(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-18
(54)【発明の名称】ジブバックストップ装置、およびジブバックストップ装置の輸送方法
(51)【国際特許分類】
B66C 23/92 20060101AFI20230511BHJP
B66C 23/26 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
B66C23/92
B66C23/26 C
(21)【出願番号】P 2020177413
(22)【出願日】2020-10-22
【審査請求日】2021-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】岡 高廣
【審査官】吉川 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-114101(JP,A)
【文献】特開2012-232822(JP,A)
【文献】特開2014-065577(JP,A)
【文献】実開昭60-193392(JP,U)
【文献】特開2019-196249(JP,A)
【文献】特開2020-132298(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0240582(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 23/00-23/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレーンのブームの先端部に設けられる上部ブームと、
前記ブームに起伏可能に取り付けられるジブの基端部に設けられ、前記上部ブームに起伏可能に取り付けられる下部ジブと、
前記下部ジブの背面に連結され、前記背面から前記上部ブームに向かって延びるように設けられるバックストップと、
を備え、
前記上部ブームは、
上部ブーム本体部と、
前記クレーンが作業姿勢のときの前記上部ブーム本体部から前記バックストップに向かう向きに、前記上部ブーム本体部から延びるように設けられる支柱部と、
前記クレーンが作業姿勢のときの前記支柱部から前記バックストップに向かう向きに、前記支柱部から突出するように設けられ、前記上部ブームに対する前記下部ジブの角度が所定範囲のときに前記バックストップの先端部を受ける受け部と、
を備え、
前記上部ブーム、前記下部ジブ、および、前記バックストップは、前記上部ブームと、前記下部ジブと、
前記バックストップと、が互いに連結された
輸送姿勢で一体的に輸送可能に構成さ
れ、
前記輸送姿勢のとき、前記下部ジブは、前記クレーンが作業姿勢のときの前記上部ブームへの前記下部ジブの接続部に接続された状態であり、
前記輸送姿勢のとき、前記下部ジブの前記上部ブームへの接続部は、前記上部ブームの下端部に配置され、
前記輸送姿勢のとき、前記バックストップは、前記バックストップの先端部から基端部までの部品が前記バックストップの軸方向に組み立てられた状態であり、
前記輸送姿勢のとき、前記バックストップは、前記バックストップと前記下部ジブとの接続部から前記上部ブームに向かって延びるように配置され、
前記バックストップの長さは、前記輸送姿勢のときに前記上部ブームと前記バックストップとが干渉しない長さである、
ジブバックストップ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のジブバックストップ装置であって、
前記バックストップは、
前記バックストップの先端部に設けられ、前記受け部に受けられるように前記受け部に接触可能である接触部と、
前記接触部よりも横方向外側に配置され、前記受け部に対する前記接触部の横方向における位置をガイドするように構成されるガイド部と、
を備える、
ジブバックストップ装置。
【請求項3】
ジブバックストップ装置の輸送方法であって、
前記ジブバックストップ装置は、
クレーンのブームの先端部に設けられる上部ブームと、
前記ブームに起伏可能に取り付けられるジブの基端部に設けられ、前記上部ブームに起伏可能に取り付けられる下部ジブと、
前記下部ジブの背面に連結され、前記背面から前記上部ブームに向かって延びるように設けられるバックストップと、
を備え、
前記上部ブームは、
上部ブーム本体部と、
前記クレーンが作業姿勢のときの前記上部ブーム本体部から前記バックストップに向かう向きに、前記上部ブーム本体部から延びるように設けられる支柱部と、
前記クレーンが作業姿勢のときの前記支柱部から前記バックストップに向かう向きに、前記支柱部から突出するように設けられ、前記上部ブームに対する前記下部ジブの角度が所定範囲のときに前記バックストップの先端部を受ける受け部と、
を備え、
前記上部ブーム、前記下部ジブ、および、前記バックストップは、前記上部ブームと、前記下部ジブと
、前記バックストップと、が互いに連結された
輸送姿勢で一体的に輸送さ
れ、
前記輸送姿勢のとき、前記下部ジブは、前記クレーンが作業姿勢のときの前記上部ブームへの前記下部ジブの接続部に接続された状態であり、
