(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-18
(54)【発明の名称】エレベータ停止装置及びエレベータ
(51)【国際特許分類】
B66B 5/22 20060101AFI20230511BHJP
【FI】
B66B5/22 Z
(21)【出願番号】P 2022037838
(22)【出願日】2022-03-11
【審査請求日】2022-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】片山 知
(72)【発明者】
【氏名】段 京虎
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/117088(WO,A1)
【文献】特開2015-009981(JP,A)
【文献】国際公開第2016/147686(WO,A1)
【文献】特開2021-181369(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース体と、
かごレールへ向かう方向への弾性復元力を前記ベース体に加える第1弾性体と、
前記ベース体と前記かごレールとの間に配置される楔ユニットと、
前記ベース体と前記楔ユニットとの間で転動する転動体と、を備え、
前記楔ユニットは、前記転動体と接する第1楔体と、前記かごレールに接する第2楔体と、前記第2楔体に下方への弾性復元力を加える第2弾性体と、を備え、
前記ベース体及び前記第1楔体のそれぞれは、前記転動体と接する転動面を備え、
前記ベース体の前記転動面及び前記第1楔体の前記転動面は、それぞれ上方へ行くにつれて前記かごレールへ近づくように、延び、
前記第1弾性体が前記ベース体に加える弾性復元力は、前記第2楔体が前記かごレールに接する状態で前記ベース体が前記かごレールから離れるにつれて、大きくなり、
前記第1楔体及び前記第2楔体のそれぞれは、互いにスライドし合うスライド面を備え、
前記第1楔体の前記スライド面及び前記第2楔体の前記スライド面の少なくとも一方は、上方へ行くにつれて前記かごレールから離れるように延びる傾斜面を備える、エレベータ停止装置で
あって、
前記第1楔体及び前記第2楔体のうち、一方の楔体は、本体部と、前記本体部から他方の楔体へ向けて突出し、幅が頂部へ向けて狭くなる突出部と、を備え、
前記一方の楔体の前記スライド面は、前記頂部で構成される、エレベータ停止装置。
【請求項2】
前記突出部は、上下方向へ延び、
前記一方の楔体の前記スライド面は、上下方向へ延びる、請求項
1に記載のエレベータ停止装置。
【請求項3】
前記第1楔体の前記スライド面及び前記第2楔体の前記スライド面の少なくとも一方は、前記傾斜面のみで構成され、
前記第2弾性体は、軸線方向に弾性変形する弦巻バネを備え、
前記弦巻バネの前記軸線方向は、前記傾斜面に対して平行である、請求項1
又は2のエレベータ停止装置。
【請求項4】
前記他方の楔体の前記スライド面は、第1領域と、前記第1領域に連接される第2領域と、を備え、
前記第2領域が上下方向に対して傾斜する角度は、前記第1領域が上下方向に対して傾斜する角度と、異なる、請求項
1に記載のエレベータ停止装置。
【請求項5】
請求項1~
4の何れか1項に記載のエレベータ停止装置を備える、エレベータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、エレベータ停止装置及びエレベータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、エレベータ停止装置は、ベース体と、かごレールへ向かう方向への弾性復元力をベース体に加える第1弾性体と、ベース体とかごレールとの間に配置される楔ユニットと、ベース体と楔ユニットとの間で転動する転動体とを備えている。楔ユニットは、転動体と接する第1楔体と、レールに接する第2楔体と、第1楔体と第2楔体との間で転動する転動体と、第2楔体に下方への弾性復元力を加える第2弾性体とを備えている(例えば、特許文献1及び2)。
【0003】
これにより、特許文献1及び2に係るエレベータ停止装置においては、エレベータ停止装置によるかごの減速度(マイナスの加速度)が大きくなることを抑制することができる。ところで、エレベータ停止装置によるかごの減速度が大きくなることを抑制するために、特許文献1及び2に係る構成と異なる機構を用いることが要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-192184号公報
【文献】国際公開第2019/069453号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、課題は、かごの減速度が大きくなることを抑制することができるエレベータ停止装置及びエレベータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
