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7277459クレブシエラ ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)に対するワクチン
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-19
(54)【発明の名称】クレブシエラ ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)に対するワクチン
(51)【国際特許分類】
   C07H 15/04 20060101AFI20230511BHJP
   A61K 47/54 20170101ALI20230511BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20230511BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20230511BHJP
   A61P 19/00 20060101ALI20230511BHJP
   A61P 13/02 20060101ALI20230511BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20230511BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20230511BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20230511BHJP
   A61K 31/7016 20060101ALI20230511BHJP
   A61K 31/702 20060101ALI20230511BHJP
   A61K 31/715 20060101ALI20230511BHJP
   C08B 37/00 20060101ALI20230511BHJP
   G01N 33/569 20060101ALI20230511BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
C07H15/04 D
C07H15/04 E
C07H15/04 F
C07H15/04 Z
A61K47/54
A61P31/04
A61P25/00
A61P19/00
A61P13/02 105
A61P11/00
A61P17/02
A61P7/00
A61K31/7016
A61K31/702
A61K31/715
C08B37/00 J
C08B37/00 K
G01N33/569 F
G01N33/53 N
C07H15/04 CSP
【請求項の数】 38
(21)【出願番号】P 2020529711
(86)(22)【出願日】2018-11-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-15
(86)【国際出願番号】 EP2018083246
(87)【国際公開番号】W WO2019106201
(87)【国際公開日】2019-06-06
【審査請求日】2021-08-04
(31)【優先権主張番号】17204817.5
(32)【優先日】2017-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】517248845
【氏名又は名称】イドーシア ファーマシューティカルズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】IDORSIA PHARMACEUTICALS LTD
【住所又は居所原語表記】HEGENHEIMERMATTWEG 91, 4123 ALLSCHWIL, SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】パラメスワラッパ シャラヴァティ グッデハルリ
(72)【発明者】
【氏名】リスボア マリルダ ピー
(72)【発明者】
【氏名】エストライヒ シルビア
(72)【発明者】
【氏名】プルツィゴッダ ジェシカ
(72)【発明者】
【氏名】モンナンダ ボパンナ
(72)【発明者】
【氏名】ヴォン ボーニン アーネ
(72)【発明者】
【氏名】ペレイラ クラニー レベブ
【審査官】早川 裕之
(56)【参考文献】
【文献】Phys. Chem. Chem. Phys.,2011年,13,2196-2205
【文献】Carbohydr. Res.,2000年,329,873-878
【文献】J. Comp. Physiol. B,1989年,159,629-639
【文献】Russ. J. Bioorg. Chem.,2015年,41,147-160
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07H
A61K 47/
A61P
A61K 31/
C08B 37/
G01N 33/
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)の糖、またはその薬学的に許容できる塩であって、-EはNHである場合、Lは-C-でないという条件で、
【化1】
式中、

【化45】
を表し;

【化46】
を表し;

【化47】
を表し;
は共有結合を表し;

【化7】
を表し;
、R’、R、およびR’は、互いに独立して、-HまたはUを表し、ここで、R、およびRは、同時に-Uであることはできず、並びにR’およびR’は、同時に-Uであることはできず、
-L-は、-L -,-L -L -,-L -L -L -,または-L -L -L -を表し;
-L -は、-(CH -,-(CH -CH -O) -C -,または-(CH -CH -O) -CH -を表し;
-L -は、-O-,-NH-CO-NH-,-NH-CO-CH -NH-,-NH-CO-を表し;
-L -は、-(CH -,-(CH(OH)) -,-(CF -,-(CH -CH -O) -C -,または-(CH -CH -O) -CH -を表し;
-L -は、-(CH p1 -,-(CF p1 -,-C -(O-CH -CH p1 -,-CH -(O-CH -CH p1 -,または-(CH p1 -O-(CH p2 -を表し;および
o、q、p1およびp2は、互いに独立して、1、2、3、4、5、および6から選択される整数であり、
Eは、-NH,-N,-CN,-O-NH,-CH=CH,-C≡CH,-Br,-Cl,-I,-COR’,-CO-(3-スルホ-N-ヒドロキシスクシンイミジル),-CO-(ジベンゾシクロオクチン-スルホ-N-ヒドロキシスクシンイミジル),-CONH-NH,-OH,-SH,または-SAcを表し;
R’は、-H,-Me,-Et,
【化8】
を表し;
nは、1~20の整数であり;
mは、0~20の整数であり;
kは、であり;
xおよびyは、互いに独立して、0または1であり;
並びにUおよびUが単糖であり、nが1である場合、同じ時点でm、x、およびyは0ではない、
一般式(I)の糖、またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項2】
下記式(II-4)または(II-8)で表される、請求項1に記載の糖、またはその薬学的に許容できる塩。
【化48】
上記式(II-4)及び(II-8)中、
mは、1~20の整数であり、
nは、1~20の整数である。
【請求項3】
mは、1~10の整数であり、
nは、1~10の整数である、請求項1または2に記載の糖、またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項4】
-L-が、-(CH -を表し;
oが、4、5、および6から選択される整数である、請求項1~3のいずれか1項に記載の糖、またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項5】
下記式(II-4)で表される、請求項2~4のいずれか1項に記載の糖、またはその薬学的に許容できる塩。
【化49】
上記式(II-4)中、
は、水素原子である。
【請求項6】
nが、3~10の整数であり、
mが、1である、請求項5に記載の糖、またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項7】
下記化合物167
【化50】
および下記化合物172
【化51】
からなる群より選択される、請求項1~6のいずれか1項に記載の糖、またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項8】
下記化合物172
【化52】
である、請求項1~7のいずれか1項に記載の糖、またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項9】
下記化合物158
【化53】
である、請求項1~4のいずれか1項に記載の糖、またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項10】
一般式(III)の複合体であって、
【化19】
式中、iは、2~25から選択される整数であり;
-E-は、共有結合,-NH-,-O-NH-,-O-,-S-,-CO-,-CH=CH-,-CONH-,-CO-NHNH-,
【化20】
を表し;
-T-は、
【化21】
を表し;
aは、1~10の整数を表し;
bは、1~4の整数を表し;
CPは、ジフテリアトキソイド、変異ジフテリアトキソイド、修飾ジフテリアトキソイド、変異および修飾ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、修飾破傷風トキソイド、変異破傷風トキソイド、外膜タンパク質(OMP)、ウシ血清アルブミン(BSA)、キーホール リンペット ヘモシアニン(KLH)、シュードモナス エルジノーサ(rEPA)の組み換え非毒性型、またはコレラトキソイド(CT)からなる群から選択される担体タンパク質であり;並びに
、U、U、U、U、L、m、n、k、x、およびyは、請求項1に定義されるのと同じ意味を有する、
複合体。
【請求項11】
下記式(III-4)または(III-8)で表される、請求項10に記載の複合体。
【化54】
上記式(III-4)及び(III-8)中、
nは、1~20の整数であり、
mは、1~20の整数である。
【請求項12】
nが、1~10の整数であり、
mが、1~20の整数である、請求項11に記載の複合体。
【請求項13】
-L-が、-(CH -を表し;
oが、4、5、および6から選択される整数である、請求項10~12のいずれか1項に記載の複合体。
【請求項14】
下記式(III-4)で表される、請求項11~13のいずれか1項に記載の複合体。
【化55】
上記式(II-4)中、
は、水素原子である。
【請求項15】
nが、3~10の整数であり、
mが、1である、請求項14に記載の複合体。
【請求項16】
請求項10に記載の複合体であって、前記複合体は、式(IV)
【化22】
を有し、
式中、
iは、2~25、好ましくは、2~18から選択される整数であり;
-E-は、共有結合,-NH-,-O-NH-,-O-,-S-,-CO-,-CH=CH-,-CONH-,-CO-NHNH-,
【化23】
を表し;
-T-は、
【化24】
を表し;
aは、1~10の整数を表し;
bは、1~4の整数を表し;並びに
、U、U、U、U、L、m、n、k、x、およびyは、請求項1に定義されるのと同じ意味を有する、複合体。
【請求項17】
請求項16に記載の複合体であって、ここで、前記複合体は、式(V-1)または(V-4)
【化56】
を有し、
式中、
、独立して、-H、または
【化26】
を表す、複合体。
【請求項18】
-T-は、
【化57】
を表し;
aは、2、3、4、5および6から選択される整数である、請求項10~18のいずれか1項に記載の複合体。
【請求項19】
-E -は、共有結合,-NH-,-CH=CH-,-CONH-,
【化58】
を表す、請求項10~18のいずれか1項に記載の複合体。
【請求項20】
nが、1~10の整数であり、
mが、1~10の整数である、請求項16~19のいずれか1項に記載の複合体。
【請求項21】
-L-が、-(CH -を表し;
oが、4、5、および6から選択される整数である、請求項16~20のいずれか1項に記載の複合体。
【請求項22】
請求項17~21のいずれか1項に記載の複合体であって、ここで、前記複合体は、式(V-4):
【化59】
を有し、
式中、
は、-Hを表す、複合体。
【請求項23】
nが、3~10の整数であり、
mが、1である、請求項22に記載の複合体。
【請求項24】
請求項17~21のいずれか1項に記載の複合体であって、ここで、前記複合体は、式(V-1):
【化60】
を有し、
式中、
は、
【化61】
を表す、複合体。
【請求項25】
iが、2~18から選ばれる整数である、請求項10~24のいずれか1項に記載の複合体。
【請求項26】
iが、4~10から選ばれる整数である、請求項10~24のいずれか1項に記載の複合体。
【請求項27】
下記式の複合体。
【化62】
上記式中、iは、2~25から選ばれる整数である。
【請求項28】
下記式の請求項27に記載の複合体。
【化63】
上記式中、iは、2~18から選ばれる整数である。
【請求項29】
下記式の請求項27に記載の複合体。
【化64】
上記式中、iは、4~10から選ばれる整数である。
【請求項30】
下記式を有する複合体。
【化65】
【請求項31】
下記式を有する複合体。
【化66】
上記式中、iは、2~25から選ばれる整数である。
【請求項32】
下記式の請求項31に記載の複合体。
【化67】
上記式中、iは、2~18から選ばれる整数である。
【請求項33】
下記式の請求項31に記載の複合体。
【化68】
上記式中、iは、4~10から選ばれる整数である。
【請求項34】
下記式を有する複合体。
【化69】
【請求項35】
活性成分として、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の少なくとも一つの糖および/または請求項10~請求項34のいずれか1項に記載の少なくとも一つの複合体を、少なくとも一つの薬学的に許容できるアジュバントおよび/または賦形剤と共に含む、医薬組成物。
【請求項36】
クレブシエラ ニューモニエと関連する疾患の予防、および/または治療において使用のための、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の糖、請求項10~請求項34のいずれか1項に記載の複合体、または請求項35に記載の医薬組成物であって、ここで、前記疾患は、髄膜炎、尿路感染症、院内肺炎、腹腔内感染症、傷口感染、血液の感染症、骨髄炎、菌血症、敗血症、または強直性脊椎炎である、糖、複合体、または医薬組成物。
【請求項37】
請求項36に記載の使用のための糖、複合体、または医薬組成物であって、前記クレブシエラ ニューモニエは、O1、O2a、O2ac、O2aeh、O2afg、O8、およびカルバペネム耐性クレブシエラ ニューモニエ株ST258を含む、または、からなるO血清型から選択される、糖、複合体、または医薬組成物。
【請求項38】
クレブシエラ ニューモニエに対する抗体の検出のための免疫学的分析において、マーカーとして使用するための、請求項1~請求項のいずれか一項に記載の糖。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、クレブシエラ ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)血清型O1、O2、O2acおよびO8 O-多糖、並びにカルバペネム抵抗性クレブシエラ ニューモニエST258 O-多糖、並びにそれらの複合体に関連する一般式(I)の合成糖に関する。前記合成糖、前記複合体、並びに前記合成糖を含む医薬組成物および前記複合体を含む医薬組成物は、クレブシエラ ニューモニエと関連する疾患の予防および/または治療に有用である。さらに、一般式(I)の合成糖は、クレブシエラ ニューモニエ細菌に対する抗体の検出のための免疫学的分析のマーカーとして有用である。
[発明の背景]
クレブシエラ ニューモニエは、大抵は気道および尿路にコロニー形成し、K.ニューモニエ感染症(KPIs)を引き起こすグラム陰性の、通性嫌気性桿菌である。KPIは、院内感染の主な原因になり、主に免疫障害を持つ患者に影響を及ぼす。過去10年において、K.ニューモニエによって引き起こされる感染症は、ほとんど全ての利用可能な抗菌剤に耐性のある株の出現、およびそれらの世界規模での普及によって医療の場では重要な課題になっている。クレブシエラ ニューモニエによって引き起こされる感染症は、高い罹患率および高い死亡率の原因となる。したがって、K.ニューモニエによって引き起こされる感染症の予防は、高く望まれており、リスク群の予防接種は、最も費用効率が高く、および最も強力な手段である。
【0002】
大抵の細菌と同様に、K.ニューモニエは、一般的に、細菌表面上に複合体多糖から構成される莢膜を発展させ、そのことは高い免疫原性および毒性となる。タンパク質と比較して、炭水化物は進化的により安定であり、一般的に採用される一連のワクチンにおいて利用されている。担体タンパク質に共有結合されると、オリゴ糖抗原は、長期にわたりT細胞依存的保護を引き起こすことができる。K.ニューモニエは、一般的に、リポ多糖(LPS)および莢膜多糖(CPS、K-抗原)の両方を発現し、K.ニューモニエ種の病原性に貢献する。LPSは、異なる数のオリゴ糖繰り返しユニット(RU)、コアオリゴ糖、および脂質Aを含むO-特異的多糖(O-PS)で構成された主要な表面抗原である。O-PS構造(O-抗原)は、クレブシエラ株のO-血清型を定義する。K.ニューモニエ O-抗原の変動性は、9個の主要なO-血清型:O1、O2、O2ac、O3(O3aおよびO3bを含む)、O4、O5、O7、O8、O12、並びにいくつかのサブタイプ、例えば血清型O2におけるサブタイプO2a、O2ab、O2ae、O2aeh、およびO2afgなどの血清型に現在制限される。クレブシエラ ニューモニエは、多数の莢膜(K)型に血清学的にも分類されている。したがって、異なるK抗原を有する様々なK.ニューモニエ株は、特異的なO-抗原血清型に属する。例えば、O1血清型に属しているクレブシエラ ニューモニエ株の多数のK-血清型が特定されている(Infection and Immunity,1983,p.56-61)。O1血清型に属しているクレブシエラ ニューモニエの最も一般的なK-血清型は、O1:K1、O1:K2、O1:K7、O1:K8、O1:K10、O1:K12、O1:K16、O1:K19、O1:K21、O1:K22、O1:K27、O1:K34、O1:K42、O1:K45、O1:K55、O1:K57、O1:K62、O1:K65、O1:K66、O1:K69、およびO1:K70である。
【0003】
最近、カルバペネム耐性クレブシエラ ニューモニエ(CRKP)が出現しており、世界的に広がっている。カルバペネム耐性K.ニューモニエ(CRKP)は、治療選択が非
常に制限されているために主要な健康問題である。このようなCRKPは、大抵のベータ-ラクタム型抗生物質を切断することができるカルバペネマーゼを一般的に有する。配列型(ST)258と呼ばれる特定の系統は、多数のKPC-生産クレブシエラ感染症の原因となることが知られている。CRKP ST258株は、異なる莢膜多糖(CPS)を有することも知られている。
【0004】
リポ多糖(LPS)および莢膜多糖(CPS)は、クレブシエラ ニューモニエの2つの表面成分であり、抗クレブシエラワクチンの候補物質として主に議論される。CPSは、高い免疫原性であることが証明されている。しかしながら、クレブシエラCPSワクチンにおける深刻な不利な点は、多数のK型(80を超える異なる抗原)である。クレブシエラワクチンにおけるLPS抗原の利用において、LPSの脂質Aによって主に引き起こされる有害な中毒反応は、LPS含有ワクチンを用いた活性免疫付与における重大な欠点を示す。タンパク質と比較して、炭水化物は進化的により安定である。担体タンパク質に共有結合されると、多糖またはオリゴ糖は、長期にわたりT細胞依存的保護を引き起こすことができる(Microbiol Rev 1995,591)。炭水化物ワクチンの最近の動向のレビューのために、Chem.&Biol.2014,21,38-50を参照する。自動炭水化物合成および炭水化物に基づくワクチンの開発における当該合成の適用のレビューのために、Carbohydr.Res.2008,343,1889-1896を参照する。
【0005】
WO2016/156338 A1は、クレブシエラ ニューモニエ細菌によって引き起こされる疾患の治療のための、合成カルバペネム耐性クレブシエラ ニューモニエ糖および合成カルバペネム耐性クレブシエラ ニューモニエ糖の複合体を開示する。後に、同じグループは、調製された六糖類の部分構造が、天然のCR-K.ニューモニエCPSと交差反応するモノクローナル抗体1C8によって認識されないということをグリカンマイクロアレイ研究によって示した(Angew.Chem.Int.Ed.2017,56,13973- 13978)。
【0006】
ワクチン(Vaccine)に関する論文1986,4,15は、K2、K3、K10、K21、K30およびK55血清型に由来する莢膜多糖から構成される6価のクレブシエラワクチンについて報告する。試験されたワクチンは、致命的な実験的クレブシエラK2熱傷創感染に対して高い保護があることが明らかになったため、予防接種後に機能的抗体が引き起こされることを示す。
【0007】
O-抗原は、CPSよりはるかに変化しないので、コアオリゴ糖および脂質Aを有しないクレブシエラ ニューモニエLPS O-抗原は、予防的および治療的な両方の免疫療法にとって潜在的な標的抗原であることができる。
【0008】
O-抗原、すなわち、K.ニューモニエのO-多糖の繰り返しユニットが解明された(Journal of Bacteriology,1996,p.5205-5214;The Journal of Biological Chemistry,2002,277(28),pp.25070-25081)(図1および図2参照)。
【0009】
K.ニューモニエ血清型O1、O2a、O2acのO-多糖(OPS)の共通構造は、二糖繰り返しユニット:
【0010】
【化1】
からなる。
【0011】
K.ニューモニエ血清型O1およびO8のO-多糖(OPS)の共通構造は、二糖繰り返しユニット:
【0012】
【化2】
からなる。
【0013】
K.ニューモニエ血清型O1のO-多糖の繰り返しユニットは:
【0014】
【化3】
からなる。
【0015】
K.ニューモニエ血清型O2aのO-多糖の繰り返しユニットは:
【0016】
【化4】
からなる。
【0017】
K.ニューモニエ血清型O2acのO-多糖の繰り返しユニットは:
【0018】
【化5】
からなる。
【0019】
K.ニューモニエ血清型O2aeおよびO2aehのO-多糖の繰り返しユニットは:
【0020】
【化6】
からなる。
【0021】
K.ニューモニエ血清型O2afgおよびカルバペネム耐性K.ニューモニエ(CRKP)ST258株の繰り返しユニットは:
【0022】
【化7】
からなる。
【0023】
K.ニューモニエ血清型O8のO-多糖の繰り返しユニットは、五糖:
【0024】
【化8】
からなる。
【0025】
クレブシエラ ニューモニエO-多糖に関連し、および保護免疫原性O-抗原エピトープ、すなわち、クレブシエラ ニューモニエによって引き起こされる疾患に対して保護する抗体を引き起こすO-抗原エピトープを含む、一般式(I)のよく定義された合成糖を提供することが、本発明の目的である。前記糖は、クレブシエラ ニューモニエと関連する疾患の予防および/または治療に有用である複合体および複合体の医薬組成物を提供するために、免疫原性担体に結合することができる。さらに、一般式(I)の合成糖は、クレブシエラ ニューモニエ細菌に対する抗体の検出のための免疫学的分析のマーカーとして有用である。
【0026】
本発明の目的は、独立請求項の教示によって解決される。本発明の更に有利な特徴、態様および詳細は、本出願の従属請求項、明細書、図および例から明らかである。
【0027】
[発明の説明]
[定義]
本願に使用される用語「リンカー」は、糖の還元末端単糖を免疫原性担体または固体支持体と、任意に少なくとも一つの内部連結分子に結合することによって、連結することが可能な分子断片を包含する。したがって、リンカー自体の、または内部連結分子と共にリンカーの機能は、還元末端単糖と免疫原性担体と間に、または還元末端単糖と固体支持体との間に特有の距離を設立する、保持する、および/または橋渡しをすることである。糖と免疫原性担体との間に特定の距離を保持することによって、免疫原性担体の構造(例えば、担体タンパク質の二次構造など)による免疫原性糖エピトープの遮蔽を防ぐ。さらに、リンカーは、反応基における立体障害を減少させることによって糖とのより大きい結合効率を提供する(Methods in Molecular Medicine 2003,87,153-174)。より具体的に、リンカーの一端は、還元末端単糖のアノマー中心で環外の酸素に連結され、他の末端は、窒素原子を介して内部連結分子と、または免疫原性担体もしくは固体支持体と直接連結される。
【0028】
当該技術において公知の糖複合体(例えば、糖-担体タンパク質複合体、抗体-薬物複合体など)のための任意のリンカーを、本発明内で使用することができる。使用されるリンカー、すなわち、リンカーの長さおよび結合型は、糖複合体の免疫原性に重大な影響を及ぼさないので(PLoS ONE 2017,12(12):e0189100,J.
