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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-18
(54)【発明の名称】携帯式循環ろ過装置
(51)【国際特許分類】
   B28D 7/02 20060101AFI20230511BHJP
   B01D 35/027 20060101ALI20230511BHJP
   B28D 1/14 20060101ALI20230511BHJP
   B23Q 11/00 20060101ALI20230511BHJP
   B23Q 11/10 20060101ALI20230511BHJP
   B23B 47/00 20060101ALI20230511BHJP
   B23B 47/34 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
B28D7/02
B01D35/02 F
B28D1/14
B23Q11/00 L
B23Q11/10 E
B23B47/00 B
B23B47/34 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019102202
(22)【出願日】2019-05-31
(65)【公開番号】P2020196151
(43)【公開日】2020-12-10
【審査請求日】2022-05-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000142919
【氏名又は名称】株式会社呉英製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】木本 裕司
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-146986(JP,A)
【文献】特開2002-337136(JP,A)
【文献】特開2001-105276(JP,A)
【文献】特開2015-142953(JP,A)
【文献】特開2003-039423(JP,A)
【文献】国際公開第97/029883(WO,A1)
【文献】特開2013-067023(JP,A)
【文献】特開2019-126912(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28D 7/02
B01D 35/027
B28D 1/14
B23Q 11/00
B23Q 11/10
B23B 47/00
B23B 47/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転工具の刃先に接続シャフトの筒内を通る潤滑水を供給すると共に、前記潤滑水と前記回転工具による被加工物の加工により発生した粉体とが混合するスラッジを回収してろ過し、前記潤滑水として使用する携帯式循環ろ過装置であって、
筺体部の内部に、前記潤滑水を貯水する貯水タンクと、前記貯水タンクの上部に設けられた前記スラッジを収納すると共にろ過する収納ろ過部と、前記収納ろ過部の上部に設けられた仕切り板と、前記仕切り板に貫通して設けた吸引ポンプ及び前記潤滑水を供給する供給パイプと、前記供給パイプを介して潤滑水を供給する供給ポンプと、前記供給ポンプ、又は、前記吸引ポンプ及び前記供給ポンプの両方に供給される電気を交流から直流に変換するスイッチング電源と、前記吸引ポンプ及び前記供給ポンプを制御する制御基板と、を備え、
前記吸引ポンプ、前記供給パイプ、前記供給ポンプ、前記制御基板を有する空間を前記仕切り板で仕切って形成する第1空間筐体部と、前記貯水タンク、前記供給パイプの一端、前記収納ろ過部を有する空間を前記仕切り板で仕切って形成する第2空間筐体部とを有し、
前記第1空間筐体部は、前記仕切り板を境として前記第2空間筐体部から着脱自在に設けられ、
前記仕切り板は、前記第1空間筐体部に着脱自在に取り付けられ、
前記回転工具は、前記刃先が被加工物を穿孔するビットであるとき、前記潤滑水を送る供給ホースの先端と、前記スラッジを吸引する吸引ホースの先端とが接続される水受ガイド筒を備え、前記水受ガイド筒は、前記回転工具の刃先を覆う筒本体と、前記筒本体の基端側に設けた前記供給ホースが接続される第3接続部と、前記筒本体の先端側に設けた前記吸引ホースが接続される第4接続部とを有する、携帯式循環ろ過装置。
【請求項2】
回転工具の刃先に潤滑水を供給すると共に、前記潤滑水と前記回転工具による被加工物の加工により発生した粉体とが混合するスラッジを回収してろ過し、前記潤滑水として使用する携帯式循環ろ過装置であって、
筺体部の内部に、前記潤滑水を貯水する貯水タンクと、前記貯水タンクの上部に設けられた前記スラッジを収納すると共にろ過する収納ろ過部と、前記収納ろ過部の上部に設けられた仕切り板と、前記仕切り板に貫通して設けた吸引ポンプ及び前記潤滑水を供給する供給パイプと、前記供給パイプを介して潤滑水を供給する供給ポンプと、前記供給ポンプ、又は、前記吸引ポンプ及び前記供給ポンプの両方に供給される電気を交流から直流に変換するスイッチング電源と、前記吸引ポンプ及び前記供給ポンプを制御する制御基板と、を備え、
