(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-18
(54)【発明の名称】管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20120101AFI20230511BHJP
G06Q 10/087 20230101ALI20230511BHJP
A01G 31/00 20180101ALI20230511BHJP
A01G 7/00 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
G06Q50/02
G06Q10/087
A01G31/00 601A
A01G31/00 612
A01G7/00 603
A01G7/00 601
(21)【出願番号】P 2019072888
(22)【出願日】2019-04-05
【審査請求日】2022-03-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000102212
【氏名又は名称】ウシオ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 亮二
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-350451(JP,A)
【文献】特開2015-82179(JP,A)
【文献】国際公開第02/19193(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
A01G 31/00
A01G 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象場所で取得された測定対象物に含まれる検出対象物質の濃度を、非医療目的で管理する管理システムであって、
前記対象場所とは異なる場所に設置された管理サーバと、
前記対象場所とは異なる場所である分析場所に設置され、前記測定対象物に含まれる前記検出対象物質の濃度の検出が可能な分析装置と、
前記管理サーバに対して接続可能な、第一操作端末及び第二操作端末と、
前記管理サーバに対して接続するための接続情報が記載された接続情報記載部と、
前記測定対象物を収容するための収容容器とを備え、
前記第一操作端末は、前記接続情報に基づいて接続した前記管理サーバに対して、前記第一操作端末が記憶している第一識別情報と、日付及び時刻を含むタイミング情報とを含む分析指示信号を送信し、
前記第二操作端末は、前記分析装置によって検出された、前記収容容器に収容された前記測定対象物に含まれる前記検出対象物質の濃度に関する分析結果情報を、前記対象場所を特定するための第二識別情報に関連付けて前記管理サーバに対して送信し、
前記管理サーバは、
前記対象場所で取得された前記測定対象物の分析結果が前記タイミング情報別に記載された分析結果蓄積情報を前記第一識別情報に関連付けて記憶する第一記憶領域、及び前記対象場所に存在すると推定される前記収容容器の残数に関する容器残数情報を前記第一識別情報に関連付けて記憶する第二記憶領域を含む記憶部と、
前記分析指示信号を受信すると、前記測定対象物が収容された前記収容容器を前記対象場所から前記分析場所に送付する旨の指示信号である第一送付指示信号を出力する送付指示信号出力部と、
前記分析指示信号を受信すると、前記容器残数情報に記載されている値を1消費単位減少させる容器残数更新部と、
前記第二識別情報が関連付けられた前記分析結果情報を受信すると、前記第二識別情報から前記対象場所を特定すると共に、前記分析結果情報及び前記タイミング情報に基づいて、前記記憶部の前記第一記憶領域に記憶されている前記分析結果蓄積情報を更新する分析結果更新部と、
前記第一識別情報を含む閲覧要求信号を受信すると、前記閲覧要求信号の送信元に対して前記第一記憶領域に対する接続を許可する閲覧認証部とを有することを特徴とする、管理システム。
【請求項2】
前記送付指示信号出力部は、前記第二記憶領域に記憶された前記容器残数情報が所定の閾値を下回ると、予め定められた数の、前記測定対象物が収容されていない前記収容容器を前記対象場所に対して送付する旨の指示信号である第二送付指示信号を出力することを特徴とする、請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記管理サーバの前記記憶部は、前記検出対象物質の種類に関する情報を前記第一識別情報に関連付けて記憶する第三記憶領域を含み、
前記接続情報記載部は、前記第一識別情報を含む前記接続情報が記載された状態で、前記収容容器に固定されるか、又は前記収容容器に対して一対一に対応して付属されており、
前記第二操作端末は、前記接続情報記載部に記載された前記接続情報に基づいて前記管理サーバに接続すると、前記管理サーバから、前記接続情報に含まれる前記第一識別情報に基づいて、当該第一識別情報に関連付けられた前記検出対象物質の種類に関する情報を受信することを特徴とする、請求項1又は2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記第二識別情報は、前記接続情報記載部に記載された前記接続情報に含まれる前記第一識別情報に基づく情報であることを特徴とする、請求項3に記載の管理システム。
【請求項5】
前記接続情報記載部とは別に、前記第一識別情報が記載された識別情報記載部を備え、
前記管理サーバの前記記憶部は、前記検出対象物質の種類に関する情報を前記第一識別情報に関連付けて記憶する第三記憶領域を含み、
前記接続情報記載部と前記識別情報記載部とは、少なくとも前記分析場所において、前記収容容器に固定されるか、又は前記収容容器に対して一対一に対応して付属されており、
前記第二操作端末は、前記接続情報記載部に記載された前記接続情報に基づいて前記管理サーバに接続すると、前記管理サーバから、前記識別情報記載部に記載された前記第一識別情報に基づいて、当該第一識別情報に関連付けられた前記検出対象物質の種類に関する情報を受信することを特徴とする、請求項1又は2に記載の管理システム。
【請求項6】
前記第二識別情報は、前記識別情報記載部に記載された前記第一識別情報に基づく情報であることを特徴とする、請求項5に記載の管理システム。
【請求項7】
前記対象場所は、植物を育成するための工場であり、
前記測定対象物は、前記植物を育成する際に用いられる養液であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項8】
前記分析指示信号は、前記対象場所の温度、湿度、及び照度からなる群に含まれる1つ以上の要素で構成される環境因子情報を含み、
前記分析結果蓄積情報は、前記測定対象物の分析結果が、前記環境因子情報に対して関連付けられた状態で、前記タイミング情報別に記載されていることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項9】
前記第一操作端末は、
専用のアプリケーションプログラムがインストールされており、
前記アプリケーションプログラムを用いて前記管理サーバに対して接続すると、前記アプリケーションプログラム上で記憶されている前記第一識別情報が前記管理サーバに送信されることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載の管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象物に含まれる検出対象物質の濃度を管理する管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
