(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-18
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
F21V 8/00 20060101AFI20230511BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20230511BHJP
【FI】
F21V8/00 310
F21S2/00 432
(21)【出願番号】P 2020105684
(22)【出願日】2020-06-18
【審査請求日】2022-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 俊晶
(72)【発明者】
【氏名】木村 好秀
(72)【発明者】
【氏名】山田 智子
(72)【発明者】
【氏名】三輪 朋弘
【審査官】八木 敬太
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/159828(WO,A1)
【文献】特開2011-129250(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 8/00
F21S 2/00
F21S 43/237
F21S 43/249
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と複数の光源とを有する発光部材と、長尺形状をなし前記光源の光路上に配置されている導光体と、前記発光部材および前記導光体を収容保持するハウジングと、を具備し、
前記導光体は、
光を外部に表示する光表示面を有し、かつ、前記光源の一つに対面する入射面を有するベース入射領域と、前記ベース入射領域に連なるベース合流領域と、前記ベース合流領域に連なる定常領域と、を有するベース導光部と、
前記光源の他の一つに対面する並列入射面を有し前記ベース入射領域に並列する並列入射領域と、前記並列入射領域に連なり前記ベース合流領域に連結される並列合流領域と、を有する1または複数の並列導光部と、
前記ベース入射領域および前記並列入射領域を連結する連結部と、を一体に有し、
前記ハウジングは、前記連結部に対して前記発光部材側の位置に、前記導光体よりも光透過率の低い遮光壁を有する、発光装置。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記連結部に対して前記発光部材側から対面する連結部係止突部を有する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記ハウジングは、前記基板に対応する位置に、前記基板と係合する切欠部を有する、請求項1または請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記導光体は、孔部を有しかつ前記導光体の長手方向に延びる導光リブを、前記定常領域と一体に有し、
前記ハウジングは、前記孔部と係合する導光体係合突起を有する、請求項1~請求項3の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項5】
前記導光リブの表面はレンズカットされている、請求項4に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光源と導光体とを具備し、光源が発する光を導光体に入射させて当該導光体を光らせる発光装置が知られている。この種の発光装置は、従来から様々な用途に用いられてきた。近年、発光装置として、複数の光源と、当該光源の各々に対応する複数の入射面を有する導光体と、を具備するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に紹介されている発光装置においては、導光体を、主導光部と1つ以上の副導光部とで構成している。このうち主導光部は、長尺形状を有し、少なくとも一方の端部にLEDが配置されたものである。また、副導光部は、一方の端部にLEDが配置され、長手方向の一定範囲が主導光部に沿いつつ配置され、他方の端部が連結面を介して主導光部の側面に連結されたものである。主導光部には、LEDが発光し自身の一方の端部から入射した光に加えて、他のLEDが発光し副導光部に入射した光も、連結面を通じて入射する。特許文献1には、当該発光装置によると動的な演出表示を行い得る旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている発光装置によると、主導光部や副導光部に各々設けられている複数の入射面から、各々の導光体にLEDすなわち光源の光を入射させる。そして、このうち副導光部に入射した光を、連結面を通じて主導光部に入射させることで、主導光部を帯状の光が流れるように移動したり、主導光部の輝度や発光色が連続的に変化したりする、動的な意匠を見せることができると考えられる。
【0006】
しかしこの種の発光装置においても、発光表示を好適に行い得るとは言い難い。
具体的には、特許文献1に紹介されている発光装置によると、主導光部の明るさが十分でないように見える場合がある。また、主導光部を流れる光や、主導光部の輝度や発光色の連続的な変化が滑らかでないように見える場合もある。さらに、主導光部のうち、入射面や副導光部との連結面は明るく見えるが、その他の部分が十分に明るく見えず、明るさにムラがあるように見える場合もある。