前記吸引ポンプ、前記供給パイプ、前記供給ポンプ、前記制御基板を有する空間を前記仕切り板で仕切って形成する第1空間筐体部と、前記貯水タンク、前記供給パイプの一端、前記収納ろ過部、を有する空間を前記仕切り板で仕切って形成する第2空間筐体部とを有し、
前記第1空間筐体部は、前記仕切り板を境として前記第2空間筐体部から着脱自在に設けられ、
前記仕切り板は、前記第1空間筐体部に着脱自在に取り付けられ、
前記回転工具は、前記刃先が被加工物を研削又は切削する回転ホイルであるとき、前記潤滑水を送る供給ホースの先端と、前記スラッジを吸引する吸引ホースの先端とが接続される集塵カバーを備え、前記集塵カバーは、前記回転工具の刃先を覆うカバー本体と、前記供給ホースが接続される第3接続部と、前記吸引ホースが接続される第4接続部とを有し、前記第3接続部と前記第4接続部とが互いに離間して設けられている、携帯式循環ろ過装置。
【請求項3】
前記第1空間筐体部は、前記供給パイプと接続して前記回転工具に前記潤滑水を送る供給ホースの先端が接続される第1接続部が形成され、
前記第2空間筐体部は、前記スラッジを前記回転工具から吸引する吸引ホースの先端が接続される第2接続部が形成されている請求項1又は請求項2に記載の携帯式循環ろ過装置。
【請求項4】
前記第1空間筐体部と、前記第2空間筐体部とは、オーリングを介して着脱自在に密閉される請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の携帯式循環ろ過装置。
【請求項5】
前記収納ろ過部は、前記スラッジから潤滑水をろ過し粉体を収納する袋状フィルタであり、前記第2空間筐体部内に突出するセンターパイプを前記袋状フィルタの開口が覆い着脱自在に取り付けられている請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の携帯式循環ろ過装置。
【請求項6】
前記回転工具は、前記回転工具の回転数を目標回転数に維持するように制御するフィードバッグ制御手段を備える請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の携帯式循環ろ過装置。
【請求項7】
前記回転工具は、前記刃先を回転させる駆動モータの回転数を測定する測定手段を備え、前記フィードバッグ制御手段は、前記測定手段で測定された前記回転数が前記目標回転数以下となった場合、前記駆動モータに印加する電流を増加させる請求項6に記載の携帯式循環ろ過装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被加工物に潤滑水を循環しながら回転工具で研削、切削又は穿孔する際に用いられる携帯式循環ろ過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯式循環ろ過装置では、回転工具を作業位置に固定し、集塵ホース及び供給ホースが取り付けられた水受ガイド筒に、供給ホースから潤滑水を供給し集塵ホースにより潤滑水と粉塵との混じったスラッジを回収し、ろ過して再び潤滑水を循環させながら穿孔等の作業が行われている(特許文献1参照)。
一方、研削作業あるいは切削作業では、砥石を加工面に設置した回転ホイルを装着した回転工具が使用されている。この回転工具では、周囲に粉塵をまき散らすことを防止するため、集塵機を回転工具のカバーに接続して集塵しながら研削作業あるいは切削作業が行われている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-67023号公報
【文献】特開2013-63495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
携帯式循環ろ過装置では、回転工具の電源として交流電源が用いられ、回転工具に流れた交流電気を制御基板で検知して、潤滑水を供給する供給ポンプとスラッジを吸引する吸引ポンプとを駆動させている。そのため、制御基板に交流電気が流れることとなり、電圧の変動により制御基板が焼損し易い。
【0005】
このような問題を解決するため、トランス、ブリッジダイオード等の電装部品を用いて交流から直流に変換することが行われている。しかしながら、交流電源として発電機を使用する場合、安定した直流電圧を得るためには、大きな電装部品を制御基板に搭載する必要があり、制御基板のサイズが大きくなり、装置が大型化し易い。その結果、狭い場所での穿孔等の作業がし難くなる。さらに、制御基板が潤滑水の貯水タンクの下に配置されるため、潤滑水の付着によって制御基板がショートし易い。その結果、回転工具による穿孔等が停止し、作業が長時間になり易い。
【0006】
