(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-18
(54)【発明の名称】飲料を調製するためのシステム
(51)【国際特許分類】
A47J 31/06 20060101AFI20230511BHJP
A47J 31/36 20060101ALI20230511BHJP
A47J 31/40 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
A47J31/06 220
A47J31/06 323
A47J31/36 124
A47J31/36 122
A47J31/40 105
A47J31/40 107
(21)【出願番号】P 2019505037
(86)(22)【出願日】2017-08-03
(86)【国際出願番号】 NL2017050514
(87)【国際公開番号】W WO2018026274
(87)【国際公開日】2018-02-08
【審査請求日】2020-07-28
(32)【優先日】2016-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】512164779
【氏名又は名称】コーニンクラケ ダウ エグバート ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100085545
【氏名又は名称】松井 光夫
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【氏名又は名称】村上 博司
(72)【発明者】
【氏名】リジスカンプ,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】オジンク,ジューディス マーグリート ハネケ
(72)【発明者】
【氏名】コーイケル,クラース
(72)【発明者】
【氏名】ビークマン,ジャーノ
【審査官】高橋 武大
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-533565(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0031394(US,A1)
【文献】中国実用新案第205181106(CN,U)
【文献】特表2015-502230(JP,A)
【文献】特開2011-156350(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0342394(US,A1)
【文献】特表2006-528507(JP,A)
【文献】特表2004-514488(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0309946(US,A1)
【文献】特表2012-530527(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00-31/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費に適した所定量の飲料を調製するためのシステムであって、前記システムは、
-カプセル形状本体、該カプセル形状本体の解放端部を密封する金属箔の蓋およびフランジ状リムを含む第1の交換可能なカプセルと、ここで該金属箔の蓋は該フランジ状リムに接続されている、
-カプセル形状本体、該カプセル形状本体の解放端部を密封する金属箔の蓋およびフランジ状リムを含む第2の交換可能カプセルと、ここで該金属箔の蓋は該フランジ状リムに接続されている、ただし、前記第2の交換可能カプセルは前記第1の交換可能カプセルよりも大き
な直径を有する、および
-前記第1および第2の交換可能カプセルのうちの1つを選択的に保持するための淹出チャンバを形成する第1の淹出チャンバ部分及び第2の淹出チャンバ部分、並びに水などの所定量の流体を、圧力下で、前記第1の淹出チャンバ部分に供給するための流体分配デバイスを備える装置と、を備え、
前記第1の淹出チャンバ部分は、前記第1又は第2の交換可能カプセルを選択的に保持するための不変の形状を有するキャビティを備え、
前記第1の淹出チャンバ部分と前記第2の交換可能カプセルは、
前記第2の交換可能カプセルを前記第1の淹出チャンバ部分に装填するときに、前記第2の交換可能カプセルの外側部分が前記第1の淹出チャンバ部分の内周壁の少なくとも一部と係合するように互いに適合されている
、ただし、前記第2の交換可能カプセルの前記フランジ状リムは、前記キャビティの内周壁の外縁部において前記キャビティのキャビティ直径よりも大きなフランジ直径を有する、
かつ、前記第1の淹出チャンバ部分と前記第1の交換可能カプセルとは、前記第1の交換可能カプセルを前記第1の淹出チャンバ部分に装填するときに、前記第1の交換可能カプセルの
前記フランジ状リムが、前記第1の淹出チャンバ部分の前記内周壁の少なくとも一部と係合するように互いに適合されている、システム。
【請求項2】
前記外側部分は、前記第2の交換可能カプセルの外周壁を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記外側部分は突出部を備える、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記突出部は、外周壁から延びる少なくとも2つのリブを備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記突出部は少なくとも1つの環状突出部を備える、請求項3~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記環状突出部は前記外周壁に沿って実質的に連続している、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の淹出チャンバ部分と前記第2の
交換可能カプセルとは、前記第2の
交換可能カプセルが、前記外側部分によって前記キャビティ内で心出しされるように互いに適合されている、請求項
1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の淹出チャンバ部分は、前記キャビティの底部に心出しモジュールを備え、前記第1及び第2の交換可能カプセルは、前記心出しモジュールと協働するように配置
されて、前記第1及び第2の
交換可能カプセルを前記キャビティの前記底部の近傍に心出しする、請求項
1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記心出しモジュールは円錐形リングを備え、前記第1及び第2の交換可能カプセルは、前記円錐形リングによって受容されるように構成された当接部を備える、請求項
8に記載のシステム。
【請求項10】
前記円錐形リングは、前記キャビティの前記底部に向かって先細になっており、前記第1及び第2の交換可能カプセルは、前記円錐形リングのより広い側部によって受容されるように構成された当接部を含む、請求項
9に記載のシステム。
【請求項11】
前記心出しモジュールは、前記キャビティの
前記底部から突き出る遠位端部を備える螺旋バネを更に有し、前記第1及び第2の交換可能カプセルは、前記螺旋バネの前記遠位端部によって受容されるように構成された当接部を備える、請求項
8~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の淹出チャンバ部分と前記第1の
交換可能カプセルとは、前記第1の
交換可能カプセルが前記フランジ状のリムによって前記キャビティ内で心出しされるように互いに適合されている、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記第2の交換可能カプセルは、前記第1の交換可能カプセルよりも長い軸線方向長さを有する、請求項
1~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
消費するのに適切な所定量の飲料を調製するための方法であって、
