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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-18
(54)【発明の名称】X線透視撮影装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/10 20060101AFI20230511BHJP
   A61B 6/00 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
A61B6/10 350
A61B6/00 300D
A61B6/00 300X
A61B6/00 320M
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019192270
(22)【出願日】2019-10-21
(65)【公開番号】P2021065387
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-01-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100155608
【弁理士】
【氏名又は名称】大日方 崇
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 淳夫
【審査官】下村 一石
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-268060(JP,A)
【文献】特開2014-176639(JP,A)
【文献】特開2015-150055(JP,A)
【文献】特開2004-305394(JP,A)
【文献】特開2004-267625(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0238159(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1X線源と第1検出器とを支持する第1アームと、
前記第1アームを駆動する第1アーム駆動機構と、
基台に保持され、第2X線源と第2検出器とを支持する第2アーム部と、前記基台を移動させる基台移動機構とを含む基台部とを備える第2アームと、
前記第2アームを駆動する第2アーム駆動機構と、
第1アーム駆動機構と前記第2アーム駆動機構前記基台移動機構を制御する制御部と、
被写体を載置する天板の長軸に沿う縦断面内で、前記天板の長軸方向の一端側から前記被写体に向けて斜め方向にX線を照射する第1撮影位置に前記第1アームが配置されるとともに、前記縦断面内で、前記天板の長軸方向の他端側から前記被写体に向けて斜め方向にX線を照射する第2撮影位置に前記第2アームが配置される第1位置情報、および、前記第1アームが前記第2撮影位置に配置されるとともに、前記第2アームが前記第1撮影位置に配置される第2位置情報を記憶する記憶部とを備え、
前記制御部は、前記記憶部の記憶した前記第1位置情報または前記第2位置情報に基づいて、
前記第1アームが前記第1撮影位置または前記第2撮影位置に移動する前に、前記基台を前記第1アームと前記基台とが干渉しない位置に移動させるように、前記基台移動機構を制御し、
前記第1アームを、前記第1撮影位置または前記第2撮影位置に移動させるように、前記第1アーム駆動機構を制御し、
前記第2アームを、前記第1撮影位置または前記第2撮影位置のうち、前記第1アームが配置されていない方の位置に移動させるように、前記第2アーム駆動機構を制御して、それぞれ撮影が行われるように構成されている、X線透視撮影装置。
【請求項2】
前記基台移動機構は、床面に設けられた第1回転軸と、前記第1回転軸と離れた位置に設けられた第2回転軸とを有しており、
前記制御部は、前記基台移動機構により、前記基台部を回動させて前記第2アームを旋回させることにより、前記第2アームを前記第1アームと干渉しない位置に配置するように構成されている、請求項1に記載のX線透視撮影装置。
【請求項3】
前記第1回転軸および前記第2回転軸は、それぞれ、床面に対して垂直方向を向いた回転軸であり、
前記制御部は、前記基台移動機構により前記基台部を旋回させて、前記第2回転軸を、被写体を載置する天板の長辺側に配置するように構成されている、請求項2に記載のX線透視撮影装置。
【請求項4】
前記第2アームは、前記第2検出器を回動させる検出器回動機構をさらに含み、
前記制御部は、前記基台移動機構によって前記第2アームが旋回されることにより、取得されるX線画像における被写体の向きが変化しないように、前記第2アームの旋回角度に対応する角度分、前記検出器回動機構によって、前記第2検出器を回動させるように構成されている、請求項2または3に記載のX線透視撮影装置。
【請求項5】
記制御部は、平面視において、前記基台移動機構により、前記基台部を、被写体を載置する天板の短辺側から前記天板の長辺側に移動させるとともに、前記第1アーム駆動機構により前記第1アームを前記天板の短辺側に配置することにより、前記第2アームを前記第1アームに干渉しない位置に配置するように構成されている、請求項1~のいずれか1項に記載のX線透視撮影装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1アームおよび前記第2アームを、それぞれ異なる4か所の相対位置に配置してそれぞれ撮影することにより、被写体を載置する天板の長軸に沿う水平面内における短軸右方向と、前記天板の長軸に沿う縦断面内における一端側または他端側から被写体に対して斜めにX線を照射する方向とを組み合わせた8方向からの撮影を行うように構成されている、請求項1~のいずれか1項に記載のX線透視撮影装置。
【請求項7】
第1アームと、第2アームとを含み、被写体を異なる方向からそれぞれ撮影可能な撮像部と、
前記撮像部を制御する制御部と
被写体を載置する天板の長軸に沿う縦断面内で、前記天板の長軸方向の一端側から前記被写体に向けて斜め方向にX線を照射する第1撮影位置に前記第1アームが配置されるとともに、前記縦断面内で、前記天板の長軸方向の他端側から前記被写体に向けて斜め方向にX線を照射する第2撮影位置に前記第2アームが配置される第1位置情報、および、前記第1アームが前記第2撮影位置に配置されるとともに、前記第2アームが前記第1撮影位置に配置される第2位置情報を記憶する記憶部とを備え、
前記制御部は、
被写体の右斜位、正面、および左斜位のそれぞれと、被写体を載置する天板の長軸に沿う縦断面内における一端側または他端側から被写体に対して斜めX線を照射する方向とを組み合わせた8方向からそれぞれ撮影を行うように撮像部を制御するとともに、
前記8方向のうち、被写体の正面と前記天板の長軸に沿う縦断面内における一端側または他端側から被写体に対して斜めにX線を照射する方向とを組み合わせた方向の撮影時に、前記記憶部の記憶した前記第1位置情報または前記第2位置情報に基づいて、
前記第1アームが前記第1撮影位置または前記第2撮影位置に移動する前に、前記第2アームを保持する基台を、前記第1アームと前記基台とが干渉しない位置に移動させ、
前記第1アームを、前記第1撮影位置または前記第2撮影位置に移動させ、
前記第2アームを、前記第1撮影位置または前記第2撮影位置のうち、前記第1アームが配置されていない方の位置に移動させる制御を行うように構成されている、X線透視撮影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線透視撮影装置に関し、特に、一度に異なる2方向からの撮影が可能なX線透視撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一度に異なる2方向からの撮影が可能なX線透視撮影装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
