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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-18
(54)【発明の名称】コンロ
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/12 20060101AFI20230511BHJP
   F23N 5/26 20060101ALI20230511BHJP
   F24C 15/00 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
F24C3/12 L
F23N5/26 101Z
F24C15/00 T
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019085328
(22)【出願日】2019-04-26
(65)【公開番号】P2020180760
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2022-04-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100174344
【弁理士】
【氏名又は名称】安井 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】光藤 公一
(72)【発明者】
【氏名】三浦 晃裕
(72)【発明者】
【氏名】小原 直人
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-128162(JP,A)
【文献】特開平06-058545(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/12
F24C 15/00
F23N 5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンロバーナと、前記コンロバーナのタイマ機能における時間を表示可能な表示部と、前記コンロバーナの前側に配列して設けられ、赤外線を上方に向けて発光する発光部、及び前記発光部が発光して異物に反射した反射光を受光する受光部を有する複数のセンサとを備え、前記受光部が受光した前記反射光に基づき、天板から所定高さ範囲内において前記異物を検出可能なコンロにおいて、
前記コンロバーナは左コンロバーナと右コンロバーナを備え、
前記複数のセンサは、前記左コンロバーナの前側を取り囲むようにして平面視円弧状に配列して設けられた4つの左側センサと、前記右コンロバーナの前側を取り囲むようにして平面視円弧状に配列して設けられた4つの右側センサと
を備え、
前記4つの左側センサとは、左側から右側にかけて順に、第1左側センサ、第2左側センサ、第3左側センサ、及び第4左側センサであって、
前記4つの右側センサとは、左側から右側にかけて順に、第1右側センサ、第2右側センサ、第3右側センサ、及び第4右側センサであって、
前記表示部は、7個の発光エレメントで8の字を形成して配列された7セグの第1表示器と第2表示器を備え、
前記第1表示器と前記第2表示器は左右方向に並び、且つ前記第2表示器は前記第1表示器の右側に配置され、
前記第1表示器の7個の発光エレメントのうち、
左上側の発光エレメントは前記第1左側センサに対応し、
左下側の発光エレメントは前記第2左側センサに対応し、
下側の発光エレメントは前記第3左側センサに対応し、
右下側の発光エレメントは前記第4左側センサに対応し、
前記第2表示器の7個のセグメントのうち、
左下側の発光エレメントは前記第1右側センサに対応し、
下側の発光エレメントは前記第2右側センサに対応し、
右下側の発光エレメントは前記第3右側センサに対応し、
右上側の発光エレメントは前記第4右側センサに対応するように構成され、
前記所定高さ範囲内において前記異物を検出した前記センサに対応する前記発光エレメントを発光するように制御する発光制御部を備えたこと
を特徴とするコンロ。
【請求項2】
前記発光制御部は、
前記異物を検出した前記センサに対応する前記発光エレメントを第一の発光態様で発光させ、
前記異物を検出していない他の前記センサに対応する前記発光エレメントを前記第一の発光態様とは異なる第二の発光態様で発光させること
を特徴とする請求項1に記載のコンロ。
【請求項3】
記複数のセンサは、
記左コンロバーナと前記右コンロバーナの間に挟まれる中央部の前側に配置される中央センサを備え、
前記表示部は、
前記第1表示器と前記第2表示器の間に設けられ、7個の発光エレメントで8の字を形成して配列された7セグの第3表示器をさらに備え、
前記第3表示器の7個の発光エレメントのうち、
中央の発光エレメントは前記中央センサに対応し、
前記発光制御部は、
前記異物を検出した前記センサが前記左側センサである場合は、前記第1表示器において対応する前記発光エレメントを発光し、
前記異物を検出した前記センサが前記右側センサである場合は、前記第2表示器において対応する前記発光エレメントを発光し、
前記異物を検出した前記センサが前記中央センサである場合は、前記第3表示器において対応する前記発光エレメントを発光するように制御すること