-第1及び第2の交換可能カプセルのうちの1つを選択的に保持するための淹出チャンバを形成する第1の淹出チャンバ部分及び第2の淹出チャンバ部分と、水などの所定量の流体を、圧力下で、前記第1の淹出チャンバ部分に供給するための流体分配デバイスと、を備える装置を提供することと、
ここで、前記第1の淹出チャンバ部分は、前記第1又は第2の交換可能カプセルを選択的に保持するための不変の形状を有するキャビティを備え、
前記第1の交換可能なカプセルは、カプセル形状本体、該カプセル形状本体の解放端部を密封する金属箔の蓋およびフランジ状リムを含み、ここで該金属箔の蓋は該フランジ状リムに接続されている、
前記第2の交換可能カプセルは、カプセル形状本体、該カプセル形状本体の解放端部を密封する金属箔の蓋およびフランジ状リムを含み、ここで該金属箔の蓋は該フランジ状リムに接続されている、ただし、前記第2の交換可能カプセルは前記第1の交換可能カプセルよりも大きな直径を有し、前記第2の交換可能カプセルの前記フランジ状リムは、前記キャビティの内周壁の外縁部において前記キャビティのキャビティ直径よりも大きなフランジ直径を有する、および、選択的に
-前記第2の交換可能カプセルを前記第1の淹出チャンバ部分に装填すること、ここで前記第2の交換可能カプセルの外側部分は、前記第1の淹出チャンバ部分の内周壁の少なくとも一部に係合するか、あるいは、
-前記第1の交換可能カプセルを前記第1の淹出チャンバ部分に装填すること、ここで、前記第1の交換可能カプセルの
前記フランジ状のリムが、前記第1の淹出チャンバ部分の内周壁の少なくとも一部と係合する、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、飲料を調製するためのシステムに関する。本発明は、飲料を調製するための装置及び方法にも関する。より具体的には、本発明は、カプセルを用いて飲料を調製するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
そのようなシステムにおいては、装置内でのカプセルの適切な閉じ込めが重要である。この理由の1つは、特定の装置では、熱湯がカプセルを通って、おそらく圧力下で導かれるからである。適切に閉じ込められていないカプセルは、システムの誤動作や潜在的に危険な状況を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
適切な閉じ込めのための1つの重要な条件は、装置内でのカプセルの適切な位置決めである。システムには、装置内の適切な位置決めを支援するための特徴部を設けることが好ましい。特定の場合には、飲料を調製するための特定の位置にカプセルを心出しすることは、飲料を調製するプロセスに有利であり得る。
【0004】
第1の態様は、消費に適した所定量の飲料を調製するためのシステムを提供する。このシステムは、第1の交換可能カプセル及び第1の交換可能カプセルよりも大きな第2の交換可能カプセルと、第1又は第2の交換可能カプセルのうちの1つを選択的に保持するための淹出チャンバを形成する第1の淹出チャンバ部分及び第2の淹出チャンバ部分、並びに水などの所定量の流体を、圧力下で、第1の淹出チャンバ部分に供給するための流体分配デバイスを含む装置と、を備える。第1の淹出チャンバ部分は、第1又は第2の交換可能カプセルを選択的に受容するためのキャビティを含み、第1の淹出チャンバ部分と第2の交換可能カプセルは、第2の交換可能カプセルを第1の淹出チャンバ部分に装填する場合、第2の可能交換カプセルの外側部分が第1の淹出チャンバ部分の内周壁の少なくとも一部と係合するように互いに適合される。
【0005】
任意選択で、第1の淹出チャンバ部分のキャビティは、第1又は第2のカプセルを受容するように構成されている。第1の淹出チャンバ部分のキャビティは、第1又は第2のカプセルを保持するように構成された所定のキャビティであることができる。キャビティは、第1又は第2のカプセルを保持するために不変の形状を有することができる。第1の淹出チャンバ部分は、第1の淹出チャンバ部分の構成を変更することなく、第1のカプセル又は第2のカプセルを保持するように構成することができる。第1の淹出チャンバ部分は一体的部分であることができる。
【0006】
第1の淹出チャンバ部分のキャビティは、第2の交換可能カプセルへの案内を提供し、飲料を調製するプロセスを開始する前に適切な位置決めを確実にする。
【0007】
一実施形態では、外側部分は突出部を含む。この実施形態の利点は、第2のカプセルの外壁の形状がキャビティの内側形状によって画定されないことである。これにより、設計の自由度が得られる。
【0008】
別の実施形態では、突出部は、外周壁から延びる少なくとも2つのリブを含み、これらリブは、周壁にわたって環状に実質的に等間隔に分布し、第2の交換可能カプセルの中心軸から延びる。
【0009】
リブを設けることにより、第2のカプセルの製造に単純な型枠を使用することができる。更に、リブを設けるために必要な材料の量が比較的少ない。
【0010】
更なる実施形態では、第2の交換可能カプセルが係合するように配置されたキャビティの内周壁の一部は、キャビティの内周壁の外縁部であり、第2の交換可能カプセルの外側部分はフランジを備え、フランジの外縁部に厚くなった部分を備える。
【0011】
この実施形態は、カプセルの上部、及び淹出チャンバの両方の部分が出会う位置での適切な位置決めを可能にする。したがって、この実施形態では、3つの構成要素である、2つの淹出チャンバ部分とカプセルとの適切な位置合わせを更に確実にすることができる。
【0012】
更に別の実施形態では、第1の淹出チャンバ部分と第2のカプセルとは、第2のカプセルが外側部分によってキャビティの中心に来るように互いに適合されている。
【0013】
キャビティ内でのカプセルの位置決めは重要であり、位置決めの定義において、カプセルの心出しは重要である。
【0014】
再び更なる実施形態では、第1の淹出チャンバ部分は、キャビティの底部に心出しモジュールを含み、第1及び第2の交換可能カプセルは心出しモジュールと協働するように構成されており、第1及び第2のカプセルをキャビティの底部近傍に心出しする。
【0015】
このシステムの特定の実施形態では、カプセルは、特にカプセルの上部で位置決め及び心出しするための手段を含むことができる。そのような実施形態では、第2のカプセルの底部における追加の心出しが必要とされる場合がある。本発明の実施形態は、第2のカプセルの底部におけるそのような追加の心出しを提供する。
【0016】
再び別の実施形態では、第1の淹出チャンバ部分と第1の交換可能カプセルとは、第1の交換可能カプセルを第1の淹出チャンバ部分に装填する場合、第1の交換可能カプセルのフランジ状のリムが、第1の淹出チャンバ部分の内周壁の少なくとも一部と係合するように互いに適合されている。
【0017】
この実施形態は、第1のカプセルの場合と同様に、淹出チャンバの2つの部分が出会うポイントで追加の心出しを提供する。これは、第2のカプセルだけでなく、第1のカプセルについても、上述したように適切な位置合わせの利点を提供する。これは、1つの同じ装置内で2種類のカプセルを安全かつ確実に使用することを可能にするので、重要な利点である。
【0018】
一態様によれば、本明細書に記載のシステムの装置が提供される。
【0019】
一態様によれば、本明細書に記載の、消費に適した所定量の飲料を調製するための方法が提供される。
【0020】
一態様によれば、本明細書に記載のカプセル、並びに第1及び第2のカプセルのセットが提供される。
【0021】
システムを考慮して説明された実施形態、態様、特徴及び任意選択肢のいずれも、装置、カプセル及び方法に等しく適用されることが理解されよう。上記の実施形態、態様、特徴及び任意選択肢任意の1つ以上を組み合わせることができることも明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明は、図面に表され例示的な実施形態に基づいて更に説明される。例示的な実施形態は、非限定的な例示として与えられる。図面は、非限定的な例として与えられる本発明の実施形態の概略的な表現に過ぎないことに留意されたい。
