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特許7276617モータ監視装置、モータ監視方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-18
(54)【発明の名称】モータ監視装置、モータ監視方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01M 99/00 20110101AFI20230511BHJP
   G01H 17/00 20060101ALI20230511BHJP
   G01R 31/34 20200101ALI20230511BHJP
【FI】
G01M99/00 A
G01H17/00 Z
G01R31/34 A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022542454
(86)(22)【出願日】2021-10-05
(86)【国際出願番号】 JP2021036742
(87)【国際公開番号】W WO2022085425
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2022-07-11
(31)【優先権主張番号】P 2020176745
(32)【優先日】2020-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】狄 靖
(72)【発明者】
【氏名】井戸 誠
【審査官】奥野 尭也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/156386(WO,A1)
【文献】国際公開第2006/030786(WO,A1)
【文献】特開2004-233284(JP,A)
【文献】特開2009-020090(JP,A)
【文献】特開2020-016491(JP,A)
【文献】特開2009-072017(JP,A)
【文献】特開2020-067334(JP,A)
【文献】特開2020-008347(JP,A)
【文献】特開2019-180112(JP,A)
【文献】国際公開第2019/186909(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01H 17/00
G01M 99/00
H02P 29/024
G01R 31/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械異常及び電気異常が生じ得るモータ設備を監視するための複数のセンサから出力されたセンサデータを取得する処理と、
前記センサデータに基づいて前記モータ設備における第1状態を示す第1表示部と前記センサデータに基づいて前記モータ設備における第2状態を示す第2表示部と前記センサデータに基づいて前記モータ設備における第3状態を示す第3表示部とを比較可能に同一画面内に同時に表示するよう構成された監視画面情報を生成する処理と、
前記監視画面情報を画面に表示させる処理と、
を備える監視処理を実行するよう構成された処理装置を備え、
前記第1状態は、前記機械異常のみに起因する前記モータ設備の状態であり、
前記第2状態は、前記電気異常のみに起因する前記モータ設備の状態であり、
前記第3状態は、前記機械異常および前記電気異常に起因する前記モータ設備の状態であり、
前記センサデータを取得する処理は、前記モータ設備の振動を測定する複数のセンサ、前記モータ設備の温度を測定する複数のセンサ、及び前記モータ設備の音を測定する複数のセンサから出力されたセンサデータを取得する処理を含む
モータ監視装置。
【請求項2】
前記センサデータを取得する処理は、モータ電流を測定するための複数の電流センサから出力されたセンサデータを取得する処理を更に含む
請求項1に記載のモータ監視装置。
【請求項3】
前記監視画面情報は、複数のモータ設備それぞれの前記第1状態、前記第2状態及び前記第3状態を比較可能に同一画面内に同時に表示するよう構成されている
請求項1または請求項2に記載のモータ監視装置。
【請求項4】
機械異常及び電気異常が生じ得るモータ設備を監視するための複数のセンサから出力されたセンサデータを取得する処理と、
前記センサデータに基づいて前記モータ設備における第1状態を示す第1表示部と前記センサデータに基づいて前記モータ設備における第2状態を示す第2表示部と前記センサデータに基づいて前記モータ設備における第3状態を示す第3表示部とを比較可能に同一画面内に同時に表示するよう構成された監視画面情報を生成する処理と、
前記監視画面情報を画面に表示させる処理と、
を備える監視処理を実行するよう構成された処理装置を備え、
前記第1状態は、前記機械異常のみに起因する前記モータ設備の状態であり、
前記第2状態は、前記電気異常のみに起因する前記モータ設備の状態であり、
前記第3状態は、前記機械異常および前記電気異常に起因する前記モータ設備の状態であり、
前記監視画面情報は、複数のモータ設備それぞれの前記第1状態、前記第2状態及び前記第3状態を比較可能に同一画面内に同時に表示するよう構成されている
モータ監視装置。
【請求項5】
前記モータ設備は、多相交流電流を直流電流に変換するコンバータと、前記コンバータから出力された前記直流電流によって駆動される直流モータと、を備え、
前記センサデータを取得する処理は、前記多相交流電流における各相の電流を測定する複数の交流センサから出力されたセンサデータを取得する処理を含む
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のモータ監視装置。
【請求項6】
前記第2状態は、前記多相交流電流における少なくとも2つの相の間における電流差分の状態を含む
請求項5に記載のモータ監視装置。
【請求項7】
前記監視処理は、前記電流差分と、前記電流差分の異常判定のための電流差分用閾値と、を比較する電流差分判定処理を更に備え、
前記第2表示部は、前記電流差分判定処理の結果を表示するよう構成されている
請求項6に記載のモータ監視装置。
【請求項8】
前記電流差分用閾値は、調整可能に設定されている
請求項7に記載のモータ監視装置。
【請求項9】
前記多相交流電流は、3相以上の交流電流であり、
前記監視処理は、前記センサデータから複数の相間それぞれの電流差分を求めることを更に備え、
前記第2表示部に示される前記第2状態は、前記複数の相間それぞれの電流差分のうちの最大値である
請求項7または請求項8に記載のモータ監視装置。
【請求項10】
前記第1状態は、前記多相交流電流における少なくとも1つの相の電流値の状態を含む
請求項5から請求項のいずれか1項に記載のモータ監視装置。
【請求項11】
前記監視処理は、前記電流値と、前記電流値の異常判定のための電流値用閾値と、を比較する電流値判定処理を更に備え、
前記第1表示部は、前記電流値判定処理の結果を表示するよう構成されている
請求項10に記載のモータ監視装置。
【請求項12】
前記電流値用閾値は、調整可能に設定されている
請求項11に記載のモータ監視装置。
【請求項13】
前記監視処理は、前記多相交流電流において前記電流値が最も大きい相を求めることを更に備え、
前記第1表示部に表示される前記第1状態は、前記多相交流電流において前記電流値が最も大きい相の電流値である
請求項10または請求項11に記載のモータ監視装置。
【請求項14】
機械異常及び電気異常が生じ得るモータ設備を監視するための複数のセンサから出力されたセンサデータをモータ監視装置が取得し、
前記センサデータに基づいて前記モータ設備における第1状態を示す第1表示部と前記センサデータに基づいて前記モータ設備における第2状態を示す第2表示部と前記センサデータに基づいて前記モータ設備における第3状態を示す第3表示部とを比較可能に同一画面内に同時に表示するよう構成された監視画面情報を、前記モータ監視装置が生成し、
