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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-18
(54)【発明の名称】光デバイス
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/065 20060101AFI20230511BHJP
【FI】
G02F1/065
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019155051
(22)【出願日】2019-08-27
(65)【公開番号】P2021033141
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】309015134
【氏名又は名称】富士通オプティカルコンポーネンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 昌樹
(72)【発明者】
【氏名】赤司 保
【審査官】林 祥恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-262476(JP,A)
【文献】特開2018-112593(JP,A)
【文献】特開2006-047508(JP,A)
【文献】特開2014-145947(JP,A)
【文献】特表2015-501945(JP,A)
【文献】特開2009-075287(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0066978(US,A1)
【文献】特開2004-126152(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/00-1/125
G02F 1/21-1/39
G02B 6/12-6/14
H04B 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に形成された導波路と、電気信号によってE(Electro Optic)ポリマーの屈折率を変化させることで前記導波路を伝搬する光の位相を変化させることにより前記導波路を伝搬する光を変調する光変調器と、を有する光デバイスであって、
前記EOポリマーが配置される溝は、
前記光変調器内の導波路上でかつ当該導波路に沿った位置に配置された光変調器の溝と、
前記基板上に形成され、光の伝搬方向に対して垂直な方向における前記光変調器のの幅よりも広い幅を持つ第1の終端溝と、
前記基板上に形成され、前記光変調器の溝および前記第1の終端溝に連通する中継溝と
を有ることを特徴とする光デバイス。
【請求項2】
前記光変調器には、第1の光変調器と第2の光変調器とが含まれており、
前記中継溝には、
前記第1の終端溝と前記第1の光変調器の溝とに連通する第1の中継溝と、
前記第1の光変調器の溝と前記第2の光変調器の溝とに連通する第2の中継溝と
が含まれることを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
【請求項3】
前記中継溝には、前記第2の光変調器の溝に連通する第3の中継溝がさらに含まれ、
前記第2の光変調器の溝には、前記第3の中継溝を介して前記第2の光変調器の溝よりも幅が広い第2の終端溝が連通しており、
前記第2の終端溝には、前記EOポリマーが配置されていることを特徴とする請求項2に記載の光デバイス。
【請求項4】
前記光変調器には、第1の光変調器と第2の光変調器とが含まれており、
前記中継溝には、
前記第1の終端溝に連通している第1の共通溝と、
一端が前記第1の共通溝に連通しており、他端が前記第1の光変調器の溝に連通している第1の分岐溝と、
一端が前記第1の共通溝に連通しており、他端が前記第2の光変調器の溝に連通している第2の分岐溝と
が含まれることを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
【請求項5】
前記第1の分岐溝の一端は、前記第2の分岐溝と前記第1の共通溝との連通位置よりも前記第1の終端溝側の前記第1の共通溝に連通しており、
前記第1の分岐溝と前記第1の共通溝との連通位置と、前記第1の終端溝との間の前記第1の共通溝の幅は、前記第2の分岐溝と前記第1の共通溝との連通位置と、前記第1の分岐溝と前記第1の共通溝との連通位置との間の前記第1の共通溝の幅よりも広いことを特徴とする請求項4に記載の光デバイス。
【請求項6】
前記中継溝には、
第2の共通溝と、
一端が前記第2の共通溝に連通しており、他端が前記第1の光変調器の溝に連通している第3の分岐溝と、
一端が前記第2の共通溝に連通しており、他端が前記第2の光変調器の溝に連通している第4の分岐溝と
がさらに含まれ、
前記第2の共通溝の端部には、前記第2の光変調器の溝よりも幅が広い第2の終端溝が連通しており、
前記第2の終端溝には、前記EOポリマーが配置されていることを特徴とする請求項4または5に記載の光デバイス。
【請求項7】
前記第4の分岐溝の一端は、前記第3の分岐溝と前記第2の共通溝との連通位置よりも前記第2の終端溝側の前記第2の共通溝に連通しており、
