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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-18
(54)【発明の名称】基板処理装置、および搬送モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20230511BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/304 648J
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018247433
(22)【出願日】2018-12-28
(65)【公開番号】P2020107803
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-06-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼山 祐一
(72)【発明者】
【氏名】橋本 光治
(72)【発明者】
【氏名】菊本 憲幸
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-189368(JP,A)
【文献】特開2006-190893(JP,A)
【文献】特開2002-246361(JP,A)
【文献】特開2009-043868(JP,A)
【文献】特開2007-073542(JP,A)
【文献】特開2000-185820(JP,A)
【文献】特開2002-064300(JP,A)
【文献】特開2005-093928(JP,A)
【文献】特開2006-019584(JP,A)
【文献】特開2017-092459(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する基板処理装置であって、
基板に対して規定処理を行う第1規定処理ユニット、および前記基板を一時的に保持する第1受渡部を有する第1処理モジュールと、
前記第1処理モジュールの第1方向側に配され、前記第1受渡部に対して前記第1方向側から前記基板を供給する基板供給部と、
前記第1処理モジュールの前記第1方向とは反対の第2方向側に配され、前記第1受渡部から前記第2方向に前記基板を搬出して前記第1規定処理ユニットに搬入する第1搬送装置を有する搬送モジュールと、
を備え、
前記搬送モジュールは、
前記第1搬送装置が内部に載置される載置空間を規定し、直方体の各辺に対応する外枠をなす第1フレームと、
前記載置空間の内側に配置され、前記第1搬送装置の基台部が設置される第1床部と、
前記載置空間の内側において、前記第1床部よりも前記第1方向に直交する水平方向である第3方向側に配置される第2床部と、
前記第2床部よりも前記第3方向側に設けられ、前記載置空間を前記第1フレームの外部に連通させる出入口部と、
を含み、
前記第1処理モジュールは、該第1処理モジュールの外形を規定し、直方体の各辺に対応する外枠をなす第2フレームを含み、
前記第1フレームと前記第2フレームとの前記第3方向における辺の長さは同じであり、前記第1フレームと前記第2フレームとの前記第3方向における辺の端部が揃えられた状態で前記第1処理モジュールと前記搬送モジュールとは連結される、基板処理装置。
【請求項2】
請求項1の基板処理装置であって、
前記第1搬送装置は、
前記基板を保持するハンドと、
前記ハンドを鉛直方向に移動させる鉛直モータを含む鉛直駆動部と、
を備える、基板処理装置。
【請求項3】
請求項2の基板処理装置であって、
前記第1床部が、前記第2床部よりも鉛直方向の下方に設けられている、基板処理装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3の基板処理装置であって、
前記第1搬送装置は、前記ハンドを基台部に対して水平方向に離間または接近する方向に移動させる移動モータを含む水平移動駆動部を含み、
前記第1床部が前記第1受渡部よりも前記第3方向とは反対側に設けられている、基板処理装置。
【請求項5】
請求項4の基板処理装置であって、
前記第1規定処理ユニットは、前記基板に流体を供給するノズルを有する、基板処理装置。
【請求項6】
請求項5の基板処理装置であって、
前記搬送モジュールおよび前記第1処理モジュールにまたがって配置され、前記ノズルに前記流体を供給する供給配管、
をさらに備える、基板処理装置。
【請求項7】
請求項6の基板処理装置であって、
前記供給配管が内側に挿通される筒状のジャバラ部材、
をさらに備え、
前記第1処理モジュールは、前記供給配管が配設される第1配管室を有し、
前記搬送モジュールは、前記供給配管が配設される第2配管室を有し、
前記ジャバラ部材の一端側の開口部が前記第1配管室に連結され、他端側の開口部が前記第2配管室に連結されている、基板処理装置。
【請求項8】
請求項5から請求項7のいずれか1項の基板処理装置であって、
前記第2床部よりも下方に、前記流体を供給される配管接続口が設けられている、基板処理装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1項の基板処理装置であって、
前記搬送モジュールの前記第2方向側に配され、前記第1方向側から前記第1搬送装置が搬入する前記基板を一時的に保持する第2受渡部および前記基板に規定処理を行う第2規定処理ユニットを有する第2処理モジュールと、
前記第2処理モジュールの前記第2方向側に配され、前記基板に規定処理を行う第3規定処理ユニットを有する第3処理モジュールと
前記第2受渡部と前記第2規定処理ユニットとの間および前記第2受渡部と前記第3規定処理ユニットとの間で前記基板を搬送する第2搬送装置と、
を含む、基板処理装置。
【請求項10】
基板に対して規定処理を行う第1規定処理ユニットを有する第1処理モジュールを含む基板処理装置において前記基板を搬送する搬送モジュールであって、
前記第1規定処理ユニットに対して第2方向側から前記基板を搬送する第1搬送装置と、
前記第1搬送装置が内部に載置される載置空間を規定し、直方体の各辺に対応する外枠をなす第1フレームと、
前記載置空間の内側に配置されて前記第1搬送装置の基台部が設置される第1床部と、
前記載置空間の内側において、前記第1床部よりも前記第2方向に直交する水平方向の第3方向側に配置される第2床部と、
前記第2床部を通じて前記載置空間を前記第1フレームの外部に連通させる出入口部と、
を備え、
前記第1処理モジュールは、該第1処理モジュールの外形を規定し、直方体の各辺に対応する外枠をなす第2フレームを含み、
前記第1フレームと前記第2フレームとの前記第3方向における辺の長さは同じであり、前記第1フレームと前記第2フレームとの前記第3方向における辺の端部が揃えられた状態で前記第1処理モジュールと前記搬送モジュールとは連結可能である、搬送モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板を処理する基板処理装置に関する。処理対象となる基板には、例えば、半導体基板、液晶表示装置および有機EL(Electroluminescence)表示装置などのFPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板、プリント基板などが含まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造プロセスでは、基板を1枚ずつ処理する枚葉式の処理ユニットを備えた基板処理装置が用いられる。また、生産効率を高めるために複数の処理ユニットを統合した基板処理装置が用いられている。
【0003】
特許文献1の図1に開示された基板処理装置は、基板を搬送する搬送ロボットとして、インデクサロボット、第1メインロボット、第2メインロボットを備えている。これらは、一方向に沿ってこの順に配置されている。インデクサロボットと第1メインロボットとの間、第1および第2メインロボットの間それぞれには、基板を載置する第1および第2載置部が設けられている。第1および第2メインロボットそれぞれの両側には、処理ユニットが設けられている。インデクサロボットは、カセットから未処理の基板を取り出し、第1載置部に搬送する。第1メインロボットは、第1載置部から基板を取り出し、その周囲の処理ユニットまたは第2載置部に基板を搬送する。第2メインロボットは、第2載置部から基板を取り出し、その周囲の処理ユニットに基板を搬送する。各処理ユニットで処理が終えられた基板は、逆の順路で再びカセットに戻される。
【0004】
また、特許文献1の図10に開示された基板処理装置では、第2載置部、第2メインロボットおよびその周囲の処理ユニットが省略されており、カセット載置部、インデクサロボット、第1載置部、第1メインロボットおよびその周囲の処理ユニットで構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-183447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の図1の基板処理装置には、第2メインロボットを挟んで第2載置部とは反対側に開口が設けられている。作業者は、この開口を通って基板処理装置内に進入し、第2メインロボットに接近できる。しかしながら、第1メインロボットは第1および第2載置部並びに処理ユニットに取り囲まれているため、作業者が第1メインロボットに接近することは容易ではなかった。
【0007】
また、特許文献1の図10の基板処理装置には、第1メインロボットを挟んで第1載置部とは反対側に開口が設けられている。作業者は、この開口を通って基板処理装置内に進入し、第1メインロボットに接近できる。しかしながら、この基板処理装置の場合、処理ユニットを配置できる位置が第1メインロボットの両側のみに限定されるため、処理ユニットの数量が制限される。
【0008】
