(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-18
(54)【発明の名称】橋脚頂部短スライド桁(Pier-Top Short Slideway Girder)上にセグメント鋼桁を架設する方法
(51)【国際特許分類】
E01D 21/00 20060101AFI20230511BHJP
【FI】
E01D21/00 B
(21)【出願番号】P 2022514756
(86)(22)【出願日】2020-06-29
(86)【国際出願番号】 CN2020098665
(87)【国際公開番号】W WO2021057145
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-05-02
(31)【優先権主張番号】201910934860.5
(32)【優先日】2019-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522085323
【氏名又は名称】チャイナ レイルウェイ メジャー ブリッジ エンジニアリング グループ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン、タオ
(72)【発明者】
【氏名】ルオ、ビン
(72)【発明者】
【氏名】キュイ、イビン
(72)【発明者】
【氏名】ジャ、ダオホン
(72)【発明者】
【氏名】リ、ジュンタン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ユリアン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ウェンビン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ハオ
(72)【発明者】
【氏名】ジアン、ジャンホア
(72)【発明者】
【氏名】ジア、ウェイジュン
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ、セン
(72)【発明者】
【氏名】フ、ヨン
(72)【発明者】
【氏名】シュ、ハイファ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ゲン
【審査官】小倉 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-189206(JP,A)
【文献】特開昭55-036553(JP,A)
【文献】特開昭51-015539(JP,A)
【文献】特開2005-171638(JP,A)
【文献】特開2003-138522(JP,A)
【文献】特開2021-031884(JP,A)
【文献】特開平10-292317(JP,A)
【文献】特開2014-118724(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2120757(KR,B1)
【文献】中国実用新案第210288140(CN,U)
【文献】中国実用新案第206783181(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第110644378(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105088959(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109778700(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0049201(KR,A)
【文献】特開2016-108771(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110258293(CN,A)
【文献】特開昭55-009937(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01D 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
