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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-18
(54)【発明の名称】構造化された単位用量洗浄生成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 17/04 20060101AFI20230511BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20230511BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20230511BHJP
   C11D 1/22 20060101ALI20230511BHJP
   C11D 1/14 20060101ALI20230511BHJP
   C11D 1/12 20060101ALI20230511BHJP
   C11D 1/29 20060101ALI20230511BHJP
   C11D 1/83 20060101ALI20230511BHJP
   C11D 3/50 20060101ALI20230511BHJP
   C11D 3/386 20060101ALI20230511BHJP
   C11D 3/26 20060101ALI20230511BHJP
   C11D 3/40 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
C11D17/04
C11D3/20
C11D3/37
C11D1/22
C11D1/14
C11D1/12
C11D1/29
C11D1/83
C11D3/50
C11D3/386
C11D3/26
C11D3/40
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020519430
(86)(22)【出願日】2018-10-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-17
(86)【国際出願番号】 US2018054681
(87)【国際公開番号】W WO2019071174
(87)【国際公開日】2019-04-11
【審査請求日】2021-09-24
(31)【優先権主張番号】62/568,446
(32)【優先日】2017-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506347528
【氏名又は名称】ルブリゾル アドバンスド マテリアルズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ズー, ユンペン
(72)【発明者】
【氏名】ネルソン, アンドリュー ポール
(72)【発明者】
【氏名】シュー, フェン-ルン ゴードン
(72)【発明者】
【氏名】リベラ, クリスティア エー.
(72)【発明者】
【氏名】タマレセルビー, クリシュナン
(72)【発明者】
【氏名】リ, シナン
(72)【発明者】
【氏名】ペハー, デビッド マイケル
(72)【発明者】
【氏名】カールソン, ジェス
(72)【発明者】
【氏名】ジャクソン, トレバー エル.
(72)【発明者】
【氏名】カーボン, スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ルッソ, ゲイリー エー.
(72)【発明者】
【氏名】ウーラン, ジョン
【審査官】小久保 敦規
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-525881(JP,A)
【文献】特表2004-510838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00 - 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造化された単位用量溶解性物品であって、
a.洗浄組成物と、
b.構造化剤組成物であって、
i.C~C30脂肪酸またはそれらの混合物と、
ii.少なくとも1つの水溶性または水分散性ポリマーであって、ここで、前記水溶性または水分散性ポリマーが、
エチレンオキシド-プロピレンオキシド-ブチレンオキシドブロックコポリマー、
置換オリゴまたは多糖類であって、前記置換基が、ポリ(エチレン)グリコール、ポリ(ビニル)アルコール、ポリ(ビニル)ピロリドン、ポリ(アクリルアミド)、またはそれらの組み合わせから誘導される、置換オリゴまたは多糖類、および
エチレンオキシドから誘導される2~1000単位を有するポリエチレングリコールメチルグルコースポリマー
のうちの少なくとも1つから選択される、水溶性または水分散性ポリマーと、
を含む、構造化剤組成物と、
を含む、構造化された単位用量溶解性物品。
【請求項2】
前記脂肪酸が、オレイン酸、デカン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の構造化された単位用量溶解性物品。
【請求項3】
前記水溶性または水分散性ポリマーが、エチレンオキシドから誘導される2~1000単位を有するポリエチレングリコールメチルグルコースポリマーであり、そして前記ポリエチレングリコールメチルグルコースポリマーが、ジ-C~C12アルキルC~C60脂肪酸でさらにエステル化されている、請求項に記載の構造化された単位用量溶解性物品。
【請求項4】
前記洗浄組成物が、直鎖または分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルファオレフィンスルホン酸塩、およびそれらの組み合わせを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の構造化された単位用量溶解性物品。
【請求項5】
前記洗浄組成物が非イオン性界面活性剤を含む、求項1から4のいずれか1項に記載の構造化された単位用量溶解性物品。
【請求項6】
前記洗浄組成物が、アルカリ水酸化物、アミン、アルカノールアミン、およびそれらの混合物を含む、求項1から5のいずれか1項に記載の構造化された単位用量溶解性物品。
【請求項7】
ヒドロトロープ、香料、顔料、酵素、尿素、グリセリン、ポリアクリレートポリマー、高分子キレート化剤、粘土、天然ゴムさらに含む、求項1から6のいずれか1項に記載の構造化された単位用量溶解性物品。
【請求項8】
前記ヒドロトロープがアニオン性界面活性剤である、請求項7に記載の構造化された単位用量溶解性物品。
【請求項9】
構造化された単位用量溶解性物品を調製するプロセスであって、
a.
i.洗浄組成物を、
ii.構造化剤組成物であって、
1.C~C24脂肪酸またはそれらの混合物と、
2.エチレンオキシド-プロピレンオキシド-ブチレンオキシドブロックコポリマー、
置換オリゴまたは多糖類であって、前記置換基が、ポリ(エチレン)グリコール、ポリ(ビニル)アルコール、ポリ(ビニル)ピロリドン、ポリ(アクリルアミド)、またはそれらの組み合わせから誘導される、置換オリゴまたは多糖類、または
エチレンオキシドから誘導される2~1000単位を有するポリエチレングリコールメチルグルコースポリマーと、
を含む、構造化剤組成物と混合することと、
b.前記混合物から前記構造化された単位用量溶解性物品を形成することと、を含む、プロセス。
【請求項10】
前記形成するステップが、前記混合物を成形することを含む、請求項に記載のプロセス。
【請求項11】
前記成形することが、真空成形、射出成形、または圧縮成形である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項12】
前記形成するステップが、前記混合物を形作ることを含む、請求項に記載のプロセス。
【請求項13】
前記形作ることが3D印刷を含む、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
前記形作ることが、表面上に少量の前記混合物を設定することと、前記混合物を乾燥および硬化させることと、前記硬化した混合物を所望の形状に形作ることと、を含む、請求項12に記載のプロセス。
【請求項15】
前記形成するステップが、前記混合物を押出することを含む、請求項に記載のプロセス。
【請求項16】
前記形成ステップが、前記混合物をダイカットすることを含む、請求項に記載のプロセス。
【請求項17】
前記構造化された単位用量溶解性物品が、コーティングでさらに被覆される、請求項16のいずれかに記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
開示される技術は、フィルムパッケージを使用しない単位用量洗浄製品のための製剤に関するものであり、フィルムパッケージは、基本洗浄組成物と、構造化剤と、を含む。
【0002】
洗浄市場には、効果的な洗浄剤でもある、便利で魅力的な製品を消費者に提供する多くの革新が存在する。近年、ポッド洗剤などの単位用量洗浄製品が消費者から大きな注目を集めている。単位用量ポッド製品は、水溶性の改善、取り扱いの改善、ほこりおよび微粒子の減少、破砕性の点で、従来の単位用量洗剤錠剤よりも利点を発揮する。ポッド洗浄製品は、洗浄組成物が詰められた袋を使用する。袋は、水にさらされると高い粘度を有する水溶性フィルムで作製される。
【0003】
ポッド洗浄製品は、色彩豊かで、子供の興味を引く場合があり、子供がポッドをおもちゃまたはキャンディーと間違えて遊ぶ、またはポッドを食べてしまうことさえある。ポッド内の高濃度の液体洗剤と、ポッドが包まれている粘着フィルムとのために、幼児が、目のやけどおよび窒息に苦しんだことが報告されている。より安全な製品が必要とされる。
【0004】
さらに、ポッド洗剤の製造により、不良に包装されたポッドから高レベルの廃棄物が発生し、洗剤の漏れが生じるか、または再使用することができないポッドから過剰な量のフィルムが取り除かれる。
【0005】
また、ポッド洗剤は、一定の容量を有し、消費者は、洗剤の使用量を制御することができない。
【0006】
新しい単位用量洗浄製品が必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、開示される技術は、フィルムでの包装を必要としない単位用量製剤を提供することによって、安全性、廃棄物、および制御の問題を解決する。
【0008】
開示される技術の一態様は、構造化された単位用量溶解性物品を対象とする。構造化された単位用量溶解性物品は、洗浄組成物と、構造化剤組成物と、を含有する。
【0009】
一実施形態では、構造化剤組成物は、C~C30脂肪酸またはそれらの混合物と、少なくとも1つの水溶性または水分散性ポリマーと、を含む。
【0010】
一実施形態では、水溶性または水分散性ポリマーは、例えば、ポリ(エチレン)グリコールなどのポリ(アルキレン)グリコールから誘導されたモノマー単位を含むポリマーであり得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、水溶性または水分散性ポリマーは、約200~約1,000,000の数平均分子量を有するポリエチレングリコールポリマーであり得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、水溶性または水分散性ポリマーは、エチレンオキシド-プロピレンオキシド-ブチレンオキシドブロックコポリマーであり得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、水溶性または水分散性ポリマーは、置換オリゴまたは多糖類であり得、置換基は、ポリ(エチレン)グリコールから誘導される。
