続され得、キャパシタの上部プレートがアンテナ及びRFフロントエンドに接続され得る。
【0004】
電気サージからの保護を提供するキャパシタがある場合、一つの問題は、絶縁材料には、キャパシタの性能を著しく劣化させ得る湿気の影響を受け易いものがある点である。例えば、ポリマー(例えば、ポリイミド)は全て、水分に影響されやすく、これにより、キャパシタの性能が5,000Vから2,000Vのみまで低減され得る。
【発明の概要】
【0005】
記載される例において、加熱されたキャパシタが、水分に影響されやすい絶縁層から水分を取り除く。加熱されたキャパシタは、第1のパッド、第2のパッド、非導電性層、及び非導電性層に接する第1の金属構造を含む。加熱されたキャパシタはまた、非導電性層に接する第2の金属構造を含む。第2の金属構造は、第1の電圧を受信するように第1のパッドに、及び第2の電圧を受信するように第2のパッドに接続される。第1の電圧及び第2の電圧は異なる。第1の電圧と第2の電圧との間の差が、電流を、第2の金属構造内に、第2の金属構造を介して、及び第2の金属構造から外に流す。この電流は、第2の金属構造の抵抗から熱を生成するためのものである。この熱は、非導電性層から水分を取り除くためのものである。
【0006】
他の記載される例において、加熱されたキャパシタを形成する方法が、第1の金属構造を形成すること、及び第1の金属構造に接する非導電性層を形成することを含む。この方法はまた、非導電性層に接する第2の金属構造を形成すること、及び第1の電圧及び第2の電圧を受信するように第1の金属構造を接続することを含む。第1の電圧及び第2の電圧は異なる。第1の電圧と第2の電圧との間の差が、電流を、第1の金属構造内に、第1の金属構造を介して、及び第1の金属構造から外に流す。この電流は、第1の金属構造の抵抗から熱を生成するためのものである。この熱は、非導電性層から水分を取り除くためのものである。
【0007】
加熱されたキャパシタを形成する代替の方法において、この方法は、第1の金属構造を形成すること、及び第1の金属構造に接する非導電性層を形成することを含む。この方法はまた、非導電性層に接する第2の金属構造を形成すること、及び第1の電圧及び第2の電圧を受信するように第2の金属構造を接続することを含む。第1の電圧及び第2の電圧は異なる。第1の電圧と第2の電圧との間の差が、電流を、第2の金属構造内に、第2の金属構造を介して、及び第2の金属構造から外に流す。この電流は、第2の金属構造の抵抗から熱を生成するためのものである。この熱は、非導電性層から水分を取り除くためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】例示の実施例に従った、加熱されたキャパシタ100の一例の断面図である。
【0009】
【
図2A】例示の実施例に従った、加熱されたキャパシタを形成する方法200の平面図である。
【
図2B】例示の実施例に従った、加熱されたキャパシタを形成する方法200の
図2Aの線2B-2Bによる断面図である。
【
図3A】例示の実施例に従った、加熱されたキャパシタを形成する方法200の平面図である。
【
図3B】例示の実施例に従った、加熱されたキャパシタを形成する方法200の
図3Aの線3B-3Bによる断面図である。
【
図4A】例示の実施例に従った、加熱されたキャパシタを形成する方法200の平面図である。
【
図4B】例示の実施例に従った、加熱されたキャパシタを形成する方法200の
図4Aの線4B-4Bによる断面図である。
【
図5A】例示の実施例に従った、加熱されたキャパシタを形成する方法200の平面図である。
【
図5B】例示の実施例に従った、加熱されたキャパシタを形成する方法200の
図5Aの線5B-5Bによる断面図である。
【
図6A】例示の実施例に従った、加熱されたキャパシタを形成する方法200の平面図である。
【
図6B】例示の実施例に従った、加熱されたキャパシタを形成する方法200の
図6Aの線6B-6Bによる断面図である。
【
図7A】例示の実施例に従った、加熱されたキャパシタを形成する方法200の平面図である。
【