X線透視撮影装置は、非侵襲的に被写体の内部構造を撮影することが可能であり、医療分野においては、疾病の診断や手術の支援などに用いられている。X線透視撮影装置は、たとえば、循環器系の手術などにおいて、冠動脈の位置や血流などを把握するために、被験者に造影剤を投与した後に様々な角度から撮影することにより、手術の支援を行っている。
【0004】
被写体を様々な角度から撮影することが可能なX線透視撮影装置としては、上記特許文献1に開示されているX線透視撮影装置がある。特許文献1に開示されているX線透視撮影装置は、床面に設けられた基台に回動可能に保持された第1アームと、天井に設けられた基台に回転可能に保持された第2アームとを備える。第1アームは、第1X線源および第1検出器を備えている。第2アームは、第2X線源および第2検出器を備えている。上記特許文献1に開示されているような第1アームと第2アームとを備えたX線透視撮影装置を、一般に、バイプレーン型のX線透視撮影装置という。
【0005】
上記特許文献1に開示されているX線透視撮影装置は、第1アームおよび第2アームを異なる向きに配置することにより、被写体を異なる2方向から撮影することができるように構成されている。このようなX線透視撮影装置を用いて、造影剤を投与した後の被験者を様々な角度から撮影することにより、医師等は、冠動脈の位置や血流などを把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2005-245814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、被験者の心臓の手術を支援する場合において、被験者を撮影する方向は、被験者の左斜位、正面、および右斜位のそれぞれと、天板の長軸に沿う縦断面内における一端側または他端側から被験者に対して斜めにX線を照射する方向とを組み合わせた8方向がある。これらの撮影方向は、LAO(左斜位)、RAO(右斜位)、Cranial(天板の長軸に沿う縦断面内における一端側)、およびCaudal(天板の長軸に沿う縦断面内における他端側)の組み合わせで表現され、医療分野などでは一般に知られた撮影方向である。
【0008】
上記特許文献1に開示されているバイプレーン型のX線透視撮影装置は、第1アームと第2アームとを用いて、一度に異なる方向から撮影することが可能である。しかしながら、上記特許文献1に開示されているようなバイプレーン型のX線透視撮影装置では、2つのアームによって任意の方向から撮影できるわけではなく、方向によっては、アームと基台とが干渉し合って、一方のアームでしか撮影できないケースがある。具体的には、Cranial(天板の長軸に沿う縦断面内における一端側)の撮影位置と、Caudal(天板の長軸に沿う縦断面内における他端側)の撮影位置とにおいて、2つのアームで一度に撮影しようとした場合、第1アームの基台が第2アームに干渉するため、2つのアームを用いて一度に撮影できないと考えられる。そのため、上記特許文献1に開示されているX線透視撮影装置では、Cranial(天板の長軸に沿う縦断面内における一端側)の撮影位置および、Caudal(天板の長軸に沿う縦断面内における他端側)の撮影位置からの撮影は、第1アームを用いてそれぞれ別々に行う必要があり、造影剤の投与回数が増加するという問題点がある。また、造影剤の投与回数が増加するため、撮影時間が延びるという問題点がある。
【0009】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、造影剤の投与回数の増加を抑制することが可能で、かつ、撮影時間を短縮することが可能なX線透視撮影装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面におけるX線透視撮影装置は、第1X線源と第1検出器とを支持する第1アームと、第1アームを駆動する第1アーム駆動機構と、基台に保持され、第2X線源と第2検出器とを支持する第2アーム部と、基台を移動させる基台移動機構とを含む基台部とを備える第2アームと、第1アーム駆動機構と第2アーム駆動機構基台移動機構を制御する制御部と、を備え、被写体を載置する天板の長軸に沿う縦断面内で、天板の長軸方向の一端側から被写体に向けて斜め方向にX線を照射する第1撮影位置に第1アームが配置されるとともに、縦断面内で、天板の長軸方向の他端側から被写体に向けて斜め方向にX線を照射する第2撮影位置に第2アームが配置される第1位置情報、および、第1アームが第2撮影位置に配置されるとともに、第2アームが第1撮影位置に配置される第2位置情報を記憶する記憶部とを備え、制御部は、記憶部の記憶した第1位置情報または第2位置情報に基づいて、第1アームが第1撮影位置または第2撮影位置に移動する前に、基台を第1アームと基台とが干渉しない位置に移動させるように、基台移動機構を制御し、第1アームを、第1撮影位置または第2撮影位置に移動させるように、第1アーム駆動機構を制御し、第2アームを、第1撮影位置または第2撮影位置のうち、第1アームが配置されていない方の位置に移動させるように、第2アーム駆動機構を制御して、それぞれ撮影が行われるように構成されている。
【0011】
この発明の第1の局面におけるX線透視撮影装置は、上記のように、被写体を載置する天板の長軸に沿う縦断面内で、天板の長軸方向の一端側から被写体に向けて斜め方向にX線を照射する第1撮影位置に第1アームが配置されるとともに、縦断面内で、天板の長軸方向の他端側から被写体に向けて斜め方向にX線を照射する第2撮影位置に第2アームが配置される第1位置情報、および、第1アームが第2撮影位置に配置されるとともに、第2アームが第1撮影位置に配置される第2位置情報を記憶する記憶部とを備え、制御部は、記憶部の記憶した第1位置情報または第2位置情報に基づいて、第1アームが第1撮影位置または第2撮影位置に移動する前に、基台を第1アームと基台とが干渉しない位置に移動させるように、基台移動機構を制御し、第1アームを、第1撮影位置または第2撮影位置に移動させるように、第1アーム駆動機構を制御し、第2アームを、第1撮影位置または第2撮影位置のうち、第1アームが配置されていない方の位置に移動させるように、第2アーム駆動機構を制御して、それぞれ撮影が行われる。これにより、第1アームと第2アームとが、それぞれの所定の撮影角度に移動する際、または、所定の撮影角度に達した際に、第1アームと第2アームとが干渉する場合において、基台部とともに第2アームを移動させることが可能となるので、第1アームと第2アームとが干渉することを抑制することができる。このため、第1アームと第2アームとが干渉する方向から撮影する際でも、第1アームと第2アームとを用いて、一度に撮影を行うことが可能となる。その結果、1回造影剤を投与することによって、第1アームと第2アームとが干渉する方向の2方向からの撮影を一度の撮影で行うことが可能となる。したがって、第1アームと第2アームとが干渉する方向からの撮影を2回に分けて行う場合と比較して、造影剤の投与回数が増加することを抑制することができる。また、たとえば、被写体の正面と、被写体が載置される天板の長軸に沿う縦断面内における一端側または他端側から被写体に対して斜めにX線を照射する2方向から一度に撮影することができる。その結果、被写体の正面と天板の長軸に沿う縦断面内における一端側または他端側から別々に撮影する場合と比較して、撮影回数を低減させることが可能となり、撮影時間を短縮することができる。上記のように、本発明では、X線透視撮影装置は、造影剤の投与回数の増加を抑制することが可能で、かつ、撮影時間を短縮することができる。また、制御部は、被写体を載置する天板の長軸に沿う縦断面内で、天板の長軸方向の一端側および他端側から被写体に向けて斜め方向にX線を照射する位置に、第1アームおよび第2アームをそれぞれ配置して、それぞれ撮影を行うように構成されている。これにより、天板の長軸方向の一端側および他端側の異なる2方向から被写体を撮影する場合でも、第1アームと第2アームとが干渉することを抑制することができる。その結果、天板の長軸方向の一端側および他端側の異なる2方向からの撮影を1回の撮影で行うことができる。