【0014】
いくつかの実施形態では、水溶性または水分散性ポリマーは、ポリ(ビニル)アルコール、ポリ(ビニル)ピロリドン、ポリ(アクリルアミド)、またはそれらの組み合わせであり得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、水溶性または水分散性ポリマーは、例えば、メチルグルコース1モル当たり2~1000モルのポリエチレングリコールを有するポリエチレングリコールメチルグルコースポリマーなどのアルコキシ化ポリオールポリマーであり得る。いくつかの実施形態では、アルコキシ化ポリオールポリマーは、さらに、モノ-またはジ-アルキルC~C60脂肪酸などの親油性試薬で誘導体化することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、水溶性または水分散性ポリマーは、ポリエチレングリコールベースのポリウレタンであり得る。実施形態では、ポリウレタンは、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリブタジエンポリオールおよびそれらの混合物から誘導される単位、ならびにエンドキャップされたポリウレタンをさらに含む。
【0017】
開示される技術の別の態様は、洗浄組成物を構造化剤組成物と混合し、混合物を構造化された単位用量溶解性物品に形成することによって構造化された単位用量溶解性物品を調製するプロセスを含む。
【0018】
一実施形態では、構造化された単位用量溶解性物品は、例えば、真空成形、射出成形、または圧縮成形など、混合物を成形することによって形成することができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、構造化された単位用量溶解性物品を形成することは、3D印刷などにより混合物を形作るか、または表面上に小量の混合物を従来通りに形作り、混合物を乾燥および硬化させ、硬化した混合物を所望の形状に形作ることによって行われ得る。
【0020】
実施形態では、構造化された単位用量溶解性物品は、混合物を所望の形状に押出することによって、または混合物をダイカットすることによって形成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】成形構造化された単位用量溶解性物品の例を提供する。
図2】分配カップ内の構造化された単位用量溶解性物品の例を提供する。
図3】所与の長さで穿孔されるか、または何らかの方法で弱化された連続ストリップの例を提供する。
図4】構造化された単位用量溶解性物品のクイックリリースフォームの例を提供する。
図5】ツイストおよびプッシュ投与機構の形態の構造化された単位用量溶解性物品を提供する/
図6】プラスチック浴槽、プラスチック袋、段ボール箱など、構造化された単位用量溶解性物品のための例示的な容器を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
様々な好ましい特徴および実施形態が、非限定的な例示として以下に説明される。
【0023】
本開示の一態様は、水性媒体と接触すると溶解して、洗浄組成物を媒体に送達する物品である。構造化された単位用量溶解性物品は、洗浄組成物と、組成物を物品に構造化することを可能にする構造化剤組成物と、を含む。
【0024】
一般に、洗浄組成物は、当技術分野において既知であり、本明細書では特に限定されない。基本洗浄組成物は、例えば、洗浄性界面活性剤組成物を含む。洗浄組成物を製剤するために利用される洗浄性界面活性剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、およびそれらの混合物が挙げられ得る。
【0025】
アニオン性界面活性剤の非限定的な例は、McCutcheon´s Detergents and Emulsifiers, North American Edition, 1998, published by Allured Publishing Corporation、およびMcCutcheon´s, Functional Materials, North American Edition (1992)に開示され、両方ともその全体が参照により本明細書に組み込まれる。アニオン性界面活性剤は、水性界面活性剤組成物の技術分野において既知であるか、または既に使用されているアニオン性界面活性剤のいずれであり得る。好適なアニオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルカリールスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、アルキルアミドスルホン酸塩、アルカリールポリエーテル硫酸塩、アルキルアミドエーテル硫酸塩、アルキルモノグリセリルエーテル硫酸塩、アルキルモノグリセリド硫酸塩、アルキルモノグリセリドスルホン酸塩、アルキルコハク酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホスクシナメート、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、アルキルアミドスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルアミドエーテルカルボン酸塩、N-アルキルアミノ酸、N-アシルアミノ酸、アルキルペプチド、N-アシルタウレート、アルキルイセチオネート、カルボン酸塩(アシル基は脂肪酸から誘導される)、ならびにアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アミン、およびそれらのトリエタノールアミン塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
一態様では、前述の塩のカチオン部分は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アンモニウム、モノ-、ジ-、およびトリ-エタノールアミン塩、ならびにモノ-、ジ-、およびトリ-イソプロピルアミン塩から選択される。前述の界面活性剤のアルキルおよびアシル基は、一態様では約6~約24個の炭素原子、別の態様では8~22個の炭素原子、さらなる態様では約12~18個の炭素原子を含み、飽和または不飽和であり得る。界面活性剤のアリール基は、フェニルまたはベンジルから選択される。上記のエーテル含有界面活性剤は、一態様では界面活性剤分子当たり1~20個のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド単位を含有することができ、別の態様では界面活性剤分子当たり1~10個、1~6個、または1~3個のエチレンオキシド単位を含有することができる。
【0027】
好適なアニオン性界面活性剤の例として、1、2、3、4、または5モルのエチレンオキシドでエトキシ化された、ラウレス硫酸、トリデセス硫酸、ミレス硫酸、C12~C13パレス硫酸、C12~C14パレス硫酸、およびC12~C15パレス硫酸のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、およびアンモニウム塩;ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、アンモニウム、およびトリエタノールアミンラウリル硫酸、ココ硫酸、トリデシル硫酸、ミリスチル硫酸、セチル硫酸、セテアリル硫酸、ステアリル硫酸、オレイル硫酸、および獣脂硫酸、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、スルホコハク酸ラウレス二ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、C12~C14オレフィンスルホン酸ナトリウム、ラウレス-6カルボン酸ナトリウム、ココイルメチルタウリンナトリウム、ココイルグリシン酸ナトリウム、ミリスチルサルコシンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ココイルサルコシン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸ナトリウム、リン酸ミリスストイルグルタミン酸、リン酸トリエタノールアミンモノラウリル、ならびに脂肪酸石鹸(6~30個、または8~24個の炭素原子を含有する飽和および不飽和脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、およびトリエタノールアミン塩を含む)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0028】
本明細書で使用する場合、「両性界面活性剤」という用語は、両性界面活性剤のサブセットとして当業者に公知の双性イオン界面活性剤を包含することも意図している。両性界面活性剤の非限定的な例は、McCutcheon´s Detergents and Emulsifiers, North American Edition(上記)、およびMcCutcheon´s, Functional Materials, North American Edition(上記)に開示され、両方ともその全体が参照により本明細書に組み込まれる。好適な例としては、アミノ酸(例えば、N-アルキルアミノ酸およびN-アシルアミノ酸)、ベタイン、スルタイン、およびアルキルアンフォカルボキシレートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
本発明の実施に好適なアミノ酸ベースの界面活性剤は、下式によって表される界面活性剤を含む。
【化1】

式中、Rは、10~22個の炭素原子を有する飽和もしくは不飽和炭化水素基、または9~30個の炭素原子を有する飽和もしくは不飽和炭化水素基を表し、Yは水素またはメチルであり、Zは、水素、-CH、-CH(CH、-CHCH(CH、-CH(CH)CHCH、-CH、-CHOH、-CHOH、-CH(OH)CH、-(CHNH、-(CHNHC(NH)NH、-CHC(O)O、および-(CHC(O)Oから選択される。Mは、アミン、アルカノールアミン、またはモノ-もしくはポリ-アルキレンアミンなどの塩形成カチオンである。一態様では、Rは、直鎖または分枝鎖C10~C22アルキル基、直鎖または分枝鎖C10~C22アルケニル基、RC(O)-によって表されるアシル基から選択されるラジカルを表し、Rは、直鎖または分枝鎖C~C22アルキル基、直鎖または分枝鎖C~C22アルケニル基から選択される。一態様では、Mは、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、およびトリエタノールアミン(TEA)から選択されるカチオンである。
【0030】
