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特許7276917作業管理装置、作業管理方法及び制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-18
(54)【発明の名称】作業管理装置、作業管理方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/34 20060101AFI20230511BHJP
   B23K 1/00 20060101ALI20230511BHJP
   B23K 3/03 20060101ALI20230511BHJP
   H05K 13/00 20060101ALI20230511BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
H05K3/34 507N
B23K1/00 330E
B23K3/03 Z
H05K3/34 512Z
H05K13/00 A
H05K13/08 Q
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021545515
(86)(22)【出願日】2020-09-07
(86)【国際出願番号】 JP2020033725
(87)【国際公開番号】W WO2021049446
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-01-14
(31)【優先権主張番号】62/898,302
(32)【優先日】2019-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000234339
【氏名又は名称】白光株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100111453
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻井 智
(72)【発明者】
【氏名】松崎 憲二
(72)【発明者】
【氏名】中村 健太
(72)【発明者】
【氏名】竹内 仁志
(72)【発明者】
【氏名】狩野 好彰
【審査官】齊藤 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-114524(JP,A)
【文献】実開平3-88340(JP,U)
【文献】特開2005-242418(JP,A)
【文献】特開2007-328665(JP,A)
【文献】特開2011-145818(JP,A)
【文献】特開2018-114553(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 1/00―3/08
B23K 31/02
H05K 1/00―3/46
H05K 13/00―13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上で手作業で行われる複数の半田付け作業を管理する作業管理装置(10)であって、
前記基板の識別情報を取得する識別情報取得装置(910)を接続するための第一インターフェース部(421)と、
画像を生成する撮像装置(920)を接続するための第二インターフェース部(422)と、
半田付け作業に関するモニタ情報を生成する半田付けモニタ装置(100)を接続するための第三インターフェース部(402)と、
前記第一インターフェース部に接続された前記識別情報取得装置で取得された前記基板の識別情報と対応付けて、前記第二インターフェース部に接続された前記撮像装置で時系列に連続して生成された、前記複数の半田付け作業中における前記基板全体の撮影画像、及び、前記第三インターフェース部に接続された前記半田付けモニタ装置で時系列に連続して生成された、前記複数の半田付け作業中における前記モニタ情報を記憶する記憶部(404)と、
前記記憶部に記憶されている前記基板の識別情報の中から一の識別情報の選択を受け付ける選択部(413)と、
前記記憶部において、前記一の識別情報と対応付けて記憶されている前記撮影画像及び前記モニタ情報を、当該撮影画像の撮影日時と当該モニタ情報の取得日時とを一致させて時系列に表示する表示部(408)と、
を備える作業管理装置。
【請求項2】
基板上で手作業で行われる複数の半田付け作業を管理する作業管理装置(10)であって、
前記基板の識別情報を取得する識別情報取得装置(910)を接続するための第一インターフェース部(421)と、
画像を生成する撮像装置(920)を接続するための第二インターフェース部(422)と、
半田付け作業に関するモニタ情報を生成する半田付けモニタ装置(100)を接続するための第三インターフェース部(402)と、
前記第一インターフェース部に接続された前記識別情報取得装置で取得された前記基板の識別情報と対応付けて、前記第二インターフェース部に接続された前記撮像装置で時系列に連続して生成された、前記複数の半田付け作業中における前記基板全体の撮影画像、及び、前記第三インターフェース部に接続された前記半田付けモニタ装置で時系列に連続して生成された、前記複数の半田付け作業中における前記モニタ情報を記憶する記憶部(404)と、
前記記憶部に記憶されている前記基板の識別情報の中から一の識別情報の選択を受け付ける選択部(413)と、
前記記憶部において、前記一の識別情報と対応付けて記憶されている前記撮影画像及び前記モニタ情報を、当該撮影画像の撮影日時と当該モニタ情報の取得日時とを一致させて時系列に表示する表示部(408)と、
前記複数の半田付け作業を行う作業者の識別情報を取得する作業者情報取得装置(910)を接続するための第四インターフェース部(421)と、
備え、
前記記憶部は、更に、前記第一インターフェース部に接続された前記識別情報取得装置で取得された前記基板の識別情報と対応付けて、前記第四インターフェース部に接続された前記作業者情報取得装置で取得された前記作業者の識別情報を記憶し、
前記表示部は、更に、前記一の識別情報と対応付けて記憶されている前記作業者の識別情報を表示する、
業管理装置。
【請求項3】
前記基板の識別情報と対応付けて、前記基板における前記複数の半田付け作業の作業位置を示す複数の作業位置情報を作業順に予め記憶する第二記憶部(404a)と、
前記複数の作業位置情報の中から、次に行われる半田付け作業の作業位置を示す作業位置情報を読み出し、半田付け作業の作業位置を指し示すマーカを前記基板に付与するマーカ装置(940)に対し、前記読み出した作業位置情報が示す作業位置を指し示すマーカを前記基板に付与するように指示する第五インターフェース部(424)と、
を更に備える請求項1又は2に記載の作業管理装置。
【請求項4】
基板上で手作業で行われる複数の半田付け作業を管理する作業管理装置(10)であって、
前記基板の識別情報を取得する識別情報取得装置(910)を接続するための第一インターフェース部(421)と、
画像を生成する撮像装置(920)を接続するための第二インターフェース部(422)と、
半田付け作業に関するモニタ情報を生成する半田付けモニタ装置(100)を接続するための第三インターフェース部(402)と、
前記第一インターフェース部に接続された前記識別情報取得装置で取得された前記基板の識別情報と対応付けて、前記第二インターフェース部に接続された前記撮像装置で時系列に連続して生成された、前記複数の半田付け作業中における前記基板全体の撮影画像、及び、前記第三インターフェース部に接続された前記半田付けモニタ装置で時系列に連続して生成された、前記複数の半田付け作業中における前記モニタ情報を記憶する記憶部(404)と、
前記記憶部に記憶されている前記基板の識別情報の中から一の識別情報の選択を受け付ける選択部(413)と、
前記記憶部において、前記一の識別情報と対応付けて記憶されている前記撮影画像及び前記モニタ情報を、当該撮影画像の撮影日時と当該モニタ情報の取得日時とを一致させて時系列に表示する表示部(408)と、
前記複数の半田付け作業に含まれる一の半田付け作業が終了する度に、前記第三インターフェース部に接続された前記半田付けモニタ装置で時系列に連続して生成された、前記一の半田付け作業中における前記モニタ情報が所定条件を満たすか否かを判定する判定部(415)と、
備え、
前記表示部は、前記判定部によって前記一の半田付け作業中における前記モニタ情報が前記所定条件を満たすと判定された場合に、当該モニタ情報の表示態様を変更する、
業管理装置。
【請求項5】
前記所定条件は、前記記憶部において前記基板と同構成の同種基板の識別情報と対応付けて記憶されている、前記一の半田付け作業と同内容の半田付け作業中における前記モニタ情報を用いて定められている、
請求項4に記載の作業管理装置。
【請求項6】
基板上で手作業で行われる複数の半田付け作業を管理する作業管理装置(10)であって、
前記基板の識別情報を取得する識別情報取得装置(910)を接続するための第一インターフェース部(421)と、
画像を生成する撮像装置(920)を接続するための第二インターフェース部(422)と、
半田付け作業に関するモニタ情報を生成する半田付けモニタ装置(100)を接続するための第三インターフェース部(402)と、
前記第一インターフェース部に接続された前記識別情報取得装置で取得された前記基板の識別情報と対応付けて、前記第二インターフェース部に接続された前記撮像装置で時系列に連続して生成された、前記複数の半田付け作業中における前記基板全体の撮影画像、及び、前記第三インターフェース部に接続された前記半田付けモニタ装置で時系列に連続して生成された、前記複数の半田付け作業中における前記モニタ情報を記憶する記憶部(404)と、
前記記憶部に記憶されている前記基板の識別情報の中から一の識別情報の選択を受け付ける選択部(413)と、
前記記憶部において、前記一の識別情報と対応付けて記憶されている前記撮影画像及び前記モニタ情報を、当該撮影画像の撮影日時と当該モニタ情報の取得日時とを一致させて時系列に表示する表示部(408)と、
を備え、
前記モニタ情報には、作業中の半田付け作業で使用されている半田鏝に供給された電力量、前記半田鏝の温度、前記作業中の半田付け作業において前記基板に与えられた最大荷重、前記作業中の半田付け作業において前記基板に荷重が与えられた時間の総和、前記作業中の半田付け作業によって前記基板に付着された半田量、前記作業中の半田付け作業において前記半田鏝に電力が供給された時間の総和及び前記作業中の半田付け作業における前記半田鏝の最低温度のうちの少なくとも一以上が含まれる、
業管理装置。
【請求項7】
基板上で手作業で行われる複数の半田付け作業を管理する作業管理装置における作業管理方法であって、
前記作業管理装置は、前記基板の識別情報を取得する識別情報取得装置を接続するための第一インターフェース部と、画像を生成する撮像装置を接続するための第二インターフェース部と、半田付け作業に関するモニタ情報を生成する半田付けモニタ装置を接続するための第三インターフェース部と、を備え、
前記第一インターフェース部に接続された前記識別情報取得装置で取得された前記基板の識別情報と対応付けて、前記第二インターフェース部に接続された前記撮像装置で時系列に連続して生成された、前記複数の半田付け作業中における前記基板全体の撮影画像、及び、前記第三インターフェース部に接続された前記半田付けモニタ装置で時系列に連続して生成された、前記複数の半田付け作業中における前記モニタ情報を記憶し、
前記記憶されている前記基板の識別情報の中から一の識別情報の選択を受け付け、
前記一の識別情報と対応付けて記憶されている前記撮影画像及び前記モニタ情報を、当該撮影画像の撮影日時と当該モニタ情報の取得日時とを一致させて時系列に表示する、
作業管理方法。
【請求項8】
基板上で手作業で行われる複数の半田付け作業を管理する作業管理装置のコンピュータの制御プログラムであって、
前記作業管理装置は、前記基板の識別情報を取得する識別情報取得装置を接続するための第一インターフェース部と、画像を生成する撮像装置を接続するための第二インターフェース部と、半田付け作業に関するモニタ情報を生成する半田付けモニタ装置を接続するための第三インターフェース部と、を備え、
前記コンピュータを、
前記第一インターフェース部に接続された前記識別情報取得装置で取得された前記基板の識別情報と対応付けて、前記第二インターフェース部に接続された前記撮像装置で時系列に連続して生成された、前記複数の半田付け作業中における前記基板全体の撮影画像、及び、前記第三インターフェース部に接続された前記半田付けモニタ装置で時系列に連続して生成された、前記複数の半田付け作業中における前記モニタ情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されている前記基板の識別情報の中から一の識別情報の選択を受け付ける選択部と、
前記記憶部において、前記一の識別情報と対応付けて記憶されている前記撮影画像及び前記モニタ情報を、当該撮影画像の撮影日時と当該モニタ情報の取得日時とを一致させて時系列に表示する表示部と、
して機能させる、
制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上で手作業で行われる複数の半田付け作業を管理する作業管理装置、作業管理方法及び制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、作業者がガスバーナーによって接合対象部材を加熱し、ろう付けによる接合作業を行った場合に、接合部に異常があったか否かを判定する技術が開示されている。
【0003】