本発明の発明者は、このように発光装置による発光表示が好適に為されないことの一因が、光源から導光体までの光学的な経路にあると考えた。そして、当該経路を適宜適切に規制することで、光源が発する光を十分に活用して、発光表示を好適に行い得る発光装置を得ることを志向した。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、複数の光源と、当該光源の各々に対応した複数の入射面を有する導光体とを有し、発光表示を好適に行い得る発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明の発光装置は、
基板と複数の光源とを有する発光部材と、長尺形状をなし前記光源の光路上に配置されている導光体と、前記発光部材および前記導光体を収容保持するハウジングと、を具備し、
前記導光体は、
前記光源の一つに対面する入射面を有するベース入射領域と、前記ベース入射領域に連なるベース合流領域と、前記ベース合流領域に連なる定常領域と、を有するベース導光部と、
前記光源の他の一つに対面する並列入射面を有し前記ベース入射領域に並列する並列入射領域と、前記並列入射領域に連なり前記ベース合流領域に連結される並列合流領域と、を有する1または複数の並列導光部と、
前記ベース入射領域および前記並列入射領域を連結する連結部と、を一体に有し、
前記ハウジングは、前記連結部に対して前記発光部材側の位置に、前記導光体よりも光透過率の低い遮光壁を有する、発光装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の発光装置は、複数の光源と、各々の光源に対応した複数の入射面を有する導光体とを有するものであり、発光表示を好適に行い得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施例1の発光装置を模式的に表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の発光装置は、発光部材、導光体およびハウジングを具備する。このうち発光部材は基板と複数の光源とを有するものであり、導光体は発光部材における光源の光路上に配置されている。また、ハウジングは、発光部材および導光体を収容保持するものである。本発明の発光装置によると、ハウジングを用いて、発光部材と導光体とを互いに位置決めすることができる。これにより、光源から導光体までの光学的な経路を適宜適切に規制することが可能であり、光源が発する光を十分に活用することが可能であり、ひいては、発光表示を好適に行うことが可能である。
【0012】
詳しくは、本発明の発光装置における導光体は、ベース導光部、1または複数の並列導光部、および連結部を一体に有する。
【0013】
このうちベース導光部は、ベース入射領域と、当該ベース入射領域に連なるベース合流領域と、当該ベース合流領域に連なる定常領域と、を有する。
また、並列導光部は、並列入射領域と、当該並列入射領域に連なる並列合流領域とを有する。並列入射領域はベース入射領域に並列し、並列合流領域はベース合流領域に連結される。これにより、当該1または複数の並列導光部がベース導光部に一体化される。
【0014】
ここで、ベース入射領域は、光源の一つに対面する入射面を有する。また、並列入射領域は、光源の他の一つに対面する並列入射面を有する。このためベース導光部には、入射面を介してベース入射領域に入射した光、および、並列入射面を介して並列入射領域に入射しさらに並列合流領域を通ってベース合流領域に入射した光、が各々通過する。
よって、本発明の発光装置によると、既述した特許文献1に紹介されている発光装置と同様の作用機序によって、各種の動的な意匠を表示することが可能である。勿論、本発明の発光装置によると、ベース導光部の全体を一定の色や明るさで光らせるだけの静的な意匠を表示することも可能である。
【0015】
本発明の発光装置において、導光体のうち発光部材側の部分、すなわちベース導光部のベース入射領域および並列導光部の並列入射領域は、連結部によって連結される。本発明の発光装置では、当該連結部によって、ベース導光部および並列導光部が相対的に位置決めされる。これにより、導光体におけるベース導光部および並列導光部と、光源との位置関係を、適宜適切に規制することが可能であり、光源から導光体までの光学的な経路を適宜適切に規制し、ひいては光源が発する光を十分に活用することが可能である。
【0016】
また、本発明の発光装置においては、導光体を構成するベース導光部、並列導光部、および連結部を一体に有する。これにより、例えば各々別体のベース導光部、並列導光部、および連結部を組み立てる場合と比べて、これらの相対位置を精密に位置決めでき、かつ、導光体を容易かつ安価に製造できる。
【0017】
ところで、発光装置における導光体は、光源が発する光を透過可能である。本発明の発光装置における導光体も同様に、光源が発する光を透過可能であるため、本発明の発光装置においては、ベース導光部および並列導光部だけでなく連結部もまた光を透過可能である。
【0018】
ここで、連結部は、導光体のうち発光部材側の部分であるベース入射領域および並列入射領域を連結するために、光源からの光が入射し易い位置にある。また、連結部は、ベース入射領域および並列入射領域を連結する都合上、当該ベース入射領域および並列入射領域から漏れ出した光が入射し易い位置にある。
【0019】
