(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-18
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
H02K 5/10 20060101AFI20230511BHJP
【FI】
H02K5/10 Z
(21)【出願番号】P 2019059602
(22)【出願日】2019-03-27
【審査請求日】2022-03-01
(31)【優先権主張番号】P 2018160778
(32)【優先日】2018-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018241777
(32)【優先日】2018-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(72)【発明者】
【氏名】一岡 祐介
(72)【発明者】
【氏名】坂内 宣
(72)【発明者】
【氏名】杉之原 貴洋
【審査官】谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-319604(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に延びる中心軸を中心として、軸方向に延びるシャフトを有する回転部と、
前記回転部の内側に配置され、ステータを有する静止部と、
前記シャフトを支持する軸受と、
を有し、
前記回転部は、
磁性体である筒状のロータヨークと、
前記ロータヨークの内周面に固定され、前記ステータと径方向に対向するマグネットと、
を有し、
前記ロータヨークは、
前記内周面から径方向内側に延び、前記マグネットと軸方向に対向する壁部と、
前記壁部よりも軸方向下方に延びる先端部と、
を有
し、
前記壁部の径方向内端は、前記ステータの径方向外端よりも径方向外側に位置する、モータ。
【請求項2】
前記静止部は、前記ステータの軸方向下方に配置され、径方向に延びるブラケットを有し、
前記先端部は、軸方向に第2間隙を介して、前記ブラケットと対向し、
前記ブラケットは、
前記ステータと軸方向に対向する中央部と、
前記中央部の径方向外側において、前記先端部と軸方向に対向する縁部と、
を有し、
前記中央部の上端は、前記縁部の上端よりも軸方向上方に位置する、請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記ロータヨークの径方向の厚みは、前記壁部の径方向の長さよりも大きい、請求項1
又は請求項2に記載のモータ。
【請求項4】
前記壁部は、接着剤または第1間隙を介して、前記マグネットと対向する、請求項1
から請求項3のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項5】
前記先端部の軸方向の長さは、前記壁部の軸方向の長さよりも大きい、請求項1から請求項
4のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項6】
前記壁部は、前記内周面に沿って環状に配置される、請求項1から請求項
5のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項7】
前記壁部の径方向内端は、前記マグネットの径方向内端よりも径方向外側に位置する、請求項1から請求項
6のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項8】
前記壁部の径方向内端は、前記マグネットの径方向内端と同じ位置に位置する、請求項1から請求項
6のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項9】
前記先端部は、前記縁部と軸方向に対向する先端面を有し、
前記先端面は、中心軸と直交する面に対して傾斜する、
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項10】
前記縁部は、前記先端部と軸方向に対向する縁面を有し、
前記縁面は、中心軸と直交する面に対して傾斜する、
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項11】
前記先端面および前記縁面は互いに平行に設けられる、請求項
10に記載のモータ。
【請求項12】
前記静止部は、前記ステータの軸方向下方に配置される基板を有し、