Immun.Meth.1996,191,1-10参照)、糖担体タンパク質に関する多くの出版物から、当業者は、本願において開示される糖および複合体のための適切なリンカーを容易に想定することができる(Chem Soc Rev.2018での「抗菌性複合糖質ワクチン(Antimicrobial glycoconjugate vaccines:タンパク質修飾のための古典的および近代的取り組みの概要(an overview of classic and modern approaches
for protein modification)」,進展論文(Advance
Article),DOI:10.1039/C8CS00495A;Acc Chem Res 2017,50,1270-1279参照)。当該適切なリンカーは、無害(すなわち、非-毒性)および非-免疫原性(すなわち、複合体での免疫付与に対して非保護抗体の形成を導かない)であり、市販の二官能性ポリエチレングリコール(Journal of Controlled Release 2013,172,382-389,J.Immun.Meth.1996,191,1-10)、グルタル酸誘導体(J.Org.Chem.2005,70(18),7123-7132)、アジピン酸誘導体、スクアリン酸塩誘導体、アルキン、N-ヒドロキシスクシンイミド、例えば、市販のMFCO-NHS(モノフルオロ置換シクロオクチンN-ヒドロキシスクシンイミドエステル)、(Acc Chem Res 2017,50,1270-1279に開示されるような)マレイミド、または親水性のアルキルホスフィン酸塩および(WO2014080251A1に開示されるような)スルホニルを含むが、制限されない。
【0029】
本願に使用される用語「内部連結分子」は、官能基Xおよび官能基Yを含む二官能性分子に関し、ここで、官能基Xは、リンカーLにおける末端アミノ基と反応することができ、官能基Yは、免疫原性担体に、または固体支持体に存在する官能基と反応することができる。図3は、市販の内部連結分子の例を示すが、本願に示される実施例に対して本発明に従って使用されることができる内部連結分子を制限しない。
【0030】
本願に使用される用語「アジュバント」は、免疫学的アジュバント、すなわちアジュバントに関連する抗原性を有さず、ワクチンに含まれる所与の抗原に対して免疫応答を高めることによって前記ワクチンの効果を修正するまたは増大させるワクチン組成物において使用される材料に関する。当業者にとって、古典的に認識されるアジュバントの例は:
-カルシウム塩およびアルミニウム塩(またはそれらの混合物)を含む、ミネラル含有組成物。カルシウム塩はリン酸カルシウムを含む。アルミニウム塩は、任意の適切な形態(例えば、ゲル、結晶質、非結晶質など)をとる塩と共に、水酸化物、リン酸塩、硫酸塩などを含む。これらの塩への吸着は好ましい。ミネラル含有組成物は、金属塩の粒子として形成されてもよい。水酸化アルミニウムおよびリン酸アルミニウムとして公知のアジュバントも使用されてもよい。本発明は、一般的にアジュバントとして使用される「水酸化物」または「リン酸塩」のいくつかを使用することができる。「水酸化アルミニウム」として公知のアジュバントは、一般的にオキシ水酸化アルミニウム塩であり、オキシ水酸化アルミニウム塩は、通常少なくとも部分的に結晶質である。「リン酸アルミニウム」として公知のアジュバントは、一般的に水酸化リン酸アルミニウムであり、少量の硫酸塩(すなわち、水酸化リン酸硫酸アルミニウム(aluminium hydroxyphosphate sulfate))を含むことも多い。それらは沈殿によって得られてもよく、沈殿中の反応条件および濃度は、塩においてヒドロキシルへのリン酸塩の置換の程度に影響を与える。水酸化アルミニウムとリン酸アルミニウムとの混合物は、本発明に係る製剤化において用いられることができ;
-サポニン、サポニンは、広範囲の植物種における樹皮、葉、幹、根に、および花にさえ発見されるステロール配糖体およびトリテルペノイド配糖体の異種群である。キラヤ サポナリア(Quillaia saponaria)の樹皮、モリナ(Morina)木からのサポニンは、アジュバントとして広く研究されている。サポニンを、スミラックス
オルナタ(Smilax ornate)(サルサパリラ(sarsaprilla)
)、ジプソフィラ パニキュラタ(Gypsophilla paniculata)(ブライド ヴェイル( brides veil))、およびサポナリア オフィシナリス(Saponaria oficianalis)(ソープ ルート(soap root))から商業的に得ることもできる。サポニンアジュバント製剤は、QS21のような精製製剤、およびISCOMsのような脂質製剤を含む。サポニン組成物は、HPLCおよびRP-HPLCを用いて精製されている。これらの技術を用いて特定の精製画分は同定されており、QS7、QS17、QS18、QS21、QH-A、QH-BおよびQH-Cを含む。サポニン製剤は、コレステロールのようなステロールを含んでもよい。サポニンおよびコレステロールの組み合わせは、免疫刺激複合体(ISCOMs)と呼ばれる特有の粒子を形成するために使用することができる。ISCOMsは、例えばホスファチジルエタノールアミンまたはホスファチジルコリンのようなリン脂質を一般的に含む。いくつかの公知のサポニンをISCOMsにおいて使用することができる。好ましくは、ISCOMは一つ以上のQuilA、QHA&QHC:
-生分解性および非毒性である材料から形成される微粒子(すなわち、直径100nm~150pm、より好ましくは、直径200nm~30pm、または直径500nm~10pmの粒子)。このような非毒性および生分解性材料は、ポリ(α-ヒドロキシ酸)、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリカプロラクトンを含むが、これらに制限されない;
-CD1dリガンド、例えば、α-グリコシルセラミド、フィトスフィンゴシン含有α-グリコシルセラミド、OCH、KRN7000[(2S,3S,4R)-1-O-(α-D-ガラクトピラノシル)-2-(N-ヘキサコサノイルアミノ)-1,3,4-オクタデカントリオール]、CRONY-101、3’’-スルホ-ガラクトシル-セラミド;7DW8-5(フナコシ株式会社)など
-免疫刺激性オリゴヌクレオチド、例えば、CpGモチーフ含有オリゴヌクレオチド(リン酸結合によってグアノシン残基に連結される非メチル化シトシン残基を含むジヌクレオチド配列)、またはCpIモチーフ含有オリゴヌクレオチド(イノシンに連結されるシトシンを含有するジヌクレオチド配列)、または二本鎖RNA、または回文配列を含むオリゴヌクレオチド、またはポリ(dG)配列を含むオリゴヌクレオチド、など。免疫刺激性オリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエート修飾のようなヌクレオチド修飾体/類似体を含むことができ、二本鎖または(RNAを除いて)一本鎖であることができる;
-リン酸塩含有非環式骨格に連結される脂質含有化合物、例えば、TLR4アンタゴニストE5564など;
-油乳剤(例えば、フロイント(Freund’s)アジュバントなど);
-隣接した単糖ユニットに正電荷および負電荷の両方を含む、両性イオン多糖(ZPSs);
外膜ベシクル(OMVs)、
を含む。
【0031】
理論的に、免疫学的事象のカスケードにおいて特定の状況を好む、または増幅させることができ、より顕著な免疫学的応答に最終的につながる各分子または物質を、アジュバントとして定義することができる。
【0032】
原理的には、ワクチン製剤においてアジュバントの使用を介して、
-ワクチンに適切な、または所望の免疫応答を指示する、および最適化することができ;-ワクチンの粘膜伝達、すなわち、ワクチンの、例えば頬部、または胃もしくは肺の上皮のような粘膜面、および関連するリンパ組織との接触をもたらす投与を可能にし;
-細胞媒介免疫応答を促進することができ;
-例えば、高純度抗原または組み換え抗原のような、より弱い免疫原の免疫原性を高めることができ;
-保護免疫を提供するために必要とされる抗原量または免疫付与の頻度を減らすことがで
き;および
-例えば、新生児、老人、および免疫障害を持つワクチン受容者などのような減少した、または弱い免疫応答を有する個人におけるワクチンの効果を改善することができる。
【0033】
アジュバントの作用様式については、ほとんど知られていないが、アジュバントは、次の機構:
-抗原の生物学的または免疫学的半減期を増加すること;
-抗原提示細胞(APCs)への抗原伝達を改善すること、並びにAPCsによって、例えば、抗原-アジュバント複合体の摂取後にAPCによって抗原が細胞質へとエンドソーム膜を通過することを可能にすることによって、抗原処理、および抗原提示を改善すること;
-ストレス細胞または損傷細胞からの危険誘導シグナルを模倣すること、そのことは免疫応答を開始するのに役立つ;
-免疫調節サイトカインの産生を誘導すること;
-免疫システムの特定の一部となるように免疫応答にバイアスをかけること;および-抗原チャレンジの急速な分散を遮断すること、
の一つによって免疫応答を増大させることが現在は信じられている。
【0034】
糖は、両性イオンでない場合に、TI-2(T細胞非依存的-2)抗原および低い免疫抗原性として当業者に知られている。したがって、糖に基づくワクチンを生産するために、前糖は、免疫原性担体に結合され複合体を提供し、複合体は、糖と比較して増加した免疫原性を示す。この文脈において、用語「免疫原性担体」は、構造として定義され、免疫原性担体は、糖自体と比較して増加した免疫を示す複合体を形成するために、糖に結合される。したがって、糖の免疫原性担体への、好ましくはタンパク質担体への結合は、前記免疫原性担体に対する免疫応答を誘導することなく、前記糖に対する免疫応答を刺激する効果を有する。
【0035】
したがって、本発明は、一般式(I)の糖、または一般式(I)の糖のアノマー、水和物、もしくは薬学的に許容できる塩に関し、
【0036】
【化9】
【0037】
式中、
【0038】
【化10】
を表し;
【0039】
【0040】
【化11】
を表し;
【0041】
【0042】
【化12】
を表し;
【0043】
【0044】
【化13】
を表し;
【0045】
は共有結合、または
【0046】
【化14】
を表し;
【0047】
【0048】
【化15】
を表し;
【0049】
、R’、R、およびR’は、互いに独立して、-HまたはUを表し、ここで、R、およびRは、同時に-Uであることはできず、並びにR’およびR’は、同時に-Uであることはできず、
Lは、リンカーを表し;
Eは、-NH,-N,-CN,-O-NH,-CH=CH,-C≡CH,-Br,-Cl,-I,-COR’,CO-(3-スルホ-N-ヒドロキシスクシンイミジル),-CO-(ジベンゾシクロオクチン-スルホ-N-ヒドロキシスクシンイミジル),-CONH-NH,-OH,-SH,または-SAcを表し;
R’は、-H,-Me,-Et,
【0050】
【化16】
を表し;
【0051】
nは、1~20の整数であり;
mは、0~20の整数であり;
kは、0~20から選択される整数であり;
xおよびyは、互いに独立して、0または1の整数であり;
および
およびUが単糖であり、nが1である場合、同じ時点でm、x、およびyは0ではない。
【0052】
リンカーLは、好ましくは2~40個の炭素原子(任意の側鎖の炭素原子を含む)、より好ましくは、2~30個、より好ましくは2~20個、より好ましくは、2~14個、より好ましくは、2~12個、および更により好ましくは2~10個の炭素原子を含む。
【0053】
酸素原子(すなわち、-O-L-NHの酸素)とNH基との間の最も短い原子鎖は、好ましくは2~14個の原子、より好ましくは2~12個の原子、より好ましくは2~10個の原子、より好ましくは2~8個の原子から成る。最も短い鎖(最も短い鎖はアノマー中心での酸素とNH基との間の最も短い可能な連結である)が2~6個原子からなる場合、原子は好ましくは炭素原子である。最も短い鎖が4~8個の原子から成る場合、鎖は、O、N、およびSから選択される1個または2個のヘテロ原子を含んでもよい。最も短い鎖が9~14個の原子から成る場合、鎖は、O、N、およびSから選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子を含んでもよい。
【0054】
リンカー-L-または最も短い鎖は、完全に、または部分的にフッ素化されても好ましい。リンカー-L-は、3員環、4員環、5員環もしくは6員環の飽和炭素環、または5員環の部分的に不飽和(および非芳香族)炭素環、または4員環、5員環もしくは6員環の飽和酸素ヘテロ環、または4員環、5員環もしくは6員環の飽和窒素ヘテロ環、または6員環の芳香族炭素環を含んでもよい。
【0055】
リンカー-L-は、アミド(-NH-CO-、-CO-NH-)および/または尿素(-NH-CO-NH-)残基を含んでもよく、好ましくは一つのアミド残基または尿素残基を含んでもよい。リンカーは、置換基を含んでもよく、好ましくは例えば、R10およびR11などのような2つの置換基または例えば、R10、R11、R15、およびR14などのような4つの置換基を含んでもよく、置換基は、本願に定義される通りの意味を有し、好ましくは:-F,-Cl,-CH,-C,-C,-C,-C13,-OCH,-OC,-CHF,-CHF,-CF,-C(O)-NH,-SCH,-SC,-NHC(O)CH,-N(CH,および-N(Cから選択される。
【0056】
リンカーLがフッ素化される場合、2つ以上の置換基-Fが好ましい。
好ましくは、リンカーL-は:-CH-,-(CH-,-(CH-,-(CH-,-(CH-,-(CH-,-(CH-,-(CH-,-(CH-,-(CH10-,-CF-,-(CF-,-(CF-,-(CF-,-(CF-,-(CF-,-(CF-,-(CF-,-(CF-,-(CF10-,-(CH-O-(CH-,-CH-O-(CH-,-(CH-O-CH-,-CH-O-(CH-,-(CH-O-CH-,-(CH-O-(CH-,-(CH-O-(CH-,-(CH-O-CH-,-CH-O-(CH-,-L-,-L-L-,-L-L-L-,-L-L-L-L-L-,-L-L-L-から選択され;
ここで、-L-は、-(CH-,-(CF-,-(CH-CH-O)-C-,-(CH-CH-O)-CH-,-(CR1011-,
【0057】
【化17】
から選択され;
【0058】
-L-および-L-は、互いに独立して:-O-,-NH-C(O)-NH-,-NH-C(S)-NH-,-NH-C(O)-,-C(O)-NH-,-NH-C(O)-O-,-NR-,-NR18-,-SO-,-NH-CO-CH-NH-,
【0059】
【化18】
から選択され;
【0060】
-L-は、-(CH-,-(CF-,-(CR1213-,-(CH-CH-O)-C-,-(CH-CH-O)-CH-,
【0061】
【化19】
を表し;
【0062】
-L-は:-(CHp1-,-(CFp1-,-C-(O-CH-CHp1-,-CH-(O-CH-CHp1-,-(CHp1-O-(CHp2-,-(CR1415p1-,-(CR1415p1-O-(CR2122p2-,
【0063】
【化20】
から選択され;
【0064】
およびR18は、互いに独立して:-CH,-C,-Cおよび-C(O)CHから選択され;
10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R19、R20、R21、およびR22は、互いに独立して:-H,-F,-Cl,-CH,-C,-C,-C,-C13,-OCH,-OC,-CHF,-CHF,-CF,-C(O)-NH,-SCH,-SC,-NHC(O)CH,-N(CHおよび-N(Cから選択され;
o,q,p1およびp2は、互いに独立して1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10から選択される整数である。
【0065】
より好ましくは、-L-は、-L-,-L-L-,-L-L-L-,または-L-L-L-を表し;
-L-は、-(CH-,-(CH-CH-O)-C-,または-(CH-CH-O)-CHを表し;
-L-は、-O-,-NH-CO-NH-,-NH-CO-CH-NH-,-NH-CO-を表し;-L-は、-(CH-,-(CH(OH))-,-(CF-,-(CH-CH-O)-C-,または-(CH-CH-O)-CH-を表し;
-L-は、-(CHp1-,-(CFp1-,-C-(O-CH-CHp1-,-CH-(O-CH-CHp1-,または-(CHp1-O-(CHp2-を表し;および
-Eが-NHである場合、Lが-C-でないという条件で、o、q、p1およびp2は、互いに独立して、1、2、3、4、5、および6から選択される整数である。
【0066】
更により好ましくは、-L-Eは、-L-E,-L-L-E,-L-L-L-E,または-L-L-L-Eを表し;
-L-は、-(CH-,-(CH-CH-O)-C-,または-(CH-CH-O)-CHを表し;
-L-は、-O-,-NH-CO-NH-,-NH-CO-CH-NH-,-NH-CO-を表し;-L-は、-(CH-,-(CH(OH))-,-(CF-,-(CH-CH-O)-C-,または-(CH-CH-O)-CH-を表し;
-L-は、-(CHp1-,-(CFp1-,-C-(O-CH-CHp1-,-CH-(O-CH-CHp1-,または-(CHp1
O-(CHp2-を表し;および
-Eは、-NH,-N,-O-NH,-CH=CH,-C≡CH,-Br,-Cl,-I,-COOH,-COOCH,-COOC,-COR’,-CO-(3-スルホ-N-ヒドロキシスクシンイミジル),-CO-(ジベンゾシクロオクチン-スルホ-N-ヒドロキシスクシンイミジル),-CONH-NH,-OH,または-SHを表し;
R’は、
【0067】
【化21】
を表し;
【0068】
-L-Eが-C-NHでないという条件で、o、q、p1およびp2は、互いに独立して、1、2、3、4、5、および6から選択される整数である。
更に最も好ましくは、一般式(I)の糖は:
【0069】
【化22】
からなる群から選択される残基-O-L-Eを有し、
【0070】
式中、R’は、-H,-Me,-Et,
【0071】
【化23】
を表し;
【0072】
Xは、-Br,-Cl,-I,-COH,または-SAを表す。
より好ましい実施形態において、-O-L-Eは:
【0073】
【化24】
からなる群から選択され、
【0074】
式中、R’は、-H,-Me,-Et,4-ニトロフェニル,ペンタフルオロフェニル,または-N-ヒドロキシスクシンイミジル,-(3-スルホ-N-ヒドロキシスクシンイミジル),または-(ジベンゾシクロオクチン-スルホ-N-ヒドロキシスクシンイミジル)を表し;;
Xは、-Br,-Cl,-I,-COH,または-SAを表す。
【0075】
特に好ましくは、-O-L-Eは:
【0076】
【化25】
からなる群から選択される。
【0077】
本発明における糖のアノマーは、-O-L-E基が結合されるC-1位置でのα/β-アノマーを意味する。グリコシド結合の立体化学は、一般式(I)における糖断片U、およびUのアノマー中心に示される立体化学によって定義されることは、炭水化物化学
