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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-18
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
   A01B 63/00 20060101AFI20230511BHJP
【FI】
A01B63/00 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019198982
(22)【出願日】2019-10-31
(65)【公開番号】P2021069335
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2021-12-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 岳行
(72)【発明者】
【氏名】川崎 潤
【審査官】吉原 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-136878(JP,A)
【文献】実開昭61-197805(JP,U)
【文献】特開2017-176007(JP,A)
【文献】実開昭54-013808(JP,U)
【文献】特開2017-023066(JP,A)
【文献】特開2018-186760(JP,A)
【文献】特開2009-232773(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 63/00 - 63/12
A01B 69/00 - 69/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体(2)と、
前記車体(2)の後部に装着される作業機(90)と、
前記作業機(90)を昇降させる昇降装置(8)と、
前記作業機(90)の昇降位置を検知する昇降位置検知センサ(73)と、
前記車体(2)が圃場の外側にいることと前記車体(2)が圃場の外側から内側に入ることを識別する識別手段(10)と、
運転者に情報を報知する報知装置(20)と、
前記昇降装置(8)および報知装置(20)の動作を制御する制御装置(7)と、
を備え、
前記制御装置(7)は、前記作業機(90)の昇降位置のうち路上の走行に適した路上用昇降範囲のデータと前記作業機(90)の昇降位置のうち圃場に入るときに適した圃場用昇降範囲のデータを有し、
前記路上用昇降範囲は、所定の下限の高さ(H1)と所定の上限の高さ(H2)との間におさまる範囲であって前記上限の高さ(H2)が前記作業機(90)の昇降可能な最高の高さよりも低い高さに設定されており、前記圃場用昇降範囲は、前記作業機(90)の昇降可能な範囲のうち最も高い位置である最上げの位置に設定されており、
前記制御装置(7)は、前記識別手段(10)が圃場の外側にいることを識別した場合に前記昇降位置検知センサ(73)で検知される昇降位置が前記路上用昇降範囲内でないと判別したときに前記作業機(90)の昇降位置が適切でないことを警告する情報を前記報知装置(20)に報知させるよう制御し、前記識別手段(10)が圃場の外側から内側に入ることを識別した場合に前記昇降位置検知センサ(73)で検知される昇降位置が前記圃場用昇降範囲内でないと判別したときに、前記作業機(90)の昇降位置が適切でないことを警告する情報を前記報知装置(20)に報知させるとともに前記作業機(90)を前記最上の位置に上昇させる動作を前記昇降装置(8)に実行させるよう制御することを特徴とする作業車両。
【請求項2】
前記作業機(90)の昇降位置が適切でないことを警告する情報が報知された場合、前記作業機(90)を前記路上用昇降範囲内におさめるための昇降動作を前記昇降装置(8)に実行させる路上用昇降スイッチ(30)を備えることを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
前記識別手段(10)は、前記車体(2)の自己位置を測位する測位装置(101)で構成されており、
前記制御装置(7)は、圃場の位置データを有するとともに、前記測位装置(101)で測位される自己位置が前記圃場の位置データに照らして圃場の外側であるか否かと圃場の外側から内側に入るか否かを識別することを特徴とする請求項1又は2に記載の作業車両。
【請求項4】
車体(2)と、
前記車体(2)の後部に装着される作業機(90)と、
前記作業機(90)を昇降させる昇降装置(8)と、
前記作業機(90)の昇降位置を検知する昇降位置検知センサ(73)と、
前記車体(2)が圃場の外側にいることを識別する識別手段(10)と、
運転者に情報を報知する報知装置(20)と、
前記車体(2)に設けられる左右の後輪のブレーキを作動させる左右のブレーキペダル(17L,17R)と、
前記左右のブレーキペダル(17L,17R)を連結させて一体で作動させる状態か又はその連結の状態を解除して個別に作動させる状態のいずれか一方に切り替える切替えペダル(24)と、
前記切替えペダル(24)の前記左右のブレーキペダル(17L,17R)の連結を前記切替えペダル(24)により解除できない状態と当該連結を解除できる状態のいずれか一方に切り替える切替えレバー(22)と、
前記昇降装置(8)および報知装置(20)の動作を制御する制御装置(7)と、
を備え、
前記識別手段(10)は、前記切替えレバー(22)の切り替えを検知する切替え検知センサ(76)で構成されており、
前記制御装置(7)は、前記作業機(90)の昇降位置のうち路上の走行に適した路上用昇降範囲のデータを有し、
前記路上用昇降範囲は、所定の下限の高さ(H1)と所定の上限の高さ(H2)との間におさまる範囲であって前記上限の高さ(H2)が前記作業機(90)の昇降可能な最高の高さよりも低い高さに設定されており、
前記制御装置(7)は、前記切替え検知センサ(76)から前記切替えレバー(22)が前記連結を解除できない状態に切り替えられた情報を入手して圃場の外側にいることを識別した場合に前記昇降位置検知センサ(73)で検知される昇降位置が前記路上用昇降範囲内でないと判別したときに、前記作業機(90)の昇降位置が適切でないことを警告する情報を前記報知装置(20)に報知させるよう制御することを特徴とする作業車両。
【請求項5】
前記制御装置(7)は、前記作業機(90)の昇降位置のうち圃場に入るときに適した圃場用昇降範囲のデータを有し、
前記圃場用昇降範囲は、前記作業機(90)の昇降可能な範囲のうち最も高い位置である最上げの位置に設定されており、
