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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-18
(54)【発明の名称】ワンウェイクラッチの給油構造
(51)【国際特許分類】
   F16D 41/07 20060101AFI20230511BHJP
   F16D 41/08 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
F16D41/07 Z
F16D41/08 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019205729
(22)【出願日】2019-11-13
(65)【公開番号】P2021076235
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森松 祐司
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 建裕
(72)【発明者】
【氏名】岩橋 卓央
【審査官】日下部 由泰
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-169174(JP,A)
【文献】特開2003-28203(JP,A)
【文献】特開平8-232987(JP,A)
【文献】実開平5-73326(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 41/07,41/08,41/06
F16H 57/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸と、
前記回転軸を収容するハウジングと、
前記回転軸及び前記ハウジング間に設けられた軸受けと、
前記回転軸のうち当該回転軸の軸方向に前記軸受けから離間した部位に固定されており、前記回転軸の周方向に環状につながる形状を有する内側アタッチメントと、
前記ハウジングのうち前記回転軸の径方向において前記内側アタッチメントの外側に位置する部位に固定されており、前記内側アタッチメントの周囲を環状に包囲する形状を有する外側アタッチメントと、
前記内側アタッチメントと前記外側アタッチメントとの間に設けられたワンウェイクラッチと、
前記内側アタッチメントと前記外側アタッチメントとの間で、かつ、前記回転軸の前記軸方向と平行な方向における前記ワンウェイクラッチの両側に配置された一対のエンドベアリングと、を備え、
前記ハウジングには、当該ハウジングの外側面から前記軸受けと前記内側アタッチメントとの間に潤滑油を導く第1油路が形成されており、
前記内側アタッチメントには、前記第1油路から排出された前記潤滑油を前記ワンウェイクラッチに導く第2油路が形成されており、
前記第1油路は、前記ハウジングのうち前記回転軸の前記軸方向に前記一対のエンドベアリングから離間した位置に形成されており、
前記第2油路の下流側の端部は、前記一対のエンドベアリング間に設けられている、ワンウェイクラッチの給油構造。
【請求項2】
前記第2油路の上流側の端部は、前記回転軸の前記軸方向と平行な方向に前記第1油路の下流側の端部から離間しており、
前記第1油路の前記下流側の前記端部は、オイルジェットで構成されている、請求項に記載のワンウェイクラッチの給油構造。
【請求項3】
前記第2油路は、
前記回転軸の前記軸方向と平行な方向に伸びており、前記第1油路から排出された前記潤滑油が流入する流入部と、
前記流入部の下流側の端部から前記回転軸の前記径方向における外向きに伸びており、前記潤滑油を前記ワンウェイクラッチへ流出させる流出部と、を有し、
前記流入部は、前記回転軸まわりに円環状に形成されている、請求項1又は2に記載のワンウェイクラッチの給油構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ワンウェイクラッチの給油構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の空気調和装置に用いられる電動圧縮機が知られている。例えば、特開平6-2559号公報(以下、「特許文献1」という。)には、回転軸と、回転軸上で回転する第1ロータ及び第2ロータと、第1ロータ及び第2ロータの動力を回転軸へ伝達する動力伝達手段と、を備えるロータリエンジンが開示されている。
【0003】
また、特開2018-54053号公報には、回転軸内に形成された油路を経由して軸受けに給油する構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平6-2559号公報
【文献】特開2018-54053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特開平6-2559号公報に記載されるロータリエンジンにおいて、各ロータの回転方向を規制するために、ワンウェイクラッチが設けられることがある。この場合において、燃料の燃焼時にワンウェイクラッチにかかる負荷を低減するために、ワンウェイクラッチをロータの回転軸の近傍に設けることが考えられる。具体的に、回転軸に当該回転軸と一体的に回転する内側アタッチメントを固定するとともに、ハウジングのうち内側アタッチメントの外側の部位に外側アタッチメントを固定し、両アタッチメント間にワンウェイクラッチを設けることが考えられる。
