(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-18
(54)【発明の名称】搬送装置および搬送方法
(51)【国際特許分類】
B65H 9/00 20060101AFI20230511BHJP
B65H 5/06 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
B65H9/00 A
B65H5/06 D
(21)【出願番号】P 2022028962
(22)【出願日】2022-02-28
【審査請求日】2022-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】谷澤 翔
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特開平4-121342(JP,A)
【文献】特開2011-136813(JP,A)
【文献】特開平8-225183(JP,A)
【文献】実開昭56-47848(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 9/00-9/20
B65H 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動軸と、
該駆動軸の外周に設けられて一体に回転する第1の回転体と、
該第1の回転体と接触する第2の回転体と、
該第2の回転体を一端に備え、搬送対象となる媒体に接触して該媒体の面に沿う方向へ移動させる第3の回転体を他端に備え、前記駆動軸と共通の平面内で該平面と交差する軸線を中心として回転自在であって、前記平面に含まれる回転中心軸を中心として回転する従動軸と、
を有し、
前記第1の回転体と前記第2の回転体との一方は、該一方の回転体と回転中心軸を共通にする球面または円錐面を有し、前記第1の回転体と前記第2の回転体との他方は、該他方の回転体と回転中心軸を共通にする円筒面を有する、
搬送装置。
【請求項2】
前記第1の回転体が円筒面を有し、前記第2の回転体が該円筒面に接触する凸状の球面を有する、
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記第1の回転体が凹状の球面を有し、前記第2の回転体が該球面に接触する円筒面を有する、
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記駆動軸は、前記媒体の上面との間に所定の間隔をおいて配置され、
前記従動軸は、前記駆動軸と前記媒体との間に配置された、
請求項1~3のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記第1の回転体、第2の回転体、第3の回転体は、前記駆動軸、従動軸を構成する材料より摩擦係数が大きい材料により構成された、
請求項1~4のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項6】
駆動軸と従動軸とのいずれか一方に設けた球面と、いずれか他方に設けた円筒面との間で回転を伝達する工程と、
前記従動軸と一体に回転する円筒面を搬送の対象である媒体に接触させて該媒体を面に沿って移動させる工程と、
前記従動軸を自身の回転中心軸と交差する
他の回転中心軸を中心として回転させることにより、
前記駆動軸と従動軸とのいずれか一方に設けた球面と、いずれか他方に設けた円筒面との接触個所の回転半径を変化させる工程と、
を有する搬送方法。
【請求項7】
前記従動軸は、その一端で前記駆動軸から回転が伝達され、その他端で前記媒体と接触するとともに、該媒体との接触によって、前記
従動軸の自身の回転中心軸と交差する
他の回転中心軸を中心として回転する、
請求項6に記載の搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置および搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、スキャナ等、処理対象となるシート状の媒体を搬送しながら印刷、読み取り等の処理を施す装置にあっては、定規となる案内面に沿って前記媒体を搬送することにより、該媒体をプリンタヘッド、読み取り装置等に対して所定の位置に位置決めする動作が行われる。この位置決めは、前記媒体へ幅方向(媒体の送り方向に対して直交する方向)への力を作用させることにより前記案内面へ幅寄せすることにより行われる。
この幅寄せに関連する技術として、特許文献1、特許文献2に記載された媒体搬送装置、紙葉類斜行規制機構がある。
これらの特許文献1、2に記載された装置は、媒体を搬送するとともに、回転するローラを媒体に接触させることによって幅方向への力を作用させることにより幅寄せする機構を採用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-214187号公報