具体的には、特許文献1に開示の技術では、作業者による接合作業中、接合箇所におけるろうの流れや温度分布の映像が接合現象データとして取得される。接合箇所から作業者のろう持ち手までの距離と接合箇所におけるガスバーナーの動きが作業状態データとして取得される。そして、接合現象データと作業状態データとを時間的に対応させた評価データから、接合箇所に対応するデータ範囲が抽出され、当該データ範囲と所定の基準データとの比較結果に基づいて当該接合箇所に異常があったか否かが判定される。
【0004】
しかし、特許文献1に開示の技術では、接合対象部材全体ではなく、接合対象部材の一部である接合箇所のろうの流れや温度分布の映像が接続現像データとして取得される。このため、当該接続現像データからは、接合対象部材におけるどの位置に接合箇所が存在するのかを適切に把握できない。このように、特許文献1に開示の技術では、接合対象部材における接合作業が行われた位置のトレーサビリティの確保が困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-56622号公報
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、基板上で手作業で行われる複数の半田付け作業のトレーサビリティを向上することにある。
【0007】
本発明にかかる作業管理装置、作業管理方法及び制御プログラムは、基板上で手作業で行われる複数の半田付け作業を管理する作業管理装置、作業管理方法及び制御プログラムであって、作業管理装置に接続された識別情報取得装置から取得した基板の識別情報と対応付けて、作業管理装置に接続された撮像装置及び半田付けモニタ装置から取得した時系列に連続する複数の半田付け作業中における基板全体の撮影画像及びモニタ情報を記憶し、記憶されている基板の識別情報の中から選択された一の識別情報と対応付けて記憶されている撮影画像及びモニタ情報を、当該撮影画像の撮影日時と当該モニタ情報の取得日時とを一致させて時系列に表示する。
【0008】
上記並びにその他の本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な記載と添付図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第一実施形態の作業管理システムの全体構成を示した図である。
図2図2は、半田鏝の電気的構成を示すブロック図である。
図3図3は、半田鏝制御装置の機能構成を示すブロック図である。
図4図4は、第一実施形態のコンピュータ装置の機能構成を示すブロック図である。
図5図5は、第一実施形態の作業管理システムにおける基板上で手作業で行われる複数の半田付け作業の作業管理動作を示すフローチャートである。
図6図6は、作業管理動作時に表示される操作画面の一例を示す図である。
図7図7は、第二実施形態の作業管理システムの全体構成を示した図である。
図8図8は、第二実施形態のコンピュータ装置の機能構成を示すブロック図である。
図9図9は、第二実施形態の作業管理システムにおける基板上で手作業で行われる複数の半田付け作業の作業管理動作を示すフローチャートである。
図10図10は、第三実施形態の作業管理システムの全体構成を示した図である。
図11図11は、第三実施形態のコンピュータ装置の機能構成を示すブロック図である。
図12図12は、第三実施形態の作業管理システムにおける基板上で手作業で行われる複数の半田付け作業の作業管理動作を示すフローチャートである。
図13図13は、作業管理動作時に表示される操作画面の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0011】
(第一実施形態)
図1は、第一実施形態の作業管理システム1の全体構成を示した図である。作業管理システム1は、基板W上で手作業で行われる複数の半田付け作業を管理するシステムである。作業管理システム1は、バーコードリーダ910(識別情報取得装置、作業者情報取得装置)と、カメラ920(撮像装置)と、スイッチ付き治具930と、作業管理装置10と、を備える。
【0012】
バーコードリーダ910は、作業管理装置10と通信ケーブルで接続され、作業管理装置10と有線通信可能に構成されている。バーコードリーダ910は、基板Wに貼付又は印字されたバーコードWBによって表される、当該基板Wに関する基板情報を読み取り(取得し)、当該読み取った基板情報を作業管理装置10へ送信する。
【0013】
基板情報には、基板Wの識別情報及び基板Wにおける複数の半田付け作業に関する半田付情報等が含まれる。半田付情報には、基板Wでの半田付け作業に適切な鏝先の形状を示す情報等が含まれる。尚、バーコードWBは、基板Wを収容するケースや基板Wを包装する包装材等に貼付又は印字されていてもよい。
【0014】
バーコードリーダ910は、基板W上で複数の半田付け作業を行う作業者のIDカードSCに貼付又は印字されたバーコードSBによって表される作業者の識別情報を読み取り(取得し)、当該読み取った作業者の識別情報を作業管理装置10へ送信する。尚、バーコードリーダ910は、作業管理装置10と無線通信可能な構成であってもよい。この場合、バーコードリーダ910は、半田付け作業の作業者によってより広い範囲で移動自在となる。
【0015】
基板情報を表すQRコード(登録商標)等の二次元コードが基板Wに貼付又は印字されていてもよい。同様に、作業者の識別情報を表す二次元コードがIDカードSCに貼付又は印字されていてもよい。この場合、作業管理システム1が、作業管理装置10と有線又は無線通信可能な二次元コードリーダを備えるようにすればよい。
【0016】
カメラ920は、作業管理装置10と通信ケーブルで接続され、作業管理装置10と有線通信可能に構成されている。カメラ920は、例えば、基板Wが載置されるスイッチ付き治具930の上方において不図示の支持部材により支持されている。
【0017】
カメラ920は、所定の撮影周期(例えば0.1秒)で時系列に連続して基板W全体を撮影する。カメラ920は、当該撮影によって得られる時系列に連続する基板W全体の撮影画像を作業管理装置10へ送信する。撮影画像は、動画であってもよいし、上記撮影周期で時系列に連続する静止画(コマ画像)であってもよい。尚、カメラ920は、作業管理装置10と無線通信可能な構成であってもよい。
【0018】
スイッチ付き治具930は、作業管理装置10と通信ケーブルで接続され、作業管理装置10と有線通信可能に構成されている。スイッチ付き治具930は、基板Wが載置される載置面及び近接センサを備える。当該近接センサは、載置面から所定距離内に基板Wが存在することを検知すると、当該検知を示す信号を作業管理装置10に送信する。尚、スイッチ付き治具930は、作業管理装置10と無線通信可能な構成であってもよい。
【0019】
作業管理装置10は、基板W上で手作業で行われる複数の半田付け作業を管理する装置である。作業管理装置10は、半田鏝制御装置100(半田付けモニタ装置)と、コンピュータ装置400と、を備える。
【0020】
半田鏝制御装置100は、ケーブルCBによって半田鏝200と接続されている。このように、半田鏝制御装置100は、半田鏝200と電気的接続可能に、半田鏝200と分離して設けらている。半田鏝制御装置100は、鏝先221の温度を制御する機能等を有する。
【0021】
半田鏝200は、半田付け作業に用いられる。具体的には、半田鏝200は、ハンドル部210と、カートリッジ220と、を備える。カートリッジ220は、ハンドル部210に対して、取り付け及び取り外し可能に構成されている。カートリッジ220の先端が鏝先221である。
【0022】
半田付け作業は、半田鏝200を用いて溶かした半田を基板Wに付着させる作業に限らない。半田付け作業には、半田を吸い取るために、半田鏝200を用いて基板W上に付着されている半田を溶かす作業が含まれる。このような、半田を溶かして吸い取る用途で用いられる半田鏝200は吸取器と称される。半田付け作業には、電子部品を基板Wから取り外すために、半田鏝200を用いて基板Wに半田付けされた電子部品に付着した半田を溶かす作業も含まれる。このような、半田を溶かす用途で用いられる半田鏝200は、ホットツイーザー(hot tweezers)と称される。
【0023】
コンピュータ装置400は、半田鏝制御装置100と有線通信又は無線通信可能に接続されている。コンピュータ装置400は、例えば、デスクトップ型、ノート型、タブレット型等のパーソナルコンピュータやスマートフォンである。コンピュータ装置400は、カートリッジ220が備える不揮発性メモリ224(図2)に記憶されている情報を収集する機能、基板W上で手作業で行われる複数の半田付け作業を管理する機能等を有する。
【0024】
図2は、半田鏝200の電気的構成を示すブロック図である。カートリッジ220は、鏝先221と、ヒータ部222と、温度センサ223と、不揮発性メモリ224と、を備える。
【0025】
ヒータ部222は、鏝先221を加熱する。ヒータ部222による鏝先221の加熱方式は、例えば、発熱体(ニクロム線、セラミックス等)によって、鏝先221を加熱する方式でもよいし(抵抗加熱方式)、鏝先221を発熱させる方式でもよい(高周波誘導加熱方式)。
【0026】
温度センサ223は、鏝先221の付近に配置され、鏝先221の温度を測定し、当該測定した鏝先221の温度を示す信号を出力するセンサである。温度センサ223は、例えば、熱電対である。
【0027】
不揮発性メモリ224は、情報を繰り返し書き込みが可能であり、カートリッジ220に関するカートリッジ情報CIを記憶する。カートリッジ情報CIには、カートリッジ220の識別情報、鏝先221の形状を示す情報、鏝先221の使用回数を示す情報、ヒータ部222の通電時間を示す情報、カートリッジ220に関する校正結果を示す情報等が含まれる。不揮発性メモリ224は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)である。
【0028】
ハンドル部210は、マイコン211と加速度センサ212とを備える。マイコン211は、例えば、半田鏝制御装置100からの命令に従って、不揮発性メモリ224に記憶されているカートリッジ情報CIを不揮発性メモリ224から読み出して、半田鏝制御装置100へ送信する機能を有する。マイコン211は、半田鏝制御装置100からの命令に従って、不揮発性メモリ224にカートリッジ情報CIを書き込む機能を有する。
【0029】
加速度センサ212は、半田鏝200に生じる加速度を測定する。加速度センサ212は、例えば、半田鏝200の落下の検出に用いられる。加速度センサ212は、例えば、静電容量検出方式でもよいし、ピエゾ抵抗方式でもよい。
【0030】
ハンドル部210と半田鏝制御装置100とは、ケーブルCBによって接続されている。ケーブルCBは、ヒータ部222に電力を供給する電力線と、温度センサ223の出力信号を送る信号線と、マイコン211との通信に用いられる通信線と、を含む。電力線搬送通信を用いれば、信号線及び通信線が不要となる。
【0031】
図3は、半田鏝制御装置100の機能構成を示すブロック図である。図3に示すように、半田鏝制御装置100は、制御処理部101と、通信部102と、温度制御部103と、電圧測定部104と、電流測定部105と、入力部106と、表示制御部107と、表示部108と、第1機能部109と、第2機能部110と、第3機能部111と、第4機能部112と、を備える。
【0032】
制御処理部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等のメモリ、及びHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置を備えたマイクロコンピュータ、並びに、制御処理部101の機能を実行するためのプログラム及びデータ等によって構成される。
【0033】
温度制御部103、表示制御部107、第1機能部109、第2機能部110、第3機能部111及び第4機能部112も、制御処理部101と同様、マイクロコンピュータ、並びに、各部の機能を実行するためのプログラム及びデータ等によって構成される。
【0034】
通信部102は、ハンドル部210に備えられるマイコン211(図2)と通信する機能を有する。詳しくは、通信部102は、マイコン211とシリアル通信するために、例えば、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)を備える。
【0035】
通信部102は、コンピュータ装置400と通信する機能を有する。詳しくは、通信部102は、コンピュータ装置400と通信するために、イーサネット(登録商標)規格等の有線通信を行う通信インターフェース回路を備える。
【0036】
尚、通信部102によるマイコン211及びコンピュータ装置400との通信は、シリアル通信及び有線通信に限らず、例えば、IrDA(Infrared Data Association)規格等の赤外線通信又はBluetooth(登録商標)規格等の無線通信であってもよい。
【0037】
電圧測定部104は、ヒータ部222に印加されている電圧を測定する回路である。電流測定部105は、ヒータ部222に供給されている電流を測定する回路である。電圧測定部104及び電流測定部105は、ケーブルCBに含まれている、ヒータ部222に電力を供給する電力線にそれぞれ接続されている。電流測定部105は、ヒータ部222のアース端子とアースとの間に直列接続されている。電圧測定部104は、ヒータ部222の電源端子とアースとの間に直列に接続されている。
【0038】
温度制御部103は、鏝先221の温度制御を行う。具体的には、温度制御部103は、フィードバック制御によってヒータ部222の温度を制御し、これにより、鏝先221の温度を鏝先221に応じて予め定められた設定温度に調整する。
【0039】
