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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-18
(54)【発明の名称】パチンコ遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20230511BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018225698
(22)【出願日】2018-11-30
(65)【公開番号】P2020081753
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 嵩登
【審査官】大浜 康夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-117514(JP,A)
【文献】特開2018-043105(JP,A)
【文献】特開2012-166048(JP,A)
【文献】特開2015-231541(JP,A)
【文献】特開2015-023935(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下する遊技領域と、
前記遊技領域に設けられており、遊技球が入球可能な第1入球口および第2入球口と、
遊技球が前記第1入球口に入球したことに基づいて数値情報を取得する第1数値情報取得手段と、
遊技球が前記第2入球口に入球したことに基づいて数値情報を取得する第2数値情報取得手段と、
前記第1数値情報取得手段が取得した数値情報に基づいて当たりか否かの当否判定を行う第1当否判定手段と、
前記第2数値情報取得手段が取得した数値情報に基づいて当たりか否かの当否判定を行う第2当否判定手段と、
第1識別図柄を変動表示した後に前記第1当否判定手段の当否判定結果を示す第1識別図柄を停止表示する第1識別図柄表示手段と、
第2識別図柄を変動表示した後に前記第2当否判定手段の当否判定結果を示す第2識別図柄を停止表示する第2識別図柄表示手段と、
前記第2識別図柄表示手段が前記第2識別図柄を変動表示しているときに前記第2数値情報取得手段が取得した数値情報を記憶する記憶領域を複数有する第3数値情報記憶手段と、を備えるパチンコ遊技機であって、
前記第1識別図柄または前記第2識別図柄の変動表示に応じて動作可能な可動体と、
前記第2当否判定手段が当否判定を行う前に、前記第3数値情報記憶手段に記憶されている数値情報に基づいて当たりか否かの当否判定を行う事前判定手段と、
前記可動体の動作パターンを制御し、かつ、前記事前判定手段の前記当否判定の結果に基づいて前記動作パターンを決定可能な可動体制御手段と、を備え、
前記可動体制御手段は、
前記可動体を動作中に一旦停止させるとともに、
前記事前判定手段の前記当否判定の結果が当たりであった場合は、相対的に高い確率にて、前記一旦停止する前の動作パターンとは異なる動作パターンに従って前記可動体の動作を再開させる一方、
前記事前判定手段の前記当否判定の結果が当たりではなかった場合は、相対的に高い確率にて、前記一旦停止する前の動作パターンと同じ動作パターンに従って前記可動体の動作を再開させることを特徴とするパチンコ遊技機。
【請求項2】
遊技球が流下する遊技領域と、
前記遊技領域に設けられており、遊技球が入球可能な第1入球口および第2入球口と、
遊技球が前記第1入球口に入球したことに基づいて数値情報を取得する第1数値情報取得手段と、
遊技球が前記第2入球口に入球したことに基づいて数値情報を取得する第2数値情報取得手段と、
前記第1数値情報取得手段が取得した数値情報に基づいて当たりか否かの当否判定を行う第1当否判定手段と、
前記第2数値情報取得手段が取得した数値情報に基づいて当たりか否かの当否判定を行う第2当否判定手段と、
第1識別図柄を変動表示した後に前記第1当否判定手段の当否判定結果を示す第1識別図柄を停止表示する第1識別図柄表示手段と、
第2識別図柄を変動表示した後に前記第2当否判定手段の当否判定結果を示す第2識別図柄を停止表示する第2識別図柄表示手段と、
前記第1識別図柄表示手段が前記第1識別図柄を変動表示しているときに前記第1数値情報取得手段が取得した数値情報を記憶する記憶領域を複数有する第3数値情報記憶手段と、を備えるパチンコ遊技機であって、
前記第1識別図柄または前記第2識別図柄の変動表示に応じて動作可能な可動体と、
前記第1当否判定手段が当否判定を行う前に、前記第3数値情報記憶手段に記憶されている数値情報に基づいて当たりか否かの当否判定を行う事前判定手段と、
前記可動体の動作パターンを制御し、かつ、前記事前判定手段の前記当否判定の結果に基づいて前記動作パターンを決定可能な可動体制御手段と、を備え、
前記可動体制御手段は、
前記可動体を動作中に一旦停止させるとともに、
前記事前判定手段の前記当否判定の結果が当たりであった場合は、相対的に高い確率にて、前記一旦停止する前の動作パターンとは異なる動作パターンに従って前記可動体の動作を再開させる一方、
前記事前判定手段の前記当否判定の結果が当たりではなかった場合は、相対的に高い確率にて、前記一旦停止する前の動作パターンと同じ動作パターンに従って前記可動体の動作を再開させることを特徴とするパチンコ遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機として、遊技球が第1入球口に入球すると第1識別図柄を変動表示する第1識別図柄表示器と、遊技球が第2入球口に入球すると第2識別図柄を変動表示する第2識別図柄表示器とを備えており、第1識別図柄または第2識別図柄の保留に基づいて当否判定を事前判定し、演出図柄表示装置により、事前判定の結果を示唆するものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-194036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した従来のパチンコ遊技機は、演出図柄表示装置により、事前判定の結果を示唆するという演出手法を長年に亘って採用しているため、遊技者に飽きられており、遊技の興趣が低くなっているという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記の問題を解決するために創出されたものであって、事前判定の結果を示唆するという演出手法を採用しているパチンコ遊技機において、遊技の興趣を高めることができるパチンコ遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(本発明の第1の特徴)
上述した目的を達成するため、本発明のパチンコ遊技機は、遊技球が流下する遊技領域と、遊技領域に設けられており、遊技球が入球可能な第1入球口および第2入球口と、遊技球が第1入球口に入球したことに基づいて数値情報を取得する第1数値情報取得手段と、遊技球が第2入球口に入球したことに基づいて数値情報を取得する第2数値情報取得手段と、第1数値情報取得手段が取得した数値情報に基づいて当たりか否かの当否判定を行う第1当否判定手段と、第2数値情報取得手段が取得した数値情報に基づいて当たりか否かの当否判定を行う第2当否判定手段と、第1識別図柄を変動表示した後に第1当否判定手段の当否判定結果を示す第1識別図柄を停止表示する第1識別図柄表示手段と、第2識別図柄を変動表示した後に第2当否判定手段の当否判定結果を示す第2識別図柄を停止表示する第2識別図柄表示手段と、第2識別図柄表示手段が第2識別図柄を変動表示しているときに第2数値情報取得手段が取得した数値情報を記憶する記憶領域を複数有する第3数値情報記憶手段と、を備える。
そして、本発明のパチンコ遊技機は、第1識別図柄または第2識別図柄の変動表示に応じて動作可能な可動体と、第2当否判定手段が当否判定を行う前に、第3数値情報記憶手段に記憶されている数値情報に基づいて当たりか否かの当否判定を行う事前判定手段と、可動体の動作を制御し、かつ、事前判定手段の当否判定の結果に基づいて可動体の動作パターンを変更可能な可動体制御手段と、を備え、前記可動体制御手段は、前記可動体を動作中に一旦停止させるとともに、前記事前判定手段の前記当否判定の結果が当たりであった場合は、相対的に高い確率にて、前記一旦停止する前の動作パターンとは異なる動作パターンに従って前記可動体の動作を再開させる一方、前記事前判定手段の前記当否判定の結果が当たりではなかった場合は、相対的に高い確率にて、前記一旦停止する前の動作パターンと同じ動作パターンに従って前記可動体の動作を再開させることを第1の特徴とする。
【0007】
可動体は、第1識別図柄または第2識別図柄の変動表示に応じて動作可能である。事前判定手段は、第2当否判定手段が当否判定を行う前に、第3数値情報記憶手段に記憶されている数値情報に基づいて当たりか否かの当否判定を行う。可動体制御手段は、可動体の動作を制御し、かつ、事前判定手段の当否判定の結果に基づいて可動体の動作パターンを変更可能である。
【0008】
つまり、第2識別図柄に対する事前判定手段の当否判定の結果に基づいて可動体の動作パターンを変更することができるため、可動体の動作パターンを変更することにより、第2識別図柄に対する事前判定手段の当否判定の結果を示唆することができる。
したがって、上述した第1の特徴を有する本発明のパチンコ遊技機を実施すれば、演出図柄表示装置により、事前判定の結果を示唆するという演出手法を長年に亘って採用しているパチンコ遊技機と比較して、遊技者は、今までに味わったことのない新鮮味のある遊技を楽しむことができるため、遊技の興趣を高めることができる。
【0009】
(本発明の第2の特徴)
また、本発明のパチンコ遊技機は、遊技球が流下する遊技領域と、遊技領域に設けられており、遊技球が入球可能な第1入球口および第2入球口と、遊技球が第1入球口に入球したことに基づいて数値情報を取得する第1数値情報取得手段と、遊技球が第2入球口に入球したことに基づいて数値情報を取得する第2数値情報取得手段と、第1数値情報取得手段が取得した数値情報に基づいて当たりか否かの当否判定を行う第1当否判定手段と、第2数値情報取得手段が取得した数値情報に基づいて当たりか否かの当否判定を行う第2当否判定手段と、第1識別図柄を変動表示した後に第1当否判定手段の当否判定結果を示す第1識別図柄を停止表示する第1識別図柄表示手段と、第2識別図柄を変動表示した後に第2当否判定手段の当否判定結果を示す第2識別図柄を停止表示する第2識別図柄表示手段と、第1識別図柄表示手段が第1識別図柄を変動表示しているときに第1数値情報取得手段が取得した数値情報を記憶する記憶領域を複数有する第3数値情報記憶手段と、を備える。
そして、本発明のパチンコ遊技機は、第1識別図柄または第2識別図柄の変動表示に応じて動作可能な可動体と、第1当否判定手段が当否判定を行う前に、第3数値情報記憶手段に記憶されている数値情報に基づいて当たりか否かの当否判定を行う事前判定手段と、可動体の動作を制御し、かつ、事前判定手段の当否判定の結果に基づいて可動体の動作パターンを変更可能な可動体制御手段と、を備え、前記可動体制御手段は、前記可動体を動作中に一旦停止させるとともに、前記事前判定手段の前記当否判定の結果が当たりであった場合は、相対的に高い確率にて、前記一旦停止する前の動作パターンとは異なる動作パターンに従って前記可動体の動作を再開させる一方、前記事前判定手段の前記当否判定の結果が当たりではなかった場合は、相対的に高い確率にて、前記一旦停止する前の動作パターンと同じ動作パターンに従って前記可動体の動作を再開させることを第2の特徴とする。
【0010】
可動体は、第1識別図柄または第2識別図柄の変動表示に応じて動作可能である。事前判定手段は、第1当否判定手段が当否判定を行う前に、第3数値情報記憶手段に記憶されている数値情報に基づいて当たりか否かの当否判定を行う。可動体制御手段は、可動体の動作を制御し、かつ、事前判定手段の当否判定の結果に基づいて可動体の動作パターンを変更可能である。
【0011】
つまり、第1識別図柄に対する事前判定手段の当否判定の結果に基づいて可動体の動作パターンを変更することができるため、可動体の動作パターンを変更することにより、第1識別図柄に対する事前判定手段の当否判定の結果を示唆することができる。
したがって、上述した第2の特徴を有する本発明のパチンコ遊技機を実施すれば、演出図柄表示装置により、事前判定の結果を示唆するという演出手法を長年に亘って採用しているパチンコ遊技機と比較して、遊技者は、今までに味わったことのない新鮮味のある遊技を楽しむことができるため、遊技の興趣を高めることができる。
【0019】
可動体制御手段は、可動体を動作中に一旦停止させ、かつ、事前判定手段の当否判定の結果に応じて決定した動作パターンにて動作を再開させる。
したがって、上述した第1又は第2の特徴を有する本発明のパチンコ遊技機を実施すれば、可動体の動作が一旦停止すると、遊技者は、どのような動作パターンにて可動体が動作を再開するか否か、スリルのある遊技を楽しむことができる。
【0021】
事前判定手段の当否判定の結果が当たりであった場合は、相対的に高い確率にて、一旦停止する前の動作パターンとは異なる動作パターンに従って可動体の動作が再開する。
したがって、上述した第1又は第2の特徴を有する本発明のパチンコ遊技機を実施すれば、遊技者は、可動体が、一旦停止する前の動作パターンとは異なる動作パターンに従って動作を再開するか否か、スリルのある遊技を楽しむことができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係るパチンコ遊技機を実施すれば、事前判定の結果を示唆するという演出手法を採用しているパチンコ遊技機において、遊技の興趣を高めることができるパチンコ遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の第1実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図である。
図2図1に示すパチンコ遊技機において第1可動体および第2可動体が出現した状態を示す正面図である。
図3図1に示すパチンコ遊技機に設けられた表示器類を拡大して示す説明図である。
図4図2に示すパチンコ遊技機に設けられた第1可動体および第2可動体の動作パターンを示す説明図であり、(a)は第1可動体の動作パターンを示し、(b)は第2可動体の動作パターンを示す。
図5図1に示すパチンコ遊技機に設けられた主制御基板および周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。
図6図1に示すパチンコ遊技機に設けられたサブ制御基板および周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。
図7】主制御基板が備えるRAMの記憶内容の一部を示す説明図であり、(a)は第1特図保留記憶部の記憶内容を示す説明図、(b)は第2特図保留記憶部の記憶内容を示す説明図である。
図8】主制御基板が備えるROMの記憶内容の一部を示す説明図であり、(a)は大当たり判定テーブルの説明図であり、(b)はリーチ判定テーブルの説明図である。
図9】特図変動パターン選択テーブルの説明図である。
図10】(a)はサブ制御基板が備えるRAMの記憶内容の一部を示す説明図であり、(b)は第1特図保留演出記憶部の説明図であり、(c)は第2特図保留演出記憶部の説明図である。
図11】変動演出パターン選択テーブルの説明図である。
図12】可動体動作パターン選択テーブルの説明図である。
図13】可動体動作パターン選択テーブルの説明図である。
図14】遊技制御用マイコンが実行するメイン側主制御処理のフローチャートである。
図15】遊技制御用マイコンが図14に示すメイン側主制御処理において実行するメイン側タイマ割込処理のフローチャートである。
図16】遊技制御用マイコンが図15に示すメイン側タイマ割込処理において実行する始動口センサ検出処理のフローチャートである。
図17】遊技制御用マイコンが図15に示すメイン側タイマ割込処理において実行する特別図柄待機処理のフローチャートである。
図18】遊技制御用マイコンが図15に示す特別図柄待機処理において実行する第2特図大当たり判定処理のフローチャートである。
図19】遊技制御用マイコンが図15に示す特別図柄待機処理において実行する第2特図変動パターン選択処理のフローチャートである。
図20図19のフローチャートの続きのフローチャートである。
図21】遊技制御用マイコンが図15に示すメイン側タイマ割込処理において実行する特別図柄変動処理のフローチャートである。
図22】演出制御用マイコンが実行するサブ側主制御処理のフローチャートである。
図23】演出制御用マイコンが図22に示すサブ側主制御処理において実行する1msタイマ割込処理のフローチャートである。
図24】演出制御用マイコンが図22に示すサブ側主制御処理において実行する10msタイマ割込処理のフローチャートである。
図25】演出制御用マイコンが図24に示す10msタイマ割込処理において実行する受信コマンド解析処理のフローチャートである。
図26】演出制御用マイコンが図25に示す受信コマンド解析処理において実行する先読み演出判定処理のフローチャートである。
図27】演出制御用マイコンが図25に示す受信コマンド解析処理において実行する変動演出開始処理のフローチャートである。
図28】演出制御用マイコンが図27に示す変動演出開始処理において実行する予告演出選択処理のフローチャートである。
図29】第2実施形態における可動体動作パターン選択テーブルの説明図である。
図30】第2実施形態において演出制御用マイコンが実行する先読み演出判定処理2のフローチャートである。
図31】第2実施形態において演出制御用マイコンが実行する予告演出選択処理2のフローチャートである。
図32】第3実施形態における第1および第2特別図柄と可動体のタイミングチャートであり、(a)は第2特別図柄の事前判定の結果が大当りであった場合のタイミングチャート、(b)は第2特別図柄の事前判定の結果がハズレであった場合のタイミングチャートである。
図33】第3実施形態において演出制御用マイコンが実行する予告演出選択処理3のフローチャートである。
図34図33のフローチャートの続きを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
〈第1実施形態〉
本発明の第1実施形態に係るパチンコ遊技機について図を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機の各部の方向を説明する場合は、そのパチンコ遊技機と対向して遊技を行う遊技者から見た方向を基準とする。具体的には、パチンコ遊技機の各部の左右方向および上下方向は、遊技者から見た左右方向および上下方向とする。また、遊技者に近づく方向を前方とし、遊技者から遠ざかる方向を後方とする。
【0029】
[パチンコ遊技機の主要構成]
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠16を備える。遊技機枠16は、前方側から順に、前面枠18、内枠(図示せず)、外枠(図示せず)によって構成される。前面枠18は、ハンドル4と、打球供給皿(上皿ともいう)24と、余剰球受皿(下皿ともいう)25と、演出ボタン9と、演出レバー6と、スピーカ8,8と、左サイドランプ23aと、右サイドランプ23bとを備えている。
【0030】
ハンドル4は、前面枠18のうち右下、つまり、パチンコ遊技機1と対向して遊技を行う遊技者が右手で握ることができる位置に設けられている。ハンドル4は、タッチスイッチ92(図5)と、発射レバー4aと、発射停止ボタン4bとを備えている。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するものであり、ハンドル4を握った遊技者の右手が触れる部分に配置されている。発射レバー4aは、遊技球の発射強度を調整するためのものであり、ハンドル4に回動可能に設けられている。発射停止ボタン4bは、遊技球が発射されているときに遊技球の発射を停止するためのものであり、ハンドル4を握った右手の親指により操作可能な位置に設けられている。打球供給皿(上皿ともいう)24は、前面枠18のうち中央下側に設けられている。打球供給皿24は、発射装置90(図5)に供給する遊技球を貯留するためのものである。打球供給皿24は、貸球払出装置80(図5)および賞球払出装置400(図5)から払出された遊技球を貯留する。余剰球受皿(下皿ともいう)25は、前面枠18のうち打球供給皿24の下方に設けられている。余剰球受皿25は、打球供給皿24の貯留可能数を超えた遊技球を貯留する。
【0031】
演出ボタン9は、前面枠18のうち打球供給皿24の上方を覆う部分に設けられている。換言すると、演出ボタン9は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向する遊技者が右手または左手で押圧操作可能な位置に設けられている。本実施形態では、演出ボタン9はプッシュオン式のボタンスイッチである。演出ボタン9には、演出ボタンランプ9c(図6)と、演出ボタン振動モータ9b(図6)とが内蔵されている。演出ボタンランプ9cは、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9が押圧操作されたときに点灯または点滅する。演出ボタン9の表面は透光性材料によって形成されており、演出ボタンランプ9cが発した光を遊技者が視認できるように工夫されている。演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させるものであり、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。本実施形態では、演出ボタンランプ9cはLEDである。
演出ボタン9には、押圧操作された演出ボタン9を押圧操作前の位置に復帰させるためのバネなどの弾性部材(図示せず)が内蔵されており、演出ボタン9は、押圧操作状態が解除されると、上記弾性部材の復元力によって押圧操作前の状態に復帰する。遊技者が、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9を押圧操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出ボタン9の操作を契機として行われる特定の演出のことをボタン演出という。
【0032】
前面枠18のうち余剰球受皿25の左方、つまり、前面枠18のうち下側の左端寄りには、演出レバー6が設けられている。換言すると、演出レバー6は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向した遊技者が左手で操作可能な位置に設けられている。つまり、演出レバー6は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向した遊技者が左手で操作可能な位置に設けられており、演出ボタン9は、前面枠18のうち、遊技者が左手で演出レバー6を操作している状態で、右手で押圧操作可能な位置に設けられている。
演出レバー6は、左手で掴むことができる棒状に形成されており、右回転または左回転の回転操作の他、後方への押し込み操作が可能である。また、演出レバー6には、演出レバー振動モータ6d(図6)が設けられている。演出レバー振動モータ6dは、演出レバー6を振動させるものであり、演出レバー6の操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。遊技者が、演出レバー6の操作が有効な期間に演出レバー6を操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出レバー6の操作を契機として行われる特定の演出のことをレバー演出という。
【0033】
前面枠18のうち、左側には左サイドランプ23aが設けられており、右側には右サイドランプ23bが設けられている。左サイドランプ23aおよび右サイドランプ23bが設けられている部分の前面枠18は透光性を有し、その透光性を有する部分の内側には複数のLEDが配置されている。各LEDは、それぞれ複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯または点滅し、さらに発光色を変化させる。スピーカ8は、前面枠18のうち上部の左右の隅部にそれぞれ設けられており、音楽、効果音および報知音などの音を演出内容に応じて出力する。
【0034】
また、パチンコ遊技機1は、遊技盤2と、ガラス板5と、演出表示装置7と、第1可動体26(図2)と、第2可動体27(図2)とを備える。遊技盤2は、遊技盤2の略中央、つまり、遊技者の顔と略正対する位置に配置されている。演出表示装置7は、遊技盤2の後側に配置されており、その画面が遊技盤2の略中央から露出している。遊技盤2は、固定入賞装置10と、第1大入賞装置30と、第2大入賞装置40と、ゲート12と、普通可変入賞装置(電チューともいう)20と、一般入賞口13と、表示器類50と、センター装飾体14と、レール部材17とを備える。
【0035】
遊技盤2の盤面には、遊技球が流下(転動)する遊技領域3が形成されている。遊技領域3は、演出表示装置7の画面の左方に形成された左遊技領域3Aと、演出表示装置7の画面の右方に形成された右遊技領域3Bとを有する。遊技盤2の盤面には、遊技球の流下方向を変化させるための複数の遊技釘(図示せず)が打ち込まれている。遊技盤2の盤面の前方は、透明のガラス板5によって覆われている。また、図1には示さないが、遊技盤2の複数箇所には、LEDが設けられている。それら各LEDを総称して盤ランプ(図6において符号2aで示す)という。盤ランプ2aを構成する各LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯または点滅し、さらに発光色を変化させる。つまり、パチンコ遊技機1は、遊技制御中に演出内容に応じて左サイドランプ23a、右サイドランプ23bおよび盤ランプ2aを点灯または点滅させ、各スピーカ8から音を出力する。