そこで、本発明は、回転工具の電源として交流電源を用いた際にも、研削、切削又は穿孔を短時間で行えると共に、作業効率のよい携帯式循環ろ過装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明に係る携帯式循環ろ過装置は、回転工具の刃先に潤滑水を供給すると共に、前記潤滑水と前記回転工具による被加工物の加工により発生した粉体とが混合するスラッジを回収してろ過し、前記潤滑水として使用する携帯式循環ろ過装置であって、筺体部の内部に、前記潤滑水を貯水する貯水タンクと、前記貯水タンクの上部に設けられた前記スラッジを収納すると共にろ過する収納ろ過部と、前記収納ろ過部の上部に設けられた仕切り板と、前記仕切り板に貫通して設けた吸引ポンプ及び前記潤滑水を供給する供給パイプと、前記供給パイプを介して潤滑水を供給する供給ポンプと、前記供給ポンプ、又は、前記吸引ポンプ及び前記供給ポンプの両方に供給される電気を交流から直流に変換するスイッチング電源と、前記吸引ポンプ及び前記供給ポンプを制御する制御基板と、を備え、前記吸引ポンプ、前記供給パイプ、前記供給ポンプ、前記制御基板とを有する空間を前記仕切り板で仕切って形成する第1空間筐体部と、前記貯水タンク、前記供給パイプ、前記収納ろ過部とを有する空間を前記仕切り板で仕切って形成する第2空間筐体部とを有し、前記第1空間筐体部と前記第2空間筐体部とが着脱自在に設けられている構成とする。
【0008】
本発明に係る携帯式循環ろ過装置によれば、供給ポンプ、又は、吸引ポンプ及び供給ポンプの両方に供給される電気を交流から直流に変換するスイッチング電源を備えることによって、電圧変動の大きい交流電源を用いた際にも、制御基板に電圧変動の小さい安定した直流電気を流すことができるため、制御基板の焼損が防止できる。また、スィッチング電源を備えることによって、制御基板のサイズを小さくでき、装置を小型化できる。その結果、狭い場所での加工等の作業がし易くなる。
また、本発明に係る携帯式循環ろ過装置によれば、制御基板を有する第1空間筺体部と、貯水タンクを有する第2空間筺体部とが仕切り板で仕切られて着脱自在に設けられていることによって、貯水タンクに収納された潤滑水の交換の際に、潤滑水が制御基板に飛散することが防止できるため、制御基板のショートが防止できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る携帯式循環ろ過装置は、回転工具の電源として交流電源を用いた際にも、制御基板の焼損及びショートを防止できるため、研削、切削又は穿孔を短時間で行える。また、本発明に係る携帯式循環ろ過装置は、制御基板のサイズを小さくでき、装置を小型化できる。さらに、本発明に係る携帯式循環ろ過装置は、潤滑水が制御基板に飛散しないので、作業を連続的に行え、作業効率がよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る携帯式循環ろ過装置の構成と、携帯式循環ろ過装置で使用される回転工具の構成とを、一部を断面にして模式的に示す模式図である。
図2】本発明に係る携帯式循環ろ過装置の筐体部の第1空間筐体部と第2空間筐体部とを分離した状態として模式的に示す斜視図である。
図3図1の回転工具における工具本体の構成を、断面にして模式的に示す模式図である。
図4】本発明に係る携帯式循環ろ過装置の配線を示す配線図である。
図5図3の制御基板におけるスイッチング電源の回路の一例を示す回路図である。
図6】本発明に係る携帯式循環ろ過装置を用いて使用される回転工具の他の構成を、断面にして模式的に示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る携帯式循環ろ過装置についての一例である実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、理解を容易にするために各部品の大きさ間隔などは適宜誇張して記載している場合がある。また、各部品の位置は、説明を分かりやすくするために記載する相対的なものであり確定した位置を示しているものではない。
【0012】
図1に示すように、携帯式循環ろ過装置50は、回転工具1の刃先に潤滑水LWを供給すると共に、潤滑水LWと粉体とが混合するスラッジGとを回収してろ過し、潤滑水LWとして使用する装置である。ここで、被加工物WKは、コンクリート、石材、窯業関連製品等の硬質構造物である。また、加工は、研削、切削又は穿孔である。
【0013】
はじめに、携帯式循環ろ過装置が用いられる回転工具について、穿孔作業に使用される穿孔ドリルを例にとって説明する。図1図3に示すように、回転工具1(穿孔ドリル)は、潤滑水を循環して穿孔を行う水循環方式を採用したものであり、工具本体10と、水受ガイド筒3と、移動ガイドバー6とを備える。
工具本体10は、被加工物WKを穿孔するビット2(刃先)が着脱可能に構成されたドリル本体である。なお、工具本体10の詳細は後記する。
【0014】