アミノ酸界面活性剤としては、例えば、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、イソロイシン、ロイシン、リジン、フェニルアラニン、セリン、チロシン、およびバリンなどのα-アミノ酸のアルキル化およびアシル化から誘導することができる。代表的なN-アシルアミノ酸界面活性剤としては、N-アシル化グルタミン酸のモノ-およびジ-カルボン酸塩(例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、およびTEA)、例えば、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、パルミトイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルグルタミン酸カリウム、およびミリストイルグルタミン酸カリウム;N-アシル化アラニンのカルボン酸塩(例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、およびTEA)、例えば、ココイルアラニン酸ナトリウム、およびラウロイルアラニン酸TEA)、N-アシル化グリシンのカルボン酸塩(例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、およびTEA)(例えば、ココイルグリシン酸ナトリウム、ココイルグリシン酸カリウム;N-アシル化サルコシンのカルボン酸塩(例、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、およびTEA)、例えば、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ココイルサルコシン酸ナトリウム、ミリストイルサルコシン酸ナトリウム、オレオイルサルコシン酸ナトリウム、およびラウロイルサルコシン酸アンモニウム、ならびに前述の界面活性剤の混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0031】
本発明において有用なベタインおよびスルタインは、アルキルベタイン、アルキルアミノベタイン、およびアルキルアミドベタイン、ならびに式によって表される対応するスルホベタイン(スルタイン)から選択され、
【化2】

式中、Rは、C~C22アルキルまたはアルケニル基であり、各Rは独立してC~Cアルキル基であり、RはC~Cアルキレン基またはヒドロキシ置換C~Cアルキレン基であり、nは2~6の整数であり、Aはカルボキシレートまたはスルホネート基であり、Mは塩形成カチオンである。一態様では、Rは、C11~C18アルキル基またはC11~C18アルケニル基である。一態様では、Rはメチルである。一態様では、Rは、メチレン、エチレン、またはヒドロキシプロピレンである。一態様では、nは3である。さらなる態様では、Mは、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アンモニウム、ならびにモノ-、ジ-、およびトリ-エタノールアミンカチオンから選択される。
【0032】
好適なベタインの例としては、ラウリルベタイン、ココベタイン、オレイルベタイン、ココヘキサデシルジメチルベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、ココアミドプロピルベタイン(CAPB)、およびコカミドプロピルヒドロキシスルタインが挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
アルキルアンフォアセテートおよびアルキルアンフォプロピオネートなどのアルキルアンフォカルボキシレート(一置換および二置換カルボキシレート)は、次の式によって表すことができる。
【化3】

式中、Rは、C~C22アルキルまたはアルケニル基であり、Rは、-CHC(O)O、-CHCHC(O)O、または-CHCH(OH)CHSO 、Rは、水素または-CHC(O)Oであり、Mは、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アンモニウム、ならびにモノ-、ジ-およびトリ-エタノールアミンから選択されるカチオンである。
【0034】
例示的なアルキルアンフォカルボキシレートとしては、ココアンフォ酢酸ナトリウム、ラウロアンフォ酢酸ナトリウム、カプリロアンフォ酢酸ナトリウム、ココアンフォ二酢酸二ナトリウム、ラウロアンフォ二酢酸二ナトリウム、カプリルアンフォ二酢酸二ナトリウム、カプリロアンフォ二酢酸二ナトリウム、ココアンフォ二プロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンフォ二プロピオン酸二ナトリウム、カプリルアンフォ二プロピオン酸二ナトリウム、およびカプリロアンフォ二プロピオン酸二ナトリウムが挙げられるが、それらに限定されない。
【0035】
非イオン性界面活性剤の非限定的な例は、McCutcheon´s Detergents and Emulsifiers, North American Edition, 1998(上記)、およびMcCutcheon´s, Functional Materials, North American(上記)に開示され、両方ともその全体が参照により本明細書に組み込まれる。非イオン性界面活性剤の追加の例は、Barratらの米国特許第4,285,841号、およびLeikhimらの米国特許第4,284,532号に記載されており、両方ともその全体が参照により本明細書に組み込まれる。非イオン性界面活性剤は、典型的には、長鎖アルキル基またはアルキル化アリール基などの疎水性部分と、様々な程度のエトキシ化および/またはプロポキシ化(例えば、1~約50)エトキシおよび/またはプロポキシ部分を含む親水性部分と、を有する。使用することができる非イオン性界面活性剤のいくつかのクラスの例としては、エトキシ化アルキルフェノール、エトキシ化およびプロポキシ化脂肪アルコール、メチルグルコースのポリエチレングリコールエーテル、ソルビトールのポリエチレングリコールエーテル、エチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマー、脂肪酸のエトキシ化エステル、エチレンオキシドと長鎖アミンまたはアミドとの縮合生成物、エチレンオキシドとアルコールとの縮合生成物、ならびにそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0036】
好適な非イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル多糖類、アルコールエトキシレート、ブロックコポリマー、ヒマシ油エトキシレート、セト/オレイルアルコールエトキシレート、セテアリルアルコールエトキシレート、デシルアルコールエトキシレート、ジノニルフェノールエトキシレート、ドデシルフェノールエトキシレート、エンドキャップされたエトキシレート、エーテルアミン誘導体、エトキシ化アルカノールアミド、エチレングリコールエステル、脂肪酸アルカノールアミド、脂肪アルコールアルコキシレート、ラウリルアルコールエトキシレート、モノ分岐鎖アルコールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、オクチルフェノールエトキシレート、オレイルアミンエトキシレート、ランダムコポリマーアルコキシレート、ソルビタンエステルエトキシレート、ステアリン酸エトキシレート、ステアリルアミンエトキシレート、獣脂油脂肪酸エトキシレート、獣脂アミンエトキシレート、トリデカノールエトキシレート、アセチレンジオール、ポリオキシエチレンソルビトール、およびそれらの混合物が挙げられる。好適な非イオン性界面活性剤の様々な具体例としては、メチルグルセス-10、PEG-20メチルグルコースジステアレート、PEG-20メチルグルコースセスキステアレート、セテス-8、セテス-12、ドドキシノール-12、ラウレス-15、PEG-20ヒマシ油、ポリソルベート20、ステアレス-20、ポリオキシエチレン-10セチルエーテル、ポリオキシエチレン-10ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン-20セチルエーテル、ポリオキシエチレン-10オレイルエーテル、ポリオキシエチレン-20オレイルエーテル、エトキシ化ノニルフェノール、エトキシ化オクチルフェノール、エトキシ化ドデシルフェノール、またはエトキシ化脂肪(C~C22)アルコール(3~20個のエチレンオキシド部分を含む)、ポリオキシエチレン-20イソヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレン-23グリセロールラウレート、ポリオキシエチレン-20ステアリン酸グリセリル、PPG-10メチルグルコースエーテル、PPG-20メチルグルコースエーテル、ポリオキシエチレン-20ソルビタンモノエステル、ポリオキシエチレン-80ヒマシ油、ポリオキシエチレン-15トリデシルエーテル、ポリオキシエチレン-6トリデシルエーテル、ラウレス-2、ラウレス-3、ラウレス-4、PEG-3ヒマシ油、PEG600ジオレエート、PEG400ジオレエート、ポロキサマー188などのポロキサマー、ポリソルベート21、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート61、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリソルベート81、ポリソルベート85、ソルビタンカプリレート、ソルビタンココエート、ソルビタンジイソステアレート、ソルビタンジオレエート、ソルビタンジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタンイソステアレート、ソルビタンラウレート、ソルビタンオレアート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンセスキイソステアレート、ソルビタンセスキオレアート、ソルビタンセスキステアラート、ソルビタンステアレート、ソルビタントリイソステアレート、ソルビタントリオレアート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンウンデシレネート、またはそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0037】
アルキルグリコシド非イオン性界面活性剤も用いることができ、一般に、単糖類、または単糖類に加水分解可能な化合物を、酸性媒体中の脂肪アルコールなどのアルコールと反応させることによって調製される。例えば、米国特許第5,527,892号および第5,770,543号は、アルキルグリコシドおよび/またはそれらの調製方法を記載している。好適な例は、Glucopon(商標)220、225、425、600、および625、PLANTACARE(登録商標)、およびPLANTAPON(登録商標)の名称で市販されており、これらは全てペンシルバニア州アンブラーのCognis Corporationから入手可能である。
【0038】
別の態様では、非イオン性界面活性剤としては、例えば、メチルグルセス-10、メチルグルセス-20、PPG-10メチルグルコースエーテル、およびPPG-20メチルグルコースエーテル(それぞれGlucam(登録商標)E10、Glucam(登録商標)E20、Glucam(登録商標)P10、およびGlucam(登録商標)P20の商品名でLubrizol Advanced Materials、Inc.から入手可能である)などのアルコキシ化メチルグルコシドが挙げられるが、これらに限定されない。疎水変性アルコキシ化メチルグルコシド、例えば、PEG-120メチルグルコースジオレエート、PEG-120メチルグルコーストリオレエート、およびPEG-20メチルグルコースセスキステアレート(それぞれ商品名Glucamate(登録商標)DOE-120、Glucamate(商標)LT、およびGlucamate(商標)SSE-20の商品名でLubrizol Advanced Materials、Inc.から入手可能である)などもまた好適である。他の例示的な疎水変性アルコキシ化メチルグルコシドは、米国特許第6,573,375号および第6,727,357号に開示されており、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0039】