前記制御装置(7)は、前記切替え検知センサ(76)から前記切替えレバー(22)が前記連結を解除できる状態に切り替えられた情報を入手したときに前記車体(2)が圃場の外側から内側に入ると識別し、当該識別をした場合に前記昇降位置検知センサ(73)で検知される昇降位置が前記圃場用昇降範囲内でないと判別したときに、前記作業機(90)の昇降位置が適切でないことを警告する情報を前記報知装置(20)に報知させるよう制御することを特徴とする請求項4に記載の作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタ等の作業車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、トラクタ等の作業車両として、路上を走行するときに後続車両への注意喚起をするための反射板が車体の後方に装着される作業機により隠蔽されて視認できないことを防ぐため、反射板の近傍に反射板を遮蔽する遮蔽物の有無を検出する検出センサを設け、その検出センサにより遮蔽物が有ることが検出されると、反射板が遮蔽された状態であることを報知するよう構成された作業車両が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-108687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、作業車両においては、作業機を装着した状態で路上を走行しようとした場合、特許文献1等に記載の作業車両のように反射板の後方における遮蔽物の存在を検出して報知するだけでは、不適切な状態にあるにもかかわらず路上の走行ができてしまうことがあった。不適切な状態とは、例えば、作業機が遮蔽物として検出されず全く上昇されていない状態にある場合や、作業機が適切な高さまで上昇されておらず路面等に接触しやすい状態にある場合、上昇させても遮蔽物として検出されない形状の作業機において上昇させすぎることで重心が高くなって高速走行が不安定になる場合等である。
【0005】
そこで、本発明は、作業機を装着した状態で路上を走行する場合でも適切な状態で路上の走行ができる作業車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記課題は、以下の手段により解決される。
【0007】
すなわち、請求項1に係る発明は、車体(2)と、前記車体(2)の後部に装着される作業機(90)と、前記作業機(90)を昇降させる昇降装置(8)と、前記作業機(90)の昇降位置を検知する昇降位置検知センサ(73)と、前記車体(2)が圃場の外側にいることと前記車体(2)が圃場の外側から内側に入ることを識別する識別手段(10)と、運転者に情報を報知する報知装置(20)と、前記昇降装置(8)および報知装置(20)の動作を制御する制御装置(7)と、を備え、
前記制御装置(7)は、前記作業機(90)の昇降位置のうち路上の走行に適した路上用昇降範囲のデータと前記作業機(90)の昇降位置のうち圃場に入るときに適した圃場用昇降範囲のデータを有し、
前記路上用昇降範囲は、所定の下限の高さ(H1)と所定の上限の高さ(H2)との間におさまる範囲であって前記上限の高さ(H2)が前記作業機(90)の昇降可能な最高の高さよりも低い高さに設定されており、前記圃場用昇降範囲は、前記作業機(90)の昇降可能な範囲のうち最も高い位置である最上げの位置に設定されており、
前記制御装置(7)は、前記識別手段(10)が圃場の外側にいることを識別した場合に前記昇降位置検知センサ(73)で検知される昇降位置が前記路上用昇降範囲内でないと判別したときに前記作業機(90)の昇降位置が適切でないことを警告する情報を前記報知装置(20)に報知させるよう制御し、前記識別手段(10)が圃場の外側から内側に入ることを識別した場合に前記昇降位置検知センサ(73)で検知される昇降位置が前記圃場用昇降範囲内でないと判別したときに、前記作業機(90)の昇降位置が適切でないことを警告する情報を前記報知装置(20)に報知させるとともに前記作業機(90)を前記最上の位置に上昇させる動作を前記昇降装置(8)に実行させるよう制御することを特徴とする作業車両である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の作業車両において、前記作業機(90)の昇降位置が適切でないことを警告する情報が報知された場合、前記作業機(90)を前記路上用昇降範囲内におさめるための昇降動作を前記昇降装置(8)に実行させる路上用昇降スイッチ(30)を備えることを特徴とする作業車両である。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の作業車両において、前記識別手段(10)は、前記車体(2)の自己位置を測位する測位装置(101)で構成されており、
前記制御装置(7)は、圃場の位置データを有するとともに、前記測位装置(101)で測位される自己位置が前記圃場の位置データに照らして圃場の外側であるか否かと圃場の外側から内側に入るか否かを識別することを特徴とする作業車両である
【0010】
請求項に記載の発明は、車体(2)と、前記車体(2)の後部に装着される作業機(90)と、前記作業機(90)を昇降させる昇降装置(8)と、前記作業機(90)の昇降位置を検知する昇降位置検知センサ(73)と、前記車体(2)が圃場の外側にいることを識別する識別手段(10)と、運転者に情報を報知する報知装置(20)と、前記車体(2)に設けられる左右の後輪のブレーキを作動させる左右のブレーキペダル(17L,17R)と、前記左右のブレーキペダル(17L,17R)を連結させて一体で作動させる状態か又はその連結の状態を解除して個別に作動させる状態のいずれか一方に切り替える切替えペダル(24)と、前記切替えペダル(24)の前記左右のブレーキペダル(17L,17R)の連結を前記切替えペダル(24)により解除できない状態と当該連結を解除できる状態のいずれか一方に切り替える切替えレバー(22)と、前記昇降装置(8)および報知装置(20)の動作を制御する制御装置(7)と、を備え、
前記識別手段(10)は、前記切替えレバー(22)の切り替えを検知する切替え検知センサ(76)で構成されており、
前記制御装置(7)は、前記作業機(90)の昇降位置のうち路上の走行に適した路上用昇降範囲のデータを有し、
前記路上用昇降範囲は、所定の下限の高さ(H1)と所定の上限の高さ(H2)との間におさまる範囲であって前記上限の高さ(H2)が前記作業機(90)の昇降可能な最高の高さよりも低い高さに設定されており、
前記制御装置(7)は、前記切替え検知センサ(76)から前記切替えレバー(22)が前記連結を解除できない状態に切り替えられた情報を入手して圃場の外側にいることを識別した場合に前記昇降位置検知センサ(73)で検知される昇降位置が前記路上用昇降範囲内でないと判別したときに、前記作業機(90)の昇降位置が適切でないことを警告する情報を前記報知装置(20)に報知させるよう制御することを特徴とする作業車両である
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の作業車両において、前記制御装置(7)は、前記作業機(90)の昇降位置のうち圃場に入るときに適した圃場用昇降範囲のデータを有し、
前記圃場用昇降範囲は、前記作業機(90)の昇降可能な範囲のうち最も高い位置である最上げの位置に設定されており、
前記制御装置(7)は、前記切替え検知センサ(76)から前記切替えレバー(22)が前記連結を解除できる状態に切り替えられた情報を入手したときに前記車体(2)が圃場の外側から内側に入ると識別し、当該識別をした場合に前記昇降位置検知センサ(73)で検知される昇降位置が前記圃場用昇降範囲内でないと判別したときに、前記作業機(90)の昇降位置が適切でないことを警告する情報を前記報知装置(20)に報知させるよう制御することを特徴とする作業車両である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、車体が圃場の外側にいることが識別された場合に作業機の昇降位置が路上用昇降範囲内でないと判別されると、作業機の昇降位置が適切でないことを警告する情報が報知されるので、運転者は作業機の昇降位置が適切でないことを知ることができ、作業機が不適切な状態にあるにもかかわらず路上を走行してしまうことが防止される。
したがって、本発明によれば、作業機を装着した状態で路上を走行する場合でも適切な状態で路上の走行ができる。
