(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-18
(54)【発明の名称】パレット棚システムおよび物品をパレット棚システムに保管する方法
(51)【国際特許分類】
B65D 19/10 20060101AFI20230511BHJP
【FI】
B65D19/10
(21)【出願番号】P 2019528749
(86)(22)【出願日】2017-11-27
(86)【国際出願番号】 EP2017080569
(87)【国際公開番号】W WO2018096158
(87)【国際公開日】2018-05-31
【審査請求日】2020-10-05
(32)【優先日】2016-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】519186417
【氏名又は名称】スペースインベーダー・エーピーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】イェスパー・レルン
【審査官】田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/055206(WO,A1)
【文献】特開2002-104413(JP,A)
【文献】特開2007-320572(JP,A)
【文献】仏国特許出願公開第02747997(FR,A1)
【文献】国際公開第2015/180870(WO,A1)
【文献】特開2013-227020(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 19/10
B65D 19/26
B65D 19/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送用の標準パレット(10)に上に支持フレーム(40)の積み重ね(80)を形成する方法であって、前記支持フレーム(40)それぞれはパレット棚システム(4、9)において使用されるためのものであり、
前記パレット棚システムは少なくとも2つの標準パレット(10a、10b)を備え、各々の標準パレット(10a、10b)は、フォークリフトのフォークを受け入れるための少なくとも2つのフォークポケット(11a、11b、15a、15b)と、少なくとも4つの直立支持柱(42a~42d)と、下方パレット(10a)におけるそれぞれのフォークポケット(11a、11b、15a、15b)と合致するそれぞれの突起(212a、212b)を備える2つの下方パレット基礎ユニット(21a、21b)と、少なくとも2つの上方パレット基礎ユニット(41a、41b)と、を備え、各々のパレット基礎ユニット(21、41)は、物品を含む前記標準パレット(10)の重量の少なくとも一部を支持するように適合され、
- 前記下方パレット基礎ユニット(21)は、後部品(211)と、前記後部品(211)の一方側に取り付けられた複数の突起(212a、212b)と、を備え、前記複数の突起(212a、212b)は、前記標準パレット(10a)の積込領域(14)の下側を支持するように前記標準パレット(10a)の各々の側方開口またはフォークポケット(11a、11b、15a、15b)へと嵌まるように、数および大きさにおいて合致されており、かつ、
- 前記上方パレット基礎ユニット(41)は、後部品(411)と、前記後部品(411)の一方側に垂直に取り付けられた複数の突起(412a、412b)と、を備え、前記複数の突起(412a、412b)は、パレット支持面(416)と底面(417)とを形成し、前記標準パレット(10b)の2つの外側パレット脚(12a、12b)を支持するように配置されており、
2つの支持フレーム(40a、40b)が、前記少なくとも4つの直立支持柱(42a~42d)のうちの少なくとも2つを用いてそれぞれの下方パレット基礎ユニット(21a、21b)とそれぞれの上方パレット基礎ユニット(41a、41b)とを結合することと、前記2つの支持フレーム(40a、40b)の前記それぞれの突起(212a、212b)を下方パレット(10a)における合致するそれぞれのフォークポケット(11a、11b、15a、15b)へと挿入し、それによって第1のパレットデッキ(911)を形成することと、続いて、上方パレット(10b)を前記上方パレット基礎ユニット(41a、41b)の上に配置し、そのため前記上方パレット基礎ユニット(41a、41b)が前記上方パレット(10b)の外側パレット脚(12a、12b)を支持し、それによって第2のパレットデッキ(912)を形成することで、少なくとも2つのパレットデッキ(911、912)を備える前記パレット棚システム(4、9)を形成することと、によって、前記支持フレームの対の組み立てを通じて前記パレット基礎ユニット(21a、41a)、(21b、41b)から形成され
、
当該方法は、
- 第1のステップにおいて、第1の支持フレーム(40a)が、下方基礎ユニット(21)の前記突起(212a、212b)を前記標準パレットのそれぞれの縦方向のフォークポケット(11a、11b)へと挿入することで、標準パレット(10)の下で配置され;
- 次の第2のステップにおいて、次の支持フレーム(40b)の支持柱(42)が、前記第1の支持フレーム(40a)の支持柱(42)の近くに、前記支持柱(42)の長さ(h
1
)の相当の部分にわたって位置決めされるか、または、前記第1の支持フレーム(40a)の支持柱(42)に、前記支持柱(42)の長さ(h
1
)の相当の部分にわたって接触するような方法で、前記パレット基礎ユニット(41b)の最も下の底面(417)が、前記第1の支持フレーム(40a)の前記上方パレット基礎ユニット(41a)のパレット支持面(416)の上部に、および、前記標準パレット(10)の上部にある状態で、前記次の支持フレーム(40b)が配置され;
- 第3のステップにおいて、所定の積み重ね高さが得られ、第1の部分的な積み重ね(81a)が確立されるまで、前記第2のステップを繰り返し;
- 第4のステップにおいて、前記第2のステップおよび前記第3のステップが繰り返され、それによって、前記標準パレット(10)における積み重ねが単一の支持フレーム(40c)で途切れさせられるまで、少なくとも1つで好ましくは2つのさらなる部分的な積み重ね(81a、81b、81c)を確立する;
ことを含む、方法。
【請求項2】
それぞれの前記部分的な積み重ね(81a、81b、81c)は、各々のそれぞれの部分的な積み重ねにおいて6つまでの支持フレーム(40)を個別に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パレット棚システム(4、9)は、停止手段(413a~f、414a~f)をさらに備える、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記パレット棚システム(4、9)において、前記支持フレーム(40)は、5つの独立して製造された基礎構造部品から組み立てられる、請求項1から
3のいずれか一項に記載のパレット棚システム(4、9)。
【請求項5】
前記パレット棚システム(4、9)において、前記支持フレーム(40)および/または延長部(90)はアルミニウムから製造される、請求項1から
4のいずれか一項に記載のパレット棚システム(4、9)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の保管のための、特に、例えばユーロパレットといった標準化されたパレットにおける物品の保管のためのパレット棚システムと、物品を保管する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
物流内において、標準化されたパレットの使用は、輸送の間または例えば倉庫における保管の間のいずれにおいても、運送業者が例えばトラックにおける積荷空間を効率的に利用することを可能にし、同時に、パレットにおける物品の梱包は、例えば倉庫とトラックとの間で、容易で効率的な積み込みと積み降ろしとを可能にもする。
【0003】
物品を輸送するためのパレットが広く知られている。パレットは、例えばユーロパレット、ISOパレット、または、様々なオーストラリアもしくは北米のパレット標準といった、いくつかの業界標準に従って利用可能である。これらのパレットは、概して、通常の大きさのフォークリフトが物品を伴うこのようなパレットを一度に1つずつ取り扱うことを可能にする大きさのものである。