エレベータ停止装置は、ベース体と、かごレールへ向かう方向への弾性復元力を前記ベース体に加える第1弾性体と、前記ベース体と前記かごレールとの間に配置される楔ユニットと、前記ベース体と前記楔ユニットとの間で転動する転動体と、を備え、前記楔ユニットは、前記転動体と接する第1楔体と、前記かごレールに接する第2楔体と、前記第2楔体に下方への弾性復元力を加える第2弾性体と、を備え、前記ベース体及び前記第1楔体のそれぞれは、前記転動体と接する転動面を備え、前記ベース体の前記転動面及び前記第1楔体の前記転動面は、それぞれ上方へ行くにつれて前記かごレールへ近づくように、延び、前記第1弾性体が前記ベース体に加える弾性復元力は、前記第2楔体が前記かごレールに接する状態で前記ベース体が前記かごレールから離れるにつれて、大きくなり、前記第1楔体及び前記第2楔体のそれぞれは、互いにスライドし合うスライド面を備え、前記第1楔体の前記スライド面及び前記第2楔体の前記スライド面の少なくとも一方は、上方へ行くにつれて前記かごレールから離れるように延びる傾斜面を備える。
【0007】
エレベータは、前記のエレベータ停止装置を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】同実施形態に係るエレベータの要部図(
図2(a):エレベータ停止装置の動作前の図、
図2(b):エレベータ停止装置の動作後の図)
【
図3】同実施形態に係るエレベータ停止装置の正面図
【
図7】
図6の状態から、ベース体が第1楔体に対して下方へ移動した図
【
図8】
図7の状態から、第2楔体が第1楔体に対して上方へ移動した図
【
図9】同実施形態に係るエレベータ停止装置の時間と減速度との関係を示す図
【
図10】他の実施形態に係るエレベータ停止装置の要部正面図
【
図11】
図10の状態から、ベース体が第1楔体に対して下方へ移動した図
【
図12】
図11の状態から、第2楔体が第1楔体に対して上方へ移動した図
【
図13】さらに他の実施形態に係るエレベータ停止装置の平面図
【
図14】さらに他の実施形態に係るエレベータ停止装置の正面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
各図面において、構成要素の寸法は、例えば、理解を容易にするために、実際の寸法に対して拡大、縮小して示す場合があり、また、各図面の間での寸法比は、一致していない場合がある。なお、各図面において、例えば、理解を容易にするために、構成要素の一部を省略して示す場合がある。
【0010】
第1、第2等の序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、構成要素は、この用語によって特に限定されるものではない。なお、序数を含む構成要素の個数は、特に限定されず、例えば、一つでもよい場合がある。また、以下の明細書で用いられる序数は、特許請求の範囲に記載された序数と異なる場合がある。
【0011】
以下、エレベータ及びエレベータ停止装置における一実施形態について、
図1~
図9を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態の構成は、エレベータ及びエレベータ停止装置の構成等の理解を助けるために例示するものであり、エレベータ及びエレベータ停止装置の構成を限定するものではない。
【0012】
図1に示すように、エレベータ1は、例えば、本実施形態のように、人が乗るためのかご2と、かご2を走行させるかご駆動部3と、かご2を案内するかごレール4と、かご2の走行速度を検出する調速機5と、エレベータ1の各部を制御する制御装置1aとを備えていてもよい。
【0013】
なお、かご駆動部3の駆動方式は、特に限定されない。例えば、本実施形態のように、エレベータ1は、第1端部がかご2に接続されるかごロープ6と、かごロープ6の第2端部に接続される釣合錘7と、釣合錘7を案内する錘レール8とを備え、かご駆動部3は、かごロープ6が巻き掛けられる綱車3aと、綱車3aを回転させる駆動源3b(例えば、モータ)とを備えている、という構成でもよい。
【0014】
即ち、かご駆動部3は、巻上機であって、エレベータ1は、ロープ式の駆動方式である、という構成でもよい。また、例えば、かご駆動部3は、油圧装置であり、エレベータ1は、油圧式の駆動方式である、という構成でもよい。また、例えば、かご駆動部3は、リニアモータであって、エレベータ1は、リニアモータ式の駆動方式である、という構成でもよい。
【0015】
本実施形態においては、かごロープ6の第1端部がかご2に固定され、かごロープ6の第2端部が釣合錘7に固定されている、という構成であるが、斯かる構成に限られない。例えば、かごロープ6の両端部がそれぞれ昇降路X1の上部又は下部に固定され、かごロープ6がかご2のシーブ及び釣合錘7のシーブにそれぞれ巻き掛けられることによって、かごロープ6がかご2及び釣合錘7にそれぞれ接続されている、という構成でもよい。
【0016】
また、本実施形態に係るエレベータ1は、かご駆動部3である巻上機を機械室X2の内部に配置する、という構成であるが、斯かる構成に限られない。例えば、機械室X2が備えられておらず、エレベータ1は、巻上機を昇降路X1の内部に配置する、という構成でもよい。