また、請求項1に記載の発明によれば、車体が圃場の外側から内側に入ることが識別された場合に作業機の昇降位置が圃場用昇降範囲内でないと判別されると、作業機の昇降位置が適切でないことを警告する情報が報知されるので、運転者は作業機の昇降位置が適切でないことを知ることができ、作業機が不適切な状態にあるにもかかわらず圃場の内側に入るよう走行してしまうことが防止される。しかも、車体が圃場の外側から内側に入るときに作業機の昇降位置が圃場用昇降範囲内でない場合には、作業機が圃場用昇降範囲の最上の位置に上昇させられる。
これにより、運転者は、作業機を装着した状態で圃場の内側に入る場合でも適切な状態で圃場内に入ることができ、しかも作業機を装着した状態で圃場の内側に入るときに、適切な状態で確実に圃場内に入ることができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、運転者は作業機の昇降位置が適切でないことを警告する情報が報知された後に路上用昇降スイッチを操作することで、作業機を路上用昇降範囲内におさめるための昇降動作を開始することができる。これにより、運転者は路上用昇降スイッチを操作する前に作業車両の周囲の状況を確認することができ、作業機の昇降動作を安全に行うことが可能になる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、識別手段が測位装置で構成されるので、車体が圃場の外側にいることが制御装置における自己位置と圃場の位置データとの照合により素早く識別されるようになり、作業機の昇降位置が路上用昇降範囲内でないと判別されるときの報知装置による報知まで迅速に行われるようになるまた、車体が圃場の外側から内側に入ることが制御装置における自己装置と圃場の位置データとの照合により素早く識別されるようになり、作業機の昇降位置が圃場用昇降範囲内でないと判別されるときの報知装置による報知まで迅速に行われるようになる
【0015】
請求項に記載の発明によれば、車体が圃場の外側にいることが識別された場合に作業機の昇降位置が路上用昇降範囲内でないと判別されると、作業機の昇降位置が適切でないことを警告する情報が報知されるので、運転者は作業機の昇降位置が適切でないことを知ることができ、作業機が不適切な状態にあるにもかかわらず路上を走行してしまうことが防止される。
したがって、本発明によれば、作業機を装着した状態で路上を走行する場合でも適切な状態で路上の走行ができる。
また、識別手段が切替えレバーの切替え検知センサで構成されるとともに、切替え検知センサから切替えレバーが連結を解除できない状態に切り替えられた情報を入手したときに制御装置により車体が圃場の外側にいることを推測して識別することになるので、識別手段が測位装置で構成される場合に比べると、識別手段を安価に構成することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、切替え検知センサから切替えレバーが連結を解除できる状態に切り替えられた情報を入手したときに制御装置により車体が圃場の外側から内側に入ることを推測して識別することになり、識別手段が測位装置で構成される場合に比べると、車体の位置を簡易的に識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は本発明の各実施形態に係るトラクタを示す左側面図である。
図2図2は作業機の駆動装置と作業機の昇降位置との関係を示す概要図である。
図3図3は操縦席の前方側の構成を示す概略斜視図である。
図4図4(A)は図3の前方側の一部を示す右側概略斜視図、図4(B)は図4(A)の前方側の一部における一部を示す概略拡大図である。
図5図5(A)は操縦席の後方側の構成を示す概略斜視図、図5(B)は図5(A)の後方側の一部における一部を拡大して示す概略斜視図である。
図6図6は第1の実施形態における制御装置の構成を示すブロック図である。
図7図7は圃場、公道等の位置情報とトラクタの位置を地図形式に模して示す概要図である。
図8図8は第1の実施形態における制御処理を示すフローチャート図である。
図9図9は第1の実施形態において行う報知の内容を示す概要図である。
図10図10は第2の実施形態における制御処理を示すフローチャート図である。
図11図11は第2の実施形態において行う報知の内容を示す概要図である。
図12図12は圃場、公道等の位置情報とトラクタの別の位置を地図形式に模して示す概要図である。
図13図13は第3の実施形態における制御装置の構成を示すブロック図である。
図14図14は第3の実施形態における制御処理を示すフローチャート図である。
図15図15(A)は切替えレバーの一状態を示す概略斜視図、図15(B)は切替えレバーの他の状態を示す概略斜視図である。
図16図16は第3の実施形態における他の制御処理を示すフローチャート図である。
図17図17は変形例における設定パネル29の構成を示す概要図である。
図18図18(A)は変形例におけるポジションレバーの一状態と構成を示す概略斜視図、図18(B)は変形例における高さ検知センサ等の構成を示す概略斜視図である。
図19図19は変形例における障害物検知センサ等の構成を示す概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0019】
[第1の実施形態]
第1の実施形態に係る作業車両の一例であるトラクタ1は、図1に示されるように、車体フレーム2にエンジン3、動力伝達装置4、左右一対の前輪5および後輪6、操縦席9等の機器が搭載されている。
このうちエンジン3は、車体フレーム2に対して開閉可能に設けられたボンネットカバー11で覆われて形成されるエンジンルーム内に配置されている。動力伝達装置4は、主変速装置、副変速装置等で構成されている。操縦席9は、車体フレーム2の後方側の位置に配置されており、座席部9a、床面部9b、キャビン部9c等を有している。キャビン部9cは、屋根部、窓部、ドア部、囲い壁部等を組み合わせて操縦席9の空間を形成している。
【0020】
トラクタ1は、エンジン3の動力を左右の前輪5と後輪6の双方とに伝達して駆動させる四輪駆動(4WD)と左右の後輪6のみに伝達して駆動させる二輪駆動(2WD)とに切り替え可能になっている。
また、トラクタ1は、車体フレーム2や動力伝達装置4の後部に、ロータリ耕うん装置等の作業機90を着脱可能に装着して昇降動させる昇降装置8や、作業機90で利用される回転動力を出力するPTO軸49が設けられている。
【0021】
昇降装置8は、例えば3点リンク形式の昇降機構で構成されている。この昇降装置8は、図1図2等に示されるように、作業機90を昇降可能に支持する左右一対のロワアーム81と、左右一対のリフトアーム82と、リフトアーム82とロワアーム81との間を連結する左右一対のリフトロッド83と、リフトアーム82を上下に揺動させる昇降シリンダ84と、トップリンク85等を組み合わせて構成されている。また、昇降装置8は、昇降シリンダ84を作動させてリフトアーム82の自由端を上下に揺動させることにより、3点リンクを介して作業機90がロワアーム81の前端にある支持軸81aを中心にして揺動するよう矢印D1,D2で示す方向に昇降動する。
【0022】
図1および図2に示される作業機90は、ロータリ耕うん装置である。このロータリ耕うん装置は、回転軸91を中心にして回転する耕うん爪92、駆動連結軸93、駆動伝達装置94、連結部95、耕うん深度調整アーム96等を有している。耕うん爪92は、図面中では回転時の外側の軌跡円として示されている。