を特徴とする請求項1又は2に記載のコンロ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンロに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天板の前側に異物の進入を検出可能な複数の光センサを備え、当該複数の光センサのうちいずれかが異物の進入を検出した場合、コンロバーナの火力を絞ることができるガスコンロが知られている(例えば、特許文献1参照)。光センサは測距センサであって、送信部から送信した検出波が異物で反射した反射波を受信部で受信し、三角測距方式を応用して異物までの距離を測定する。異物までの測定距離が作動距離以下を示す光センサがある場合、ガスコンロは、コンロバーナの火力を絞ることによって、使用者の着衣着火等を防止できる。
【0003】
上記コンロにおいて、出荷時及びメンテナンス時には、複数の光センサの正常、異常を個々に確認するのが望ましい。また、調理時において、手等の異物の侵入を検出した場合に、どの位置で異物を検出したかを特定できるのが望ましい。そこで、例えば、コンロにLED等の発光表示部を新たに設け、異物を検出した光センサの位置を特定して光らせることで、作業者又は使用者に報知することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-128161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、発光表示部をコンロに新たに設ける為には、多くのLED等が別途必要になるので、コストが高くなる可能性があった。また、コンロに対して、発光表示部を新たに設ける為のスペースを確保することが困難であった。
【0006】
本発明の目的は、タイマ機能における時間を表示可能な表示部を用いて、異物を検出したセンサの位置を報知できるコンロを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1のコンロは、コンロバーナと、前記コンロバーナのタイマ機能における時間を表示可能な表示部と、前記コンロバーナの前側に配列して設けられ、赤外線を上方に向けて発光する発光部、及び前記発光部が発光して異物に反射した反射光を受光する受光部を有する複数のセンサとを備え、前記受光部が受光した前記反射光に基づき、天板から所定高さ範囲内において前記異物を検出可能なコンロにおいて、前記コンロバーナは左コンロバーナと右コンロバーナを備え、前記複数のセンサは、前記左コンロバーナの前側を取り囲むようにして平面視円弧状に配列して設けられた4つの左側センサと、 前記右コンロバーナの前側を取り囲むようにして平面視円弧状に配列して設けられた4つの右側センサとを備え、前記4つの左側センサとは、左側から右側にかけて順に、第1左側センサ、第2左側センサ、第3左側センサ、及び第4左側センサであって、前記4つの右側センサとは、左側から右側にかけて順に、第1右側センサ、第2右側センサ、第3右側センサ、及び第4右側センサであって、前記表示部は、7個の発光エレメントで8の字を形成して配列された7セグの第1表示器と第2表示器を備え、前記第1表示器と前記第2表示器は左右方向に並び、且つ前記第2表示器は前記第1表示器の右側に配置され、前記第1表示器の7個の発光エレメントのうち、左上側の発光エレメントは前記第1左側センサに対応し、左下側の発光エレメントは前記第2左側センサに対応し、下側の発光エレメントは前記第3左側センサに対応し、右下側の発光エレメントは前記第4左側センサに対応し、前記第2表示器の7個のセグメントのうち、左下側の発光エレメントは前記第1右側センサに対応し、下側の発光エレメントは前記第2右側センサに対応し、右下側の発光エレメントは前記第3右側センサに対応し、右上側の発光エレメントは前記第4右側センサに対応するように構成され、前記所定高さ範囲内において前記異物を検出した前記センサに対応する前記発光エレメントを発光するように制御する発光制御部を備えたことを特徴とする。
【0008】
【0009】
請求項のコンロの前記発光制御部は、前記異物を検出した前記センサに対応する前記発光エレメントを第一の発光態様で発光させ、前記異物を検出していない他の前記センサに対応する前記発光エレメントを前記第一の発光態様とは異なる第二の発光態様で発光させるとよい。
【0010】
請求項のコンロの前記複数のセンサは、前記左コンロバーナと前記右コンロバーナの間に挟まれる中央部の前側に配置される中央センサを備え、前記表示部は、前記第1表示器と前記第2表示器の間に設けられ、7個の発光エレメントで8の字を形成して配列された7セグの第3表示器をさらに備え、前記第3表示器の7個の発光エレメントのうち、
中央の発光エレメントは前記中央センサに対応し、前記発光制御部は、前記異物を検出した前記センサが前記左側センサである場合は、前記第1表示器において対応する前記発光エレメントを発光し、前記異物を検出した前記センサが前記右側センサである場合は、前記第2表示器において対応する前記発光エレメントを発光し、前記異物を検出した前記センサが前記中央センサである場合は、前記第3表示器において対応する前記発光エレメントを発光するように制御するとよい。
【発明の効果】
【0011】
請求項1のコンロによれば、コンロにおいて必須となるタイマ機能の時間を表示可能な表示部の7セグ表示器を利用して、異物を検出したセンサに対応する発光エレメントを発光させるので、コストを掛けることなく、異物を検出したセンサがどのセンサであるかを表示できる。
【0012】
また、複数のセンサの夫々に対応付けられた複数の発光エレメントは、対応する複数のセンサの配列方向に対応するように配列されているので、使用者に対して、何れのセンサが異物を検出したかを直感的に認識させることができる。