【0017】
なお、各図において、第1方向D1は、第1横方向D1であり、例えば、人がかご2に出入りするために進む出入方向であり、第2方向D2は、第1横方向D1と直交する横方向である第2横方向D2であり、第3方向D3は、各横方向D1,D2とそれぞれ直交する上下方向D3であり、かご2及び釣合錘7が昇降する昇降方向である。
【0018】
調速機5は、例えば、本実施形態のように、かご2に接続される無端環状のガバナロープ5aと、かご2の速度を検出するために、ガバナロープ5aが巻き掛けられるガバナ車5bと、ガバナロープ5aに張力を付与するために、ガバナロープ5aに吊り下げられる張り車5cと、ガバナロープ5aを把持する把持部5dとを備えていてもよい。これにより、調速機5は、ガバナ車5bの回転速度に基づいて、かご2の走行速度を検出する。
【0019】
また、エレベータ1は、例えば、本実施形態のように、かごレール4にかご2を停止させるエレベータ停止装置(以下、単に「停止装置」ともいう)9と、調速機5の動作を停止装置9に伝達する伝達部10とを備えていてもよい。かご2は、例えば、本実施形態のように、人が乗るかご室2aと、かご室2aに固定されるかご枠2bとを備えていてもよい。
【0020】
図2に示すように、伝達部10は、例えば、かご枠2bに接続されるリンク機構10aと、リンク機構10aと停止装置9とを接続する第1可動部10bと、リンク機構10aとガバナロープ5aとを接続する第2可動部10cと、リンク機構10aに力を加える加力部10dとを備えていてもよい。なお、特に限定されないが、加力部10dは、例えば、本実施形態のように、リンク機構10aに弾性復元力を加える弾性材(例えば、弦巻バネ)としてもよい。
【0021】
これにより、例えば、かご2の走行速度が設定速度未満である場合に、
図2(a)に示すように、加力部10dがリンク機構10aに力を加えることによって、第1可動部10bは、かご2に対して待機位置に位置している。そして、例えば、かご2の走行速度が設定速度以上である場合に、把持部5dがガバナロープ5aを把持し、ガバナロープ5aの走行が停止する。
【0022】
これにより、第2可動部10cが停止するため、
図2(b)に示すように、かご2は、第1可動部10b及び第2可動部10cに対して下方へ移動する。換言すると、第1可動部10bは、かご2に対して、待機位置から上方の停止位置へ向けて、上方へ移動する。
【0023】
図3~
図5に示すように、停止装置9は、例えば、ベース体11と、かごレール4へ向かう方向への弾性復元力をベース体11に加える第1弾性体12と、ベース体11とかごレール4との間に配置される楔ユニット13と、ベース体11と楔ユニット13との間で転動する転動体14とを備えていてもよい。
【0024】
楔ユニット13は、例えば、本実施形態のように、転動体14と接する第1楔体15と、かごレール4に接する第2楔体16と、第2楔体16に下方への弾性復元力を加える第2弾性体17と、第1楔体15に固定され、第2楔体16を案内する第1案内部18とを備えていてもよい。なお、第1楔体15は、例えば、本実施形態のように、第1可動部10bに接続されていてもよい。
【0025】
例えば、本実施形態のように、第2楔体16に外力(例えば、かごレール4間の摩擦力)が加えられていないときには、第2弾性体17の弾性復元力によって、第2楔体16は、基準位置(
図3参照)に位置していてもよい。これにより、第2弾性体17の弾性復元力よりも大きい力が第2楔体16に加えられることによって、第2楔体16は、第1楔体15に対して基準位置から上方へ移動可能である。
【0026】
また、停止装置9は、例えば、本実施形態のように、ベース体11に固定されて且つ第1楔体15を案内する第2案内部19と、かご枠2bに固定されて且つベース体11を案内する第3案内部20とを備えていてもよい。なお、
図3においては、一方(右方)の第1案内部18と一方(右方)の第2案内部19とは、それぞれ図示されていない。
【0027】
第3案内部20は、例えば、本実施形態のように、ベース体11の上部を案内する上案内部20aと、ベース体11の下部を案内する下案内部20bとを備えていてもよい。これにより、ベース体11は、第3案内部20に案内されることによって、かごレール4に近づく方向及び離れる方向へ移動する。
【0028】
なお、例えば、本実施形態のように、第1弾性体12がベース体11に加える弾性復元力は、第2楔体16がかごレール4に接した状態でベース体11がかごレール4から離れるにつれて、大きくなってもよい。換言すると、第1弾性体12がベース体11に加える弾性復元力は、第2楔体16がかごレール4に接した状態でベース体11がかごレール4へ近づくにつれて、小さくなってもよい。特に限定されないが、第1弾性体12は、例えば、本実施形態のように、U字状に形成されるバネとしてもよい。
【0029】
そして、例えば、本実施形態のように、第1楔体15は、転動体14と接する第1転動面15aを備え、ベース体11は、転動体14と接する第2転動面11aを備え、転動体14は、上下方向D3へ複数並べられている、という構成でもよい。特に限定されないが、転動体14は、例えば、本実施形態のように、第2横方向D2を軸として転動するローラとしてもよい。