橋脚頂部短スライド桁上にセグメント鋼桁を架設する方法であって、以下の段階、すなわち、
S1、第1セグメント鋼桁上に、調整可能重量を有するカウンターウェイトを提供する段階と、
S2、前記第1セグメント鋼桁を、橋脚頂部短スライド桁上の事前設定された第1の位置に下降させる段階であって、前記橋脚頂部短スライド桁の長さは、前記第1セグメント鋼桁の長さとその両側の2つのセグメント鋼桁の長さとの和よりも短い、段階と、
S3、第2セグメント鋼桁を持ち上げ、前記第2セグメント鋼桁を、前記第1セグメント鋼桁と突き合わせて、架設された第1の一体化された鋼桁を形成する段階と、
S4、事前設定された変位量にわたって前記第1の一体化された鋼桁が前記橋脚頂部短スライド桁に沿って移動するとき、前記カウンターウェイトの目標負荷を事前計算し、前記第1の一体化された鋼桁が前記目標負荷に調整されるように前記カウンターウェイトを調整し、次に、前記第1の一体化された鋼桁を、前記事前設定された変位に移動させる段階と、
S5、前記S3及びS4を繰り返し、前記第1の一体化された鋼桁と突き合わされた全ての前記セグメント鋼桁が前記橋脚頂部短スライド桁上で全体的な転倒防止能力を有するようになるまで、複数のセグメント鋼桁を前記第1の一体化された鋼桁と連続的に突き合わせる段階と、
S6、残りのセグメント鋼桁を全ての前記架設されたセグメント鋼桁のそれぞれの両側に架設する段階と
を備える、橋脚頂部短スライド桁上にセグメント鋼桁を架設する方法。
【請求項2】
前記第2セグメント鋼桁、前記第1セグメント鋼桁及び第3セグメント鋼桁が、前記橋脚頂部短スライド桁上に連続的に配置されるとき、前記橋脚頂部短スライド桁の長さは、前記第2セグメント鋼桁と前記第3セグメント鋼桁との間の重心距離よりも短い、請求項1に記載の橋脚頂部短スライド桁上にセグメント鋼桁を架設する方法。
【請求項3】
前記S2は、具体的には、以下の段階、すなわち、
前記第1セグメント鋼桁を、事前設定された高さまで持ち上げ、次に、前記カウンターウェイトを、前記第1セグメント鋼桁を水平状態に調整するために使用する段階と、
前記第1セグメント鋼桁を、前記橋脚頂部短スライド桁上の前記第1の位置まで下降させる段階と
を有する、請求項1又は2に記載の橋脚頂部短スライド桁上にセグメント鋼桁を架設する方法。
【請求項4】
前記橋脚頂部短スライド桁は、橋脚の頂部及び前記橋脚の横のブラケットに配置され、前記橋脚頂部短スライド桁は、
縦桁であって、前記橋脚の両側に配置されるとともに、前記縦桁は、前記ブラケットの頂部の上に水平に配置される、縦桁と、
固定スライド座部であって、前記縦桁の外側端部上に配置され、前記セグメント鋼桁を支持するように構成されている、固定スライド座部と、
平滑鋼板であって、短スライド面として機能するように、前記橋脚の頂部の上に固定して配置される、平滑鋼板と、
スライドアセンブリであって、前記縦桁に固定して接続された固定部と、前記セグメント鋼桁を前記平滑鋼板上で移動させるように構成された可動部とを備える、スライドアセンブリと
を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の橋脚頂部短スライド桁上にセグメント鋼桁を架設する方法。
【請求項5】
前記固定部は、
定着桁であって、前記縦桁の内側端部上に配置され、前記定着桁の眺望高さは、前記固定スライド座部の眺望高さよりも低い、定着桁と、
縦牽引装置であって、前記定着桁上に配置される、縦牽引装置と
を備え、前記可動部は、
可動スライド座部であって、前記平滑鋼板上に配置され、牽引線を介して前記縦牽引装置と接続される、可動スライド座部
を備える、請求項4に記載の橋脚頂部短スライド桁上にセグメント鋼桁を架設する方法。
【請求項6】
前記S2の前に、以下の段階、すなわち、
前記縦桁上の事前設定された位置に一時パッドを配置し、前記可動スライド座部を、前記事前設定された位置に移動させる段階
を更に備える、請求項5に記載の橋脚頂部短スライド桁上にセグメント鋼桁を架設する方法。
【請求項7】
前記縦牽引装置はジャックであり、前記牽引線(37)は鋼製の撚り線である、請求項5又は6に記載の橋脚頂部短スライド桁上にセグメント鋼桁を架設する方法。
【請求項8】