前記監視画面情報を前記モータ監視装置が画面に表示させ、
前記第1状態は、前記機械異常のみに起因する前記モータ設備の状態であり、
前記第2状態は、前記電気異常のみに起因する前記モータ設備の状態であり、
前記第3状態は、前記機械異常および前記電気異常に起因する前記モータ設備の状態であり、
前記モータ監視装置がセンサデータを取得する場合に、前記モータ設備の振動を測定する複数のセンサ、前記モータ設備の温度を測定する複数のセンサ、及び前記モータ設備の音を測定する複数のセンサから出力されたセンサデータを取得する
モータ監視方法。
【請求項15】
監視処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
前記監視処理は、
機械異常及び電気異常が生じ得るモータ設備を監視するための複数のセンサから出力されたセンサデータを取得する処理と、
前記センサデータに基づいて前記モータ設備における第1状態を示す第1表示部と前記センサデータに基づいて前記モータ設備における第2状態を示す第2表示部と前記センサデータに基づいて前記モータ設備における第3状態を示す第3表示部とを比較可能に同一画面内に同時に表示するよう構成された監視画面情報を生成する処理と、
前記監視画面情報を画面に表示させる処理と、
を備え、
前記第1状態は、前記機械異常のみに起因する前記モータ設備の状態であり、
前記第2状態は、前記電気異常のみに起因する前記モータ設備の状態であり、
前記第3状態は、前記機械異常および前記電気異常に起因する前記モータ設備の状態であり、
前記センサデータを取得する処理は、前記モータ設備の振動を測定する複数のセンサ、前記モータ設備の温度を測定する複数のセンサ、及び前記モータ設備の音を測定する複数のセンサから出力されたセンサデータを取得する処理を含む
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、モータ監視装置、モータ監視方法及びコンピュータプログラムに関する。本出願は、2020年10月21日に出願した日本特許出願である特願2020-176745号に基づく優先権を主張する。当該日本特許出願に記載された全ての記載内容は、参照によって本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、電気機械の故障診断装置を開示している。特許文献1の故障診断装置は、電気機械の漏れ電流を検出し、検出される漏れ電流に基づいて、電気機械の絶縁状態を診断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-26967号公報
【発明の概要】
【0004】
本開示のある側面は、モータ監視装置である。開示のモータ監視装置は、機械異常及び電気異常が生じ得るモータ設備を監視するための複数のセンサから出力されたセンサデータを取得する処理と、前記センサデータに基づいて前記モータ設備における第1状態を示す第1表示部と前記センサデータに基づいて前記モータ設備における第2状態を示す第2表示部とを同一画面に表示するよう構成された監視画面情報を生成する処理と、前記監視画面情報を画面に表示させる処理と、を備える監視処理を実行するよう構成された処理装置を備え、前記第1状態は、前記機械異常に起因する前記モータ設備の状態であり、前記第2状態は、前記電気異常に起因する前記モータ設備の状態である。
【0005】
本開示の他の側面は、モータ監視方法である。開示のモータ監視方法は、機械異常及び電気異常が生じ得るモータ設備を監視するための複数のセンサから出力されたセンサデータをモータ監視装置が取得し、前記センサデータに基づいて前記モータ設備における第1状態を示す第1表示部と前記センサデータに基づいて前記モータ設備における第2状態を示す第2表示部とを同一画面に表示するよう構成された監視画面情報を、前記モータ監視装置が生成し、前記監視画面情報を前記モータ監視装置が画面に表示させ、前記第1状態は、前記機械異常に起因する前記モータ設備の状態であり、前記第2状態は、前記電気異常に起因する前記モータ設備の状態である。
【0006】
本開示の他の側面は、コンピュータプログラムである。開示のコンピュータプログラムは、監視処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、前記監視処理は、機械異常及び電気異常が生じ得るモータ設備を監視するための複数のセンサから出力されたセンサデータを取得する処理と、前記センサデータに基づいて前記モータ設備における第1状態を示す第1表示部と前記センサデータに基づいて前記モータ設備における第2状態を示す第2表示部とを同一画面に表示するよう構成された監視画面情報を生成する処理と、前記監視画面情報を画面に表示させる処理と、を備え、前記第1状態は、前記機械異常に起因する前記モータ設備の状態であり、前記第2状態は、前記電気異常に起因する前記モータ設備の状態である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、モータ設備及びモータ監視装置を備えるシステムの全体構成図である。
図2図2は、モータ監視装置の構成図である。
図3図3は、監視処理の説明図である。
図4図4は、電流値判定処理のフローチャートである。
図5図5は、電流差分判定処理のフローチャートである。
図6図6は、監視画面を示す図である。
図7図7は、第1モータ設備画面(正常時)を示す図である。
図8図8は、R相電流値時系列データ表示部を示す図である。
図9図9は、S相電流値時系列データ表示部を示す図である。
図10図10は、T相電流値時系列データ表示部を示す図である。
図11図11は、R相とS相の第1電流差分時系列データ表示部を示す図である。
図12図12は、R相とT相の第2電流差分時系列データ表示部を示す図である。
図13図13は、S相とT相の第3電流差分時系列データ表示部を示す図である。
図14図14は、第1モータ設備画面(異常時時)を示す図である。
図15図15は、R相電流値時系列データ表示部を示す図である。
図16図16は、S相電流値時系列データ表示部を示す図である。
図17図17は、T相電流値時系列データ表示部を示す図である。
図18図18は、R相とS相の第1電流差分時系列データ表示部を示す図である。
図19図19は、R相とT相の第2電流差分時系列データ表示部を示す図である。
図20図20は、S相とT相の第3電流差分時系列データ表示部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[本開示が解決しようとする課題]
モータ設備において生じる異常には、機械異常及び電気異常がある。機械異常は、例えば、モータベアリング劣化又はモータの軸芯出し(シャフトアライメント)不足のように、モータ設備における機械系において生じる異常である。電気異常は、モータの絶縁劣化又はモータ回路の故障のように、モータ設備における電気系において生じる故障である。
【0009】
モータ設備に何らかの不具合が生じた場合、その不具合が、機械的異常によるのか電気異常によるのかを区別して判断することが望まれる。しかし、特許文献1の装置は、絶縁状態という、電気異常によって生じる単一の状態を診断するにすぎない。したがって、特許文献1の装置を用いても、モータ設備における機械的異常と電気異常とを区別した判断をするのは困難である。
【0010】
よって、モータ設備における機械的異常と電気異常とを区別した判断を容易にすることが望まれる。
[本開示の効果]
本開示によれば、モータ設備における機械的異常と電気異常とを区別した判断を容易にすることができる。
[本開示の実施形態の説明]
