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  • 特許-プリンタおよびプリンタ制御方法 図1
  • 特許-プリンタおよびプリンタ制御方法 図2
  • 特許-プリンタおよびプリンタ制御方法 図3
  • 特許-プリンタおよびプリンタ制御方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-18
(54)【発明の名称】プリンタおよびプリンタ制御方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 11/70 20060101AFI20230511BHJP
   B41J 15/04 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
B41J11/70
B41J15/04
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022035701
(22)【出願日】2022-03-08
【審査請求日】2022-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】加藤 丈和
【審査官】宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-075413(JP,A)
【文献】特開2022-017071(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 11/70
B41J 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続したシート状をなす印刷対象を搬送ローラにより引き出しながらプリンタヘッドにより印刷し、印刷された印刷対象をカッターにより切断するプリンタであって、
前記搬送ローラを駆動するモータの電流を測定する測定部と、
前記印刷対象を引き出しながらプリントする以前に前記搬送ローラを駆動することにより予め前記測定部に測定された電流に基づいて定められた許容電流値を記憶する記憶部と、
前記測定部に測定された電流を前記記憶部に記憶された許容電流値と比較し、許容電流値を超える場合に前記カッターを作動させて前記印刷対象を引き出し方向の先端から所定長さ離れた位置で切断する判定部と、
を有するプリンタ。
【請求項2】
前記判定部は、前記プリンタへの前記印刷対象の取り付けおよびまたは取り外しの操作が行われたことの検出を条件として、検出直前における前記印刷対象の移動に際して測定された電流から定められた前記許容電流値を前記記憶部へ記憶させる、
請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記カッターは、前記プリンタヘッドによる印刷が終了し、前記印刷対象の印刷終了領域が排出されたことを条件として前記印刷対象を切断し、
前記判定部は、前記電流の測定値と記憶値との比較により、測定値が記憶値から外れたと判定した場合に、前記プリンタヘッドによる印刷の終了、前記印刷対象の印刷終了領域の排出にかかわらず、前記カッターを作動させる、
請求項1または2のいずれか1項に記載のプリンタ。
【請求項4】
連続したシート状をなす印刷対象へプリンタヘッドにより印刷を施す前に、前記印刷対象を搬送するモータを駆動するために必要な電流として検出部で測定された電流を記憶指示信号の入力を条件に記憶部が記憶する工程と、
連続したシート状をなす印刷対象へプリンタヘッドにより印刷を施す際の引き出しに要する電流を前記検出部が測定する工程と、
測定された電流が前記電流の許容範囲に入るか否かを判定部が判定する工程と、
測定された電流が前記許容範囲にないと前記判定部が判定した場合にカッター制御部からの指示によりカッターが前記印刷対象を切断する工程と、
を有するプリンタ制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタおよびプリンタ制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
小売店等において、商品のバーコードを買い物客自身がスキャンして精算を行う、いわゆるセルフレジスタが普及しつつある。このセルフレジスタにおいては、精算結果をプリンタにより所定の用紙に印刷したレシート用紙を発行し、このレシート用紙を買い物客がプリンタから引き出しながら取り出す操作を行う場合が増えている。