前記可動スライド座部は、前記第1セグメント鋼桁とスポット溶接される、請求項5から7のいずれか一項に記載の橋脚頂部短スライド桁上にセグメント鋼桁を架設する方法。
【請求項9】
前記カウンターウェイトは、前記第1セグメント鋼桁上に自由に配置された複数の貯水コンテナであり、前記貯水コンテナの重量は、貯水容量に従って調整され、全ての前記貯水コンテナの重心は、前記第1セグメント鋼桁の重心と同一平面上にある、請求項1から8のいずれか一項に記載の橋脚頂部短スライド桁上にセグメント鋼桁を架設する方法。
【請求項10】
前記貯水コンテナの底部に放水弁が設けられ、貯水容量に従って前記貯水コンテナの重量を調整する具体的な方法は、以下のとおり、すなわち、
貯水容量を増加させるために前記貯水コンテナに水を圧送するのに送水ポンプを使用すること、及び貯水容量を減少させるために水を放出するのに前記放水弁を使用すること
である、請求項9に記載の橋脚頂部短スライド桁上にセグメント鋼桁を架設する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋梁架設建設の技術分野に関し、特に、橋脚頂部短スライド桁(pier-top short slideway girder)上にセグメント鋼桁を架設する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水上又は陸上の橋脚の頂部への複数のセグメント鋼桁の架設及び建設の場合、橋脚の横のブラケット及び橋脚の頂部の上の圧力支持桁の構造は、鋼桁架設の総長に適応させる必要があり、ブラケット及び橋脚の頂部の上の圧力支持桁の構造の上の鋼桁は、桁を下降させた後で安定性を維持するために鋼桁自体に依存する。しかしながら、基礎の範囲は限られている。例えば、静的桁架設の建設方法が、基礎上のブラケットの設計範囲の限界に起因して、水中支承プラットフォームのために採用される場合、ブラケット柱の傾斜が多くの場合に増加するか、又は橋脚の頂部の上に長スライド桁を設計するために海底柱が加えられ、その場合、鋼桁がその長スライド桁上に架設される。ブラケットの傾斜が多くの場合に増加されるか又は海底柱が追加されると、一方では消耗品が多くなり経済的ではなく、他方では建設の安全性が低下する。
【0003】
したがって、経済的で、安全かつ高信頼度の桁架設方法を提供することが、本出願の焦点である。
【発明の概要】
【0004】
従来技術において存在する欠点に鑑みて、本発明の目的は、橋脚頂部短スライド桁上にセグメント鋼桁を架設する方法を提供することであり、橋脚頂部短スライド桁上の鋼桁がカウンターウェイト及びスライドによって全体的な転倒防止安定状態が達成された後、鋼桁は、全体的な転倒防止能力を有して一体化された鋼桁の両側に連続的に架設され、建設プロセスは、安全かつ高信頼度であり、建設設備は、長スライド桁よりも経済的である。
【0005】
上記の目的を達成するために、第1の態様では、本発明の実施形態は、橋脚頂部短スライド桁上にセグメント鋼桁を架設する方法であって、以下の段階、すなわち、
S1、第1セグメント鋼桁上に、調整可能重量を有するカウンターウェイトを提供する段階と、
S2、前記第1セグメント鋼桁を、橋脚頂部短スライド桁上の事前設定された第1の位置に下降させる段階であって、前記橋脚頂部短スライド桁の長さは、前記第1セグメント鋼桁の長さとその両側の2つのセグメント鋼桁の長さとの和よりも短い、段階と、
S3、第2セグメント鋼桁を持ち上げ、前記第2セグメント鋼桁を、前記第1セグメント鋼桁と突き合わせて、架設された第1の一体化された鋼桁を形成する段階と、
S4、事前設定された変位量にわたって前記第1の一体的鋼桁が前記橋脚頂部短スライド桁に沿って移動するとき、前記カウンターウェイトの目標負荷を事前計算し、前記第1の一体化された鋼桁が前記目標負荷に調整されるように前記カウンターウェイトを調整し、次に、前記第1の一体化された鋼桁を、前記事前設定された変位に移動させる段階と、
S5、前記S3及びS4を繰り返し、前記第1の一体化された鋼桁と突き合わされた全ての前記セグメント鋼桁が前記橋脚頂部短スライド桁上で全体的な転倒防止能力を有するようになるまで、複数のセグメント鋼桁を前記第1の一体化された鋼桁と連続的に突き合わせる段階と、