前記輸送姿勢のとき、前記下部ジブの前記上部ブームへの接続部は、前記上部ブームの下端部に配置され、
前記輸送姿勢のとき、前記バックストップは、前記バックストップの先端部から基端部までの部品が前記バックストップの軸方向に組み立てられた状態であり、
前記輸送姿勢のとき、前記バックストップは、前記バックストップと前記下部ジブとの接続部から前記上部ブームに向かって延びるように配置される、
ジブバックストップ装置の輸送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーンのジブバックストップ装置、およびジブバックストップ装置の輸送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1(
図1、2、6を参照)などに、ブームに対するジブの回転を制限するジブバックストップ装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上部ブームと、下部ジブと、バックストップと、が一体的に輸送(一体輸送)される場合がある。上部ブームと下部ジブとを輸送姿勢(詳細は後述)にしたときに、バックストップが長すぎると、バックストップが上部ブームに干渉するおそれがある。バックストップと上部ブームとの干渉を避けるために、バックストップを分解したり、バックストップを下部ジブから取り外したりすると、作業に手間がかかる。
【0005】
そこで、本発明は、上部ブームと下部ジブとバックストップとを一体輸送する際のバックストップと上部ブームとの干渉を抑制することができる、バックストップ装置およびバックストップ装置の輸送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の手段のジブバックストップ装置は、上部ブームと、下部ジブと、バックストップと、を備える。前記上部ブームは、クレーンのブームの先端部に設けられる。前記下部ジブは、前記ブームに起伏可能に取り付けられるジブの基端部に設けられ、前記上部ブームに起伏可能に取り付けられる。前記バックストップは、前記下部ジブの背面に連結され、前記背面から前記上部ブームに向かって延びるように設けられる。前記上部ブームは、上部ブーム本体部と、支柱部と、受け部と、を備える。前記支柱部は、前記クレーンが作業姿勢のときの前記上部ブーム本体部から前記バックストップに向かう向きに、前記上部ブーム本体部から延びるように設けられる。前記受け部は、前記クレーンが作業姿勢のときの前記支柱部から前記バックストップに向かう向きに、前記支柱部から突出するように設けられ、前記上部ブームに対する前記下部ジブの角度が所定範囲のときに前記バックストップの先端部を受ける。バックストップ装置は、前記バックストップの先端部から基端部までの部品が前記バックストップの軸方向に組み立てられた状態の前記バックストップと、前記上部ブームと、前記下部ジブと、が互いに連結された状態で一体的に輸送可能に構成される。
【0007】
第2の手段のジブバックストップ装置の輸送方法では、前記ジブバックストップ装置は、上部ブームと、下部ジブと、バックストップと、を備える。前記上部ブームは、クレーンのブームの先端部に設けられる。前記下部ジブは、前記ブームに起伏可能に取り付けられるジブの基端部に設けられ、前記上部ブームに起伏可能に取り付けられる。前記バックストップは、前記下部ジブの背面に連結され、前記背面から前記上部ブームに向かって延びるように設けられる。前記上部ブームは、上部ブーム本体部と、支柱部と、受け部と、を備える。前記支柱部は、前記クレーンが作業姿勢のときの前記上部ブーム本体部から前記バックストップに向かう向きに、前記上部ブーム本体部から延びるように設けられる。前記受け部は、前記クレーンが作業姿勢のときの前記支柱部から前記バックストップに向かう向きに、前記支柱部から突出するように設けられ、前記上部ブームに対する前記下部ジブの角度が所定範囲のときに前記バックストップの先端部を受ける。ジブバックストップ装置の輸送方法では、前記バックストップの先端部から基端部までの部品が前記バックストップの軸方向に組み立てられた状態の前記バックストップと、前記上部ブームと、前記下部ジブと、が互いに連結された状態で一体的に輸送される。
【発明の効果】
【0008】
上記の手段1および手段2のそれぞれにより、上部ブームと下部ジブとバックストップとを一体輸送する際の、バックストップと上部ブームとの干渉を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】ジブバックストップ装置20を備えるクレーン1を横方向Yから見た図である。
【
図2】
図1に示すジブバックストップ装置20を横方向Yから見た図である。
【
図3】
図2に示すバックストップ50の先端部75および受け部35を横方向Yから見た図であり、先端部75がレール部35bに接触した状態を示す図である。
【
図4】
図3に示す先端部75が凹部35aに接触した状態を示す
図3相当図である。
【
図5】
図3に示す先端部75を横方向Yから見た図である。