【0023】
操縦席9の前方には、図1図3等に示されるように、操縦席9の床面部9bから立設されたステアリングコラム(ハンドルポスト)21上にステアリングホイール(ハンドル)12が設けられている。ステアリングホイール12は、左右に回転操作することにより図示しない操舵装置を介して前輪5の向きを調整できるようになっている。
【0024】
また、ステアリングホイール12の前方には、ダッシュボードの一部を占めるようにメーターパネル13が設けられている。メータパネル13は、トラクタ1における走行速度、設定内容、現在の状態、警告内容等の各種の情報を表示する表示手段等で構成されており、運転者に必要な情報を報知する報知装置20としても機能するようになっている。
ステアリングコラム21の上部でステアリングホイール12の下方側の周辺部分には、図3等に示されるように、前後進切替えレバー14、スロットルレバー15等が設けられている。前後進切替えレバー14は、前進走行と後進走行との切り替えを行うように操作されるレバーである。スロットルレバー15は、エンジン3の回転数を所定の範囲(例えば、所定の低速回転数と高速回転数の2種類)内で選択するよう操作されるレバーである。
【0025】
また、操縦席9の床面部9bやステアリングコラム21の下部の周辺部分には、図3等に示されるように、アクセルペダル16、左右のブレーキペダル17L,17R、クラッチペダル18、PTO変速レバー19、ブレーキ連結・解除用の切替えペダル24と、切替えペダル2のロック・ロック解除用の切替えレバー22等が設けられている。
【0026】
アクセルペダル16は、エンジン3の回転数を任意に変更するときに踏み込んで操作される。左右のブレーキペダル17L,17Rは、左右の後輪6L,6Rにおける図示しないブレーキ装置を作動させるときに踏み込んで操作される。クラッチペダル18は、図示しない前後進クラッチを作動させるときに踏み込んで操作される。PTO変速レバー19は、PTO軸49の回転の速度や方向の切り替えが行われる図示しないPTO変速部を作動させるときに操作される。
【0027】
また、ステアリングコラム21の上部には、図4(A)に示されるように、モード切替えスイッチ23やキースイッチ31が設けられている。
【0028】
モード切替えスイッチ23は、図4(B)に拡大して示されるようにダイヤル式のものであり、主に、路上走行モードとしての「路上走行」と、作業走行モードとしての「耕うん」とに切り替えることができるように構成されている。
路上走行モードとしての「路上走行」は、公道を走行するときや、圃場の出入り、傾斜地等の場所を走行するときに適した機能や動作が予め選定されており、例えば4WD,2WDの駆動切り替え機能や水平切替え等が実行されるよう設定されている。
作業走行モードとしての「耕うん」は、圃場等の作業場において行われる作業に適した機能や動作が予め選定されている。その機能や動作としては、例えば、4WDに固定されること、後進に切り替えたときやステアリングホイール12を切ったときに作業機90を自動で上昇させること、旋回時に内側の後輪6に自動的にブレーキをかけること等の機能や動作であり、これらが実行されるよう設定されている。
モード切替えスイッチ23には、カスタマイズ設定モードとしての「こだわり」も用意されている。このカスタマイズ設定モードとしての「こだわり」は、主に作業時の機能について運転者が任意に選択変更することが可能なモードであり、主に作業走行モードとしての「耕うん」における機能や動作の採用の有無を選択することができる。
【0029】
また、この実施形態におけるモード切替えスイッチ23では、路上走行モードとしての「路上走行」には、作業機90を後述する路上用昇降範囲におさめるための昇降動作を自動で実行させる機能を付加している。実際には、路上走行モードに「公道走行」という新規の選択モードを増設している。このためモード切替えスイッチ23における公道走行の機能付きの「路上走行」のスイッチ部分は、作業機90を路上用昇降範囲におさめるための昇降動作を自動で昇降装置8に実行させる路上用昇降スイッチ30として機能する。
【0030】
また、操縦席9の床面部9bの左脇には、左側操作部が設けられている。この左側操作部には、図5(A)に示されるように、副変速装置の切り替えを行う副変速レバー25が設けられている。
副変速レバー25は、副変速ギヤ機構におけるギヤの組み合わせとして、例えば低速段、中速段および高速段の3種類の副変速段を選択して切り替えることができるよう操作される。
【0031】
さらに、操縦席9の座席部9aの右脇には、右側操作部が設けられている。この右側操作部には、図5(B)に示されるように、主変速装置の切り替えを行う主変速レバー26や、作業機90の昇降位置を選択して設定するポジション(コントロール)レバー27や、PTO入切スイッチ28や、各種の動作内容の詳細な設定を行う設定パネル29等が設けられている。
主変速レバー26は、主変速装置におけるギヤの組み合わせとして、例えば1段(低速側)から15段(高速側)までの複数の主変速段のいずれかに切り替えることができるよう操作される。ポジションレバー27は、作業機90の昇降位置として、例えば1段(最低の位置)から8段(最上の位置)までの複数の昇降位置を自由に選択して設定することができるよう操作される。
【0032】
また、トラクタ1は、図1等に示されるように、トラクタ1(車体フレーム2)が作業を行う予定の圃場の外側にいることを識別する識別手段10として、トラクタ1(車体フレーム2)の位置を測位する測位装置101を備えている。
【0033】
測位装置101は、測位衛星から送信される測位信号を受信して車体フレーム2の現在の位置を測定する装置である。この測位装置101は、GPS(Global Positioning System)等の衛星測位システムを使用した装置であり、例えば、図6等に示されるように、測位衛星から送信される測位信号を受信するアンテナ等の受信部101aと、受信部101aで受信した測位信号から座標位置を算出する計測部101bを有している。
【0034】
さらに、トラクタ1は、図6に示されるように、トラクタ1の各種の動作について制御するための制御装置7を備えている。
制御装置7は、例えばマイクロコンピュータ等で構成されており、メモリ部71に格納されている制御用のプログラムやデータに基づいて必要な判別や制御を行うよう作動するよう構成されている。メモリ部71は、内部に配置されている記憶素子に限らず、外部に接続されて使用される外部記憶装置などを含むものである。
【0035】
制御装置7は、制御情報を入手するため図示しない各種のセンサ等の機器と接続されているが、この実施形態における制御装置7では少なくとも以下の機器が接続されている。
すなわち、制御装置7は、ポジションレバー27の選択した昇降位置(の段数)を検知するポジション検知センサ72、作業機90の実際の昇降位置を検知する昇降位置検知センサ73、モード切替えスイッチ23の切り替えたモードを検知するモード切替えセンサ74、PTO入切スイッチ28の入切の状態を検知するPTO入切センサ75等が接続されており、その各センサ72~75等で検知された情報が入力されるようになっている。
このうち昇降位置検知センサ73は、例えば、実際にリフトアーム82の位置を検知し、その位置情報から作業機90の実際の昇降位置を換算して得るよう構成されている。
【0036】