水受ガイド筒3は、工具本体10の回転シャフト11の先端側に設けられ、穿孔作業に用いられる潤滑水LWと穿孔作業で排出されたスラッジGを受けるものである。水受ガイド筒3は、ビット2を覆う筒本体3aと、潤滑水LWを供給する供給ホース41の先端が接続される第3接続部3bと、スラッジGを吸引する吸引ホース42の先端が接続される第4接続部3cとを有する。第3接続部3bは筒本体3aの基端側に設けられ、第4接続部3cは筒本体3aの先端側に設けられる。なお、水受ガイド筒3は、その筒先端にゴム環を取り付けることで、被加工物WKの壁面に凹凸があっても潤滑水LWが漏れ出さないようにできる。
【0015】
移動ガイドバー6は、この水受ガイド筒3に沿って平行に配置され、工具本体10の回転シャフト11の前後移動を案内するものである。また、移動ガイドバー6は、その基端側を工具本体10の取付部16にボルト等で固定され、その先端側を水受ガイド筒3の係合部4に挿通することで係合させている。従って、移動ガイドバー6は、係合部4から移動ガイドバー6の先端が突出し、係合部4に係合しながら工具本体10の前後への移動を案内できる。
【0016】
ビット2は、工具本体10の回転シャフト11の先端に水受供給部5を介して設けた接続シャフト12の先端に着脱自在に設置される穿孔工具である。ビット2は、例えば、メタルボンドと呼ばれる焼結金属の中にダイヤモンド粒が埋め込まれた素材を焼結して形成されている。このビット2の素材は、穿孔作業で使用されるものであれば特に限定されることはない。
【0017】
水受供給部5は、回転シャフト11の先端側に、水受ガイド筒3の基端側から挿通できる大きさで、当該回転シャフト11が回転自在となるように設けられている。また、供給ホース41から供給される潤滑水LWを受ける水受孔(不図示)は、回転シャフト11の水受供給部5内に位置する部分に形成される。なお、水受供給部5に供給される水は筒状の接続シャフト12の筒内を通りビット2の筒内からビット2の先端に送られる。
【0018】
図3に示すように、工具本体10は、動力伝達機構14と、駆動モータ13と、センサ(測定手段)15と、スイッチ(回転数選択手段)17と、フィードバック制御手段19と、制御基板20とを、破線で図示した工具本体10のケース内部に備える。
【0019】
動力伝達機構14は、駆動モータ13の回転を回転シャフト11に伝達する機構であり、例えば、かみ合うように配置された歯車14a,14bを備える。歯車14aは、駆動モータ13の出力軸13aの先端に取り付けられている。歯車14bは、出力軸13aに平行な回転シャフト11の他端(図1の水受供給部5の反対側)に取り付けられている。
なお、動力伝達機構14は、駆動モータ13の回転を回転シャフト11に伝達可能な機構であれば特に限定されず、例えば、ベルト駆動であってもよい。
【0020】
駆動モータ13は、後記するフィードバック制御手段19からの指令に従って出力軸13aを回転させるものであり、例えば、直巻整流子モータである。ここで、駆動モータ13は、動力伝達機構14を介して、ビット2を回転させる。本実施形態では、駆動モータ13は、出力軸13aと、軸受13bと、回転子13cと、整流子13dとを備える。出力軸13aは、駆動モータ13の回転を出力するシャフトである。軸受13bは、出力軸13aを支持するベアリングである。回転子13cは、駆動モータ13のロータであり、後記する目標回転数を維持可能な巻き数を有する。また、回転子13cは、その中心軸に出力軸13aが固定されている。整流子13dは、回転子13cの電流方向を反転させるものであり、回転子13cに接続されている。
駆動モータ13は、直巻整流子モータに限定されず、一般的なものであればよい。また、駆動モータ13の固定子などの部材は省略した。さらに、駆動モータ13は、モータ及びセンサ15が一体化したサーボモータを利用してもよい。
駆動モータ13の回転数は、制御基板60(スイッチング電源61)を介して供給される交流電気によって制御基板20に設けられたフィードバック制御手段19を用いて制御され、回転工具1のビット2の回転数が制御される。
【0021】
センサ15は、駆動モータ13の回転数を測定し、測定回転数を表すフィードバック信号をフィードバック制御手段19に出力するものである。本実施形態では、センサ15は、歯車14aの外周部付近に設置されており、歯車14aの回転数を駆動モータ13の回転数として測定する。例えば、センサ15としては、光学センサ、レーザセンサ、磁気センサ等の一般的な回転数測定用センサをあげることができる。
【0022】
スイッチ17は、回転工具1の作業者に目標回転数を選択させ、選択された目標回転数を表す回転数選択信号をフィードバック制御手段19に出力するものである。例えば、スイッチ17は、ハンドル18の上部に取り付けられ、目標回転数をビット2の外径等に対応させて段階的に切り替え可能なロッカースイッチである。
【0023】