の当業者にとって明らかである。
【0078】
本発明の糖は、吸湿性であるので、様々なオリゴ糖の水和物を構築することができる。好ましくは、糖に対する水分子のモル比は、1対20、より好ましくは1対10、最も好ましくは1対5~10の範囲である。
【0079】
本発明における糖は、塩基性および/または酸性置換基を有し、有機酸もしくは有機塩基、または無機酸もしくは無機塩基と共に塩を形成してもよい。
このような酸付加塩形成のための適切な酸の例は、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、サリチル酸、p-アミノサリチル酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、アスコルビン酸、マレイン酸、スルホン酸、ホスホン酸、過塩素酸、硝酸、ギ酸、プロピオン酸、グルコン酸、乳酸、酒石酸、ヒドロキシマレイン酸、ピルビン酸、フェニル酢酸、安息香酸、p-アミノ安息香酸、p-ヒドロキシ安息香酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、亜硝酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、エチレンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ナフチルスルホン酸、スルファニル酸、カンファースルホン酸、キナ酸、マンデル酸、o-メチルマンデル酸、水素-ベンゼンスルホン酸、ピクリン酸、アジピン酸、d-o-トリ酒石酸、タルトロン酸、(o,m,p-)トルエン酸、ナフチルアミンスルホン酸、および当業者によく知られた他の鉱酸、またはカルボン酸である。慣習的な手法で塩を生産するために、塩は、遊離塩基形を、十分な量の所望の酸と結合することによって調製される。
【0080】
適切な無機塩基または有機塩基の例は、例えば、NaOH、KOH、NHOH、水酸化テトラアルキルアンモニウム、リジンまたはアルギ二ンなどである。塩は、当該技術分野においてよく知られた方法を用いて慣習的な方法で、例えば、一般式(I)の化合物の溶液を、上述の基から選択される塩基の溶液と処理することによって、調製されてもよい。
【0081】
驚くべきことに、一般式(I)の糖は、免疫原性保護エピトープを含み、およびヒトおよび/または動物宿主においてK.ニューモニエ細菌または血清型O1、O2、O2ac、O8、およびカルバペネム耐性クレブシエラ ニューモニエST258に対して保護免疫応答を誘導することができることを明らかにした。一般式(I)の糖は、抗体を引き起こし、抗体は、K.ニューモニエ血清型O1、O2、O2ac、O8 O-多糖、およびカルバペネム抵抗性クレブシエラ ニューモニエST258 O-多糖と交差反応し、さらに食細胞によって殺すためにK.ニューモニエ血清型O1、O2、O2ac、O8、およびカルバペネム耐性クレブシエラ ニューモニエST258をオプソニン化する。
【0082】
本発明の糖は、生産の純度および容易さに関して、細菌源から生産される糖および細菌源から生産される糖の複合体と関連する全ての問題を克服する。実証された、および認められた方法はあるが、このアプローチには様々な欠点がある。第一に、天然の炭水化物の生成のために、大容量の対象の病原性種を培養し、続いて、採取し、炭水化物を精製する必要がある。対象の種のバイオセーフティーレベル、および培養の容易さに依存して、このステップは、新規の病原性種への技術の拡張に関して重大な障害を示し得る。さらに、病原性細菌の莢膜多糖からの定義された長さおよび構造の純粋な糖の単離および精製は、面倒であり、時々実現可能でない工程であるということはよく知られている。第一に、莢膜多糖の生産は、生育条件の最適化を必要とする。第二に、構成する単糖の構造的完全性が維持される脱重合条件が明らかにされる必要がある。最後に、定義された長さおよび構造の純粋な糖の単離を可能にする精製条件が決定される必要がある。通常の不純物、例えば細胞多糖、核酸、およびタンパク質などに加えて、脱重合工程によって得られた所望されない糖も、除去されなければならない。したがって、細菌源からの定義された構造および長さの純粋な糖の生産は、面倒で、ほとんど不可能な工程である。
【0083】
好ましくは一般式(I)の合成糖、または一般式(I)の合成糖のアノマー、水和物、もしくは薬学的に許容できる塩であり、
【0084】
【化26】
【0085】
式中、
【0086】
【化27】
を表し;
【0087】
【化28】
を表し;
【0088】
【化29】
を表し;
【0089】
【化30】
を表し;
は共有結合、または
【0090】
【化31】
を表し;
【0091】
【化32】
を表し;
【0092】
、R’、R、およびR’は、互いに独立して、-HまたはUを表し、ここで、R、およびRは、同時に-Uであることはできず、並びにR’およびR’は、同時に-Uであることはできず、
Lは、リンカーを表し;
Eは、-NH,-N,-CN,-O-NH,-CH=CH,-C≡CH,-Br,-Cl,-I,-COR’,-CO-(3-スルホ-N-ヒドロキシスクシンイミジル),-CO-(ジベンゾシクロオクチン-スルホ-N-ヒドロキシスクシンイミジル),-CONH-NH,-OH,-SH,または-SAcを表し;
R’は、-H,-Me,-Et,
【0093】
【化33】
を表し;
【0094】
nは、1~20の整数であり;
mは、0~20の整数であり;
kは、0~20から選択される整数であり;
xおよびyは、互いに独立して、0または1の整数であり;
および
-U
【0095】
【化34】
を表す場合、mは0であることはできず、U-Uは、U-Uであることはできず;
【0096】
およびUは単糖であり、nは1である場合、m、x、およびyは、同じ時点で0ではない。
好ましくは一般式(I)の合成糖であり、
【0097】
【化35】
【0098】
式中、
【0099】
【化36】
を表し;
【0100】
【0101】
【化37】
を表し;
【0102】
【0103】
【化38】
を表し;
【0104】
【0105】
【化39】
を表し;
【0106】
mは1~10から選択される整数を表し;
kは0であり;
nは1~10から選択される整数を表し、および
x、y、LおよびEは、本願に定義される通りの意味を有する。
【0107】
好ましくは一般式(I)の合成糖であり、
【0108】
【化40】
【0109】
式中、
【0110】
【化41】
を表し;
【0111】
【0112】
【化42】
を表し;
【0113】
【0114】
【化43】
を表し;
【0115】
は共有結合を表し;
m、n、k、x、y、LおよびEは本願に定義される通りの意味を有する。
好ましくは一般式(I)の合成糖であり、式中、
【0116】
【化44】
を表し;
【0117】
【0118】
【化45】
を表し;
【0119】
【0120】
【化46】
を表し;
【0121】
は共有結合、または
【0122】
【化47】
を表し;
【0123】
mは0および1から選択される整数であり;
kは0であり;
n、U、x、y、LおよびEは本願に定義される通りの意味を有する。
【0124】
好ましくは一般式(I)の合成糖であり、式中、
【0125】
【化48】
を表し;
【0126】
【0127】
【化49】
を表し;
【0128】
【0129】
【化50】
を表し;
【0130】
は共有結合,
【0131】
【化51】
を表し;
【0132】
mは0および1から選択される整数であり;
kは0であり;
n、U、x、y、LおよびEは本願に定義される通りの意味を有する。
【0133】
好ましくは一般式(I)の合成糖であり、式中、
【0134】
【化52】
を表し;
【0135】
【0136】
【化53】
を表し;
【0137】
【0138】
【化54】
を表し;
【0139】
は共有結合,または
【0140】
【化55】
を表し;
【0141】
mは0および1から選択される整数であり;
kは0であり;
n、U、x、y、LおよびEは請求項1に定義される通りの意味を有する。
【0142】
好ましくは一般式(I-A)の合成糖、または一般式(I-A)の糖のアノマー、水和物、もしくは薬学的に許容できる塩であり
【0143】
【化56】
【0144】
式中、
【0145】
【化57】
を表し;
【0146】
【0147】
【化58】
を表し;
【0148】
【0149】
【化59】
を表し;
【0150】
は共有結合,または
【0151】
【化60】
を表し;
【0152】
L、E、m、n、x、およびyは、本願に定義される通りの意味を有する。
上記に定義されたように、UおよびUは単糖であるので、nは1である場合、m、x、およびyは、同じ時点で0ではない。
【0153】
好ましくは、一般式(I-A)の合成糖であり、
式中、
【0154】
【化61】
を表し;
【0155】
【0156】
【化62】
を表し;
【0157】
mは0であり;
L、E、n、x、およびyは、本願に定義される通りの意味を有する。
好ましくは、一般式(I-A)の合成糖であり、
式中、
【0158】
【化63】
を表し;
【0159】
【0160】
【化64】
を表し;
【0161】
mは0であり;
L、E、n、x、およびyは、本願に定義される通りの意味を有する。
好ましくは、一般式(I-A)の合成糖であり、
式中、
【0162】
【化65】
を表し;
【0163】
【0164】
【化66】
を表し;
【0165】
【0166】
【化67】
を表し;
【0167】
は共有結合,
【0168】
【化68】
を表し;
【0169】
mは0および1から選択される整数であり;
L、E、n、x、およびyは、本願に定義される通りの意味を有する。
好ましくは、一般式(I-A)の合成糖であり、式中、
【0170】
【化69】
を表し;
【0171】
【0172】
【化70】
を表し;
【0173】
【0174】
【化71】
を表し;
【0175】
は共有結合,または
【0176】
【化72】
を表し;
【0177】
mは0および1から選択される整数であり;
L、E、n、x、およびyは、本願に定義される通りの意味を有する。
好ましくは、一般式(I-A)の合成糖であり、式中、
【0178】
【化73】
を表し;
【0179】
【0180】
【化74】
を表し;
【0181】
【0182】
【化75】
を表し;
【0183】
は共有結合,または
【0184】
【化76】
を表し;
【0185】
mは1~10から選択される整数であり;
L、E、n、x、およびyは、本願に定義される通りの意味を有する。
好ましくは、一般式(I-A)の合成糖であり、式中、
【0186】
【化77】
を表し;
【0187】
【0188】
【化78】
を表し;
【0189】
m、x、およびyは0であり;
L、E、およびnは、本願に定義される通りの意味を有する。
好ましくは、一般式(I-A)の合成糖であり、式中、
【0190】
【化79】
を表し;
【0191】
【0192】
【化80】
を表し;
【0193】
m、x、およびyは0であり;
L、E、およびnは、本願に定義される通りの意味を有する。
好ましくは、一般式(I-A)の合成糖であり、式中、
およびU
【0194】
【化81】
を表し;
【0195】
およびU
【0196】
【化82】
を表し;
【0197】
mは、1~10の整数である。
L、E、n、x、およびyは、本願に定義されるのと同じ意味を有する。
上記に定義されるように、UおよびUは単糖であるので、nが1である場合、m、x、およびyは、同じ時点で0ではない。
【0198】
より好ましくは、一般式(I-A)の糖であり、式中、nは1~10の整数である。
好ましくは、一般式(I-B)の合成糖でもあり、
【0199】
【化83】
式中、
【0200】
【0201】
【化84】
を表し;
【0202】
【0203】
【化85】
を表し;
【0204】
nは、1、2、3、4、5、6、7、8、および9から選択される整数であり、
xおよびyは、1であり、並びに
LおよびEは、本願に定義される通りの意味を有する。
【0205】
したがって、一般式(II-1)~(II-17)のいずれか一つの合成糖も本発明の範囲内に入る:
【0206】
【化86】
【0207】
式中、Rが-H、nが2~10の整数、好ましくは、nが2~12の整数である場合、n、R、m、LおよびEは、上記に定義されるのと同じ意味を有し;
【0208】
【化87-1】
【0209】
【化87-2】
【0210】
【化87-3】
【0211】
【化87-4】
【0212】
【化87-5】
【0213】
式中、R、m、n、k、LおよびEは、上記に定義されるのと同じ意味を有し、nおよびmは、独立して、1~20、好ましくは、1~10から選択される整数であり、およびkは、0~20、好ましくは、0~10から選択される整数である。
【0214】
好ましくは、リンカー-L-は、一般式(I)、(I-A)、(I-B)および(II-1)~(II-17)において、
-L-,-L-L-,-L-L-L-,または-L-L-L-を表し;式中
-L-は、-(CH-,-(CH-CH-O)-C-,または-(CH-CH-O)-CHを表し;
-L-は、-O-,-NH-CO-NH-,-NH-CO-CH-NH-,-NH-CO-を表し;-L-は、-(CH-,-(CH(OH))-,-(CF-,-(CH-CH-O)-C-,または-(CH-CH-O)-CH-を表し;
-L-は、-(CHp1-,-(CFp1-,-C-(O-CH-CHp1-,-CH-(O-CH-CHp1-または-(CHp1-O-(CHp2-を表し;および
o、q、p1およびp2は、Eが-NHである場合、Lは-C-でないという条件で、互いに独立して、1、2、3、4、5、および6から選択される整数である。
【0215】
更により好ましくは、-L-E-は、一般式(I)、(I-A)、(I-B)および(II-1)~(II-17)において、
-L-E,-L-L-E,-L-L-L-E,Eまたは-L-L-L
-Eを表し;式中
-L-は、-(CH-,-(CH-CH-O)-C-,または-(CH-CH-O)-CHを表し;
-L-は、-O-,-NH-CO-NH-,-NH-CO-CH-NH-,-NH-CO-を表し;-L-は、-(CH-,-(CH(OH))-,-(CF-,-(CH-CH-O)-C-,または-(CH-CH-O)-CH-を表し;
-L-は、-(CHp1-,-(CFp1-,-C-(O-CH-CHp1-,-CH-(O-CH-CHp1-または-(CHp1-O-(CHp2-を表し;および
-Eは、-NH,-N,-O-NH,-CH=CH,-C≡CH,-Br,-Cl,-I,-COOH,-COOCH,-COOC,-COR’,-CO-(3-スルホ-N-ヒドロキシスクシンイミジル),-CO-(ジベンゾシクロオクチン-スルホ-N-ヒドロキシスクシンイミジル),-CONH-NH,-OH,または-SHを表し;
R’は、
【0216】
【化88】
を表し;
【0217】
o、q、p1およびp2は、-L-Eが-C-NHでないという条件で、互いに独立して、1、2、3、4、5、および6から選択される整数である。
さらに最も好ましくは、一般式(I)、(I-A)、(I-B)および(II-1)~(II-17)の糖は:
【0218】
【化89】
からなる群から選択される残基-O-L-Eを有する。
【0219】
式中、R’は、-H,-Me,-Et,
【0220】
【化90】
を表し;
【0221】
Xは、-Br,-Cl,-I,-COH,または-SAcを表す;
最も好ましくは、一般式(I)、(I-A)、(I-B)および(II-1)~(II-17)の糖は:
【0222】
【化91】
からなる群から選択される残基-O-L-Eを有し、
【0223】
式中、R’は、-H,-Me,-Et,
【0224】
【化92】
を表し;
【0225】
Xは、-Br,-Cl,-I,-COH,または-SAcを表す。
最も好ましい実施形態において、-L-は、-(CH-を表し、oは、4、5、および6から選択される整数である。したがって、特に好ましい合成糖は、一般式(I)、(I-A)、(I-B)および(II-1)~(II-17)のいずれか一つの糖であり、式中、-L-は、-(CH-を表し、およびoは、4、5、および6から選択される整数である。
【0226】
更により好ましい実施形態において、本発明に係る糖は:化合物A-01~A-140、B-01~B-140、C-01~C-70、D-01~D-70、E-01~E-70、F-01~F-530、G-01~G-350、H-01~H-350、J-01~J-350、K-01~K-350、M-01~M70、N-01~N-70、O-01
~O-70、P-01~P-70、およびQ-1~Q-700からなる群から選択される。
【0227】
より好ましくは、本発明に係る糖は:化合物A-01~A-07、A-11~A17、A-21~A-27, A-31~A-37、A-41~A-47、A-51~A-57、A-61~A-67、A-71~A-77、A-81~A-87、A-91~A-97、A-101~A-107、A-111~A-117、A-121~A-127、A-131~A-137、F-01、F-19、F-27、F-31、F-36、F-54、F-62、F-66、F-71、F-89、F-97、F-101、F-106、F-124、F-132、F-136、F-141、F-159、F-167、F-171、F-176、F-194、F-202、F-206、F-211、F-229、F-237、F-241、F-246、F-264、F-299、F-281、F-272、F-276、F-307、F-311、F-316、F-334、F-342、F-346、F-351、F-414、F-417、F-421、F-426、F-444、F-452、F-456、F-461、F-479、F-487、F-491、F-496、F-514、F-522、F-526、K-01、K-06、K-11、K-26、K-31、K-36、K-51、K-56、K-61、K-76、K-81、K-86、K-101、K-106、K-111、K-126、K-131、K-136、K-151、K-156、K-161、K-176、K-181、K-186、K-201、K-206、K-211、K-226、K-231、K-236、K-251、K-256、K-261、K-276、K-281、K-286、K-301、K-306、K-311、K-326、K-331、K-336、O-01、O-02、O-03、O-06、O-07、O-08、O-11、O-12、O-13、O-16、O-17、O-18、O-21、O-22、O-23、O-26、O-27、O-28、O-31、O-32、O-33、O-36、O-37、O-38、O-41、O-42、O-43、O-46、O-47、O-48、O-51、O-52、O-53、O-56、O-57、O-58、O-61、O-62、O-63、O-66、O-67、O-88、P-01~P-03、P-06~P-08、P-11~P-13、P-16~P-18、P-21~P-23、P-26~P-28、P-31~P-33、P-36~P-38、P-41~P-43、P-46~P-48、P-51~P-53、P-56~P-58、P-61~P-63、P-66~P-68、Q-1、Q-26、Q-101、Q-151、Q-251、Q-301、Q-351、Q-376、Q-451、Q-501、Q-551、Q-601およびQ-651からなる群から選択される。