前記第4の分岐溝と前記第2の共通溝との連通位置と、前記第2の終端溝との間の前記第2の共通溝の幅は、前記第3の分岐溝と前記第2の共通溝との連通位置と、前記第4の分岐溝と前記第2の共通溝との連通位置との間の前記第2の共通溝の幅よりも広いことを特徴とする請求項6に記載の光デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
光変調器等の光デバイスの小型化が進んでいる。シリコン導波路は光の閉じ込め効果が強く、導波路の曲げ半径を小さくできるので、従来のLN変調器や化合物半導体変調器に比べて光変調器のサイズを小さくすることができる。シリコン導波路を用いた光変調器では、シリコン導波路にPN接合部を設け、メタル配線を介してPN接合部に電圧を印加することにより、PN接合部に電界を発生させ、シリコン導波路の屈折率を変化させる。シリコン導波路の屈折率が変化すると、シリコン導波路を伝搬する光の速度が変化し、シリコン導波路から出力される光の位相が変化する。シリコン導波路を用いた光変調器では、この性質を利用して電気信号により光を変調することができる。
【0003】
しかし、PN接合を利用した光変調器では、電圧が印加された場合のシリコン導波路の屈折率の変化量が小さい。そのため、所望の屈折率を得るためには、大きな電圧をPN接合部に印加することになり、消費電力が大きくなるという問題がある。
【0004】
そこで、PN接合の代わりにEO(Electro Optic)ポリマーを用いた光変調器が検討されている(例えば、下記特許文献1参照)。EOポリマーを用いた光変調器では、EOポリマーに電圧を印加することにより、発生した電界によりEOポリマーの屈折率が変化する。EOポリマーを用いた光変調器では、PN接合を利用した光変調器よりも、小さい電圧で大きな屈折率の変化量が得られるため、駆動電圧を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許出願公開第2014/0086523号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、EOポリマーを用いた光変調器では、シリコン導波路上にEOポリマーが配置される。EOポリマーは、例えば液体の状態で、光変調器内のシリコン導波路上に塗布される。光デバイスの小型化が進むと、光変調器内のシリコン導波路の領域が小さくなるため、従来に比べより先端が細いノズルを用いてEOポリマーが塗布されることになる。しかし、シリコン導波路の領域が小さくなると、細いノズルの先端とシリコン導波路の領域との位置合わせが難しくなる。また、ノズルの先端が細くなると、EOポリマーの粘度によっては、ノズルの先端からEOポリマーが連続して一定量吐出されない恐れがある。そのため、シリコン導波路の領域に十分な量のEOポリマーが塗布されない場合がある。シリコン導波路の領域に十分な量のEOポリマーが塗布されない場合、シリコン導波路を伝搬する光の位相の変化量が小さくなってしまう。これにより、変調後の光信号の周波特性が劣化する場合がある。
【0007】
本願に開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、光デバイスの小型化に伴う光信号の周波特性の劣化を抑制することができる光デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの側面は、基板に形成された導波路上に、長手方向に形成され、EOポリマーが配置された溝と、電気信号によって溝に配置されたEOポリマーの屈折率を変化させることで導波路を伝搬する光の位相を変化させることにより導波路を伝搬する光を変調する光変調器を有する光デバイスアであって、第1の終端溝と、中継溝とを有する。第1の終端溝は、基板上に形成され、光の伝搬方向に対して垂直な方向における溝の幅よりも広い幅を持つ。中継溝は、基板上に形成され、光変調器の溝および第1の終端溝に連通する。また、光変調器の溝、中継溝、および第1の終端溝には、EOポリマーが配置されている。
【発明の効果】
【0009】
1実施形態によれば、光デバイスの小型化に伴う光信号の周波特性の劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、光送受信装置の一例を示す図である。
図2図2は、実施例1における光送信デバイスの一例を示す図である。
図3図3は、変調器の構造の一例を示す図である。
図4図4は、変調器の構造の一例を示すX-X断面図である。
図5図5は、光送信デバイスの製造過程の一例を示す図である。
図6図6は、光送信デバイスの製造過程の一例を示す図である。
図7図7は、光送信デバイスの製造過程の一例を示す図である。
図8図8は、光送信デバイスの製造過程の一例を示す図である。
図9図9は、光送信デバイスの製造過程の一例を示す図である。
図10図10は、光送信デバイスの製造過程の一例を示す図である。
図11図11は、光送信デバイスの製造過程の一例を示す図である。
図12図12は、実施例2における光送信デバイスの一例を示す図である。
図13図13は、実施例3における光送信デバイスの一例を示す図である。
図14図14は、溝の幅の一例を説明するための拡大図である。
図15図15は、溝の幅の一例を説明するための拡大図である。
図16図16は、実施例1における光送信デバイスの他の例を示す図である。
図17図17は、実施例2における光送信デバイスの他の例を示す図である。
図18図18は、実施例3における光送信デバイスの他の例を示す図である。