図1は、長軸(
図1A)または縦方向に沿って見たとき、短軸(
図1B)または横方向に沿って見たとき、および上方(
図1C)から見たときの、本発明の機能を解説するために本書において使用されている、通常は木材から作られるユーロパレットと呼ばれるEURパレット(10)の例を示している。ユーロパレットは、227.5mmのポケット幅(a)と100mmのポケット高さ(b)とを伴うフォークポケットと呼ばれる2つの縦方向のポケット(11a、11b)を、パレットにおいて短手(l
2)に有する。これらのフォークポケットは、例えばフォークリフトのフォークに、昇降の間にパレットを支持させることができる。ユーロパレットの積込台(14)は、3つの縦方向(l
1)のパレット足(12a、12b、13)によって支持されている。ユーロパレットの積込面の寸法は、幅(1
2)が800mmで長さ(l
1)が1200mmである。通常、3つの縦方向のパレット足は、それぞれ中実の足として構築されず、床と接触するためのそれぞれの荷重担持床板(16a、16b、16c)と、それぞれの床板をパレットの積込面に連結するそれぞれの3つのブロック(17a、17b、17c)とからそれぞれ成る。それによって2つの横方向の開口またはフォークポケット(15a、15b)が得られ、それにより、フォーク昇降機などがパレットの横方向においてもパレットにアクセスしてパレットを昇降させることが可能になる。縦方向のフォークポケット(11a、11b)とは逆に、横方向のフォークポケット(15a、15b)は、床に向けて開放しておらず、前述の床板(16a、16b、16c)によって下方に閉じられている。
【0004】
本発明が、パレットが例えばフォークリフトによって取り扱われ得るこれらのパレット標準のいずれかに適合され得るため、本書は、このようなパレットを「標準パレット」または「少なくとも2つのフォークポケットを備える標準パレット」と称する。これらの用語は、限定されることはないが、ユーロパレットおよびISOパレットを含み、好ましくはユーロパレットを含む。
【0005】
パレット(10)は、
図1に示されているように、主に、輸送のために使用される平坦な構造であり、フォークリフト、パレット昇降機、フロントローダ、パレット積み重ね機、または他の昇降機器によって昇降させられるときに物品を安定して支持する。パレットが積込ユニットの支持構造であり、積込ユニットは物品をそこで効率的に取り扱いおよび保管させることができる。物品または貨物の容器は、しばしばパレット上に置かれ、テープ、ストレッチラップ、またはシュリンクラップで固定され、出荷される。ほとんどのパレットは木材から作られるが、プラスチック、金属、および/またはボール紙から作られたパレットも知られている。今日、主にISOパレット、北米パレット、EURパレット、およびオーストラリア標準パレットといった、数多くの知られているパレット標準がある。
【0006】
パレットの輸送および保管のために積込および保管の能力を向上させるために、パレット棚システムがしばしば使用される。パレット棚システムは、互いの上に置かれたパレットの複数の層が望まれるとき、物品を伴うパレットを保管するのに有用である。例えば米国特許第4,955,490号またはGB2231522Aを見ると、パレットに保管される物品に応じて変化可能な高さに適合され得るパレット棚における物品を伴うパレットの固定した保管を可能にするパレット棚システムが当技術分野で知られている。
【0007】
パレットおよび物品の重量は、当技術分野で知られているようなパレット棚システムが搭載および組立に関して柔軟性および単純性をしばしば欠くことを意味する。これは、例えばパレット輸送として排他的に供しない貨物自動車またはトラックの積荷空間においてといった、一時的なパレット棚システムが望まれる多くの状況において特に問題である。
【0008】
DK178075Blは、特にトラックまたは貨物自動車の積荷空間における使用のために、組立および分解するのが容易である、発明者自身のパレット棚システムと、パレット棚システムの使用での積荷保持体におけるパレットの保管のための方法とを記載している。
【0009】
図2では、DK178075Blによる発明の背景にある考えが示されている。パレット基礎ユニットまたは単に基礎ユニットとここでは称されるパレット棚システムの基礎ユニット(21)の4つのセットが、少なくとも2つの直立柱(22)によって対で組み立てられ、それによって基礎ユニット(21)の各々の対がパレット棚フレーム(20a、20b)を形成し、続いてフレーム(20a、20b)は棚として供する2つのパレット(10)によって安定させられ、それによって2つの棚を伴うパレット棚システム(2)が形成される。使用中、パレット(10)は基礎ユニット(21)に全体的または部分的に圧し掛かる。基礎ユニット(21)は、物品が上に置かれた状態でパレット(10)の重量を担持するように設計される。
【0010】
組立または分解の間にパレットから物品を除去することなくパレット棚システム(2)が組立および分解できることが、DK178075Blによる発明の利点である。これによって、パレット棚を、例えばトラックまたは貨物自動車の積荷空間において、一時的な保管のために容易に組み立てることができ、また同様に、積荷空間が積み降ろしされるときに容易に分解することができる。物品の大きさに応じて、棚同士の間の距離は、直立柱(22)の長さを変えることによって変えることができる。
【0011】
図3は、DK178075Blに記載されているような発明による基礎ユニット(21)をより詳細に示している。基礎ユニット(21)は、上方面(216)において途切れる後部品(211)と、後部品(211)の一方の側に垂直に取り付けられた複数の突起(212)とを備えている。突起(212)は、パレット棚システム(2)が適合されるパレット(10)の各々の側方開口またはフォークポケットへと嵌まるように、数および大きさにおいて合致されている。
図1aおよび
図1bにおいて分かるように、ユーロパレットは、フォークリフトによってアクセスされ得る2つの開口であるフォークポケットを各々の端に有する。通常、フォークリフトは短手(
図1A)から入るが、DK178075Blによる発明は、両方の選択肢に適用可能である。前記パレットおよび前記パレット上の物品によってもたらされる、言及した突起(212)が支持している荷重に応じて、前記突起(212)の構造は変わってもよい。
【0012】
しかしながら、本発明が克服して向上させる特定の設計上の制限を先行技術によるパレット棚システムが有することが見出された。例えば、確立されたときのパレット棚システム(2)は、先行技術に記載されている方法を用いる先行技術によれば、例えば、フォークリフトのフォークが、パレット棚システムの下部で、つまり、重力の方向において下方パレットの下方での昇降によって、パレットの縦方向において係合するフォークリフトで、昇降されるのに特に適している。先行技術によるパレット棚システムの特定の実施形態では、しかしながら、後に記載しているような特定の制限を伴って、先行技術におけるパレット棚システムの構造のおかげで、重力の方向において上方パレットの下で昇降することによってパレット棚システムを昇降させることが可能である。
【0013】
パレット棚システムが、構成するパレット(10a、10b)において縦方向のフォークポケット(11a、11b)と横方向のフォークポケット(15a、15b)との両方を用いて確立され得る一方で、結果としてできたパレット棚システムをその組立の場所から例えばセミトレーラまたはコンテナへとなおもフォークリフトに移動させることができることは、本発明によるパレット棚システム(4、9)の具体的な利点である。
【0014】