上記レシート用紙の取り出し操作に際し、その買い物客がセルフレジスタの操作に不慣れな場合、プリンタによる印刷が完了する以前の段階、具体的には、プリンタ内で搬送ローラ等に挟まれて連続的に送られている状態のレシート用紙を引っ張ってしまうことがある。
【0003】
この操作は、レシート用紙搬送部の搬送ローラ(より具体的にはその駆動モータや該駆動モータの電源)に過剰な負荷を加える事となり、レシート用紙搬送部の機械的、電気的な故障や劣化を招く原因となることがある。
本発明に関連する特許文献1には、モータ駆動回路において、出力電源の低下、あるいは接地電位となった場合でも、逆起電力などによる過電圧からの保護する方式が開示されている。
また本発明に関連する特許文献2には、レシートを印刷するプリンタにおいてプリントされて排出されるレシートを案内するガイド部材のガイド面を円弧形状にする構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-158162号公報
【文献】特開2003-118003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、一般的なモータ駆動回路における回路の^保護技術を開示するに過ぎず、レシートをプリントするプリンタにおけるレシート用紙の強制的な引き出しによる過負荷に起因する故障や劣化の防止に直接適用することができるものではない。
また特許文献2に記載された技術は、プリンタから引き出されるレシートの横滑りによる負荷を緩和することを目的とするものであって、必ずしも、レシートの強制的な引き出しに伴う過負荷に起因するレシート搬送部の機械的、電気的な故障や劣化を防止することができるものではない。
【0006】
この発明は、レシートの強制的な引き出しにより装置への過負荷を与えることを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の第1の態様にかかるプリンタは、連続したシート状をなす印刷対象を搬送ローラにより引き出しながらプリンタヘッドにより印刷し、印刷された印刷対象をカッターにより切断するプリンタであって、前記搬送ローラを駆動するモータの負荷電流を測定する測定部と、前記印刷対象を引き出しながらプリントする際に前記測定部に測定された負荷電流に基づいて定められた許容電流値を記憶する記憶部と、前記測定部に測定された負荷電流を前記記憶部に記憶された許容電流値と比較し、許容電流値を超える場合に前記カッターを作動させて前記印刷対象を引き出し方向の先端から所定長さ離れた位置で切断する判定部とを有する。
【0008】
本発明の第2の態様にかかるプリンタ制御方法は、連続したシート状をなす印刷対象へプリンタヘッドにより印刷を施す前に、前記印刷対象の引き出しに要する負荷電流を測定し、測定された負荷電流から、負荷電流の許容範囲を決定する工程と、連続したシート状をなす印刷対象へプリンタヘッドにより印刷を施す際の引き出しに要する負荷電流を測定する工程と、測定された負荷電流が前記負荷電流の許容範囲に入るか否かを判断する工程と、俯瞰電流が許容範囲にないと判断した場合に前記印刷対象を切断する工程とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、プリンタに過剰な負荷がかかる以前に引き出される印刷対象をプリンタから切り離すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明にかかるプリンタの最小構成例を示すブロック図である。
図2】本発明にかかるプリンタ制御方法の最小構成例を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態のブロック図である。
図4】一実施形態における記憶部に予め記憶された電流値と、プリントに際して測定された電流値の変化とを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係るプリンタの最小構成例について図1を参照して説明する。