表1
【0228】
【表1-1】
【0229】
【表1-2】
【0230】
【表1-3】
表2
【0231】
【表2-1】
【0232】
【表2-2】
【0233】
【表2-3】
表3
【0234】
【表3-1】
【0235】
【表3-2】
表4
【0236】
【表4-1】
【0237】
【表4-2】
表5
【0238】
【表5-1】
【0239】
【表5-2】
表6
【0240】
【表6-1】
【0241】
【表6-2】
【0242】
【表6-3】
【0243】
【表6-4】
【0244】
【表6-5】
【0245】
【表6-6】
【0246】
【表6-7】
【0247】
【表6-8】
表7
【0248】
【表7-1】
【0249】
【表7-2】
【0250】
【表7-3】
【0251】
【表7-4】
【0252】
【表7-5】
【0253】
【表7-6】
表8
【0254】
【表8-1】
【0255】
【表8-2】
【0256】
【表8-3】
【0257】
【表8-4】
【0258】
【表8-5】
【0259】
【表8-6】
表9
【0260】
【表9-1】
【0261】
【表9-2】
【0262】
【表9-3】
【0263】
【表9-4】
【0264】
【表9-5】
【0265】
【表9-6】
表10
【0266】
【表10-1】
【0267】
【表10-2】
【0268】
【表10-3】
【0269】
【表10-4】
【0270】
【表10-5】
【0271】
【表10-6】
表11
【0272】
【表11-1】
【0273】
【表11-2】
表12
【0274】
【表12-1】
【0275】
【表12-2】
表13
【0276】
【表13-1】
【0277】
【表13-2】
表14
【0278】
【表14-1】
【0279】
【表14-2】
表15
【0280】
【表15-1】
【0281】
【表15-2】
【0282】
【表15-3】
【0283】
【表15-4】
【0284】
【表15-5】
【0285】
【表15-6】
【0286】
【表15-7】
【0287】
【表15-8】
【0288】
【表15-9】
【0289】
【表15-10】
【0290】
【表15-11】
【0291】
[化学合成]
本発明の他の態様は、一般式(I)の合成方法に関し:
A1)二糖類D1を提供すること
【0292】
【化93】
【0293】
式中、LGは、脱離基であり、R1Pは、PまたはU5pであり;
5pは、
【0294】
【化94】
である;
B1)D1を二糖類D2
【0295】
【化95】
と反応させ、糖O1a
【0296】
【化96】
【0297】
式中、nは1である、
を得ること
nが2~20の整数である場合、
その後、次のステップB2)およびB3)をn-1回繰り返すこと
B2)糖D1と反応することによって得られた糖の保護基P3を除去すること;
B3)糖D1をステップB2)後に得られた糖と反応させ、糖O1aを得ること
【0298】
【化97】
【0299】
式中、nは2~10の整数である;
C)糖O1aの保護基Pを除去し、脱離基LGを導入し、糖O1bを得ること
【0300】
【化98】
D1)糖O1bを反応物質HO-L-Epと結合し糖O1cを得ること;
【0301】
【化99】
または
D2)糖O1bを糖M1
【0302】
【化100】
と反応させ
糖O2aを得ること;
【0303】
【化101】
任意に、
E1)糖(O1c)の保護基Pを除去し、糖O1dを得ること、
【0304】
【化102】
【0305】
糖O1dを糖M2
【0306】
【化103】
と反応させ、糖O3a
【0307】
【化104】
を得ること;
または
E2)糖(O2a)の保護基Pを除去し、糖O2bを得ること、
【0308】
【化105】
【0309】
糖O2bを糖M2
【0310】
【化106】
を反応させ、糖O4a
【0311】
【化107】
を得ること;
および
F1)糖O1c、O2a、O3a、またはO4bの全ての保護基を除去し、式(I-1)、(I-2)、(I-3)、または(I-4)の対応する糖を得ること、
【0312】
【化108】
【0313】
式中、Eは、保護末端基であり、LG~LGは、脱離基であり、
、P、P、P、P、P、P、P、P10、P11、P12、P13、およびP14は、保護基を表し、L、E、R、R1pは、本願に定義されるのと同じ意味を有する、
を含む。
【0314】
好ましくは、R1pはPである。
したがって、上述の合成方法にしたがって、ステップの次の組み合わせを本発明の合成糖を得るために行ってもよい:
ステップ:A1)→B1)→C)→D1)→F1)、A1)→B1)→C)→D2)→F1)、A1)→B1)→C)→D1)→E1)→F1)、またはA1)→B1)→C)→
D2)→E2)→F1)。
【0315】
代替的に、一般式(I)の糖の合成方法は:
A2)二糖類D6を提供すること
【0316】
【化109】
【0317】
式中、R1Pは、PまたはU5pであり;
5pは、
【0318】
【化110】
である;
B1’)糖D6を糖D8
【0319】
【化111】
と反応させ、糖O2bを得ること
【0320】
【化112】
【0321】
式中、nは1である;
nが2~20の整数である場合、
その後、次のステップB2’)およびB3’)をn-1回繰り返すこと
B2’)糖D6と反応することによって得られた糖の保護基Pを除去すること;
B3’)糖D6をステップB2’)後に得られた糖と反応させ、糖O3bを得ること、
【0322】
【化113】
【0323】
式中、nは2~10の整数である;
任意に、
E3)糖(O3b)の保護基Pを除去し、糖O3cを得ること、
【0324】
【化114】
および
E4)糖O3cを糖M3
【0325】
【化115】
と反応させ、糖O4bを得ること;
【0326】
【化116】
または
E5)糖O3cを二糖類D4
【0327】
【化117】
と反応させ、糖O5aを得ること、
【0328】
【化118】
【0329】
式中、mは1であり、
mが2~20の整数である場合、
その後、次のステップe5)およびe6)をm-1回繰り返すこと
e5)単糖D4と反応することによって得られた糖の保護基P’を除去すること;
e6)糖D4をステップe5)後に得られた糖と反応させ、糖O5aを得ること;
【0330】
【化119】
【0331】
式中、mは2~20の整数であり
または
E6)糖O3cを二糖類D5
【0332】
【化120】
【0333】
式中、LGは脱離基を表し、
と反応させ、糖O5bを得ること、
【0334】
【化121】
【0335】
式中、mは1であり、
mが1~20の整数である場合、
その後、次のステップe7)およびe8)をm-1回繰り返すこと
e7)単糖D5と反応することによって得られた糖の保護基P’を除去すること;
e8)糖D5をステップe7)後に得られた糖と反応させ、糖O5bを得ること;
【0336】
【化122】
【0337】
式中、mは2~20の整数である
e9)保護基Pを除去し、結果的に生じる-NH基を-NHAcに変換し、糖O5cを得ること
【0338】
【化123】
F2)糖O3b、O4b、O5a、またはO5cの全ての保護基を除去し、式(I-5)、(I-6)、(I-7)、または(I-8)の対応する糖
【0339】
【化124-1】
【0340】
【化124-2】
を得ること、
【0341】
式中、Eは、保護末端基であり;LG~LGは、脱離基であり;P、P、P、P’、P、P’、P、P’、P、P’、P、P’、P、P’、P、P’、P、P’、P10、P10’、P11、P12、P13、およびP14は、保護基を表し、L、E、R、R1p、m、およびnは本願に定義されるのと同じ意味を有する、
を含む。
【0342】
好ましくは、R1pはPであり、RはHである。
したがって、上述の合成方法にしたがって、ステップの次の組み合わせを本発明の合成糖を得るために行ってもよい:
ステップ:A2)→B1’)→E3)→F2)、A2)→B1’)→B2’)→B3’)→E3)→F2)、A2)→B1’)→B2’)→B3’)→E3)→E4→F2)、A2)→B1’)→B2’)→B3’)→E3)→E5)→F2)、A2)→B1’)→B2’)→B3’)→E3)→E5)→F2)。
【0343】
、P、P’、P、P’、P、P’、P、P’、P、P、P’、P、P’、P、P’、P10、P10’、P11、P12、P13、およびP14は、保護基を表す。本願に使用される用語「保護基」は、有機合成において一般的
に使用される基に関し、好ましくは、ヒドロキシル基およびチオールを保護するために使用される。Pは、アミン基を保護するために使用される保護基を表す。
【0344】
より好ましくは、P、P’、P、P’、P、P’、P、P’、P、P、P’、P、P’、P、P’、P10、P10’、P11、P12、P13、およびP14は、ヒドロキシル基のための適切な保護基、より好ましくは、脱保護反応の適切な順序によって次々に続けて除去されることが可能であるヒドロキシル基のための種々の適切な保護基である。ヒドロキシル基のための好ましい保護基は、アセチル、フェニル、ベンジル、イソプロピリデン、ベンジリデン、ナフチリデン、ベンゾイル、p-メトキシベンジル、p-ブロモベンジル、p-メトキシベンジリデン、p-メトキシフェニル、p-ブロモベンジリデン、p-ニトロフェニル、アリル、トリクロロアセチル、(2-ニトロフェニル)アセチル、イソプロピル、p-ブロモベンジル、ジメトキシトリチル、トリチル、2-ナフチルメチル、ピバロイル、クロロアセチル、トリイソプロピルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジフェニルシリル、tert-ブチルメトキシフェニルシリル、トリエチルシリル、トリメチルシリル、2-トリメチルシリルエトキシメチル、9-フルオレニルメトキシカルボニル、ベンジルオキシメチル、メチルオキシメチル、tert-ブチルオキシメチル、メトキシエチルオキシメチル、レブリノイルであり、およびPは、2,2,2-トリクロロエチルカルボニル(Troc)または9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)を表す。
【0345】
特に、保護基PおよびPは、フェニルを表し、保護基P3およびP3’は、2-ナフチルメチルを表し、保護基P、P、P’、P’、P11、P12、およびP14は、ベンジル、p-メトキシベンジルを表し、保護基P’、P、P、P’、P、P’、P、P10、P10’、およびP13は、ベンゾイルであり、保護基Pは、ブチルジメチルシリルを表す。任意に、OPおよびOP、OP’およびOP’は、フェニルヘミアセタールを形成する。P’はベンゾイルまたはレブリノイルである。Pは、2,2,2-トリクロロエチルカルボニル(Troc)である。
【0346】
本合成のための脱離基の例は、炭水化物化学の当業者によく知られており、ハロゲン化物、チオエーテル、イミダート、酢酸塩、およびリン酸塩を含む。
好ましくは、脱離基LG、LG、LG、LG、LG、LG、およびLGは、ハロゲン(Cl,Br,F,I),-O-C(=NH)-CCl,-O-C(=NPh)-CF,-OAc,-SR,-SO-Ph,-O-(CH-CH=CH,-O-P(OR,-O-PO(OR,-O-CO-OR,-O-CO-SR,-O-CS-SR
-O-CS-OR
【0347】
【化125】
から選択され、
【0348】
式中、Rは、いくつかのアルキルまたはアルキル基、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、フェニル、またはトルイルであってもよい。
好ましくは、脱離基LG、LG、LG、LG、LG、LG、およびLGは:
【0349】
【化126】
からなる脱離基の群から選択される。
【0350】
述べたように、オキソカルベニウム中間体の提供は、適当な、または適切な活性化剤を用いてグリコシル化剤のアノマー位置に導入された脱離基の活性化に依存する。リン酸塩のための適切な活性化剤(すなわち、リン酸塩活性化剤)、およびイミダートのための適切な活性化剤(すなわち、イミダート活性化剤)は、例えば、シリルトリフラートまたは銀トリフラートなどのようなルイス酸であり、一方、チオエーテルのための適切な活性化剤、すなわち、チオエーテル活性化剤は:NIS/TfOH,NIS/TMSOTf,NIS/BF・EtO,NIS/AgOTf,DMTST/TfO,IDPC,BSP/TfO,PhSO/TfOを含むが、これらに制限されないことは当業者にとって常識である。シリルトリフラートの例は、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、tert-ブチルジメチルトリフルオロメタンスルホネート、トリイソプロピルトリフルオロメタンスルホネートを含むが、これらに制限されない。
【0351】
好ましくは、LG、LG、LG、LG、LG、LG、およびLGはチオエーテルであり(Carbohydr.Res.2015,13-22参照)、更により好ましくはLG、LG、LG、LG、LG、LG、およびLGが:
【0352】
【化127】
からなる群から選択される場合である。
【0353】
は、保護末端基を表す。Eは、-NH,-N,-CN,-O-NH,-CH=CH,-C≡CH,-Br,-Cl,-I,-COR’,-CONHNH,-SH,または-SAcを表し;および
対応する保護末端基Eは、-N(PN1)(PN2),-N,-CN,-O-N(PN1)(PN2),-CH=CH,-C≡CH,-Br,-Cl,-I,-COR’,-CONHN(PN1)(PN2),-SP,または-SAcを表し;
N1およびPN2は、アミンのための適切な保護基であり、保護すべきアミンと共にカルバミン酸またはアミドを形成する。カルバミン酸を形成する保護基の例は、tert-ブチルオキシカルボニル、9-フルオレニルメチルカルボニル、アリルカルボニル、トリクロロエチルカルボニル、およびベンジルオキシカルボニルを含む。アミドを形成する保護基の例は、アセチル、またはトリクロロアセチルを含む。好ましくは、保護基P12は、ベンジルを表し、および保護基P13は、ベンジルオキシカルボニルを表す。
【0354】
は、チオールのための適切な保護基であり、フェニル、ベンジル、p-メトキシベンジル、p-メトキシフェニル、p-ニトロフェニル、およびアリルから選択される。
【0355】
糖間の結合反応は、グリコシル化試薬の存在下で行われることができる。適切な試薬は:AgOTf、BF・OEt、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(TMSOTf)、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(TfO、無水トリフリック)、ランタノイド(III)トリフレート、NIS/AgOTf、NIS/TfOH、またはジメチル(メチルチオ)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート(DMTST)を含むが、これらに制限されない。
【0356】
ステップB1)、B1’)、B1’’)、B1’’’)、B3)、B3’)、B3’’)、B3’’’)、B5’’)、B5’’’)、D1)、D2)、E1)、E2)、E4)、E5)、E6)、a4)、e6)、e8)において糖間の結合反応は、非極性溶媒と極性非プロトン性溶媒との混合物中で、-80℃~-60℃の温度で、NIS/TfOHまたはTBSOTfを用いて活性化することによって行われることが好ましい。更により好ましくは、前記反応は、トルエンとジエチルエーテルとの混合物中で、-70℃で、TBSOTfを用いて活性化することによって行われる。
【0357】
好ましくは、ステップa4)において単糖M5と糖M3との結合反応は、非極性溶媒中で、-10℃~+10℃の温度で、TBSOTfを用いて活性化することによって行われる。
【0358】
ステップF1)~F3)で行われる保護基P、P、P~P13の除去は:
-溶媒の混合物中で、過酸化水素の存在下で、塩基と処理することによって塩基不安定な保護基の第一の開裂、好ましくは、塩基はNaOMe、またはLiOHであり;および
-溶媒の混合物中で、パラジウム触媒の存在下で、化合物を水素にさらすことによって水素化に敏感である保護基の第二の開裂
を含む。
【0359】
本発明に係る更なる態様は、一般式(I)の糖を調製するための中間体化合物に関し、ここで、中間体化合物は、一般式(O1b)、(O1c)、(O1d)、(O2a)、(O2b)、(O3a)、(O3b)、(O3c)、(O4a)、(O4b)、(O5a)、(O5b)、および(O5c):
【0360】
【化128-1】
【0361】
【化128-2】
【0362】
【化128-3】
【0363】
【化128-4】
【0364】
【化128-5】
のいずれか一つを有し、
【0365】
式中、LGは脱離基を表し;Eは保護末端基であり、
、P、P’、P’、P、P’、P、P’、P、P’、P、P’、P、P’、P10、P10’、P11、P12、P13、およびP14は、保護基を表し、並びにL、R1p、m、およびnは上記に定義されるのと同じ意味を有する
【0366】
式(O1b)、(O1c)、(O1d)、(O2a)、(O2b)、(O3a)、(O3b)、(O3c)、(O4a)、(O4b)、(O5a)、(O5b)、および(O5c)において、好ましくは、リンカー-L-は、-L-,-L-L-,-L-L-L-,または-L-L-L-を表し;
-L-は、-(CH-,-(CH-CH-O)-C-,または-(CH-CH-O)-CHを表し;
-L-は、-O-,-NH-CO-NH-,-NH-CO-CH-NH-,-NH-CO-を表し;-L-は、-(CH-,-(CH(OH))-,-(CF-,-(CH-CH-O)-C-,または-(CH-CH-O)-CH-を表し;
-L-は、-(CHp1-,-(CFp1-,-C-(O-CH-CHp1-,-CH-(O-CH-CHp1,-または-(CHp1-O-(CHp2-を表し;および
-Eが-NHである場合、Lが-C-でないという条件で、o、q、p1およびp2は、互いに独立して、1、2、3、4、5、および6から選択される整数である。
【0367】
特に好ましい中間体は、式(O1b)、(O1c)、(O1d)、(O2a)、(O2b)、(O3a)、(O3b)、(O3c)、(O4a)、(O4b)、(O5a)、(O5b)、および(O5c)の中間体であり、-L-は、-(CH)o-を表し、およびoは、4、5、および6から選択される整数である。
【0368】
、P’、P’、P、P’、P、P’、P、P、P、P10、P11、P12、P13、およびP14は、ヒドロキシル基のための適切な保護基、より好ましくは、脱保護反応の適切な順序によって次々に続けて除去されることが可能である、ヒドロキシル基のための種々の適切な保護基である。ヒドロキシル基のための好ましい保護基は、アセチル、フェニル、ベンジル、イソプロピリデン、ベンジリデン、ナフチリデン、ベンゾイル、p-メトキシベンジル、p-ブロモベンジル、p-メトキシベンジリデン、p-メトキシフェニル、p-ブロモベンジリデン、p-ニトロフェニル、アリル、トリクロロアセチル、(2-ニトロフェニル)アセチル、イソプロピル、p-ブロモベンジル、ジメトキシトリチル、トリチル、2-ナフチルメチル、ピバロイル、クロロアセチル、トリイソプロピルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジフェニルシリル、tert-ブチルメトキシフェニルシリル、トリエチルシリル、トリメチルシリル、2-トリメチルシリルエトキシメチル、9-フルオレニルメトキシカルボニル、ベンジルオキシメチル、メチルオキシメチル、tert-ブチルオキシメチル、メトキシエチルオキシメチル、およびレブリノイルである。