【
図8】
図1に示す下部ジブ40が内抱き姿勢の状態を横方向Yから見た図である。
【
図9】
図1に示す上部ブーム30、下部ジブ40、およびバックストップ50などの輸送姿勢を横方向Yから見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1~
図9を参照して、
図1に示すジブバックストップ装置20を備えるクレーン1について説明する。
【0011】
クレーン1は、ブーム13およびジブ15を用いた作業を行う建設機械である。クレーン1は、下部走行体11と、上部旋回体12と、ブーム13と、ジブ15と、ジブ起伏装置16と、を備える。
【0012】
下部走行体11は、クレーン1を走行させる。下部走行体11は、クローラを備えてもよく、ホイールを備えてもよい。上部旋回体12は、下部走行体11に旋回可能に搭載される。上部旋回体12には、ブーム13などが取り付けられる。
【0013】
ブーム13は、上部旋回体12に起伏可能に取り付けられる。ブーム13は、ブーム13の長手方向に延びるブーム13の中心軸が水平方向または略水平方向に延びるように伏せられた姿勢(倒伏姿勢)になることが可能である。ブーム13は、ブーム腹面13aと、ブーム背面13bと、を備える。ブーム腹面13aは、ブーム13が倒伏姿勢のときに、ブーム13の底面となる面である。ブーム背面13bは、ブーム13が倒伏姿勢のときに、ブーム13の上面となる面である。ブーム13は、ブーム13の長手方向に分解可能である。ブーム13は、下部ブーム13lと、中間ブーム13mと、上部ブーム30と、を備える。下部ブーム13lは、ブーム13の基端部(上部旋回体12側の端部)に配置される。「端部」(基端部や先端部を含む)は、端およびその周辺部を意味する(以下同様)。中間ブーム13mは、下部ブーム13lの先端部(上部旋回体12側とは反対側の端部)に連結される。上部ブーム30については後述する。
【0014】
ジブ15は、ブーム13に起伏可能に取り付けられる。ジブ15は、ジブ腹面15aと、ジブ背面15bと、を備える。ジブ腹面15aは、クレーン1が作業可能な姿勢(作業姿勢、
図1に示すような姿勢)のときに、下側および前側(上部旋回体12における前側)を向く面である。ジブ背面15bは、クレーン1が作業姿勢のときに、上側および後側(上部旋回体12における後側)を向く面である。ジブ15は、ジブ15の長手方向に分解可能である。ジブ15は、下部ジブ40と、中間ジブ15mと、上部ジブ15nと、を備える。下部ジブ40は、ジブ15の基端部(ブーム13側の端部)に配置される。下部ジブ40については後述する。中間ジブ15mは、下部ジブ40の先端部(ブーム13側とは反対側の端部)に連結される。上部ジブ15nは、中間ジブ15mの先端部に連結され、ジブ15の先端部に配置される。
【0015】
ジブ起伏装置16は、ブーム13に対してジブ15を起伏させる装置である。ジブ起伏装置16は、ストラット16a(リアストラット16a1、フロントストラット16a2)と、ジブガイライン16bと、ストラットガイライン16cと、ジブ起伏ロープ16dと、を備える。ストラット16a(リアストラット16a1、フロントストラット16a2)は、上部ブーム30に回転可能に取り付けられる。ジブガイライン16bは、フロントストラット16a2の先端部とジブ15の先端部とに接続される。ストラットガイライン16cおよびジブ起伏ロープ16dは、ブーム13とリアストラット16a1の先端部とに接続される。図示しないウインチが、ジブ起伏ロープ16dを、巻き取りおよび繰り出しすると、ブーム13に対してストラット16aが起伏する結果、ジブ15がブーム13に対して起伏する。なお、図示しないウインチが、ジブ起伏ロープ16dを巻き取りおよび繰り出ししたときに、リアストラット16a1とフロントストラット16a2との間隔が変わる結果、ブーム13に対してジブ15が起伏してもよい。また、ストラット16aは1本のみ設けられてもよい。
【0016】
(方向)
ブーム13に対するジブ15の回転軸が延びる方向を、横方向Yとする。ブーム13の長手方向に延びるブーム13の中心軸の方向を、ブーム軸方向Zbとする。ブーム軸方向Zbにおいて、ブーム13の基端部から先端部に向かう側をブーム先端側Zb1とし、その逆側をジブ基端側Zj2とする。横方向Yおよびブーム軸方向Zbのそれぞれに直交する方向を、ブーム高さ方向Xbとする。ブーム高さ方向Xbにおいて、ブーム背面13bからブーム腹面13aに向かう側をブーム腹面側Xb1とし、その逆側をブーム背面側Xb2とする。ジブ15の長手方向に延びるジブ15の中心軸の方向を、ジブ軸方向Zjとする。ジブ軸方向Zjにおいて、ジブ15の基端部から先端部に向かう側をジブ先端側Zj1とし、その逆側をジブ基端側Zj2とする。横方向Yおよびジブ軸方向Zjのそれぞれに直交する方向を、ジブ高さ方向Xjとする。ジブ高さ方向Xjにおいて、ジブ背面15bからジブ腹面15aに向かう側をジブ腹面側Xj1とし、その逆側をジブ背面側Xj2とする。