本発明は、処理ユニットの増設を可能にしつつ、搬送ロボットのメンテナンスを容易にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、第1態様は、基板を処理する基板処理装置であって、基板に対して規定処理を行う第1規定処理ユニット、および前記基板を一時的に保持する第1受渡部を有する第1処理モジュールと、前記第1処理モジュールの第1方向側に配され、前記第1受渡部に対して前記第1方向側から前記基板を供給する基板供給部と、前記第1処理モジュールの前記第1方向とは反対の第2方向側に配され、前記第1受渡部から前記第2方向に前記基板を搬出して前記第1規定処理ユニットに搬入する第1搬送装置を有する搬送モジュールと、を備え、前記搬送モジュールは、前記第1搬送装置が内部に載置される載置空間を規定し、直方体の各辺に対応する外枠をなす第1フレームと、前記載置空間の内側に配置され、前記第1搬送装置の基台部が設置される第1床部と、前記載置空間の内側において、前記第1床部よりも前記第1方向に直交する水平方向である第3方向側に配置される第2床部と、前記第2床部よりも前記第3方向側に設けられ、前記載置空間を前記第1フレームの外部に連通させる出入口部とを含む。前記第1処理モジュールは、該第1処理モジュールの外形を規定し、直方体の各辺に対応する外枠をなす第2フレームを含む。前記第1フレームと前記第2フレームとの前記第3方向における辺の長さは同じであり、前記第1フレームと前記第2フレームとの前記第3方向における辺の端部が揃えられた状態で前記第1処理モジュールと前記搬送モジュールとは連結される。
【0010】
第2態様は、第1態様の基板処理装置であって、前記第1搬送装置は、前記基板を保持するハンドと、前記ハンドを鉛直方向に移動させる鉛直モータを含む鉛直駆動部とを備える。
【0011】
第3態様は、第2態様の基板処理装置であって、前記第1床部が、前記第2床部よりも鉛直方向の下方に設けられている。
【0012】
第4態様は、第2態様または第3態様の基板処理装置であって、前記第1搬送装置は、前記ハンドを基台部に対して水平方向に離間または接近する方向に移動させる移動モータを含む水平移動駆動部を含み、前記第1床部が前記第1受渡部よりも前記第3方向とは反対側に設けられている。
【0013】
第5態様は、第4態様の基板処理装置であって、前記第1規定処理ユニットは、前記基板に流体を供給するノズルを有する。
【0014】
第6態様は、第5態様の基板処理装置であって、前記搬送モジュールおよび前記第1処理モジュールにまたがって配置され、前記ノズルに前記流体を供給する供給配管をさらに備える。
【0015】
第7態様は、第6態様の基板処理装置であって、前記供給配管が内側に挿通される筒状のジャバラ部材、をさらに備え、前記第1処理モジュールは、前記供給配管が配設される第1配管室を有し、前記搬送モジュールは、前記供給配管が配設される第2配管室を有し、前記ジャバラ部材の一端側の開口部が前記第1配管室に連結され、他端側の開口部が前記第2配管室に連結されている。
【0016】
第8態様は、第5態様から第7態様のいずれか1つの基板処理装置であって、前記第2床部よりも下方に、前記流体を供給される配管接続口が設けられている。
【0017】
第9態様は、第1態様から第8態様のいずれか1つの基板処理装置であって、前記搬送モジュールの前記第2方向側に配され、前記第1方向側から前記第1搬送装置が搬入する前記基板を一時的に保持する第2受渡部および前記基板に規定処理を行う第2規定処理ユニットを有する第2処理モジュールと、前記第2処理モジュールの前記第2方向側に配され、前記基板に規定処理を行う第3規定処理ユニットを有する第3処理モジュールと、前記第2受渡部と前記第2規定処理ユニットとの間および前記第2受渡部と前記第3規定処理ユニットとの間で前記基板を搬送する第2搬送装置とを含む。
【0018】
第10態様は、基板に対して規定処理を行う第1規定処理ユニットを有する第1処理モジュールを含む基板処理装置において前記基板を搬送する搬送モジュールであって、前記第1規定処理ユニットに対して第2方向側から前記基板を搬送する第1搬送装置と、前記第1搬送装置が内部に載置される載置空間を規定し、直方体の各辺に対応する外枠をなす第1フレームと、前記載置空間の内側に配置されて前記第1搬送装置の基台部が設置される第1床部と、前記載置空間の内側において、前記第1床部よりも前記第2方向に直交する水平方向の第3方向側に配置される第2床部と、前記第2床部を通じて前記載置空間を前記第1フレームの外部に連通させる出入口部とを備える。前記第1処理モジュールは、該第1処理モジュールの外形を規定し、直方体の各辺に対応する外枠をなす第2フレームを含む。前記第1フレームと前記第2フレームとの前記第3方向における辺の長さは同じであり、前記第1フレームと前記第2フレームとの前記第3方向における辺の端部が揃えられた状態で前記第1処理モジュールと前記搬送モジュールとは連結可能である。
【0019】
第11態様は、基板を処理する基板処理装置に設けられた連結モジュールであって、第1処理モジュールと、前記第1処理モジュールに対して第2方向側に連結される搬送モジュールと、を備え、前記第1処理モジュールは、基板に対して規定処理を行う第1規定処理ユニットと、前記基板を一時的に保持する第1受渡部と、前記第1処理モジュールの外形を規定し、直方体の各辺に対応する外枠をなす第2フレームと、を有し、前記搬送モジュールは、前記第1受渡部に対して前記第2方向側へ前記基板を搬出するとともに、前記第1規定処理ユニットに対して前記第2方向側から前記基板を搬入する第1搬送装置と、前記第1搬送装置が内部に載置される載置空間を規定し、直方体の各辺に対応する外枠をなす第1フレームと、を有する。前記第1フレームと前記第2フレームとの前記第2方向に直交する水平方向である第3方向における辺の長さは同じであり、前記第1フレームと前記第2フレームとの前記第3方向における辺の端部が揃えられた状態で前記第1処理モジュールと前記搬送モジュールとは連結される。
【発明の効果】
【0020】
第1態様の基板処理装置によると、作業者は、第1搬送装置をメンテする際に、搬送モジュールの出入口部を通って第2床部の上を進むことによって第1搬送装置に接近できる。また、第1処理モジュールおよび搬送モジュールを第2方向に交互に連結することもできる。この場合、搬送装置が、前の第1処理モジュールの第1受渡部から基板を受け取って、次の第1処理モジュールの第1受渡部に渡すことができる。このようにして、後続の第1処理モジュールに基板を供給できる。したがって、第1処理モジュールと搬送モジュールとを第2方向に交互に連結することによって、第1規定処理ユニットを容易に増設できる。
【0021】
第2態様の基板処理装置によると、ハンドに保持された基板を鉛直方向に搬送できる。
【0022】
第3態様の基板処理装置によると、第1床部を第2床部よりも低く配置することにより、ハンドを低い位置に移動させることができる。これにより、低い位置に基板を搬送できる。
【0023】
第4態様の基板処理装置によると、第3方向とは反対側に設けあれた第1床部に第1搬送装置の基台部が配置される。また、ハンドを基台部に対して水平方向に離間または接近する方向移動させることによって、第1受渡部の第3方向とは反対の側からハンドをアクセスさせることができる。
【0024】
第5態様の基板処理装置によると、流体で基板を処理できる。
【0025】
第6態様の基板処理装置によると、搬送モジュール側から処理モジュール側に流体を供給できる。
【0026】
第7態様の基板処理装置によると、第1処理モジュールと搬送モジュールとの接続部分に配される供給配管の部分をジャバラ部材で囲むことができる。これにより第1処理モジュールと搬送モジュールとの間の接続部分で流体を含む雰囲気が装置の外側に漏れることを低減できる。
【0027】
第8態様の基板処理装置によると、第2床部よりも下方に配管接続口が設けられていることにより、作業者が配管接続口を踏むことなくメンテナンスできる。
【0028】
第9態様の基板処理装置によると、第1搬送装置への接近を容易にしつつ、第2規定処理ユニットおよび第3規定処理ユニットを増設できる。
【0029】
第10態様の搬送モジュールによると、作業者は、第1搬送装置をメンテする際に、搬送モジュールの出入口部を通って第2床部の上を進むことによって第1搬送装置に接近できる。
【0030】
第11態様の連結モジュールによると、第1処理モジュールと搬送モジュールとを第2方向に交互に連結することによって、第1規定処理ユニットを容易に増設できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】第1実施形態に係る基板処理装置1の内部のレイアウトを説明するための図解的な平面図である。
図2図1に示すII-II線に沿う位置における基板処理装置1の内部を示す図解的な側断面図である。
図3図1に示すIII-III線に沿う位置における基板処理装置1の内部を示す図解的な側断面図である。
図4図1に示すIV-IV線に沿う位置における基板処理装置1の内部を示す図解的な側断面図である。
図5】基板処理装置1に備えられた液処理ユニットP1~P18の内部を水平方向にみた模式図である。
図6】基板処理装置1の各要素と制御部7との接続を示すブロック図である。
図7】流体を各液処理ユニットP1~P18に供給する配管の配置を説明するための図解的な平面図である。
図8】処理タワーの数が2つの基板処理装置1Aを示す図解的な平面図である。
図9】処理タワーの数が4つの基板処理装置1Bを示す図解的な平面図である。
図10】基板処理装置1Cを示す図解的な平面図である。
図11】加熱処理ユニットHP1を示す図である。
図12】基板処理装置1Dを示す図解的な平面図ある。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数が誇張又は簡略化して図示されている場合がある。また、各図においては、各要素の位置関係を説明するため、右手系のXYZ直交座標系を定義する。ここでは、X軸およびY軸が水平方向に延びており、Z軸が鉛直方向に延びているものとする。また、以下の説明では、矢印の先端が向く方を+(プラス)方向とし、その逆方向を-(マイナス)方向とする。ここでは、鉛直方向上向きが+Z方向であり、鉛直方向下向きが-Z方向である。