S6、残りのセグメント鋼桁を全ての前記架設されたセグメント鋼桁のそれぞれの両側に架設する段階と
を備える、橋脚頂部短スライド桁上にセグメント鋼桁を架設する方法を提供する。
【0006】
上記の技術的解決策に基づいて、前記第2セグメント鋼桁、前記第1セグメント鋼桁及び第3セグメント鋼桁が前記橋脚頂部短スライド桁上に連続的に配置されるとき、前記橋脚頂部短スライド桁の長さは、前記第2セグメント鋼桁と前記第3セグメント鋼桁との間の重心距離よりも短い。
【0007】
上記の技術的解決策に基づいて、前記S2は、具体的には、以下の段階、すなわち、
前記第1セグメント鋼桁を、事前設定された高さまで持ち上げ、次に、前記カウンターウェイトを、前記第1セグメント鋼桁を水平状態に調整するために使用する段階と、
前記第1セグメント鋼桁を、前記橋脚頂部短スライド桁上の前記第1の位置まで下降させる段階と
を有する。
【0008】
上記の技術的解決策に基づいて、前記橋脚頂部短スライド桁は、橋脚の頂部及び前記橋脚の横のブラケットに配置され、前記橋脚頂部短スライド桁は、
縦桁であって、前記橋脚の両側に配置されるとともに、前記縦桁は、前記ブラケットの頂部の上に水平に配置される、縦桁と、
固定スライド座部であって、前記縦桁の外側端部上に配置され、前記セグメント鋼桁を支持するように構成されている、固定スライド座部と、
平滑鋼板であって、短スライド面として機能するように、前記橋脚の頂部の上に固定して配置される、平滑鋼板と、
スライドアセンブリであって、前記縦桁に固定して接続された固定部と、前記セグメント鋼桁を前記平滑鋼板上で移動させるように構成された可動部とを備える、スライドアセンブリと
を備える。
【0009】
上記の技術的解決策に基づいて、前記固定部は、
定着桁であって、前記縦桁の内側端部上に配置され、前記定着桁の眺望高さ(commanding height)は、前記固定スライド座部の眺望高さよりも低い、定着桁と、
縦牽引装置であって、前記定着桁上に配置される、縦牽引装置と
を備え、前記可動部は、
可動スライド座部であって、前記平滑鋼板上に配置され、牽引線を介して前記縦牽引装置と接続される、可動スライド座部
を備える。
【0010】
上記の技術的解決策に基づいて、前記方法は、前記S2の前に、以下の段階、すなわち、
前記縦桁上の事前設定された位置に一時パッドを配置し、前記可動スライド座部を、前記事前設定された位置に移動させる段階
を更に備える。
【0011】
上記の技術的解決策に基づいて、前記縦牽引装置はジャックであり、前記牽引線は鋼製の撚り線である。
【0012】
上記の技術的解決策に基づいて、前記可動スライド座部は、前記第1セグメント鋼桁とスポット溶接される。
【0013】
上記の技術的解決策に基づいて、前記カウンターウェイトは、前記第1セグメント鋼桁上に自由に配置された複数の貯水コンテナであり、前記貯水コンテナの重量は、貯水容量に従って調整され、全ての前記貯水コンテナの重心は、前記第1セグメント鋼桁の重心と同一平面上にある。
【0014】
上記の技術的解決策に基づいて、前記貯水コンテナの底部に放水弁が設けられ、貯水容量に従って前記貯水コンテナの重量を調整する具体的な方法は、以下のとおり、すなわち、
貯水容量を増加させるために前記貯水コンテナに水を圧送するのに送水ポンプを使用すること、及び貯水容量を減少させるために水を放出するのに前記放水弁を使用すること
である。
【0015】
従来技術と比較して、本発明は、以下の利点を有する。
(1)本発明は、橋脚頂部短スライド桁上にセグメント鋼桁を架設する方法を提供し、橋脚頂部短スライド桁上の鋼桁がカウンターウェイト及びスライドによって全体的な転倒防止能力に達した後、桁が架設され、鋼桁のセグメント架設のプロセスにおいて、橋脚の横のブラケット及び短スライド桁の利用率が著しく向上し、建設プロセスは、安全かつ高信頼度であり、建設設備は長スライド桁よりも経済的である。