【0030】
第1転動面15a及び第2転動面11aは、例えば、本実施形態のように、それぞれ上方へ行くにつれてかごレール4へ近づくように、延びていてもよい。これにより、第1転動面15a及び第2転動面11aは、上下方向D3に対して傾斜して配置されている。特に限定されないが、第1転動面15a及び第2転動面11aは、例えば、本実施形態のように、それぞれ平面状に形成されており、互いに平行となるように配置されていてもよい。
【0031】
第1楔体15及び第2楔体16のそれぞれは、例えば、本実施形態のように、互いにスライドし合うスライド面15b,16aを備えていてもよい。これにより、第1楔体15と第2楔体16とは、例えば、互いの間に転動体(例えば、ローラ)を配置しておらず、互いのスライド面15b,16aで直接に接し合っている。
【0032】
なお、「スライド」とは、面同士が直接に接して滑ることをいい、例えば、転動体(例えば、ローラ)が面の上を転がることを含まない。即ち、第1スライド面15bは、第1楔体15における位置が固定されている面(動かない面)であり、第2スライド面16aは、第2楔体16における位置が固定されている面(動かない面)である。
【0033】
第1スライド面15b及び第2スライド面16aは、例えば、本実施形態のように、それぞれ上方へ行くにつれてかごレール4から離れるように延びる傾斜面15c,16cを備えていてもよい。なお、特に限定されないが、第1スライド面15b及び第2スライド面16aは、例えば、本実施形態のように、それぞれ傾斜面15c,16cのみで構成されていてもよい。
【0034】
また、第1楔体15は、例えば、本実施形態のように、本体部15dと、本体部15dから第2楔体16へ向けて突出し、幅が頂部へ向けて狭くなる突出部15eとを備えていてもよい。これにより、第1スライド面15bは、突出部15eの頂部で構成されている。
【0035】
したがって、両スライド面15b,16a間の接触面積が、小さくなるため、両スライド面15b,16a間に生じる摩擦力は、小さくなる。その結果、例えば、第2楔体16は、第1楔体15に対して上方へ円滑に移動できる。なお、第2スライド面16aは、例えば、本実施形態のように、第2横方向D2の幅が第1スライド面15bの第2横方向D2の幅よりも広い平面で形成されていてもよい。
【0036】
そして、突出部15eは、例えば、本実施形態のように、上下方向D3へ延びていてもよい。具体的には、突出部15eは、例えば、第2楔体16が第1楔体15に対して移動する方向へ、延びていてもよい。これにより、第1スライド面15bが、上下方向D3へ延びているため、第2楔体16は、第1楔体15に対して、第1スライド面15bが延びる方向へ、移動する。したがって、例えば、第2楔体16は、第1楔体15に対して円滑に移動できる。
【0037】
第2楔体16は、例えば、本実施形態のように、かごレール4と接する制動面16bを備えていてもよい。制動面16bは、例えば、本実施形態のように、平面状に形成され、上下方向D3に対して平行に配置されていてもよい。
【0038】
第2弾性体17は、例えば、本実施形態のように、第1楔体15及び第2楔体16間に配置される弦巻バネ17aを備えていてもよい。そして、例えば、本実施形態のように、弦巻バネ17aは、軸線方向17bに弾性変形し、弦巻バネ17aの軸線方向17bは、傾斜面15c,16cと平行になるように、配置されていてもよい。
【0039】
これにより、第2楔体16が第1楔体15に対して上方へ移動した場合に、弦巻バネ17aは、軸線方向17bへ弾性変形する。したがって、弦巻バネ17aが第2楔体16に加える弾性復元力の方向は、第2楔体16が第1楔体15に対して移動する方向と、平行となる。その結果、例えば、第2楔体16は、第1楔体15に対して円滑に移動できる。
【0040】
また、第2弾性体17は、例えば、本実施形態のように、弦巻バネ17aのみで構成されていてもよい。これにより、第2弾性体17の弾性変形量に拘らず、第2弾性体17のバネ定数が一定となるため、第2弾性体17の弾性変形量と第2弾性体17の弾性復元力とは、正比例する。
【0041】
本実施形態に係るエレベータ1の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係る停止装置9の動作について、
図6~
図9を参照しながら説明する。なお、停止装置9の動作は、以下の動作に限定されない。また、
図6~
図8(
図10~
図12、
図13(a)、14(a)、及び
図16も同様)においては、第1案内部18及び第2案内部19は、それぞれ図示されていない。
【0042】
図6(
図2(a)も参照)に示すように、第1可動部10bが待機位置に位置している状態から、かご2が第1可動部10bに対して下方へ移動することによって(
図2(b)参照)、
図7に示すように、かご2及びベース体11は、第1楔体15に対して、下方へ移動する。そして、各転動面11a,15aが上方へ行くにつれてかごレール4へ近づくように延びているため、楔ユニット13は、かごレール4に近づくことになる。