フィードバック制御手段19は、センサ15で測定される測定回転数がビット2の外径等に対応する目標回転数を維持するように、駆動モータ13をフィードバック制御するものである。本実施形態では、フィードバック制御手段19は、センサ15からフィードバック信号が入力され、スイッチ17から回転数選択信号が入力される。そして、フィードバック制御手段19は、フィードバック制御として、フィードバック信号が示す測定回転数が、回転数選択信号の目標回転数以下となった場合、駆動モータ13に印加する電流を増加させる。
【0024】
次に、携帯式循環ろ過装置50について、図1図2を参照して説明する。
携帯式循環ろ過装置50は、筐体部51の内部に、貯水タンク52と、収納ろ過部54と、仕切り板57と、吸引ポンプ53と、供給パイプ56と、供給ポンプ55と、スイッチング電源61と、制御基板60と、を備えている。携帯式循環ろ過装置50は、筐体部51の内部に、第1空間筐体部51Aと第2空間筐体部51Bとの2つの空間が仕切り板57で仕切って形成されている。なお、携帯式循環ろ過装置50は、筐体部51(第2空間筐体部51B)の底部に、携帯式循環ろ過装置50を移動させるための車輪を備えている。携帯式循環ろ過装置50は、第1空間筐体部51Aと第2空間筐体部51Bとが着脱自在に設けられている。例えば、第1空間筐体部51Aと第2空間筐体部51Bとがオーリング等のゴムパッキン及びパンチング錠等の取付金具を介して着脱自在に密閉される。
【0025】
第1空間筐体部51Aは、吸引ポンプ53、供給ポンプ55、スイッチング電源61、制御基板60とを収納し、回転工具1に潤滑水LWを送る供給ホース41の先端と接続される第1接続部58が筐体外部に形成されている。第2空間筐体部51Bは、貯水タンク52、収納ろ過部54とを収納し、スラッジGを回転工具1から吸引する吸引ホース42の先端と接続される第2接続部59が筐体外部に形成されている。仕切り板57は、ここでは第1空間筐体部51A側に係合されている。
【0026】
貯水タンク52は、第2空間筐体部51Bの下方側を用いて形成されている。貯水タンク52は、回転工具1(水受ガイド筒3)に供給ホース41を介して送る潤滑水LWを収納すると共に、スラッジGをろ過した潤滑水LWを収納するものである。貯水タンク52は、第2空間筐体部51Bとは、別体になるように、上方を開口した箱型に形成したものを第2空間筐体部51B内に設置する構成としても構わない。
【0027】
収納ろ過部54は、貯水タンク52の上部に設けられ、吸引ホース42を介して回収するスラッジGを収納すると共に、スラッジGから潤滑水LWをろ過するフィルタである。このフィルタは、スラッジGをろ過して潤滑水LWを透過させ、ろ過した潤滑水LWをフィルタ外に透過して貯水タンク52に収納させている。例えば、収納ろ過部54は、スラッジGから潤滑水LWをろ過し粉体を収納する袋状フィルタであり、第2空間筐体部51B内に突出するセンターパイプ43を袋状フィルタの開口で覆うように第2空間筐体部51Bの壁面に着脱自在に取り付けられている。なお、センターパイプ43は、第2接続部59を介して吸引ホース42と接続する。このように、収納ろ過部54を袋状フィルタで構成することによって、スラッジGから潤滑水LWをろ過して内部に堆積した粉体をフィルタごと廃棄処理することができる。なお、収納ろ過部54は、第2空間筐体部51B内の内側壁に設けた支持アームを介して所定高さの位置に配置できるようにすることが好ましい。
【0028】
仕切り板57は、筐体部51を2つに仕切るものであり、収納ろ過部54の上部に設けられ、制御基板60等を収納する第1空間筐体部51Aと、貯水タンク52を有する第2空間筐体部51Bとを仕切っている。図2に示すように、筐体部51の第1空間筐体部51Aと第2空間筐体部51Bとが仕切り板57により完全に分離できるため、例えば、貯水タンク52に潤滑水LWを補充する際に、潤滑水LWの飛散によって、制御基板60に潤滑水LWが付着するようなことがなくなる。その結果、制御基板60がショートすることを防止できる。仕切り板57は、供給パイプ56が挿通する貫通穴57aと、吸引ポンプ53を支持する支持穴57bが形成され、第1空間筐体部51Aに着脱自在に取り付けられている。
【0029】
吸引ポンプ53は、第1空間筐体部51Aの内部に設けられ、ポンプの一部が支持穴57bを介して第2空間筐体部51Bに露出するように設けられている。吸引ポンプ53は、仕切り板57を貫通して支持穴57bに支持されるように設けられ、第2空間筐体部51Bの内部を負圧にすることで、回転工具1(水受ガイド筒3の内部)で発生するスラッジGを水受ガイド筒3の内部の空気とともに吸引ホース42を介して吸引するものである。この吸引ポンプ53は、例えば、バキュームポンプである。吸引ポンプ53で吸引されたスラッジGは、吸引ホース42に第2接続部59を介して接続されたセンターパイプ43を通して収納ろ過部54内に収納される。
【0030】
供給パイプ56は、仕切り板57を貫通する貫通穴57aに挿通して、筐体部51(第1空間筐体部51Aと第2空間筐体部51B)の内部に設けられ、一端が貯水タンク52(第2空間筐体部51B)の内部に位置し、他端が第1接続部58(第1空間筐体部51A)に接続されている。供給パイプ56は、潤滑水LWを貯水タンク52から、供給ポンプ55を介して、第1接続部58に接続された供給ホース41に送るものである。
