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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-18
(54)【発明の名称】風速計および風速測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01P 5/08 20060101AFI20230511BHJP
【FI】
G01P5/08 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019163031
(22)【出願日】2019-09-06
(65)【公開番号】P2021042980
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145872
【弁理士】
【氏名又は名称】福岡 昌浩
(74)【代理人】
【識別番号】100187643
【弁理士】
【氏名又は名称】白鳥 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】雲藤 勝義
【審査官】岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】特開平7-140161(JP,A)
【文献】米国特許第03991624(US,A)
【文献】特開平6-194374(JP,A)
【文献】特開昭53-133058(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01P 5/00- 5/26
G01P13/00-13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のストロハル数を有する柱状のセンサと、
前記センサを支持する支持部と、
前記センサからの風音を集音する集音部と、
前記集音部が集音した前記風音を周波数解析し、風音スペクトルを取得する周波数解析部と、
前記風音スペクトルにおいて卓越したピークの卓越周波数と、前記ストロハル数とに基づいて、風速を算出する風速算出部と、
を有し、
前記支持部は、前記センサの両端を支持する一対の支柱を有し、
前記一対の支柱のそれぞれは、前記センサよりも太い
風速計。
【請求項2】
前記一対の支柱のそれぞれは、角柱状に構成される
請求項1に記載の風速計。
【請求項3】
所定のストロハル数を有する柱状のセンサと、
前記センサを支持する支持部と、
前記センサからの風音を集音する集音部と、
前記集音部が集音した前記風音を周波数解析し、風音スペクトルを取得する周波数解析部と、
前記風音スペクトルにおいて卓越したピークの卓越周波数と、前記ストロハル数とに基づいて、風速を算出する風速算出部と、
を有し、
前記支持部は、前記センサの両端を支持する一対の支柱を有し、
前記一対の支柱のそれぞれは、角柱状に構成される
風速計。
【請求項4】
前記一対の支柱のそれぞれは、円柱よりもカルマン渦の発生を抑制する凹凸を外周に有する
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の風速計。
【請求項5】
所定のストロハル数を有する柱状のセンサと、
前記センサを支持する支持部と、
前記センサからの風音を集音する集音部と、
前記集音部が集音した前記風音を周波数解析し、風音スペクトルを取得する周波数解析部と、
前記風音スペクトルにおいて卓越したピークの卓越周波数と、前記ストロハル数とに基づいて、風速を算出する風速算出部と、
を有し、
前記支持部は、前記センサの両端を支持する一対の支柱を有し、
前記一対の支柱のそれぞれは、円柱よりもカルマン渦の発生を抑制する凹凸を外周に有する
風速計。
【請求項6】
前記集音部は、指向性を有し、
前記集音部の前記指向性が相対的に高い方向は、前記センサに向けられる
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の風速計。
【請求項7】
前記センサは、円柱状に構成される
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の風速計。
【請求項8】
風向に対して前記センサの中心軸が垂直に近づくように、少なくとも前記支持部を水平方向に回転可能に保持する回転保持部を有する
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の風速計。
【請求項9】
前記センサの軸方向の長さは、700mm以上である
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の風速計。
【請求項10】
前記センサの太さは、5mm以上20mm以下である
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の風速計。
【請求項11】
所定のストロハル数を有する柱状のセンサからの風音を集音する工程と、
集音した前記風音を周波数解析し、風音スペクトルを取得する工程と、
前記風音スペクトルにおいて卓越したピークの卓越周波数と、前記ストロハル数とに基づいて、風速を算出する工程と、
を有し、
前記風音を集音する工程では、
前記センサよりも太い一対の支柱により、前記センサの両端を支持した状態で、前記風音を集音する
風速測定方法。
【請求項12】