野菜などの植物を安定的に供給することを目的として、屋内で植物を栽培する植物工場の開発・運用が進められている。例えば、下記特許文献1には、空調設備を備えた空間内に植物が植えられた人工培地が多段で配置されると共に、各人工培地に対向する位置に照明が配置されており、液肥としての養液が各人工培地に供給されてなる、一般的な植物工場が開示されている。各人工培地に植えられた植物は、空調や照明によって実現された人工的な植物育成環境下で、養液を吸収しながら育成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
植物工場では、利用効率や環境保全の観点から、養液を循環させる態様が多く利用されている。すなわち、養液は、養液タンクから循環経路を通じて各人工培地に供給され、余剰分が循環経路を通じて養液タンクに戻される。
【0005】
しかし、かかる構成の場合、いったん植物が吸収した後の余剰分の養液が養液タンクに戻されるため、植物の育成状況によっては、養液タンクに戻される養液の成分が変化することが想定される。例えば、植物によっては、養液に含まれる特定の成分のみを多く吸収するものがあり、このような植物が育成されていると、養液タンク内に戻された養液は、徐々に前記特定の成分の含有量が低下することとなる。このような状況が長期にわたって継続すると、やがて植物の育成状態が変化(低下)するおそれがある。
【0006】
このような事態が生じるのを避ける目的で、植物工場では、定期的に養液の成分分析が行われる場合がある。ただし、多くの場合、植物工場側で養液の成分分析を行うためのツールを備えていないため、成分分析を行うことのできる専門の機関(以下、「分析機関」と記載する。)に依頼するのが一般的である。
【0007】
しかし、植物工場が分析機関に対して分析の依頼を行う際には、都度、依頼者である植物工場自身の情報に加えて、分析対象とする成分の情報を分析機関に提供する必要があり、作業が煩雑である。また、分析機関から送られてきた分析結果の情報を植物工場側で管理する際においても、植物工場側で確認しやすいように、データの入力し直しが必要な場合がある。
【0008】
更に、一般的には、分析対象となる成分の種類に応じて分析のための料金が決定され、1回の分析に対して料金が決定される。このため、植物工場側には、植物の育成にかかる費用を削減すべく、一定期間内における養液の分析回数を削減するインセンティブが働く。しかし、このことは、植物工場から出荷される植物の質を低下させることにつながり兼ねず、植物の安定供給を高める観点で運用されている植物工場の本来の目的からずれてしまう可能性がある。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑み、植物工場で利用される養液を初めとする測定対象物の分析が必要な状況下において、分析結果の管理の容易化と共に、分析処理を行う動機付けを生じさせることのできる、管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る管理システムは、対象場所で取得された測定対象物に含まれる検出対象物質の濃度を、非医療目的で管理する管理システムであって、
前記対象場所とは異なる場所に設置された管理サーバと、
前記対象場所とは異なる場所である分析場所に設置され、前記測定対象物に含まれる前記検出対象物質の濃度の検出が可能な分析装置と、
前記管理サーバに対して接続可能な、第一操作端末及び第二操作端末と、
前記管理サーバに対して接続するための接続情報が記載された接続情報記載部と、
前記測定対象物を収容するための収容容器とを備える。
【0011】
前記第一操作端末は、前記接続情報に基づいて接続した前記管理サーバに対して、前記第一操作端末が記憶している第一識別情報と、日付及び時刻を含むタイミング情報とを含む分析指示信号を送信する。
【0012】
前記第二操作端末は、前記分析装置によって検出された、前記収容容器に収容された前記測定対象物に含まれる前記検出対象物質の濃度に関する分析結果情報を、前記対象場所を特定するための第二識別情報に関連付けて前記管理サーバに対して送信する。
【0013】
前記管理サーバは、
前記対象場所で取得された前記測定対象物の分析結果が前記タイミング情報別に記載された分析結果蓄積情報を前記第一識別情報に関連付けて記憶する第一記憶領域、及び前記対象場所に存在すると推定される前記収容容器の残数に関する容器残数情報を前記第一識別情報に関連付けて記憶する第二記憶領域を含む記憶部と、
前記分析指示信号を受信すると、前記測定対象物が収容された前記収容容器を前記対象場所から前記分析場所に送付する旨の指示信号である第一送付指示信号を出力する送付指示信号出力部と、
前記分析指示信号を受信すると、前記容器残数情報に記載されている値を1消費単位減少させる容器残数更新部と、
前記第二識別情報が関連付けられた前記分析結果情報を受信すると、前記第二識別情報から前記対象場所を特定すると共に、前記分析結果情報及び前記タイミング情報に基づいて、前記記憶部の前記第一記憶領域に記憶されている前記分析結果蓄積情報を更新する分析結果更新部と、
前記第一識別情報を含む閲覧指示情報を受信すると、前記閲覧指示情報の送信元に対して前記第一記憶領域に対する接続を許可する閲覧認証部とを有する。
【0014】
ここでいう「対象場所」とは、測定対象物が取得された場所である。例えば、測定対象物が、植物工場において液肥として利用されている養液である場合、対象場所は、当該植物工場である。なお、「測定対象物」は、液体に限られず、固体であってもよいし、気体であってもよい。例えば、対象場所が土耕栽培型の植物工場である場合において、培地としての土壌を測定対象物としても構わない。
【0015】
管理サーバは、対象場所とは異なる場所に設置されている。ただし、ここでいう「異なる場所」とは、文字通り、測定対象物が取得された場所そのものではない、という意味であり、管轄している事業者が異なっていることまでを意味するものではない。
【0016】
分析装置が設置されている分析場所は、対象場所とは異なる場所に設置されている。ただし、ここでいう「異なる場所」についても、文字通り、測定対象物が取得された場所そのものではない、という意味であり、管轄している事業者が異なっていることまでを意味するものではない。すなわち、測定対象物が取得された対象場所を管轄している事業者と、分析装置が設置されている分析場所を管轄している事業者とが同一であっても構わない。
【0017】
分析装置は、測定対象物に含まれる検出濃度を検出することのできる装置である。本発明において、分析装置が行う分析処理の方法は任意であるが、例えば特定の物質と反応する試薬を用い、当該試薬が投入された状態の液体の吸光度を測定することで前記特定の物質の濃度を測定する、吸光光度法を用いることができる。
【0018】
第一操作端末は、管理サーバに対して接続可能な端末であり、例えばスマートフォン、タブレット型端末、汎用のコンピュータなどで構成される。
【0019】
第二操作端末は、管理サーバに対して接続可能な端末であり、例えばスマートフォン、タブレット型端末、汎用のコンピュータなどで構成される。なお、分析装置が管理サーバに対して接続可能な構成である場合には、分析装置が第二操作端末を兼用しても構わない。
【0020】
接続情報記載部は、管理サーバに対して接続するための接続情報が記載されている。例えば、接続情報はアドレス情報であり、二次元バーコードの形式で表示されていてもよい。この場合、接続情報記載部は、例えば二次元バーコードが記載されたシールや紙などの媒体である。なお、この媒体は、電子形式で表示されるものも含む。
