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特許7277351視聴履歴解析装置および視聴履歴解析装置プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-18
(54)【発明の名称】視聴履歴解析装置および視聴履歴解析装置プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 17/00 20060101AFI20230511BHJP
   H04N 21/258 20110101ALI20230511BHJP
【FI】
H04N17/00 M
H04N21/258
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019231841
(22)【出願日】2019-12-23
(65)【公開番号】P2021100215
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2021-11-12
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 東芝映像ソリューション株式会社が、令和1年11月20日に中京テレビ放送株式会社に送信したメールにて、田之上伸吾が発明した、視聴履歴解析装置および視聴履歴解析装置プログラムの技術について公開した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 東芝映像ソリューション株式会社が、令和1年12月13日に朝日放送テレビ本社にて開催された顧客を招いたプレゼンテーションにおいて使用された資料にて、田之上伸吾が発明した、視聴履歴解析装置および視聴履歴解析装置プログラムの技術について公開した。
(73)【特許権者】
【識別番号】000214984
【氏名又は名称】TVS REGZA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田之上 伸吾
【審査官】長谷川 素直
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-103216(JP,A)
【文献】特開平08-115367(JP,A)
【文献】特開2006-094316(JP,A)
【文献】特開2016-063319(JP,A)
【文献】特開2016-134820(JP,A)
【文献】特開2016-143104(JP,A)
【文献】特表2018-512659(JP,A)
【文献】特開2019-140455(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104991971(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 17/00
H04N 21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の受信装置のそれぞれの設置位置と前記複数の受信装置のそれぞれの視聴情報とに基づき、前記複数の受信装置のうちの第1地域に設置された受信装置の前記視聴情報の統計情報を算出する統計算出部と、
前記統計情報を示す画像情報を前記第1地域に対応する位置に重畳した地図を提供する提供部と、
を備え
前記第1地域は、複数の第2地域のうちの1つであり、
前記統計算出部は、前記第2地域の単位で前記統計情報を算出し、
前記提供部は、前記第2地域の単位で前記画像情報を前記地図に重畳し、
前記複数の第2地域は、第3地域に含まれ、
前記統計情報は、前記複数の受信装置のうちの前記第3地域に設置された受信装置による視聴率と、前記第2地域の単位の視聴率と、の差分である、
聴履歴解析装置。
【請求項2】
複数の受信装置のそれぞれの設置位置と前記複数の受信装置のそれぞれの視聴情報とに基づき、前記複数の受信装置のうちの第1地域に設置された受信装置の前記視聴情報の統計情報を算出する統計算出部と、
前記統計情報を示す画像情報を前記第1地域に対応する位置に重畳した地図を提供する提供部と、
を備え、
前記第1地域は、複数の第2地域のうちの1つであり、
前記統計算出部は、前記第2地域の単位で前記統計情報を算出し、
前記提供部は、前記第2地域の単位で前記画像情報を前記地図に重畳し、
前記画像情報は、大きさに関する第1の表示様態と、色に関する第2の表示様態と、を有する表示オブジェクトであり、
前記第1の表示様態と、前記第2の表示様態と、のうちの一は、前記統計情報に対応し、
前記第1の表示様態と、前記第2の表示様態と、のうちの他は、前記表示オブジェクトに対応する第2地域に設置された受信装置の数に対応する、
聴履歴解析装置。
【請求項3】
前記提供部は、前記第2地域の単位の前記統計情報を示す数値情報の一覧をさらに提供する、
請求項1または2に記載の視聴履歴解析装置。
【請求項4】
複数の異なる設定情報が入力される入力部をさらに備え、
前記統計算出部は、前記入力部に入力された前記設定情報毎に個別に前記統計情報の算出を行い、
前記提供部は、前記設定情報毎に個別に前記地図を生成して前記設定情報毎の前記地図を並べて提供する、
請求項からの何れか一項に記載の視聴履歴解析装置。
【請求項5】
前記提供部は、前記第2地域の単位の前記統計情報の一覧前記複数の異なる設定情報のそれぞれについて生成し、前記複数の異なる設定情報のそれぞれについて生成された前記一覧における前記統計情報の配列は前記統計情報に対応する前記第2地域の配列の点で前記複数の異なる設定情報の間で共通し、前記複数の異なる設定情報のそれぞれについて生成された前記一覧を並べて提供する、
請求項に記載の視聴履歴解析装置。
【請求項6】
前記入力部は、ソート条件が入力され、
前記提供部は、前記複数の異なる設定情報のうちの第1の設定情報にかかる一覧において、入力された前記ソート条件に従って前記統計情報を配列し、前記複数の異なる設定情報のうちの前記第1の設定情報と異なる第2の設定情報にかかる一覧において、前記統計情報に対応する前記第2地域の配列の点で前記第1の設定情報と共通する順番で前記統計情報を配列する、
請求項に記載の視聴履歴解析装置。
【請求項7】
前記複数の第2地域のうちの設置された受信装置の数が基準を満たさない第2地域にかかる前記画像情報を前記地図に重畳しない、
請求項からの何れか一項に記載の視聴履歴解析装置。
【請求項8】
コンピュータを、
複数の受信装置のそれぞれの設置位置と前記複数の受信装置のそれぞれの視聴情報とに基づき、前記複数の受信装置のうちの第1地域に設置された受信装置の前記視聴情報の統計情報を算出する統計算出部と、
前記統計情報を示す画像情報を前記第1地域に対応する位置に重畳した地図を提供する提供部と、
として機能させ
前記第1地域は、複数の第2地域のうちの1つであり、
前記統計算出部は、前記第2地域の単位で前記統計情報を算出し、
前記提供部は、前記第2地域の単位で前記画像情報を前記地図に重畳し、
前記複数の第2地域は、第3地域に含まれ、
前記統計情報は、前記複数の受信装置のうちの前記第3地域に設置された受信装置による視聴率と、前記第2地域の単位の視聴率と、の差分である、
聴情報解析プログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