図19図19は、光送信デバイスの他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願が開示する光デバイスの実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に示す実施例は、開示の技術を限定するものではない。
【実施例1】
【0012】
[光送受信装置10の構成]
図1は、光送受信装置10の一例を示す図である。本実施例における光送受信装置10は、光送受信部11、LD(Laser Diode)12、およびDSP(Digital Signal Processor)13を備える。光送受信部11は、光送信デバイス20および光受信デバイス30を有する。光送信デバイス20および光受信デバイス30は、光デバイスの一例である。
【0013】
光送信デバイス20は、LD12から供給された光を、DSP13から出力された送信信号に基づいて変調する。そして、光送信デバイス20は、送信信号に応じて変調された光信号(Tx_out)を出力する。光受信デバイス30は、光信号(Rx_in)を受光する。受光された光信号は、偏波分離され、LD12から供給された光を用いて復調され、電気信号に変換されてDSP13へ出力される。
【0014】
[光送信デバイス20の構成]
図2は、実施例1における光送信デバイス20の一例を示す図である。光送信デバイス20は、XI変調器21-1、XQ変調器21-2、YI変調器21-3、およびYQ変調器21-4を有する。また、光送信デバイス20は、VOA24-1、VOA24-2、PR25、EOポリマー27、mPD28-1、mPD28-2、およびPBC29を有する。VOAはVariable Optical Attenuatorの略であり、PRはPolarization Rotatorの略であり、mPDはmonitor PhotoDiodeの略であり、PBCはPolarization Beam Combinerの略である。
【0015】
なお、以下では、XI変調器21-1、XQ変調器21-2、YI変調器21-3、およびYQ変調器21-4のそれぞれを区別することなく総称する場合に変調器21と記載する。また、以下では、VOA24-1およびVOA24-2のそれぞれを区別することなく総称する場合にVOA24と記載し、mPD28-1およびmPD28-2のそれぞれを区別することなく総称する場合にmPD28と記載する。また、図2では、図面の見やすさの観点から、EOポリマー27にハンチングが施されている。
【0016】
変調器21、VOA24、PR25、EOポリマー27、mPD28、およびPBC29は、基板W上に形成されている。また、基板W上には、光信号を伝搬する導波路23が形成されている。LD12から出力された光は、導波路23の入力端230から入力され、導波路23を介してそれぞれの変調器21に入力される。それぞれの変調器21には、電気信号である送信信号を伝送する信号配線220と、グランドに接続されるグランド配線221と、信号配線220とグランド配線221の間に配置されたEOポリマー27とが、導波路23に沿って配置されている。
【0017】
信号配線220およびグランド配線221の両端には、パッド222が設けられている。信号配線220の入力端(図2の下方)に設けられたパッド222には、ボンディングワイヤによって、光送信デバイス20に送信信号に基づく電気信号を供給するドライバ回路等が設けられた外部基板の信号配線のパッドが接続されている。また、信号配線220の終端(図2の上方)に設けられたパッド222には、ボンディングワイヤによって、終端抵抗が設けられた終端基板のパッドが接続されている。また、グランド配線221の一端(図2の下方)に設けられたパッド222には、ボンディングワイヤによって、外部基板のグランドに接続されているパッドが接続されている。また、グランド配線221の他端(図2の上方)に設けられたパッド222には、ボンディングワイヤによって、終端基板のグランドに接続されているパッドが接続されている。
【0018】
それぞれの変調器21では、信号配線220とグランド配線221との間に印加される電圧に応じて信号配線220とグランド配線221の間に配置されたEOポリマー27の屈折率が変化する。これにより、EOポリマー27に沿って配置された導波路23内を伝搬する光の位相が変化する。信号配線220に印加される電圧を送信信号に応じて変化させることにより、送信信号に応じて光を変調することができる。それぞれの変調器21において、送信信号は、光の入力端側の信号配線220に設けられたパッド222を介して供給される。
【0019】
[変調器21の構造]
図3は、変調器21の構造の一例を示す図である。図4は、変調器21の構造の一例を示すX-X断面図である。図3のX-X断面が図4に対応する。変調器21は、信号配線220、グランド配線221、半導体層210、およびシリコン層211を備える。信号配線220、グランド配線221、半導体層210、およびシリコン層211は、導波路23に沿って配置されている。本実施例における変調器21は、電気信号によってEOポリマー27の屈折率を変化させることで導波路23を伝搬する光の位相を変化させることにより導波路23を伝搬する光を変調する光変調器である。なお、図3では、図面の見やすさの観点から、EOポリマー27にハンチングが施されている。
【0020】