【0021】
収容容器は、測定対象物を収容するための容器である。収容容器の材質は不問であるが、取扱性、費用、保存性の観点から、例えばポリプロピレンやポリエチレン等のプラスチック製の容器であるのが好適である。また、後述するように、この収容容器は対象場所から分析場所に運ばれることとなるため、特に測定対象物が養液などの液体である場合には、運搬時に収容された測定対象物(測定対象液)が零れ出ないように、蓋によって密閉できる構造であるのが好ましい。
【0022】
測定対象物を収容する前の収容容器、すなわち使用前の収容容器は、対象場所に複数備えられている。この収容容器は、本発明に係る管理システムのサービスを提供する事業者、例えば管理サーバを管轄する事業者によって、直接又はこの事業者からの命を受けた別の事業者を通じて、対象場所に所定の個数届けられる。
【0023】
対象場所において測定対象物の分析を希望する場合には、対象場所に所属する担当者が、測定対象物を取得して収容容器内に収容する。そして、同一又は別の担当者が第一操作端末を操作し、接続情報に基づいて管理サーバに対して接続する。このとき、第一操作端末からは、当該第一操作端末が記憶している第一識別情報、及び管理サーバに対して接続されたタイミングに関する情報(タイミング情報)を含む分析指示信号が、管理サーバに対して送信される。
【0024】
なお、接続情報記載部が二次元バーコードが印字された媒体である場合には、第一操作端末から当該媒体に印字された二次元バーコードを読み取ることで接続情報を認識し、この接続情報に基づいて管理サーバに対して接続するものとしても構わない。
【0025】
管理サーバは、第一操作端末からの分析指示信号を受信すると、対象場所から測定対象物の分析の指示があることを検知する。このとき、管理サーバが備える送付指示信号出力部は、収容容器、より詳細には、分析対象となる測定対象物が収容されている状態の収容容器を、対象場所から分析場所に送付する指示を示す信号(第一送付指示信号)を出力する。この信号は、分析場所及び管理サーバが、対象場所と同一の事業者に所属している場合には、当該事業者に所属した一担当者、又は所属部署に対して送信されるものとして構わない。また、分析場所と管理サーバとが異なる事業者に所属している場合には、分析場所を管轄する事業者又はその事象者に所属する窓口連絡先に送信されるものとして構わない。
【0026】
更に、管理サーバは、第一操作端末からの分析指示信号を受信すると、容器残数更新部が、収容容器の残数に関する情報(容器残数情報)に記載されている値を1消費単位減少させる処理を行う。上述したように、管理サーバの記憶部は、容器残数情報を第一識別情報に関連付けた状態で記憶している記憶領域(第二記憶領域)を有している。つまり、この第二記憶領域には、現時点における、第一識別情報に対応した対象場所に保管されている(と推定される)収容容器の残数が記憶されている。分析指示信号が管理サーバに対して送信されることは、新たな分析のために収容容器に対して測定対象物が収容されたことを意味し、対象場所において未使用の収容容器が1消費単位減少したことを意味する。よって、容器残数更新部が、第二記憶領域に記憶された容器残数情報を1消費単位減少させることで、対象場所に保管されている未使用の収容容器の残数を管理サーバ側で正しく把握できる。
【0027】
なお、1回の分析に対して1個の収容容器が消費されるとは限らない。ここでいう「1消費単位」とは、「1個」を意味するものではなく、対象場所が希望する分析内容の分析を1回行うために、測定対象物を収容するのに必要な収容容器の数を意味する。
【0028】
第一送付指示信号を受信した担当者又は配送業者は、直接又は他の者に対する指示を介して、対象場所から分析場所に対して測定対象物が収容された収容容器を届ける。分析場所では、分析装置を用いてこの収容容器に収容された測定対象物に対する分析が行われ、測定対象物に含まれる検出対象物質の濃度が測定される。そして、第二操作端末から管理サーバに対して、この測定結果に関する情報(分析結果情報)が送信される。このとき、分析をした測定対象物が取得された場所である対象場所を特定するための識別情報(第二識別情報)が関連付けられた状態で、分析結果情報が管理サーバに対して送信される。
【0029】
管理サーバは、第二操作端末から送信された、第二識別情報が関連付けられた状態の分析結果情報を受信すると、分析結果更新部が、第二識別情報に基づいて対象場所を特定した上で、特定された対象場所の分析結果情報が蓄積されている第一記憶領域に対して、分析結果情報及びタイミング情報に基づいて更新処理を行う。これにより、今般新たに分析場所において分析された測定対象物の分析結果が、管理サーバの記憶部に更新される。
【0030】
対象場所の担当者が測定対象物の分析結果を知りたい場合には、例えば前記第一操作端末や、他の操作端末を用いて、管理サーバに対して接続して閲覧要求信号を送信する。この接続の際には、認証のための第一識別情報が、管理サーバに対して送信される。管理サーバは、閲覧要求信号を受信すると、閲覧認証部において、当該閲覧要求信号に含まれる第一識別情報が閲覧可能な送信元であるかどうかを認証した上で、送信元の端末に対して、第一識別情報に対応した対象場所の分析結果蓄積情報が記憶されている第一記憶領域に対する接続を許可する。これにより、対象場所の担当者は、対象場所における測定対象物の分析結果について、直前のもののみならず、過去のものも併せて確認することができる。
【0031】
すなわち、本発明に係る管理システムによれば、管理サーバにおいて対象場所の分析結果が逐次更新されるため、対象場所の管理者が別途分析結果について管理する必要がなく、管理業務の簡素化が図られる。更に、管理サーバ側において、対象場所に保管されている未使用の収容容器の残数が把握できるため、残数が減少してきた場合には、対象場所に対して収容容器を配送したり、収容容器の配送の問い合わせを行うなど、対象場所における測定対象物の分析処理に対する働きかけをしやすくなる。
【0032】
一例として、本発明に係る管理システムを、所定の期間(例えば1年間)内に、所定の回数(例えば24回)の分析処理が可能なサービスとして運用することが考えられる。かかる場合、対象場所には例えば24個の未使用の収容容器、又は半数の12個の未使用の収容容器が配送される。対象場所では、予め決められた回数の分析処理に応じた対価を支払っているため、支払いに対応した回数の分析処理を行う動機が存在し、分析処理の頻度を低下させにくくなる。また、管理サーバ側では、収容容器の残数が減ってきていることを把握できるため、残数が所定の数を下回った段階で対象場所に対して新たに収容容器を配送させたり、契約の更新を働きかけるなどの対応が可能であり、対象場所に対して分析処理を継続して行わせる働きかけがしやすくなる。特に、対象場所が植物工場であり、測定対象物が養液である場合には、植物工場に対して養液の成分分析を定期的に行わせる働きかけがされるため、良質な植物の安定的な供給に資することができる。
【0033】
前記送付指示信号出力部は、前記第二記憶領域に記憶された前記容器残数情報が所定の閾値を下回ると、予め定められた数の、前記測定対象物が収容されていない前記収容容器を前記対象場所に対して送付する旨の指示信号である第二送付指示信号を出力するものとしても構わない。
【0034】
かかる構成によれば、対象場所に保管されている収容容器の残数が減少してくると、管理サーバ側で自動的に新たな収容容器の送付指示のための信号(第二送付指示信号)が作成され、送信される。例えば、この第二送付指示信号を受信した担当者又は配送業者は、直接又は他の者に対する指示を介して、対象場所に対して未使用の収容容器を届けることができる。