所定のストロハル数を有する柱状のセンサからの風音を集音する工程と、
集音した前記風音を周波数解析し、風音スペクトルを取得する工程と、
前記風音スペクトルにおいて卓越したピークの卓越周波数と、前記ストロハル数とに基づいて、風速を算出する工程と、
を有し、
前記風音を集音する工程では、
角柱状に構成された一対の支柱により、前記センサの両端を支持した状態で、前記風音を集音する
風速測定方法。
【請求項13】
所定のストロハル数を有する柱状のセンサからの風音を集音する工程と、
集音した前記風音を周波数解析し、風音スペクトルを取得する工程と、
前記風音スペクトルにおいて卓越したピークの卓越周波数と、前記ストロハル数とに基づいて、風速を算出する工程と、
を有し、
前記風音を集音する工程では、
円柱よりもカルマン渦の発生を抑制する凹凸を外周に有する一対の支柱により、前記センサの両端を支持した状態で、前記風音を集音する
風速測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風速計および風速測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
風速を測定する風速計として、様々な方式の計測器が用いられている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-231148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、風速を容易かつ精度よく測定することができる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、
所定のストロハル数を有する柱状のセンサと、
前記センサを支持する支持部と、
前記センサからの風音を集音する集音部と、
前記集音部が集音した前記風音を周波数解析し、風音スペクトルを取得する周波数解析部と、
前記風音スペクトルにおいて卓越したピークの卓越周波数と、前記ストロハル数とに基づいて、風速を算出する風速算出部と、
を有し、
前記支持部は、前記センサの両端を支持する一対の支柱を有する
風速計が提供される。
【0006】
本発明の他の態様によれば、
所定のストロハル数を有する柱状のセンサからの風音を集音する工程と、
集音した前記風音を周波数解析し、風音スペクトルを取得する工程と、
前記風音スペクトルにおいて卓越したピークの卓越周波数と、前記ストロハル数とに基づいて、風速を算出する工程と、
を有し、
前記風音を集音する工程では、
前記センサの両端を支持した状態で、前記風音を集音する
風速測定方法が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、風速を容易かつ精度よく測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る風速計を示す概略構成図である。
図2】風速に対する風音の卓越周波数を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る風速測定方法を示すフローチャートである。
図4A】本発明の一実施形態の変形例1に係る支柱を示す斜視図である。
図4B】本発明の一実施形態の変形例2に係る支柱を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
<発明者の得た知見>
まず、発明者の得た知見について説明する。
【0010】
(プロペラ式の場合)
特許文献1のようなプロペラ式の風速計は、例えば、プロペラと、プロペラを回転させる可動部(モータ)と、を有する。プロペラが風を受けると、プロペラが回転し、可動部に起電力を生じさせる。これにより、起電力に基づいて風速を測定する。
【0011】
しかしながら、プロペラ式の風速計では、プロペラが慣性の影響を受ける場合があった。プロペラの慣性の影響を受けると、測定される風速が実際の風速よりも速くなったり遅くなったりする可能性があった。
【0012】
また、プロペラの軸受けにおいて摩擦が発生するため、プロペラの反応が遅く、プロペラが急激な風速の変動に追従できない可能性があった。
【0013】
(超音波式の場合)
プロペラ式の風速計のほかに、超音波式の風速計が存在する。超音波式の風速計は、例えば、超音波を放出する送信部と、超音波を受信する受信部と、を有する触診部を備える。送信部および受信部の間で超音波を送受信している状態で、これらの間に風が通過すると、超音波の周波数がドップラー効果によってわずかに変化する。このとき、超音波の周波数のずれを検出することで、周波数のずれに基づいて風速を算出することができる。
【0014】
しかしながら、超音波式の風速計では、レスポンスは良いが、触診部の超音波の送受信精度を向上させる必要があった。このため、風速計が複雑化または重量化し、風速計が高価となっていた。
【0015】
したがって、風速を容易かつ精度よく測定することができる技術が望まれていた。
【0016】
本発明は、本発明者が見出した上記知見に基づくものである。
【0017】
<本開示の実施態様>
次に、本開示の実施態様を列記して説明する。
【0018】
[1]本開示の一態様に係る風速計は、
所定のストロハル数を有する柱状のセンサと、
前記センサを支持する支持部と、
前記センサからの風音を集音する集音部と、
前記集音部が集音した前記風音を周波数解析し、風音スペクトルを取得する周波数解析部と、
