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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-18
(54)【発明の名称】作業機械の動作教示システム
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/20 20060101AFI20230511BHJP
   E02F 9/26 20060101ALI20230511BHJP
   E02F 3/43 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
E02F9/20 Q
E02F9/26 A
E02F3/43 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019175272
(22)【出願日】2019-09-26
(65)【公開番号】P2021050576
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-04-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】上村 佑介
(72)【発明者】
【氏名】野田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 洋一郎
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/115809(WO,A1)
【文献】特開平11-324027(JP,A)
【文献】特開平09-198133(JP,A)
【文献】特開2013-023982(JP,A)
【文献】特開2019-108775(JP,A)
【文献】特開2020-118018(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0223504(US,A1)
【文献】特開2001-182091(JP,A)
【文献】特開平10-008490(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/20
E02F 9/26
E02F 3/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械と、
前記作業機械と相互に通信可能な携帯端末と、
前記作業機械の姿勢情報を生成する情報生成手段と、
前記作業機械を動作させるための指令を生成する指令生成手段と、
を有する作業機械の動作教示システムであって
前記作業機械は、
下部走行体と、
前記下部走行体の上部に旋回可能に取り付けられた上部旋回体と、
前記上部旋回体を旋回させることが可能な旋回装置と、
前記上部旋回体に回動可能に取り付けられたアタッチメントと、
記下部走行体に対する前記上部旋回体の旋回角度を検出する旋回角度検出装置と、
前記アタッチメントの姿勢を検出する姿勢検出装置と、
前記指令生成手段によって生成された前記指令に基づいて、前記旋回装置および前記アタッチメントを動作させる動作制御手段と、
を有し、
前記情報生成手段は、前記旋回角度検出装置が検出した前記上部旋回体の旋回角度、および、前記姿勢検出装置が検出した前記アタッチメントの姿勢に基づいて、前記姿勢情報を生成し、
前記携帯端末は、
前記情報生成手段が生成した前記姿勢情報に基づいて、前記作業機械に行わせる一連の動作における前記アタッチメントの位置を教示する教示位置と、前記教示位置において目標とする前記姿勢情報とを対応付けたティーチングポイントを生成するポイント生成手段と、
前記ポイント生成手段が生成した前記ティーチングポイントを変更可能なポイント変更手段と、
を有し、
前記指令生成手段は、前記ポイント生成手段が生成した前記ティーチングポイントに基づいて、前記旋回装置および前記アタッチメントを自動で動作させるための自動運転指令を生成し、
前記指令生成手段は、前記ポイント変更手段によって前記ティーチングポイント変更された場合に、変更された前記ティーチングポイントに基づいて、前記自動運転指令を生成し、
前記動作制御手段は、前記指令生成手段によって生成された前記自動運転指令に基づいて、前記旋回装置および前記アタッチメントを自動で動作させることを特徴とする作業機械の動作教示システム。
【請求項2】
前記作業機械は、
前記旋回装置および前記アタッチメントを動作させるためにオペレータにより操作される操作レバーと、
前記操作レバーの操作の種類および操作量を連続的に検出する操作量検出装置と、
を有し、
前記旋回角度検出装置は、前記操作レバーの操作により連続的に変化する前記上部旋回体の旋回角度を連続的に検出し、
前記姿勢検出装置は、前記操作レバーの操作により連続的に変化する前記アタッチメントの姿勢を連続的に検出し、