図7B】例示の実施例に従った、加熱されたキャパシタを形成する方法200の
図7Aの線7B-7Bによる断面図である。
【
図8A】例示の実施例に従った、加熱されたキャパシタを形成する方法200の平面図である。
【
図8B】例示の実施例に従った、加熱されたキャパシタを形成する方法200の
図8Aの線8B-8Bによる断面図である。
【0010】
【
図9】代替の実施例に従った、加熱されたキャパシタ900の一例の断面図である。
【0011】
【
図10A】代替の実施例に従った、加熱されたキャパシタ1000の一例の平面図である。
【
図10B】代替の実施例に従った、加熱されたキャパシタ1000の一例であり、
図10Aの線10B-10Bによる断面図である。
【
図10C】代替の実施例に従った、加熱されたキャパシタ1000の一例であり、
図10Aの線10C-10Cによる断面図である。
【
図10D】代替の実施例に従った、加熱されたキャパシタ1000の一例であり、
図10Bの線10D-10Dによる平面図である。
【
図10E】代替の実施例に従った、加熱されたキャパシタ1000の一例であり、
図10Bの線10E-10Eによる平面図である。
【0012】
【
図11A】代替の実施例に従った、加熱されたキャパシタ1100の一例の平面図である。
【
図11B】代替の実施例に従った、加熱されたキャパシタ1100の一例であり、
図11Aの線11B-11Bによる断面図である。
【
図11C】代替の実施例に従った、加熱されたキャパシタ1100の一例であり、
図11Aの線11C-11Cによる断面図である。
【
図11D】代替の実施例に従った、加熱されたキャパシタ1100の一例であり、
図11Bの線11D-11Dによる平面図である
【
図11E】代替の実施例に従った、加熱されたキャパシタ1100の一例であり、
図11Bの線11E-11Eによる平面図である。
【0013】
【
図12A】代替の実施例に従った、加熱されたキャパシタ1200の一例の平面図である。
【
図12B】代替の実施例に従った、加熱されたキャパシタ1200の一例であり、
図12Aの線12B-12Bによる断面図である。
【
図12C】代替の実施例に従った、加熱されたキャパシタ1200の一例であり、
図12Aの線12C-12Cによる断面図である。
【
図12D】代替の実施例に従った、加熱されたキャパシタ1200の一例であり、
図12Bの線12D-12Dによる平面図である
【
図12E】代替の実施例に従った、加熱されたキャパシタ1200の一例であり、
図12Bの線12E-12Eによる平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、例示の実施例に従った、加熱されたキャパシタ100の一例の断面図を示す。これ以降に更に詳細に説明するように、キャパシタ100のプレートの一つが、水分に影響されやすい絶縁性材料から水分を取り除くために内部ヒーターとして用いられる。
【0015】
図1に示すように、加熱されたキャパシタ100は、非導電性構造110と、非導電性構造110に接し、非導電性構造110の上にある下部金属プレート112とを含む。非導電性構造110は、二酸化シリコン又はポリマー(例えば、ポリイミド)などの複数の材料で実装され得る。また、下部金属プレート112は、銅又はアルミニウムなどの複数の材料で実装され得る。
【0016】
図1に更に示すように、加熱されたキャパシタ100は、下部金属プレート112に接し、下部金属プレート112の上にある、水分に影響されやすい絶縁層114と、水分に影響されやすい絶縁層114に接し、水分に影響されやすい絶縁層114の上にある上部金属プレート116とを含む。上部金属プレート116はまた、下部金属プレート112の直接的に上にある。水分に影響されやすい絶縁層114は、ポリマー(例えば、ポリイミド)で実装され得る。例えば、上部金属プレート116は、銅又はアルミニウムで実装され得る。
【0017】