前記風音スペクトルにおいて卓越したピークの卓越周波数と、前記ストロハル数とに基づいて、風速を算出する風速算出部と、
を有し、
前記支持部は、前記センサの両端を支持する一対の支柱を有する。
この構成によれば、風速を容易かつ精度よく測定することができる。
【0019】
[2]上記[1]に記載の風速計において、
前記一対の支柱のそれぞれは、前記センサよりも太い。
この構成によれば、ノイズとしての支柱からの風音を起因とした風速の測定精度の低下を抑制することができる。
【0020】
[3]上記[1]又は[2]に記載の風速計において、
前記一対の支柱のそれぞれは、角柱状に構成される。
この構成によれば、ノイズとしての支柱からの風音を起因とした風速の測定精度の低下を抑制することができる。
【0021】
[4]上記[1]から[3]のいずれか1つに記載の風速計において、
前記一対の支柱のそれぞれは、円柱よりもカルマン渦の発生を抑制する凹凸を外周に有する。
この構成によれば、ノイズとしての支柱からの風音を起因とした風速の測定精度の低下を抑制することができる。
【0022】
[5]上記[1]から[4]のいずれか1つに記載の風速計において、
前記集音部は、指向性を有し、
前記集音部の前記指向性が相対的に高い方向は、前記センサに向けられる。
この構成によれば、センサ以外からの暗騒音が集音部に集音されることを抑制し、センサ以外からの暗騒音に起因したノイズを低減することができる。
【0023】
[6]上記[1]から[5]のいずれか1つに記載の風速計において、
前記センサは、円柱状に構成される。
この構成によれば、センサの外周面への汚れや異物の付着を抑制することができる。
【0024】
[7]上記[1]から[6]のいずれか1つに記載の風速計において、
風向に対して前記センサの中心軸が垂直に近づくように、少なくとも前記支持部を水平方向に回転可能に保持する回転保持部を有する。
この構成によれば、センサの下流側に効率よくカルマン渦を発生させることができる。
【0025】
[8]上記[1]から[7]のいずれか1つに記載の風速計において、
前記センサの軸方向の長さは、700mm以上である。
この構成によれば、風音スペクトルにおいて卓越したピークを容易に判別し、卓越周波数を精度よく測定することができる。
【0026】
[9]上記[1]から[8]のいずれか1つに記載の風速計において、
前記センサの太さは、5mm以上20mm以下である。
この構成によれば、センサの撓みを抑制することができる。また、センサの感度を向上させることができる。
【0027】
[10]本開示の他の態様に係る風速測定方法は、
所定のストロハル数を有する柱状のセンサからの風音を集音する工程と、
集音した前記風音を周波数解析し、風音スペクトルを取得する工程と、
前記風音スペクトルにおいて卓越したピークの卓越周波数と、前記ストロハル数とに基づいて、風速を算出する工程と、
を有し、
前記風音を集音する工程では、
前記センサの両端を支持した状態で、前記風音を集音する。
この構成によれば、風速を容易かつ精度よく測定することができる。
【0028】
[本開示の実施形態の詳細]
次に、本開示の一実施形態を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0029】
<本発明の一実施形態>
(1)風速計
まず、本発明の一実施形態に係る風速計について説明する。図1は、本実施形態に係る風速計を示す概略構成図である。
【0030】
図1に示すように、本実施形態の風速計10は、例えば、センサ(測定柱)100と、支持部200と、集音部(マイク)300と、回転保持部500と、AD変換部410と、周波数解析部420と、風速算出部430と、記録部(データロガー)440と、表示部(モニタ)450を有している。
【0031】
(センサ)
センサ100は、例えば、柱状に構成されている。センサ100に対して軸方向に交差する方向から風が吹きつけられると、センサ100の下流側に、カルマン渦と呼ばれる気流の渦が生じうる。カルマン渦を生じさせることで、特定の卓越周波数を有する風音を発生させることができる。後述するように、センサ100からの風音の卓越周波数を測定することで、風速を求めることができる。
【0032】
本実施形態では、センサ100は、例えば、円柱状に構成され、平滑な円弧状(円筒状)の外周面を有している。言い換えれば、センサ100の外周には、凹凸や線状体などの構造物が設けられていない。
【0033】
また、センサ100は、所定のストロハル数(St)を有している。ここでいう「ストロハル数」とは、風速に対して風音の卓越周波数が比例する比例定数のことを意味し、物体の形状などに依存する。上述のように、センサ100が円柱状に構成される場合には、ストロハル数は、例えば、0.18以上0.22以下である。なお、センサ100が円柱状に構成される場合では、ストロハル数は、センサ100の軸方向の長さやセンサ100の太さによらず、ほぼ一定の値となる。
【0034】