【0031】
供給ポンプ55は、第1空間筐体部51Aの内部に設けられ、貯水タンク52に収納されている潤滑水LWを、供給パイプ56及び供給ホース41を介して回転工具1(水受ガイド筒3)に送るものである。供給ポンプ55は、例えば、ギアポンプであり、予め設定された量の潤滑水LWを水受ガイド筒3に供給ホース41を介して送ることができるように形成されている。供給ポンプ55は、例えば、0.1~0.7MPaで潤滑水LWを水受ガイド筒3に送ることができるものを使用する。
【0032】
制御基板60は、第1空間筐体部51Aの内部に設けられ、工具本体10(回転工具1)、吸引ポンプ53、供給ポンプ55と電気的に接続され、工具本体10の駆動を検知して、吸引ポンプ53、供給ポンプ55を駆動させ制御している(図4参照)。
具体的には、制御基板60は、吸引ポンプ53の吸引圧を制御して、収納ろ過部54の内部の負圧を制御し、水受ガイド筒3から収納ろ過部54へのスラッジGの回収量を制御している。さらに、制御基板60は、供給ポンプ55の圧力を制御して、貯水タンク52から水受ガイド筒3への潤滑水LWの供給量を制御している。これらの制御によって、回転工具1による穿孔作業の効率低下が防止される。
なお、工具本体10の駆動モータ13の回転数は、工具本体10の制御基板20(フィードバッグ制御手段19)によって制御される。
【0033】
スイッチング電源61は、交流電源を直流電源に変換する回路であり、その一例を図5に示す。
スイッチング電源61は、整流ブリッジ62と、電解コンデンサ63,67と、スイッチング素子64と、高周波トランス65と、ダイオード66と、制御回路68と、からなる回路である。
スイッチング電源61では、高周波トランス65を挟んで一次側に、電源70から交流電気が入力される整流ブリッジ62と、電解コンデンサ63とを並列に配置すると共に、スイッチング素子64を直列に配置する。また、スイッチング電源61では、高周波トランス65の二次側に、ダイオード66を直列に配置すると共に、電解コンデンサ67を並列に配置する。さらに、スイッチング電源61では、制御回路68がスイッチング素子64のオン/オフのタイミングを制御する。
【0034】
以下に、スイッチング電源61の動作原理を図4及び図5を参照して示す。
スイッチング電源61の一次側に電源70から交流電気が入力されると、整流ブリッジ62で整流され、さらに電解コンデンサ63で平滑化されて直流電気となる。次に、スイッチング素子64がスイッチングすること、すなわち、電気のオン/オフを繰り返すことによって直流電気が高周波の交流電気となり、高周波トランス65を介して二次側に伝達される。伝達された交流電気は、ダイオード66で整流され、さらに電解コンデンサ67で平滑化されて直流電気となり、出力される。また、出力電圧が一定に保たれるように、制御回路68によりスイッチング素子64のスイッチングの調整が行われる。
【0035】
このようなスイッチング電源61により、制御基板60に電圧変動の小さい直流電気が流れるため、吸引ポンプ53、供給ポンプ55を直流電気により駆動させることができ、制御基板60の焼損が防止できる。また、スイッチング電源61により、制御基板60のサイズを小さくできるため、携帯式循環ろ過装置50が軽量化、小型化され、穿孔作業の効率が向上すると共に、狭い場所での穿孔作業がし易くなる。
なお、移動が多く、立体に移動する建築作業における穿孔作業、主にタイル剥落防止作業の一部では、携帯式循環ろ過装置50が小型・軽量となり持ち運びやすくなることから、吸引ポンプ53、供給ポンプ55をスイッチング電源61から供給される直流電気によって駆動させる。一方、土木作業のような平坦で移動の少ない穿孔作業、ダム等での深穴穿孔作業では、供給ポンプ55のみを直流電気で駆動させ、吸引ポンプ53は交流電気で駆動させる。このような携帯式循環ろ過装置50は、重量が重く、移動し難いため、装置を据え置いて使用しなければならないが、吸引力の強い吸引ポンプ53が使用できる。
【0036】
次に、携帯式循環ろ過装置50の動作について説明する。
携帯式循環ろ過装置50は、被加工物WKの加工面の近くに携帯式循環ろ過装置50を運び、作業者が回転工具1を操作して被加工物WKの穿孔作業を行うことになる。
作業者が、回転工具1を駆動させることで、連動して携帯式循環ろ過装置50も駆動する。携帯式循環ろ過装置50の制御基板60では、回転工具1に流れる交流電気を検知して、吸引ポンプ53及び供給ポンプ55を駆動させる。そして、携帯式循環ろ過装置50では、貯水タンク52に収納された潤滑水LWを、供給ホース41を介して回転工具1の水受ガイド筒3の水受供給部5に供給すると共に、筐体部51の第2空間筐体部51Bの内部を負圧にすることで吸引ホース42を介して水受ガイド筒3の内部の空気等を吸い込む動作が行われる。