【0033】
相対的または絶対的な位置関係を示す表現(例えば「一方向に」「一方向に沿って」「平行」「直交」「中心」「同心」「同軸」等)は、特に断らない限り、その位置関係を厳密に表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる範囲で相対的に角度または距離に関して変位された状態も表すものとする。等しい状態であることを示す表現(例えば「同一」「等しい」「均質」等)は、特に断らない限り、定量的に厳密に等しい状態を表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる差が存在する状態も表すものとする。形状を示す表現(例えば、「四角形状」または「円筒形状」等)は、特に断らない限り、幾何学的に厳密にその形状を表すのみならず、同程度の効果が得られる範囲で、例えば凹凸や面取り等を有する形状も表すものとする。一の構成要素を「備える」「具える」「具備する」「含む」又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的表現ではない。「~の上」とは、特に断らない限り、2つの要素が接している場合のほか、2つの要素が離れている場合も含む場合がある。「特定方向に移動させる」とは、特に断らない限りにおいて、当該特定方向と平行に移動させる場合のみならず、当該特定方向の成分を持つ方向に移動させることを含む場合がある。
【0034】
<1. 第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る基板処理装置1の内部のレイアウトを説明するための図解的な平面図である。図2は、図1に示すII-II線に沿う位置における基板処理装置1の内部を示す図解的な側断面図である。図3は、図1に示すIII-III線に沿う位置における基板処理装置1の内部を示す図解的な側断面図である。図4は、図1に示すIV-IV線に沿う位置における基板処理装置1の内部を示す図解的な側断面図である。
【0035】
基板処理装置1は、半導体ウエハなどの円板状の基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式の装置である。基板処理装置1は、基板Wに対して洗浄処理またはエッチング処理などの各種処理を施す。図1に示すように、基板処理装置1は、+X側に向かって順に、インデクサセクション2と、処理セクション3とを含む。
【0036】
処理セクション3は、+X側に向かって順に、第1処理モジュール3A、搬送モジュール3T、第2処理モジュール3B、および第3処理モジュール3Cを含む。第1処理モジュール3Aと搬送モジュール3T、および搬送モジュール3Tと第2処理モジュール3Bは、それぞれ不図示の連結具によって連結および連結解除可能に連結される。すなわち、第1処理モジュール3A、搬送モジュール3T、および第2処理モジュール3Bは、不図示の連結具を解除することによって、互いに分離することが可能となっている。第1処理モジュール3Aおよび搬送モジュール3Tは、基板処理装置1に備えられる連結モジュールの一例である。
【0037】
第1処理モジュール3Aは第1受渡部PS1を含み、インデクサセクション2はこの第1受渡部PS1に基板Wを供給する。インデクサセクション2は基板供給部の一例である。処理セクション3は、第1受渡部PS1に供給された未処理である一枚の基板Wに規定処理を施す液処理ユニットP1~P18を備える。規定処理は、例えば処理用の液体またはガスを用いた流体処理、紫外線等の電磁波を用いた処理、物理洗浄処理(ブラシ洗浄、スプレーノズル洗浄等)などの各種の処理を含み得る。インデクサセクション2は、処理セクション3における処理が完了した基板Wを第1受渡部PS1から受け取る。
【0038】
インデクサセクション2は、複数(ここでは4つ)のステージST1~ST4と、インデクサロボット21とを含む。 ステージST1~ST4は、複数枚の基板Wを積層状態で収容した基板収容器20をそれぞれ保持できる基板収容器保持部である。基板収容器20は、基板Wを密閉した状態で収納するFOUP(Front Opening Unified Pod)であってもよいし、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッド、OC(Open Cassette)等であってもよい。たとえば、基板収容器20をステージST1~ST4に載置したとき、基板収容器20では、水平姿勢の複数枚の基板Wが互いに間隔を開けて鉛直方向に積層された状態となる。
【0039】
インデクサロボット21は、たとえば、基台部22と、多関節アーム23と、鉛直方向に間隔をあけて設けられる2つのハンド24A,24Bとを含む。基台部22は、たとえば、基板処理装置1のインデクサセクション2の外形を規定するフレームに固定されている。多関節アーム23は、水平面に沿って回動可能な複数本のアーム部を互いに回動可能に結合して構成されており、アーム部の結合箇所である関節部でアーム部間の角度を変更することによって、屈伸するように構成されている。多関節アーム23の基端部は、基台部22に対して、鉛直軸線回りの回動が可能であるように結合されている。さらに、多関節アーム23は、基台部22に対して昇降可能に結合されている。換言すれば、基台部22には、多関節アーム23を昇降させるための昇降駆動機構、多関節アーム23を鉛直軸線回りに回動させるための回動駆動機構が内蔵されている。また、多関節アーム23には、各アーム部を独立して回動させるための個別回動駆動機構が備えられている。多関節アーム23の先端部に、鉛直軸線回りの個別回動および水平方向への個別進退が可能であるように、ハンド24A,24Bが結合されている。多関節アーム23には、ハンド24A,24Bを鉛直軸線回りに個別に回動させるためのハンド回動駆動機構と、ハンド24A,24Bを水平方向に個別に進退させるためのハンド進退機構とが備えられている。ハンド24A,24Bは、一枚の基板Wをそれぞれ保持できるように構成されている。
【0040】
インデクサロボット21は、ステージST1~ST4のいずれかに保持された基板収容器20から一枚の未処理の基板Wをハンド24Aで搬出して、-X側(第1方向側)から第1受渡部PS1に渡すように動作する。さらに、インデクサロボット21は、第1受渡部PS1から一枚の処理済み基板Wをハンド24Bで受け取って、いずれかのステージST1~ST4に保持された基板収容器20に収容するように動作する。
【0041】
<処理セクション3>
処理セクション3の第1処理モジュール3Aは、インデクサセクション2から供給される基板Wを一時的に保持する第1受渡部PS1、および基板Wに規定処理を行う液処理ユニットP1~P6を有する。第1処理モジュール3Aは、直方体の各辺に対応する外枠をなすフレーム3FAを備えており、第1受渡部PS1および液処理ユニットP1~P6は、フレーム3FAに固定される。フレーム3FAは、第1処理モジュール3Aの外形を規定する部材である。
【0042】
第1受渡部PS1は、第1処理モジュール3Aのフレーム3FAにおけるY軸方向中央に設けられている。第1受渡部PS1は、インデクサロボット21によって-X側から搬入される基板Wを保持する。液処理ユニットP1~P3は第1受渡部PS1の+Y側に配され、液処理ユニットP4~P6は第1受渡部PS1の-Y側に配されている。液処理ユニットP1~P3および液処理ユニットP4~P6は、それぞれ+Z方向順に重ねられており、処理タワーTW1,TW2を構成する。
【0043】
搬送モジュール3Tは、第1処理モジュール3Aの+X側(第2方向側)に隣接して配される。搬送モジュール3Tの内部には、第1搬送ロボットCR1が設けられている。第1搬送ロボットCR1は、第1受渡部PS1から+X側に基板を搬出して、当該基板Wを液処理ユニットP1~P6の何れかに対して+X側から搬入する。また、第1搬送ロボットCR1は、液処理ユニットP1~P6にて処理された基板Wを搬出して、当該基板Wを第1受渡部PS1に対して+X側から搬入する。
【0044】
第1受渡部PS1は、隔壁30によって+Z側、-Z側、+Y側および-Y側が囲まれた筒状の搬送室31を有する。搬送室31の内側には、基板Wを水平姿勢で保持する基板保持部32が設けられている。基板保持部32は、例えば基板Wの周縁部を下方から支持する支持具321によって、基板Wを保持する。基板保持部32は、複数の支持具321を鉛直方向に間隔をあけて備えていることにより、同時に複数の基板Wを鉛直方向に並べて保持できるようにしてもよい。この場合、上下に並ぶ基板Wの隙間の間隔は、当該隙間にインデクサロボット21のハンド24A,24Bまたは第1搬送ロボットCR1のハンド44A,44Bが水平方向に進入することが可能な大きさとされ、例えばハンド24A,24B,44A,44Bの厚さ(基板Wを水平姿勢で保持するときの鉛直方向の幅)よりも大きい値とされてもよい。
【0045】
基板保持部32は、搬送室31のX軸方向中央よりも+X側に設けられている。すなわち、基板保持部32の支持具321は、インデクサロボット21よりも第1搬送ロボットCR1に近い位置に設けられる。インデクサロボット21は、多関節アーム23を有することにより、第1搬送ロボットCR1よりも、基板Wを水平方向に大きく移動させることができる。このため、インデクサロボット21は、第1搬送ロボットCR1より遠い位置から、第1受渡部PS1の基板保持部32に対して基板Wを搬入または搬出できる。
【0046】