前記基板は、前記中央部の上面に配置され、かつ前記先端部と径方向に対向する、
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アウターロータ型のモータが知られている。アウターロータ型のモータは、マグネットを有する回転部と、ステータコアを有する静止部と、を有する。マグネットは、ステータコアの径方向外側に配置される。例えば、特許文献1のモータにおいて、ロータヨークはステータの周囲を取り囲み、軸受装置により回動可能に支承されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
外部環境下においてモータを使用する場合、砂に含まれた砂鉄や塵埃が機器内に侵入する恐れがある。特許文献1では、ロータを覆うカバーを設けることで、砂鉄がマグネットに吸着されたり、隙間に塵埃が侵入して動作不良を招くといった事態を阻止している。しかしながら、カバーを設けることでモータは大型化し、重量が増える。
【0005】
上記の点に鑑み、本発明は、モータを大型化せずに、砂鉄や塵埃が機器内に侵入することを防止することが可能なモータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の例示的なモータは、回転部と、静止部と、軸受と、を有する。回転部は、上下に延びる中心軸を中心として、軸方向に延びるシャフトを有する。静止部は、回転部の内側に配置され、ステータを有する。軸受は、シャフトを支持する。回転部は、ロータヨークと、マグネットと、を有する。ロータヨークは、磁性体であり、筒状である。マグネットは、ロータヨークの内周面に固定され、ステータと径方向に対向する。ロータヨークは、壁部と、先端部と、を有する。壁部は、ロータヨークの内周面から径方向内側に延び、マグネットと軸方向に対向する。先端部は、壁部よりも軸方向下方に延びる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の例示的なモータによれば、モータを大型化せずに、砂鉄や塵埃が機器内に侵入することを防止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態におけるモータの縦断面図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1実施形態におけるモータの一部を拡大して示す部分断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の第2実施形態におけるモータの一部を拡大して示す部分断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の第3実施形態におけるモータの縦断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の第3実施形態におけるモータの一部を拡大して示す部分断面図である。
【
図6】
図6は、本発明の第4実施形態におけるモータの一部を拡大して示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本書では、モータの中心軸が延びる方向を単に「軸方向」と呼び、モータの中心軸を中心として中心軸と直交する方向を単に「径方向」と呼び、モータの中心軸を中心とする円弧に沿う方向を単に「周方向」と呼ぶ。また、本書では、説明の便宜上、軸方向を上下方向とし、
図1における上下方向をモータの上下方向として各部の形状及び位置関係を説明する。なお、この上下方向の定義がモータの使用時の向き及び位置関係を限定するものではない。
【0010】
図1は、本発明の第1実施形態におけるモータ1の縦断面図である。モータ1はアウターロータ型のモータであり、例えば小型の無人飛行機(不図示)に搭載されて回転翼を回転させる。なお、モータ1は、無人飛行機以外の用途に使用されてもよい。例えば、モータ1は、自動車や鉄道等の輸送機械、OA機器、医療機器、工具、産業用の大型設備等に搭載されて種々の駆動力を発生させるものであってもよい。
【0011】
モータ1は、回転部2と、静止部3と、軸受4と、を有する。静止部3は、回転部2の内側に配置される。回転部2は、上下に延びる中心軸Cを中心として回転し、軸方向に延びるシャフト5を有する。軸受4は、シャフト5を支持する。軸受4は、軸方向上下一対で配置される。本実施形態において、軸受4は、ボールベアリングで構成されるが、スリーブ軸受などによって構成されても良い。