例えば図4に示されるように、3つの半導体層210および2つのシリコン層211は、単結晶シリコン等の基板W上に積層されたBOX(Buried OXide)層51上に形成されている。2つのシリコン層211のうち、一方のシリコン層211の上には、EOポリマー27が配置される溝212が形成されている。溝212には、溝26が連通しており、溝26を介して液体状のEOポリマー27が流れ込む。溝26は、中継溝の一例である。また、溝212から溢れたEOポリマー27は、溝26へ流れ出る。半導体層210の上には、酸化シリコン等の絶縁層53が積層されており、信号配線220およびグランド配線221は、絶縁層53上に形成されている。
【0021】
本実施例において、半導体層210は、例えばリン等のn型の不純物が高濃度に添加されたシリコンである。なお、半導体層210は、例えばボロン等のp型の不純物が低濃度に添加されたシリコンであってもよい。シリコン層211は、例えばシリコンで形成されており、導波路23として機能する。
【0022】
導波路23に沿ってシリコン層211の両脇に配置された2つの半導体層210のうち、一方の半導体層210には、金属を含む材料で構成されたコンタクト225を介して信号配線220が接続されている。また、他方の半導体層210には、金属を含む材料で構成されたコンタクト226を介してグランド配線221が接続されている。
【0023】
図1に戻って説明を続ける。それぞれの変調器21によって変調された光信号は、VOA24によって強度が調整される。VOA24から出力された光信号は、mPD28によって受光される。VOA24は、mPD28の受光電流に応じて、光信号の強度を調整する。
【0024】
PR25は、VOA24-2によって強度が調整された光信号の偏光面を回転させる。VOA24-1によって強度が調整された光信号は、偏光面が回転された光信号とPBC29によって合成され、光信号(Tx_out)として導波路23の出力端231から出力される。
【0025】
本実施例において、EOポリマー27は、溝26内に配置されている。溝26は、溝260、溝261-1~261-3、および溝262を含む。溝260の一端は、液体状のEOポリマー27が供給される溝である供給プール270に連通しており、溝260の他端は、EOポリマー27が配置されるYQ変調器21-4内の溝212に連通している。供給プール270の幅は、変調器21内の溝212の幅よりも広い。溝260は、第1の中継溝の一例であり、YQ変調器21-4は、第1の光変調器の一例であり、供給プール270は、第1の終端溝の一例である。
【0026】
EOポリマー27が配置されるYQ変調器21-4内の溝212と、EOポリマー27が配置されるYI変調器21-3内の溝212は、溝261-1を介して連通している。溝261-1は、第2の中継溝の一例であり、YI変調器21-3は、第2の光変調器の一例である。また、EOポリマー27が配置されるYI変調器21-3内の溝212と、EOポリマー27が配置されるXQ変調器21-2内の溝212は、溝261-2を介して連通している。溝261-2は、第3の中継溝の一例である。また、EOポリマー27が配置されるXQ変調器21-2内の溝212と、EOポリマー27が配置されるXI変調器21-1内の溝212は、溝261-3を介して連通している。
【0027】
溝262の一端は、液体状のEOポリマー27が溜まる溝である終端プール271に連通しており、溝262の他端は、EOポリマー27が配置されるXI変調器21-1内の溝212に連通している。終端プール271の幅は、変調器21内の溝212の幅よりも広い。終端プール271は、第2の終端溝の一例である。
【0028】
それぞれの変調器21内の溝212にEOポリマー27が配置される場合、ディスペンサによって液体状のEOポリマー27が供給プール270に供給される。供給プール270に供給された液体状のEOポリマー27は、溝260内を流れ、YQ変調器21-4内の溝212に流れ込む。そして、YQ変調器21-4内の溝212から溢れた液体状のEOポリマー27は、溝261-1内を流れ、YI変調器21-3内の溝212に流れ込む。そして、YI変調器21-3内の溝212溝から溢れた液体状のEOポリマー27は、溝261-2内を流れ、XQ変調器21-2内の溝212に流れ込む。そして、XQ変調器21-2内の溝212から溢れた液体状のEOポリマー27は、溝261-3内を流れ、XI変調器21-1内の溝212に流れ込む。そして、XI変調器21-1内の溝212から溢れた液体状のEOポリマー27は、溝262内を流れ、終端プール271に流れ込む。
【0029】
終端プール271内にEOポリマー27が流れ込むということは、それぞれの変調器21内の溝212にEOポリマー27が配置されたことを意味する。そのため、終端プール271内にEOポリマー27が流れ込んだか否かを確認することにより、それぞれの変調器21内の溝212にEOポリマー27が配置されたか否かを容易に判定することができる。その後、アニール等により、それぞれの変調器21の溝212内に流れ込んだ液体状のEOポリマー27が硬化される。
【0030】
なお、それぞれの変調器21内の溝212にEOポリマー27が配置される際に、液体状のEOポリマー27が溝26から溢れると、溢れ出たEOポリマー27がパッド222等に付着する場合がある。パッド222にEOポリマー27が付着すると、パッド222とボンディングワイヤとの密着性が低下し、接触不良が生じる場合がある。そこで、本実施例における終端プール271の幅は、変調器21内の溝212の幅よりも広い。これにより、それぞれの変調器21内の溝212に液体状のEOポリマー27が配置された後に流れ込む溝の容積を大きくすることで、EOポリマー27が溝26から溢れることを抑制することができる。これにより、パッド222とボンディングワイヤと接触不良を抑制することができる。