【0013】
請求項のコンロによれば、使用者に対して、何れのセンサが異物を検出したかを直感的に認識させることができる。
【0014】
請求項のコンロによれば、異物を検出したセンサが左側センサである場合は、左側表示器において対応する発光エレメントを発光し、右側センサである場合は、右側表示器において対応する発光エレメントを発光し、中央センサである場合は、中央表示器において対応する発光エレメントを発光するように制御する。これにより、使用者に対して、何れのセンサが異物を検出したかをより直感的に認識させることができる。
【0015】
なお、コンロは、コンロバーナと、前記コンロバーナの前側に配置され、赤外線を上方に向けて発光する発光部、及び前記発光部が発光して異物に反射した反射光を受光する受光部を備えるセンサと、前記センサの前記受光部が受光した前記反射光に基づき、所定高さ範囲内において前記異物を検出したか判定する異物判定手段と、前記異物判定手段が前記所定高さ範囲内に前記異物を検出したと判定した場合、前記コンロバーナの火力を絞る火力制御手段とを備えたコンロにおいて、前記コンロバーナの火力に基づき、前記異物判定手段が前記異物を判定するときの前記所定高さ範囲の閾値を変更可能に設定する設定手段を備えてもよい。さらに、前記設定手段は、前記火力が第一火力であった場合、前記閾値を第一閾値に設定し、前記火力が前記第一火力よりも弱い第二火力であった場合、前記第一閾値よりも低い第二閾値を設定するとよい。この場合、コンロは、コンロバーナの火力に応じて、異物着火の危険性を回避できると共に、使い勝手を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】コンロ1の斜視図である。
図2】コンロ1の平面図である。
図3】センサ31~39と、第1表示器101、第2表示器102、第3表示器103の夫々のエレメントA~Gとの対応関係を示した図である。
図4】センサ30の平面図である。
図5】ガス供給機構50の構造を示す断面図である。
図6】大火力時と小火力時の着火危険範囲を示した図である。
図7】コンロ1の電気的構成を示すブロック図である。
図8】バーナ制御処理のフローチャートである。
図9】バーナ制御処理(変形例)のフローチャートである。
図10】変形例において、センサ32が異物を検出したときの各エレメントの発光態様を示した図である。
図11】センサ32と38で異物を検出した場合に、第1表示器101のエレメントEと、第3表示器103のエレメントBが点灯した状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を説明する。以下に記載される装置の構造などは、特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明する為に用いられるものである。
【0018】
図1図3を参照し、コンロ1の構造を説明する。コンロ1は、ビルトインコンロである。コンロ1は筐体2と天板3を備える。天板3はガラス製である。天板3の左側には左バーナ4、右側には右バーナ5が設けられる。左バーナ4と右バーナ5はコンロバーナの一例である。天板3の後端側には、グリル用の排気口7が設けられる。天板3の全体には、非透過性の印刷が施される。
【0019】
天板3上において、左バーナ4の前側には、左バーナ4を操作する為の左操作部11が設けられる。右バーナ5の前側には、右バーナ5を操作する為の右操作部12が設けられる。左バーナ4と右バーナ5に挟まれる中央部の前側には、グリルを操作する為のグリル操作部13が設けられる。左操作部11には、静電容量方式の種々のスイッチ等が配置され、例えば、点火/消火スイッチ21、火力減スイッチ22、火力増スイッチ23、表示部24等が配置される。点火/消火スイッチ21は、左バーナ4の点火と消火を受け付ける。火力減スイッチ22は、指先でタッチされる度に、左バーナ4の火力を段階的に小さくする。火力増スイッチ23、指先でタッチされる度に、左バーナ4の火力を段階的に大きくする。火力減スイッチ22と火力増スイッチ23は指先のタッチを感知し、該感知信号を後述する制御回路70(図7参照)に入力する。制御回路70は感知信号に応じ、後述するガス供給機構50(図5参照)においてガス量を増減し、対応する左バーナ4へのガス供給量を調節する。
【0020】
図3に示すように、表示部24は、左から順に、第1表示器101、第2表示器102、第3表示器103を横並びに備える。第1表示器101、第2表示器102、第3表示器103は何れも周知の7セグ表示器であり、夫々、8の字を形成して配列された7つの発光エレメントA~G(以下、エレメントA~Gと呼ぶ)を備える。エレメントA~Gは棒状に形成され、エレメントAは上、エレメントBは右上、エレメントCは右下、エレメントDは下、エレメントEは左下、エレメントFは左上、エレメントGは中央に配置され、全体として8の字を形成する。表示部24は、これら3つの第1~第3表示器101~103を用いて、左バーナ4のタイマ機能における時間を表示可能である。タイマ機能とは、例えば、調理時間に合わせて消火時間を設定したり、バーナの火力と対応づけて燃焼時間を設定する機能である。タイマ機能における時間とは、例えば、左操作部11で設定する消火時間、燃焼時間、調理の経過に伴って減少する残時間等である。なお、右操作部12にも同様のスイッチ、表示部28等が配置される。表示部28は、表示部24と同一の構成である。
【0021】