また、加熱されたキャパシタ100は、下部金属プレート112の第1の側に接続される金属ビア/トレース120、及び、金属ビア/トレース120に接続されるパッド122を含む。加熱されたキャパシタ100は更に、下部金属プレート112の第2の側に接続される金属ビア/トレース124、及び、金属ビア/トレース124に接続されるパッド126を含む。
【0018】
加熱されたキャパシタ100はまた複数の接続構造130を含み、複数の接続構造130は、上部金属プレート116及びパッド122及び126に接続される。この例では、接続構造130は、上部金属プレート116及びパッド122及び126にボンディングされる配線として図示される。代替として、接続構造130は、はんだバンプで実装され得る。
【0019】
パッド122及び126は、接続構造130を用いて外部電圧源に電気的に接続される。パッド122は、2Vなどの実質的に一定の電圧を受け取るように接続され、パッド126は、接地などの一層低い実質的に一定の電圧を受け取るように接続される。上部金属プレート116は、接続構造130を用いて、アンテナなどの電位サージ源、及びRFフロントエンドなどの内部回路に電気的に接続される。
【0020】
オペレーションにおいて、加熱されたキャパシタ100を含む半導体チップが始動されると、パッド122及び126上の電圧間の差が、電流を、パッド122から、下部金属プレート112内へ、下部金属プレート112を介して、及び下部金属プレート112から出てパッド126へ、流す。下部金属プレート112は、この電流フローに対する下部金属プレート112の抵抗が、水分に影響されやすい絶縁層114から水分を取り除く熱を生成するような寸法とされる。電気サージの事象において、キャパシタを形成する、下部プレート112、水分に影響されやすい絶縁層114、及び上部プレート116は、従来のように機能する。
【0021】
そのため、加熱されたキャパシタ100の利点の一つは、水分に影響されやすい絶縁層114から水分を取り除くことによって、加熱されたキャパシタ100が、電気サージからの増大された保護を提供し得ることである。加熱されたキャパシタ100の別の利点は、水分に影響されやすい絶縁層114から水分を取り除くことが、キャパシタの寿命を1000倍まで著しく増大させ得ることである。更なる利点は、加熱されたキャパシタ100が、如何なる付加的なマスキング工程も用いる必要なく形成され得ることである。
【0022】
【0023】
図2A~
図2Bに示すように、方法200は、従来のように形成された非導電性構造210を用い、非導電性構造210上にシード層212を従来の方式で形成することにより始まる。シード層212は、チタンの層(例えば、300Åの厚み)及び銅のオーバーレイ層(例えば、3000Åの厚み)で実装され得る。次に、モールド214が従来のように、シード層212上に形成及びパターニングされる。
【0024】
図3A~
図3Bに示すように、モールド214の形成及びパターニングに続いて、非導電性構造210に接して非導電性構造210の上にある下部金属プレート216を形成するように、銅が従来の方式で電気めっきされる。下部金属プレート216が形成された後、モールド214が取り除かれ、その後、シード層212の、下にある領域の除去が続く。
【0025】
この例では、下部金属プレート216は、ビア接続を成すための2つのタブ218を備えた正方形/矩形形状として図示されている。代替として、円形などの他の形状を用いることができる。また、どの形状が用いられても、その形状は、タブを有さなくてもよく又は任意の数のタブを有してもよい。
【0026】
これに続いて、
図4A~
図4Bに示すように、水分に影響されやすい絶縁層220が、非導電性構造210及び下部金属プレート216上に従来の方式で堆積される。例えば、水分に影響されやすい絶縁層220は、ポリマー(例えば、ポリイミド)で実装され得る。
【0027】
水分に影響されやすい絶縁層220が形成された後、パターニングされたフォトレジスト層222が、水分に影響されやすい絶縁層220上に形成される。パターニングされたフォトレジスト層222は従来の方式で形成され、従来の方式には、フォトレジストの層を堆積すること、露光されたフォトレジスト領域を軟化させるフォトレジストの層上にパターニングされた画像を形成するためにマスクとして知られているパターニングされる黒/透明ガラスプレートを介して光を投射すること、及び軟化されたフォトレジスト領域を取り除くことが含まれる。