【0369】
は、アミン基を保護するために使用される保護基、より好ましくは、2,2,2-トリクロロエチルカルボニル(Troc)またはフルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)を表す。
【0370】
したがって、中間体(O1b)、(O1c)、(O1d)、(O2a)、(O2b)、(O3a)、(O3b)、(O3c)、(O4a)、(O4b)、(O5a)、(O5b)、および(O5c)は:保護基PおよびPは、フェニルを表し、保護基PおよびP’は、2-ナフチルメチルを表し、保護基P、P、P’、P’、P11、P12、およびP14は、ベンジル、p-メトキシベンジルを表し、保護基P’、P、P、P’、P、P’、P、P10、P10’、およびP13は、ベンゾイルであり、P’は、ベンゾイルまたはレブリノイルであり、および保護Pは、ブチルジメチルシリルを表すと特に好ましい。Pは、2,2,2-トリクロロエチルカルボニル(
Troc)である。任意に、OPおよびOP、OP’およびOP’は、フェニルヘミアセタールを形成する。
【0371】
本発明の更なる態様は、式(I-1)~(I-5)の化合物:
【0372】
【化129-1】
【0373】
【化129-2】
に関し、
【0374】
式中、m、n、L、E、R、R、R1’、およびR’は、本願に定義される通りの意味を有する。
[複合糖質]
本発明の他の態様は、本発明に係る糖を含む複合体に関する。驚くべきことに、前記複合体は、クレブシエラ ニューモニエ細菌と関連する疾患に対する免疫付与のためのワクチンとして効果的であることを証明した。
【0375】
好ましくは、クレブシエラ ニューモニエ細菌は、O1、O2、O2ac、O3、O4、O5、O7、O8、O12、およびこれらのサブタイプを含む、またはからなるO-型、並びにカルバペネム耐性クレブシエラ ニューモニエ(CRKP)から選択される。好ましくは、O-血清型O1、O2a、O2ac、O2ae、O2aeh、O2afg、O8、およびCRKP株ST258、より好ましくはO1、O2a、O2ab、O2ac、O2afg(ガラクタン-III)、O8、CRKP株ST258である。更により好ましくは、クレブシエラ ニューモニエ株血清型は、O1:K1、O1:K2、O1:K7、O1:K8、O1:K10、O1:K12、O1:K16、O1:K19、O1:K21、O1:K22、O1:K27、O1:K34、O1:K42、O1:K45、O1:K55、O1:K57、O1:K62、O1:K65、O1:K66、O1:K69およびO1:K70、O2a、O2ac、並びにCRKP株ST258である。
【0376】
糖は、免疫原性でない場合に、一般的にTI-2(T細胞非依存的-2)抗原および低
い免疫抗原性として当業者に知られている。TI-2抗原は、表面露出された免疫グロブリン受容体のクロスリンクを介して成熟B細胞によってのみ認識される抗原である。T細胞の助けなしでは、免疫記憶は生じず、IgMサブクラスから他のIgGサブクラスへのアイソタイプ変換もB細胞親和性成熟も起こらない。さらに、糖は、ヒト糖脂質およびヒト糖タンパク質に対する構造的相同性のために、ヒトにおいて低い免疫原であることが知られている。糖の低い免疫原性特性のために、糖は、強力なワクチンの生産に必須の特徴である、B細胞による抗体産生、および記憶細胞の形成の両方を生じさせる能力が低いことを示す。
【0377】
したがって、強力な糖に基づくワクチンを生産するために、一般式(I)、(I-1)~(I-5)、および(II-1)~(II-17)の糖、好ましくは糖A-01~A-140、B-01~B-140、C-01~C-70、D-01~D-70、E-01~E-70、F-01~F-530、G-01~G-350、H-01~H-350、J-01~J-350、K-01~K-350、M-01~M70、N-01~N-70、O-01~O-70、P-01~P-70、およびQ-1~Q-700、は、複合体を提供するために免疫原性担体に結合され、当該複合体は、糖と比較して上昇した免疫原性を示す。したがって、本願の範囲下では、一般式(III)の複合体も包含する。
【0378】
【化130】
【0379】
式中、
iは、2~25から選択される整数であり;好ましくは、2~18から選択される整数であり
-E-は、共有結合,-NH-,-O-NH-,-O-,-S-,-CO-,-CH=CH-,-CONH-,-CO-NHNH-,
【0380】
【化131】
を表し;
【0381】
-T-は、
【0382】
【化132】
を表し;
【0383】
aは、1~10の整数を表し;
bは、1~4の整数を表し;
CPは、担体タンパク質であり;および
、U、U、U、U、L、m、n、k、x、およびyは、本願に定義されるのと同じ意味を有する。
【0384】
好ましくは、Eは、共有結合,-NH-,-CH=CH-,-CONH-,または
【0385】
【化133】
である。
【0386】
前記複合体は、少なくとも一つの一般式(I)の合成糖、および少なくとも一つの糖が共有結合される免疫原性担体、好ましくは担体タンパク質からなる。
驚くべきことに、免疫原性担体、好ましくは担体タンパク質に共有結合している一般式(I)の糖を含む複合体を用いた免疫付与は、一般式(I)の糖の炭水化物部分に特異的な高力価の抗体の生産をもたらすことを明らかにした。前記抗体は、クレブシエラ ニューモニエ血清型O1、O2、O2ac、O8 O-多糖およびカルバペネム耐性クレブシエラ ニューモニエST258 O-多糖と交差反応し、オプソニン化貪食作用および殺菌活性を示すので、クレブシエラ ニューモニエに対する保護を与える。
【0387】
好ましくは、クレブシエラ ニューモニエ細菌は、O1、O2、O2ac、O3、O4、O5、O7、O8、O12、およびこれらのサブタイプを含む、またはからなるO-型、並びにカルバペネム耐性クレブシエラ ニューモニエ(CRKP)から選択される。好ましくは、O-血清型O1、O2a、O2ac、O2ae、O2aeh、O2afg(ガラクタン-III)、O8、およびCRKP株ST258、より好ましくはO1、O2a、O2ab、O2ac、O2afg、O8、CRKP株ST258、である。更により好ましくは、クレブシエラ ニューモニエ株血清型は、O1:K1、O1:K2、O1:K7、O1:K8、O1:K10、O1:K12、O1:K16、O1:K19、O1:K21、O1:K22、O1:K27、O1:K34、O1:K42、O1:K45、O1:K55、O1:K57、O1:K62、O1:K65、O1:K66、O1:K69およびO1:K70、O2a、O2ac、並びにCRKP株ST258である。
【0388】
本発明の少なくとも一つの複合体を含むワクチンは、クレブシエラ ニューモニエの莢膜多糖、またはクレブシエラ ニューモニエの莢膜多糖の複合体における非選択的開裂によって得られる糖の単離された(および合成されていない)混合物を含むワクチンと比較して、より少ない副作用、および/または非保護免疫応答をもたらす。さらに、本発明のワクチンは、非選択的開裂された莢膜多糖の単離された混合物を含むワクチンより、GMP規則にしたがって、より容易に製造されることができ、より容易に特徴づけられることができ、そのことは、安定性および純度制御を容易にし、並びに不純物の種類および量の検出をする。
【0389】
この文脈において用語「免疫原性担体」は、構造として定義され、糖自体と比較して増加した免疫原性を示す複合体を形成するために糖に結合される。したがって、複合体(III)は、一般式(I)、(I-1)~(I-5)、(II-1)~(II-17)の糖、好ましくは糖A-01~A-140、B-01~B-140、C-01~C-70、D-01~D-70、E-01~E-70、F-01~F-530、G-01~G-350、H-01~H-350、J-01~J-350、K-01~K-350、M-01~M70、N-01~N-70、およびO-01~O-70、P-01~P-70、およびQ-1~Q-700の免疫原性担体への結合によって得られ、前記免疫原性担体に対する免疫応答を誘導することなく、一般式(I)の糖に対して免疫応答を刺激する効果を有する。
【0390】
最も好ましくは、複合体(III)は:化合物A-01~A-07、A-11~A17
、A-21~A-27、A-31~A-37、A-41~A-47、A-51~A-57、A-61~A-67、A-71~A-77、A-81~A-87、A-91~A-97、A-101~A-107、A-111~A-117、A-121~A-127、A-131~A-137、F-01、F-19、F-27、F-31、F-36、F-54、F-62、F-66、F-71、F-89、F-97、F-101、F-106、F-124、F-132、F-136、F-141、F-159、F-167、F-171、F-176、F-194、F-202、F-206、F-211、F-229、F-237、F-241、F-246、F-264、F-299、F-281、F-272、F-276、F-307、F-311、F-316、F-334、F-342、F-346、F-351、F-414、F-417、F-421、F-426、F-444、F-452、F-456、F-461、F-479、F-487、F-491、F-496、F-514、F-522、F-526、K-01、K-06、K-11、K-26、K-31、K-36、K-51、K-56、K-61、K-76、K-81、K-86、K-101、K-106、K-111、K-126、K-131、K-136、K-151、K-156、K-161、K-176、K-181、K-186、K-201、K-206、K-211、K-226、K-231、K-236、K-251、K-256、K-261、K-276、K-281、K-286、K-301、K-306、K-311、K-326、K-331、K-336、O-01、O-02、O-03、O-06、O-07、O-08、O-11、O-12、O-13、O-16、O-17、O-18、O-21、O-22、O-23、O-26、O-27、O-28、O-31、O-32、O-33、O-36、O-37、O-38、O-41、O-42、O-43、O-46、O-47、O-48、O-51、O-52、O-53、O-56、O-57、O-58、O-61、O-62、O-63、O-66、O-67、O-88、P-01~P-03、P-06~P-08、P-11~P-13、P-16~P-18、P-21~P-23、P-26~P-28、P-31~P-33、P-36~P-38、P-41~P-43、P-46~P-48、P-51~P-53、P-56~P-58、P-61~P-63、P-66~P-68、Q-1、Q-26、Q-101、Q-151、Q-251、Q-301、Q-351、Q-376、Q-451、Q-501、Q-551、Q-601およびQ-651からなる群から選択される。53から含む。
【0391】
好ましい免疫原性担体は、免疫調節特性を有する担体タンパク質(CP)またはグリコスフィンゴ脂質である。当業者にとって、担体タンパク質は:ジフテリアトキソイド、変異ジフテリアトキソイド、修飾ジフテリアトキソイド、変異および修飾ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、修飾破傷風トキソイド、変異破傷風トキソイド、外膜タンパク質(OMP)、ウシ血清アルブミン(BSA)、キーホール リンペット ヘモシアニン(keyhole limpet hemocyanine)(KLH))、シュードモナス エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)の組み換え非毒性型、またはコレラトキソイド(CT)を含む群、または、からなる群から選択されるタンパク質である。本願に使用される用語「トキソイド」は、細菌毒素(一般的に外毒素)に関し、細菌毒素の毒性は、化学的(ホルマリン)または熱処理のいずれかによって不活性化または抑制されており、一方、他の特性、一般的に免疫原性は維持される。本願に使用される変異トキソイドは、組み換え細菌毒素であり、組み換え細菌毒素は、野生型アミノ酸配列を修正することによって、低い毒性、または非毒性にさえもなるように修正されている。このような変異は、一つ以上のアミノ酸の置換であり得る。このような変異トキソイドは、修飾トキソイドを提供するために相互連結分子の官能基Yと反応することができる官能性を当該表面に示す。前記官能性は、当業者に公知であり、還元剤の存在下で活性化エステル、イソシアネート基、またはアルデヒドと反応することができるリジン残基の第一級アミノ官能性、カルボジイミドによって活性化されることができるグルタミン酸塩残基またはアスパラギン酸塩残基のカルボキシレート官能性、またはシステイン残基のチオール官能性を含むが、これらに制限されない。
【0392】
活性化エステルは、N-(γ-マレイミドブチリルオキシ)スルホスクシンイミドエステル(スルホ-GMBS)、スクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノベンゾエート(スルホ-SIAB)、スクシンイミジル-3-(ブロモアセトアミド)プロピオネート(SBAP)、ジスクシンイミジルグルタレート(DSG)、ジスクシンイミジルアジペート(DSA)、2-ピリジルジチオール-テトラオキサテトラデカン-N-ヒドロキシスクシンイミド(PEG-4-SPDP)、ビス-(4-ニトロフェニル)アジペート、およびビス-(4-ニトロフェニル)スクシネートを含む(図3参照)。好ましい活性化エステルは、ジスクシンイミジルアジペート(DSA)、ジスクシンイミジルグルタレート(DSG)、ビス-(4-ニトロフェニル)アジペート、およびビス-(4-ニトロフェニル)スクシネートである。
【0393】
担体タンパク質におけるシステイン残基は、担体タンパク質の表面に相互連結分子の官能基Xを有する修飾担体タンパク質を提供するために、適切な相互連結分子と更に反応されることができる、対応するデヒドロアラニンに変換されることができる。
【0394】
一般式Iの糖は、リジン残基の第一級アミノ官能性として示す担体タンパク質として非毒性変異ジフテリア毒素CRM197に結合されることが特に好ましい。
CRM197様野生型ジフテリア毒素は、グリシンへグルタミン酸の一つのアミノ酸置換を有するジスルフィド架橋によって結合される2つのサブユニットからなる535アミノ酸(58kD)の単一ポリペプチド鎖である。プレベナー(Prevnar)のような、疾患のために多くの承認された複合体ワクチンにおける担体タンパク質として使用される。
【0395】
したがって、本発明の好ましい実施形態において、担体タンパク質は、相互連結分子の前記官能基Xを担体タンパク質の表面に有する修飾担体タンパク質を提供するために、当該表面に相互連結分子の官能基Yと反応することができるリジン残基の第一級アミノ官能性を示し、修飾担体タンパク質は、一般式(I)の化合物におけるリンカーの末端アミノ基と反応することができる。
【0396】
相互連結分子の前記官能基Xは、マレイミド、α-ヨードアセチル、α-ブロモアセチル、N-ヒドロキシ-スクシンイミドエステル(NHS)、アルデヒド、イミドエステル、カルボン酸、スルホン酸アルキル、塩化スルホニル、エポキシド、無水物、炭酸塩を含む、または、からなる群から選択される。
【0397】
好ましくは、一般式(IV)の複合体であり
【0398】
【化134】
【0399】
式中、
iは、2~25から選択される整数であり;好ましくは、2~18から選択される整数であり
-E-は、共有結合,-NH-,-O-NH-,-O-,-S-,-CO-,-CH=CH-,-CONH-,-CO-NHNH-,
【0400】
【化135】
を表し;
【0401】
-T-は、
【0402】
【化136】
を表し;
【0403】
aは、1~10の整数を表し;
bは、1~4の整数を表し;および
、U、U、U、U、L、m、n、k、x、およびyは、一般式(I)のように本願に定義されるのと同じ意味を有する。
【0404】
好ましくは、一般式(IV)の複合体であり
【0405】
【化137】
【0406】
式中、
iは、2~25から選択される整数であり;好ましくは、2~18から選択される整数であり
-E-は、共有結合,-NH-,-O-NH-,-O-,-S-,-CO-,-CH=CH-,-CONH-,-CO-NHNH-,
【0407】
【化138】
を表し;
【0408】
-T-は、
【0409】
【化139】
を表し;
【0410】
aは、1~10の整数を表し;
bは、1~4の整数を表し;および
-U
【0411】
【化140】
を表す場合、mは0でないことができ、およびU-UはU-Uでないことができる。
【0412】
、U、U、U、U、L、m、n、k、x、およびyは、一般式(I)のように本願に定義されるのと同じ意味を有する。
チェック115~129
好ましくは、Eは、共有結合,-NH-,-CH=CH-,-CONH-,
【0413】
【化141】
である。
【0414】
好ましくは、式(IV)の複合体、または式(IV)の複合体のアノマー、水和物もしくは薬学的に許容できる塩であり
式中
は、
【0415】
【化142】
を表し
【0416】
は、
【0417】
【化143】
を表し
【0418】
は、共有結合、または
【0419】
【化144】
を表し
【0420】
kは0であり、E、i、m、n、x、およびyは本願に定義されるのと同じ意味を有する。
好ましくは、式(IV)の複合体でもあり
式中
は、
【0421】
【化145】
を表し;
【0422】
は、
【0423】
【化146】
を表し;
【0424】
mは0であり;
L、E、i、n、k、x、およびyは本願に定義されるのと同じ意味を有する。
【0425】
好ましくは、一般式(IV)の合成糖であり、式中
は、
【0426】
【化147】
を表し;
【0427】
は、
【0428】
【化148】
を表し;
【0429】
は、
【0430】
【化149】
を表し;
【0431】
は、共有結合、または
【0432】
【化150】
を表し;
【0433】
mは0および1から選択される整数であり;
L、E、i、n、k、x、およびyは本願に定義される通りの意味を有する。
【0434】
好ましくは、式(IV)の複合体であり、式中
は、
【0435】
【化151】
を表し;
【0436】
は、
【0437】
【化152】
を表し;
【0438】
は、
【0439】
【化153】
を表し;
【0440】
は、共有結合、または
【0441】
【化154】
を表し;
【0442】
mは0または1の整数であり;
L、E、i、n、k、x、およびyは本願に定義されるのと同じ意味を有する。
【0443】
好ましくは、式(IV)の複合体であり、式中
は、
【0444】
【化155】
を表し;
【0445】
は、
【0446】
【化156】
を表し;
【0447】
は、
【0448】
【化157】
を表し;