(2)橋脚頂部短スライド桁の長さが複数のセグメント鋼桁の総長よりも著しく短い場合、特に橋脚頂部短スライド桁の長さが第1セグメント鋼桁の両側の2つのセグメント鋼桁の重心距離よりも短い場合、本発明において採用されるカウンターウェイト及びスライドの方法により、架設された鋼桁が全体的な転倒防止能力を達成し、そのため、桁架設のプロセスにおける安全性及び信頼性が保証され、反対に、初期段階において静的に架設される鋼桁の転倒防止能力は、従来的なセグメント桁架設方法が採用される場合、設計要件を満たすことができない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態における、橋脚頂部短スライド桁上への第1セグメント鋼桁の架設の概略図である。
【
図2】本発明の実施形態における、橋脚頂部短スライド桁の構造図である。
【
図3】本発明の実施形態における、橋脚頂部短スライド桁上への第2セグメント鋼桁の架設の概略図である。
【
図4】本発明の実施形態における橋脚頂部短スライド桁上への第3セグメント鋼桁の架設の概略図である。
【
図5】本発明の実施形態における、橋脚頂部短スライド桁上に架設された最初の3つのセグメント鋼桁の構造図である。
【
図6】本発明の実施形態における、橋脚頂部短スライド桁上への残りの鋼桁の静的架設の概略図である。
【0017】
図面において:1-カウンターウェイト;21-第1セグメント鋼桁;22-第2セグメント鋼桁;23-第3セグメント鋼桁;3-橋脚頂部短スライド桁;31-縦桁;32-固定スライド座部;33-平滑鋼板;34-定着桁;35-縦牽引装置;36-可動スライド座部;37-牽引線;38-一時パッド;41-橋脚;42-ブラケットである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、実施形態と組み合わされた図面を参照して、以下で更に詳細に説明される。
【0019】
実施形態
図1及び
図3~
図6に示されるように、本発明の実施形態は、橋脚頂部短スライド桁上にセグメント鋼桁を架設する方法を提供する。方法は、以下の段階を備える。
【0020】
S1、重量を調整するように構成されたカウンターウェイト1が、第1セグメント鋼桁21上に配置される。
【0021】
S2、第1セグメント鋼桁21は、橋脚頂部短スライド桁3上の事前設定された第1の位置に下降され、橋脚頂部短スライド桁3の長さは、第1セグメント鋼桁21の長さとその両側の2つのセグメント鋼桁の長さとの和よりも短い。
【0022】
S3、第2セグメント鋼桁22が持ち上げられ、第2セグメント鋼桁22は、第1セグメント鋼桁21と突き合わされて、架設された第1の一体化された鋼桁が形成される。
【0023】
S4、事前設定された変位量にわたって第1の一体的鋼桁が橋脚頂部短スライド桁3に沿って移動する場合、カウンターウェイト1の目標負荷が事前計算される。カウンターウェイト1は、第1の一体化された鋼桁が目標負荷に調整されるように調整され、次に、第1の一体化された鋼桁は、事前設定された変位に移動される。
【0024】
S4は、具体的には、以下の段階を有する。
【0025】
橋脚頂部短スライド桁3に沿って移動する第1の一体的鋼桁の変位S1は事前計算され、目標変位D1及びカウンターウェイト1の目標重量V1は、事前設定された第1の位置、変位S1及び転倒防止計算方法に従った計算によって得られる。
【0026】
カウンターウェイト1は、第1セグメント鋼桁21上の位置D1に移動され、カウンターウェイト1の重量は、V1に調整される。次に、第1の一体的鋼桁及びカウンターウェイト後のカウンターウェイトが、橋脚頂部短スライド桁3に沿って変位S1に移動される。
【0027】
S5、上記S3及びS4が繰り返され、第1の一体化された鋼桁と突き合わされた全てのセグメント鋼桁が橋脚頂部短スライド桁3上で全体的な転倒防止能力を有するようになるまで、複数のセグメント鋼桁が第1の一体化された鋼桁と連続的に突き合わされる。
【0028】
S6、残りのセグメント鋼桁が全ての架設されたセグメント鋼桁のそれぞれの両側に架設され、すなわち、全てのセグメント鋼桁が全体的な転倒防止能力を有して静止状態を保ち、全てのセグメント鋼桁の両側が、連続的に鋼桁と突き合わされている。
【0029】