連結部に光が入射すると、連結部を透過した光が、意に反して、隣り合う並列入射領域やベース入射領域に映り込んだり、入射したりする虞がある。このような場合には、ベース導光部のうち意図した領域以外の領域が光ったり、ベース導光部が意図した色やタイミングとは異なる色やタイミングで光ったりしているように見える場合がある。そして、ベース導光部に表示される各種の意匠が不鮮明になったり、当該意匠の動きが滑らかでないように見えたりする場合がある。このような場合には、発光装置の意匠性が損なわれる虞がある。
【0020】
本発明の発光装置は、上記した発光部材および導光体に加えて、ハウジングを具備する。ハウジングは、発光部材および導光体を収容するものであり、かつ、連結部に対して発光部材側の位置に、導光体よりも光透過率の低い遮光壁を有する。本発明の発光装置によると、当該遮光壁によって、連結部にて反射や散乱し当該連結部から外部に漏れた光を遮ることができ、当該連結部から漏れた光がベース入射領域や並列入射領域に映り込んだりこれらの領域に入射したりすることを抑制できる。
【0021】
また、遮光壁は連結部に対して発光部材側の位置にあるために、光源から連結部に至る光の少なくとも一部を遮ることも可能である。これにより、遮光壁は、光源からの光が直接連結部に入射することを抑制することも可能である。
【0022】
本発明の発光装置によると、これらの協働により、光源から導光体までの光学的な経路を適宜適切に規制し、光源が発する光を十分に活用することで、上記した各種の不具合を抑制して、発光表示を好適に行うことが可能である。
以下、本発明の発光装置をその構成要素毎に説明する。
【0023】
本発明の発光装置は、発光部材、導光体、およびハウジングを具備する。
【0024】
このうち発光部材は、基板と複数の光源とを有する。
光源の数は、導光体の入射面および並列入射面の数以上であれば良い。本発明の発光装置は、例えば、入射面および並列入射面の各々につき光源を一つずつ有しても良いし、光源を複数ずつ有しても良い。
【0025】
光源の種類は特に問わず、LEDやハロゲンランプ等に代表される既知のものを使用できる。光源の光色は白色でも有色でも良い。また、入射面および並列入射面の各々につき光源を複数ずつ有する場合、各光源の色は同じであっても良いし、異なっていても良い。
【0026】
基板は、光源に接続されて当該光源を必要なタイミングで光らせるための配線を有するものであれば良い。このような基板としては、プリント基板(PCB:Printed Circuit Board)等の一般的なものを用いれば良い。
本発明の発光装置における発光部材において、一つの光源につき一つの基板が接続されても良いが、省スペース化およびコストの低減を考慮すると、一つの基板に複数の光源が接続されるのが好ましい。なお、一つの光源につき一つの基板が接続される場合には、本発明の発光装置における発光部材は複数の基板を有するといい得る。
【0027】
導光体は、長尺形状をなし、ベース導光部、並列導光部および連結部を一体に有する。導光体は、一つのみの並列導光部を有しても良いし、複数の並列導光部を有しても良いが、本発明の発光装置によって多様なまたは複雑な意匠を表示することが求められる場合には、複数の並列導光部を有するのが好適である。
【0028】
導光体は全体として長尺形状をなせば良く、導光体における全ての部分が長尺形状である必要はない。例えば、導光体が並列導光部を複数有する場合、一部の並列導光部は短尺形状であっても良い。さらに、導光体は直状であっても良いし、湾曲形状であっても良い。
【0029】
導光体は、ベース導光部、並列導光部および連結部を一体に有する。導光体は、ベース導光部、並列導光部および連結部が一体に成形されたものと言い換えても良い。導光体は、アクリルやポリカーボネート等の一般的な材料を用い一般的な成形方法により成形することが可能である。
【0030】
導光体におけるベース導光部、並列導光部および連結部は、同一の成形型で同時に成形しても良い。または、予め成形したベース導光部および並列導光部をキャビティ内に保持した成形型で連結部を成形するインサート成形法により、ベース導光部、並列導光部および連結部を一体に有する導光体を成形しても良い。
【0031】
ベース導光部は、光源の一つに対面する入射面を有するベース入射領域と、当該ベース入射領域に連なるベース合流領域と、当該ベース合流領域に連なる定常領域と、を有する。一方、並列導光部は、光源の他の一つに対面する並列入射面を有しベース導光部のベース入射領域に並列する並列入射領域と、当該並列入射領域に連なりベース導光部のベース合流領域に連結される並列合流領域と、を有する。
【0032】
ベース導光部は、入射面を経て光源から入射した光、および、並列導光部の並列入射面を経て他の光源から入射した光によって光る。このようなベース導光部は、光を外部に表示する面を有する。以下、必要に応じて、当該面を光表示面と称する。光表示面は、導光体のうち、外部から視認される部分に位置する面ともいい得る。
【0033】
ベース導光部のうち当該光表示面に背向する面には、光を反射するために、凹凸加工等による反射パターンが形成されるのが好ましい。以下、必要に応じて、当該面を反射面と称する。光表示面および反射面の長さや形状等は、導光体に表示すべき意匠に応じて、適宜適切に設定すれば良い。なお、本発明の発光装置における導光体によって意匠を効率良く表示するためには、光表示面および反射面は、導光体の長手方向に沿って設けられるのが好ましい。
【0034】