詳しくは、温度制御部103は、鏝先221の温度制御を開始すると、所定の測定周期(例えば1秒)で、カートリッジ220の温度センサ223(図2)により測定された鏝先221の温度と、電圧測定部104が測定した電圧と、電流測定部105が測定した電流と、を時系列に連続して取得する。温度制御部103は、当該取得の都度、当該取得した鏝先221の温度、電圧及び電流に基づき、温度センサ223により測定された鏝先221の温度が設定温度となるように調整するための電力量を算出し、当該算出した電力量をヒータ部222に与える。
【0040】
温度制御部103は、温度センサ223から鏝先221の温度を取得する度に、当該取得した鏝先221の温度と当該鏝先221の温度の取得日時とを示す鏝先温度情報を、通信部102を用いてコンピュータ装置400に送信する。これにより、温度制御部103は、時系列に連続する鏝先温度情報をコンピュータ装置400に送信する。鏝先221の温度の取得日時を示す情報は、測定周期以下の時間単位で表される。例えば、測定周期が1秒の場合、鏝先221の温度の取得日時を示す情報は、年月日時分秒で表される。測定周期が0.5秒の場合、鏝先221の温度の取得日時を示す情報は、年月日時分秒ミリ秒で表される。
【0041】
入力部106は、作業者が、半田鏝制御装置100に各種の入力をするための装置である。各種の入力の具体例を説明する。作業者は、入力部106を操作して、鏝先221の設定温度を半田鏝制御装置100に入力する。作業者は、入力部106を操作して、カートリッジ220に備えられる不揮発性メモリ224に記憶されているカートリッジ情報CIを読み出す又は書き込む命令を入力する。入力部106は、ハードキー(ボタン、スイッチ等)及びソフトキー(タッチパネル)の少なくとも一方によって実現される。
【0042】
表示制御部107は、表示部108に各種のデータ、情報を表示する。例えば、表示制御部107は、表示部108に、設定温度を表示させたり、カートリッジ情報CIを表示させたりする。表示部108は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ(Organic Light Emitting Diode display)である。
【0043】
第1機能部109は、所定の算出周期(例えば、1秒)で、ワークと半田にかかる熱負荷及び累積負荷回数を算出する。ワークとは、半田付けの対象となる電子部品及び基板Wのランドのうちの少なくとも一方を示す。ランドとは、電子部品が半田付けされる部分である。累積負荷回数は、負荷状態から負荷状態の解消へ遷移した回数を、カートリッジ220が最初に使用されたときから累積した値である。
【0044】
負荷状態とは、鏝先221がワークに接触することにより、鏝先221の温度が設定温度から所定温度以上低下した状態である。負荷状態の解消とは、例えば、負荷状態からアイドリング状態に戻ることを示す。アイドリング状態とは、鏝先221がワークに接触していない状態であり、且つ、鏝先221の温度が設定温度を含む所定範囲内に保たれた状態である。例えば、鏝先221の温度の低下が止まり、鏝先221の温度が小刻みに変動した状態から、設定温度に向けて上昇を開始したタイミングで、鏝先221がワークから離れたものとして、このタイミングを負荷状態の解消としてもよい。
【0045】
具体的には、温度制御部103は、負荷状態のとき、アイドリング状態よりもヒータ部222に供給する電力量を多くして、アイドリング状態に戻すように制御する。そこで、第1機能部109は、上記算出周期(例えば、1秒)で、鏝先221が負荷状態のときにヒータ部222に供給される第2電力量から、鏝先221がアイドリング状態のときにヒータ部222に供給される所定の第1電力量を差し引いた第3電力量を、ワークと半田にかかる熱負荷(熱エネルギー)として算出する。第1電力量は、実験値等に基づき、鏝先221の設定温度毎に予め定められている。
【0046】
第1機能部109は、ワークと半田にかかる熱負荷を算出する度に、当該算出した熱負荷と当該熱負荷の算出日時とを示す熱負荷情報を、通信部102を用いてコンピュータ装置400に送信する。これにより、第1機能部109は、時系列に連続する熱負荷情報をコンピュータ装置400に送信する。熱負荷の算出日時を示す情報は、算出周期以下の時間単位で表される。例えば、算出周期が1秒の場合、熱負荷の算出日時を示す情報は、年月日時分秒で表される。算出周期が0.5秒の場合、熱負荷の算出日時を示す情報は、年月日時分秒ミリ秒で表される。
【0047】
第2機能部110は、カートリッジ220が最初に使用されたときから、当該カートリッジ220のヒータ部222に電力が供給された時間の累積値である累積通電時間を算出する。
【0048】
第3機能部111は、通信部102が、カートリッジ220に備えられた不揮発性メモリ224に記憶されているカートリッジ情報CIを読み出す又は書き込む命令をコンピュータ装置400から受信した場合、通信部102を用いて、マイコン211に対し、ハンドル部210に取り付けられたカートリッジ220の不揮発性メモリ224に記憶されているカートリッジ情報CIの読み出し又は書き込みを要求する。これに応じて、通信部102が、マイコン211によって不揮発性メモリ224から読み出されたカートリッジ情報CIを受信すると、第3機能部111は、当該受信されたカートリッジ情報CIを、通信部102を用いてコンピュータ装置400に送信する。
【0049】
第4機能部112は、カートリッジ220の自動校正処理を実行し、カートリッジ220に関する校正結果を示す情報を、カートリッジ220に備えられる不揮発性メモリ224に記憶されているカートリッジ情報CIに書き込む。
【0050】
具体的には、第4機能部112は、入力部106を用いて、カートリッジ220の自動校正処理の実行指示が入力された場合に、カートリッジ220の自動校正処理を実行する。第4機能部112は、カートリッジ220の自動校正処理において、鏝先221の温度、リーク電圧及び鏝先221とアースとの間の抵抗等を校正する。
【0051】
第4機能部112は、カートリッジ220の自動校正処理を終了すると、当該自動校正処理の終了日時を年月日時分秒で示す情報と、当該自動校正処理が成功したか否かを示す情報と、当該自動校正処理中に温度制御部103が取得した温度センサ223により測定された鏝先221の温度データと、を対応付けた情報を、カートリッジ220に関する校正結果を示す情報として生成する。
【0052】
第4機能部112は、通信部102を用いて、マイコン211に対し、当該生成した情報を、ハンドル部210に取り付けられたカートリッジ220の不揮発性メモリ224に記憶されているカートリッジ情報CIに書き込むように要求する。
【0053】
図4は、第一実施形態のコンピュータ装置400の機能構成を示すブロック図である。図4に示すように、コンピュータ装置400は、通信部402(第三インターフェース部)と、バーコードIF部421(第一インターフェース部、第四インターフェース部)と、カメラIF部422(第二インターフェース部)と、治具IF部423と、記憶部404と、入力部406と、表示部408と、制御部410と、を備える。
【0054】
通信部402は、半田鏝制御装置100と通信する機能を有する。詳しくは、通信部402は、半田鏝制御装置100と通信するために、イーサネット(登録商標)等の有線通信規格に従いデータ通信を行う通信インターフェース回路を備える。尚、通信部402による半田鏝制御装置100との通信は、有線通信に限らず、例えば、IrDA規格等の赤外線通信又はBluetooth(登録商標)規格等の無線通信であってもよい。
【0055】
通信部402は、例えば、半田鏝制御装置100から、時系列に連続する半田付け作業に関するモニタ情報を取得する。当該モニタ情報には、第1機能部109から送信される熱負荷情報及び温度制御部103から送信される鏝先温度情報が含まれる。
【0056】
バーコードIF部421は、バーコードリーダ910と通信ケーブルで接続され、バーコードリーダ910と有線通信可能に構成されている。バーコードIF部421は、バーコードリーダ910によって読み取られた基板情報を受信すると、当該受信した基板情報を制御部410に出力する。尚、バーコードIF部421は、バーコードリーダ910との間で、IrDA規格等の赤外線通信又はBluetooth(登録商標)規格等の無線通信可能に構成されていてもよい。
【0057】
カメラIF部422は、カメラ920と通信ケーブルで接続され、カメラ920と有線通信可能に構成されている。カメラIF部422は、基板W上において作業者が手作業で複数の半田付け作業を行っているときに、カメラ920から時系列に連続する撮影画像を受信すると、当該受信した時系列に連続する撮影画像を制御部410に出力する。尚、カメラIF部422は、カメラ920との間で、Bluetooth(登録商標)規格等の無線通信可能に構成されていてもよい。
【0058】
治具IF部423は、スイッチ付き治具930と通信ケーブルで接続され、スイッチ付き治具930と有線通信可能に構成されている。治具IF部423は、スイッチ付き治具930が備える近接センサから、載置面から所定距離内に基板Wが存在することの検知を示す信号を受信すると、当該受信した信号を制御部410に出力する。
【0059】
記憶部404は、HDDやSSD(Solid State Drive)等の記憶装置によって構成されている。記憶部404には、後述の記憶制御部411による制御の下、基板W上で手作業で行われる複数の半田付け作業に関する情報が記憶される。
【0060】
入力部406は、作業者がコンピュータ装置400及び半田鏝制御装置100に各種の入力をするための装置である。入力部406は、キーボード、マウス及びタッチパネル装置等の入力装置によって構成される。
【0061】
例えば、作業者は、入力部406を操作して鏝先221の設定温度をコンピュータ装置400に入力する。入力部406によって鏝先221の設定温度が入力されると、制御部410は、当該設定温度を示す情報を通信部402を用いて半田鏝制御装置100に送信する。これにより、入力部406によって入力された鏝先221の設定温度が、半田鏝制御装置100に入力される。尚、鏝先221の設定温度は、作業者による半田鏝制御装置100の入力部106の操作によって、半田鏝制御装置100に直接入力されてもよい。
【0062】
作業者は、入力部406を操作して、カートリッジ220が備える不揮発性メモリ224に記憶されているカートリッジ情報CIを読み出す又は書き込む命令をコンピュータ装置400に入力する。入力部406によって当該命令が入力されると、制御部410は、当該命令を通信部402を用いて半田鏝制御装置100に送信する。これにより、入力部406によって入力された命令が、半田鏝制御装置100に入力される。
【0063】
表示部408は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイによって構成される。表示部408には、後述の表示制御部412による制御の下、基板W上で手作業で行われる複数の半田付け作業に関する情報が表示される。
【0064】
制御部410は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等のメモリ、及び、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置を備えたマイクロコンピュータ、並びに、制御部410の機能を実行するためのプログラム及びデータ等によって構成される。
【0065】
制御部410は、メモリに記憶されているプログラムをCPUに実行させることで、記憶制御部411、表示制御部412及び選択部413として機能する。
【0066】
記憶制御部411は、記憶部404に各種のデータ及び情報を記憶する。例えば、記憶制御部411は、カメラIF部422を介して取得した時系列に連続する撮影画像と、当該撮影画像の撮影日時を示す情報と、を含む撮影情報を、バーコードIF部421を介して取得した基板情報に含まれる基板Wの識別情報と対応付けて記憶部404に記憶する。
【0067】
詳しくは、記憶制御部411は、時系列に連続する撮影画像が動画である場合、当該動画の撮影開始日時を示す情報を当該撮影画像の撮影日時を示す情報とし、この情報と当該動画とを含む撮影情報を、基板Wの識別情報と対応付けて記憶部404に記憶する。一方、記憶制御部411は、時系列に連続する撮影画像が上記撮影周期で時系列に連続する静止画(コマ画像)である場合、各静止画と各静止画の撮影日時を示す情報とを含む撮影情報を当該撮影日時順に基板Wの識別情報と対応付けて記憶部404に記憶する。
【0068】
尚、撮影日時を示す情報は、上記撮影周期以下の時間単位で表される。例えば、撮影周期が1秒の場合、撮影日時を示す情報は、年月日時分秒で表される。撮影周期が0.1秒の場合、撮影日時を示す情報は、年月日時分秒.ミリ秒で表される。
【0069】
記憶制御部411は、半田鏝制御装置100から通信部402を介して取得した時系列に連続するモニタ情報を、バーコードIF部421を介して取得した基板情報に含まれる基板Wの識別情報と対応付けて記憶部404に記憶する。
【0070】
記憶制御部411は、バーコードIF部421を介して取得した作業者の識別情報を、バーコードIF部421を介して取得した基板情報に含まれる基板Wの識別情報と対応付けて記憶部404に記憶する。
【0071】
表示制御部412は、表示部408に各種情報を表示する。例えば、表示制御部412は、基板W上で手作業で複数の半田付け作業を行うための操作画面を表示部408に表示する。当該操作画面には、記憶部404に記憶されている基板Wの識別情報等の各種情報の表示欄が含まれる。
【0072】