【0035】
前記管理サーバの前記記憶部は、前記検出対象物質の種類に関する情報を前記第一識別情報に関連付けて記憶する第三記憶領域を含み、
前記接続情報記載部は、前記第一識別情報を含む前記接続情報が記載された状態で、前記収容容器に固定されるか、又は前記収容容器に対して一対一に対応して付属されており、
前記第二操作端末は、前記接続情報記載部に記載された前記接続情報に基づいて前記管理サーバに接続すると、前記管理サーバから、前記接続情報に含まれる前記第一識別情報に基づいて、当該第一識別情報に関連付けられた前記検出対象物質の種類に関する情報を受信するものとしても構わない。
【0036】
例えば、接続情報記載部が二次元バーコードが印字されたシールである場合には、当該シールが収容容器の表面に貼付されることで収容容器に固定されるものとして構わない。また例えば、対象場所に対して、収容容器自体が所定のパッケージに収容された状態で配送される場合には、シールがこのパッケージの表面に貼付されることで、収容容器に対して一対一に対応して付属されるものとして構わない。また例えば、接続情報記載部が二次元バーコードが印字された印刷物である場合には、収容容器とセットで対象場所に対して配送されることで、収容容器に対して一対一に対応して付属されるものとして構わない。
【0037】
上述したように、第一送付指示信号を受信した担当者又は配送業者は、直接又は他の者に対する指示を介して、対象場所から分析場所に対して測定対象物が収容された収容容器を届ける。このとき、接続情報記載部は、収容容器に固定されるか、又は一対一に対応されて付属されているため、分析場所に対して、収容容器と共に接続情報記載部が届けられる。
【0038】
分析場所に接続情報記載部が届けられるため、第二操作端末からこの接続情報記載部に記載された接続情報に基づいて管理サーバに対して接続することができる。このとき、接続情報には第一識別情報に関する情報が含まれているため、管理サーバ側では、発信元である第二操作端末が、どの対象場所で取得された測定対象物に関する情報を送受信しようとしているかを認識することができる。
【0039】
対象場所において、当該測定対象物に含まれる検出対象物質の濃度がどの程度であるかを知りたい場合において、この検出対象物質をどのように選定するかは、対象場所に依存する。上記構成の管理サーバの記憶部には、前記検出対象物質の種類に関する情報を前記第一識別情報に関連付けて記憶する第三記憶領域が含まれる。この第三記憶領域には、予め対象場所が選定した検出対象物質の種類に関する情報が記憶されている。
【0040】
よって、第二操作端末が第一識別情報を含む接続情報に基づいて管理サーバに対して接続されると、管理サーバ側で、当該第一識別情報に対応した対象場所によって設定された検出対象物質の種類に関する情報を検知できるため、この情報を第二操作端末に対して送信することができる。この結果、分析場所で第二操作端末を確認することで、分析場所の担当者は、これから分析を行おうとしている収容容器に収容された測定対象物に対して、どの種類の検出対象物質の濃度を測定すればよいかを、確認することができる。これにより、検出対象物質の誤認が防止される。
【0041】
前記第二識別情報は、前記接続情報記載部に記載された前記接続情報に含まれる前記第一識別情報に基づく情報であるものとしても構わない。
【0042】
これにより、分析場所において測定対象物に含まれる検出対象物質の濃度が測定されることで得られた測定結果に関する情報(分析結果情報)を、第二操作端末から管理サーバに対して送信する際に、別途、対象場所に関する識別情報(第二識別情報)を関連付けする手間が省略される。
【0043】
前記管理システムは、前記接続情報記載部とは別に、前記第一識別情報が記載された識別情報記載部を備え、
前記管理サーバの前記記憶部は、前記検出対象物質の種類に関する情報を前記第一識別情報に関連付けて記憶する第三記憶領域を含み、
前記接続情報記載部と前記識別情報記載部とは、少なくとも前記分析場所において、前記収容容器に固定されるか、又は前記収容容器に対して一対一に対応して付属されており、
前記第二操作端末は、前記接続情報記載部に記載された前記接続情報に基づいて前記管理サーバに接続すると、前記管理サーバから、前記識別情報記載部に記載された前記第一識別情報に基づいて、当該第一識別情報に関連付けられた前記検出対象物質の種類に関する情報を受信するものとしても構わない。
【0044】
識別情報記載部は、接続情報記載部とは独立して、第一識別情報が記載されたものであり、例えば二次元バーコードの形式で記載されたシールや紙などの媒体である。なお、この媒体は、電子形式で表示されるものも含む。
【0045】
例えば、識別情報記載部が二次元バーコードの印字されたシールである場合には、当該シールが収容容器の表面に貼付されることで収容容器に固定されるものとして構わない。また例えば、対象場所に対して、収容容器自体が所定のパッケージに収容された状態で配送される場合には、シールがこのパッケージの表面に貼付されることで、収容容器に対して一対一に対応して付属されるものとして構わない。これらの場合、収容容器の表面には、接続情報が記載された二次元バーコードが印字されたシールと、第一識別情報が記載された二次元バーコードが印字されたシールとが貼付されるものとしても構わない。
【0046】
また例えば、識別情報記載部が二次元バーコードの印字された印刷物である場合には、収容容器とセットで対象場所に対して配送されることで、収容容器に対して一対一に対応して付属されるものとして構わない。この場合、前記印刷物には、接続情報が記載された二次元バーコードと、第一識別情報が記載された二次元バーコードとが併記されているものとしても構わない。
【0047】
かかる構成であっても、分析場所に対して接続情報が記載された接続情報記載部が届けられるため、第二操作端末からこの接続情報記載部に記載された接続情報に基づいて管理サーバに対して接続できる。更に、分析場所に対して第一識別情報が記載された識別情報記載部が届けられるため、第二操作端末が管理サーバに接続する際に、第一識別情報に関する情報を送信できるため、管理サーバ側では、発信元である第二操作端末が、どの対象場所で取得された測定対象物に関する情報を送受信しようとしているかを認識することができる。
【0048】
上記構成の管理サーバの記憶部には、前記検出対象物質の種類に関する情報を前記第一識別情報に関連付けて記憶する第三記憶領域が含まれる。この第三記憶領域には、予め対象場所が指定する検出対象物質の種類に関する情報が記憶されている。よって、第二操作端末が接続情報に基づいて管理サーバに対して接続され、第一識別情報に対応する情報が送信されると、管理サーバ側で、当該第一識別情報に対応した対象場所によって設定された検出対象物質の種類に関する情報を検知できるため、この情報を第二操作端末に対して送信することができる。この結果、分析場所で第二操作端末を確認することで、分析場所の担当者は、これから分析を行おうとしている収容容器に収容された測定対象物に対して、どの種類の検出対象物質の濃度を測定すればよいかを、確認することができる。これにより、検出対象物質の誤認が防止される。
【0049】
前記第二識別情報は、前記識別情報記載部に記載された前記第一識別情報に基づく情報であるものとしても構わない。
【0050】