【0043】
これにより、第2楔体16が、かごレール4に接するため、かご2の下方への速度は、所定の減速度で減速される。このとき、制動面16b及びかごレール4間に生ずる摩擦力が小さいため、両スライド面15b,16aが接し合った状態で維持され、第2楔体16は、第1楔体15に対して移動せず、基準位置に位置している。
【0044】
そして、かご2及びベース体11が第1楔体15に対して下方へ移動することによって、ベース体11がかごレール4から離れるように移動するため、第1弾性体12がベース体11等を介して第2楔体16に加える弾性復元力は、大きくなる。これにより、制動面16b及びかごレール4間に生ずる摩擦力が大きくなるため、かご2の下方への減速度は、大きくなる。
【0045】
その後、制動面16b及びかごレール4間に生ずる摩擦力が、大きくなることによって、
図8に示すように、第2楔体16は、かごレール4に接しながら、第1楔体15に対して上方へ移動する。このとき、両スライド面15b,16aが互いにスライドし合うため、両スライド面15b,16a間に生じる摩擦力は、静止摩擦力から動摩擦力へと不連続に小さくなる。
【0046】
これにより、両スライド面15b,16a間に生じる摩擦力が、急に小さくなるため、第2楔体16は、各力(例えば、両スライド面15b,16a間の摩擦力、制動面16b及びかごレール4間の摩擦力、第2弾性体17の弾性復元力)が釣り合う位置まで、第1楔体15に対して上方へ一気に移動する。そして、スライド面15b,16aが傾斜面15c,16cを備えているため、第1楔体15及びベース体11は、かごレール4に近づくように一気に移動する。
【0047】
これにより、第1弾性体12がベース体11等を介して第2楔体16に加える弾性復元力は、急に小さくなる。したがって、第2楔体16及びかごレール4間に生じる摩擦力が、急に小さくなるため、かご2の下方への減速度の増加を効果的に抑制することができる。
【0048】
そして、特に限定されないが、例えば、
図9に示すように、かご2の減速が開始され、その後に、両スライド面15b,16a同士がスライドを開始したときに、かご2の減速度は、減少してもよい。これにより、かご2の下方への減速度が大きくなることを抑制することができるため、かご2の下方への最大減速度が大きくなることを抑制することができる。
【0049】
以上より、本実施形態に係るエレベータ1は、前記のエレベータ停止装置9を備える。
【0050】
そして、本実施形態のように、エレベータ停止装置9は、ベース体11と、かごレール4へ向かう方向への弾性復元力を前記ベース体11に加える第1弾性体12と、前記ベース体11と前記かごレール4との間に配置される楔ユニット13と、前記ベース体11と前記楔ユニット13との間で転動する転動体14と、を備え、前記楔ユニット13は、前記転動体14と接する第1楔体15と、前記かごレール4に接する第2楔体16と、前記第2楔体16に下方への弾性復元力を加える第2弾性体17と、を備え、前記ベース体11及び前記第1楔体15のそれぞれは、前記転動体14と接する転動面11a,15aを備え、前記ベース体11の前記転動面11a及び前記第1楔体15の前記転動面15aは、それぞれ上方へ行くにつれて前記かごレール4へ近づくように、延び、前記第1弾性体12が前記ベース体11に加える弾性復元力は、前記第2楔体16が前記かごレール4に接する状態で前記ベース体11が前記かごレール4から離れるにつれて、大きくなり、前記第1楔体15及び前記第2楔体16のそれぞれは、互いにスライドし合うスライド面15b,16aを備え、前記第1楔体15の前記スライド面15b及び前記第2楔体16の前記スライド面16aの少なくとも一方(本実施形態には、両方のスライド面)15b,16aは、上方へ行くにつれて前記かごレール4から離れるように延びる傾斜面15c,16cを備える、という構成が好ましい。
【0051】
斯かる構成によれば、第1楔体15のスライド面15b及び第2楔体16のスライド面16aが接し合うことによって、両スライド面15b,16a間に静止摩擦力が生じる。そして、ベース体11が第1楔体15に対して下方へ移動することによって、第1弾性体12から第2楔体16に加えられる弾性復元力が、大きくなるため、かごレール4及び第2楔体16間の摩擦力が、大きくなる。
【0052】
これにより、両スライド面15b,16aが互いにスライドし合いながら、第2楔体16は、第1楔体15に対して上方へ移動する。このとき、両スライド面15b,16a間に生じる摩擦力が、静止摩擦力から動摩擦力へと不連続に小さくなるため、第2楔体16は、各力が釣り合う位置まで、第1楔体15に対して上方へ一気に移動する。
【0053】
そして、少なくとも一方のスライド面15b,16aが傾斜面15c,16cを備えているため、第1楔体15及びベース体11は、かごレール4に近づくように一気に移動する。これにより、第1弾性体12がベース体11等を介して第2楔体16に加える弾性復元力は、急に小さくなる。したがって、第2楔体16及びかごレール4間に生じる摩擦力が急に小さくなるため、かご2の減速度が大きくなることを抑制することができる。