図2に示すように、バックストップ50の長手方向に延びるバックストップ50の中心軸の方向を、バックストップ軸方向Zsとする。バックストップ軸方向Zsにおいて、バックストップ50の先端部75(後述)から基端部(下部ジブ40に取り付けられる側の端部)に向かう側をバックストップ基端側Zs1とし、その逆側をバックストップ先端側Zs2とする。横方向Yおよびバックストップ軸方向Zsのそれぞれに直交する方向を、バックストップ高さ方向Xsとする。バックストップ高さ方向Xsにおいて、バックストップ50が受け部35に受けられた状態のときのバックストップ50から下部ジブ40に向かう側をバックストップ高さ方向ジブ側Xs1とし、その逆側をバックストップ高さ方向反ジブ側Xs2とする。
【0017】
ジブバックストップ装置20は、上部ブーム30に対してジブ15が後側(ブーム背面側Xb2、ジブ背面側Xj2)に回転することを制限する装置である。ジブバックストップ装置20は、上部ブーム30と、下部ジブ40と、バックストップ50と、サポート部80と、を備える。
【0018】
上部ブーム30は、ブーム13のブーム先端側Zb1部分(先端部)を構成する。上部ブーム30は、中間ブーム13mの先端部に連結される。上部ブーム30は、上部ブーム本体部31と、支柱部33と、受け部35と、を備える。
【0019】
上部ブーム本体部31は、上部ブーム30の本体部分であり、例えばパイプおよび板状部材などにより構成される。上部ブーム本体部31は、例えば略六面体状の構造物(タワーキャップ、ブームトップ)でもよい。上部ブーム本体部31は、ブーム軸方向Zbに長い部材でもよい。
【0020】
支柱部33は、上部ブーム本体部31に固定される。支柱部33は、クレーン1が作業姿勢のとき(
図1参照)の上部ブーム本体部31からバックストップ50に向かう向きに延びるように設けられる。支柱部33は、上部ブーム本体部31から、ブーム先端側Zb1に突出する。例えば、支柱部33は、上部ブーム本体部31から、ブーム先端側Zb1ほどブーム腹面側Xb1に配置されるように、ブーム軸方向Zbに対して傾斜する。支柱部33は、上部ブーム30への下部ジブ40の取付部よりもブーム背面側Xb2に配置される(受け部35も同様)。例えば、支柱部33は、上部ブーム本体部31のブーム先端側Zb1端部のブーム背面側Xb2端部に設けられる(受け部35も同様)。支柱部33は、バックストップ50の先端部75(後述)が受け部35に受けられたときに、バックストップ50と支柱部33とがバックストップ軸方向Zsに並ぶように配置される。支柱部33は、例えば中空の柱状(例えば円筒状など)でもよく、中実の柱状でもよい。
【0021】
受け部35は、バックストップ50の先端部75(後述)を受ける部分である。さらに詳しくは、受け部35は、上部ブーム30に対する下部ジブ40の角度が所定範囲のときに、先端部75を受ける。受け部35は、支柱部33に固定され、さらに詳しくは、支柱部33のブーム先端側Zb1端部に固定される。受け部35は、クレーン1(
図1参照)が作業姿勢のときの支柱部33からバックストップ50に向かう向き(ブーム先端側Zb1およびブーム腹面側Xb1)に、支柱部33から突出するように設けられる。受け部35は、例えば板状であり、例えば横方向Yに直交する方向に延びる。受け部35は、板状でなくてもよく、ブロック状などでもよい。
図3に示すように、受け部35は、凹部35aと、レール部35bと、を備える。以下では、特に断らない限り、クレーン1が作業姿勢である場合(
図1参照)について説明する。
【0022】
凹部35aは、バックストップ50の先端部75(後述)を受ける部分である(
図4参照)。例えば、凹部35aは、受け部35の、バックストップ基端側Zs1(ブーム先端側Zb1およびブーム腹面側Xb1)を向く面の一部である。凹部35aは、バックストップ先端側Zs2に凹む形状を有する。凹部35aは、例えば、横方向Yから見て、円弧状または略円弧状などである。
【0023】
この凹部35aの位置が、バックストップ基端側Zs1であるほど、バックストップ50を短くすることができる。凹部35aの位置は、次のように設定される。
図9に示すように、上部ブーム30および下部ジブ40などが輸送姿勢のときに、上部ブーム30とバックストップ50とが干渉しないように、
図2に示すバックストップ50のバックストップ軸方向Zsにおける長さが設定される。クレーン1(
図1参照)が作業姿勢のときに、ブーム13に対するジブ15の起伏角度が所定角度になったときに、バックストップ50を適切に受けることができる位置に、凹部35a(
図3参照)の位置が設定される。例えば、凹部35aは、上部ブーム本体部31のブーム先端側Zb1端部のブーム先端部材31p(例えばパイプなど)からバックストップ基端側Zs1に離れた位置に配置される。凹部35aが、ブーム先端部材31pからバックストップ基端側Zs1に離れすぎると、支柱部33および受け部35が、バックストップ50から受ける荷重を適切に受け持てない可能性がある。ブーム先端部材31pから凹部35aまでの距離は、支柱部33および受け部35が受け持つ荷重、および、支柱部33および受け部35の設計寸法などに応じて、適切に設定される。具体的には例えば、ブーム先端部材31pの長手方向および横方向Yに直交する方向において、ブーム先端部材31pから凹部35a(