一方、制御装置7は、制御対象の機器に制御情報(信号)を送信するように接続されているが、この実施形態における制御装置7では、作業機90を昇降動させる昇降装置8を駆動させる昇降駆動装置80、報知装置20としても機能するメータパネル13を駆動させるパネル駆動装置131等と少なくとも接続されており、その昇降駆動装置80やパネル駆動装置131等に必要な制御信号を送信するようになっている。
ここで、制御装置7は、例えば、ポジションレバー27の選択した昇降位置の情報がポジション検知センサ72から得られると、作業機90が選択された昇降位置でとどまるよう昇降装置8の動作を制御する。
【0037】
また、制御装置7は、測位装置101の計測部101bで得られる測位情報(座標位置)を予め作業走行する予定の圃場や路上走行する公道等に関する位置データと照合して車体フレーム2の現在の位置(自己位置)を検出する位置検出部として機能するようになっている。
【0038】
位置検出部は、ソフトウェアからなる機能部分として構成されるものである。位置データは、制御装置7におけるメモリ部71に予め格納されている。この位置データは、図7に地図形式に模して例示されるように、少なくとも作業走行する予定の圃場201(A,B,D,F)の位置情報のみに限られず、例えば、その圃場の周辺になる領域(例えば作業走行する予定のない周辺にある圃場201C,201Eや公道等に関する位置情報を含むものであっても勿論よい。
【0039】
そして、トラクタ1においては、作業機90の昇降位置のうち路上の走行に適した路上用昇降範囲のデータが制御装置7のメモリ部71に格納されている。
【0040】
路上の走行に適した路上用昇降範囲は、予め実験等で試行して確認したうえで設定されるが、例えば以下のような範囲である。
すなわち、路上用昇降範囲は、路上を走行するときに作業機90の一部(最下部)が路上に接触することを回避するために必要な地面200(公道202の路面)からの下限の高さH1と、路上を走行するときに作業機90が加わることにより重心位置が高くなる傾向があって転倒等の危険が発生しにくい安全な走行状態を確保するために必要な地面200(公道202の路面)からの上限の高さH2との間におさまる範囲である。下限の高さH1としては、例えば20cm程度が好ましい。
この場合、作業機90の最下部としては、例えば、複数の耕うん爪92のうち最も下方に位置しているときの耕うん爪92における下端部92dなどが該当する。また、上限の高さH2は、作業機90の上昇可能な最高の高さよりも低い高さに設定される。
【0041】
図2では、例えば昇降装置8におけるリフトアーム82を符合82Dで示すリフトアームの位置まで下げたときの状態にあるロワアーム81Dに支持された作業機90の昇降位置が下限の高さH1にあることを示している。また、昇降装置8におけるリフトアーム82を符合82Tで示すリフトアームの位置まで上げたときの状態にあるロワアーム81Tに支持された作業機90の昇降位置が上限の高さH2にあることを示している。
また図2において二点鎖線で示すロワアーム81Lは、最下位の状態まで下げられたときの状態である。
【0042】
また、トラクタ1においては、その稼動時に、制御装置7が制御動作の1つとして、図8に示されるように、車体フレーム2が圃場201の外側(通常は路上)にいるか否かの識別又は判別や、作業機90の昇降位置が上記路上用昇降範囲内であるか否かの判別や、作業機90の昇降位置が上記路上用昇降範囲内でないと判別したときに報知装置20でもあるメータパネル13に警告情報を報知させる動作を行うよう構成されている。
【0043】
次に、制御装置7による作業機90の昇降位置に関する制御動作について説明する。
【0044】
制御装置7では、トラクタ1がキースイッチ31の入り操作により稼働している間は、図8に示されるように車体フレーム2が圃場201の外側にいるか否かを識別する動作が行われる(ステップS10)。
この際、制御装置7では、測位装置101の計測部101bからの座標位置に基づいて上記位置検出部で得られる車体フレーム2の位置情報とメモリ部71に格納されている圃場201の位置データとを照合することで、車体フレーム2が圃場201の外側にいるか否かが判別される。ここで、トラクタ1が例えば図7に示されるように作業走行をした圃場201Bから公道に移動すると、車体フレーム2が圃場201の外側にいると識別される。また、制御装置7が公道の位置データまで有している場合は、公道に移動したトラクタ1の前後方向が図7に例示されているトラクタ1のように公道の走行方向とほぼ平行する位置関係になっていることまでを判別したときに、車体フレーム2が圃場201の外側にいると識別するように構成してもよい。
【0045】
ステップS10において車体フレーム2が圃場201の外側にいることが識別されると、制御装置7では、作業機90の昇降位置が上記路上用昇降範囲内であるか否かを判別する動作が続けられる(ステップS11)。
この際、制御装置7では、昇降位置検知センサ73で検知される作業機90の昇降位置が上記路上用昇降範囲(数値範囲)に含まれるか否かが判別される。なおこのときの判別動作では、ポジションレバー27が選択する昇降位置に関するポジション検知センサ72から得られる情報は利用されない。
【0046】
続いて、ステップS11において作業機90の昇降位置が上記路上用昇降範囲内でないと判別されると、制御装置7では、パネル駆動装置131を通してメータパネル13に作業機90の昇降位置が適切でないことを警告する情報を報知させるための制御が行われる(ステップS12)。
一方、ステップS11において作業機90の昇降位置が上記路上用昇降範囲内であると判別された場合は、一連の制御動作が終了する。
このときの報知は、例えば図9に示されるように「作業機を路上走行用位置にしてください。」のような警告メッセージを、メータパネル13における表示画面部13a(図6)に表示することで行われる。またこのときの報知は、図9に例示されるような「注意。ここは公道です。」等のトラクタ1が存在する場所を知らせる警告メッセージも併せて表示することで行うようにするとよい。
【0047】
トラクタ1の運転者は、このような報知が行われることにより、作業機90を装着した状態で路上を走行しようとしたときに作業機90の昇降位置が適切でない状態にあることを知ることができる。また、この報知においてトラクタ1が存在する場所を知らせる警告メッセージも併せて表示された場合は、運転者に対してより有効な注意喚起を促すことが可能になる。
【0048】
そして、このトラクタ1では、運転者が作業機90の昇降位置が適切でないことを知ったとき、その運転者自身が例えば、モード切替えスイッチ23に路上用昇降スイッチ30として設けられた「路上走行(公道走行)」という路上走行モード(スイッチ部分)を選択する操作を行うと、作業機90の昇降位置が路上用昇降範囲内におさまるような昇降動作が昇降装置8により行われるよう構成されている。
このときの制御装置7は、上記報知が行われた後に、モード切替えセンサ74からモード切替えスイッチ23が路上走行(公道走行)に切り替えられた検知情報を入手すると、作業機90を路上用昇降範囲におさまる予め設定された高さまで移動させる昇降動作を昇降装置8が実行するよう昇降駆動装置80を通して制御する。ちなみに、このトラクタ1では、モード切替えスイッチ23が路上走行(公道走行)に切り替えられると、ポジションレバー27を操作しても昇降装置8による作業機90の昇降動作が変更されないよう抑制作用が発生するよう構成されている。
【0049】