【文献】特開平4-72254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、媒体にローラを接触させて幅寄せしようとする場合、幅寄せしようとする力が不充分であると、媒体を前記案内面に確実に沿わせることができないため、媒体の位置決めの目的を達成することができない。
そこで、厚い媒体を案内面へ寄せるに足る十分に大きな幅寄せ力を媒体へ与えようとすると、薄い媒体に過剰な幅寄せ力を与えることとなって、媒体を曲げてしまうという不具合がある。これに対して、薄い媒体を曲げることなく案内面に寄せる程度に弱い幅寄せ力を与えようとすると、厚い媒体を確実に案内面に沿わせることができないという不具合がある。
【0005】
この不具合を解消するには、当該装置で搬送される媒体の最大の厚さと最小の厚さとの中間的となる厚さの媒体に合わせた幅寄せ力を与えることを選択するか、媒体の厚さに対応して、幅寄せローラから媒体に作用する力を増減する制御を行うことを選択することが必要となる。
しかしながら、前者の対策では、中間の幅寄せ力は、厚さに幅のある種々の媒体へ最適な幅寄せ力を与えることが難しく、後者の対策では、媒体の厚さの検出~検出された厚さに応じた幅寄せ力の設定~当該幅寄せ力を与えるための機構の調整といった処理が必要となって、プリンタ等における媒体の搬送機構の運用が複雑になるという課題がある。
【0006】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、媒体の厚さに応じて適切に幅寄せ力を調整することができる搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明の第1の態様にかかる搬送装置は、以下の構成を有する。
この搬送装置は、駆動軸と、該駆動軸の外周に設けられて一体に回転する第1の回転体と、該第1の回転体と接触する第2の回転体と、該第2の回転体を一端に備え、搬送対象となる媒体に接触して該媒体の面に沿う方向へ移動させる第3の回転体を他端に備え、前記駆動軸と共通の平面内で該平面と交差する回転中心軸を中心として回転自在であって、前記平面に含まれる回転中心軸を中心として回転する従動軸と、を有し、前記第1の回転体と前記第2の回転体との一方は、該一方の回転体と回転中心軸を共通にする球面または円錐面を有し、前記第1の回転体と前記第2の回転体との他方は、該他方の回転体と回転中心軸を共通にする円筒面を有する。
【0008】
本発明の第2の態様にかかる搬送方法は、以下の構成を有する。
この搬送方法は、駆動軸と従動軸とのいずれか一方に設けた球面または円錐面と、いずれか他方に設けた円筒面との間で回転を伝達する工程と、前記従動軸と一体に回転する円筒面を搬送の対象である媒体に接触させて該媒体を面に沿って移動させる工程と、前記従動軸を自身の回転中心軸と交差する回転中心軸を中心として回転させることにより、前記球面または円錐面の前記円筒面との接触個所の回転半径を変化させる工程と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、媒体の厚さに応じて幅寄せ力を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明にかかる搬送装置の最小構成例の正面図である。
【
図2】本発明にかかる搬送方法の最小構成例の工程図である。
【
図3】本発明の第1実施形態にかかる搬送装置の正面図である。
【
図4】第1実施形態における厚い媒体の搬送状態の説明図である。
【
図5】第2実施形態における薄い媒体の搬送状態の説明図である。
【
図6】
図3に示す搬送装置の従動軸の軸受部の説明図である。
【
図7】本発明の第2実施形態にかかる搬送装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る搬送装置の最小構成例について
図1を参照して説明する。
この搬送装置は、駆動軸1と、該駆動軸1の外周に設けられて一体に回転する第1の回転体2と、該第1の回転体2と接触する第2の回転体3と、該第2の回転体3を一端に備え、搬送対象となる媒体Sに接触して該媒体Sの面に沿う方向へ移動させる第3の回転体4を他端に備え、前記駆動軸1と共通の平面内で該平面と交差する軸線Cを中心として回転自在であって、前記平面に含まれる回転中心軸を中心として回転する従動軸5と、を有し、前記第1の回転体2と前記第2の回転体3との一方は、該一方の回転体と回転中心軸を共通にする球面または円錐面6、6’を有し、前記第1の回転体2と前記第2の回転体3との他方は、該他方の回転体と回転中心軸を共通にする円筒面7、7’を有する。
【0012】
上記構成によれば、前記駆動軸1の回転によって第1の回転体2が回転し、この第1の回転体2と接触する第2の回転体3が回転することによって前記従動軸5が回転する。該従動軸5の回転により、その他端が接触する媒体Sに回転力が作用し、この回転力によって媒体Sが搬送される。前記従動軸5の他端が前記媒体Sに接触すると、該媒体Sの厚さが異なることによって前記従動軸5が軸線Cを中心として回動し、この回動により、第1の回転体2と第2の回転体3との接触個所が移動する。前記第1の回転体2と第2の回転体3とは、球面または円錐面6と円筒面7との接触、あるいは、球面または円錐面6’と円筒面7’との接触によって回転が伝達されるから、円筒面7、7’が球面または円錐面6、6’の異なる回転半径の個所(異なる周速の個所)と接触することになり、前記第1の駆動軸1から前記従動軸5へ伝達される回転の減速比(あるいは増速比)を変化させることができる。