【0054】
また、本実施形態のように、エレベータ停止装置9においては、前記第1楔体15及び前記第2楔体16のうち、一方の楔体(本実施形態においては、第1楔体)15は、本体部15dと、前記本体部15dから他方の楔体(本実施形態においては、第2楔体)16へ向けて突出し、幅が頂部へ向けて狭くなる突出部15eと、を備え、前記一方の楔体15の前記スライド面15bは、前記突出部15eの前記頂部で構成される、という構成が好ましい。
【0055】
斯かる構成によれば、突出部15eの幅が、頂部へ向けて狭くなっており、一方の楔体15のスライド面15bが、突出部15eの頂部で構成されているため、両スライド面15b,16a間の接触面積を小さくすることができる。これにより、両スライド面15b,16a間に生じる摩擦力を小さくすることができる。
【0056】
また、本実施形態のように、エレベータ停止装置9においては、前記突出部15eは、上下方向D3へ延び、前記一方の楔体(本実施形態においては、第1楔体15)の前記スライド面15bは、上下方向D3へ延びる、という構成が好ましい。
【0057】
斯かる構成によれば、一方の楔体15のスライド面15bが、上下方向D3へ延びているため、第2楔体16は、第1楔体15に対して、スライド面15bが延びる方向へ、移動する。
【0058】
また、本実施形態のように、エレベータ停止装置9においては、前記第1楔体15の前記スライド面15b及び前記第2楔体16の前記スライド面16aの少なくとも一方(本実施形態においては、両方のスライド面)15b,16aは、前記傾斜面15c,16cのみで構成され、前記第2弾性体17は、軸線方向17bに弾性変形する弦巻バネ17aを備え、前記弦巻バネ17aの前記軸線方向17bは、前記傾斜面15c,16cに対して平行である、という構成が好ましい。
【0059】
斯かる構成によれば、少なくとも一方のスライド面15b,16aが、傾斜面15c,16cのみで構成されているため、第2楔体16が第1楔体15に対して傾斜面15c,16cと平行な方向へ移動する。そして、弦巻バネ17aの軸線方向17bが、傾斜面15c,16cと平行であるため、弦巻バネ17aは、軸線方向17bへ弾性変形する。これにより、弦巻バネ17aが第2楔体16に加える弾性復元力の方向は、第2楔体16が第1楔体15に対して移動する方向と、平行となる。
【0060】
なお、エレベータ1及びエレベータ停止装置9は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、エレベータ1及びエレベータ停止装置9は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0061】
(1)上記実施形態に係るエレベータ停止装置9においては、第1スライド面15bは、突出部15eの頂部で構成され、第2スライド面16aは、第1スライド面15bよりも第2横方向D2で幅広な平面で形成されている、という構成である。しかしながら、エレベータ停止装置9は、斯かる構成に限られない。
【0062】
例えば、第2スライド面16aは、突出部の頂部で構成され、第1スライド面15bは、第2スライド面16aよりも第2横方向D2で幅広な平面で形成されている、という構成でもよい。また、例えば、第1スライド面15b及び第2スライド面16aは、互いに第2横方向D2の幅が同じである平面で形成されている、という構成でもよい。
【0063】
(2)また、上記実施形態に係るエレベータ停止装置9においては、突出部15e及び第1スライド面15bは、上下方向D3へ延びている、という構成である。しかしながら、エレベータ停止装置9は、斯かる構成に限られない。
【0064】
例えば、突出部15eは、半球状に形成されており、第1スライド面15bは、突出部15eの頂部で構成されている、という構成でもよい。また、例えば、
図10~
図12に示すように、突出部15e及び第1スライド面15bは、第2横方向D2へ、延びている、という構成でもよい。
【0065】
(3)また、上記実施形態に係るエレベータ停止装置9においては、第1スライド面15b及び第2スライド面16aの両方は、傾斜面15c,16cのみで構成されている、という構成である。しかしながら、エレベータ停止装置9は、斯かる構成に限られない。
【0066】
例えば、第1スライド面15bは、傾斜面15cを備えており、第2スライド面16aは、傾斜面16cを備えていない、という構成でもよい。また、例えば、
図10~
図12に示すように、第1スライド面15bは、傾斜面15cを備えておらず、第2スライド面16aは、傾斜面16cを備えている、という構成でもよい。
【0067】
(3-1)ここで、
図10~
図12のエレベータ停止装置9の構成について、以下に説明する。
【0068】
図10に示すように、例えば、前記第2領域16eが上下方向D3に対して傾斜する角度は、第1領域16dが上下方向D3に対して傾斜する角度よりも、大きくなっていてもよい。具体的には、