【0023】
図面において、
【
図3A】側面からのシステムの概略を更に詳細に示す。
【
図3B】側面からのシステムの概略を更に詳細に示す。
【
図4A】側面からのシステムの概略を更に詳細に示す。
【
図4B】側面からのシステムの概略を更に詳細に示す。
【
図5A】側面からのシステムの概略を更に詳細に示す。
【
図5B】側面からのシステムの概略を更に詳細に示す。
【
図5C】側面からのシステムの概略を更に詳細に示す。
【
図6A】側面からのシステムの概略を更に詳細に示す。
【
図6B】側面からのシステムの概略を更に詳細に示す。
【
図7A】側面からのシステムの概略を更に詳細に示す。
【
図7B】側面からのシステムの概略を更に詳細に示す。
【
図8A】側面からのシステムの概略を更に詳細に示す。
【
図8B】側面からのシステムの概略を更に詳細に示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1A及び1Bは、飲料を調製するためのシステム1の概略断面図を示す。システムは、装置2及び交換可能カプセルを含む。ここで、システム1は、第1のカプセル4A及び第2のカプセル4Bと協働するように構成されている。
図1A及び
図1Bに示す装置2は、1つの同一の装置である。装置2は、第1のカプセル4A(
図1A参照)又は第2のカプセル4B(
図1B参照)のいずれかと選択的に協働するように構成されている。システム1は、装置2、第1カプセル4A及び第2カプセル4Bを含むことができることが理解されよう。
【0025】
第1及び第2のカプセル4A、4Bは異なるタイプである。この例では、第2のカプセル4Bは、第1のカプセル4Aよりも大きい。第2のカプセル4Bの軸方向長さLBは、第1のカプセル4Aの軸方向長さLAよりも大きい。第2のカプセル4Bの直径DBは、第1のカプセル4Aの直径DAよりも大きい。相違にもかかわらず、この例では、第1及び第2のカプセル4A、4Bは同様の視覚的印象を与えるように設計されている。第1及び第2のカプセル4A、4Bは、同系統のルックアンドフィールを有するように設計されている。ここで、第1のカプセル4Aの軸方向長さと直径との比LA/DAは、第2のカプセル4Bの軸方向長さと直径との比LB/DBと実質的に同じである。好ましくは、第1及び第2のカプセルの長さ対直径比は、20%以内、好ましくは10%以内、例えば同一である。
【0026】
類似性を考慮して、両方のカプセル4A、4Bをここで同時に説明する。この例では、カプセル4A、4Bの両方がカップ形状本体6A、6Bを含む。ここで、カップ形状本体6A、6Bは、底部8A、8B及び周壁10A、10Bを含む。底部8A、8B及び周壁10A、10Bは、一体部品を形成することができる。カプセル4A、4Bは共に蓋12A、12Bを含む。蓋12A、12Bは、カップ形状本体6A、6Bの開放端部を密封する。蓋12A、12Bは、後述するように飲料をカプセルから排出することができる出口エリア13A、13Bを含む。この例では、蓋12A、12Bは、カプセル4A、4Bのフランジ状リム14A、14Bに接続されている。ここでは、リム14A、14Bは外側に延びるリムである。底部8A、8B、周壁10A、10B及びリム14A、14Bは一体部品を形成することができる。ここで、出口エリア13A、13Bは、飲料が潜在的にカプセル4A、4Bを出ることができる蓋12A、12Bのエリアを画定する。したがって、リム14A、14Bに対して封止された蓋12A、12Bのエリアは、出口エリア13A、13Bの一部を構成しない。この例では、カプセル4A、4Bは、底部8A、8Bから蓋12A、12Bに延びる軸の周りに実質的に回転対称である。カップ形状本体6A、6B及び蓋12A、12Bは、カプセルの内部空間16A、16Bを取り囲む。内部空間16A、16Bは、抽出可能又は可溶性物質などの所定量の飲料原材料を含む。飲料原材料は、例えば、ロースト及び挽いたコーヒー、紅茶、などであり得る。飲料原材料は粉末コーヒーであってもよい。飲料原材料は液体であってもよい。カプセル4A、4Bのサイズの違いを考慮すると、第2のカプセル4Bは第1のカプセル4Aよりも多量の飲料原材料を含み得ることが理解されよう。この例では、第2のカプセル4Bの内部空間16Bは、第1のカプセル4Aの内部空間16Aの約2倍である。例えば、第1のカプセル4Aは4~8グラム、例えば約6グラムの挽いたコーヒーを含むことができる。例えば、第2のカプセル4Bは、8~16グラム、例えば約12グラムの挽いたコーヒーを含むことができる。
【0027】
カップ形状の本体6A、6Bは、アルミニウム箔などの金属箔、ポリプロピレン若しくはポリエチレンなどのプラスチック材料、又はそれらの組み合わせから製造することができる。カップ形状本体6A、6Bは、プレス、深絞り、真空成形、射出成形等により製造することができる。蓋は、アルミニウム箔などの金属箔、ポリプロピレン若しくはポリエチレンなどのプラスチック材料、又はそれらの組み合わせから製造することができる。この例では、カプセル4A、4Bは、いわゆる閉じたカプセルである。これは、装置に挿入する前に密閉して閉じられたカプセルを指す。閉じたカプセルは、以下に記載した装置によって開放することができる。あるいは、封止されていないカプセル又は詰め替え可能なカプセルも使用可能である。
【0028】
装置は、第1の淹出チャンバ部分18及び第2の淹出チャンバ部分20を含む。第1及び第2の淹出チャンバ部分18、20は、互いに閉じることができ、チャンバ22A、22Bを形成する(
図1A、1Bには示されていない)。
【0029】
第1の淹出チャンバ部分18は、キャビティ24を含む。キャビティ24は、第1又は第2のカプセル4A、4Bを受容するように構成されている。ここでは、第1の淹出チャンバ部分18のキャビティ24は、第1又は第2のカプセル4A、4Bを保持するように構成された所定のキャビティ24である。ここでは、キャビティ24は、第1又は第2のカプセル4A、4Bを保持するために不変の形状を有する。ここで第1の淹出チャンバ部分18は、第1の淹出チャンバ部分18の構成を変更することなく、第1又は第2のカプセル4A、4Bを保持するように構成されている。この例では、第1の淹出チャンバ部分18は一体的部材である。この例では、第1の淹出チャンバ部分18は、第1の当接面26を含む。第1の当接面は、キャビティ24の内側に配置されている。ここでは、第1の当接面26は、第1の略環状の当接面である。第1の略環状の当接面26は、連続して環状であってもよく、又は、環状に沿って複数のセグメントを備えるように、断続した環状であってもよい。第1の当接面26は、1つ以上の形状、例えばキャビティ22の中に突き出たアーチ状の隆起部の形状をとることができる。ここで、第1の当接面26は、キャビティ22に階段状の形状を付与する。この例では、第1の淹出チャンバ部分18は、第2の当接面28を含む。第2の当接面は、キャビティ24の開口端部の近くに配置されている。ここで、第2の当接面28は、第2の略環状の当接面である。第2の略環状の当接面28は、連続して環状であってもよく、環に沿って複数のセグメントを含むように、断続的な環状であってもよい。第2の当接面28は、1つ以上の形状、例えばアーチ状の隆起部の形状をとることができる。第1の当接面26と第2の当接面28とは、第1の淹出チャンバ部分18の軸方向に相互に離間して配置されていることが理解されよう。第1の当接面26と第2の当接面とは一定の間隔で配置されている。第1の当接面26と第2の当接面は、互いに不動である。ここで、第1の淹出チャンバ部分18は、エジェクタ38を含む。この例ではエジェクタ38は円錐形リング40及び弾性要素42、ここでは螺旋バネを含む。第1の淹出チャンバ部分18は、カプセルの底部を穿孔するための穿孔手段44を含む。ここで、穿孔手段は、3つのナイフなどの複数のナイフを含む。
【0030】
第2の淹出チャンバ部分20は抽出プレート30を含む。この例では、抽出プレート30は、中央部分32及び周辺部分34を含む。中央部分32は、周辺部分34に対して移動可能である。ここで、中央部分32は、第2の淹出チャンバ部分20の軸方向に移動可能である。