左操作部11の後側には、平面視略円弧状のセンサ用窓部15が設けられ、右操作部12の後側には、平面視略円弧状のセンサ用窓部16が設けられ、グリル操作部13の後側には、平面視略矩形状のセンサ用窓部17が設けられる。センサ用窓部15~17は透過性を有する領域であり、上方から見た場合に天板3下方を透過する(図2参照)。センサ用窓部15の下方には、左から右に4つのセンサ31~34が夫々配置される。センサ用窓部16の下方には、左から右に4つのセンサ35~38が夫々配置される。センサ用窓部17の下方には、1つのセンサ39が配置される。これら9つのセンサ31~39(以下総称する場合は「センサ30」と呼ぶ)は、上方に位置する異物までの距離を測定可能な一般的な測距センサであり、例えば赤外線センサである。
【0022】
図1に示すように、筐体2の前面の右上角部近傍には、電源スイッチ19が設けられる。筐体2の前面の中央部には、グリル扉8が設けられる。グリル扉8は手前側に移動可能に支持され、筐体2内部に設けられるグリル庫(図示略)の前側の開口部を開閉する。グリル庫内には、グリルバーナ(図示略)が設けられる。
【0023】
図4を参照し、センサ30の構造と機能を説明する。センサ30は、センサ筐体300を備える。センサ筐体300は上部が開口する有底筒状であり、天板3の下面に支持される。センサ筐体300は内側に発光部41と受光部42を収容する。発光部41と受光部42の間には、仕切壁302が設けられる。発光部41は上方に向けて赤外光を発光する。受光部42は、発光部41が発光した赤外光が異物に反射した反射光を受光する。センサ30は、受光部42が受光した反射光の強度に基づき、三角測距方式を応用して異物までの距離を測定する。
【0024】
センサ30は、対応するセンサ用窓部15~17の上方に異物(例えば、使用者の身体の一部等)が進入した場合、その異物で反射した反射光を、センサ用窓部15~17を介して受光部42で受信し、異物までの距離を測定する。センサ30は、測定した異物までの距離を距離信号として、後述するセンサ入力回路85(図7参照)に向けて出力する。制御回路70のCPU71は受信した距離信号に基づき、検出した異物の高さが天板3から所定高さ範囲内であると判断した場合に、異物有りと判断する。
【0025】
図5を参照し、左バーナ4のガス供給機構50の構造を説明する。なお、右バーナ5のガス供給機構は、左バーナ4のガス供給機構50と同様の構成であるので、説明を省略する。ガス供給機構50は、ガスが流れる方向の上流側から順に、ガス供給管51、バルブ機構部52、ガス調節機構53、制御モータ54、ガス供給管55、ガス調節機構56等を備える。ガス供給管51の上流側の一端部には、元ガス電磁弁511が設けられる。バルブ機構部52は、ガス供給管51の下流側の一端部に接続される。バルブ機構部52は内部にガス流路を備え、該ガス流路において、ガスが流れる方向の上流側から順に、セーフティバルブ521とメインバルブ522を備える。
【0026】
ガス調節機構53は、バルブ機構部52の下流側に接続され、ガス流路531とニードル弁532を備える。ガス流路531は、バルブ機構部52のガス流路に接続される。ニードル弁532は、ガス流路531の出口付近に移動可能に設けられ、弁の開度が連続的に調節されることで、ガス流路531を流れるガス量を連続的に調節可能である。制御モータ54は、セーフティバルブ521、メインバルブ522、ニードル弁532の駆動源であり、制御回路70のCPU71(図5参照)によって制御される。制御モータ54の出力軸には、角度検出センサ541と、原点用マイクロスイッチ542が設けられる。角度検出センサ541は、制御モータ54の出力軸の回転角度を検出する。原点用マイクロスイッチ542は、制御モータ54の原点検出用のマイクロスイッチである。ガス供給管55は、ガス流路531の出口に接続され、左バーナ4に向けて延設される。ガス供給管55の下流側の一端部には、ノズル551が設けられる。ノズル551は、左バーナ4のバーナ本体400に設けられたガス流入部401に対向配置される。
【0027】
ガス調節機構56は、ガス供給管55の途中に設けられ、バイパス管561、電磁弁562、弱用バイパスニードル563等を備える。バイパス管561の一端部は、ガス供給管55の途中に設けられた分岐部61に接続され、他端部は、分岐部61の下流側に設けられた合流部62に接続される。これにより、ガス供給管55を流れるガスの一部は、分岐部61からバイパス管561に流れ、合流部62においてガス供給管55を流れるガスと合流する。電磁弁562は、バイパス管561に設けられる。弱用バイパスニードル563は、ガス供給管55の分岐部61と合流部62の間に設けられ、ガス供給管55の流路面積を狭めることによって、ガス流量を最小流量に調節する。なお、最小流量とは、ガス流量の調整可能範囲において予め設定される最小の流量を意味し、例えば、左バーナ4が失火しない程度に最弱な最小火力(例えば、とろ火)となるように最小流量を設定するとよい。
【0028】
ガス供給機構50の動作を説明する。左バーナ4の点火前、セーフティバルブ521、メインバルブ522は、機械的に閉じられた状態である。ニードル弁532と電磁弁562は、開放側に維持された状態である。使用者が点火/消火スイッチ21にタッチすると、元ガス電磁弁511が開き、制御モータ54に通電される。制御モータ54が駆動することで、セーフティバルブ521とメインバルブ522が押し込まれ、ガス流路が開放される。ガスは、バルブ機構部52のガス流路からガス調節機構53のガス流路531を流れ、ガス供給管55に流れる。ガスは、ガス供給管55のノズル551から噴出する。噴出されたガスは、周囲の空気を巻き込みながら、ガス流入部401からバーナ本体400内に流入し、空気と混合される。空気と混合された混合ガスは、左バーナ4の炎孔部に供給される。制御モータ54の駆動と同時にイグナイタ27が作動し、炎孔部から噴出されるガスに点火される。左バーナ4は燃焼状態になる。熱電対26が火炎を検出すると、例えば、点火/消火スイッチ21に設けられたランプ(図示略)が点灯する。