処理セクション3の第2処理モジュール3Bは、搬送モジュール3Tに対して+X側(第2方向側)に隣接して配される。第2処理モジュール3Bは、-X側(第1方向側)から第1搬送ロボットCR1が搬入する基板Wを一時的に保持する第2受渡部PS2、および基板Wに規定処理を行う液処理ユニットP7~P12を有する。第2処理モジュール3Bは、直方体の各辺に対応する外枠をなすフレーム3FBを備えており、第2受渡部PS2および液処理ユニットP7~P12は、フレーム3FBに固定される。
【0047】
液処理ユニットP7~P9は第2受渡部PS2の+Y側に隣接して設けられ、液処理ユニットP10~P12は第2受渡部PS2の-Y側に隣接して設けられている。液処理ユニットP7~P9および液処理ユニットP10~P12は、それぞれ+Z方向に順に重ねられており、処理タワーTW3,TW4を構成する。
【0048】
第2受渡部PS2は、+Z側面、-Z側面、+Y側面および-Y側面を含む筒状の隔壁34で形成される搬送室35を有する。搬送室35の形状および大きさは、搬送室31とほぼ同じである。搬送室35内にシャトル搬送装置36が設けられている。シャトル搬送装置36は、基板Wを、水平姿勢で保持しつつ、X軸に沿って往復移動させる。シャトル搬送装置36は、X軸方向に延びるレール37、レール37に案内されて移動するシャトル本体部38、シャトル本体部38をX軸方向に往復移動させる移動モータ381、およびシャトル本体部38の上面に設けられて基板Wを水平姿勢で保持する2つの基板保持具39を備える。2つの基板保持具39は、それぞれ基板WをZ軸方向に異なる高さで保持する。このようにシャトル搬送装置36は、2つの基板Wを同時に保持してX軸方向に搬送できる。
【0049】
第2受渡部PS2では、シャトル搬送装置36によって、基板Wを、第1搬送ロボットCR1に近い-X側位置と、第2搬送ロボットCR2に近い+X側位置との間で搬送できる。このため、搬送ロボットCR1,CR2による基板Wの水平方向の移動量がインデクサロボット21よりも小さい場合であっても、搬送ロボットCR1,CR2の間で基板Wを受け渡しできる。
【0050】
処理セクション3の第3処理モジュール3Cは、第2処理モジュール3Bの+X側(第2方向側)に隣接して配される。第3処理モジュール3Cは、第2搬送ロボットCR2および液処理ユニットP13~P18を有する。第3処理モジュール3Cは、直方体の各辺に対応する外枠をなすフレーム3FCを備えており、第2搬送ロボットCR2および液処理ユニットP13~P18は、フレーム3FCに固定される。
【0051】
第2搬送ロボットCR2は、第3処理モジュール3CのY軸方向中央に設けられている。液処理ユニットP13~P15は第2搬送ロボットCR2の+Y側に設けられ、液処理ユニットP16~P18は第2搬送ロボットCR2の-Y側に設けられている。液処理ユニットP13~P15および液処理ユニットP16~P18は、それぞれ+Z方向に順に重ねられており、処理タワーTW5,TW6を構成する。
【0052】
第1搬送ロボットCR1および第2搬送ロボットCR2は、同一の構成を備えている。以下、第1搬送ロボットCR1の構成について説明する。なお、搬送ロボットCR1,CR2が同一の構成を備えていることは必須ではない。
【0053】
第1搬送ロボットCR1は、基台部41、水平駆動部42、鉛直駆動部43、および2つのハンド44A,44Bを備える。基台部41の上面には、鉛直方向に延びる支柱411が立設されている。第1搬送ロボットCR1の基台部41は、搬送モジュール3Tに取り付けられている。ここでは、搬送モジュール3Tに設けられた板状の第1床部FL1に設けられている。第1床部FL1は、搬送モジュール3Tにおける-Y側にて、ボルトなどを介してフレーム3FTに取付られている。フレーム3FTは、直方体の各に対応する外枠を有しており、搬送モジュール3Tの外形を規定する部材である。第1床部FL1は、処理タワーTW2,TW4に挟まれる位置に設けられており、第1受渡部PS1より-Y側にある。すなわち、第1搬送ロボットCR1の基台部41は、第1受渡部PS1よりも-Y側に設けられている。第2搬送ロボットCR2の基台部41は、第3処理モジュール3C(詳細には、後述する第4床部FL4)に固定されている。
【0054】
水平駆動部42は、ハンド44A,44Bを水平方向に移動させる。水平駆動部42は、ステージ421、水平方向に往復移動する水平スライダ422、水平スライダ422を移動させる水平モータ423を備える。ステージ421の上面には直線状に延びるレール(不図示)が設けられており、水平スライダ422の移動方向が当該レールによって規制される。水平スライダ422の移動は、例えばリニアモータ機構またはボールネジ機構などの周知の機構で実現される。水平スライダ422の先端部に、2つのハンド44A,44Bが設けられている。水平モータ423によって水平スライダ422がレールに沿って移動することにより、ハンド44A,44Bは水平方向に進退移動できる。換言すると、水平駆動部42は、ハンド44A,44Bを基台部41および支柱411から水平方向に離間および接近する方向に移動させる。
【0055】
水平駆動部42は、ステージ421を鉛直方向に沿う回動軸線CA1まわりに回動させる回動モータ424を備えている。回動モータ424によって、ハンド44A,44Bは回動軸線CA1まわりに、支柱411に干渉しない範囲で回動できる。
【0056】
鉛直駆動部43は、鉛直スライダ431、鉛直モータ432、連結具433を備えている。鉛直スライダ431は、支柱411に設けられた鉛直方向に延びるレール(不図示)に係合している。鉛直モータ432は、鉛直スライダ431を当該レールに沿って鉛直方向に往復移動させる。鉛直モータ432は、例えば、基台部41に設けられている。鉛直スライダ431の移動は、例えばリニアモータ機構またはボールネジ機構などの周知の機構で実現される。連結具433は、鉛直スライダ431およびステージ421を連結しており、ステージ421を下方から支持している。鉛直モータ432が鉛直スライダ431を移動させることにより、ステージ421が鉛直方向に移動する。これによって、ハンド44A,44Bが鉛直方向に昇降移動できる。
【0057】
なお、水平駆動部42がハンド44A,44Bを水平方向と平行に移動させることは必須ではなく、水平方向および鉛直方向の合成方向に移動させてもよい。すなわち、「水平方向に移動させる」とは、水平方向の成分を持つ方向に移動させることをいう。同様に、鉛直駆動部43がハンド44A,44Bを鉛直方向と平行に移動させることは必須ではなく、鉛直方向および水平方向の合成方向に移動させてもよい。すなわち、「鉛直方向に移動させる」とは、鉛直方向の成分を持つ方向に移動させることをいう。
【0058】
図5は、基板処理装置1に備えられた液処理ユニットP1~P18の内部を水平方向にみた模式図である。各液処理ユニットP1~P18は、内部空間を有する箱形の処理室50と、処理室50内で一枚の基板Wを水平姿勢で保持して基板Wの中央部を通る鉛直な回転軸線X1まわりに基板Wを回転させるスピンチャック51と、基板Wの回転軸線X1まわりにスピンチャック51を取り囲む筒状の処理カップ511とを含む。
【0059】
処理室50は、箱状の隔壁50aによって囲まれている。隔壁50aには、処理室50内に基板Wを搬出入するための開口部50bが形成されている。開口部50bはシャッタ50cによって開閉される。シャッタ50cは、シャッタ昇降機構(図示しない)によって、開口部50bを覆う閉位置(図5に二点鎖線で示す)と、開口部50bを開放する開位置(図5に実線で示す)との間で昇降させられる。
【0060】
基板Wの搬出入の際には、搬送ロボットCR1またはCR2が、開口部50bを通して処理室50内にハンド44A,44Bをアクセスさせる。これにより、スピンチャック51上に未処理の基板Wを載置したり、スピンチャック51から処理済の基板Wを取り除いたりできる。
【0061】
図5に示すように、スピンチャック51は、水平な姿勢をなす円板状のスピンベース51aと、スピンベース51aの上面外周部から上方に突出する複数のチャックピン51bと、複数のチャックピン51bを基板Wの周縁部に押し付けるチャック開閉機構と、スピンベース51aの中央部から下方に延びる回転軸51cと、回転軸51cを回転させることにより、複数のチャックピン51bに保持されている基板Wを回転させるスピンモータ51dとを含む。スピンチャック51は、図5に示す挟持式のチャックに限らず、基板の下面をスピンベースの上面に吸着させることにより基板を水平な姿勢で保持するバキューム式のチャックであってもよい。
【0062】
図5に示すように、液処理ユニットP1~P18は、スピンチャック51に保持されている基板Wの上面に向けて薬液を吐出する薬液ノズル52と、薬液ノズル52に供給される薬液を貯留する薬液タンク53と、薬液タンク53内の薬液を薬液ノズル52に導く薬液配管54と、薬液タンク53内の薬液を薬液配管54に送る送液装置55(たとえば、ポンプ)と、薬液配管54の内部を開閉する薬液バルブ56とを含む。液処理ユニットP1~P18は、さらに、薬液バルブ56よりも上流側(薬液タンク53側)で薬液配管54と薬液タンク53とを接続する循環配管57と、循環配管57の内部を開閉する循環バルブ58と、循環配管57を流れる薬液の温度を調節する温度調節装置59とを含む。
【0063】
薬液バルブ56および循環バルブ58の開閉は、制御部7(図6参照)によって制御される。薬液タンク53内の薬液が薬液ノズル52に供給されるときには、薬液バルブ56が開かれ、循環バルブ58が閉じられる。この状態では、送液装置55によって薬液タンク53から薬液配管54に送られた薬液が、薬液ノズル52に供給される。一方、薬液ノズル52への薬液の供給が停止されるときには、薬液バルブ56が閉じられ、循環バルブ58が開かれる。この状態では、送液装置55によって薬液タンク53から薬液配管54に送られた薬液が、循環配管57を通じて薬液タンク53内に戻る。そのため、薬液ノズル52への薬液の供給が停止されている供給停止中は、薬液が、薬液タンク53、薬液配管54、および循環配管57によって構成された循環経路を循環し続ける。温度調節装置59は、循環配管57内を流れる薬液の温度を調節する。したがって、薬液タンク53内の薬液は、供給停止中に循環経路で加熱され、室温よりも高い温度に維持される。