図3参照)までの距離を距離Lとし、ブーム先端部材31pの幅を幅Dとする。距離Lは、例えば幅Dの2倍以上であることが好ましい。距離Lは、例えば幅Dの5倍以下であることが好ましい。
図2に示す例では、距離Lは、幅Dの3倍以上である。同図に示す例では、距離Lは、幅Dの4倍以下である。
【0024】
レール部35bは、
図3に示すように、バックストップ50の先端部75をガイドする部分である。レール部35bは、先端部75が凹部35aに対して横方向Yにずれていても、先端部75を凹部35aに接触させるように(先端部75が凹部35aに入るように)、先端部75をガイドする。例えば、レール部35bは、受け部35の、バックストップ基端側Zs1を向く面の一部である。レール部35bは、凹部35aと滑らかに連続する。レール部35bは、凹部35aよりもブーム腹面側Xb1に配置される。レール部35bは、例えば、横方向Yから見て直線状でもよく、曲線状でもよい。レール部35bは、凹部35aに先端部75が接触した状態のときのバックストップ軸方向Zsに対して傾斜する。レール部35bは、バックストップ先端側Zs2ほどバックストップ高さ方向反ジブ側Xs2に配置されるように、バックストップ軸方向Zsに対して傾斜する。
【0025】
下部ジブ40は、
図1に示すように、ジブ15のジブ基端側Zj2部分を構成する。下部ジブ40は、上部ブーム30に起伏(回転)可能に取り付けられる。下部ジブ40は、上部ブーム30のブーム腹面側Xb1端部に取り付けられ、上部ブーム30のブーム先端側Zb1端部に取り付けられる。下部ジブ40のジブ高さ方向Xjにおける幅は、ジブ先端側Zj1に向かって徐々に広くなる。
【0026】
バックストップ50は、
図2に示すように、ブーム13に対してジブ15が所定角度よりも後側(ブーム背面側Xb2)に回転する(倒れる)ことを防ぐ。バックストップ50は、下部ジブ40のジブ背面15bに回転可能に取り付けられる(連結される)。下部ジブ40に対するバックストップ50の回転軸が延びる方向は、横方向Yである。バックストップ50は、下部ジブ40のジブ背面15bから、上部ブーム30(さらに詳しくは受け部35)に向かって延びるように設けられる。バックストップ50は、ジブ背面15bとバックストップ50とが所定角度をなすように配置される。後述するサポート部80により、下部ジブ40に対するバックストップ50の回転が、制限される。バックストップ50は、下部ジブ40の横方向Yの両外側(左右)に設けられる。バックストップ50は、スプリング部51と、基端側バックストップ60と、先端側バックストップ70と、を備える。
【0027】
スプリング部51は、基端側バックストップ60と先端側バックストップ70とがバックストップ軸方向Zsに互いに離れる向きに、基端側バックストップ60と先端側バックストップ70とを付勢する。基端側バックストップ60は、下部ジブ40に連結される。
【0028】
先端側バックストップ70は、基端側バックストップ60からバックストップ先端側Zs2に延びるように設けられる。先端側バックストップ70は、基端側バックストップ60に対して、バックストップ軸方向Zsに移動可能に、基端側バックストップ60に取り付けられる。例えば、先端側バックストップ70(バックストップインナ)は、基端側バックストップ60(バックストップアウタ)内に差し込まれる。なお、基端側バックストップ60が、先端側バックストップ70内に差し込まれてもよい。先端側バックストップ70は、先端側バックストップ本体部71と、先端部75と、を備える。
【0029】
先端側バックストップ本体部71は、バックストップ軸方向Zsに延びるように設けられる。
図5に示すように、例えば、先端側バックストップ本体部71は、筒状部材71aと、端部板71bと、を備える。筒状部材71aは、バックストップ軸方向Zsに延びるように設けられるパイプである。端部板71bは、先端側バックストップ本体部71の(さらに詳しくは筒状部材71aの)バックストップ先端側Zs2の端部に固定される。端部板71bは、板状であり、バックストップ軸方向Zsに直交する方向に延びるように設けられる。
【0030】
先端部75は、バックストップ50のバックストップ先端側Zs2の部分である。先端部75は、接触部75aと、側板部75bと、ガイド部75cと、を備える。
【0031】
接触部75aは、
図4に示すように、受け部35(さらに詳しくは凹部35a)に受けられるように、受け部35に接触(例えば面接触)可能に構成される。接触部75aは、レール部35bに接触可能に構成される(
図3参照)。
図5に示すように、接触部75aは、先端側バックストップ本体部71のバックストップ先端側Zs2端部(例えば端部板71b)から、バックストップ先端側Zs2に突出する。接触部75aのバックストップ先端側Zs2の部分は、例えば、横方向Yから見て円弧状または略円弧状である。
【0032】
側板部75bは、