【0029】
使用者による火力減スイッチ22と火力増スイッチ23のタッチ操作に応じて、コンロ1は、制御モータ54を正逆方向に回転する。制御モータ54の回転軸の動力は、ギア機構543によって、ニードル弁532の開度を調節する動力に変換される。ギア機構43は、ギアやカム等を備える動力伝達機構であって、例えば、特開2015-36593号公報に記載の機構を適用するとよい。ガス調節機構53は、制御モータ54を制御し、ニードル弁532の開度を連続的に調節することによって、左バーナ4の火力を連続的且つ緩やかに調節可能である。
【0030】
なお、ガス調節機構53におけるニードル弁532の開度が火力減スイッチ22と火力増スイッチ23のタッチ操作で調節された調節開度であって、ガス調節機構56の電磁弁562が開状態であるとき、ガス調節機構53,56で統合して調節されるガス流量に対応するバーナ火力は、火力減スイッチ22と火力増スイッチ23の操作によって設定される設定火力である。
【0031】
異物検出時におけるガス供給機構50の一般動作を説明する。後述するように、本実施形態では、複数のセンサ30を用いて、燃焼状態のコンロバーナの前側で所定高さ範囲内において異物を検出した場合、燃焼状態のコンロバーナの火力を瞬間的に絞る制御を行う。例えば、燃焼状態の左バーナ4の火力を瞬間的に絞る為に、コンロ1は、ガス調節機構56の電磁弁562を閉じる。これにより、バイパス管561が瞬間的に遮断されるので、ガス供給管55から左バーナ4に向けて流れるガス流量は、弱用バイパスニードル563によって、最小流量に調節される。よって、燃焼状態の左バーナ4の火力は瞬間的に最小火力に調節される。これにより、コンロ1は、異物着火の危険性を回避できる。
【0032】
なお、使用者が左バーナ4を消火する為、点火/消火スイッチ21に再度タッチすると、コンロ1は、制御モータ54を逆回転させる。これにより、バルブ機構部52のセーフティバルブ521とメインバルブ522は逆向きに駆動され、元ガス電磁弁511が閉じられ、ガス流路が閉じられる。このようにして、左バーナ4へのガス供給が遮断されて消火される。点火/消火スイッチ21のランプ(図示略)は消灯する。よって、使用者は左バーナ4が消火されたことを認識できる。
【0033】
図6を参照し、コンロバーナの火力に応じて変化する着火危険範囲を説明する。着火危険範囲とは、コンロバーナの火炎が異物(衣服等)に着火する危険性がある範囲である。ここでは、左バーナ4の火炎で説明する。例えば、図6(1)に示すように、左バーナ4で調理鍋91を加熱している状態で、大火力時においては、着火危険範囲の高さはH1である。H1は天板3からの高さである。これに対し、図6(2)に示すように、小火力時においては、火炎が小さくなるので、着火危険範囲の高さはH1よりも低いH2となる。ここで仮に、全ての火力において、異物の有無を判定する為の高さの閾値をH1に設定した場合、着火の危険性は低減されるが、小火力時において、着火危険範囲ではない範囲に異物が進入した場合でも火力が絞られてしまうので、使い勝手が悪い。そこで、本実施形態のコンロ1では、後述するバーナ制御処理(図8参照)を実行することで、火力に合わせて判定値を変更可能に設定する。例えば、大火力時にはH1(第一閾値に相当)を判定値とし、小火力時にはH1よりも低いH2(第二閾値に相当)を判定値として設定する。そして、異物検出時には火力を最小火力まで瞬時に絞り、安全性を確保する制御を行う。これによって、コンロ1は、異物着火の危険性を回避できると共に、使い勝手を向上できる。なお、着火危険範囲は、本発明の所定高さ範囲の一例である。
【0034】
図3を参照し、センサ31~39と、表示部24における第1~第3表示器101~103の夫々のエレメントA~Gとの対応関係を説明する。コンロ1は、センサ31~39のうち異物を着火危険範囲内において検出したセンサ30の位置を、表示部24の第1~第3表示器101~103を用いて表示可能である。第1表示器101は、左側のセンサ31~34において異物を検出したセンサ30の位置を表示する。第2表示器102は、中央のセンサ39における異物検出の有無を表示する。第3表示器103は、右側のセンサ35~38において異物を検出したセンサ30の位置を表示する。
【0035】
第1表示器101のエレメントFはセンサ31に対応し、エレメントEはセンサ32に対応し、エレメントDはセンサ33に対応し、エレメントCはセンサ34に対応する。第2表示器102のエレメントGはセンサ39に対応する。第3表示器103のエレメントEはセンサ35に対応し、エレメントDはセンサ36に対応し、エレメントCはセンサ37に対応し、エレメントBはセンサ38に対応する。つまり、センサ31~39の配置に対応するように、第1~第3表示器101~103の各エレメントA~Gの一部が割り当てられている。
【0036】
本実施形態では、9つのセンサ31~39のうち何れかのセンサ30が、着火危険範囲内において異物を検出した場合、表示部24において、異物を検出したセンサ30に対応するエレメントのみを点灯し、それ以外のエレメントを消灯する。これにより、使用者は、どのセンサ30の位置で異物が検出されたかを直感的に認識できる。具体的な制御方法については後述する。