本発明は、橋脚頂部短スライド桁上にセグメント鋼桁を架設する方法を提供し、橋脚頂部短スライド桁上の鋼桁がカウンターウェイト及びスライドによって全体的な転倒防止能力に達した後、桁は、通常の方法において架設される。セグメント鋼桁のセグメント架設のプロセス中、橋脚頂部短スライド桁3及び橋脚41の横のブラケット42の利用率は著しく向上し、架設されたセグメント鋼桁は、静的桁架設の前に転倒防止能力に達している。したがって、建設プロセスは安全かつ高信頼度であり、建設設備は、長スライド桁と比較してセグメント鋼桁を支持する構造的構成を増大させる必要がなく、ブラケットの斜めの傾斜も小さく、そのため、橋脚頂部短スライド桁の下の橋脚及びブラケットの圧縮能力を十分に発揮する。
【0030】
セグメント鋼桁が橋脚頂部短スライド桁3上に架設されるとき、橋脚頂部短スライド桁3の長さは、第1セグメント鋼桁21の長さとその両側の2つのセグメント鋼桁の長さとの和よりも短く、必然的に、第2セグメント鋼桁22の次のセグメント鋼桁が架設されるとき、第2セグメント鋼桁22は、橋脚頂部短スライド桁3上に部分的に懸架され、第2セグメント鋼桁22の次のセグメント鋼桁は、持ち上げられて突き合わされる。したがって、架設されたセグメント鋼桁の第1の一体的鋼桁の移動及び合理的なカウンターウェイトのためのカウンターウェイト1の調整を通して、次のセグメント鋼桁の持ち上げ及び突き合わせの安定性を高めることができ、それにより、架設されたセグメント鋼桁が全体的な転倒防止能力に達していないときの、橋脚頂部短スライド桁上に架設された桁の安定性が保証される。
【0031】
具体的には、橋脚頂部短スライド桁に沿って移動する第Mの一体的鋼桁の変位SMは事前計算され、目標変位DM及びカウンターウェイト1の目標重量VMは、第(M-1)の一体的鋼桁の変位、変位SM及び転倒防止計算方法に従った計算によって得られる。
【0032】
S5は、具体的は、以下の段階を有する。
【0033】
第3セグメント鋼桁23は、第1セグメント鋼桁21の、第2セグメント鋼桁22とは反対側に持ち上げられ、第3セグメント鋼桁23は、第1セグメント鋼桁21と突き合わされて、架設された第2の一体的鋼桁が形成される。
【0034】
カウンターウェイト1は、第1セグメント鋼桁21上の目標変位D2に移動され、カウンターウェイト1の重量は、V2に調整される。次に、第1の一体的鋼桁及びカウンターウェイト後のカウンターウェイトが、橋脚頂部短スライド桁3に沿って変位S2に移動される。
【0035】
第Nセグメント鋼桁が持ち上げられ、第Nセグメント鋼桁は、第(N-2)セグメント鋼桁と突き合わされて、架設された第(N-1)の一体的鋼桁が形成される。
【0036】
カウンターウェイト1は、第1セグメント鋼桁21上の目標変位DN-1に移動され、カウンターウェイト1の重量は、VN-1に調整される。次に、第Nの一体的鋼桁及びカウンターウェイト後のカウンターウェイトが、橋脚頂部短スライド桁3に沿って変位SN-1に移動される。
【0037】
第(N+1)セグメント鋼桁が持ち上げられ、第(N+1)セグメント鋼桁は、第(N-1)セグメント鋼桁と突き合わされて、架設された第Nの一体的鋼桁が形成され、第Nの一体的鋼桁は、橋脚頂部短スライド桁3上で全体的な転倒防止能力に達する。工学要件及び転倒防止能力の計算に従って、第Nの一体的鋼桁が全体的な転倒防止能力に達し、従来の接合桁架設(butt girder erection)の前提を満たすことが判断される。
【0038】
具体的には、第2セグメント鋼桁22、第1セグメント鋼桁21及び第3セグメント鋼桁23が橋脚頂部短スライド桁3上に連続的に配置されるとき、橋脚頂部短スライド桁3の長さは、第2セグメント鋼桁22と第3セグメント鋼桁23との間の重心距離よりも短い。橋脚頂部短スライド桁の長さが複数のセグメント鋼桁の総長よりも著しく短い場合、特に橋脚頂部短スライド桁の長さが第1セグメント鋼桁の両側の2つのセグメント鋼桁の重心距離よりも短く、かつ橋脚の横のブラケット及びスライド桁システムのレイアウト範囲が限られている場合、本発明の実施形態は、架設された鋼桁が全体的な転倒防止能力を達成するカウンターウェイト及びスライドの方法を採用し、これにより、橋脚頂部短スライド桁3の利用率を著しく向上させることができる。
【0039】
具体的には、S2は、以下の段階を有する。
【0040】