【0064】
さらに、薬液ノズル52から微少量の薬液を吐出してプリディスペンスが行えるように、薬液バルブ56は開度が調整可能となっている。また、薬液ノズル52近傍には薬液回収部材(図示しない)が配置されており、薬液ノズル52からプリディスペンスされた薬液が回収できるようになっている。
【0065】
また、図5に示すように、液処理ユニットP1~P18は、スピンチャック51に保持されている基板Wの上面に向けてリンス液を吐出するリンス液ノズル60と、リンス液供給源(不図示)からのリンス液をリンス液ノズル60に供給するリンス液配管61と、リンス液配管61からリンス液ノズル60へのリンス液の供給および供給停止を切り換えるリンス液バルブ62とを含む。リンス液としては、DIW(脱イオン水)等が用いられる。薬液ノズル52により基板Wに薬液を供給後に、リンス液ノズル60からリンス液を基板Wに供給することにより、基板Wに付着している薬液を洗い流すことができる。
【0066】
さらに、液処理ユニットP1~P18は、処理室50の内側の所定部位(たとえばスピンベース51a)に向けて洗浄液を吐出するための洗浄液ノズル64と、洗浄液供給源(不図示)からの洗浄液を洗浄液ノズル64に供給する洗浄液配管65と、洗浄液配管65から洗浄液ノズル64への洗浄液の供給および供給停止を切り換える洗浄液バルブ66とを含む。洗浄液としては、DIW(脱イオン水)等が用いられる。洗浄液ノズル64は、処理室50の内壁に取り付けられている。複数のチャックピン51bにダミー基板(図示しない。洗浄用治具)や基板Wが保持された状態で、スピンベース51aおよびチャックピン51bが回転されると共に、洗浄液ノズル64から洗浄液が吐出される。洗浄液ノズル64から吐出される洗浄液が、チャックピン51bに保持されているダミー基板の上面または基板Wの上面で跳ね返って、処理室50内に洗浄液が飛散するようになる。洗浄液をこのように飛散させることで、処理室50内に配置された各種部品(チャックピン51bや処理カップ511)を洗浄できる。
【0067】
処理カップ511は、スピンチャック51の周囲を取り囲むように設けられており、不図示のモータによって、鉛直方向に昇降する。処理カップ511の上部は、その上端がチャックピン51bに保持された基板Wよりも上側となる上位置と、当該基板Wの高さよりも下側になる下位置との間で昇降する。基板Wの上面から外側に飛散した処理液は、処理カップ511の内側面に受け止められる。処理カップ511に受け止められた処理液は、処理室50の底部であって処理カップ511の内側に設けられた排液口513を通じて、処理室50の外部に適宜排液される。また、処理室50の側部には、排気口515が設けられている。排気口515を通じて、処理室50内の雰囲気が処理室50外に適宜排出される。
【0068】
図6は、基板処理装置1の各要素と制御部7との接続を示すブロック図である。制御部7のハードウェア構成は、一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部7は、各種演算処理を行うCPU71、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM72、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAM73、および制御用アプリケーション(プログラム)またはデータ等を記憶する非一過性の記憶部74を備えている。CPU71,ROM72,RAM73、および記憶部74はバス配線75で互いに接続されている。
【0069】
制御アプリケーションまたはデータは、非一過性の記録媒体(半導体メモリ、光学メディア、磁気メディアなど)に記録された状態で、制御部7に提供されてもよい。この場合、当該記録媒体から制御アプリケーションまたはデータを読み取る読取装置がバス配線75に接続されているとよい。また、制御アプリケーションまたはデータは、ネットワークを介してサーバーなどから制御部7に提供されてもよい。この場合、外部装置とネットワーク通信を行う通信部がバス配線75に接続されているとよい。
【0070】
バス配線75には、入力部76および表示部77が接続されている。入力部76はキーボードおよびマウスなどの各種入力デバイスを含む。作業者は、入力部76を介して制御部7に各種情報を入力する。表示部77は、液晶モニタなどの表示デバイスで構成されており、各種情報を表示する。
【0071】
制御部7は、液処理ユニットP1~P18の作動部(バルブ56,58,62,66、シャッタ50cおよびスピンモータ51dなど)、シャトル搬送装置36の作動部(移動モータ381など)、搬送ロボットCR1,CR2の作動部(水平モータ423、回動モータ424および鉛直モータ432など)に接続されており、それらの動作を制御する。
【0072】
図7は、流体を各液処理ユニットP1~P18に供給する配管の配置を説明するための図解的な平面図である。図7に示すように、処理セクション3には、複数の接続口で構成される配管接続口群81(81A,81B,81C),配管接続口群82(82A,82B,82C),配管接続口群83(83A,83C),配管接続口群84(84A,84B,84C)が設けられている。詳細には、第1処理モジュール3Aには配管接続口群81A,82A、84Aが設けられ、搬送モジュール3Tには配管接続口群83Aが設けられている。また、第2処理モジュール3Bには配管接続口群81B,82B,84Bが設けられ、第3処理モジュール3Cには配管接続口群81C,82C,83C,84Cが設けられている。
【0073】
配管接続口群81~84は、基板処理装置1の外から供給される流体の配管に接続されている。配管接続口群81~84に各液処理ユニットP1~P18につながる配管が接続されることによって、液処理ユニットP1~P18に処理液が供給される。
【0074】
第1処理モジュール3Aのフレーム3FAの下部には、隔壁851Aで囲まれた配管室861Aが設けられている。搬送モジュール3Tのフレーム3FTの下部には、隔壁85Tで囲まれた配管室86Tが設けられている。隔壁851A,85Tは、それぞれフレーム3FA,3FTに取付けられる。
【0075】
配管室861Aは、第1処理モジュール3AのY軸方向中央にてX方向に延びる直方体状であり、第1処理モジュール3Aの第1受渡部PS1の下方に設けられている。配管室86Tは搬送モジュール3Tの+Y側に設けられており、配管室86Tの上方は板状の第2床部FL2で覆われている。第2床部FL2は、ボルトなどを介してフレーム3FTに取付けられている。第2床部FL2は、第1床部FL1の+Y側(第3方向側)に隣接して設けられている。第2床部FL2は、第1床部FL1の+Y側端部からフレーム3FTの+Y側端部まで、Y軸方向に延びる。上述したように、第1床部FL1には、第1搬送ロボットCR1の基台部41が設置される。すなわち、フレーム3FTの内側は、第1搬送ロボットCR1(第1搬送装置)が載置される載置空間の一例である。
【0076】
第2床部FL2の上面FL2Sは、第一床面の上面FL1Sよりも低い位置にある。この場合、上面FL1Sに第1搬送ロボットCR1を設置した場合に、当該第1搬送ロボットCR1の下端を上面FL2Sより低い位置に配置できる。したがって、第1搬送ロボットCR1は低い位置に配された処理ユニット(例えば、液処理ユニットP1,P4)に対しても基板Wを搬送できる。
【0077】
搬送モジュール3Tは、隔壁301Tで囲まれたメンテナンス室302Tを有する。隔壁301Tは、フレーム3FTに取付けられる。メンテナンス室302Tは、直方体状であり、第1処理モジュール3Aの処理タワーTW1と第2処理モジュール3Bの処理タワーTW3との間に設けられている。また、処理タワーTW1は、第1受渡部PS1の搬送室31と第2受渡部PS2の搬送室35との間に設けられている。メンテナンス室302Tの隔壁301Tにおける+Y側部には、出入口部303Tが設けられている。出入口部303Tは、第2床部FL2の+Y側(第3方向側)に設けられている。メンテナンス室302Tの内側をメンテナンス室302T(フレーム3FT)の外部に連通させる開口を有しており、当該開口は内側を人が通行可能な程度の大きさを有している。隔壁301Tにおける+Y側部には、出入口部303Tを開閉するドア304Tが設けられている。出入口部303Tの開口の下端と第2床部FL2の上面FL2Sとは、例えば略同じ高さとされている。
【0078】
作業者は、ドア304Tを手動で開けて出入口部303Tの内側を通ることにより、メンテナンス室302T内に進入できる。また、作業者は、第2床部FL2の上面FL2Sを踏みつつ-Y方向に進むことにより、第1搬送ロボットCR1に接近できるため、第1搬送ロボットCR1をメンテナンスできる。また、配管室86Tの上方は第2床部FL2で覆われているため、作業者は、配管室86Tに設けられた配管接続口群83A、およびそれに接続された配管831A(供給配管)を踏まずに第1搬送ロボットCR1に接近できる。
【0079】
メンテナンス室302Tの+X側部のY軸方向中央には、第2受渡部PS2の搬送室35の-側の搬送口に対応する開口が形成されている。第1搬送ロボットCR1は、当該開口を通じて、第2処理モジュール3Bの第2受渡部PS2に基板Wを搬入するとともに、第2受渡部PS2から基板Wを搬出する。また、メンテナンス室302Tの-側部のうち、第2床部FL2および第1床部FL1より上側には隔壁301Tが無く、メンテナンス室302Tの内側と第1処理モジュール3Aの内部空間とが連通している。このように隔壁301Tが無いことにより、第1搬送ロボットCR1が、処理タワーTW1,TW2における各液処理ユニットP1~P6に基板Wを搬送できる。
【0080】