【0031】
したがって、これまで説明したシステム1は、以下のように飲料を調製するために使用することができる。システム1の更なる特徴を途中で説明する。
【0032】
図1A及び
図1Bの例では、装置2は、カプセルを受容する準備ができている状態にある。
図1A及び
図1Bにおいて、カプセル4A、4Bは、第1の淹出チャンバ部分18のキャビティ内にちょうど挿入されている。第1淹出チャンバ部分18は、傾斜した位置にある。キャビティ24の開放端部は上向きに配置される。
【0033】
図1Aに示すように、第1のカプセル4Aは、重力の影響でキャビティ24内に落下することができる。ここで、第1のカプセル4Aのリム14Aは、第1の淹出チャンバ部分18の内面36によって案内される。第1のカプセル4Aの底部8Aは、エジェクタ38に当接するまでキャビティ24内に下降する。ここで、第1のカプセル4Aの底部8Aは、エジェクタ38上に心出しされる。第1のカプセル4Aのリム14Aは、第1の当接面26と第2の当接面28との間に配置されることが理解されよう。この状態では、第1のカプセル4Aの底部8Aはまだ穿孔されていない。
【0034】
図1Bに示すように、第2のカプセル4Bも、重力の影響でキャビティ24内に落下することができる。ここで、第2のカプセル4Bの周壁10Bは、第1の淹出チャンバ部分18の内面46によって案内される。あるいは、第2のカプセル4Bの他の部分は、第1の淹出チャンバ部分18の内面46によって案内されてもよい。
【0035】
図9Aは、第2のカプセル4Bの他の実施形態を示す。この実施形態では、第2のカプセル4Bは実質的に同じ長さを有する横方向リブ19Bを備える。横方向リブ19Bは、第2のカプセル4Bの周壁10Bにわたって環状に実質的に等間隔に分布している。横方向リブ19Bは、第2のカプセルの中心軸25Bから延びるように周壁10Bから外向きに延びる。
【0036】
この実施形態では、第2のカプセル4Bは、第2のカプセル4Bの外側部分としての横方向リブ19Bを介して第1の淹出チャンバ部分18の内面46によって案内される。更に、横方向リブ19Bは、第2の淹出チャンバ部分18内で第2のカプセル4Bの心出しを支持する。第2のカプセル4Bが
図6Bに示すような位置にあることにより、横方向リブ19Bの端部は全て内面46に接触する。横方向リブ19Bは周壁10Bから実質的に同じ長さで延びているので、第2のカプセル4Bは特に第1の淹出チャンバ部分18及びキャビティ24に心出しされる。適切に心出しするためには、少なくとも2つの横方向リブ19Bが必要であり、少なくとも3つの横方向リブ19Bが好ましい。
【0037】
図9Bは、第2のカプセル4Bの更なる実施形態を示す。この実施形態では、第2のカプセルは環状突出部20Bを含む。環状突出部20Bは、この実施形態では、連続リング20Bとして設けられている。リング20Bの中心は第2のカプセル4Bの中心軸25Bと一致する。リング20Bは、周壁10Bから突き出ている。
【0038】
この実施形態では、第2のカプセル4Bは、第2のカプセル4Bの外側部分としての環状突出部20Bを介して第1の淹出チャンバ部分18の内面46によって案内される。更に、環状突出部20Bは、第2の淹出チャンバ部分18内の第2のカプセル4Bの心出しを支援する。第2のカプセル4Bが
図6Bに示すような位置にあることにより、環状突出部20Bの端部は内面46に接触する。環状突出部20Bは第2のカプセル4Bと同心円状に設けられているので、具体的には第2のカプセル4Bは第1の淹出チャンバ部分18及びキャビティ24内に心出しされる。
【0039】
図9Cは、第2のカプセル4Bの更に別の実施形態を示す。この実施形態では、第2のカプセルは、突起空隙22Bによって分離された環状突出部21Bを含む。環状突出部21Bは、上述のように環状突出部20Bと同じ案内及び心出しを提供する。
【0040】
図9Dは、第2のカプセル4Bのなお更なる実施形態を示す。この実施形態では、第2のカプセルの周壁10Bは、第1の周壁部分10B’及び第2の周壁部分10B”を備える。第1の周壁部分10B’及び第2の周壁部分10B”の両方は、第2のカプセル4Bの中心軸25Bの周りに心出しされている。第1の周壁部分10B’と第2の周壁部分10B”との間には段差平坦部23Bが設けられている。第2の周壁部分10B”の上部は、第1の周壁部分10B’の底部よりも大きな直径を有する。別の実施形態では、第2の周壁部分10B”の上部は、第1の周壁部分10B’の底部よりも小さな直径を有する。
【0041】
この実施形態では、第2のカプセル4Bは、第2のカプセル4Bの外側部分としての第2の周壁部分10B”を介して第1の淹出チャンバ部分18の内面46によって案内される。更に、第2の周壁部分10B”は、特に、第2の淹出チャンバ部分18及びキャビティ24内での第2のカプセル4Bの心出しを支援する。第2のカプセル4Bが
図6Bに示される位置にあることにより、第2の周壁部分10B”は内面46に接触する。
【0042】
第2の周壁部分10B”は第2のカプセル4Bと同心円状に設けられているので、具体的には第2のカプセル4Bは第1の淹出チャンバ部分18及びキャビティ24内に心出しされる。第2の周壁部分10B”の上部が第1の周壁部分10B’の直径底部よりも小さな直径を有する場合、案内及び心出しは、第1の周縁部分10B’を介して提供される。
【0043】
図9Eは、第2のカプセル4Bのなお更なる実施形態を示す。この実施形態では、周壁10B及びフランジ状リム14Bは特に厚肉の外側リング24Bを備える。図示の実施形態では、外側リング24Bは第2のカプセル4Bの底部8Bに向かって延びており、フランジ状リム14Bは第2のカプセル4Bの上部と同一平面上にある。他の実施形態では、外側リング24Bは第2のカプセル4Bの上部を越えて延びる。
【0044】
外側リング24Bは、第2の淹出チャンバ部分18のキャビティ24内での第2のカプセル4Bの心出しを支援するように構成されている。この支援は、第2の当接面28の外径よりもわずかに大きな内径を有するように外側リング24Bを設けることによって提供される(
図4B)。これにより、外側リング24Bがキャビティ24の内側表面46の端部で第2の当接面28上に嵌合することが可能になる。更に、外側リング24Bが第2の当接面28上に嵌合されると、第2のカプセルはキャビティ24内で心出しされる。
【0045】
図9A、
図9B、
図9C、
図9D、及び
図9Eによって示される実施形態は、別個の実施形態として示されているが、特定の特徴は、可能な任意の並び変えにおいて、更なる実施形態を提供するために組み合わせることができる。
【0046】
第2のカプセル4Bの底部8Bは、エジェクタ38に当接するまでキャビティ24内に下降する。ここで、第2のカプセル4Bの底部8Bはエジェクタ38上に心出しされる。説明したように、エジェクタは円錐形リング40及び弾性要素42を含むことができる。弾性要素42は、螺旋バネ42、具体的には円形断面を有する螺旋バネとして具体化することができる。
【0047】
螺旋バネ42が円形の断面を有し、第1の淹出チャンバ部分18の底部から外向きに突き出ることにより、とりわけ、螺旋バネ42の遠位端部が第1の淹出チャンバ部分18の底部から突き出る。螺旋バネ42は、遠位端部で開放しているので、物体を受容することができる。この実施形態では、螺旋バネ42の遠位端部は、第2のカプセル4Bの底部8Bを受容するように構成されている。第2のカプセル4Bの底部8Bは円錐形状を有するので、第2のカプセル4Bは、螺旋バネ42の開いた遠位端部と自動的に心出しされ、同じようにして、特に第1の淹出チャンバ部分18及びキャビティ24と自動的に心出しされる。
【0048】
上述のように、エジェクタ38は円錐形リング40を含むことができる。円錐形リング40は、第2の淹出チャンバ部分18のキャビティ24内に同心円状に設けられる。更に、円錐形リング40は、キャビティの底部から離れる方を向く遠位側に、キャビティ24の底部に面する近位端部の第2の直径よりも大きな第1の直径を有することが好ましい。