WO2015/180870も、DK178075Blの請求項1によるパレット棚システムを開示しているが、DK178075Blの図面で示されたパレット棚システムの実施形態に関して特定の構造上の変更を伴っている。DK178075BlとWO2015/180870との両方によるパレット棚システムは、上方基礎ユニットと下方基礎ユニットとを備えるが、DK178075Blにおけるパレット棚システムの図示した例は、前述したような2つの同一の基礎ユニット(21)を用いて対照的に構築されており、一方、WO2015/180870によるパレット棚システムは、DK178075Blに示した例による下方基礎ユニット(21)のみを備え、上方基礎ユニットに対して特定の点において変更されている。WO2015/180870では、上方基礎ユニットは、前記支持柱(22)の2つの延在部分において上方パレット(10b)の2つの外側パレット脚(12a、12b)を支持するように設計されており、支持柱(22)では、2つの支持面と嵌め合い縁とが、担持体シューが上方パレットと係合する各々の支持柱に形成され、それによって上方パレット(10b)が輸送の間に保持され得るように、2つの支持面に搭載される。横断担持体が、2対の支持柱の間で担持体シューの下に配置され、それによっていくらかの安定性を伴った支持フレーム構造が確立される。
【0015】
しかしながら、これは、担持体シューだけが前記支持面を通じて上方パレット(10b)と接触しており、そのためWO2015/180870による確立したパレット棚システムは、物品の上方パレットと2つの担持体とが、WO2015/180870によるパレット棚システムによって、特には物品を伴う輸送である輸送の間に、互いから独立して移動できることに対して保護されていないという安定性の問題を、WO2015/180870によるパレット棚システムにおいて表している。この問題の一部は、WO2015/180870において探求され、WO2015/180870によるパレット棚システムにおいて適用可能である4つの支持柱と担持体シューとが両方のパレット(10a、10b)とそれらの短手側と長手側との両方において係合するという事実によって改善されている。しかしながら、これは、後でさらに詳述されているように、床空間の観点においてコストが掛かる。
【0016】
WO2015/180870から分かるように、パレット棚システムにおける輸送の間の安定性のこの欠如のため、WO2015/180870では妨害またはサーリング(surring)のいずれかによって作られる、使用されるパレットの縦方向において互いに対してWO2015/180870の2つの支持フレームを安定させることで、WO2015/180870によるパレット棚システムの必要な安定性を達成することは必須である。しかしながら、このような解決策は、迅速な積み込みおよび積み降ろしが望まれる場合に特に不適切であり、また、WO2015/180870によるパレット棚システムを移動させるとき、安定性の欠如は、物品の有り無しに拘わらず、パレット棚システムを移動させることを困難にする。さらに、支持フレームを確立するとき、高さにおいて違いが生じる場合に担持体柱が容易に交換できず、これは、容易に補うように望まれ得るが、WO2015/180870によるパレット棚システムが使用されていないとき、積み重ねるのが難しくなるだけとなり得るという問題がある。
【0017】
WO2015/180870における担持体柱および担持体がパレットのすべての側の周りで係合し、これは、現在のEU標準(最大幅2.55m、欧州連合議会指令96/53/EC)の後の幅目標を伴うトラックにおいて互いと隣り合わせで搭載され得るパレット棚同士の間のクリアランスおよびパレット棚システムの数を小さくさせるという問題がさらにある。
【0018】
ここで、発明者は、例えば貨物自動車またはセミトレーラに積み込みおよび積み降ろしするときといった、先行技術において説明したものなどのパレット棚システム全体が昇降されるとき、下方パレットの下部で昇降することに対して上方パレットの下で昇降することが有利であることを見出し、これが、公知のパレット棚システムが上方パレットの下で昇降することに対して適切でないかまたは制限付きで適切なだけであるため、発明者を本発明へと導いた。代わりに、昇降が下方パレットの下での配置を取ることが公知のシステムにおいて好ましいとされているが、これは、先行技術のパレット棚システムが、物品を備えるパレットとの固定した係合になっているのではなく、基礎ユニットに圧し掛かっているだけであるため、例えばぐらつきからといった不安定性の数多くの問題を呈する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【文献】米国特許第4,955,490号
【文献】GB2231522A
【文献】DK178075Bl
【文献】WO2015/180870
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明によれば、第1の態様および実施形態において、少なくとも2つのパレットデッキ(911、912、913)を有するパレット棚システム(4、9)であって、前記パレット棚システムは少なくとも2つの標準パレット(10a、10b)を備え、各々の標準パレット(10a、10b)は、フォークリフトのフォークを受け入れるための少なくとも2つのフォークポケット(11a、11b、15a、15b)と、少なくとも4つの直立支持柱(42a~42d)と、下方パレット(10a)におけるそれぞれのフォークポケット(11a、11b、15a、15b)と合致するそれぞれの突起(212a、212b)を備える2つの下方パレット基礎ユニット(21a、21b)と、少なくとも2つの上方パレット基礎ユニット(41a、41b)とを備え、各々のパレット基礎ユニット(21、41)は、物品を含む前記標準パレット(10)の重量の少なくとも一部を支持するように適合され、2つの支持フレーム(40a、40b)が、前記少なくとも4つの直立支持柱(42a~42d)のうちの少なくとも2つを用いてそれぞれの下方パレット基礎ユニット(21a、21b)とそれぞれの上方パレット基礎ユニット(41a、41b)とを結合することと、前記2つの支持フレーム(40a、40b)の前記それぞれの突起(212a、212b)を下方パレット(10a)における合致するそれぞれのフォークポケット(11a、11b、15a、15b)へと挿入し、それによって第1のパレットデッキ(911)を形成することと、続いて、上方パレット(10b)を前記上方パレット基礎ユニット(41a、41b)の上に配置し、そのため前記上方パレット基礎ユニット(41a、41b)が前記上方パレット(10b)の外側パレット脚(12a、12b)を支持し、それによって第2のパレットデッキ(912)を形成することで、少なくとも2つのパレットデッキ(911、912)を備える前記パレット棚システム(4、9)を形成することとによって、前記支持フレームの対の組み立てを通じて前記パレット基礎ユニット(21a、41a)、(21b、41b)から形成される、パレット棚システム(4、9)が開示されている。
【0021】
その実施形態では、前記パレット棚システム(4、9)は、少なくとも2つの延長部(90a、90b)と、さらなる標準パレット(10)とをさらに備え、その少なくとも2つの延長部(90a、90b)と前記少なくともさらなる標準パレットとは、さらなるパレットデッキ(913)を形成するように構成される、少なくとも2つのパレットデッキ(911、912、913)を有するパレット棚システム(4、9)である。
【0022】
その実施形態では、延長部(90)は、少なくとも2つの延長部柱(92a、92b)と、上方パレット基礎ユニット(41)とを備える、パレット棚システム(4、9)である。
【0023】
その実施形態では、前記支持フレーム(40)または延長部(90)は、2つの直立支持柱(42a、42b)または2つの延長部柱(92a、92b)を、前記上方パレット基礎ユニット(41)においてそれぞれの連結区域(420a、420b)に直角にそれぞれ連結し、それによってH字形またはU字形の支持フレーム(40)または延長部(90)を形成することで形成される、パレット棚システム(4、9)である。
【0024】
その実施形態では、前記上方パレット基礎ユニット(41)は停止手段(413a~413f、414a~414b)を備える、パレット棚システム(4、9)である。
【0025】
その実施形態では、前記支持フレーム(40)は、5つの独立して製造された基礎構造部品から組み立てられる、パレット棚システム(4、9)である。
【0026】
その実施形態では、前記支持フレーム(40)および/または延長部(90)はアルミニウムから製造される、パレット棚システム(4、9)である。