【0037】
なお、右操作部12の表示部28も、上記の表示部24と同一構成である。コンロ1は、表示部24と同様に、表示部28においても、異物を検出したセンサ30の位置に対応するエレメントを点灯させてもよく、何れか一方の表示部においてのみ、異物を検出したセンサ30の位置に対応するエレメントを点灯してもよい。
【0038】
図7を参照し、コンロ1の電気的構成を説明する。コンロ1は、制御回路70を備える。制御回路70は、CPU71、ROM72、RAM73、不揮発性メモリ74等を備える。CPU71は、コンロ1の各種動作を統括制御する。ROM72は、例えば、バーナ制御プログラムを含む各種プログラム等を記憶する。バーナ制御プログラムは、後述するバーナ制御処理(図8参照)を実行するものである。RAM73は、各種情報を一時的に記憶する。不揮発性メモリ74は、バーナ火力情報を含む各種情報等を記憶する。バーナ火力情報とは、制御モータ54の出力軸の回転角度とバーナ火力とを対応づけた情報である。
【0039】
制御回路70には、電源回路81、サーミスタ入力回路82、熱電対入力回路83、イグナイタ回路84、左操作部11、右操作部12、グリル操作部13、センサ入力回路85、ブザー回路86、モータ回路87、電磁弁回路88、センサ入力回路89等が電気的に各々接続されている。電源スイッチ19が押下されると、電源回路81は、電源18から供給される交流(例えば100V)を直流(例えば5V)に降圧して整流し、各種回路に電力を供給する。コンロ1の電源はオンする。使用者によって電源スイッチ19が再押下されると、電源回路81は、各種回路への電力供給を遮断する。コンロ1の電源はオフする。
【0040】
サーミスタ入力回路82は、左バーナ4及び右バーナ5に設けられたサーミスタ25からの検出信号を、制御回路70に入力する。熱電対入力回路83は、熱電対26からの検出値(熱起電力に対応する信号)を、制御回路70に入力する。イグナイタ回路84は、CPU71からの制御信号に基づき、対応するバーナのイグナイタ27を駆動する。左操作部11、右操作部12、グリル操作部13は、使用者のタッチ操作を感知し、該感知信号を制御回路70に入力する。左操作部11の表示部24、右操作部12の表示部28は、制御回路70からの制御信号に基づき、タイマ時間等を表示する。
【0041】
センサ入力回路85は、センサ31~39からの距離信号を制御回路70に入力する。ブザー回路86は、CPU71の制御信号に基づき、圧電ブザー77を駆動する。モータ回路87は、CPU71からの制御信号に基づき、制御モータ54の駆動を制御する。電磁弁回路88は、CPU71からの制御信号に基づき、電磁弁562の開閉を制御する。センサ入力回路89は、角度検出センサ541からの各検出信号を、制御回路70に入力する。CPU71は、角度検出センサ541からの検出信号に基づき、制御モータ54の出力軸の回転角度を認識する。CPU71は認識した制御モータ54の出力軸の回転角度と、バーナ火力情報とに基づき、対応するバーナ火力を特定できる。
【0042】
図8を参照し、バーナ制御処理を説明する。電源スイッチ19でコンロ1の電源をオンすると、CPU71は9つのセンサ30の電源をオンする。例えば、使用者が左バーナ4で調理を行う場合、調理鍋を五徳上に載置し、左操作部11の点火/消火スイッチ21にタッチすると、ガス供給機構50の上記動作によって、左バーナ4にガスが供給され、イグナイタ27によって点火される。このときのニードル弁532は最大開度に維持された状態であり、電磁弁562も開放側に維持された状態である。よって、左バーナ4の火力は設定火力となる。左バーナ4の炎孔部に形成された火炎は、熱電対26により検出される。左バーナ4の火炎が検出されると、CPU71は、ROM72からバーナ制御プログラムを読出し、本処理を実行する。
【0043】
CPU71は初期化処理を行い、異物の有無を判定する為の高さの閾値である判定値Aを設定する(S11)。判定値Aは初期値であり、不揮発性メモリ74に予め記憶する。判定値Aは、例えば図6に示す着火危険範囲の高さH1である。使用者が火力減スイッチ22と火力増スイッチ23のタッチ操作によって左バーナ4の火力を変更した場合、CPU71は左バーナ4の火力に合わせて判定値を変更する(S12)。なお、本実施形態は、火力と判定値の対応関係を設定するテーブル(図示略)を不揮発性メモリ74に予め記憶し、CPU71は必要に応じて参照するとよい。CPU71はセンサ31~39より距離信号(測定電圧値)を取得する(S13)。CPU71は、例えば所定回数(例えば4回)、各センサ31~39から距離信号を夫々取得し、所定数の距離の平均値を算出し、各センサ31~39において異物までの距離を夫々特定するとよい。なお、CPU71は燃焼中のコンロバーナに対応するセンサから距離信号を取得するようにしてもよい。
【0044】
CPU71は、センサ31~39のうち、異物の高さが判定値以下のセンサ30が有るか判断する(S14)。判定値以下のセンサ30が無い場合(S14:NO)、CPU71は、火力減スイッチ22と火力増スイッチ23のタッチ操作によって調節される設定火力に調整する(S18)。この時もCPU71は、設定火力に合わせて判定値を変更する。次いで、CPU71は、表示部24において、点灯中のエレメントが有るか否か判断する(S19)。全て消灯している場合(S19:NO)、若しくはタイマ機能における時間を表示している場合、CPU71は、使用者が点火/消火スイッチ21にタッチして消火操作を行ったか判断する(S21)。消火操作が行われた場合(S21:YES)、CPU71は左バーナ4を消火し(S22)、本処理を終了する。消火操作が行われない場合(S21:NO)、CPU71はS12に戻り、処理を繰り返す。