【0049】
特に好ましい実施形態では、円錐形リング40は、円錐形リング40内で、第2のカプセル4Bの底部8Bの外側形状と実質的に同じ内側形状を有する。これにより、円錐形リング40が第2のカプセル4Bの底部8B、又はその少なくとも一部を収容することが可能になる。これは、特に第2の淹出チャンバ部分18及びそのキャビティ24内での第2のカプセル4Bの案内及び心出しにおいて代替的な又は追加の支援を提供する。
【0050】
第2のカプセル4Bの底部8B付近で特定の案内部材として作用する外側部分を有さない第2のカプセル4Bの実施形態は、上述のような実施形態に、キャビティ24内での心出しの改善を提供する。第2のカプセル4B及び第1のカプセル4Aの他の実施形態の使用も、そのような心出しモジュールによって改善され得る。
【0051】
第2のカプセル4Bのリム14Bは、穿孔手段44から見て第2の当接面28を越えて配置されていることが理解されよう。第2のカプセル4Bの底部8Bはこの状態ではまだ穿孔されていない。
【0052】
カプセル4A、4Bが、
図1A及び
図1Bに示すようにキャビティ24内に挿入されると、第1の淹出チャンバ部分18は、カプセル4A、4Bの周囲の淹出チャンバを閉じるために第2淹出チャンバ部分20に向かって移動することができる。第1の淹出チャンバ部分18は、装置のフレーム48において案内される。
【0053】
この例では、第1の淹出チャンバ部分18は、
図2A及び
図2Bに示すように、第1のボス50及び第2のボス52を含む。第1のボス50は、フレーム48の第1の溝54内で案内される。第2のボス52は、フレーム48の第2の溝56内で案内される。ボス50、52及び溝54、56は、第1の淹出チャンバ部分18が追従する経路を決定することが理解されよう。ここで、第1の溝54及び第2の溝56は、フレーム48の側壁57に設けられている。第1の溝54は、第1の深さまで側壁57内に延びている。第2の溝56は、第2の深さまで側壁内に延びている。第2の深さは第1の深さよりも大きい。第1のボス50は、第2のボス52よりも大きな直径を有する。第1の溝54は、第2の溝56よりも広い幅を有する。第1の溝54の幅は、第1のボス50の直径に対応する。第2の溝56の幅は、第2のボス52の幅に対応する。第1の溝54は、第2の溝56とは異なる軌道に沿って延びることが理解されよう。異なる幅及び深さの溝は、第1及び第2のボス50、52が異なる軌道をたどることを可能にする。この構造により、第1及び第2のボス50、52を案内するための非常にコンパクトな構造が可能になる。
【0054】
装置2は、レバー58を含む。レバーは、ユーザが手動で作動させることができる。レバーは、レバー軸60の周りにフレーム48に枢動可能に接続されている。第1の淹出チャンバ部分18は、膝継手62を介してフレーム48に接続されている。膝継手62は、プッシュロッド64及びクランク66を含む。プッシュロッド64は、膝軸68でクランク66に枢動可能に接続されている。クランク66は、クランク軸70でフレーム48に枢動可能に接続されている。レバー58は、膝継手62に接続されており、第1の淹出チャンバ部分18を作動させる。ここで、レバー58は、レバーリンク74を介して膝継手62に連結されている。レバーリンク74は、レバーリンク軸76においてレバー58に枢動可能に接続されている。レバーリンク74は、膝リンク軸78でプッシュロッド74に枢動可能に接続されている。
【0055】
拘束リング80は、第1の淹出チャンバ部分18を取り囲むように構成されている。拘束リング80は、第1の淹出チャンバ部分18に対して軸方向に移動可能である。ここで、拘束リング80は、第1淹出チャンバ部分18の外面によって案内される。拘束リングは、1つ以上の弾性要素82、ここでは螺旋バネを介して第1の淹出チャンバ部分に接続されている。プッシュロッドは、プッシュロッド軸72で拘束リング80に枢動可能に接続されている。したがって、ここでは、膝継手62は、第1の淹出チャンバ部分18に、すなわち拘束リング80及び1つ以上の弾性要素82を介して間接的に接続されている。拘束リングの機能については以下に説明する。
【0056】
レバー58が下向きに移動されると、膝継手62は、第1淹出チャンバ部分18を第2淹出チャンバ部分20の方に押し出す。同時に、第1及び第2の溝54、56の形状に起因して、第1の淹出チャンバ部分18は、上向きの傾斜方向から、第1の淹出チャンバ部分18の軸方向が第2の淹出チャンバ部分20の軸方向と整列した整列方向に回転する。
【0057】
上述のように、装置2は、第1のカプセル4A又は第2のカプセル4Bのいずれかと選択的に協働するように構成されている。ここで、システム1は、第1又は第2のカプセルが挿入されたかどうかに応じて、淹出チャンバを自動的に調節するように構成されている。これは、第1又は第2のカプセルの適切な取り扱いを選択するためにユーザ入力が必要とされないという利点を提供する。したがって、エラーのリスクは大幅に低減される。
【0058】
上述のように、第2の淹出チャンバ部分20は、中央部分32及び周辺部分34を有する抽出プレート30を含む。ここで、中央部分32は、第2の淹出チャンバ部分20の軸方向に移動可能である。この例の中央部分32は、フレーム48に対して軸方向に摺動可能に移動可能なシャフト32’を含む。中央部分32は弾性部材84、ここでは螺旋バネを介してフレーム48に接続されている。弾性部材84は、中央部分を
図1A及び
図1Bの準備位置に付勢する。準備位置は、この例では拡張位置である。中央部分32は、第1のカプセル4Aと協働するために第1の淹出位置に配置することができる。中央部分は、第2のカプセル4Bと協働するために第2の淹出位置に配置することができる。この例では、システム1は、キャビティ24が第1のカプセル4Aを保持するときに、第1の淹出位置に又はその近傍に中心部分32をロックするように構成されたロック機構86を含む。
【0059】
ロック機構86はロッカー88を含む。ここで、ロッカー88は、旋回可能な指として設計され、旋回軸90を中心に旋回可能である。ロッカー88は、シャフト32’から離れて旋回される位置に付勢されている。ロッカーは、任意の他の適切な位置に付勢することもできる。ロック機構86はプッシャ92を更に含む。プッシャは、第2淹出部分20の本体94内で摺動可能に案内される。プッシャ92は、ここでは螺旋バネである弾性部材96を介して本体94に接続されている。弾性部材96は、プッシャを拡張位置に付勢する。第1の淹出チャンバ部分18は、アクチュエータ98を含む。ここで、アクチュエータは、第1の淹出チャンバ部分18の前面によって形成されている。
【0060】
図3A及び
図3Bは、キャビティ24が第1のカプセル4Aを保持するときのロック機構86の機能を示す。この例では、蓋12A、出口エリア13A及び/又はリム14Aによって形成された第1のカプセル4Aの最も外側の部分は、アクチュエータ98に対して後方に、すなわち更に穿孔手段44に向けて配置される。その結果、第1のカプセル4Aを第2の淹出チャンバ部分20に向けて前進させると、アクチュエータ98は、第1のカプセル4Aの最も外側の部分が中央部分32に接触する前にプッシャ92に接触する。プッシャは、弾性部材96の付勢力に抗して押される。プッシャ92のリップ100は、ロッカー88の傾斜面102に沿って摺動し、ロッカー88をシャフト32’に向けて枢動させる。その結果、ロッカー88の親指104は、中央部分32(
図3B参照)の部分106の移動経路内に配置される。第1のカプセル4Aが更に第2の淹出チャンバ部分20に向かって前進すると、第1のカプセル4Aは中央部分32に当接する。これにより、中央部分が弾性部材84の付勢力に抗して押し出されるようになる。枢動したロッカー88は、中央部分が、部分106が親指104に当接する位置を越えて移動することを防止する。これは、本明細書では、第1の淹出位置として定義される。したがって、第1のカプセル4Aは、中央部分32を準備位置から第1の淹出位置に移動させるように整列される。第1のカプセル4Aは、第1及び第2の淹出チャンバ部分18、20の間に淹出中に保持され、中央部分32は第1の淹出位置にある。