(1)実施形態に係るモータ監視装置は、機械異常及び電気異常が生じ得るモータ設備を監視するための複数のセンサから出力されたセンサデータを取得する処理と、前記センサデータに基づいて前記モータ設備における第1状態を示す第1表示部と前記センサデータに基づいて前記モータ設備における第2状態を示す第2表示部とを同一画面に表示するよう構成された監視画面情報を、前記センサデータから生成する処理と、前記監視画面情報を画面に表示させる処理と、を備える監視処理を実行するよう構成された処理装置を備える。前記第1状態は、前記機械異常に起因する前記モータ設備の状態である。前記第2状態は、前記電気異常に起因する前記モータ設備の状態である。この場合、監視画面情報に基づく画面を参照したユーザは、モータ設備における機械異常と電気異常とを区別した判断を容易にすることができる。
(2)前記センサデータを取得する処理は、モータ電流を測定するための複数の電流センサから出力されたセンサデータを取得する処理を含む。モータ電流は、機械異常と電気異常の両方によって影響を受けることがあるため、複数のセンサが、少なくとも電流センサを有していることで、モータ設備の第1状態と第2状態とを求めることができる。
(3)前記センサデータを取得する処理は、前記モータ設備の振動を測定する複数のセンサ、前記モータ設備の温度を測定する複数のセンサ、前記モータ設備の音を測定する複数のセンサ、及び前記モータ設備の漏れ電流を測定する複数のセンサの少なくとも1つから出力されたセンサデータを取得する処理を含む。この場合、モータ設備の状態をより多く表示することが可能になるため、モータ設備の状態の把握がより容易になる。
(4)前記監視画面情報は、複数のモータ設備それぞれの前記第1状態及び前記第2状態を同一画面に表示するよう構成されているのが好ましい。この場合、複数のモータ設備を比較しつつ監視することができる。
(5)前記モータ設備は、多相交流電流を直流電流に変換するコンバータと、前記コンバータから出力された前記直流電流によって駆動される直流モータと、を備え前記センサデータを取得する処理は、前記多相交流電流における各相の電流を測定する複数の交流センサから出力されたセンサデータを取得する処理を含むのが好ましい。モータが直流モータであっても、モータ設備に供給される電力が多相交流電流である場合、電気異常は多相交流における各相において生じることがある。複数のセンサが、前記多相交流電流における各相の電流を測定する交流センサを有することで、各相において生じる電気異常の監視が容易になる。
(6)前記第2状態は、前記多相交流電流における少なくとも2つの相の間における電流差分の状態を含むのが好ましい。この場合、電流差分によって、多相交流電流における欠相の監視が容易になる。なお、多相交流電流における2つの相は、例えば、R相、S相、T相を有する3相交流電流の場合、R相、S相、T相における2つの相である。具体的には、2つの相とは、R相とS相、R相とT相、又はS相とT相である。電流差分は、例えば、R相とS相との電流差分、R相とT相との電流差分、又はS相とT相との電流差分である。第2状態としての電流差分は、R相とS相との電流差分、R相とT相との電流差分、及びS相とT相との電流差分のうちの1以上の電流差分でよい。
(7)前記監視処理は、前記電流差分と、前記電流差分の異常判定のための電流差分用閾値と、を比較する電流差分判定処理を更に備え、前記第2表示部は、前記電流差分判定処理の結果を表示するよう構成されているのが好ましい。この場合、電流差分の異常の監視がより容易になる。
(8)前記電流差分用閾値は、調整可能に設定されているのが好ましい。閾値が調整可能であると、モータ設備の状況に応じて、閾値を適切な値に変更できる。
(9)前記多相交流電流は、3相以上の交流電流であり、前記監視処理は、前記センサデータから複数の相間それぞれの電流差分を求めることを更に備え、前記第2表示部に示される前記第2状態は、前記複数の相間それぞれの電流差分のうちの最大値であるのが好ましい。この場合、複数の相間それぞれの電流差分を求めても、複数の相間それぞれの電流差分のうちの最大値を第2状態として第2表示部に表示すればよいため、表示領域を節約できる。
(10)前記第1状態は、前記多相交流電流における少なくとも1つの相の電流値の状態を含むのが好ましい。この場合、多相交流電流における少なくとも1つの相の電流値の状態を監視できる。
(11)前記監視処理は、前記電流値と、前記電流値の異常判定のための電流値用閾値と、を比較する電流値判定処理を更に備え、前記第1表示部は、前記電流値判定処理の結果を表示するよう構成されているのが好ましい。この場合、電流値の異常の監視がより容易になる。
(12)前記電流値用閾値は、調整可能に設定されているのが好ましい。閾値が調整可能であると、モータ設備の状況に応じて、閾値を適切な値に変更できる。
(13)前記監視処理は、前記多相交流電流において前記電流値が最も大きい相を求めることを更に備え、前記第1表示部に表示される前記第1状態は、前記多相交流電流において前記電流値が最も大きい相の電流値であるのが好ましい。この場合、多相交流電流において前記電流値が最も大きい相の電流値を第1状態として第1表示部に表示すればよいため、表示領域を節約できる。
(14)実施形態に係るモータ監視方法は、機械異常及び電気異常が生じ得るモータ設備を監視するための複数のセンサから出力されたセンサデータをモータ監視装置が取得し、前記センサデータに基づいて前記モータ設備における第1状態を示す第1表示部と前記センサデータに基づいて前記モータ設備における第2状態を示す第2表示部とを同一画面に表示するよう構成された監視画面情報を、前記モータ監視装置が生成し、前記監視画面情報を前記モータ監視装置が画面に表示させ、前記第1状態は、前記機械異常に起因する前記モータ設備の状態であり、前記第2状態は、前記電気異常に起因する前記モータ設備の状態である。この場合、監視画面情報に基づく画面を参照したユーザは、モータ設備における機械異常と電気異常とを区別した判断を容易にすることができる。
(15)実施形態に係るコンピュータプログラムは、監視処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、前記監視処理は、機械異常及び電気異常が生じ得るモータ設備を監視するための複数のセンサから出力されたセンサデータを取得する処理と、前記センサデータに基づいて前記モータ設備における第1状態を示す第1表示部と前記センサデータに基づいて前記モータ設備における第2状態を示す第2表示部とを同一画面に表示するよう構成された監視画面情報を生成する処理と、前記監視画面情報を画面に表示させる処理と、を備え、前記第1状態は、前記機械異常に起因する前記モータ設備の状態であり、前記第2状態は、前記電気異常に起因する前記モータ設備の状態である。この場合、監視画面情報に基づく画面を参照したユーザは、モータ設備における機械異常と電気異常とを区別した判断を容易にすることができる。実施形態に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な、非一時的な記憶媒体に格納される。
[本開示の実施形態の詳細]
図1は、実施形態に係るモータ監視装置10を備えるシステムを示している。システムは、監視対象である1又は複数のモータ設備51,53,55,57と、モータ監視装置10と、を備える。モータ設備51,53,55,57は、例えば、工場に設置されている。モータ監視装置10は、ネットワーク70を介して、モータ設備51,53,55,57と接続されている。モータ監視装置10は、モータ設備51,53,55,57を遠隔監視するよう構成されていてもよいし、モータ設備51,53,55,57の近傍で監視するよう構成されていてもよい。ネットワーク70は、例えば、有線ネットワーク又は無線ネットワークである。
【0011】