【0028】
パターニングされたフォトレジスト層222が形成された後、
図5A~
図5Bに示すように、水分に影響されやすい絶縁層220の露出された領域が、下部金属プレート216のタブ218の頂部表面を露出させる開口224を形成するように従来の方式でエッチングされる。比較として、タブ218が省かれる場合、開口224は、下部金属プレート216の頂部表面を露出させる。パターニングされたフォトレジスト層222は、その後、アッシングプロセスを用いるなど、従来の方式で取り除かれる。
【0029】
パターニングされたフォトレジスト層222が取り除かれた後、
図6A~
図6Bに示すように、シード層230が、開口224をライニングするように及び下部金属プレート216のタブ218に接するように、水分に影響されやすい絶縁層220上に形成される。シード層230は、チタンの層(例えば、300Åの厚み)及び銅のオーバーレイ層(例えば、3000Åの厚み)で実装され得る。次に、モールド232が、シード層230上に形成及びパターニングされる。
【0030】
モールド232の形成及びパターニングに続いて、
図7A~
図7Bに示すように、下部金属プレート216の直接的に上にある上部金属プレート240を形成するように、銅が従来の方式で電気めっきされる。この例では、上部金属プレート240は、正方形/矩形形状として図示されている。代替として、円形など、他の形状を用いることができる。
【0031】
電気めっきはまた、下部金属プレート216のタブ218に電気的に接続される第1のビア/トレース242及び第2のビア/トレース244を形成する。電気めっきは更に、第1のビア/トレース242に接続される第1のパッド246、及び第2のビア/トレース244に接続される第2のパッド248を形成する。
【0032】
上部金属プレート240、第1のビア/トレース242、第2のビア/トレース244、第1のパッド246、及び第2のパッド248が形成された後、
図8A~
図8Bに示すように、モールド232が取り除かれ、その後、シード層230の、下にある領域の除去が続く。モールド232及びシード層230の下にある領域の除去により、加熱されたキ
ャパシタ構造250が形成される。
【0033】
これに続いて、加熱されたキャパシタ構造250は従来の方式でパッケージングされる。例えば、加熱されたキャパシタ構造250がダイキャリアに取り付けられ得る。加熱されたキャパシタ構造250がダイキャリアに取り付けられた後、複数の接続構造252が、上部金属プレート240、パッド246及び248、及びダイキャリアに接続される。
【0034】
この例では、接続構造252は、上部金属プレート240、パッド246及び248、及びダイキャリアにボンディングされる配線として図示される。代替として、接続構造252は、はんだバンプで実装され得る。はんだバンプは、ダイキャリアに接続されないが、印刷回路基板に接続される。接続構造252を備えた加熱されたキャパシタ構造250は、加熱されたキャパシタ260を形成する。
【0035】
パッケージングされると、第1のパッド246は、2Vなどの実質的に一定の電圧を受け取るように接続され、第2のパッド248は、接地などの一層低い実質的に一定の電圧を受け取るように接続される。更に、上部金属プレート240は、アンテナなどの電位サージ源、及びRFフロントエンドなどの内部回路に接続される。
【0036】
方法200は、加熱されたキャパシタ100を実現するために有用である。非導電性構造210が非導電性構造110と対応し得、下部金属プレート216が下部金属プレート112と対応し得、水分に影響されやすい絶縁性層220が、水分に影響されやすい絶縁性層114と対応し得る。また、上部金属プレート240が上部金属プレート116と対応し得、ビア/トレース242がビア/トレース120と対応し得、ビア/トレース244がビア/トレース124と対応し得る。更に、パッド246がパッド122と対応し得、パッド248がパッド126と対応し得、接続構造252が接続構造130と対応し得る。