選択部413は、作業者が入力部406を操作して、操作画面に表示された基板Wの識別情報の中から一の識別情報を選択すると、当該選択された一の識別情報を受け付ける。
【0073】
表示制御部412は、選択部413によって一の識別情報が受け付けられると、記憶部404において当該一の識別情報と対応付けて記憶されている撮影情報に含まれる撮影画像及びモニタ情報を、当該撮影画像の撮影日時と当該モニタ情報の取得日時とを一致させて、表示部408に時系列に表示する。表示制御部412が撮影画像及びモニタ情報を時系列に表示する方法の詳細については後述する。表示制御部412は、更に、記憶部404において当該一の識別情報と対応付けて記憶されている作業者の識別情報を表示部408に表示する。
【0074】
(作業管理動作)
次に、作業管理システム1における基板W上で手作業で行われる複数の半田付け作業の作業管理動作について説明する。図5は、第一実施形態の作業管理システム1における基板W上で手作業で行われる複数の半田付け作業の作業管理動作を示すフローチャートである。
【0075】
図5に示すように、作業者が入力部406を用いて、基板W上で手作業で複数の半田付け作業を行うための操作画面を表示する操作を行うと、表示制御部412は、表示部408に当該操作画面を表示する(ステップS100)。
【0076】
ステップS100の後、作業者がバーコードリーダ910を用いて、自身が携帯するIDカードSCに貼付又は印字されたバーコードSBを読み取り、制御部410が当該バーコードSBによって表される作業者の識別情報を、バーコードIF部421を介して取得したとする(ステップS101でYES)。
【0077】
この場合、制御部410は、ステップS101で取得した識別情報によって識別される作業者が、半田付け作業を行うことが許可された作業者(以降、許可作業者)であるか否かを判定する(ステップS102)。
【0078】
具体的には、ステップS102において、制御部410は、記憶部404に予め記憶されている許可作業者の識別情報に、ステップS101で取得した識別情報が含まれているか否かを判定する。ステップS101で取得した識別情報が含まれている場合、制御部410は、ステップS101で取得した識別情報で識別される作業者(以降、現作業者)が許可作業者であると判定する。
【0079】
ステップS102において現作業者が許可作業者ではないと判定された場合(ステップS102でNO)、表示制御部412は、現作業者による半田付け作業が許可されていない旨を示す警告メッセージを表示部408に表示する(ステップS110)。ステップS110の後は、ステップS111が行われる。
【0080】
ステップS102において現作業者が許可作業者であると判定された場合に(ステップS102でYES)、現作業者がバーコードリーダ910を用いて基板Wに貼付又は印字されたバーコードWBを読み取り、制御部410が当該バーコードWBが示す基板情報をバーコードIF部421を介して取得したとする(ステップS103でYES)。
【0081】
この場合、制御部410は、半田鏝200のハンドル部210に取り付けられているカートリッジ220の鏝先221と、基板Wでの半田付け作業に適切な鏝先と、が一致するか否かを判定する(ステップS104)。
【0082】
具体的には、ステップS104において、制御部410は、不揮発性メモリ224に記憶されているカートリッジ情報CI(図2)を読み出す命令を、通信部402を用いて半田鏝制御装置100に送信する。これに応じて、半田鏝制御装置100の第3機能部111(図3)は、通信部102を用いて、ハンドル部210に取り付けられているカートリッジ220の不揮発性メモリ224から読み出されたカートリッジ情報CIを、コンピュータ装置400に送信する。
【0083】
制御部410は、当該送信されたカートリッジ情報CIを通信部402を介して取得し、ステップS103で取得した基板情報に含まれる半田付情報を取得する。制御部410は、当該取得したカートリッジ情報CIに含まれる、カートリッジ220の鏝先221の形状を示す情報と、半田付情報に含まれる、基板Wでの半田付け作業に適切な鏝先の形状を示す情報と、が一致するか否かを判定する。
【0084】
制御部410は、ステップS104において、カートリッジ220の鏝先221と基板Wの半田付け作業に適切な鏝先とが一致すると判定した場合(ステップS104でYES)、半田鏝制御装置100に鏝先221の温度制御を開始させる(ステップS105)。
【0085】
具体的には、ステップS105において、制御部410は、通信部402を用いて、鏝先221の温度制御の開始指示を示す信号を半田鏝制御装置100に送信する。半田鏝制御装置100の通信部102が当該信号を受信すると、温度制御部103は、鏝先221の温度制御を開始する。
【0086】
一方、ステップS104において、カートリッジ220の鏝先221と基板Wの半田付け作業に適切な鏝先とが一致しないと判定されたとする(ステップS104でNO)。この場合、表示制御部412は、現在のカートリッジ220の鏝先221が基板Wの半田付け作業に適していない旨を示す警告メッセージを表示部408に表示する(ステップS110)。ステップS110の後は、ステップS111が行われる。
【0087】
尚、ステップS110において、制御部410が、半田鏝制御装置100に鏝先221の温度制御を終了させるようにしてもよい。具体的には、制御部410が、通信部402を用いて、鏝先221の温度制御の終了指示を示す信号を半田鏝制御装置100に送信するようにしてもよい。これに合わせて、半田鏝制御装置100の通信部102が当該信号を受信すると、温度制御部103が鏝先221の温度制御を終了するようにしてもよい。この場合、基板Wの半田付け作業に不適切な鏝先221の温度制御が回避され、当該温度制御に要する電力が節約できる。
【0088】
ステップS105の後、制御部410は、基板W上で手作業による複数の半田付け作業が開始されたか否かを判定する(ステップS106)。
【0089】
具体的には、ステップS106において、制御部410は、スイッチ付き治具930が備える近接センサが出力した、載置面から所定距離内に基板Wが存在することの検知を示す信号を、治具IF部423を介して取得したときに、基板Wがスイッチ付き治具930の載置面に載置され、複数の半田付け作業が開始されたと判定する。
【0090】
尚、これに限らず、制御部410が、作業者による入力部406の操作によって半田付け作業の開始指示が入力された場合に、複数の半田付け作業が開始されたと判定するようにしてもよい。又は、作業者による入力部106の操作により、鏝先221の温度制御の開始指示が入力された場合に、温度制御部103が、通信部102を用いて半田付け作業の開始指示を示す信号をコンピュータ装置400に送信してもよい。これにより、通信部402が当該信号を受信した場合に、制御部410が、複数の半田付け作業が開始されたと判定するようにしてもよい。
【0091】
制御部410は、ステップS106において複数の半田付け作業が開始されたと判定すると(ステップS106でYES)、モニタ情報の取得及び基板W全体の撮影を開始する(ステップS107)。
【0092】
具体的には、ステップS107において、制御部410は、通信部402を用いて、モニタ情報の送信要求を示す信号を半田鏝制御装置100に送信する。半田鏝制御装置100の通信部102が当該信号を受信すると、第1機能部109は、定期的に、ワークと半田にかかる熱負荷を算出することを開始する。第1機能部109は、当該熱負荷を算出する度に、当該算出した熱負荷と当該熱負荷の算出日時(取得日時)とを示す熱負荷情報をモニタ情報として通信部102を用いてコンピュータ装置400に送信する。これにより、制御部410は、通信部402を介して、時系列に連続する熱負荷情報を、時系列に連続するモニタ情報として取得する。
【0093】
通信部102がモニタ情報の送信を要求する信号を受信すると、温度制御部103は、定期的に、温度センサ223によって測定された鏝先221の温度と当該鏝先221の温度の取得日時とを示す鏝先温度情報をモニタ情報として通信部102を用いてコンピュータ装置400に送信する。これにより、制御部410は、通信部402を介して、時系列に連続する鏝先温度情報を、時系列に連続するモニタ情報として取得する。
【0094】
ステップS107において、制御部410は、カメラIF部422に接続されたカメラ920に基板W全体の撮影を開始させ、時系列に連続する基板W全体の撮影画像と当該撮影画像の撮影日時を示す情報とを含む撮影情報をカメラIF部422を介して取得する。
【0095】
ステップS107の後、制御部410は、基板W上で手作業による複数の半田付け作業が終了したか否かを判定する(ステップS108)。
【0096】
具体的には、ステップS108において、制御部410は、スイッチ付き治具930が備える近接センサから、載置面から所定距離内に基板Wが存在することの検知を示す信号を治具IF部423を介して取得しなくなったときに、基板Wがスイッチ付き治具930の載置面から取り外され、当該基板W上での複数の半田付け作業が終了したと判定する。
【0097】
尚、これに限らず、制御部410は、ステップS108において、作業者による入力部406の操作により、半田付け作業の終了を示す情報が入力された場合に、基板W上での複数の半田付け作業が終了したと判定してもよい。又は、作業者による入力部106の操作により、鏝先221の温度制御を終了する指示が入力された場合に、温度制御部103が、鏝先221の温度制御の終了を示す信号をコンピュータ装置400に送信してもよい。これにより、通信部402が当該信号を受信した場合に、制御部410は、複数の半田付け作業が終了したと判定してもよい。
【0098】
ステップS108において、基板W上での複数の半田付け作業が終了したと判定されない間(ステップS108でNO)、ステップS107で開始された、モニタ情報の取得及びカメラ920による基板W全体の撮影は継続される。
【0099】
ステップS108において、基板W上での複数の半田付け作業が終了したと判定されると(ステップS108でYES)、記憶制御部411は、ステップS107以降に取得した時系列に連続するモニタ情報及び撮影情報を、現在日時を示す情報及びステップS103で取得された基板情報に含まれる基板Wの識別情報と対応付けて記憶部404に記憶する(ステップS109)。
【0100】
ステップS109において、記憶制御部411は、更に、ステップS101で取得された作業者の識別情報を、現在日時を示す情報及びステップS103で取得された基板情報に含まれる基板Wの識別情報と対応付けて記憶部404に記憶する。ステップS109の後は、ステップS111が行われる。
【0101】
尚、ステップS100の後、所定時間内に、制御部410がバーコードIF部421を介して作業者の識別情報を取得しなかった場合(ステップS101でNO)、ステップS111が行われる。ステップS102において現作業者が許可作業者であると判定された後(ステップS102でYES)、所定時間内に、制御部410がバーコードIF部421を介して基板情報を取得しなかった場合(ステップS103でNO)、ステップS111が行われる。
【0102】
ステップS111では、選択部413は、記憶部404に記憶されている基板Wの識別情報の中から一の識別情報が選択されたか否かを判定する(ステップS111)。
【0103】
具体的には、表示制御部412は、ステップS100において、記憶部404に記憶されている基板Wの識別情報を操作画面に表示する。ステップS111では、選択部413は、作業者による入力部406の操作により、操作画面に表示された基板Wの識別情報の中から一の識別情報が選択されたときに、当該一の識別情報が選択されたと判定し、当該一の識別情報を受け付ける。
【0104】
ステップS111で一の識別情報が選択されたと判定された場合(ステップS111でYES)、表示制御部412は、記憶部404において当該一の識別情報と対応付けて記憶されている撮影情報及びモニタ情報を取得する。表示制御部412は、当該取得した撮影情報に含まれる撮影画像及び当該取得したモニタ情報を、当該撮影画像の撮影日時と当該モニタ情報の取得日時とを一致させて表示部408に時系列に表示する。表示制御部412は、更に、記憶部404において当該一の識別情報と対応付けて記憶されている作業者の識別情報を表示部408に表示する(ステップS112)。
【0105】
例えば、ステップS112において、撮影画像及びモニタ情報を、当該撮影画像の撮影日時と当該モニタ情報の取得日時とを一致させて時系列に表示するために、撮影画像の撮影周期及びモニタ情報の取得周期は、撮影周期及び取得周期のうちの最短の周期の整数倍となるように定められている。例えば、撮影画像の撮影周期が、モニタ情報の取得周期よりも短い1/10秒に定められているとする。この場合、モニタ情報の取得周期、つまり、熱負荷の算出周期及び鏝先221の温度の測定周期は、1/10秒の10倍である1秒に定められている。尚、撮影画像の撮影周期とモニタ情報の取得周期とが同じ周期であってもよい。
【0106】
そこで、ステップS112において、表示制御部412は、撮影情報に含まれる撮影画像が時系列に連続する静止画(コマ画像)である場合、時系列に連続する撮影画像及びモニタ情報のうち、撮影日時又は取得日時が最も過去の日時である、撮影画像及びモニタ情報のうちの一以上を初期表示情報として表示する。その後、表示制御部412は、撮影周期及び取得周期のうちの最短の周期が経過する度に、初期表示情報の表示時点からの経過時間を算出し、上記最も過去の日時から当該経過時間が経過した日時と撮影日時又は取得日時が一致する、撮影画像及びモニタ情報のうちの一以上を表示する。
【0107】