【0012】
回転部2は、シャフト5と、ロータヨーク6と、蓋部7と、マグネット8と、を有する。ロータヨーク6は、磁性材料であり、軸方向に延びる筒状体である。ロータヨーク6の詳細な構成は後述する。
【0013】
マグネット8は、ロータヨーク6の内周面61に固定され、ステータ9と径方向に対向する。すなわち、マグネット8は、ステータ9の径方向外側に配置される。マグネット8は、例えば接着剤により内周面61に固定される。本実施形態において、マグネット8は、複数の板状のマグネット8により形成される。複数のマグネット8はN極の磁極面とS極の磁極面とが交互に並ぶ。複数のマグネット8は、周方向に等間隔に配列される。なお、複数のマグネット8に替えて、単一の環状のマグネットを用いてもよい。この場合、マグネットの内周面にN極とS極とが周方向に交互に着磁されていればよい。
【0014】
蓋部7は、ロータヨーク6の上端に接続され、ロータヨーク6の上端を覆う。蓋部7は、径方向に延びる天面部71と、天面部71の径方向外側端部から下方に向かって延びる複数のリブ72と、天面部71の中央に貫通する貫通孔73と、を有する。マグネット8は、隣り合うリブ72の間に配置される。本実施形態において、シャフト5の上部は、貫通孔73に嵌められて固定される。例えば、無人飛行機の回転翼は、蓋部7の軸方向上方に延びる、シャフト5の取付部51に固定される。
【0015】
静止部3は、ステータ9と、ブラケット10と、軸受ハウジング11と、基板12と、を有する。モータ1は、ブラケット10を介して無人飛行機のシャーシ等に固定される。
【0016】
ステータ9は、マグネット8の径方向内側に配置される。ステータ9は、軸受ハウジング11の外周部に固定される。ステータ9は、ステータコア91及び複数のコイル92を有する。ステータコア91は電磁鋼板が軸方向に積層された積層鋼板からなり、コアバック911と複数のティース912とを有する。
【0017】
コアバック911は軸方向に延びた環状に形成される。複数のティース912はコアバック911の外周面からマグネット8に向かって径方向の外側に放射状に延びる。これにより、複数のティース912が周方向に配置される。コイル92は各ティース912の周囲にそれぞれ導線を巻き回して形成される。
【0018】
ブラケット10は、ステータ9の軸方向下方に配置され、径方向に延びる。ブラケット10は、中央部101と、縁部102と、を有する。中央部101は、ステータ9と軸方向に対向する。縁部102は、中央部101の径方向外側に配置される。中央部101の上端は、縁部102の上端よりも軸方向上方に位置する。すなわち、ブラケット10は、径方向外側に向かって段差が形成される。
【0019】
軸受ハウジング11は、ステータ9の径方向内側に配置される。軸受ハウジング11は、軸方向に延びる筒状である。軸受4は、軸受ハウジング11の内側に保持される。さらに、シャフト5は、軸受4によって支持される。本実施形態において、ブラケット10と軸受ハウジング11とは一体に形成される。なお、ブラケット10と軸受ハウジング11とは、別体により形成されてもよい。
【0020】
基板12は、ステータ9の軸方向下方に配置される。つまり、基板12は、ステータ9とブラケット10との軸方向間に配置される。基板12には、コイル92の引出線(図示略)が電気的に接続される。基板12には、コイル92に駆動電流を供給するための電子回路(図示略)が実装される。コイル92に駆動電流が供給されると、ティース912に磁束が生じる。そして、ティース912とマグネット8との間の磁束の作用により周方向のトルクが発生する。これにより、回転部2が静止部3に対して中心軸Cを中心として回転し、モータ1の回転動作が開始される。
【0021】
図2は、本発明の第1実施形態におけるモータ1の一部を拡大して示す部分断面図である。ロータヨーク6は、壁部62と、先端部63と、を有する。壁部62は、ロータヨーク6の内周面61から径方向内側に延び、マグネット8と軸方向に対向する。先端部63は、壁部62よりも軸方向下方に延びる。
【0022】
ロータヨーク6は磁性材料であるため、マグネット8からロータヨーク6に向かって磁束が漏れる。ロータヨーク6は、漏れ出た磁束により磁化する。モータ1を外部環境下で使用する場合、砂に含まれた砂鉄や塵埃が、外部に露出するロータヨーク6の外周面に付着し、モータ1の内部に侵入する場合がある。
【0023】
