(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-18
(54)【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理方法、および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0204 20230101AFI20230511BHJP
G06Q 30/015 20230101ALI20230511BHJP
【FI】
G06Q30/0204
G06Q30/015
(21)【出願番号】P 2022026048
(22)【出願日】2022-02-22
【審査請求日】2023-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】條 由花
(72)【発明者】
【氏名】木幡 駿
【審査官】新里 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-49494(JP,A)
【文献】特開2016-206736(JP,A)
【文献】特開2021-105945(JP,A)
【文献】特開2021-43581(JP,A)
【文献】特開2005-250745(JP,A)
【文献】特開2020-52463(JP,A)
【文献】特開2020-27489(JP,A)
【文献】特開2017-174062(JP,A)
【文献】特開2006-113711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店内を撮影した映像から人物と商品とを抽出し、
前記抽出した人物を追跡し、
前記追跡した人物の店内での前記商品に対する行動を特定し、
前記店内に入ってから前記店内で前記商品を購入するに至るまでの前記行動の工程の遷移を規定した複数の行動種別のうち、前記追跡した人物の前記商品に対する第1の行動が到達した第1の行動種別を特定し、
前記第1の行動種別に基づいて、前記追跡した人物に対する接客内容を特定する
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項2】
前記複数の行動種別のそれぞれに対応付けられて記憶された前記接客内容に基づいて、前記第1の行動種別に対応する第1の接客内容を特定し、
前記第1の接客内容を店員が利用する情報処理端末に送信する
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記追跡した人物が前記複数の行動種別のうちの第1の行動工程に位置する場合、前記追跡した人物が前記第1の行動工程の遷移先の第2の行動工程に対応する行動をするか否かを判定し、
前記第2の行動工程に対応する行動をしたと判定された場合、前記追跡した人物が前記第2の行動工程に遷移したと判定する
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
店員が実施した第2の接客内容と、前記第2の接客内容に対する顧客の反応、前記商品を購入したか否か、および属性の少なくとも1つに関する情報とを対応付けて記憶する
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
店員が実施した第2の接客内容、前記第2の接客内容を実施した顧客に対して特定された前記行動、および前記顧客の属性情報の少なくとも1つを特徴量とし、前記第2の接客内容に対して前記商品を購入したか否かを正解ラベルとして訓練して生成される、前記商品を購入するか否かを特定するための機械学習モデルを用いて、前記接客内容を特定する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
複数の前記抽出した人物の間の距離に基づいて、複数の前記抽出した人物の間のグループを特定し、
前記追跡した人物が第1のグループに属する場合、前記第1の行動種別と、前記第1のグループに属する他の人物の前記商品に対する行動が到達した第2の行動種別とに基づいて、前記追跡した人物に対する前記接客内容を特定する
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項7】
店内を撮影した映像から人物と商品とを抽出し、
前記抽出した人物を追跡し、
前記追跡した人物の店内での前記商品に対する行動を特定し、
前記店内に入ってから前記店内で前記商品を購入するに至るまでの前記行動の工程の遷移を規定した複数の行動種別のうち、前記追跡した人物の前記商品に対する第1の行動が到達した第1の行動種別を特定し、
前記第1の行動種別に基づいて、前記追跡した人物に対する接客内容を特定する
処理をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
店内を撮影した映像から人物と商品とを抽出し、
前記抽出した人物を追跡し、
前記追跡した人物の店内での前記商品に対する行動を特定し、
前記店内に入ってから前記店内で前記商品を購入するに至るまでの前記行動の工程の遷移を規定した複数の行動種別のうち、前記追跡した人物の前記商品に対する第1の行動が到達した第1の行動種別を特定し、
前記第1の行動種別に基づいて、前記追跡した人物に対する接客内容を特定する
処理を実行する制御部を有することを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理プログラム、情報処理方法、および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
小売店などに訪れた人物が商品を購入する際に示す行動、いわゆる購買行動を分析することにより、コンバージョン率を改善する取り組みがある。例えば、衣類を販売する店舗で、商品比較が5回未満の人物は商品を購入する傾向が高く、逆に5回以上の人物は商品を購入せずに離脱する傾向が高い場合に、接客時に試着数を5点未満に誘導することで、コンバージョン率を向上させることができる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、店内で様々な人物が多様な行動を示す中で、人物の購買行動に適した接客内容を特定することは容易でない。
【0005】
1つの側面では、人物の購買行動により適した接客内容を特定できる情報処理プログラム、情報処理方法、および情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様において、情報処理プログラムは、店内を撮影した映像から人物と商品とを抽出し、抽出した人物を追跡し、追跡した人物の店内での商品に対する行動を特定し、店内に入ってから店内で商品を購入するに至るまでの行動の工程の遷移を規定した複数の行動種別のうち、追跡した人物の商品に対する第1の行動が到達した第1の行動種別を特定し、第1の行動種別に基づいて、追跡した人物に対する接客内容を特定する処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0007】
1つの側面では、人物の購買行動により適した接客内容を特定できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施例1にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施例1にかかる情報処理装置10の構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施例1にかかるカメラ設置DB14に記憶される情報の例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施例1にかかる商品DB15に記憶される情報の例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施例1にかかる人物DB16に記憶される情報の例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施例1にかかる接客内容DB18に記憶される情報の例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施例1にかかる店内画像からの人物抽出および追跡の例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施例1にかかるROI指定の例を示す図である。