【0013】
本発明の第2の態様にかかる搬送方法の最小構成例について
図2を参照して説明する。
この搬送方法は、駆動軸と従動軸とのいずれか一方に設けた球面または円錐面と、いずれか他方に設けた円筒面との間で回転を伝達する工程SP1と、前記従動軸と一体に回転する円筒面を搬送の対象である媒体に接触させて該媒体を面に沿って移動させる工程SP2と、前記従動軸を自身の回転中心軸と交差する軸線を中心として回転させることにより、前記球面の前記円筒面との接触個所の回転半径を変化させる工程SP3とを有する。
【0014】
上記構成によれば、前記駆動軸の回転によって第1の回転体が回転し、この第1の回転体と接触する第2の回転体が回転することによって前記従動軸5が回転する。該従動軸の回転により、その他端が接触する媒体に回転力が作用し、この回転力によって媒体が搬送される。前記第1の回転体と第2の回転体とは、球面または円錐面と円筒面との接触によって回転が伝達されるから、円筒面’が球面または円錐面の異なる回転半径の個所(異なる周速の個所)と接触することになり、前記媒体Sとの接触個所に応じて、前記第1の駆動軸1から前記従動軸5へ伝達される回転の減速比(あるいは増速比)を変化させることができる。
【0015】
図1、
図2を具現化した本発明の第1実施形態を
図3~6を参照して説明する。なお、
図3~6において
図1と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を簡略化する。
図3は第1実施形態にかかる搬送装置の要部を上方から見た斜視図であって、この搬送装置は、印刷用紙等の媒体Sを図示しない搬送ローラ等によって
図3の矢印A方向へ搬送する。
また、
図3の搬送装置は、前記媒体Sを前記矢印Aと直交する矢印B方向(媒体Sの幅方向)へ移動させて、図示しない案内面に沿わせるもので、前記矢印B方向へのいわゆる幅寄せを行うための、駆動軸1、第1の回転体2、第2の回転体3、第3の回転体4、従動軸5を備える。
【0016】
前記駆動軸1は、図示しないモータによって駆動されて前記媒体Sの上方で回転中心軸C1を中心として回転し、その外周には、ゴム等の材料により構成された、円柱状の(外周が円筒面をなす)第1の回転体2を備える。
前記従動軸5は、前記駆動軸1の回転中心軸C1と共通の平面(例えば、媒体Sに対して垂直な平面)に含まれる回転中心軸C2を中心として回転自在に支持され、かつ、該回転中心軸C2と直交する(前記回転中心軸C1、C2が共通して含まれる平面と直交する)軸線Cを中心として回動可能に支持されている。
【0017】
前記従動軸5の一端は、前記第1の回転体2と接触して回転が伝達される、ゴム等の材料により構成された球状をなす、第2の回転体3を備え、他端は、媒体Sと接触して回転力を与える、ゴム等の材料により構成された円柱状をなす(外周が円筒面状の)、第3の回転体4を備える。
前記従動軸5は、例えば、
図6に示す支持機構により支持されている。すなわち、前記従動軸5は全体としてC字状をなす軸受け部11によって回転中心軸C2を中心として回転自在に支持され、この軸受け部11は、両基端部からそれぞれ外方へ突出して設けられた支持軸12によって軸線Cを中心として回動自在に支持されている。
また前記従動軸5は、自身に作用する重力によって軸線C回りに生じるモーメント(
図4の反時計回りのモーメント)によって、あるいは、前記従動軸5の支持軸12にねじりばね等によって与えられる弾性力によって、前記第2の回転体3を第1の回転体2に押し付けるよう構成されている。
【0018】
上記構成の搬送装置の作用とともに、この搬送装置による搬送方法について説明する。
前記駆動軸1が回転すると、これと一体の前記第1の回転体2が回転し、この第1の回転体2と接触する第2の回転体3に摩擦力によって回転が伝達される。ここで、前記従動軸5には、
図4における反時計回りのモーメントが与えられていることから、前記第2の回転体3が第1の回転体2へ付勢されることとなり、第1の回転体2から第2の回転体3へ摩擦によって回転が伝達される。また前記モーメントにより、前記従動軸5の他端の第3の回転体4の回転が媒体S1へ伝達され、この回転によって媒体S1へ幅寄せ方向(
図4の紙面と直交する方向)への力が生じ、媒体S1が図示しない案内面に押し付けられる。
【0019】
ここで、前記第2の回転体3は、球状をなしていて、
図4に示すように媒体S1が厚い場合(
図5に示す媒体S2より相対的に厚いことを意味する)には、前記第3の回転体4が媒体S1の厚さ(上面の位置)にあり、この厚さに応じた位置に前記従動軸5が軸線Cを中心として回動している。前記第1の回転体2と第2の回転体3とは、球面6と円筒面7との接触によって回転が伝達されるから、円筒面7が接触する球面6の回転半径rが異なっていれば、その個所の周速も異なる。すなわち、前記従動軸5は、第3の回転体4の前記媒体S1との接触個所に応じて、前記第1の駆動軸1の回転数に対して所定の減速比(あるいは増速比)で回転する。