【0027】
同じく本発明によれば、本明細書で開示されている任意の実施形態によるパレット棚システム(4、9)を少なくとも1つ備える積荷保持体が開示されている。
【0028】
同じく本発明によれば、物品を備える少なくとも2つの標準パレット(10a、10b)を提供するステップと、物品を備える前記少なくとも2つの標準パレット(10a、10b)を用いて、本明細書で開示されている実施形態のうちのいずれかによるパレット棚システム(4、9)を組み立てるステップとを含む、パレット棚システム(4、9)において物品を保管する方法が開示されている。
【0029】
同じく本発明によれば、輸送のために標準パレット(10)において、各々が本明細書で開示されている実施形態のうちのいずれかによるパレット棚システム(4、9)における使用のための支持フレーム(40)の積み重ね(80)を形成する方法であって、第1のステップにおいて、第1の支持フレーム(40a)が、下方基礎ユニット(21)の突起(212a、212b)を前記標準パレットのそれぞれの縦方向のフォークポケット(11a、11b)へと挿入することで、標準パレット(10)の下で配置され、次の第2のステップにおいて、次の支持フレーム(40b)の支持柱(42)が、前記第1の支持フレーム(40a)の支持柱(42)の近くに、前記支持柱(42)の長さ(h1)の相当の部分にわたって位置決めされるか、または、前記第1の支持フレーム(40a)の支持柱(42)に、前記支持柱(42)の長さ(h1)の相当の部分にわたって接触するような方法で、前記パレット基礎ユニット(41b)の最も下の底面(417)が、前記第1の支持フレーム(40a)の上方パレット基礎ユニット(41a)のパレット支持面(416)の上部に、および、前記標準パレット(10)の上部にある状態で、前記次の支持フレーム(40b)が配置され、第3のステップにおいて、所定の積み重ね高さが得られ、第1の部分的な積み重ね(81a)が確立されるまで、前記第2のステップを繰り返し、第4のステップにおいて、前記第2のステップおよび前記第3のステップが繰り返され、それによって、前記標準パレット(10)における積み重ねが単一の支持フレーム(40c)で途切れさせられるまで、少なくとも1つで好ましくは2つのさらなる部分的な積み重ね(81a、81b、81c)を確立することを含む、支持フレーム(40)の積み重ね(80)を形成する方法が開示されている。
【0030】
その実施形態では、それぞれの前記部分的な積み重ね(81a、81b、81c)は、各々のそれぞれの部分的な積み重ねにおいて6つまでの支持フレーム(40)を個別に備える、支持フレーム(40)の積み重ね(80)を形成する方法である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】(A)長軸に沿って見た、(B)短軸に沿って見た、および、(C)上方から見た標準(EUR)パレットの図である。
【
図2】DK178075Blによるパレット棚システムの第1の実施形態を示す図である。
【
図3】パレット棚システムの下方パレット基礎ユニットの詳細図である。
【
図4A】縦方向に配向された本発明によるパレット棚システムを示す図である。
【
図4B】横方向に配向された本発明によるパレット棚システムを示す図である。
【
図5A】部品によって組み立てられた本発明による支持フレームを示す図である。
【
図5B】あらかじめ作られたユニットから組み立てられた本発明による支持フレームを示す図である。
【
図6A】部品によって組み立てられた本発明による上方パレット基礎ユニットを示す図である。
【
図6B】単一の鋳造ユニットとして組み立てられた本発明による上方パレット基礎ユニットを示す図である。
【
図7】物品を伴うパレットの輸送の間、パレット棚システムがストラップまたは縄でどのように固定され得るかを示す図である。
【
図8】本発明による単一のパレットに支持フレームがどのように有利に積み重ねられ得るかを示す図である。
【
図9】本発明によるモジュール式パレット棚システムを示す図である。
【
図10】様々な積荷保持体に本発明のパレット棚システムを積み込む様態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明によるパレット棚システム(4)の原理は
図4Aおよび
図4Bに示されている。先行技術と同様に、本発明のパレット棚システム(4)は少なくとも2つの標準パレット(10a、10b)を備え、各々の標準パレット(10a、10b)は、物品の輸送のためのパレットについて国際的に認識されている業界標準に従って寸法決定される。標準パレットは、反対の端に対で少なくとも2つのフォークポケット(11a、11b)、(15a、15b)を呈しなければいけない。
【0033】
パレット棚システム(4)は、少なくとも4つの直立柱(42a~42d)と、物品を含む標準パレット(10)の重量の少なくとも一部を支持するのに各々が適する2つの下方パレット基礎ユニット(21a、21b)および2つの上方パレット基礎ユニット(41a、41b)とをさらに備え、2つの支持フレーム(40a、40b)が、前記少なくとも4つの直立柱(42a~42d)のうちの少なくとも2つを用いて、下方パレット基礎ユニット(21a、21b)と上方パレット基礎ユニット(41a、41b)とを結合することで前記支持フレームの対における組立によって、前記パレット基礎ユニット(21a、41a、21b、41b)から形成され、次の前記パレット棚システム(4)が少なくとも2つの標準パレット(10a、10b)で安定させられ、前記同じパレット(10a、10b)は棚として機能し、それによって前記パレット棚システム(4)を少なくとも2つの棚またはパレットデッキ(911、912、913)で形成する。
【0034】
しかしながら、先行技術と比較すると、いくつかの構造上の変更および決定が行われており、本発明による支持フレーム(40)の例が示されている
図5Aおよび
図5Bと、上方パレット基礎ユニット(41)の例が示されている
図6Aおよび
図6Bとにおいて、さらに詳述されている。それによって、パレット棚システム(4)の向上した安定性が達成され、パレット棚システム(4)は、物品が積み込まれているときも、上方パレット基礎ユニット(41a、41b)の下で昇降され得る。
【0035】
本発明の後の支持フレーム(40)が、前記少なくとも2つの直立柱(42a、42b)と、前記下方パレット基礎ユニット(21)と、前記上方パレット基礎ユニット(41)とを備え、前記下方パレット基礎ユニット(21)と前記上方パレット基礎ユニット(41)とは、相互に平行に配置され、前記少なくとも2つの直立支持柱(42a、42b)を通じて連結され、同じ直立支持柱も平行に配置される。好ましくは、直立柱は基礎ユニットの角に配置される。例えば、支持柱(42a、42b)が、前述の支持柱同士の間で基礎ユニット(21、41)の角に位置付けられるときといった、例えば重い物品を支持するためといった、構造上の支持のために必要な場合、さらなる直立柱が容易に追加され得る。
【0036】
支持フレーム(40)の高さ(h1)、延いては、直立柱(42a、42b)の高さは、輸送または保管される意図された積荷に応じて自由に変えることができるが、支持フレーム(40)における幅(h2)は、例えばユーロパレットについては800mmといった、関連する標準パレットの幅(l2)を越えるべきではない。これは、本発明によるパレット棚システム(4)を運んで使用するトラックにおいて、積荷床の最適な利用を確保する。直立支持柱(42)は、図面において見られるように、好ましいとされる正方形の輪郭として構築されているが、他の種類の柱が当然ながら使用されてもよい。以下において、正方形で中空の輪郭を使用して、本発明のパレット棚システムに加えられ得るさらなる棚をどのように容易に組み立てるかが記載されている。
【0037】
本明細書で提供されている指示に従って、支持フレーム(40a、40b)は、正しく組み立てられているとき、中央平面の周りで実質的に対称となる。それによって、支持フレーム同士は、突起が反対の支持フレームに向かう状態で配向させることができ、パレット(10a、10b)は正しく位置し、棚として供する。
【0038】