一方、ステップS112において、表示制御部412は、撮影情報に含まれる撮影画像が動画である場合に、当該動画の撮影開始日時が、最も過去に取得されたモニタ情報の取得日時よりも過去の日時であるときは、当該動画の表示を開始する。その後、表示制御部412は、撮影周期及び取得周期のうちの最短の周期が経過する度に、上記動画の表示を開始した時点からの経過時間を算出し、上記撮影開始日時から当該経過時間が経過した日時と取得日時が一致するモニタ情報を表示する。
【0108】
ステップS112において、表示制御部412は、撮影情報に含まれる撮影画像が動画である場合に、最も過去に取得されたモニタ情報の取得日時が、当該動画の撮影開始日時よりも過去の日時であるときは、当該最も過去に取得されたモニタ情報を初期表示情報として表示する。その後、表示制御部412は、撮影周期及び取得周期のうちの最短の周期が経過する度に、初期表示情報の表示時点からの経過時間を算出し、上記最も過去の日時から当該経過時間が経過した日時と取得日時が一致するモニタ情報を表示する。更に、表示制御部412は、上記動画の撮影開始日時と一致する取得日時のモニタ情報を表示するときに、上記動画の表示を開始する。
【0109】
これらにより、ステップS112において、表示制御部412は、基板W全体を時系列に連続して撮影した撮影画像を順次表示部408に表示しながら、表示中の撮影画像と同時期に取得されたモニタ情報を、順次表示部408に表示する。
【0110】
ステップS112の後、表示制御部412は、作業者が入力部406を用いて操作画面を閉じる操作を行ったことを検知すると(ステップS113でYES)、表示部408に表示されている操作画面を非表示にし、制御部410は、作業管理動作を終了する。一方、ステップS112の後、所定時間内に、表示制御部412によって、作業者が入力部406を用いて操作画面を閉じる操作を行ったことが検知されなかった場合(ステップS113でNO)、ステップS101が行われる。
【0111】
(操作画面例)
次に、作業管理動作時に表示部408に表示される操作画面W1について説明する。図6は、作業管理動作時に表示される操作画面W1の一例を示す図である。図6に示すように、操作画面W1には、各種情報の表示欄A10~A16、モード選択欄C10、プレビューボタンB11及び閉じるボタンB12が含まれる。
【0112】
表示欄A10は、時系列に連続するモニタ情報の表示欄である。表示欄A10は、横軸を日時とし、左側の縦軸を鏝先221の温度とし、右側の縦軸をワークと半田にかかる熱負荷(熱エネルギー)とする二次元座標で構成されている。
【0113】
具体的には、表示制御部412は、ステップS107(図5)以降、ステップS108において基板W上で手作業による複数の半田付け作業が終了したと判定されるまでの間に取得した各鏝先温度情報を時系列に順次参照する。表示制御部412は、表示欄A10における、参照した各鏝先温度情報によって示される鏝先221の温度の取得日時と鏝先221の温度とに対応する位置に点を表示する。表示制御部412は、表示した各点を接続する線を表示する。これにより、表示制御部412は、鏝先221の温度の時系列変化を示すグラフG10を表示欄A10に表示する。
【0114】
表示制御部412は、ステップS107(図5)以降、ステップS108において基板W上で手作業による複数の半田付け作業が終了したと判定されるまでの間に取得した各熱負荷情報を時系列に順次参照する。表示制御部412は、表示欄A10における、参照した各熱負荷情報によって示される熱負荷の算出日時と熱負荷とに対応する位置に点を表示する。表示制御部412は、表示した各点を接続する線を表示する。これにより、表示制御部412は、熱負荷の時系列変化を示すグラフG11を表示欄A10に表示する。
【0115】
表示欄A11は、時系列に連続する基板W全体の撮影画像の表示欄である。具体的には、表示制御部412は、ステップS107(図5)以降、ステップS108において基板W上で手作業による複数の半田付け作業が終了したと判定されるまでの間、カメラIF部422を介して取得した各撮影情報に含まれる基板W全体の撮影画像を表示欄A11に表示する。
【0116】
表示欄A12は、基板Wにおける半田付け作業に関する情報の表示欄である。具体的には、表示制御部412は、ステップS101で取得された現作業者の識別情報(例えば、ICHIRO HAKKO)を、表示欄A12内の「Worker ID」欄に表示する。表示制御部412は、ステップS103で取得された基板情報に含まれる基板Wの識別情報(例えば、HAKKO-006-C4)を、表示欄A12内の「Board S/N」欄に表示する。
【0117】
表示制御部412は、ステップS106で複数の半田付け作業が開始されたと判定された日時を、表示欄A12内の「Start Time」欄に、例えば年月日時分秒(例えば、2019/09/09 15:24:50)で表示する。表示制御部412は、ステップS108で複数の半田付け作業が終了したと判定された日時を、表示欄A12内の「End Time」欄に、例えば年月日時分秒で表示する。尚、図6は、「HAKKO-006-C4」で識別される基板W上での複数の半田付け作業が終了していないため、「End Time」欄が空欄となっている例を示している。
【0118】
表示欄A13は、半田鏝制御装置100の設定に関する情報の表示欄である。具体的には、表示制御部412は、ステップS100において、操作画面W1を表示部408に表示するときに、通信部402を用いて、半田鏝制御装置100に対して、半田鏝制御装置100の設定に関する情報の送信を要求する。表示制御部412は、当該要求に応じて半田鏝制御装置100から返信され、通信部402で受信された半田鏝制御装置100の設定に関する情報を、表示欄A13に表示する。
【0119】
図6は、表示欄A13内の「Station」、「Station ID」、「Set Temp」、「Offset Temp」、「Grip」欄に、半田鏝制御装置100から取得した半田鏝制御装置100の設定に関する情報に含まれる、半田鏝制御装置100の型番を示す情報(FN-1010)、半田鏝制御装置100の識別情報(Hakko987XYZ)、鏝先221の設定温度を示す情報(0330C)、鏝先221のオフセット温度を示す情報(000C)、ハンドル部210の識別情報(FN-1101/FN-1102)が表示された例を示している。
【0120】
表示欄A14は、カートリッジ情報CIの表示欄である。具体的には、表示制御部412は、ステップS100において、操作画面W1を表示部408に表示するときに、通信部402を用いて、カートリッジ220が備える不揮発性メモリ224に記憶されているカートリッジ情報CIを読み出す命令を、半田鏝制御装置100に送信する。これに応じて、通信部402が半田鏝制御装置100からカートリッジ情報CIを受信すると、表示制御部412は、当該受信されたカートリッジ情報CIに含まれる各情報を表示欄A14に表示する。
【0121】
図6は、表示欄A14内の「Shape」、「Serial No.」、「Local Count」、「Load Count」、「PWR Time」欄に、半田鏝制御装置100から取得したカートリッジ情報CIに含まれる、鏝先221の形状を示す情報(T36-C4)、カートリッジ220の識別情報(873346400302)、鏝先221の使用回数を示す情報(13)、ヒータ部222の通電時間を示す情報(975)が表示された例を示している。
【0122】
表示欄A15は、カートリッジ220に関する校正結果を示す情報の表示欄である。具体的には、表示制御部412は、ステップS100において、操作画面W1を表示部408に表示するときに、通信部402を用いて、カートリッジ220が備える不揮発性メモリ224に記憶されているカートリッジ情報CIを読み出す命令を半田鏝制御装置100に送信する。これに応じて、通信部402が、半田鏝制御装置100の第3機能部111が送信したカートリッジ情報CIを受信すると、表示制御部412は、当該受信されたカートリッジ情報CIに含まれる、カートリッジ220に関する校正結果を示す情報を、表示欄A15に表示する。
【0123】
図6は、表示欄A15内の「Date」、「Result」欄に、半田鏝制御装置100から取得したカートリッジ220に関する校正結果を示す情報に含まれる、カートリッジ220の自動校正処理の終了日時を示す情報(2019/09/04 13:40:59)、当該自動校正処理が成功したか否かを示す情報(PASS(成功))が表示された例を示している。
【0124】
表示欄A15には、詳細表示ボタンB15が含まれる。作業者による入力部406の操作により、詳細表示ボタンB15が押下された場合、表示制御部412は、半田鏝制御装置100から取得したカートリッジ220に関する校正結果を示す情報に含まれる鏝先221の温度データの表示画面を、表示部408に表示する。
【0125】
表示欄A16は、記憶部404に記憶されている基板Wの識別情報を選択可能に表示するための表示欄である。具体的には、表示制御部412は、ステップS100において操作画面W1を表示部408に表示する場合、及び、ステップS109が行われた場合に、記憶部404に記憶されている、複数の半田付け作業が終了したと判定されたときの現在日時を年月日時分秒で示す情報(例えば、2019/09/04 13:54:05)と、当該現在日時を示す情報に対応付けられた基板Wの識別情報(例えば、HAKKO-003-C4)とを、対応付けて、表示欄A16に選択可能に表示する。
【0126】
モード選択欄C10は、自動的にモニタ情報及び基板W全体の撮影画像を表示するか否かを作業者に選択させるために設けられている。モード選択欄C10には、第1選択ボタンC11と第2選択ボタンC12とが含まれる。第1選択ボタンC11は、モニタ情報及び基板W全体の撮影画像を自動的に表示することを作業者に選択させるためのボタンである。第2選択ボタンC12は、モニタ情報及び基板W全体の撮影画像を手動で表示及び終了することを作業者に選択させるためのボタンである。
【0127】
作業者による入力部406の操作により、第1選択ボタンC11が選択されたとする。この場合、表示制御部412は、ステップS107(図5)以降、ステップS108において複数の半田付け作業が終了したと判定されるまでの間、上述のように、表示欄A10にモニタ情報を時系列に表示し、表示欄A11に基板W全体の撮影画像を時系列に表示する。表示制御部412は、第1選択ボタンC11が選択された場合、ポートボタンB111を押下可能な状態(有効)にする。作業者による入力部406の操作により、ポートボタンB111が押下されると、表示制御部412は、スイッチ付き治具930と治具IF部423との接続に用いるUSBポートの設定画面を表示部408に表示する。
【0128】
一方、作業者による入力部406の操作により、第2選択ボタンC12が選択された場合、表示制御部412は、開始ボタンB121及び終了ボタンB122を押下可能な状態(有効)にする。この場合、表示制御部412は、ステップS107(図5)以降、ステップS108において基板W上で手作業による複数の半田付け作業が終了したと判定されるまでの間、作業者による入力部406の操作によって開始ボタンB121が押下されてから終了ボタンB122が押下されるまでの期間だけ、当該期間中に取得されたモニタ情報及び撮影画像を表示欄A10、A11に表示する。
【0129】
プレビューボタンB11は、表示欄A16に表示された基板Wの識別情報の中から選択された一の識別情報に対応する、モニタ情報及び撮影画像を表示するためのボタンである。
【0130】
具体的には、作業者による入力部406の操作により、表示欄A16に表示された基板Wの識別情報の中から一の識別情報が選択された場合、ステップS111(図5)において、選択部413によって、当該一の識別情報が受け付けられる。その後、作業者による入力部406の操作により、プレビューボタンB11が押下されると、ステップS112が行われる。
【0131】
これにより、表示制御部412は、上述のように、記憶部404において当該一の識別情報と対応付けて記憶されている撮影情報に含まれる撮影画像及び記憶部404において当該一の識別情報と対応付けて記憶されているモニタ情報を、当該撮影画像の撮影日時と当該モニタ情報に含まれる取得日時とが一致するようにして、表示欄A10、A11に表示する。
【0132】
閉じるボタンB12は、操作画面を非表示にし、作業管理動作を終了することを作業者に選択させるためのボタンである。具体的には、作業者による入力部406の操作により、閉じるボタンB12が押下された場合、表示制御部412は、操作画面を閉じる操作が行われたことを検知する(ステップS113でYES)。この場合、上述のように、表示制御部412は、表示部408に表示されている操作画面を非表示にし、制御部410は、作業管理動作を終了する。
【0133】
(第二実施形態)
基板W上で行われる複数の半田付け作業の作業位置が予め固定されている場合、各半田付け作業の作業位置を作業者に知らせることで、当該複数の半田付け作業の効率を向上させてもよい。本態様を実現する第二実施形態について以下に説明する。尚、第二実施形態の説明では、第一実施形態と同様の構成要素には、第一実施形態と同じ符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0134】
図7は、第二実施形態の作業管理システム1aの全体構成を示した図である。図7に示すように、第二実施形態の作業管理システム1aは、第一実施形態の作業管理システム1(図1)と同様に、バーコードリーダ910と、カメラ920と、スイッチ付き治具930と、を備え、更に、マーカ装置940と、作業管理装置10に対応する作業管理装置10aと、を備える。
【0135】