他の有用な非イオン性界面活性剤としては、PEG-10ジメチコン、PEG-12ジメチコン、PEG-14ジメチコン、PEG-17ジメチコン、PPG-12ジメチコン、およびPPG-17ジメチコンなどの水溶性シリコーン、ならびにBis-PEG/PPG-20/20ジメチコンビス-PEG/PPG-16/16PEG/PPG-16/16ジメチコン、PEG/PPG-14/4ジメチコン、PEG/PPG-20/20ジメチコン、PEG/PPG-20/23ジメチコン、およびペルフルオロノニルエチルカルボキシデシルPEG-10ジメチコンなどのそれらの誘導体化/官能化形態が挙げられる。
【0040】
構造化された単位用量溶解性物品を製剤するのに利用される界面活性剤の総量(活性重量基準)は、製剤の最終目的に依存する。
【0041】
一実施形態では、構造化された単位用量溶解性物品は、例えば、水などの溶媒の体積で単位用量を溶解することによって、家庭用または硬質表面用洗浄剤を調製する際の濃縮物として使用することができる。家庭用または硬質表面用洗浄剤の場合、構造化された単位用量溶解性物品は、家庭用または硬質表面用洗浄剤の総重量に基づいて、約0.25重量%~約10重量%、約0.5重量%~約9重量%、または1もしくは2重量%~約8重量%の総界面活性剤を家庭用または硬質表面用洗浄剤製剤に提供するのに十分な界面活性剤を含有するべきである。
【0042】
別の実施形態では、構造化された単位用量溶解性物品は、洗濯または食器洗浄用途における錠剤またはポッドとして使用することができる。食器洗浄用途としては、手洗い用食器製剤および自動洗い用食器製剤の両方が挙げられ得る。そのような洗濯および食器の用途では、総界面活性剤は、構造化された単位用量溶解性物品の総組成物の重量に基づいて、約1~約75重量%、または約5~約70重量%、またはさらに10~65重量%、または約20~約60重量%の範囲であり得る。
【0043】
構造化された単位用量溶解性物品は、構造化剤組成物も含む。構造化剤組成物は、構造化された単位用量溶解性物品に構造を提供し、脂肪酸またはその混合物、および少なくとも1つの水溶性もしくは水分散性ポリマーまたはその混合物を含む。
【0044】
脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、デカン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、またはそれらの組み合わせなどのC~C30脂肪酸が挙げられ得る。
【0045】
構造化された単位用量溶解性物品を製剤するのに利用されるC~C30脂肪酸の量(活性重量基準)は、約3~約40重量%、またはさらに約5~約30重量%、いくつかの実施形態では、約6~約25重量%、またはさらに約8~約20重量%、または約10~約15重量%の範囲であり得る。
【0046】
水溶性または水分散性ポリマーは、例えば、親水コロイドポリマー、ポリ(アルキレン)グリコール含有ポリマー、ポリ(ビニル)アルコール含有ポリマー、ポリ(ビニル)ピロリドン含有ポリマー、ポリ(アクリルアミド)含有ポリマー、ポリ(ウレタン)含有ポリマー、ならびにそれらの誘導体および組み合わせであり得る。
【0047】
水溶性または水分散性ポリマーは、例えば、親水コロイドポリマーであり得る。親水コロイドポリマーは、一般に水性製剤を増粘またはゲル化するのを補助する多数のヒドロキシル基を含有する親水性ポリマーである。親水コロイドポリマーは、植物、動物、微生物、または合成起源のものであり得、例えば、デンプン、セルロース、ゼラチン、アルギン酸塩、キサンタン、カッシアガムなどを含み、かつそれらの誘導体を含む、単糖またはオリゴ糖、多糖などの天然の水溶性および水膨潤性ポリマーを含むことができる。
【0048】
ポリ(アルキレン)グリコールから誘導された単位を含有するポリマーは、水溶性または水分散性ポリマーとして使用され得る。ポリ(アルキレン)グリコール単位は、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、またはそれらの混合物であり得るが、ポリエチレングリコール誘導単位を含有するポリマーが特に好ましい。
【0049】
一実施形態では、水溶性または水分散性ポリマーは、ポリエチレングリコール標準を用いたGPCによって測定されるとき、約200~約1,000,000の数平均分子量(「Mn」)を有するポリエチレングリコールポリマーであり得るが、約500~約750,000、または約1000~約500,000、またはさらに約1750~約125,000、または約2000~約50,000、またはさらに2500~約25,000、または約3000~約10,0000のポリエチレングリコールポリマーも使用され得る。
【0050】
水溶性または水分散性ポリマーはまた、ポリ(アルキレン)グリコール単位を含有するブロックコポリマーであり得る。例えば、一態様では、約2~約2000の、別の態様では約5~約1000の、およびさらなる態様では約10~約500のエチレン、プロピレン、および/またはブチレンオキシド単位を含有するポリマーが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、および/またはブチレンオキシド単位のランダムもしくはブロック配列で配置される。
【0051】
水溶性または水分散性ポリマーはまた、置換ポリオールであり得る。
【0052】
置換ポリオールでの使用に好適なポリオールは、分子当たり3個以上のヒドロキシル基を有し、かつ以下に記載する置換試薬と反応する任意の化合物を含む。一般的な例としては、グリセロール、ポリグリセロール、糖アルコール(例、ソルビトールまたはソルビタン)、およびオリゴ糖(2~10の単糖単位を有する糖ポリマー)または多糖(11~250単位、または11~200、または11~150単位などの、10を超える単糖単位を有する糖ポリマー)が挙げられる。オリゴ糖および多糖が誘導され得る単糖としては、例えば、グルコース、フルクトース、マンノース、およびガラクトースが挙げられる。特定のオリゴ糖の例としては、スクロース、マルトース、およびラクトースが挙げられる。多糖類としては、例えば、デンプンおよびセルロースが挙げられる。最もよく使用される糖類基は、多くの場合、グルコースまたはガラクトースである。一実施形態では、多糖としては、ポリグルコースポリマーが挙げられる。
【0053】
ポリオールのさらなる例としては、トリメチロールエタン[2-メチル-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール]、トリメチロールプロパン[2-エチル-2-(ヒドロキシ-メチル)-1,3-プロパンジオール]、ペンタエリスリトール(2,2-ジメチロール-1,3-プロパンジオール)、ジグリセロール(グリセロール二量体)、ジペンタエリスリトール、グリセロールなどが挙げられるが、これらに限定されない。ポリオールはまた、例えば、グルコース誘導体(例えば、グルコシド、ガラクトシド、単糖、オリゴ糖(分子およびスクロース当たり約10~99までの糖繰り返し単位を有する)が挙げられるがこれらに限定されないグリコシド)であり得る。さらなるポリオール材料としては、グルコシド(例えば、メチルグルコシド、エチルグルコシド、プロピルグルコシド、ブチルグルコシド、およびアミルグルコシドが挙げられるがこれらに限定されないアルキルグルコシド)が挙げられるが、これに限定されない。そのようなポリオールは市販されている。
【0054】
置換ポリオールの置換基は、例えば、ポリ(アルキレン)グリコール(ポリエチレングリコールなど)、およびポリマー(ポリ(ビニル)アルコール、ポリ(ビニル)ピロリドン、ポリ(アクリルアミド)、またはそれらの組み合わせなど)から誘導することができる。
【0055】
一実施形態では、置換基はポリ(アルキレン)グリコールから誘導される。前述のポリオールをアルコキシ化するための好適な試薬としては、アルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、およびそれらの混合物)が挙げられるが、これに限定されない。高級アルキレンオキシドを含むがこれに限定されない他のアルコキシ化試薬も使用することができる。多数のアルキレンオキシドは、市販されており、ポリオールのアルコキシ化に使用するのに好適であるだろう。アルコキシ化の量は、典型的には、ポリオール1モル当たり約10~約1000、または約20~約500、さらには約30~約300モルのアルキレンオキシドである。ここで、ならびに本明細書および請求項の他の場所で、個々の数値または限界値は、組み合わせて、追加の非開示および/または非記載の範囲を形成することができる。例えば、直接アルコキシ化によってポリオールをアルコキシ化するための方法は、当業者には既知であり、そのような詳細な考察は、本明細書では簡潔にするために省略する。一実施形態では、置換基は、エチレンオキシドから誘導することができる。
【0056】
一実施形態では、置換ポリオールは、例えば、メチルグルコース1モル当たり約2~約1000モルのポリエチレングリコールを有するポリエチレングリコールメチルグルコースポリマーなどのアルコキシ化糖類であり得る。
【0057】
置換ポリオールは、さらに親油性試薬で誘導体化され、および/または架橋剤で架橋され得る。ポリオールを誘導体化するのに好適な親油性試薬は、分子当たり約6~約30個、または約12~約26個、またはさらには約16~約22個の炭素原子を有する炭化水素または置換炭化水素部分を含むことができる。親油性試薬の特定の構造は重要ではなく、例えば、アルキル、アリール、アルキルアリール、アルケニルであり得、環状、分岐状、または直鎖状であり得る。典型的には、親油性試薬は、脂肪酸、脂肪エステル、エポキシド、ハロゲン化物グリシジルエーテル、または植物油もしくは動物油である。試薬は、典型的には、ポリオールへのエステル結合またはエーテル結合を提供する。別の言い方をすれば、例えば、グルコース誘導体の場合、エーテルまたはエステルは、典型的には、ポリオキシアルキレン鎖を介して間接的にグルコース誘導体に結合している。好適な脂肪酸親油性試薬の例としては、直鎖または分岐鎖である天然または合成の飽和または不飽和酸が挙げられ得る。脂肪酸は、単独でまたは混合物として使用することができる。天然脂肪酸としては、例えば、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、オレイン酸、カプリン酸、およびウンデカン酸などの飽和または不飽和直鎖脂肪酸が挙げられ、これは、典型的には、ココナッツ油、パーム油、獣脂、アマニ油、ヒマシ油、トール油、および大豆油などの植物油および動物油を加水分解することによって得られる。合成脂肪酸の例としては、オレフィンポリマーを酸化することによって調製された直鎖または分岐脂肪酸が挙げられる。例えば、γ-リノレン酸などの微生物から誘導される脂肪酸を使用することも可能である。また、脂肪酸の低級アルキルエステルとしては、上記脂肪酸のメチルエステル、エチルエステル、またはプロピルエステルなどの1~8個の炭素原子を有するアルキルエステルを使用することができる。他の好適な親油性試薬の例としては、グリシジルエーテル(例えば、ノニルフェニルグリシジルエーテルまたはドデシルフェニルグリシジルエーテル)、α-オレフィンエポキシド(例えば、1,2-エポキシヘキサデカンおよびそれらのそれぞれのクロロヒドリン)、またはハロゲン化アルキル(例えば、ドデシルブロミド)、ならびに上記の植物油および動物油が挙げられる。脂肪酸のハロゲン化生成物も親油性試薬として使用することができる。一実施形態では、アルコキシ化ポリマーは、モノ-またはジ-アルキルC~C60脂肪酸などの親油性試薬で誘導体化することができる。