第1受渡部PS1の搬送室31と第2受渡部PS2の搬送室35は、メンテナンス室302Tに向けて開口していることから、作業者は、メンテナンス室302Tから直接シャトル搬送装置36などの第2処理モジュール3B内における機器をメンテナンスできる。また、作業者は、シャトル搬送装置36などの取り外し可能な機器に対し、メンテナンス室302Tを経由して基板処理装置1の外部へ搬出することもできる。さらに、作業者は、当該開口を通じて、第1処理モジュール3A及び第2処理モジュール3Bの処理タワーTW1-4の内部状況も確認することができる。
【0081】
第1処理モジュール3Aの配管室861Aの内側には、配管接続口群81A,82Aが設けられている。配管接続口群81Aは配管室861AのX軸方向中央付近に設けられ、配管接続口群82Aは配管接続口群81Aの+X側に設けられている。
【0082】
搬送モジュール3Tの配管室86Tの内側には、配管接続口群83Aが設けられている。配管接続口群83Aは配管室86Tの中央よりも+Y側寄りに設けられている。ここでは、配管接続口群83Aは第2床部FL2の下方に設けられており、配管接続口群83Aの上方は第2床部FL2によって覆われている。
【0083】
配管接続口群81A,82A,83A各々は、互いに独立した複数の配管接続口の集合である。各配管接続口は、各液処理ユニットP1~P18に接続される配管の一端を接続することが可能な構造を有する。配管接続口群81A,82A,83Aは、基板処理装置1の外側に設けられた第1処理液、第2処理液および第3処理液の供給源に接続されている。配管接続口群81Aは比較的低温に調整される第1処理液の供給源に、配管接続口群82Aは比較的高温に調整される第2処理液の供給源に、配管接続口群83Aは第3処理液の供給源にそれぞれ接続されている。
【0084】
配管接続口群81A,82A,83Aには、それぞれ配管811A,821A,831Aが少なくとも2つずつ接続される。配管接続口群81A,82Aに接続される配管811A,821Aは配管室861Aに配設され、配管接続口群83Aに接続される配管831Aは配管室86T,861Aにまたがって配設される。すなわち、配管831Aは、搬送モジュール3Tおよび第1処理モジュール3Aに跨がって配設される供給配管の一例である。
【0085】
第1処理モジュール3Aの+Y側および-Y側各々には、隔壁852Aで囲まれた配管室862Aが1つずつ設けられている。2つの配管室862Aは、処理タワーTW1,TW2各々の-X側に隣接して設置されており、これら2つの配管室862Aの間に配管室861Aが配置されている。
【0086】
配管室862Aは、鉛直方向に延びる直方体状であり、内側に配管811A,821A,831Aが配設される(図2図4図7参照)。+Y側の配管室862Aの下部と配管室861Aの+Y側部には、内側に配管811A,821A,831Aが挿通される開口部が設けられている。
【0087】
配管811Aの先端側は、配管室861Aを通って+Y側または-Y側の配管室862Aに延び、配管室862A内で鉛直上向きに延びる。さらに、配管811Aの先端側は、配管室862Aの上部にて下向きに方向転換して鉛直下向きに延び、再び配管室861Aを通る。そして、配管811Aの先端は、配管室861A内で、配管接続口群81Aのいずれかに接続される。このように、配管接続口群81Aには、基板処理装置1の内側に向けて第1処理液を供給するための接続口のほか、基板処理装置1に供給された第1処理液を外部の供給源に戻す循環配管(例えば、図5に示す循環配管57)が接続される接続口を含む。配管接続口群81B,81Cについても同様である。
【0088】
配管811Aと同様に、配管821Aの先端側は、配管室861Aを通って+Y側または-Y側の配管室862Aまで延び、配管室862A内で鉛直上向きに延びる。さらに、配管821Aの先端側は、配管室862Aの上部にて下向きに方向転換して鉛直下向きに延び、再び配管室861Aを通る。そして、配管821Aの先端は、配管室861A内で配管接続口群82Aに接続される。このように、配管接続口群82Aには、基板処理装置1の内側に向けて第2処理液を供給するための接続口のほか、基板処理装置1に供給された第2処理液を外部の供給源に戻す循環配管(例えば、図5に示す循環配管57)が接続される接続口を含む。配管接続口群82B,82Cについても同様である。
【0089】
配管831Aの先端側は、配管室86T,861Aを順に通って+Y側または-Y側の配管室862Aまで延び、配管室862A内で鉛直上向きに延びる(図2図4参照)。配管室862A内で上向きに延びる配管811A,821A,831Aの各部分には、液処理ユニットP1~P3またはP4~P6に向かって延びる配管が接続される(図2図4参照)。これにより、各配管811A,821A,831Aから各液処理ユニットP1~P6の各ノズルに第1~第3処理液が供給される。
【0090】
第1処理モジュール3Aの配管室861Aの内側には、配管接続口群84Aが設けられている。配管接続口群84Aは2つの接続口を含み、一方は処理タワーTW1と配管接続口群81Aとの間に設けられ、他方は処理タワーTW2と配管接続口群81Aとの間に設けられている。配管接続口群84Aの各接続口は、基板処理装置1の外部に配される第4処理液の供給源に接続されている。配管接続口群84Aには、液処理ユニットP1~P3またはP4~P6に向かう配管841Aが接続される。これにより、配管841Aから各液処理ユニットP1~P6に第4処理液が供給される。
【0091】
配管831Aの先端側は、配管接続口群83Aから-Y側に延びて搬送モジュール3TのY軸方向中央にて延びる方向が-X方向に転換する。そして配管831Aの先端側は、配管室86Tを出て第1処理モジュール3Aの配管室861Aの+X側の外部から内部に配設される。配管室86Tと配管室861Aとの間に跨って配される配管831Aの部分は、筒状のジャバラ部材91の内側に挿通されている。ジャバラ部材91はX軸方向に延びる中心軸に沿って伸縮変形が可能な円環の筒状に形成されている。ジャバラ部材91の-X側開口部は配管室861A(第1配管室)の隔壁851Aにボルトなどで連結され、ジャバラ部材91の+X側開口部は配管室86T(第2配管室)の隔壁85Tにボルトなどで連結される。ジャバラ部材91の両端の開口部は、好ましくは、例えばシール部材などを用いて各隔壁851A,85Tに連結される。これにより、ジャバラ部材91の内側が密閉状態で取り付けられる。
【0092】
この場合、第1処理モジュール3Aと搬送モジュール3Tの接続部分に配設される配管831Aの部分を、ジャバラ部材91で囲むことができる。これにより、第1処理モジュール3Aと搬送モジュール3Tの間の接続部分で配管831Aを流れる処理液を含む雰囲気が、基板処理装置1の内側または外側に漏れることを低減できる。
【0093】
<処理モジュール3B,3Cにおける配管の配設>
図7に示すように、第2処理モジュール3BのY軸方向中央の下部には、隔壁851Bで囲まれた配管室861Bが設けられている。配管室861Bは、処理タワーTW3,TW4の間に配されている。第3処理モジュール3CのY軸方向中央の下部には、隔壁851Cで囲まれた配管室861Cが設けられている。配管室861Cは、処理タワーTW5,TW6の間に配されている。
【0094】
配管室861Bと配管室861Cとの間には、筒状のジャバラ部材91が設けられている。ジャバラ部材91の-X側開口部は配管室861Bの+X側部の隔壁851Bに連結されており、ジャバラ部材91の+X側開口部は配管室861Cの-X側部の隔壁851Cに連結されている。
【0095】
配管室861Cの上方は、第3床部FL3で覆われている。配管室861Cの+Y側の隔壁851Cは、-Y側にくぼむ矩形状の凹みを形成している。この凹みの上方は、第4床部FL4で覆われており、当該第4床部FL4の上面FL4Sに第2搬送ロボットCR2の基台部41が設置される。すなわち、配管室861Cの隔壁851Cは、基台部41の+X側、-X側および-Y側の三方を囲むように設けられている。
【0096】
第3処理モジュール3Cは、隔壁301Cで囲まれたメンテナンス室302Cを有する。メンテナンス室302Cは、直方体状であり、処理タワーTW5,TW6の+X側に隣接して配されている。メンテナンス室302Cの隔壁301Cにおける+X側部のY軸方向中央部には、メンテナンス室302Cの内側に連通する出入口部303Cが設けられている。また、隔壁301Cの+X側部には、出入口部303Cを開閉するドア304Cが設けられている。
【0097】
配管室862Cの上方は板状の第5床部FL5で覆われている。すなわち、メンテナンス室302Cは、第5床部FL5によって上下に区切られている。第5床部FL5の上面FL5Sは、出入口部303Cの上端よりも下側に設定されており、ここでは出入口部303Cの下端と同じ高さに設定されている。また、第5床部FL5の上面FL5Sと第3床部FL3の上面FL3Sとは同一の高さに設定されている。
【0098】
作業者は、ドア304Cを手動で開けて出入口部303Cの内側を通ることにより、メンテナンス室302Cに進入できる。また、作業者は、第5床部FL5および第3床部FL3の各上面FL5S,FL3Sを踏みつつ、メンテナンス室302Cの内側および処理タワーTW5,TW6の間を-X方向に進むことによって、第2搬送ロボットCR2に接近できる。これにより、作業者は、第2搬送ロボットCR2のメンテを行うことができる。
【0099】
なお、メンテナンス室302Cの内側に、制御部7などを含む各種電装品が設置されてもよい。この場合、基板処理装置1の占有スペースを小さくすることができる。
【0100】
第3処理モジュール3Cのメンテナンス室302Cの下部には、隔壁852Cで囲まれた配管室862Cが設けられている。配管室862Cの-X側部のY軸方向中央と、配管室861Cの+X側端部とには、配管室861C,862Cの内部を互いに連通させる開口部が設けられている。当該開口部の内側には、配管811C,821Cが挿通される。
【0101】