前記情報生成手段は、前記操作量検出装置が連続的に検出した前記操作レバーの操作の種類および操作量と、前記旋回角度検出装置が連続的に検出した前記上部旋回体の旋回角度と、前記姿勢検出装置が連続的に検出した前記アタッチメントの姿勢とを対応付けた前記姿勢情報を連続的に生成し、
前記ポイント生成手段は、前記情報生成手段によって連続的に生成された前記姿勢情報に基づいて、前記操作レバーの操作パターンを抽出し、前記操作パターンが切り替わったときの前記ティーチングポイントである第1ティーチングポイントと、前記操作パターンが継続されているときの前記ティーチングポイントである第2ティーチングポイントとを生成することを特徴とする請求項1に記載の作業機械の動作教示システム。
【請求項3】
前記ポイント生成手段は、前記姿勢情報に含まれる前記操作レバーの操作の種類および操作量の情報に基づいて、前記一連の動作における一連の前記姿勢情報を複数の情報に区分し、
前記指令生成手段は、前記ポイント生成手段によって区分された前記複数の情報毎に、前記自動運転指令を生成することを特徴とする請求項2に記載の作業機械の動作教示システム。
【請求項4】
作業現場の周囲状況を取得する周囲状況取得装置を有し、
前記ポイント変更手段は、前記周囲状況取得装置によって取得された前記周囲状況に基づいて、前記ティーチングポイントを変更することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の作業機械の動作教示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械に動作を教示する作業機械の動作教示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているように、予め教示した掘削位置と放土位置とに基づいて、ショベルに一連の繰り返し動作を自動で行わせることが行われている。
【0003】
また、特許文献2には、バケットの先端を掘削したい場所に合わせた状態でスイッチ操作を行うことで、フロント装置の動き得る領域を設定するダイレクトティーチが開示されている。そして、ダイレクトティーチで設定された数値を基準として、数値入力スイッチでその数値を変更することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-182091号公報
【文献】特開平10-8490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、作業対象の位置や形状がティーチングで教示した内容と異なる場合がある。両者の異なる程度が大きい場合、ティーチングし直す必要があり、作業効率が悪い。両者の異なる程度が小さい場合、特許文献2のように数値変更で対応できる場合もあるが、作業機械を操作するオペレータがその都度入力するのは作業効率が悪い。
【0006】
本発明の目的は、作業効率を向上させることが可能な作業機械の動作教示システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、作業機械と、前記作業機械と相互に通信可能な携帯端末と、前記作業機械の姿勢情報を生成する情報生成手段と、前記作業機械を動作させるための指令を生成する指令生成手段と、を有する作業機械の動作教示システムであって、前記作業機械は、下部走行体と、前記下部走行体の上部に旋回可能に取り付けられた上部旋回体と、前記上部旋回体を旋回させることが可能な旋回装置と、前記上部旋回体に回動可能に取り付けられたアタッチメントと、前記下部走行体に対する前記上部旋回体の旋回角度を検出する旋回角度検出装置と、前記アタッチメントの姿勢を検出する姿勢検出装置と、前記指令生成手段によって生成された前記指令に基づいて、前記旋回装置および前記アタッチメントを動作させる動作制御手段と、を有し、前記情報生成手段は、前記旋回角度検出装置が検出した前記上部旋回体の旋回角度、および、前記姿勢検出装置が検出した前記アタッチメントの姿勢に基づいて、前記姿勢情報を生成し、前記携帯端末は、前記情報生成手段が生成した前記姿勢情報に基づいて、前記作業機械に行わせる一連の動作における前記アタッチメントの位置を教示する教示位置と、前記教示位置において目標とする前記姿勢情報とを対応付けたティーチングポイントを生成するポイント生成手段と、前記ポイント生成手段が生成した前記ティーチングポイントを変更可能なポイント変更手段と、を有し、前記指令生成手段は、前記ポイント生成手段が生成した前記ティーチングポイントに基づいて、前記旋回装置および前記アタッチメントを自動で動作させるための自動運転指令を生成し、前記指令生成手段は、前記ポイント変更手段によって前記ティーチングポイント変更された場合に、変更された前記ティーチングポイントに基づいて、前記自動運転指令を生成し、前記動作制御手段は、前記指令生成手段によって生成された前記自動運転指令に基づいて、前記旋回装置および前記アタッチメントを自動で動作させることを特徴とする。