図10に示すように、第1領域16dは、上下方向D3に対して平行な方向に延びる平面であり、第2領域16eは、上方へ行くにつれてかごレール4から離れるように延びる傾斜面16cである、という構成でもよい。
【0069】
次に、
図10~
図12のエレベータ停止装置9の動作について、以下に説明する。
【0070】
図10に示すように、第1可動部10bが待機位置に位置している状態から、かご2が第1可動部10bに対して下方へ移動することによって、
図11に示すように、かご2及びベース体11は、第1楔体15に対して、下方へ移動する。なお、第2楔体16が基準位置に位置しているときには、第1スライド面15bは、第2スライド面16aの第1領域16dと接している。
【0071】
その後、
図12に示すように、第2楔体16がかごレール4に接しつつ、両スライド面15b,16aが互いにスライドし合いながら、第2楔体16は、第1楔体15に対して上方へ移動する。このとき、第1スライド面15bは、第1領域16dとスライドし合い、その後、第2領域16eとスライドし合う。
【0072】
ところで、第1スライド面15bが第1領域16dとスライドし合うときには、第1楔体15及びベース体11は、第1領域16dと平行な方向、即ち、上下方向D3と平行な方向へ移動する。これにより、第1弾性体12がベース体11等を介して第2楔体16に加える弾性復元力は、変化しない。
【0073】
一方で、第1スライド面15bが第2領域16eとスライドし合うときには、第1楔体15及びベース体11は、第2領域16eと平行な方向、即ち、かごレール4に近づくように移動する。これにより、第1弾性体12がベース体11等を介して第2楔体16に加える弾性復元力は、小さくなる。
【0074】
これにより、第1楔体15に対する第2楔体16の移動量に対して、第1弾性体12が第2楔体16に加える弾性復元力の変化量の比率は、変化する。したがって、例えば、上下方向D3に対する第1領域16d及び第2領域16eの傾斜角度を適切に設計することによって、かご2の減速度を所望の値に変化させることができる。
【0075】
このように、エレベータ停止装置9においては、
図10~
図12に示すように、前記他方の楔体(
図10~
図12においては、第2楔体)16の前記スライド面16aは、第1領域16dと、前記第1領域16dに連接される第2領域16eと、を備え、前記第2領域16eが上下方向D3に対して傾斜する角度は、前記第1領域16dが上下方向D3に対して傾斜する角度と、異なる、という構成でもよい。
【0076】
斯かる構成によれば、第2領域16eが上下方向D3に対して傾斜する角度が、第1領域16dが上下方向D3に対して傾斜する角度と、異なるため、第1楔体15に対する第2楔体16の移動方向は、変化する。これにより、第1楔体15に対する第2楔体16の移動量に対して、第1弾性体12が第2楔体16に加える弾性復元力の変化量の比率は、変化する。
【0077】
(3-2)なお、
図10~
図12のエレベータ停止装置9においては、第2領域16eが上下方向D3に対して傾斜する角度は、第1領域16dが上下方向D3に対して傾斜する角度よりも、大きい、という構成である。しかしながら、エレベータ停止装置9は、斯かる構成に限られない。例えば、第2領域16eが上下方向D3に対して傾斜する角度は、第1領域16dが上下方向D3に対して傾斜する角度よりも、小さい、という構成でもよい。
【0078】
(4)また、上記実施形態に係るエレベータ停止装置9においては、第1弾性体12は、U字状に形成されるバネであって、ベース体11に連結されている、という構成である。しかしながら、エレベータ停止装置9は、斯かる構成に限られない。例えば、
図13に示すように、エレベータ停止装置9は、軸部21aを中心に回動可能な回動体21を備え、回動体21の第1端部21bは、ベース体11に連結され、回動体21の第2端部21cは、第1弾性体12に連結されている、という構成でもよい。
【0079】
(5)また、上記実施形態に係るエレベータ停止装置9においては、ベース体11及び楔ユニット13は、かごレール4を第1横方向D1で挟むように一対備えられている、という構成である。しかしながら、エレベータ停止装置9は、斯かる構成に限られない。例えば、
図14に示すように、ベース体11及び楔ユニット13は、かごレール4の一方側(
図14においては、右側)のみに、一つ備えられている、という構成でもよい。
【0080】
(6)また、上記実施形態に係るエレベータ停止装置9においては、第2弾性体17の弦巻バネ17aが第2楔体16よりも上方に配置され、第2楔体16が第1楔体15に対して上方へ移動することに伴って、弦巻バネ17aが収縮する弾性変形をすることによって、弦巻バネ17aは、第2楔体16に下方への弾性復元力を加える、という構成である。しかしながら、エレベータ停止装置9は、斯かる構成に限られない。
【0081】
例えば、第2弾性体17の弦巻バネ17aが第2楔体16よりも下方に配置され、第2楔体16が第1楔体15に対して上方へ移動することに伴って、弦巻バネ17aが伸長する弾性変形をすることによって、弦巻バネ17aは、第2楔体16に下方への弾性復元力を加える、という構成でもよい。