【
図14】
図14は、実施例1にかかる到達した行動種別の特定について説明する図である。
【
図15】
図15は、実施例1にかかる追跡人物のエリア外への移動判定の例を示す図である。
【
図16】
図16は、実施例1にかかる追跡人物の購入/離脱判定の例を示す図である。
【
図17】
図17は、実施例1にかかる接客内容の特定の例を示す図である。
【
図18】
図18は、実施例1にかかる接客履歴の例を示す図である。
【
図19】
図19は、実施例1にかかる接客内容提示モデルの訓練の例を示す図である。
【
図20】
図20は、実施例1にかかるグループ識別の例を示す図である。
【
図21】
図21は、実施例1にかかるグループ行動のマージの例を示す図である。
【
図22】
図22は、実施例1にかかる接客内容特定処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本実施形態に係る情報処理プログラム、情報処理方法、および情報処理装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本実施形態が限定されるものではない。また、各実施例は、矛盾のない範囲内で適宜組み合わせることができる。
【実施例1】
【0010】
まず、本実施形態を実施するための情報処理システムについて説明する。
図1は、実施例1にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。
図1に示すように、情報処理システム1は、情報処理装置10と、カメラ装置200-1~200-n(nは任意の整数。以下、まとめて「カメラ装置200」という)とが、ネットワーク50を介して相互に通信可能に接続されるシステムである。
【0011】
ネットワーク50には、有線や無線を問わず、例えば、小売店などの店内で利用されるイントラネットなどの各種通信網を採用できる。また、ネットワーク50は、単一のネットワークではなく、例えば、イントラネットとインターネットとがゲートウェイなどネットワーク装置やその他の装置(図示せず)を介して構成されてよい。なお、小売店などの“店内”という表現は、屋内に限定されず、小売店などの敷地内の屋外を含んでよい。
【0012】
情報処理装置10は、例えば、小売店などの店内に設置され、店舗スタッフや管理者などによって使用されるデスクトップPC(Personal Computer)やノートPC、またはサーバコンピュータなどの情報処理装置である。または、情報処理装置10は、クラウドコンピューティングサービスを提供するサービス提供者によって管理されるクラウドコンピュータ装置であってもよい。
【0013】
情報処理装置10は、カメラ装置200によって小売店などの店内の各売場やレジエリアなど所定の撮像範囲を撮像した複数の画像を、カメラ装置200から受信する。なお、複数の画像とは、厳密には、カメラ装置200によって撮影される映像、すなわち、動画の一連のフレームである。
【0014】
また、情報処理装置10は、既存の物体検知技術を用いて、カメラ装置200によって撮影される映像から、店舗に滞在する人物を抽出し、抽出した人物を追跡する。また、情報処理装置10は、既存の骨格検出技術を用いて追跡した人物(以下、単に「追跡人物」という場合がある)の骨格情報を生成し、既存の姿勢推定技術などを用いて追跡人物の姿勢や動作を推定し、追跡人物の行動を特定する。
【0015】
また、情報処理装置10は、追跡人物である顧客が店内に入ってから店内で商品を購入するに至るまでの行動の工程の遷移を規定した複数の行動種別のうち、追跡人物の行動によって到達した第1の行動種別を特定する。行動の工程や、到達した第1の行動種別の特定の詳細については後述するが、店内の人物は、入店する、商品を見る、手に取る、比較する、購入するなど、様々な行動をとり得、これらの行動を工程と対応付けて種別化したものを行動種別という。そして、情報処理装置10は、様々な行動を経て追跡人物、すなわち顧客が到達した第1の行動種別を特定する。
【0016】
そして、情報処理装置10は、顧客が到達した第1の行動種別に基づいて、顧客に対する接客内容を特定する。また、情報処理装置10は、特定した接客内容を店員が利用する情報処理端末に送信してもよい。
【0017】
また、情報処理装置10は、追跡人物が所定のエリア外、例えば、レジエリアに移動したか否かを判定する。また、情報処理装置10は、追跡人物がエリア外に移動したと判定された場合、第1の行動種別に基づいて、追跡人物が商品を購入したか、購入せずに離脱したかを特定する。
【0018】
なお、
図1では、情報処理装置10を1台のコンピュータとして示しているが、複数台のコンピュータで構成される分散型コンピューティングシステムであってもよい。
【0019】
カメラ装置200は、例えば、小売店などの店内の各売場やレジエリアに設置される監視カメラである。カメラ装置200によって撮影された映像は、情報処理装置10に送信される。また、カメラ装置200によって撮像される各商品や売場エリアには、各商品や売場エリアを特定するための座標などの位置情報が割り当てられており、例えば、情報処理装置10は、カメラ装置200から受信した映像から各商品や売場エリアを特定できる。
【0020】
[情報処理装置10の機能構成]
次に、情報処理装置10の機能構成について説明する。
図2は、実施例1にかかる情報処理装置10の構成例を示す図である。
図2に示すように、情報処理装置10は、通信部11、記憶部12、および制御部20を有する。
【0021】
通信部11は、カメラ装置200など、他の装置との間の通信を制御する処理部であり、例えば、ネットワークインタフェースカードなどの通信インタフェースである。
【0022】
記憶部12は、各種データや、制御部20が実行するプログラムを記憶する機能を有し、例えば、メモリやハードディスクなどの記憶装置により実現される。記憶部12は、撮像DB13、カメラ設置DB14、商品DB15、人物DB16、モデルDB17、および接客内容DB18などを記憶する。なお、DBは、データベース(Data Base)の略称である。
【0023】
撮像DB13は、カメラ装置200によって撮像された一連のフレームである複数の撮像画像を記憶する。また、撮像DB13は、各撮像画像から、個々の商品や売場エリアの領域や、抽出された人物を特定するための座標などの位置情報を各撮像画像に紐付けて記憶できる。また、撮像DB13は、撮像画像から抽出され特定された人物の骨格情報を記憶する。骨格情報の生成については後述する。
【0024】
カメラ設置DB14は、カメラ装置200の各々が設置される場所を特定するための情報を記憶する。ここで記憶される情報は、管理者などにより予め設定されてよい。
図3は、実施例1にかかるカメラ設置DB14に記憶される情報の例を示す図である。
図3に示すように、カメラ設置DB14は、「カメラID、売場」などの各情報を対応付けて記憶する。ここで記憶される「カメラID」は、カメラを識別する情報が設定され、「売場」は、カメラが設置される売場を特定する情報が設定される。
図3の例では、ベビー用品売場にカメラID=1のカメラが設置され、スポーツ用品売場にカメラID=2のカメラが設置される例が示されている。
【0025】
商品DB15は、各売場にある商品に関する情報を記憶する。ここで記憶される情報は、管理者などにより予め設定されてよい。
図4は、実施例1にかかる商品DB15に記憶される情報の例を示す図である。