本実施形態では、センサ100の軸方向の長さは、例えば、700mm以上、好ましくは800mm超である。センサ100の軸方向の長さが700mm未満であると、例えば風速10m/s以下のときに、センサ100から発せられる風音のスペクトル(以下、風音スペクトルともいう)において卓越するピークのレベルが、通常の市街地の暗騒音レベル(40dB程度)以下となる可能性がある。このため、風音スペクトルにおいて卓越したピークを判別することが困難となり、卓越周波数の測定精度を向上させることが困難となる可能性がある。これに対し、本実施形態では、センサ100の軸方向の長さを700mm以上とすることで、例えば風速10m/s以下のときであっても、風音スペクトルのピークのレベルを通常の市街地の暗騒音レベル超とすることができる。これにより、風音スペクトルにおいて卓越したピークを容易に判別し、卓越周波数を精度よく測定することができる。さらにセンサ100の軸方向の長さを800mm超とすることで、例えば風速5m/s以下のときであっても、風音スペクトルのピークのレベルを暗騒音レベル超とすることができる。
【0035】
なお、センサ100の軸方向の長さの上限値は、特に限定されない。ただし、センサ100の軸方向の長さを過剰に長くすると、支持部200の重量も重くなり、可搬性が悪くなる可能性がある。また、センサ100の軸方向の長さが長くなっても、卓越するピークのレベルが大きく変わらない。したがって、センサ100の軸方向の長さは、1500mm以下であれば、実用的であると考えられる。
【0036】
また、本実施形態では、センサ100の太さは、例えば、5mm以上20mm以下、好ましくは10mm以下である。ここでいう「センサ100の太さ」は、センサ100が中心軸に対して非等方的である場合には、センサ100の最大太さ(最大幅)のことを意味する。一方で、「センサ100の太さ」は、センサ100が上述のような円柱状である場合には、センサ100の直径のことを意味する。
【0037】
センサ100の太さが5mm未満であると、センサ100の両端を支持していても、センサ100が強風を受けたときに撓んでしまう可能性がある。このため、風速が速いときの測定精度を向上させることが困難となる可能性がある。これに対し、本実施形態では、センサ100の太さを5mm以上とすることで、センサ100が強風を受けたとしても、センサ100の撓みを抑制することができる。これにより、風速が速いときであっても測定精度を向上させることができる。
【0038】
一方で、センサ100の太さが20mm超であると、卓越周波数が小さくなったときに、同時に卓越レベルも低くなる。また、風速に対する卓越周波数の傾きが緩やかになる。このため、特に低風速領域において、卓越周波数の測定精度を向上させることが困難となる可能性がある。これに対し、本実施形態では、センサ100の太さを20mm以下とすることで、卓越周波数が小さくなったときに、同時に卓越レベルも低くなることを抑制することができる。また、風速に対する卓越周波数の傾きを所定値以上に確保することができる。これらにより、センサ100の感度を向上させることができる。その結果、低風速領域であっても、卓越周波数の測定精度を向上させることができる。
【0039】
(支持部)
支持部200は、例えば、センサ100を支持している。本実施形態では、支持部200は、例えば、一対の支柱220と、連結部240と、を有している。
【0040】
一対の支柱220は、例えば、センサ100の両端を支持している。これにより、センサ100の撓みを抑制することができる。
【0041】
一対の支柱220は、例えば、鉛直方向に立設され、センサ100を水平方向に沿って支持している。これにより、センサ100を鉛直方向に沿って支持する場合と比較して、長尺なセンサ100を安定的に支持することができる。
【0042】
また、一対の支柱220のそれぞれは、例えば、センサ100よりも太くなっている。これにより、センサ100からの風音と支柱220からの風音との干渉を抑制することができる。なお、ここでは、支柱220は、例えば、円柱状に構成されている。
【0043】
連結部240は、例えば、柱状に構成され、一対の支柱220の下端同士を連結している。連結部240の軸方向の長さは、例えば、センサ100の軸方向の長さと等しい。連結部240は、例えば、センサ100と平行に設けられている。これにより、一対の支柱220の間隔を固定し、センサ100の撓みを抑制することができる。
【0044】
(集音部)
集音部300は、例えば、センサ100からの風音を集音(取得)するよう構成されている。集音部300は、センサ100から集音した風音のアナログ信号を出力する。
【0045】
集音部300は、例えば、指向性を有している。集音部300の指向性が相対的に高い方向(集音感度が高い方向、受感部)は、例えば、センサ100に向けられている。これにより、センサ100以外の暗騒音に起因したノイズを低減することができる。さらには、集音部300の指向性が相対的に高い方向は、例えば、一対の支柱220の間におけるセンサ100の中点に向けられていることが好ましい。これにより、支柱220に起因したノイズを低減することができる。
【0046】
(回転保持部)
回転保持部500は、例えば、風向に対してセンサ100の中心軸が垂直に近づく(好ましくは垂直になる)ように、少なくとも支持部200を水平方向に回転可能に保持している。これにより、センサ100の下流側に効率よくカルマン渦を発生させることができる。
【0047】
本実施形態では、回転保持部500は、例えば、集音部300がセンサ100からの風音を集音する感度を風向に応じて高くするように、支持部200とともに集音部300を水平方向に回転可能に保持している。これにより、センサ100からの風音を精度よく集音することができる。
【0048】