【0031】
ここで、光送信デバイス20の小型化が進むと、光送信デバイス20内においてEOポリマー27が配置される変調器21内の溝212が小さくなる。溝212が小さくなると、より先端が細いノズルを用いて液体状のEOポリマー27が溝212に塗布されることになる。しかし、溝212が小さくなると、細いノズルの先端と溝212との位置合わせが難しくなる。また、ノズルの先端が細い場合、液体状のEOポリマー27の粘度によっては、ノズルの先端からEOポリマー27が連続して一定量吐出されず、溝212に十分な量のEOポリマー27が塗布されない恐れがある。溝212に十分な量のEOポリマーが塗布されない場合、導波路23を伝搬する光の位相の変化量が小さくなってしまい、変調後の光信号の周波特性が劣化する場合がある。
【0032】
そこで、本実施例では、それぞれの変調器21内の溝212が溝26によって直列に連結され、溝26の端部に設けられた供給プール270から液体状のEOポリマー27が供給される。供給プール270の幅は、変調器21内の溝212の幅よりも広い。そのため、液体状のEOポリマー27を供給するディスペンサのノズルの先端の位置合わせが容易になる。また、先端がそれほど細くないノズルを有するディスペンサを用いてEOポリマー27を塗布することができるため、ノズルの先端からEOポリマー27を容易に吐出することができる。これにより、それぞれの変調器21内の溝212に十分な量のEOポリマー27が配置されるため、小型化に伴う光信号の周波特性の劣化を抑制することができる。
【0033】
[光送信デバイス20の製造手順]
次に、光送信デバイス20の製造手順について図5図11を参照しながら説明する。図5図11は、光送信デバイス20の製造過程の一例を示す図である。図5図11では、光送信デバイス20の中の変調器21の製造過程について例示されている。
【0034】
まず、例えば図5に示されるように、基板W上にBOX層51が積層され、BOX層51上にシリコン層211が積層される。そして、シリコン層211上にレジスト55が積層され、半導体層210が配置される領域が露出するように、レジスト55がパターニングされる。そして、例えば図6に示されるように、レジスト55で覆われていないシリコン層211の領域に、例えばリン等のn型の不純物のイオンが注入される。これにより、n型の不純物が高濃度に添加された半導体層210が形成される。そして、レジスト55が除去される。
【0035】
次に、再びシリコン層211上にレジスト55が積層され、導波路23となるシリコン層211の部分の両脇の領域が露出するように、レジスト55がパターニングされる。そして、レジスト55で覆われていない半導体層210およびシリコン層211の領域がエッチングされる。これにより、例えば図7に示されるように、導波路23となるシリコン層211の部分に沿って凹部60が形成される。そして、レジスト55が除去される。
【0036】
次に、例えば図8に示されるように、半導体層210およびシリコン層211を覆うように絶縁層53が積層される。そして、絶縁層53上にレジスト55が積層され、コンタクト225およびコンタクト226が形成される領域が露出するように、レジスト55がパターニングされる。そして、レジスト55で覆われていない領域がエッチングされることにより、例えば図9に示されるように、絶縁層53に凹部61が形成される。そして、レジスト55が除去される。
【0037】
次に、凹部61内に金属を含む配線材料が埋め込まれ、配線材料がパターニングされる。これにより、例えば図10に示されるように、信号配線220、グランド配線221、コンタクト225、およびコンタクト226が形成される。
【0038】
次に、再びレジスト55が積層され、溝212が形成される領域が露出するようにレジスト55がパターニングされる。そして、レジスト55で覆われていない領域がエッチングされることにより、例えば図11に示されるように、溝212が形成される。そして、レジスト55が除去される。
【0039】
次に、供給プール270に液体状のEOポリマー27が供給されることにより、溝26を介して、変調器21の溝212内にEOポリマー27が供給される。そして、例えば基板Wがアニールされることにより、溝212内のEOポリマー27が硬化される。これにより、例えば図4に示した変調器21が形成される。
【0040】
[実施例1の効果]
上記説明から明らかなように、本実施例の光送信デバイス20は、変調器21と、溝26と、供給プール270とを有する。変調器21は、基板Wに形成された導波路23上に形成された溝212であって、EOポリマー27が配置された溝212を有する。また、変調器21は、電気信号によって溝212に配置されたEOポリマー27の屈折率を変化させることで導波路23を伝搬する光の位相を変化させることにより導波路23を伝搬する光を変調する。供給プール270は、基板W上に形成され、溝212よりも幅が広い。溝26は、基板W上に形成され、溝212と供給プール270とに連通する。また、溝26および供給プール270には、EOポリマー27が配置されている。これにより、液体状のEOポリマー27を供給するディスペンサのノズルの先端の位置合わせが容易になる。また、先端がそれほど細くないノズルを有するディスペンサを用いてEOポリマー27を塗布することができるため、ノズルの先端からEOポリマー27を容易に吐出することができる。これにより、それぞれの変調器21内の溝212に十分な量のEOポリマー27が配置されるため、小型化に伴う光信号の周波特性の劣化を抑制することができる。