【0061】
図4A及び
図4Bは、キャビティ24が第2のカプセル4Bを保持するときのロック機構86の機能を示す。この例では、ここでは蓋12B、出口エリア13B及び/又はリム14Bによって形成される第2のカプセル4Bの最外部分は、アクチュエータ98に対して前方に、すなわち更に第2の淹出チャンバ部分20に向けて配置される。その結果、第2のカプセル4Bを第2の淹出チャンバ部分20に向け前進させるとき、アクチュエータ98がプッシャ92に接触する前に、第2のカプセル4Bの最外部が中央部分32に当接する。中央部分32は、弾性部材84の付勢力に抗して押され、ロッカー88は、依然としてシャフト32’から離れるように旋回される。その結果、部分106は親指104の下を通過する。部分106が親指104を通過した後にのみ、プッシャは、アクチュエータ98によって弾性部材96の付勢力に抗して押される。プッシャ92のリップ100は、依然としてロッカー88の傾斜面102に沿って摺動し、ロッカー88をシャフト32’に向けて枢動させる。しかしながら、部品106はその瞬間に既に親指104を通過している。この例では、第2のカプセル4Bは、本体94に当接する中央部分32を押す。これは、本明細書では、第2の淹出位置として定義される。したがって、第2のカプセル4Bは、中央部分32を準備位置から第2の淹出位置に移動させるように整列される。第2のカプセル4Bは、淹出している間、第1の淹出チャンバ部分18と第2の淹出チャンバ部分20との間に保持され、中央部分32は第2の淹出位置にある。
【0062】
したがって、ロック機構86は、キャビティ24が第1のカプセル4Aを保持するときに、中央部分32を第1の淹出位置にロックするように整列される。ロックは片面であってもよく、すなわちキャビティ24が第1のカプセル4Aを保持するとき、ロック機構は、中央部分32が第1の淹出位置を越えて移動することを防止することができることに留意されたい。しかし、中央部分32の第1の淹出位置から準備完了位置への移動は妨げられなくてもよい。ロックユニット86は、第2のカプセル4Bが淹出チャンバに含まれているとき、中央部分32が第1の淹出位置に又はその近傍に固定されるのを選択的に防止するように整列される。ロックユニット86は、第2のカプセルが淹出チャンバに含まれているときに、中央部分32を第2の淹出位置に移動させることを選択的に可能にするように整列される。
【0063】
図3A及び
図4Aと比較すると、第1の淹出チャンバ部分18を第2の淹出チャンバ部分20に向けて前進させている間、第1のカプセル4Aは、第2のカプセル4Bよりも第1の淹出チャンバ部分内に更に陥没していることが理解されよう。次いで、第1の蓋12A、出口エリア13A及び/又はリム14Bは、第2の蓋12B、出口エリア13B及び/又はリム14Bよりも第1の淹出チャンバ部分18内に更に陥没していることが理解されよう。
【0064】
図3B及び
図4Bと比較すると、淹出チャンバが第1のカプセル4Aを保持するとき、中央部分32はキャビティ24内に延びることが理解されよう。中央部分32は、第2のカプセルが第1の淹出チャンバ部分18に含まれていれば、第2のカプセル4Bの蓋12B、出口エリア13B及び/又はリム14Bが存在したであろう位置を越えて、第1の淹出チャンバ部分18内に延びる。
【0065】
上述のように、膝継手62は、第1淹出チャンバ部分18に、すなわち拘束リング80及び1つ以上の弾性要素82を介して間接的に接続されている。
図5A~
図5Cは、拘束リング80の機能を示す。
【0066】
図5Aにおいて、第1のカプセル4Aは、第1の淹出位置にある中央部分を有する中央部分32に当接する。拘束リング80は、依然として後方位置にある。レバー58は、まだその端部位置に達していないことが理解されよう。第1の淹出チャンバ部分18は、突起部108を含む。ここで、突起部108は、実質的に環状の突起部である。突起部108は、外側に向かって延びる。ここで、突起部108は、第1の淹出チャンバ部分18の最外縁部を形成する。第2の淹出チャンバ部分20は、リテーナ110を含む。ここで、リテーナ110は、リテーナリップの円周リングとして設計されている。リテーナ110は、本体94に旋回可能に接続されている。ここで、リテーナ110は、本体94に弾性に旋回可能に接続されている。リテーナ110は歯112を含む。ここでの歯は、第1の傾斜面114及び第2の傾斜面116を有する。
【0067】
レバー58を下げると、拘束リング80は、第2淹出チャンバ部分20に向かって前進する。1つ以上の弾性要素82は、第1の淹出チャンバ部分が第2の淹出チャンバ20部分に当接するまで、例えばカプセル4A、4Bを間に挟んで、第1の淹出チャンバ部分18を阻止リング80の前方に押し出す。この移動中、突起部108は第1の傾斜面114に向かって前進する。これにより、リテーナ110を外側に旋回させる(
図5A参照)。更に前進すると、突起108を第2の傾斜面116を越えて通過させ、リテーナ110を内側に旋回させる(
図5B参照)。レバー58を更に下げると、第2の淹出チャンバ20部分への第1の淹出チャンバ部分の当接により、1つ以上の弾性要素82を圧縮させる。その結果、拘束リング80は、第2淹出チャンバ部分20に向かって前進する。レバー58を完全に下げると、拘束リング80がリテーナ110とロックリング118との間に挿入される(
図5C参照)。リテーナ110を取り囲む拘束リング80は、リテーナ110が外向きに枢動することを防止する。したがって、第1の淹出チャンバ部分は、第2淹出チャンバ部分20に対してロックされる。第1の淹出チャンバ部分は、第2の淹出チャンバ部分20にロックされる。
【0068】
装置は、流体、例えば熱湯などの液体を、加圧下で、第1の淹出チャンバ部分18に供給するための流体供給システムを含むことができる。淹出チャンバが飲料を淹出するために流体により加圧されると、第1及び第2の淹出チャンバ部分18、20は、流体圧力によって互いに押し離される。リテーナ110及び拘束リング80、並びに任意選択でロックリング118は、流体圧力によって印加される力の全部又は一部を支持する。リテーナ110とロックリング118との間に介在する拘束リング80は機械的安定性を高める。拘束リング80は、係止リング118に当接し、ロックリング118に少なくとも一部の力を伝達することができるので、リテーナ110によってその上に印加される全ての力を支持する必要はない。ロックリング118は不動であり、したがって容易に強化することができる。第1の淹出チャンバ部分は、第2の淹出チャンバ部分20にロックされているので、フレーム48及び作動機構、例えば、膝継手は、この力、又は少なくともその力のより小さな部分を支持する必要はない。したがって、フレーム及び/又は作動機構は、より弱く及び/又はより安価に設計することができる。
【0069】
拘束リング80の機能は、第1のカプセル4Aに関して
図5A~
図5C示されているが、拘束リング80は第2のカプセル4Bに関して同様に機能し得ることが理解されよう。
図6Aは淹出中の淹出チャンバ内の第1のカプセル4Aを示す。
図6Bは淹出中の淹出チャンバ内の第2のカプセル4Bを示す。
【0070】
穿孔部材44は、カプセル4A、4Bの底部8A、8Bを穿孔するように構成されている。
図5A~
図5Cにも見られるように、この例では、穿孔部材44は、カプセル4A、4Bの蓋12A、12Bが第1又は第2の淹出位置で中央部分32に当接するまで、底部8A、8Bを穿孔しない。それに対して、弾性要素42及び弾性要素84の剛性は選択することができる。この例では、弾性要素42の剛性は、弾性部材84の剛性よりも大きくなるように選択される。しかし、弾性要素42の剛性が弾性部材84の剛性に等しいか、又は弾性要素42の剛性が弾性部材84の剛性よりも小さいことも可能であることが理解されよう。
【0071】