このプリンタは、連続したシート状をなす印刷対象Pを搬送ローラ1により引き出しながらプリンタヘッド2により印刷し、印刷された印刷対象をカッター3により切断するプリンタであって、前記搬送ローラ1を駆動するモータ4の電流を測定する測定部5と、前記印刷対象Pを引き出しながらプリントする際に前記測定部5に測定された電流に基づいて定められた許容電流値を記憶する記憶部6と、前記測定部5に測定された電流を前記記憶部6に記憶された許容電流値と比較し、許容電流値を超える場合に前記カッター3を作動させて前記印刷対象Pを引き出し方向の先端から所定長さ離れた位置で切断する判定部7とを有する。
【0012】
上記構成によれば、印刷対象Pが、例えば買い物客である利用者によって引っ張られた場合等に前記モータ4を流れる電流が変化し、前記記憶部6に記憶された電流範囲を外れると、前記カッター3が作動して前記印刷対象Pがその先端から離れた位置で切断され、前記搬送ローラ1と機械的に繋がらない状態となるので、利用者に引っ張られた影響を受けることによる過大な負荷状態を停止することができる。
【0013】
本発明にかかるプリンタ制御方法の最小構成例について、図2を参照して説明する。
この方法は、連続したシート状をなす印刷対象へプリンタヘッドにより印刷を施す前に、前記印刷対象の装置内での送りに要する電流を測定し、測定された電流から、電流の許容範囲を決定する工程SP1と、連続したシート状をなす印刷対象へプリンタヘッドにより印刷を施す際の引き出しに要する電流を測定する工程SP2と、測定された電流が前記電流の許容範囲に入るか否かを判定する工程SP3と、俯瞰電流が許容範囲にないと判定した場合に前記印刷対象を切断する工程SP4とを有する。
【0014】
上記構成によれば、印刷対象が利用者によって引っ張られた場合等にモータの電流が変化し、記憶部に記憶された電流範囲を外れると、印刷対象をその先端から離れた位置で切断し、搬送ローラ、およびこれを駆動する動力伝達系から切り離すことができるので、利用者に引っ張られた影響を受けることによる過大な負荷状態を停止することができる。
【0015】
本発明の一実施形態について図3、4を参照して説明する。
符号10はプリンタ本体(筐体)であって、このプリンタ本体10内には、印刷対象としてのレシートPがロール状に巻き取られた連続的なレシート用紙の状態で格納されている。
このレシートPは、搬送ローラ11と12との間に挟まれて前記ロール状の状態から巻き出され、前記プリンタ本体10内の所定の経路に沿って走行する。
前記プリンタ本体10の上部には、巻き取り状態のレシート用紙を交換のために取り出し、取り付けるために開閉可能に構成された蓋10aを備えている。該蓋10aは、例えば、図3の矢印で示すように回動することにより、プリンタ本体10の上面の一部を開閉可能に構成されている。
また前記プリンタ本体10の側部には、印刷されたレシートPをレシートとして排出すべく開口した排出口10bを備える。
【0016】
シートプリンタは、セルフレジスタの入力、読み取り部等の上位装置からのレシート発行指示に対し、レシートPの搬送/印字/カットの動作を行う。前記プリンタヘッド2は、前記レシートPの走行経路における前記搬送ローラ11、12の上流の位置で前記レシートPに接触することにより所定の文字、図形を印刷する。なお前記プリンタヘッド2の周辺部分の詳細な構成は、本発明との関係が薄いので、その説明を省略する。
前記搬送ローラ11を駆動するモータ13は、減速機14を備え、この減速機14を介して前記搬送ローラ11を所定の回転数で回転させる。なお図示例では、搬送ローラ11、12のうち一方の搬送ローラ11のみがモータ13によって駆動され、他方の搬送ローラ12は搬送ローラ11に接触して従動回転するものとする。また符号13で示すモータは、回転軸を備えたモータ本体の機械的構成部分とその駆動回路との両方を含む構成要素を示しているものとする。
前記搬送ローラ11を駆動するモータ13を制御するモータ制御部15は、レシート発行指示信号S1が入力されると、前記プリンタヘッド2、前記モータ13を制御して、レシートPを搬送ローラ11、12によってロール紙から巻き出しながらプリンタヘッド2を駆動し、所定の文字、図形等を印刷する。
【0017】
また、前記モータ13には、該モータ13の回転に伴う負荷による電流を検出する検出部16が接続され、この検出部16は、検出した電流を記憶部17に記憶させるとともに、判定部18に供給して、記憶部17の記憶データと比較させる。判定部18は、判定結果に応じて、カッター制御部19へカッター3を作動させる信号を供給する。