ベース導光部のうちベース合流領域は、並列導光部を通過した光が合流する部分である。導光体が複数の並列導光部を有する場合、ベース導光部は複数のベース合流領域を有する。各ベース合流領域は、ベース導光部の長手方向における同位置にあっても良いが、導光体によって動的な意匠を効果的に表示するためには、各ベース合流領域は、ベース導光部の長手方向における異なる位置にあるのが好ましい。各ベース合流領域は各々独立していても良いし連続していても良い。各ベース合流領域の境界を滑らかに見せ、導光体によって動的な意匠を滑らかに表示するためには、各ベース合流領域は滑らかに連続するのが好ましい。また、ベース合流領域毎の色や光の変化を鮮明に表示するためには、各ベース合流領域は各々独立するのが好ましい。
【0035】
さらに、長手方向おけるベース導光部の明るさのムラを低減するためには、各々のベース合流領域は長手方向に沿って細長い形状であるのが好ましい。また、ベース合流領域毎の明るさを一様にするためには、各々のベース合流領域の短手方向の長さは、光路の上流側から下流側に向けて大きくなるのが好ましい。
【0036】
ベース導光部は、一つのベース入射領域、一つのベース合流領域および一つの定常領域のみを有しても良いが、二つのベース入射領域および二つのベース合流領域を有しても良い。つまり、長尺形状のベース導光部における長手方向の両端部に、各々異なる発光部材を配置し、当該両端部を各々別のベース入射領域としても良い。
この場合、ベース導光部の長手方向における中央部を定常領域とし、当該定常領域と二つのベース入射領域との間に、各々、ベース合流領域を設けるのが良い。そしてこの場合には、ベース導光部の長手方向における両端部に各々別の並列導光部を配置して、各ベース合流領域に、各々異なる並列導光部の並列合流領域を連結するのが良い。
【0037】
この場合には、ベース導光部における長手方向の両端部から中央部に向けて光が進行する。これにより、ベース導光部の両端部から中央部に向けて光が動く意匠を表示することができる。また、ベース導光部の両端部に位置する二つのベース入射領域や、当該二つのベース入射領域の各々に隣り合う二つのベース合流領域から同時に光を入射させる場合には、長手方向の長さが長く、長手方向の全体を明るく表示し難いベース導光部を用いる場合にも、当該ベース導光部の長手方向における明るさを均一または略均一にすることが可能である。
【0038】
並列導光部は、並列入射領域および並列合流領域を有する。
このうち並列入射領域は、光源の他の一つに対面する並列入射面を有し、ベース入射領域に並列する。並列入射領域がベース入射領域に並列することで、既述した連結部によってベース入射領域と並列入射領域とを効率よく連結することが可能である。
既述したようにベース導光部が長手方向の両端部に各々ベース入射領域およびベース合流領域を有し、並列導光部もまたベース導光部の長手方向の両端部に各々配置される場合には、連結部もまたベース導光部の長手方向の両端部に各々配置されて、各々対応するベース入射領域と並列入射領域とを連結するのが良い。
【0039】
ここで、並列入射領域がベース入射領域に「並列する」とは、並列入射領域がベース入射領域に対して単に並んで配置されていることを意味し、両者の延びる方向は特に限定されない。つまり、互いに並列する並列入射領域とベース入射領域とは、互いに平行に延びても良いし交差する方向に延びても良い。
導光体をコンパクトにし、ひいては本発明の発光装置をコンパクトにすることを考慮すると、並列入射領域とベース入射領域とは互いに平行または略平行に延びるのが好ましい。両者の交差角の好ましい範囲として、劣角で、0°以上30°以下の範囲内、0°以上15°以下の範囲内、0°以上5°以下の範囲内の各範囲を挙げることができる。
【0040】
並列合流領域は、上記した並列入射領域に連なり、かつ、ベース導光部のベース合流領域に連結される。並列合流領域は、並列入射領域とベース合流領域とを繋ぐ領域ともいい得る。並列合流領域の延びる方向もまた特に限定しないが、並列入射領域に入射した光を効率よく並列合流領域に導きひいてはベース導光部に導くことを考慮すると、並列合流領域は、並列入射領域およびベース合流領域に滑らかに連続するのが好ましい。
【0041】
連結部は、既述したように、ベース導光部のベース入射領域および並列導光部の並列入射領域を連結する。
このような連結部のベース入射領域および並列入射領域に対する位置は特に問わないが、ベース入射領域における発光部材側の端部、および、並列入射領域における発光部材側の端部は、連結部における発光部材側の端部よりもやや発光部材側にあるのが好ましい。
連結部、ベース入射領域および並列入射領域をこのような位置関係にすることにより、後述するハウジングの遮光壁によって連結部、ベース入射領域および並列入射領域を光学的に遮断することができる。このため、当該遮光壁によって連結部から外部へ漏れた光を遮るだけでなく、当該連結部から漏れた光がベース入射領域や並列入射領域に映り込んだりこれらの領域に入射したりする不具合を効率よく抑制できる。
【0042】
導光体の長手方向において、ベース入射領域における発光部材側の端部、および、並列入射領域における発光部材側の端部と、連結部における発光部材側の端部との距離には好ましい範囲が存在する。具体的には、当該距離の好ましい範囲として、0.5mm以上15mm以下、0.8mm以上13mm以下、1mm以上10mm以下の各範囲が例示される。
【0043】
本発明の発光装置において、発光部材および導光体はハウジングに収容保持される。ハウジングは、発光部材および導光体を安定的に保持できる程度の剛性を有するのが好ましい。ハウジングは、部分的に光透過性を有しても良いが、少なくとも後述する遮光壁については光透過性を有さないかまたは導光体よりも光透過率の低いものである必要がある。