【0449】
は、共有結合、または
【化158】
を表し;
【0450】
mは1~10の整数であり;
L、E、i、n、k、x、およびyは本願に定義されるのと同じ意味を有する。
【0451】
好ましくは式(V)の複合体でもあり
【0452】
【化159】
【0453】
式中、
は、
【0454】
【化160】
を表し;
【0455】
は、
【0456】
【化161】
を表し;
【0457】
は、
【0458】
【化162】
を表し;
【0459】
は、共有結合、または
【0460】
【化163】
を表し;
【0461】
L、E、i、n、k、x、およびyは本願に定義されるのと同じ意味を有する。
好ましくは、式(V)の複合体でもあり、式中
は、
【0462】
【化164】
を表し;
【0463】
は、
【0464】
【化165】
を表し;
【0465】
mは0であり、L、E、i、n、k、x、およびyは本願に定義されるのと同じ意味を有する。
好ましくは、式(V)の複合体でもあり、式中
は、
【0466】
【化166】
を表し;
【0467】
は、
【0468】
【化167】
を表し;
【0469】
は、
【0470】
【化168】
を表し;
【0471】
mは0であり、L、E、i、n、k、x、およびyは本願に定義されるのと同じ意味を有する。
好ましくは、式(V)の複合体でもあり、式中
は、
【0472】
【化169】
を表し;
【0473】
は、
【0474】
【化170】
を表し;
【0475】
mは0であり、L、E、i、n、k、x、およびyは本願に定義されるのと同じ意味を有する。
好ましくは、式(V)の複合体でもあり、式中
は、
【0476】
【化171】
を表し;
【0477】
は、
【0478】
【化172】
を表し;
【0479】
は、
【0480】
【化173】
を表し;
【0481】
は、共有結合、または
【0482】
【化174】
を表し;
【0483】
mは1~10の整数であり;
L、E、i、n、k、x、およびyは本願に定義されるのと同じ意味を有する。
【0484】
より好ましくは、式(V-1)~(V-14)のいずれか一つの複合体であり:
【0485】
【化175-1】
【0486】
【化175-2】
【0487】
【化175-3】
【0488】
【化175-4】
【0489】
【化175-5】
【0490】
【化175-6】
【0491】
【化175-7】
【0492】
式中
およびRは、独立して-H,または
【0493】
【化176】
を表し;
【0494】
ここで、RおよびRは、同時に
【0495】
【化177】
であることはできず;
【0496】
並びに
L、E、T、i、m、k、およびnは、上記に定義されるのと同じ意味を有し、nおよびmは、1~10の整数である。
【0497】
より好ましくは、式(III)、(IV)、(V)、および(V-1)~(V-14)のいずれか一つの複合体であり、式中、nは1~10の整数である。
より好ましくは、式(III)、(IV)、(V)、および(V-1)~(V-14)のいずれか一つの複合体であり、式中、iは4~10から選択される。
【0498】
好ましくは、―T-は
【0499】
【化178】
を表し、およびaは、2、3、4、5、および6から選択される整数である。
【0500】
したがって、一般式(IV)、(V)、および(V-1)~(V-14)のいずれか一つの複合体が特に好ましく、
式中、-T-は
【0501】
【化179】
を表し、およびaは、2、3、4、5、および6から選択される整数である。
【0502】
好ましくはリンカー-L-は、-L-,-L-L-,-L-L-L-,または-L-L-L-を表し;
-L-は、-(CH-,-(CH-CH-O)-C-,または-(CH-CH-O)-CHを表し;
-L-は、-O-,-NH-CO-NH-,-NH-CO-CH-NH-,-NH-CO-を表し;-L-は、-(CH-,-(CH(OH))-,-(CF-,-(CH-CH-O)-C-,または-(CH-CH-O)-CH-を表し;
-L-は、-(CHp1-,-(CFp1-,-C-(O-CH-CHp1-,-CH-(O-CH-CHp1-,または-(CHp1-O-(CHp2-を表し;および
o、q、p1およびp2は、互いに独立して、1、2、3、4、5、および6から選択される整数である。
【0503】
最も好ましい実施形態において、Eは、共有結合,-NH-,-CH=CH-,-CONH-,または
【0504】
【化180】
である。
【0505】
他の実施形態において、前記免疫原性担体は、好ましくは、免疫調節特性を有するグリコスフィンゴ脂質であり、より好ましくは、(2S,3S,4R)-1-(α-D-ガラクトピラノシル)-2-ヘキサコサノイルアミノオクタデカン-3,4-ジオールである。免疫調節特性を有する用語グリコースフィンゴ脂質は、本願に使用される通り、標的抗原に対して免疫システム応答を刺激することができるが、上記に定義される通りグリコスフィンゴ脂質自体では免疫性を与えない適切なグリコスフィンゴ脂質に関する。
【0506】
本願に使用されるグリコスフィンゴ脂質は、スフィンゴ脂質にα-結合される炭水化物部分を含む化合物である。好ましくは、炭水化物部分は、ヘキソピラノースであり、最も好ましくは、α-D-ガラクトピラノースである。当業者にとって、スフィンゴ脂質は、アミド結合を介して脂肪酸に連結されるC18アミノアルコールを含む脂質のクラスである。C18アミノアルコールは、好ましくは、ヒドロキシル基とモノ-、ジ-、またはポリ置換される。特に好ましくは、C18アミノアルコールは、フィトスフィンゴシンである。脂肪酸は、好ましくは、16~18個の範囲の、およびより好ましくは、18~26個の範囲の多数の炭素の飽和アルキル鎖を有するモノカルボン酸である。免疫調節特性を有するグリコスフィンゴ脂質は、(2S,3S,4R)-1-(α-D-ガラクトピラノシル)-2-ヘキサコサノイルアミノオクタデカン-3,4-ジオールを含むが、これに制限されず、ナチュラルキラー(NK)活性およびナチュラルキラーT(NKT)細胞によるサイトカイン産生を刺激することができ、インビボにおいて強力な抗腫瘍活性を示す(Proc.Natl Acad.Sci.USA,1998,95,5690)。
【0507】
免疫調節特性を有するグリコスフィンゴ脂質を有する一般式(I)の糖の複合体は、熱安定性があるという利点を有する。加えて、免疫調節特性を有するグリコスフィンゴ脂質を有する一般式(I)の糖の複合体は、一般式(I)の糖、およびCRKPのO-多糖に対して、マウスにおいて、高力価のIgG1抗体、IgG2a抗体、およびIgG3抗体を生産することができる。複合体が安定であるために、免疫-調節特性を有するグリコスフィンゴ脂質において、官能性が導入される。前記官能性は、一般式(I)の糖の複合体を提供するために一般式(I)の糖におけるリンカーの末端アミノ基と、または免疫調節特性を有する修飾グリコスフィンゴ脂質を提供するために相互連結分子の官能基Yと、反応する傾向がある。
【0508】
好ましくは、前記官能性は、免疫調節特性を有するグリコスフィンゴ脂質のガラクトース部分における炭素6に導入される。したがって、免疫調節特性を有するグリコスフィンゴ脂質は、官能性を用いて官能基化され、糖の末端アミノ基と、または相互連結分子の官能基Yと、反応する傾向がある。アミノ基と反応する傾向がある官能性は、活性化エステル、イソシアネート基、アルデヒド、エポキシド、イミドエステル、カルボン酸、アルキルスルホネート、および塩化スルホニルを含むが、これらに制限されない。相互連結分子の官能基Xを示す免疫調節特性を有する修飾グリコスフィンゴ脂質を提供するために、相互連結分子の官能基Yと反応する傾向がある官能性は、アミン、アルコール、チオール、活性化エステル、イソシアネート基、アルデヒド、エポキシド、ビニル、イミドエステル、カルボン酸、アルキルスルホネート、塩化スルホニル、ビニル基、アルキニル基、およびアジド基を含むが、これらに制限されない。
【0509】
好ましくは、免疫調節特性を有するグリコスフィンゴ脂質の炭水化物部分におけるC6
に導入される官能性は、アミン、チオール、アルコール、カルボン酸、ビニル、マレイミド、α-ヨードアセチル、α-ブロモアセチル、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(NHS)、および2-ピリジルジチオールを含む(comprising)、または含む(containing)群から選択される。
【0510】
相互連結分子の前記官能基Xは、マレイミド、α-ヨードアセチル、α-ブロモアセチル、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(NHS)、アルデヒド、カルボン酸、エポキシド、アルキルスルホネート、塩化スルホニル、無水物、および炭酸塩を含む、または、からなる群から選択される。
【0511】
本願に使用される用語「相互連結分子」は、官能基Xおよび官能基Yを含む二官能性分子に関し、ここで、官能基Xは、リンカー-L-における末端アミノ基と反応することが可能であり、官能基Yは、免疫原性担体または固体支持体に存在する官能基と反応することが可能である。
【0512】
一般式(I)、(I-A)、(I-B)、(I-1)~(I-5)、(II-1)~(II-17)のいずれか一つの少なくとも一つの糖、好ましくは、A-01~A-140、B-01~B-140、C-01~C-70、D-01~D-70、E-01~E-70、F-01~F-530、G-01~G-350、H-01~H-350、J-01~J-350、K-01~K-350、M-01~M70、N-01~N-70、O-01~O-70、P-01~P-70、およびQ-1~Q-700のいずれか一つの少なくとも一つの糖を含む複合体、および特に、一般式(III)、(IV)、(V)、および(V-1)~(V-14)のいずれか一つの複合体は、ヒトおよび/または動物宿主において保護免疫応答を誘導するので、クレブシエラ ニューモニエ細菌と関連する疾患の予防および/または治療に有用であるということが明らかになった。クレブシエラ ニューモニエ細菌と関連する疾患は、、肺炎、気管支炎、髄膜炎、尿路感染症、院内肺炎、腹腔内感染症、創傷感染症、血液の感染症、骨髄炎、菌血症、敗血症、および強直性脊椎炎を含む。
【0513】
好ましくは、クレブシエラ ニューモニエ細菌は、O1、O2、O2ac、O3、O4、O5、O7、O8、O12、およびこれらのサブタイプを含む、またはからなるO-血清型、並びにカルバペネム抵抗性クレブシエラ ニューモニエ(CRKP)から選択される。好ましくは、O-血清型O1、O2a、O2ac、O2ae、O2aeh、O2afg(ガラクタン-III)、O8、およびCRKP株ST258、より好ましくはO1、O2a、O2ab、O2ac、O2afg、O8、CRKP株ST258、である。更により好ましくは、クレブシエラ ニューモニエ株血清型は、O1:K1、O1:K2、O1:K7、O1:K8、O1:K10、O1:K12、O1:K16、O1:K19、O1:K21、O1:K22、O1:K27、O1:K34、O1:K42、O1:K45、O1:K55、O1:K57、O1:K62、O1:K65、O1:K66、O1:K69およびO1:K70、O2a、O2ac、並びにCRKP株ST258である。
【0514】
[医薬組成物]
本発明の他の態様は、少なくとも一つの薬学的に許容できるアジュバントおよび/または賦形剤と共に、活性成分として、免疫原性担体に結合される一般式(I)の少なくとも一つの糖を含む少なくとも一つの複合体、および/または一般式(I)の少なくとも一つの糖を含む医薬組成物またはワクチンに関する。前記医薬組成物は、ヒトおよび/または動物宿主において保護免疫応答を高めるために使用されることができる。理論的に、医薬組成物はヒトにおける使用のために適切である。
【0515】
特に、前記医薬組成物または前記ワクチンは、ヒトおよび/または動物宿主において保
護免疫応答を誘導するので、クレブシエラ ニューモニエ細菌と関連する疾患の予防および/または治療に有用である。したがって、前記医薬組成物または前記ワクチンは、クレブシエラ ニューモニエ細菌と関連する疾患の予防および/または疾患に有用である。クレブシエラ ニューモニエ細菌と関連する疾患は、肺炎、気管支炎、髄膜炎、尿路感染症、院内肺炎、腹腔内感染症、創傷感染症、血液の感染症、骨髄炎、菌血症、敗血症、および強直性脊椎炎を含む。
【0516】
好ましくは、前記医薬組成物または前記ワクチンは、クレブシエラ ニューモニエ細菌と関連する疾患の予防および/または治療に有用である。ここで、クレブシエラ ニューモニエ細菌は、O1、O2、O2ac、O3、O4、O5、O7、O8、O12、およびこれらのサブタイプを含む、またはからなるO-血清型、並びにカルバペネム抵抗性クレブシエラ ニューモニエ(CRKP)から選択される。好ましくは、O-血清型O1、O2a、O2ac、O2ae、O2aeh、O2afg(ガラクタン-III)、O8、およびCRKP株ST258、より好ましくはO1、O2a、O2ab、O2ac、O2afg、O8、CRKP株ST258である。更により好ましくは、クレブシエラ ニューモニエ株血清型は、O1:K1、O1:K2、O1:K7、O1:K8、O1:K10、O1:K12、O1:K16、O1:K19、O1:K21、O1:K22、O1:K27、O1:K34、O1:K42、O1:K45、O1:K55、O1:K57、O1:K62、O1:K65、O1:K66、O1:K69およびO1:K70、O2a、O2ac、並びにCRKP株ST258である。
【0517】
好ましくは、医薬組成物またはワクチンは、活性成分として一般式(I-1)~(I-5)、(II-1)~(II-17)のいずれか一つの少なくとも一つの糖、および/または一般式(I-1)~(I-5)、(II-1)~(II-17)のいずれか一つの少なくとも一つの糖を含む複合体の少なくとも一つを含む。
【0518】
特に、医薬組成物またはワクチンは、一般式(III)、(IV)、(V)、および(V-1)~(V-14)のいずれか一つの少なくとも一つの複合体を含み、より好ましくは、医薬組成物またはワクチンは、少なくとも一つの糖A-01~A-140、B-01~B-140、C-01~C-70、D-01~D-70、E-01~E-70、F-01~F-530、G-01~G-350、H-01~H-350、J-01~J-350、K-01~K-350、M-01~M70、N-01~N-70、O-01~O-70、およびP-01~P-70、並びに/または少なくとも一つの糖A-01~A-140、B-01~B-140、C-01~C-70、D-01~D-70、E-01~E-70、F-01~F-530、G-01~G-350、H-01~H-350、J-01~J-350、K-01~K-350、M-01~M70、N-01~N-70、O-01~O-70、P-01~P-70、およびQ-1~Q-700を含む少なくとも一つの複合体を含む。
【0519】
より好ましくは、医薬組成物またはワクチンは、少なくとも一つの糖A-01~A-07、A-11~A17、A-21~A-27、A-31~A-37、A-41~A-47、A-51~A-57、A-61~A-67、A-71~A-77、A-81~A-87、A-91~A-97、A-101~A-107、A-111~A-117、A-121~A-127、A-131~A-137、F-01、F-19、F-27、F-31、F-36、F-54、F-62、F-66、F-71、F-89、F-97、F-101、F-106、F-124、F-132、F-136、F-141、F-159、F-167、F-171、F-176、F-194、F-202、F-206、F-211、F-229、F-237、F-241、F-246、F-264、F-299、F-281、F-272、F-276、F-307、F-311、F-316、F-334、F-342、F-346、F-351、F-414、F-417、F-421、F-426、F-
444、F-452、F-456、F-461、F-479、F-487、F-491、F-496、F-514、F-522、F-526、K-01、K-06、K-11、K-26、K-31、K-36、K-51、K-56、K-61、K-76、K-81、K-86、K-101、K-106、K-111、K-126、K-131、K-136、K-151、K-156、K-161、K-176、K-181、K-186、K-201、K-206、K-211、K-226、K-231、K-236、K-251、K-256、K-261、K-276、K-281、K-286、K-301、K-306、K-311、K-326、K-331、K-336、O-01、O-02、O-03、O-06、O-07、O-08、O-11、O-12、O-13、O-16、O-17、O-18、O-21、O-22、O-23、O-26、O-27、O-28、O-31、O-32、O-33、O-36、O-37、O-38、O-41、O-42、O-43、O-46、O-47、O-48、O-51、O-52、O-53、O-56、O-57、O-58、O-61、O-62、O-63、O-66、O-67、O-88、P-01~P-03、P-06~P-08、P-11~P-13、P-16~P-18、P-21~P-23、P-26~P-28、P-31~P-33、P-36~P-38、P-41~P-43、P-46~P-48、P-51~P-53、P-56~P-58、P-61~P-63、P-66~P-68、Q-1、Q-26、Q-101、Q-151、Q-251、Q-301、Q-351、Q-376、Q-451、Q-501、Q-551、Q-601およびQ-651を含む、並びに/または少なくとも一つの糖A-01~A-07、A-11~A17、A-21~A-27、A-31~A-37、A-41~A-47、A-51~A-57、A-61~A-67、A-71~A-77、A-81~A-87、A-91~A-97、A-101~A-107、A-111~A-117、A-121~A-127、A-131~A-137、F-01、F-19、F-27、F-31、F-36、F-54、F-62、F-66、F-71、F-89、F-97、F-101、F-106、F-124、F-132、F-136、F-141、F-159、F-167、F-171、F-176、F-194、F-202、F-206、F-211、F-229、F-237、F-241、F-246、F-264、F-299、F-281、F-272、F-276、F-307、F-311、F-316、F-334、F-342、F-346、F-351、F-414、F-417、F-421、F-426、F-444、F-452、F-456、F-461、F-479、F-487、F-491、F-496、F-514、F-522、F-526、K-01、K-06、K-11、K-26、K-31、K-36、K-51、K-56、K-61、K-76、K-81、K-86、K-101、K-106、K-111、K-126、K-131、K-136、K-151、K-156、K-161、K-176、K-181、K-186、K-201、K-206、K-211、K-226、K-231、K-236、K-251、K-256、K-261、K-276、K-281、K-286、K-301、K-306、K-311、K-326、K-331、K-336、O-01、O-02、O-03、O-06、O-07、O-08、O-11、O-12、O-13、O-16、O-17、O-18、O-21、O-22、O-23、O-26、O-27、O-28、O-31、O-32、O-33、O-36、O-37、O-38、O-41、O-42、O-43、O-46、O-47、O-48、O-51、O-52、O-53、O-56、O-57、O-58、O-61、O-62、O-63、O-66、O-67、O-88、P-01~P-03、P-06~P-08、P-11~P-13、P-16~P-18、P-21~P-23、P-26~P-28、P-31~P-33、P-36~P-38、P-41~P-43、P-46~P-48、P-51~P-53、P-56~P-58、P-61~P-63、P-66~P-68、Q-1、Q-26、Q-101、Q-151、Q-251、Q-301、Q-351、Q-376、Q-451、Q-501、Q-551、Q-601およびQ-651を含む少なくとも一つの複合体を含む。