複数の受信装置のそれぞれの設置位置と前記複数の受信装置のそれぞれの視聴情報とに基づき、前記複数の受信装置のうちの第1地域に設置された受信装置の前記視聴情報の統計情報を算出する統計算出部と、
前記統計情報を示す画像情報を前記第1地域に対応する位置に重畳した地図を提供する提供部と、
として機能させ、
前記第1地域は、複数の第2地域のうちの1つであり、
前記統計算出部は、前記第2地域の単位で前記統計情報を算出し、
前記提供部は、前記第2地域の単位で前記画像情報を前記地図に重畳し、
前記画像情報は、大きさに関する第1の表示様態と、色に関する第2の表示様態と、を有する表示オブジェクトであり、
前記第1の表示様態と、前記第2の表示様態と、のうちの一は、前記統計情報に対応し、
前記第1の表示様態と、前記第2の表示様態と、のうちの他は、前記表示オブジェクトに対応する第2地域に設置された受信装置の数に対応する、
視聴情報解析プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、視聴履歴解析装置および視聴履歴解析装置プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン装置などの受信装置による視聴履歴を解析する従来の方法によれば、視聴率などの統計データを折れ線グラフや棒グラフなどで表示することが一般的であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の方法によれば、統計データの分布の把握が困難であった。
【0004】
一つの実施形態は、視聴情報の統計データの分布を分かりやすく示すことができる視聴履歴解析装置および視聴履歴解析装置プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの実施形態によれば、視聴履歴解析装置は、統計算出部と、提供部と、を備える。統計算出部は、複数の受信装置のそれぞれの設置位置と複数の受信装置のそれぞれの視聴情報とに基づき、複数の受信装置のうちの第1地域に設置された受信装置の視聴情報の統計情報を算出する。提供部は、統計情報を示す画像情報を第1地域に対応する位置に重畳した地図を提供する。第1地域は、複数の第2地域のうちの1つであり、統計算出部は、第2地域の単位で統計情報を算出する。提供部は、第2地域の単位で画像情報を地図に重畳する。複数の第2地域は、第3地域に含まれる。統計情報は、複数の受信装置のうちの第3地域に設置された受信装置による視聴率と、第2地域の単位の視聴率と、の差分である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施形態にかかる視聴履歴解析装置を使用したシステムの構成の一例を示す模式的な図である。
図2図2は、実施形態にかかる視聴履歴解析サーバによって提供される、番組を選択するための画面の一例を示す模式的な図である。
図3図3は、実施形態にかかる視聴履歴解析サーバによって提供される、統計データを表示する画面の一例を示す模式的な図である。
図4図4は、実施形態にかかる視聴履歴解析サーバによって提供される、統計データを表示する別の画面の一例を示す模式的な図である。
図5図5は、実施形態にかかる視聴履歴解析サーバのハードウェア構成の一例を示す模式的な図である。
図6図6は、実施形態にかかる視聴履歴解析サーバの機能構成の一例を示す模式的な図である。
図7図7は、実施形態にかかる視聴履歴解析サーバの動作の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、実施形態にかかる視聴履歴解析サーバによって提供される、統計データを表示する画面の別の一例(変形例1)を示す模式的な図である。
図9図9は、実施形態にかかる視聴履歴解析サーバによって提供される、統計データを表示する画面のさらに別の一例(変形例2)を示す模式的な図である。
図10図10は、実施形態にかかる視聴履歴解析サーバによって提供される、統計データを表示する画面のさらに別の一例(変形例3)を示す模式的な図である。
図11図11は、実施形態にかかる視聴履歴解析サーバによって提供される、統計データを表示する画面のさらに別の一例(変形例4)を示す模式的な図である。
図12図12は、実施形態にかかる視聴履歴解析サーバによって提供される、統計データを表示する画面のさらに別の一例(変形例5)を示す模式的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかる視聴履歴解析装置および視聴履歴解析装置プログラムを詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0008】
(実施形態)
図1は、実施形態にかかる視聴履歴解析装置を使用したシステムの構成の一例を示す模式的な図である。
【0009】
図1に示される例によれば、実施形態にかかる視聴履歴解析装置は、視聴履歴解析サーバ1として実装されている。複数のテレビジョン装置2の機器情報および複数のテレビジョン装置2による視聴情報は、サーバ装置である情報取得サーバ3によって取得される。視聴履歴解析サーバ1は、情報取得サーバ3によって取得された機器情報および視聴情報に基づいて、複数のテレビジョン装置2の視聴履歴を解析することができる。
【0010】
複数のテレビジョン装置2のそれぞれは、放送番組を放送信号によって受信することができる受信装置に相当する。なお、受信装置はテレビジョン装置に限定されない。受信装置は、セットトップボックスや、放送番組の受信機能を有したレコーダであってもよい。
【0011】
各テレビジョン装置2には、機器IDが予め与えられている。また、各テレビジョン装置2には、位置情報やユーザ情報などがユーザによって入力されている。位置情報は、テレビジョン装置2が設置された位置を示す情報である。位置情報は、例えば、郵便番号であってもよいし、住所であってもよいし、緯度情報や経度情報などであってもよい。ユーザ情報は、テレビジョン装置2のユーザの属性(例えば年齢、性別、世帯構成など)を示す情報である。
【0012】
各テレビジョン装置2は、機器ID、位置情報、およびユーザ情報を、機器情報として情報取得サーバ3に送信することができる。なお、機器情報の送信のタイミングは特定のタイミングに限定されない。機器情報は、初回起動時に一回だけ送信されてもよいし、起動毎に送信されてもよいし、定期的に送信されてもよい。また、機器情報が編集されたときに送信されてもよい。
【0013】
視聴情報は、視聴番組、チャンネル(CH)、視聴時間、などである。視聴情報は、機器IDを含んでおり、当該機器IDによって特定されるテレビジョン装置2によってどの時間にどのチャンネルのどの番組が視聴されたかが特定できる構成とされている。各テレビジョン装置2は、視聴情報を情報取得サーバ3に送信することができる。視聴情報の送信のタイミングは特定のタイミングに限定されない。視聴情報は、定期的に送信されてもよいし、起動時やチャンネルの変更時などのタイミングで送信されてもよい。
【0014】
情報取得サーバ3は、受信した機器情報を、機器情報データベース(DB)4に登録する。また、情報取得サーバ3は、受信した視聴情報を、視聴情報データベース(DB)5に登録する。