具体的には、回転保持部500は、例えば、回転軸510と、ポテンショメータ520と、保持台530と、翼部540と、を有している。
【0049】
回転軸510は、例えば、鉛直方向に立設され、周方向に回転可能に構成されている。
【0050】
保持台530は、例えば、回転軸510を中心として回転可能に設けられ、支持部200および集音部300を保持している。具体的には、保持台530は、例えば、柱状に構成され、保持台530の中央部が回転軸510に回転可能に連結されている。保持台530は、例えば、鉛直方向から見て、センサ100が回転軸510と重なるように支持部200を保持している。保持台530の一端には、例えば、センサ100に向けて集音部300が配置されている。
【0051】
ポテンショメータ520は、例えば、回転軸510と保持台530との間に連結されている。ポテンショメータ520は、例えば、回転軸510を中心とする保持台530の回転角を検出し、回転角に基づく信号を出力するよう構成されている。
【0052】
翼部540は、例えば、保持台530上に設けられ、自身が風を受けることで、回転軸510を中心とする回転力を保持台530に与えるよう構成されている。翼部540は、例えば、鉛直方向から見てセンサ100の軸方向に直交するように保持台530上に配置されている。これにより、翼部540が風を受けたときに、風向に対してセンサ100の中心軸が垂直に近づくように、保持台530を回転させることができる。
【0053】
また、翼部540は、例えば、鉛直方向から見てセンサ100を挟んで集音部300と反対側に設けられている。翼部540が風を受けたときに、保持台530は、集音部300がセンサ100よりも風上側で風下に向いて配置されるように回転する。これにより、集音部300の振動部自身が風を受けて振動することを抑制することができる。その結果、風音の誤検出を抑制することができる。
【0054】
(AD変換部)
AD変換部410は、例えば、集音部300に接続され、集音部300から出力された風音のアナログ信号をデジタル信号に変換するよう構成されている。
【0055】
(周波数解析部)
周波数解析部420は、例えば、AD変換部410に接続され、集音部300が集音した風音のデジタル信号に基づいて、風音を高速フーリエ変換により周波数解析し、風音スペクトルを取得するよう構成されている。ここでの周波数解析は、例えば1/3オクターブバンド分析により行われる。1/3オクターブバンド分析とは、周波数の1オクターブを3分割した各点で周波数分析を行う方法のことである。
【0056】
また、周波数解析部420は、例えば、得られた風音スペクトルにおいて卓越したピークを検出し、当該ピークの卓越周波数を取得するよう構成されている。
【0057】
(風速算出部)
風速算出部430は、例えば、風音スペクトルにおいて卓越したピークの卓越周波数を周波数解析部420から取得し、当該卓越周波数とストロハル数とに基づいて、風速を算出するよう構成されている。
【0058】
ここで、図2は、風速に対する風音の卓越周波数を示す図である。図2は、センサ100を円柱状とし、センサ100の外径を7mmとし、風速0~40m/sにおいて2m/s間隔で風速を上昇させた場合を示している。図2において、横軸は風速であり、左縦軸は卓越周波数であり、右縦軸はストロハル数である。
【0059】
図2に示すように、センサ100の下流側に生じるカルマン渦に起因した風音の卓越周波数は、風速に比例する傾向がある。風速が変化しても、比例定数であるストロハル数はほぼ一定である。
【0060】
風音の卓越周波数をf(Hz)とし、Dをセンサ100の外径(m)とし、Vを風速(m/s)とし、ストロハル数をStとしたときに、風音の卓越周波数fは、以下の式(1)で求められる。
【0061】
f=(V/D)×St ・・・(1)
【0062】
式(1)を風速Vについて解くと、以下の式(2)が得られる。
【0063】
V=fD/St ・・・(2)
【0064】
式(2)により、センサ100からの風音の卓越周波数fと、センサ100の形状に基づいて設定されたストロハル数Stとに基づいて、風速Vを求めることができる。
【0065】
(記録部)
記録部440は、例えば、風速計10で得られる各種データを記録するよう構成される。具体的には、記録部440は、例えば、AD変換部410、周波数解析部420、風速算出部430およびポテンショメータ520に対してデータを取得可能に接続されている。記録部440には、例えば、風音のデジタル信号に基づく音声データ、周波数解析部420が解析した風音スペクトル並びに卓越周波数、風速算出部430が算出した風速、およびポテンショメータ520が検知した保持台530の回転角、すなわち風向等が記録される。
【0066】
(表示部)
表示部450は、例えば、風速計10で得られる各種データを表示するよう構成されている。具体的には、表示部450は、例えば、風音スペクトル並びに卓越周波数、風速、および風向を表示するよう構成されている。
【0067】
(2)風速測定方法
次に、図3を用い、本実施形態に係る風速測定方法について説明する。図3は、本実施形態に係る風速測定方法を示すフローチャートである。なお、ステップを「S」と略している。
【0068】
本実施形態の風速測定工程は、例えば、集音工程S120と、周波数解析工程S140と、風速算出工程S160と、を有している。
【0069】
(S120:集音工程)