【発明の効果】
【0008】
本発明によると、自動運転指令に基づいて、作業機械の自動運転が行われる。そして、携帯端末でティーチングポイントが変更された場合には、変更後のティーチングポイントに基づいて生成された自動運転指令に基づいて、作業機械の自動運転が行われる。携帯端末でティーチングポイントを変更すれば、ティーチングポイントを生成し直すために作業機械を動作させなくても済む。そして、携帯端末を作業現場に持ち込むことで、作業対象を確認しながら、その場でティーチングポイントを変更することができる。これにより、作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】動作教示システムの構成図である。
図2】第1実施形態における動作教示システムの回路図である。
図3】作業現場の側面図である。
図4】作業現場の側面図であり、(1)基準位置と、(2)最終掘削深さ位置と、(7)掘削開始位置と、(3)掘削終了位置とを示す図である。
図5】作業現場の側面図であり、(4)すくい上げ位置を示す図である。
図6】作業現場の側面図であり、(5)ダンプ回避位置を示す図である。
図7】作業現場を上方から見た図であり、図6に対応する図である。
図8】作業現場の側面図であり、(6)排土位置を示す図である。
図9】作業現場を上方から見た図であり、図8に対応する図である。
図10】携帯端末のディスプレイに表示される設定画面を示す図である。
図11】作業現場の側面図であり、(7)掘削開始位置および(3)掘削終了位置が異なる場合の図である。
図12】作業現場を上方から見た図であり、(5)ダンプ回避位置および(6)排土位置が異なる場合の図である。
図13】作業現場の側面図であり、周囲状況取得装置を示す図である。
図14】第2実施形態における動作教示システムの回路図である。
図15】生成した姿勢情報を示す図である。
図16】操作レバーによる操作パターンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0011】
[第1実施形態]
(動作教示システムの構成)
本発明の第1実施形態による作業機械の動作教示システム(動作教示システム)は、作業機械に動作を教示するものである。動作教示システム1の構成図である図1に示すように、動作教示システム1は、作業機械2と、作業機械2と相互に通信可能な携帯端末3と、を有している。
【0012】
(作業機械の構成)
図1に示すように、作業機械2は、アタッチメント30で作業を行う機械であり、例えば油圧ショベルである。作業機械2は、下部走行体21と、上部旋回体22と、旋回装置24と、アタッチメント30と、シリンダ40と、を有している。
【0013】
下部走行体21は、作業機械2を走行させる部分であり、例えばクローラを備える。上部旋回体22は、下部走行体21の上部に旋回可能に取り付けられる。上部旋回体22の前部には、キャブ(運転室)23が設けられている。旋回装置24は、上部旋回体22を旋回させることが可能である。
【0014】
アタッチメント30は、上下方向に回動可能に上部旋回体22に取り付けられる。アタッチメント30は、ブーム31と、アーム32と、バケット33と、を備える。ブーム31は、上部旋回体22に回動可能(起伏可能)に取り付けられる。アーム32は、ブーム31に回動可能に取り付けられる。バケット33は、アーム32に回動可能に取り付けられる。バケット33は、作業対象(土砂など)の、掘削、ならし、すくい、などの作業を行う部分である。
【0015】
シリンダ40は、アタッチメント30を油圧で回動させることが可能である。シリンダ40は、油圧式の伸縮シリンダである。シリンダ40は、ブームシリンダ41と、アームシリンダ42と、バケットシリンダ43と、を備える。
【0016】
ブームシリンダ41は、上部旋回体22に対してブーム31を回転駆動させる。ブームシリンダ41の基端部は、上部旋回体22に回動可能に取り付けられる。ブームシリンダ41の先端部は、ブーム31に回動可能に取り付けられる。
【0017】
アームシリンダ42は、ブーム31に対してアーム32を回転駆動させる。アームシリンダ42の基端部は、ブーム31に回動可能に取り付けられる。アームシリンダ42の先端部は、アーム32に回動可能に取り付けられる。
【0018】
バケットシリンダ43は、アーム32に対してバケット33を回転駆動させる。バケットシリンダ43の基端部は、アーム32に回動可能に取り付けられる。バケットシリンダ43の先端部は、バケット33に回動可能に取り付けられたリンク部材34に、回動可能に取り付けられる。
【0019】
また、作業機械2は、操作レバー51(図2参照)と、角度センサ52と、傾斜角センサ60と、を有している。