また、回転工具1と携帯式循環ろ過装置50とを連動させずに、回転工具1と携帯式循環ろ過装置50とを各個で駆動させてもよい。なお、数m以上の深い穴の穿孔作業においては、回転工具1と携帯式循環ろ過装置50とを連動させる場合、回転工具1から携帯式循環ろ過装置50へのスラッジGの吸引が間に合うように、先に携帯式循環ろ過装置50を駆動させ、時間差をもって回転工具1を駆動させるようにしてもよい。
【0037】
そして、回転工具1では、供給ホース41を介して携帯式循環ろ過装置50から水受供給部5に潤滑水LWが供給されると、水受ガイド筒3の内部に配置された回転シャフト11の水受孔の周りに潤滑水LWが充満する。さらに、潤滑水LWは、回転シャフト11の水受孔から接続シャフト12内に設けた流路を介してビット2に供給される。その後、潤滑水LWは、ビット2の穿孔時に使用され、ビット2で穿孔した被加工物WKの削粉と一緒になったもの(スラッジG)が水受ガイド筒3の内部に送り出される。
【0038】
また、携帯式循環ろ過装置50では、回転工具1が穿孔作業を行っているときには、常に、吸引ポンプ53を介して吸引ホース42から吸引しているので、水受ガイド筒3の内部の潤滑水LW及びスラッジGが吸引されて、収納ろ過部54に回収される。そして、携帯式循環ろ過装置50では、収納ろ過部54で、スラッジGから潤滑水LWをろ過する。そして、携帯式循環ろ過装置50では、ろ過した潤滑水LWを貯水タンク52に収納し、供給ポンプ55が供給ホース41を介して貯水タンク52から水受ガイド筒3の内部に潤滑水LWを供給することで潤滑水LWを循環させている。
【0039】
本発明に係る携帯式循環ろ過装置は、穿孔作業を行う穿孔ドリル等の回転工具だけでなく、被加工物の研削又は切削作業を行うグラインダ等の回転工具にも用いられる。なお、クラインダ等の回転工具を用いた携帯式循環ろ過装置では、供給ポンプのみを直流電気で駆動させ、吸引ポンプは交流電気で駆動させる。このような携帯式循環ろ過装置では、重量は重く、装置を据え置いて使用しなければならないが、吸引力が強い吸引ポンプが使用できる。
図6に示すように、回転工具(グラインダ)100は、例えば、中央が一方に突出している円盤状の回転ホイル108を着脱自在に取り付けて、研削又は切削作業を行うものである。この回転工具100は、工具本体101と、工具本体101に設けた回転ホイル108を回転駆動させる出力軸102と、出力軸102に取り付けられた回転ホイル108の一面側を覆う集塵カバー103と、を備える。
【0040】
工具本体101は、回転工具(穿孔ドリル)1の工具本体10(図3参照)と同様に、動力伝達機構、駆動モータ、センサ(測定手段)、スイッチ(回転数選択手段)、フィードバック制御手段とを工具本体101のケース内部に備える。詳細は前記のとおりである。
【0041】
集塵カバー103は、回転ホイル108の一面側を覆い加工時の粉塵の飛散を防止するものであり、出力軸102が貫通するカバー本体104と、カバー本体104の周面に沿って上下に移動するように設けた移動側面部106と、を備えている。なお、集塵カバー103は、カバー本体104の中心となるように出力軸102を貫通させて設置することや、回転ホイル108の外周縁が集塵カバー103の前端に近接するように偏心した位置に出力軸102を貫通して設置されるようにしてもよい。
【0042】
カバー本体104は、一例として、略中央に出力軸102が貫通して設置されるように形成されている。また、カバー本体104には、潤滑水を供給する供給ホース41の先端が接続される第3接続部105aと、加工時の粉塵と潤滑水とが一緒になった(スラッジ)を吸引する吸引ホース42の先端が接続される第4接続部105bと、を有する。第3接続部105a及び第4接続部105bは、出力軸102を隔てて対向する位置に形成されている。第3接続部105a及び第4接続部105bの形成位置は、ここでは、出力軸102を中心としてその左右に互いに隔てて配置されている。
【0043】
カバー本体104は、円環状に形成され、回転ホイル108が取り付けられたときに、移動側面部106と併せて、回転ホイル108の側面側を覆い、加工による粉塵の飛散を防止するものである。
カバー本体104には、噴霧ノズル107が取り付けられている。噴霧ノズル107は、回転ホイル108の背面と被加工物WKの加工面とに潤滑水を霧状にして噴霧するものである。噴霧ノズル107は、第3接続部105aを介して供給ホース41と連通する位置に取り付けられている。
【0044】
移動側面部106は、カバー本体104に沿って周方向に直交する方向(上下方向)に移動して、粉塵の飛散を防止するものである。移動側面部106は、カバー本体104に設けた支持部106a,106cと、支持部106a,106c間に支持される弾性部材からなる付勢部106bと、付勢部106bにより下方に常に付勢される環状側面部106dと、環状側面部106dの下端に設けた当接部106eとを備えている。
【0045】