図4に示すように、商品DB15は、「売場、商品サイズ、商品例、商品ID」などの各情報を対応付けて記憶する。ここで記憶される「売場」は、売場を特定する情報が設定され、「商品サイズ」は、商品のサイズに関する情報が設定され、「商品例」は、該当する商品の一例が設定され、「商品ID」は、商品を特定する情報が設定される。
図4の例では、ベビー用品売場で商品サイズが小さい商品に該当する小物類には商品IDとして「242・・・」が設定されていることが示される。また、商品DB15は、各商品の売場エリアや商品を特定するための座標などの位置情報が記憶されてよい。当該位置情報に基づいて、情報処理装置10は、カメラ装置200から受信した映像から各商品の売場エリアや商品を特定できる。
【0026】
人物DB16は、店舗に滞在する顧客や店員などの追跡人物に関する情報を記憶する。ここで記憶される情報は、カメラ装置200から受信した映像や情報などに基づいて、情報処理装置10によって生成され設定される。
図5は、実施例1にかかる人物DB16に記憶される情報の例を示す図である。
図5に示すように、人物DB16は、「人物ID、年齢、性別、店員or客、日時、工程、行動特徴」などの各情報を対応付けて記憶する。ここで記憶される「人物」は、追跡人物を特定する情報が設定される。また、「年齢」、「性別」、「客or店員」は、それぞれ、カメラ装置200から受信した映像や情報などに基づいて情報処理装置10によって特定された人物の年齢や性別、または顧客か店員かを示す情報が設定される。また、「日時」、「工程」、「行動特徴」は、それぞれ、情報処理装置10によって追跡人物の行動種別が特定された日時、特定された行動種別の工程、特定された行動種別に基づいて決定される行動特徴が設定される。
【0027】
モデルDB17は、商品を購入せずに離脱した人物(以下、「離脱者」という場合がある)を検知するための機械学習モデルに関する情報や、当該機械学習モデル、すなわち、離脱者の検知モデルを構築するためのモデルパラメータを記憶する。当該検知モデルは、例えば、商品の購入者および離脱者の行動特徴を特徴量とし、購入者か離脱者かを正解ラベルとして機械学習により生成される。
【0028】
また、モデルDB17は、カメラ装置200の撮影映像から抽出された人物から人物の年齢、性別、店員か顧客か、同伴者などの属性情報を判定するための機械学習モデルに関する情報や、当該機械学習モデルを構築するためのモデルパラメータを記憶する。当該機械学習モデル、すなわち、人物属性判定モデルは、例えば、カメラ装置200によって撮影される映像から抽出された人物の部分画像を特徴量とし、当該人物の属性情報を正解ラベルとして機械学習により生成される。
【0029】
また、モデルDB17は、実施する接客内容に対し、顧客が商品を購入するか否かを特定するための機械学習モデルに関する情報や、当該機械学習モデル、すなわち、購入判定モデルを構築するためのモデルパラメータを記憶する。購入判定モデルは、例えば、店員が実施した接客内容、当該接客内容を実施した顧客に対して特定された行動、および当該顧客の属性情報の少なくとも1つに関する情報を特徴量とし、商品を購入するか否かを正解ラベルとして機械学習により生成される。
【0030】
なお、離脱者の検知モデル、人物属性判定モデル、および購入判定モデルは、情報処理装置10によって訓練され生成されてもよいし、別の情報処理装置によって訓練され生成されてもよい。
【0031】
接客内容DB18は、店員が取り得る接客内容に関する情報を記憶する。ここで記憶される情報は、管理者などにより予め設定されてよい。
図6は、実施例1にかかる接客内容DB18に記憶される情報の例を示す図である。
図6に示すように、接客内容DB18は、「購買心理工程、接客内容」などの各情報を対応付けて記憶する。ここで記憶される「購買心理工程」は、顧客が到達した行動に対応する購買心理工程である。購買心理工程の詳細については後述する。また、「接客内容」は、顧客が現在位置する購買心理工程に対して実施する接客内容である。すなわち、接客内容DB18は、顧客が店内で行動し、現在どのような購買心理工程に位置するかに応じて、店員が取り得る接客内容を対応付けて記憶するものである。また、
図6に示すように、接客内容には、顧客に対して“何もしない”も含まれる。
【0032】
なお、記憶部12に記憶される上記情報はあくまでも一例であり、記憶部12は、上記情報以外にも様々な情報を記憶できる。
【0033】
制御部20は、情報処理装置10全体を司る処理部であり、例えば、プロセッサなどである。制御部20は、撮像部21、追跡部22、骨格検知部23、動作認識部24、行動判定部25、および接客内容特定部26を備える。なお、各処理部は、プロセッサが有する電子回路の一例やプロセッサが実行するプロセスの一例である。
【0034】
撮像部21は、画像を撮像する処理部である。例えば、撮像部21は、カメラ装置200により撮像された画像データを受信して撮像DB13に格納する。
【0035】
追跡部22は、店舗に入店した人物が退店するまでに撮像された各画像データを取得する処理部である。具体的には、追跡部22は、カメラ装置200により撮像された複数の画像データ、すなわち複数のフレームから、人物が写っている画像データを抽出して、フレーム間で同一人物を特定する。
【0036】
例えば、追跡部22は、ある人物が店舗に入店してから退店するまでを追跡し、店舗内で撮像されたある人物の各画像データを取得する。
図7は、客の追跡を説明する図である。
図7に示すように、追跡部22は、店舗の入口や、各売場、レジエリアや出口など店内各所に設置されたカメラ装置200によって撮像された複数の画像データから人物を抽出し、抽出した人物から同一人物を特定し、人物ごとに追跡を行う。
【0037】
図8は、実施例1にかかる店内画像からの人物抽出および追跡の例を示す図である。
図8に示すように、追跡部22は、例えば、YOLO(YOU Only Look Once)、SSD(Single Shot Multibox Detector)、RCNN(Region Based Convolutional Neural Networks)などの既存の検出アルゴリズムを用いて、店内画像から人物を抽出する。店内画像は、カメラ装置200によって撮像された各画像データであり、
図8に示すように、抽出された人物は、画像上でその領域を矩形で囲むバウンディングボックス(BBOX)によって示される。
【0038】
また、
図8の上段に示すように、店内画像から複数の人物が抽出されることは当然あり得る。そのため、追跡部22は、
図8の下段に示すように、例えば、複数の画像データ、すなわち複数のフレーム間の人物のBBOXの類似度に基づいて、フレーム間で同一人物を特定する。同一人物の特定には、例えば、TLD(Tracking Learning Detection)やKCF(Kernelized Correlation Filters)などの既存の追跡アルゴリズムが用いられてよい。
【0039】
骨格検知部23は、画像データに写っている人物の骨格情報を取得する。具体的には、骨格検知部23は、追跡部22により抽出された各人物が写っている画像データに対して、人物の骨格検知を実行する。
【0040】
例えば、骨格検知部23は、抽出された人物の画像データ、すなわち抽出された人物を示すBBOX画像を、DeepPoseやOpenPoseなどの既存アルゴリズムを用いて構築された、訓練済みの機械学習モデルに入力することで、骨格情報を取得する。
図9は、骨格情報の例を示す図である。骨格情報は、公知の骨格モデルで特定される各関節をナンバリングした、18個(0番から17番)の定義情報を用いることができる。例えば、右肩関節(SHOULDER_RIGHT)には7番が付与され、左肘関節(ELBOW_LEFT)には5番が付与され、左膝関節(KNEE_LEFT)には11番が付与され、右股関節(HIP_RIGHT)には14番が付与される。したがって、