【0012】
上記第1の局面におけるX線透視撮影装置において、好ましくは、基台移動機構は、床面に設けられた第1回転軸と、第1回転軸と離れた位置に設けられた第2回転軸とを有しており、制御部は、基台移動機構により、基台部を回動させて第2アームを旋回させることにより、第2アームを第1アームと干渉しない位置に配置するように構成されている。このように構成すれば、第1回転軸と第2回転軸とが離れた位置に設けられているので、基台部を回動させることにより、容易に第2アームの位置を変更することができる。その結果、基台部を回動させることにより、第2アームを第1アームと干渉しない位置に容易に配置することができる。
【0013】
この場合、好ましくは、第1回転軸および第2回転軸は、それぞれ、床面に対して垂直方向を向いた回転軸であり、制御部は、基台移動機構により基台部を旋回させて、第2回転軸を、被写体を載置する天板の長辺側に配置するように構成されている。このように構成すれば、第2回転軸を天板の長辺側に配置することが可能となるので、第1アームが天板の短辺側に移動する際に、第1アームと第2アームの一部とが干渉することを抑制することができる。その結果、第2アームの一部が第1アームと干渉することを、より一層抑制することができる。
【0014】
上記基台部を回動させて第2アームを旋回させることにより、第2アームを第1アームと干渉しない位置に配置する構成において、好ましくは、第2アームは、第2検出器を回動させる検出器回動機構をさらに含み、制御部は、基台移動機構によって第2アームが旋回されることにより、取得されるX線画像における被写体の向きが変化しないように、第2アームの旋回角度に対応する角度分、検出器回動機構によって、第2検出器を回動させるように構成されている。このように構成すれば、第2アームの旋回角度に応じて第2検出器を回動させることにより、第2アームによって所望の撮影角度から被写体を撮影する際に、第2アームを第1アームに干渉しない位置に配置した場合でも、第2アームを旋回させずに撮影する場合と同様のX線画像を取得することができる。したがって、所望の撮影角度から被写体を撮影する際に、X線画像における被写体の向きも所望の向きとなるように撮影することができる。その結果、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0016】
上記第1の局面におけるX線透視撮影装置において、好ましくは、第1アームを駆動する第1アーム駆動機構をさらに備え、制御部は、平面視において、基台移動機構により、基台部を、被写体を載置する天板の短辺側から天板の長辺側に移動させるとともに、第1アーム駆動機構により第1アームを天板の短辺側に配置することにより、第2アームを第1アームに干渉しない位置に配置するように構成されている。このように構成すれば、基台部を天板の短辺側から長辺側に移動させた後に、第1アームを天板の短辺側に配置することができる。その結果、第2アームが第1アームに干渉する位置に配置されていた場合でも、第2アームの移動後に第1アームを移動させることが可能となるので、第2アームと第1アームとが干渉することを、確実に抑制することができる。
【0017】
上記第1の局面におけるX線透視撮影装置において、好ましくは、制御部は、第1アームおよび第2アームを、それぞれ異なる4か所の相対位置に配置してそれぞれ撮影することにより、被写体を載置する天板の長軸に沿う水平面内における短軸右方向と、天板の長軸に沿う縦断面内における一端側または他端側から被写体に対して斜めにX線を照射する方向とを組み合わせた8方向からの撮影を行うように構成されている。このように構成すれば、第1アームおよび第2アームを4か所の相対位置に配置して8方向からの撮影を行うことができる。その結果、天板の長軸に沿う縦断面内における一端側または他端側から被写体に対して斜めにX線を照射する方向を別々に撮影する場合と比較して、撮影回数を低減させることが可能となるので、造影剤の投与回数が増加することを抑制することができる。
【0018】
この発明の第2の局面におけるX線透視撮影装置は、第1アームと、第2アームとを含み、被写体を異なる方向からそれぞれ撮影可能な撮像部と、撮像部を制御する制御部と、被写体を載置する天板の長軸に沿う縦断面内で、天板の長軸方向の一端側から被写体に向けて斜め方向にX線を照射する第1撮影位置に第1アームが配置されるとともに、縦断面内で、天板の長軸方向の他端側から被写体に向けて斜め方向にX線を照射する第2撮影位置に第2アームが配置される第1位置情報、および、第1アームが第2撮影位置に配置されるとともに、第2アームが第1撮影位置に配置される第2位置情報を記憶する記憶部とを備え、制御部は、被写体の右斜位、正面、および左斜位のそれぞれと、被写体を載置する天板の長軸に沿う縦断面内における一端側または他端側から被写体に対して斜めX線を照射する方向とを組み合わせた8方向からそれぞれ撮影を行うように撮像部を制御するとともに、8方向のうち、被写体の正面と、天板の長軸に沿う縦断面内における一端側または他端側から被写体に対して斜めにX線を照射する方向とを組み合わせた方向の撮影時に、記憶部の記憶した第1位置情報または第2位置情報に基づいて、第1アームが第1撮影位置または第2撮影位置に移動する前に、第2アームを保持する基台を、第1アームと基台とが干渉しない位置に移動させ、第1アームを、第1撮影位置または第2撮影位置に移動させ、第2アームを、第1撮影位置または第2撮影位置のうち、第1アームが配置されていない方の位置に移動させる制御を行うように構成されている。
【0019】
この発明の第2の局面におけるX線透視撮影装置では、上記のように、8方向のうち、被写体の正面と、天板の長軸に沿う縦断面内における一端側または他端側から被写体に対して斜めにX線を照射する方向とを組み合わせた方向の撮影時に、記憶部の記憶した第1位置情報または第2位置情報に基づいて、第1アームが第1撮影位置または第2撮影位置に移動する前に、第2アームを保持する基台を、第1アームと基台とが干渉しない位置に移動させ、第1アームを、第1撮影位置または第2撮影位置に移動させ、第2アームを、第1撮影位置または第2撮影位置のうち、第1アームが配置されていない方の位置に移動させる制御を行う制御部を備える。これにより、上記第1の局面と同様に、第1アームと第2アームとが干渉する方向の2方向から一度に撮影することができる。したがって、2方向ずつ4回撮影することにより、8方向の撮影を行うことが可能となるので、造影剤の投与回数が増加することを抑制することができる。また、2方向ずつ4回撮影することにより、8方向の撮影を行うことが可能となるので、たとえば、被写体の正面と天板の長軸に沿う縦断面内における一端側または他端側から別々に撮影する場合と比較して、撮影回数を低減させることが可能となり、撮影時間を短縮することができる。上記のように、本発明では、造影剤の投与回数の増加を抑制することが可能で、かつ、撮影時間を短縮することが可能なX線透視撮影装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、上記のように、造影剤の投与回数の増加を抑制することが可能で、かつ、撮影時間を短縮することが可能なX線透視撮影装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態によるX線透視撮影装置の全体構成を示す模式図である。