図3に示す受け部35に接触することで、受け部35に対する先端部75の横方向Yへの移動を制限する。
図6に示すように、側板部75bは、接触部75aの横方向Y両側の側面(左右の側面)に固定される。左右の側板部75b・75bは、接触部75aを挟むように配置される。
図5に示すように、側板部75bは、接触部75aよりも、バックストップ先端側Zs2、バックストップ高さ方向ジブ側Xs1、およびバックストップ高さ方向反ジブ側Xs2のそれぞれに延びるように(突出するように、はみ出すように)設けられる。側板部75bは、板状であり、横方向Yに直交する方向に延びるように設けられる。横方向Yから見たとき、側板部75bのバックストップ先端側Zs2部分は、例えば、円弧状または略円弧状である。
【0033】
ガイド部75cは、
図3に示す受け部35(さらに詳しくは凹部35aおよびレール部35b)に対する接触部75aの横方向Yにおける位置をガイドするように構成される。
図7に示すように、ガイド部75cは、接触部75aよりも横方向Y外側の両側(左右)に配置される。ガイド部75cは、接触部75aに固定され、さらに詳しくは、側板部75bを介して接触部75aに固定される。ガイド部75cの大部分は、側板部75bよりも横方向Y外側に配置される。ガイド部75c(羽根)は、例えば板状である。ガイド部75cは、例えば略菱形などである。
【0034】
このガイド部75cは、
図5に示すように、横方向Yから見たとき、バックストップ軸方向Zsに対して傾斜する方向に延びるように設けられる。さらに詳しくは、横方向Yから見たとき、ガイド部75cは、バックストップ先端側Zs2ほどバックストップ高さ方向ジブ側Xs1に配置されるように、バックストップ軸方向Zsに対して傾斜する。横方向Yから見たときの、バックストップ軸方向Zsとガイド部75cが延びる方向とがなす角度は、様々に設定可能である。
図6に示すように、ガイド部75cは、傾斜部75c1を備える。
【0035】
傾斜部75c1は、受け部35(
図3参照)に接触可能である。
図5に示すように、傾斜部75c1は、バックストップ先端側Zs2ほどバックストップ高さ方向ジブ側Xs1に配置されるように、バックストップ軸方向Zsに対して傾斜する。
図7に示すように、左右の傾斜部75c1・75c1の横方向Yにおける間隔は、接触部75aに近い位置ほど狭い。傾斜部75c1のバックストップ基端側Zs1の端部と、側板部75bとは、滑らかに連続するようにつながれる。
【0036】
サポート部80は、
図2に示すように、下部ジブ40に対するバックストップ50の角度を略一定に保持する部材である。サポート部80は、下部ジブ40とバックストップ50とにつながれる。サポート部80は、バックストップ高さ方向Xsと略一致する方向に延びるように設けられる。サポート部80は、バックストップ50および下部ジブ40の少なくとも一方に対して着脱可能である。
【0037】
(作業姿勢)
図1に示すように、クレーン1が作業姿勢のとき、ブーム13は、上部旋回体12に対して起こされた状態であり、ジブ15は、ブーム13に対して前や上に延びるように起こされた状態である。クレーン1が作業姿勢のとき、
図2に示すバックストップ50は、次のように作動する。水平方向とジブ軸方向Zjとがなす角度(ジブ15の起伏角度)が所定範囲よりも小さいとき、バックストップ50の先端部75は、受け部35から離れた状態である(図示なし)。ジブ15が起こされ、ジブ15の起伏角度が所定範囲になると、バックストップ50の先端部75が受け部35に接触する。このとき、
図3に示すガイド部75c(
図7参照)が、レール部35bに接触した場合、受け部35に対する先端部75の横方向Yにおける位置がガイドされる。よって、受け部35に接触部75aを確実に接触させることができる。例えば、強風時などに受け部35に対して接触部75aが横方向Yにずれた場合でも、受け部35に接触部75aを確実に接触させることができる。そして、ジブ15(
図2参照)がさらに起こされると、
図4に示すように、接触部75aが、凹部35aに受けられる。
【0038】
図2に示すジブ15がさらに起こされると、基端側バックストップ60が、先端側バックストップ70に対してバックストップ先端側Zs2に移動し、スプリング部51が縮む。すると、スプリング部51が、基端側バックストップ60をバックストップ基端側Zs1に付勢することで、ジブ15の起伏角度が小さくなる向きにジブ15を付勢する。
【0039】
(内抱き姿勢)
図8に示すように、クレーン1の組立時や分解時に、クレーン1は、ジブ15の内抱き姿勢になる場合がある。この姿勢では、ブーム13は、例えば起こされた状態や、倒伏された状態となる。ジブ15のジブ軸方向Zjは、ブーム13のブーム軸方向Zbと平行または略平行に配置される。このとき、ブーム腹面13aとジブ腹面15aとが対向する。フロントストラット16a2は、上部ブーム30からブーム腹面側Xb1に延びるように配置される。この姿勢のとき、バックストップ50は、下部ジブ40からフロントストラット16a2に向かって延びるように配置される。このとき、下部ジブ40に対してバックストップ50が横方向Yに揺れた場合(例えば強風時など)でも、先端部75がフロントストラット16a2に干渉しないように、バックストップ50の長さが設定されることが好ましい。この姿勢のとき、横方向Yから見て、バックストップ50の先端部75は、フロントストラット16a2よりもバックストップ基端側Zs1(ジブ先端側Zj1)に配置されることが好ましい。