【0041】
また、上記した実施例1の光送信デバイス20において、変調器21には、YI変調器21-3およびYQ変調器21-4が含まれる。溝26には、供給プール270とYQ変調器21-4の溝212とに連通する溝260と、YQ変調器21-4の溝212とYI変調器21-3の溝212とに連通する溝261-1とが含まれる。これにより、複数の変調器21内に十分な量のEOポリマー27を容易に配置することができる。これにより、光送信デバイス20の小型化に伴う光信号の周波特性の劣化を抑制することができる。
【0042】
また、上記した実施例1の光送信デバイス20において、溝26には、YI変調器21-3の溝212に連通する溝261-2がさらに含まれる。YI変調器21-3の溝212には、溝261-2を介して溝212よりも幅が広い終端プール271が連通している。終端プール271内に液体状のEOポリマー27が流れ込んだか否かを確認することにより、それぞれの変調器21内の溝212にEOポリマー27が配置されたか否かを容易に判定することができる。
【実施例2】
【0043】
実施例1における光送信デバイス20では、溝26を介して、複数の変調器21の溝212が供給プール270および終端プール271に直列に連通する。そのため、液体状のEOポリマー27の粘度が高い場合には、それぞれの変調器21の溝212がEOポリマー27で満たされるまでに要する時間が長くなる場合がある。そこで、本実施例2では、溝26を介して、複数の変調器21の溝212が供給プール270および終端プール271に並列に連通する。これにより、それぞれの変調器21の溝212がEOポリマー27で満たされるまでに要する時間を短縮することができる。
【0044】
[光送信デバイス20の構成]
図12は、実施例2における光送信デバイス20の一例を示す図である。なお、以下に説明する点を除き、図12において、図2と同じ符号が付された部材は、図2において説明された部材と同様であるため、重複する説明を省略する。
【0045】
本実施例において、溝26は、溝263、溝264-1~264-4、溝265、および溝266-1~266-4を有する。溝263の端部には、変調器21内の溝212よりも幅が広い溝である供給プール270が連通している。溝263には、溝264-1~264-4の一端がそれぞれ連通している。溝264-1の他端は、YQ変調器21-4内の溝212に連通している。溝264-2の他端は、YI変調器21-3内の溝212に連通している。溝264-3の他端は、XQ変調器21-2内の溝212に連通している。溝264-4の他端は、XI変調器21-1内の溝212に連通している。
【0046】
供給プール270に供給された液体状のEOポリマー27は、溝263を流れ、溝264-1~264-4を介して、それぞれの変調器21の溝212に供給される。これにより、それぞれの変調器21の溝212がEOポリマー27で満たされるまでに要する時間を短縮することができる。溝263は、第1の共通溝の一例であり、溝264-1は、第1の分岐溝の一例であり、溝264-2は、第2の分岐溝の一例である。
【0047】
また、溝265の端部には、変調器21内の溝212よりも幅が広い終端プール271が連通している。溝265には、溝266-1~266-4の一端がそれぞれ連通している。溝266-1の他端は、XI変調器21-1内の溝212に連通している。溝266-2の他端は、XQ変調器21-2内の溝212に連通している。溝266-3の他端は、YI変調器21-3内の溝212に連通している。溝266-4の他端は、YQ変調器21-4内の溝212に連通している。
【0048】
それぞれの変調器21内の溝212から溢れた液体状のEOポリマー27は、溝266-1~266-4にそれぞれ流れ込む。溝266-1~266-4のそれぞれに流れ込んだ液体状のEOポリマー27は、溝265を介して、終端プール271に流れ込む。これにより、それぞれの変調器21の溝212がEOポリマー27で満たされたか否かを迅速に確認することができる。溝265は、第2の共通溝の一例であり、溝266-4は、第3の分岐溝の一例であり、溝266-3は、第4の分岐溝の一例である。
【0049】
[実施例2の効果]
上記説明から明らかなように、本実施例の光送信デバイス20において、変調器21には、YI変調器21-3とYQ変調器21-4とが含まれている。また、溝26には、溝263と、溝264-1と、溝264-2とが含まれる。溝263は、供給プール270に連通している。溝264-1は、一端が溝263に連通しており、他端がYQ変調器21-4の溝212に連通している。溝264-2は、一端が溝263に連通しており、他端がYI変調器21-3の溝212に連通している。これにより、それぞれの変調器21の溝212がEOポリマー27で満たされるまでに要する時間を短縮することができる。
【0050】