図2】本発明の一実施形態による基台部および基台移動機構の構成を説明するための側面図(A)および斜視図(B)である。
図3】本発明の一実施形態による撮影方向を説明するための模式図(A)および(B)である。
図4】本発明の一実施形態によるX線透視撮影装置が被写体を撮影する位置を説明するための模式図である。
図5】本発明の一実施形態による第1撮影位置および第6撮影位置における第1アームおよび第2アームの配置を示す斜視図(A)および平面図(B)である。
図6】本発明の一実施形態による第2撮影位置および第7撮影位置における第1アームおよび第2アームの配置を示す斜視図(A)および平面図(B)である。
図7】本発明の一実施形態による第3撮影位置および第8撮影位置における第1アームおよび第2アームの配置を示す斜視図(A)および平面図(B)である。
図8】比較例における第4撮影位置および第5撮影位置に第1アームおよび第2アームを配置することができないことを説明するための模式図である。
図9】本発明の一実施形態による第4撮影位置および第5撮影位置に第1アームおよび第2アームを配置する処理を説明するための模式図(A)および(B)である。
図10】本発明の一実施形態による第4撮影位置および第5撮影位置における第1アームおよび第2アームの配置を示す斜視図(A)および平面図(B)である。
図11】本発明の一実施形態における第4撮影位置および第5撮影位置における撮影の処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1図10を参照して、本発明の一実施形態によるX線透視撮影装置100の構成について説明する。
【0024】
(X線透視撮影装置の構成)
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態によるX線透視撮影装置100の構成について説明する。
【0025】
図1に示すように、X線透視撮影装置100は、第1アーム1と、第2アーム2と、第1アーム駆動機構3と、基台移動機構4と、第2アーム駆動機構5と、制御部6とを備えている。本実施形態では、第1アーム1と第2アーム2とは、天板7上に載置された被写体Pを異なる方向からそれぞれ撮影可能な撮像部9として構成されている。X線透視撮影装置100は、第1アーム1と第2アーム2とを備える、いわゆるバイプレーン型のX線透視撮影装置である。本実施形態では、X線透視撮影装置100は、検査室に設置され、被写体Pに造影剤を投与して撮影することにより、医師等が被写体Pの関心領域の治療および診断などを行う。図1に示す例は、X線透視撮影装置100は、被写体Pの心臓Paの撮影を行うことにより、医師等の支援を行う例である。
【0026】
第1アーム1は、円弧状の形状を有しており、一端と他端とに、第1X線源11と、第1検出器12とを支持している。第1アーム1は、いわゆるCアームである。第1アーム1は、検査室の天井CSに設けられた第1アーム駆動機構3に保持されている。図1に示す例では、第1アーム1は、第1X線源11と第1検出器12との間に、天板7の長辺が位置するように配置されている。
【0027】
第1アーム駆動機構3は、検査室の天井CSに設けられており、直動機構30と第1基台31とを含む。直動機構30は、第1基台31とともに、第1アーム1を天板7の長軸方向(矢印A2方向およびA3方向)に移動可能に構成されている。直動機構30は、たとえば、ボールネジやリニアモータなどを含む。
【0028】
第1基台31は、第1回転軸32の軸線周りに回動可能に第1アーム1を保持している。また、第1基台31は、第1アーム1を第1アーム1の周方向に移動可能に構成されている。第1基台31は、たとえば、モータなどを含む。
【0029】
第1X線源11は、制御部6からの信号に基づいて高電圧が印加されることにより、X線を発生させるとともに、発生させたX線を第1検出器12に向けて照射するように構成されている。第1検出器12は、X線を検出するとともに、検出されたX線を電気信号に変換し、変換された電気信号を画像信号として読み取るように構成されている。第1検出器12は、たとえば、FPD(Flat Panel Detector)である。
【0030】
第2アーム2は、第2アーム部2aと、基台部2bと、検出器回動機構2cと、を備えている。基台部2bは、第2基台8を移動させる基台移動機構4を含む。第2アーム部2aは、円弧状の形状を有しており、一端と他端とに、第2X線源20と第2検出器21とを支持している。第2アーム2は、いわゆるCアームである。第2アーム部2aは、第2基台8に回転可能に保持されている。図1に示す例では、第2アーム2は、第2X線源20と第2検出器21との間に、天板7の短辺が位置するように配置されている。
【0031】
第2X線源20および第2検出器21は、それぞれ、第1X線源11および第1検出器12と同様の構成である。第2検出器21は、第2X線源20から照射されたX線を検出するとともに、検出されたX線を電気信号に変換し、変換された電気信号を画像信号として読み取るように構成されている。
【0032】
第2基台8は、第2アーム部2aを保持している。第2基台8は、たとえば、モータなどを含む。なお、第2基台8は、特許請求の範囲の「基台」の一例である。
【0033】
基台移動機構4は、第2基台8を移動させて、第2基台8とともに第2アーム2を所望の撮影位置に移動させるように構成されている。本実施形態では、基台移動機構4は、第2基台8を移動させて、第2基台8とともに第2アーム2を第1アーム1と干渉しない位置に移動させるように構成されている。基台移動機構4の詳細な構成については後述する。
【0034】
検出器回動機構2cは、第2アーム部2aに設けられており、第2検出器21を回動可能に構成されている。具体的には、検出器回動機構2cは、第2X線源20と第2検出器21とを結ぶ軸線23(図5(A)参照)周りの回転方向に、第2検出器21を回動させるように構成されている。
【0035】
第2アーム駆動機構5は、第2アーム部2aを駆動するように構成されている。具体的には、第2アーム駆動機構5は、第2アーム部2aを、第2回転軸70の軸線周りに回動するように構成されている。また、第2アーム駆動機構5は、第2アーム部2aを第2アーム部2aの周方向(矢印A1方向)に移動可能に構成されている。
【0036】
制御部6は、第1アーム駆動機構3、基台移動機構4、第2アーム駆動機構5、および、第2基台8を制御するように構成されている。具体的には、制御部6は、第1アーム駆動機構3、基台移動機構4、第2アーム駆動機構5、および、第2基台8により、第1アーム1および第2アーム2をそれぞれ所定の位置に配置して、それぞれ撮影を行うよう制御するように構成されている。制御部6は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)などを含む。制御部6が第2基台8、第1アーム1、および、第2アーム2を移動させる詳細な構成については、後述する。
