(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-18
(54)【発明の名称】光ファイバテープ心線の加工装置
(51)【国際特許分類】
F16C 13/00 20060101AFI20230511BHJP
G02B 6/44 20060101ALI20230511BHJP
F16C 13/02 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
F16C13/00 Z
G02B6/44 371
G02B6/44 391
F16C13/02
(21)【出願番号】P 2018214180
(22)【出願日】2018-11-14
【審査請求日】2021-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒井 雄太
(72)【発明者】
【氏名】番場 弘昭
【審査官】倉田 和博
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-075363(JP,U)
【文献】特開昭52-050446(JP,A)
【文献】特開2004-061649(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 13/00、13/02
F16J 15/40-15/453
F16J 15/54-15/56
G02B 6/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸受を挿入した2つの軸受取付部材
と、前記2つの軸受取付部材に両端部が挿入されると共に、前記軸受によって軸支されて所定方向に回転しつ
つ光ファイバテープ心線を押さえる押さえローラー
とを備えた光ファイバテープ心線の加工装置であって、
前記押さえローラーが、前記加工装置による前記光ファイバテープ心線の加工時に生じて軸中心側から前記軸受取付部材に侵入する異物を、前記加工装置による前記光ファイバテープ心線の加工時に前記所定方向に回転する際に前記軸中心に向けて排出する螺旋溝を前記軸受取付部材と対向する位置に有し
、
前記押さえローラーの螺旋溝が、前記軸受より前記押さえローラーの軸中心側に設けられている、光ファイバテープ心線の加工装置。
【請求項2】
前記螺旋溝の前記軸中心側の端部における山部の直径が、前記螺旋溝を有していない部分の軸径より大きい請求項1に記載の
光ファイバテープ心線の加工装置。
【請求項3】
前記螺旋溝を有している部分が、前記軸中心に向けて前記軸受取付部材より突出している請求項1または2に記載の押さえ
光ファイバテープ心線の加工装置。
【請求項4】
前記螺旋溝の山部と前記軸受取付部材との間に隙間が形成されており、
該隙間が、0.5mm以下である請求項1から3のいずれか1項に記載の
光ファイバテープ心線の加工装置。
【請求項5】
前記
押さえローラーが、軸本体と、該軸本体の端部に接続される溝部材との2部材を少なくとも備え、
前記螺旋溝が、前記溝部材に刻まれている請求項1から4のいずれか1項に記載の
光ファイバテープ心線の加工装置。
【請求項6】
前記押さえローラーが、軸本体
のみからなり、
前記螺旋溝が、前記軸本体の端部に刻まれている請求項1から4のいずれか1項に記載の
光ファイバテープ心線の加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸受を挿入した2つの軸受取付部材と、この2つの軸受取付部材に両端部が挿入される押さえローラーとを備えた光ファイバテープ心線の加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数本の光ファイバ心線が平行一列に並べられ共通被覆により一体化された光ファイバテープ心線の隣り合う光ファイバ心線間に、カッター刃により長手方向に間欠的な切込みを入れる光ファイバテープ心線の製造装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような製造装置において、光ファイバテープ心線のバタつきを抑えるために、光ファイバテープ心線を押さえる押さえローラーが用いられている。
この押さえローラーは、高速で走行しているテープ心線を押しつけ、光ファイバテープ心線との摩擦で回転するため、押さえローラーと光ファイバテープ心線とが擦れて、光ファイバテープ心線を構成する外被が削りかすとして製造装置内に放出されるという現象が生じる恐れがある。
【0005】