一方の支持部106aは、カバー本体104に設けられ、付勢部106bの一端側を支持している。また、他方の支持部106cは、環状側面部106dに設けられ、付勢部106bの他端側を支持している。支持部106a、106cは、一対として、集塵カバー103の周方向に一定間隔で複数が配置されている。
【0046】
付勢部106bは、例えば、コイルばねのような弾性部材であり、環状側面部106dを常に下方に付勢している。この付勢部106bは、作業者の操作により工具本体101を被加工物WK側に押し付けたときに、付勢力に抗して環状側面部106dが上方に移動できるように形成されている。
【0047】
環状側面部106dは、カバー本体104の周面に沿って上下に移動できるように形成されている。環状側面部106dは、カバー本体104及び当接部106eと共に、集塵カバー103の周側面を形成している。また、環状側面部106dは、その下端に当接部106eが形成されている。
【0048】
当接部106eは、被加工物WKに当接した状態で回転工具100が移動できるように、一例としてブラシを設けている。当接部106eは、樹脂の細線を束ねて環状側面部106dの下端に設けることで周方向に一様な密度となるブラシを形成している。なお、当接部106eは、ブラシとした場合には、集塵カバー103内に噴霧される水が漏れにくくなるように密度を高くして形成されることが好ましい。
【0049】
回転ホイル108は、一般的に切削又は研削を行う作業に使用される切削刃あるいは研削刃を基板に備えている既存のものである。回転ホイル108は、基板が加工を行う部分と加工を行う部分を支持して工具本体101に取り付けられる部分とを備えている。回転ホイル108は、例えば、基板の中央が一方に突出するように形成され、その突出している中央に出力軸102に取り付けられる貫通穴が形成されている。また、回転ホイル108は、基板の下面の周面に切削刃あるいは研削刃を周方向に所定間隔となるように設けている。
【0050】
回転工具(グラインダ)100に携帯式循環ろ過装置50を用いたときの動作について説明する。
作業者が、回転工具100と携帯式循環ろ過装置50とを各個に駆動させる。携帯式循環ろ過装置50の駆動により、潤滑水LWを供給ホース41を介して集塵カバー103の内部に供給すると共に、吸引ホース42を介して集塵カバー103の内部の空気等を吸い込む動作が行われる。
回転工具100では、回転ホイル108が回転することで、供給ホース41に接続された噴霧ノズル107から噴霧された潤滑水LWが集塵カバー103内及び被加工物WKの加工面に広がる。回転工具100は、回転ホイル108を被加工物WKに当接させるように、工具本体101を把持した状態で集塵カバー103を被加工物WK側に押し当てるように操作される。回転工具100は、集塵カバー103が被加工物WK側に押されることで、移動側面部106の付勢部106bに抗して環状側面部106d及びブラシである当接部106eが上方に移動し、回転ホイル108が被加工物WKに当接できる状態となり、被加工物WKの表面である加工面を研削する加工作業が行われる。そして、研削によって生じたスラッジGは、集塵カバー103に接続された吸引ホース42を介して携帯式循環ろ過装置50の収納ろ過部54に回収される。
携帯式循環ろ過装置50では、スラッジGから潤滑水LWをろ過して、ろ過した潤滑水LWを集塵カバー103の内部に供給ホース41を介して供給することで潤滑水LWを循環させている。なお、回転工具100と携帯式循環ろ過装置50とを連動して駆動させてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 回転工具
2 ビット
3 水受ガイド筒
3a 筒本体
3b 第3接続部
3c 第4接続部
4 係合部
5 水受供給部
6 移動ガイドバー
10 工具本体
11 回転シャフト
12 接続シャフト
13 駆動モータ
14 動力伝達機構
15 センサ(測定手段)
17 スイッチ(回転数選択手段)
18 ハンドル
19 フィードバック制御手段
20 制御基板
41 供給ホース
42 吸引ホース
43 センターパイプ
50 携帯式循環ろ過装置
51 筐体部
51A 第1空間筐体部
51B 第2空間筐体部
52 貯水タンク
53 吸引ポンプ
54 収納ろ過部
55 供給ポンプ
56 供給パイプ
57 仕切り板
57a 貫通穴
57b 支持穴
58 第1接続部
59 第2接続部
60 制御基板
61 スイッチング電源
62 整流ブリッジ
63 電解コンデンサ
64 スイッチング素子
65 高周波トランス
66 ダイオード
67 電解コンデンサ
68 制御回路
70 電源
100 回転工具
101 工具本体
102 出力軸
103 集塵カバー
104 カバー本体
105a 第3接続部
105b 第4接続部
106 移動側面部
106a 支持部
106b 付勢部
106c 支持部
106d 環状側面部
106e 当接部
107 噴霧ノズル
108 回転ホイル
G スラッジ
LW 潤滑水
WK 被加工物
図1
図2
図3
図4
図5
図6