【0040】
(輸送姿勢)
クレーン1は、分解された状態で輸送される。
図9に示すように、上部ブーム30と、下部ジブ40と、バックストップ50とが、互いに連結された状態で一体的に輸送(一体輸送)される。この輸送姿勢のとき、上部ブーム30の腹面(ブーム腹面13a)、および下部ジブ40のジブ腹面15aは、水平方向または略水平方向に延びるように配置される。このとき、上部ブーム30のブーム先端側Zb1端部(例えばブーム先端部材31pなど)は、鉛直方向に対して傾斜するように配置され、下部ジブ40の基端部に向かって下側に延びるように配置される。バックストップ50は、下部ジブ40のジブ背面15bに載せられる。
【0041】
この輸送姿勢のとき、バックストップ50は、バックストップ50のバックストップ基端側Zs1部分から先端部75までの部品がバックストップ軸方向Zsに組み立てられた状態である(分解された状態ではない)。具体的には、輸送姿勢のバックストップ50では、基端側バックストップ60とスプリング部51と先端側バックストップ70とがバックストップ軸方向Zsに組み立てられた状態である。輸送姿勢のバックストップ50の状態は、クレーン1(
図1参照)が作業姿勢のときのバックストップ50と同様の状態である。
【0042】
輸送姿勢のとき、バックストップ50のバックストップ基端側Zs1の端部は、下部ジブ40に連結された状態である。
【0043】
輸送姿勢のとき、バックストップ50(さらに詳しくは先端部75)は、上部ブーム30に干渉しない。輸送姿勢のときにバックストップ50が上部ブーム30に干渉しないように、バックストップ50の長さ、
図2に示す支柱部33の長さ、および受け部35の位置が設定される。なお、
図9に示す例では、横方向Yから見たときの上部ブーム30とバックストップ50(さらに詳しくは先端部75)とがわずかに重なっている。しかし、このとき、バックストップ50(さらに詳しくは先端部75)は、上部ブーム30を構成する部材が存在しない位置(例えば左右のブーム先端部材31pの横方向Yにおける間)に配置されているので、バックストップ50に干渉しない。
【0044】
なお、輸送姿勢のときには、サポート部80は、バックストップ50または下部ジブ40から取り外された状態である。ストラット16aは、上部ブーム30に連結された状態でもよい。フロントストラット16a2およびリアストラット16a1の両方または一方が上部ブーム30に連結されてもよい。このとき、ストラット16aの先端部は、下部ジブ40のジブ先端側Zj1部分に載せられる。さらに他の部材が、バックストップ50などと一体的に輸送されてもよい。上記「他の部材」は、具体的には例えば、
図1に示すジブ15から吊り下げられるフック(図示なし)の巻き上げを行うためのロープをガイドするための三角ガイド(図示なし)などでもよい。
【0045】
(バックストップ50が下部ジブ40に連結される点について)
図2に示すバックストップ50が、例えば受け部35の位置やその近傍で上部ブーム30に連結され、下部ジブ40に設けられた受け部(図示なし)に受けられる場合について検討する。この場合、
図9に示すように、ストラット16aと上部ブーム30と下部ジブ40とバックストップ50とが輸送姿勢になったときに、バックストップ50がストラット16aに干渉するおそれがある。そのため、ストラット16aと上部ブーム30と下部ジブ40とバックストップ50とを一体輸送することが困難になるおそれや、輸送前後に上部ブーム30に対してバックストップ50を着脱する作業が必要になるおそれがある。一方、本実施形態では、
図2に示すように、バックストップ50が、下部ジブ40に連結され、上部ブーム30に設けられた受け部35に受けられる。よって、
図9に示すように、輸送姿勢のときに、バックストップ50とストラット16aとの干渉を抑制することができる。
【0046】
(第1の発明の効果)
[構成1-1]
図2に示すように、ジブバックストップ装置20は、上部ブーム30と、下部ジブ40と、バックストップ50と、を備える。上部ブーム30は、クレーン1のブーム13の先端部(ブーム先端側Zb1端部)に設けられる。下部ジブ40は、ブーム13に起伏可能に取り付けられるジブ15の基端部(ジブ基端側Zj2部分)に設けられる。下部ジブ40は、上部ブーム30に起伏可能に取り付けられる。バックストップ50は、下部ジブ40のジブ背面15b(背面)に連結され、ジブ背面15bから上部ブーム30に向かって延びるように設けられる。上部ブーム30は、上部ブーム本体部31と、支柱部33と、受け部35と、を備える。
【0047】