【0020】
操作レバー51は、旋回装置24およびアタッチメント30を動作させるためにオペレータにより操作される。操作レバー51は、キャブ23内に設けられている。
【0021】
角度センサ(旋回角度検出装置)52は、下部走行体21に対する上部旋回体22の旋回角度を検出する。角度センサ52は、例えば、エンコーダ、レゾルバ、又は、ジャイロセンサである。本実施形態では、上部旋回体22の前方が下部走行体21の前方と一致するときの上部旋回体22の旋回角度を0°としている。
【0022】
傾斜角センサ(姿勢検出装置)60は、アタッチメント30の姿勢を検出する。傾斜角センサ60は、ブーム傾斜角センサ61と、アーム傾斜角センサ62と、バケット傾斜角センサ63と、を備える。
【0023】
ブーム傾斜角センサ61は、ブーム31に取り付けられ、ブーム31の姿勢を検出する。ブーム傾斜角センサ61は、水平線に対するブーム31の傾斜角度を取得するセンサであり、例えば傾斜(加速度)センサ等である。なお、ブーム傾斜角センサ61は、ブームフットピン(ブーム基端)の回転角度を検出する回転角度センサや、ブームシリンダ41のストローク量を検出するストロークセンサであってもよい。
【0024】
アーム傾斜角センサ62は、アーム32に取り付けられ、アーム32の姿勢を検出する。アーム傾斜角センサ62は、水平線に対するアーム32の傾斜角度を取得するセンサであり、例えば傾斜(加速度)センサ等である。なお、アーム傾斜角センサ62は、アーム連結ピン(アーム基端)の回転角度を検出する回転角度センサや、アームシリンダ42のストローク量を検出するストロークセンサであってもよい。
【0025】
バケット傾斜角センサ63は、リンク部材34に取り付けられ、バケット33の姿勢を検出する。バケット傾斜角センサ63は、水平線に対するバケット33の傾斜角度を取得するセンサであり、例えば傾斜(加速度)センサ等である。なお、バケット傾斜角センサ63は、バケット連結ピン(バケット基端)の回転角度を検出する回転角度センサや、バケットシリンダ43のストローク量を検出するストロークセンサであってもよい。
【0026】
動作教示システム1の回路図である図2に示すように、作業機械2は、コントローラ11と、作業機械側通信装置12と、記憶装置13と、を有している。
【0027】
コントローラ(情報生成手段)11は、作業機械2の姿勢情報を生成する。具体的には、コントローラ11は、角度センサ52が検出した上部旋回体22の旋回角度、および、傾斜角センサ60が検出したアタッチメント30の姿勢に基づいて、姿勢情報を生成する。
【0028】
作業機械側通信装置12は、携帯端末3の後述する携帯端末側通信装置16と通信可能である。記憶装置13は、コントローラ11が生成した姿勢情報や、後述するティーチングポイントを記憶可能である。
【0029】
コントローラ(指令生成手段)11は、作業機械2を動作させるための指令を生成する。コントローラ11は、携帯端末3で生成されたティーチングポイントに基づいて、自動運転指令を生成する。自動運転指令は、旋回装置24およびアタッチメント30を自動で動作させるための指令である。そして、コントローラ(動作制御手段)11は、自動運転指令に基づいて、旋回装置24およびアタッチメント30を自動で動作させることが可能である。作業機械2は、自動運転指令に基づいて自動運転されることになる。
【0030】
(携帯端末の構成)
図1に示すように、携帯端末3は、作業現場にいる作業者により操作される端末であり、例えばタブレット端末である。なお、携帯端末3は、スマートフォン等であってもよい。
【0031】
図2に示すように、携帯端末3は、携帯端末側コントローラ15と、携帯端末側通信装置16と、携帯端末側記憶装置17と、入力装置18と、ディスプレイ19と、を有している。
【0032】
携帯端末側通信装置16は、作業機械2の作業機械側通信装置12と通信可能である。携帯端末側コントローラ(ポイント生成手段)15は、携帯端末側通信装置16が作業機械2から受信した姿勢情報に基づいて、ティーチングポイントを生成する。ティーチングポイントは、目標とする姿勢情報である。
【0033】
携帯端末側記憶装置17は、作業機械2から受信した姿勢情報や、携帯端末側コントローラ15が生成したティーチングポイントを記憶可能である。入力装置18は、作業者からの入力を受け付ける装置であって、例えばタッチパネルである。なお、入力装置18は、キーボード等であってもよい。
【0034】
(ティーチングポイント)
ここで、本実施形態の自動運転指令は、バケット33で地面を掘削し、すくった土砂をダンプカーの荷台に排出する一連の動作を作業機械2に行わせるものである。なお、排土する対象はダンプカーに限定されず、土砂ピット等であってもよい。以下、自動運転指令を生成するために必要なティーチングポイントについて説明する。