【0045】
一方、判定値以下のセンサ30が有った場合(S14:YES)、異物着火の危険性を回避する為、CPU71は、燃焼状態の左バーナ4の火力を瞬間的に最小火力に調整する(S15)。このとき、CPU71は、圧電ブザー77を駆動して、使用者に報知するとよい。この場合、使用者は、コンロバーナの火力が突如絞られた理由を速やかに認識できる。
【0046】
次いで、CPU71は、異物の高さが判定値以下と判断したセンサ30の位置を特定し(S16)、表示部24において、第1~第3表示器101~103の夫々のエレメントA~Gのうち、位置を特定したセンサ30に対応するエレメントのみを点灯させる(S17)。例えば、図3に示すように、センサ32において使用者の衣服の袖を検出した場合、CPU71は、センサ32に対応する第1表示器101のエレメントEを点灯する。これにより、使用者は、センサ32の位置で自身の袖が検出されたことを直感的に認識できるので、天板3上に進入した自身の袖を手前側に素早く引っ込めることができる。なお、エレメントを点灯させる際、表示部24にタイマ機能における時間が表示されていた場合、タイマ機能における時間の表示を一時的に停止するとよい。
【0047】
CPU71は、使用者が点火/消火スイッチ21にタッチして消火操作を行ったか判断する(S21)。消火操作が行われていない場合(S21:NO)、CPU71はS12に戻り、上記処理を繰り返す。例えば、異物の検出によって、左バーナ4の火力を最小火力に調整し(S15)、異物を検出したセンサ30に対応するエレメントを点灯した状態で(S16、S17)、CPU71は、S12に戻って、各センサ31~39から距離信号を再取得し(S13)、異物の高さが判定値を超えるまで、上記処理を繰り返す。そして、異物の高さが判定値を超えた場合(S14:NO)、天板3から異物が離れたので、CPU71は、ガス調節機構56の電磁弁562を開き、設定火力に調整する(S18)。このとき、点灯中のエレメントがあるので(S19:YES)、CPU71は点灯中のエレメントを消灯する(S19)。使用者は、全てのエレメントが消灯したのを確認することで、コンロ1が安全な状態であることを認識できる。
【0048】
そして、消火操作が行われた場合(S21:YES)、CPU71は、制御モータ54を逆回転させ、元ガス電磁弁511を閉じることにより、左バーナ4へのガス供給を遮断して消火する(S22)。このようにして、CPU71は本処理を終了する。
【0049】
以上説明したように、上記実施形態のコンロ1は、左バーナ4、右バーナ5、表示部24、28、9つのセンサ31~39等を備える。左バーナ4と右バーナ5はコンロバーナである。表示部24、28は、左バーナ4と右バーナ5のタイマ機能における時間を表示可能である。センサ31~39の夫々は、発光部41と受光部42を備える。コンロ1のCPU71は、センサ31~39の夫々の受光部42が受光した反射光に基づき、天板3から所定高さ範囲内において異物を検出可能である。表示部24、28の夫々は、第1~第3表示器101~103を備える。第1~第3表示器101~103は、7セグ表示器であって、7つのエレメントA~Gで8の字を形成して配列された表示器である。そして、第1~第3表示器101~103の夫々のエレメントA~Gのうち、9つのセンサ31~39と同一個数のエレメントが、9つのセンサ31~39の夫々と対応するように構成される。CPU71は、9つのセンサ31~39のうち、所定高さ範囲内において異物を検出したセンサ30に対応するエレメントを発光するように制御する。つまり、本実施形態は、コンロ1において必須となるタイマ機能の時間を表示可能な表示部24の第1~第3表示器101~103を利用して、異物を検出したセンサ30に対応するエレメントを発光させる。これにより、コンロ1は、コストを掛けることなく、異物を検出したセンサ30がどのセンサであるかを表示できる。
【0050】
例えば、出荷時及びメンテナンス時において、工場の点検作業者は、9つのセンサ31~39の夫々の上方において異物を配置し、異物を上方に配置したセンサ30に対応するエレメントの点灯を確認する。これにより、工場点検作業者は、9つのセンサ31~39の正常、異常を個々に確認できる。また、調理時において、9つのセンサ31~39の何れかにおいて、使用者の衣服の袖等を検出した場合、点灯するエレメントの位置を確認することで、どの位置で袖が検出されたかを速やかに認識できる。これにより、使用者は、天板3上に進入する自身の衣服の袖を手前側に引っ込める等の迅速な対応ができる。
【0051】
また、第1~第3表示器101~103において、9つのセンサ31~39の夫々に対応付けられた第1表示器101の4つのエレメントF、E、D、C、第2表示器102の1つのエレメントG、第3表示器103の4つのエレメントE、D、C、Bは、対応する9つのセンサ31~39の配列方向に対応するように配列されている。これにより、使用者に対して、何れのセンサ30が異物を検出したかを直感的に認識させることができる。
【0052】