S201、第1セグメント鋼桁21は、事前設定された高さまで持ち上げられ、次に、カウンターウェイト1は、第1セグメント鋼桁21を水平状態に調整するために採用される。
【0041】
S202、第1セグメント鋼桁21は、橋脚頂部短スライド桁3上の第1の位置まで下降される。
【0042】
本発明の実施形態では、カウンターウェイト1は、第1セグメント鋼桁21を水平にするために採用され、その結果、第1セグメント鋼桁21を橋脚頂部短スライド桁3上に迅速に配置することができ、第1セグメント鋼桁21を調整する必要がない。
【0043】
図2に示されるように、具体的には、橋脚頂部短スライド桁3は、橋脚41の頂部及び橋脚41の横のブラケット42の上に配置される。橋脚頂部短スライド桁3は、縦桁31と、固定スライド座部32と、平滑鋼板33と、スライドアセンブリとを備える。縦桁31は、橋脚41の両側に配置されるとともに、縦桁31は、ブラケット42の頂部の上に水平に配置される。固定スライド座部32は、縦桁31の外側端部上に配置され、セグメント鋼桁を支持するように構成されている。平滑鋼板33は、短スライド面として機能するように、橋脚41の頂部の上に固定して配置される。スライドアセンブリは、縦桁31に固定して接続された固定部と、セグメント鋼桁を平滑鋼板33上で移動させるように構成された可動部とを備える。
【0044】
より具体的には、固定部は、定着桁34と、縦牽引装置35とを備える。定着桁34は、縦桁31の内側端部上に配置され、定着桁34の眺望高さは、固定スライド座部32の眺望高さよりも低い。縦牽引装置35は、定着桁34上に配置される。可動部は、可動スライド座部36を備え、可動スライド座部36は、平滑鋼板33上に配置され、牽引線37を介して縦牽引装置35と突き合わされ、可動スライド座部36は、第1セグメント鋼桁21とスポット溶接され、そのため、可動スライド座部36の移動により、第1セグメント鋼桁21が移動することが確実になる。具体的には、縦牽引装置35はジャックであり、牽引線37は鋼製の撚り線である。
【0045】
本発明の実施形態は、橋脚頂部短スライド桁3の特定の構造を提供しており、本発明の実施形態によって提供されている橋脚頂部短スライド桁3は、その上のセグメント鋼桁を有効に移動させることができる。
【0046】
更に、S2の前に、以下の段階が更に含まれる。
【0047】
縦桁31上の事前設定された位置に一時パッド38が配置され、可動スライド座部36は、事前設定された位置に移動する。一時パッド38は、第1セグメント鋼桁21が橋脚頂部短スライド桁3上に配置されると、第1セグメント鋼桁21を支持するように構成されている。
【0048】
更に、カウンターウェイト1は、第1セグメント鋼桁21上に自由に配置された複数の貯水コンテナであり、貯水コンテナの重量は、貯水容量に従って調整され、全ての貯水コンテナの重心は、第1セグメント鋼桁21の重心と同一平面上にある。
【0049】
更に、貯水コンテナの底部に放水弁が配置され、貯水容量に従って貯水コンテナの重量を調整する具体的な方法は、貯水容量を増加させるために貯水コンテナに水を圧送するのに送水ポンプを使用すること、及び貯水容量を減少させるために水を放出するのに放水弁を使用することである。
【0050】
本発明の実施形態では、貯水コンテナを介して目標重量を調整する方法は、動作が単純かつ容易であり、貯水コンテナ内の水の重量は、連続的に調整することができることを見て取ることができる。
【0051】
本発明の実施形態は、橋脚頂部短スライド桁上にセグメント鋼桁を架設する方法を提供し、橋脚頂部短スライド桁上の鋼桁がカウンターウェイト及びスライドによって全体的な転倒防止能力に達した後、桁が架設され、鋼桁のセグメント架設のプロセスにおいて、橋脚の横のブラケット及び短スライド桁の利用率が著しく向上し、建設プロセスは、安全かつ高信頼度であり、建設設備は長スライド桁よりも経済的である。
【0052】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。当業者であれば、本発明の原理から逸脱することなく、幾つかの改良及び修正を行い得、これらの改良及び修正も、本発明の保護範囲内にあるとみなされる。本明細書に詳細に説明されていない内容は、当業者によく知られている従来技術に属する。