図1に示す複数のモータ設備51,53,55,57は、第1モータ設備51、第2モータ設備53、第3モータ設備55、及び第4モータ設備57を有する。モータ監視装置10による監視対象となるモータ設備51,53,55,57の数は特に限定されない。なお、図1に示す第2モータ設備53、第3モータ設備55、第4モータ設備57は、第1モータ設備51と、同様の構成を有する。ただし、各モータ設備51,53,55,57の構成はそれぞれ異なっていてもよい。
【0012】
以下では、モータ監視装置10による第1モータ設備51に対する監視を一例として説明するが、モータ監視装置10は、他のモータ設備53,55,57に対しても同様の監視を行える。
【0013】
図1に示すように、第1モータ設備51は、モータ518と、モータを駆動するためのモータ回路510と、を備える。モータ518は、例えば、直流電流によって駆動される直流モータ、又は交流電流によって駆動される交流モータである。以下では、一例として、モータ518は、直流モータであるものとして説明する。第1モータ設備51のモータ回路510には、モータ518の駆動のために、多相交流電源501から多相交流電流が供給される。多相交流とは、位相の異なる2以上の単相交流の組み合わせである。以下では、一例として、多相交流は、3相交流であるものとして説明する。3相交流は、R相、S相、及びT相の3つの単相交流を組み合わせた交流である。3つの相は、互いに120度ずつずれている。
【0014】
図1に示すモータ回路510は、電源501から供給された3相交流を直流に変換するコンバータ520を備える。図1に示すコンバータ520は、3相全波整流回路である。コンバータ520は、3相交流が入力される一次側520Aと、直流を出力する二次側520Bと、を備える。一次側520Aには、電源501が接続される。二次側520Bには、モータ518が接続される。モータ518は、コンバータ520から出力された直流電流によって駆動される。
【0015】
以下では、コンバータ520の一次側520Aを流れる電流を一次側電流という。一次側電流のうち、R相を流れる電流をR相電流といい、S相を流れる電流をS相電流といい、T相を流れる電流をT相電流という。コンバータ520の二次側520Bを流れる電流を二次側電流という。一次側電流及び二次側電流を総称して、モータ電流という。なお、図1に示すモータ回路510において、二次側520Bとモータ518との間には、インダクタ517が設けられている。
【0016】
コンバータ520は、整流素子としてサイリスタ521,522,524,525,527,528を備える。図1において、サイリスタ521,522は、R相用の整流素子であり、サイリスタ524,525は、S相用の整流素子であり、サイリスタ527,528はT相用の整流素子である。
【0017】
コンバータ520では、図示しない制御回路によって、サイリスタ位相制御が行われる。サイリスタ位相制御は、521,522,524,525,527,528をONさせる位相(タイミング)を変化させることで、コンバータ520の出力電圧を制御する方式である。
【0018】
なお、モータ回路510は、図示しない電磁開閉器を備える。電磁開閉器は、電磁石の動作によって、モータ518へ電流が流れる電路を開閉する。電磁開閉器によって、モータ518へ流れる電流のON/OFFが可能である。電磁開閉器は、マグネットスイッチとも呼ばれる。
【0019】
また、第1モータ設備51は、モータ518の回転軸(図示省略)に接続されて回転駆動される機械設備(図示省略)、及びモータ518を工場に据え付けるための機械構造物(図示省略)を備える。モータ518の回転軸及びモータによって回転駆動される機械設備の回転軸は、ベアリングによって回転自在に支持される。モータ518の回転軸とモータによって回転駆動される機械設備の回転軸とは、同一軸線上に位置するように軸芯出し(シャフトアライメント)がなされている。
【0020】
前述のモータ回路510は、第1モータ設備51における電気系の要素である。一方、モータ518によって回転駆動される機械設備及びモータ518の据え付けのための機械構造物は、第1モータ設備51における機械系の要素である。モータ518は、第1モータ設備51における電気系の要素であるとともに機械系の要素でもある。例えば、モータ518に備わった電気配線は、電気系の要素であり、モータ518に備わった回転軸は、機械系の要素である。また、モータ518が備えるケーシングは、機械的構造を持つため機械系の要素であるとともに、漏れ電流が流れる部位であるため電気系の要素でもある。
【0021】
第1モータ設備51などのモータ設備には不具合が生じることがある。不具合には、第1モータ設備51における機械系で生じる機械異常と、第1モータ設備51における電気系において生じる電気異常と、がある。機械異常は、例えば、モータベアリング劣化、軸芯出し不足、及び機械的な過負荷のいずれかである。電気異常は、例えば、絶縁劣化、サイリスタ521,522,524,525,527,528の故障又は接触不良、及び電磁開閉器(マグネットスイッチ)における開状態のいずれかである。
【0022】
第1モータ設備51において生じる機械異常及び電気異常の検出のため、第1モータ設備51は、1又は複数のセンサを備える。なお、他のモータ設備53,55,57も、同様に、1又は複数のセンサを備える。図1に示す第1モータ設備51は、一例として、複数のセンサ511,512,513,514,515,516を備える。複数のセンサは、例えば、電流センサ511、振動センサ512、温度センサ513、音センサ514、漏れ電流センサ515、及び電磁開閉器の接点センサ516である。
【0023】
以下では、電流センサ511から出力される測定値を第1センサデータ130、振動センサ512から出力される測定値を第2センサデータ135、温度センサ513から出力される測定値を第3センサデータ136、音センサ514から出力される測定値を第4センサデータ137、漏れ電流センサ515から出力される測定値を第5センサデータ138、接点センサ516から出力される測定値を第6センサデータ139ということがある。なお、実施形態において、各センサデータ130,135,136,137,138,139は、経時的に変化する時系列データである。これらのセンサデータ130,135,136,137,138,139を総称して、センサデータ90という。センサデータ90は、後述のデータベース13に格納される。
【0024】
電流センサ511は、モータ電流を測定する。モータ518にかかる負荷が大きくなりすぎると、モータ518に流れる電流が増大する。また、コンバータ520に不具合が生じると、モータ電流に異常が生じる。
【0025】
実施形態において、電流センサ511は、コンバータ520の一次側520Aにおいて、3相それぞれの電流を測定するよう設けられた交流センサである。すなわち、電流センサ511は、一次側電流を測定するように設けられている。実施形態の電流センサ511は、第1センサデータ130として、R相電流値131と、S相電流値132と、T相電流値133と、を出力する。電流センサ511が、コンバータ520の一次側520Aに設けられていることで、コンバータ520の各相の不具合又は不具合の予兆を把握するのが容易になる。なお、電流センサ511は、コンバータ520の二次側520Bにおいて、モータ518へ流れる二次側電流を測定するように設けられていてもよい。
【0026】
振動センサ512は、第1モータ設備51の振動を測定する。モータ518のベアリング劣化が生じると振動が大きくなる。また、軸芯出し不足が生じると振動が大きくなる。一般に、モータ518のベアリング劣化が生じると、高周波振動が大きくなり、軸芯出し不足が生じると低周波振動が大きくなる。振動センサ512によって、これらの振動が測定される。
【0027】