図9に示した18個の骨格の座標情報が、画像データから取得可能であり、例えば、7番の右肩関節の位置として「X座標=X7、Y座標=Y7、Z座標=Z7」が取得される。なお、例えば、Z軸は、撮像装置から対象に向けた距離方向、Y軸は、Z軸に垂直な高さ方向、X軸は、水平方向と定義することができる。
【0041】
また、骨格検知部23は、骨格のパターンをあらかじめ訓練した機械学習モデルを用いて、立つ・歩く・しゃがむ・座る・寝るなどの全身の姿勢を判定することもできる。例えば、骨格検知部23は、
図9の骨格情報や美技図のような一部の関節と関節間の角度をMultilayer Perceptronで訓練した機械学習モデルを用いることで、最も近い全身の姿勢を判定することもできる。
図10は、全身の姿勢判定を説明する図である。
図10に示すように、骨格検知部23は、10番の「HIP_LEFT」と11番の「KNEE_LEFT」との間の関節の角度(a)、14番の「HIP_RIGHT」と15番の「KNEE_RIGHT」との間の関節の角度(b)、11番の「KNEE_LEFT」の角度(c)、15番の「KNEE_RIGHT」の角度(d)などを取得することで、全身の姿勢を検知することができる。
【0042】
また、骨格検知部23は、体の3D関節姿勢に基づき、パーツの姿勢判定することで、パーツ別の動作を検知することもできる。具体的には、骨格検知部23は、3D-baseline手法などの既存アルゴリズムを用いて、2D関節座標から3D関節座標への変換を行うこともできる。
【0043】
図11は、パーツ別動作の検知を説明する図である。
図11に示すように、骨格検知部23は、パーツ「顔」について、顔向きと各方向ベクトルの角度が閾値以下であるか否かにより、顔の向きが前、左、右、上、下のいずれの向きか(5種類)を検知することができる。なお、骨格検知部23は、顔の向きについては、「始点:両耳の中点、終点:鼻」により定義されるベクトルにより特定する。また、骨格検知部23は、顔が後ろを向いているか否かについては、「顔が右向きかつ腰が右捻り」または「顔が左向きかつ腰が左捻り」により検知することができる。
【0044】
骨格検知部23は、パーツ「腕」について、前腕の向きと各方向ベクトルの角度が閾値以下であるか否かにより、左右の腕の向きが前後左右上下のいずれの向きであるか(6種類)を検知することができる。なお、骨格検知部23は、腕の向きについては「始点:肘(elbow)、終点:手首(wrist)」により定義されるベクトルにより検知することができる。
【0045】
骨格検知部23は、パーツ「脚」について、下腿の向きと各方向ベクトルの角度が閾値以下であるか否かにより、左右の脚の向きが前後左右上下のいずれの向きであるか(6種類)を検知することができる。なお、骨格検知部23は、下腿の向きについては「始点:膝(knee)、終点:足首(ankle)」により定義されるベクトルにより検知することができる。
【0046】
骨格検知部23は、パーツ「肘」について、肘の角度が閾値以上で伸ばしている、閾値未満で曲げていると検知することができる(2種類)。なお、骨格検知部23は、肘の角度については、「始点:肘(elbow)、終点:肩(shoulder)」のベクトルAと「始点:肘(elbow)、終点:手首(wrist)」のベクトルBとのなす角度により検知することができる。
【0047】
骨格検知部23は、パーツ「膝」について、膝の角度が閾値以上で伸ばしている、閾値未満で曲げていると検知することができる(2種類)。なお、骨格検知部23は、膝の角度については、「始点:膝(knee)、終点:足首(ankle)」のベクトルAと「始点:膝(knee)、終点:腰(hip)」のベクトルBとのなす角度により検知することができる。
【0048】
骨格検知部23は、パーツ「腰」について、腰と肩の角度が閾値以上か否かにより、左右のひねり(2種類)を検知でき、閾値未満で正面と検知することができる。なお、骨格検知部23は、腰と肩の角度については、「始点:左肩、終点:右肩」のベクトルAと「始点:左腰(hip(L))、終点:右腰(hip(R))」のベクトルBそれぞれについて、軸ベクトルC「始点:両腰の中点:終点:両肩の中点」まわりでの回転角により検知することができる。
【0049】
図2の説明に戻り、動作認識部24は、骨格検知部23による骨格情報の検知結果に基づき、人物の動作を認識する処理部である。具体的には、動作認識部24は、連続する複数のフレームそれぞれについて認識された骨格情報の遷移に基づき、少なくとも1つの動作を含む行動を特定する。
【0050】
例えば、動作認識部24は、数フレーム間で、パール別判定により顔が正面を見ている骨格かつ全身の姿勢判定により立っている骨格が連続して検知された場合、「正面を一定時間見る」動作を認識する。また、動作認識部24は、数フレーム間で、全身の姿勢の変化が所定値未満の骨格が連続して検知された場合、「移動しない」動作を認識する。
【0051】
また、動作認識部24は、数フレーム間で、肘の角度が閾値以上変化した骨格が検知された場合に、「片手を前に出す」動作もしくは「片腕を伸ばす」動作を認識し、数フレーム間で、肘の角度が閾値以上変化した後に当該角度が閾値未満となった骨格が検知された場合に、「片手を曲げる」動作を認識する。さらに、動作認識部24は、肘の角度が閾値以上変化した後に当該角度が閾値未満となった骨格が検知された後に、その角度が数フレーム間継続した場合に、「片手を見る」動作を認識する。
【0052】
また、動作認識部24は、数フレーム間で、手首の角度が連続して変化した骨格が検知された場合、「一定時間の間に手首座標が頻繁に動く」動作を認識する。動作認識部24は、数フレーム間で、手首の角度が連続して変化するとともに、肘の角度が連続して変化した骨格が検知された場合、「一定時間の間に肘座標と手首座標が頻繁に動く」動作を認識する。動作認識部24は、数フレーム間で、手首の角度、肘の角度、全身の向きのそれぞれが連続して変化した骨格が検知された場合、「一定時間の間に体の向きや全身動作が頻繁に変わる」動作を認識する。
【0053】
また、動作認識部24は、人物と商品や商品の売場エリアが写っている画像データに対し、例えば、カメラ装置200の各々の撮像領域と、撮像領域内の各商品や各商品の売場エリアの座標とにより商品や売場エリアを特定する。
【0054】
図12は、実施例1にかかるROI指定の例を示す図である。
図12に示すように、カメラ装置200の撮像領域内の各商品や売場エリアの領域(ROI:Region Of Interest)を予め指定しておくことで、動作認識部24は、画像データから商品や売場エリアを特定できる。そして、動作認識部24は、各画像データのROIと、追跡人物の行動との関連から、追跡人物の購買行動、例えば、売場エリアに入場、フロアに滞在、商品1に手を伸ばす、商品3に座る・寝るなどの行動を特定できる。
【0055】
また、動作認識部24は、店内に入ってから店内で商品を購入するに至るまでの行動の工程の遷移を規定した複数の行動種別のうち、追跡人物の行動によって到達した第1の行動種別を特定する。行動種別についてより具体的に説明する。
【0056】
図13は、購買心理工程の例を示す図である。
図13は、AIDeCAの法則なる顧客の購買心理工程をまとめた表である。具体例を挙げて説明すると、例えば、顧客Aは店舗を訪れた際、売場エリアに設置された垂れ幕やポスターを見つけると、購買心理工程が“Attention”に遷移する。そして、顧客Aは、その中から自分の好きな商品Xを紹介するポスターを見つけると、購買心理工程が“Interest”に遷移する。また、顧客Aは、さっそく商品Xを手に取り、商品Xの内容や値段などを確認する。この時、購買心理工程は“Desire”に遷移する。また、顧客Aは、商品Xに似た商品である、先日購入した商品Yを思い出し、商品Xと比較すると、購買心理工程が“Compare”に遷移する。そして、比較した結果、顧客Aは、商品Xに納得して買い物カゴに入れると、購買心理工程が“Action”に遷移する。あくまでも、
図13の購買心理工程は一例だが、このように、顧客は、