【0015】
視聴履歴解析サーバ1は、機器情報および視聴情報を、機器情報DB4および視聴情報DB5から取得することができる。そして、視聴履歴解析サーバ1は、取得した各情報に基づき、複数のテレビジョン装置2による視聴情報の統計データを算出し、統計データを所定の機器に閲覧可能に提供する。図1に示される例によれば、視聴履歴解析サーバ1は、スマートフォン6やパーソナルコンピュータ7に統計データを示す画像を提供する。
【0016】
なお、視聴履歴解析サーバ1は、情報取得サーバ3、機器情報DB4、および視聴情報DB5のうちの一部または全部を含んで構成されてもよい。
【0017】
図2図4を用いて、統計データの提供方法について説明する。この例では、視聴履歴解析サーバ1は、統計データをブラウザを介して提供することとする。
【0018】
視聴履歴解析サーバ1は、まず、番組を選択するための画面を提供する。なお、以降では、特段の説明が無い限り、統計データや何らかの画面などを提供するとは、視聴履歴解析サーバ1がスマートフォン6やパーソナルコンピュータ7の表示装置に統計データや何らかの画面などを表示させることをいう。また、パーソナルコンピュータ7やスマートフォン6を介して統計データや画面などの提供を受ける人を、オペレータと表記する。
【0019】
図2は、実施形態にかかる視聴履歴解析サーバ1によって提供される、番組を選択するための画面の一例を示す模式的な図である。本図に示されるように、画面100は、上部に、「番組検索」というタイトルが付されたタブ101aと、「マップ」というタイトルが付されたタブ101bと、「ランキング」というタイトルが付されたタブ101cと、が表示されている。オペレータは、これらのタブ101a~101cをマウスまたはタッチパネルを介した入力によって押下することによって、表示画面を切り替えることができる。
【0020】
図2の例では、タブ101aが押下されていることで、画面100は、番組を選択することが可能な状態となっている。番組を選択することが可能な画面100を、画面100-1と表記する。
【0021】
画面100-1は、放送日の範囲を入力できるスライダ102、曜日を入力できる入力ボックス103、チャンネルを入力できる入力ボックス104、ジャンルを入力できる入力ボックス105、および絞り込み用のキーワードを入力できる入力ボックス106、を備えている。これらは、全ての番組から選択対象の番組を絞り込むための絞り込み条件を入力するためのGUI(Graphical User Interface)部品である。
【0022】
また、画面100-1は、ソート順を入力できる入力ボックス107を備えている。入力ボックス107に入力されるソート順は、絞り込み後の番組の一覧の配列の順番を指定するものである。
【0023】
なお、入力ボックス103~107には、右端に逆三角形のメニューボタンが用意されている。オペレータによってメニューボタンが押下されると、視聴履歴解析サーバ1は、選択項目の候補の一覧が記載されたプルダウンメニューを、対応する入力ボックスの下方に表示する。
【0024】
一例では、オペレータによって入力ボックス105のメニューボタンが押下されると、「スポーツ」、「ドラマ」、「バラエティ」、「ニュース」、「映画」、「音楽」、などを含む、複数の選択肢を示したプルダウンメニューが表示される。また、入力ボックス107のメニューボタンが押下されると、「視聴率」、「名称」、などを含む複数の選択肢を示したプルダウンメニューが表示される。
【0025】
オペレータによってプルダウンメニューから一つの選択肢が選択されると、選択された内容が視聴履歴解析サーバ1に送られる。
【0026】
なお、プルダウンメニューを介して情報の入力を受け付ける上記した方法は、入力方法の一例である。入力ボックス103~107および以降の説明に例示される全ての入力ボックスのうちの一部または全部は、プルダウンメニューを介して入力された情報を受け付けることに替えて、またはプルダウンメニューを介して入力された情報を受け付けることに加えて、テキスト入力された情報を受け付けることが可能に構成されてもよい。
【0027】
図2に示される例では、「Y1/M1/D1~Y2/M2/D2」が放送日にかかる絞り込み条件として入力されており、絞り込み検索のためのキーワードとして「ラグビー」が入力されている。また、ソート順として、「視聴率」が指定されている。そして、絞り込み条件に合致する4つの番組が、領域109に視聴率順に配列されて表示されている。
【0028】
オペレータは、領域109に表示された番組の一覧から1つの番組を選択することができる。図2に示される例では、領域109のうち、選択中の番組が強調表示されている。つまり、Y11/M11/D11の日のH11:M11の時刻からA-TVというチャンネルで放送が開始された、X地方全体の広域視聴率(後述する)が26.87%であったラグビーイベント#Aが選択されていることが読み取れる。選択中の番組は、領域108にも表示されている。
【0029】
オペレータは、画面100-1を介して番組を選択した後、タブ101bを押下することによって、画面100を、統計データを表示する画面(画面100-2と表記する)に遷移させることが可能である。
【0030】
図3は、実施形態にかかる視聴履歴解析サーバ1によって提供される、統計データを表示する画面の一例を示す模式的な図である。本図に示されるように、画面100-2は、統計データを示す表示オブジェクト210が重畳された地図が表示される領域200を備えている。表示オブジェクト210は、統計データ(統計情報)を示す画像情報の一例である。
【0031】
領域200に表示されている地図に含まれる太い実線で囲まれる領域220は、X地方を示している。このX地方は、点線で区切られた8つの地域によって構成されている。地域は、例えば、県、市、区、町、村などである。地方は、地域よりも広域の範囲を示し、複数の地域を含む。
【0032】
実施形態によれば、視聴履歴解析サーバ1は、地域の単位で視聴情報の統計データを算出することができる。統計データは、例えば、視聴率である。視聴率は、選択された番組がライブ試聴されたテレビジョン装置2の数をテレビジョン装置2の設置数で除算して得られる数値情報である。視聴履歴解析サーバ1は、地域の単位で視聴率を算出し、得られた視聴率を示す表示オブジェクトを、対応する位置に重畳した地図を生成し、領域200に表示することができる。
【0033】
別の例では、統計データは、地域の単位の視聴率と、当該地域を含む地方の単位の視聴率との差分、つまり、地域の単位の視聴率から地方の単位の視聴率を減算して得られる値である。視聴履歴解析サーバ1は、地域の単位で上記差分を算出し、得られた差分を示す表示オブジェクトを、対応する位置に重畳した地図を生成し、領域200に表示することができる。以降、地域の単位の視聴率と、当該地域を含む地方の単位の視聴率との差分を、視聴率の差分、と表記することがある。
【0034】
図3に示される例では、X地方に含まれる8つの地域のそれぞれについて、地域の単位の視聴率と、X地方の視聴率(前述されたX地方全体の広域視聴率と同義)と、の差分が地域毎に算出されている。そして、8つの地域(a地域、b地域、c地域、d地域、e地域、f地域、g地域、およびh地域)のうちの7つの地域(a地域、b地域、c地域、d地域、e地域、f地域、およびg地域)について、差分を色によって表した円形の表示オブジェクト210がその地域に対応する位置に重畳されている。