【0035】
作業現場の側面図である図3に示すように、作業機械2の左方には掘削対象の地面70があり、作業機械2の右方にはダンプカー80が位置している。ブーム31の基端部を上部旋回体22に取り付けているブームフットピン35(図1参照)を原点として、水平方向にx軸、垂直方向にz軸をそれぞれ設定する。なお、図3においては、アタッチメント30のうち、バケット33のみを図示している。
【0036】
本実施形態で必要なティーチングポイントは、以下の7つの位置において生成される。(1)基準位置、(2)最終掘削深さ位置、(3)掘削終了位置、(4)すくい上げ位置、(5)ダンプ回避位置、(6)排土位置、(7)掘削開始位置。
【0037】
作業現場の側面図である図4に示すように、(1)基準位置は、ブームフットピン35から任意に設定された位置までのz方向の高さである。例えば、土砂ピット等の構造物の高さが明確である点や丁張り等の現場測量を反映した目印が位置する点が(1)基準位置となる。x方向における(1)基準位置の位置は任意である。図4では、掘削対象の地面70に設置した図示しない丁張りに(1)基準位置を設定した例を示す。(2)最終掘削深さ位置は、掘削対象の地面70を最終的に掘削する深さである。(2)最終掘削深さ位置は、(1)基準位置に対する深さとして数値入力により設定される。
【0038】
(7)掘削開始位置は、掘削を開始する位置であり、x座標、z座標、および、下部走行体21に対する上部旋回体22の旋回角度の情報を含む。(3)掘削終了位置は、掘削を終了する位置であり、x座標の情報を含む。
【0039】
作業現場の側面図である図5に示すように、(4)すくい上げ位置は、バケット33で土砂をすくい上げる位置であり、x座標およびz座標を含む。
【0040】
作業現場の側面図である図6、および、作業現場を上方から見た図である図7に示すように、(5)ダンプ回避位置は、ダンプカー80の荷台の上方において、バケット33等がダンプカー80に接触するのを回避する位置である。(5)ダンプ回避位置は、x座標、z座標、および、下部走行体21に対する上部旋回体22の旋回角度の情報を含む。
【0041】
作業現場の側面図である図8、および、作業現場を上方から見た図である図9に示すように、(6)排土位置は、ダンプカー80の荷台に排土する位置であり、x座標、z座標、および、下部走行体21に対する上部旋回体22の旋回角度の情報を含む。
【0042】
(ティーチングポイントを生成する手順)
次に、ティーチングポイントを生成する手順について説明する。まず、携帯端末3において、ティーチングポイントを作成するアプリケーションを実行する。すると、上記の7つの位置における姿勢情報を順番に取得していくステップが実行される。このステップでは、図10に示すような設定画面90が携帯端末3のディスプレイ19に表示される。この設定画面90には、作業機械2のオペレータが行う動作を説明する説明文91と、スイッチ画像92と、姿勢情報を取得する位置を示すイラスト画像93とが表示される。図10は、(3)掘削終了位置で姿勢情報を取得する場合の設定画面90を図示している。
【0043】
(3)掘削終了位置で姿勢情報を取得する場合、作業機械2のオペレータは、(3)掘削終了位置にバケット33の先端を合わせる。携帯端末3を所持する作業者は、このタイミングで、スイッチ画像92の「OFF」を「ON」に切り替える。すると、姿勢情報を作業機械2に要求する姿勢情報要求信号が携帯端末3から作業機械2に送信される。作業機械2のコントローラ11は、姿勢情報要求信号を受信したタイミングで姿勢情報を生成し、携帯端末3に送信する。
【0044】
このようなティーチング動作をすべての位置で行うと、携帯端末3の携帯端末側コントローラ15は、7つの姿勢情報に基づいて、7つのティーチングポイントを生成する。これらティーチングポイントは、作業機械2と共有される。作業機械2のコントローラ11は、バケット33の先端を(7)掘削開始位置から(3)掘削終了位置まで移動させて掘削を行い、土砂をすくったバケット33の先端を(4)すくい上げ位置まで回動させ、上部旋回体22をダンプカー80の方に旋回させながら、バケット33の先端を(5)ダンプ回避位置に位置させ、(6)排土位置で排土を行って、バケット33の先端を(7)掘削開始位置に戻すという一連の動きを作業機械2に行わせる自動運転指令を生成する。この自動運転指令に基づいて、作業機械2が自動運転されることになる。
【0045】
(ティーチングポイントの変更)
ここで、一度教示したティーチング内容(7つのティーチングポイント)で、複数の作業対象に対して、作業機械2に繰り返し自動運転を行わせる場合において、ある作業対象では、位置や形状がティーチングで教示した内容と異なる場合がある。そこで、携帯端末側コントローラ(変更手段)15は、自身が生成したティーチングポイントを変更可能である。