図13に示したような購買心理工程に伴う行動をし、店舗を出るまでに何らかの行動に到達する。この到達する行動の種別を第1の行動種別として、動作認識部24は、顧客がどの行動まで到達したか、そして到達した行動に対応する購買行動工程を特定する。
【0057】
図14は、実施例1にかかる到達した行動種別の特定について説明する図である。動作認識部24は、追跡人物の各行動を検知して、到達した行動種別と、購買心理工程を特定する。
【0058】
図14の例は、人物Aについて、あるフロアに入場する行動と、しばらくそのフロアに滞在する行動と、そのフロアにある商品に手を伸ばす行動とのそれぞれが、動作認識部24によって特定され検知されたことを示している。この場合、人物Aが到達した行動種別は、
図14に示すように、“商品手伸ばし”であり、到達した購買心理工程は、“商品手伸ばし”に対応する“Interest”になる。同様に、人物Bが到達した行動種別は、
図14に示すように、“複数商品に手伸ばし/座る/寝る”であり、到達した購買心理工程は、“Compare”である。なお、
図14に示す購買心理工程に対応する各行動種別はあくまでも一例であり、これらに限定されない。
【0059】
なお、
図14の例では、人物AおよびB共に、退店に対応する行動は検知されていないため、まだフロア内にいることを示している。そのため、例えば、情報処理装置10は、退店に対応する行動が検知されるまで、人物AおよびBの追跡を続け、到達した行動種別と、購買心理工程を特定する。また、
図14の例では、人物AおよびB共に、購買心理工程が左から順番に検知されて示されているが、一部の購買心理工程がスキップされて検知される場合はあり得る。例えば、人物がフロアに入場し、すぐに欲しい商品を見つけ、その商品を試した場合は、購買心理工程“Attention”や“Interest”と、対応する各行動が検知されない場合があり得る。
【0060】
図2の説明に戻り、行動判定部25は、追跡人物が所定のエリア外に移動したか否かを判定する。ここで、例えば、所定のエリアとは各売場エリアであり、所定のエリア外に移動とはレジエリアへの移動である。しかしながら、所定のエリア外は出口エリアや、店外エリアなど別のエリアであってよい。
図15は、実施例1にかかる追跡人物のエリア外への移動判定の例を示す図である。
【0061】
行動判定部25は、
図15に示すように、例えば、売場エリアで特定された人物Aが、売場エリアを離れ、レジエリアに移動したか否かを判定する。より具体的には、レジエリアで特定された人物が、売場エリアで特定された人物Aと同一人物であると判定された場合、行動判定部25は、人物Aがエリア外に移動したと判定する。また、この際、時間制限を設け、例えば、人物Aが売場エリアを離れてから10分以内にレジエリアで特定された人物と同一人物であると判定された場合に、人物Aがエリア外に移動したと判定することもできる。
【0062】
なお、同一人物の判定について、例えば、人物のBBOX画像を入力し、BBOXで示される人物の特徴量ベクトルを出力する機械学習モデルを深層学習により構築し、特徴量の類似度評価から人物同一性が判定されてよい。また、
図15の右側に示すように、画像データから顧客以外の人物である、例えば、店員が抽出される場合もあり得る。そのため、各店員のBBOX画像などの店員情報を予め登録しておき、情報処理装置10は、各エリアで特定された人物が店員と同一人物であると判定した場合、追跡などの処理対象から除外するように制御できる。
【0063】
そして、行動判定部25は、追跡人物がエリア外に移動したと判定した場合、当該追跡人物が商品を購入したか、購入せずに離脱したかを特定する。
図16は、実施例1にかかる追跡人物の購入/離脱判定の例を示す図である。
図16の例は、時系列的に、
図14の例の続きである。
【0064】
図16に示すように、例えば、人物Aがエリア外に移動したと判定した場合、人物Aが到達した行動種別が、購買心理工程“Interest”に対応する“商品手伸ばし”であるため、行動判定部25は、人物Aは商品を購入せずに離脱したことを特定する。一方、例えば、人物Bがエリア外に移動したと判定した場合、人物Aが到達した行動種別が、購買心理工程“Action”に対応する“レジで購入”であるため、行動判定部25は、人物Bが商品を購入したことを特定する。
【0065】
なお、行動判定部25は、単に、売場エリアで特定された人物がレジエリアに移動したと判定した場合に、当該人物は商品を購入したことを特定してもよい。一方、人物がレジエリアに移動したと判定されなかった場合や、人物が売場エリアを離れてから所定時間内にレジエリアに移動したと判定されなかった場合、行動判定部25は、当該人物は商品を購入せずに離脱したことを特定してもよい。
【0066】
以上のように顧客の購買行動を特定し、これを分析することでコンバージョン率などの向上に活用することができる。また、接客内容特定部26は、特定された購買行動に基づいて顧客に対してより適切な接客内容を特定することで、コンバージョン率をより向上させることができる。
【0067】
図17は、実施例1にかかる接客内容の特定の例を示す図である。
図17に示すように、例えば、接客内容特定部26は、人物Aが商品に手を伸ばしている行動を特定した場合、特定された行動に対応し現在位置する購買心理工程“Interest”に適した接客内容“(商品の)試用を促す”を特定する。同様に、例えば、接客内容特定部26は、人物Bが複数の商品に手を伸ばしている行動を特定した場合、購買心理工程“Compare”に適した接客内容“(商品の)色違い提案”を特定する。
【0068】
ここで、特定された行動に対応する購買心理工程に適した接客内容の特定は、例えば、
図6に示した接客内容DB18を用いて行われる。より具体的には、接客内容特定部26は、特定された行動に対応する「購買心理工程」を検索キーとして接客内容DB18を検索し、「接客内容」を取得して特定する。そして、接客内容特定部26は、特定された接客内容を、対象人物付近の店員や、対象人物がいる売場を担当する店員などが利用する情報処理端末に送信する。これにより、店員は、リアルタイムに顧客に対してより適切な接客を実施できる。
【0069】
なお、
図6に示すように、特定された行動に対応する「購買心理工程」に対して取得される「接客内容」は複数ある場合はあり得る。この場合、接客内容特定部26は、取得された複数の「接客内容」を店員などが利用する情報処理端末に送信してよい。また、接客内容は、現在位置する購買心理工程のみならず、人物が購買行動をとった商品、人物の年齢や性別などの属性、現在の時間帯、人物がグループ客であるか否か、入店から現在までに顧客が経てきた購買心理工程、などの情報に基づいて特定されてよい。
【0070】
また、特定された行動に対応する購買心理工程に適した接客内容の特定は、例えば、機械学習モデルを用いて行われてもよい。例えば、店員が実施した接客内容、当該接客内容を実施した顧客に対して特定された行動、および当該顧客の属性情報の少なくとも1つに関する情報を特徴量とし、商品を購入するか否かを正解ラベルとして訓練して生成された機械学習モデルが用いられてよい。すなわち、接客内容特定部26は、当該機械学習モデルに、とり得る接客内容や、顧客に対して特定された行動、顧客の属性情報などを入力することにより出力される、商品を購入するか否かの判定結果に基づいて、接客内容を特定できる。
【0071】
また、情報処理装置10は、顧客の購買行動を分析しコンバージョン率などをより向上させるため、以下に示す幾つかの処理を実行できる。例えば、情報処理装置10は、店員が実施した接客内容と、当該接客内容に対する顧客の反応などの情報とを対応付けて接客履歴として生成して記憶できる。当該接客履歴は、例えば、店員などが利用する情報処理端末を介して入力されるデータや、カメラ装置200によって撮像された映像から特定される店員や顧客、それらの人物の動作や属性に関するデータなどに基づいて生成されてよい。
【0072】
図18は、実施例1にかかる接客履歴の例を示す図である。