集音工程S120では、所定のストロハル数を有する柱状のセンサ100からの風音を集音する。
【0070】
具体的には、まず、回転保持部500の翼部540が風を受けることで、風向に対してセンサ100の中心軸が垂直に近づくように、保持台530を回転させる。保持台530を所定位置に回転させたら、集音部300を用い、センサ100からの風音を集音する。
【0071】
このとき、支持部200によりセンサ100の両端を支持した状態で、センサ100からの風音を集音する。
【0072】
また、このとき、集音部300から出力された風音のアナログ信号を、AD変換部410によりデジタル信号に変換する。その後、AD変換部410からの風音のデジタル信号に基づく音声データを記録部440に記録する。
【0073】
また、このとき、ポテンショメータ520により検出された保持台530の回転角、すなわち風向を記録部440に記録する。また、必要に応じて、表示部450に風向を表示させる。
【0074】
(S140:周波数解析工程)
集音工程S120が完了したら、集音した風音を周波数解析部420により周波数解析し、風音スペクトルを取得する。
【0075】
風音スペクトルを取得したら、得られた風音スペクトルにおいて卓越したピークを検出し、当該ピークの卓越周波数を取得する。
【0076】
風音スペクトルおよび卓越周波数を取得したら、風音スペクトルおよび卓越周波数を記録部440に記録する。また、必要に応じて、表示部450に風音スペクトルおよび卓越周波数を表示させる。
【0077】
(S160:風速算出工程)
周波数解析工程S140が完了したら、風速算出部430を用い、風音スペクトルにおいて卓越したピークの卓越周波数とストロハル数とに基づいて、上述の式(2)により風速を算出する。
【0078】
風速を算出したら、風速を記録部440に記録する。また、必要に応じて、表示部450に風速を表示させる。
【0079】
以上により、本実施形態の風速測定工程を終了する。なお、風向および風速の変化に応じて、上述の集音工程S120、周波数解析工程S140および風速算出工程S160を含むサイクルを繰り返してもよい。
【0080】
(3)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
【0081】
(a)本実施形態の風速計10では、一対の支柱220がセンサ100の両端を支持している。センサ100の両端を支持することにより、センサ100の撓みを抑制することができる。
【0082】
ここで、風速計において、柱状のセンサの一端のみが支持されている場合について考える。この場合、センサの一端のみが支持されているため、センサの他端側は非固定となっている。このため、センサに対して強風が吹きつけられると、センサの他端側が撓む可能性がある。センサが撓むと、センサの下流側に生じるカルマン渦が乱される。カルマン渦が乱されると、カルマン渦を起因とした風音が安定的に発生しない。風音が安定的に発生しないと、風音スペクトルのピークが不明確となる。このため、風音の卓越周波数を精度よく測定することが困難となる。その結果、センサの一端のみを支持する場合では、風速の測定精度が低下する可能性がある。
【0083】
これに対し、本実施形態では、センサ100の両端を支持することで、センサ100に対して強風が吹きつけられたとしても、センサ100の撓みを抑制することができる。センサ100の撓みを抑制することで、センサ100の下流側にカルマン渦の乱れを抑制することができる。カルマン渦の乱れを抑制することで、カルマン渦を起因とした風音を安定的に発生させることができる。風音を安定的に発生させることで、風音スペクトルのピークを明確にすることができる。これにより、風音の卓越周波数を精度よく測定することができる。その結果、風速の測定精度を向上させることができる。
【0084】
(b)センサ100の両端を支持することで、センサ100の被測定個所をセンサ100と支柱220との連結部から所定距離離すことができる。これにより、センサ100の被測定個所におけるカルマン渦の乱れを抑制することができる。その結果、センサ100と支柱220との連結部に起因した風速の測定精度の低下を抑制することができる。
【0085】
(c)センサ100からの風音としての音波を利用することで、風音の発生から遅延することなく、風音スペクトルにおける卓越周波数を測定することができる。これにより、プロペラ式の風速計と比較して、風速の測定応答速度を向上させることができる。
【0086】
(d)本実施形態では、センサ100が単なる柱状部材であり、風速計10が複雑な測定機構を有していない。これにより、超音波式の風速計と比較して、本実施形態の風速計10を簡略化および軽量化させることができる。その結果、風速計10のコストを低減することができる。
【0087】
(a)~(d)により、本実施形態では、風速を容易かつ精度よく測定することが可能となる。
【0088】
(e)センサ100を支持する一対の支柱220のそれぞれは、センサ100よりも太くなっている。支柱220をセンサ100よりも太くすることで、風音スペクトルにおいて、支柱220からの風音の卓越周波数を、センサ100からの風音の卓越周波数よりも低くすることができ、支柱220からの風音のピークとセンサ100からの風音との重なりを抑制することができる。これにより、センサ100からの風音と支柱220からの風音との干渉を抑制することができる。その結果、ノイズとしての支柱220からの風音を起因とした風速の測定精度の低下を抑制することができる。