また、上記した実施例2の光送信デバイス20において、溝26には、溝265と、溝266-3と、溝266-4がさらに含まれる。溝266-4の一端は溝265に連通しており、溝266-4の他端はYQ変調器21-4の溝212に連通している。溝266-3の一端は溝265に連通しており、溝266-3の他端はYI変調器21-3の溝212に連通している。溝265の端部には、変調器21内の溝212よりも幅が広い終端プール271が連通している。YI変調器21-3およびYQ変調器21-4の溝212から溢れた液体状のEOポリマー27は、それぞれ、溝266-3および溝266-4を介して終端プール271に溜まる。これにより、それぞれの変調器21の溝212がEOポリマー27で満たされたか否かを迅速に確認することができる。
【実施例3】
【0051】
実施例2における光送信デバイス20では、溝263および溝265の幅は一定である。これに対し、本実施例3では、供給プール270から離れるほど溝263の幅が狭くなり、終端プール271に近づくほど溝265の幅が広くなる。これにより、それぞれの変調器21の溝212がEOポリマー27で満たされるまでに要する時間をさらに短縮することができる。また、溝265内においてEOポリマー27が溢れることを防止することができる。
【0052】
[光送信デバイス20の構成]
図13は、実施例3における光送信デバイス20の一例を示す図である。なお、以下に説明する点を除き、図13において、図2または図12と同じ符号が付された部材は、図2または図12において説明された部材と同様であるため、重複する説明を省略する。
【0053】
本実施例において、溝26は、溝263、溝264-1~264-4、溝265、および溝266-1~266-4を有する。溝263の端部には、変調器21内の溝212よりも幅が広い供給プール270が連通している。溝263には、溝264-1~264-4の一端がそれぞれ連通している。溝265の端部には、変調器21内の溝212よりも幅が広い終端プール271が連通している。溝265には、溝266-1~266-4の一端がそれぞれ連通している。なお、以下では、溝264-1~264-4のそれぞれを区別することなく総称する場合に溝264と記載し、溝266-1~266-4のそれぞれを区別することなく総称する場合に溝266と記載する。
【0054】
図14は、溝263の幅の一例を説明するための拡大図である。例えば図14に示されるように、供給プール270と溝263とが連通する位置(以下、連通位置と記載する)と、溝264-1と溝263との連通位置との間の溝263の範囲をR1と定義する。また、溝264-1と溝263との連通位置と、溝264-2と溝263との連通位置との間の溝263の範囲をR2と定義する。また、溝264-2と溝263との連通位置と、溝264-3と溝263との連通位置との間の溝263の範囲をR3と定義する。また、溝264-3と溝263との連通位置と、溝264-4と溝263との連通位置との間の溝263の範囲をR4と定義する。
【0055】
例えば図14に示されるように、範囲R1における溝263の幅W1は、範囲R2における溝263の幅W2よりも広い。また、範囲R2における溝263の幅W2は、範囲R3における溝263の幅W3よりも広い。また、範囲R3における溝263の幅W3は、範囲R4における溝263の幅W4よりも広い。このように、本実施例3では、溝263に沿って供給プール270から離れる方向において、溝263と溝264との連通位置を通過するたびに溝263の幅が狭くなっている。これにより、供給プール270に供給された液体状のEOポリマー27が溝263内を流れ、溝263と溝264との連通位置を通過する際に、EOポリマー27の液面の低下が抑制される。そのため、溝263内を流れるEOポリマー27の流速の低下を抑制することができる。これにより、それぞれの変調器21の溝212にEOポリマー27を迅速に配置することができる。
【0056】
図15は、溝265の幅の一例を説明するための拡大図である。例えば図15に示されるように、終端プール271と溝265との連通位置と、溝266-1と溝265との連通位置との間の溝265の範囲をR1’と定義する。また、溝266-1と溝265との連通位置と、溝266-2と溝265との連通位置との間の溝265の範囲をR2’と定義する。また、溝266-2と溝265との連通位置と、溝266-3と溝265との連通位置との間の溝265の範囲をR3’と定義する。また、溝266-3と溝265との連通位置と、溝266-4と溝265との連通位置との間の溝265の範囲をR4’と定義する。
【0057】
例えば図15に示されるように、範囲R1’における溝265の幅W1’は、範囲R2’における溝265の幅W2’よりも広い。また、範囲R2’における溝265の幅W2’は、範囲R3’における溝265の幅W3’よりも広い。また、範囲R3’における溝265の幅W3’は、範囲R4’における溝265の幅W4’よりも広い。このように、本実施例3では、溝265に沿って終端プール271に近づく方向において、溝265と溝266との連通位置を通過するたびに溝265の幅が広くなっている。これにより、それぞれの溝266-1~266-4を介して液体状のEOポリマー27が溝265内に流れ込む際に、溝265内においてEOポリマー27が溢れることを防止することができる。
【0058】
[実施例3の効果]