【0044】
ハウジングの形状は特に限定されず、当該形状として、発光部材および導光体を収容保持できる箱状、枠状、板状等の形状を例示できる。
【0045】
ところで、既述したように、導光体のうちベース導光部は、光表示面を通じて光を外部に表示する。このため、ハウジングは導光体を収容保持しつつも、当該導光体のうちベース導光部の光表示面に対向する部分は、光を透過する必要がある。以下、必要に応じて、ハウジングのうち光表示面に対向する部分を光透過部と称する。
ハウジングの光透過部は、透明材料で構成されているか、または、窓状に開口しているのが好ましい。
【0046】
ハウジングは、導光体の連結部に対して発光部材側の位置に、導光体よりも光透過率の低い遮光壁を有する。
遮光壁は、既述したように連結部から外部へ漏れた光を遮るための部分である。したがって、遮光壁は、連結部からの光の漏れや、連結部から漏れた光がベース入射領域や並列入射領域に映り込んだりこれらの領域に入射したりすることを阻害できるような形状であるのが好ましい。遮光壁の好ましい形状として、具体的には、連結部を発光部材側から覆い得る立壁状、連結部ならびに隣り合うベース入射領域および並列入射領域の隙間に入り込む立壁状、または、連結部および隣り合う並列入射領域の隙間に入り込む立壁状等の形状が挙げられる。
遮光壁の機能を考慮すると、遮光壁は、連結部をその厚さ方向に覆うのが好ましく、ベース導光部の光表示面よりも高い位置にまで延びるのが好ましい。なお、ここでいう厚さ方向とは、光表示面とそれに背向する面とをむすぶ方向をいい、長手方向に交差する方向である。
【0047】
遮光壁と連結部とは接触していても良いし、離れていても良い。遮光壁と連結部とが離れている場合、両者の距離は近い方が好ましい。遮光壁と連結部との距離の好ましい範囲として、10mm以下、7mm以下、5mm以下、3mm以下、1mm以下の各範囲が挙げられる。なお、遮光壁と連結部とは接触していても良いため、遮光壁と連結部との距離の下限は0mmである。
【0048】
遮光壁は連結部から外部への光の漏れを阻害するものであるため、遮光壁の光透過率は導光体よりも低い必要がある。具体的には、遮光壁の光透過率の好ましい範囲として、導光体の光透過率の50%以下、30%以下、20%以下、10%以下の各範囲が挙げられる。遮光壁は光透過性のないものであるのが特に好ましい。
なおハウジング自体の光透過性は特に問わないが、本発明の発光装置の製造コストを低減することを考慮すると、ハウジングと遮光壁とは同じ材料からなり一体に成形されたものであるのが好ましく、ハウジング全体の光透過率は遮光壁と同じであるのが好ましい。
【0049】
さらに、ハウジングは、発光部材および導光体を安定的に収容保持するための、保持構造を有するのが好ましい。
【0050】
具体的には、ハウジングは、上記の保持構造の一種として、連結部に対して発光部材側から対面する連結部係止突部を有するのが好ましい。当該連結部係止突部は、遮光壁と別体であっても良いし、遮光壁の一部であっても良い。連結部係止突部は、導光体用の保持構造として機能するため、導光体における連結部に対面し、必要に応じて当該連結部と係止することで発光体側に向けた連結部の位置変化を妨げ、ひいては長手方向の先側に向けた導光体の位置変化や変形を抑制するものである。
このような機能を発揮するために、連結部係止突部は連結部の近傍に位置するのが好ましく、連結部係止突部が遮光壁と別体である場合には、遮光壁よりもさらに連結部の近くに位置するのが好ましい。連結部係止突部は突起状をなせば良く、ピン状や立壁状等に代表される種々の形状をとり得る。
なお、上記したように導光体がその長手方向の両端部の各々に連結部を有する場合には、ハウジングは、各々の連結部に対面する発光部材側の位置に、個別の連結部係止突部を有するのが好ましい。
【0051】
また、ハウジングは、保持構造の他の一種として、発光部材の基板に対応する位置に、当該基板と係合する切欠部を有するのが好ましい。切欠部は、スリット状や凹状等、薄い板状の基板と係合できる形状であれば良い。
発光部材のうち比較的剛性に優れる部分である基板をハウジングの切欠部に嵌め込み、ハウジングの切欠部と基板とを係合させることで、ハウジングに発光部材を安定的に固定することが可能である。これにより、発光部材と導光体とをより精密に位置決めすることが可能である。
【0052】
また、ハウジングは、保持構造の他の一種として、導光体と係合する導光体係合突起を有するのが好ましい。そして導光体は、当該導光体係合突起と係合する孔部を有するのが好ましい。孔部は導光体のうち光らない部分に設けるのが好ましく、例えば、リブ状をなす導光リブを導光体に一体に設け、当該導光リブに孔部を設けるのが好ましい。
導光リブは、導光体の如何なる部分に設けても良いが、光源からの光が入射するベース入射領域および並列入射領域、ならびに、光の合流部分となるベース合流領域および並列合流領域を避けるのが好ましい。つまり、導光リブは、定常領域に設けるのが好ましい。
【0053】