【0089】
(f)集音部300は指向性を有し、集音部300の指向性が相対的に高い方向はセンサ100に向けられている。これにより、センサ100以外からの暗騒音が集音部300に集音されることを抑制し、センサ100以外からの暗騒音に起因したノイズを低減することができる。ノイズを低減することで、風音スペクトルのピークを明確にすることができ、風音の卓越周波数を精度よく測定することができる。その結果、風速の測定精度を安定的に向上させることができる。
【0090】
(g)本実施形態では、センサ100は円柱状に構成されている。これにより、センサ100の外周に構造物が設けられている場合と比較して、センサ100の外周面への汚れや異物の付着を抑制することができる。その結果、風速計10の測定精度を安定的に支持することができる。
【0091】
(h)回転保持部500は、風向に対してセンサ100の中心軸が垂直に近づくように、少なくとも支持部200を水平方向に回転可能に保持している。つまり、回転保持部500が風向に応じて適した位置に回転することで、センサ100に対して風を垂直に吹き付けることができる。これにより、センサ100の下流側に効率よくカルマン渦を発生させることができる。効率よくカルマン渦を発生させることで、センサ100からの風音を安定的に発生させることができる。その結果、風速の測定精度を安定的に向上させることができる。
【0092】
(i)センサ100の軸方向の長さを700mm以上とすることで、例えば風速10m/s以下のときであっても、風音スペクトルのピークのレベルを通常の市街地の暗騒音レベル超とすることができる。これにより、風音スペクトルにおいて卓越したピークを容易に判別し、卓越周波数を精度よく測定することができる。
【0093】
(j)センサ100の太さを5mm以上とすることで、センサ100が強風を受けたとしても、センサ100の撓みを抑制することができる。これにより、風速が速いときであっても測定精度を向上させることができる。センサ100の太さを20mm以下とすることで、卓越周波数が小さくなったときに、同時に卓越レベルも低くなることを抑制することができる。また、風速に対する卓越周波数の傾きを所定値以上に確保することができる。これらにより、センサ100の感度を向上させることができる。その結果、低風速領域であっても、卓越周波数の測定精度を向上させることができる。
【0094】
(4)一実施形態の変形例
上述の実施形態は、必要に応じて、以下に示す変形例のように変更することができる。以下、上述の実施形態と異なる要素についてのみ説明し、上述の実施形態で説明した要素と実質的に同一の要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0095】
(4-1)一実施形態の変形例1
図4Aを用い、本実施形態の変形例1について説明する。図4Aは、本実施形態の変形例1に係る支柱を示す斜視図である。
【0096】
図4Aに示すように、本実施形態の変形例1の風速計10では、支柱220の構成が、上述の実施形態と異なっている。
【0097】
本変形例では、一対の支柱220のそれぞれは、例えば、角柱状に構成されている。ここでは、支柱220は、例えば、四角柱状に構成されている。なお、支柱220の角数は特に限定されない。また、支柱220は中心軸に対して回転対称であってもよいし、或いは非回転対称であってもよい。
【0098】
本変形例によれば、支柱220を角柱状に構成することで、支柱220付近におけるカルマン渦の発生を抑制し、支柱220からの風音の発生を抑制することができる。支柱220からの風音の発生を抑制することで、風音スペクトルのピークを明確にすることができる。これにより、風音の卓越周波数を精度よく測定することができる。その結果、ノイズとしての支柱220からの風音を起因とした風速の測定精度の低下を抑制することができる。
【0099】
(4-2)一実施形態の変形例2
図4Bを用い、本実施形態の変形例2について説明する。図4Bは、本実施形態の変形例2に係る支柱を示す斜視図である。
【0100】
図4Bに示すように、本実施形態の変形例2の風速計10では、支柱220の構成が、上述の実施形態および変形例1と異なっている。
【0101】
本変形例では、一対の支柱220のそれぞれは、例えば、円柱よりもカルマン渦の発生を抑制する凹凸を外周に有している。本変形例では、一対の支柱220のそれぞれは、例えば、外周に螺旋状に設けられる凸部222を有している。凸部222は、例えば、円柱状の支柱220の外周に線状体を巻き付けることで設けられている。なお、支柱220の外周の凹凸は、支柱220の外周を加工することで設けられていてもよい。
【0102】
本変形例によれば、支柱220の外周に凹凸を設けることで、支柱220の外周付近において凹凸によって気流の乱れを生じさせることができる。気流の乱れを生じさせることで、支柱220付近におけるカルマン渦の発生を抑制し、支柱220からの風音の発生を抑制することができる。支柱220からの風音の発生を抑制することによる効果は、上述の変形例1の効果と同様である。
【0103】
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0104】
上述の実施形態では、一対の支柱220が分かれている態様を示したが、一対の支柱220は、例えば、C字状に一続きに構成(連結)されていてもよい。