【0036】
固定入賞装置10は、遊技盤2のうち下側の略中央に配置されている。固定入賞装置10は、遊技球が1個ずつ入賞(入球)可能な第1始動口11を有する。第1始動口11は常時開口しており、遊技球が第1始動口11に入賞する確率は略変動しない。ゲート12は、右遊技領域3Bに配置されており、右遊技領域3Bを流下する遊技球が通過可能に構成されている。普通可変入賞装置20は、右遊技領域3Bのうちゲート12の下方に配置されている。普通可変入賞装置20は、可動部材21を備える。可動部材21は、基端を回動軸にして回動可能に構成されており、可動部材21が開閉動作することにより、第2始動口22が開閉する。可動部材21が開作動すると、第2始動口22が開口され、遊技球が第2始動口22に1個ずつ入賞(入球)し易い状態になる。また、可動部材21が閉作動すると、第2始動口22が閉口され、遊技球が第2始動口22に入賞することができない状態になる。第1始動口11が本発明の第1入球口の一例であり、第2始動口22が本発明の第2入球口の一例である。
【0037】
第1大入賞装置30は、遊技盤2のうち固定入賞装置10の右方に配置されており、第2大入賞装置40は、第1大入賞装置30の上側に配置されている。第1大入賞装置30は、第1大入賞口32を開閉する第1開閉部材31を備えており、第2大入賞装置40は、第2大入賞口42を開閉する第2開閉部材41を備える。第1大入賞口32および第2大入賞口42は、それぞれ同時に複数の遊技球が入賞(入球)可能な大きさに形成されている。本実施形態では、第1開閉部材31および第2開閉部材41は、それぞれ左右方向に長い板状に形成されており、左右の下端を回動軸にして回動可能に構成されている。以下、第1大入賞口32および第2大入賞口42に共通の事項を説明する場合は、単に大入賞口という。
第2大入賞装置40の内部には、第2大入賞口42に入賞した遊技球が通過可能な領域である特定領域(図示せず)および非特定領域(図示せず)が形成されている。また、第2大入賞装置40の内部には、第2大入賞口42に入賞した遊技球を特定領域または非特定領域に振り分ける振分部材(図示せず)と、この振分部材を駆動する振分部材ソレノイド42d(図5)とが設けられている。
【0038】
表示器類50は、遊技盤2のうち遊技領域3の外側であって第1大入賞装置30の下方に設けられている。図2に示すように、表示器類50は、第1特別図柄(第1特図ともいう)を変動表示する第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄(第2特図ともいう)を変動表示する第2特別図柄表示器52と、普通図柄(普図ともいう)を変動表示する普通図柄表示器53とを備える。さらに、表示器類50は、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を表示する第1特図保留表示器51aと、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を表示する第2特図保留表示器52aと、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を表示する普図保留表示器53aとを備える。以下、第1特別図柄および第2特別図柄に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄という。また、第1特別図柄表示器51および第2特別図柄表示器52に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄表示器という。第1特別図柄が本発明の第1識別図柄の一例であり、第2特別図柄が本発明の第2識別図柄の一例である。また、第1特別図柄表示器51が本発明の第1識別図柄表示手段の一例であり、第2特別図柄表示器52が本発明の第2識別図柄表示手段の一例である。
【0039】
本実施形態では、第1特別図柄表示器51および第2特別図柄表示器52は、それぞれ4個のLEDから構成されている。点灯したLED(□)および消灯したLED(■)がそれぞれ特別図柄を表しており、LEDの点灯箇所が所定方向(たとえば、左から右)へ流れる状態が特別図柄の変動表示を表している。以下、特別図柄が変動表示を開始してから特別図柄が確定表示されるまでの特別図柄の変動パターンを特図変動パターンという。
また、本実施形態では、普通図柄表示器53は、2個のLEDから構成されている。点灯したLED(□)および消灯したLED(■)が普通図柄を表しており、各LEDが交互に点灯する状態が普通図柄の変動表示を表している。また、遊技球がゲート12を通過すると、当たりか否かを判定する普通図柄の抽選が実行され、普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示する。そして、普通図柄表示器53は、普通図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄を確定表示する。普通図柄表示器53が確定表示した普通図柄が、当たりを示す普通図柄であった場合は、普通可変入賞装置20が作動して可動部材21が開閉し、第2始動口22が開閉する。
【0040】
遊技球が第1始動口11に入賞すると大当たりか否かを判定する大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示する。そして、第1特別図柄表示器51は、第1特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第1特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第1特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、第1大入賞装置30が作動して第1開閉部材31が開閉し、第1大入賞口32が開閉する。第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11に入賞したときは、その入賞を契機とする第1特別図柄表示器51の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第1特図保留表示器51aによって表示される。以下、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を第1特図保留数という。
【0041】
また、遊技球が第2始動口22に入賞すると大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示する。そして、第2特別図柄表示器52は、第2特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第2特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第2特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、第2大入賞装置40が作動して第2開閉部材41が開閉し、第2大入賞口42が開閉する。第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22に入賞したときは、その入賞を契機とする第2特別図柄表示器52の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第2特図保留表示器52aによって表示される。以下、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を第2特図保留数という。また、第1特図保留数および第2特図保留数に共通の事項を説明する場合は、単に特図保留数という。
【0042】
以下、特別図柄表示器が特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を確定表示するまでを特別図柄の1回の変動という。また、特別図柄が1回変動される毎に特図保留数が1個ずつ減少することを特図保留数の消化という。また、大入賞口が開口してから閉口するまでに要する期間を大入賞口の開口期間といい、大入賞口が開口してから次回開口するまでの期間をラウンドという。また、最初のラウンド開始から最終ラウンドが終了するまでの遊技を大当たり遊技という。また、大当たり判定において大当たりと判定された場合は、大当たりの種類が抽選により決定される。大当たりの種類によって、開閉する大入賞口(第1大入賞口32および第2大入賞口35の一方または両方)、大入賞口の開口期間、実行可能な最大ラウンド数などが異なる。
【0043】
パチンコ遊技機1には、大当たり判定において大当たりと判定される確率(以下、大当たり確率という)として、通常の確率(以下、通常確率という)と、通常確率よりも高い確率(以下、高確率という)とが設定されている。以下、大当たり確率が通常確率に設定されている遊技状態を通常確率状態といい、大当たり確率が高確率に設定されている遊技状態を高確率状態という。パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中に第2大入賞口35に入賞した遊技球が、前述した特定領域を通過(V入賞)すると、大当たり遊技が終了した後の遊技状態が高確率状態に移行する。つまり、本実施形態のパチンコ遊技機1は、いわゆるV確機と呼ばれる機種である。
【0044】
一般入賞口13は、遊技盤2のうち固定入賞装置10の左方に配置されている。レール部材17は、遊技盤2の周囲に沿って配置されている。レール部材17は、発射装置90(図5)によって発射された遊技球を遊技領域3に案内する。遊技盤2の下部中央には、どこにも入賞しなかった遊技球を排出するためのアウト口19が開口している。センター装飾体14は、遊技盤2のうち上部に配置されている。センター装飾体14は透光性を有し、その内側には、演出内容に応じて点灯・点滅する複数のLEDが設けられている。
また、パチンコ遊技機1は、ギミック15を備える。ギミック15は、センター装飾体14の後方に配置されている。図1は、ギミック15がセンター装飾体14に略隠れた状態を示す。ギミック15は、演出内容に応じて所定のタイミングで下方に降下し、遊技者から視認可能な状態に変位する。
【0045】
演出表示装置7は、演出画像、メッセージ画像、デモンストレーション画像などの動画像および静止画像を表示する。遊技者は、それらの画像をパチンコ遊技機1の前方から見ながら遊技を行う。演出表示装置7は、演出画像として、演出図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示する。本実施形態では、演出図柄は、1~9の算用数字を表した図柄である。なお、演出図柄には、アルファベットや特別なキャラクタなど、数字以外を表した図柄を含めてもよいし、数字以外を表した図柄と組み合わせてもよい。本実施形態では、演出表示装置7が演出図柄を変動表示する領域として、左から順に、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域、右演出図柄表示領域が設定されている。左演出図柄表示領域では左演出図柄9Lが、中演出図柄表示領域では中演出図柄9Cが、右演出図柄表示領域では右演出図柄9Rがそれぞれ変動表示される。以下、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域および右演出図柄表示領域に共通の事項を説明する場合は、単に演出図柄表示領域という。
【0046】
本実施形態では、各演出図柄の主な変動パターン(変動態様)は、演出図柄が表す数字が昇順となるように画面の上から下に移動する変動パターン、つまり、縦方向にスクロールする変動パターンである。なお、変動パターンとして、演出図柄が画面の左右の一方から他方へ移動する横スクロール方式、演出図柄が同じ表示位置にて数字の昇順に順番に表示される方式などを用いることもできる。また、演出表示装置7は、演出画像として各演出図柄の背景に背景画像を表示する。たとえば、背景画像は、テレビドラマや映画などの動画像、その動画像をアニメ化した動画像、アニメーション、パチンコ遊技機メーカーオリジナルの動画像などである。本実施形態では、演出表示装置7は、液晶表示装置である。なお、演出表示装置7として、有機EL表示装置、ドットマトリクスLEDを使った表示装置などを用いることもできる。
演出表示装置7は、各演出図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示し、特別図柄が確定表示されると同時に各演出図柄を確定表示し、大当たり判定結果を表示する。ここで、確定表示とは、演出図柄が上下に揺れたり、再変動したりすることなく、完全に停止した停止表示状態のことである。
【0047】
以下、大当たり判定の結果が大当たりであったことを表す演出図柄を大当たり演出図柄といい、大当たり判定の結果がハズレであったことを表す演出図柄をハズレ演出図柄という。本実施形態では、大当たり演出図柄は、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃った状態、いわゆる、ぞろ目の状態である。たとえば、図1に示すように、確定表示された左演出図柄9L、中演出図柄9Cおよび右演出図柄9Rがそれぞれ「7」で揃った状態である。また、ハズレ演出図柄は、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃っていない状態、つまり、ぞろ目ではない状態の図柄である。たとえば、確定表示された左演出図柄9Lが「7」、中演出図柄9Cが「6」、右演出図柄9Rが「7」の状態である。
以下、演出表示装置7が特別図柄と同期させて変動表示する演出図柄および背景画像などから成る画像を変動演出パターンという。
【0048】
変動演出パターンは、特図変動パターンの変動表示と同期して変動表示され、特別図柄表示器の作動保留が発生した場合は、演出表示装置7の作動も保留される。つまり、特別図柄表示器の作動保留数と、演出表示装置7の作動保留数とは一致する。図1に示すように、演出表示装置7には、第1演出保留表示領域51Bと、第2演出保留表示領域52Bとが設定されている。第1演出保留表示領域51Bは、演出表示装置7の作動保留数を画像の数で表すための演出保留画像を表示する領域である。つまり、遊技者は、第1演出保留表示領域51Bに表示される演出保留画像の数を数えることにより、第1特図保留数を知ることができるとともに、第1特図保留に起因する演出表示装置7の作動保留数を知ることができる。また、第2演出保留表示領域52Bは、演出表示装置7の作動保留数を画像の数で表すための演出保留画像を表示する領域である。つまり、遊技者は、第2演出保留表示領域52Bに表示される演出保留画像の数を数えることにより、第2特図保留数を知ることができるとともに、第2特図保留に起因する演出表示装置7の作動保留数を知ることができる。
【0049】
図2に示すように、第1可動体26は、演出表示装置7の前面の左方に配置されており、第2可動体27は、演出表示装置7の前面の右方に配置されている。第1可動体26は、取付部材26bに回転可能に軸支されており、第2可動体27は、取付部材27bに回転可能に軸支されている。取付部材26bの先端には第1可動体モータ26a(図6)が取付けられており、その第1可動体モータ26aのシャフトに第1可動体26が軸支されている。第1可動体モータ26aの直径は第1可動体26の直径よりも小さく、図2では、第1可動体モータ26aは第1可動体26の後面に隠れており、遊技者から見えないようになっている。また、取付部材27bの先端には第2可動体モータ27a(図6)が取付けられており、その第2可動体モータ27aのシャフトに第2可動体27が軸支されている。第2可動体モータ27aの直径は第2可動体27の直径よりも小さく、図2では、第2可動体モータ27aは第2可動体27の後面に隠れており、遊技者から見えないようになっている。
【0050】
取付部材26bは、取付部材26bを移動させるための移動装置(図示せず)に取付けられており、その移動装置によって遊技盤2の後面に退避したり、演出表示装置7の前面に進出したりする。取付部材26bが遊技盤2の後面に退避すると、第1可動体26は遊技盤2の後面に隠れ、遊技者から見えない状態になる。第1可動体26は、通常は、遊技盤2の後面に隠れており、第1特別図柄が変動表示を開始するタイミングになると、取付部材26bの移動に伴って演出表示装置7の前面に進出し、回転を開始する。
取付部材27bは、取付部材27bを移動させるための移動装置(図示せず)に取付けられており、その移動装置によって遊技盤2の後面に退避したり、演出表示装置7の前面に進出したりする。取付部材27bが遊技盤2の後面に退避すると、第2可動体27は遊技盤2の後面に隠れ、遊技者から見えない状態になる。第2可動体27は、通常は、遊技盤2の後面に隠れており、第2特別図柄が変動表示を開始するタイミングになると、取付部材27bの移動に伴って演出表示装置7の前面に進出し、回転を開始する。
つまり、第1可動体26は、第1特別図柄が変動表示を開始するタイミングになると、遊技者から見えない位置から見える位置に変位し、第2可動体27は、第2特別図柄が変動表示を開始するタイミングになると、遊技者から見えない位置から見える位置に変位する。
【0051】
本実施形態では、第1可動体26および第2可動体27は、それぞれ円板形状に形成されている。第1可動体26の表面には、三角形の模様が施されており、第2可動体27の表面には、V字模様が施されている。図4(a)に示すように、第1可動体26は右回転し、第2可動体27は左回転する。第1可動体26は、第1特別図柄表示器51(図3)が第1特別図柄の変動表示を開始すると右回転を開始し、第1特別図柄の変動表示が停止すると、右回転を停止する。つまり、第1可動体26は、第1特別図柄と同期して右回転する。また、第2可動体27は、第2特別図柄表示器52(図3)が第2特別図柄の変動表示を開始すると左回転を開始し、第2特別図柄の変動表示が停止すると、左回転を停止する。つまり、第2可動体27は、第2特別図柄と同期して左回転する。
このように、第1可動体26は、第1特別図柄の変動表示と同期して右回転するため、遊技者は、第1可動体26が右回転する様子を見ることにより、第1特別図柄が変動表示していることを知ることができる。また、第2可動体27は、第2特別図柄の変動表示と同期して左回転するため、遊技者は、第2可動体27が左回転する様子を見ることにより、第2特別図柄が変動表示していることを知ることができる。以下、第1可動体26および第2可動体27に共通の事項を説明する場合は、単に可動体という。
【0052】
また、第1特別図柄表示器51および第2特別図柄表示器52は、それぞれ小さなLEDにより構成されているため、特別図柄が変動表示している様子が分かり難いが、第1可動体26および第2可動体27は、それぞれ円板状に形成されており、かつ、演出表示装置7の前面に配置されているため、演出表示装置7を見る遊技者の視界に入るので、動作している様子が分かり易い。つまり、第1特別図柄および第2特別図柄が変動表示している様子が分かり易い。
さらに、第1特別図柄表示器51および第2特別図柄表示器52は、隣接して配置されているため、第1特別図柄および第2特別図柄のどちらが変動表示しているのか分かり難いが、第1可動体26は、演出表示装置7の前面の左方に配置されており、第2可動体27は、演出表示装置7の前面の右方に配置されており、相互に離れた位置に配置されているため、どちらの可動体が動作しているのか容易に見分けることができる。つまり、第1特別図柄および第2特別図柄のどちらが変動表示しているのか容易に見分けることができる。
【0053】
また、第1可動体26は、動作パターンを変化させることにより、第1特別図柄に基づく大当たりの発生を示唆する。また、第2可動体27は、動作パターンを変化させることにより、第2特別図柄に基づく大当たりの発生を示唆する。パチンコ遊技機1は、第1特図保留および第2特図保留の中に、大当たりが発生することになる特図保留が存在するか否かを判定する機能、いわゆる先読み(事前判定)を行う機能を有する。そして、先読みを行った結果、第1特図保留に大当たりが存在する場合に第1可動体26の動作パターンを変化させ、大当たりの発生を示唆する。本実施形態では、第1可動体26の右回転速度を速くすることにより、大当たりの発生を示唆する。また、第1特別図柄の特図保留数の消化により、大当たりの存在する特図保留が近づくに従って第1可動体26の右回転速度が速くなる。このため、遊技者は、第1特別図柄に基づく大当たりの発生が近づいていることを知ることができる。
また、先読みを行った結果、第2特図保留に大当たりが存在する場合に第2可動体27の動作パターンを変化させ、大当たりの発生を示唆する。本実施形態では、第2可動体27の左回転速度を速くすることにより、大当たりの発生を示唆する。また、第2特別図柄の特図保留数の消化により、大当たりの存在する特図保留が近づくに従って第2可動体27の左回転速度が速くなる。このため、遊技者は、第2特別図柄に基づく大当たりの発生が近づいていることを知ることができる。
このように、第1可動体26は第1特図柄保留に大当たりが存在することを示唆し、第2可動体27は第2特図保留に大当たりが存在することを示唆することができる。
したがって、第1特別図柄および第2特別図柄が並行して変動表示しているときに、先読みによって、どちらかの特図保留に大当たりが存在すると判定された場合であっても、大当たりが存在する方の特図保留に対応する可動体の動作パターンを変化させることができるため、遊技者は、どちらの特図保留に大当たりが存在するのかを容易に知ることができる。可動体の回転は本発明の可動体の動作の一例である。
【0054】
[パチンコ遊技機の主な電気的構成]
次に、パチンコ遊技機1の主な電気的構成について図5および図6を参照しつつ説明する。
パチンコ遊技機1は、主制御基板60(図5)と、払出制御基板73(図5)と、サブ制御基板100(図6)と、画像制御基板200(図6)とを備えている。
【0055】
図5に示すように、主制御基板60には、遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンという)61が実装されている。遊技制御用マイコン61は、CPU62と、ROM63と、RAM64と、入出力回路65とを備えている。CPU62は、入賞の検出、大当たり判定、各種乱数の更新などを実行する。ROM63には、CPU62が実行するコンピュータプログラム、大当たり判定テーブルTA1(図8(a))、リーチ判定テーブルTA2(図8(b))、特図変動パターン選択テーブルTA3(図9)、大当たり種別判定テーブル(図示せず)などの各種のテーブルが記憶されている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数など、各種の判定(抽選)にて使用する乱数を発生する。大当たり乱数が本発明の数値情報の一例である。
【0056】
RAM64は、CPU62がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリなどとして使用される。また、RAM64には、第1特図保留記憶部64aと、第2特図保留記憶部64bと、普図保留記憶部64cとが設けられている。図7(a)に示すように、第1特図保留記憶部64aは、第1ないし第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第1特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第1始動口11(図1)に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数および変動パターン乱数が記憶される。第1特別図柄表示器51(図3)が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11(図1)に入賞したときは、その入賞に起因する第1特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数などは第1特図保留記憶部64aに記憶される。
【0057】
図7(b)に示すように、第2特図保留記憶部64bは、第1ないし第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第2特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第2始動口22(図1)に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数および変動パターン乱数が記憶される。第2特別図柄表示器52(図3)が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22(図1)に入賞したときは、その入賞に起因する第2特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数などは第2特図保留記憶部64bに記憶される。
【0058】