これにより、分析場所において測定対象物に含まれる検出対象物質の濃度が測定されることで得られた測定結果に関する情報(分析結果情報)を、第二操作端末から管理サーバに対して送信する際に、別途、対象場所に関する識別情報(第二識別情報)を関連付けする手間が省略される。
【0051】
前記対象場所は、植物を育成するための工場であり、
前記測定対象物は、前記植物を育成する際に用いられる養液であるものとしても構わない。
【0052】
前記分析指示信号は、前記対象場所の温度、湿度、及び照度からなる群に含まれる1つ以上の要素で構成される環境因子情報を含み、
前記分析結果蓄積情報は、前記測定対象物の分析結果が、前記環境因子情報に対して関連付けられた状態で、前記タイミング情報別に記載されているものとしても構わない。
【0053】
特に、第一操作端末がスマートフォンやタブレットPCなどの携帯型多機能端末である場合には、温度、照度、湿度などを測定する機能が搭載可能である。このため、対象場所の担当者が、対象場所において収容容器に測定対象物を収容すると共に、第一操作端末を用いて管理サーバに対して接続することで、第一操作端末において検出された、対象場所における温度、照度、湿度の少なくとも1つの情報を、分析指示信号に含めた状態で管理サーバに対して送信することができる。
【0054】
これにより、管理サーバの記憶部には、測定対象物が取得された時点における対象場所の環境因子についての情報が併せて記憶される。よって、第二操作端末から送信された、測定対象物に含まれる検出対象物質の濃度に関する情報(分析結果情報)を、測定対象物が取得された日時に関する情報のみならず、当該日時における対象場所の環境因子に関する情報についても関連付けた状態で記憶部に記憶させることができる。これにより、対象場所の担当者が、測定対象物の分析結果を知るべく操作端末を用いて管理サーバに対して接続すると、直近を含む過去の分析結果に関する情報が、取得された日時における対象場所の環境因子についての情報と共に確認できるため、より詳細な分析に役立てることができる。
【0055】
前記第一操作端末は、
専用のアプリケーションプログラムがインストールされており、
前記アプリケーションプログラムを用いて前記管理サーバに対して接続すると、前記アプリケーションプログラム上で記憶されている前記第一識別情報が前記管理サーバに送信されるものとしても構わない。
【発明の効果】
【0056】
本発明の管理システムによれば、測定対象物の分析結果の管理が容易化されると共に、分析処理を積極的に行う働きかけを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】本発明に係る管理システムの一実施形態の構成を模式的に示すブロック図である。
【
図2】
図1に対して管理サーバの詳細な構成を付加した図面である。
【
図3】管理システムによって提供されるサービス全体の流れを説明するためのフローチャートである。
【
図4】
図3に示されるステップの一部を詳細に記載したフローチャートである。
【
図5】本発明に係る管理システムの別の一実施形態の構成を模式的に示すブロック図である。
【
図6】本発明に係る管理システムの別の一実施形態の構成を模式的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
本発明に係る管理システムの各実施形態につき、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る管理システムの一実施形態の構成を模式的に示すブロック図である。
図1に示すように、管理システム1は、管理サーバ2と、管理サーバ2に対して電気通信回線7を介して接続可能な、第一操作端末5p及び第二操作端末6pを備える。
図2は、管理サーバ2の詳細な構成を示す図面である。
【0059】
《対象場所》
管理システム1は、対象場所5で取得された測定対象物14に含まれる検出対象物質の濃度を、非医療目的で管理する用途に利用される。すなわち、対象場所5とは、測定対象物14が利用される場所である限りにおいて任意である。本実施形態では、一例として、対象場所5が植物工場であり、測定対象物14が植物育成に利用される養液であるものとして説明する。なお、
図1において、測定対象物14が実際に利用される利用区域を符号51で示している。この利用区域51は、対象場所5が植物工場である場合には人工培地に対応する。
【0060】
本実施形態では、対象場所5には、測定対象物14に含まれる検出対象物質の濃度を分析するための装置が備えられていない場合が想定されている。このため、測定対象物14は、対象場所5とは別の分析場所6において分析される。測定対象物14は収容容器11に収容された状態で、分析場所6に運ばれる。
図1に示す矢印付一点鎖線C1は、測定対象物14が収容された収容容器11の動きを模式的に示したものである。
【0061】
なお、後述するように、対象場所5には、測定対象物14を入れるための未使用の収容容器10が保管されている。この未使用の収容容器10は、所定のタイミングで所定数が対象場所5に届けられる。なお、未使用状態のものを「収容容器10」と称し、測定対象物14が収容された後のものを「収容容器11」と称することで両者が区別される。これらは、必要に応じて、「未使用の収容容器10」、「測定対象物14が収容された収容容器11」等と称される。
【0062】
第一操作端末5pは、測定対象物14の分析指示を行うための信号(分析指示信号E5)を管理サーバ2に対して送信するための端末であり、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、汎用のコンピュータなどで構成される。第一操作端末5pは、対象場所5に所属している担当者によって操作可能な端末であり、好ましくは、携帯可能であるか、利用区域51の近傍で操作可能な端末である。
【0063】
《分析場所》
対象場所5で取得された測定対象物14は、分析場所6に運ばれ、分析場所6に備えられている分析装置61を用いて成分分析が行われる。分析装置61は、測定対象物14に含まれる検出濃度を検出するための装置である限りにおいて任意である。例えば、特定の物質と反応する試薬を用い、当該試薬が投入された状態の液体の吸光度を測定することで特定の物質の濃度を測定する、吸光光度法を用いることのできる装置である。
【0064】
分析場所6は、対象場所5と異なる事業者に所属している場所(例えば専門の分析機関)であっても構わないし、対象場所5と同じ事業者に所属しているが異なる場所であっても構わない。後者の場合は、例えば、植物工場を運営するある事業者X1において、対象場所5は植物育成ルームに対応し、分析場所6は対象場所5とは別の建屋に存在する分析ルームに対応する。
【0065】
第二操作端末6pは、測定対象物14の分析結果に関する情報(分析結果情報d6)を管理サーバ2に対して送信するための端末であり、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、汎用のコンピュータなどで構成される。第二操作端末6pは、分析場所6に所属している担当者によって操作可能な端末である。
【0066】
《管理サーバ》
図2に示すように、管理サーバ2は、記憶部21、送付指示信号出力部22、容器残数更新部23、分析結果更新部24、閲覧認証部25、分析指示信号受付部26、及び検出対象物質情報出力部27を含む。
【0067】