【0035】
ここでは、色が所定の濃度のグレーであることが視聴率の差分がゼロであることを示す。そして、色が白色に近いほど視聴率の差分が大きく、色が黒色に近いほど視聴率の差分が小さいとされている。色と視聴率の差分の大きさとの関係は、領域114において定義されている。
【0036】
例えば、e地域の表示オブジェクト210の色はほとんど白色であるため、e地域における視聴率は、X地方の視聴率よりも大幅に大きかったことが読み取れる。逆に、d地域やg地域の表示オブジェクト210の色は、ほとんど黒色であるため、d地域やg地域における視聴率は、X地方の視聴率よりも大幅に小さかったことが読み取れる。
【0037】
なお、色と視聴率の差分との関係はこれに限定されない。例えば、色が白色であることが差分がゼロであることを示し、色が赤色に近いほど視聴率の差分が大きく、色が青色に近いほど視聴率の差分が小さいとされてもよい。
【0038】
このように、地域の単位の視聴率と広域視聴率との差分が示されることで、各地域の視聴率が広域視聴率からどの程度乖離しているかをひと目で把握することが可能となる。
【0039】
さらに、図3に示される例では、視聴履歴解析サーバ1は、統計データの種類を切り替えることができるように構成されている。
【0040】
例えば、画面100-2には、統計データの種類を切り替えるための入力ボックス113を備えている。オペレータは、入力ボックス113に、「視聴率」を入力することで、地域の単位の視聴率を示す表示オブジェクト210を表示させることができる。また、オペレータは、入力ボックス113に、「差分」を入力することで、視聴率の差分を示す表示オブジェクト210を表示させることができる。
【0041】
より詳しくは、オペレータによって入力ボックス113のメニューボタンが押下されると、視聴履歴解析サーバ1は、「視聴率」、および「差分」を含む複数の選択肢を示すプルダウンメニューを表示する。オペレータによって当該プルダウンメニューから「差分」が選択されると、選択された内容が視聴履歴解析サーバ1に送られる。すると、視聴履歴解析サーバ1は、図3に示されるように、視聴率の差分を色によって示す表示オブジェクト210を重畳した地図を領域200に表示する。
【0042】
オペレータが上記プルダウンメニューから「視聴率」を選択すると、選択された内容は視聴履歴解析サーバ1に送られる。すると、視聴履歴解析サーバ1は、地域の単位の視聴率を色によって示す表示オブジェクト210を重畳した地図を領域200に表示する。例えば、色が白色に近いほど視聴率が大きく、黒色に近いほど視聴率が小さいとされ得る。なお、視聴率と色との関係はこれに限定されない。
【0043】
このように、視聴履歴解析サーバ1は、地域の単位で算出された視聴情報の統計データを示す表示オブジェクト210を、地図上の各地域に対応する位置に重畳し、表示オブジェクト210が重畳された地図を提供する。統計データの表示に地図が用いられていることから、オペレータは、統計データが得られた地域の位置をひと目で認識することが可能である。また、オペレータは、表示オブジェクト210が重畳された地図から、統計データが得られた地域の広さ、当該地域の都市化の度合い、当該地域の他の地域との位置関係、当該地域の海や山などに対する位置関係、などの情報を読み取ることが可能である。オペレータは、これらの情報を、地域毎の視聴傾向の相違が生じた原因などの解析に供することができる。
【0044】
つまり、実施形態の視聴履歴解析サーバ1は、視聴情報の統計データの分布を分かりやすく示すことができる。
【0045】
さらに、図3に示された例によれば、各表示オブジェクト210の大きさは、地域に設置されたテレビジョン装置2の数、つまり視聴率の算出に使用されたサンプルサイズ、に対応する。
【0046】
表示オブジェクト210の大きさと、地域に設置されたテレビジョン装置2の数(図3では対象機器数と表記されている)と、の関係は、領域116に定義されている。この例によれば、地域に設置されたテレビジョン装置2の数が多いほど、表示オブジェクト210の大きさが大きいこととされている。例えば、図3からは、a地域、b地域、およびe地域にかかる視聴率の算出の際のサンプルサイズが比較的大きく、d地域にかかる視聴率の算出の際のサンプルサイズが比較的小さいことが読み取れる。
【0047】
なお、サンプルサイズは、算出された統計データの信頼性と相関する。サンプルサイズが大きいほど、算出された統計データの信頼性が高いとされる。つまり、a地域、b地域、およびe地域にかかる視聴率や視聴率の差分は、高い信頼性を有することが読み取れる。反対に、d地域にかかる視聴率や視聴率の差分の信頼性は、a地域、b地域、およびe地域などと比べて低いことが読み取れる。
【0048】
このように、表示オブジェクト210の大きさによってサンプルサイズが示されているので、オペレータは、地域毎に算出された統計データの信頼性をひと目で判断することが可能となる。
【0049】
さらに、実施形態によれば、サンプルサイズに関する基準を設定することが可能である。具体的には、オペレータは、画面100-2に設けられたスライダ112を操作することによって、サンプルサイズに関するしきい値を設定することができる。視聴履歴解析サーバ1は、サンプルサイズ、つまり設置されたテレビジョン装置2の数がしきい値に満たない地域については、表示オブジェクト210の表示を行わない。視聴履歴解析サーバ1は、サンプルサイズがしきい値以上である地域について、表示オブジェクト210の表示を行う。
【0050】
これによって、信頼性が所定のレベルに満たない情報の表示を提示しないようにするとともに、領域200の表示をすっきり見せることが可能となる。
【0051】
図3に示される例では、スライダ112によってしきい値が「1000」に設定されている。そして、h地域では、設置されているテレビジョン装置2の数がしきい値「1000」に満たないことから、視聴履歴解析サーバ1は、h地域にかかる表示オブジェクト210の表示を省略している。
【0052】
なお、サンプルサイズがしきい値と等しい場合の扱いは上記に限定されない。サンプルサイズがしきい値と等しい地域については、視聴履歴解析サーバ1は、表示オブジェクト210の表示を行わなくてもよい。
【0053】
視聴履歴解析サーバ1は、さらに、統計データの算出に使用されるテレビジョン装置2を、ユーザの属性によって制限することが可能に構成されている。
【0054】
具体的には、画面100-2には、ユーザの属性として、例えば年代と性別との組み合わせを入力できる入力ボックス115が設けられている。オペレータが入力ボックス115に設けられたメニューボタンを押下すると、視聴履歴解析サーバ1は、「20代男性」、「30代男性」、「40代男性」、「20代女性」、「30代女性」、「40代女性」などの、年代および性別にかかる複数の選択肢の一覧を示すプルダウンメニューを表示する。オペレータによってプルダウンメニューから1つの選択肢が選択されると、選択された内容が視聴履歴解析サーバ1に送られる。すると、視聴履歴解析サーバ1は、視聴率の算出の際には、全てのテレビジョン装置2のうちの選択された内容に該当するテレビジョン装置2のみに基づいて統計データを算出する。