大当たり乱数などは作動保留の発生順、つまり、遊技制御用マイコン61による取得順に第1特図保留記憶部64aおよび第2特図保留記憶部64bの各第1記憶領域から順番に記憶される。このため、大当たり乱数などが第1ないし第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている大当たり乱数などが時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数などが時間的に最も古い情報である。各記憶領域に記憶されている大当たり乱数などは、特別図柄の変動表示が1回終了する毎に、記憶の順番が古い方の記憶領域に1つずつシフトする。たとえば、第2記憶領域に記憶されていた大当たり乱数などは第1記憶領域にシフトする。また、第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数などに基づく判定(抽選)は、特別図柄表示器による特別図柄の当該変動表示が終了し、次の変動表示が始まる前に実行される。
なお、第1記憶領域ないし第4記憶領域が本発明の記憶領域の一例である。また、第1特図保留記憶部64aおよび第2特図保留記憶部64bが本発明の第3数値情報記憶手段の一例である。
【0059】
普図保留記憶部64c(図5)は、遊技球がゲート12(図1)を通過したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した普通当たり乱数(普通図柄が当たりか否かを判定(抽選)するための乱数)が記憶される。普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート12を通過したときは、その通過に起因する普通図柄表示器53の作動は一旦保留(作動保留)され、その通過に起因して取得された普通当たり乱数は普図保留記憶部64cに記憶される。普通図柄の保留された変動表示は、現在行われている普通図柄の変動表示が終了した次に行われる。本実施形態では、普図保留記憶部64cは、計4個の保留を行うための記憶領域を有し、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数は最大4個である。以下、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を普図保留数という。
【0060】
また、主制御基板60には、RAMクリアスイッチ66が搭載されている。パチンコ遊技機1は、RAMクリアスイッチ66が押下された状態で起動すると、RAM64およびサブ制御基板100のRAM120(図6)を初期化する。また、主制御基板60には、表示器類50が電気的に接続されている。さらに、主制御基板60には、中継基板74を介して第1始動口センサ11aと、第2始動口センサ22aと、ゲートセンサ12aと、第1大入賞口センサ32aと、第2大入賞口センサ42aと、特定領域センサ42bと、非特定領域センサ42cと、一般入賞口センサ13aと、電チューソレノイド20aと、第1大入賞口ソレノイド30aと、第2大入賞口ソレノイド40aと、振分部材ソレノイド42dとが電気的に接続されている。
【0061】
第1始動口センサ11aは、第1始動口11(図1)の直下に設けられており、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2始動口センサ22aは、第2始動口22(図1)の直下に設けられており、遊技球が第2始動口22に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。ゲートセンサ12aは、ゲート12(図1)のうち遊技球の通過領域に設けられており、遊技球がゲート12を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第1大入賞口センサ32aは、第1大入賞口32(図1)の直下に設けられており、遊技球が第1大入賞口32に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2大入賞口センサ42aは、第2大入賞口42(図1)の直下に設けられており、遊技球が第2大入賞口42に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。特定領域センサ42bは、第2大入賞口42(図1)の内部の特定領域内に設けられており、遊技球が特定領域を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。非特定領域センサ42cは、第2大入賞口42(図1)の内部の非特定領域に設けられており、遊技球が非特定領域を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。一般入賞口センサ13aは、一般入賞口13(図1)の直下に設けられており、遊技球が一般入賞口13に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。
【0062】
電チューソレノイド20aは、普通可変入賞装置20の可動部材21(図1)を開閉駆動する。第1大入賞口ソレノイド30aは、第1大入賞装置30の第1開閉部材31(図1)を開閉駆動する。第2大入賞口ソレノイド40aは、第2大入賞装置40の第2開閉部材41(図1)を開閉駆動する。振分部材ソレノイド42dは、第2大入賞装置40の内部に設けられた振分部材を駆動する。
また、主制御基板60には、払出制御基板73を介して貸球払出装置80と、カードユニット76と、賞球払出装置400とが電気的に接続されている。カードユニット76は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられており、プリペイドカードに対して残高の読取りや書き込みなどを行う。貸球払出装置80は、球貸モータ81と、球貸センサ82とを備えている。球貸モータ81は、貸球としての遊技球を払出す部材を駆動し、球貸センサ82は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、貸球払出装置80が払出した貸球数を計数する。カードユニット76に挿入されたプリペイドカードに、払出可能な最小残高以上の残高が記録されているときに、球貸ボタン(図示せず)が操作されると、貸球払出装置80が作動し、最小単位個数の貸球が打球供給皿24に払出される。
【0063】
賞球払出装置400は、賞球モータ401と、賞球センサ402とを備えている。賞球モータ401は、賞球としての遊技球を払出す部材を駆動し、賞球センサ402は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、賞球払出装置400が払出した賞球数を計数する。
また、主制御基板60には、発射制御回路75を介して発射装置90が電気的に接続されている。発射装置90は、発射モータ91と、タッチスイッチ92と、発射ボリューム93とを備えている。発射モータ91は、遊技球を打撃して発射する打撃槌(図示せず)を駆動する。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力する。発射ボリューム93は、発射レバー4a(図1)の回転量に応じて、上記打撃槌が遊技球を打撃する強度を調節する。
【0064】
また、パチンコ遊技機1は、電源基板70を備えている。電源基板70は、主制御基板60および払出制御基板73に電力を供給する。また、電源基板70は、払出制御基板73に電気的に接続された各装置に対して、払出制御基板73を介して電力を供給する。また、電源基板70は、中継基板74に電気的に接続された各センサおよびソレノイドに対して、主制御基板60から中継基板74を介して電力を供給する。また、電源基板70は、主制御基板60に電気的に接続された表示器類50に対して、主制御基板60を介して電力を供給する。
電源基板70には、バックアップ電源回路71が設けられている。バックアップ電源回路71は、パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合に、主制御基板60のRAM64などに対して情報の保持に必要な電力を供給する。電源基板70には、電源基板70へ電力を供給する主電源をオンオフするための電源スイッチ72が電気的に接続されている。
【0065】
主制御基板60は、サブ制御基板100(図6)に対して各種コマンドを送信する。主制御基板60は、コマンドをサブ制御基板100へ送信することはできるが、サブ制御基板100は、主制御基板60へコマンドを送信することができない。つまり、主制御基板60とサブ制御基板100との通信は、主制御基板60からサブ制御基板100へ送信することのみが可能な単方向通信となっている。
【0066】
図6に示すように、サブ制御基板100には、演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンという)101が実装されている。演出制御用マイコン101は、CPU102と、ROM110と、RAM120と、入出力回路103とを備えている。CPU102は、遊技に伴って演出を制御する。ROM110には、CPU102が演出を制御するためのコンピュータプログラム、変動演出パターン選択テーブルTA4(図11)、可動体動作パターン選択テーブルTA5(図12)、可動体動作パターン選択テーブルTA6(図13)などの各種のテーブルが記憶されている。RAM120は、CPU102がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。また、RAM120には、第1特図保留演出記憶部121と、第2特図保留演出記憶部122と、当該変動用演出記憶部123とが設けられている。
【0067】
図10(b)に示すように、第1特図保留演出記憶部121は、第1ないし第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力される第1始動入賞コマンドなどを記憶する。第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口11に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数およびリーチ乱数を含むコマンドである。
図10(c)に示すように、第2特図保留演出記憶部122は、第1ないし第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力される第2始動入賞コマンドなどを記憶する。第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口22に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数およびリーチ乱数を含むコマンドである。
当該変動用演出記憶部123は、変動演出パターンの当該変動に用いる第1始動入賞コマンドまたは第2始動入賞コマンドを記憶する。
入出力回路103は、サブ制御基板100に接続された各基板などとの間でデータの送信または受信を行う。
【0068】
サブ制御基板100には、画像制御基板200が電気的に接続されている。画像制御基板200には、画像制御用CPU202と、VDP201(Video Display Processor)と、制御用ROM203と、制御用RAM204と、CGROM(Character Generator Read Only Memory)205と、VRAM(Video Random Access Memory)206とが実装されている。画像制御用CPU202は、変動演出パターン、ボタン演出画像、レバー演出画像および予告演出画像などの演出画像を表示するよう演出表示装置7を制御する。制御用ROM203には、画像制御用CPU202が演出表示装置7を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御用RAM204は、画像制御用CPU202がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。CGROM205には、演出表示装置7が演出画像を表示するための画像データが記憶されている。VDP201は、画像制御用CPU202によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM205から画像データを読み出し、その読出した画像データをVRAM206内の展開領域に展開する。そして、VDP201は、VRAM206内に展開した画像データを合成し、その合成した画像データをVRAM206内のフレームバッファに記憶する。そして、VDP201は、VRAM206内のフレームバッファに記憶した画像データをRGB信号に変換して演出表示装置7に出力する。これにより、演出表示装置7は演出画像を表示する。
【0069】
サブ制御基板100には、ランプ制御基板79を介して左サイドランプ23a、右サイドランプ23bおよび盤ランプ2aが電気的に接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて各ランプの発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した発光パターンデータに従って各ランプの発光制御を行う。
ランプ制御基板79には、中継基板77を介してギミック15が電気的に接続されている。ギミック15は、ギミック15を動作させるための装置(図示せず)が接続されており、その装置には、その装置を駆動するための可動体モータ(図示せず)が接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いてギミック15の動作パターンを決める動作パターンデータを作成し、その動作パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、動作パターンデータを受信したランプ制御基板79は、その動作パターンに従って中継基板77を介して上記可動体モータを駆動し、ギミック15の動作制御を行う。
【0070】
サブ制御基板100には、音声制御基板78を介して各スピーカ8が電気的に接続されている。音声制御基板78には、音声制御用CPU(図示せず)と、音声データROM(図示せず)と、音声合成回路(図示せず)と、アンプ(図示せず)とが搭載されている。音声データROMには、各スピーカ8が音楽や効果音などの音を出力するための音声データが記憶されている。音声制御用CPUは、サブ制御基板100から受信したコマンドに基づいて音声データROMから音声データを読出し、その読出した音声データを音声合成回路に出力する。音声合成回路は、入力した音声データを合成するとともに、その合成した合成音声データをアナログの音声信号に変換してアンプに出力する。アンプは、入力した音声信号を増幅して各スピーカ8に出力する。そして、各スピーカ8は、入力した音声信号により示される音を出力する。
【0071】
また、サブ制御基板100には、演出ボタン検出スイッチ9aと、演出レバー押込検出スイッチ6aと、演出レバー回転検出スイッチ6bと、演出ボタン振動モータ9bと、演出レバー振動モータ6dと、第1可動体モータ26aと、第2可動体モータ27aとが電気的に接続されている。演出ボタン検出スイッチ9aは、演出ボタン9が押圧操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力し、演出制御用マイコン101は、演出ボタン検出スイッチ9aから入力した信号に基づいて、ボタン演出を実行する。演出レバー押込検出スイッチ6aは、演出レバー6が押込操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力し、演出制御用マイコン101は、演出レバー押込検出スイッチ6aから入力した信号に基づいて、演出レバー6が押込操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出レバー回転検出スイッチ6bは、演出レバー6が回転操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力し、演出制御用マイコン101は、演出レバー回転検出スイッチ6bから入力した信号に基づいて、演出レバー6が回転操作されたときに行うレバー演出を実行する。
【0072】
演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させる部材であり、演出ボタン9の内部に収容されている。演出レバー振動モータ6dは、演出レバー6を振動させる部材であり、演出レバー6と接する部位または演出レバー6の内部に設けられている。ROM110には、演出ボタン振動モータ9bの動作パターンを決める動作パターンデータと、演出レバー振動モータ6dの動作パターンを決める動作パターンデータとが記憶されている。演出制御用マイコン101は、演出ボタン9を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読出し、その読出した動作パターンデータに基づいて演出ボタン振動モータ9bを駆動制御する。また、演出制御用マイコン101は、演出レバー6を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読出し、その読出した動作パターンデータに基づいて演出レバー振動モータ6dを駆動制御する。
【0073】
さらに、サブ制御基板100には、第1可動体モータ26aを駆動する第1可動体駆動回路26cと、第2可動体モータ27aを駆動する第2可動体駆動回路27cとが搭載されている。演出制御用マイコン101は、第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示するタイミングになったときに、第1特別図柄の変動パターンに対応する可動体動作パターンをROM110の可動体動作パターン選択テーブルTA5(図12)から選択し、その選択した可動体動作パターンを第1可動体駆動回路26cに出力する。そして、第1可動体駆動回路26cは、入力した可動体動作パターンに基づいて第1可動体モータ26aを駆動制御する。これにより、第1可動体26が右回転する。
また、演出制御用マイコン101は、は、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示するタイミングになったときに、第2特別図柄の変動パターンに対応する可動体動作パターンをROM110の可動体動作パターン選択テーブルTA5(図12)から選択し、その選択した可動体動作パターンを第2可動体駆動回路27cに出力する。そして、第2可動体駆動回路27cは、入力した可動体動作パターンに基づいて第2可動体モータ27aを駆動制御する。これにより、第2可動体27が左回転する。
【0074】
さらに、演出制御用マイコン101は、第1特別図柄の保留に対する先読みの結果、大当たりが存在する場合に、それを示唆するための可動体動作パターンをROM110の可動体動作パターン選択テーブルTA6(図13)から選択する。そして、その選択した可動体動作パターンに基づいて第1可動体26を駆動制御し、第1特別図柄の保留に大当たりが存在することを示唆する。また、演出制御用マイコン101は、第2特別図柄の保留に対する先読みの結果、大当たりが存在する場合に、それを示唆するための可動体動作パターンをROM110の可動体動作パターン選択テーブルTA6(図13)から選択する。そして、その選択した可動体動作パターンに基づいて第2可動体27を駆動制御し、第2特別図柄の保留に大当たりが存在することを示唆する。
【0075】
[遊技状態の説明]
次に、本実施形態のパチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器および普通図柄表示器53には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能とが備わっている。特別図柄表示器の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。
また、特別図柄表示器の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始から確定表示までに要する時間)が、非時短状態よりも短くなっている。
【0076】
特別図柄表示器の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器53の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。つまり、普通図柄表示器53の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。したがって、時短状態では、普通図柄の抽選において当たりと判定される確率が非時短状態よりも高くなっている。つまり、普通図柄表示器53の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器53が確定表示する普通図柄が、普通当たり図柄(普通図柄の抽選において当たりと判定されたことを示す普通図柄)となる確率が高くなる。
【0077】
また、時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。たとえば、普通図柄の変動時間は非時短状態では10秒であるが、時短状態では1秒である。さらに時短状態では、普通可変入賞装置20の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。つまり、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における普通可変入賞装置20の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。つまり、普通可変入賞装置20の開放回数増加機能が作動している。補助遊技とは、確定表示された普通図柄が予め定めた特定の普通図柄である場合に、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口22を開閉させる遊技のことである。
【0078】
普通図柄表示器53の確率変動機能および変動時間短縮機能と、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能および開放回数増加機能とが作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、普通可変入賞装置20が頻繁に開放され、第2始動口22へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合が高くなるため、遊技者は、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、このように、普通図柄表示器53の確率変動機能および変動時間短縮機能と、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能および開放回数増加機能とが作動している状況下で、普通可変入賞装置20により第2始動口22への入賞をサポートする制御を電サポ制御という。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中に遊技球が第2大入賞口42(図1)の内部の特定領域を通過した場合、その大当たり遊技が終了した後の遊技状態は、電サポ制御が行われるとともに高確率状態かつ時短状態である。この遊技状態は、所定回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、あるいは、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
【0079】
また、大当たり遊技中に遊技球が第2大入賞口42(図1)の内部の特定領域を通過しなかった場合、その大当たり遊技が終了した後の遊技状態は、電サポ制御が行われるとともに通常確率状態かつ時短状態である。この遊技状態は、所定回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、あるいは、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、電サポ制御は行わないとともに通常確率状態かつ非時短状態である。
【0080】
[大当たり判定テーブル]
図8(a)に示す大当たり判定テーブルTA1は、遊技制御用マイコン61(図5)が大当たりか否かの大当たり判定を実行する際に参照するテーブルである。大当たり判定テーブルTA1は、遊技状態と大当たり乱数とを対応付けて構成されている。大当たり乱数は、大当たり乱数カウンタが発生する大当たり乱数の中から所定の乱数を選択したものである。本実施形態では、大当たり乱数カウンタは、0~65535の計65536個の大当たり乱数をカウントする。つまり、0~65535の計65536個の大当たり乱数を発生する。本実施形態では、大当たり判定テーブルTA1には、遊技状態が通常確率状態のときの大当たり乱数として、0~164の計165個の大当たり乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、遊技状態が通常確率状態のときに大当たり乱数カウンタから取得した大当たり乱数が0~164のいずれかであった場合は、大当たり判定において大当たりと判定し、0~65535のうち0~164以外であった場合は、大当たりではない、つまり、ハズレと判定する。
【0081】
また、本実施形態では、大当たり判定テーブルTA1には、遊技状態が高確率状態のときの大当たり乱数として、0~649の計650個の大当たり乱数が設定されている。つまり、通常確率状態のときよりも多くの大当たり乱数が設定されており、通常確率状態のときよりも大当たり判定において大当たりと判定される確率が高くなっている。遊技制御用マイコン61は、遊技状態が高確率状態のときに大当たり乱数カウンタから取得した大当たり乱数が0~649のいずれかであった場合は、大当たり判定において大当たりと判定し、0~65535のうち0~649以外であった場合は、大当たりではない、つまり、ハズレと判定する。