【0046】
例えば、作業現場の側面図である図11に示すように、(7)掘削開始位置がティーチング内容よりも高く、(3)掘削終了位置がティーチング内容よりも低い場合を考える。この場合、作業現場にいる作業者は、携帯端末3において、ティーチングポイントを変更するアプリケーションを実行する。このアプリケーションにおいて、先に設定したティーチングポイントを呼び出す。そして、(7)掘削開始位置のz座標、および、(3)掘削終了位置のz座標を順番に変更する。
【0047】
また、作業現場を上方から見た図である図12に示すように、ダンプカー80の停車位置がティーチング内容に対して傾いている場合を考える。この場合、作業現場にいる作業者は、ティーチングポイントを変更するアプリケーションにおいて、(5)ダンプ回避位置および(6)排土位置の、下部走行体21に対する上部旋回体22の旋回角度などを順番に変更する。
【0048】
変更されたティーチングポイントは、作業機械2に送信される。コントローラ11は、変更後のティーチングポイントに基づいて、自動運転指令を生成する。これにより、作業機械2は、変更後の自動運転指令に基づいて、自動運転されることになる。
【0049】
このように、自動運転指令に基づいて、作業機械2の自動運転が行われる。そして、携帯端末3でティーチングポイントが変更された場合には、変更後のティーチングポイントに基づいて生成された自動運転指令に基づいて、作業機械2の自動運転が行われる。携帯端末3でティーチングポイントを変更すれば、ティーチングポイントを生成し直すために作業機械2を動作させなくても済む。そして、携帯端末3を作業現場に持ち込むことで、作業対象を確認しながら、その場でティーチングポイントを変更することができる。これにより、作業効率を向上させることができる。
【0050】
(周囲状況取得装置の構成)
また、作業現場の側面図である図13に示すように、動作教示システム1は、周囲状況取得装置4を有している。周囲状況取得装置4は、作業現場の周囲状況を取得するものであり、カメラやライダ(LIDAR)である。本実施形態において、周囲状況取得装置4は、アタッチメント30の周囲状況を取得できる位置と、ダンプカー80の停車位置の周囲状況を取得できる位置とにそれぞれ配置されている。
【0051】
図2に示すように、周囲状況取得装置4は、取得した情報を作業機械側通信装置12を介して作業機械2のコントローラ11に送る。コントローラ11は、その情報を携帯端末3に送る。なお、周囲状況取得装置4は、取得した情報を携帯端末側通信装置16を介して携帯端末側コントローラ15に直接送ってもよい。
【0052】
携帯端末3の携帯端末側コントローラ15は、周囲状況取得装置4が取得した周囲状況に基づいて、ティーチングポイントを自動で変更する。例えば、図13において、アタッチメント30の前方に石等の障害物がある場合、アタッチメント30が障害物に干渉しないように、(3)掘削終了位置や(4)すくい上げ位置を変更する。また、ダンプカー80がティーチング内容に対して作業機械2に近すぎたり、傾いてたりしている場合、(5)ダンプ回避位置や(6)排土位置を変更する。これにより、作業機械2の自動運転の動きを修正することができる。
【0053】
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係る動作教示システム1によれば、自動運転指令に基づいて、作業機械2の自動運転が行われる。そして、携帯端末3でティーチングポイントが変更された場合には、変更後のティーチングポイントに基づいて生成された自動運転指令に基づいて、作業機械2の自動運転が行われる。携帯端末3でティーチングポイントを変更すれば、ティーチングポイントを生成し直すために作業機械2を動作させなくても済む。そして、携帯端末3を作業現場に持ち込むことで、作業対象を確認しながら、その場でティーチングポイントを変更することができる。これにより、作業効率を向上させることができる。
【0054】
また、作業現場の周囲状況に基づいて、ティーチングポイントが自動で変更される。これにより、例えば、アタッチメント30に干渉する物体が検出されたり、排土対象のダンプカー80が移動したりした場合に、作業機械2の自動運転の動きを修正することができる。
【0055】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の動作教示システムについて、図面を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態と共通する構成およびそれにより奏される効果については説明を省略し、主に、第1実施形態と異なる点について説明する。なお、第1実施形態と同じ部材については、第1実施形態と同じ符号を付している。
【0056】
(ティーチングポイントを生成する手順)