[構成1-2]支柱部33は、クレーン1が作業姿勢のときの上部ブーム本体部31からバックストップ50に向かう向き(例えばバックストップ基端側Zs1)に、上部ブーム本体部31から延びるように設けられる。受け部35は、クレーン1が作業姿勢のときの支柱部33からバックストップ50に向かう向き(例えばブーム先端側Zb1)に、支柱部33から突出するように設けられる。受け部35は、上部ブーム30に対する下部ジブ40の角度が所定範囲のときにバックストップ50の先端部75を受ける。
【0048】
[構成1-3]ジブバックストップ装置20は、バックストップ50と、上部ブーム30と、下部ジブ40と、が互いに連結された状態で一体的に輸送可能に構成される。この一体輸送時のバックストップ50は、バックストップ50の先端部75から基端部(バックストップ基端側Zs1端部)までの部品がバックストップ軸方向Zsに組み立てられた状態である。
【0049】
上記[構成1-2]では、クレーン1が作業姿勢のときに、支柱部33が、上部ブーム本体部31からバックストップ50に向かって突出し、受け部35が、支柱部33からバックストップ50に向かって突出する。よって、例えば支柱部33が設けられない場合や、支柱部33からバックストップ50に向かって受け部35が突出していない場合などに比べ、受け部35が先端部75を受ける位置を、よりバックストップ基端側Zs1の位置とすることができる。よって、バックストップ50のバックストップ軸方向Zsにおける長さを短くすることができる。
【0050】
上記[構成1-3]では、
図9に示すように、ジブバックストップ装置20は、組み立てられた状態のバックストップ50と、上部ブーム30と、下部ジブ40と、が互いに連結された状態で一体輸送可能である。ここで、上記[構成1-2]のように、バックストップ50を短くすることができる。よって、バックストップ50が組み立てられた状態であっても、バックストップ50と上部ブーム30と下部ジブ40とを一体輸送する際のバックストップ50と上部ブーム30との干渉を抑制することができる。
【0051】
上記のように、一体輸送の際に、バックストップ50が組み立てられた状態であっても、バックストップ50と上部ブーム30との干渉を抑制することができる。よって、一体輸送の前や後に、バックストップ50の分解組立や、下部ジブ40に対するバックストップ50の着脱を行う必要がない。よって、バックストップ50の分解組立や着脱の作業を行う手間を省くことができる。
【0052】
バックストップ50を分解組立する必要がない結果、バックストップ50を分解可能な構造にする必要がない。よって、バックストップ50の強度を向上させることができ、また、バックストップ50にかかるコストを抑制することができる。
【0053】
(第2の発明の効果)
図4に示すように、バックストップ50は、接触部75aと、ガイド部75cと、を備える。接触部75aは、バックストップ50の先端部75に設けられ、受け部35に受けられるように受け部35に接触可能である。
【0054】
[構成2]
図7に示すように、ガイド部75cは、接触部75aよりも横方向Y外側に配置され、受け部35(
図4参照)に対する接触部75aの横方向Yにおける位置をガイドするように構成される。
【0055】
上記[構成2]により、受け部35(
図4参照)に対して接触部75aが横方向Yにずれていても、受け部35に接触部75aを接触させることができる。その結果、
図2に示すように、バックストップ50がジブ15を確実に支持することができる。
【0056】
(第3の発明の効果)
ジブバックストップ装置20の輸送方法による効果は、次の通りである。ジブバックストップ装置20は、上記[構成1-1]および[構成1-2]を備える。
【0057】
[構成3]ジブバックストップ装置20の輸送方法では、
図9に示すように、バックストップ50と、上部ブーム30と、下部ジブ40とが、互いに連結された状態で一体的に輸送される。この輸送時のバックストップ50は、バックストップ50の先端部75から基端部(バックストップ基端側Zs1端部)までの部品がバックストップ軸方向Zsに組み立てられた状態である。
【0058】
このジブバックストップ装置20の輸送方法により、上記「(第1の発明の効果)」と同様の効果が得られる。
【0059】
(変形例)
上記実施形態は様々に変形されてもよい。例えば、上記実施形態の各構成要素の配置や形状が変更されてもよい。例えば、構成要素の数が変更されてもよく、構成要素の一部が設けられなくてもよい。例えば、構成要素どうしの固定や連結などは、直接的でも間接的でもよい。例えば、互いに異なる複数の部材や部分として説明したものが、一つの部材や部分とされてもよい。例えば、一つの部材や部分として説明したものが、互いに異なる複数の部材や部分に分けて設けられてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 クレーン
13 ブーム
15 ジブ
15b ジブ背面
20 ジブバックストップ装置
30 上部ブーム
31 上部ブーム本体部
33 支柱部
35 受け部
40 下部ジブ
50 バックストップ
75a 接触部
75c ガイド部