【0037】
図9は、代替の実施例に従った、加熱されたキャパシタ900の一例の断面図を示す。加熱されたキャパシタ900は、加熱されたキャパシタ100に類似し、そのため、両方のキャパシタに共通の構造を示すために同じ参照符号を用いる。
【0038】
図9に示すように、加熱されたキャパシタ900は、加熱されたキャパシタ900の下部金属プレート112が、アンテナなどの電位サージ源、及びRFフロントエンドなどの内部回路に電気的に接続され、上部金属プレート116が、2つの異なる外部電圧源に電気的に接続されるので、加熱されたキャパシタ100とは異なる。
【0039】
この例では、下部金属プレート112は、ビア/トレース124、パッド126、及び接続構造130を用いて、電位サージ源及び内部回路に電気的に接続される。代替として、下部金属プレート112は、ビア/トレース120、パッド122、及び接続構造130を用いて、電位サージ源及び内部回路に接続され得る。
【0040】
上部金属プレート116は、2Vなどの実質的に一定の電圧を受信するように接続構造130を用いて第1の外部電圧源に、及び接地などの実質的に一定の電圧を受信するように下部接続構造130を用いて第2の外部電圧源に電気的に接続される。
【0041】
加熱されたキャパシタ900は、加熱されたキャパシタ100と同様に動作し、キャパシタプレートが熱を提供する点、及びキャパシタプレートが電位サージ源及び内部回路に接続される点のみが異なる。また、加熱されたキャパシタ900は、一つのタブ、一つのビア/トレース、及び一つのパッドがもはや必要とされないことを除き、加熱されたキャパシタ260と同じ方式で形成される。例えば、左側タブ218、ビア/トレース242
、及びパッド246の形成が省かれ得る。
【0042】
【0043】
加熱されたキャパシタ1000は、加熱されたキャパシタ260に類似し、そのため、両方のキャパシタに共通の構造を示すために同じ参照符号を用いる。
図10A~
図10Eに示すように、加熱されたキャパシタ1000は、下部金属プレートに横方向に近接する下部金属ラインを介して電流を流すことにより熱を生成するので、加熱されたキャパシタ1000は、加熱されたキャパシタ260とは異なる。
【0044】
この例では、
図10B及び10Dに示すように、加熱されたキャパシタ1000は、下部金属プレート216の代わりに下部金属プレート1010を用いるので、加熱されたキャパシタ1000は、加熱されたキャパシタ260とは異なる。下部金属プレート1010は、下部金属プレート1010の周縁の周りに延在する側壁1012を有する。
【0045】
図10B、10C、及び10Dに示すように、下部金属プレート1010は、下部金属プレート1010が、ビア接続を成すために単一のタブ1014のみを有することを除き、下部金属プレート216と同じである。下部金属プレート1010は、正方形/矩形形状として図示されているが、円形などの他の形状が代替として用いられ得る。また、どの形状が用いられても、その形状は、タブを有さなくてもよく又は複数の数のタブを有してもよい。
【0046】
図10B、10C、及び10Dに示すように、加熱されたキャパシタ1000は、下部金属プレート1010に横方向に近接する下部金属トレース1020を含むので、加熱されたキャパシタ1000は、加熱されたキャパシタ260とも異なる。一実施例において、下部金属プレート1010と下部金属トレース1020との横方向間に金属構造はない。別の実施例において、下部金属プレート1010と下部金属トレース1020の横方向間に金属構造があってもよい。
【0047】
この例では、下部金属トレース1020は、下部金属プレート1010を部分的に囲む。その結果、下部金属トレース1020は、下部金属プレート1010の側壁1012の半分まで、及び下部金属プレート1010の側壁1012の4分の3まで及び4分の3以上まで近接する。
【0048】