【0006】
この場合において、ワンウェイクラッチへの給油流路として、特開2018-54053号公報に記載されるように、回転軸内を経由してワンウェイクラッチに給油することが考えられる。その場合、ハウジングの外側面から、ハウジング内、回転軸内及び内側アタッチメント内を経由してワンウェイクラッチに給油される構造となる。
【0007】
しかしながら、上記構造では、ハウジングに形成される油路の下流側の端部と回転軸に形成される油路の上流側の端部との間、及び、回転軸に形成される油路の下流側の端部と内側アタッチメントに形成される油路の上流側の端部との間の2箇所に、潤滑油が油路から漏れる部位が形成される。このため、ワンウェイクラッチに必要な潤滑油の量よりも多量の潤滑油が必要となる。
【0008】
本発明の目的は、回転軸の近傍にワンウェイクラッチを配置することと、ワンウェイクラッチへの給油量の低減と、の双方を達成可能なワンウェイクラッチの給油構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の一局面に従ったワンウェイクラッチの給油構造は、回転軸と、前記回転軸を収容するハウジングと、前記回転軸及び前記ハウジング間に設けられた軸受けと、前記回転軸のうち当該回転軸の軸方向に前記軸受けから離間した部位に固定されており、前記回転軸の周方向に環状につながる形状を有する内側アタッチメントと、前記ハウジングのうち前記回転軸の径方向において前記内側アタッチメントの外側に位置する部位に固定されており、前記内側アタッチメントの周囲を環状に包囲する形状を有する外側アタッチメントと、前記内側アタッチメントと前記外側アタッチメントとの間に設けられたワンウェイクラッチと、を備え、前記ハウジングには、当該ハウジングの外側面から前記軸受けと前記内側アタッチメントとの間に潤滑油を導く第1油路が形成されており、前記内側アタッチメントには、前記第1油路から排出された前記潤滑油を前記ワンウェイクラッチに導く第2油路が形成されている。
【0010】
このワンウェイクラッチの給油構造では、ワンウェイクラッチは、内側アタッチメントの外側に配置されており、また、ワンウェイクラッチへの油路から潤滑油が漏れる部位は、ハウジングに形成された第1油路と内側アタッチメントに形成された第2油路との間の1箇所である。よって、このワンウェイクラッチの給油構造では、回転軸の近傍にワンウェイクラッチを配置することと、ワンウェイクラッチへの給油量の低減と、の双方が達成される。
【0011】
また、前記ワンウェイクラッチの給油構造において、前記内側アタッチメントと前記外側アタッチメントとの間で、かつ、前記回転軸の前記軸方向と平行な方向における前記ワンウェイクラッチの両側に配置された一対のエンドベアリングをさらに備えていてもよい。この場合において、前記第2油路の下流側の端部は、前記一対のエンドベアリング間に設けられていることが好ましい。
【0012】
この態様では、内側アタッチメントと外側アタッチメントとの隙間が一対のエンドベアリングによって規定され、かつ、ワンウェイクラッチへ有効に給油される。
【0013】
また、前記第2油路の上流側の端部は、前記回転軸の前記軸方向と平行な方向に前記第1油路の下流側の端部から離間しており、前記第1油路の前記下流側の前記端部は、オイルジェットで構成されていることが好ましい。
【0014】
また、前記第2油路は、前記回転軸の前記軸方向と平行な方向に伸びており、前記第1油路から排出された前記潤滑油が流入する流入部と、前記流入部の下流側の端部から前記回転軸の前記径方向における外向きに伸びており、前記潤滑油を前記ワンウェイクラッチへ流出させる流出部と、を有し、前記流入部は、前記回転軸まわりに円環状に形成されていることが好ましい。
【0015】
この態様では、内側アタッチメントが軽量化され、かつ、流入部に保持される潤滑油の量が十分に確保される。
【発明の効果】
【0016】
以上に説明したように、この発明によれば、回転軸の近傍にワンウェイクラッチを配置することと、ワンウェイクラッチへの給油量の低減と、の双方を達成可能なワンウェイクラッチの給油構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態のエンジンの断面の一部を概略的に示す図である。
図2図1におけるII-II線での断面図である。
図3図1におけるIII-III線での断面図である。
図4図3におけるIV-IV線での断面図である。
図5】内側アタッチメントの第2油路の変形例を示す断面図である。
図6図5におけるVI-VI線での断面図である。
図7図1におけるVII-VII線での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態のエンジンの断面の一部を概略的に示す図である。本実施形態では、エンジン1としてロータリエンジンが例示されている。
【0020】