本発明による支持フレーム(40)は下方パレット基礎ユニット(21)を備え、同じ下方パレット基礎ユニット(21)が、後部品(211)と、
図3を参照すると、後部品(211)の一方の側に垂直に取り付けられた複数の突起(212a、212b)とを備える。突起(212a、212b)は、本発明のパレット棚システム(4)が適合されるパレット(10)のフォークポケットの各々の側方開口へと嵌まるように、数および大きさにおいて合致されている。本例では、ユーロパレットが使用される場合、突起の数は2つであり、ユーロパレットの縦方向(11a、11b)または横方向(15a、15b)においてフォークポケット(11a、l1b、15a、15b)の数に対応している。フォークポケットの開口幅(a)および開口高さ(b)(ユーロパレットの縦方向において227.5mmの開口幅(a)および100mmの開口高さ(b))のため、図面に示した突起(212a、212b)の寸法(a
f、b
f)は、突起に圧し掛かるパレットの最大限の支持を確保するために、(それらのそれぞれの標準によって与えられているような)フォークポケットの寸法(a、b)より小さく、好ましくは若干小さい。突起(212a、212b)の長さ(c
f)は、典型的には少なくとも15cm、少なくとも20cm、少なくとも25cm、または少なくとも30cmであり、典型的には50cmまたは40cm未満である。長さ(d
f)は、
図3によれば、最も長い突起(c
f)および後部品(211)の全長を表している。
【0039】
図2および
図3に示した下方パレット基礎ユニット(21)の突起(212a、212b)は、閉構造で、効果的に支持ケースとして構築されて示されているが、これは、下方パレット(10a)と物品の重量とを支持するために要求される荷重を担持する能力を伴う他の突起が想起され得るため、本発明における限定ではない。しかしながら、本発明に関しては、支持ケースは、後で説明するように、閉じられているか、または、好ましくは部分的に開いているかのいずれかである。突起(212a、212b)が支持ケースとして構築されるとき、材料を節約するために、および/または、構造を強化するために、例えば床と接触するキャリングケースの側を部分的に開放し、1つまたは複数のより小さい担持足(213a~213d)で置き換えおよび/または追加させることは、有利である。一実施形態では、例えば大きな貨物重量のため、重量の一部を支持のためのより大きな面へと伝達することが望まれる場合、突起は床側の方へと連結され、したがって閉じた構造を形成する。
【0040】
(例えば
図4および
図5を参照して、)下方基礎ユニット(21)の特に好ましい実施形態では、後部品(211)は、横桁(217)と、少なくとも2つの突起(212a、212b)と、少なくとも1つのスペーサ(218)とを備え、好ましくは少なくとも1つのスペーサ(218)は足(213e)を備え、少なくとも2つの突起(212a、212b)は少なくとも1つのスペーサ(218)によって離間され、少なくとも2つの突起と少なくとも1つのスペーサとは横桁(217)に取り付けられ、好ましくは横桁に永久的に取り付けられ、特に好ましい実施形態では、取付フランジ(219a~219c)を使用して取り付けられる。金属板を使用するとき、これらの実施形態は、突起(212a、212b)、スペーサ(218)、足(213a~213e)、およびフランジ(219a~219c)が、切断および曲げを用いて1つの金属板から作られ、続いて、例えば溶接またはボルト留めによって永久的に取り付けられるといった、簡単な手法で横桁(217)に取り付けられ得る。
【0041】
本発明による支持フレーム(40)は上方パレット基礎ユニット(41)をさらに備え、同じ上方パレット基礎ユニット(41)は、
図6Aおよび
図6Bを参照して、後部品(411)と、後部品(411)の一方の側に永久的に取り付けられた複数の突起(412a、412b)とを備え、それによってパレット支持面(416)と底面(417)とを形成する。
図6Aおよび
図6Bに示した上方パレット基礎ユニット(41)は、ここでは、(
図3に示した下方パレット基礎ユニット(21)と同様に)前記支持柱(42)に取り外し可能に取り付けられ得る独立したユニットとして提示されているが、明らかに、下方パレット基礎ユニット(21)および/または上方パレット基礎ユニット(41)は、例えば溶接またはボルト留めによって、前記支持柱(42)に永久的に取り付けられてもよい。
【0042】
しかしながら、突起がパレット(10a)の積込領域(14)の下側を支持する先行技術で示した基礎ユニットの実施形態による下方パレット基礎ユニット(21)と対照的に、本発明の示した実施形態における上方パレット基礎ユニット(41)の突起(412a、412b)は、パレット(10b)の2つの外側パレット脚(12a、12b)を支持するようにここでは位置決めされる。一実施形態では、中間パレット脚(13)(または、それぞれのパレット標準が3つより多くのパレット脚を要求する場合、複数の中間パレット脚)が、後部品(411)によって提供されるそれを越えるさらなる支持が必要とされる限り、支持されてもよい。好ましい実施形態では、後部品(411)と突起(412a、412b)とは、矩形のフレームを形成するために前部品(415)と組み合わせられる。好ましくは、支柱(418a~418d)は、後部品(411)に連結する突起(412a、412b)と平行にそれら突起(412a、412b)の間に位置付けられ、より好ましくは、存在する場合に支柱は前部品(415)にも連結する。好ましくは、支柱(418a~418d)は、それらの位置が上方パレット(10b)におけるそれぞれのフォークポケットの下方にあるようなそれぞれの突起(412a、412b)からの距離に位置付けられる。それによって、支柱は、上方パレット基礎ユニット(41)においてパレット(10a、10b)および物品を有するパレット棚システム(4)を昇降させる最終的なフォークリフトの上に位置決めされることになり、これは、昇降の間に向上した安定性を提供し、上方パレット(10b)からフォークリフトのフォークへの重量の分配を提供する。
【0043】
上方パレット(10b)のための支持を2つの外側パレット脚(12a、12b)へと移動させることで、パレット棚システム(4)の上方パレット棚(10b)は、使用中に容易に確立させることができる。先行技術において示した実施形態では、フォークリフトのフォークと下方パレット基礎ユニット(21)における突起(212)との間に相反する空間の要件があり得る。パレット脚(12a、12b)の下に突起(412a、412b)を配置することで、この問題は回避され、上方パレット(10b)の積み込みおよび積み降ろしが実質的により容易となる。
【0044】
驚くべきことに、先行技術に対するこの向上は、例えばトラックの積み込みおよび積み降ろしが、
図2に示したような先行技術のパレット棚システム(2)の示した実施形態に関して、ここでは実質的により容易になるという点においてさらなる利点を有することが、さらに分かった。
【0045】
突起をパレット脚(12a、12b)の下に移動させることで、上方パレット基礎ユニット(41)の後部品(411)の下方面(417)は上方パレット(10b)の下方縁より下に配置され、これは、パレット棚システム(4)(物品の有るまたは無い)を、2つの反対の後部品(411)の下方面(417)の下で昇降させることで、フォークリフトなどで昇降させて移動させることができる。これは、フォークリフトのフォークに圧し掛かる上方パレット基礎ユニット(41)に上方パレット(10b)を圧し掛からせる一方で、下方パレット(10a)は、支持フレーム(40a、40b)を介してフォークからぶら下がり、下方パレット基礎ユニット(21a、21b)によって支持される。すべての実施形態において、縦方向で昇降させることが可能であるが、パレット棚システム(4)が
図4Bにおいて開示された実施形態により横方向で確立されている場合、突起(412a、412b)の長さがフォークリフトのフォークの幅と重なるように選択されているとき、縦方向で昇降させることが可能となる。
【0046】