また、制御装置7は、上記報知を行った後も、作業機90の昇降位置が上記路上用昇降範囲内であるか否かを判別する動作を続けて行っている(ステップS13)。このステップS13において作業機90の昇降位置が上記路上用昇降範囲内であることを判別すると、制御装置7は、メータパネル13における警告メッセージの表示による報知を解除する制御を行う(ステップS14)。
この実施形態では、運転者がモード切替えスイッチ23を路上走行(公道走行)に切り替えることで、昇降装置8が作動して作業機90を上記路上用昇降範囲内におさめる昇降動作が行われるが、そのときの作業機90の実際の昇降位置についても昇降位置検知センサ73で検知されるようになっている。
【0050】
以上のように、トラクタ1では、作業機90を装着した状態で路上を走行しようとする場合、作業機90の昇降位置が適切な昇降範囲内でないときに警告の報知がされるので、運転者は作業機90を路上走行に適した昇降位置に移動させることを忘れていても、作業機90の昇降位置が適切でないことを知ることができ、作業機90が不適切な昇降位置にあるにもかかわらず路上を走行してしまうことが防止される。
【0051】
したがって、トラクタ1によれば、作業機90を装着した状態で路上を走行する場合でも適切な状態で路上を走行することができる。
具体的には、作業機90の昇降位置が路上の走行に適した下限の高さH1以上の高さにされた場合は、その路上走行をするときに作業機90の一部が路面に接触するおそれが回避される。また、作業機90の昇降位置が路上の走行に適した上限の高さH2以下の高さにされた場合は、その路上走行をするときに作業機90により重心位置が高くなりすぎて安全走行に支障をきたすおそれも回避される。
【0052】
また、トラクタ1では、運転者は作業機90の昇降位置が適切でないことを警告する情報が報知された後にモード切替えスイッチ23に配置された路上用昇降スイッチ30を操作することで、作業機90を路上用昇降範囲内におさめるための昇降動作を開始することができる。
これにより、運転者は路上用昇降スイッチ30を操作する前にトラクタ1の周囲の状況を確認することができ、例えば上記報知とほぼ同時に作業機90を路上用昇降範囲内におさめる昇降動作が自動で開始される場合に比べると、作業機90の昇降動作を安全を確認したうえで行うことが可能になる。
【0053】
[第2の実施形態]
図10には、本発明の第2の実施形態に係るトラクタの一部(制御の構成例)が示されている。
【0054】
第2の実施形態に係るトラクタは、制御装置7の制御処理を追加した以外は第1の実施形態に係るトラクタ1と同じ構成のものである。
すなわち、第2の実施形態に係るトラクタにおける制御装置7は、まず作業機90の昇降位置のうち少なくとも作業予定の圃場201に入るときに適した圃場用昇降範囲のデータがメモリ部71に格納されている。圃場用昇降範囲は、例えば、作業機90が昇降可能な範囲のうち最も高い位置に上げられた位置(最上げの位置)が設定される。
【0055】
また、このときの制御装置7は、識別手段10を構成する測位装置101の計測部101bからの座標位置に基づいて車体フレーム2が圃場201の外側から内側に入ることを識別するようになっている。圃場201の外側から内側に入ることとは、図12に示されるようにトラクタ1が作業予定の圃場201の出入口に接近した位置(例えば出入口から2m以内の範囲位置)にいる状態である。また、圃場201の外側から内側に入ることについては、トラクタ1の前後方向が図12に例示するトラクタ1のように作業予定の圃場201の出入口に接する公道の走行方向に対してほぼ交差する位置関係になっている状態までを含めるようにしてもよい。
【0056】
さらに、このときの制御装置7は、図10に示されるように、圃場201の外側から内側に入ることを識別した場合に作業機90の昇降位置が上記圃場用昇降範囲内でないと判別したときに、作業機90の昇降位置が適切でないことを警告する情報を報知装置20でもあるメータパネル13に表示(図11)して報知させるよう制御するようになっている。
【0057】
次に、このときの制御装置7による作業機90の昇降位置に関する制御動作について説明する。
【0058】
制御装置7では、図10に示されるように車体フレーム2が圃場201の外側から内側にいるか否かを識別する動作が行われる(ステップS20)。
この際、制御装置7では、測位装置101の計測部101bからの座標位置に基づいて上記位置検出部で得られる車体フレーム2の位置情報とメモリ部71に格納されている圃場201(その出入口を含む)の位置データとを照合することで、車体フレーム2が圃場201の外側から内側に入るところか否かが判別される。
【0059】
ステップS20において車体フレーム2が圃場201の外側から内側に入るところであることが識別されると、制御装置7では、作業機90の昇降位置が上記圃場用昇降範囲内であるか否かを判別する動作が続けられる(ステップS21)。
この際、制御装置7では、昇降位置検知センサ73で検知される作業機90の昇降位置が上記圃場用昇降範囲(数値範囲)に含まれるか否かが判別される。
【0060】
続いて、ステップS21において作業機90の昇降位置が上記圃場用昇降範囲内でないと判別されると、制御装置7では、パネル駆動装置131を通してメータパネル13に作業機90の昇降位置が適切でないことを警告する情報を報知させるための制御が行われる(ステップS22)。
一方、ステップS21において作業機90の昇降位置が上記圃場用昇降範囲内であると判別された場合は、一連の制御動作が終了する。
【0061】
このときの報知は、例えば図11に示されるように「作業機を圃場出入口用位置にしてください。」のような警告メッセージをメータパネル13における表示画面部13aに表示することで行われる。またこのときの報知は、図11に例示されるような「注意。ここは圃場の出入口です。」等のトラクタ1が存在する場所を知らせる警告メッセージも併せて表示することで行うとよい。
【0062】
トラクタの運転者は、このような報知が行われることにより、作業機90を装着した状態で作業予定の圃場201の出入口からその内側に入ろうとしたときに作業機90の昇降位置が適切でない状態にあることを知ることができる。また、この報知においてトラクタが存在する場所を知らせる警告メッセージも併せて表示された場合は、運転者に対してより有効な注意喚起を促すことが可能になる。
【0063】
そして、このトラクタでは、上記報知により運転者が作業機90の昇降位置が適切でないことを知ったとき、例えば、上記報知の後に制御装置7の制御動作により作業機90の昇降位置が圃場用昇降範囲内におさまるような昇降動作が昇降装置8にて自動で実行されるよう構成されている。このときの作業機90の昇降位置は、例えば、その昇降可能な範囲のうち最上の位置である最上げの位置になる。
【0064】
また、このときの制御装置7においても、上記報知を行って作業機90の最上げ位置への昇降動作を昇降装置8に自動で実行させるときでも、作業機90の昇降位置が上記圃場用昇降範囲内であるか否かを判別する動作を続けて行っている(ステップS23)。このステップS23において作業機90の昇降位置が上記圃場用昇降範囲内であることを判別すると、制御装置7は、メータパネル13における警告メッセージの表示による報知を解除する制御を行う(ステップS24)。
【0065】
以上のように、第2の実施形態に係るトラクタでは、作業機90を装着した状態で作業予定の圃場201の内側に入ろうとする場合、作業機90の昇降位置が適切な昇降範囲内でないときに警告の報知がされるので、運転者は作業機90を圃場201の内側に入るときに適した昇降位置に移動させることを忘れていても、作業機90の昇降位置が適切でないことを知ることができ、作業機90が不適切な昇降位置にあるにもかかわらず圃場201の内側に入ってしまうことが防止される。