【0037】
また、制御部6は、記憶部10を含んでいる。記憶部10は、各撮影位置における撮影の際に、第1アーム1および第2アーム2を配置する位置などを記憶するように構成されている。記憶部10は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性のメモリなどを含む。
【0038】
撮像部9は、第1アーム1と第2アーム2とを含み、制御部6からの入力信号に基づいて、被写体Pの右斜位(RAO)(図3(B)参照)、正面、および左斜位(LAO)(図3(B)参照)のそれぞれと、被写体Pを載置する天板7の長軸に沿う縦断面内における一端側(Cranial)(図3(A)参照)または他端側(Caudal)(図3(A)参照)から被写体Pに対して斜めX線を照射する方向とを組み合わせた任意の方向からそれぞれ撮影を行うように構成されている。本実施形態では、撮像部9は、RAO、正面、LAOと、Cranial、正面、Caudalとを組み合わせた8方向からそれぞれ撮影を行うように構成されている。被写体PにX線を照射する方向および撮影位置の詳細な説明は後述する。
【0039】
(基台移動機構の構成)
次に、図2を参照して、本実施形態における基台移動機構4の構成について説明する。図2(A)は、第2アーム2、第2基台8および基台移動機構4の側面図である。図2(B)は、第2アーム2、第2基台8および基台移動機構4の斜視図である。
【0040】
図2に示すように、基台移動機構4は、床面FSに設けられた第1回動部40と、第1回動部40に回動可能に保持され、第2基台8を回動可能に保持する第2回動部41とを含む。第1回動部40は、基台軸42と、基台軸42から離れた位置に設けられた中間軸43とを含む。第2回動部41は、水平回転軸44を含む。
【0041】
すなわち、基台移動機構4は、床面FSに設けられた基台軸42と、基台軸42から離れた位置に設けられた中間軸43と、基台軸42および中間軸43のそれぞれと異なる位置に設けられた水平回転軸44とを有している。また、基台軸42および中間軸43は、それぞれ、床面FSに対して垂直方向を向いた回転軸である。また、水平回転軸44も床面FSに対して垂直方向を向いた回転軸である。これにより、基台移動機構4は、基台軸42の軸線周りの回動と、中間軸43の軸線周りの回動と、水平回転軸44の軸線周りの回動とを組み合わせて、第2基台8および第2アーム部2aを所望の位置に水平移動させることができる。なお、基台軸42および中間軸43は、それぞれ、特許請求の範囲の、「第1回転軸」および「第2回転軸」の一例である。
【0042】
(X線の照射方向および撮影位置)
次に、図3および図4を参照して、本実施形態におけるX線の照射方向および撮影位置について説明する。
【0043】
図3(A)は、被写体Pを側面から見た模式図である。図3(B)は、被写体Pを天板7の長軸方向(脚部側)から見た模式図である。
【0044】
図3(A)に示すように、第1X線源11(第2X線源20)と、第1検出器12(第2検出器21)とを結ぶ軸線13(軸線23)と、天板7とが直交する状態に対して、被写体Pの頭部側に第1検出器12(第2検出器21)を移動させた配置がCranialである。また、第1X線源11(第2X線源20)と、第1検出器12(第2検出器21)とを結ぶ軸線13(軸線23)と、天板7とが直交する状態に対して、被写体Pの脚部側に第1検出器12(第2検出器21)を移動させた配置が、Caudalである。なお、CranialおよびCaudalは、それぞれ、特許請求の範囲の、「天板の長軸に沿う縦断面内における一端側から斜めにX線を照射する方向」および「天板の長軸に沿う縦断面内における他端側から斜めにX線を照射する方向」の一例である。
【0045】
図3(B)に示すように、第1X線源11(第2X線源20)と、第1検出器12(第2検出器21)とを結ぶ軸線13(軸線23)と、天板7とが直交する状態に対して、被写体Pの右手側に第1検出器12(第2検出器21)を移動させた配置が、RAOである。また、第1X線源11(第2X線源20)と、第1検出器12(第2検出器21)とを結ぶ軸線13(軸線23)と、天板7とが直交する状態に対して、被写体Pの左手側に第1検出器12(第2検出器21)を移動させた配置が、LAOである。なお、RAOおよびLAOは、それぞれ、特許請求の範囲の「被写体の右斜位」および「被写体の左斜位」の一例である。また、RAOおよびLAOは、「天板の長軸に沿う水平面内における短軸右方向」の一例である。
【0046】
本実施形態では、制御部6は、上記Cranial、Caudal、RAOおよびLAOを組み合わせた8か所のいずれかに第1検出器12および第2検出器21を配置するように構成されている。
【0047】
図4は、天板7上の被写体Pを天井側から見た模式図である。図4に示す例では、四角形に囲まれた数字1~8は、それぞれ、第1撮影位置sp1~第8撮影位置sp8を示している。本実施形態では、制御部6は、図4に示す第1撮影位置sp1~第8撮影位置sp8のいずれかに、第1検出器12および第2検出器21を配置するように構成されている。具体的には、制御部6は、第1アーム1および第2アーム2を、それぞれ異なる4か所の相対位置に配置してそれぞれ撮影することにより、RAOおよびLAOと、CranialおよびCaudalとを組み合わせた8方向からの撮影を行うように構成されている。
【0048】
第1撮影位置sp1は、RAOとCranialとを組み合わせた撮影位置である。第2撮影位置sp2は、RAOの撮影位置である。第3撮影位置sp3は、RAOとCaudalとを組み合わせた撮影位置である。第4撮影位置sp4は、Cranialの撮影位置である。第5撮影位置sp5は、Caudalの撮影位置である。第6撮影位置sp6は、LAOとCranialとを組み合わせた撮影位置である。第7撮影位置sp7は、LAOの撮影位置である。第8撮影位置sp8は、LAOとCaudalとを組み合わせた撮影位置である。
【0049】
(各撮影位置における第1アームおよび第2アームの配置)
次に、図5図10を参照して、各撮影位置における第1アーム1および第2アーム2の配置について説明する。
【0050】
<第1撮影位置および第6撮影位置における撮影>
図5(A)は、第1撮影位置sp1および第6撮影位置sp6に第1アーム1および第2アーム2を配置した例を示す斜視図である。図5(B)は、第1撮影位置sp1および第6撮影位置sp6に第1アーム1および第2アーム2を配置した例を示す平面視の図である。
【0051】
図5は、制御部6は、第1アーム1を第6撮影位置sp6に配置するとともに、第2アーム2を第1撮影位置sp1に配置して、それぞれ撮影を行う例を示している。具体的には、図5に示す例では、制御部6は、第1アーム駆動機構3により、第1アーム1をLAOとCranialとを組み合わせた位置に配置する。また、制御部6は、基台移動機構4、第2アーム駆動機構5、および、第2基台8により、第2アーム2をRAOとCranialとを組み合わせた位置に配置する。そして、制御部6は、第1アーム1と第2アーム2とを用いて、一度の撮影(1回造影剤の投与)により、第1撮影位置sp1および第6撮影位置sp6における撮影を行うように構成されている。
【0052】
図5(A)に示すように、本実施形態では、制御部6は、各撮影位置において、軸線13と軸線23とが交差する位置に、被写体Pの心臓Paが配置されるように、第1アーム1および第2アーム2を配置するように構成されている。
【0053】