図1に示されるように、エンジン1は、第1ロータ10と、第2ロータ20と、ハウジング30と、軸受け40と、内側アタッチメント50と、外側アタッチメント60と、ワンウェイクラッチ70と、一対のエンドベアリング80と、を備えている。
【0021】
第1ロータ10及び第2ロータ20は、共通の回転中心軸AXまわりに回転可能である。第2ロータ20は、回転中心軸AX方向に第1ロータ10と対向するように配置されている。第2ロータ20の構造は、第1ロータ10の構造と実質的に同じである。
【0022】
第1ロータ10は、第1回転軸12と、第1回転体14と、第1ピストン板16と、を有している。第2ロータ20は、第2回転軸22と、第2回転体24と、第2ピストン板(図示略)と、を有している。
【0023】
第1回転軸12及び第2回転軸22は、回転中心軸AXまわりに回転可能である。第1回転軸12及び第2回転軸22は、それぞれ図示略の出力軸に接続されている。
【0024】
第1回転体14は、第1回転軸12に接続されている。第2回転体24は、第2回転軸22に接続されている。第1回転体14及び第2回転体24は、回転中心軸AXから離間するにしたがって次第に互いに離間するように傾斜する形状を有している。このため、図1に示されるように、第1回転体14と第2回転体24との間には、V字形状の断面を有する凹部が回転中心軸AXまわりに形成されている。
【0025】
第1ピストン板16及び第2ピストン板は、前記凹部に対応する形状を有している。第1ピストン板16及び第2ピストン板は、前記周方向に互いに対向する位置に配置されている。
【0026】
エンジン1は、第1回転体14及び第2回転体24の境界部分を基準として概ね対称な構造を有しているため、以下、第1ロータ10側についてのみ説明する。また、以下、第1回転軸12を単に「回転軸12」と表記し、第1回転体14を単に「回転体14」と表記し、第1ピストン板16を単に「ピストン板16」と表記する。
【0027】
ハウジング30は、第1ロータ10及び第2ロータ20を収容している。ハウジング30は、第1ハウジング31と、第2ハウジング32と、第3ハウジング33と、を有している。
【0028】
第1ハウジング31は、回転軸12の径方向に回転体14及びピストン板16と対向する位置に設けられている。
【0029】
第2ハウジング32は、第1ハウジング31に接続されている。第2ハウジング32は、回転中心軸AXと平行な方向に第1ハウジング31の外側に配置されている。
【0030】
第3ハウジング33は、第2ハウジング32に接続されている。第3ハウジング33は、回転中心軸AXと平行な方向に第2ハウジング32の外側に配置されている。図1に示されるように、第3ハウジング33及び回転軸12間には、オイルシール85が設けられている。オイルシール85は、円環状に形成されている。
【0031】
軸受け40は、回転軸12及びハウジング30間に設けられている。回転軸12は、ハウジング30に対して相対回転可能となるように軸受け40を介してハウジング30に保持されている。本実施形態では、軸受け40は、第2ハウジング32と回転軸12との間、及び、第3ハウジング33と回転軸12との間に設けられている。
【0032】
内側アタッチメント50は、回転軸12のうち当該回転軸12の軸方向に軸受け40から離間した部位12bに固定されている。前記部位12bは、軸受け40を基準として第1ピストン板16が位置する側とは反対側に位置している。内側アタッチメント50は、回転中心軸AXまわりに回転軸12と一体的に回転する。本実施形態では、図2に示されるように、内側アタッチメント50及び回転軸12は、スプラインにより噛み合っている。内側アタッチメント50は、回転軸12の周方向に環状につながる形状を有している。内側アタッチメント50は、円筒状の外周面を有している。
【0033】
外側アタッチメント60は、ハウジング30のうち回転軸12の径方向において内側アタッチメント50の外側に位置する部位32bに固定されている。このため、第1ロータ10の回転時、回転軸12及び内側アタッチメント50は、ハウジング30及び外側アタッチメント60に対して回転中心軸AXまわりに相対回転する。外側アタッチメント60は、内側アタッチメント50の周囲を環状に包囲する形状を有している。外側アタッチメント60は、回転軸12の径方向に内側アタッチメント50から離間している。外側アタッチメント60は、内側アタッチメント50の外周面と対向する内周面を有している。
【0034】
図1に示されるように、第2ハウジング32の前記部位32bの径方向の厚さは、第2ハウジング32のうち軸受け40を保持している部位32aの径方向の厚さよりも小さい。
【0035】
ワンウェイクラッチ70は、ハウジング30に対する第1ロータ10の回転方向を一方向に規制するための部材である。ワンウェイクラッチ70は、内側アタッチメント50及び外側アタッチメント60間に配置されている。より詳細には、ワンウェイクラッチ70は、内側アタッチメント50の外周面と外側アタッチメント60の内周面との間に配置されている。ワンウェイクラッチ70として、公知の構造(スプラグ式等)を採用可能である。
【0036】