温度センサ513は、第1モータ設備51の温度を測定する。温度センサ513は、例えば、モータ518のケーシングの温度を測定するよう設けられる。モータ518は、ケーシングの絶縁劣化によって漏れ電流が流れるなどの原因により、温度が上昇することがある。温度センサ513によって、そのような温度上昇が測定される。
【0028】
音センサ514は、第1モータ設備51において生じる音(モータ設備音)を測定する。第1モータ設備51における機械異常及び電気異常は、異音として現れることがある。音センサ514によって、そのような異音が測定される。
【0029】
漏れ電流センサ515は、第1モータ設備51において生じる漏れ電流を測定する。漏れ電流センサ515は、例えば、モータ518の漏れ電流を測定するよう設けられる。モータ518のケーシングの絶縁劣化によって漏れ電流が大きくなることがある。漏れ電流センサ515によって、そのような漏れ電流が測定される。
【0030】
接点センサ516は、第1モータ設備51に含まれる電磁開閉器における接点の接続状態(ON/OFF状態)を測定する。モータ518に過負荷がかかると、電磁開閉器が開き、モータ518への電流供給が遮断される。接点センサ516によって、そのような電磁開閉器における設定の接続状態(ON/OFF状態)が検知される。
【0031】
第1モータ設備51は、センサデータ90を、モータ監視装置10へ送信するための送信機519を備える。送信機519は、センサデータ90を取得できるように各センサ511,512,513,514,515,516に有線または無線にて接続されている。送信機519は、取得したセンサデータ90を、ネットワーク70を介して、モータ監視装置10へ送信する。
【0032】
図2に示すモータ監視装置10は、取得したセンサデータ90に基づいて、第1モータ設備51を常時監視する。実施形態に係るモータ監視装置10は、処理装置(processor)11と、処理装置11に接続されたメモリ12と、を備えるコンピュータによって構成されている。モータ監視装置10を構成するコンピュータは、さらに通信インタフェース15を備える。
【0033】
処理装置11は、例えば、CPUである。メモリ12は、例えば、一次記憶装置及び二次記憶装置を有する。一次記憶装置は、例えば、RAMである。二次記憶装置は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)又はソリッドステートドライブ(SSD)である。通信インタフェース15は、例えば、送信機519との間の通信、及び後述のユーザ端末30との間の通信に用いられる。
【0034】
モータ監視装置10を構成するコンピュータは、監視処理100を実行する。メモリ12は、コンピュータをモータ監視装置10として動作させるためのコンピュータプログラム14を記憶している。コンピュータプログラム14は、監視処理100を処理装置11に実行させるためのプログラムコードを備える。処理装置11は、メモリ12からコンピュータプログラム14を読み出して、実行する。監視処理100については後述される。
【0035】
メモリ12は、データベース13を備える。データベース13は、送信機519から受信したセンサデータ90を格納するよう構成されている。すなわち、データベース13には、R相電流値、S相電流値132及びT相電流値133を含む第1センサデータ130、第2センサデータ135、第3センサデータ136、第4センサデータ137、第5センサデータ138、第6センサデータ139が格納される。なお、データベース13に格納されているセンサデータ90は、センサデータ90の時系列データである。
【0036】
また、データベース13は、後述の判定処理160による判定結果95を格納するよう構成されている。さらに、データベース13は、後述の判定処理160に用いられる各種の閾値を示す閾値データ220を格納するよう構成されている。閾値については後述される。なお、データベース13は、モータ監視装置10とは別のコンピュータ上に設けられていてもよい。
【0037】
図3に示すように、監視処理100は、センサデータ取得処理150を備える。実施形態に係るセンサデータ取得処理150は、モータ監視装置10が、センサデータ90を、センサ511,512,513,514,516から、取得するよう構成されている。センサデータ取得処理150では、モータ監視装置10は、通信インタフェース15によって、ネットワーク70からセンサデータ90を受信する。センサデータ取得処理150は、外部データベースに蓄積されたセンサデータ90を取得するよう構成されていてもよい。
【0038】
センサ511,512,513,514,516は、常時、第1モータ設備51を監視しているため、センサデータ取得処理150は、常時、センサデータ90を取得する。センサデータ取得処理150は、取得したセンサデータ90をデータベース13に保存する。
【0039】
図3に示す監視処理100は、判定処理160を備える。実施形態に係る判定処理160は、第1センサデータ130、第2センサデータ135、第3センサデータ136、第4センサデータ137、第5センサデータ138、及び第6センサデータ139それぞれに対する判定が実行するよう構成される。判定処理160は、常時監視を実現するため、データベース13に、新たなセンサデータ90が蓄積される毎に実行される。判定処理160では、各センサデータ130,135,136,137,138,139が、正常であるか異常であるか判定される。判定処理160では、閾値データ220が示す閾値が用いられる。
【0040】
実施形態に係る判定処理160は、電流値判定処理161A、電流差分判定処理161B、振動判定処理162、温度判定処理163、音判定処理164、漏れ電流判定処理165、及びスイッチ接続判定処理166を備える。
【0041】
電流値判定処理161Aは、第1センサデータ130に基づいて、モータ電流が過電流であるか否かを判定する。過電流は、機械異常及び電気異常のいずれでも生じる。例えば、機械異常によって、モータ518に過負荷がかかると過電流が生じる。また、欠相などの電気異常によっても、過電流が生じることがある。
【0042】
図4は、電流値判定処理161Aの手順を示している。まず、モータ監視装置10の処理装置11は、データベース13から、現時点のR相電流値131、S相電流値132、及びT相電流値133を読み出す(ステップS101)。続いて、処理装置11は、R相電流値131、S相電流値132、及びT相電流値133それぞれと、電流値用閾値とを比較する(ステップS102)。電流値用閾値は、閾値データ220に含まれる閾値の1つである。電流値131,132,133が、電流値用閾値を超えている場合、その電流値131,132,133は、異常、すなわち、過電流であると判定される。電流値131,132,133が、電流値用閾値を超えていない場合、その電流値131,132,133は、正常であると判定される。
【0043】
実施形態の電流値判定処理161Aにおいては、3相それぞれの電流値131,132,133について異常/正常が判定されるため、モータ回路510に含まれるコンバータ520における各相の異常が検知される。
【0044】
処理装置11は、R相電流値131、S相電流値132、及びT相電流値133それぞれについて、電流値用閾値を用いた判定結果95を、データベース13に保存する(ステップS103)。保存された判定結果95は、後述の監視画面300における表示に反映される。
【0045】
また、処理装置11は、R相、S相、T相のうち、電流値131,132,133が最も大きい相を求める(ステップS104)。電流値が最も大きい相における電流値が、後述の監視画面300において、モータ電流値として表示される。
【0046】
電流差分判定処理161Bは、第1センサデータ130に基づいて、3相交流電流における各相の間における電流差分を判定する。ここで、各相の間における電流差分は、R相とS相との第1電流差分、R相とT相との第2電流差分、及びS相とT相との第3電流差分を含む。各相の間における電流差分が大きくなると欠相のおそれがある。電流差分の判定によって、欠相を検出することができる。