マーカ装置940は、作業管理装置10aと通信ケーブルで接続され、作業管理装置10aと有線通信可能に構成されている。マーカ装置940は、スイッチ付き治具930の載置面における基板Wの載置位置を基準の位置とし、当該基準の位置から所定方向に所定距離だけ離間した位置に固定されている。マーカ装置940は、作業管理装置10aによって指示された位置を指し示す、レーザマーカ又はスポットライト等のマーカを基板Wに付与する。尚、マーカ装置940は、作業管理装置10aと無線通信可能な構成であってもよい。
【0136】
作業管理装置10aは、第一実施形態の作業管理装置10(図1)と同様に、半田鏝制御装置100を備え、更に、コンピュータ装置400に対応するコンピュータ装置400aを備える。
【0137】
図8は、第二実施形態のコンピュータ装置400aの機能構成を示すブロック図である。図8に示すように、コンピュータ装置400aは、第一実施形態のコンピュータ装置400と同様に、通信部402と、バーコードIF部421と、カメラIF部422と、治具IF部423と、入力部406と、表示部408と、を備え、更に、記憶部404に対応する記憶部404a(第二記憶部)と、マーカIF部424(第五インターフェース部)と、制御部410に対応する制御部410aと、を備える。
【0138】
記憶部404aには、基板Wの識別情報と対応付けて、基板Wにおける複数の半田付け作業の作業位置を示す複数の作業位置情報が作業順に予め記憶されている。
【0139】
マーカIF部424は、マーカ装置940と通信ケーブルで接続され、マーカ装置940と有線通信可能に構成されている。マーカIF部424は、マーカ装置940を駆動するドライバであり、制御部410aによって指示された位置を指し示すマーカを基板Wに付与するようにマーカ装置940を駆動させる。尚、マーカIF部424は、マーカ装置940との間で、IrDA規格等の赤外線通信又はBluetooth(登録商標)規格等の無線通信可能に構成されていてもよい。
【0140】
制御部410aは、第一実施形態の制御部410と同様に、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等のメモリ、及び、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置を備えたマイクロコンピュータ、並びに、制御部410aの機能を実行するためのプログラム及びデータ等によって構成される。
【0141】
制御部410aは、メモリに記憶されているプログラムをCPUに実行させることで、第一実施形態の制御部410と同様に、記憶制御部411、表示制御部412及び選択部413として機能し、更に、マーカ制御部414(第五インターフェース部)として機能する。
【0142】
マーカ制御部414は、記憶部404aに記憶されている複数の作業位置情報の中から、次に行われる半田付け作業の作業位置を示す作業位置情報を読み出し、当該読み出した作業位置情報をマーカIF部424に出力する。これにより、マーカIF部424は、マーカ制御部414から入力された作業位置情報が示す作業位置を指し示すマーカを基板Wに付与するように、マーカ装置940を駆動させる。
【0143】
(作業管理動作)
次に、第二実施形態の作業管理システム1aにおける基板W上で手作業で行われる複数の半田付け作業の作業管理動作について説明する。図9は、第二実施形態の作業管理システム1aにおける基板W上で手作業で行われる複数の半田付け作業の作業管理動作を示すフローチャートである。
【0144】
図9に示すように、第二実施形態の作業管理システム1aにおける作業管理動作では、ステップS107においてモニタ情報の取得及び基板W全体の撮影が開始された後、マーカ制御部414は、マーカ装置940に、次に行われる半田付け作業の作業位置を指し示すマーカを基板Wに付与させる(ステップS201)。
【0145】
具体的には、マーカ制御部414は、ステップS201において、記憶部404aに記憶されている複数の作業位置情報の中から、次に行われる半田付け作業の作業位置を示す作業位置情報を読み出し、当該作業位置情報をマーカIF部424に出力する。これにより、マーカIF部424は、マーカ制御部414から入力された作業位置情報が示す作業位置を指し示すマーカを基板Wに付与するように、マーカ装置940を駆動させる。
【0146】
ステップS201の後、マーカ制御部414は、ステップS107以降、取得した時系列に連続するモニタ情報に基づき、一の半田付け作業が終了したか否かを判定する(ステップS202)。
【0147】
例えば、ステップS202において、マーカ制御部414は、ステップS107以降に取得した、時系列に連続する熱負荷情報が示す熱負荷を参照し、当該熱負荷が0から増大した後、再び0になった時点、つまり、当該熱負荷の時系列変化を示すグラフG11(図6)の終了時点で、一の半田付け作業が終了したと判定する。尚、ステップS202における一の半田付け作業の終了の判定方法はこれに限らない。
【0148】
マーカ制御部414は、ステップS202において、一の半田付け作業が終了したと判定するまでの間(ステップS202でNO)、ステップS202を繰り返し、一の半田付け作業が終了したと判定した場合(ステップS202でYES)、現在マーカが付与されている作業位置が最後の作業位置であるか否かを判定する(ステップS203)。
【0149】
具体的には、ステップS203において、マーカ制御部414は、ステップS201で読み出した作業位置情報が示す作業位置の次の作業位置を示す作業位置情報が記憶部404aに記憶されていない場合、現在マーカが付与されている作業位置が最後の作業位置であると判定する。
【0150】
ステップS203において、現在マーカが付与されている作業位置が最後の作業位置であると判定された場合(ステップS203でYES)、ステップS108が行われる。一方、ステップS203において、現在マーカが付与されている作業位置が最後の作業位置ではないと判定された場合(ステップS203でNO)、ステップS201が行われる。
【0151】
(第三実施形態)
基板W上で半田付け作業が行われる度に、当該半田付け作業が所定条件を満たすか否かを判定することで、作業者に対し、以降の半田付け作業をより適切に行わせるようにしてもよい。本態様を実現する第三実施形態について以下に説明する。尚、第三実施形態の説明では、第二実施形態と同様の構成要素には、第二実施形態と同じ符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0152】
図10は、第三実施形態の作業管理システム1bの全体構成を示した図である。図10に示すように、第三実施形態の作業管理システム1bは、第二実施形態の作業管理システム1a(図7)と同様に、バーコードリーダ910と、カメラ920と、マーカ装置940と、を備え、更に、スイッチ付き治具930に対応するスイッチ付き治具930b(半田付けモニタ装置)と、作業管理装置10aに対応する作業管理装置10bを備える。
【0153】
スイッチ付き治具930bは、第二実施形態のスイッチ付き治具930と同様の構成に加えて、スケーラを更に備える。当該スケーラは、基板Wの載置面にかかる荷重を時系列に連続して測定し、当該測定した時系列に連続する荷重と当該荷重の測定日時とを示す荷重情報をモニタ情報として作業管理装置10bに送信する。荷重の測定日時を示す情報は、測定周期以下の時間単位で表される。例えば、測定周期が1秒の場合、重の測定日時を示す情報は、年月日時分秒で表される。測定周期が0.5秒の場合、荷重の測定日時を示す情報は、年月日時分秒ミリ秒で表される。
【0154】
作業管理装置10bは、第二実施形態の作業管理装置10a(図7)と同様に、半田鏝制御装置100を備え、更に、コンピュータ装置400aに対応するコンピュータ装置400bを備える。
【0155】
図11は、第三実施形態のコンピュータ装置400bの機能構成を示すブロック図である。図11に示すように、コンピュータ装置400bは、第二実施形態のコンピュータ装置400a(図8)と同様に、通信部402と、バーコードIF部421と、カメラIF部422と、マーカIF部424と、入力部406と、表示部408と、を備え、更に、記憶部404aに対応する記憶部404bと、治具IF部423に対応する治具IF部423bと、制御部410aに対応する制御部410bと、を備える。
【0156】
記憶部404bには、第二実施形態の記憶部404aに予め記憶されている情報に加え、基板Wの識別情報と対応付けて、当該基板Wにおける半田付け作業の条件に関する条件情報が予め記憶されている。
【0157】
例えば、条件情報には、上限半田量、下限半田量、上限エネルギー量、下限エネルギー量、上限負荷時間、上限荷重時間、上限圧力、下限圧力、最大落下温度及び半田付ポイント数を示す情報等が含まれる。
【0158】
上限半田量、下限半田量は、基板Wにおける一の半田付け作業において付着させる半田量の上限値、下限値を示す。上限エネルギー量、下限エネルギー量は、基板Wにおける一の半田付け作業においてワークと半田にかかる熱負荷の上限値、下限値を示す。上限負荷時間は、基板Wにおける一の半田付け作業において、ワークと半田に熱負荷がかかる時間の上限値を示す。上限荷重時間は、基板Wにおける一の半田付け作業においてワークに荷重がかかる時間の上限値を示す。上限圧力、下限圧力は、基板Wにおける一の半田付け作業においてワークにかかる荷重の上限値、下限値を示す。上限落下温度は、基板Wにおける一の半田付け作業における鏝先221の最低温度である落下温度の上限値を示す。半田付ポイント数は、基板Wにおいて半田付け作業が行われる位置の数を示す。
【0159】
治具IF部423bは、第二実施形態の治具IF部423と同様の構成を有する。更に、治具IF部423bは、スイッチ付き治具930bが備えるスケーラから時系列に連続する荷重情報を受信すると、当該受信した時系列に連続する荷重情報を、時系列に連続するモニタ情報として制御部410に出力する。
【0160】
制御部410bは、第二実施形態の制御部410aと同様に、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等のメモリ、及び、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置を備えたマイクロコンピュータ、並びに、制御部410bの機能を実行するためのプログラム及びデータ等によって構成される。
【0161】
制御部410bは、メモリに記憶されているプログラムをCPUに実行させることで、第二実施形態の制御部410aと同様に、記憶制御部411、選択部413及びマーカ制御部414として機能し、更に、判定部415と、表示制御部412に対応する表示制御部412bとして機能する。
【0162】
判定部415は、基板W上における複数の半田付け作業に含まれる一の半田付け作業が終了する度に、当該一の半田付け作業中におけるモニタ情報が所定条件を満たすか否かを判定する。
【0163】
一の半田付け作業中におけるモニタ情報には、エネルギー量、負荷時間、落下温度、最大荷重、荷重時間、半田量が含まれる。
【0164】
エネルギー量は、一の半田付け作業中に取得された時系列に連続する熱負荷情報が示す熱負荷の積算値である。負荷時間は、一の半田付け作業中に取得された時系列に連続する熱負荷情報が示す熱負荷が0以上になってから次に0になるまでの時間の総和である。
【0165】
落下温度は、一の半田付け作業中に取得された時系列に連続する鏝先温度情報が示す鏝先221の温度の中で最も低い温度である。最大荷重は、一の半田付け作業中に取得された時系列に連続する荷重情報が示す、基板Wの載置面にかかる荷重のうち、最初の荷重情報が示す荷重である初期荷重との差分が最大の荷重である
【0166】
荷重時間は、一の半田付け作業中に取得された時系列に連続する荷重情報が示す基板Wの載置面にかかる荷重と初期荷重との差分が、0以上になってから次に0になるまでの時間の総和である。半田量は、一の半田付け作業中に取得された時系列に連続する荷重情報のうちの最初の荷重情報が示す初期荷重と、最後の荷重情報が示す荷重である最終荷重と、の差分である。
【0167】
表示制御部412bは、第二実施形態の表示制御部412と同様の機能を有し、更に、判定部415によって一の半田付け作業中におけるモニタ情報が所定条件を満たすと判定された場合に、当該モニタ情報の表示態様を変更する。
【0168】
(作業管理動作)
次に、第三実施形態の作業管理システム1bにおける基板W上で手作業で行われる複数の半田付け作業の作業管理動作について説明する。図12は、第三実施形態の作業管理システム1bにおける基板W上で手作業で行われる複数の半田付け作業の作業管理動作を示すフローチャートである。
【0169】
図12に示すように、第三実施形態の作業管理システム1bにおける作業管理動作では、ステップS202において一の半田付け作業が終了したと判定された場合(ステップS202でYES)に、判定部415は、当該一の半田付け作業中におけるモニタ情報が所定条件を満たすか否かを判定する(ステップS301)。
【0170】
例えば、ステップS301において、判定部415は、以下に示すように、記憶部404bにおいて、ステップS103で取得した基板情報に含まれる基板Wの識別情報と対応付けて記憶されている条件情報を用いて、1)~8)の判定のうちの一以上の判定を行う。
【0171】
1)判定部415は、エネルギー量が、条件情報が示す上限エネルギー量よりも大きい場合に、所定条件を満たすと判定する。2)判定部415は、負荷時間が、条件情報が示す上限負荷時間よりも大きい場合に、所定条件を満たすと判定する。1)及び2)の判定によれば、当該一の半田付け作業において、ワークと半田にかかる熱負荷が過剰となっており、鏝先221に過剰な負担をかけている虞があることを判断できる。