【0058】
典型的には、親油性置換基の平均置換レベルは、ポリオール1モル当たり約3、例えば、約2.5~約4、または約2.5~約3.9、より好ましくは約2.8~3.6モルである。
【0059】
置換ポリオールの架橋剤は、二塩基性脂肪酸を含む。二塩基性脂肪酸自体は、イオン化により1個の分子から2個の水素イオンを生成するものであれば特に限定されない。言い換えれば、飽和脂肪族二塩基性脂肪酸(例えば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、コハク酸などを含む)、または不飽和脂肪族二塩基酸(例えば、フタル酸、マレイン酸など)など、1分子中に2個のカルボキシル基を有する任意の炭化水素化合物(二塩基性脂肪酸)を使用することができる。二塩基性脂肪酸は、天然源から誘導するか、または合成的に調製することができる。天然二塩基性脂肪酸は、一般に、例えば、分子当たり約8~30個、または約12~26個、またはさらに約16~22個の炭素原子を含有する。合成二塩基性脂肪酸は、30個を超える炭素原子、例えば32~60個、または34~55個などの炭素原子を有するものである可能性が高いだろう。
【0060】
少なくとも1つの水溶性または水分散性ポリマーとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリブタジエンポリオール、およびそれらの混合物から誘導される単位、ならびにエンドキャップされたポリウレタンを含む熱可塑性ポリウレタン(「TPU」)も挙げることができる。
【0061】
TPUは、(i)ポリイソシアネート成分、(ii)ポリオール成分、ならびに任意選択的に(iii)連鎖延長剤成分および/または連鎖停止剤成分の反応生成物であり得る。
【0062】
ポリイソシアネート成分は1つ以上のポリイソシアネートを含むことができる。いくつかの実施形態では、ポリイソシアネート成分は1つ以上のジイソシアネートを含む。好適なポリイソシアネートとしては、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、またはそれらの組み合わせが挙げられる。有用なポリイソシアネートの例としては、4,4´-メチレンビス(フェニルイソシアネート)(MDI)、m-キシレンジイソシアネート(XDI)、フェニレン-1,4-ジイソシアネート、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、およびトルエンジイソシアネート(TDI)などの芳香族ジイソシアネートと、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,4-シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、デカン-1,10-ジイソシアネート、リジンジイソシアネート(LDI)、1,4-ブタンジイソシアネート(BDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、水素化XDI(H6XDI)、およびジシクロヘキシルメタン-4,4´-ジイソシアネート(H12MDI)などの脂肪族ジイソシアネートと、が挙げられる。2個以上のポリイソシアネートの混合物を使用し得る。いくつかの実施形態では、ポリイソシアネートはMDIおよび/またはH12MDIである。いくつかの実施形態では、ポリイソシアネートはMDIを含む。いくつかの実施形態では、ポリイソシアネートはH12MDIを含み得る。
【0063】
ポリイソシアネートは、一般に、約0.5~約30重量%のTPU、またはさらに約1~約20重量%、または約1.5~約15重量%、または約2.0~約10重量%の量で、TPUに含めることができる。
【0064】
TPU組成物中のポリオール成分としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリブタジエンポリオール、およびそれらの混合物が挙げられ得る。
【0065】
好適なポリエステルポリオールは、約500~約10,000、約700~約5,000、または約700~約4,000の数平均分子量(Mn)を有する線状ポリエステルを含むことができ、一般に1.3未満または0.5未満の酸価を一般に有する。分子量は、末端官能基のアッセイによって決定され、数平均分子量に関連している。好適なポリエステルポリオールとしては、ε-カプロラクトンおよび二官能性開始剤(ジエチレングリコールなど)から典型的には作製されるポリカプロラクトンなどの様々なラクトンが挙げられ得る。所望のポリエステルのジカルボン酸は、脂肪族、脂環式、芳香族、またはそれらの組み合わせであり得る。単独または混合物で使用され得る好適なジカルボン酸は、一般に合計4~15個の炭素原子を有し、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが含まれる。無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸などの上記のジカルボン酸の無水物も使用することができる。アジピン酸が好ましい酸である。反応して、望ましいポリエステルポリオールを形成するグリコールは、脂肪族、芳香族、またはそれらの組み合わせとすることができ、連鎖延長剤の節で上述したグリコールのいずれかを含み、合計で2~20個または2~12個の炭素原子を有する。好適な例としては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、ドデカメチレングリコール、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0066】
好適なポリエーテルポリオールとしては、合計2~15個の炭素原子を有するジオールまたはポリオール、いくつかの実施形態では、2~6個の炭素原子を有するアルキレンオキシド(典型的には、エチレンオキシドもしくはプロピレンオキシドまたはそれらの混合物)を含むエーテルと反応するアルキルジオールまたはグリコールから誘導されるポリエーテルポリオールが挙げられる。例えば、ヒドロキシル官能性ポリエーテルは、最初にプロピレングリコールをプロピレンオキシドと反応させ、続いてエチレンオキシドと反応させることによって生成することができる。エチレンオキシドから生じる第一級ヒドロキシル基は、第二級ヒドロキシル基よりも反応性が高いため、好ましい。有用な市販のポリエーテルポリオールとしては、エチレングリコールと反応したエチレンオキシドを含むポリ(エチレングリコール)、プロピレングリコールと反応したプロピレンオキシドを含むポリプロピレングリコール)、テトラヒドロフランと反応した水を含むポリ(テトラメチレングリコール)(PTMEG)が挙げられる。いくつかの実施形態では、ポリエーテルポリオールは、PTMEGを含む。好適なポリエーテルポリオールとしては、アルキレンオキシドのポリアミド付加物も挙げられ、例えば、エチレンジアミンとプロピレンオキシドとの反応生成物を含むエチレンジアミン付加物、ジエチレントリアミンとプロピレンオキシドとの反応生成物を含むジエチレントリアミン付加物、および類似のポリアミド型ポリエーテルポリオールも挙げられ得る。本発明では、コポリエーテルも利用することができる。典型的なコポリエーテルとしては、THFおよびエチレンオキシドまたはTHFおよびプロピレンオキシドの反応生成物が挙げられる。これらは、BASFから、ブロックコポリマーのPoly THF B、およびランダムコポリマーのポリTHF Rとして入手可能である。様々なポリエーテルポリオールは、一般に、約700~約10,000、約1000~約5000、または約1000から約2500などの約700より大きい平均分子量である末端官能基のアッセイによって決定される数平均分子量(Mn)を有する。いくつかの実施形態では、ポリエーテルポリオールは、2000Mnおよび1000MnのPTMEGのブレンドなどの、2つ以上の異なる分子量ポリエーテルのブレンドを含む。
【0067】
ポリオール成分としては、存在する場合、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(テトラメチレングリコール)、ポリ(トリメチレンオキシド)、エチレンオキシドキャップドポリ(プロピレングリコール)、ポリ(ブチレンアジペート)、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)、ポリ(テトラメチレン-co-ヘキサメチレンアジペート)、ポリ(3-メチル-1,5-ペンタメチレンアジペート)、ポリカプロラクトンジオール、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコール、ポリ(ペンタメチレンカーボネート)グリコール、ポリ(トリメチレンカーボネート)グリコール、二量体脂肪酸ベースのポリエステルポリオール、植物油ベースのポリオール、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0068】
いくつかの実施形態では、ポリオール成分としては、ポリエチレングリコールなどのポリエーテルポリオールが挙げられる。
【0069】
TPU組成物はまた、任意選択的に連鎖延長剤成分を含むことができる。連鎖延長剤としては、ジオール、ジアミン、およびそれらの組み合わせが挙げられる。好適な連鎖延長剤は、比較的小さなポリヒドロキシ化合物、例えば、2~20個、または2~12個、または2~10個の炭素原子を有する低級脂肪族または短鎖グリコールを含む。好適な例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール(BDO)、1,6-ヘキサンジオール(HDO)、1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、2,2-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシル)フェニル]プロパン(HEPP)、ヘキサメチレンジオール、ヘプタンジオール、ノナンジオール、ドデカンジオール、エチレンジアミン、ブタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、およびヒドロキシエチルレゾルシノール(HER)など、ならびにそれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、連鎖延長剤としては、BDO、HDO、またはそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、連鎖延長剤としては、BDOが挙げられる。芳香族グリコールなどの他のグリコールを使用することもできるが、いくつかの実施形態では、TPUはそのような材料を本質的に含まないか、または完全に含まない。いくつかの実施形態では、連鎖延長剤成分としては、存在する場合、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサメチレンジオール、ペンタンジオール、ヘプタンジオール、ノナンジオール、ドデカンジオール、エチレンジアミン、ブタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0070】
TPUはまた、任意選択的に連鎖停止剤成分を含むことができる。連鎖停止剤成分は、TPUの連鎖を停止させることができる単一のNCO反応性官能基を有する化合物を含むことができる。好適な官能基としては、ヒドロキシル(アルコール)官能基、第一級アミン官能基、第二級アミン官能基、無水物官能基、エポキシ官能基、チオール官能基、カルボキシ(カルボン酸)官能基、イソシアネート官能基、またはそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、連鎖停止剤成分としては、ポリエチレンモノアルコール、エトキシ化ポリエチレンモノアルコール、カルボン酸末端ポリエチレン、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0071】