【0055】
これによって、オペレータは、ユーザの属性に応じた視聴傾向を解析することが可能となる。
【0056】
視聴履歴解析サーバ1は、さらに、統計データの算出に使用されるテレビジョン装置2を、地方よりも小さい範囲に設けられたテレビジョン装置2に制限することが可能に構成されている。
【0057】
具体的には、画面100-2には、集計範囲を入力できる入力ボックス111が設けられている。オペレータが入力ボックス111に設けられたメニューボタンを押下すると、視聴履歴解析サーバ1は、「X地方(東側)」、「X地方(西側)」、などの、地域よりも大きく、地方よりも小さい区分の一覧を示すプルダウンメニューを表示する。オペレータによってプルダウンメニューから1つの選択肢が選択されると、選択された内容が視聴履歴解析サーバ1に送られる。すると、視聴履歴解析サーバ1は、視聴率の算出の際には、全てのテレビジョン装置2のうちの選択された範囲に設置されたテレビジョン装置2のみに基づいて統計データを算出する。
【0058】
これによって、オペレータは、位置的な範囲を絞って算出された統計データを得ることが可能となる。
【0059】
オペレータは、タブ101cを押下することによって、画面100を、統計データを表示する別の画面(画面100-3と表記する)に遷移させることが可能である。
【0060】
図4は、実施形態にかかる視聴履歴解析サーバ1によって提供される、統計データを表示する別の画面の一例を示す模式的な図である。本図に示されるように、画面100-3は、統計データの一覧が表示される領域201を備えている。
【0061】
領域201には、画面100-2においては表示オブジェクト210の色として表示された統計データが、数値情報として表示されている。地域毎の数値情報は、地域名と対応付けて表示されている。また、地域毎の数値情報は、所定の順番で配列された表の形式で表示されている。そして、当該表のうちの数値情報が表示された欄は、画面100-2の領域200に表示された表示オブジェクト210の色と同じ方法で決定された色で着色されている。数値情報と色との関係は、例えば画面100-2の領域114に定義されている。
【0062】
また、画面100-3は、ソート順を入力できる入力ボックス117を備える。オペレータが入力ボックス117の右端に設けられたメニューボタンを押下すると、視聴履歴解析サーバ1は、「視聴率」、「差分」、「地域名」、「対象機器数」、などを含む複数の項目の一覧を示すプルダウンメニューを表示する。オペレータによって当該プルダウンメニューのうちの一つの項目が選択されると、選択された内容は視聴履歴解析サーバ1に送られる。すると、視聴履歴解析サーバ1は、地域毎の数値情報の配列の順番を、選択された項目に基づく順番に変更して、領域201の表示内容を更新する。
【0063】
なお、図4に示される例によれば、入力ボックス117によって「差分」が選択されている。これによって、領域201には、地域毎の統計データの数値情報が、視聴率の差分が大きい順番で配列されて表示されている。
【0064】
続いて、視聴履歴解析サーバ1の構成を説明する。
【0065】
図5は、実施形態にかかる視聴履歴解析サーバ1のハードウェア構成の一例を示す模式的な図である。
【0066】
視聴履歴解析サーバ1は、プロセッサ10と、I/O装置11と、RAM(Random Access Memory)12と、ストレージ装置13と、を備えている。プロセッサ10、I/O装置11、RAM12、およびストレージ装置13は、バス14に電気的に接続されている。
【0067】
プロセッサ10は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ10は、コンピュータプログラムを実行することができる。
【0068】
I/O装置11は、機器情報DB4、視聴情報DB5、スマートフォン6、パーソナルコンピュータ7などの外部の機器とデータ通信を行うためのインタフェース装置である。
【0069】
RAM12は、主記憶装置であり、プロセッサ10に一時データをバッファまたはキャッシュする領域を提供する。
【0070】
ストレージ装置13は、補助記憶装置であり、RAM12などの主記憶装置よりも大容量の記憶領域を有している。ストレージ装置13は、不揮発性の記憶装置であり、コンピュータプログラムやデータなどを不揮発に記憶することができる。ストレージ装置13は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、またはこれらの組み合わせによって構成され得る。なお、ストレージ装置13を構成するメモリ装置はこれらに限定されない。
【0071】
実施形態によれば、ストレージ装置13には、コンピュータプログラムである視聴履歴解析プログラム15が予め格納されている。プロセッサ10は、例えば、視聴履歴解析プログラム15をストレージ装置13からRAM12にロードする。そして、プロセッサ10は、RAM12にロードされた視聴履歴解析プログラム15を実行することによって、視聴履歴解析サーバ1としての種々の機能を実現することができる。
【0072】
図6は、実施形態にかかる視聴履歴解析サーバ1の機能構成の一例を示す模式的な図である。本図に示されるように、視聴履歴解析サーバ1は、入力部16、統計算出部17、および提供部18を備える。入力部16、統計算出部17、および提供部18としての機能は、例えばプロセッサ10が視聴履歴解析プログラム15を実行することよって実現される。
【0073】
入力部16は、画面100に設けられた各種入力ボックスやスライダを介した情報の入力を受け付ける。
【0074】
統計算出部17は、機器情報DB4に機器情報として蓄積された複数のテレビジョン装置2の位置情報と、視聴情報DB5に蓄積された複数のテレビジョン装置2の視聴情報とに基づき、視聴情報の統計データを地域の単位で算出する。つまり、統計算出部17は、視聴率や、視聴率の差分などを、地域の単位で算出する。
【0075】
提供部18は、画面100など情報の提供を行う。特に、提供部18は、統計データを示す表示オブジェクト210を当該統計データが算出された地域に対応した位置に重畳した地図を提供する。
【0076】
なお、表示オブジェクト210が重畳された地図を含む各種情報の提供の方法は、ブラウザを介してスマートフォン6やパーソナルコンピュータ7などの外部機器の表示装置に各種情報を表示する方法だけに限定されない。
【0077】
例えば、提供部18は、電子メールなどの手段によって各種情報を送信してもよい。または、提供部18は、各種情報を記録媒体に格納することで各種情報を提供してもよい。記録媒体は、例えば、CD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD:Flexible Disc)、CD-R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カードなどであってもよい。または、提供部18は、各種情報を、他のサーバを経由して外部機器に提供してもよい。または、視聴履歴解析サーバ1にディスプレイ装置が接続され、提供部18は当該ディスプレイ装置に各種情報を表示出力してもよい。または、提供部18は、オペレータがスマートフォン6やパーソナルコンピュータ7などの外部機器にインストールされた所定のアプリケーションプログラムによって各種情報を閲覧することが可能に各種情報を送信してもよい。