【0082】
(7)また、上記実施形態に係るエレベータ停止装置9においては、第2弾性体17は、弦巻バネ17aを備え、弦巻バネ17aの軸線方向17bは、第2楔体16が第1楔体15に対して移動する方向と、平行である、という構成である。しかしながら、エレベータ停止装置9は、斯かる構成に限られない。
【0083】
例えば、第2弾性体17は、板バネ、皿バネ、ゴム等を備えていてもよく、弦巻バネ17a、板バネ、板バネ、ゴム等のうち、複数を備えていてもよい。また、例えば、弦巻バネ17aの軸線方向17bは、第2楔体16が第1楔体15に対して移動する方向に、傾斜する方向でもよい。
【0084】
(8)また、上記実施形態に係るエレベータ停止装置9においては、第1スライド面15b及び第2スライド面16aは、第2楔体16が第1楔体15に対して移動しても、互いの間の接触面積が一定(不変)であるように、形成されている、という構成である。しかしながら、エレベータ停止装置9は、斯かる構成に限られない。
【0085】
例えば、第1スライド面15b及び第2スライド面16aは、第2楔体16が第1楔体15に対して移動することに伴って、互いの間の接触面積が変化するように、形成されている、という構成でもよい。一例として、第1スライド面15b及び第2スライド面16aの少なくとも一方は、第2横方向D2の幅が上下方向D3で変化するように、形成されていてもよい。
【0086】
これにより、第2楔体16が第1楔体15に対して上方へ移動することによって、両スライド面15b,16a間に生ずる摩擦力は、変化する。したがって、例えば、両スライド面15b,16a間の接触面積を適切に設計することによって、かご2の減速度を所望の値に変化させることができる。
【0087】
なお、例えば、第2楔体16が第1楔体15に対して上方へ移動することによって、両スライド面15b,16a間の接触面積は、小さくなる、という構成でもよい。これにより、第2楔体16が第1楔体15に対して上方へ移動することに伴って、両スライド面15b,16a間に生ずる摩擦力は、小さくなる。
【0088】
また、例えば、第2楔体16が第1楔体15に対して上方へ移動することによって、両スライド面15b,16a間の接触面積は、大きくなる、という構成でもよい。これにより、第2楔体16が第1楔体15に対して上方へ移動することに伴って、両スライド面15b,16a間に生ずる摩擦力は、大きくなる。
【0089】
(9)また、上記実施形態に係るエレベータ停止装置9においては、調速機5がガバナロープ5aを備えており、把持部5dがガバナロープ5aを把持することによって、かご2は、第1可動部10bに対して下方へ移動する、という構成である。しかしながら、エレベータ停止装置9は、斯かる構成に限られない。
【0090】
例えば、調速機5は、ガバナロープ5aを備えておらず、ガバナ車5bがかごレール4に接することによって、ガバナ車5bは、かご2の走行に伴って回転する、という構成でもよい。そして、かご2の走行速度が設定速度以上である場合に、例えば、第1可動部10bに力が加えられることによって、第1可動部10bは、かご2に対して上方へ移動する、という構成でもよい。
【符号の説明】
【0091】
1…エレベータ、1a…制御装置、2…かご、2a…かご室、2b…かご枠、3…かご駆動部、3a…綱車、3b…駆動源、4…かごレール、5…調速機、5a…ガバナロープ、5b…ガバナ車、5c…張り車、5d…把持部、6…かごロープ、7…釣合錘、8…錘レール、9…エレベータ停止装置、10…伝達部、10a…リンク機構、10b…第1可動部、10c…第2可動部、10d…加力部、11…ベース体、11a…第2転動面、12…第1弾性体、13…楔ユニット、14…転動体、15…第1楔体、15a…第1転動面、15b…第1スライド面、15c…傾斜面、15d…本体部、15e…突出部、16…第2楔体、16a…第2スライド面、16b…制動面、16c…傾斜面、16d…第1領域、16e…第2領域、17…第2弾性体、17a…弦巻バネ、17b…軸線方向、18…第1案内部、19…第2案内部、20…第3案内部、20a…上案内部、20b…下案内部、21…回動体、21a…軸部、21b…第1端部、21c…第2端部、D1…第1横方向、D2…第2横方向、D3…上下方向、X1…昇降路、X2…機械室
【要約】
【課題】 かごの減速度が大きくなることを抑制することができるエレベータ停止装置を提供する。
【解決手段】 エレベータ停止装置においては、ベース体及び第1楔体のそれぞれは、転動体と接する転動面を備え、ベース体の転動面及び第1楔体の転動面は、それぞれ上方へ行くにつれてかごレールへ近づくように、延び、第1弾性体がベース体に加える弾性復元力は、第2楔体がかごレールに接する状態でベース体がかごレールから離れるにつれて、大きくなり、第1楔体及び第2楔体のそれぞれは、互いにスライドし合うスライド面を備え、第1楔体のスライド面及び第2楔体のスライド面の少なくとも一方は、上方へ行くにつれてかごレールから離れるように延びる傾斜面を備える。
【選択図】
図3