いくつかの実施形態では、TPUは、MDI、H12MDI、HDI、TDI、IPDI、LDI、BDI、PDI、TODI、NDI、またはそれらの組み合わせを含むジイソシアネートなどのポリイソシアネート成分を、一般に、TPUの約0.5~約30重量%、またはさらには約1~約20重量%、または約1.5~約15重量%、または約2.0~約10重量%の量で含み、ポリエチレングリコールを含むポリエーテルポリオールなどのポリオール成分を、一般に、TPUの約40~約99重量%、または約60~約98重量%、または約70~約97重量%、または約80~約96重量%の量で含み、存在する場合、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサメチレンジオール、ペンタンジオール、ヘプタンジオール、ノナンジオール、ドデカンジオール、エチレンジアミン、ブタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、またはそれらの組み合わせを含む、ジオール、ジアミン、またはそれらの組み合わせなどの連鎖延長剤成分を、一般に、TPUの約0.5~約30重量%、またはさらには約1~約20重量%、または約1.5~約15重量%、または約2.0~約10重量%の量で含むことができる。
【0072】
構造化された単位用量溶解性物品としては、例えば、ヒドロトロープ、香料、植物性薬品、顔料、不溶性物質、キレート剤、天然多糖類、ビルダー、殺生剤、酵素、発泡安定剤、蛍光美白剤、分散剤、汚れ放出ポリマーなどの他の添加物も挙げられる。
【0073】
相分離を防止するために、ヒドロトロープ(水溶液に可溶性であり、かつ有機化合物の水溶性を増大する化合物)が、多くの場合添加される。一般的なヒドロトロープとしては、尿素;低分子量アルカノール;グリコール;およびトルエン、キシレン、またはクメンのアンモニウム、カリウム、またはナトリウム塩;またはキシレンスルホン酸ナトリウムなどのベンゼンスルホン酸エチルが挙げられる。後者のヒドロトロープはより高価になる傾向があるため、尿素((NHCO)または尿素-アルカノール混合物などの安価なヒドロトロープが費用効率の高い代替品として頻繁に使用される。しかしながら、より高価なヒドロトロープの安定効果を達成するには、より多くの量のこれらのヒドロトロープが必要とされる。他のヒドロトロープとしては、例えば、トリエタノールアミン、ベタイン、アルキルグルコシド、ポリアルキルグルコシド、グリセリン、特定の短鎖有機アルコール(例えば、エタノール)、プロピレングリコール、およびより長いアルキル鎖(例えば、C10~C14)アミンオキシドなどの化合物が挙げられる。
【0074】
構造化された単位用量溶解性物品はまた、香料を含むことができる。好適な香油としては、天然原料(エッセンシャルオイル、コンクリート、無水物、樹脂、レジノイド、バルサム、およびチンキなど)からの抽出物、炭化水素(例えば、3-カレンなど)、α-ピネン、β-ピネン、α-テルピネン、γ-テルピネン、p-シメン、ビサボレン、カンフェン、カリオフィレン、セドレン、ファルネセン、リモネン、ロンギホレン、ミルセン、オシメン、バレンセン、(E、Z)-1,3,5-ウンデカトリエン、スチレン、ジフェニルメタン、脂肪族アルコール、環状アルコール、脂環式アルコール、脂肪族ケトン、非環式テルペンアルコール、環状テルペンアルコール、環状テルペンアルデヒドおよびケトン、ならびにそれらの混合物が挙げられる。使用され得る他の香料および香水成分としては、天然および合成の香料、香水、香り、およびエッセンス、ならびに香料を放出する任意の他の物質が挙げられる。天然香料としては、植物起源のもの、例えば、花(例えば、ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イランイラン)、茎および葉(ゼラニウム、パチチョリ、プチグレイン、ペパーミント)、果物(アニシード、コリアンダー、ウイキョウ、ネズ)、果皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(メイス、アンジェリカ、セロリ、カルダモン、コスタス、アイリス、ショウブ)、木材(マツ、ビャクダン、ユソウボク、スギ、ローズウッド、シナモン)、ハーブおよび草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針葉樹および小枝(トウヒ、パイン、ヨーロッパアカマツ、ストーンパイン)、ならびに樹脂およびバルサム(ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、フランキンセンス、オポポナックス)からの油抽出物など、および動物起源のもの、例えば、ジャコウジカ、シベット、カストリウム、アンバーグリスなど、ならびにこれらの混合物がある。合成香料および香水の例は、芳香族エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール、および炭化水素であり、これらには、酢酸ベンジル、フェノキシエチルイソブチレート、p-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホルマート、エチルメチルフェニルグリシナート、アリルシクロヘキシルプロピオナート、スチラリルプロピオナート、およびベンジルサリチレート;ベンジルエチルエーテル;8~18個の炭素原子を有する直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラル、リリアル、およびブーゲオナール(bougeonal);イオノン化合物、α-イソメチルイオノン、およびメチルセドリルケトン;アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、ラバンデュロール、ネオリドール、リナロール、フェニルエチルアルコール、およびテルピネオール、アルファ-ピネン、テルペン(例えば、リモネン)、およびバルサム、ならびにこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0075】
構造化された単位用量溶解性物品はまた、植物性薬品を含むことができる。好適な植物性薬品としては、例えば、エキナセア(例えば、アングスティフォリア、プルプレア、パリダ種)、ユッカグラウカ、ヤナギソウ、バジルの葉、トルコオレガノ、ニンジンの根、グレープフルーツ、フェンネル種子、ローズマリー、ターメリック、タイム、ブルーベリー、ピーマン、ブラックベリー、スピルリナ、クロフサスグリの実、茶葉、例えば、中国茶、紅茶(例えば、フラワリーオレンジペコー、ゴールデンフラワリーオレンジペコー、ファインティッピーゴールデンフラワリーオレンジペコー変種)、緑茶(例えば、日本茶、グリーンダージリン)、ウーロン茶、コーヒー種子、タンポポの根、ナツメヤシの実、イチョウの葉、緑茶、サンザシの実、甘草、セージ、イチゴ、スイートピー、トマト、バニラの実、コンフリー、アルニカ、ツボクサ、ヤグルマギク、トチノキ、ツタ、モクレン、カラスムギ、パンジー、タツナミソウ、シーバックソーン、ホワイトネトル、およびウィッチヘーゼルからの抽出物が挙げられ得る。植物由来抽出物としては、例えば、クロロゲン酸、グルタチオン、グリセリン、ネオヘスペリジン、ケルセチン、ルチン、モリン、ミリセチン、アブサン、およびカモミールも挙げられ得る。
【0076】
好適な微粒子材料は顔料を含む。例示的な顔料は、金属化合物または半金属化合物であり、イオン、非イオンまたは酸化形態で使用され得る。顔料は、個々または混合物のいずれかの形態であり、または個々の混合酸化物もしくはそれらの混合物(混合酸化物と純粋酸化物との混合物を含む)としての形態であり得る。例としては、酸化チタン(例えば、TiO)、酸化亜鉛(例えば、ZnO)、酸化アルミニウム(例えば、Al)、酸化鉄(例えば、Fe)、酸化マンガン(例えば、MnO)、酸化ケイ素(例えば、SiO)、ケイ酸塩、酸化セリウム、酸化ジルコニウム(例えば、ZrO)、硫酸バリウム(BaSO)、ナイロン-12、およびそれらの混合物がある。顔料の他の例としては、温度によって色を変化させるサーモクロミック染料、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、カオリン、フェロシアン化第二鉄アンモニウム、炭酸マグネシウム、カルミン、硫酸バリウム、マイカ、オキシ塩化ビスマス、ステアリン酸亜鉛、マンガンバイオレット、酸化クロム、二酸化チタンナノ粒子、酸化バリウム、ウルトラマリンブルー、クエン酸ビスマス、ヒドロキシアパタイト、ケイ酸ジルコニウム、カーボンブラック粒子などが挙げられる。
【0077】
構造化された単位用量溶解性物品において使用するのに好適な不溶性材料としては、粘土、膨潤性粘土、ラポナイト、気泡、リポソーム、マイクロスポンジ、ビーズ、およびフレークが挙げられるが、これらに限定されない。ビーズ、フレークおよびカプセルは、審美的外観のために組成物に含めることができるか、または有益剤を送達する際のマイクロカプセル材料として機能することができる。例示的なビーズ成分としては、寒天ビーズ、アルギン酸ビーズ、ホホバビーズ、ゼラチンビーズ、Styrofoam(商標)ビーズ、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンビーズが挙げられるが、これらに限定されない。
【0078】
キレート剤を使用して、構造化された単位用量溶解性物品を金属イオンの有害な影響に対して安定化させることができる。使用される場合、好適なキレート剤は、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、およびEDTA二ナトリウムなどのその塩、クエン酸およびその塩、シクロデキストリンなど、ならびにそれらの混合物を含む。そのような好適なキレート剤は、典型的には、0.001重量%~3重量%、例えば、0.01重量%~2重量%、または0.01重量%~1重量%の組成物を含む。
【0079】
構造化された単位用量溶解性物品としては、ペクチンに加えて、アラビアゴム、ガハッチゴム、およびトラガカントゴムなどの樹木および潅木浸出液から得られる天然多糖類;アルギン酸塩およびカラギーナンなどの海藻抽出物(例えば、ラムダ、カッパ、イオタ、およびそれらの塩);寒天などの藻類抽出物;キサンタン、ジェラン、およびウェランなどの微生物多糖;エチルヘキシルエチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロースエーテル;フェヌグリークガム、カッシアガム、ローカストビーンガム、タラガム、グアーガムなどのポリガラクトマンナンが挙げられ得る。
【0080】