カプセル4A、4Bが淹出チャンバに含まれ、底部8A、8Bが穿孔されると、流体、この例では熱湯を加圧下で、淹出チャンバに供給することができる。したがって、淹出チャンバは耐漏洩性であることが望ましい。中央部分32には、第1の封止部材120が設けられている。周辺部分34には、第2の封止部材122が設けられている。飲料調製装置2は、第1のカプセル4A又は第2のカプセル4Bのいずれかを使用して、消費するのに適した所定量の飲料を調製するように構成されている。この量は、予め規定した量とすることができる。この量は、ユーザ選択可能、ユーザ設定可能、又はユーザプログラム可能な量であってもよい。
【0072】
図3Bを参照すると、第1のカプセル4Aに関する封止が記載されている。第1の封止部材120は、第1のカプセル4Aを保持するために淹出チャンバを形成するときに、中央部分32と第1の淹出チャンバ18部分との間に流体封止係合を提供するように構成されている。この例では、第1のカプセル4Aが淹出チャンバに含まれるとき、第1の封止部材120は第1の淹出チャンバ部分18に当接する。これは、カプセル4Aの外側のキャビティ24内に存在する水に対して封止を提供する。このようにして、淹出チャンバ22Aに注入された淹出流体は、カプセル4Aの外側の周りを迂回することを防止される。
図3Bの例では、第1の封止部材120は、弾性リップ121を含む。弾性リップ121は、淹出チャンバ内の液体圧力の影響下、中央部分32と第1の淹出チャンバ部分18との間に自己強化型の封止係合を提供するように構成されている。この例では、第1の封止部材120は、第1のカプセル4Aのリム14Aに当接する。リム14Aは、第1の当接面26によって第1の封止部材120に押し付けられている。これにより、出口エリア13Aを通ってカプセル4Aを出る飲料に対し、中央部分32とカプセル4Aとの間に封止係合が提供される。ここで、カップ形状本体6Aから離れる方を向くリム14Aの側部が、第2の淹出チャンバ部分20に対して封止されることが理解されよう。あるいは又は更に、リム14Aのカップ形状本体6Aに向いた側部を第1の淹出チャンバ部分18に対して封止することができる。そこには、第1の淹出チャンバ部分18上に、例えば第1の当接面26上に、及び/又はカプセル4A上に、例えばリム14A上に、追加の封止を設けることができる。カプセル上の封止は、第1の淹出チャンバ部分18と第2の淹出チャンバ部分20との間の封止に対して付加的であることが明らかであろう。これは、第1の封止部材120による封止作業を減ずることができる。
【0073】
図4Bを参照すると、第2のカプセル4Bに関する封止が説明されている。第2の封止部材122は、第2のカプセル4Bを保持する淹出チャンバを形成するときに、周辺部分34と第1の淹出チャンバ18との間に流体封止係合を提供するように構成されている。この例では、第2のカプセル4Bが淹出チャンバに含まれるとき、第2の封止部材122は第1の淹出チャンバ部分18に当接する。これは、カプセル4Bの外側のキャビティ24内に存在する水に対して封止を提供する。
図4Bの例では、第2の封止部材122は、弾性リップ123を含む。弾性リップ123は、淹出チャンバ内の流体圧力の影響下で、周辺部分34と第1の淹出チャンバ部分18との間に自己補強型の封止係合を提供するように構成さている。この例では、第2の封止部材122は、第2のカプセル4Bのリム14Bに当接する。リム14Bは、第2の当接面28によって第2の封止部材122に押し付けられている。これは、出口エリア13Bを通ってカプセル4Bを出る飲料に対して周囲部分34とカプセル4Bとの間に封止係合を提供することができる。
図4Bでは、第2のカプセル4Bを保持するために淹出チャンバを形成するときに、第1の封止部材120が中央部分32と周辺部分34との間に封止係合を提供する。中央部分32と周辺部分34との間のこの封止係合は自己補強的であり得る。それに対して、周辺部分34と第2のカプセル4Bとの間の係合は、淹出流体が第1の封止部材120へと通過することを可能にすることができる。したがって、第1の封止部材120は、出口エリア13Bを通ってカプセル4Bを出る飲料に対して、中央部分32とカプセル4Bとの間に封止係合を提供する。ここで、蓋によって、例えば箔によって覆われていてもいなくてもよい、カップ形状本体6Bとは反対側を向いているリム14Bの側面は、第2の淹出チャンバ部20に対して封止されていることが理解されよう。あるいは又は更に、カップ形状本体6Bの方に向いているリム14Bの側面は、第1の淹出チャンバ部分18に対して封止することができる。そこには、第1の淹出チャンバ部分18上に、例えば第2の当接面28上に、及び/又はカプセル4B上に、例えばリム14B上に、追加の封止を設けることができる。カプセル上の封止は、第1の淹出チャンバ部分18と第2の淹出チャンバ部分20との間の封止に対して付加的なものであることが明らかであろう。これにより、第2の封止部材122による封止力を低減することができる。
【0074】
加圧流体が淹出チャンバ内のカプセル4A、4Bに供給されると、出口エリア13A、13Bを抽出プレート30に対して開くことができる。この例における抽出プレート30は、複数のレリーフ要素124を含む。ここで、レリーフ要素124は切頂角錐形である。カプセル4A、4B内の圧力が上昇すると、出口エリア13A、13Bがリリーフ要素に対して引き裂かれ、飲料はカプセル4A、4Bから出ることができる。
【0075】
飲料は、抽出プレートの開口部を通って抽出プレート30を通過することができる。次に、飲料は出口126に流れることができる。出口126から、飲料はカップなどの容器に流れ込むことができる。
【0076】
飲料が淹出されたら、レバー58を上向きに動かすことができる。これにより、拘束リング80がリテーナ110から離れて移動する。次に、第1の淹出チャンバ部分18を後方に移動させる。リテーナ110の第2傾斜面116は、リテーナが突起部108を通過するようにすることができる。第1の淹出チャンバ18部分は第2の淹出チャンバ部分20から離れるように移動する。中央部分32は準備位置に戻る。ボス50、52及び溝54、56は、第1の淹出チャンバ部分18がたどる経路を決定する。
図7A及び
図7Bに示すように、第1の淹出チャンバ部分は下向きに旋回する。このことは、重力の影響下で、使用済みのカプセル4A、4Bのキャビティ24からの排出を促進する。エジェクタ38は、穿孔部材44及びキャビティ24からのカプセル4A、4Bの押し出しを支援することができる。使用済みのカプセル4A、4Bは装置2の廃棄物バスケットに落下することができる。
【0077】
この例では、第1及び第2のカプセル4A、4Bは、同様の視覚的印象を与えるように設計されている。
図8Aは、第1の淹出チャンバ部分18及び第2の淹出チャンバ部分20によって形成される淹出チャンバ22Aに挿入された第1のカプセル4Aの例を示す。周壁10Aは、図示の位置でキャビティ24よりも細いことが理解されよう。結果として、キャビティ24の内側に第1のカプセル4Aを囲む第1のボリューム126が存在する。
図8Bは、第1の淹出チャンバ部分18及び第2の淹出チャンバ部分20によって形成される淹出チャンバ22Bに挿入された第2のカプセル4Bの例を示す。周壁10Bの一部分128は、図示の位置でキャビティ24よりも細いことが理解されよう。この部分128は、第1当接面26を越えて延びる周壁10Bの部分によって形成されている。結果として、キャビティ24の内側に第2のカプセル4Bを囲む第2のボリューム130が存在する。
【0078】
淹出チャンバが第1のカプセル4Aを保持する場合第1のボリューム126は第1のカプセル4Aによって占有されないことに留意されたい。しかしながら、この第1のボリューム126は、淹出チャンバが第2のカプセル4Bを保持する場合、第2のカプセル4Bの一部によって占有される。淹出チャンバが第2のカプセル4Bを保持する場合、第2のボリューム130は第2のカプセル4Bによって占有されない。この第2のボリューム130は、淹出チャンバが第1のカプセル4Aを保持する場合、抽出プレート30の中央部分32を受容する。
【0079】