前記カッター3は、前記搬送ローラ11、12のさらに下流であって、前記排出口10bの上流の位置に配置されている。該カッター3は、前記レシートPの送り経路と交差する方向(図3の上下方向)へ動作することにより、該レシートPを所定の長さに切断する。また前記カッター3は、モータ20と、該モータ20から回転力を受ける減速機21により駆動されて、前記レシートPの搬送経路と交差する位置と当該位置から退避した位置との間で往復動可能であって、前記搬送経路と交差位置へ移動することにより、連続的に搬送されている前記レシートPを先端から処理の距離の位置で切断する。
【0018】
以上のように構成されたプリンタにあっては、下記の処理によってカッターを動作させて印刷、および、異常時のレシートPの切り離しを行う。
前記レシートPへ印刷してレシートとして発行する印刷および搬送動作において、前記モータ制御部15は、前記モータ13に電流を供給して回転させる。前記モータ13が回転すると、減速機14が所定の減速比で搬送ローラ11を回転させ、該搬送ローラ11とこれに接触する搬送ローラ12との間に挟まれたレシートPを図3の右方へ送り出し、さらに、排出口10bからプリンタ本体10の外部へ送り出す。
【0019】
一方、前記レシートの発行に伴う搬送動作に先だって、例えば、製品検査時、ロール紙交換時等の実施に際し、この時の電流状態を記憶部17に記憶させ、更に、記憶させた電流状態に対し、予め決定してある所定範囲の電流値を判定閾値(図4(a)参照)として前記記憶部17に記憶させる。なお、この記憶は、セルフレジスタ装置の運用者による入力操作により、あるいは、電流値を測定するための搬送ローラ11による搬送の終了の検出や蓋10aの操作の検出による記憶指示信号S2の記憶部17への入力により行われる。
該記憶部17に記憶された電流状態は、前記モータ制御部15から供給されたモータの出力電流と回転、停止に伴ってモータ13で発生した逆起電流とが重畳された電流となる。なお、この電流状態の記憶は、営業時間外に行われ、あるいは所定の時間間隔で行われる他、例えば、前記蓋10aを開閉する操作をマイクロスイッチ等によって検出し、この検出から所定時間内のモータ13の電流値を記憶することや、所定周期でプリンタが実行するクリーニング動作の際の電流値を記憶する等のタイミングで行われる。
【0020】
なお前記搬送ローラ11の駆動に際して前記モータ13を流れる電流は、例えば、レシートPの巻き取りが最も大きい使用開始の際のプリントの開始時、すなわち、停止した巻き取りロールをプリントに際して回し始めるべく大きな張力を与えて、レシートPの送り速度まで加速する迄が最も大きくなる。また、巻き取りロールが最大回転に達し、制動力(巻き取りロールが慣性力により回転して過巻き出しとなるいことを防止するための制動力)を受けながら前記搬送ローラ11に引っ張られる際に最も小さくなる。
また、搬送ローラ11、モータ13の軸受け等の精度や劣化等によるばらつきによっても変動し、さらには、搬送ローラ11、モータ13等に機械的、電気的に許容される過負荷の範囲があるから、予め測定された電流値にこれらの要因を加味して、増減が発生する可能性のある範囲を電流の許容範囲の閾値として設定することが望ましい。
【0021】
前記レシートPへ印刷しながらレシートを搬送して発行する動作が終了した後、前記モータ制御部15は、前記モータ13に電流を供給し、該モータ13を回転させる。またカッター制御部19からの指示により、前記モータ20が回転すると、前記減速機21も回転し、カッター3をレシートP(レシート)と交差する方向へ作動させて切断する。
【0022】
ここで、前記レシートPであるレシートPの搬送中であって、カッター3により切断されるより以前、より具体的には、プリンタヘッド2によるプリント中、および、プリントが終了した後、レシートPの先端が利用者による取り出し可能な(利用者が手指によって保持することが可能な)程度の長さだけ排出口10bから押し出された後にカッター3を作動させてレシートPの先端部分をそれより上流(巻き取り側)から切り離した段階では、利用者がレシートPの先端を保持して引っ張ると、その張力が上流のレシートPに伝わる。
すなわち、利用者がレシートPを引っ張った場合、その引っ張りによる負荷は、レシートP~搬送ローラ11、12~減速機14~モータ13~の順で加わる。そして、この負荷を受けた前記モータ13は、本来、モータ制御部15からの制御信号に基づいて駆動回路が発生した電流によって回転させるべき回転数とは異なる回転数で強制的に回転させられる。このようにして生じた回転数の異差は、モータ13内の磁束中を移動する導体の速度異差となる為、逆起電流の異差となってモータ13の駆動回路にも流れる。また、単にレシートPの先端が引っ張られて搬送ローラ11、12を強制的に回転させる場合のみならず、レシートPと搬送ローラ11、12との間のスリップ(レシートPの引っ張り操作のみならず、搬送ローラ11、12の摩耗や汚れによっても生じる)に起因する断続的な負荷電流の変化によっても前記電流の変化が生じる。