【0172】
3)判定部415は、エネルギー量が、条件情報が示す下限エネルギー量よりも小さい場合に、所定条件を満たすと判定する。3)の判定によれば、当該一の半田付け作業において、ワークと半田にかかる熱負荷が過少であり、ワークに適切に半田を付着できていない虞があることを判断できる。
【0173】
4)判定部415は、落下温度が、条件情報が示す上限落下温度よりも大きい場合に、所定条件を満たすと判定する。4)の判定によれば、当該一の半田付け作業において、鏝先221の熱が過度にワークに伝わり、ワークを損傷させている虞があることを判断できる。
【0174】
5)判定部415は、最大荷重が、条件情報が示す上限圧力よりも大きい場合に、所定条件を満たすと判定する。6)判定部415は、荷重時間が、条件情報が示す上限荷重時間よりも大きい場合に、所定条件を満たすと判定する。5)及び6)の判定によれば、当該一の半田付け作業において、ワークに必要以上に荷重をかけることで、ワークを損傷させている虞があることを判断できる。
【0175】
7)判定部415は、最荷重 が、条件情報が示す下限圧力よりも小さい場合に、所定条件を満たすと判定する。7)の判定によれば、当該一の半田付け作業において、ワークに必要な荷重がかけられていず、ワークに適切に半田を付着できていない虞があることを判断できる。
【0176】
8)判定部415は、半田量が、条件情報が示す下限半田量未満である場合又は条件情報が示す上限半田量よりも大きい場合に、所定条件を満たすと判定する。8)の判定によれば、当該一の半田付け作業において、ワークに付着した半田量に過不足があることを判断できる。
【0177】
ステップS301において、一の半田付け作業中におけるモニタ情報が所定条件を満たすと判定された場合(ステップS301でYES)、表示制御部412bは、ステップS301で所定条件を満たすと判定された、一の半田付け作業中におけるモニタ情報の表示態様を変更する(ステップS302)。その後、ステップS203が行われる。
【0178】
一方、ステップS301において、一の半田付け作業中におけるモニタ情報が所定条件を満たさないと判定された場合(ステップS301でNO)、ステップS203が行われる。
【0179】
ステップS203において、現在マーカが付与されている作業位置が最後の作業位置であると判定された場合(ステップS203でYES)、ステップS108が行われる。一方、ステップS203において、現在マーカが付与されている作業位置が最後の作業位置ではないと判定された場合(ステップS203でNO)、ステップS201が行われる。
【0180】
(操作画面例)
次に、第三実施形態において作業管理動作時に表示部408に表示される操作画面W1aについて説明する。図13は、作業管理動作時に表示される操作画面W1aの他の一例を示す図である。図13に示すように、操作画面W1aには、操作画面W1(図6)と同様に、表示欄A11~A14、A16と、開始ボタンB121と、終了ボタンB122と、プレビューボタンB11と、閉じるボタンB12と、が含まれ、更に、表示欄A10に対応する表示欄A10aと各種情報の表示欄A20~A22とが含まれる。
【0181】
尚、表示制御部412bは、操作画面W1aにおいて、三個の表示欄A12、A13、A14のうち、作業者による入力部406の操作によって選択された一の表示欄だけを表示する。
【0182】
表示欄A10aは、時系列に連続するモニタ情報の表示欄である。表示欄A10aは、横軸を日時とし、左側の縦軸をスイッチ付き治具930bのスケーラで測定される荷重とし、右側の縦軸をワークと半田にかかる熱負荷(熱エネルギー)とする二次元座標で構成されている。
【0183】
表示制御部412bは、操作画面W1(図6)の表示欄A10と同様に、熱負荷の時系列変化を示すグラフG11を表示欄A10aに表示する。表示制御部412bは、ステップS107以降、ステップS108において基板W上で手作業による複数の半田付け作業が終了したと判定されるまでの間に取得した各荷重情報を時系列に順次参照する。表示制御部412bは、表示欄A10aにおける、参照した各荷重情報によって示される荷重の測定日時と荷重とに対応する位置に点を表示する。表示制御部412bは、表示した各点を接続する線を表示する。これにより、表示制御部412bは、荷重の時系列変化を示すグラフG12を表示欄A10aに表示する。
【0184】
表示欄A20は、基板Wにおいて半田付け作業を行う環境を示す情報及び当該半田付け作業の条件に関する情報の表示欄である。
【0185】
具体的には、表示制御部412bは、ステップS100において操作画面W1aを表示するときに、表示欄A20内の「モニターモード」欄に、作業者による入力部406の操作によって半田付け作業の開始指示を入力することを示す「手動」を表示し、「カメラ」欄に、半田付け作業中にカメラ920によって基板W全体を撮影することを示す「有効」を表示し、「はかり」欄に、半田付け作業中にスイッチ付き治具930のスケーラによって基板Wの載置面にかかる荷重を測定することを示す「有効」を表示する。
【0186】
表示制御部412bは、ステップS103において基板情報を取得したときに、記憶部404bにおいて、当該基板情報に含まれる基板Wの識別情報と対応付けて記憶されている条件情報を表示欄A20に表示する。
【0187】
図13は、表示欄A20内の「上限半田量」、「下限半田量」、「上限エネルギー」、「下限エネルギー」、「荷重時間」、「上限圧力」、「下限圧力」、「半田付けポイント」欄に、取得した条件情報が示す、上限半田量(100)、下限半田量(0)、上限エネルギー量(100)、下限エネルギー量(0)、上限荷重時間(10)、上限圧力(200)、下限圧力(0)、半田付ポイント数(8)が表示された例を示している。
【0188】
表示欄A20には、編集ボタンB21が設けられている。作業者による入力部406の操作により、編集ボタンB21が押下されると、表示欄A20に表示されている情報及び記憶部404bにおいてステップS103において取得された基板情報に含まれる基板Wの識別情報に対応付けて記憶されている条件情報の編集操作画面が表示される。
【0189】
尚、表示制御部412bは、編集操作画面において、作業者による入力部406の操作によって編集された情報により、表示欄A20に表示されている情報を更新する。編集操作画面において条件情報が編集された場合、記憶制御部411は、当該編集後の条件情報によって、記憶部404bにおいて、ステップS103において取得された基板情報に含まれる基板Wの識別情報と対応付けて記憶されている条件情報を更新する。
【0190】
表示欄A21は、スイッチ付き治具930から取得される時系列に連続するモニタ情報の表示欄である。
【0191】
具体的には、表示制御部412bは、ステップS107(図12)以降、ステップS108において基板W上で手作業による複数の半田付け作業が終了したと判定されるまでの間に、荷重情報を取得する度に、当該荷重情報が示す、基板Wの載置面にかかる荷重(例えば、320.6)を表示欄A21に表示する。
【0192】
表示欄A22は、基板W上での各半田付け作業中におけるモニタ情報の表示欄である。
【0193】
具体的には、表示制御部412bは、ステップS202(図12)において、一の半田付け作業が終了したと判定される度に、当該一の半田付け作業中におけるモニタ情報を表示欄A22に表示する。表示制御部412bは、ステップS301(図12)において、所定条件を満たすと判定された一の半田付け作業中におけるモニタ情報の表示態様を変更する。
【0194】
図13は、一番目の半田付け作業中におけるモニタ情報として、エネルギー量(51)、負荷時間(5.425)、落下速度(338)、最大荷重(506.9)、荷重時間(7)、半田量(0.4)が、表示欄A22に表示された例を示している。表示制御部412bは、ステップS301(図12)において、所定条件を満たすと判定された、一番目の半田付け作業中における最大荷重(506.9)の表示態様が変更された例を示している。
【0195】
(変形実施形態)
尚、上記実施形態は、本発明に係る実施形態の例示に過ぎず、本発明を上記実施形態に限定する趣旨ではない。例えば、以下に示す変形実施形態であってもよい。
【0196】
(1)第一乃至第三実施形態における作業管理システム1、1a、1bにおいて、更に、作業者に蓄積している静電気量が所定量以上であるか否かを判定する、フットウェアテスターやリストストラップテスター等の判定装置を備えてもよい。そして、当該判定装置を作業管理装置10、10a、10bと有線通信又は無線通信可能に接続し、作業管理動作の実行前に、当該判定装置による上記の判定の結果を、制御部410、410a、410bが取得するようにしてもよい。そして、上記の判定の結果が所定量以上であることを示す場合、制御部410、410a、410bが、作業管理動作を行わないようにしてもよい。この場合、所定量以上の静電気を帯電している作業者が半田付け作業を行った際に、当該作業者から基板W上の電子部品に電気が流れることで、当該電子部品を損傷させる虞を回避できる。
【0197】
(2)第二実施形態及び第三実施形態における作業管理システム1a、1bにおいて作業管理動作の実行前に、制御部410a、410bが、スイッチ付き治具930のスケーラから荷重情報を取得するようにしてもよい。そして、制御部410a、410bが、作業管理動作の実行前に取得した荷重情報が示す、基板Wの載置面にかかる荷重が、基板Wの重量と当該基板W上での複数の半田付け作業で取り付ける電子部品の総重量との和よりも小さい場合、制御部410a、410bが、作業管理動作を行わないようにしてもよい。この場合、半田付けの準備が整っていない基板Wに対して半田付け作業が行われることを事前に回避できる。
【0198】
(3)第三実施形態のステップS108(図12)において、基板W上での複数の半田付け作業が終了したと判定された場合に(ステップS108でYES)、制御部410bが、基板Wにおいて半田付け作業が行われた位置の数が正しいか否かを判定するようにしてもよい。そして、半田付け作業が行われた位置の数が正しくないと判定された場合に、表示制御部412bが、半田付け作業が行われた位置の数が正しくない旨の警告メッセージを表示部408に表示するようにしてもよい。
【0199】
具体的には、制御部410bが、ステップS108(図12)において、基板W上での複数の半田付け作業が終了したと判定した場合に、記憶部404bにおいて、ステップS103で取得された基板情報に含まれる基板Wの識別情報と対応付けて記憶されている条件情報を取得するようにしてもよい。そして、制御部410bが、当該取得した条件情報が示す半田付ポイント数と、ステップS202で一の半田付け作業が終了したと判定された回数と、が一致するか否かを判定するようにしてもよい。この場合、基板Wの出荷前に、基板Wにおいて正しい数の半田付け作業が行われていないことを作業者に気づかせることができる。
【0200】
(4)第三実施形態のステップS301(図12)で用いられる所定条件は、記憶部404b(図11)において基板Wと同構成の同種基板の識別情報と対応付けて記憶されている、一の半田付け作業と同内容の半田付け作業中におけるモニタ情報を用いて定められてもよい。
【0201】
具体的には、半田付け作業の熟練者が、作業管理システム1bを用いて、ある基板Wにおける複数の半田付け作業を手作業で行った場合の作業管理動作においてステップS109が実行され、当該基板Wの識別情報と対応付けてモニタ情報及び撮影情報が記憶部404bに記憶されたとする。
【0202】
その後、半田付け作業に未熟な作業者が、作業管理システム1bを用いて、上記熟練者が半田付け作業を行った基板Wと同構成の同種基板における複数の半田付け作業を手作業で行ったとする。この場合の作業管理動作におけるステップS301では、判定部415が、以下のように動作するようにしてもよい。
【0203】
判定部415は、記憶部404bにおいて、上記熟練者が半田付け作業を行った基板Wの識別情報と対応付けて記憶されているモニタ情報を参照し、当該参照したモニタ情報から、ステップS202で終了したと判定された一の半田付け作業と同じ作業順の一の半田付け作業中におけるモニタ情報を取得する。これにより、判定部415は、ステップS202で終了したと判定された一の半田付け作業と同内容の半田付け作業中におけるモニタ情報を取得する。
【0204】
そして、判定部415は、当該取得した前記同内容の半田付け作業中におけるモニタ情報が示す一以上の模範情報(例えば、エネルギー量、最大荷重)と、ステップS202で終了したと判定された一の半田付け作業中におけるモニタ情報が示す一以上の対象情報(例えば、エネルギー量、最大荷重)との一致度を算出する。判定部415は、当該算出した一致度が所定の度合を超えていた場合に所定条件を満たすと判定する。例えば、判定部415は、一以上の模範情報のうちの過半数が、一以上の対象情報と所定の誤差範囲内で一致していた場合に、一致度が所定の度合を超えているとして、所定条件を満たすと判定する。
【0205】
又は、判定部415は、記憶部404bにおいて、上記熟練者が半田付け作業を行った基板Wの識別情報と対応付けて記憶されている熱負荷情報を取得する。そして、判定部415は、ステップS202で終了したと判定された一の半田付け作業中に取得された熱負荷情報が示す熱負荷の時系列変化を示すグラフG11(図6)の形状と、前記取得した熱負荷情報のうち、ステップS202で終了したと判定された一の半田付け作業と同じ作業順の一の半田付け作業中に取得された熱負荷情報が示す熱負荷の時系列変化を示すグラフG11(図6)の形状と、の一致度が所定の度合を超えていた場合に所定条件を満たすと判定してもよい。同様にして、判定部415は、鏝先温度情報が示す鏝先221の温度又は荷重情報が示す荷重の時系列変化を示すグラフの形状の一致度から、所定条件を満たすか否かを判定するようにしてもよい。