上記説明から明らかなように、本実施例の光送信デバイス20において、溝264-1の一端は、溝264-2と溝263との連通位置よりも供給プール270側の溝263に連通している。また、溝264-1と溝263との連通位置と、供給プール270との間の範囲R1における溝263の幅W1は、溝264-2と溝263との連通位置と、溝264-1と溝263との連通位置との間の範囲R2における溝263の幅W2よりも広い。これにより、供給プール270に供給された液体状のEOポリマー27が溝263内を流れ、溝263と溝264との連通位置を通過する際に、EOポリマー27の液面の低下が抑制される。そのため、溝263内を流れるEOポリマー27の流速の低下を抑制することができる。これにより、それぞれの変調器21の溝212にEOポリマー27を迅速に配置することができる。
【0059】
また、上記した実施例3の光送信デバイス20において、溝266-3の一端は、溝266-4と溝265との連通位置よりも終端プール271側の溝265に連通している。また、溝266-3と溝265との連通位置と、終端プール271との間の範囲R1’~R3’における溝265の幅は、溝266-4と溝265との連通位置と、溝266-3と溝265との連通位置との間の範囲R4’における溝265の幅よりも広い。これにより、それぞれの溝266-1~266-4を介して液体状のEOポリマー27が溝265内に流れ込む際に、溝265内においてEOポリマー27が溢れることを防止することができる。
【0060】
[その他]
なお、開示の技術は、上記した各実施例に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0061】
例えば、上記した実施例1では、XI変調器21-1内の溝212に溝262を介して終端プール271が連通しているが、開示の技術はこれに限られない。例えば図16に示されるように、光送信デバイス20には、溝262および終端プール271が設けられていなくてもよい。図16は、実施例1における光送信デバイス20の他の例を示す図である。これにより、溝262および終端プール271内に流れ込む分のEOポリマー27の量を削減することができるため、EOポリマー27の消費量を低減することができる。また、溝262および終端プール271を配置するためのスペースが不要となるため、光送信デバイス20をより小型化することができる。
【0062】
また、上記した実施例2および3では、それぞれの変調器21内の溝212に、溝266-1~266-4を介して終端プール271が連通しているが、開示の技術はこれに限られない。例えば図17および図18に示されるように、光送信デバイス20には、溝266-1~266-4および終端プール271が設けられていなくてもよい。図17は、実施例2における光送信デバイス20の他の例を示す図である。図18は、実施例3における光送信デバイス20の他の例を示す図である。これにより、溝266-1~266-4および終端プール271内に流れ込む分のEOポリマー27を削減することができると共に、光送信デバイス20をより小型化することができる。
【0063】
なお、図17および図18では、溝263および溝264-1~264-4が、それぞれの変調器21の入力側に配置されているが、開示の技術はこれに限られない。例えば、溝263および溝264-1~264-4は、それぞれの変調器21の終端側に配置されていてもよい。これにより、溝263を跨ぐようにパッド222に接続される入力側のボンディングワイヤを短くすることができる。これにより、信号配線220に入力される送信信号の品質劣化を抑えることができ、送信信号の品質を向上させることができる。
【0064】
また、供給プール270は、例えば図19に示されるように、溝264-1~264-4のそれぞれの端部に設けられてもよい。図19は、光送信デバイス20のさらなる他の例を示す図である。供給プール270-1に供給された液体状のEOポリマー27は、溝264-1を介してYQ変調器21-4の溝212に供給される。供給プール270-2に供給された液体状のEOポリマー27は、溝264-2を介してYI変調器21-3の溝212に供給される。供給プール270-3に供給された液体状のEOポリマー27は、溝264-3を介してXQ変調器21-2の溝212に供給される。供給プール270-4に供給された液体状のEOポリマー27は、溝264-4を介してXI変調器21-1の溝212に供給される。これにより、供給プール270と変調器21との距離を短くすることができ、それぞれの変調器21の溝212により迅速にEOポリマー27を配置することができる。また、図19の例では、溝263が設けられていないため、溝263に流れ込む分のEOポリマー27を削減することができ、EOポリマー27の消費量を低減することができる。
【符号の説明】
【0065】
W 基板
10 光送受信装置
11 光送受信部
12 LD
13 DSP
20 光送信デバイス
21 変調器
21-1 XI変調器
21-2 XQ変調器
21-3 YI変調器
21-4 YQ変調器
210 半導体層
211 シリコン層
212 溝
220 信号配線
221 グランド配線
222 パッド
23 導波路
230 入力端
231 出力端
24 VOA
25 PR
26 溝
261 溝
262 溝
263 溝
264 溝
265 溝
27 EOポリマー
270 供給プール
271 終端プール
28 mPD
29 PBC
30 光受信デバイス
51 BOX層
53 絶縁層
55 レジスト
60 凹部
61 凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19