【0047】
図5は、電流差分判定処理161Bの手順を示している。まず、モータ監視装置10の処理装置11は、データベース13から、現時点のR相電流値131、S相電流値132、及びT相電流値133を読み出す(ステップS111)。続いて、処理装置11は、R相電流値131、S相電流値132、及びT相電流値133から、R相とS相との第1電流差分、R相とT相との第2電流差分、及びS相とT相との第3電流差分を算出する(ステップS112)。
【0048】
処理装置11は、第1電流差分、第2電流差分、及び第3電流差分それぞれと、電流差分用閾値とを比較する(ステップS113)。電流差分用閾値は、閾値データ220に含まれる閾値の1つである。ここでは、電流差分用閾値は、電流差分の正常範囲を規定する下限閾値と上限閾値とを含む。電流差分が下限閾値と上限閾値との間の正常範囲にあれば、電流差分は正常であると判定される。電流差分が正常範囲外であれば、電流差分は異常であると判定される。すなわち、電流差分が下限閾値より小さい、又は、上限閾値より大きい場合、電流差分は異常であると判定される。
【0049】
3相のうち1以上の相において欠相が生じると、第1電流差分、第2電流差分、及び第3電流差分のうちの1以上の電流差分が、大きくなって、正常範囲外になる。
【0050】
処理装置11は、第1電流差分、第2電流差分、第3電流差分それぞれについて、電流差分用閾値を用いた判定結果95を、データベース13に保存する(ステップS114)。保存された判定結果95は、後述の監視画面300における表示に反映される。
【0051】
また、処理装置11は、第1電流差分、第2電流差分、及び第3電流差分のうち、最も大きい電流差分を求める(ステップS115)。最も大きい電流差分が、後述の監視画面300において、電流差分として表示される。
【0052】
図3に示す振動判定処理162は、第2センサデータ135に基づいて、第1モータ設備51における振動が正常であるか異常であるかを判定する。振動判定処理162では、振動の測定値である第2センサデータ135の高周波成分及び低周波成分が求められる。高周波成分及び低周波成分は、例えば、第2センサデータ135に対するフィルタリング処理によって求められる。第2センサデータ135の高周波成分は、モータ518のベアリング劣化などで生じる高周波振動である。第2センサデータ135の低周波成分は、軸芯出し不足などで生じる低周波振動である。振動判定処理162では、高周波振動及び低周波振動それぞれについて、閾値データ220が示す振動用閾値と比較することにより判定がなされる。振動が、振動用閾値を超えてれば、異常と判定され、振動用閾値を超えていない場合、正常と判定される。判定結果95は、データベース13に保存され、後述の監視画面300における表示に反映される。なお、振動判定処理162において、高周波振動と低周波振動とは区別されなくてもよい。
【0053】
図3に示す温度判定処理163は、第3センサデータ136に基づいて、第1モータ設備51の温度が正常であるか異常であるかを判定する。温度判定処理163では、第3センサデータ136を、閾値データ220が示す温度用閾値と比較することにより判定がなされる。第3センサデータ136が示す温度が、温度用閾値を超えていれば、異常と判定され、温度用閾値を超えていない場合、正常と判定される。判定結果95は、データベース13に保存され、後述の監視画面300における表示に反映される。
【0054】
図3に示す音判定処理164は、第4センサデータ137に基づいて、第1モータ設備51の音が正常であるか異常であるかを判定する。換言すると、音判定処理164では、異音の発生の有無が判定される。音判定処理164では、第4センサデータ137を、閾値データ220が示す音用閾値と比較することにより判定がされる。第4センサデータ137が示す音の大きさが、音用閾値を超えていれば、異常と判定され、音用閾値を超えていない場合、正常と判定される。判定結果95は、データベース13に保存され、後述の監視画面300における表示に反映される。
【0055】
図3に示す漏れ電流判定処理165は、第5センサデータ138に基づいて、第1モータ設備51における漏れ電流が正常であるか異常であるかを判定する。漏れ電流判定処理165では、第5センサデータ138を、閾値データ220が示す漏れ電流用閾値と比較することにより判定がされる。第5センサデータ138が示す漏れ電流の大きさが、漏れ電流用閾値を超えていれば、異常と判定され、漏れ電流用閾値を超えていない場合、正常と判定される。判定結果95は、データベース13に保存され、後述の監視画面300における表示に反映される。
【0056】
図3に示すスイッチ接続判定処理166は、第6センサデータ139に基づいて、電磁開閉器の開閉(ON/OFF)を判定する。判定結果95は、データベース13に保存され、後述の監視画面300における表示に反映される。
【0057】
図3に示す監視処理100は、監視画面情報300Aの生成処理170と監視画面情報300Aの出力処理180とを備える。監視画面情報300Aは、データベース13に蓄積されたセンサデータ90及び判定処理160による判定結果95に基づいて生成される。
【0058】
監視画面情報300Aは、監視画面300の表示に用いられる。監視画面情報300Aは、ディスプレイ(図示省略)において表示される監視画面300を構成するための表示用データである。監視画面300は、モータ設備51,53,55,57の監視のため、監視員によって参照される画面である。実施形態において、監視画面情報300Aは、監視画面情報出力処理180によって監視員が用いるユーザ端末30(図1参照)に送信される。ユーザ端末30は、監視画面情報300Aに基づく監視画面300を、ユーザ端末30のディスプレイに表示させる。なお、ユーザ端末30は、ネットワーク70を介して、モータ監視装置10と接続されている。また、監視画面300は、モータ監視装置10が備えるディスプレイに表示されてもよい。
【0059】
監視画面情報300Aの生成処理170において、処理装置11は、最新のセンサデータ90及び判定結果95が反映されるように、監視画面情報300Aを更新する。更新された監視画面情報300Aは、逐次、ユーザ端末30へ送信される。
【0060】
図3に示す監視処理は、閾値調整処理200を備える。閾値調整処理200は、データベース13に保存された各種の閾値を調整する処理である。調整は、監視員などのユーザ操作によって行われる。ユーザ操作は、例えば、ユーザ端末30(図1参照)が備えるキーボード又はマウスなどの入力装置の操作によって行われる。閾値を調整する操作は、例えば、調整対象の閾値を選択することと、調整後の閾値を入力すること、を含む。調整された閾値は、データベース13に保存され、その後の判定処理160に用いられる。閾値が調整可能であることで、モータ設備の状況に応じた閾値の適切な変更が可能になる。
【0061】
図6は、生成処理170によって生成及び更新される監視画面情報300Aに基づく監視画面300の例を示している。ここでは、監視画面300は、「モータ診断ボード」ともいう。監視画面300は、第1モータ設備51の状態を示す第1モータ設備画面301と、第2モータ設備53の状態を示す第2モータ設備画面302と、第3モータ設備55の状態を示す第3モータ設備画面303と、第4モータ設備57の状態を示す第4モータ設備画面304と、を備える。図6に示すように、監視画面300は、複数のモータ設備の状態を同時に表示するよう構成されている。複数のモータ設備51,53,55,57の状態を、単一の監視画面300内に同時に表示することで、監視員は、複数のモータ設備51,53,55,57の状態を比較して把握でき、モータ設備51,53,55,57の変化及び異常を発見するのが容易になる。