【0082】
[リーチ判定テーブル]
図8(b)に示すリーチ判定テーブルTA2は、遊技制御用マイコン61(図5)が大当たり判定の結果がハズレであった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定する際に参照するテーブルである。ここで、リーチとは、複数の特別図柄のうち変動表示されている特別図柄が残り1つとなっている状態であって、変動表示されている特別図柄がどの特別図柄で確定表示されるか次第で大当たりを示す特別図柄の組み合わせとなる状態のことである。また、リーチとは、演出表示装置7の複数の表示領域においてそれぞれ変動表示されている演出図柄のうち、変動表示されている演出図柄が残り1つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの演出図柄で確定表示されるか次第で大当たり演出図柄の組み合わせとなる状態のことである。
たとえば、大当たり演出図柄の組み合わせの1つが「777」である場合に、左演出図柄表示領域において左演出図柄9Lとして「7」が確定表示されており、右演出図柄表示領域において右演出図柄9Rとして「7」が確定表示されており、中演出図柄表示領域において中演出図柄9Cが変動表示されている状態のことである。なお、リーチの概念には、中演出図柄9Cがスクロールしている状態の他、揺れている状態、拡大と縮小を繰り返す状態などが含まれる。
【0083】
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がハズレであった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定するための乱数である。リーチ判定テーブルTA2は、遊技状態とリーチ乱数とを対応付けて構成されている。リーチ乱数は、リーチ乱数カウンタが発生するリーチ乱数の中から所定の乱数を選択したものである。本実施形態では、リーチ乱数カウンタは、0~255の計256個のリーチ乱数をカウントする。つまり、0~256の計256個のリーチ乱数を発生する。本実施形態では、遊技状態が非時短状態のときのリーチ乱数として、0~27の計28個のリーチ乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、遊技状態が非時短状態のときにリーチ乱数カウンタから取得したリーチ乱数が0~27のいずれかであった場合は、リーチ判定においてリーチ有りと判定し、0~255のうち0~27以外であった場合は、リーチ無しと判定する。
【0084】
また、本実施形態では、遊技状態が時短状態のときのリーチ乱数として、0~11の計12個のリーチ乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、遊技状態が時短状態のときにリーチ乱数カウンタから取得したリーチ乱数が0~11のいずれかであった場合は、リーチ判定においてリーチ有りと判定し、0~255のうち0~11以外であった場合は、リーチ無しと判定する。
リーチ有りと判定されるリーチ乱数は、非時短状態よりも時短状態の方が少なく設定されている。これにより、時短状態ではリーチ有りと判定される確率が非時短状態よりも低くなる。つまり、リーチ無しと判定される確率が高くなるため、その分、特図変動パターンを選択する際に、リーチ無しの特図変動パターンを選択する確率が高くなる。このため、時短状態では、特図保留数の消化のペースが速くなる。
【0085】
[特図変動パターン選択テーブル]
図9に示す特図変動パターン選択テーブルTA3は、遊技制御用マイコン61(図5)が特図変動パターンを抽選により決定する際に参照するテーブルである。特図変動パターンテーブルTA3は、遊技状態と、判定(大当たり判定およびリーチ判定)結果と、特図保留数と、変動パターン乱数と、特図変動パターンと、変動時間と、停止時間とを対応付けて構成されている。特図変動パターン選択テーブルTA3における変動演出パターンは、選択された特図変動パターンに対応して演出表示装置7が変動表示する変動演出パターンであり、参考のために記載してある。変動パターン乱数は、変動パターン乱数カウンタが発生する変動パターン乱数の中から所定の乱数を選択したものである。本実施形態では、変動パターン乱数カウンタは、0~99の計100個の変動パターン乱数をカウントする。つまり、0~99の計100個の変動パターン乱数を発生する。
【0086】
遊技状態が非時短状態のときに大当たり判定において大当たりと判定され、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~94のいずれかであった場合は、特図保留数に関係無く、特図変動パターンP1が選択される。つまり、特図変動パターンP1が選択される確率は95%である。また、変動パターン乱数が95~99のいずれかであった場合は、保留球数に関係無く、特図変動パターンP2が選択される。つまり、特図変動パターンP2が選択される確率は5%である。特図変動パターンP1の変動時間は40,000msであり、特別図柄の停止時間、つまり、特別図柄を確定表示している時間は500msである。特図変動パターンP2の変動時間は15,000msであり、特別図柄の停止時間は500msである。また、特図変動パターンP1が選択された場合は、演出表示装置7は、変動演出パターンとしてSP(スーパー)リーチを表示する。また、特図変動パターンP2が選択された場合は、演出表示装置7は、変動演出パターンとしてノーマルリーチを表示する。
【0087】
また、遊技状態が非時短状態のときにハズレと判定され、かつ、リーチ判定においてリーチ有りと判定された場合、つまり、リーチ有りハズレの場合であって、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~9のいずれかであった場合は、特図保留数に関係無く、特図変動パターンP3が選択される。つまり、特図変動パターンP3が選択される確率は10%である。また、変動パターン乱数が10~99のいずれかであった場合は、保留球数に関係無く、特図変動パターンP4が選択される。つまり、特図変動パターンP4が選択される確率は90%である。特図変動パターンP3の変動時間は40,000msであり、特別図柄の停止時間は500msである。特図変動パターンP4の変動時間は15,000msであり、特別図柄の停止時間は500msである。また、特図変動パターンP3が選択された場合は、演出表示装置7は、変動演出パターンとしてSPリーチを表示する。また、特図変動パターンP4が選択された場合は、演出表示装置7は、変動演出パターンとしてノーマルリーチを表示する。
【0088】
また、遊技状態が非時短状態のときにハズレと判定され、かつ、リーチ判定においてリーチ無しと判定された場合、つまり、リーチ無しハズレの場合であって、特図保留数が0~2個であり、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、特図変動パターンP5が選択される。つまり、特図変動パターンP5が選択される確率は100%である。また、特図保留数が3~4個であり、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、特図変動パターンP6が選択される。つまり、特図変動パターンP6が選択される確率は100%である。特図変動パターンP5の変動時間は10,000msであり、特別図柄の停止時間は500msである。特図変動パターンP6の変動時間は5,000msであり、特別図柄の停止時間は500msである。また、特図変動パターンP5または特図変動パターンP6が選択された場合は、演出表示装置7は、変動演出パターンとして通常変動を表示する。
【0089】
遊技状態が時短状態のときに大当たりと判定され、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、特図保留数に関係無く、特図変動パターンP11が選択される。つまり、特図変動パターンP11が選択される確率は100%である。また、遊技状態が時短状態のときにハズレと判定され、かつ、リーチ判定においてリーチ有りと判定された場合、つまり、リーチ有りハズレの場合であって、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、特図保留数に関係無く、特図変動パターンP12が選択される。つまり、特図変動パターンP12が選択される確率は100%である。特図変動パターンP11および特図変動パターンP12の変動時間はそれぞれ40,000msであり、特別図柄の停止時間はそれぞれ500msである。また、特図変動パターンP11または特図変動パターンP12が選択された場合は、演出表示装置7は、変動演出パターンとしてSPリーチを表示する。
【0090】
また、遊技状態が時短状態のときにハズレと判定され、かつ、リーチ判定においてリーチ無しと判定された場合、つまり、リーチ無しハズレの場合であって、特図保留数が0~1個であり、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、特図変動パターンP13が選択される。つまり、特図変動パターンP13が選択される確率は100%である。また、特図保留数が2~4個であり、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、特図変動パターンP14が選択される。つまり、特図変動パターンP14が選択される確率は100%である。特図変動パターンP13の変動時間は10,000msであり、特別図柄の停止時間は500msである。特図変動パターンP14の変動時間は2,500msであり、特別図柄の停止時間は500msである。また、特図変動パターンP13または特図変動パターンP14が選択された場合は、演出表示装置7は、変動演出パターンとして通常変動を表示する。
【0091】
上述したように、非時短状態のときにSPリーチが選択される確率は、大当たり判定において大当たりと判定された場合は95%であるが、大当たり判定においてハズレと判定され、かつ、リーチ有りと判定された場合は10%である。また、非時短状態のときにノーマルリーチが選択される確率は、大当たり判定において大当たりと判定された場合は5%であるが、大当たり判定においてハズレと判定され、かつ、リーチ有りと判定された場合は90%である。
つまり、演出表示装置7が変動演出パターンとしてSPリーチを表示した場合は、大当たりが発生する可能性が高い。換言すると、SPリーチは、大当たりの発生に対する期待度がノーマルリーチよりも高い変動演出パターンである。
なお、SPリーチが、期待度が相対的に高い変動パターンの一例であり、通常変動が、期待度が相対的に低い変動パターンの一例である。
【0092】
[変動演出パターン選択テーブル]
図11に示す変動演出パターン選択テーブルTA4は、演出表示装置7が表示する変動演出パターンを演出制御用マイコン101(図6)が選択する際に参照するテーブルである。変動演出パターン選択テーブルTA4は、特図変動パターンと、変動演出パターン乱数と、変動演出パターンとを対応付けて構成されている。特図変動パターンは、前述した特図変動パターン選択テーブルTA3(図9)に設定されている特図変動パターンと対応しており、変動演出パターンの変動時間は、特図変動パターン選択テーブルTA3(図9)に設定されている特図変動パターンの変動時間と同一である。変動演出パターン乱数は、変動演出パターン乱数カウンタが発生する変動演出パターン乱数の中から所定の乱数を選択したものである。本実施形態では、変動演出パターン乱数カウンタは、0~99の計100個の変動演出パターン乱数をカウントする。つまり、0~99の計100個の変動演出パターン乱数を発生する。
【0093】
特図変動パターンとして変動パターンP1が選択された場合において、変動演出パターン乱数カウンタから取得した変動演出パターン乱数が0~69のいずれかであった場合は、変動演出パターンとしてSPリーチAが選択される。特図変動パターンとして変動パターンP1が選択された場合において、変動演出パターン乱数カウンタから取得した変動演出パターン乱数が70~99のいずれかであった場合は、変動演出パターンとしてSPリーチBが選択される。特図変動パターンとして変動パターンP2が選択された場合において、変動演出パターン乱数カウンタから取得した変動演出パターン乱数が0~59のいずれかであった場合は、変動演出パターンとしてノーマルリーチAが選択される。特図変動パターンとして変動パターンP2が選択された場合において、変動演出パターン乱数カウンタから取得した変動演出パターン乱数が60~99のいずれかであった場合は、変動演出パターンとしてノーマルリーチBが選択される。
【0094】
特図変動パターンとして変動パターンP3が選択された場合において、変動演出パターン乱数カウンタから取得した変動演出パターン乱数が0~54のいずれかであった場合は、変動演出パターンとしてSPリーチCが選択される。特図変動パターンとして変動パターンP3が選択された場合において、変動演出パターン乱数カウンタから取得した変動演出パターン乱数が55~99のいずれかであった場合は、変動演出パターンとしてSPリーチDが選択される。特図変動パターンとして変動パターンP4が選択された場合において、変動演出パターン乱数カウンタから取得した変動演出パターン乱数が0~29のいずれかであった場合は、変動演出パターンとしてノーマルリーチCが選択される。特図変動パターンとして変動パターンP4が選択された場合において、変動演出パターン乱数カウンタから取得した変動演出パターン乱数が30~99のいずれかであった場合は、変動演出パターンとしてノーマルリーチDが選択される。
【0095】
特図変動パターンとして変動パターンP5が選択された場合において、変動演出パターン乱数カウンタから取得した変動演出パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、変動演出パターンとして通常変動Aが選択される。特図変動パターンとして特図変動パターンP6が選択された場合において、変動演出パターン乱数カウンタから取得した変動演出パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、変動演出パターンとして通常変動Bが選択される。特図変動パターンとして変動パターンP11が選択された場合において、変動演出パターン乱数カウンタから取得した変動演出パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、変動演出パターンとしてSPリーチEが選択される。特図変動パターンとして変動パターンP12が選択された場合において、変動演出パターン乱数カウンタから取得した変動演出パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、変動演出パターンとしてSPリーチFが選択される。
【0096】
特図変動パターンとして変動パターンP13が選択された場合において、変動演出パターン乱数カウンタから取得した変動演出パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、変動演出パターンとして通常変動Cが選択される。特図変動パターンとして変動パターンP14が選択された場合において、変動演出パターン乱数カウンタから取得した変動演出パターン乱数が0~99のいずれかであった場合は、変動演出パターンとして通常変動Dが選択される。通常変動A~DおよびノーマルリーチA~Dが期待度が相対的に低い演出の一例であり、SPリーチA~Fが期待度が相対的に高い演出の一例である。
【0097】
[可動体動作パターン選択テーブル]
図12に示す可動体動作パターン選択テーブルTA5は、演出制御用マイコン101(図6)が、可動体の動作パターンを選択する際に参照するテーブルである。可動体動作パターン選択テーブルTA5は、特図変動パターンと、可動体動作パターンとを対応付けて構成されている。可動体動作パターン選択テーブルTA5における変動演出パターンは、参考のために記載してある。特図変動パターンは、前述した特図変動パターン選択テーブルTA3(図9)に設定されている特図変動パターンと対応しており、可動体動作パターンの実行時間は、特図変動パターン選択テーブルTA3(図9)に設定されている特図変動パターンの変動時間と同一である。
【0098】
たとえば、特図変動パターンとして変動パターンP1が選択された場合は、可動体動作パターンMP1が選択され、可動体は、変動パターンP1の変動時間と同じ時間動作する。また、特図変動パターンとして変動パターンP2が選択された場合は、可動体動作パターンMP2が選択され、可動体は、変動パターンP2の変動時間と同じ時間動作する。また、特図変動パターンとして変動パターンP5が選択された場合は、可動体動作パターンMP5が選択され、可動体は、変動パターンP5の変動時間と同じ時間動作する。
このように、可動体動作パターン選択テーブルTA5に設定されている各可動体動作パターンは、それぞれ可動体の動作時間を表すものであり、特図変動パターンと対応付けられている可動体動作パターンを選択することにより、その特図変動パターンの変動時間と同じ時間可動体を動作させるように構成されている。
【0099】
図13に示す可動体動作パターン選択テーブルTA6は、演出制御用マイコン101(図6)が、大当たりの発生を示唆する際に、可動体の動作パターンを選択するために参照するテーブルである。可動体動作パターン選択テーブルTA6は、先読み演出判定結果と、可動体動作パターンとを対応付けて構成されている。先読み演出判定結果とは、演出制御用マイコン101が実行する先読み演出判定処理(図26)における事前判定の結果のことである。演出制御用マイコン101は、特図保留演出記憶部(第1特図保留演出記憶部121または第2特図保留演出記憶部122:図10)に記憶した始動入賞コマンドに含まれている大当たり乱数が、大当たり判定(図18のS63、S64)において大当たりと判定される大当たり乱数であるか否かを判定する。つまり、遊技制御用マイコン61が大当たり判定を行う前に大当たり判定(事前判定)を行う。そして、演出制御用マイコン101は、事前判定の結果、大当たりと判定した場合は、その大当たり乱数が記憶されている特図演出保留記憶部の記憶領域に、事前判定(先読み)の結果が大当たりであったことを示す先読み大当たりフラグ「1」をセットする。
【0100】
可動体動作パターン選択テーブルTA6において、保留1大当たりは、先読み大当たりフラグ「1」が特図保留演出記憶部の第1記憶領域(図10)に記憶されていること、つまり、特図保留の1番目が大当たりであることを表す。この場合は、可動体動作パターンMP23が選択される。また、保留2大当たりは、先読み大当たりフラグ「1」が特図保留演出記憶部の第2記憶領域(図10)に記憶されていること、つまり、特図保留の2番目が大当たりであることを表す。この場合は、可動体動作パターンMP22が選択される。また、保留3大当たりは、先読み大当たりフラグ「1」が特図保留演出記憶部の第3記憶領域(図10)に記憶されていること、つまり、特図保留の3番目が大当たりであることを表す。この場合は、可動体動作パターンMP21が選択される。また、保留4大当たりは、先読み大当たりフラグ「1」が特図保留演出記憶部の第4記憶領域(図10)に記憶されていること、つまり、特図保留の4番目が大当たりであることを表す。この場合は、可動体動作パターンMP20が選択される。
【0101】
可動体動作パターンMP20~MP23は、それぞれ可動体の動作パターンの周期が異なる。可動体の動作パターンの周期は、可動体動作パターンMP20が最も長く、可動体動作パターンMP21が2番目に長い。そして、可動体動作パターンMP22が3番目に長く、可動体動作パターンMP20が4番目に長い。つまり、可動体動作パターンMP20からMP23に近づくに従って可動体の動作パターンの周期が次第に短くなる。本実施形態では、可動体の動作パターンは、可動体が回転する動作パターンであり、動作パターンの1周期は、可動体の1回転に相当する。
たとえば、可動体は、先読み演出判定結果として大当たりが存在しない場合は、特別図柄の変動表示と同期して毎秒0.5回転で回転する。そして、可動体は、可動体動作パターンMP20が選択された場合は毎秒1回転で回転し、可動体動作パターンMP21が選択された場合は毎秒2回転で回転する。また、可動体は、可動体動作パターンMP22が選択された場合は毎秒4回転で回転し、可動体動作パターンMP23が選択された場合は毎秒8回転で回転する。
【0102】
可動体は、通常、特別図柄の変動表示と同期して毎秒0.5回転で回転するが、回転の途中で先読み演出判定が行われ、その結果、大当たりと判定された場合は、その判定のタイミングから、選択された可動体動作パターンに基づく回転速度に変化し、その回転速度は、特別図柄の変動表示が終了するまで続く。
また、先読み大当たりフラグ「1」は、特図保留数が1つ消化される毎に古い方の記憶領域に1つシフトする。また、演出制御用マイコン101は、一定の割込周期で先読み演出判定処理を実行する。このため、先読み大当たりフラグ「1」がシフトする毎に、可動体動作パターンが変更され、その変更の都度、可動体の回転速度が速くなる。
したがって、遊技者は、特別図柄の変動表示が行われる毎に、可動体の回転速度が速くなるのを見分けることにより、大当たりの発生が次第に近づいていることを推測することができるため、ドキドキ感が次第に高まり、興趣の高い遊技を楽しむことができる。
【0103】
[遊技制御用マイコン61の主な処理]
次に、遊技制御用マイコン61(図5)が実行する主な処理について図を参照しつつ説明する。
(メイン側主制御処理)
最初に、遊技制御用マイコン61が実行するメイン側主制御処理の内容についてそれを示す図14を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM63(図5)から図14に示すメイン側主制御処理のコンピュータプログラムを読み出して実行する。遊技制御用マイコン61は、最初に初期設定を行う(ステップ(以下、Sと略す)1)。この初期設定では、たとえば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU62の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタおよびタイマなどのリセットなどを行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、割込禁止を実行し(S2)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S3)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理では、前述した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数および変動パターン乱数を発生する各乱数カウンタの初期値をそれぞれ「1」加算して更新する。各乱数カウンタのカウント値は上限値に達すると「0」に戻って再び「1」加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、各乱数カウンタのカウント値にそれぞれ「2」以上の数値を加算して更新してもよい。また、各乱数は、カウンタICなどから成る公知の乱数生成回路を利用して生成される、いわゆるハードウェア乱数であってもよい。このハードウェア乱数を用いる場合は、ソフトウェアによる乱数の更新処理(S3)は必要ない。
【0104】
続いて、遊技制御用マイコン61は、割込許可を実行する(S4)。割込許可中は、メイン側タイマ割込処理(S5)の実行が可能となる。メイン側タイマ割込処理(S5)は、たとえば、4msec周期でCPU62に対して入力される割込パルスに基づいて実行される。つまり、4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割込処理(S5)が終了してから、次にメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)による各種カウンタの初期値更新処理が実行される。なお、割込禁止状態のときにCPU62に割込パルスが入力された場合は、メイン側タイマ割込処理(S5)は直ぐには開始されず、割込許可(S4)が実行されてから開始される。
【0105】
(メイン側タイマ割込処理)