また、図5(B)に示すように、第1撮影位置sp1および第6撮影位置sp6に第1アーム1および第2アーム2を配置する際には、基台軸42と中間軸43とを結ぶ一点鎖線raが、おおむね被写体Pの体軸baに沿う方向となる。本実施形態において、一点鎖線raと被写体Pの体軸baとがおおむね平行になる配置を、第1配置F1とする。なお、被写体Pの体軸baとは、被写体Pの短軸方向の中心を通るとともに、被写体Pの長軸方向に延びる軸線の事である。
【0054】
<第2撮影位置および第7撮影位置における撮影>
図6(A)は、第2撮影位置sp2および第7撮影位置sp7に第1アーム1および第2アーム2を配置した例を示す斜視図である。図6(B)は、第2撮影位置sp2および第7撮影位置sp7に第1アーム1および第2アーム2を配置した例を示す平面視の図である。
【0055】
図6は、制御部6は、第1アーム1を第7撮影位置sp7に配置するとともに、第2アーム2を第2撮影位置sp2に配置して、それぞれ撮影を行う例を示している。具体的には、図6に示す例では、制御部6は、第1アーム駆動機構3により、第1アーム1をLAOの位置に配置する。また、制御部6は、基台移動機構4、第2アーム駆動機構5、および、第2基台8により、第2アーム2をRAOの位置に配置する。そして、制御部6は、第1アーム1と第2アーム2とを用いて、一度の撮影により、第2撮影位置sp2および第7撮影位置sp7における撮影を行うように構成されている。図6に示す例でも、基台軸42と中間軸43とは、第1配置F1となっている。
【0056】
<第3撮影位置および第8撮影位置における撮影>
図7(A)は、第3撮影位置sp3および第8撮影位置sp8に第1アーム1および第2アーム2を配置した例を示す斜視図である。図7(B)は、第3撮影位置sp3および第8撮影位置sp8に第1アーム1および第2アーム2を配置した例を示す平面視の図である。
【0057】
図7は、制御部6は、第1アーム1を第8撮影位置sp8に配置するとともに、第2アーム2を第3撮影位置sp3に配置して、それぞれ撮影を行う例を示している。具体的には、図7に示す例では、制御部6は、第1アーム駆動機構3により、第1アーム1をLAOとCaudalとを組み合わせた位置に配置する。また、制御部6は、基台移動機構4、第2アーム駆動機構5、および、第2基台8により、第2アーム2をRAOとCaudalとを組み合わせた位置に配置する。そして、制御部6は、第1アーム1と第2アーム2とを用いて、一度の撮影により、第3撮影位置sp3および第8撮影位置sp8における撮影を行うように構成されている。図7に示す例でも、基台軸42と中間軸43とは、第1配置F1となっている。
【0058】
図5(B)、図6(B)および図7(B)に示すように、第1撮影位置sp1と第6撮影位置sp6との組み合わせ、第2撮影位置sp2と第7撮影位置sp7との組み合わせ、および、第3撮影位置sp3と第8撮影位置sp8との組み合わせでは、第1アーム1と第2基台8とが干渉することはない。したがって、図5(B)、図6(B)および図7(B)に示す配置では、第2基台8を移動させることなくそれぞれの位置から第1アーム1と第2アーム2とを用いて一度に撮影することができる。
【0059】
<第4撮影位置および第5撮影位置における撮影>
図8は、比較例における第4撮影位置sp4と第5撮影位置sp5とに第1アーム1および第2アーム2を配置する際の例を示す模式図である。図8には、基台移動機構4に基台軸42のみが設けられる構成の例を示しており、第2基台8は、基台軸42の軸線周りの回動のみが可能となっている。
【0060】
図8に示す比較例の構成において、第1アーム1を第4撮影位置sp4または第5撮影位置sp5に配置しようとすると、第1アーム1の旋回軌道内に、第2基台8があるため、第1アーム1を第4撮影位置sp4または第5撮影位置sp5に配置しようとした場合、第2基台8の領域cp1と第1アーム1の領域cp2とが干渉する。したがって、図8に示すような比較例の構成では、第1アーム1と第2アーム2とを用いて、第4撮影位置sp4と第5撮影位置sp5との撮影を一度に行うことはできない。
【0061】
そこで、本実施形態では、制御部6は、第1アーム1と第2アーム2とが、それぞれの所定の撮影角度に移動する際、または、所定の撮影角度に達した際に、第1アーム1と第2アーム2とが干渉する場合において、基台移動機構4により第2基台8を移動させて撮影するように構成されている。具体的には、制御部6は、第4撮影位置sp4および第5撮影位置sp5から撮影を行う際に、基台移動機構4により第2基台8を移動させて、第2基台8とともに第2アーム2を第1アーム1と干渉しない位置に移動させるとともに、第2アーム駆動機構5により、第1アーム1と干渉せず、かつ、第2アーム2の角度が所定の撮影角度となるように、第2アーム2の角度を変更することにより、互いに干渉しない位置に第1アーム1および第2アーム2をそれぞれ配置して、それぞれ撮影を行うように構成されている。
【0062】
図9(A)は、本実施形態における制御部6が、基台移動機構4を介して第2基台8を移動させる際の模式図である。図9(B)は、本実施形態における制御部6が、第2基台8を移動させた後に、第1アーム駆動機構3を介して第1アーム1を移動させる際の模式図である。
【0063】
図9(A)に示すように、制御部6は、基台移動機構4により第2基台8を旋回させて、中間軸43を天板7の長辺側に配置するように構成されている。具体的には、制御部6は、平面視において、基台移動機構4により、第2基台8を天板7の短辺側から天板7の長辺側に移動させるように構成されている。図9(A)に示す例では、制御部6は、天板7を天井側から見た場合に、基台移動機構4により、第2基台8を時計回りに回動させるとにより、第2基台8を移動させるように構成されている。これにより、基台軸42と中間軸43とを結ぶ一点鎖線raが、被写体Pの体軸baと交差する方向となる。本実施形態では、一点鎖線raと被写体Pの体軸baが交差する方向となる配置を、第2配置F2とする。その後、制御部6は、第1アーム駆動機構3により第1アーム1を天板7の短辺側に配置することにより、第2アーム2を第1アーム1に干渉しない位置に配置するように構成されている。なお、天板7の長辺側とは、天板7と第2基台8とが、天板7の長軸方向に並ぶ位置のことである。また、天板7の短辺側とは、天板7と第2基台8とが、天板7の短軸方向に並ぶ位置のことである。
【0064】
図10(A)は、第4撮影位置sp4および第5撮影位置sp5に第1アーム1および第2アーム2を配置した例を示す斜視図である。図10(B)は、第4撮影位置sp4および第5撮影位置sp5に第1アーム1および第2アーム2を配置した例を示す平面視の図である。
【0065】
図10に示すように、本実施形態では、第4撮影位置sp4および第5撮影位置sp5において撮影する際には制御部6は、天板7の長軸に沿う縦断面内で、天板7の長軸方向の一端側および他端側から被写体Pに向けて斜め方向にX線を照射する位置(CranialおよびCaudal)に、第1アーム1および第2アーム2をそれぞれ配置して、それぞれ撮影を行うように構成されている。図10に示すように、本実施形態では、基台軸42と中間軸43とを、第2配置F2の位置に配置することにより、第4撮影位置sp4および第5撮影位置sp5に第1アーム1と第2アーム2とを配置した場合でも、第1アーム1の領域cp2と、第2基台8の領域cp1との間の距離cpdが大きくなる。これにより、第1アーム1および第2アーム2を用いて、第4撮影位置sp4および第5撮影位置sp5を一度の撮影によって撮影することができる。
【0066】