第3処理モジュール3Cの+Y側および-Y側には、隔壁853Cで囲まれた2つの配管室863Cが設けられている。2つの配管室863Cのうち、1つは液処理ユニットP13~P15の+Y側に設けられ、もう1つは液処理ユニットP14~P18の+Y側に設けられている。2つの配管室863Cの間に、配管室861Cが設けられている。+Y側の配管室863Cの下部と、配管室861Cの+X側部とには、内側に配管811C,821C,831Cが挿通される開口部が設けられている。
【0102】
配管室861Bの内側には、配管接続口群81B,82Bが設けられている。配管接続口群81B,82Bには、配管811B,821Bが少なくとも2つずつ接続される。配管811B,821Bは、配管室861Bに配設される。
【0103】
第2処理モジュール3Bの+Y側および-Y側各々には、隔壁852Bで囲まれた配管室862Bが1つずつ設けられている。2つの配管室862Bは、処理タワーTW3,TW4各々の-Xに隣接して配置されており、これら2つの配管室862Bの間に配管室861Bが配置されている。
【0104】
配管室862Bは、鉛直方向に延びる直方体状であり、内側に配管811B,821B,831Bが配設される(図2図4図7参照)。+Y側の配管室862Bの下部と配管室861Bの+Y側部、および-Y側の配管室862Bの下部と配管室861Bの-Y側部には、内側に配管811B,821B,831Bが挿通される開口部が設けられている。
【0105】
配管811Bの先端側は、配管室861Bを通って+Y側または-Y側の配管室862Bに延び、配管室862B内で鉛直上向きに延びる(図7参照)。さらに、配管811Bの先端側は、配管室862Bの上部にて下向きに方向転換して鉛直下向きに延び、再び配管室861Bに延びる。そして、配管811Bの先端は、配管室861B内で、配管接続口群81Bのいずれかに接続される。
【0106】
配管811Bと同様に、配管821Bの先端側は、配管室861Bを通って+Y側または-Y側の配管室862Bに延び(図7参照)、配管室862B内で鉛直上向きに延びる(図2図4参照)。さらに、配管821Bの先端側は、配管室862Bの上部にて下向きに方向転換して鉛直下向きに延び、再び配管室861Bに延びる。配管室861Bに延びる配管821Bの先端は配管接続口群82Bに接続される。
【0107】
第3処理モジュール3Cの配管室861Cの内側には、配管接続口群83Cが設けられている。配管接続口群83Cには、処理タワーTW3,TW4の液処理ユニットP7~P12に第3処理液を供給する配管831B、および処理タワーTW5,TW6の液処理ユニットP13~P18に処理液を供給する配管831Cが、それぞれ少なくとも2つずつ接続される。
【0108】
配管831Bの先端側は、-X方向に延びて配管室861C,861Bを通り、+Y側または-Y側の配管室862Bに延びる(図7参照)。配管831Bの先端側は、配管室862B内で鉛直上向きに延びる(図2図4参照)。
【0109】
配管室861Bの+X側部と、配管室861Cの-X側部との間には、筒状のジャバラ部材91が連結されている。配管室861B,861Cの間に跨って配される配管831Bの部分は、ジャバラ部材91の内側に挿通される。当該ジャバラ部材91は、例えばボルトなどで各隔壁851B,851Cに取付けられる。
【0110】
配管室862B内で上向きに延びる配管811B,821B,831Bの各部分には、液処理ユニットP7~P9またはP10~P12に向かって延びる配管が接続される(図2図4参照)。これにより、各配管811B,821B,831Bから各液処理ユニットP7~P12の各ノズルに第1~第3処理液が供給される。
【0111】
第3処理モジュール3Cの配管室862Cの内側には、配管接続口群81C,82Cが設けられている。配管接続口群81C,82Cには、処理タワーTW5,TW6の液処理ユニットP13~P18に第1および第2処理液を供給する配管811C,821Cが少なくとも2つずつ接続される。
【0112】
配管811Cの先端側は、配管室862C,861Cを順に通って+Y側または-Y側の配管室863Cまで延び、配管室863C内で鉛直上向きに延びる。さらに、配管811Cの先端側は、配管室863Cの上部にて下向きに方向転換して鉛直下向きに延び、再び配管室861Cを通って配管室862Cに延びる(図2図4参照)。そして、配管811Cの先端は、配管室862C内で配管接続口群81Cのいずれかに接続される。
【0113】
配管811Cと同様に、配管821Cの先端側は、配管室862C,861Cを通って+Y側または-Y側の配管室863Cまで延び、配管室863C内で鉛直上向きに延びる。さらに、配管821Cの先端側は、配管室863Cの上部にて下向きに方向転換して鉛直下向きに延び、再び配管室861Cを通って配管室862Cに延びる(図2図4参照)。そして、配管821Cの先端は、配管室862C内で配管接続口群82Cに接続される。
【0114】
配管831Cの先端側は、+X方向に延びて配管室861Cを通り、+Y側または-Y側の配管室862Bに延びる。配管831Bの先端側は、配管室862C内で鉛直上向きに延びる(図2図4参照)。
【0115】
配管室863C内で上向きに延びる各配管811C,821C,831Cの各部分には、液処理ユニットP13~P15またはP16~P18に向かって延びる配管が接続されている(図2図4参照)。これにより、各配管811C,821C,831Cから各液処理ユニットP13~P18の各ノズルに第1~第3処理液が供給される。
【0116】
基板処理装置1では、処理モジュール3A,3B,3C各々に、第1処理液を供給するための配管接続口群81(81A~81C)が設けられている。このため、第1処理液を各処理ユニットに供給するための配管811A~811C間で、配管長に大きな違いが生じることを抑制できる。また、各接続口から処理ユニットまでの距離を短くすることができる。この場合、例えば基板処理装置1外で第1処理液の温度が調整されるときに、配管811A~811Cを通過したときの温度変化を小さくできる。第3処理液を供給する配管接続口群82(82A~82C)についても同様の効果を得ることができる。
【0117】
なお、第3処理液は、液処理ユニットP1~P18に設けられたノズルに対して直前に混合する複数の処理液を供給してもよい。例えば、配管接続口群83(83A,83C)に、硫酸および過酸化水素水をそれぞれ独立に供給する配管接続口を設けて、各液体を液処理ユニットP1~P18の各々に供給してもよい。そして、各液処理ユニットP1~P18にて、基板Wに供給する直前にこれらの液体を混合してSPM(sulfuric acid / hydrogen peroxide mixture:硫酸過酸化水素水混合液)を生成してもよい。
【0118】
配管室861BにおけるX軸方向中央には、配管接続口群84Bが設けられている。配管接続口群84Bは2つの接続口を含み、一方は処理タワーTW3と配管接続口群81Bとの間に設けられ、他方は処理タワーTW4と配管接続口群81Bとの間に設けられている。また、配管室861CにおけるX軸方向中央より-X側の位置には、配管接続口群84Cが設けられている。配管接続口群84Cは2つの接続口を含み、一方は処理タワーTW5と配管接続口群83Cとの間に設けられ、他方は処理タワーTW6と配管接続口群83Cとの間に設けられている。
【0119】
配管接続口群84B,84Cの各接続口も、配管接続口群84Aと同様に第4処理液の供給源に接続されている。配管接続口群84Bには液処理ユニットP7~P9またはP10~P12につながる配管841Bが接続され、配管接続口群84Cには液処理ユニットP13~P15またはP16~P18につながる配管841Cが接続される。これにより、配管841B,841Cから各液処理ユニットP7~P18に第4処理液が供給される。
【0120】
図2および図4に示すように、第1処理モジュール3Aに設けられた液処理ユニットP1,P4各々の下方には、配管室871Aが1つずつ設けられている。2つの配管室871Aには、排液口881Aが設けられている。排液口881Aには、液処理ユニットP1~P3またはP4~P6につながる排液用配管882Aが接続される。排液用配管882Aは、液処理ユニットP1~P6の各処理室50に設けられた排液口513に接続され、液処理ユニットP1~P6から排出された処理液を、排液口881Aを通じて基板処理装置1外に排出する。
【0121】
また、2つの配管室871Aのそれぞれには、3つの排気口891Aが設けられている。排気口891Aには、液処理ユニットP1~P3またはP4~P6につながる排気用配管(不図示)が設けられている。各排気用配管は、液処理ユニットP1~P3またはP4~P6の各処理室50に設けられた排気口515に接続され、各液処理ユニットP1~P6から排出された雰囲気を、排気口891Aを通じて基板処理装置1外に排出する。
【0122】
図2および図4に示すように、処理モジュール3B,3Cにおいても、第1処理モジュール3Aと同様に、液処理ユニットP7,P10各々の下方、および液処理ユニットP13,P16の下方のそれぞれに配管室871B,871Cが設けられている。配管室871B,871Cのそれぞれには、排液口881B,881Cが設けられており、排液口881B,881Cのそれぞれには排液用配管882B,882Cが接続される。排液用配管882B,882Cのそれぞれは、液処理ユニットP7~P9,P10~P12,P13~P15またはP16~P18に接続され、各液処理ユニットP7~P18から排出された処理液を、排液口881B,881Cを通じて基板処理装置1外に排出する。また、配管室871B,871Cのそれぞれには、排気口891B,891Cが設けられており、排気口891B,891Cのそれぞれには排気用配管(不図示)が接続される。排気用配管のそれぞれは、液処理ユニットP7~P9,P10~P12,P13~P15またはP16~P18に接続され、各液処理ユニットP7~P18から排出された雰囲気を、排気口891B,891Cを通じて基板処理装置1外に排出する。
【0123】