図10A、10C、及び10Eに示すように、加熱されたキャパシタ1000は、下部金属トレース1020の一端に取り付けられるビア/トレース1022、及びビア/トレース1022に取り付けられるパッド1024を含むので、加熱されたキャパシタ1000は、加熱されたキャパシタ260とは異なる。加熱されたキャパシタ1000はまた、下部金属トレース1020の反対の端部に取り付けられるビア/トレース1026、及びビア/トレース1026に取り付けられるパッド1028を含む。
【0049】
更に、この例では、下部金属プレート1010は、ビア/トレース242、パッド246、及び接続構造252を用いて、接地などの実質的に一定の電圧を受信するように外部電圧源に電気的に接続される。代替として、下部金属プレート1010は、ビア/トレース242、パッド246、及び接続構造252を用いて、電位サージ源及び内部回路に電気的に接続され得る。
【0050】
上部金属プレート240は、接続構造252を用いて、電位サージ源及び内部回路に接続される。代替として、上部金属プレート240は、接続構造252を用いて、接地などの実質的に一定の電圧を搬送するため外部電圧源に接続され得る。
【0051】
オペレーションにおいて、加熱されたキャパシタ1000を含む半導体チップが始動されると、パッド1024及び1028上の電圧間の差が、電流を、パッド1024から、下部金属トレース1020内に、下部金属トレース1020を介して、及び下部金属トレース1020から出てパッド1028へ、流す。下部金属トレース1020は、この電流フローに対する下部金属トレース1020の抵抗が、水分に影響されやすい絶縁層220から水分を取り除く熱を生成するような寸法とされる。電気サージの事象において、キャパシタを形成する、下部プレート1010、水分に影響されやすい絶縁層220、及び上部プレート240は、従来のように機能する。そのため、加熱されたキャパシタ100及び260とは異なり、下部金属プレート1010を介して電流は流れない。
【0052】
加熱されたキャパシタ1000は、加熱されたキャパシタ260と同じ方式で形成される。例えば、下部金属プレート1010は、一つのタブが省かれ得ることを除いて、下部金属プレート216と同時に及び同じ方式で形成され得る。また、下部金属トレース1020は、モールド214を改変することにより下部金属プレート216と同時に及び同じ方式で形成され得る。更に、ビア/トレース1022、パッド1024、ビア/トレース1026、及びパッド1028は、ビア/トレース242及びパッド246と同時に及びと同じ方式で形成され得る。
【0053】
【0054】
加熱されたキャパシタ1100は、加熱されたキャパシタ1000に類似し、そのため、両方のキャパシタに共通の構造を示すために同じ参照符号を用いる。
図11A~
図11Eに示すように、加熱されたキャパシタ1100は、下部金属プレート1010に横方向に近接する下部金属ラインと、上部金属プレート240に横方向に近接する上部金属ラインとの両方を介して電流を流すことにより熱を生成するので、加熱されたキャパシタ1100は、加熱されたキャパシタ1000とは異なる。
【0055】
図11A、11B、及び11Cに示すように、加熱されたキャパシタ1100は、上部金属プレート240に横方向に近接する上部金属トレース1110を含むので、加熱されたキャパシタ1100は、加熱されたキャパシタ1000とは異なる。一実施例において、上部金属プレート240と上部金属トレース1110との横方向間に金属構造はない。別の実施例において、上部金属プレート240及び上部金属トレース1110の横方向間に金属構造があってもよい。
【0056】
上部金属プレート240は、上部金属プレート240の周縁の周りに延在する側壁1112を有する。この例では、上部金属トレース1110は、上部金属プレート240を部分的に囲む。その結果、上部金属トレース1110は、上部金属プレート240の側壁1112の半分に、及び上部金属プレート1110の側壁1112の4分の3及び4分の3以上に近接する。
【0057】
図11A、11C、及び11Eに示すように、加熱されたキャパシタ1100は、下部レベルから上に延在する3つのビア/トレース242、1022、及び1026を有する。