上記説明において、センサ31~34は本発明の左側センサの一例であり、センサ35~38は本発明の右側センサの一例であり、センサ39は本発明の中央センサの一例である。表示部24において、第1表示器101は本発明の左側表示器の一例であり、第2表示器102は本発明の中央表示器の一例であり、第3表示器103は本発明の右側表示器の一例である。図8のS16、S17を実行するCPU71は本発明の発光制御部の一例である。
【0053】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。上記実施形態のバーナ制御処理(図8参照)では、天板3から所定高さ範囲内において異物を検出した場合、表示部24の第1~第3表示器101~103において、異物を検出したセンサ30に対応するエレメントのみを点灯し、それ以外のエレメントは消灯する。コンロ1は、例えば、以下に説明する変形例のように、異物を検出したセンサ30に対応するエレメントの発光態様と、それ以外のエレメントの発光態様を互いに異ならせることによって、異物を検出したセンサ30の位置を認識可能に表示するようにしてもよい。
【0054】
図9図10を参照し、バーナ制御処理の変形例を説明する。図9に示すバーナ制御処理は、図8に示す上記実施形態のバーナ制御処理の変形例であり、図8のS17の代わりにS31とS32を挿入し、図8のS19の代わりにS33を挿入した以外は、全て共通である。よって、本変形例では、上記実施形態とは異なる処理を中心に説明し、共通する処理については、同一符号を付し、説明を簡略又は省略する。
【0055】
図9に示すように、左バーナ4の燃焼中において、判定値以下のセンサ30が有った場合(S14:YES)、CPU71は、燃焼状態の左バーナ4の火力を瞬間的に最小火力に調整する(S15)。次いで、CPU71は、異物の高さが判定値以下と判断したセンサ30の位置を特定し(S16)、表示部24において、第1~第3表示器101~103の夫々のエレメントA~Gのうち、位置を特定したセンサ30に対応するエレメントのみを高明度で点滅させる(S31)。これと同時に、CPU71は、それ以外のセンサ30に対応する全てのエレメントを低明度で点灯させる(S32)。
【0056】
例えば、図10に示すように、センサ32において使用者の衣服の袖を検出した場合、CPU71は、センサ32に対応する第1表示器101のエレメントEを高明度で点滅させる。これに対し、それ以外のセンサに対応する全てのエレメントを低明度で点灯させる。つまり、第1表示器101のエレメントF、D、C、第2表示器102のエレメントG、第3表示器103のエレメントE、D、C、Bは、低明度で点灯させる。コンロ1は、センサ31~39に対応する全てのエレメントを発光させつつ、その中において、異物を検出したセンサに対応するエレメントが目立つように発光させるので、異物を検出したセンサ30の位置をより直感的に認識させることができる。
【0057】
なお、S31、S32の処理において、上記の通り、異物を検出したセンサ30に対応するエレメントは高明度で点滅させ、それ以外のセンサに対応するエレメントは低明度で点灯させるので、CPU71は、S33の判断処理においては、点灯又は点滅中のエレメントが有るか否かを判断すればよい。本変形例において、図9のS31、S32を実行するCPU71は本発明の発光制御部の一例である。
【0058】
なお、異物を検出したセンサに対応するエレメントの発光態様と、それ以外のセンサに対応するエレメントの発光態様は、互いに異なっていればよく、本変形例以外にも、種々のバリエーションが適用可能である。例えば、前者の発光態様については高明度で点灯、後者の発光態様については低明度で点灯させてもよい。また、前者の発光態様と後者の発光態様の何れにおいてもエレメントを点滅させ、その点滅させるスピードを互いに異ならせてもよい。
【0059】
上記実施形態のコンロ1は、ビルトインコンロであるが、テーブルコンロであってもよい。また、コンロバーナの数は、上記実施形態では二つであるが、一つ、又は三つ以上であってもよい。また、グリルは省略してもよい。
【0060】
上記実施形態では、左側の1つのセンサ32において異物を検出した場合を例に説明したが、例えば、センサ32と、右側のセンサ38においても異物を同時に検出した場合、図11に示すように、CPU71は、センサ32に対応する第1表示器101のエレメントEと、第2表示器102のエレメントBを共に点灯させればよい。これにより、使用者は、9つのセンサ31~39のうち2か所で、異物が検出されたことを直感的に認識できる。
【0061】
天板3上における複数のセンサ30の配置、個数、場所についても、上記実施形態に限らず、自由に変更可能である。中央のセンサ39は省略してもよい。センサ30は赤外光を発光する赤外線センサであるが、異物を検出可能なセンサであればよい。
【0062】
上記実施形態では、図8に示すバーナ制御処理について、左バーナ4の燃焼中を例に説明したが、右バーナ5の燃焼中においても同様の制御である。
【0063】
上記実施形態では、コンロバーナの火力の調整は、各コンロバーナに対応するガス供給機構50によって行うが、その構造については、上記実施形態以外の構造であってもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 コンロ
4 左バーナ
5 右バーナ
24、28 表示部
31~39 センサ
41 発光部
42 受光部
71 CPU
101 第1表示器
102 第2表示器
103 第3表示器
A~G 発光エレメント
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11