本実施形態のモータ1によれば、ロータヨーク6に漏れ出た磁束は、壁部62を通じて径方向内側に向かう。つまり、ロータヨーク6の先端部63を通じて下端まで漏れ出る磁束を低減できる。ロータヨーク6の径方向内側に配置された壁部62を磁化させることで、トルクの発生に寄与する磁束が増える。そのため、モータ1の効率が向上する。さらに、先端部63に漏れ出る磁束を低減でき、モータ1外部の砂鉄等が先端部63に付着してモータ1内部に侵入することを抑制できる。
【0024】
本実施形態において、ロータヨーク6の径方向の厚みR1は、壁部62の径方向の長さR2よりも大きい。ロータヨーク6の径方向の厚みR1を大きくすることで、漏れ出る磁束を低減することができる。そのため、ロータヨーク6への砂鉄等の吸着がより抑制される。
【0025】
本実施形態において、壁部62は、接着剤または第1間隙Fを介して、マグネット8と軸方向に対向する。マグネット8をロータヨーク6に固定する際、マグネット8の位置が上下に移動し、マグネット8の径方向外側の側面が壁部62の径方向内側の側面に接触し、マグネット8が径方向内側に浮いて配置される恐れがある。そのような場合、例えば、作業者が浮いたマグネット8を径方向外側に押し込む必要があり、作業性が悪い。本実施形態のモータ1によれば、壁部62とマグネット8との間に第1間隙Fが配置されるため、マグネ
ット8の位置が上下に移動しても、マグネット8は第1間隙F内に配置される。これにより、マグネット8が径方向内側に浮くことを抑制でき、作業性が容易である。
【0026】
本実施形態において、先端部63の軸方向の長さL1は、壁部62の軸方向の長さL2よりも大きい。これにより、先端部63とマグネット8の距離を大きくすることができ、漏れ出た磁束により先端部63が磁化しにくい。そのため、ロータヨーク6への砂鉄等の吸着がより抑制される。
【0027】
本実施形態において、壁部62は、ロータヨーク6の内周面61に沿って環状に配置される。つまり、壁部62の設けられた部分において、ロータヨーク6の径方向の厚みは大きくなる。これにより、ロータヨーク6の剛性が高まる。そのため、モータ1の駆動時におけるティース912とマグネット8との間の磁束の作用に起因する振動と騒音を低減することができる。しかしながら、本発明はこれに限られない。壁部62は、周方向において間隔をあけて複数個所に設けられてもよい。
【0028】
本実施形態において、壁部62の径方向内端は、マグネット8の径方向内端よりも径方向外側に位置する。マグネット8を、筒状のロータヨーク6に固定する際、ロータヨーク6の軸方向の端部からマグネット8が挿入される。例えば、蓋部7と反対側のロータヨーク6の下方からマグネット8を挿入する場合、マグネット8は壁部62の軸方向上方に挿入される。本実施形態のモータ1によれば、壁部62の径方向内端は、マグネット8の径方向内端よりも径方向外側に位置するため、マグネット8を壁部62の径方向外側に通しながら軸方向上方に移動させて、容易に挿入することができる。
【0029】
本実施形態において、先端部63はブラケット10と軸方向に第2間隙Gを介して対向する。これにより、第2間隙Gを通じてモータ1の外方から空気が流入する。そのため、ステータ9で発生した熱を冷却することができる。
【0030】
本実施形態において、ブラケット10の縁部102は、中央部101の径方向外側において、先端部63と軸方向に対向する。中央部101の上端が縁部102の上端よりも軸方向上方に位置するため、先端部63は、中央部101の径方向外側の側面と径方向に対向する。すなわち、第2間隙Gは、径方向内端において、中央部101の径方向外側の側面と、先端部63の径方向内側の側面との軸方向に延びる間隙へと通じる。そのため、ロータヨーク6の下方の第2間隙Gから、水や埃、砂鉄等がモータ1内部に侵入しにくい。
【0031】
本実施形態において、基板12は、中央部101の上面に配置される。さらに、基板12は、先端部63と径方向に対向する。これにより、基板12は、第2間隙Gから離れた位置に配置される。そのため、基板12への水や埃、砂鉄等の付着が抑制される。
【0032】
図3は、本発明の第2実施形態におけるモータの一部を拡大して示す部分断面図である。ロータヨーク6aは、壁部62aと、先端部63aと、を有する。ステータ9aは、ステータコア91a及び複数のコイル92aを有する。ステータコア91aは、電磁鋼板が軸方向に積層された積層鋼板からなる。ブラケット10aは、ステータ9aの軸方向下方に配置され、径方向に延びる 。基板12aは、ステータ9aの軸方向下方に配置される。