図18に示すように、情報処理装置10は、例えば、接客履歴として、「日時、年齢、性別、工程、接客内容、反応、購入」などの各情報を対応付けて記憶する。ここで記憶される「日時」は、例えば、店員が接客を行った日時である。また、「年齢」および「性別」には、例えば、接客を受けた顧客の年齢および性別が記憶される。なお、顧客の年齢および性別などの人物属性情報は、例えば、カメラ装置200によって撮影される映像から抽出された人物の部分画像を特徴量とし、当該人物の属性情報を正解ラベルとして訓練して生成される機械学習モデルを用いて撮像画像から抽出されてよい。また、「工程」には、例えば、接客を受ける直前に顧客が位置していた購買心理工程が記憶される。また、「接客内容」には、例えば、店員が実施した接客内容が記憶される。また、「反応」には、例えば、接客内容に対する顧客の反応が記憶される。また、「購入」には、例えば、接客を受けた顧客が商品を購入したか否かが記憶される。なお、接客履歴に記憶されるデータは
図18のものに限定されず、例えば、顧客に対して特定された行動や、顧客が購買行動をとった商品、接客を実施する時間帯、顧客がグループ客であるか否か、入店から現在までに顧客が経てきた購買心理工程などを含んでよい。
【0073】
また、接客履歴を用いて訓練することにより、例えば、商品を購入するか否かを出力する機械学習モデルが生成可能である。
図19は、実施例1にかかる接客内容提示モデルの訓練の例を示す図である。
図19の棒グラフは、各購買心理工程において顧客が商品を購入したか、購入せずに離脱したかを示す。また、離脱1~4は、各購買心理工程のどこで顧客が離脱したかを示す。
図19に示すように、例えば、店員が実施した接客内容、顧客の年齢などの属性情報、および顧客に対して特定された行動の少なくとも1つを特徴量、接客内容に対して商品を購入したか否かを正解ラベルとして訓練することにより機械学習モデルが生成可能である。情報処理装置10は、このような機械学習モデルを用いて、商品の購入に至るような接客内容を特定し、店員が利用する情報処理端末などに送信し、提示できる。
【0074】
また、情報処理装置10は、カメラ装置200によって撮像された映像から特定された顧客の間の距離に基づいて、複数の顧客の間のグループを特定し、特定されたグループに属する複数の顧客の行動をマージし、グループ客の一連の行動として特定できる。
【0075】
図20は、実施例1にかかるグループ識別の例を示す図である。情報処理装置10は、売場エリアで特定された複数の人物の距離に基づいて、人物の間のグループを特定できる。より具体的には、例えば、
図20に示すように、画像データから抽出された複数の人物のBBOXの距離の時間変化を算出し、所定時間、所定距離内にいる複数の人物を同一のグループに属する人物であると特定できる。そして、情報処理装置10は、ある人物がグループに属する場合、その人物の行動と、同一グループに属する他の人物の行動とをマージしてグループ客の一連の行動として特定できる。なお、複数の人物のグループ特定は、複数人物の距離のみならず、例えば、複数の人物が所定時間、向き合っている、同一方向に歩いている、商品を手渡した、など複数の人物の行動に基づいて特定されてもよい。
【0076】
図21は、実施例1にかかるグループ行動のマージの例を示す図である。
図21は、同一のグループに属する人物AおよびBの各々が到達した行動種別や到達行動に対応する購買心理工程を示したものである。例えば、
図21の例に示す人物AおよびBの行動を個々に判断すると、人物Aは、商品に手を伸ばし、購買心理工程が“Interest”に遷移したと判断される。一方、人物Bは、複数の商品を比較するなどし、購買心理工程が“Compare”に遷移したと判断される。人物AおよびBの各々が単独の顧客である場合は、それぞれの到達行動や購買心理工程に基づいて接客内容が特定されてよいが、グループ客の場合は、例えば、最も進んだ購買心理工程に基づいてグループ客に対する接客内容として、接客内容が特定されてもよい。例えば、
図21に示すように、人物AとBとでは人物Bの方が購買心理工程が進んでいるため、人物Aに対する接客内容を特定する場合も、人物Bの到達行動や購買心理工程に基づいて、接客内容が特定されてよい。
【0077】
[処理の流れ]
次に、情報処理装置10によって実行される接客内容特定処理の流れを説明する。
図22は、実施例1にかかる接客内容特定処理の流れを示すフローチャートである。
図22に示す接客内容特定処理は、店内の映像に写った人物に対して特定された行動に基づいて、当該顧客に対する店員の接客内容を特定する処理である。
図22に示す接客内容特定処理は、例えば、一定時間ごと、またはカメラ装置200から撮像画像が受信される度に実行されてよい。
【0078】
まず、
図22に示すように、情報処理装置10は、カメラ装置200によって小売店の店内など所定の撮像範囲が撮像された撮像画像を撮像DB13から取得する(ステップS101)。なお、
図22に示す接客内容特定処理では、カメラ装置200によって撮像された撮像画像、厳密には監視映像をほぼリアルタイムに処理するため、撮像画像はカメラ装置200から随時送信され、撮像DB13に記憶される。
【0079】
次に、情報処理装置10は、既存の物体検知技術を用いて、ステップS101で取得した撮像画像から人物を抽出する(ステップS102)。なお、人物の抽出は、撮像画像、すなわち、カメラ装置200によって撮影された映像の1フレームから複数の人物が抽出されることは当然あり得る。そのため、ステップS103以降の処理は、抽出された人物ごとに実行される。
【0080】
次に、情報処理装置10は、ステップS102で抽出した人物を追跡する(ステップS103)。人物の追跡は、カメラ装置200によって撮影された映像の複数のフレームから抽出された人物に対して既存技術を用いて同一人物を特定し、人物ごとに追跡する。そのため、処理の流れとしては、厳密には、ステップS101~S103が繰り返されることにより、人物の追跡が行われることになる。また、ステップS102によって抽出される人物は、店員など追跡対象外とする人物も含まれるため、各店員のBBOX画像などの店員情報を予め情報処理装置10に登録しておくことで、店員と同一人物であると特定された人物の追跡は行わないように制御できる。
【0081】
次に、情報処理装置10は、追跡人物の行動を特定する(ステップS104)。より具体的には、例えば、情報処理装置10は、既存技術を用いて、連続して撮像された撮像画像から人物の骨格情報を取得し、人物の姿勢を判定することにより、人物の動作を含む行動を特定する。また、情報処理装置10は、カメラ装置200の撮像領域内の各商品や売場エリアに予め指定されたROIを用いて、撮像画像内の商品や売場エリアを特定し、人物の動作と組み合わせて判断することで、商品や売場エリアに対するより細かい人物の行動を特定する。
【0082】
次に、情報処理装置10は、追跡人物の行動によって到達した行動種別を特定する(ステップS105)。ここで特定される行動種別は、
図14や
図16を用いて説明したような購買心理工程に対応付けられた行動の種別である。
【0083】
次に、情報処理装置10は、ステップS105で特定した到達行動種別に基づいて、追跡人物に対する接客内容を特定する(ステップS106)。ステップS106の実行後、
図22に示す接客内容特定処理は終了するが、情報処理装置10は、ステップS106で特定した接客内容を、追跡人物付近の店員や、追跡人物がいる売場を担当する店員などが利用する情報処理端末に送信できる。
【0084】
[効果]
上述したように、情報処理装置10は、店内を撮影した映像から人物と商品とを抽出し、抽出した人物を追跡し、追跡した人物の店内での商品に対する行動を特定し、店内に入ってから店内で商品を購入するに至るまでの行動の工程の遷移を規定した複数の行動種別のうち、追跡した人物の商品に対する第1の行動が到達した第1の行動種別を特定し、第1の行動種別に基づいて、追跡した人物に対する接客内容を特定する。
【0085】