次に、遊技制御用マイコン61が実行するメイン側タイマ割込処理(図14のS5)の内容についてそれを示す図15を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、出力処理を実行する(S10)。この出力処理では、以下に説明する各処理において主制御基板60のRAM64(図5)に設けられた出力バッファにセットされたコマンドなどをサブ制御基板100(図6)や払出制御基板73(図5)などに出力する。続いて、遊技制御用マイコン61は、入力処理を実行する(S11)。この入力処理では、主にパチンコ遊技機1に取付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a、第2始動口センサ22a、第1大入賞口センサ32a、第2大入賞口センサ42a、ゲートセンサ12aなど(図5))が検出した各検出信号を読み込む。続いて、遊技制御用マイコン61は、タイマ更新処理を実行する(S12)。このタイマ更新処理では、タイマとして作動している減算カウンタの更新(減算)を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、賞球制御処理を実行する(S13)。この賞球制御処理では、入力処理(S11)において読み込んだ各種センサの検出信号に基づいて、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払出コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。払出コマンドは、払出制御基板73に対して出力されるコマンドである。続いて、遊技制御用マイコン61は、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S14)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理は、図14のメイン側主制御処理で実行する普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。つまり、各乱数カウンタの初期値の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S5)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割込処理(S5)の終了後、次のメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0106】
続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する始動口センサ検出処理(S15)、普通動作処理(S16)、特別図柄待機処理(S17)、特別図柄変動処理(S18)、その他の処理(S19)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S5)を終了する。その他の処理(S19)は、不正入賞を検知して報知するセキュリティ制御処理、磁気を利用した不正行為を検知して報知する磁気検出処理、前面枠18(図1)や内枠の開放を検知して報知する扉開放処理、電波を利用した不正行為を検知して報知する不正電波検出処理、パチンコ遊技機1を振動させる不正行為を検知して報知する衝撃検出処理などである。そして、次にCPU62に割込パルスが入力されるまではメイン側主制御処理のS2~S4の処理が繰り返し実行され(図14)、割込パルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S5)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S5)の出力処理(S10)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S5)にてRAM64(図5)の出力バッファにセットされたコマンドなどが所定の基板へ出力される。
【0107】
(始動口センサ検出処理)
次に、遊技制御用マイコン61が実行する始動口センサ検出処理(図15のS15)の内容についてそれを示す図16を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、遊技球がゲート12(図1)を通過したか否かを判定し(S20)、通過したと判定した場合は(S20:Yes)、ゲート通過処理を実行する(S21)。このゲート通過処理では、普図保留数が4以上であるか否か判定し、普図保留数が4以上でなければ、普図保留数に「1」を加算し、普通図柄の抽選を行うための当たり乱数を取得して記憶する処理を行う。
【0108】
また、S20において、遊技球がゲート12を通過していないと判定した場合は(S20:No)、遊技球が第2始動口22(図1)に入賞したか否かを判定する(S22)。ここで、遊技球が第2始動口22に入賞したと判定した場合は(S22:Yes)、第2特図保留数U2が上限値の「4」に達しているか否か判定する(S23)。ここで、第2特図保留数U2が「4」に達していると判定した場合は(S23:Yes)、S28に進むが、第2特図保留数U2が「4」に達していないと判定した場合は(S23:No)、第2特図保留数U2に1を加算する(S24)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図関係乱数取得処理を実行する(S25)。この第2特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数カウンタがカウントする大当たり乱数と、大当たり種別乱数カウンタがカウントする大当たり種別乱数と、リーチ乱数カウンタがカウントするリーチ乱数と、変動パターン乱数カウンタがカウントする変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第2特図保留記憶部64b(図7(b))のうち、現在の第2特図保留数に応じた記憶領域に記憶する。たとえば、現在の第2特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
【0109】
続いて、遊技制御用マイコン61は、第2始動入賞コマンド作成処理を実行する(S26)。この第2始動入賞コマンド作成処理では、S25において第2特図保留記憶部64bに格納した各乱数群に基づいて第2始動入賞コマンドを作成する。この第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口に入賞したことを示すデータ、S25において第2特図保留記憶部64bに格納した各乱数を示すデータなどにより構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S26において作成した第2始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S27)。このセットされた第2始動入賞コマンドは、出力処理(図15のS10)においてサブ制御基板100(図6)に出力され、演出制御用マイコン101が第2始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
【0110】
続いて、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第1始動口11(図1)に入賞したか否かを判定する(S28)。ここで、遊技球が第1始動口11に入賞したと判定した場合は(S28:Yes)、第1特図保留数U1が上限値の「4」に達しているか否か判定する(S29)。ここで、第1特図保留数U1が「4」に達していると判定した場合は(S29:Yes)、この始動口センサ検出処理を終了するが、第1特図保留数U1が「4」に達していないと判定した場合は(S29:No)、第1特図保留数U1に1を加算する(S30)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図関係乱数取得処理を実行する(S31)。この第1特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数と、大当たり種別乱数と、リーチ乱数と、変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第1特図保留記憶部64a(図7(a))のうち、現在の第1特図保留数に応じた記憶領域に格納する。たとえば、現在の第1特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
【0111】
続いて、遊技制御用マイコン61は、第1始動入賞コマンド作成処理を実行する(S32)。この第1始動入賞コマンド特定処理では、S31において第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数群に基づいて第1始動入賞コマンドを作成する。この第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示すデータ、S31において第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数を示すデータなどにより構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S32において作成した第1始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S33)。このセットされた第1始動入賞コマンドは、出力処理(図15のS10)においてサブ制御基板100(図6)に出力され、演出制御用マイコン101が第1始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
【0112】
(普通動作処理)
次に、遊技制御用マイコン61が実行する普通動作処理(図15のS16)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、普図保留数の加算、普通図柄表示器53による普通図柄の変動表示、普通図柄が当たりか否かの当たり判定、当たり判定の結果が当たりであった場合の普通可変入賞装置20の開閉動作などの処理を行う。
【0113】
(特別図柄待機処理)
次に、遊技制御用マイコン61が実行する特別図柄待機処理(図15のS17)の内容についてそれを示す図17を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が「0」であるか否かを判定し(S40)、「0」ではないと判定した場合は(S40:No)、後述する第2特図大当たり判定処理(図17)を実行する(S41)。続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する第2特図変動パターン選択処理(図19図20)を実行する(S42)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2から「1」を減算し(S43)、第2特図保留記憶部64b(図7(b))の各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S44)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図変動開始処理を実行する(S45)。つまり、第2特別図柄表示器52は、遊技制御用マイコン61が第2特図保留記憶部64b(図7(b))に記憶されている大当たり乱数に基づいて当否判定を実行する順に第2特別図柄の変動表示を行う。また、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄の変動表示を行う毎に、第2特図保留記憶部64bの各記憶領域に記憶されている各データは、記憶の順番が古い方の記憶領域にシフトされる。
この第2特図変動開始処理では、変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする変動開始コマンドには、後述する第2特図大当たり判定処理(図18)においてセットされた特図停止図柄のデータや第2特図変動パターン選択処理(図19図20)においてセットされた特図変動パターンのデータが含まれている。
【0114】
続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1が「0」であるか否かを判定し(S46)、「0」ではないと判定した場合は(S46:No)、後述する第1特図大当たり判定処理(図18)を実行する(S47)。続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する第1特図変動パターン選択処理(図19図20)を実行する(S48)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1から「1」を減算し(S49)、第1特図保留記憶部64a(図7(a))の各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S50)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図変動開始処理を実行する(S51)。つまり、第1特別図柄表示器51は、遊技制御用マイコン61が第1特図保留記憶部64a(図7(a))に記憶されている大当たり乱数に基づいて当否判定を実行する順に第1特別図柄の変動表示を行う。また、第1特別図柄表示器51が第1特別図柄の変動表示を行う毎に、第1特図保留記憶部64aの各記憶領域に記憶されている各データは、記憶の順番が古い方の記憶領域にシフトされる。
この第1特図変動開始処理では、変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする変動開始コマンドには、後述する第1特図大当たり判定処理(図18)においてセットされた特図停止図柄のデータや第1特図変動パターン選択処理(図19図20)においてセットされた変動パターンのデータが含まれている。
【0115】
また、遊技制御用マイコン61は、S40において、第2特図保留数U2が「0」であると判定した場合は(S40:Yes)、第1特図保留数U1が「0」であるか否かを判定し(S52)、第1特図保留数U1が「0」ではないと判定した場合は(S52:No)、S47に移行し、第1特図大当たり判定処理(図18)を実行する。また、第1特図保留数U1が「0」であると判定した場合は(S52:Yes)、演出表示装置7が待機画面(客待ち用のデモ画面)を表示しているか否かを判定する(S53)。ここで、待機画面を表示していると判定した場合(S53:Yes)は、この特別図柄待機処理を終了し、待機画面を表示していないと判定した場合は(S53:No)、待機画面設定処理を実行する(S54)。この待機画面設定処理では、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。
なお、遊技制御用マイコン61が実行するS31およびS50が第1記憶制御手段の一例であり、S25およびS44が第2記憶制御手段の一例である。
【0116】
(第2特図大当たり判定処理(第1特図大当たり判定処理))
次に、遊技制御用マイコン61が実行する第2特図大当たり判定処理(第1特図大当たり判定処理):図17のS41)の内容についてそれを示す図18を参照しつつ説明する。なお、第2特図大当たり判定処理(図17のS41)と第1特図大当たり判定処理(図17のS47)とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。また、第1特図保留記憶部64aおよび第2特図保留記憶部64bに共通の事項を説明する場合は、単に特図保留記憶部という。
【0117】
遊技制御用マイコン61は、RAM64の特図保留記憶部の第1記憶領域(図7)に記憶されている大当たり乱数を読出し(S60)、大当たり判定テーブルTA1(図8(a))を参照する(S61)。続いて、遊技制御用マイコン61は、確変フラグがONしているか否か、つまり、現在の遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(S62)。なお、確変フラグは、大当たり遊技中に第2大入賞口42(図1)に入賞した遊技球が特定領域を通過したときにONになる。ここで、確変フラグがONしていない、つまり、通常確率状態であると判定した場合は(S62:No)、大当たり判定テーブルTA1のうち、通常確率状態の大当たり乱数を参照し、S60において読出した大当たり乱数と同じ乱数が存在するか否か、つまり、大当たりか否かの当否判定を行う(S63)。たとえば、S60において読出した大当たり乱数が「7」であった場合は、大当たり判定テーブルTA1のうち、通常確率状態の大当たり乱数0~164の中に「7」が存在するため、大当たりと判定する(S63:Yes)。
【0118】
遊技制御用マイコン61は、S63において大当たりと判定した場合は(S63:Yes)、特図保留記憶部の第1記憶領域(図7)に記憶されている大当たり種別乱数を読み出し、複数の大当たりの種類が設定された大当たり種別判定テーブル(図示省略)を参照し、大当たりの種類を判定する(S65)。大当たりの種類によって、特図の大当たり図柄、特図の停止図柄、振分率、最大ラウンド数および大当たり演出図柄などが異なる。ここで、振分率とは、大当たり種別判定テーブルに設定されている複数種類の大当たりのうち、所定の大当たりが選択される確率のことである。また、最大ラウンド数とは、大当たり遊技における実行可能な最大ラウンド数のことである。
【0119】
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定において、大当たりと判定したことを示す大当たりフラグをONし(S66)、S65において判定した大当たりの種類に応じた特図の大当たり図柄を確定表示するための特図停止図柄データをRAM64(図5)に設けた特図バッファにセットし(S67)、この第2特図大当たり判定処理を終える。また、S63において、大当たりではない、つまり、ハズレと判定した場合は(S63:No)、特図のハズレ図柄を確定表示するための特図停止図柄データを特図バッファにセットし(S67)、この第2特図大当たり判定処理を終える。
また、遊技制御用マイコン61は、S62において確変フラグがONしている、つまり、現在の遊技状態が高確率状態であると判定した場合は(S62:Yes)、大当たり判定テーブルTA1のうち、高確率状態の大当たり乱数を参照し、S60において読出した大当たり乱数と同じ乱数があるか否か、つまり、大当たりか否かの当否判定を行う(S64)。たとえば、S60において読出した大当たり乱数が「600」であった場合は、大当たり判定テーブルTA1のうち、高確率状態の大当たり乱数0~649の中に「600」が存在するため、大当たりと判定する(S64:Yes)。続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たりの種別を判定し(S65)、大当たりフラグをONし(S66)、特図停止図柄データを特図バッファにセットし(S67)、この第2特図大当たり判定処理を終える。
なお、遊技制御用マイコン61が実行するS63およびS64が本発明の第2当否判定手段の一例である。また、遊技制御用マイコン61が第1特図大当たり判定処理において実行するS63およびS64が本発明の第1当否判定手段の一例である。
【0120】
(第2特図変動パターン選択処理(第1特図変動パターン選択処理))
次に、遊技制御用マイコン61が実行する第2特図変動パターン選択処理(第1特図変動パターン選択処理):図17のS42,S48)の内容についてそれを示す図19および図20を参照しつつ説明する。なお、第2特図変動パターン選択処理(図17のS42)と第1特図変動パターン選択処理(図17のS48)とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。また、第1特図保留記憶部64aおよび第2特図保留記憶部64bに共通の事項を説明する場合は、単に特図保留記憶部という。
【0121】
遊技制御用マイコン61は、遊技状態が時短状態中であるか否かを判定し(S70)、時短状態中ではないと判定した場合は(S70:No)、大当たりフラグがONしているか否かを判定する(S71)。ここで、大当たりフラグがONしていると判定した場合は(S71:Yes)、特図変動パターン選択テーブルTA3(図9)を参照して特図変動パターンを選択する(S72)。詳しくは、特図変動パターン選択テーブルTA3のうち、非時短状態で大当たりの場合の変動パターン乱数を参照する。そして、特図保留記憶部の第1記憶領域(図7)に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。たとえば、特図保留記憶部の第1記憶領域から取得した変動パターン乱数が「50」であった場合は、特図変動パターン選択テーブルTA3において非時短状態で大当たりの場合の変動パターン乱数0~94と対応付けられている特図変動パターンP1を選択する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64(図5)に設けた特図変動パターンバッファにセットし(S76)、この第2特図変動パターン選択処理を終える。
【0122】
また、遊技制御用マイコン61は、S71において大当たりフラグがONしていない、つまり、ハズレと判定した場合は(S71:No)、特図保留記憶部の第1記憶領域(図7)に記憶されているリーチ乱数を取得し、その取得したリーチ乱数がリーチ成立乱数であるか否かを判定する(S73)。つまり、特図保留記憶部の第1記憶領域から取得したリーチ乱数が、リーチ判定テーブルTA2(図8(b))のうち、非時短状態に設定されているリーチ乱数であるか否かを判定する。たとえば、特図保留記憶部の第1記憶領域から取得したリーチ乱数が「20」であった場合は、リーチ乱数「20」は、非時短状態に設定されているリーチ乱数0~27に存在するため、リーチ成立乱数であると判定する(S73:Yes)。ここで、遊技制御用マイコン61は、リーチ乱数がリーチ成立乱数であると判定した場合は(S73:Yes)、特図変動パターン選択テーブルTA3(図9)を参照して特図変動パターンを選択する(S74)。詳しくは、特図変動パターン選択テーブルTA3のうち、非時短状態でリーチ有りハズレの場合の変動パターン乱数を参照する。そして、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。たとえば、特図保留記憶部の第1記憶領域から取得した変動パターン乱数が「30」であった場合は、特図変動パターン選択テーブルTA3において変動パターン乱数10~99と対応付けられている特図変動パターンP4を選択する。続いて、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64(図5)に設けた特図変動パターンバッファにセットし(S76)、この第2特図変動パターン選択処理を終える。
【0123】
また、遊技制御用マイコン61は、S73においてリーチ乱数がリーチ成立乱数ではないと判定した場合は(S73:No)、特図変動パターン選択テーブルTA3(図9)を参照して特図変動パターンを選択する(S75)。本実施形態では、リーチ無しハズレの場合は、取得した変動パターン乱数に基づく特図変動パターンの選択は無く、特図保留数が0~2の場合は特図変動パターンP5を選択し、特図保留数が3~4の場合は特図変動パターンP6を選択する。特図変動パターンP6の変動時間は特図変動パターンP5よりも短くなっており、特図保留数が3~4の場合には、特図の変動が早く終了し、特図保留の消化ペースが速くなるようになっている。
続いて、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64(図5)に設けた特図変動パターンバッファにセットし(S76)、この第2特図変動パターン選択処理を終える。
【0124】
また、遊技制御用マイコン61は、S70において時短状態中であると判定した場合は(S70:Yes)、大当たりフラグがONしているか否かを判定する(図20のS77)。ここで、大当たりフラグがONしていると判定した場合は(S77:Yes)、特図変動パターン選択テーブルTA3(図9)を参照して特図変動パターンを選択する(S78)。詳しくは、特図変動パターン選択テーブルTA3のうち、時短状態で大当たりの場合の変動パターン乱数を参照する。そして、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。本実施形態では、特図変動パターン選択テーブルTA3の時短状態の大当たりには、変動パターン乱数カウンタがカウントする変動パターン乱数0~99と同じ範囲の変動パターン乱数が設定されているため、取得した変動パターン乱数に関係無く特図変動パターンP11が選択される。続いて、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64(図5)に設けた特図変動パターンバッファにセットし(図19のS76)、この第2特図変動パターン選択処理を終える。
【0125】
また、遊技制御用マイコン61は、S77において大当たりフラグがONしていない、つまり、ハズレと判定した場合は(S77:No)、特図保留記憶部の第1記憶領域(図7)に記憶されているリーチ乱数を取得し、その取得したリーチ乱数がリーチ成立乱数であるか否かを判定する(S79)。つまり、特図保留記憶部の第1記憶領域から取得したリーチ乱数が、リーチ判定テーブルTA2(図8(b))のうち、時短状態に設定されているリーチ乱数であるか否かを判定する。たとえば、特図保留記憶部の第1記憶領域から取得したリーチ乱数が「8」であった場合は、リーチ乱数「8」は、時短状態に設定されているリーチ乱数0~11に存在するため、リーチ成立乱数であると判定する(S79:Yes)。ここで、遊技制御用マイコン61は、リーチ乱数がリーチ成立乱数であると判定した場合は(S79:Yes)、特図変動パターン選択テーブルTA3(図9)を参照して特図変動パターンを選択する(S80)。詳しくは、特図変動パターン選択テーブルTA3のうち、時短状態でリーチ有りハズレの場合の変動パターン乱数を参照する。そして、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。本実施形態では、特図変動パターン選択テーブルTA3の時短状態のリーチ有りハズレには、変動パターン乱数カウンタがカウントする変動パターン乱数0~99と同じ範囲の変動パターン乱数が設定されているため、取得した変動パターン乱数に関係無く特図変動パターンP12が選択される。続いて、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64(図5)に設けた特図変動パターンバッファにセットし(図19のS76)、この第2特図変動パターン選択処理を終える。