【0206】
(5)第三実施形態において、ステップS301(図12)で所定条件を満たすと判定された時点で、制御部410bが、半田鏝制御装置100に鏝先221の温度制御を終了させ、ステップS109以降に処理を移行するようにしてもよい。これにより、基板Wにおける残りの半田付け作業を強制的に終了するようにしてもよい。この場合、既に一以上の半田付け作業に失敗している基板Wにおいて、無駄に他の半田付け作業が行われることを回避できる。
【0207】
(6)手作業による半田付け作業では、一旦少量の半田を溶かし、少量の半田をワークになじませた後、更に半田を補充するような半田付け作業を行うことがある。この場合、一の半田付け作業において、途中で熱負荷が0になり、少量の半田を溶かすときの熱負荷の時系列変化を示す山状の波形と、実際にワークに付着する半田を溶かすときの熱負荷の時系列変化を示す山状の波形と、が連続しなくなる。一の半田付け作業中に、鏝先221をクリーニングした場合も、熱負荷の時系列変化を示す山状の波形が連続しなくなる。このため、第二実施形態及び第三実施形態で説明したステップS202の判定方法では、一の半田付け作業が終了したと誤って判定する虞がある。
【0208】
これを回避するため、第二実施形態及び第三実施形態のステップS202において、マーカ制御部414は、熱負荷の時系列変化を示す山の終了時点に取得された荷重情報が示す荷重と初期荷重との差異が所定量以下であるか否かを更に判定するようにしてもよい。そして、マーカ制御部414は、熱負荷の時系列変化を示す山の終了時点で、前記差異が所定量以下であると判定した場合には、一の半田付け作業が終了したとは判定しないようにし、前記差異が所定量よりも大きいと判定した場合に一の半田付け作業が終了したと判定するようにしてもよい。
【0209】
(7)第一乃至第三実施形態において、ステップS102(図5図9図12)を省略してもよい。これに合わせて、ステップS109において、記憶制御部411が、ステップS101で取得された作業者の識別情報を、記憶部404、404a、404bに記憶しないようにしてもよい。尚、この場合、ステップS112において、表示制御部412、412bは、作業者の識別情報を取得できないため、作業者の識別情報を表示部408に表示しない。
【0210】
本発明は、上記のように様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。
【0211】
第一局面に係る作業管理装置は、基板上で手作業で行われる複数の半田付け作業を管理する作業管理装置であって、前記基板の識別情報を取得する識別情報取得装置を接続するための第一インターフェース部と、画像を生成する撮像装置を接続するための第二インターフェース部と、半田付け作業に関するモニタ情報を生成する半田付けモニタ装置を接続するための第三インターフェース部と、前記第一インターフェース部に接続された前記識別情報取得装置で取得された前記基板の識別情報と対応付けて、前記第二インターフェース部に接続された前記撮像装置で時系列に連続して生成された、前記複数の半田付け作業中における前記基板全体の撮影画像、及び、前記第三インターフェース部に接続された前記半田付けモニタ装置で時系列に連続して生成された、前記複数の半田付け作業中における前記モニタ情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されている前記基板の識別情報の中から一の識別情報の選択を受け付ける選択部と、前記記憶部において、前記一の識別情報と対応付けて記憶されている前記撮影画像及び前記モニタ情報を、当該撮影画像の撮影日時と当該モニタ情報の取得日時とを一致させて時系列に表示する表示部と、を備える。
【0212】
第二局面に係る作業管理方法は、基板上で手作業で行われる複数の半田付け作業を管理する作業管理装置における作業管理方法であって、前記作業管理装置は、前記基板の識別情報を取得する識別情報取得装置を接続するための第一インターフェース部と、画像を生成する撮像装置を接続するための第二インターフェース部と、半田付け作業に関するモニタ情報を生成する半田付けモニタ装置を接続するための第三インターフェース部と、を備え、前記第一インターフェース部に接続された前記識別情報取得装置で取得された前記基板の識別情報と対応付けて、前記第二インターフェース部に接続された前記撮像装置で時系列に連続して生成された、前記複数の半田付け作業中における前記基板全体の撮影画像、及び、前記第三インターフェース部に接続された前記半田付けモニタ装置で時系列に連続して生成された、前記複数の半田付け作業中における前記モニタ情報を記憶し、前記記憶されている前記基板の識別情報の中から一の識別情報の選択を受け付け、前記一の識別情報と対応付けて記憶されている前記撮影画像及び前記モニタ情報を、当該撮影画像の撮影日時と当該モニタ情報の取得日時とを一致させて時系列に表示する。
【0213】
第三局面に係る制御プログラムは、基板上で手作業で行われる複数の半田付け作業を管理する作業管理装置のコンピュータの制御プログラムであって、前記作業管理装置は、前記基板の識別情報を取得する識別情報取得装置を接続するための第一インターフェース部と、画像を生成する撮像装置を接続するための第二インターフェース部と、半田付け作業に関するモニタ情報を生成する半田付けモニタ装置を接続するための第三インターフェース部と、を備え、前記コンピュータを、前記第一インターフェース部に接続された前記識別情報取得装置で取得された前記基板の識別情報と対応付けて、前記第二インターフェース部に接続された前記撮像装置で時系列に連続して生成された、前記複数の半田付け作業中における前記基板全体の撮影画像、及び、前記第三インターフェース部に接続された前記半田付けモニタ装置で時系列に連続して生成された、前記複数の半田付け作業中における前記モニタ情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されている前記基板の識別情報の中から一の識別情報の選択を受け付ける選択部と、前記記憶部において、前記一の識別情報と対応付けて記憶されている前記撮影画像及び前記モニタ情報を、当該撮影画像の撮影日時と当該モニタ情報の取得日時とを一致させて時系列に表示する表示部と、して機能させる。
【0214】
このような構成の作業管理装置、作業管理方法及び制御プログラムによれば、基板上で手作業による複数の半田付け作業が行われた場合に、識別情報取得装置で取得された当該基板の識別情報と対応付けて、撮像装置で時系列に連続して生成された、当該複数の半田付け作業中における当該基板全体の撮影画像、及び、半田付けモニタ装置で時系列に連続して生成された、当該複数の半田付け作業中におけるモニタ情報が記憶される。
【0215】
このようにして記憶された基板の識別情報の中から一の識別情報の選択が受け付けられると、当該一の識別情報に対応付けられた撮影画像及びモニタ情報が、当該撮影画像の撮影日時と当該モニタ情報の取得日時とが一致するようにして、時系列に表示される。
【0216】
このため、作業管理装置のユーザは、表示された撮影画像及びモニタ情報を見ることで、選択した一の識別情報に対応する基板において複数の半田付け作業が行われた作業位置を時系列に把握できるとともに、各作業位置で行われていた半田付け作業に関するモニタ情報を適切に把握できる。このように、上記構成の作業管理装置、作業管理方法及び制御プログラムは、基板において手作業で複数の半田付け作業が行われた作業位置を把握できる点で、基板上で手作業で行われる複数の半田付け作業のトレーサビリティを向上できる。
【0217】
上述の作業管理装置において、前記複数の半田付け作業を行う作業者の識別情報を取得する作業者情報取得装置を接続するための第四インターフェース部を更に備え、前記記憶部は、更に、前記第一インターフェース部に接続された前記識別情報取得装置で取得された前記基板の識別情報と対応付けて、前記第四インターフェース部に接続された前記作業者情報取得装置で取得された前記作業者の識別情報を記憶し、前記表示部は、更に、前記一の識別情報と対応付けて記憶されている前記作業者の識別情報を表示してもよい。
【0218】
この構成によれば、基板上で手作業による複数の半田付け作業が行われた場合に、更に、識別情報取得装置で取得された当該基板の識別情報と対応付けて、作業者情報取得装置で取得された、当該複数の半田付け作業を行う作業者の識別情報が記憶される。記憶されている基板の識別情報の中から一の識別情報の選択が受け付けられると、当該一の識別情報に対応付けられた作業者の識別情報が更に表示される。
【0219】
このため、作業管理装置のユーザは、表示された作業者の識別情報を見ることで、選択した一の識別情報に対応する基板において複数の半田付け作業を行った作業者を把握できる。このため、本構成は、基板において手作業で複数の半田付け作業を行った作業者を把握できる点で、基板上で手作業で行われる複数の半田付け作業のトレーサビリティを更に向上できる。
【0220】
上述の作業管理装置において、前記基板の識別情報と対応付けて、前記基板における前記複数の半田付け作業の作業位置を示す複数の作業位置情報を作業順に予め記憶する第二記憶部と、前記複数の作業位置情報の中から、次に行われる半田付け作業の作業位置を示す作業位置情報を読み出し、半田付け作業の作業位置を指し示すマーカを前記基板に付与するマーカ装置に対し、前記読み出した作業位置情報が示す作業位置を指し示すマーカを前記基板に付与するように指示する第五インターフェース部と、を更に備えてもよい。
【0221】
本構成によれば、基板の識別情報と対応付けて予め記憶されている複数の作業位置情報の中から、次に行われる半田付け作業の作業位置を示す作業位置情報が読み出され、当該読み出された作業位置情報が示す作業位置に、マーカが付与される。これにより、次の半田付け作業の作業位置を作業者に案内できる。その結果、作業者は、当該案内された適切な作業位置で次の半田付け作業を行うことができる。
【0222】
上述の作業管理装置において、前記複数の半田付け作業に含まれる一の半田付け作業が終了する度に、前記第三インターフェース部に接続された前記半田付けモニタ装置で時系列に連続して生成された、前記一の半田付け作業中における前記モニタ情報が所定条件を満たすか否かを判定する判定部を更に備え、前記表示部は、前記判定部によって前記一の半田付け作業中における前記モニタ情報が前記所定条件を満たすと判定された場合に、当該モニタ情報の表示態様を変更してもよい。
【0223】
本構成によれば、一の半田付け作業が終了する度に、当該一の半田付け作業中におけるモニタ情報が所定条件を満たすか否かが判定される。当該モニタ情報が所定条件を満たすと判定された場合には、当該モニタ情報の表示態様が変更される。
【0224】
このため、作業者は、一の半田付け作業の終了時に当該一の半田付け作業中に取得されたモニタ情報の表示態様が変更された場合に、当該一の半田付け作業中に取得されたモニタ情報が所定条件を満たしたことを容易に把握できる。
【0225】
上述の作業管理装置において、前記所定条件は、前記記憶部において前記基板と同構成の同種基板の識別情報と対応付けて記憶されている、前記一の半田付け作業と同内容の半田付け作業中における前記モニタ情報を用いて定められていてもよい。
【0226】
本構成によれば、基板上で一の半田付け作業中におけるモニタ情報が、記憶部に記憶されている、同種基板上での同内容の半田付け作業中におけるモニタ情報を用いて定められた所定条件を、満たすか否かが判定される。このため、本構成は、半田付け作業の教育に利用できる。
【0227】
例えば、基板上での一の半田付け作業中に取得されたモニタ情報と記憶部に記憶されている、教師による同種基板上での同内容の半田付け作業中に取得されたモニタ情報との一致度が所定値未満であることが、所定条件として定められたとする。この場合、作業者が一の半田付け作業の終了時に、当該一の半田付け作業中に取得されたモニタ情報の表示態様が変更された場合、当該一の半田付け作業の内容が、教師が同種基板上で行った作業の内容とは、顕著に異なることを容易に把握できる。
【0228】
上述の作業管理装置において、前記モニタ情報には、作業中の半田付け作業で使用されている半田鏝に供給された電力量、前記半田鏝の温度、前記作業中の半田付け作業において前記基板に与えられた最大荷重、前記作業中の半田付け作業において前記基板に荷重が与えられた時間の総和、前記作業中の半田付け作業によって前記基板に付着された半田量、前記作業中の半田付け作業において前記半田鏝に電力が供給された時間の総和及び前記作業中の半田付け作業における前記半田鏝の最低温度のうちの少なくとも一以上が含まれてもよい。
【0229】
本構成では、モニタ情報は、作業中の半田付け作業で使用されている半田鏝に供給された電力量、半田鏝の温度、作業中の半田付け作業において基板に与えられた最大荷重、作業中の半田付け作業において基板に荷重が与えられた時間の総和、作業中の半田付け作業によって基板に付着された半田量、作業中の半田付け作業において半田鏝に電力が供給された時間の総和及び作業中の半田付け作業における半田鏝の最低温度のうちの少なくとも一以上を含む。
【0230】
このため、モニタ情報を見たユーザは、選択した一の識別情報に対応する基板での半田付け作業において、半田鏝に供給された電力量、半田鏝の温度、当該基板に与えられた最大荷重、当該基板に荷重が与えられた時間の総和、当該基板に付着された半田量、半田鏝に電力が供給された時間の総和及び半田鏝の最低温度のうちの少なくとも一以上を、適切に把握できる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13