第1のカプセル4Aを使用して飲料を淹出するとき、第1のボリューム126は水などの流体で充填され、その流体は飲料を淹出するのには使用されない。この流体は、淹出後に廃棄物バスケットに排出することができる。第2のカプセル4Bを使用して飲料を淹出するとき、第2のボリューム130は水などの流体で充填され、その流体は飲料を淹出するのには使用されない。この流体は、淹出後、容器、例えば廃棄物バスケットに排出することができる。この例では、第1のボリューム126は、第2のボリューム130と実質的に等しい。したがって、第1のカプセル4Aを使用して飲料を淹出し、第2のカプセル4Bを使用して飲料を淹出する場合、廃棄物バスケットに導かれる流体の容量は実質的に等しい。
【0080】
ここで本発明は、本発明の実施形態の特定の例を参照して記載されている。しかし、本発明の本質から逸脱することなく、様々な修正及び変更が行われ得ることは明らかであろう。明瞭さ及び簡潔な説明の目的のために、本明細書では同一又は別々の実施形態の一部として特徴を説明するが、これら別々の実施形態に記載の特徴の全部又は一部の組み合わせを有する代替実施形態も考えられる。
【0081】
この例では、抽出プレートの中央部分は、複数のレリーフ要素を含む。周辺部はレリーフ要素を含まない。しかし、周辺部分がレリーフ要素を含んでも良いことが理解されるであろう。抽出プレートと第2の出口エリアは、開放されたときの第2の出口エリアの流動抵抗が、開放されたときの第1の出口エリアの流動抵抗よりも小さくなるように互いに適合させることができる。抽出プレートと第2の出口エリアは、第2の出口エリアが第1の出口エリアよりも大きな表面積にわたって抽出プレート上で裂けるように互いに適合させることができる。抽出プレートと第2の出口エリアは、第2の出口エリアが第1の出口エリアよりも多くの位置で抽出プレート上で裂けるように互いに適合させることができる。外側リリーフ要素は、第1及び第2の出口エリアの両方を引き裂くように設計してもよく、第2の出口エリアは、第1の出口エリアよりも大きな表面積にわたって外側のリリーフ要素を引き裂く。抽出プレートは、第1のタイプ及び第2のタイプの少なくとも1つのレリーフ要素を含むことができ、第1のタイプのレリーフ要素は、第1の出口エリアに対応するエリア内に配置され、第2のタイプの少なくとも1つのレリーフ要素は、第2の出口エリアに対応するエリア内であり、かつ第1の出口エリアに対応するエリア外に配置される。第2のタイプのレリーフ要素は、第1のタイプのレリーフ要素よりも鋭い縁部を有してもよい。第2の出口エリアは弱化領域を含んでも良い。弱化領域は、第2の出口エリアの周辺エリアに配置してもよい。
【0082】
実施例では、第1及び第2のカプセルは実質的に同じ形状を有する。異なる形状を有する第3のカプセルを提供することも可能である。第3のカプセルは、例えば、中央部分が第1の淹出位置にあるとき、淹出チャンバを実質的に充填するように成形することができる。異なる形状を有する第4のカプセルを提供することも可能である。第4のカプセルは、例えば、中央部分が第2の淹出位置にあるとき、淹出チャンバを実質的に充填するように成形することができる。
【0083】
実施例では、第1のカプセルは外向きに延びるフランジ状のリムを有する。第1のカプセルは、外向きに延びるリムを含まなくても良いことが理解されよう。実施例では、第2のカプセルは、外向きに延びるフランジ状のリムを有する。第2のカプセルは、外向きに延びるリムを含まなくても良いことが理解されよう。
【0084】
実施例では、カプセル本体及び蓋はアルミニウム箔、好ましくは本体への蓋の容易な溶接を可能にするためのポリマー被覆アルミニウム箔から作製されている。カプセル本体及び/又は蓋は、当業者によって適切であると考えられ、押出し、共押出し、射出成形、ブロー成形、真空成形、などの当該分野で従来公知の技術を使用して、シート、フィルム又は箔に加工され得る多種多様な材料で作製され得ることが理解されよう。カプセル本体及び/又は蓋のための適切な材料としては、プラスチック材料、具体的には、熱可塑性材料、例えばポリオレフィンポリマー、例えばポリエチレン又はポリプロピレン、PVC、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、アルミニウム、ステンレス鋼、金属合金などの金属箔、又は、紙、ポリエステルなどのような織布若しくは不織布若しくは他の方法で処理された繊維材料のシート、又はそれらの組み合わせ、例えば多層、が挙げられるが、これらに限定されない。カプセル用の材料は、生分解性ポリマー又は他の生分解性材料であり得る。当業者は、カプセルの使用中の食品材料との想定される使用及び他の関連する状況を考慮して、適切な材料を選択することができるであろう。シート又は箔の厚さは、形状安定なカプセルが提供されるように選択され得る。シート又は箔の厚さは材料の性質によって変わり得る。
【0085】
実施例では、カプセルは密閉カプセルである。システムに開放カプセルを設けることも可能である。開放カプセルは装置への挿入前に開放されている。開放カプセルは予め穿孔することができる。開放カプセルは、開放カプセルを装置に挿入する前に取り出す必要がある気密封止パッケージに包装することができる。実施例では、カプセルは穿孔手段によって穿孔される。穿孔手段によって穿孔されていないカプセルをシステムに設けることも可能である。そのようなカプセルは、例えば入口フィルタを含むことができる。実施例では、カプセルは抽出プレートに対して開放する。抽出プレートに対して開放しないカプセルをシステムに設けることも可能である。そのようなカプセルは、例えば出口フィルタを含む。
【0086】
実施例では、カプセル自体は封止部材を含まない。カプセルに封止部材、例えば弾性封止部材を設けることが可能であるが理解されよう。封止部材は、リム上に、例えばカップ形状本体の方を向いている側に、又はカップ形状本体とは反対の側に例えば配置することができる。あるいは又は更に、封止部材を周壁及び/又は底部に設けることができる。
【0087】
実施例では、拘束リング及びリテーナは、第1及び第2の淹出チャンバ部分のほぼ全周に沿って延びる。これにより、2つの淹出チャンバ部分を互いに良好にロックすることができる。しかし、拘束リング及びリテーナが、周囲に沿った1つ以上の別々の位置、例えば2つ、3つ、4つ、6つ又は8つの位置に、拘束手段及び保持手段を含むことも可能であることが理解されよう。
【0088】
第1のカプセルを使用して飲料を淹出することができるが、第2のカプセルを使用しては飲料を淹出することができないように構成されている第1の装置を提供することも可能であることが理解されよう。そのような第1の装置は、図面及び第1のカプセル及び任意選択で第2のカプセルに関連して記載された装置を有するシステムに含むことができる。
【0089】
第2のカプセルを使用して飲料を淹出することができるが、第1のカプセルを使用しては飲料を淹出することができないように構成されている第2の装置を提供することも可能であることが理解されよう。そのような第2の装置は、図面及び第2のカプセル及び任意選択で第1のカプセルに関連して記載された装置を有するシステムに含むことができる。
【0090】
しかしながら、他の修正、変形、及び代替物も可能である。したがって、明細書、図面及び実施例は、限定的な意味ではなく例示的な意味で見なされるべきである。
【0091】
明確にするために、また簡潔な説明のために、特徴は同一又は別々の実施形態の一部として本明細書に記載されているが、本発明の範囲は説明した特徴の全部又は一部の組み合わせを有する実施形態を含み得る。
【0092】
特許請求の範囲において、括弧内に配置された参照記号のいずれも、特許請求の範囲を限定すると解釈されるべきではない。「含む、備える(comprising)」という言葉は、請求項に記載されたもの以外の他の特徴又はステップの存在を排除するものではない。更に、単語「a」及び「an」は、「ただ1つ」に限定されると解釈されるべきではなく、代わりに「少なくとも1つ」を意味するために使用され、複数を除外しない。特定の手段が互いに異なる請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用され得ないことを示すものではない。