ここで、ベース導光部のうち定常領域は光源から最も離れた領域であり、最も暗くなる領域である。導光リブは導光体の一部であるために光透過性を有する。このため定常領域内を導光し導光リブへ入射した光は、導光リブ内で反射・散乱され、外部に光を放射し易い。この結果として、導光体のうち定常領域付近から外部に放射される光の量が増大し、定常領域を明るくすることができる。一方で、ハウジング内に突出する形状を有する導光リブは、ベース導光部や並列導光部からハウジング内に漏れ出た光を、ベース導光部の定常領域に伝達させるための、光の回収経路として機能し得る。そして、当該導光リブを定常領域に一体に設けることで、定常領域に到達し定常領域から出射する光の量を多くできる。これにより、定常領域を明るく光らせることが可能である。
【0054】
定常領域の長手方向の全体を明るく光らせることを考慮すると、導光リブは定常領域の長手方向に沿って延びるのが好ましい。導光リブの長手方向の長さは長い方が良く、当該長さの好ましい範囲としては、定常領域の長手方向の長さの25%以上、50%以上、75%以上、80%以上の各範囲を挙げることが可能である。
【0055】
既述したように、導光リブは、自身が光ることを意図して設けられた部分ではないために、導光リブにおける反射面側の面には、反射パターンを設けないのが好ましい。ただし、反射パターンが設けられていない導光リブからも多少の光は出射するために、当該光を有効に利用するために、導光リブにおける出射面側の面はレンズカットするのが好ましい。レンズカットは、出射光や反射光を拡散または散乱させるための表面加工であり、一般的には、互いに角度の異なる複数の面を有する。導光リブにおける出射面側の面をレンズカットすることで、導光リブの外観がぼやけ、当該導光リブが鮮明に視認されることを抑制できる。
【0056】
本発明の発光装置は様々な用途に供することができる。例えば、本発明の発光装置は、車両や家電、広告看板等のイルミネーションとして好適に使用できる。
【0057】
以下、具体例を挙げて本発明の発光装置を説明する。
【0058】
(実施例1)
実施例1の発光装置を模式的に表す説明図を
図1に示す。また、
図1の要部拡大図を
図2、
図3および
図4に示す。なお、
図2は
図1に示す発光装置の左側部分を拡大した図であり、
図3は
図1に示す発光装置の右側部分を拡大した図であり、
図4は
図1に示す発光装置の中央部分を拡大した図である。
以下、前、後、左、右とは
図1に示す前、後、左、右を指すものとする。前後方向は導光体の短手方向に一致し、左右方向は導光体の長手方向に一致する。長手方向は短手方向に直交する。なお、
図1における紙面手前側が上側であり、紙面奥側が下側である。
【0059】
図1に示すように、実施例1の発光装置1は、2組の発光部材2、導光体3、およびハウジング6を具備する。
図1、
図2および
図3に示すように、各々の発光部材2は、3つの光源20と、当該光源20が固定された基板29とを具備し、光源20を導光体3側に向けつつ、導光体3の長手方向の両端部に各々配置されている。
図1中左側に位置する発光部材2を第1発光部材2fと称し、
図1中右側に位置する発光部材2を第2発光部材2sと称する。各発光部材2における3つの光源20は、各々、LEDであり、短手方向に配列する。各光源20を、前側から後側に向けて、第1光源20f、第2光源20sおよび第3光源20tと称する。
【0060】
導光体3は、一つのベース導光部30と、4つの並列導光部40と、2つの連結部50とを有する。これらは一体に成形されたものである。
【0061】
ベース導光部30は、長手方向に延びる直状をなす。ベース導光部30は、長手方向の中央に位置する定常領域30stと、長手方向の両端にそれぞれ位置する2つのベース入射領域30iと、各ベース入射領域30iと定常領域30stとの間に各々2つずつ設けられた合計4つのベース合流領域30cとを有する。
【0062】
図1中の左側に位置するベース入射領域30iを第1ベース入射領域30fiと称し、
図1中の右側に位置するベース入射領域30iを第2ベース入射領域30siと称する。また、第1ベース入射領域30fiと定常領域30stとの間にある2つのベース合流領域30cを第1ベース入射領域30fi側から順に、第1ベース合流領域30fc、第2ベース合流領域30scと称する。さらに、第2ベース入射領域30siと定常領域30stとの間にある2つのベース合流領域30cを第2ベース入射領域30si側から順に、第3ベース合流領域30tc、第4ベース合流領域30focと称する。
【0063】
第1ベース合流領域30fc、第2ベース合流領域30sc、第3ベース合流領域30tcおよび第4ベース合流領域30focは、各々、長手方向に沿って細長く延びる略同形状をなす。
【0064】
ベース導光部30は、光表示面31を前側に向け、反射面32を後側に向けている。反射面32には図略の反射パターンが形成されている。
定常領域30stには、長手方向に延び反射面32から後方に突出する導光リブ33が設けられている。導光リブ33の上面はレンズカットされている。導光リブ33には上下に貫通する孔部34が設けられている。
【0065】
4つの並列導光部40は、何れもベース導光部30の後側に配置されている。したがって、導光体3を前側から見ると、ベース導光部30のみが視認され、並列導光部40はベース導光部30の後側に隠される。
【0066】
4つの並列導光部40は、ベース導光部30の長手方向の両端部に各々2つずつ配置されている。詳しくは、4つの並列導光部40のうちの2つである第1並列導光部40fおよび第2並列導光部40sは、第1ベース入射領域30fi側に配置されている。また、4つの並列導光部40のうちの他の2つである第3並列導光部40tおよび第4並列導光部40foは、第2ベース入射領域30si側に配置されている。
【0067】