【0078】
続いて、視聴履歴解析サーバ1の動作を説明する。
【0079】
図7は、実施形態にかかる視聴履歴解析サーバ1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0080】
提供部18は、番組を選択することができる画面100-1を提供している。その状態において、入力部16が、放送日、曜日、チャンネル、キーワード、ソート順などの入力を受け付けると(S101)、提供部18は、入力された絞り込み条件を満たす番組の一覧を提供する(S102)。例えば、提供部18は、例えば画面100-1の領域109に番組の一覧を表示する。
【0081】
そして、入力部16が、領域109に表示された番組の一覧から1つの番組を選択する入力を受け付けると(S103)、統計算出部17は、統計データを地域の単位で算出する(S104)。
【0082】
統計データの算出の際には、統計算出部17は、機器情報DB4および視聴情報DB5から必要な情報を取得することができる。
【0083】
例えば、統計算出部17は、機器情報DB4に蓄積された機器情報を、位置情報でフィルタすることによって、各地域に設置されたテレビジョン装置2の機器IDの一覧や、地方に設置されたテレビジョン装置2の機器IDの一覧を取得することができる。
【0084】
そして、統計算出部17は、機器IDの一覧と、S103によって選択された番組と、を用いて視聴情報DB5に蓄積された視聴情報を検索することによって、各地域に設置されたテレビジョン装置2と、地方に設置されたテレビジョン装置2と、のそれぞれに含まれる、該当の番組が視聴されたテレビジョン装置2を特定する。
【0085】
そして、統計算出部17は、上記番組が視聴されたテレビジョン装置2の視聴率を、地域の単位および地方の単位で算出する。また、統計算出部17は、地域の単位で算出された視聴率を地方の単位で算出された視聴率で除算することによって、視聴率の差分を地方の単位で算出することができる。
【0086】
S104の処理の後、提供部18は、算出された統計データに対応した色と、設置されたテレビジョン装置2の数に対応した大きさと、を有する表示オブジェクト210を地図上に重畳した画像を生成して提供する(S105)。例えば、提供部18は、当該画像を、画面100-2の領域200に表示する。
【0087】
その後、所定の入力、例えばランキングのタブ101cを押下する操作入力、を入力部16が受け付けると(S106:Yes)、提供部18は、例えば画面100-3の領域201に、地域の単位の統計データを示す数値情報の一覧を提供する(S107)。
【0088】
上記入力を入力部16が受け付けていない場合(S106:No)、またはS107の後、視聴履歴解析サーバ1の動作が終了する。
【0089】
なお、上記した一連の動作はあくまでも一例である。同じ処理が異なる条件で再実行され得る。また、オペレータからの入力に応じて、上記した一連の処理と異なる処理が実行され得る。
【0090】
例えば、S105の処理が実行された後、画面100-1に入力された内容をオペレータが変更した場合、変更後の内容に従ってS102~S105の処理が再び実行され得る。
【0091】
また、例えば、画面100-2や画面100-3に設けられたスライダ112などを介してしきい値が設定された場合、当該しきい値は入力部16によって受け付けられる。すると、提供部18は、設置されたテレビジョン装置2の数が当該しきい値に満たない地域にかかる表示オブジェクト210を領域200に表示された地図から削除する。また、提供部18は、設置されたテレビジョン装置2の数が当該しきい値に満たない地域にかかる数値情報を、領域201に表示された一覧から削除する。また、当該しきい値が変更されると、提供部18は、何れの表示オブジェクト210(または数値情報)を表示し、何れの表示オブジェクト210(または数値情報)を表示しないか、を、変更後のしきい値に基づいて決定する。
【0092】
また、例えば、入力部16が、画面100-2や画面100-3に設けられた入力ボックス115を介してユーザの属性にかかる条件の入力を受け付けた場合、入力された条件を満たすテレビジョン装置2のみを対象としてS101~S107の処理が実行される。
【0093】
また、例えば、入力部16が、画面100-2に設けられた入力ボックス113を介して統計データの種類を指定する入力を受け付けた場合、提供部18は、指定された種類の統計データを示す表示オブジェクト210を重畳した地図をS105において提供することができる。
【0094】
また、例えば、入力部16が、画面100-3に設けられた入力ボックス117を介して所定のソート条件を指定する入力を受け付けた場合、提供部18は、入力されたソート条件に従って統計データの数値情報を配列することができる。ソート条件が変更された場合、提供部18は、統計データの数値情報の配列の順番を変更する。
【0095】
このように、実施形態によれば、視聴履歴解析装置としての視聴履歴解析サーバ1は、統計算出部17と、提供部18とを備える。統計算出部17は、機器情報DB4に機器情報として蓄積された複数のテレビジョン装置2の位置情報と、視聴情報DB5に蓄積された複数のテレビジョン装置2の視聴情報とに基づき、視聴情報の統計データを地域の単位で算出する。提供部18は、統計データを示す画像情報である表示オブジェクト210を当該統計データが算出された地域に対応した位置に重畳した地図を提供する。
【0096】
これによって、オペレータは、視聴情報の統計データの分布をひと目で把握することが可能となる。つまり、視聴履歴解析サーバ1は、視聴情報の統計データの分布を分かりやすく示すことができる。
【0097】
なお、以上の説明では、統計算出部17は、複数の地域のそれぞれについて統計データを算出し、提供部18は、当該複数の地域のそれぞれに対応する表示オブジェクト210を地図上に重畳した。統計データの算出または表示オブジェクト210の表示は、必ずしも複数の地域のそれぞれについて実行されなくてもよい。例えば、統計算出部17は、1つの地域のみについて統計データを算出し、提供部18は、地図上の当該地域に対応した位置に当該統計データを示す表示オブジェクト210のみを重畳してもよい。
【0098】
また、実施形態によれば、統計算出部17は、地域の単位の視聴率と、当該地域を含む地方の単位の視聴率と、の差分を視聴情報の統計データとして算出する。
【0099】
これによって、オペレータは、地域の単位の視聴率が広域視聴率からどの程度乖離しているかをひと目で把握することが可能となる。
【0100】
また、実施形態によれば、表示オブジェクト210は、統計データに対応する色と、地域に設置されたテレビジョン装置2の数に対応する大きさと、を有している。
【0101】
これによって、オペレータは、地域毎の統計データの大小関係をひと目で認識することが可能となる。また、表示オブジェクト210の大きさによってサンプルサイズが示されているので、オペレータは、地域毎に算出された統計データの信頼性をひと目で判断することが可能となる。