DK1780751B1から知られているようなパレット棚システム(2)の設計では、先行技術のパレット棚システムは、パレットの縦方向において昇降させるとき、下方パレット(10a)の下でフォークリフトによって昇降させられ、それによって、上方パレットの移動は、昇降の間にパレット棚システム(2)の振動および静的な破壊の危険性を伴って、パレット棚システム(2)を通じて伝播することになる。本発明にあるように、昇降の間に上方パレットと下方パレットとの移動を結合解除することで、この問題は完全に排除される。本発明によるパレット棚システム(4)を昇降させるこの構造および方法は、DK1780751B1から知られているパレット棚システムの実施形態、および、同じ実施形態の昇降および輸送のための方法の実質的な向上を構成する。
【0047】
しかしながら、積込面(14)の代わりにパレット脚(12a、12b)を支持することによる課題は、例えば本発明のパレット棚システムを備えるトラックによる急減速など、外部の加速に応答した上方パレット(10b)の上方面(416)における移動に抗して、相互に係止させられることで保護される構造に、上方パレットまたは棚(10b)はここでは同じ方法では組み込めないことである。
【0048】
この課題に対向するために、本発明によるパレット棚システム(4)の輸送または他の移動の間に上方パレット(10b)の移動を防止するために、上方パレット基礎ユニット(41)が停止手段(413a~413f、414a~414b)をさらに備えることは有利である。このような停止手段は数多くの方法で設計でき、そのうち、
図6Aおよび
図6Bに示した手段(413a~413f、414a~414b)は好ましい実施形態である。
【0049】
本発明の好ましい実施形態による停止手段(413a~413f)は、突起(412)の上方パレット支持面(416)に配置され、パレット棚システム(4)が確立されたときに上方パレット(10b)と直接的に接触している突起の表面に対応する少なくとも1つで好ましくはいくつかのスパイクまたは棘(413a~413c、413d~413f)を備える。スパイクまたは棘は、輸送の間にパレットおよび物品と係止する接触で係合できなければならず、したがって、所望の停止効果を達成するためにしっかりと寸法決定されるべきである。スパイクまたは棘(413a~413f)の最適な効果を得るために、これらは、好ましくは突起の縦方向(cf)に対して垂直に、任意の所与の突起において同じ方向でスパイクまたは棘と好ましくは配置されるが、突起の幅方向(af)に対して垂直に配置されてもよい。パレット棚システム(4)が一対の相対して向かい合う支持フレーム(40)を使用するため、本発明の好ましい実施形態における上方パレット(10b)は、2セットの相対して方向付けられたスパイクまたは棘(413a~413c、413d~413f)によって、各々のパレット脚(12a、12b)において常に影響されることになる。さらなる安定性のために、および、さらなる実施形態において、スパイクまたは棘は、上方パレット基礎ユニット(41)の存在する場合に後部品(411)または前部品(415)に配置されてもよい。
【0050】
本明細書に記載されているスパイクまたは棘の使用の利点は、ユーロパレットなどの標準パレットが、柔らかい木材構造を伴う安価な余りの木材から典型的には作られるため、パレットにおける物品の重量をパレットが受けるとき、スパイクまたは棘がパレット木材に容易に突き刺さることである。パレット棚システム(4)の最良の可能な積み込みおよび積み降ろしを確保するために、本発明の好ましい実施形態によるスパイクまたは棘(413a~413f)は、突起(412)の縦方向(cf)に対して垂直な垂直側と、好ましくは30°から60°の間で、より好ましくは45°における、垂直側に対して角度を形成する傾斜側とを伴って、好ましくは三角形に成形される。
【0051】
パレット棚システム(4)が、そうでない場合に床に向けて開放しておらず、前述の床板(16a、16b、16c)によって下方に閉じられる標準パレット(10)の横方向フォークポケット(15a、15b)を使用して確立されてもよいことは、本発明のさらなる便益である。この方法では、支持フレーム(40a、40b)は、それぞれの突起(212a、212b)をそれぞれの相対する横方向のフォークポケット(15a、15b)へと挿入することによって下方パレット(10a)にそれぞれ係合し、それと共に上方パレット(10b)は上方パレット基礎ユニット(41a、41b)へと下げられる。前述の停止手段(413a~413f、414a~414b)が存在する場合、構造は輸送の間に安定してもいる。
図10を参照して後で詳述しているように、それによって例えばセミトレーラにおける床空間の荷造りは、例えば20フィートまたは40フィートのコンテナ、ISOコンテナなど、標準の大きさのコンテナにおいて、最適化され得る。
【0052】
さらに、本発明による支持フレーム(40)または上方パレット基礎ユニット(41)は、積み込みおよび積み降ろしの間に上方パレット(10b)の位置を制御するように供すると共に、同じ上方パレットについての端停止部を作り出すように供する1つまたは複数のパレット案内部(414a、414b)を備え得る(
図6Aおよび
図6B参照)。図示した実施形態では、パレット案内部(414)は、好ましいとされる傾斜案内面を備えるが、他の案内部が当業者には知られており、本発明に従って適用され得る。パレット案内部(414a、414b)が上方パレット基礎ユニット(41)へと組み込まれることは、これがパレット基礎ユニットを標準化するため有利であり、そのため、システムの棚の高さが要求されて変えられる場合、または、
図8を参照して後で記載している方法に従って積み重ねられる場合、支持柱(42)は異なるパレット棚システム(4)の間で容易に交換できる。
【0053】
上方パレット基礎ユニット(41)の実施形態を示す
図6Aおよび
図6Bでは、デバイスの静的な構造は、ここでは限られた範囲までしか記載されていない様々な従来の静的な手段を通じてさらに高められ、このような静的な手段は、概して当業者によく知られている。
【0054】
本発明の好ましい実施形態に関連して強調される静的な手段は、突起(412a、412b)の間に配置され、後部品(411)と平行であり、好ましくは下方の縁が前記下方面(417)と同じ平面にある前述の前部品(415)である。これは、前述の方法により、昇降の間にパレット棚システム(4)を支持し、物品の有るまたは無い上方パレット(10b)の重量が、フォークリフトのフォークなどに良好に伝達される。先に言及したように、2つの前記突起(412a、412b)の間に1つまたは複数の追加の支柱(418a~418d)がさらに配置されてもよい。
【0055】
さらに、好ましいとしてここでは強調されているパレット棚システム(4)の実施形態として、このような静的な手段は斜めの梁(419a~419d)とでき、それによって、上方パレット基礎ユニット(41)への重量をより良い方法で支持柱(42)へと伝達させることができる。
図6Aおよび
図6Bに示した実施形態では、それぞれの斜めの梁(419a~419d)は、重量を上方パレット基礎ユニット(41)から、前記上方パレット基礎ユニット(41)に配置された2つのそれぞれの連結区域(420a、420b)へと伝達し、前記同じ連結区域は、前記支持フレーム(40)が組み立てられるとき、取り外し可能または固定的のいずれかで前記支持柱(42)に連結されるのに適する。連結区域(420a、420b)は表面から下向きに終結されており、好ましくは前記上方パレット基礎ユニット(41)の突起(412a、412b)と同じ幅を有する。さらに、斜めの梁419bおよび419cは、一部の実施形態では、パレット棚システム(4)と係合するフォークリフトのフォークに対する案内部として供する。
【0056】
図6Bに示した実施形態は特に好ましい実施形態を表しており、上方パレット基礎ユニット(41)が、荷重の強度を保持する一方で構造物の重量を最小まで低減するために好ましくはアルミニウムで、単一ユニットとして鋳造されている。追加の支柱(618a~618f)が、
図6Aの実施形態と比較して存在しており、図示されている支柱は、上方パレット基礎ユニット(41)の追加的な構造上の安定性と、より良い鋳造のために溶融金属のための流路を提供することとの両方を提供する。
【0057】