また、カッター刃によって間欠的な切込みを入れる際、光ファイバテープ心線とカッター刃の側面とが擦れることで、ここでも、光ファイバテープ心線を構成する外被が削りかすとして製造装置内に放出されるという現象が生じる恐れがある。
この削りかすが押さえローラーに絡まってしまい、押さえローラーを軸支している軸受にまで削りかすが侵入してしまうと、この削りかすが押さえローラーの回動抵抗となり、押さえローラーが回らなくなるため、テープ心線を押さえつけることになり、テープ心線の走行を止めてしまう恐れがある。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、加工装置による光ファイバテープ心線の加工時に生じて軸中心側から軸受取付部材に侵入する異物を自動的に排出することが可能な光ファイバテープ心線を押さえる押さえローラーを備えた光ファイバテープ心線の加工装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る光ファイバテープ心線の加工装置は、軸受を挿入した2つの軸受取付部材を備えた光ファイバテープ心線の加工装置の前記2つ軸受を挿入した2つの軸受取付部材と、前記2つの軸受取付部材に両端部が挿入されると共に、前記軸受によって軸支されて所定方向に回転しつつ光ファイバテープ心線を押さえる押さえローラーとを備えた光ファイバテープ心線の加工装置であって、前記押さえローラーが、前記加工装置による前記光ファイバテープ心線の加工時に生じて軸中心側から前記軸受取付部材に侵入する異物を、前記加工装置による前記光ファイバテープ心線の加工時に前記所定方向に回転する際に前記軸中心に向けて排出する螺旋溝を前記軸受取付部材と対向する位置に有し、前記押さえローラーの螺旋溝が、前記軸受より前記押さえローラーの軸中心側に設けられている。
なお、ここでいう「軸中心」とは、押さえローラーの長手方向の中心を意味する。
【発明の効果】
【0008】
上記によれば、押さえローラーが、加工装置による光ファイバテープ心線の加工時に生じて軸中心側から軸受取付部材に侵入する異物を、加工装置による光ファイバテープ心線の加工時に所定方向に回転する際に、軸中心に向けて排出する螺旋溝を軸受取付部材と対向する位置に有し、押さえローラーの螺旋溝が、軸受より押さえローラーの軸中心側に設けられていることにより、押さえローラーと軸受取付部材との間の隙間に異物が混入したとしても、螺旋溝が回転することで、軸中心に向かって異物が進むため、加工装置による光ファイバテープ心線の加工時に生じて軸中心側から軸受取付部材に侵入する異物を自動的に軸受取付部材内から排出することができる
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】光ファイバテープ心線の加工装置を示す斜視外観図である。
【
図2】
図1における仮想面PをII方向から見た加工装置の側面図。
【
図3】
図2のIII-III線に沿って見た加工装置の断面図。
【
図4】本発明の第2実施形態である加工装置の要部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様の内容を列記して説明する。
本発明の一態様に係る光ファイバテープ心線の加工装置は、(1)軸受を挿入した2つの軸受取付部材を備えた光ファイバテープ心線の加工装置の前記2つ軸受を挿入した2つの軸受取付部材と、前記2つの軸受取付部材に両端部が挿入されると共に、前記軸受によって軸支されて所定方向に回転しつつ光ファイバテープ心線を押さえる押さえローラーとを備えた光ファイバテープ心線の加工装置であって、前記押さえローラーが、前記加工装置による前記光ファイバテープ心線の加工時に生じて軸中心側から前記軸受取付部材に侵入する異物を、前記加工装置による前記光ファイバテープ心線の加工時に前記所定方向に回転する際に前記軸中心に向けて排出する螺旋溝を前記軸受取付部材と対向する位置に有し、前記押さえローラーの螺旋溝が、前記軸受より前記押さえローラーの軸中心側に設けられている。
これにより、押さえローラーと軸受取付部材との間の隙間に異物が混入したとしても、螺旋溝が回転することで、軸中心に向かって異物が進むため、加工装置による光ファイバテープ心線の加工時に生じて軸中心側から軸受取付部材に侵入する異物を自動的に軸受取付部材内から排出することができる。
また、光ファイバテープ心線に間欠的な切込みを入れる際に、押さえローラーが回転しなくなる恐れが低減されるため、光ファイバテープ心線の製造効率を向上させることもできる。