このようにして、情報処理装置10は、店内で撮影された人物が到達した行動種別に基づいて当該人物に対する店員の接客内容を特定する。これにより、情報処理装置10は、人物の購買行動により適した接客内容を特定できる。
【0086】
また、情報処理装置10は、複数の行動種別のそれぞれに対応付けられて記憶された接客内容に基づいて、第1の行動種別に対応する第1の接客内容を特定し、第1の接客内容を店員が利用する情報処理端末に送信する。
【0087】
これにより、店員は、人物の購買行動により適した接客を実施できる。
【0088】
また、情報処理装置10は、追跡した人物が複数の行動種別のうちの第1の行動工程に位置する場合、追跡した人物が第1の行動工程の遷移先の第2の行動工程に対応する行動をするか否かを判定し、第2の行動工程に対応する行動をしたと判定された場合、追跡した人物が第2の行動工程に遷移したと判定する。
【0089】
これにより、情報処理装置10は、人物の購買行動に対応した購買心理工程をより正確に判定できる。
【0090】
また、情報処理装置10は、店員が実施した第2の接客内容と、第2の接客内容に対する顧客の反応、商品を購入したか否か、および属性の少なくとも1つに関する情報とを対応付けて記憶する。
【0091】
これにより、記憶された情報が、コンバージョン率の向上させるための店員の接客内容の分析などに活用可能である。
【0092】
また、情報処理装置10は、店員が実施した第2の接客内容、第2の接客内容を実施した顧客に対して特定された行動、および顧客の属性情報の少なくとも1つを特徴量とし、第2の接客内容に対して商品を購入したか否かを正解ラベルとして訓練して生成される、商品を購入するか否かを特定するための機械学習モデルを用いて、接客内容を特定する。
【0093】
これにより、情報処理装置10は、人物の購買行動により適した接客内容を特定できる。
【0094】
また、情報処理装置10は、複数の抽出した人物の間の距離に基づいて、複数の抽出した人物の間のグループを特定し、追跡した人物が第1のグループに属する場合、第1の行動種別と、第1のグループに属する他の人物の商品に対する行動が到達した第2の行動種別とに基づいて、追跡した人物に対する接客内容を特定する。
【0095】
これにより、情報処理装置10は、グループ客に対しても人物の購買行動により適した接客内容を特定できる。
【0096】
[システム]
上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報は、特記する場合を除いて任意に変更されてもよい。また、実施例で説明した具体例、分布、数値などは、あくまで一例であり、任意に変更されてもよい。
【0097】
また、各装置の構成要素の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られない。つまり、その構成要素の全部または一部は、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合されてもよい。さらに、各装置の各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0098】
[ハードウェア]
図23は、ハードウェア構成例を説明する図である。
図23に示すように、情報処理装置10は、通信装置10a、HDD(Hard Disk Drive)10b、メモリ10c、プロセッサ10dを有する。また、
図23に示した各部は、バスなどで相互に接続される。
【0099】
通信装置10aは、ネットワークインタフェースカードなどであり、他のサーバとの通信を行う。HDD10bは、
図2に示した機能を動作させるプログラムやDBを記憶する。
【0100】
プロセッサ10dは、
図2に示した各処理部と同様の処理を実行するプログラムをHDD10bなどから読み出してメモリ10cに展開することで、
図2などで説明した各機能を実行するプロセスを動作させるハードウェア回路である。すなわち、このプロセスは、情報処理装置10が有する各処理部と同様の機能を実行する。具体的には、プロセッサ10dは、撮像部21、追跡部22、骨格検知部23、動作認識部24、行動判定部25、および接客内容特定部26などと同様の機能を有するプログラムをHDD10bなどから読み出す。そして、プロセッサ10dは、撮像部21などと同様の処理を実行するプロセスを実行する。
【0101】
このように情報処理装置10は、
図2に示した各処理部と同様の処理を実行するプログラムを読み出して実行することで動作制御処理を実行する情報処理装置として動作する。また、情報処理装置10は、媒体読取装置によって記録媒体からプログラムを読み出し、読み出されたプログラムを実行することで上述した実施例と同様の機能を実現することもできる。なお、この他の実施例でいうプログラムは、情報処理装置10によって実行されることに限定されるものではない。例えば、他のコンピュータまたはサーバがプログラムを実行する場合や、これらが協働してプログラムを実行するような場合にも、本実施形態が同様に適用されてよい。
【0102】
また、
図2に示した各処理部と同様の処理を実行するプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布できる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行できる。
【0103】
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0104】
(付記1)店内を撮影した映像から人物と商品とを抽出し、
前記抽出した人物を追跡し、
前記追跡した人物の店内での前記商品に対する行動を特定し、
前記店内に入ってから前記店内で前記商品を購入するに至るまでの前記行動の工程の遷移を規定した複数の行動種別のうち、前記追跡した人物の前記商品に対する第1の行動が到達した第1の行動種別を特定し、
前記第1の行動種別に基づいて、前記追跡した人物に対する接客内容を特定する
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【0105】
(付記2)前記複数の行動種別のそれぞれに対応付けられて記憶された前記接客内容に基づいて、前記第1の行動種別に対応する第1の接客内容を特定し、
前記第1の接客内容を店員が利用する情報処理端末に送信する
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記1に記載の情報処理プログラム。
【0106】
(付記3)前記追跡した人物が前記複数の行動種別のうちの第1の行動工程に位置する場合、前記追跡した人物が前記第1の行動工程の遷移先の第2の行動工程に対応する行動をするか否かを判定し、
前記第2の行動工程に対応する行動をしたと判定された場合、前記追跡した人物が前記第2の行動工程に遷移したと判定する
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記1に記載の情報処理プログラム。
【0107】
(付記4)店員が実施した第2の接客内容と、前記第2の接客内容に対する顧客の反応、前記商品を購入したか否か、および属性の少なくとも1つに関する情報とを対応付けて記憶する
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記1に記載の情報処理プログラム。
【0108】
(付記5)店員が実施した第2の接客内容、前記第2の接客内容を実施した顧客に対して特定された前記行動、および前記顧客の属性情報の少なくとも1つを特徴量とし、前記第2の接客内容に対して前記商品を購入したか否かを正解ラベルとして訓練して生成される、前記商品を購入するか否かを特定するための機械学習モデルを用いて、前記接客内容を特定する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記1に記載の情報処理プログラム。
【0109】
(付記6)複数の前記抽出した人物の間の距離に基づいて、複数の前記抽出した人物の間のグループを特定し、