本発明の支持フレーム(40)は、追加的な安定性を得るために、縦梁と横断梁とがさらに設けられてもよい。このような対策は、静的な構造を取り扱う当業者には知られている。一実施形態では、
図5Aに示しているように、本発明は、前記支持柱(42a、42b)と前記下方パレット基礎ユニット(21)との間に配置される好ましくは4つである複数の安定化梁(43a~43d)を備える。先の前記実施形態の好ましい実施形態では、
図5Aを見ると、前記安定化梁(43a~43d)は、梁(43a~43d)の下方縁が前記下方パレット基礎ユニット(21)の下方縁と同一平面にあるように設計される。
【0058】
図5Bに示した実施形態では、支持フレーム(40)は、5つの個別に製造された基礎構造部品から組み立てられており、それらの部品は、支持柱(42)と、好ましくは前述の安定化梁(43a~43d)を備える下方後部品(211)と、上方パレット基礎ユニット(41)と、好ましくは前述のスペーサ(218)によって離間される突起(212a、212b)とである。これらのユニットは、本明細書において詳述されているように、下方後部品(211)および上方パレット基礎ユニット(41)について検討すれば鋳造によって、支持柱(42)について検討すれば押出加工によって、および/または、突起(212)について検討すれば金属板の曲げによって、容易に製造でき、それらは、例えば溶接またはボルト留めによって、容易に組み立てて本発明の支持フレーム(40)を形成できる。それによって、支持フレーム(40)の5つの基礎構造部品に含まれる固有の高い度合いの対称性が最大限用いられ、支持フレーム(40)の製作がより容易でより安価にされる。
【0059】
前記支持柱(42a~42b)の好ましい実施形態では、これらは1つまたは複数の開口(44a~44f)を伴って設計され、本発明の後のパレット棚システム(4)がさらに安定化されること(例えば、
図7B~
図7D参照)、または、輸送の間に結び付けられること(
図7A)を、運搬人または当局が望むかまたは要求する場合、1つまたは複数のストラップまたは縄が取り付けられ得る。
【0060】
本発明の支持フレーム(40)がパレット棚のさらなるデッキを提供するために鉛直方向に容易に延長できることは本発明の利点であり、その場合、第1のパレット棚デッキ(911)が下方パレット(10a)および下方パレット基礎ユニット(21)によって定められ得、第2のパレット棚デッキ(912)が上方パレット(10b)および上方パレット基礎ユニット(41)によって定められ得、より高い数のパレットデッキ(91x)が、第1の2つのデッキから上向き方向において離間するさらなる追加のパレット基礎ユニットによって定められ得る。
【0061】
図9は、少なくとも3つのパレットデッキ(911、912、913)を備える本発明によるパレット棚システム(9)の意図されている実施形態であり、そのパレット棚システムはモジュール式システム(9)である。少なくとも3つのパレットデッキ(911、912、913)を備えるモジュール式パレット棚システム(9)は、本明細書に記載した実施形態によるパレット棚システム(4)を備え、本明細書に記載した実施形態によるパレット棚システム(4)は第1のパレットデッキ(911)と第2のパレットデッキ(912)とを形成し、モジュール式パレット棚システム(9)は、少なくとも2つの延長部(90a、90b)と、少なくともさらなるパレットとを備え、2つの延長部およびパレットはさらなるパレットデッキ(913)を形成する。
【0062】
好ましい実施形態による延長部(90)が、少なくとも2つの延長部柱(92a、92b)と、本発明の実施形態による上方パレット基礎ユニット(41)とを備える。延長部(90)は、少なくとも2つの延長部柱(92a、92b)を、上方パレット基礎ユニット(41)のそれぞれの連結区域(420a、420b)に直角に連結することで形成され、それによってH字形またはU字形の延長部(90)を形成する。U字形の延長部が形成されるとき、さらなるパレットデッキがモジュール式パレット棚システム(9)に加えられ得ることが概して意図されており、H字形の延長部は、保管される最も上のパレットおよび/または物品の望ましくない移動に抗して、追加の支持をモジュール式システムにおける最も上のパレットデッキへと提供する。
【0063】
延長部(90)を本発明のパレット棚システム(4)へと加えるために、各々の延長部柱(92)は連結器(93)が好ましくは嵌められ、連結器(93)は、下に位置するパレットデッキにおける受入要素に連結してしっかりと係合できる。
図5Bでは、受入要素は、支持柱(42)の内側の連結器舌部の形態で連結器(93)を受け入れることができる支持柱(42)の内部(53)によって形成されている。実施形態の連結器(93)が、支持柱(42)における開口(44a~44f)のうちの1つに合致する少なくとも1つの貫通孔を有し、係止ピンなどが、延長部を所定位置でさらに係止し、輸送の間にモジュール式パレット棚システム(9)を固定するために挿入され得る。
【0064】
図9には、支持フレーム(40)および延長部(90)の一部の代表的な長さ(h
1)がある。支持フレーム(40)の高さ(h
1)が80cmから160cmの間であり、特には80cm(
図9における赤色の枠)および120cm(
図9における緑色の枠)であることと、延長部の高さ(h
1)が60cmから80cmの間(
図9における青色の枠)であることとは、概して検討されている。それによって、コンテナおよびセミトレーラの割り当てられた標準的な高さの内側に少なくとも3つのパレットデッキ(911、912、913)を確立することが通常いつも可能になる。
【0065】
図にわたって、
図3、
図5、および
図6を見ると、特定の長さz
1、z
2、z
3、およびz
4が指示されており、それらは、これまで記載および説明されていなかったが、これらの支持フレームが本発明によるパレット棚システム(4)の一部を形成していないとき、輸送のために支持フレーム(40)を積み重ねる方法に関連して以下に記載されている。発明者は、これが本発明のさらなる利点であることと、長さz
1、z
2、z
3、およびz
4が正確に選択される場合、前記上方パレット基礎ユニット(41)の突起(412a、412b)が、安定した積み重なったパレット(10)を支持フレーム(40)で確立するために効率的に使用できるように、本発明による支持フレーム(40)が物品の無い輸送のために効率的に安定して積み重ねることができることとを認識している。
【0066】
図8では、輸送のために標準パレット(10)において本支持フレーム(40)の積み重ね(80)を形成する方法が例示的に示されている。第1のステップでは(
図8A)、本発明によるパレット棚システムを確立しようとするように、下方基礎ユニット(21)の突起(212a、212b)をパレットのそれぞれのフォークポケットへと通常の手法で挿入することで、第1の支持フレーム(40a)が標準パレット(10)の下に配置される。次の第2のステップでは(
図8B)、次の支持フレーム(40b)が、前記支持フレーム(40a)の上方パレット基礎ユニット(41a)のパレット支持面(416)の上に、および、前記標準パレット(10)の上に、前記パレット基礎ユニット(41b)の最も下の底面(417)で、このような方法で配置され、前記次の支持フレーム(40b)の支持柱(42)は、支持柱(42)の長さの相当の部分にわたって、前記第1の支持フレーム(40a)の支持柱(42)の近くに位置決めされる、または、その支持柱(42)に接触する。第3のステップでは(
図8C)、所定の積み重ね高さが得られるまで前記第2のステップが繰り返され、第1の部分的な積み重ね(81a)(示した例では6つの支持フレーム(40)から成る)が確立され、第4のステップでは(
図8D)、前記第2および第3のステップが繰り返され、それによって、前記標準パレット(10)における積み重ねが単一の支持フレーム(40c)で途切れさせられるまで、少なくとも1つのさらなる部分的な積み重ね(81a、81b、81c)を確立する。
【0067】
長さz1、z2、z3、およびz4を適切に選択することで、上記の積み重ね(80)は、後で記載しているように、輸送の間に自己係止して安定する。
【0068】