管理サーバ2は、対象場所5や分析場所6から離れた場所に設置されている。しかし、このことは、管理サーバ2を管轄している事業者が、対象場所5を管轄している事業者と異なっているか否か、及び、分析場所6を管轄している事業者と異なっているか否かは不問である。例えば、管理サーバ2,対象場所5、及び分析場所6が同一の事業者X1に属しており、管理サーバ2はサーバルームに配置され、対象場所5はサーバルームとは別の建屋に存在する植物育成ルームであり、分析場所6はサーバルームや植物育成ルームとは別の建屋に存在する分析ルームに対応する、というものであっても構わない。
【0068】
記憶部21は、データを記憶する機能を有したストレージであり、例えばフラッシュメモリや、ハードディスク、その他、読み書きが可能な記憶媒体で構成される。本実施形態において、記憶部21は、それぞれ異なる情報が記憶される、第一記憶領域21a、第二記憶領域21b、及び第三記憶領域21cを備える。これらの記憶領域(21a,21b,21c)に記憶される情報の詳細については後述される。
【0069】
送付指示信号出力部22、容器残数更新部23、分析結果更新部24、閲覧認証部25、分析指示信号受付部26、及び検出対象物質情報出力部27は、それぞれ、取得した情報に基づいて所定の信号処理(演算)を行う演算処理部であり、専用のハードウェア又はソフトウェアで構成される。なお、管理サーバ2は、電気通信回線7を介して、他の端末との間で情報の送受信を行うためのインタフェース(不図示)を備えている。
【0070】
《処理フロー》
以下、管理サーバ2に含まれる各演算処理部の詳細な説明と共に、管理システム1の全体の処理フローにつき、適宜図面を参照して説明する。
図3は、管理システム1によって提供されるサービス全体の流れを説明するためのフローチャートである。
図4は、
図3に示す各ステップの一部の処理を詳細に記載したフローチャートである。以下では、
図3及び
図4に示すステップの符号が適宜参照される。
【0071】
なお、以下では、便宜上、対象場所5を管轄する事業者を「事業者X5」、分析場所6を管轄する事業者を「事業者X6」、管理サーバ2を管轄する事業者を「事業者X2」と称し、それぞれの事業者が異なっているものとして説明する。また、事業者X2は、管理システム1のサービスを提供する事業者であるものとして説明する。ただし、これらの事業者の一部又は全部が共通であってもよいことは、既に述べた通りである。
【0072】
(ステップS0:契約締結)
事業者X5は、管理システム1のサービスを利用することを希望する場合には、まず事業者X2との間で契約を締結する(ステップS0)。
【0073】
(ステップS1:事前処理)
事業者X2は、事業者X5との間で交わされた契約の内容に関する情報を、管理サーバ2に登録する事前処理を行う。
【0074】
具体的には、分析の対象となる測定対象物14が取得される対象場所5に関する情報(住所、名称など)、検出する対象となる物質の種類に関する情報(検出対象物質情報dC)、契約期間及び同期間内の分析回数に関する情報、料金の支払い方法に関する情報などが、契約情報に紐付けられて管理サーバ2に登録される。この契約情報に紐付けられた各種情報のうち、対象場所5を識別するための情報を「第一識別情報i1」と称する。
【0075】
検出対象物質とは、測定対象物14にどの程度の濃度で含まれているかを検出する対象となる物質である。例えば、測定対象物14が植物工場から取得された養液である場合には、検出対象物質としては、マグネシウム(Mg)、カリウム(K)、リン(P)、などが挙げられる。管理サーバ2は、記憶部21の第三記憶領域21cに、第一識別情報i1に関連付けた状態で検出対象物質情報dCを記憶する。
【0076】
本実施形態において、管理システム1のサービスは、所定の契約期間内であれば、所定の回数にわたって測定対象物14に対する分析を可能とする内容が想定されている。一例として、事業者X5は、事業者X2と契約することで、1年にわたって24回の分析処理を行うことのできるサービスを受け、これに対する対価を事業者X2に対して支払う。
【0077】
後述するように、対象場所5において取得された測定対象物14は、収容容器11内に収容された状態で、分析場所6に送り届けられる。このため、サービスが締結された後、対象場所5には、所定数の(未使用)収容容器10が事業者X2から送付される。例えば、契約を締結した所期の時点において、事業者X2は3ヶ月分である6個の収容容器10を対象場所5に対して送付する。このとき、対象場所5には(未使用)収容容器10が8個保管されることとなる。事業者X2は、管理サーバ2において、対象場所5における収容容器10の残数に関する容器残数情報dBを、初期値(この例では8個)として、記憶部21の第二記憶領域21bに記憶させる。
【0078】
なお、1回の分析に対して複数個の収容容器10が利用される場合もあり得るため、事業者X2から対象場所5に対して送付される収容容器10の個数(すなわち、容器残数情報dBの初期値)は、1回の分析に対して必要な個数が考慮された上で決定される。
【0079】
図4では、上記各処理のうち、記憶部21の第三記憶領域21cに検出対象物質情報dCを記憶する処理、及び、記憶部21の第二記憶領域21bに容器残数情報dBを記憶する処理が、ステップSB1として図示されている。
【0080】
また、対象場所5においては、対象場所5で使用される第一操作端末5pに対して、管理システム1を利用するための専用のアプリケーションプログラムがインストールされる(ステップSA0)。このとき、第一操作端末5pには第一識別情報i1に関する情報が記憶される。ただし、このステップSA0が行われるか否か、すなわち、第一操作端末5pに対して専用のアプリケーションプログラムがインストールされるか否かは任意である。
【0081】
(ステップS2:分析準備)
対象場所5において、測定対象物14の分析が希望される場合には、対象場所5に所属する作業員によって分析のための準備の処理が行われる。具体的には、まず、対象場所5内の利用区域51から測定対象物14が取得されて、未使用の収容容器10内に収容される(ステップSA1)。
【0082】
本実施形態では、未使用の収容容器10には、予め接続情報記載部13としての、二次元バーコードが付されたシールが貼付されている。本実施形態において、この二次元バーコードには、管理サーバ2に対する接続情報が記載されている。
【0083】
次に、第一操作端末5pを操作して、接続情報記載部13に記載された接続情報に基づいて管理サーバ2に対して電気通信回線7を介して接続される。ここで、第一操作端末5pには、予め管理システム1を利用するための専用のアプリケーションプログラム(以下、適宜「アプリケーション」と略記する。)がインストールされており、このアプリケーションを起動した上で接続情報記載部13としての二次元バーコードを読み取ることで、アプリケーション上において管理サーバ2に対して接続することができる構成としても構わない。
【0084】
アプリケーションを介して第一操作端末5pから管理サーバ2に対して接続されることで、管理サーバ2に対して分析指示信号E5が送信される(ステップSA2)。この分析指示信号E5には、第一操作端末5pに記憶されている第一識別情報i1とタイミング情報dTとが含まれる。タイミング情報dTは、管理サーバ2に対して接続した日時に関する情報である。
【0085】
管理サーバ2は、分析指示信号受付部26において分析指示信号E5を確認すると、送付指示信号出力部22が第一送付指示信号Ebを作成し、専用の配送担当用端末Bpに対して送信する(ステップSB2)。この配送担当用端末Bpは、事業者X2とは別の配送業者Y1が保有する端末であっても構わないし、事業者X2に所属する担当者によって管理された端末であっても構わない。更に、上述したように、管理サーバ2及び対象場所5が同一の事業者X1に所属している場合には、この事業者X1に所属する一担当者によって管理された端末であっても構わない。