【0023】
前記モータ制御部15は、前記モータ13から常時供給される電流検出値を前記判定部18へ常時供給していることから、前記判定部18は、レシート搬送動作中に前記電流検出値を常時記憶部の記憶データと比較して上限あるいは下限の閾値の範囲にあるか否かを判定しており、閾値を越えたと判定した場合、カッター制御部19に対してカット指示を行う。このカット指示により、モータ20が回転し、減速機21を介してカッター3が作動して、印刷の進行状態の如何にかかわらず、印刷対象であるレシートを切断する。
【0024】
すなわち、図4(a)に示すような、予め記憶された、中心の波形から上下に所定の範囲の閾値の記憶データに対し、利用者がレシートを引っ張る等の操作によって、図4(b)に示すような、閾値の上限を超えるような電流が検出されると、判定部18の判定結果に基づいてカッター制御部19がカッター3を操作してレシートを切断し、前記操作による過負荷を防止することができる。
なお図4(a)(b)は、横軸を時間として電流値の変化を示すが、搬送ローラ11、12の回転数等から算出された送り量を横軸とするものであっても良い。
なお、図4(b)に示すような一時的な電流のピークは、例えば搬送ローラ11のスリップや外乱によるノイズ等によっても生じることがある。このような要因によるカッターの頻繁な動作は、プリンタの稼働率の低下の原因となることから、電流測定値を所定の時定数によって積分した値や平均値を取って閾値と比較しても良い。
【0025】
したがって、排出口10bから排出されているレシートの先端が利用者による保持され、内部の連続状態のレシートの張力に影響を与えるほどに負荷を与えられた場合には、前記レシートを切り離し、モータ13を構成する軸、軸受け等の機械部品や駆動回路の回路部品等がレシートへの負荷によって破損する現象を防止することができる。
なお、前記モータ13の電流の監視によれば、利用者によってレシートPが引っ張られた場合に限らず、前記モータ13、減速機14、搬送ローラ11、12の経年劣化によってモータ13の電流に異常が生じた場合にもこれを検出することが可能となる。
【0026】
なお、プリンタ本体10内における巻き取り、蓋、排出口の配置、プリンタヘッドおよびその前後のレシートの走行経路および経路に沿う案内ローラ等の配置が上記実施形態に限定されるものでないのはもちろんである。
【0027】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で変形して実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、プリンタおよびその制御法に利用することができる。
【符号の説明】
【0029】
1 ローラ
2 プリンタヘッド
3 カッター
4 モータ
5 測定部
6 記憶部
7 判定部
10 プリンタ本体(筐体)
10a 蓋
10b 排出口
11、12 搬送ローラ
13 モータ
14 減速機
15 モータ制御部
16 検出部
17 記憶部
18 判定部
19 カッター制御部
20 モータ
21 減速機
P 印刷対象(レシート)
【要約】
【課題】セルフレジスタにおけるプリント中のレシート引き出しによる装置の故障を防止する技術に関する。
【解決手段】連続したシート状をなす印刷対象Pを搬送ローラ1により引き出しながらプリンタヘッド2により印刷し、印刷された印刷対象をカッター3により切断するプリンタであって、前記搬送ローラ1を駆動するモータ4の電流を測定する測定部5と、前記印刷対象Pを引き出しながらプリントする際に前記測定部5に測定された電流に基づいて定められた許容電流値を記憶する記憶部6と、前記測定部5に測定された電流を前記記憶部6に記憶された許容電流値と比較し、許容電流値を超える場合に前記カッター3を作動させて前記印刷対象Pを引き出し方向の先端から所定長さ離れた位置で切断する判定部7とを有する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4