第1実施形態の動作教示システム1では、7つのティーチングポイントを生成し、これらに基づいて自動運転指令を生成していた。この場合、隣り合うティーチングポイント間の動作は、作業機械2のコントローラ11が決定していた。具体的には、図4に示すように、(7)掘削開始位置と、(3)掘削終了位置とでティーチングポイントを生成すると、(7)掘削開始位置で作業が開始され、(3)掘削終了位置で作業が終了するように、その間の動作をコントローラ11が決定していた。そのため、生成される自動運転指令は詳細さに欠けていた。
【0057】
動作教示システム101の回路図である図14に示すように、作業機械2は、操作量検出装置53を有している。操作量検出装置53は、操作レバー51の操作の種類および操作量を連続的に検出する。ここで、操作レバー51の操作の種類とは、ブーム31の上げ/下げ、アーム32の押し/引き、バケット33の掘削/排土などである。
【0058】
また、角度センサ52は、操作レバー51の操作により連続的に変化する上部旋回体22の旋回角度を連続的に検出する。同様に、傾斜角センサ60は、操作レバー51の操作により連続的に変化するアタッチメント30の姿勢を連続的に検出する。
【0059】
作業機械2のコントローラ11は、操作量検出装置53が連続的に検出した操作レバー51の操作の種類および操作量と、角度センサ52が連続的に検出した上部旋回体22の旋回角度と、傾斜角センサ60が連続的に検出したアタッチメント30の姿勢とを対応付けた姿勢情報を連続的に生成する。この姿勢情報の生成は、オペレータが作業機械2を操作して、一連の自動運転の動きを実際に行うことで生成する。
【0060】
生成した姿勢情報を図15に示す。図15の下段が、操作レバー51の連続的な操作量であり、図15の中段が、上部旋回体22の連続的な旋回角度であり、図15の上段が、バケット33の先端位置の連続的な動きである。操作レバー51により行われる具体的な操作パターンを図16に示す。図16は、掘削、持上げ旋回、排土、復帰旋回のそれぞれの操作パターンにおいて、ブーム31の操作、アーム32の操作、バケット33の操作、および、旋回の操作の有無をそれぞれ示したものであり、操作有を○で示している。
【0061】
携帯端末3の携帯端末側コントローラ15は、作業機械2のコントローラ11が連続的に生成した姿勢情報に基づいて、操作レバー51の操作パターンを抽出する。具体的には、携帯端末側コントローラ15は、姿勢情報に含まれる操作レバー51の操作の種類および操作量の情報に基づいて、掘削、持上げ旋回、排土、復帰旋回の操作パターンをそれぞれ抽出する。そして、携帯端末側コントローラ15は、操作レバー51の操作パターンが切り替わったときのティーチングポイントである第1ティーチングポイント111と、操作レバー51の操作パターンが継続されているときのティーチングポイントである第2ティーチングポイント112とを生成する。
【0062】
図15において、大きな黒丸が第1ティーチングポイント111である。図15に図示される5つの第1ティーチングポイント111は、上記の7つのティーチングポイントのうちの5つ((3)掘削終了位置、(4)すくい上げ位置、(5)ダンプ回避位置、(6)排土位置、(7)掘削開始位置)にそれぞれ相当している。なお、図15では、(3)掘削終了位置と(4)すくい上げ位置とが重なっている。操作レバー51の操作量を図16に示す操作パターンと照らし合わせることからわかるように、第1ティーチングポイント111の各々は、操作レバー51の操作パターンが切り替わったときに生成されている。なお、操作レバー51の操作が開始されて、操作レバー51の操作量がゼロから増加するタイミングは、操作レバー51の操作パターンが切り替わったタイミングに含まれる。また、操作レバー51の操作が全て終了されて、操作レバー51の操作量がゼロまで低減するタイミングは、操作レバー51の操作パターンが切り替わったタイミングに含まれる。
【0063】
図15において、小さな黒丸が第2ティーチングポイント112である。第2ティーチングポイント112の各々は、第1ティーチングポイント111同士の間に生成されている。操作レバー51の操作量を図16に示す操作パターンと照らし合わせることからわかるように、第2ティーチングポイント112の各々は、操作レバー51の操作パターンが継続されているときに生成されている。
【0064】
作業機械2のコントローラ11は、携帯端末3の携帯端末側コントローラ15が生成した第1ティーチングポイント111および第2ティーチングポイント112に基づいて、自動運転指令を生成する。第1ティーチングポイント111と第2ティーチングポイント112とを生成することで、より詳細な自動運転指令を生成することができる。よって、自動運転でより複雑な動きを行わせることができる。また、熟練オペレータの操作により姿勢情報が生成された場合には、熟練オペレータの動きを自動運転で再現させることができる。