【0062】
以下では、複数のモータ設備画面301,302,303,304のうち、第1モータ設備画面301について説明するが、図6では、他のモータ設備画面302,303,304も同様の構成を有している。ただし、他のモータ設備画面302,303,304は、第1モータ設備画面301とは異なっていてもよい。
【0063】
図7は、監視画面300に含まれる第1モータ設備画面301の拡大図を示している。第1モータ設備画面301は、振動表示部311、発熱表示部312、異音表示部313、過電流表示部314、振動表示部315、スイッチ表示部316、及び漏電表示部317、欠相表示部318を備える。なお、図7に示す監視画面300では、全ての表示部311,312,313,314,315,316,317,318に表示されている値は正常である。
【0064】
図7に示す振動表示部311は、第1モータ設備51に含まれるブロワが備えるシャフトの振動値が表示されるよう構成されている。振動表示部311には、第1モータ設備51に含まれるブロワが備えるシャフトの振動値を測定するよう設けられた振動センサ512による測定値である第2センサデータ135(振動値)が表示される。振動表示部311では、振動判定処理162の判定結果95が、振動表示部311の色の違いとして表示される。例えば、振動が正常であれば、振動表示部311全体が緑色表示され、振動が異常であれば、振動表示部311全体が赤色表示される。
【0065】
発熱表示部312は、第1モータ設備51の温度が表示されるよう構成されている。発熱表示部312には、温度センサ513による測定値である第3センサデータ136(温度)が表示される。発熱表示部312では、温度判定処理163の判定結果95が、発熱表示部312の色の違いとして表示される。例えば、温度が正常であれば、発熱表示部312全体が緑色表示され、温度が異常であれば、発熱表示部312全体が赤色表示される。
【0066】
異音表示部313は、第1モータ設備51の音の大きさが表示されるよう構成されている。異音表示部313には、音センサ514による測定値である第4センサデータ137(音の大きさ)が表示される。異音表示部313では、音判定処理164の判定結果95が、異音表示部313の色の違いとして表示される。例えば、音が正常であれば、異音表示部313全体が緑色表示され、異音の発生により音が異常であると判定されれば、異音表示部313全体が赤色表示される。
【0067】
過電流表示部314は、モータ電流の値が表示されるよう構成されている。過電流表示部314には、R相、S相、T相のうち、電流値131,132,133が最も大きい相における電流値が、代表的にモータ電流値として表示される。3つの電流値131,132,133のうちの最大値を表示することで、過電流表示部314のための表示領域を節約できる。したがって、図6に示すように、監視画面300に、複数のモータ設備画面301,302,303,304を設けても、画面表示を簡素にできる。過電流表示部314では、電流値判定処理161Aの判定結果95が、過電流表示部314の色の違いとして表示される。例えば、電流値が正常であれば、過電流表示部314全体が緑色表示され、過電流であると判定されれば、過電流表示部314全体が赤色表示される。
【0068】
振動表示部315は、第1モータ設備51に含まれるブロワが備えるローターの振動値が表示されるよう構成されている。振動表示部315には、第1モータ設備51に含まれるブロワが備えるローターの振動値を測定するよう設けられた振動センサによる測定値である第2センサデータ(振動値)が表示される。振動表示部315では、振動判定処理162の判定結果95が、振動表示部315の色の違いとして表示される。例えば、振動が正常であれば、振動表示部315全体が緑色表示され、振動が異常であれば、振動表示部315全体が赤色表示される。
【0069】
スイッチ表示部316は、電磁開閉器の開閉(ON/OFF)を表示するよう構成されている。スイッチ表示部316には、スイッチ接続判定処理166の判定結果95が、文字表示される。文字表示は、例えば、電磁開閉器が閉じていれば「接続良好」であり、電磁開閉器が開いていれば「接続不良」である。スイッチ表示部316では、スイッチ接続判定処理166の判定結果95が、スイッチ表示部316の色の違いとしても表示される。例えば、電磁開閉器が閉じていれば、スイッチ表示部316全体が緑色表示され、電磁開閉器が開いていれば、スイッチ表示部316全体が赤色表示される。
【0070】
漏電表示部317は、第1モータ設備51における漏れ電流値を表示するよう構成されている。漏電表示部317には、漏れ電流センサ515による測定値である第5センサデータ138(漏れ電流値)が表示される。漏電表示部317では、漏れ電流判定処理165の判定結果95が、漏電表示部317の色の違いとして表示される。漏れ電流値が正常であれば、漏電表示部317全体が緑色表示され、漏れ電流値が異常であれば、漏電表示部317全体が赤色表示される。
【0071】
欠相表示部318は、多相交流である一次側電流における相間の電流差分が表示されるよう構成されている。欠相表示部318には、R相とS相との第1電流差分、R相とT相との第2電流差分、及びS相とT相との第3電流差分のうち、最も大きい電流差分が代表的に表示される。3つの電流差分のうちの最大値を表示することで、欠相表示部318のための表示領域を節約できる。したがって、図6に示すように、監視画面300に、複数のモータ設備画面301,302,303,304を設けても、画面表示を簡素にできる。欠相表示部318では、電流差分判定処理161Bの判定結果95が、欠相表示部318の色の違いとして表示される。例えば、電流差分が正常であれば、欠相表示部318全体が緑色表示され、欠相により電流差分が異常であると判定されれば、欠相表示部318全体が赤色表示される。
【0072】
監視画面300では、一つのモータ設備51に対して、振動、熱、音、電流値、電流差分、漏れ電流、スイッチ接続状態などの多項目で、センサの測定結果を同時に表示するため、モータ設備51に何らかの異常又は不具合が生じたときに、監視員は、異常が、機械異常であるのか、電気異常であるのかを区別して判断することができる。
【0073】
ここで、振動は、機械異常によって変化し得るモータ設備51の状態である。熱は、絶縁劣化による漏れ電流という電気異常によって変化し得るモータ設備51の状態である。音は、機械異常又は電気異常によって変化し得るモータ設備51の状態である。電流値及び電流差分、漏れ電流は、電気異常によって変化し得るモータ設備51の状態である。電流値は、機械的異常によっても変化し得る。スイッチ接続状態は電気異常によって変化しえるモータ設備51の状態である。
【0074】
実施形態においては、機械異常によって変化し得るモータ設備51の状態を第1状態という。また、電気異常によって変化し得るモータ設備51の状態を第2状態という。電流値のように機械異常及び電気異常の双方によって変化し得る状態は、第1状態でもあり、第2状態でもある。
【0075】
ここで、図7に示す複数の表示部311,312,313,314,315,316,317,318のうち、振動表示部311及び振動表示部315は、機械異常によって変化し得る第1状態を示す第1表示部である。また、発熱表示部312、スイッチ表示部316、漏電表示部317、及び欠相表示部318は、電気異常によって変化し得る第2状態を示す第2表示部である。異音表示部313及び過電流表示部314、機械異常によって変化し得る第1状態を示す第1表示部であるとともに、電気異常によって変化し得る第2状態を示す第2表示部である。本実施形態では、第1表示部と第2表示部とが同時に表示されるため、監視員は、異常が、機械異常であるのか、電気異常であるのかを区別して判断することができる。