処理モジュール3A,3B,3Cおよび搬送モジュール3Tのような構成を採用する場合、処理タワー数(すなわち、処理ユニット数)の増設または削減が容易に行うことができる。この点について図8図10を参照しつつ説明する。なお、以降の説明において、既に説明した要素と同様の機能を有する要素については、同じ符号又はアルファベット文字を追加した符号を付して、詳細な説明を省略する場合がある。
【0124】
図8は、処理タワーの数が2つの基板処理装置1Aを示す図解的な平面図である。図8に示す基板処理装置1Aは、第1処理モジュール3Aと搬送モジュール3Tを1つずつ備えている。すなわち、基板処理装置1と比較すると、基板処理装置1Aでは第2および第3処理モジュール3B,3Cが省略されている。基板処理装置1Aは、2つの処理タワーTW1,TW2を含むため、計6つの液処理ユニットP1~P6を含む。上述したように、各液処理ユニットP1~P6への第1~第4処理液の供給は、第1処理モジュール3Aに設けられた配管接続口群81A,81B、81Dおよび搬送モジュール3Tに設けられた配管接続口群81Cから供給できる(図7参照)。このように、処理モジュール3B,3Cを省略するだけで、処理タワーの数を2つだけにした基板処理装置1Aを容易に構築できる。
【0125】
図9は、処理タワーの数が4つの基板処理装置1Bを示す図解的な平面図である。図9に示す基板処理装置1Bでは、処理セクション3が第1処理モジュール3Aおよび搬送モジュール3Tを2つずつ備える。より詳細には、処理セクション3では、第1処理モジュール3Aおよび搬送モジュール3Tが、+X側に向かって交互に連結されている。以下、インデクサセクション2の+X側に隣接する第1処理モジュール3Aおよびこれの+X側に隣接する搬送モジュール3Tを1組目とし、当該1組目の搬送モジュール3Tの+X側に隣接する第1処理モジュール3Aおよび搬送モジュール3Tを2組目とする。
【0126】
1組目の第1受渡部PS1の搬送室31内には基板保持部32が設置されており、2組目の第1受渡部PS1の搬送室31内にはシャトル搬送装置36が設置されている。シャトル搬送装置36は、搬送室31内に設置されたレール37に沿って、X軸方向に直線移動する。
【0127】
基板処理装置1Bにおいては、インデクサセクション2から1組目の第1受渡部PS1(基板保持部32)に供給された基板Wは、1組目の第1搬送ロボットCR1によって、2組目の第1受渡部PS1のシャトル搬送装置36に渡される。そしてシャトル搬送装置36が当該基板Wを+X側に搬送させることによって、2組目の第1搬送ロボットCR1に基板Wを接近させる。すると、2組目の第1搬送ロボットCR1がシャトル搬送装置36から基板Wを受け取って、2組目の液処理ユニットP1~P6のいずれかに搬入できる。液処理ユニットP1~P6で規定処理された後の基板Wは、2組目の第1搬送ロボットCR1によって第1受渡部PS1のシャトル搬送装置36に渡され、シャトル搬送装置36によって-X側に搬送される。続いて、1組目の第1搬送ロボットCR1が処理済の基板Wを受け取って1組目の第1受渡部PS1に渡す。これにより、処理済の基板Wがインデクサセクション2に戻される。処理タワーの数が4つの場合であっても、基板処理装置1Bのように、各処理タワーの処理ユニットに対して基板Wを供給できる。
【0128】
なお、インデクサセクション2の+X側に第1処理モジュール3Aおよび第1搬送ロボットCR1を備えた搬送モジュール3Tを交互に連結していくことにより、処理タワーを容易に増設できる。
【0129】
図10は、基板処理装置1Cを示す図解的な平面図である。基板処理装置1Cは、基板処理装置1Bに、さらに第2および第3処理モジュール3B,3Cを連結した構成となっている。このように、第1処理モジュール3Aおよび搬送モジュール3Tを複数台ずつ連結するとともに、第2および第3処理モジュール3B,3Cを連結することによって、処理ユニットの増設を図ることができる。
【0130】
液処理ユニットP1~P18の全てが図5に示すように処理液で基板Wを処理することは必須ではなく、他の規定処理を行う処理ユニットに置換してもよい。図11は、加熱処理ユニットHP1を示す図である。加熱処理ユニットHP1は、一枚の基板Wに対して加熱処理を行う装置である。加熱処理ユニットHP1は、隔壁92で囲まれた処理室93を備えている。当該処理室93の側壁部の一部には、処理室93内に基板Wを搬入するため、および処理室93から基板Wを搬出するための開口部94が設けられている。また、処理室93には、当該開口部94を開閉するシャッタ95が設けられている。シャッタ95は、シャッタ昇降機構(不図示)によって開口部94を閉塞する閉位置(図11に二点鎖線で示す。)と、開口部94を開放する開位置(図11に実線で示す。)との間で昇降させられる。
【0131】
処理室93内には、基板Wを水平姿勢で支持するステージ96が設けられている。ステージ96の内部には、ヒータ97が設けられている。ヒータ97は、抵抗線、および抵抗線に電圧を印する電源などを含む。ここでは、中空のステージ96内にヒータ97の抵抗線が設けられており、当該抵抗線に電圧が印されることによって、ステージ96の上面から輻射熱が放射される。この輻射熱によってステージ96に支持された基板Wが加熱される。なお、処理室93において、基板Wを加熱する態様は、図示の例に限定されるものではない。例えば、処理室93の内部において、熱源によって加熱された熱風を噴出するファンヒーターを設けて、当該熱風によって基板Wを直接または間接的に加熱してもよい。
【0132】
図12は、基板処理装置1Dを示す図解的な平面図ある。基板処理装置1Dは、第1処理モジュール3Aの代わりに、第1処理モジュール3AHを備える点で、図1に示す基板処理装置1とは相違する。第1処理モジュール3AHは、処理タワーTW1,TW2の代わりに、処理タワーTW1a,TW2aを備える点で、第1処理モジュール3Aとは相違する。処理タワーTW1a,TW2aは、それぞれ鉛直方向に積層された5つの加熱処理ユニットHP1~HP5、HP6~HP10で構成される。加熱処理ユニットHP2~HP10は、加熱処理ユニットHP1と同一の構成とされる。
【0133】
加熱処理ユニットHP1の積層数は、第1搬送ロボットCR1が基板Wを搬送することが可能な鉛直方向の高さに応じて設定するとよい。ここでは、加熱処理ユニットHP1が液処理ユニットP1よりも鉛直方向の高さ小さい。このため、処理タワーTW1aにおける加熱処理ユニットHP1~HP5の積層数(5つ)は、処理タワーTW1における液処理ユニットP1~P3の積層数(3つ)よりも積層数が多い。
【0134】
このように、第1処理モジュール3AHを設けることによって、例えば処理モジュール3B,3Cの処理ユニットP7~P18のいずれかで液処理が行われた基板Wを、第1処理モジュール3AHの加熱処理ユニットHP1~HP10のいずれかに搬入して加熱処理を施すことができる。この加熱処理により、基板Wに付着した水分などを飛ばすことなどができる。このように、基板処理装置1Dにおいては、一枚の基板Wについて、液処理工程、および液処理工程後の加熱工程を含む基板処理を行うことができる。
【0135】
<2. 変形例>
以上、実施形態について説明してきたが、本発明は上記のようなものに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0136】
例えば、基板処理装置1において、基板Wの上下面を反転させる反転装置が設けられてもよい。当該反転装置で基板Wを反転させることにより、基板Wの両側の主面を、基板処理装置1において処理できる。このような反転装置は、例えば、第1処理モジュール3Aにおける第1受渡部PS1の上部に設けられ、インデクサロボットIRまたは第1搬送ロボットCR1によって、基板Wを、反転装置に搬入または反転装置から搬出できるようにしてもよい。
【0137】
例えば、第1搬送ロボットCR1および第2搬送ロボットCR2の両方もしくはどちらか一方が多関節ロボットでもよい。上記実施形態では、処理タワーTW1aにおける加熱処理ユニットHP1~HP5の積層数が5つであるため、搬送ロボットは鉛直方向への移動が容易な鉛直駆動部43を備えた構成としている。しかし、積層された処理タワーへの基板搬送が可能であれば、搬送ロボットを多関節ロボットにすることで基台部41が不要となる。その結果、特に搬送モジュール3Tにおけるメンテナンス室302Tの空間を広げることができるため、作業者のメンテナンス効率がさらに向上する。

【0138】
この発明は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
【符号の説明】
【0139】
1,1A~1D 基板処理装置
2 インデクサセクション(基板供給部)
20 基板収容器
21 インデクサロボット
302T メンテナンス室
303T 出入口部
304T ドア
32 基板保持部
36 シャトル搬送装置
3A,3AH 第1処理モジュール
3B 第2処理モジュール
3C 第3処理モジュール
3FT フレーム
3S 上面FL5S,FL
3T 搬送モジュール
41 基台部
42 水平駆動部
43 鉛直駆動部
44A,44B ハンド
50 処理室
51 スピンチャック
52 薬液ノズル
7 制御部
81A~81C,82A~82C,83A,83C,84A~84C 配管接続口群
831A 配管(供給配管)
861A 配管室(第1配管室)
86T 配管室(第2配管室)
91 ジャバラ部材
CR1 第1搬送ロボット(第1搬送装置)
CR2 第2搬送ロボット(第2搬送装置)
FL1 第1床部
FL2 第2床部
FL1S,FL2S 上面
HP1~HP10 加熱処理ユニット
IR インデクサロボット
P1~P6 液処理ユニット(第1規定処理ユニット)
P7~P12 液処理ユニット(第2規定処理ユニット)
P13~P18 液処理ユニット(第3規定処理ユニット)
PS1 第1受渡部
PS2 第2受渡部
TW1~TW6,TW1a,TW2a 処理タワー
W 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12