他の好適な成分としては、有機または無機洗浄性ビルダーが挙げられる。単独で、またはそれ自体と組み合わせて、または有機アルカリ封鎖剤ビルダー塩と組み合わせて使用することができる水溶性無機ビルダーの例は、グリシン、アルキルおよびアルケニルコハク酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、リン酸塩、ポリリン酸塩、およびケイ酸塩である。そのような塩の具体例は、トリポリリン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、およびピロリン酸カリウムである。単独で、または互いに組み合わせて使用することができる有機ビルダー塩の例としては、Novarite(商標)AD810またはLD920などのアルカリ金属ポリカルボキシレート、クエン酸ナトリウムおよびカリウムなどの水溶性クエン酸塩、酒石酸ナトリウムおよびカリウム、エチレンジアミン四酢酸ナトリウムおよびカリウム、N-(2-ヒドロキシエチル)-ニトリロ三酢酸ナトリウムおよびカリウム、N-(2-ヒドロキシエチル)-ニトリロ二酢酸ナトリウムおよびカリウム、オキシジコハク酸ナトリウムおよびカリウム、ならびに酒石酸モノおよびジコハク酸ナトリウムおよびカリウムが挙げられる。
【0081】
好適な殺生剤としては、トリクロサン(5-クロロ-2(2,4-ジクロロ-フェノキシ)フェノール)などが挙げられる。好適な光学増白剤としては、スチルベン、ジスチリルビフェニル誘導体、スチルベン/ナフトトリアゾールブレンド、オキサゾール誘導体、およびクマリン増白剤が挙げられる。
【0082】
好適な酵素としては、例えば、デンプン分解性、タンパク質分解性、セルロース分解性、または脂肪分解性のタイプなど、当技術分野において既知であるものが挙げられる。他の好適な酵素としては、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼおよびセルラーゼ、細菌プロテアーゼ、真菌リパーゼ、細菌アミラーゼ、真菌酵素、および単一成分セルラーゼが挙げられる。本発明に従って使用するのに好適なこれらのクラスの追加の酵素は、当業者に周知であり、様々な商業的供給業者から入手可能である。
【0083】
好適な発泡安定剤としては、ポリアルコキシ化アルカノールアミド、アミド、アミンオキシド、ベタイン、スルタイン、C~C18脂肪アルコールが挙げられる。発泡安定剤は、例えば、約1~約20重量パーセント、典型的には約3~約5重量パーセントの量で使用される。組成物は、脂肪酸アミド界面活性剤などの補助発砲安定化界面活性剤をさらに含むことができる。好適な脂肪酸アミドは、C~C20アルカノールアミド、モノエタノールアミド、ジエタノールアミド、およびイソプロパノールアミドである。
【0084】
構造化された単位用量溶解性物品は、ポリマー分散剤、酸化剤、活性剤、触媒、増粘剤、Bitrexなどの苦味剤、他の安定剤、土壌懸濁剤、増白剤、UVプロテクタ、塩、水、不活性成分などのホームケア組成物に有用なまたさらなる成分を含有し得る。
【0085】
構造化された単位用量溶解性物品は、洗浄組成物を構造化剤組成物と混合することによって調製することができ、両方の組成物は上記のとおりである。次いで、構造化された単位用量溶解性物品は、洗浄組成物と構造化剤組成物との混合物から形成することができる。
【0086】
構造化された単位用量溶解性物品を使用して、食器洗い洗浄組成物、洗濯洗浄組成物、硬質表面洗浄組成物などの洗浄組成物を形成することができる。一実施形態では、構造化された単位用量溶解性物品は、そのまま、例えば、前処理として、例えば、頑固な汚れをこするために、または溶液中に溶解され、次いで、例えば、食器洗い機、洗濯機、スプレーボトルなどにおいて使用される濃縮物として、使用され得る。
【0087】
一実施形態では、構造化された単位用量溶解性物品は、混合物を成形することによって、例えば、真空形成、射出成形、または圧縮成形でさえ形成することができる。一実施形態では、洗浄組成物と構造化剤組成物との混合物を調製し、混合物を昇温に保ち、混合物を液体形態に維持することによって、構造化された単位用量溶解性物品を形成することができる。次いで、液体混合物をトレイまたは真空トレイなどの金型に充填し、温度を低減するか、および/または成形品を鋳造するときに溶媒を除去することによって形成させることができる。液体混合物はまた、様々な形状および構成のうちのいずれかに射出成形することができる。
【0088】
構造化された単位用量溶解性物品はまた、圧縮成形によって調製され得る。圧縮成形は、例えば、洗浄組成物と構造化剤組成物との混合物を調製し、組成物を固化させ、続いて固体組成物を所望の形態に圧縮することによって調製された、洗浄組成物と構造化剤組成物との混合物の固体スラグで実施することができる。
【0089】
一実施形態では、構造化された単位用量溶解性物品組成物は、既存の単位用量製造機器を使用して鋳造または成形することができる。既存の単位用量機器は、この新しい型の形成を促進するために最小限の技術改良を必要とする。構造化された単位用量溶解性物品は、洗浄組成物と構造化剤組成物との混合物を調製し、混合物を昇温に保ち、混合物を液体形態に維持することによって形成することができる。液体混合物は、次いで、射出ポンプによって既存の機器の金型に充填することができる。
【0090】
いくつかの実施形態では、構造化された単位用量溶解性物品は、形状に穿孔するか、または非平滑表面を生成することによって、高表面積形状の形態で提供され得る。ドーナツ形状は、溶質が構造化された単位用量溶解性物品を包み込み、それを溶解させるために、溶質のより大きな表面積を可能にするために、その中心の一部を取り除いた例示的な形状である。
【0091】
実施形態では、構造化された単位用量溶解性物品は、同じ単位に一緒に成形された異なる製剤から調製することができる。例えば、構造化された単位は、洗浄のための製剤および布地柔軟化のための別個の製剤を含有することができる。
【0092】
溶解性物品は、任意の形状に作製し、任意の色を組み込むことができる。成形された構造化された単位用量溶解性物品の例を図1に見ることができる。
【0093】
一実施形態では、液体混合物を分配カップに充填し、冷却して凝固させることができる。別の態様では、構造化された単位用量溶解性物品を成形し、次いで、分配カップに収めることができる。一実施形態では、分配カップは乾燥機シートであり得る。分配カップ内の構造化された単位用量溶解性物品の例を図2に見ることができる。
【0094】
構造化された単位用量溶解性物品は、目立たない部分を所望の長さで切り離すことを可能にするテープまたはスティックの形態に圧縮成形され得る。例えば、物品は連続ストリップに形成され、その後、例えば図3に示すように、ストリップに沿って所定の長さで穿孔または何らかの方法で弱化され、目立たない構造化された単位用量溶解性物品をストリップから切り離すことができる。
【0095】
構造化された単位用量溶解性物品はまた、混合物を硬化させ、次いで、例えば、3D印刷プロセスにより、硬化した混合物を形作ることによって、または表面上に少量の混合物を設定し、混合物を乾燥および硬化させ、硬化した混合物を所望の形状に形作るという従来のプロセスによって、形成することもできる。
【0096】
他の実施形態では、構造化された単位用量溶解性物品は、混合物を押出することによって、または混合物をダイカットプロセスにかけることによって形成することができる。混合物を最終消費者向け包装に直接押出することも可能である。
【0097】
他の実施形態では、洗浄組成物と構造化剤組成物との混合物の固体組成物は、液体洗浄組成物を内部に保持することができる空の容器の形態に鋳造または成形または圧縮することができる。
【0098】
一実施形態では、構造化された単位用量溶解性物品は、例えば、浸漬またはコーティングプロセスにおいて、予備成形された形態上のコーティングであり得る。
【0099】
形成後、構造化された単位用量溶解性物品をコーティングで被覆することもできる。例えば、構造化された単位用量溶解性物品は、溶解を遅らせるのを補助するために、または審美的もしくは触覚的な目的のために被覆され得る。
【0100】
一実施形態では、構造化された単位用量溶解性物品は、露出した構造化された単位用量溶解性物品の取り扱いを回避するために、溶解性浴槽内または溶解性浴槽で被覆または包装され得る。
【0101】
構造化された単位用量溶解性物品は、例えば、図4に示されるように、使用者が露出した物品の取り扱いを回避することができるクイックリリースのための形態に包装することもできる。
【0102】
一実施形態では、構造化された単位溶解性物品は、例えば、ツイストおよびプッシュ機構などの投与機構を含むことができ、その例は図5に見ることができる。
【0103】
いくつかの実施形態では、構造化された単位用量溶解性物品は、プラスチック浴槽、プラスチック袋、または段ボール箱などの容器に収容することができ、その例を図6に見ることができる。
【0104】
本明細書で使用される場合、「縮合生成物」という用語は、縮合反応が実際に実行されて生成物に直接つながるかどうかに関係なく、エステル、アミド、イミド、および酸または酸の反応性等価物(例えば、酸ハロゲン化物、無水物、もしくはエステル)と、アルコールまたはアミンとの縮合反応によって調製され得る他のそのような物質を包含することを意図する。したがって、例えば、特定のエステルは、縮合反応によって直接ではなく、エステル交換反応によって調製され得る。その結果として生じる生成物は、依然として縮合生成物とみなされる。
【0105】
記載されている各化学物質成分の量は、特に指示がない限り、市販の材料に通常存在し得る溶媒または希釈油を除いて、つまり活性化学物質に基づいて示されている。ただし、特に指示がない限り、本明細書で言及する各化学物質または組成物は、異性体、副生成物、誘導体、および商業グレードに存在すると通常理解される他のそのような物質を含み得る商業グレードの物質であると解釈されるべきである。
【0106】
上記の物質のいくつかは、最終的な製剤で相互作用し得ることが既知であるため、最終的な製剤の成分は最初に添加されるものと異なり得る。例えば、金属イオンは他の分子の他の酸性またはアニオン性部位に移動する可能性がある。それにより形成された生成物は、本発明の組成物をその意図する用途において用いるために形成された生成物を含み、簡単に説明されない場合がある。それにもかかわらず、そのような変性物および反応生成物は全て、本発明の範囲内に含まれ、本発明は、上記の成分を混合することにより調製される組成物を包含する。
【0107】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、所定の量の値が表示値の±20%以内であることを意味する。他の実施形態では、値は、表示値の±15%以内である。他の実施形態では、値は、表示値の±10%以内である。他の実施形態では、値は、表示値の±5%以内である。他の実施形態では、値は、表示値の±2.5%以内である。他の実施形態では、値は、表示値の±1%以内である。
【0108】
さらに、本明細書で使用される場合、「実質的に」という用語は、所定の量の値が表示値の±10%以内であることを意味する。他の実施形態では、値は、表示値の±5%以内である。他の実施形態では、値は、表示値の±2.5%以内である。他の実施形態では、値は、表示値の±1%以内である。
【0109】
本明細書における本発明は、安全で、効果的で、かつ制御可能な単位用量洗浄製品を提供するのに有用であり、これは以下の実施例を参照してより良好に理解され得る。
【実施例
【0110】
構造化された単位用量錠剤を得る試みにおいて、様々なポリマーを使用して、いくつかの典型的な洗剤製剤が試験された。錠剤を調製するための一般的な手順は、材料を加熱して、混合しながら流体混合物を作製することを包含した。次いで、加熱された混合物を金型中に注ぎ込み、冷却させておき、形を整えた。
【0111】
最初に、アニオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤を有する典型的な洗剤を、2重量%~9重量%の濃度のポリマー添加剤(ポリアクリレート、Carbopol、HASE、粘土(ベントナイト)、天然ゴム)とともに試験した。結果として得られた組成物は、非常に粘性があったが、自立ゲルではなかった。