【0066】
したがって、このトラクタによれば、作業機90を装着した状態で圃場201の内側に入ろうとしたときであっても、適切な状態で圃場201の内側に安全に入ることができる。
具体的には、作業機90が最上げの昇降位置まで上げられた状態になるので、トラクタが前進で圃場201の内側に入るときに作業機90の一部が圃場201の畔等に接触したり引っ掛かったりするおそれが回避される。
【0067】
[第3の実施形態]
図13および図14には、本発明の第3の実施形態に係るトラクタの一部(位置識別および制御の構成例)が示されている。
【0068】
第3の実施形態に係るトラクタは、識別手段10の構成と制御装置7の制御処理の一部を変更した以外は第1の実施形態に係るトラクタ1と同じ構成のものである。
すなわち、第3の実施形態に係るトラクタは、図13に示されるように識別手段10について測位装置101に代えて切替えレバー22の切替え状態を検知する切替え検知センサ76を用いることで構成しているとともに、図14に示されるように制御装置7において切替え検知センサ76から切替えレバー22が左右のブレーキペダル17L,17Rを解除できない状態(ロックの状態)に切り替えられた情報を入手したときに車体フレーム2が圃場201の外側にいると識別するように構成している。
【0069】
このトラクタでは、図13に示されるように、識別手段10を構成するため切替えレバー22の切り替えた状態を検知する切替え検知センサ76を制御装置7に接続し、切替えレバー22の切り替え情報を位置の識別を行うために制御装置7に送信するように構成している。
ここで、切替えレバー22は、左右のブレーキペダル17L,17Rを連結させて一体で作動させる状態か又はその連結を解除して個別に作動させる状態のいずれか一方に切り替えるときに操作された切替えペダル24の状態をロックする(固定する)又はそのロックを解除するものである。すなわち、切替えレバー22は、左右のブレーキペダル17L,17Rの連結させた状態を解除できない状態(ロック)とその連結の状態を解除できる状態(ロック解除)のいずれか一方に切り替えるときに操作される。したがって、この切替えレバー22は、図15(A)に示されるように切替えペダル24のロック状態を解除した状態(「解除」の位置)と、図15(B)に示されるように切替えペダル24を操作できないようようにロックした状態(「ロック」の位置)とのいずれか一方に、レバーの位置をずらして切り替えることができる。
【0070】
また、切替えレバー22は、通常、公道等の路上を走行するときには連結を解除できない状態に切り替えられ、圃場での作業等をするときには連結を解除できる状態に切り替えるよう使用される。
このため、制御装置7は、切替え検知センサ76から切替えレバー22を解除できる状態に切り替えられた情報を入手したときに、車体フレーム2が圃場201の外側にいるとみなして識別するように構成している。
【0071】
そして、この制御装置7による作業機90の昇降位置に関する制御動作は、図14に示されるように、車体フレーム2が圃場201の外側にいるか否かを識別する動作(ステップS30)が少し異なるが、それ以降の動作(ステップS31~S34として示す動作)については、第1の実施形態における制御装置7の対応する動作(図8にステップS11~S14として示す動作)と同じである。
【0072】
制御装置7では、図14に示すステップS30において、切替えレバー22が連結を解除できない状態に切り替えられたか否かを識別する動作が行われる。この際、切替えレバー22が連結を解除できない状態に切り替えられたことを識別すると、制御装置7は車体フレーム2が圃場201の外側にいるとみなし、それ以降の動作(ステップS31~S34として示す動作)を行うようになっている。
【0073】
また、このトラクタにおいても、第1の実施形態に係るトラクタ1の場合と同様に、作業機90の昇降位置が適切な昇降範囲内でないときにステップ32に示すような警告の報知がされる。
このため、運転者は作業機90を路上走行に適した昇降位置に移動させることを忘れていても、作業機90の昇降位置が適切でないことを知ることができ、作業機90が不適切な昇降位置にあるにもかかわらず路上を走行してしまうことが防止される。
以上のように、このトラクタの場合でも、作業機90を装着した状態で路上を走行する場合でも適切な状態で路上を走行することができる。
【0074】
<第3の実施形態の変形例>
第3の実施形態に係るトラクタにおいては、制御装置7において切替え検知センサ76から切替えレバー22が左右のブレーキペダル17L,17Rの連結を解除できる状態に切り替えられた情報を入手したときに車体フレーム2が圃場201の外側から内側に入るところであると識別するように構成してもよい。
【0075】
このように構成した場合、制御装置7による作業機90の昇降位置に関する制御動作は、図16に示されるように、車体フレーム2が圃場201の外側から内側に入るところであるか否かを識別する動作(ステップS40)が少し異なるが、それ以降の動作(ステップS41~S44として示す動作)については、第2の実施形態における制御装置7の対応する動作(図10にステップS21~S24として示す動作)と同じにすればよい。
【0076】
このときの制御装置7では、図16に示すステップS40において、切替えレバー22が連結を解除できる状態に切り替えられたか否かを識別する動作が行われる。この際、切替えレバー22が連結を解除できる状態に切り替えられたことを識別すると、制御装置7は車体フレーム2が圃場201の外側から内側に入るところであるとみなし、それ以降の動作(ステップS41~S44として示す動作)を行うことになる。
【0077】
また、このように構成したトラクタにおいても、第2の実施形態に係るトラクタの場合と同様に、作業機90を装着した状態で作業予定の圃場201の内側に入ろうとする場合、作業機90の昇降位置が適切な昇降範囲内でないときにステップ42に示すような警告の報知がされるようにする。
このため、運転者は作業機90を圃場201の内側に入るときに適した昇降位置に移動させることを忘れていても、作業機90の昇降位置が適切でないことを知ることができ、作業機90が不適切な昇降位置にあるにもかかわらず圃場201の内側に入ってしまうことが防止される。
以上のように、このトラクタの場合でも、作業機90を装着した状態で圃場201の内側に入る場合でも適切な状態で路上を走行することができる。
【0078】
[実施形態の他の変形例]
(a) 第1から第3の実施形態では、警告する情報の報知について、上記したように警告メッセージをメータパネル13の表示画面部13aに単純に表示させる構成を例示したが、例えば、以下のような報知を行うように構成してもよい。
報知として、メータパネル13の表示画面部13aにおいて警告メッセージを点滅させて表示させる構成や、メータパネル13にブザー、スピーカー等の音再生部13b(図6)がある場合には警告音を発生させる構成や、表示画面部13aにおける警告メッセージの単純表示又は点滅表示と音再生部13bにおける警告音の発生とを併用して行う構成などを採用することができる。
【0079】
(b) 第1の実施形態と第3の実施形態(その変形例を除く)では、警告する情報の報知がなされた後に作業機90を路上用昇降範囲におさめる昇降動作を実行させるきっかけについては、モード切替えスイッチ23に路上用昇降スイッチ30として設けた「路上走行(公道走行)」というスイッチ部分を選択して操作するという構成例を示した。