【0126】
また、遊技制御用マイコン61は、S79においてリーチ乱数がリーチ成立乱数ではないと判定した場合は(S79:No)、特図変動パターン選択テーブルTA3(図9)を参照して特図変動パターンを選択する(S81)。詳しくは、特図変動パターン選択テーブルTA3のうち、時短状態でリーチ無しハズレの場合の変動パターン乱数を参照する。そして、特図保留記憶部の第1記憶領域(図7)に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。本実施形態では、リーチ無しハズレの場合は、取得した変動パターン乱数に基づく特図変動パターンの選択は無く、特図保留数が0~1の場合は特図変動パターンP13を選択し、特図保留数が2~4の場合は特図変動パターンP14を選択する。特図変動パターンP14の変動時間は特図変動パターンP13よりも短くなっており、特図保留数が2~4の場合には、特図の変動が早く終了し、特図保留の消化ペースが速くなるようになっている。続いて、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64(図5)に設けた特図変動パターンバッファにセットし(図19のS76)、この第2特図変動パターン選択処理を終える。
【0127】
S76において特図変動パターンバッファにセットした変動パターンデータは、前述した特別図柄待機処理のS45(図17)においてセットされる変動開始コマンドに含められ、メイン側タイマ割込処理の出力処理(図15のS10)により、サブ制御基板100(図6)へ出力される。また、第1特図変動パターン選択処理も第2特図変動パターン選択処理と同じ流れで実行され、S76において特図変動パターンバッファにセットした変動パターンデータは、前述した特別図柄待機処理のS51(図17)においてセットされる変動開始コマンドに含められ、メイン側タイマ割込処理の出力処理(図15のS10)により、サブ制御基板100(図6)へ出力される。
なお、遊技制御用マイコン61が実行するS72,S74,S75,S78,S80,S81が、第2変動パターン選択手段の一例であり、各ステップにて選択される特図変動パターンが第2変動パターンの一例である。また、遊技制御用マイコン61が第1特図変動パターン選択処理において実行するS72,S74,S75,S78,S80,S81が、第1変動パターン選択手段の一例であり、各ステップにて選択される特図変動パターンが第1変動パターンの一例である。
【0128】
(特別図柄変動処理)
次に、遊技制御用マイコン61が実行する特別図柄変動処理(図15のS18)の内容についてそれを示す図21を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動時間(図17のS42またはS48において選択された特図変動パターンに応じて決まる変動時間、図9参照)が終了したか否かを判定する(S90)。ここで、終了していないと判定した場合は(S90:No)、この特別図柄変動処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。一方、終了したと判定した場合は(S90:Yes)、特別図柄の変動表示を停止させるための変動停止コマンドをRAM64(図5)に設けたコマンドバッファにセットする(S91)。続いて、遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動表示を、第2特図大当たり判定処理(第1特図大当たり判定処理)のS67(図18)においてセットした特図停止図柄データに応じた図柄(特図の大当たり図柄または特図のハズレ図柄)で停止させる特別図柄停止処理を実行する(S92)。
【0129】
続いて、遊技制御用マイコン61は、遊技状態管理処理を実行する(S93)。この遊技状態管理処理では、確変フラグがONになっているか否かを判定し、ONになっていると判定した場合は、高確率状態中における特別図柄の変動回数を減算方式でカウントする確変カウンタの値を1減算し、確変カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。そして、「0」であると判定した場合は、確変フラグをOFFにする。続いて、時短フラグがONになっているか否か判定し、ONになっていると判定した場合は、時短状態中における特別図柄の変動回数を減算方式でカウントする時短カウンタの値を1減算し、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。そして、「0」であると判定した場合は、時短フラグをOFFにする。遊技制御用マイコン61は、各フラグの情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、遊技状態管理処理を終える。RAM64の出力バッファにセットされた遊技状態指定コマンドは、メイン側タイマ割込処理の出力処理(図15のS10)においてサブ制御基板100に出力される。
【0130】
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONになっているか否かを判定し(S94)、ONになっていると判定した場合は(S94:Yes)、遊技状態リセット処理を実行する(S95)。この遊技状態リセット処理では、確変フラグがONになっているか否かを判定し、ONになっていると判定した場合は、確変フラグをOFFにする。また、時短フラグがONになっているか否かを判定し、ONになっていると判定した場合は、時短フラグをOFFにする。つまり、大当たり遊技の実行中は、通常確率状態かつ非時短状態に制御される。
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技を開始するために、大当たりオープニング設定を行い(S96)、大当たりオープニングを実行させるためのオープニングコマンドをセットする(S97)。大当たりオープニングとは、大当たりの発生を祝う演出画像を演出表示装置7に表示したり、大当たりの発生を祝う楽曲を各スピーカ8から再生したりする演出のことである。オープニング設定では、大当たり遊技のオープニングの実行時間を所定のタイマにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン61は、特別電役作動有効カウンタの値をセットし(S98)、この特別図柄変動処理を終える。特別電役作動有効カウンタは、大当たり遊技におけるラウンド数の残回数をカウントするカウンタである。また、S94において大当たりフラグがONになっていないと判定した場合は(S94:No)、この特別図柄変動処理を終える。
【0131】
(サブ側主制御処理)
次に、演出制御用マイコン101(図6)が実行するサブ側主制御処理についてそれを示す図22を参照しつつ説明する。
最初に、演出制御用マイコン101は、初期設定を実行する(S100)。この初期設定では、たとえば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU102(図6)の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタおよびタイマなどのリセットなどを行う。続いて、演出制御用マイコン101は、電源断信号がONしており、かつ、RAM120(図6)の内容が正常であるか否かを判定し(S101)、ここで否定判定した場合は(S101:No)、RAM120を初期化し(S102)、S103に進む。また、S101において肯定判定した場合は(S101:Yes)、RAM120を初期化しないでS103に進む。つまり、電源断信号がONになっていない場合、または、電源断信号がONになっていてもRAM120の内容が正常でない場合には(S101:No)、RAM120を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM120の内容が正常に保たれている場合には(S101:Yes)、RAM120を初期化しない。なお、RAM120を初期化すれば、各種のフラグ、カウンタおよびタイマなどの値はリセットされる。また、このS100~S102は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0132】
続いて、演出制御用マイコン101は、割込禁止を行い(S103)、乱数更新処理を実行する(S104)。この乱数更新処理では、種々の演出決定用乱数カウンタの初期値を更新する。なお、演出決定用乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出乱数などがある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御用マイコン61が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。続いて、演出制御用マイコン101は、コマンド送信処理を実行する(S105)。このコマンド送信処理では、演出制御用マイコン101のRAM120内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板200などに送信する。画像制御基板200は、受信したコマンドにしたがって、演出表示装置7に各種の演出(演出図柄変動パターンの表示、大当たり遊技に伴う大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)など)を実行させる。
【0133】
なお、画像制御基板200による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板100は、音声制御基板78(図6)を介して各スピーカ8(図1)から音声を出力したり、ランプ制御基板79を介して盤ランプ2a、左サイドランプ23aおよび右サイドランプ23bを発光させたり、ギミック15を駆動させたりする。また、サブ制御基板100は、第1特別図柄の変動表示と同期して第1可動体26を回転させ、第2特別図柄の変動表示と同期して第2可動体27を回転させる。
続いて、演出制御用マイコン101は割込許可を実行する(S106)。以降、S103~S106を繰り返し実行する。また、割込許可中においては、受信割込処理(S107)、1msタイマ割込処理(S108)および10msタイマ割込処理(S109)の実行が可能となる。
【0134】
(受信割込処理)
次に、演出制御用マイコン101が実行する受信割込処理(図22のS107)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60(図5)から、演出制御用マイコン101の外部INT(割込)入力部に与えられるストローブ信号(STB信号)の信号レベルが変化したか否か、つまり、コマンドを受信するタイミングであるか否かを判定する。具体的には、たとえば、ストローブ信号の信号レベルがハイレベルからローレベルに変化したか否かを判定する。そして、受信するタイミングでなはないと判定した場合は、この受信割込処理を終え、受信するタイミングであると判定した場合は、主制御基板60から送信されてきた各種のコマンドを受信し、それら受信した各種のコマンドをRAM120(図6)の受信バッファに格納する。この受信割込処理は、他の割込処理(S108、S109)に優先して実行される処理である。
【0135】
(1msタイマ割込処理)
次に、演出制御用マイコン101が実行する1msタイマ割込処理(図22のS108)についてそれを示す図23を参照しつつ説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に1msec周期の割込パルスが入力される度に、この1msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、入力処理を実行する(S110)。この入力処理では、演出ボタン検出スイッチ9a、演出レバー押込検出スイッチ6aおよび演出レバー回転検出スイッチ6b(図6)からの検出信号に基づいて、スイッチがONしたことを示すスイッチデータ(エッジデータおよびレベルデータ)を作成する。続いて、演出制御用マイコン101は、出力処理を実行する(S111)。この出力処理では、後述する変動演出開始処理のS166(図27)においてRAM120(図6)のコマンドバッファにセットされる変動開始コマンドを画像制御基板200に出力する。
【0136】
また、演出に合うタイミングで盤ランプ2a、左サイドランプ23aおよび右サイドランプ23b(図6)を発光させるために、後述する10msタイマ割込処理におけるランプ処理(図23のS123)などで作成したランプデータをランプ制御基板79(図6)に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ2a、左サイドランプ23aおよび右サイドランプ23bを所定の発光態様で発光させる。また、演出に合うタイミングでギミック15(図6)を駆動させるために、駆動データ(ギミック15を駆動するためのデータ)を作成し、その作成した駆動データを出力する。つまり、駆動データにしたがってギミック15を所定の動作パターンで駆動させる。
さらに、この出力処理では、第1可動体26および第2可動体27を駆動するために、後述する10msタイマ割込処理における可動体処理(図24のS125)で作成した可動体駆動データ(第1可動体26または第2可動体27を駆動するためのデータ)を第1可動体駆動回路26cまたは第2可動体駆動回路27c(図6)に出力する。つまり、可動体駆動データに基づいて第1可動体26または第2可動体27を所定の駆動パターンで駆動する。
【0137】
続いて、演出制御用マイコン101は、変動開始コマンドを出力したか否かを判定する(S112)。変動開始コマンドは、後述する変動演出開始処理のS166(図27)においてRAM120(図6)のコマンドバッファにセットされ、S111において画像制御基板200に出力される。ここで、演出制御用マイコン101は、変動開始コマンドを出力したと判定した場合は(S112:Yes)、変動演出パターンの変動時間の計測を開始する(S113)。続いて、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行い(S114)、この1msタイマ割込処理を終える。
【0138】
(10msタイマ割込処理)
次に、演出制御用マイコン101が実行する10msタイマ割込処理(図22のS109)についてそれを示す図24を参照しつつ説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に10msec周期の割込パルスが入力される度に、この10msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、後述する受信コマンド解析処理(図25)を実行し(S120)、スイッチ状態取得処理を実行する(S121)。このスイッチ状態取得処理では、1msタイマ割込処理の入力処理(図23のS110)において作成したスイッチデータを10msタイマ割込処理用のスイッチデータとしてRAM120に格納する。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて、演出表示装置7が表示するボタン演出やレバー演出などの表示内容を設定するスイッチ処理を実行する(S122)。続いて、演出制御用マイコン101は、ランプ処理を実行する(S123)。このランプ処理では、ランプデータ(盤ランプ2a、左サイドランプ23aおよび右サイドランプ23bなどの発光を制御するためのデータ)の作成や発光演出の時間管理などを行う。これにより、各ランプは、実行する演出に合った発光演出を行う。
【0139】
続いて、演出制御用マイコン101は、音声制御処理を実行する(S124)。この音声制御処理では、音声データ(各スピーカ8からの音声の出力を制御するためのデータ)の作成、その作成した音声データの音声制御基板78(図6)への出力、音声演出の時間管理などを行う。これにより、実行する演出に合った音声が各スピーカ8から出力される。続いて、演出制御用マイコン101は、可動体処理を実行する(S125)。この可動体処理では、第1可動体26または第2可動体27を駆動するための可動体駆動データの作成、第1可動体26または第2可動体27の駆動時間の管理などを行う。続いて、演出制御用マイコン101は、その他の処理を実行し(S126)、この10msタイマ割込処理を終える。その他の処理(S126)では、変動演出パターン乱数、予告演出を決定するための予告演出乱数などを更新するなどの処理を実行する。
【0140】
(受信コマンド解析処理)
次に、演出制御用マイコン101が実行する受信コマンド解析処理(図24のS120)についてそれを示す図25を参照しつつ説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60(図5)から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定し(S130)、受信したと判定した場合は(S130:Yes)、サブ側遊技状態設定処理を実行する(S131)。遊技状態指定コマンドには、遊技状態(通常確率状態か高確率状態か、時短状態か非時短状態か)を示す情報などが含まれている。このサブ側遊技状態設定処理では、受信した遊技状態指定コマンドを解析し、遊技状態指定コマンドに含まれている情報に基づき、遊技状態フラグを設定する。遊技状態フラグは、現時点で設定されている遊技状態を示すフラグである。遊技状態指定コマンドに含まれている情報が通常確率状態かつ非時短状態を示している場合は、遊技状態フラグ「1」をセットする。また、通常確率状態かつ時短状態を示している場合は、遊技状態フラグ「2」をセットする。また、高確率状態かつ時短状態を示している場合は、遊技状態フラグ「3」をセットする。
【0141】
続いて、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からオープニングコマンドを受信したか否かを判定し(S132)、受信したと判定した場合は(S132:Yes)、オープニング演出選択処理を実行する(S133)。このオープニング演出選択処理では、オープニングコマンドを解析し、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。詳しくは、オープニングコマンド毎にオープニング演出パターンが対応付けて設定されたオープニング演出パターン選択テーブル(図示せず)を参照し、受信したオープニングコマンドと対応付けられているオープニング演出パターンを選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM120(図6)の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からラウンド指定コマンドを受信したか否かを判定し(S134)、受信したと判定した場合は(S134:Yes)、ラウンド演出選択処理を実行する(S135)。このラウンド演出選択処理では、大当たり遊技の各ラウンドにおいて実行する演出の種類を選択する。この演出は、演出表示装置7が表示する画像および各スピーカ8が出力する音声などによる演出であり、大当たりの種類によって異なる。詳しくは、ラウンド指定コマンド毎にラウンド演出が対応付けられたラウンド演出テーブル(図示せず)を参照し、受信したラウンド指定コマンドと対応付けられているラウンド演出を選択する。
続いて、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から第2大入賞口入賞コマンドを受信したか否かを判定し(S136)、受信したと判定した場合は(S136:Yes)、第2大入賞口入賞時処理を実行する(S137)。この第2大入賞口入賞時処理では、第2大入賞口42に入賞した遊技球が特定領域を通過したか否かに応じて異なる演出を選択する処理などを行う。
【0142】
続いて、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からエンディングコマンドを受信したか否かを判定し(S138)、受信したと判定した場合は(S138:Yes)、エンディング演出選択処理を実行する(S139)。このエンディング演出選択処理では、実行中の大当たり遊技の契機となった大当たりの種類に応じて、大当たりの終了時に演出表示装置7および各スピーカ8により実行するエンディング演出の種類を選択することなどを行う。続いて、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンドまたは第2始動入賞コマンド)を受信したか否かを判定し(S140)、受信したと判定した場合は(S140:Yes)、後述する先読み演出判定処理(図26)を実行する(S141)。続いて、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S142)、受信したと判定した場合は(S142:Yes)、後述する変動演出開始処理(図27)を実行する(S143)。
【0143】
続いて、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S144)、受信したと判定した場合は(S144:Yes)、変動演出終了処理を実行する(S145)。この変動演出終了処理では、演出制御用マイコン101は、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM120(図6)の出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(図22のS105)によって画像制御基板200(図6)に送信されると、画像制御基板200は、演出表示装置7において左演出図柄9L、中演出図柄9Cおよび右演出図柄9R(図1)を所定の停止パターンを経て確定表示する。続いて、演出制御用マイコン101は、その他の処理を実行し(S146)、この受信コマンド解析処理を終える。その他の処理(S146)では、上記各コマンド以外のコマンド(たとえば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理などを行う。
【0144】
(先読み演出判定処理)
次に、演出制御用マイコン101が実行する先読み演出判定処理(図25のS141)についてそれを示す図26を参照しつつ説明する。
演出制御用マイコン101は、RAM120の受信バッファに格納されている始動入賞コマンドをRAM120の特図保留演出記憶部(第1特図保留演出記憶部121または第2特図保留演出記憶部122:図10)に記憶する(S150)。詳しくは、受信した始動入賞コマンドが第1始動入賞コマンドであった場合は、第1特図保留演出記憶部121に記憶し、第2始動入賞コマンドであった場合は、第2特図保留演出記憶部122に記憶する。なお、受信した始動入賞コマンドは、各特図保留演出記憶部の第1~第4記憶領域のうち、当該始動入賞コマンドが記憶されていない最も番号の小さい記憶領域に記憶される。これにより、特図保留の記憶順に対応した順で始動入賞コマンドが記憶されて行くことになる。また、変動演出パターンの表示は、第1特図保留演出記憶部121の第1記憶領域に記憶されている始動入賞コマンドに基づいて行われ、変動演出パターンの表示を行う毎に各記憶領域に記憶されている始動入賞コマンドは、記憶の順番が古い方の記憶領域にシフトする。
【0145】
続いて、演出制御用マイコン101は、S150において記憶した始動入賞コマンドが第1始動入賞コマンドであった場合は、第1特図保留演出カウンタの値を「1」加算して更新し、第2始動入賞コマンドであった場合は、第2特図保留演出カウンタの値を「1」加算して更新する(S151)。第1特図保留演出カウンタは、第1始動入賞コマンドの受信に基づいて第1特図保留数に対応する数をカウントするカウンタであり、第2特図保留演出カウンタは、第2始動口入賞コマンドの受信に基づいて第2特図保留数に対応する数をカウントするカウンタである。このため、第1特図保留演出カウンタの値は、第1特図保留数と同期して増減し、第2特図保留演出カウンタの値は、第2特図保留数と同期して増減する。
【0146】
続いて、演出制御用マイコン101は、事前判定を行う(S152)。この事前判定では、S150において特図保留演出記憶部(第1特図保留演出記憶部121または第2特図保留演出記憶部122:図10)に記憶した始動入賞コマンドに含まれている大当たり乱数が、大当たり判定(図18のS63、S64)において大当たりと判定される大当たり乱数であるか否かを判定する。つまり、遊技制御用マイコン61が大当たり判定を行う前に大当たり判定(事前判定)を行う。大当たり判定テーブルTA1(図8(a))は、サブ制御基板100のROM110(図6)にも記憶されており、演出制御用マイコン101は、大当たり判定テーブルTA1を参照して大当たり判定(事前判定)を行う。続いて、演出制御用マイコン101は、大当たり判定において大当たりと判定される大当たり乱数を含む始動入賞コマンドが特図保留演出記憶部(第1特図保留演出記憶部121または第2特図保留演出記憶部122:図10)に記憶されているか否か、つまり、大当たりが有るか否かを判定する(S153)。ここで、大当たりが有ると判定した場合は(S153:Yes)、事前判定において大当たりが存在したことを示す先読み大当たりフラグ「1」を、大当たりと判定した大当たり乱数を含む始動入賞コマンドが記憶されている記憶領域にセットする(S154)。
なお、演出制御用マイコン101が第1特図保留演出記憶部121に記憶されている大当たり乱数に対して実行するS152および演出制御用マイコン101が第2特図保留演出記憶部122に記憶されている大当たり乱数に対して実行するS152が本発明の事前判定手段の一例である。