各並列導光部40は、各々、並列入射領域40iおよび並列合流領域40cを有する。各並列導光部40は並列入射領域40iを長手方向の端側に向け、並列合流領域40cを長手方向の中央側に向けている。
第1並列導光部40fの並列入射領域40iおよび第2並列導光部40sの並列入射領域40iは、第1ベース入射領域30fiに並列している。第1並列導光部40fの並列合流領域40cは第1ベース合流領域30fcの後側部分に連結され、第2並列導光部40sの並列合流領域40cは第2ベース合流領域30scの後側部分に連結される。
【0068】
また、第3並列導光部40tの並列入射領域40iおよび第4並列導光部40foの並列入射領域40iは、第2ベース入射領域30siに並列している。第3並列導光部40tの並列合流領域40cは第3ベース合流領域30tcの後側部分に連結され、第4並列導光部40foの並列合流領域40cは第4ベース合流領域30focの後側部分に連結される。
【0069】
図2に示すように、第1ベース入射領域30fiの端面は第1発光部材2fの第1光源20fに対面する。また、
図3に示すように、第2ベース入射領域30siの端面は第2発光部材2sの第1光源20fに対面する。
各ベース入射領域30iの端面は、ベース入射面30efである。
【0070】
また、
図2に示すように、第1並列導光部40fの並列入射領域40iの端面は第1発光部材2fの第2光源20sに対面し、第2並列導光部40sの並列入射領域40iの端面は第1発光部材2fの第3光源20tに対面する。
図3に示すように、第3並列導光部40tの並列入射領域40iの端面は第2発光部材2sの第2光源20sに対面し、第4並列導光部40foの並列入射領域40iの端面は第2発光部材2sの第3光源20tに対面する。
各並列入射領域40iの端面は、並列入射面40efである。
【0071】
ベース導光部30のベース入射領域30iと、当該ベース入射領域30iに並列する各並列導光部40の並列入射領域40iとは、連結部50によって一体に連結されている。すなわち、第1ベース入射領域30fiと第1並列導光部40fの並列入射領域40iとの間が連結部50によって連結されるとともに、第1並列導光部40fの並列入射領域40iと第2並列導光部40sの並列入射領域40iとの間が連結部50によって連結されている。同様に、第2ベース入射領域30siと第3並列導光部40tの並列入射領域40iとの間が連結部50によって連結されるとともに、第3並列導光部40tの並列入射領域40iと第4並列導光部40foの並列入射領域40iとの間が連結部50によって連結されている。
【0072】
図1に示すように、ハウジング6は、下壁60l、前壁60fおよび後壁60rを有し上側に向けて開口する略箱状をなす。ハウジング6の下壁60l全体、後壁60r全体および前壁60fにおける長手方向の両端部は、遮光性の樹脂材料で形成され、光透過性を有さない。ハウジング6の前壁60fにおける長手方向の中央部分は透明樹脂材料で形成され、光源20が発し導光体3が出射する光を透過する。
【0073】
図2および
図3に示すように、ハウジング6の後壁60rおよび前壁60fにおける長手方向の端側の部分には、各々上下に延び前後に貫通するスリット状の切欠部62が設けられている。切欠部62には各々対応する発光部材2の基板29が嵌め込まれる。従って、ハウジング6の当該切欠部62は各々対応する基板29と係合し、各基板29および当該基板29に固定された光源20は、ハウジング6に固定される。したがって、切欠部62は、長手方向において発光部材2を固定する保持構造として機能する。
【0074】
図2および
図3に示すように、ハウジング6の後壁60rにおける長手方向の端側の部分には、前側に向けて突起する爪部63が設けられている。爪部63は弾性変形可能であり、導光体3における後面に弾性的に接触する。爪部63は、導光体3を前側に向けて押圧し、短手方向において導光体3を固定する保持構造として機能する。
【0075】
図4に示すように、ハウジング6の下壁60lには、導光リブ33の孔部34に対面する位置に、上側に向けて突起する導光体係合突起64が設けられている。導光体係合突起64は、導光リブ33の孔部34に挿通され、当該孔部34に係合する。これにより、導光体3はハウジング6に固定される。したがって導光体係合突起64は、長手方向および短手方向において導光体3を固定する保持構造として機能する。
【0076】
さらに、
図2に示すように、ハウジング6の下壁60lには、第1並列導光部40fの並列入射領域40iと第2並列導光部40sの並列入射領域40iとを連結する連結部50に対応する位置に、遮光壁65および連結部係止突部66が設けられている。
同様に、
図3に示すように、ハウジング6の下壁60lには、第3並列導光部40tの並列入射領域40iと第4並列導光部40foの並列入射領域40iとを連結する連結部50に対応する位置に、遮光壁65および連結部係止突部66が設けられている。
より詳しくは、遮光壁65は、連結部50に対して発光部材2側の位置に配置され、上方に突出し長手方向に延びる。遮光壁65は、連結部50よりも発光部材2側において、隣り合う並列導光部40の並列入射領域40i同士の間に各々配置されている。
実施例1の発光装置において、遮光壁65は、連結部50と光源20との間、連結部50と並列入射領域40iの間、隣り合う並列入射領域40i同士の間、および、隣り合う並列入射領域40iとベース入射領域30iとの間に、各々介在するといい得る。
【0077】
図2および