【0102】
なお、表示オブジェクト210の大きさや色などなどの各表示態様が示す情報は、上記に限られない。例えば、表示オブジェクト210は、統計データを示す大きさと、地域に設置されたテレビジョン装置2の数を示す色と、を備えていてもよい。
【0103】
つまり、表示オブジェクト210は、統計データに対応する第1の表示態様と、当該表示オブジェクト210に対応する地域に設置されたテレビジョン装置2の数に対応する第2の表示態様とを有し、第1の表示態様および第2の表示態様のうちの1つは、表示オブジェクト210の大きさに関する表示態様であり、第1の表示態様および第2の表示態様のうちの他は、表示オブジェクト210の色に関する表示態様であってもよい。
【0104】
また、実施形態によれば、提供部18は、地域の単位の統計データを示す数値情報の一覧をさらに提供することができる。
【0105】
これによって、オペレータは、地域毎に算出された統計データを数値情報によって詳細に確認することが可能となる。
【0106】
(変形例1)
視聴履歴解析サーバ1は、表示オブジェクト210を重畳した地図をそれぞれ異なる設定情報に基づいて複数生成し、生成された複数の地図を並べて提供してもよい。
【0107】
例えば、入力部16は、複数の異なる設定情報の入力を受け付けることができる。統計算出部17は、入力された設定情報毎に個別に地域の単位の統計データの算出を行う。提供部18は、表示オブジェクト210を重畳した地図を設定情報毎に個別に生成して、設定情報毎の地図を並べて提供する。
【0108】
設定情報は、一例では、S103によって選択される番組である。例えば、S101~S105の処理が複数回、実行されて、複数回のS101~S105の処理のうちのS103では、それぞれ異なる番組が選択される。S105では、提供部18は、選択された番組毎に地域の単位の統計データを示す表示オブジェクト210を重畳した地図を生成して、番組毎の地図を並べて提供する。
【0109】
図8は、実施形態にかかる視聴履歴解析サーバ1によって提供される、統計データを表示する画面の別の一例(変形例1)を示す模式的な図である。本図に示されるように、画面100-4は、統計データを示す表示オブジェクト210が重畳された地図が表示されている領域202および領域203を備えている。
【0110】
領域202には、ラグビーイベント#Aにかかる視聴率の差分を示す表示オブジェクト210が重畳された地図が表示されている。また、領域203には、テニスイベント#BBBにかかる視聴率の差分を示す表示オブジェクト210が重畳された地図が表示されている。
【0111】
このように、第2の実施形態によれば、番組毎に個別に生成された、統計データを示す表示オブジェクト210が重畳された地図が、並べて表示される。これによって、オペレータは、地域毎の視聴者の番組嗜好の違いを分析することが可能となる。
【0112】
なお、図8に示される例によれば、それぞれ異なる番組にかかる統計データを示す2つの地図が表示された。提供部18は、それぞれ異なる番組にかかる統計データを示す3以上の地図を提供してもよい。
【0113】
また、設定情報は、番組に替えて、時間帯であってもよい。また、設定情報は、番組に替えて、または番組に加えて、ユーザの属性であってもよい。
【0114】
時間帯が異なる条件で生成された複数の地図が表示されることで、オペレータは、地域毎の視聴者の視聴時間の違いを分析することが可能となる。また、ユーザの属性が異なる条件で生成された複数の地図が表示されることで、オペレータは、ユーザの属性による番組嗜好の違いを分析することが可能となる。
【0115】
このように、変形例1によれば、統計データを示す表示オブジェクト210が重畳された地図が、設定情報毎に生成されて、設定情報毎に生成された地図が並べて表示される。オペレータは、並べて表示された複数の地図に基づき、設定情報毎の視聴傾向の相違の分析することが可能となる。
【0116】
(変形例2)
変形例2によれば、提供部18は、地域の単位の統計データの数値情報の一覧を設定情報毎に個別に生成して、設定情報毎の一覧を並べて提供することができる。設定情報は、変形例1と同様に、例えば、番組、時間帯、ユーザの属性、などである。
【0117】
図9は、実施形態にかかる視聴履歴解析サーバ1によって提供される、統計データを表示する画面のさらに別の一例(変形例2)を示す模式的な図である。本図に示されるように、画面100-5は、統計データの数値情報の一覧が表示される領域204および領域205を備えている。
【0118】
領域204には、ラグビーイベント#Aにかかる統計データの数値情報の一覧が表示されている。領域205には、テニスイベント#BBBにかかる統計データの数値情報の一覧が表示されている。なお、統計データは、ここでは、視聴率の差分である。
【0119】
このように、第2の実施形態によれば、番組毎に個別に生成された、統計データの数値情報の一覧が、並べて表示される。これによって、オペレータは、地域毎の視聴者の番組嗜好の違いを分析することが可能となる。
【0120】
なお、提供部18は、統計データの数値情報の一覧を、3以上生成して、生成された3以上の一覧を並べて提供してもよい。
【0121】
また、画面100-3は、ソート対象が入力される入力ボックス118を備えている。統計データの算出の対象となった2つの番組(ここではラグビーイベント#Aおよびテニスイベント#BBB)のそれぞれには識別情報が与えられ、入力ボックス118には、当該2つの番組のうちのいずれか一方の識別情報が入力される。
【0122】
ここでは、ラグビーイベント#Aには識別情報「A」が与えられ、テニスイベント#BBBには識別情報「B」が与えられている。そして、入力ボックス118には、識別情報「A」が入力されている。そして、ソート条件を入力できる入力ボックス117には、「差分」が入力されている。提供部18は、これらの入力に応じて、地域の単位で算出されたラグビーイベント#Aの統計データとテニスイベント#BBBの統計データとを、ラグビーイベント#Aの視聴率の差分に基づく順番で配列している。ソート条件が変更された場合、提供部18は、地域の単位で算出されたラグビーイベント#Aの統計データとテニスイベント#BBBの統計データとを、変更されたソート条件に従ってラグビーイベント#Aの統計データの配列を更新するとともに、地域名の配列の点でラグビーイベント#Aの統計データの配列と同じ配列になるように、テニスイベント#BBBの統計データの配列を更新する。
【0123】
このように、変形例2によれば、統計データを示す数値情報の一覧が、設定情報毎に生成されて、設定情報毎に生成された一覧が並べて表示される。オペレータは、並べて表示された複数の一覧に基づき、設定情報毎の視聴傾向の相違を定量的に分析することが可能となる。
【0124】
(変形例3)
図10は、実施形態にかかる視聴履歴解析サーバ1によって提供される、統計データを表示する画面のさらに別の一例(変形例3)を示す模式的な図である。本図に示されるように、地図上の各地域が統計データに対応した色で塗りつぶされた画像が、画面100-2の領域200に表示されている。つまり、変形例3によれば、地図上の地域の形状と同じ形状を有し、統計データに対応した色で着色された、表示オブジェクト210aが、地図に重畳されている。