【0147】
(変動演出開始処理)
次に、演出制御用マイコン101が実行する変動演出開始処理(図25のS143)についてそれを示す図27を参照しつつ説明する。
演出制御用マイコン101は、受信した変動開始コマンドを解析する(S160)。変動開始コマンドには、第2特図変動パターン選択処理(第1特図変動パターン選択処理):図17のS42,S48)でセットされた第2特図変動パターンの情報、または、第1特図変動パターンの情報が含まれている。続いて、演出制御用マイコン101は、S160において解析した変動開始コマンドが第1特図変動開始コマンドである場合は、第1特図保留演出カウンタの値を「1」減算し、第2特図変動開始コマンドである場合は、第2特図保留演出カウンタの値を「1」減算する(S161)。続いて、演出制御用マイコン101は、特図保留演出記憶部(第1特図保留演出記憶部121または第2特図保留演出記憶部122:図10)に記憶されている始動入賞コマンドおよび先読み大当たりフラグなどの各データを古い記憶領域の方にシフトする(S162)。続いて、演出制御用マイコン101は、演出表示装置7が変動演出パターンを表示する際に最終的に確定表示する左演出図柄9L、中演出図柄9Cおよび右演出図柄9R(図1)の組み合わせを、演出図柄選択テーブル(図示せず)を参照して選択する(S163)。
【0148】
続いて、演出制御用マイコン101は、後述する予告演出選択処理(図28)を実行し(S164)、変動演出パターン・可動体動作パターン選択処理を実行する(S165)。この変動演出パターン・可動体動作パターン選択処理では、変動演出パターン乱数カウンタがカウントする変動演出パターン乱数を取得する。そして、変動演出パターン選択テーブルTA4(図11)を参照し、S160における解析により得た特図変動パターンの情報に基づいて、その特図変動パターンと対応付けられている変動演出パターンのうち、上記の取得した変動演出パターン乱数と対応付けられている変動演出パターンを選択する。たとえば、取得した変動演出パターン乱数が「30」であり、特図変動パターンの情報が特図変動パターンP1を示す情報であった場合は、変動演出パターン選択テーブルTA4のうち、特図変動パターンP1の変動演出パターン乱数0~69と対応付けられている変動演出パターンSPリーチAを選択する。
【0149】
また、この変動演出パターン選択処理では、可動体動作パターン選択テーブルTA5(図12)を参照し、S160における解析により得た特図変動パターンと対応付けられている可動体動作パターンを選択する。たとえば、特図変動パターンがP1であった場合は、特図変動パターンP1と対応付けられている可動体動作パターンMP1を選択する。つまり、可動体動作パターンは、大当たりか否かの当否判定の結果に対応する特図変動パターンに応じて決定する。換言すると、可動体変動パターンは、大当たりか否かの当否判定の結果に基づいて決定する。
続いて、演出制御用マイコン101は、S165において選択した変動演出パターンを演出表示装置7などに開始させるための変動演出開始コマンドと、S165において選択した可動体動作パターンを第1可動体26または第2可動体27に動作させるための可動体動作開始コマンドとをRAM120の出力バッファにセットする(S166)。
なお、演出制御用マイコン101が実行するS165が動作パターン決定手段の一例である。
【0150】
(予告演出選択処理)
次に、演出制御用マイコン101が実行する予告演出選択処理(図27のS164)についてそれを示す図28を参照しつつ説明する。なお、この予告演出選択処理は、第1特図保留演出記憶部121および第2特図保留演出記憶部122(図10)に対して共通に実行するため、ここではまとめて説明する。
演出制御用マイコン101は、大当たりフラグがONしているか否かを判定し(S170)、ONしていると判定した場合は(S170:Yes)、事前判定に基づく予告演出を実行する必要がないため、この予告演出選択処理を終える。また、大当たりフラグがONしていないと判定した場合は(S170:No)、特図保留演出記憶部の第1記憶領域(図10)に先読み大当たりフラグ「1」がセットされているか否かを判定する(S171)。先読み大当たりフラグは、先読み演出判定処理において大当たりが存在すると判定した場合にONされる(図26のS154)。ここで、先読み大当たりフラグ「1」がセットされていると判定した場合は(S171:Yes)、可動体動作パターン選択テーブルTA6(図13)を参照し、保留1大当たりに対応付けられている可動体動作パターンMP23を選択し、この選択した可動体動作パターンMP23を第1記憶領域に記憶する(S172)。
【0151】
可動体動作パターンMP23は、先読み大当たり判定フラグ「1」が第1特図保留演出記憶部121の第1記憶領域(図10(b))に記憶されていた場合は、その第1記憶領域に記憶される。可動体処理(図24のS125)では、第1可動体26を可動体動作パターンMP23に基づいて動作させるための可動体駆動データが作成される。そして、出力処理(図23のS111)により、第1可動体26が可動体動作パターンMP23に基づいて動作する。これにより、第1特図保留の1番目で大当たりが発生することを示唆することができる。
また、可動体動作パターンMP23は、先読み大当たり判定フラグ「1」が第2特図保留演出記憶部122の第1記憶領域(図10(c))に記憶されていた場合は、その第1記憶領域に記憶される。可動体処理(図24のS125)では、第2可動体27を可動体動作パターンMP23に基づいて動作させるための可動体駆動データが作成される。そして、出力処理(図23のS111)により、第2可動体27が可動体動作パターンMP23に基づいて動作する。これにより、第2特図保留の1番目で大当たりが発生することを示唆することができる。
【0152】
また、演出制御用マイコン101は、S171において、第1記憶領域には先読み大当たり判定フラグ「1」がセットされていないと判定した場合は(S171:No)、第2記憶領域に先読み大当たり判定フラグ「1」がセットされているか否かを判定する(S173)。ここで、演出制御用マイコン101は、第2記憶領域に先読み大当たり判定フラグ「1」がセットされていると判定した場合は(S173:Yes)、可動体動作パターン選択テーブルTA6(図13)を参照し、保留2大当たりに対応付けられている可動体動作パターンMP22を選択し、この選択した可動体動作パターンMP22を第2記憶領域に記憶する(S174)。
【0153】
可動体動作パターンMP22は、先読み大当たり判定フラグ「1」が第1特図保留演出記憶部121の第2記憶領域(図10(b))に記憶されていた場合は、その第2記憶領域に記憶される。可動体処理(図24のS125)では、第1可動体26を可動体動作パターンMP22に基づいて動作させるための可動体駆動データが作成される。そして、出力処理(図23のS111)により、第1可動体26が可動体動作パターンMP22に基づいて動作する。これにより、第1特図保留の2番目で大当たりが発生することを示唆することができる。
また、可動体動作パターンMP22は、先読み大当たり判定フラグ「1」が第2特図保留演出記憶部122の第2記憶領域(図10(c))に記憶されていた場合は、その第2記憶領域に記憶される。可動体処理(図24のS125)では、第2可動体27を可動体動作パターンMP22に基づいて動作させるための可動体駆動データが作成される。そして、出力処理(図23のS111)により、第2可動体27が可動体動作パターンMP22に基づいて動作する。これにより、第2特図保留の2番目で大当たりが発生することを示唆することができる。
【0154】
また、演出制御用マイコン101は、S173において、第2記憶領域には先読み大当たり判定フラグ「1」がセットされていないと判定した場合は(S173:No)、第3記憶領域に先読み大当たり判定フラグ「1」がセットされているか否かを判定する(S175)。ここで、演出制御用マイコン101は、第3記憶領域に先読み大当たり判定フラグ「1」がセットされていると判定した場合は(S175:Yes)、可動体動作パターン選択テーブルTA6(図13)を参照し、保留3大当たりに対応付けられている可動体動作パターンMP21を選択し、この選択した可動体動作パターンMP21を第3記憶領域に記憶する(S176)。
【0155】
可動体動作パターンMP21は、先読み大当たり判定フラグ「1」が第1特図保留演出記憶部121の第3記憶領域(図10(b))に記憶されていた場合は、その第3記憶領域に記憶される。可動体処理(図24のS125)では、第1可動体26を可動体動作パターンMP21に基づいて動作させるための可動体駆動データが作成される。そして、出力処理(図23のS111)により、第1可動体26が可動体動作パターンMP21に基づいて動作する。これにより、第1特図保留の3番目で大当たりが発生することを示唆することができる。
また、可動体動作パターンMP21は、先読み大当たり判定フラグ「1」が第2特図保留演出記憶部122の第3記憶領域(図10(c))に記憶されていた場合は、その第3記憶領域に記憶される。可動体処理(図24のS125)では、第2可動体27を可動体動作パターンMP21に基づいて動作させるための可動体駆動データが作成される。そして、出力処理(図23のS111)により、第2可動体27が可動体動作パターンMP21に基づいて動作する。これにより、第2特図保留の3番目で大当たりが発生することを示唆することができる。
【0156】
また、演出制御用マイコン101は、S175において、第3記憶領域には先読み大当たり判定フラグ「1」がセットされていないと判定した場合は(S175:No)、第4記憶領域に先読み大当たり判定フラグ「1」がセットされているか否かを判定する(S177)。ここで、演出制御用マイコン101は、第4記憶領域に先読み大当たり判定フラグ「1」がセットされていると判定した場合は(S177:Yes)、可動体動作パターン選択テーブルTA6(図13)を参照し、保留4大当たりに対応付けられている可動体動作パターンMP20を選択し、この選択した可動体動作パターンMP20を第4記憶領域に記憶する(S178)。
【0157】
可動体動作パターンMP20は、先読み大当たり判定フラグ「1」が第1特図保留演出記憶部121の第4記憶領域(図10(b))に記憶されていた場合は、その第4記憶領域に記憶される。可動体処理(図24のS125)では、第1可動体26を可動体動作パターンMP20に基づいて動作させるための可動体駆動データが作成される。そして、出力処理(図23のS111)により、第1可動体26が可動体動作パターンMP20に基づいて動作する。これにより、第1特図保留の4番目で大当たりが発生することを示唆することができる。
また、可動体動作パターンMP20は、先読み大当たり判定フラグ「1」が第2特図保留演出記憶部122の第4記憶領域(図10(c))に記憶されていた場合は、その第4記憶領域に記憶される。可動体処理(図24のS125)では、第2可動体27を可動体動作パターンMP20に基づいて動作させるための可動体駆動データが作成される。そして、出力処理(図23のS111)により、第2可動体27が可動体動作パターンMP20に基づいて動作する。これにより、第2特図保留の4番目で大当たりが発生することを示唆することができる。
なお、演出制御用マイコン101が実行するS111およびS125が、本発明の可動体制御手段の一例である。
【0158】
また、特図保留が1個消化される毎に特図保留演出記憶部に記憶されている先読み大当たり判定フラグ「1」は、記憶の順番が古い方の記憶領域にシフトするため、予告演出選択処理を実行する毎に、可動体動作パターンは、可動体の動作パターンの周期が短い可動体動作パターンに変化する。たとえば、第1特図保留演出記憶部の第4記憶領域に先読み大当たり判定フラグ「1」がセットされている場合は、第1特図保留が消化される毎に、先読み大当たり判定フラグ「1」は、第3記憶領域、第2記憶領域、第1記憶領域とシフトし、第1可動体26の可動体動作パターンは、MP23からMP22、MP21、MP20と変化する。つまり、特図保留の大当たりが近づくに従って可動体動作パターンの周期が次第に短くなり、回転速度が次第に速くなる。
したがって、大当たりの発生が近づいていることを示唆することができる。
【0159】
[第1実施形態の効果]
(1)第1実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、第1特図保留演出記憶部121に記憶されている大当たり乱数に基づいて行われた事前判定(先読み)の結果が大当たりであった場合に第1可動体26の動作パターンを変化させることができる。
したがって、第1可動体26の動作パターンの変化を見分けることにより、第1特図保留演出記憶部121に記憶されている大当たり乱数に基づいて行われた事前判定(先読み)が大当たりであったことを示唆することができる。
また、第2特図保留演出記憶部122に記憶されている大当たり乱数に基づいて行われた事前判定(先読み)の結果が大当たりであった場合に第2可動体27の動作パターンを変化させることができる。
したがって、第2可動体27の動作パターンの変化を見分けることにより、第2特図保留演出記憶部122に記憶されている大当たり乱数に基づいて行われた事前判定(先読み)の結果が大当たりであったことを示唆することができる。
【0160】
(2)第1実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、第1特別図柄および第2特別図柄が並行して変動表示しているときの事前判定の結果が大当たりであった場合に、その大当たりが第1特別図柄および第2特別図柄のどちらに基づくものであるか分かり易いパチンコ遊技機を提供することができる。
【0161】
(3)第1実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、特図保留の大当たりが近づくに従って可動体の動作パターンの周期を短くすることができる。
したがって、大当たりの発生が次第に近づいていることを示唆することができる。
【0162】
(4)第1実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、第1可動体26が動作することにより、第1特別図柄が変動表示していることを報知することができる。また、第2可動体27が動作することにより、第2特別図柄が変動表示していることを報知することができる。特に、第1特別図柄および第2特別図柄は、小さなLEDの点滅によって表現されており、見難いが、第1可動体26および第2可動体27は円板形状を呈しており、演出表示装置7の前面で回転するため、遊技者の視界に入り、見易い。
また、第1可動体26は第1特別図柄と同期して回転し、第2可動体27は第2特別図柄と同期して回転するため、第1可動体26および第2可動体27のどちらが回転しているのかを見分ければ、第1特別図柄および第2特別図柄のどちらが変動表示しているのかを容易に知ることができる。
【0163】
〈第2実施形態〉
次に、本発明の第2実施形態のパチンコ遊技機について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機は、演出表示装置7がSPリーチの出現する変動演出パターンを表示するか否かを事前判定し、その判定結果を、第1可動体26または第2可動体27の動作パターンを変化させることによって示唆することを特徴とする。なお、本実施形態のパチンコ遊技機は、係る特徴以外は、前述した第1実施形態のパチンコ遊技機1と同一であるため、その同一部分の説明を省略する。また、第1実施形態のパチンコ遊技機1と同一の構成については同一の符号を用いる。
【0164】
[可動体動作パターン選択テーブル]
図29に示す可動体動作パターン選択テーブルTA7は、演出制御用マイコン101(図6)が、SPリーチの発生を示唆する際に、可動体の動作パターンを選択するために参照するテーブルである。可動体動作パターン選択テーブルTA7は、先読み演出判定結果と、可動体動作パターンとを対応付けて構成されている。先読み演出判定結果とは、演出制御用マイコン101が実行する先読み演出判定処理2(図30)における事前判定の結果のことである。演出制御用マイコン101は、特図保留演出記憶部(第1特図保留演出記憶部121または第2特図保留演出記憶部122:図10)に記憶した始動入賞コマンドに含まれている変動パターン乱数が、第2特図変動パターン選択処理(図17のS42)または、第1特図変動パターン選択処理(図17のS48)においてSPリーチを選択することになる特定の変動パターン乱数であるか否かを判定する。つまり、SPリーチが有るか否かを判定する。そして、演出制御用マイコン101は、事前判定の結果、SPリーチが有ると判定した場合は、その特定の変動パターン乱数が記憶されている特図保留演出記憶部の記憶領域に、SPリーチが記憶されていることを示す先読みリーチフラグ「1」をセットする。
【0165】
可動体動作パターン選択テーブルTA7において、保留1SPリーチは、先読みリーチフラグ「1」が特図保留演出記憶部の第1記憶領域(図10)に記憶されていること、つまり、演出表示装置7が特図保留の1番目で表示する変動演出パターンがSPリーチの出現する変動演出パターンであることを表す。この場合は、可動体動作パターンMP23が選択される。また、保留2SPリーチは、先読みリーチフラグ「1」が特図保留演出記憶部の第2記憶領域(図10)に記憶されていること、つまり、演出表示装置7が特図保留の2番目で表示する変動演出パターンがSPリーチの出現する変動演出パターンであることを表す。この場合は、可動体動作パターンMP22が選択される。また、保留3SPリーチは、先読みリーチフラグ「1」が特図保留演出記憶部の第3記憶領域(図10)に記憶されていること、つまり、演出表示装置7が特図保留の3番目で表示する変動演出パターンがSPリーチの出現する変動演出パターンであることを表す。この場合は、可動体動作パターンMP21が選択される。また、保留4SPリーチは、先読みリーチフラグ「1」が特図保留演出記憶部の第4記憶領域(図10)に記憶されていること、つまり、演出表示装置7が特図保留の4番目で表示する変動演出パターンがSPリーチの出現する変動演出パターンであることを表す。この場合は、可動体動作パターンMP20が選択される。
【0166】
[先読み演出判定処理2]
演出制御用マイコン101が実行する先読み演出判定処理2について、それを示す図30を参照しつつ説明する。
演出制御用マイコン101は、RAM120(図6)の受信バッファに格納されている始動入賞コマンドをRAM120の特図保留演出記憶部(第1特図保留演出記憶部121または第2特図保留演出記憶部122:図10)に記憶する(S180)。続いて、演出制御用マイコン101は、S180において記憶した始動入賞コマンドが第1始動入賞コマンドであった場合は、第1特図保留演出カウンタの値を「1」加算して更新し、第2始動入賞コマンドであった場合は、第2特図保留演出カウンタの値を「1」加算して更新する(S181)。続いて、演出制御用マイコン101は、事前判定を行う(S182)。この事前判定では、S180において特図保留演出記憶部(第1特図保留演出記憶部121または第2特図保留演出記憶部122:図10)に記憶した始動入賞コマンドに含まれている変動パターン乱数が、第2特図変動パターン選択処理(図17のS42)または、第1特図変動パターン選択処理(図17のS48)においてSPリーチを選択することになる特定の変動パターン乱数であるか否かを判定する。つまり、SPリーチが有るか否かを判定する。
【0167】
続いて、演出制御用マイコン101は、事前判定の結果、SPリーチが有るか否かを判定し(S183)、SPリーチが有ると判定した場合は(S183:Yes)、そのSPリーチが有ると判定した特図演出保留の記憶領域に、SPリーチが記憶されていることを示す先読みリーチフラグ「1」をセットする(S184)。
なお、特図変動パターン選択処理においてSPリーチを選択することになる特定の変動パターン乱数が、特定の変動パターン選択用情報の一例である。また、演出制御用マイコン101が第1特図保留演出記憶部121に対して行う事前判定(S182)および第2特図保留演出記憶部122に対して行う事前判定(S182)が、本発明の事前判定手段の一例である。
【0168】
(予告演出選択処理2)
次に、演出制御用マイコン101が実行する予告演出選択処理2について、それを示す図31を参照しつつ説明する。なお、この予告演出選択処理2は、第1特図保留演出記憶部121および第2特図保留演出記憶部122(図10)に対して共通に実行するため、ここではまとめて説明する。
演出制御用マイコン101は、大当たりフラグがONしているか否かを判定し(S190)、ONしていると判定した場合は(S190:Yes)、事前判定に基づく予告演出を実行する必要がないため、この予告演出選択処理2を終える。また、大当たりフラグがONしていないと判定した場合は(S190:No)、特図保留演出記憶部の第1記憶領域(図10)に先読みリーチフラグ「1」がセットされているか否かを判定する(S191)。ここで、先読みリーチフラグ「1」がセットされていると判定した場合は(S191:Yes)、可動体動作パターン選択テーブルTA7(図29)を参照し、保留1SPリーチに対応付けられている可動体動作パターンMP23を選択し、この選択した可動体動作パターンMP23を第1記憶領域に記憶する(S192)。
【0169】
可動体動作パターンMP23は、先読み大当たり判定フラグ「1」が第1特図保留演出記憶部121の第1記憶領域(図10(b))に記憶されていた場合は、その第1記憶領域に記憶される。可動体処理(図24のS125)では、第1可動体26を可動体動作パターンMP23に従って動作させるための可動体駆動データが作成される。そして、出力処理(図23のS111)により、第1可動体26が可動体動作パターンMP23に従って動作する。これにより、第1特図保留の1番目の変動表示でSPリーチが発生することを示唆することができる。
また、可動体動作パターンMP23は、先読み大当たり判定フラグ「1」が第2特図保留演出記憶部122の第1記憶領域(図10(c))に記憶されていた場合は、その第1記憶領域に記憶される。可動体処理(図24のS125)では、第2可動体27を可動体動作パターンMP23に従って動作させるための可動体駆動データが作成される。そして、出力処理(図23のS111)により、第2可動体27が可動体動作パターンMP23に従って動作する。これにより、第2特図保留の1番目の変動表示でSPリーチが発生することを示唆することができる。
【0170】
また、演出制御用マイコン101は、S191において、第1記憶領域には先読みリーチフラグ「1」がセットされていないと判定した場合は(S191:No)、第2記憶領域に先読みリーチフラグ「1」がセットされているか否かを判定する(S193)。ここで、演出制御用マイコン101は、第2記憶領域に先読みリーチフラグ「1」がセットされていると判定した場合は(S193:Yes)、可動体動作パターン選択テーブルTA7(図29)を参照し、保留2SPリーチに対応付けられている可動体動作パターンMP22を選択し、この選択した可動体動作パターンMP22を第2記憶領域に記憶する(S194)。
【0171】
可動体動作パターンMP22は、先読みリーチフラグ「1」が第1特図保留演出記憶部121の第2記憶領域(図10(b))に記憶されていた場合は、その第2記憶領域に記憶される。可動体処理(図24のS125)では、第1可動体26を可動体動作パターンMP22に従って動作させるための可動体駆動データが作成される。そして、出力処理(図23のS111)により、第1可動体26が可動体動作パターンMP22に従って動作する。これにより、第1特図保留の2番目の変動表示でリーチが発生することを示唆することができる。
また、可動体動作パターンMP22は、先読みリーチフラグ「1」が第2特図保留演出記憶部122の第2記憶領域(図10(c))に記憶されていた場合は、その第2記憶領域に記憶される。可動体処理(図24のS125)では、第2可動体27を可動体動作パターンMP22に従って動作させるための可動体駆動データが作成される。そして、出力処理(図23のS111)により、第2可動体27が可動体動作パターンMP22に従って動作する。これにより、第2特図保留の2番目の変動表示でリーチが発生することを示唆することができる。
【0172】
また、演出制御用マイコン101は、S193において、第2記憶領域には先読みリーチフラグ「1」がセットされていないと判定した場合は(S193:No)、第3記憶領域に先読みリーチフラグ「1」がセットされているか否かを判定する(S195)。ここで、演出制御用マイコン101は、第3記憶領域に先読みリーチフラグ「1」がセットされていると判定した場合は(S195:Yes)、可動体動作パターン選択テーブルTA7(図29)を参照し、保留3SPリーチに対応付けられている可動体動作パターンMP21を選択し、この選択した可動体動作パターンMP21を第3記憶領域に記憶する(S196)。
【0173】
可動体動作パターンMP21は、先読みリーチフラグ「1」が第1特図保留演出記憶部121の第3記憶領域(図10(b))に記憶されていた場合は、その第3記憶領域に記憶される。可動体処理(図24のS125)では、第1可動体26を可動体動作パターンMP21に従って動作させるための可動体駆動データが作成される。そして、出力処理(図23のS111)により、第1可動体26が可動体動作パターンMP21に従って動作する。これにより、第1特図保留の3番目の変動表示でリーチが発生することを示唆することができる。