図11A及び11Cに示すように、加熱されたキャパシタ1100は、上部金属トレース1110の一端に取り付けられるパッド1120、及び上部金属トレース1110の他方の端部に取り付けられるパッド1122を含むので、加熱されたキャパシタ1100は、加熱されたキャパシタ1000とは異なる。
【0058】
パッド1120及び1122は、接続構造252を用いて外部電圧源に電気的に接続される。パッド1120は、2Vなどの実質的に一定の電圧を受け取るように接続され、パッド1122は、接地などの一層低い実質的に一定の電圧を受け取るように接続される。パッド1024及び1120は、等しい又は異なる電圧に接続され得る。同様に、パッド1028及び1122は、等しい又は異なる電圧に接続され得る。
【0059】
オペレーションにおいて、加熱されたキャパシタ1100を含む半導体チップが始動されると、パッド1024及び1028上の電圧間の差が、電流を、パッド1024から、下部金属トレース1020内へ、下部金属トレース1020を介して、及び下部金属トレース1020から出てパッド1028へ、流す。下部金属トレース1020は、この電流フローに対する下部金属トレース1020の抵抗が、水分に影響されやすい絶縁層220から水分を取り除く熱を生成するような寸法とされる。
【0060】
また、パッド1120及び1122上の電圧間の差が、電流を、パッド1120から、上部金属トレース1110内へ、上部金属トレース1110を介し、及び上部金属トレース1110から出てパッド1122へ、流す。上部金属トレース1110は、この電流フローに対する上部金属トレース1110の抵抗が、水分に影響されやすい絶縁層220から水分を取り除く熱を生成するような寸法とされる。電気サージの事象において、キャパシタを形成する、下部プレート1010、水分に影響されやすい絶縁層220、及び上部プレート240は、従来のように機能する。
【0061】
加熱されたキャパシタ1100は、加熱されたキャパシタ1000と同じ方式で形成される。例えば、上部金属トレース1110、パッド1120、及びパッド1122が、モールド232を改変することにより、上部金属プレート240、ビア/トレース242、パッド246、ビア/トレース1022、パッド1024、ビア/トレース1026、及びパッド1028と同時に及び同じ方式で形成され得る。
【0062】
【0063】
加熱されたキャパシタ1200は、加熱されたキャパシタ1100に類似し、そのため、両方のキャパシタに共通の構造を示すために同じ参照符号を用いる。
図12A~
図12Eに示すように、加熱されたキャパシタ1200は、上部金属トレース1110のみを介して電流を流すことにより熱を生成するので、加熱されたキャパシタ1200は、加熱されたキャパシタ1100とは異なる。その結果、下部金属トレース1020、ビア/トレース1022、ビア/トレース1026、パッド1024、及びパッド1028が省かれる。
【0064】
オペレーションにおいて、加熱されたキャパシタ1200を含む半導体チップが始動されると、パッド1120及び1122上の電圧間の差が、電流を、パッド1120から、上部金属トレース1110内へ、上部金属トレース1110を介して、及び上部金属トレース1110から出てパッド1122へ、流す。上部金属トレース1110は、この電流フローに対する上部金属トレース1110の抵抗が、水分に影響されやすい絶縁層220から水分を取り除く熱を生成するような寸法とされる。
【0065】
電気サージの事象において、キャパシタを形成する、下部金属プレート1010、水分に影響されやすい絶縁層220、及び上部金属プレート240は、従来のように機能する。加熱されたキャパシタ1100は、下部金属トレース1020、ビア/トレース1022、ビア/トレース1026、パッド1024、及びパッド1028が省かれるように形成するために必要とされる変形を除き、加熱されたキャパシタ1100と同じ方式で形成される。
【0066】
本発明の特許請求の範囲内で、説明した例示の実施例に変形が成され得、他の実施例が可能である。