【0086】
配送担当用端末Bpを管理する担当者は、第一送付指示信号Ebを確認すると、直接又は他の者に対する指示を介して、対象場所5から測定対象物14が収容された収容容器11を分析場所6に運ぶ処理を行う。
【0087】
また、管理サーバ2は、分析指示信号受付部26において分析指示信号E5を確認すると、容器残数更新部23が、この分析指示信号E5に含まれる第一識別情報i1に関連付けられている、すなわち対象場所5の、容器残数情報dBを、第二記憶領域21bから読み出して1消費単位減少させる処理を行う(ステップSB3)。例えば、直前において容器残数情報dBが8個を表しており、且つ、1消費単位が1個である場合には、このステップSB3において、対象場所5の容器残数情報dBは7個に更新される。
【0088】
なお、ここでいう「1消費単位」とは、対象場所5が想定している測定対象物14の分析内容、すなわち契約内容に基づいて設定される、1回の分析で消費される収容容器10の個数に対応する。
【0089】
(ステップS3:分析)
上述したように、ステップSB2の後、対象場所5から測定対象物14が収容された収容容器11が分析場所6に運ばれることで、測定対象物14が収容された収容容器11が分析場所6に届けられる(ステップSC1)。
【0090】
分析場所6の担当者は、分析装置61を用いて、収容容器11に収容された測定対象物14に対する分析を行い、測定対象物14に含まれる検出対象物質の濃度を測定する(ステップSC2)。
【0091】
ここで、分析場所6において、予め対象場所5に関連して検出対象物質の一覧が管理されている場合には、分析場所6の担当者は、前記情報に基づいて検出対象物質を認識することができる。
【0092】
また別の例として、分析場所6の担当者が第二操作端末6pを用いて管理サーバ2に対して接続することで、管理サーバ2から対象場所5に関連付けられた検出対象物質に関する情報(検出対象物質情報dC)を受信するものとしても構わない。より詳細には、以下の手順で行われる。
【0093】
上述したように、収容容器11に接続情報及び第一識別情報i1を含む二次元バーコードが貼付されている場合、分析場所6の担当者は、第二操作端末6pを用いて二次元バーコードに記載された接続情報に基づいて、管理サーバ2に対して接続することができる。このとき、第二操作端末6pに対しても専用のアプリケーションがインストールされており、当該アプリケーションを通じて管理サーバ2に対して接続されることで、分析場所6からのアクセスであることが管理サーバ2側で検知可能であるものとして構わない。かかる場合、管理サーバ2の検出対象物質情報出力部27は、記憶部21の第三記憶領域21cから、第一識別情報i1に関連付けられた検出対象物質情報dCを読み込み、第二操作端末6pに対して送信する。これにより、分析場所6の担当者は、これから分析を行おうとしている収容容器11に収容された測定対象物14に対して、どの種類の検出対象物質の濃度を測定すればよいかを、確認することができる。
【0094】
分析場所6の担当者は、分析処理を完了すると、第二操作端末6pを用いて管理サーバ2に対して接続し、分析結果に関する情報(分析結果情報d6)を送信する(ステップSC3)。このとき、分析結果情報d6は、対象場所5を特定するための識別情報(第二識別情報i2)が関連付けられた状態で、管理サーバ2に対して送信される。
【0095】
この第二識別情報i2は、第二操作端末6p上において、分析場所6の担当者によって対象場所5に関する情報として個別に入力されたものとしても構わない。また、別の例として、専用のアプリケーションがインストールされた第二操作端末6pを用いて、アプリケーションによって接続情報及び第一識別情報i1を含む二次元バーコードが読み込まれることで、管理サーバ2に対して接続される場合、この第一識別情報i1が第二識別情報i2として分析結果情報d6に関連付けられるものとしても構わない。
【0096】
(ステップS4:分析結果更新)
管理サーバ2は、分析場所6から送信された分析結果情報d6を受信すると、分析結果更新部24において、分析結果情報d6に関連付けられている第二識別情報i2に基づいて対象場所5を特定する。そして、分析結果更新部24は、この特定された対象場所5の分析結果情報d6が分析結果蓄積情報dAとして蓄積されている第一記憶領域21aに対して、情報の更新処理を行う(ステップSB4)。このとき、ステップSA2の時点で受信されている分析指示信号E5に含まれるタイミング情報dTに関連付けられた状態で、今回送信された分析結果情報d6が分析結果蓄積情報dAに追記される。すなわち、第一記憶領域21aには、タイミング情報dT別に分析結果情報d6が記載された状態の分析結果蓄積情報dAが保存される。
【0097】
(ステップS5:分析結果確認)
対象場所5の担当者は、分析結果の確認を希望する場合には、第一操作端末5p又は他の操作端末Apを用いて、閲覧要求信号E25を管理サーバ2に対して送信する(ステップSA3)。このとき、閲覧要求信号E25には、対象場所5を特定するための第一識別情報i1が含まれる。
【0098】
管理サーバ2は、閲覧要求信号E25を受信すると、閲覧認証部25において第一識別情報i1に基づく認証処理を行う(ステップSB5)。そして、認証処理が完了すると、管理サーバ2は、閲覧要求信号E25の送信元である端末(5p/Ap)に対して、第一記憶領域21a内において、第一識別情報i1に関連付けられて分析結果蓄積情報dAが記憶されている、第一記憶領域21aへの接続を許可する(ステップSA4)。
【0099】
これによって、対象場所5の担当者は、対象場所5における測定対象物14の分析結果について、直前のもののみならず、過去のものも併せて確認することができる。
【0100】
(ステップS6:容器残数確認、更新確認)
管理サーバ2は、契約期間内である場合(ステップS6AにおいてYes)、及び契約を新たに更新する場合(ステップS6BにおいてYes)、容器残数更新部23において、対象場所5に関連付けられて、第二記憶領域21bに記憶された容器残数情報dBが、所定の閾値(例えば4個)を下回っていないかどうかを確認する(ステップSB6)。そして、この閾値を下回っている場合には、送付指示信号出力部22が第二送付指示信号Ecを作成し、専用の配送担当用端末Cpに対して送信する(ステップSB7)。
【0101】
この配送担当用端末Cpは、事業者X2とは別の配送業者Y2が保有する端末であっても構わないし、事業者X2に所属する担当者によって管理された端末であっても構わない。更に、上述したように、管理サーバ2及び対象場所5が同一の事業者X1に所属している場合には、この事業者X1に所属する一担当者によって管理された端末であっても構わない。
【0102】
配送担当用端末Cpを管理する担当者は、第二送付指示信号Ecを確認すると、直接又は他の者に対する指示を介して、対象場所5に対して未使用の収容容器10を運ぶ処理を行う。これにより、対象場所5に保管される収容容器10の数が補填される。更に、容器残数更新部23は、対象場所5の容器残数情報dBを第二記憶領域21bから読み出して、今回補填された個数を増加させる処理を行う(ステップSB8)。
【0103】
以後は、ステップS1~S6が繰り返し実行される。なお、契約の更新が停止される場合には(ステップS6BにおいてNo)、対象場所5に対する管理システム1に基づくサービスの運用が停止される。
【0104】