しかし、それ以外にも、例えば、警告する情報の報知とほぼ同時に昇降装置8を作動させて作業機90を路上用昇降範囲内におさめる昇降動作を自動で開始して実行させる構成や、警告する情報の報知がなされた後に運転者がポジションレバー27を操作することで作業機90を路上用昇降範囲におさめる昇降動作を昇降装置8に実行させる構成などを採用してもよい。
【0080】
(c) 第1の実施形態と第3の実施形態(その変形例を除く)では、作業機90を路上用昇降範囲におさめる昇降動作については、運転者がポジションレバー27を操作することで昇降装置8に実行させるという構成を採用した場合、運転者がその都度ポジションレバー27を操作して作業機90の昇降位置を路上用昇降範囲内(特に上限の高さH2以下)におさまる位置に設定することが意外にやりにくくわかりにくいこともある。
この場合は、例えば、図17に示されるように、設定パネル29に作業機90の路上用上げ高さを調整するための「路上用上げ高さ」等の設定ダイヤル292を設けて対応してもよい。このときの設定ダイヤル292は、作業機90の路上走行における最大の上げ高さ位置を任意に調整することができるものである。これにより、運転者が予め設定ダイヤル292を操作して適切な設定をしておけば、路上走行をする場合、作業機90の最大の上げ高さ位置を自動で常に路上用昇降範囲における上限の高さH2以下におさまる位置にすることが可能になる。図17中に示す矢印は、設定結果の一例を示す。
【0081】
(d) 第1から第3の実施形態では、警告する情報の報知の解除について、運転者がモード切替えスイッチ23を路上走行(公道走行)に切り替えることをきっかけにして解除する構成例(最終的には昇降位置検知センサ73で検知される実際の昇降位置の情報もトリガーにしている)を例示したが、これに限定されず、以下に例示するような報知を解除する構成を採用してもよい。
【0082】
(d-1) 報知の解除は、その報知の後に、図18(A)に示されるように、ポジションレバー27(実施形態では1段から8段を有する構成)の選択段数に関する情報として特定の情報がポジション検知センサ72から制御装置7に入手されることをきっかけ(条件)にして行うように構成する。
この場合、ポジション検知センサ72からの特定の情報としては、例えば、路上走行時の昇降位置に適した段数(例えば低い方の3段から6段までのいずれかの段数)であるときの情報や、圃場出入口の進入時の昇降位置に適した段数(例えば高い方の7段又は8段のいずれかの段数)であるときの情報を設定することができる。また、この場合、上記変形例(b)で説明した警告音の発生を報知の一部又は全部として採用するときには、その警告音の発生の解除も同様に行うようにしてもよい。
【0083】
(d-2) 報知の解除は、その報知の後に、図4(B)に示されるモード切替えスイッチ23が「路上走行」に切替えられた情報がモード切替えセンサ74から制御装置7に入手されることをきっかけにして行うように構成する。この場合、「路上走行」は公道走行のための上記機能を付加したものでなくても構わない。また、この場合も、上記変形例(b)で説明した警告音の発生を報知の一部又は全部として採用するときには、その警告音の発生の解除も同様に行うようにしてもよい。
【0084】
(d-3) 報知の解除は、その報知の後に、図18(B)に示されるように昇降装置8におけるリフトアーム82の高さ(揺動により変位する特定の位置)を検知する高さ検知センサ87からの特定の情報が制御装置7に入手されることをきっかけにして行うように構成する。この場合、高さ検知センサ87からの特定の情報とは、リフトアーム82の高さが路上用昇降範囲や圃場用昇降範囲を満たすときに相当する高さの情報になる。また、高さ検知センサ87は、リフトアーム82の揺動するときの角度を検知するものであっても構わない。また、この場合も、上記変形例(b)で説明した警告音の発生を報知の一部又は全部として採用するときには、その警告音の発生の解除も同様に行うようにしてもよい。
【0085】
(d-4) 報知の解除は、その報知の後に、図18(B)に示されるように昇降装置8における水平シリンダ86の伸縮量を検知する図示しない検知センサからの特定の情報が制御装置7に入手されることをきっかけにして行うように構成する。この場合、検知センサからの特定の情報とは、水平シリンダ86の伸縮量が路上用昇降範囲や圃場用昇降範囲を満たすときに相当する伸縮量の情報になる。また、この場合も、上記変形例(b)で説明した警告音の発生を報知の一部又は全部として採用するときには、その警告音の発生の解除も同様に行うようにしてもよい。
【0086】
(d-5) 報知の解除は、その報知の後に、トラクタに配置される図示しないカメラが撮影する映像情報から作業機90が路上用昇降範囲や圃場用昇降範囲を満たすときに相当する高さ位置にあるとの所定の情報が図示しない画像解析手段などから制御装置7に入手されることをきっかけにして行うように構成する。この場合も、上記変形例(b)で説明した警告音の発生を報知の一部又は全部として採用するときには、その警告音の発生の解除も同様に行うようにしてもよい。
【0087】
(d-6) 報知の解除は、その報知の後に、図19に実線で示されるように車体フレーム2や動力伝達装置4に設置する障害物検知センサ88Aから特定の検知範囲内に作業機90の一部が障害物として検知されなくなったという情報が制御装置7に入手されることをきっかけにして行うように構成する。この場合、特定の検知範囲とは、作業機90の下方にある一部が路上用昇降範囲(下限の高さH1)や圃場用昇降範囲から外れた低い方の高さ範囲である。障害物検知センサ88Aとしては、例えば赤外線センサ等が適用される。また、この場合も、上記変形例(b)で説明した警告音の発生を報知の一部又は全部として採用するときには、その警告音の発生の解除も同様に行うようにしてもよい。
また、この変形例は、車体フレーム2側に設置する障害物検知センサ88Aに代えて、図19に二点鎖線で示されるように作業機90側に設置される障害物検知センサ88Bから得られる情報を利用した構成にすることも可能である。
【0088】
(e) 第3の実施形態に係るトラクタの構成は、第1の実施形態に係るトラクタ1や第2の実施形態に係るトラクタに追加して併用するようにすることも可能である。
また、第1の実施形態や第3の実施形態(その変形例を除く)では、路上用昇降スイッチ30をモード切替えスイッチ23の一部のスイッチ部分として設けることに代えて、他の部位(操縦席9の周辺部分のいずれかの位置)に設けるよう構成を採用してもよい。
さらに、第1~第3の実施形態では、警告の報知を行う報知装置20をメータパネル13に代えて別途設けるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0089】
この発明は、トラクタなどの農作業用の車両に限られず、それ以外の各種作業用の車両にも適用することができる。
【符号の説明】
【0090】
1 …トラクタ
2 …車体フレーム(車体)
7 …制御装置
8 …昇降装置
10…識別手段
17L,17R…左右のブレーキペダル
20…報知装置
22…切替えレバー
30…路上用昇降スイッチ
73…昇降位置検知センサ
76…切替え検知センサ
90…作業機
101…測位装置(識別手段)
201 圃場
202 公道(路上)
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