【0011】
(2)上記の光ファイバテープ心線の加工装置において、前記螺旋溝の前記軸中心側の端部における山部の直径が、前記螺旋溝を有していない部分の軸径より大きい。
これにより、螺旋溝の端部の軸中心方向に障害物がなくなるため、螺旋溝の端部から容易に異物を排出することができる。
【0012】
(3)上記の光ファイバテープ心線の加工装置において、前記螺旋溝を有している部分が、前記軸方向中心に向けて前記軸受取付部材より突出している。
これにより、確実に異物を軸受取付部材から排出可能となるため、異物により押さえローラーが回転しなくなる恐れを減らすことができる。
【0013】
(4)上記の光ファイバテープ心線の加工装置において、前記螺旋溝の山部と前記軸受取付部材との間に隙間が形成されており、該隙間が、0.5mm以下である。
これにより、押さえローラーと軸受取付部材との間に異物が侵入しにくくなるため、異物により押さえローラーが回転しなくなる恐れをさらに減らすことができる。
【0014】
(5)上記の光ファイバテープ心線の加工装置において、前記押さえローラーが、軸本体と、該軸本体の端部に挿入される溝部材との2部材を少なくとも備え、前記螺旋溝が、前記溝部材に刻まれている。
螺旋溝の消耗よりも軸本体の方が消耗する可能性が高く、消耗しやすい軸本体のみを交換可能となる。
【0015】
(6)上記の光ファイバテープ心線の加工装置において、前記押さえローラーが、軸本体のみからなり、前記螺旋溝が、前記軸本体の端部に刻まれている。
これにより、押さえローラーの構造を簡便にすることができる。
【0017】
[本発明の第1実施形態]
[光ファイバテープ心線の加工装置の概要]
まず、
図1および
図2に基づいて、本発明の第1実施形態である光ファイバテープ心線の加工装置10の概要を説明する。
図1は光ファイバテープ心線の加工装置を示す斜視外観図であり、
図2は
図1における仮想面PをII方向から見た加工装置の側面図である。
なお、本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内ですべての変更が含まれることを意図する。
【0018】
図1に示すように、本発明の第1実施形態の加工装置10は、矩形板状の第1軸受取付部材11と第2軸受取付部材12とを備えている。
第1軸受取付部材11と第2軸受取付部材12とは、本実施形態では、同形状であり、対向して配置されているが、これに限定されるものではない。
【0019】
第1軸受取付部材11の下部には、前後方向に伸びるガイド部材13が当接している。
このガイド部材13には、光ファイバテープ心線(テープ心線)RFの左右方向の位置を規制するガイド溝13aが前後方向に伸びている。
テープ心線RFは、このガイド溝13a内を走行する。
さらに、ガイド部材13には、
図2等に示すように、後述するカッター刃14aとガイド部材13との接触を防ぐための切込用凹部13bと、後述する押さえローラー100の下部を収容するローラー収容凹部13cとが形成されている。
【0020】
加工装置10は、さらに、テープ心線RFに切込を入れるための切込機構14を複数備えている。
切込機構14は、第1軸受取付部材11と第2軸受取付部材12との間に配置されている。
切込機構14は、テープ心線RFに切込を入れるカッター刃14a(
図2等参照)と、このカッター刃14aを収容および揺動させる刃ホルダー14bと、この刃ホルダー14bを回動自在に支持するホルダー支持軸14cとを備えている。
【0021】
ホルダー支持軸14cの端部は、共に第1軸受取付部材11および第2軸受取付部材12に挿入され、支持されている。
【0022】
加工装置10は、さらに、フランジ付き軸受15を備えている。
フランジ付き軸受15は、第1軸受取付部材11に設けられた貫通孔11aおよび第2軸受取付部材12に設けられた貫通孔12aに外側から挿入され、固定されている。
なお、貫通孔11aと貫通孔12aの直径Dおよび中心軸は、一致している。
【0023】
[押さえローラー]
加工装置10は、さらに、テープ心線RFのバタつきを抑えるためにテープ心線RFを押さえる押さえローラー(回転軸)100を複数備えている。
そこで、次に、
図1乃至
図3に基づいて、本発明の第1実施形態である光ファイバテープ心線の加工装置10の押さえローラー100について詳説する。
なお、
図3は、
図2のIII-III線に沿って見た加工装置の断面図である。
【0024】
押さえローラー100は、