このとき、制御部6は、第4撮影位置sp4における撮影角度を、予め設定された角度となるように第2アーム駆動機構5によって第2アーム2を駆動する。第4撮影位置sp4における撮影角度は、図3(A)に示したCranial方向の角度である。
【0067】
また、制御部6は、基台移動機構4によって第2アーム2が旋回されることにより、取得されるX線画像(図示せず)における被写体Pの向きが変化しないように、第2アーム2の旋回角度に対応する角度分、検出器回動機構2cによって、第2検出器21を回動させるように構成されている。たとえば図10の場合、制御部6は、被写体Pの頭足方向がX線画像の上下方向に沿うように、検出器回動機構2cにより第2検出器21を回動させる。
【0068】
(第4撮影位置および第5撮影位置における撮影処理)
次に、図11を参照して、本実施形態における第4撮影位置sp4および第5撮影位置sp5における撮影処理を説明する。
【0069】
ステップS1において、医師等の操作者により、第4撮影位置sp4および第5撮影位置sp5における撮影開始の入力操作が行われる。次に、ステップS2において、制御部6は、基台移動機構4により、第2基台8を、天板7の短辺側から長辺側に移動させることにより、第2基台8を第1アーム1と干渉しない位置に配置する。すなわち、制御部6は、基台移動機構4により、基台軸42と中間軸43との配置を、第1配置F1の位置から第2配置F2の位置へと移動させる。その後、処理は、ステップS3に進む。
【0070】
ステップS3において、制御部6は、第2基台8により第2アーム2を第4撮影位置sp4に配置する。その後、ステップS4において、制御部6は、第1アーム駆動機構3により、第1アーム1を第5撮影位置sp5に配置する。その後、処理は、ステップS5に進む。
【0071】
ステップS5において、制御部6は、第1アーム1および第2アーム2を用いて、第4撮影位置sp4および第5撮影位置sp5における撮影を一度に行い、処理を終了する。
【0072】
なお、制御部6は、各撮影位置に第1アーム1および第2アーム2を移動させる際は、あらかじめ記憶部10に記憶された位置に基づいて、各アームを所定の位置に移動させるように構成されている。また、第4撮影位置sp4および第5撮影位置sp5以外の各撮影位置に第1アーム1および第2アーム2を配置する場合には、基台軸42と中間軸43との配置が、第1配置F1になっていれば、第2基台8と第1アーム1とが干渉しない。したがって、制御部6は、第4撮影位置sp4および第5撮影位置sp5以外の各撮影位置において撮影する際は、制御部6は、ステップS2において、基台軸42と中間軸43との配置を第1配置F1に移動させるように構成されていればよい。
【0073】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0074】
本実施形態では、上記のように、X線透視撮影装置100は、第1X線源11と第1検出器12とを支持する第1アーム1と、第2基台8に回転可能に保持され、第2X線源20と第2検出器21とを支持する第2アーム部2aと、第2基台8および第2基台8を移動させる基台移動機構4とを含む第2アーム2と、第2アーム2を駆動する第2アーム駆動機構5と、第2アーム駆動機構5および基台移動機構4を制御する制御部6とを備え、制御部6は、第1アーム1と第2アーム2とが、それぞれの所定の撮影角度に移動する際、または、所定の撮影角度に達した際に、第1アーム1と第2アーム2とが干渉する場合において、基台移動機構4により第2基台8を移動させて、基台部2bとともに第2アーム2を第1アーム1と干渉しない位置に移動させるとともに、第2アーム駆動機構5により、第1アーム1と干渉せず、かつ、第2アーム2の角度が所定の撮影角度となるように、第2アーム2の角度を変更することにより、互いに干渉しない位置に第1アーム1および第2アーム2をそれぞれ配置して、それぞれ撮影を行うように構成されている。
【0075】
これにより、第1アーム1と第2アーム2とが、それぞれの所定の撮影角度に移動する際、または、所定の撮影角度に達した際に、第1アーム1と第2アーム2とが干渉する場合において、基台部2bとともに第2アーム2を移動させることが可能となるので、第1アーム1と第2アーム2とが干渉することを抑制することができる。このため、第1アーム1と第2アーム2とが干渉する方向から撮影する際でも、第1アーム1と第2アーム2とを用いて、一度に撮影を行うことが可能となる。その結果、1回造影剤を投与することによって、第1アーム1と第2アーム2とが干渉する方向の2方向からの撮影を一度の撮影で行うことが可能となる。したがって、第1アーム1と第2アーム2とが干渉する方向からの撮影を2回に分けて行う場合と比較して、造影剤の投与回数が増加することを抑制することができる。また、たとえば、CranialおよびCaudalから一度に撮影することができる。その結果、CranialおよびCaudalから別々に撮影する場合と比較して、撮影回数を低減させることが可能となり、撮影時間を短縮することができる。上記のように、本実施形態では、X線透視撮影装置100は、造影剤の投与回数の増加を抑制することが可能で、かつ、撮影時間を短縮することができる。
【0076】
また、本実施形態では、上記のように、基台移動機構4は、床面FSに設けられた第1回転軸32と、第1回転軸32と離れた位置に設けられた第2回転軸70とを有しており、制御部6は、基台移動機構4により、基台部2bを回動させて第2アーム2を旋回させることにより、第2アーム2を第1アーム1と干渉しない位置に配置するように構成されている。これにより、第1回転軸32と第2回転軸70とが離れた位置に設けられているので、基台部2bを回動させることにより、容易に第2アーム2の位置を変更することができる。その結果、基台部2bを回動させることにより、第2アーム2を第1アーム1と干渉しない位置に容易に配置することができる。
【0077】
また、本実施形態では、上記のように、第1回転軸32および第2回転軸70は、それぞれ、床面FSに対して垂直方向に延びる方向に設けられており、制御部6は、基台移動機構4により基台部2bを旋回させて、第2回転軸70を、被写体Pを載置する天板7の長辺側に配置するように構成されている。これにより、第2回転軸70を天板7の長辺側に配置することが可能となるので、第1アーム1が天板7の短辺側に移動する際に、第1アーム1と第2アーム2の一部とが干渉することを抑制することができる。その結果、第2アーム2の一部が第1アーム1と干渉することを、より一層抑制することができる。
【0078】
また、本実施形態では、上記のように、第2アーム2は、第2検出器21を回動させる検出器回動機構2cをさらに含み、制御部6は、基台移動機構4によって第2アーム2が旋回されることにより、取得されるX線画像における被写体Pの向きが変化しないように、第2アーム2の旋回角度に対応する角度分、検出器回動機構2cによって、第2検出器21を回動させるように構成されている。これにより、第2アーム2の旋回角度に応じて第2検出器21を回動させることによって、第2アーム2によって所望の撮影角度から被写体Pを撮影する際に、第2アーム2を第1アーム1に干渉しない位置に配置した場合でも、第2アーム2を旋回させずに撮影する場合と同様のX線画像を取得することができる。したがって、所望の撮影角度から被写体Pを撮影する際に、X線画像における被写体Pの向きも所望の向きとなるように撮影することができる。その結果、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0079】