一対のエンドベアリング80は、内側アタッチメント50と外側アタッチメント60との間で、かつ、回転軸12の軸方向と平行な方向におけるワンウェイクラッチ70の両側に配置されている。一対のエンドベアリング80は、内側アタッチメント50と外側アタッチメント60との隙間を規定している。
【0037】
次に、このエンジン1におけるワンウェイクラッチ70の給油構造について説明する。このエンジン1では、ハウジング30の外側面からワンウェイクラッチ70に潤滑油が供給される。具体的に、エンジン1には、第1油路OP1と、第2油路OP2と、が形成されている。
【0038】
第1油路OP1は、第2ハウジング32に形成されている。第1油路OP1は、第2ハウジング32の外側面から軸受け40と内側アタッチメント50との間に潤滑油を導く。具体的に、第1油路OP1は、第2ハウジング32の外側面から回転軸12の径方向に沿って回転軸12に向かうように延びる形状を有している。図1に示されるように、第1油路OP1の下流側の端部は、オイルジェット90で構成されている。オイルジェット90の径は、第1油路OP1のうちオイルジェット90以外の部位の径よりも小さい。オイルジェット90は、内側アタッチメント50のうち第2ハウジング32及び回転軸12間に設けられた軸受け40と対向する面に向けて潤滑油を噴射する。
【0039】
なお、本実施形態では、ワンウェイクラッチ70に隣接した位置に一対のエンドベアリング80が配置されているため、回転中心軸AXと平行な方向にオイルジェット90からワンウェイクラッチ70へ給油することはできない。
【0040】
第2油路OP2は、内側アタッチメント50に形成されている。第2油路OP2は、第1油路OP1のオイルジェット90から排出された潤滑油をワンウェイクラッチ70に導く。第2油路OP2の上流側の端部は、回転中心軸AXと平行な方向にオイルジェット90から僅かに離間している。本実施形態では、図3に示されるように、第2油路OP2は、回転中心軸AXまわりに90度間隔で4箇所に設けられている。ただし、第2油路OP2の数や配置は、適宜変更されてもよい。図4に示されるように、第2油路OP2は、流入部OP2aと、流出部OP2bと、を有している。
【0041】
流入部OP2aは、回転中心軸AXと平行な方向に伸びる形状を有している。流入部OP2aには、第1油路OP1のオイルジェット90から排出された潤滑油が流入する。流入部OP2aの上流側の端部(図4における右側の端部)は、回転中心軸AXと平行な方向にオイルジェット90から僅かに離間している。
【0042】
流出部OP2bは、流入部OP2aの下流側の端部(図4における左側の端部)から回転軸12の径方向における外向きに伸びる形状を有している。流出部OP2bから流出した潤滑油は、ワンウェイクラッチ70に供給される。
【0043】
なお、内側アタッチメント50は、回転軸12の径方向におけるワンウェイクラッチ70の内側を回転軸12とともにワンウェイクラッチ70に対して相対回転するため、潤滑油は、第2油路OP2を介してワンウェイクラッチ70の全体に供給される。
【0044】
以上に説明したように、本実施形態のワンウェイクラッチ70の給油構造では、ワンウェイクラッチ70は、内側アタッチメント50の外側に配置されており、また、ワンウェイクラッチ70への油路から潤滑油が漏れる部位は、第2ハウジング32に形成された第1油路OP1と内側アタッチメント50に形成された第2油路OP2との間の1箇所である。よって、このワンウェイクラッチ70の給油構造では、回転軸12の近傍にワンウェイクラッチ70を配置すること(燃料の燃焼時にワンウェイクラッチ70にかかる負荷を低減すること)と、ワンウェイクラッチ70への給油量の低減と、の双方が達成される。
【0045】
また、本実施形態では、回転軸12とワンウェイクラッチ70との間に内側アタッチメント50が設けられているため、ワンウェイクラッチ70のトルクが確保され、また、他の部品の組付性が確保される。
【0046】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0047】
例えば、図5図7に示されるように、第2油路OP2の流入部OP2aは、回転軸12まわりに円環状に形成されてもよい。この場合においても、流出部OP2bの構造は、上記実施形態と同様である。この態様では、上記実施形態に比べて内側アタッチメント50が軽量化され、かつ、流入部OP2a内に保持される潤滑油の量が増大する。なお、流出部OP2bの数は、必要に応じて調整されてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 エンジン、10 第1ロータ、12 第1回転軸、14 第1回転体、16 第1ピストン板、20 第2ロータ、22 第2回転軸、24 第2回転体、30 ハウジング、31 第1ハウジング、32 第2ハウジング、33 第3ハウジング、40 軸受け、50 内側アタッチメント、60 外側アタッチメント、70 ワンウェイクラッチ、80 エンドベアリング、85 オイルシール、AX 回転中心軸、OP1 第1油路、OP2 第2油路、OP2a 流入部、OP2b 流出部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7