以上説明したように、管理システム1によれば、管理サーバ2の記憶部21の第一記憶領域21aにおいて対象場所5の分析結果蓄積情報dAが逐次更新されるため、対象場所5の管理者(担当者)が別途分析結果について管理する必要がなく、管理業務の簡素化が図られる。
【0105】
更に、管理サーバ2側の記憶部21の第二記憶領域21bにおいて、対象場所5に保管されている未使用の収容容器10の残数が把握できるため、残数が減少してきた場合には、上述したように、対象場所5に対して収容容器10の追加配送手続を自動的に行うことができる。これにより、対象場所5における測定対象物14の分析処理に対する働きかけをしやすくなる。
【0106】
[別実施形態]
以下、別実施形態につき説明する。
【0107】
〈1〉
図5に示すように、収容容器11には、識別情報記載部16としての二次元バーコードが記載されたシール(以下、便宜上「シールH16」と呼ぶ。)が、接続情報記載部13としての二次元バーコードが記載されたシール(以下、便宜上「シールH13」と呼ぶ。)とは別に貼付されているものとしても構わない。例えば、対象場所5には、シールH13が貼付された状態の収容容器10と、シールH16とが配送されて来るものとしても構わない。この場合、対象場所5の担当者は、収容容器10に測定対象物14を収容すると共に、シールH16を表面に貼付した状態で、分析場所6への送付を依頼する。
【0108】
分析場所6の担当者は、第二操作端末6pを用いて、シールH13に記載された二次元バーコードを読み込むことで、管理サーバ2への接続情報を検知すると共に、シールH16に記載された二次元バーコードを読み込むことで、対象場所5に対応した第一識別情報i1を検知することができる。そして、ステップSC3と同様に、第一識別情報i1に関連付けた状態で、分析結果情報d6が管理サーバ2に対して送信される。
【0109】
〈2〉上記実施形態では、分析場所6において、分析装置61によって分析された結果に関する情報(分析結果情報d6)が、分析装置61とは別の装置である第二操作端末6pから電気通信回線7を介して管理サーバ2に対して送信されるものとして説明した。しかし、分析装置61自体に通信機能が存在し、電気通信回線7を介して管理サーバ2に接続可能である場合には、分析装置61から直接管理サーバ2に対して分析結果情報d6を送信するものとしても構わない(
図6参照)。
【0110】
更にこの場合、
図6に示すように、管理サーバ2から分析装置61に対して検出対象物質情報dCが送信されるものとしても構わない。
【0111】
〈3〉上述した実施形態では、第一操作端末5pがアプリケーションを介して管理サーバ2に対して接続することで、第一操作端末5pに保存されている第一識別情報i1と、タイミング情報dTとを含む分析指示信号E5が、管理サーバ2に対して送信されるものとして説明した。しかし、第一操作端末5pが管理サーバ2に対して接続する際に、アプリケーションを介するか否かは任意である。
【0112】
なお、アプリケーションを介さずに管理サーバ2に対して接続する場合には、第一操作端末5pが管理サーバ2に対して接続する際に、第一識別情報i1の入力を管理サーバ2から求められるものとしても構わない。また、二次元バーコードに第一識別情報i1が含まれており、二次元バーコードを通じて接続されることで、第一識別情報i1が管理サーバ2に対して送信されるものとしても構わない。
【0113】
〈4〉第一操作端末5pは、対象場所5の温度、湿度、及び照度からなる群に含まれる1つ以上の要素で構成される環境因子情報を分析指示信号E5に含めるものとしても構わない。例えば、第一操作端末5pにアプリケーションがインストールされている場合、このアプリケーションを介して管理サーバ2に対して接続されると、このアプリケーションによって、現在の第一操作端末5pが存在している場所(ここでは対象場所5)の温度、湿度、又は照度の少なくともいずれかの情報が取得され、環境因子情報として分析指示信号E5に含められる。
【0114】
この場合、ステップSB4において、分析結果更新部24は、ステップSA2の時点で受信されている分析指示信号E5に含まれるタイミング情報dTと前記環境因子情報に関連付けた状態で、分析結果情報d6を分析結果蓄積情報dAに追記することができる。これにより、ステップS5のように、対象場所5の担当者が測定対象物14の分析結果を知るべく第一操作端末5pを用いて管理サーバ2に対して接続すると、直近を含む過去の分析結果に関する情報が、取得された日時における対象場所5の環境因子についての情報と共に確認できるため、より詳細な分析に役立てることができる。
【0115】
〈5〉上記実施形態では、接続情報記載部13が二次元バーコードの印字されたシールであり、収容容器10の表面に貼付されているものとして説明したが、これはあくまで一例である。例えば、対象場所5に対して、収容容器10自体が所定のパッケージに収容された状態で配送される場合には、前記シールがこのパッケージの表面に貼付されることで、収容容器10に対して一対一に対応して付属されるものとして構わない。また例えば、接続情報記載部13が二次元バーコードが印字された印刷物である場合には、収容容器10とセットで対象場所5に対して配送されることで、収容容器10に対して一対一に対応して付属されるものとして構わない。
【0116】
更に、接続情報は、二次元バーコードの形式で表示されている必要はなく、他の形式で表示されていても構わない。
【0117】
〈6〉上記実施形態では、測定対象物14が、対象場所5として想定される植物工場から取得された養液である場合について説明したが、測定対象物14は必ずしも液体である必要はない。例えば、対象場所5が、土耕栽培型の植物工場である場合には、培地としての土壌を測定対象物14としても構わない。この場合、測定対象物14は固相試料となる。
【0118】
なお、対象場所5が植物工場であることはあくまで一例である。測定対象物14は、対象場所5で利用されるものであって、対象場所とは異なる分析場所6において成分分析が求められる対象となる物であれば、必ずしも植物工場で利用される物には限定されない。このような測定対象物14としては、液体(液相試料)であれば、食用油、工業油、飼育水、温泉水、プール水、浴槽水、工場用水、生活排水、消毒液、飲料水、井戸水、海水、河川水、湖水、池水、上水、下水、雨水などが挙げられ、固体(固相試料)であれば、植物の根、茎、葉、花、果実や食肉、加工肉などが挙げられ、気体(気相試料)であれば、大気、排気ガス、施設内や交通機関内の環境空気などが挙げられる。
【符号の説明】
【0119】
1 : 管理システム
2 : 管理サーバ
5 : 対象場所
5p : 第一操作端末
6 : 分析場所
6p : 第二操作端末
7 : 電気通信回線
10 : 未使用の収容容器
11 : 測定対象物が収容された収容容器
13 : 接続情報記載部
14 : 測定対象物
21 : 記憶部
21a : 第一記憶領域
21b : 第二記憶領域
21c : 第三記憶領域
22 : 送付指示信号出力部
23 : 容器残数更新部
24 : 分析結果更新部
25 : 閲覧認証部
26 : 分析指示信号受付部
27 : 検出対象物質情報出力部
51 : 測定対象物の利用区域
61 : 分析装置
Ap : 閲覧用操作端末
Bp : 配送担当用端末
Cp : 配送担当用端末
E5 : 分析指示信号
E25 : 閲覧要求信号
Eb : 第一送付指示信号
Ec : 第二送付指示信号
i1 : 第一識別情報
i2 : 第二識別情報
d6 : 分析結果情報
d27 : 検出対象物質情報
dA : 分析結果蓄積情報
dB : 容器残数情報
dC : 検出対象物質情報
dT : タイミング情報