また、可動体動作パターンMP21は、先読み大当たり判定フラグ「1」が第2特図保留演出記憶部122の第3記憶領域(図10(c))に記憶されていた場合は、その第3記憶領域に記憶される。可動体処理(図24のS125)では、第2可動体27を可動体動作パターンMP21に従って動作させるための可動体駆動データが作成される。そして、出力処理(図23のS111)により、第2可動体27が可動体動作パターンMP21に従って動作する。これにより、第2特図保留の3番目の変動表示でリーチが発生することを示唆することができる。
【0174】
また、演出制御用マイコン101は、S195において、第3記憶領域には先読みリーチフラグ「1」がセットされていないと判定した場合は(S195:No)、第4記憶領域に先読みリーチフラグ「1」がセットされているか否かを判定する(S197)。ここで、演出制御用マイコン101は、第4記憶領域に先読みリーチフラグ「1」がセットされていると判定した場合は(S197:Yes)、可動体動作パターン選択テーブルTA7(図29)を参照し、保留4大当たりに対応付けられている可動体動作パターンMP20を選択し、この選択した可動体動作パターンMP20を第4記憶領域に記憶する(S198)。
【0175】
可動体動作パターンMP20は、先読みリーチフラグ「1」が第1特図保留演出記憶部121の第4記憶領域(図10(b))に記憶されていた場合は、その第4記憶領域に記憶される。可動体処理(図24のS125)では、第1可動体26を可動体動作パターンMP20に従って動作させるための可動体駆動データが作成される。そして、出力処理(図23のS111)により、第1可動体26が可動体動作パターンMP20に従って動作する。これにより、第1特図保留の4番目の変動表示でリーチが発生することを示唆することができる。
また、可動体動作パターンMP20は、先読み大当たり判定フラグ「1」が第2特図保留演出記憶部122の第4記憶領域(図10(c))に記憶されていた場合は、その第4記憶領域に記憶される。可動体処理(図24のS125)では、第2可動体27を可動体動作パターンMP20に従って動作させるための可動体駆動データが作成される。そして、出力処理(図23のS111)により、第2可動体27が可動体動作パターンMP20に従って動作する。これにより、第2特図保留の4番目の変動表示でリーチが発生することを示唆することができる。
【0176】
また、特図保留が1個消化される毎に特図保留演出記憶部に記憶されている先読みリーチフラグ「1」は、記憶の順番が古い方の記憶領域にシフトするため、予告演出選択処理2を実行する毎に、可動体動作パターンは、可動体の動作パターンの周期が短い可動体動作パターンに変化する。たとえば、第1特図保留演出記憶部の第4記憶領域に先読みリーチフラグ「1」がセットされている場合は、第1特図保留が消化される毎に、先読みリーチフラグ「1」は、第3記憶領域、第2記憶領域、第1記憶領域とシフトし、第1可動体26の可動体動作パターンは、MP23からMP22,MP21、MP20と変化する。つまり、特図保留の大当たりが近づくに従って可動体動作パターンの周期が次第に短くなる。
したがって、SPリーチの発生が近づいていることを示唆することができる。
【0177】
[第2実施形態の効果]
(1)第2実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、第1特図保留演出記憶部121に記憶されている変動パターン乱数に基づいて行われた事前判定(先読み)の結果がSPリーチ有りであった場合に第1可動体26の動作パターンを変化させることができる。
したがって、第1可動体26の動作パターンの変化を見分けることにより、第1特図保留演出記憶部121に記憶されている変動パターン乱数に基づいて行われた事前判定(先読み)がSPリーチ有りであったことを示唆することができる。
また、第2特図保留演出記憶部122に記憶されている変動パターン乱数に基づいて行われた事前判定(先読み)の結果がSPリーチ有りであった場合に第2可動体27の動作パターンを変化させることができる。
したがって、第2可動体27の動作パターンの変化を見分けることにより、第2特図保留演出記憶部122に記憶されている変動パターン乱数に基づいて行われた事前判定(先読み)の結果がSPリーチ有りであったことを示唆することができる。
つまり、第2実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、大当たりの発生に対する期待度が相対的に高いSPリーチが発生することを即座に示唆することができる。
【0178】
(2)第2実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、第1特別図柄および第2特別図柄が並行して変動表示しているときの事前判定の結果がSPリーチ有りであった場合に、そのSPリーチ有りが第1特別図柄および第2特別図柄のどちらに基づくものであるか分かり易いパチンコ遊技機を提供することができる。
【0179】
(3)第2実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、SPリーチの発生が近づくに従って可動体の動作パターンの周期を短くすることができる。
したがって、SPリーチの発生が次第に近づいていることを示唆することができる。
つまり、大当たりの発生に対する期待度が相対的に高いSPリーチが次第に近づいていることを示唆することができる。
【0180】
〈第3実施形態〉
次に、本発明の第3実施形態のパチンコ遊技機について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機は、可動体を1つ備えており、第1特別図柄の変動中に第2特別図柄が変動した際に、第2特別図柄の事前判定結果に応じて可動体の動作が変化することを特徴とする。なお、本実施形態のパチンコ遊技機は、係る特徴以外は、前述した第1実施形態のパチンコ遊技機1と同一であるため、その同一部分の説明を省略する。また、第1実施形態のパチンコ遊技機1と同一の構成については同一の符号を用いる。
【0181】
本実施形態では、パチンコ遊技機1は、第2可動体27を備えず、第1可動体26のみを備えているとする。以下、第1可動体26を可動体26という。また、可動体26は、上下にガタガタと振動する動作パターンを有するものとする。また、第1特別図柄および第2特別図柄は、共通の時間にて変動表示可能である。
(予告演出選択処理3)
演出制御用マイコン101が実行する予告演出選択処理3について図32ないし図34を参照しつつ説明する。
演出制御用マイコン101は、第1特別図柄が変動を開始したか否かを判定し(図33のS200)、変動を開始したと判定した場合は(S200:Yes)、可動体26が上下にガタガタと低速で振動する動作を開始する(S201、図32の時刻t1)。続いて、演出制御用マイコン101は、第2特別図柄が変動を開始したか否かを判定し(S202)、変動を開始していないと判定した場合は(S202:No)、第1特別図柄の変動が停止したか否かを判定する(S203)。ここで、演出制御用マイコン101は、変動を停止していないと判定した場合は(S203:No)、S202に戻り、第2特別図柄が変動を開始したか否かを判定する。つまり、第1特別図柄が変動している間に第2特別図柄が変動を開始したか否かを判定する(S202,S203)。
【0182】
演出制御用マイコン101は、第1特別図柄が変動を停止したと判定した場合は(S203:Yes)、可動体26の動作を停止させる(S204)。また、演出制御用マイコン101は、第2特別図柄が変動を開始したと判定した場合は(S202:Yes、図32の時刻t2)、大当りフラグがONしているか否かを判定し(S205)、ONしていると判定した場合は(S205:Yes)、事前判定に基づく予告演出を実行する必要がないため、この予告演出選択処理3を終える。また、大当たりフラグがONしていないと判定した場合は(S205:No)、第2特図保留演出記憶部122に記憶されている大当たり乱数に対して先読み(事前判定)を行ったか否かを判定し(S206)、先読みを行ったと判定した場合は(S206:Yes)、可動体26が上下にガタガタと高速で振動する(S207、図32の時刻t3)。このように、可動体26が動作当初よりも速い速度で動作することにより、遊技者は、演出の変化を感じ取り、先読みが行われたのではないかと推測することができる。
【0183】
続いて、演出制御用マイコン101は、可動体26が高速で動作を開始してから所定時間経過したか否かを判定し(S208)、所定時間経過したと判定した場合は(S208:Yes)、可動体26の動作を一旦停止させる(S209、図32の時刻t4)。可動体26が一旦動作を停止させた後、動作を再開したときの可動体26の動作速度が一旦停止する前と変化せず、高速であった場合は、先読みの結果が大当りであったということを経験的に知っている遊技者は、可動体26が一旦動作を停止している期間、先読みの結果がどうであったか、スリルを味わうことができる。続いて、演出制御用マイコン101は、可動体26の動作が停止してから所定時間経過したか否かを判定し(S210)、所定時間経過したと判定した場合は(S210:Yes)先読み大当りフラグがONしているか否かを判定する(図34のS211)。この判定は、第2特図保留演出記憶部122(図10(c))に先読み大当りフラグ「1」がセットされているか否かを判定することにより行う。
【0184】
ここで、演出制御用マイコン101は、先読み大当りフラグがONしていると判定した場合は(S211:Yes)、可動体26の動作が一旦停止する前(S207)の速度、つまり、高速で可動体26を動作させる(S212、図32(a)の時刻t5)。つまり、S201において既に決定した可動体26の動作パターンを他の動作パターンに変更する。これにより、先読みの結果が大当りであったことを遊技者に示唆することができる。また、演出制御用マイコン101は、先読み大当りフラグがONしていないと判定した場合は(S211:No)、可動体26が動作を開始した当初の速度(S201)、つまり、低速で可動体26を動作させる(S213)。これにより、先読みの結果がハズレであったことを遊技者に示唆することができる。続いて、演出制御用マイコン101は、可動体26が動作を再開してから所定時間経過したか否かを判定し(S214)、所定時間経過したと判定した場合は(S214:Yes)、可動体26の動作を停止させる(S215)。
【0185】
なお、先読み大当りフラグがONしていると判定した場合に(S211:Yes)、一旦停止する前の動作速度よりもさらに高速で可動体26を動作させることもできる。また、先読み大当りフラグがONしていないと判定した場合に(S211:No)、動作開始当初の動作速度よりも遅い低速で可動体26を動作させることもできる。さらに、先読み大当りフラグがONしているかの判定結果に応じて、可動体26の動作パターンを変化させることもできる。たとえば、動作開始当初は、可動体26を所定速度で回転させ、先読み大当りフラグがONしていた場合は、回転しながら上下に振動させ、先読み大当りフラグがONしていなかった場合は、動作開始当初のように回転させる。
【0186】
[第3実施形態の効果]
(1)第3実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、第1特別図柄が変動を開始するときに1つの可動体26の動作を開始させることができるため、第1特別図柄が変動しているときに第2特別図柄が変動を開始した場合に、1つの可動体26の動作を変化させることにより、第2特図保留に対する先読みの結果を示唆するという、従来のパチンコ遊技機には存在しない斬新な演出を行うことができる。
特に、第3実施形態のパチンコ遊技機1は、いわゆる小当たりラッシュ(RUSH)という機能を有するパチンコ遊技機に適用すると、大きな効果を奏することができる。
つまり、この種のパチンコ遊技機では、第1特別図柄に基づく大当たりが発生するまで、第2特別図柄に基づく小当たりが発生する確率が高く設定されている。このため、第1特別図柄に基づく大当たりが短時間で発生しないようにするため、第1特別図柄の変動時間が相対的に長く、かつ、第2特別図柄の変動時間が相対的に短く設定されている。この設定の下で遊技を行う遊技者は、第1特別図柄が変動表示している期間に、可能な限り、小当たりを多く発生させたいと思うため、第2特図保留に対する先読みの結果を早く知りたい。
そこで、第3実施形態のパチンコ遊技機1では、可動体26の動作を変化させることにより、第2特図保留に対する先読みの結果を示唆することができるため、第2特図保留に対する先読みの結果を遊技者に早く知らせることができる。
(2)しかも、第3実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、可動体26は、第1特別図柄が変動表示を開始するときに動作を開始するため、遊技者は、可動体26が動作を開始したところを見れば、第1特別図柄が変動表示を開始したことが分かる。
【0187】
(3)さらに、第3実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、先読みの結果が大当たりであった場合は、先読みの結果が大当たりではなかった(ハズレであった)場合と比較して、既に決定した可動体26の動作パターンを他の動作パターンに変更することができる。
つまり、先読みの結果が大当たりであった場合は、可動体26の動作パターンが変更される。
したがって、第3実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、遊技者は、可動体26の動作パターンが変更されるか否か、スリルのある遊技を楽しむことができる。
(4)さらに、第3実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、可動体26を動作中に一旦停止させ、かつ、先読みの結果に応じて決定した動作パターンにて動作を再開させることができる。
したがって、第3実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、可動体26の動作が一旦停止すると、遊技者は、どのような動作パターンにて可動体26が動作を再開するか否か、スリルのある遊技を楽しむことができる。
【0188】
(5)さらに、第3実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、第1特別図柄および第2特別図柄は、共通の時間にて変動表示可能であり、可動体26は、第1特別図柄および第2特別図柄が変動表示しているときに動作しているため、遊技者は、可動体26の動作しているところを見れば、第1特別図柄および第2特別図柄が変動表示していることが分かる。
(6)上述したように、第3実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、遊技の興趣を高めることができるパチンコ遊技機を提供することができる。
【0189】
〈他の実施形態〉
(1)遊技制御用マイコン61が第1特図大当たり判定処理において大当たりと判定した場合に第1可動体26を動作させ、かつ、遊技制御用マイコン61が第2特図大当たり判定処理において大当たりと判定した場合に第2可動体27を動作させる構成でも良い。
たとえば、変動演出開始処理(図27)の変動演出パターン・可動体動作パターン選択処理(S165)において、S160における解析により得た特図変動パターンが、大当たりのときに選択される特図変動パターンである場合にのみ、その特図変動パターンと対応付けられている可動体動作パターンを可動体動作パターン選択テーブルTA5(図12)から選択するように構成する。たとえば、S160における解析により得た特図変動パターンが、特図変動パターンP1である場合は、特図変動パターンP1と対応付けられている可動体動作パターンMP1を可動体動作パターン選択テーブルTA5から選択する。
この構成を備えるパチンコ遊技機を実施すれば、第1特別図柄の当該変動表示において大当たりが発生するときには第1可動体26を動作させ、第2特別図柄の当該変動表示において大当たりが発生するときには第2可動体27を動作させることができる。
したがって、遊技者は、第1特別図柄および第2特別図柄が並行して変動表示しているときに大当たりが発生した際に、第1可動体26および第2可動体27のどちらが動作したのかを見分けることにより、第1特別図柄および第2特別図柄のどちらで大当たりが発生するのかを容易に知ることができる。
【0190】
(2)変動演出開始処理(図27)の変動演出パターン・可動体動作パターン選択処理(S165)において、S160における解析により得た特図変動パターンが、大当たりに対する期待度の相対的に高い特図変動パターンである場合にのみ、その特図変動パターンと対応付けられている可動体動作パターンを可動体動作パターン選択テーブルTA5(図12)から選択するように構成する。たとえば、S160における解析により得た特図変動パターンが、特図変動パターンP1である場合は、特図変動パターンP1と対応付けられている可動体動作パターンMP1を可動体動作パターン選択テーブルTA5から選択する。
この構成を備えるパチンコ遊技機を実施すれば、第1特別図柄の当該変動表示において大当たりに対する期待度の相対的に高い特図変動パターンが出現するときには第1可動体26を動作させ、第2特別図柄の当該変動表示において大当たりに対する期待度の相対的に高い特図変動パターンが出現するときには第2可動体27を動作させることができる。
したがって、遊技者は、第1特別図柄および第2特別図柄が並行して変動表示しているときに第1可動体26および第2可動体27のどちらが動作したのかを見分けることにより、第1特別図柄および第2特別図柄のどちらで期待度の相対的に高い特図変動パターンが出現するのかを容易に知ることができる。
【0191】
(3)前述した第3実施形態のパチンコ遊技機は、いわゆる小当たりラッシュ(RUSH)という機能を有するパチンコ遊技機に適用することもできる。この種のパチンコ遊技機では、第1特別図柄に基づく大当たりが発生するまで、第2特別図柄に基づく小当たりが発生する確率が高く設定されている。このため、第1特別図柄に基づく大当たりが短時間で発生しないようにするため、第1特別図柄の変動時間が相対的に長く、かつ、第2特別図柄の変動時間が相対的に短く設定されている。この設定の下で遊技を行う遊技者は、第1特別図柄が変動表示している期間に、可能な限り、小当たりを多く発生させたいと思うため、第1特別図柄の変動時間が気に掛かる。
ここで、第1特別図柄表示器を遊技盤の外に配置し、かつ、第1特別図柄をLEDによって表現すると、遊技者の視界に入り難いし、第1特別図柄が変動表示中か否か分かり難い。
そこで、本発明のパチンコ遊技機では、可動体として可動体26を1つのみ備えており、第1特別図柄の変動表示に応じて可動体26が動作し、かつ、可動体26は演出表示装置7の前面に配置されているため、可動体26が遊技者の視界に入るので、可動体26の動作状態を見れば、第1特別図柄が変動表示中であるか否かを容易に識別することができる。
したがって、遊技者は、演出表示装置7の表示に集中することができる。
また、上記のパチンコ遊技機において、第1特別図柄が変動表示しているときに、第2特別図柄が複数回変動表示する場合において、第2特図保留に基づく先読みが複数回行われた際に、可動体26の動作パターンを先読みの結果が出るごとに、その結果に応じて変化させるように構成することもできる。
これにより、遊技者は、第1特別図柄の変動中に行われる第2特図保留に基づく複数回の先読みの結果を、可動体26の動作パターンの変化に基づいて知ることができる。
【0192】
(4)第1可動体26および第2可動体27は、回転以外の動作をするものでも良い。たとえば、遊技盤2に基端を有し、先端を演出表示装置7の前面に突出させ、基端を回動中心にして先端を上下方向または左右方向に振る構造でも良い。そして、特別図柄の変動表示に同期して先端を振り、その先端を振る動作パターンを変化させることにより、大当たりの発生、または、大当たりの発生に対する期待度が相対的に高い変動演出パターンの出現などを示唆することもできる。さらに、先端を振る動作パターンを変化させることにより、特図保留に大当たりが存在すること、または、期待度が相対的に高い変動演出パターンが存在することを示唆することもできる。
上記の構成は、可動体として可動体を1つのみ設けた構成にも適用することができ、上記の構成と同じ効果を奏することができる。
【0193】
(5)前述した第3実施形態において、先読み(事前判定)の結果に基づいて可動体26の動作パターンを抽選により決定することもできる。たとえば、可動体26の動作中に先読みが行われ、その結果が大当たりであった場合は、先読みの結果が当たりではなかった(ハズレであった)場合と比較して、既に決定した可動体26の動作パターンが相対的に高い確率で他の動作パターンに変更されるように抽選を行う。
たとえば、動作パターンを抽選により決定するための0~99の動作パターン決定乱数を発生する動作パターン決定乱数カウンタと、動作パターン決定乱数と動作パターンとを対応付けた動作パターンテーブルとを用いる。この動作パターンテーブルには、先読みの結果が大当たりのときに参照する第1動作パターンテーブルと、先読みの結果が大当たりではなかったときに参照する第2動作パターンテーブルとが設定されている。第1動作パターンテーブルには、0~94の動作パターン決定乱数と、可動体26を高速で動作させる第1動作パターンとが対応付けられており、95~99の動作パターン決定乱数と、可動体26を低速で動作させる第2動作パターンとが対応付けられている。つまり、先読みの結果が大当たりであった場合は、第1動作パターンテーブルから95%の確率で第1動作パターンが選択される。また、第2動作パターンテーブルには、0~4の動作パターン決定乱数と、可動体26を高速で動作させる第1動作パターンとが対応付けられており、5~99の動作パターン決定乱数と、可動体26を低速で動作させる第2動作パターンとが対応付けられている。つまり、先読みの結果が大当たりではなかった場合は、第2動作パターンテーブルから95%の確率で第2動作パターンが選択される。また、先読みが行われるまでは、可動体26を中速にて動作させる。
上記のように構成することにより、先読みの結果が大当たりであった場合は、可動体26が、高い確率で高速で動作するため、遊技者は、可動体26の動作速度が、中速から高速に変化するか否か、スリルのある遊技を楽しむことができる。
【0194】
(6)前述した第3実施形態において、可動体26の動作中に先読みが行われ、その結果が大当たりであった場合は、大当たりではなかった場合と比較して、動作中の可動体26の動作パターンを相対的に高い確率で他の動作パターンに変更することもできる。
たとえば、先読みが行われるまでは可動体26を低速で動作させ、先読みの結果が大当たりであった場合は、可動体26を高速で動作させ、先読みの結果が大当たりではなかった場合は、可動体26を低速で動作させる。
この構成を備えるパチンコ遊技機を実施すれば、遊技者は、可動体26の動作パターンが変化するか否か、スリルのある遊技を楽しむことができる。
【0195】
(7)前述した第3実施形態において、可動体26の動作中に先読みが行われた場合は、可動体26の動作を一旦停止させ、上記のように可動体26の動作パターンを先読みの結果に応じて決定し、その決定した動作パターンにて可動体26の動作を再開させることもできる。
たとえば、先読みが行われるまでは可動体26を低速で動作させ、先読みが行われたときに可動体26を高速で動作させ、高速に動作してから所定時間経過後に可動体26を一旦停止させ、先読みの結果が大当たりであった場合は、可動体26を一旦停止する前と同じ高速で動作させ、先読みの結果が大当たりではなかった場合は、可動体26を低速で動作させる。
この構成を備えるパチンコ遊技機を実施すれば、遊技者は、可動体26が動作を一旦停止させた後、どのような動作パターンにて動作を再開するか、スリルのある遊技を楽しむことができる。
【0196】
(8)前述した第3実施形態において、第1特別図柄が変動表示している間、可動体26を動作させ、第1特図保留に基づく先読みが行われた場合に、その先読みの結果に応じて可動体26の動作パターンを変化させることもできる。この構成を備えるパチンコ遊技機を実施すれば、遊技者は、第1特図保留に基づく先読みの結果に期待して、可動体26の動作パターンが変化するか否か、スリルのある遊技を楽しむことができる。
(9)前述した第3実施形態において、第2特別図柄の変動時間を相対的に長く、かつ、第1特別図柄の変動時間を相対的に短く設定することもできる。そして、第2特別図柄が変動表示を開始するときに可動体26の動作を開始させ、第2特別図柄の変動表示中に第1特別図柄が複数回変動表示し、その変動表示毎に先読みを行った場合に、その先読みの結果に応じて可動体26の動作を変化させることもできる。この構成を備えるパチンコ遊技機を実施すれば、遊技者は、第1特別図柄に基づく先読みの結果に期待して、可動体26の動作パターンが変化するか否か、スリルのある遊技を楽しむことができる。
【符号の説明】
【0197】
1 パチンコ遊技機
2 遊技盤
3 遊技領域
7 演出表示装置
11 第1始動口
22 第2始動口
26 第1可動体
27 第2可動体
61 遊技制御用マイコン
64a 第1特図保留記憶部
64b 第2特図保留記憶部
101 演出制御用マイコン
121 第1特図保留演出記憶部
122 第2特図保留演出記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図31
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図33
図34