【0065】
また、携帯端末3の携帯端末側コントローラ15は、姿勢情報に含まれる操作レバー51の操作の種類および操作量の情報に基づいて、一連の姿勢情報を複数の情報に区分する。図15では、操作レバー51の操作が開始され操作レバー51の操作量がゼロから増加するタイミングや、操作レバー51の操作量が低減した後に別の操作パターンでの操作が行われるタイミングがあり、これらタイミングおよび操作の種類から、一連の姿勢情報が、掘削、持上げ旋回、排土、復帰旋回の4つに区分されている。
【0066】
作業機械2のコントローラ11は、携帯端末3の携帯端末側コントローラ15が区分した複数の情報毎に、自動運転指令を生成する。一連の姿勢情報を複数の情報に区分することで、区分された情報毎に、アタッチメント30の動かす部分や、上部旋回体22の旋回角度を明確にすることができる。例えば、排土の区分では、上部旋回体22を旋回させずに、バケット33だけ回動させることがわかる。これにより、区分した情報毎に自動運転指令を生成しやすくなるので、自動運転指令の生成に要する負荷を低減することができる。なお、図15は姿勢情報の一例であり、例えば、排土の区分においてオペレータによりブーム31やアーム32も動作されるような操作がなされた場合には、排土の区分では、ブーム31やアーム32も動作されるような自動運転指令が生成されることになる。
【0067】
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係る動作教示システム101によれば、連続的に検出された操作レバー51の操作の種類および操作量と、連続的に検出された上部旋回体22の旋回角度と、連続的に検出されたアタッチメント30の姿勢とを対応付けた姿勢情報が連続的に生成される。この姿勢情報に基づいて、操作レバー51の操作パターンが抽出され、操作パターンが切り替わったときのティーチングポイントである第1ティーチングポイント111と、操作パターンが継続されているときのティーチングポイントである第2ティーチングポイント112とが生成される。第1ティーチングポイント111と第2ティーチングポイント112とを生成することで、より詳細な自動運転指令を生成することができる。よって、自動運転でより複雑な動きを行わせることができる。また、熟練オペレータの操作により姿勢情報が生成された場合には、熟練オペレータの動きを自動運転で再現させることができる。
【0068】
また、操作レバー51の操作の種類および操作量の情報に基づいて、一連の姿勢情報が複数の情報に区分される。そして、区分された情報毎に、自動運転指令が生成される。一連の姿勢情報を複数の情報に区分することで、区分された情報毎に、アタッチメント30の動かす部分や、上部旋回体22の旋回角度を明確にすることができる。これにより、区分した情報毎に自動運転指令を生成しやすくなるので、自動運転指令の生成に要する負荷を低減することができる。
【0069】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0070】
例えば、作業機械2のコントローラ11が姿勢情報を生成する構成に限定されず、携帯端末3の携帯端末側コントローラ15が姿勢情報を生成してもよいし、作業機械2や携帯端末3とは別の機器が姿勢情報を生成してもよい。また、作業機械2のコントローラ11が自動運転指令を生成する構成に限定されず、携帯端末3の携帯端末側コントローラ15が自動運転指令を生成してもよいし、作業機械2や携帯端末3とは別の機器が自動運転指令を生成してもよい。
【符号の説明】
【0071】
1,101 動作教示システム
2 作業機械
3 携帯端末
4 周囲状況取得装置
11 コントローラ(情報生成手段、指令生成手段、動作制御手段)
12 作業機械側通信装置
13 記憶装置
15 携帯端末側コントローラ(ポイント生成手段、ポイント変更手段)
16 携帯端末側通信装置
17 携帯端末側記憶装置
18 入力装置
19 ディスプレイ
21 下部走行体
22 上部旋回体
23 キャブ
24 旋回装置
30 アタッチメント
31 ブーム
32 アーム
33 バケット
34 リンク部材
35 ブームフットピン
40 シリンダ
41 ブームシリンダ
42 アームシリンダ
43 バケットシリンダ
51 操作レバー
52 角度センサ(旋回角度検出装置)
53 操作量検出装置
60 傾斜角センサ(姿勢検出装置)
61 ブーム傾斜角センサ
62 アーム傾斜角センサ
63 バケット傾斜角センサ
70 掘削対象の地面
80 ダンプカー
90 設定画面
91 説明文
92 スイッチ画像
93 イラスト画像
111 第1ティーチングポイント
112 第2ティーチングポイント
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16