【0020】
一方、
図5に示すように、媒体S2が薄い場合には、前記第3の回転体4が媒体S2の上面の位置が低くなることから、前記従動軸5が軸線Cを中心として
図4よりさらに反時計回りに回転し、第2の回転体3の球面6の回転半径rが小さい個所が第1の回転体2に接触し、回転が伝達される。ここで、
図5の場合、
図4に比べて半径rが小さい個所で回転が伝達されることから、前記駆動軸1の回転に対する前記従動軸5の回転の減速比が小さくなり、前記駆動軸1の同一の回転数に対する前記従動軸5の回転数が大きくなる。
この回転数の増加により、媒体S2を幅寄せする力が小さくなり、比較的薄い媒体S2を幅寄せ力によって屈曲させるような不具合を生じ難くなる。
【0021】
したがって、厚い媒体S1を幅寄せするに足る一定の回転数で駆動軸1を回転させた場合であっても、薄い媒体S2を幅寄せしようとする場合には、前記第2の回転体3の半径rが小さい個所が前記第1の回転体2に接触して回転が伝達されることから、第3の回転体4の幅寄せする力が小さくなり、薄い媒体S2を屈曲させることなく幅寄せすることができる。
【0022】
以上説明したように、第1実施形態にあっては、厚さの異なる媒体S1、S2によって第3の回転体4との接触個所が変化し、この変化に伴って前記従動軸5が軸線Cを中心として回動することにより前記第2の回転体3の前記第1の回転体2との接触個所の回転中心軸C2を中心とする回転半径rが変化する。この回転半径rの変化により、前記駆動軸1の回転による前記従動軸5への回転の伝達の際の減速比が変化し、前記従動軸5の端部の第3の回転体4の周速が変化して媒体Sに作用する力も変化する。この変化により、媒体Sの厚さに応じて該媒体Sに作用する幅寄せ力を自動的に調整することができる。
【0023】
図7は本発明の第2実施形態を示すものである。
この第2実施形態では、第1の回転体2Aが球面状の凹部6Aを有する。また第2の回転体3Aは、円筒面7Aを有する。
【0024】
この第2実施形態にあっては、媒体Sの厚さに応じて第3の回転体4の接触個所が上下に移動することにより、前記従動軸5が上下に回動し、その一端の第2の回転体3Aが上下に移動して、その外周の円筒面7Aと前記第1の回転体2Aの球面状の凹部6Aとの接触位置が移動する。すなわち、前記駆動軸1と一体に回転する第1の回転体2Aの第2の回転体3Aとの接触個所の回転半径が変化し、前記駆動軸1から従動軸5への減速比が変化して第3の回転体4から媒体Sへ作用する幅寄せ力も変化する。
【0025】
すなわち、前記第1実施形態にあっては、前記第2の回転体3の凸面状の球面としたが、この第2実施形態にあっては、第1の回転体2Aを凹面状の球面とすることにより、前記媒体Sの厚さの変化に連動して第1の回転体2Aと第2の回転体3Aとの接触個所を移動させて従動軸5の回転数を調整して、媒体Sへ適切な幅寄せ力を与えることができる。
【0026】
上記実施形態にあっては、球面と円筒面との間の回転の伝達に伴う接触位置の回転半径を変更する構成を採用したが、円錐面と円筒面との間の回転の伝達に伴う接触位置の回転半径を変更する構成を採用しても良い。
【0027】
媒体に接触して幅寄せする第3の回転体の回転数は、媒体の寸法、媒体の表面、第3の回転体の表面の摩擦係数、第3の回転体の自重(従動軸の回転中心となる軸線C回りのモーメント)の条件によって最適な値に設定することが望ましい。また設定された回転数に応じて、駆動軸の回転数、第1の回転体、第2の回転体、第3の回転体の回転半径等の諸元が決定される。
【0028】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、シート状の媒体の搬送装置および搬送装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0030】
1 駆動軸
2 第1の回転体
3 第2の回転体
4 第3の回転体
5 従動軸
6、6’ 球面
6A 凹部(球面)
7、7’、7A 円筒面
11 軸受け部
12 支持軸
C 軸線
C1、C2 回転中心軸
S、S1、S2 媒体
【要約】
【課題】本発明は、厚い媒体と薄い媒体とに適切な回転を作用させて幅寄せする技術に関する。
【解決手段】搬送装置は、駆動軸1の外周に設けられて一体に回転する第1の回転体2と、該第1の回転体2と接触する第2の回転体3と、該第2の回転体3を一端に備え、媒体Sに接触して該媒体Sの面に沿う方向へ移動させる第3の回転体4を他端に備え、前記駆動軸1と共通の平面内で該平面と交差する軸線Cを中心として回転自在でかつ前記平面に含まれる回転中心軸を中心として回転する従動軸5とを有し、第1の回転体2と第2の回転体3との一方は、一方の回転体と回転中心軸を共通にする球面または円錐面6、6’を有し、第1の回転体2と前記第2の回転体3との他方は、他方の回転体と回転中心軸を共通にする円筒面7、7’を有する。
【選択図】
図1