図3に示すように、円柱状の軸本体110からなり、第1軸受取付部材11および第2軸受取付部材12にその両端部が挿入され、第1軸受取付部材11および第2軸受取付部材12に挿入されたフランジ付き軸受15によって軸支されている。
また、基本的にテープ心線RFは、
図1や
図2に示すように、後方から前方に向かって走行するため、押さえローラー100の回転方向は、
図2に示すような一方向Rになる。
すなわち、押さえローラー100は、所定方向Rに回転する。
【0025】
軸本体110の両端には雄ネジ111が形成されている。
そして、この雄ネジ111より内側(軸本体110の長手方向の中心Cに向かう方向)には、左側螺旋溝120Lおよび右側螺旋溝120Rが刻まれている。
この左側螺旋溝120Lおよび右側螺旋溝120Rは、軸本体110の外周面に形成されていると共に軸中心(軸本体110の長手方向の中心)Cに向かって刻まれている。
すなわち、左側螺旋溝120Lが巻かれている方向と右側螺旋溝120Rが巻かれている方向とは、逆向きとなっている。
【0026】
また、螺旋溝(左側螺旋溝120Lおよび右側螺旋溝120R)は、山部と谷部とから形成されており、本実施例においては、山部の直径は全て等しく、谷部の直径も全て等しい。
換言すれば、螺旋溝の外径は一定であり、谷径も一定である。
なお、山部の直径および谷部の直径(螺旋溝の外径および谷径)は、上記に限定されるものではない。
【0027】
そして、左側螺旋溝120Lおよび右側螺旋溝120Rの内側端部における山部120La、120Raの直径(端部直径)φSは、軸本体110の軸径dよりも大きい。
【0028】
また、左側螺旋溝120Lおよび右側螺旋溝120Rの山部の直径は、貫通孔11a、12aの直径Dよりも小さい。
すなわち、螺旋溝(左側螺旋溝120Lおよび右側螺旋溝120R)の山部と軸受取付部材(第1軸受取付部材11および第2軸受取付部材12)の貫通孔11a、12aとの間には、隙間Gが形成されている。
この隙間Gは、隙間Gへの異物混入の可能性と隙間Gの作製精度の兼ね合いから0.5mm以下であることが好ましい。
【0029】
そして、この押さえローラー100を加工装置10に組み込むには、押さえローラー100を軸受取付部材(第1軸受取付部材11および第2軸受取付部材12)に挿入すると共にフランジ付き軸受15に挿入する。
この状態で押さえローラー100の両端にワッシャーWを挿入した上で、ナットNを雄ネジ111に螺入する。
これにより、押さえローラー100が軸受取付部材(第1軸受取付部材11および第2軸受取付部材12に固定される。
本実施形態では、この状態において、右側螺旋溝120Rが、第2軸受取付部材12より内側に突出している。
【0030】
このようにして得られた本発明の第1実施形態である加工装置10の回転軸である押さえローラー100は、軸中心Cに向かって進む螺旋溝(左側螺旋溝120L、右側螺旋溝120R)を軸受取付部材(第1軸受取付部材11および第2軸受取付部材12)と対向する位置に有していることにより、押さえローラー100と軸受取付部材との間の隙間Gに異物が混入したとしても、螺旋溝が回転することで、押さえローラー100の長軸の中心方向に向かって異物が進むため、異物を自動的に軸受取付部材内から排出することができる。
その結果、テープ心線RFに間欠的な切込みを入れる際に、押さえローラー100が回転しなくなる恐れが低減されるため、テープ心線RFの製造効率を向上させることができる。
【0031】
また、螺旋溝の端部直径φSが、螺旋溝を有していない部分の軸径dより大きいことにより、螺旋溝の端部の側方に障害物がなくなるため、螺旋溝の端部から容易に異物を排出することができる。
【0032】
また、螺旋溝を有している部分が、軸中心Cに向けて軸受取付部材より突出していることにより、確実に異物を軸受取付部材から排出可能となるため、異物により押さえローラー100が回転しなくなる恐れを減らすことができる。
【0033】
また、螺旋溝と軸受取付部材との間に隙間Gが形成されており、この隙間Gが、0.5mm以下であることにより、押さえローラー100と軸受取付部材との間に異物が侵入しにくくなるため、異物により押さえローラー100が回転しなくなる恐れをさらに減らすことができる。
【0034】
また、螺旋溝が、軸本体110に刻まれていれば、押さえローラー100の構造を簡便にすることができる。
【0035】
[本発明の第2実施形態]
次に、
図4を用いて、本発明の第2実施形態である押さえローラーを説明する。
図4は、本発明の第2実施形態である加工装置の要部断面図である。