【0520】
オリゴ糖の濃度
本発明の他の態様において、前記医薬組成物またはワクチンは、クレブシエラ ニューモニエ血清型O1、O2、O2a、O2ac、O3、O4、O5、O7、O8、O12、およびカルバペネム耐性クレブシエラ ニューモニエST258を含む、または、からなる群から選択されるクレブシエラ ニューモニエ細菌における、少なくとも一つの莢膜多糖、O-多糖、および、/または莢膜多糖断片、O-多糖断片、および/またはそれらのタンパク質複合体を更に含む。
【0521】
本明細書に使用される用語「アジュバント」は、免疫学的アジュバント、すなわち、アジュバントに関連する抗原性はなく、ワクチンに含まれる所与の抗原への免疫応答を高めることによって、前記ワクチンの効果を修正する、または増加させるワクチン組成物において使用される材料に関する。当業者にとって、免疫学的アジュバントの古典的に認識される例は、油乳剤(例えば、フロイント(Freund’s) アジュバントなど)、サポニン、アルミニウム塩またはカルシウム塩(例えば、アルム(alum)など)、非イオン性ブロック重合体界面活性剤、および他の物を含むが、これらに制限されない。
【0522】
医薬組成物は、特に投与の時点で、好ましくは、水性形態であるが、非水性液体形態で、またはゼラチンカプセルのような乾燥形態で、または凍結乾燥品などで存在することができる。
【0523】
医薬組成物は、チオメルサールまたは2-フェノキシエタノールなどのような、一つ以上の防腐剤を含んでもよい。水銀を使わない組成物は好ましく、および防腐剤を使わないワクチンを調製することができる。
【0524】
医薬組成物は、等張性を制御するために、例えばナトリウム塩などのような、生理的塩を含んでもよい。塩化ナトリウム(NaCl)は、一般的であり、1~20mg/mlで存在してもよい。存在し得る他の塩は、塩化カリウム、リン酸二水素カリウム、無水リン酸二ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、などを含む。
【0525】
医薬組成物は、200mOsm/kg~400mOsm/kgの浸透圧を有することができる。
医薬組成物は、普通の水(例えば、注射用水(w.f.i))中に化合物(不溶性の金属塩を有する、または有さない)を含んでもよいが、通常一つ以上の緩衝剤を含むであろう。一般的な緩衝剤は:リン酸塩緩衝剤;トリス緩衝剤;ホウ酸塩緩衝剤;コハク酸塩緩衝剤;ヒスチジン緩衝剤(特に、水酸化アルミニウムアジュバントを有する場合);またはクエン酸塩緩衝剤を含んでもよい。緩衝塩は、一般的に、5~20mMの範囲で含まれるだろう。
【0526】
医薬組成物は、一般的にpH5.0~9.5、例えば、pH6.0~8.0を有する。
医薬組成物は、好ましくは、無菌および無グルテンである。
【0527】
医薬組成物は、動物(および、特にヒト)患者に投与するために適切であるので、ヒト用および動物用の両方を含む。医薬組成物は、患者における免疫応答を高める方法において使用されてもよく、患者へ組成物を投与するステップを含む。
【0528】
本発明の医薬組成物は、患者がクレブシエラ ニューモニエにさらされる前、および/または患者がクレブシエラ ニューモニエにさらされる後に投与されてもよい。
【0529】
好ましくは、クレブシエラ ニューモニエ細菌は、O1、O2、O2ac、O3、O4、O5、O7、O8、O12、およびこれらのサブタイプを含む、またはからなるO-血清型、並びにカルバペネム抵抗性クレブシエラ ニューモニエ(CRKP)から選択され
る。好ましくは、O-血清型O1、O2a、O2ac、O2ae、O2aeh、O2afg、O8、およびCRKP株ST258、より好ましくはO1、O2a、O2ab、O2ac、O2afg、O8、CRKP株ST258である。更により好ましくは、クレブシエラ ニューモニエ株血清型は、O1:K1、O1:K2、O1:K7、O1:K8、O1:K10、O1:K12、O1:K16、O1:K19、O1:K21、O1:K22、O1:K27、O1:K34、O1:K42、O1:K45、O1:K55、O1:K57、O1:K62、O1:K65、O1:K66、O1:K69およびO1:K70、O2a、O2ac、並びにCRKP株ST258である。
【0530】
本発明の他の態様において、本発明は、クレブシエラ ニューモニエ細菌と関連する疾患の予防および/または治療のための前記医薬組成物もしくは前記ワクチンの製造のための、免疫原性担体に結合される一般式(I)の少なくとも一つの糖を含む少なくとも一つの複合体、および/または一般式(I)の少なくとも一つの糖の使用に関し、特にクレブシエラ ニューモニエ細菌と関連する疾患は、肺炎、気管支炎、髄膜炎、尿路感染症、院内感染症、腹腔内感染症、創傷感染症、血液の感染症、骨髄炎、菌血症、敗血症、および強直性脊椎炎を含む、または、からなる群から選択される。
【0531】
好ましくは、クレブシエラ ニューモニエ細菌は、O1、O2、O2ac、O3、O4、O5、O7、O8、O12、およびこれらのサブタイプを含む、またはからなるO-血清型、並びにカルバペネム抵抗性クレブシエラ ニューモニエ(CRKP)から選択される。好ましくは、O-血清型O1、O2a、O2ab、O2ac、O2ae、O2aeh、O2afg、O8、およびCRKP株ST258、より好ましくはO1、O2a、O2ab、O2ac、O2afg、O8、CRKP株ST258、である。更により好ましくは、クレブシエラ ニューモニエ株血清型は、O1:K1、O1:K2、O1:K7、O1:K8、O1:K10、O1:K12、O1:K16、O1:K19、O1:K21、O1:K22、O1:K27、O1:K34、O1:K42、O1:K45、O1:K55、O1:K57、O1:K62、O1:K65、O1:K66、O1:K69およびO1:K70、O2a、O2ac、並びにCRKP株ST258である。
【0532】
好ましくは、本発明は、前記医薬組成物または前記ワクチンの製造のための、一般式(I-1)~(Iー7)、(II-1)~(II-17)のいずれか一つの少なくとも一つの糖、および/または一般式(I-1)~(Iー7)、(II-1)~(II-17)のいずれか一つの少なくとも一つの糖を含む少なくとも一つ複合体の使用に関する。
【0533】
より好ましくは、本発明は、前記医薬組成物または前記ワクチンの製造のための、糖A-01~A-140、B-01~B-140、C-01~C-70、D-01~D-70、E-01~E-70、F-01~F-530、G-01~G-350、H-01~H-350、J-01~J-350、K-01~K-350、M-01~M70、N-01~N-70、O-01~O-70、P-01~P-70、およびQ-1~Q-700の少なくとも一つ、並びに/または、糖A-01~A-140、B-01~B-140、C-01~C-70、D-01~D-70、E-01~E-70、F-01~F-530、G-01~G-350、H-01~H-350、J-01~J-350、K-01~K-350、M-01~M70、N-01~N-70、O-01~O-70、P-01~P-70、およびQ-1~Q-700の少なくとも一つを含む少なくとも一つの複合体の使用に関する。
【0534】
特に、本発明は、前記医薬組成物または前記ワクチンの製造のために、一般式(III)、(IV)、(V)、および(V-1)~(V-14)のいずれか一つの少なくとも一つの複合体の使用に関する。
【0535】
医薬組成物は、単位用量形態で調製されてもよい。好ましくは、本発明の複合体の用量は、0.1~10μg、好ましくは1~10μg、好ましくは0.2~9μg、より好ましくは、0.5~9μg、好ましくは1~6μg、および最も好ましくは1~5μgで調製されてもよい。いくつかの実施形態において、単位用量は、0.1~10mL、例えば、約0.5mLの量を有してもよい。
【0536】
本発明は、例えば、単位用量を含む本発明の医薬組成物を含む送達装置(例えば、注射器、ネブライザー(nebuliser)、噴霧器(sprayer)、吸入器、皮膚パッチなど)も提供する。この装置は、脊椎動物の対象に組成物を投与するために使用することができる。
【0537】
本発明は、本発明の医薬組成物を、例えば単位用量含む滅菌容器(例えば、バイアルなど)も提供する。
本発明は、本発明の医薬組成物の単位用量も提供する。
【0538】
本発明は、本発明の医薬組成物を含む密閉容器も提供する。適切な容器は、例えば、バイアルを含む。
本発明の医薬組成物は、種々の形態で調製されてもよい。例えば、組成物は、液体溶液、または懸濁液のいずれかとして、注入物質として調製されてもよい。注射前の液体ビヒクル中の溶液または懸濁液のために適切な固体形態を調製することもできる(例えば、凍結乾燥組成物、またはスプレー凍結乾燥組成物)。組成物は、例えば、軟膏、クリーム、または粉末などの一般的な投与のために調製されてもよい。組成物は、例えば、錠剤またはカプセルとして、スプレーとして、またはシロップとして(任意に風味をつけて)、経口投与のために調製されてもよい。組成物は、例えば、吸入器などによって、微粉またはスプレーを用いて肺投与のために調製されてもよい。組成物は、座薬として調製されてもよい。組成物は、例えば、スプレーまたは点滴剤などとして、経鼻投与、耳投与、または眼投与のために調製されてもよい。筋肉内投与のための注射は一般的である。
【0539】
医薬組成物は、アジュバントの効果的な量、すなわち、単回投与で、または系列の一部として、個々に投与される場合、同時投与されるクレブシエラ ニューモニエ抗原への免疫応答を高めるために効果的な量を含んでもよい。
【0540】
好ましくは、クレブシエラ ニューモニエ細菌は、O1、O2、O2ac、O3、O4、O5、O7、O8、O12、およびこれらのサブタイプを含む、またはからなるO-血清型、並びにカルバペネム抵抗性クレブシエラ ニューモニエ(CRKP)から選択される。好ましくは、O-血清型O1、O2a、O2ab、O2ac、O2ae、O2aeh、O2afg、O8、およびCRKP株ST258、より好ましくはO1、O2a、O2ab、O2ac、O2afg、O8、CRKP株ST258である。更により好ましくは、クレブシエラ ニューモニエ株血清型は、O1:K1、O1:K2、O1:K7、O1:K8、O1:K10、O1:K12、O1:K16、O1:K19、O1:K21、O1:K22、O1:K27、O1:K34、O1:K42、O1:K45、O1:K55、O1:K57、O1:K62、O1:K65、O1:K66、O1:K69およびO1:K70、O2a、O2ac、並びにCRKP株ST258である。
【0541】
この量は、治療される個々の健康状態および体調、年齢、治療される個々の分類群(例えば、非ヒト霊長類、霊長類など)、抗体を合成するための個々の免疫システムの能力、所望される保護の程度、ワクチンの形成、医学的状況における治療する医師の評価、並びに他の関連する要因に依存して変えることができる。量は、ルーチン試験によって決定されることができる比較的広範囲で低下するであろう。
【0542】
本発明のワクチンの形成および投与のための技術は、「レミントンの医薬品化学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)」マック パブリッシング社(Mack Publishing Co.),イーストン(Easton) ペンシルベニア(PA)において明らかにされ得る。
【0543】
本発明に係る一つの複合体における、または一般式(I)の一つの糖における治療有効量は、疾患に対して少なくとも部分的な免疫付与をもたらす化合物の量に関する。このような化合物の毒性および治療有効性は、細胞培養または実験動物における標準的な薬学的、薬理学的、および毒物学的手順によって決定されることができる。毒性と治療有効性との間の用量比は、治療指数である。投与される組成物の実際量は、治療される患者、患者の体重、疾患の重症度、投与方法、および処方医師の判断に依存するだろう。
【0544】
本発明の他の態様は、ヒトおよび/または動物宿主においてクレブシエラ ニューモニエに対する免疫応答を誘導する方法に関し、前記方法は、前記ヒトおよび/または動物宿主に対して、一般式(I)の糖、および/または一般式(I)の糖の塩、および/または一般式(I)の糖の複合体もしくは一般式(I)の糖の医薬組成物を投与することを含む。ヒトおよび/または動物宿主において、本発明に係るクレブシエラ ニューモニエに起因する疾患を治療または予防する方法は、前記ヒトおよび/または動物宿主に対して、少なくとも一つの一般式(I)の糖、および/または一般式(I)の糖の塩、および/または一般式(I)の糖の複合体もしくは一般式(I)の糖の医薬組成物を投与することを含む。好ましくは、クレブシエラ ニューモニエ細菌は、O1、O2、O2ac、O3、O4、O5、O7、O8、O12、およびこれらのサブタイプを含む、またはからなるO-血清型、並びにカルバペネム抵抗性クレブシエラ ニューモニエ(CRKP)から選択される。好ましくは、O-血清型O1、O2a、O2ab、O2ac、O2ae、O2aeh、O2afg、O8、およびCRKP株ST258、より好ましくはO1、O2a、O2ab、O2ac、O2afg、O8、CRKP株ST258、である。更により好ましくは、クレブシエラ ニューモニエ株血清型は、O1:K1、O1:K2、O1:K7、O1:K8、O1:K10、O1:K12、O1:K16、O1:K19、O1:K21、O1:K22、O1:K27、O1:K34、O1:K42、O1:K45、O1:K55、O1:K57、O1:K62、O1:K65、O1:K66、O1:K69およびO1:K70、O2a、O2ac、並びにCRKP株ST258である。
【0545】
[免疫学的分析]
本発明の更に他の態様は、O-多糖または莢膜多糖において次の糖断片:
【0546】
【化181】
の一つを含む細菌に対する抗体の検出のための免疫学的分析におけるマーカーとして使用のための一般式(I)のオリゴ糖に関する。
【0547】
好ましくは、一般式(I)の糖は、クレブシエラ ニューモニエに対する抗体の検出のための免疫学的分析におけるマーカーとして有用である。
このような分析は、クレブシエラ ニューモニエに対する抗体の検出のために有用な、例えば、マイクロアレイおよびELISAを含む。
【0548】
本発明の糖は、クレブシエラ ニューモニエに対する抗体の検出のために有用な免疫学的分析を提供する固体支持体に容易に結合されることができる。
好ましくは、クレブシエラ ニューモニエ細菌は、O1、O2、O2ac、O3、O4、O5、O7、O8、O12、およびこれらのサブタイプを含む、またはからなるO-血清型、並びにカルバペネム抵抗性クレブシエラ ニューモニエ(CRKP)から選択される。好ましくは、O-血清型O1、O2a、O2ab、O2ac、O2ae、O2aeh、O2afg、O8、およびCRKP株ST258、より好ましくはO1、O2a、O2ab、O2ac、O2afg、O8、CRKP株ST258、である。更により好ましくは、クレブシエラ ニューモニエ株血清型は、O1:K1、O1:K2、O1:K7、O1:K8、O1:K10、O1:K12、O1:K16、O1:K19、O1:K21、O1:K22、O1:K27、O1:K34、O1:K42、O1:K45、O1:K55、O1:K57、O1:K62、O1:K65、O1:K66、O1:K69およびO1:K70、O2a、O2ac、並びにCRKP株ST258である。
【0549】
前記固体支持体は、修飾固体支持体を提供するために、一般式(I)の糖のアミノ基と、または相互連結分子の官能基Yと反応する傾向がある官能性を、固体支持体表面に示し
、一般式(I)の糖のアミノ基と更に反応することができる相互連結分子の官能基Xを固体支持体の表面に示す。本発明に係る実施形態において、固体支持体は、マイクロアレイスライドであり、マイクロアレイスライドは、修飾マイクロアレイスライドを提供するために、相互連結分子の官能基Yと反応する傾向がある官能性をマイクロアレイスライド表面に示し、相互連結分子の官能基Xをマイクロアレイスライド表面に示す。このようなマイクロアレイスライドの例は、コーニング(Corning)(登録商標)エポキシド被覆スライド、またはコーニング(Corning)(登録商標)GAPS(商標)II被覆スライドを含むが、これらに制限されない。
【0550】
好ましい実施形態において、固体支持体は、一般式(I)の糖のアミノ基と、およびより好ましくは、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)活性化エステルと反応する傾向がある官能性を固体支持体の表面上に示すマイクロアレイスライドである。このようなマイクロアレイスライドは、例えば、コードリンク(CodeLink)(登録商標)NHSスライドである。
【0551】
[図面の説明]
【図面の簡単な説明】
【0552】
図1】クレブシエラ ニューモニエO-多糖の繰り返しユニットの化学構造を示す。
図2】クレブシエラ ニューモニエO-多糖の繰り返しユニットの化学構造を示す。
図3】本発明に係る相互連結分子の官能基Xの例を提供する。
図4A】本発明のオリゴ糖の複合体を概略的に示す。
図4B】CRM197担体タンパク質に結合される本発明の糖のいくつかの例を記載する。
図5】免疫付与実験において使用され、10%ポリアクリルアミドゲルを用いて分析される複合糖質(2.5μg/ウェル)61-CRM197および158-CRM197のSDS-PAGEを示す。
図6】KPC複合糖質61-CRM197および158-CRM197のSECクロマトグラムを示す。
図7】61-CRM197製剤または158-CRM197製剤を用いて免疫性を与えられたマウス(n=6)からの0日および35日のプール血清のELISA力価を示す。前記製剤における血清は、対応するO-抗原BSA複合体61-BSAまたは158-BSAに対して試験された。血清は、1%BSA-PBSを用いて1:100、1:1000および1:10,000に希釈された。希釈された血清(100μL)を、0.5μgの対応するO-抗原/BSA複合体を用いて被覆したマイクロタイタープレートのウェル毎に加えた。1:10000に希釈されたHRP結合ヤギ抗-マウス二次抗体を用いて検出を行い、TMB基質を用いて発色させた。吸光度を450nmで測定し、データをグラフパッドプリズム(GraphPad prism)ソフトウェアを用いてプロットした。