前記追跡した人物が第1のグループに属する場合、前記第1の行動種別と、前記第1のグループに属する他の人物の前記商品に対する行動が到達した第2の行動種別とに基づいて、前記追跡した人物に対する前記接客内容を特定する
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記1に記載の情報処理プログラム。
【0110】
(付記7)店内を撮影した映像から人物と商品とを抽出し、
前記抽出した人物を追跡し、
前記追跡した人物の店内での前記商品に対する行動を特定し、
前記店内に入ってから前記店内で前記商品を購入するに至るまでの前記行動の工程の遷移を規定した複数の行動種別のうち、前記追跡した人物の前記商品に対する第1の行動が到達した第1の行動種別を特定し、
前記第1の行動種別に基づいて、前記追跡した人物に対する接客内容を特定する
処理をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
【0111】
(付記8)前記複数の行動種別のそれぞれに対応付けられて記憶された前記接客内容に基づいて、前記第1の行動種別に対応する第1の接客内容を特定し、
前記第1の接客内容を店員が利用する情報処理端末に送信する
処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする付記7に記載の情報処理方法。
【0112】
(付記9)前記追跡した人物が前記複数の行動種別のうちの第1の行動工程に位置する場合、前記追跡した人物が前記第1の行動工程の遷移先の第2の行動工程に対応する行動をするか否かを判定し、
前記第2の行動工程に対応する行動をしたと判定された場合、前記追跡した人物が前記第2の行動工程に遷移したと判定する
処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする付記7に記載の情報処理方法。
【0113】
(付記10)店員が実施した第2の接客内容と、前記第2の接客内容に対する顧客の反応、前記商品を購入したか否か、および属性の少なくとも1つに関する情報とを対応付けて記憶する
処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする付記7に記載の情報処理方法。
【0114】
(付記11)店員が実施した第2の接客内容、前記第2の接客内容を実施した顧客に対して特定された前記行動、および前記顧客の属性情報の少なくとも1つを特徴量とし、前記第2の接客内容に対して前記商品を購入したか否かを正解ラベルとして訓練して生成される、前記商品を購入するか否かを特定するための機械学習モデルを用いて、前記接客内容を特定する処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする付記7に記載の情報処理方法。
【0115】
(付記12)複数の前記抽出した人物の間の距離に基づいて、複数の前記抽出した人物の間のグループを特定し、
前記追跡した人物が第1のグループに属する場合、前記第1の行動種別と、前記第1のグループに属する他の人物の前記商品に対する行動が到達した第2の行動種別とに基づいて、前記追跡した人物に対する前記接客内容を特定する
処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする付記7に記載の情報処理方法。
【0116】
(付記13)店内を撮影した映像から人物と商品とを抽出し、
前記抽出した人物を追跡し、
前記追跡した人物の店内での前記商品に対する行動を特定し、
前記店内に入ってから前記店内で前記商品を購入するに至るまでの前記行動の工程の遷移を規定した複数の行動種別のうち、前記追跡した人物の前記商品に対する第1の行動が到達した第1の行動種別を特定し、
前記第1の行動種別に基づいて、前記追跡した人物に対する接客内容を特定する
処理を実行する制御部を有することを特徴とする情報処理装置。
【0117】
(付記14)前記複数の行動種別のそれぞれに対応付けられて記憶された前記接客内容に基づいて、前記第1の行動種別に対応する第1の接客内容を特定し、
前記第1の接客内容を店員が利用する情報処理端末に送信する
処理を前記制御部が実行することを特徴とする付記13に記載の情報処理装置。
【0118】
(付記15)前記追跡した人物が前記複数の行動種別のうちの第1の行動工程に位置する場合、前記追跡した人物が前記第1の行動工程の遷移先の第2の行動工程に対応する行動をするか否かを判定し、
前記第2の行動工程に対応する行動をしたと判定された場合、前記追跡した人物が前記第2の行動工程に遷移したと判定する
処理を前記制御部が実行することを特徴とする付記13に記載の情報処理装置。
【0119】
(付記16)店員が実施した第2の接客内容と、前記第2の接客内容に対する顧客の反応、前記商品を購入したか否か、および属性の少なくとも1つに関する情報とを対応付けて記憶する
処理を前記制御部が実行することを特徴とする付記13に記載の情報処理装置。
【0120】
(付記17)店員が実施した第2の接客内容、前記第2の接客内容を実施した顧客に対して特定された前記行動、および前記顧客の属性情報の少なくとも1つを特徴量とし、前記第2の接客内容に対して前記商品を購入したか否かを正解ラベルとして訓練して生成される、前記商品を購入するか否かを特定するための機械学習モデルを用いて、前記接客内容を特定する処理を前記制御部が実行することを特徴とする付記13に記載の情報処理装置。
【0121】
(付記18)複数の前記抽出した人物の間の距離に基づいて、複数の前記抽出した人物の間のグループを特定し、
前記追跡した人物が第1のグループに属する場合、前記第1の行動種別と、前記第1のグループに属する他の人物の前記商品に対する行動が到達した第2の行動種別とに基づいて、前記追跡した人物に対する前記接客内容を特定する
処理を前記制御部が実行することを特徴とする付記13に記載の情報処理装置。
【0122】
(付記19)プロセッサと、
プロセッサに動作可能に接続されたメモリと
を備えた情報処理装置であって、プロセッサは、
店内を撮影した映像から人物と商品とを抽出し、
前記抽出した人物を追跡し、
前記追跡した人物の店内での前記商品に対する行動を特定し、
前記店内に入ってから前記店内で前記商品を購入するに至るまでの前記行動の工程の遷移を規定した複数の行動種別のうち、前記追跡した人物の前記商品に対する第1の行動が到達した第1の行動種別を特定し、
前記第1の行動種別に基づいて、前記追跡した人物に対する接客内容を特定する
処理を実行することを特徴とする情報処理装置。
【符号の説明】
【0123】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
10a 通信装置
10b HDD
10c メモリ
10d プロセッサ
11 通信部
12 記憶部
13 撮像DB
14 カメラ設置DB
15 商品DB
16 人物DB
17 モデルDB
18 接客内容DB
20 制御部
21 撮像部
22 追跡部
23 骨格検知部
24 動作認識部
25 行動判定部
26 接客内容特定部
50 ネットワーク
200 カメラ装置
【要約】 (修正有)
【課題】購買行動を分析することにより、コンバージョン率を向上させる情報処理プログラム、情報処理方法及び情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置と、複数のカメラ装置とが、ネットワークを介して相互に通信可能に接続されるシステムにおいて、情報処理装置の情報処理プログラムは、店内を撮影した映像から人物と商品とを抽出し、抽出した人物を追跡し、追跡した人物の店内での商品に対する行動を特定し、店内に入ってから店内で商品を購入するに至るまでの行動の工程の遷移を規定した複数の行動種別のうち、追跡した人物の商品に対する第1の行動が到達した第1の行動種別を特定し、第1の行動種別に基づいて、追跡した人物に対する接客内容を特定する。
【選択図】
図22