【0105】
上述の実施形態では、一対の支柱220が鉛直方向に立設され、センサ100を水平方向に沿って支持している場合について説明したが、一対の支柱220は水平方向に設けられ、センサ100を鉛直方向に沿って支持していてもよい。
【0106】
上述の実施形態では、周波数解析部420、風速算出部430および記録部440が別々に設けられている場合について説明したが、周波数解析部420、風速算出部430および記録部440は、例えば、1つの汎用のコンピュータとして構成されていてもよい。
【0107】
この場合、コンピュータは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、記録部440としての記憶装置、およびI/Oポートを有している。RAM、記憶装置、およびI/Oポートは、CPUとデータ交換可能に構成されている。I/Oポートには、例えば、AD変換部410などが接続されている。記憶装置は、上述の各種データやプログラムなどを読み出し可能に記憶するようになっている。RAMは、CPUによって記憶装置から読み出される各種データやプログラム等が一時的に保持されるよう構成されている。CPUは、記憶装置に格納された所定のプログラムを実行することにより、周波数解析部420、風速算出部430として機能するように構成されている。なお、上述の所定のプログラムは、記憶装置にインストールして用いられるが、そのインストールに先立ち、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納されて提供されるものであってもよいし、或いは後述の送受信部を介して当該コンピュータへ提供されるものであってもよい。
【0108】
上述の実施形態では、風速計10が周波数解析部420、風速算出部430および記録部440などを有する場合について説明したが、風速計10は、風速等の各種データを送信する送信部と、周波数解析部420、風速算出部430および記録部440を制御する信号等を受信する受信部とのうち少なくともいずれかをさらに有していてもよい。
【0109】
上述の実施形態の変形例2では、凸部222が円柱状の支柱220の外周に線状体を巻き付けることで設けられている場合について説明したが、凹凸は角柱状の支柱220の外周に設けられていてもよい。
【0110】
<本発明の好ましい態様>
以下、本発明の好ましい態様を付記する。
【0111】
(付記1)
所定のストロハル数を有する柱状のセンサと、
前記センサを支持する支持部と、
前記センサからの風音を集音する集音部と、
前記集音部が集音した前記風音を周波数解析し、風音スペクトルを取得する周波数解析部と、
前記風音スペクトルにおいて卓越したピークの卓越周波数と、前記ストロハル数とに基づいて、風速を算出する風速算出部と、
を有し、
前記支持部は、前記センサの両端を支持する一対の支柱を有する
風速計。
【0112】
(付記2)
前記一対の支柱のそれぞれは、前記センサよりも太い
付記1に記載の風速計。
【0113】
(付記3)
前記一対の支柱のそれぞれは、角柱状に構成される
付記1又は付記2に記載の風速計。
【0114】
(付記4)
前記一対の支柱のそれぞれは、円柱よりもカルマン渦の発生を抑制する凹凸を外周に有する
付記1から付記3のいずれか1つに記載の風速計。
【0115】
(付記5)
前記一対の支柱のそれぞれは、外周に螺旋状に設けられる凸部を有する
付記4に記載の風速計。
【0116】
(付記6)
前記集音部は、指向性を有し、
前記集音部の前記指向性が相対的に高い方向は、前記センサに向けられる
付記1から付記5のいずれか1つに記載の風速計。
【0117】
(付記7)
前記センサは、円柱状に構成される
付記1から付記6のいずれか1つに記載の風速計。
【0118】
(付記8)
風向に対して前記センサの中心軸が垂直に近づくように、少なくとも前記支持部を水平方向に回転可能に保持する回転保持部を有する
付記1から付記7のいずれか1つに記載の風速計。
【0119】
(付記9)
前記回転保持部は、前記集音部が前記センサからの風音を集音する感度を風向に応じて高くするように、前記支持部とともに前記集音部を水平方向に回転可能に保持する
付記1から付記8のいずれか1つに記載の風速計。
【0120】
(付記10)
前記センサの軸方向の長さは、700mm以上である
付記1から付記9のいずれか1つに記載の風速計。
【0121】
(付記11)
前記センサの太さは、5mm以上20mm以下である
付記1から付記10のいずれか1つに記載の風速計。
【0122】
(付記12)
所定のストロハル数を有する柱状のセンサからの風音を集音する工程と、
集音した前記風音を周波数解析し、風音スペクトルを取得する工程と、
前記風音スペクトルにおいて卓越したピークの卓越周波数と、前記ストロハル数とに基づいて、風速を算出する工程と、
を有し、
前記風音を集音する工程では、
前記センサの両端を支持した状態で、前記風音を集音する
風速測定方法。
【符号の説明】
【0123】
10 風速計
100 センサ
200 支持部
220 支柱
222 凸部
240 連結部
300 集音部
410 AD変換部
420 周波数解析部
430 風速算出部
440 記録部
450 表示部
500 回転保持部
510 回転軸
520 ポテンショメータ
530 保持台
540 翼部
図1
図2
図3
図4A
図4B