図3に示すように、連結部係止突部66は、遮光壁65と連結部50との間に位置し、上方に突出するピン状をなす。各々対応する連結部係止突部66と連結部50との距離は、長手方向において、0.5mm以下である。連結部係止突部66は遮光壁65と一体化され、かつ、連結部50を介して導光体3を長手方向に固定する保持構造として機能する。
【0078】
実施例1の発光装置1において、ベース導光部30には、各ベース入射領域30iのベース入射面30efを経て、対応する光源20が発した光が入射する。ベース導光部30に入射した光は、反射面32で反射し光表示面31を経て徐々に導光体3の外部に出射されつつ、ベース入射領域30iからベース合流領域30cを経て定常領域30stに到達する。
また、並列導光部40には、各並列入射領域40iの並列入射面40efを経て、対応する光源20が発した光が入射する。並列導光部40に入射した光は、並列入射領域40iから並列合流領域40cに進み、ベース合流領域30cを経てベース導光部30に入射する。並列導光部40からベース導光部30に入射した光は、反射面32で反射し光表示面31を経て徐々に導光体3の外部に出射されつつ、ベース合流領域30cを経て定常領域30stに到達する。
実施例1の発光装置1によると、各光源20の点灯および消灯のタイミングや光色を適宜設定することで、様々な色の光を様々なタイミングで各ベース合流領域30cに入射させることができる。これにより、ベース導光部30には光が流れているように表示されたり、ベース導光部30の光色が様々に変化しているように表示されたりする。
【0079】
実施例1の発光装置1によると、光源20と導光体3の連結部50との間、導光体3の連結部50と並列入射領域40iとの間、および、隣り合う並列入射領域40i同士の間に、各々ハウジング6の遮光壁65が介在する。これにより、導光体3の連結部50に進入し当該連結部50から漏れ出た光は、当該遮光壁65によって遮られ、ベース入射領域30iや並列入射領域40iに映り込んだりこれらの領域に入射したりし難い。
【0080】
これにより、実施例1の発光装置1によると、ベース導光部30のうち意図した領域以外の領域が光ったり、ベース導光部30が意図した色やタイミングとは異なる色やタイミングで光ったりしているように見える不具合や、ベース導光部30に表示される各種の意匠の動きが滑らかでないように見える不具合等を抑制できる。つまり、実施例1の発光装置1によると、光源20から導光体3までの光学的な経路を適宜適切に規制し、光源20が発する光を十分に活用することで、上記した各種の不具合を抑制して、発光表示を好適に行うことが可能である。
【0081】
また、実施例1の発光装置1によると、光源20および導光体3の各部分が、各々対応する保持構造、すなわち、切欠部62、爪部63、導光体係合突起64および連結部係止突部66によって固定され、光源20および導光体3は長手方向および短手方向において互いに位置決めされる。このことによっても、光源20から導光体3までの光学的な経路を適宜適切に規制でき、光源20の光を無駄なく効率よく導光体3に入射させ得る。したがって、このことによっても、実施例1の発光装置1は、上記した各種の不具合を抑制して、発光表示を好適に行うことが可能である。
【0082】
ところで、定常領域30stは、ベース導光部30のうち光源20からの距離が最も遠い領域である。したがって、当該定常領域30stに到達する光の量は、他の領域に到達する光の量に比べて少なく、このため定常領域30stはベース導光部30における他の領域に比べて暗く見える場合がある。ベース導光部30における定常領域30stと他の領域との明るさの差が過大であれば、ベース導光部30に表示される各種の意匠の動きが滑らかでないように見えたり、ベース導光部30に意図する意匠を表示できなかったりする等、発光表示を好適に行い難くなる場合がある。
【0083】
しかし、実施例1の発光装置1においては、ベース導光部30における定常領域30stが、導光リブ33を一体に有する。このため、導光リブ33を有さない定常領域30stに比べて、定常領域30stを明るく光らせることが可能であり、ベース導光部30の長手方向の全体にわたってベース導光部30の明るさのムラを低減することが可能である。これにより、実施例1の発光装置1によると、発光表示をより好適に行うことが可能である。
【0084】
なお、実施例1の発光装置1において、導光リブ33には反射パターンが形成されず、長手方向において導光リブ33の長さは定常領域30stの長さの60%程度である。
また、導光リブ33の上面はレンズカットされているために、導光リブ33自体も光る。このことによっても、定常領域30stをより明るく見せることが可能である。
【0085】
本発明は、上記し且つ図面に示した実施形態にのみ限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。また、実施形態を含む本明細書に示した各構成要素は、それぞれ任意に抽出し組み合わせて実施できる。
【符号の説明】
【0086】
1:発光装置 2:発光部材
20:光源 29:基板
3:導光体 30:ベース導光部
30ef:ベース入射面(入射面) 30i:ベース入射領域
30c:ベース合流領域 30st:定常領域
31:光表示面 33:導光リブ
34:孔部 40:並列導光部
40ef:並列入射面 40i:並列入射領域
40c:並列合流領域 50:連結部
6:ハウジング 62:切欠部
64:導光体係合突起 65:遮光壁
66:連結部係止突部