長さz1は、上方パレット基礎ユニット(41)のそれぞれの連結区域(420a、420b)の幅を表しており、通常は支持柱(42)が設計されるとき、例えば正方形の輪郭で、支持柱(42)と同じ幅で設計される。長さz2は、パレット案内部(414)からそれぞれの上方パレット基礎ユニット(41)の突起(412a、412b)における第1のスパイクまたは棘(413a、413d)までで測定される、前記連結区域(420a、420b)からの距離を表している。
【0069】
長さz3は、前記パレット支持面(416)から、前記連結区域(420)の底の点、線、または面までで測定され、好ましくは、前記上方パレット基礎ユニット(41)の突起(412a、412b)と実質的に同じ幅を有する連結区域(420a、420b)の下方の定める面までで測定される、上方パレット基礎ユニット(41)の前記連結区域(420a、420b)の長さを表している。長さz4は、前記下方パレット基礎ユニット(21)の突起(212)の下方接触面から床またはパレットに向かって前記下方パレット基礎ユニット(21)の後部品(211)または下方後部品(211)までの距離を表しており、前記後部品(211)は前記上方面(216)によって終結される。
【0070】
長さ(z1、z2)と(z3、z4)とは、対で一緒に属し、長さz2とz3との両方が、それらの対の合致するそれぞれの長さz1およびz4より、例えば5mm未満、好ましくは3mm未満で若干大きくなるように、対で調節される。それによって、連結区域(420a、420b)は、パレット案内部(414a、414b)と、それぞれの第1のスパイクまたは棘(413a、413d)との間に嵌まり、積み重ねは、下方基礎ユニット(21)が後の部分的な積み重ねに配置される下方基礎ユニット(21)に係合して保持するのに十分となるように昇降される。
【0071】
先の前記指針に従って長さ(z1、z2)と(z3、z4)とを選択することで、各々の部分的な積み重ね(81a、81b、81c)が係止されてパレット(10)に固定されることが、積み重ね(80)が確立されるときに得られる。第1の確立された部分的な積み重ね(81a)における下方パレット基礎ユニット(21)の突起(212)は、第2の確立された部分的な積み重ね(81b)における下方パレット基礎ユニット(21)の後部品(211)の上方面(216)に到達することになり、それによって各々の後に立つ部分的な積み重ねの重量は、前に立つ部分的な積み重ねによって部分的に支持されることになる。同時に、上方パレット基礎ユニット(41)の前記連結区域(420a、420b)が、それぞれの第1のスパイクまたは棘(413a、413d)と、前記それぞれの上方パレット基礎ユニット(41)の突起(412a、412b)において確立された前記パレット案内部(414a、414b)との間で、下にあるパレット支持面(416)によって支持され、それによって、前記突起(412)の縦方向の前記突起(412)と接触している上方に位置決めされた支持フレーム(40b)の移動が、それぞれの第1のスパイクまたは棘(413a、413d)と前記それぞれの前記パレット案内部(414a、414b)との間の空間z2に制限されるため、各々の部分的な積み重ね(81a、81b、81c)は上において係止されることになる。
【0072】
図8を参照して、本発明の好ましい実施形態では、積み重ね(80)は、長さd
fが40cmである20個の支持フレーム(40)から構築され、これは、縦方向において、ユーロパレットの120cmに安定した積み重ねられた支持フレーム(40)の最大数を許容する。連結式のトラックおよびセミトラックについての欧州連合議会指令96/53/ECによれば、床空間はおおよそ40個のパレットであり、その後、パレット棚システム(4)は、2層のパレットで確立され、セミトレーラの床空間の最大10%が運転者によって占められ、パレット棚システム(4)は、特定のセミトレーラでの所与の貨物輸送と関連で、確立されるように、または、部分的に確立されるように望まれない。
【0073】
前述したように、パレット棚システムが、構成するパレット(10a、10b)において縦方向のフォークポケット(11a、11b)と横方向のフォークポケット(15a、15b)との両方を用いて確立され得る一方で、結果としてできたパレット棚システムをその組立の場所から例えばセミトレーラまたはコンテナへとなおもフォークリフトに移動させることができることは、本発明によるパレット棚システム(4、9)の具体的な利点である。
【0074】
図10は、本発明のパレット棚システムを、床空間の最適な使用のために様々なセミトレーラおよびコンテナの積荷保持体の内側に配置する様態を開示しており、パレット棚システムは、積荷保持体の最も長い軸、または、縦方向と横方向との両方の荷重の組み合わせに関連して、縦方向と横方向との両方に配向できる。
【0075】
これらが個々のパレットの設置面積を若干増加させてしまうことが、この技術のパレット棚システムの大まかな欠点である(これは、少なくとも1つの追加されたパレットによって補償されるのを上回る)。しかしながら、本パレットシステムは、本発明のパレット棚システムの2つの開示された構成のため、積荷保持体の床使用のなおもさらなる最適化を可能にする。
【0076】
したがって、積荷保持体を備えるトラックもしくは貨物自動車、または、積荷保持体をそれぞれ備えるトレーラもしくはコンテナが、本明細書においてさらに記載されており、積荷保持体は、前述の実施形態のいずれかにあるような少なくとも2つのパレット棚またはデッキ(911、912、913)を伴うパレット棚システム(4、9)を備える。同じく本明細書に記載されているのは、前述の実施形態のいずれかにあるような少なくとも2つのパレット棚またはデッキ(911、912、913)を伴うパレット棚システム(4、9)を備える標準の大きさのコンテナである。
【0077】
最終意見
請求項に使用されているような「備える」という用語は、他の要素またはステップを排除しない。請求項に使用されているような「1つ」という用語は、より大きな数を排除しない。請求項で使用される参照の記載は、使用についての制限として理解されることはない。
【0078】
本発明が例示の目的のために詳細に記載されているが、このような詳細はこの目的のためだけであることと、本発明の範囲から逸脱することなく変形が当業者により行われ得ることとは、理解されるべきである。
【符号の説明】
【0079】
4 パレット棚システム
9 モジュール式パレット棚システム
10 標準パレット
10a 標準パレット、下方パレット
10b 標準パレット、上方パレット
11a、11b 縦方向のフォークポケット
12a、12b 外側パレット脚
13 中間パレット脚
14 積込面
15a、15b 横方向のフォークポケット
16a、16b、16c 床板
21、21a、21b 下方パレット基礎ユニット
40、40a、40b、40c 支持フレーム
41、41a、41b 上方パレット基礎ユニット
42、42a、42b、42c、42d 直立柱、支持柱
43a、43b、43c、43d 安定化梁
44a、44b、44c、44d、44e、44f 開口
53 内部
80 積み重ね
81a、81b、81c 部分的な積み重ね
90a、90b 延長部
92a、92b 延長部柱
93 連結器
211 下方後部品
212、212a、212b 突起
213a、213b、213c、213d 担持足
213e 足
216 上方面
217 横桁
218 スペーサ
219a、219b、219c 取付フランジ
411 後部品
412、412a、412b 突起
413a、413b、413c、413d、413e、413f 停止手段、スパイク、棘
414、414a、414b 停止手段、パレット案内部
415 前部品
416 パレット支持面、上方面
417 底面、下方面
418a、418b、418c、418d 支柱
419a、419b、419c、419d 斜めの梁
420、420a、420b 連結区域
618a、618b、618c、618d、618e、618f 支柱
911 第1のパレットデッキ
912 第2のパレットデッキ
913 パレットデッキ
a フォークポケットの開口幅
b フォークポケットの開口高さ
af 突起の幅方向
bf 突起の寸法
cf 突起の長さ、突起の縦方向
df 全長
h1 支持フレームの高さ
h2 支持フレームの幅
z1、z2、z3、z4 長さ