なお、
図4では、押さえローラー200の左側を省略して図示している。
また、第2実施形態の押さえローラー200は、第1実施形態の加工装置10における押さえローラー100の構成を変更したものであり、多くの要素について第1実施形態の加工装置10および押さえローラー100と共通するので、共通する事項については詳しい説明を省略し、下2桁が共通する200番台の符号を付すのみとする。
【0036】
本発明の第2実施形態である押さえローラー200は、軸本体210と、螺旋溝221が刻まれている溝部材220と、溝部材220を軸本体210に固定する止め輪230とを備えている。
【0037】
軸本体210は、両端に縮径部211を有する段付き丸棒である。
縮径部211の直径d1は、軸本体210の軸径dより小さくなっている。
また、縮径部211の先端には、雄ネジ211aが形成されている。
【0038】
溝部材220は、軸本体210の両側の縮径部211に挿入されている。
溝部材220の内径は、縮径部211の直径d1とほぼ等しくなっている。
また、溝部材220に刻まれている螺旋溝221は、第1実施形態の押さえローラー100と同じく、軸中心(軸本体210の長手方向の中心)方向に向かって刻まれている。
【0039】
溝部材220に形成された螺旋溝221の端部の直径φSは、第1実施形態の押さえローラー100と同じく、軸本体210の軸径dより大きく、貫通孔12aの直径Dより小さい。
【0040】
一般に螺旋溝221の消耗よりも軸本体210の方が消耗する可能性が高い。
本発明の第2実施形態である加工装置10の回転軸を用いた押さえローラー200は、軸本体210と、この軸本体210に挿入される溝部材220との2部材を少なくとも備え、螺旋溝221が、溝部材220に刻まれていることにより、消耗しやすい軸本体210のみを交換可能とすることできる。
【0041】
[変形例]
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記に限定されるものではない。
【0042】
例えば、第1軸受取付部材と第2軸受取付部材とは、対向して配置されていれば、同形状でなくてもよい。
【0043】
例えば、切込機構や押さえローラーの数は、
図1等のように2つに限定されるものではない。
【0044】
例えば、切込機構は、テープ心線に切り込みを入れられれば、カッター刃を揺動させてテープ心線に切り込みを入れるものでなくてもよい。
【0045】
例えば、軸受は、フランジ付き軸受でなくてもよいし、シールド付きの軸受であってもよい。
【0046】
例えば、螺旋溝の山部の直径および谷部の直径(すなわち、螺旋溝の外径および谷径)は、すべて等しくなくてもよい。
【0047】
例えば、ガイド部材を第2軸受取付部材に当接させて、押さえローラーの左側螺旋溝を、第1軸受取付部材から突出させてもよいし、ガイド部材と第1軸受取付部材および第2軸受取付部材との間に間隙を設け、押さえローラーの左側螺旋溝を第1軸受取付部材から突出させると共に右側螺旋溝を第2軸受取付部材から突出させてもよい。
【0048】
また、前述した実施形態が備える各要素は技術的に可能である限り組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0049】
10 ・・・ 加工装置
11 ・・・ 第1軸受取付部材(軸受取付部材)
11a ・・・ 貫通孔
12 ・・・ 第2軸受取付部材(軸受取付部材)
12a ・・・ 貫通孔
13 ・・・ ガイド部材
13a ・・・ ガイド溝
13b ・・・ 切込用凹部
13c ・・・ ローラー収容凹部
14 ・・・ 切込機構
14a ・・・ カッター刃
14b ・・・ 刃ホルダー
14c ・・・ ホルダー支持軸
15 ・・・ フランジ付き軸受(軸受)
100、 200 ・・・ 押さえローラー(回転軸)
110、 210 ・・・ 軸本体
211 ・・・ 縮径部
111、 211a ・・・ 雄ネジ
120L ・・・ 左側螺旋溝(螺旋溝)
120La ・・・ 内側端部における山部
120R ・・・ 右側螺旋溝(螺旋溝)
120Ra ・・・ 内側端部における山部
220 ・・・ 溝部材
221 ・・・ 螺旋溝
230 ・・・ 止め輪
RF ・・・ テープ心線
W ・・・ ワッシャー
N ・・・ ナット
G ・・・ 隙間
C ・・・ 軸中心
D ・・・ 貫通孔の直径
d ・・・ 軸径
d1 ・・・ 縮径部の直径
φS ・・・ 端部直径
R ・・・ 押さえローラーの回転方向
P ・・・ 仮想面