【0076】
監視画面300に含まれる各表示部311,312,313,314,315,316,317,318は、ユーザである監視員による操作によって、監視画面300上において選択可能である。選択のための操作は、例えば、ユーザ端末30に接続されたマウスなどのポインティングディバイスによる、いずれかの表示部311,312,313,314,315,316,317,318のクリックである。
【0077】
いずれかの表示部311,312,313,314,315,316,317,318が選択されると、選択された表示部において表示されている値の詳細データが、監視画面300に表示される。詳細データは、例えば、時系列データである。表示部311,312,313,314,315,316,317,318に表示される値は、現在値であるが、その値の時系列データが表示されることで、監視員は、過去からの値の変化を把握できる。
【0078】
図8から図10は、図7に示す監視画面300上で過電流表示部314が選択された場合に表示される電流値時系列データ表示部331,332,333を示している。図8から図10に示す電流値時系列データ表示部331,332,333に表示されている各相の電流値131,132,133は、全て、電流値用閾値を下回っており、正常時のものである。図8に示すR相電流値時系列データ表示部331は、監視画面300中に表示され、R相電流値131の時系列データを示す。図9に示すS相電流値時系列データ表示部332は、監視画面300中に表示され、S相電流値132の時系列データを示す。図10に示すT相電流値時系列データ表示部333は、監視画面300中に表示され、T相電流値133の時系列データを示す。
【0079】
図11から図13は、図7に示す監視画面300上で欠相表示部318が選択された場合に表示される電流差分時系列データ表示部351,352,353を示している。図11から図13に示す電流差分時系列データ表示部351,352,353に表示されている電流差分は、下限閾値及び上限閾値で示される正常範囲内に収まっている。図11に示すR相とS相の第1電流差分時系列データ表示部351は、監視画面300中に表示され、R相とS相の第1電流差分の時系列データを示す。図12に示すR相とT相との第2電流差分時系列データ表示部352は、監視画面300中に表示され、R相とT相との第2電流差分の時系列データを示す。図13に示すS相とT相の第3電流差分時系列データ表示部353は、監視画面300中に表示され、S相とT相との第3電流差分の時系列データを示す。
【0080】
図14は、過電流表示部314に表示されているモータ電流値と、欠相表示部318に表示されている差分電流と、が異常である場合の監視画面300を示す。図14において、過電流表示部314及び欠相表示部318に施されたハッチングは、異常である場合の赤色表示を示す。
【0081】
過電流表示部314に表示されているモータ電流値が異常であっても、過電流は、機械的な過負荷によって生じる機械異常によって生じる場合と、コンバータ520の不具合などモータ回路510における電気異常によって生じる場合と、がある。したがって、監視画面300に過電流表示部314が表示されているだけでは、その過電流が、機械異常によるのか、電気異常によるのかは、わからない。しかし、本実施形態では、監視画面300に欠相表示部318が存在しており、欠相表示部318が、欠相による異常を示している。したがって、監視員は、過電流表示部314及び欠相表示部318から、異常が電気異常であることを判断することができる。ここでの電気異常としては、例えば、コンバータ520における各相のサイリスタ521,522,524,525,527,528におけるいずれかの相におけるサイリスタの故障又は接触不良が疑われる。
【0082】
図15から図17は、図14に示す監視画面300上で過電流表示部314が選択された場合に表示される電流値時系列データ表示部331,332,333を示している。図15及び図16に示す電流値時系列データ表示部331,332に表示されているR相及びS相の電流値131,132は、全て、電流値用閾値を下回っており、正常である。しかし、図17に示すT相電流値133は、電流値用閾値を上回っていることがあり、異常、すなわち過電流であることがわかる。
【0083】
図18から図20は、図14に示す監視画面300上で欠相表示部318が選択された場合に表示される電流差分時系列データ表示部351,352,353を示している。図18に示す第1電流差分時系列データ表示部351に表示されている第1電流差分は、下限閾値及び上限閾値で示される正常範囲に概ね収まっており、正常である。一方、図19に示す第2電流差分時系列データ表示部352に表示されている第2電流差分及び図20に示す第3電流差分時系列データ表示部353に表示されている第3電流差分は、下限閾値を下回っており、正常範囲外にあることがわかる。
【0084】
図15から図20の表示部331,332,333,351,352,353を参照した監視員は、R相とS相に欠相が生じて、T相が過電流になった電気異常が生じていると判断することができる。これは、T相電流値133が過電流であり、R相とS相の第1電流差分が小さく、かつ、R相とT相の第2電流差分及びS相とT相の第3電流差分が大きいためである。
【0085】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0086】
10 モータ監視装置、11 処理装置、12 メモリ、13 データベース、14 コンピュータプログラム、15 通信インタフェース、30 ユーザ端末、51 第1モータ設備、53 第2モータ設備、55 第3モータ設備、57 第4モータ設備、70 ネットワーク、90 センサデータ、95 判定結果、100 監視処理、130 第1センサデータ、131 R相電流値、132 S相電流値、133 T相電流値、135 第2センサデータ、136 第3センサデータ、137 第4センサデータ、138 第5センサデータ、139 第6センサデータ、150 センサデータ取得処理、160 判定処理、161A 電流値判定処理、161B 電流差分判定処理、162 振動判定処理、163 温度判定処理、164 音判定処理、165 電流判定処理、166 スイッチ接続判定処理、170 生成処理、180 監視画面出力処理、200 閾値調整処理、220 閾値データ、300 監視画面、300A 監視画面情報、301 第1モータ設備画面、302 第2モータ設備画面、303 第3モータ設備画面、304 第4モータ設備画面、311 振動表示部(第1表示部)、312 発熱表示部(第2表示部)、313 異音表示部(第1表示部;第2表示部)、314 過電流表示部(第1表示部;第2表示部)、315 振動表示部(第1表示部)、316 スイッチ表示部(第2表示部)、317 漏電表示部(第2表示部)、318 欠相表示部(第2表示部)、331 R相電流値時系列データ表示部、332 S相電流値時系列データ表示部、333 T相電流値時系列データ表示部、351 第1電流差分時系列データ表示部、352 第2電流差分時系列データ表示部、353 第3電流差分時系列データ表示部、501 多相交流電源、510 モータ回路、511 電流センサ(交流センサ)、512 振動センサ、513 温度センサ、514 音センサ、515 漏れ電流センサ、516 接点センサ、517 インダクタ、518 モータ、519 送信機、520 コンバータ、520A 一次側、520B 二次側、521 サイリスタ、522 サイリスタ、524 サイリスタ、525 サイリスタ、527 サイリスタ、528 サイリスタ。
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