【0033】
図3に示す第2実施形態では、壁部62aの径方向内端は、マグネット8aの径方向内端と同じ位置に位置する。これにより、ロータヨーク6aの径方向内側に配置された壁部62aの磁束をより増やすことができる。また、壁部62aがステータコア91aに近付くため、トルクの発生に寄与する磁束が増え、モータ1aの効率がさらに向上する。そして、先端部63aに漏れ出る磁束を低減でき、モータ1a外部の砂鉄等が先端部63aに付着してモータ1a内部に侵入することを抑制できる。
【0034】
図4は、本発明の第3実施形態におけるモータの断面図である。
図6は、本発明の第3実施形態におけるモータの一部を拡大して示す部分断面図である。ロータヨーク6cは、壁部62cと、先端部63cを有する。先端部63cは、縁部102cと軸方向に対向する先端面64cを有する。先端面64cは、中心軸Cと直交する面に対して傾斜する。ブラケット10cは、中央部101cと、縁部102cと、を有する。縁部102cは、先端部63cと軸方向に対向する縁面103cを有する。縁面103cは、中心軸Cと直交する面に対して傾斜する。
【0035】
図5に示す第3実施形態では、先端面64cおよび縁面103cは互いに平行に設けられる。第2間隙Gは、径方向内端において、中央部101cの径方向外側の側面と、先端部63cの径方向内側の側面との軸方向に延びる間隙へと通じる。このため、第2間隙Gから、水や埃、砂鉄等がモータ1の内部に侵入しにくい。先端面64cと縁面103cとが互いに平行に設けられことで、第2間隙Gに水や埃、砂鉄等の浸入を抑制することができる。さらに、縁面103cが中心軸と直交する面に対して傾斜することにより、モータ1の外部へ、水や埃、砂鉄等は排出されやすい。これにより、第2間隙Gから流入した空気は、水や埃、砂鉄等を含むことなく、ステータ9で発生した熱を冷却することができる。
【0036】
図6は、本発明の第4実施形態におけるモータの一部を拡大して示す部分断面図である。ブラケット10bは、中央部101bと、縁部102bと、を有する。ロータヨーク6bは、壁部62bと、先端部63bとを有する。先端部63bは、縁部102bと軸方向に対向する先端面64bを有する。先端面64bは、中心軸Cと直交する面に対して傾斜する。より具体的には、先端面64bは、先端部63bの径方向内側から径方向外側に向かって、軸方向下方に傾斜している。つまり、先端面64bの径方向内端の位置は、径方向外端の位置よりも軸方向上側に位置する。なお、先端面64bは、径方向内端から径方向外端に向かって直線状に形成されてもよく、湾曲状に形成されてもよい。
【0037】
図6に示す第4実施形態では、先端面64bは、径方向外側に向かうにつれて軸方向下方に傾斜する。これにより、先端面64bに付着した水や埃、砂鉄等は先端面64bが中心軸と直交する面に対して傾斜することによりモータ1の外部へ、排出されやすい。
【0038】
図4、5および6に示す実施形態では、中央部101b(101c)の軸方向厚みを軸方向に更に長くする。これにより、中央部101b(101c)の径方向外側と対向する先端部63b(63c)の軸方向長さをさらに長くできるため、先端面64b(64c)および縁面103cの傾斜角度を更に大きくすることができる。したがって、モータ1の外部へ、水や埃、砂鉄等は更に排出され易く、水や埃、砂鉄等は更に侵入しにくい。
【0039】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。また、上記実施形態とその変形例は適宜任意に組み合わせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、例えばモータにおいて利用可能である。
【符号の説明】
【0041】
1・・・モータ、2・・・回転部、3・・・静止部、4・・・軸受、5・・・シャフト、51・・・取付部、6・・・ロータヨーク、61・・・内周面、62・・・壁部、63・・・先端部、7・・・蓋部、71・・・天面部、72・・・リブ、73・・・貫通孔、8・・・マグネット、9・・・ステータ、91・・・ステータコア、911・・・コアバック、912・・・ティース、92・・・コイル、10・・・ブラケット、101・・・中央部、102・・・縁部、11・・・軸受ハウジング、12・・・基板、C・・・中心軸、F・・・第1間隙、G・・・第2間隙