また、本実施形態では、上記のように、制御部6は、被写体Pを載置する天板7の長軸に沿う縦断面内で、天板7の長軸方向の一端側および他端側から被写体Pに向けて斜め方向にX線を照射する位置に、第1アーム1および第2アーム2をそれぞれ配置して、それぞれ撮影を行うように構成されている。これにより、天板7の長軸方向の一端側および他端側の異なる2方向から被写体Pを撮影する場合でも、第1アーム1と第2アーム2とが干渉することを抑制することができる。その結果、天板7の長軸方向の一端側および他端側の異なる2方向からの撮影を1回の撮影で行うことができる。
【0080】
また、本実施形態では、上記のように、第1アーム1を駆動する第1アーム駆動機構3をさらに備え、制御部6は、平面視において、基台移動機構4により、基台部2bを、被写体Pを載置する天板7の短辺側から天板7の長辺側に移動させるとともに、第1アーム駆動機構3により第1アーム1を天板7の短辺側に配置することにより、第2アーム2を第1アーム1に干渉しない位置に配置するように構成されている。これにより、基台部2bを天板7の短辺側から長辺側に移動させた後に、第1アーム1を天板7の短辺側に配置することができる。その結果、第2アーム2が第1アーム1に干渉する位置に配置されていた場合でも、第2アーム2の移動後に第1アーム1を移動させることが可能となるので、第2アーム2と第1アーム1とが干渉することを、確実に抑制することができる。
【0081】
また、本実施形態では、上記のように、制御部6は、第1アーム1および第2アーム2を、それぞれ異なる4か所の相対位置に配置してそれぞれ撮影することにより、被写体Pを載置する天板7の長軸に沿う水平面内における左右方向と、天板7の長軸に沿う縦断面内における一端側または他端側から被写体Pに対して斜めにX線を照射する方向とを組み合わせた8方向からの撮影を行うように構成されている。これにより、第1アーム1および第2アーム2を4か所の相対位置に配置して8方向からの撮影を行うことができる。その結果、天板7の長軸に沿う縦断面内における一端側または他端側から被写体Pに対して斜めにX線を照射する方向を別々に撮影する場合と比較して、撮影回数を低減させることが可能となるので、造影剤の投与回数が増加することを抑制することができる。
【0082】
また、本実施形態では、上記のように、X線透視撮影装置100は、第1アーム1と、第2アーム2とを含み、被写体Pを異なる方向からそれぞれ撮影可能な撮像部9と、撮像部9を制御する制御部6とを備え、制御部6は、被写体Pの右斜位、正面、および左斜位のそれぞれと、被写体Pを載置する天板7の長軸に沿う縦断面内における一端側または他端側から被写体Pに対して斜めX線を照射する方向とを組み合わせた8方向からそれぞれ撮影を行うとともに、8方向のうち、被写体Pの正面と、天板7の長軸に沿う縦断面内における一端側または他端側から被写体Pに対して斜めにX線を照射する方向とを組み合わせた方向の撮影時に、第1アーム1と第2アーム2とが、それぞれの所定の撮影角度に移動する際、または、所定の撮影角度に達した際に、第1アーム1と第2アーム2とが干渉する場合において、第2アーム2の基台部2bを回動させて基台部2bとともに第2アーム2を旋回させるとともに、第1アーム1と干渉せず、かつ、第2アーム2の角度が所定の撮影角度となるように、第2アーム2の角度を変更することにより、互いに干渉しない位置に第1アーム1および第2アーム2をそれぞれ配置して、それぞれ撮影を行うように構成されている。
【0083】
これにより、第1アーム1と第2アーム2とによって、第1アーム1と第2アーム2とが干渉する方向の2方向から一度に撮影することができる。したがって、2方向ずつ4回撮影することにより、8方向の撮影を行うことが可能となるので、造影剤の投与回数が増加することを抑制することができる。また、2方向ずつ4回撮影することにより、8方向の撮影を行うことが可能となるので、撮影回数を低減させることが可能となり、撮影時間を短縮することができる。上記のように、本実施形態では、造影剤の投与回数の増加を抑制することが可能で、かつ、撮影時間を短縮することが可能なX線透視撮影装置100を提供することができる。
【0084】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0085】
たとえば、上記実施形態では、第1アーム1が天井CSから保持される構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1アーム1も第2アーム2と同様に、床面FSに設けられた基台移動機構によって保持される構成でもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、第1検出器12および第2検出器21が天板7の表側(被写体Pを載置する側)に配置する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1X線源11および第2X線源20を、天板7の表側に配置するように構成されていてもよい。
【0087】
また、上記実施形態では、基台移動機構4が、基台軸42と、中間軸43と、水平回転軸44とを有する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、基台移動機構4は、基台軸42と中間軸43との2軸を有するように構成されていてもよい。しかし、基台移動機構4が有する回転軸の数が多いほど、基台部2bおよび第2アーム2の移動の自由度が向上するので、基台移動機構4は、基台軸42と、中間軸43と、水平回転軸44とを有する構成の方が好ましい。
【0088】
また、上記実施形態の図9に示す例では、天板7を天井側から見た場合において、基台移動機構4が第2基台8を時計回りに回動させることにより、第2基台8を移動させる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。基台移動機構4は、天板7を天井側から見た場合において、第2基台8を反時計回りに回動させるように構成されていてもよい。
【0089】
また、上記実施形態では、基台移動機構4と天板7とが、天板7の長軸に沿う方向に並ぶ位置に、基台移動機構4を配置する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、基台移動機構4は、天板7の長軸に沿う方向から、天板7の長軸方向から左右のどちらかにずれた位置に配置されていてもよい。天板7の長軸方向から左にずれた位置に基台移動機構4を配置する場合は、基台移動機構4は、天板7を天井側から見た場合において、第2基台8を半時計回りに回動させるように構成すればよい。また、天板7の長軸方向から右にずれた位置に基台移動機構4を配置する場合は、基台移動機構4は、天板7を天井側から見た場合において、第2基台8を時計回りに回動させるように構成すればよい。
【符号の説明】
【0090】
1 第1アーム
2 第2アーム
2a 第2アーム部
2b 基台部
2c 検出器回動機構
3 第1アーム駆動機構
4 基台移動機構
5 第2アーム駆動機構
6 制御部
7 天板
8 第2基台(基台)
9 撮像部
11 第1X線源
12 第1検出器
20 第2X線源
21 第2検出器
42 基台軸(第1回転軸)
43 中間軸(第2回転軸)
P 被写体
図1
図2
図3
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図5
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図9
図10
図11