【表1】
【0112】
組成物は、それ自体では自立するゲルを形成せず、組成物の粘度は高いが、粘性液体のみを形成した。
【0113】
脂肪酸混合物を製剤に添加することによって、必要な構造を提供する試みがなされた。
【表2】
【0114】
結果として得られた製剤は、透明で濃厚な液体を与えた。
【0115】
上記製剤は再び調製され、ポリマー添加剤は、C~C12アルキル(メタ)アクリレート/ヒドロキシルC1~C12アルキル(メタ)アクリレート/エトキシ化C1~C30アルキル(メタ)アクリレートの組み合わせから誘導される非イオン性ポリアクリレートポリマーと、エチレンオキシドから誘導される約10~200単位を有するポリエチレングリコールメチルグルコースポリマーと、の組み合わせに変更された。
【表3】
【0116】
結果は、RTにおいて流動性ではなく、ワックス状の物質であった。
【0117】
ポリエチレングリコール、エンドキャップされたポリエーテルなどのポリエーテルは、材料を結合することを補助し、錠剤のひび割れを回避し、溶解も補助することができる。したがって、水溶性ポリエーテルが組成物中に添加される。
【表4】
【0118】
各試料6~8は、ワックス錠剤を形成したが、いくらかの融解が50℃で発生した。
【0119】
しかしながら、ポリエーテル(特にポリエチレングリコール)ベースのポリウレタンをポリエチレングリコールポリマーとともに添加すると、ワックスは、融解することなくその形状を維持することが観察された。
【表5】
【0120】
ポリエチレングリコールポリマーおよびポリエチレングリコールメチルグルコースポリマー(エチレンオキシドから誘導される約120単位を有する)を用いて、さらなる試料を作製した。以下の表の全ての製剤は、高温安定構造化された単位用量を形成した。
【表6】

【表7】
【0121】
構造化された単位用量溶解性物品の洗浄力は、次の条件下でターゴトメータを使用して実施された。
・水の硬度-Ca2+/Mg2+=2/1モル/モルで150ppm
・洗浄温度は25℃であり、
・洗浄時間は20分であり、
・すすぎ時間は室温で5分であった。
・生成物の濃度は0.2%、すなわち、2g/Lであった。
・染みごとに3回の繰り返し洗浄を実施した。
【0122】
構造化された単位用量溶解性物品は、以下の表に列挙された組成を有していた。
【表8】
【0123】
試験用汚れた見本を以下に要約する。
【表9】
【0124】
ゲル錠剤は、市場に出回っている1つのプレミアム市販製品とともに試験された。見本の「デルタE」は、HunterLab Labscan XE光学デバイスを使用して測定される。デルタE値は、汚れた見本と参照見本との色の違いを表し、HunterLab Labscan機器によって自動的に生成される「L」、「a」、および「b」の値を使用する次の式で計算される。
デルタE=[(L試料-L標準+(a試料-a標準+(b試料-b標準1/2
【0125】
光学機器で色の違いを読み取ると、視覚的な観察に依存するよりも正確な測定値が得られる。結果を下記に要約する。
【表10】
【0126】
試料21の構造化された単位用量溶解性物品の再付着防止特性も、以下の条件下でターゴトメータを使用して試験された。
・水の硬度-Ca2+/Mg2+=3/2モル/モルで300ppm、
・洗浄温度は100°Fであり、
・洗浄時間は15分であり、
・すすぎ時間は室温で5分であった。
・生成物の濃度は0.2%、すなわち、2g/Lであった。
・追加の汚れは、0.01%でのカーボンブラックMonarch120である。
・試験用の汚れの存在下で、複数サイクルの洗浄を実施した。
【0127】
試験用布地見本は綿の下地であり、以下に示されている。
【表11】
【0128】
試料21のゲル錠剤、および試料22のラベルが付けられた酵素なしの試料21のゲル錠剤は、市場に出回っている1つのプレミアム市販製品と一緒に試験された。結果を下記に要約する。ここで、デルタEの値が低いほど、再付着防止特性が高くなる。デルタEの値が低いほど、試験された布地への汚れの再付着の程度が少ないことを示している。
【表12】
【0129】
上記で言及された文書の各々それぞれは、上記に具体的に列挙されているかどうかにかかわらず、優先権が主張されるあらゆる先行出願を含んで参照により本明細書に組み込まれる。いずれの文書の言及も、あらゆる権限において、そのような文書が先行技術としての資格を有すること、または当業者の一般知識を構成することの承認ではない。実施例を除き、または特に明示的に示されている場合を除き、物質の量、反応条件、分子量、炭素原子の数などを指定するこの説明の全ての数量は、「約」という単語によって修正されるものとして理解されたい。本明細書に記載の量、範囲、および比率の上限および下限は、独立して組み合わせることができることを理解されたい。同様に、本発明の各要素の範囲および量は、他の要素のいずれかの範囲または量とともに使用され得る。
【0130】
本明細書で使用される場合、「含む(including)」、「含有する(containing)」、または「を特徴とする(characterized by)」と同義である「含む(comprising)」という移行性用語は、包括的または無制限であり、追加の、列挙されていない要素または方法ステップを除外しない。しかしながら、本明細書の「含む(comprising)」の各列挙において、この用語は、代替実施形態として、「から本質的になる(consisting essentially of)」および「からなる(consisting of)」という語句も包含することを意図しており、ここで、「からなる(consisting of)」は、指定されていない任意の要素またはステップを除外し、「から本質的になる(consisting essentially of)」は、考慮されている組成物または方法の本質的または基本的および新規の特徴に実質的に影響を与えない追加の列挙されていない要素またはステップを含めることを許容する。
【0131】
主題の発明を説明する目的で、特定の代表的な実施形態および詳細を示してきたが、主題の発明の範囲から逸脱することなく様々な変更および修正を行うことができることは当業者には明らかであろう。これに関して、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によってのみ制限されるものとする。
本発明の好ましい実施形態によれば、例えば、以下が提供される。
(項1)
構造化された単位用量溶解性物品であって、
a.洗浄組成物と、
b.構造化剤組成物であって、
i.C ~C 30 脂肪酸またはそれらの混合物と、
ii.少なくとも1つの水溶性または水分散性ポリマーと、
を含む、構造化剤組成物と、
を含む、構造化された単位用量溶解性物品。
(項2)
前記脂肪酸が、オレイン酸、デカン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つである、上記項1に記載の構造化された単位用量溶解性物品。
(項3)
前記水溶性または水分散性ポリマーが、親水コロイド(オリゴまたは多糖類など)、ポリ(アルキレン)グリコール、ポリ(ビニル)アルコール、ポリ(ビニル)ピロリドン、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(ウレタン)、ならびにそれらの誘導体および組み合わせである、先行するいずれかの上記項に記載の構造化された単位用量溶解性物品。
(項4)
前記水溶性または水分散性ポリマーが、約200~約1,000,000の数平均分子量を有するポリエチレングリコールポリマーである、上記項3に記載の構造化された単位用量溶解性物品。
(項5)
前記水溶性または水分散性ポリマーが、エチレンオキシド-プロピレンオキシド-ブチレンオキシドブロックコポリマーである、上記項3に記載の構造化された単位用量溶解性物品。
(項6)
前記水溶性または水分散性ポリマーが、置換オリゴまたは多糖類であり、前記置換基が、ポリ(エチレン)グリコール、ポリ(ビニル)アルコール、ポリ(ビニル)ピロリドン、ポリ(アクリルアミド)、またはそれらの組み合わせから誘導される、上記項3に記載の構造化された単位用量溶解性物品。
(項7)
前記水溶性または水分散性ポリマーが、アルコキシ化ポリオールポリマーである、上記項3に記載の構造化された単位用量溶解性物品。
(項8)
前記アルコキシ化ポリオールポリマーが、エチレンオキシドから誘導される2~1000単位を有するポリエチレングリコールメチルグルコースポリマーである、上記項7に記載の構造化された単位用量溶解性物品。
(項9)
前記アルコキシ化ポリオールポリマーが、ジ-C ~C 12 アルキルC ~C 60 脂肪酸でさらにエステル化されている、上記項7または8に記載の構造化された単位用量溶解性物品。
(項10)
前記水溶性または水分散性ポリマーが、ポリエチレングリコールベースのポリウレタンを含む、上記項3に記載の構造化された単位用量溶解性物品。
(項11)
前記ポリウレタンが、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリブタジエンポリオールおよびそれらの混合物から誘導される単位、ならびにエンドキャップされたポリウレタンをさらに含む、上記項10に記載の構造化された単位用量溶解性物品。
(項12)
前記洗浄組成物が、直鎖または分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルファオレフィンスルホン酸塩、およびそれらの組み合わせを含む、先行するいずれかの上記項に記載の構造化された単位用量溶解性物品。
(項13)
前記洗浄組成物が非イオン性界面活性剤を含む、先行するいずれかの上記項に記載の構造化された単位用量溶解性物品。
(項14)
前記洗浄組成物が、アルカリ水酸化物、アミン、アルカノールアミン、およびそれらの混合物を含む、先行するいずれかの上記項に記載の構造化された単位用量溶解性物品。
(項15)
アニオン性界面活性剤などのヒドロトロープ、香料、顔料、酵素、尿素、グリセリン、ポリアクリレートポリマー、高分子キレート化剤、粘土、天然ゴムをさらに含む、先行するいずれかの上記項に記載の構造化された単位用量溶解性物品。
(項16)
構造化された単位用量溶解性物品を調製するプロセスであって、
a.
i.洗浄組成物を、
ii.構造化剤組成物であって、
1.C ~C 24 脂肪酸またはそれらの混合物と、
2.ポリエチレングリコールから誘導される少なくとも1つの部分を含有する少なくとも1つのポリマーと、を含む、構造化剤組成物と混合することと、
b.前記混合物から前記構造化された単位用量溶解性物品を形成することと、を含む、プロセス。
(項17)
前記形成するステップが、前記混合物を成形することを含む、上記項16に記載のプロセス。
(項18)
前記成形することが、真空成形、射出成形、または圧縮成形である、上記項17に記載のプロセス。
(項19)
前記形成するステップが、前記混合物を形作ることを含む、上記項16に記載のプロセス。
(項20)
前記形作ることが3D印刷を含む、上記項19に記載のプロセス。
(項21)
前記形作ることが、表面上に少量の前記混合物を設定することと、前記混合物を乾燥および硬化させることと、前記硬化した混合物を所望の形状に形作ることと、を含む、上記項19に記載のプロセス。
(項22)
前記形成するステップが、前記混合物を押出することを含む、上記項16に記載のプロセス。
(項23)
前記形成ステップが、前記混合物をダイカットすることを含む、上記項16に記載のプロセス。
(項24)
前記構造化された単位用量溶解性物品が、コーティングでさらに被覆される、上記項16~23のいずれかに記載のプロセス。
図1
図2
図3
図4
図5
図6