【0125】
このように、統計データを示す表示オブジェクトの態様は、種々に変更することが可能である。
【0126】
なお、変形例3は、変形例1と併用され得る。例えば、提供部18は、領域202および領域203のそれぞれに、変形例3として説明された態様の地図を表示し得る。
【0127】
(変形例4)
図11は、実施形態にかかる視聴履歴解析サーバ1によって提供される、統計データを表示する画面のさらに別の一例(変形例4)を示す模式的な図である。図11に示される例では、各地域が、統計データに対応する色で塗りつぶされた後に地域の境界において色がグラデーションによって変化せしめられることでグラデーションマップとして構成された地図が、画面100-2の領域200に表示されている。設置されたテレビジョン装置2の数がしきい値に満たないなどによって統計データが得られなかった地域がある場合は、その地域の色をその地域の周囲の地域の色で補間される。因みに、領域200に表示されている地図は、関東の沿岸地方の地図である。
【0128】
このように、提供部18は、統計データに対応した画像情報である色で各地域に対応する位置が着色されて、色の境界がグラデーションによって変化された、グラデーションマップを生成して提供してもよい。
【0129】
これによって、オペレータは、統計データが得られなかった地域に関しても、グラデーションによって補完された色をもとに、統計データを把握することが可能となる。
【0130】
なお、図11に示される例では、画面100-2に時間帯を入力できる入力ボックス120が設けられている。そして、入力ボックス120には、日付「Y21/M21/D21」が入力されている。つまり、領域200には、Y21/M21/D21の日の視聴情報の統計データが、グラデーションマップとして表示されている。
【0131】
変形例4は、変形例1と併用され得る。例えば、提供部18は、領域202および領域203のそれぞれに、変形例4として説明された態様の画像を表示し得る。
【0132】
(変形例5)
統計算出部17は、それぞれ異なる時間帯の視聴情報に基づいてそれぞれ異なる時間帯の統計データを地域の単位で算出し、提供部18は、統計データを示す画像情報が重畳された地図を、時間帯毎に生成し、それぞれ異なる時間帯の統計データを用いて生成された複数の地図を1つの動画として再生してもよい。
【0133】
図12は、実施形態にかかる視聴履歴解析サーバ1によって提供される、統計データを表示する画面のさらに別の一例(変形例5)を示す模式的な図である。
【0134】
オペレータが所定の操作を入力すると、提供部18は、動画を表示できる画面100(画面100-4と表記する)を提供する。画面100-4には、それぞれ異なる日付にかかる地図が、日付順に切り替えられながら再生される領域208を備えている。
【0135】
この例では、変形例4において説明された画像によって動画が構成されている。なお、動画は、図3によって示された態様の地図や、変形例3によって示された態様の地図によって構成されてもよい。
【0136】
画面100-4には、さらに、ボタン群123が設けられている。オペレータは、ボタン群123を操作することによって、動画を日付順に再生する指示、日付順とは逆の順番に再生する指示、および再生を停止する指示、などを入力することができる。
【0137】
また、現在表示されている地図に画像情報として重畳された統計データの日付が、入力ボックス121に表示されている。この例では、「Y21/M21/D21」の日の視聴情報に基づいて生成された画像が表示されたところで再生が停止されている。
【0138】
さらに、日付を進めたり、日付を巻き戻したりするための入力ボタン121a、121b、およびスライダ122が画面100-4に設けられている。オペレータは、入力ボックス121、入力ボタン121a、121b、およびスライダ122のいずれかを操作することによって、動画として構成されたそれぞれ異なる日付にかかる複数の地図のうちから所望の日付の地図を選択して表示させることができる。
【0139】
以上に述べた実施形態によれば、視聴履歴解析装置としての視聴履歴解析サーバ1は、プロセッサ10と、メモリであるRAM12およびストレージ装置13と、を備えている。つまり、視聴履歴解析サーバ1は、コンピュータプログラムを実行可能な通常のコンピュータの構成を備えている。そして、プロセッサ10がコンピュータプログラムである視聴履歴解析プログラム15を実行することによって、プロセッサ10が、入力部16、統計算出部17、および提供部18としての機能を実現する。
【0140】
つまり、上記視聴履歴解析プログラム15は、コンピュータを、例えば、複数のテレビジョン装置2のそれぞれの位置情報と複数のテレビジョン装置2のそれぞれの視聴情報とに基づき、複数のテレビジョン装置2のうちの地域に設置されたテレビジョン装置2の視聴情報の統計データを算出する統計算出部17と、統計データを示す画像情報を地図上の当該地域に対応する位置に重畳した画像を提供する提供部18と、として機能させることができる。
【0141】
上記視聴履歴解析プログラム15は、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク、CD-R、DVD、USBメモリ、SDカードなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供され得る。また、上記視聴履歴解析プログラム15は、ストレージ装置13に格納された状態で供給される。
【0142】
さらに、当該視聴履歴解析プログラム15を、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、当該視聴履歴解析プログラム15を、インターネットなどのネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0143】
なお、入力部16、統計算出部17、および提供部18の機能のうちの一部または全部は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)などによって実現されてもよい。
【0144】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0145】
1 視聴履歴解析サーバ
2 テレビジョン装置
3 情報取得サーバ
4 機器情報データベース
5 視聴情報データベース
6 スマートフォン
7 パーソナルコンピュータ
10 プロセッサ
11 I/O装置
13 ストレージ装置
14 バス
15 視聴履歴解析プログラム
16 入力部
17 統計算出部
18 提供部
100,100-1,100-2,100-3,100-4 画面
101a,101b,101c タブ
102,112,122 スライダ
103,104,105,106,107,111,113,115,117,118,120,121 入力ボックス
108,109,114,116,200,201,202,203,204,205,208 領域
121a,121b 入力ボタン
123 ボタン群
210,210a 表示オブジェクト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12