図8】61-CRM197製剤または158-CRM197製剤を用いて免疫付与されたマウス(n=6)からの0日および35日のプール血清の交差反応性を示す。前記製剤における血清は、対応する株61:LPS(O1)および158:LPS(Gal-III)からのLPSに対して試験された。両方の場合において、血清は、1%BSA-PBSを用いて1:200に希釈された。希釈された血清(100μL)を、1.0μgの対応するLPSを用いて被覆したマイクロタイタープレートのウェル毎に加えた。1:10000に希釈されたHRP結合ヤギ抗-マウス二次抗体を用いて検出を行い、TMB基質を用いて発色させた。吸光度を450nmで測定し、データをグラフパッドプリズム(GraphPad prism)ソフトウェアを用いてプロットした。
図9】61-CRM197製剤を用いて免疫付与されたウサギ(n=4)からの0日、および35日のプール血清の交差反応性を示す。61-CRM197製剤における血清は、異なるKPC株から単離されたLPSに対して試験された。血清は、LPS(O1)、商業用-LPS(O2a,c)、LPS(O2a)、およびLPS(Gal III)に対して試験された。血清は、1%BSA-PBSを用いて1:200に希釈され、100μLの希釈された血清を、1.0μgの対応するLPSを用いて被覆したマイクロタイタープレートのウェル毎に加えた。1:10000に希釈されたHRP結合ヤギ抗-ウサギ二次抗体を用いて検出を行い、TMB基質を用いて発色させた。吸光度を450nmで測定し、データをグラフパッドプリズム(GraphPad prism)ソフトウェアを用いてプロットした。
図10】158-CRM197製剤を用いて免疫付与されたウサギ(n=4)からの0日、7日、21日、および35日のプール血清のELISA力価を示す。血清158-CRM197製剤は、対応するO-抗原/BSA複合体158*-BSAに対して試験された。血清は、1%BSA-PBSを用いて1:1000および1:10,000に希釈された。希釈された血清(100μL)を、0.5μgの対応するO-抗原/BSA複合体を用いて被覆したマイクロタイタープレートのウェル毎に加えた。1:10000に希釈されたHRP結合ヤギ抗-ウサギ二次抗体を用いて検出を行い、TMB基質を用いて発色させた。吸光度を450nmで測定し、データをグラフパッドプリズム(GraphPad prism)ソフトウェアを用いてプロットした。
図11】158-CRM197製剤を用いて免疫付与されたウサギ(n=4)からの0日および35日のプール血清の交差反応性を示す。158-CRM197製剤における血清は、異なるKPC株から単離されたLPSに対して試験された。血清は、LPS(O1)、商業用-LPS(O2a,c)、LPS(O2a)、およびLPS(Gal III)に対して試験された。血清は、1%BSA-PBSを用いて1:200に希釈され、および100μLの希釈された血清を、1.0μgの対応するLPSを用いて被覆したマイクロタイタープレートのウェル毎に加えた。1:10000に希釈されたHRP結合ヤギ抗-ウサギ二次抗体を用いて検出を行い、TMB基質を用いて発色させた。吸光度を450nmで測定し、データをグラフパッドプリズム(GraphPad prism)ソフトウェアを用いてプロットした。
図12】本発明のオリゴ糖で使用される更なるリンカーL’および出発材料を示す。
【発明を実施するための形態】
【0553】
[実施例]
[化学合成]
一般情報:
商業用等級溶媒を、特に明記しない限り使用した。乾燥溶媒を、水乾燥溶媒システム(Waters Dry Solvent System)から得た。クロマトグラフィーのための溶媒を、使用する前に蒸留した。敏感反応を、熱-乾燥ガラス製品中で、アルゴン雰囲気下で行った。分析的薄層クロマトグラフィー(TLC)を、0.25mm厚のシリカゲルでプレコートされたキエセルゲル(Kieselgel)60 F254ガラスプレートで行った。スポットを、バニリン溶液(95%EtOH中に、6%(w/v)バニリンおよび10%(v/v)硫酸を有する)またはハネシアン(Hanessian’s)染色(水中に、5%(w/v)モリブデン酸アンモニウム、1%(w/v)硫酸セリウム(II)、および10%(v/v)硫酸を有する)を用いて染色することによって可視化した。シリカカラムクロマトグラフィーをフルカ(Fluka) キエセルゲル60(230~400メッシュ)で行った。
【0554】
H、13C、および二次元NMRスペクトルを、296Kでバリアン(Varian)400-MRスペクトロメーターを用いて測定した。化学シフト(d)は、各残留溶媒ピーク(CDClH NMRでd7.26、および13C NMRで77.16;CDOD:H NMRでd3.31、および13C NMRで49.15)に関連して100万分の1(ppm)で報告される。次の略語は、ピーク多重度を示すために使用
される:s 一重項;d 二重項;dd 二重項の二重項(doublet of doublets);t 三重項;dt 三重項の二重項(doublet of triplets);q 四重項;m 多重項。カップリング定数(J)は、ヘルツ(Hz)で報告される。旋光度(OR)測定を、シュミット&ヘンシュ(Schmidt&Haensh) ウニポル(UniPol)L1000偏光計を用いてλ=589nmで、括弧に記述される溶媒中で、g/100mLで表される濃度(c)で行った。高分解能質量分析(HRMS)は、ベルリン自由大学の質量分析中核施設で、アジレント(Agilent)6210 ESI-TOF質量分析計を用いて行われた。赤外線(IR)スペクトルは、出願人の施設でパーキンエルマー(Perkin Elmer)100 FTIR分光計を用いて測定された。
【0555】
[略語]
AcOH 酢酸
Alloc アリルオキシカルボニル
aq.水溶液
BH ボラン
BBr 三臭化ホウ素
BnBr 臭化ベンジル
Boc tert-ブトキシカルボニル
br. ブロード
CAS CAS登録番号(CAS=ケミカル アブストラクツ サービス)
CHCl クロロホルム
cHex シクロヘキサン
d 二重項
dd 二重項の二重項
DCM ジクロロメタン
DEAD ジエチルアゾジカルボキシレート
DIPEA N,N-ジイソプロピル-エチルアミン
DME ジメトキシエタン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DPPA ジフェニルホスホリルアジド
EA 酢酸エチル
EDC・HCl N1-((エチルイミノ)メチレン)-N3,N3-ジメチルプロパン-1,3-ジアミンヒドロクロリド
ES 電気スプレー
EtO ジエチルエーテル
EtOAc 酢酸エチル
h 時間
HCl 塩酸
O 水
HOBt.HO 1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-1-オール水和物KCO 炭酸カリウム
LiAlH 水素化アルミニウムリチウム
m 多重項
ACN アセトニトリル
MeOH メタノール
MeI ヨウ化メチル
MgSO 硫酸マグネシウム
min 分
MS 質量分析
NaCO 炭酸ナトリウム
NaCNBH シアノ水素化ホウ素ナトリウム
NaHCO 炭酸水素ナトリウム
NaH 水素化ナトリウム
NaOH 水酸化ナトリウム
NaSo 硫酸ナトリウム
NCS N-クロロスクシンイミド
NMR 核磁気共鳴
PBS リン酸緩衝生理食塩水
Pd/C パラジウム/炭素
q 四重項
RM 反応混合物
RBF 丸底フラスコ
rt 室温
s 一重項
sat. 飽和
sep 七重項
SM 出発材料
t 三重項
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TsOH トシル酸
Wt 重量
【0556】
[一般的方法]
[イミデート合成-一般的プロトコルA:]基質(1eq)を、ロータリーエバポレーターで、一晩、高真空下で、トルエンを用いて共沸して乾燥した。固体を、窒素雰囲気下で、DCM中に入れ、それにCsCO(4eq)を加え、10分間攪拌した。(E)-2,2,2-トリフルオロ-N-フェニル-アセトイミドイルクロリド(3eq)を、RMニート(neat)に加え、RMを室温で3時間攪拌した。RMをセライトに通してろ過し、DCMを用いて洗浄した。合わせたろ液を、真空中で蒸発させ、粗生成物を得た。溶離液としてトリエチルアミンおよび酢酸エチル/シクロヘキサンを用いて処理されたシリカカラムで精製を行った。溶媒除去および真空下での乾燥により、淡黄色の固体として化合物を得た。
【0557】
[イミデート合成-一般的プロトコルB:]基質(1eq)を、ロータリーエバポレーターで、一晩、高真空下で、トルエンを用いて共沸して乾燥した。固体を、窒素雰囲気下で、DCM中に入れ、それにCsCO(4eq)を加え、10分間攪拌した。(E)-2,2,2-トリフルオロ-N-フェニル-アセトイミドイルクロリド(3eq)を、RMニート(neat)に加え、RMを室温で3時間攪拌した。RMをセライトに通してろ過し、DCMを用いて洗浄した。合わせたろ液を、真空中で蒸発させ乾燥し、淡黄色生成物を得た。
【0558】
[グルコシル化の方法-一般的プロトコルA:]受容体(1eq)および供与体(1eq~1.5eq)の両方をRBF中に入れ、真空中で乾燥トルエンを用いて共沸して乾燥した。混合物を、トルエン-ジオキサン(3:1)中に室温で取り、それに4Åモレキュラーシーブを加え、室温で30分間、N雰囲気下で攪拌した。RMを-2℃に氷水浴を用いて冷却し、TMSOTf(0.2eq)をRMに加え、RMを5℃で20分間攪拌した。RMをその後、室温に1時間以上かけてゆっくり温めさせた。TLC分析は反応の終
了を観察するために行われた。RMを、飽和NaHCOを用いてクエンチし、10分間攪拌し、EAを用いて抽出した。合わせた有機物を、水、ブラインを用いて洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空中で蒸発させ、粗生成物を得た。シリカにおけるカラム精製は、シリカカラムを用いたバイオタージ(Biotage)の、EA/シクロヘキサンを用いて行った。生成物を含む画分を蒸発させ、真空下で乾燥させ所望の生成物を得た。
【0559】
[グルコシル化方法-一般的プロトコルB:]受容体(1eq)および供与体(1eq~1.5eq)の両方をRBF中に入れ、真空中で乾燥トルエンを用いて共沸して乾燥した。混合物を、DCM中に室温で取り、それに4Åモレキュラーシーブを加え、室温で30分間、N雰囲気下で攪拌した。RMを-2℃に氷水浴を用いて冷却し、TMSOTf(0.2eq)をRMに加え、RMを5℃で20分間攪拌した。RMをその後、室温に1時間以上かけてゆっくり温めさせた。TLC分析は反応の終了を観察するために行われた。RMを、飽和NaHCO(またはTEA)を用いてクエンチし、10分間攪拌し、DCMを用いて抽出した。合わせた有機物を、水、ブラインを用いて洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空中で蒸発させ、粗生成物を得た。シリカにおけるカラム精製は、シリカカラムを用いたバイオタージ(Biotage)の、EA/シクロヘキサンを用いて行った。生成物を含む画分を蒸発させ、真空下で乾燥させ所望の生成物を得た。
【0560】
[Lev基脱保護-一般的プロトコルA:]Lev含有基質(1eq)をピリジン中に室温で入れ、それにヒドラジン酢酸塩(3eq)を加え、室温で18時間攪拌した。反応をTLC分析によって観察した。RMをその後、アセトン(100eq)を用いてクエンチし、室温で45分間攪拌した。RMを真空中で乾燥させるために蒸発させた。シリカカラムのバイオタージ(Biotage)を用いて、溶離液としてEA-シクロヘキサンを用いて残渣を精製し、糖活性スポットを得て、高真空中で蒸発および乾燥させて、所望の化合物を、無色粘着性の液体として得た。
【0561】
[Nap基脱保護-一般的プロトコルA:]NAP含有基質(1eq)をDCM緩衝溶液(1-2)に室温で入れ、DDG(3~4eq)を20分~1時間以上かけて少しずつ加え、RMは黒くなり、その後、赤茶色に変化した。RM2~5時間攪拌した。反応を、TLC分析によって反応の終了のために観察した。RMを、NaHCO溶液を用いてクエンチし、DCMを用いて抽出した。合わせた有機物を、ブライン溶液を用いて洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、真空中で蒸発させ、粗生成物を得た。シリカカラムのバイオタージ(Biotage)-溶離液としてEA/シクロヘキサンを用いて粗生成物を精製し、生成物を得た。
【0562】
[TDS基脱保護-一般的プロトコルA:]基質(1eq)を、50mLファルコンチューブのピリジンに入れ、室温で5分間攪拌した。その後、それにHF-Py(15eq)を加えた(注意:泡および発熱性)。RMを18時間室温で攪拌した。TLC分析は、SMが存在し、その上、極性スポットが形成されたことを示した。したがって、10等量のHF-Pyをもう一度RMに加え、RMを、さらに30時間室温で攪拌し、TLC分析は、まだいくつかSMが存在し、その上、大きい極性スポットが存在することを示した。RMを、水を用いてクエンチし、DCMを用いて希釈し、室温で攪拌しながら層を十分に混合し、層を分離した。水層を、DCMを用いて抽出した。合わせた有機層を、NaHCO(いくつかの泡立ちに気を付ける)、ブラインを用いて洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、真空中で蒸発させ、白色の粘着性の液体を得た。シリカカラムを有するバイオタージ(Biotage)-溶離液としてEA/CHxを用いて粗生成物を精製し、生成物を得た。
【0563】
[TDS基脱保護-一般的プロトコルB:]基質(1eq)を、50mLファルコンチューブのピリジンに入れ、室温で5分間攪拌した。その後、それにHF-Py(50~1
50eq)を加えた(注意:泡および発熱性)。RMを室温で18時間攪拌した。反応をTLC分析によって観察した。RMを、水を用いてクエンチし、DCMを用いて希釈し、室温で攪拌しながら層を十分に混合し、層を分離した。水層を、DCMを用いて抽出した。合わせた有機層を、NaHCO洗浄(いくつかの泡立ちに気を付ける)、ブラインを用いて洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、真空中で蒸発させ、白色の粘着性の液体を得た。シリカカラムを有するバイオタージ(Biotage)-溶離液としてEA/CHxを用いて粗生成物を精製し、生成物を得た。
【0564】
[メタノリシス-一般的プロトコルA:]基質(1eq)をTHF-MeOH(1:1)に、室温で入れ、それにメタノール中に過剰な0.5MのNaOMeを有する溶液を加え、55℃で18時間攪拌を続けた。RMを真空中で蒸発させた。EAおよび水を用いて希釈した。中和pHになるまでAcOHを用いて酸性化した。EAを用いて抽出した。合わせた有機物を、ブライン溶液を用いて洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、真空中で蒸発させ、淡黄色層として粗生成物を得た。
【0565】
[メタノリシス-一般的プロトコルB:]基質(1eq)をTHF-MeOH(1:1)に、室温で入れ、それにメタノール中に過剰な0.5MのNaOMeを有する溶液を加え、55℃で3日間攪拌を続けた。RMを真空中で蒸発させた。EAおよび水を用いて希釈した。中和pHになるまでAcOHを用いて酸性化した。EAを用いて抽出した。合わせた有機物を、ブライン溶液を用いて洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、真空中で蒸発させ、淡黄色層として粗生成物を得た。
【0566】
[水素化-一般的プロトコルA:]基質(1eq)をDCM:tBuOH:HOの混合物に入れ、それに、ブタノール(0.2mL)中にPd/C(1eq,w/w)を有する懸濁液を加え、~10バールH雰囲気下で18~24時間水素化した。RMをPTFEフィルターに通してろ過し、メタノール、水中に50%メタノールを有する溶液を用いて洗浄した。ろ液を真空下で濃縮し、粗生成物を得た。溶出液として水-アセトニトリルを用いて、C18セッパック(Sepak)カラムを用いて粗生成物を精製した。生成物を含む分画を24時間凍結乾燥させ、所望の生成物として白色のフワフワとした固体を得た。
【0567】
[水素化-一般的プロトコルB:]基質(1eq)をDCM:tBuOH:HOの混合物に入れ、それに、ブタノール(0.2mL)中にPd(OH)(1eq,w/w)を有する懸濁液を加え、~10バールH雰囲気下で18~24時間水素化した。RMをPTFEフィルターに通してろ過し、メタノール、水中に50%メタノールを有する溶液を用いて洗浄した。ろ液を真空下で濃縮し、粗生成物を得た。溶出液として水-アセトニトリルを用いて、C18セッパック(Sepak)カラムを用いて粗生成物を精製した。生成物を含む分画を24時間凍結乾燥させ、所望の生成物として白色のフワフワとした固体を得た。
【0568】
[水素化-一般的プロトコルC:]基質(1eq)をDCM:IPA:HOの混合物に入れ、それに、IPA中にPd/C(1eq,w/w)を有する懸濁液を加え、~10バールH雰囲気下で18~24時間水素化した。RMをPTFEフィルターに通してろ過し、メタノール、水中に50%メタノールを有する溶液を用いて洗浄した。ろ液を真空下で濃縮し、粗生成物を得た。溶出液として水-アセトニトリルを用いて、C18セッパック(Sepak)カラムを用いて粗生成物を精製した。生成物を含む分画を24時間凍結乾燥させ、所望の生成物として白色のフワフワとした固体を得た。
【0569】
[A-1 単糖構成要素の調製]
化合物1
【0570】
【化182】
【0571】
化合物1を、J.Org.Chem.,2007,72(17),pp6513-6520に記述される手順に従って調製した。
化合物2
【0572】
【化183】
【0573】
化合物1(40g,80mmol)を、無水THF/DMF9:1(390mL)中に溶解し、氷/水浴で0℃に冷却した。BnBr(20.9g,120mmol)を加え、混合物を5分間0℃で攪拌した。その後、NaH(6.39g,160mmol)を、5分割で、0℃で加えた。NaHの添加の完了後、混合物をさらに5分間0℃で攪拌し、その後、氷浴を除去し、混合物を室温に温めた。混合物を室温で一晩攪拌した。氷/水浴による冷却下で、メタノールをゆっくり添加することによって反応をクエンチし、その後、EtOAc/ブラインに注いだ。層を分離し、水層を、EtOAcを用いて2度抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、ろ過し、蒸発させ、高真空下で乾燥させ、オレンジ色の固体を得た。固体を、メタノールを用いて洗浄し、ろ過した。溶媒を蒸発させ、白色固体として生成物(47.1g,100%)を得た。HRMS(ESI+)C3734SNa[M+Na]の計算値は613.2025,実測値は613.2024であった。
化合物3
【0574】
【化184】
【0575】
化合物2(47.1g,80mmol)を、無水DCM(500mL)中に溶解し、エタンチオール(35.4mL,478mmol)およびpTSOH(9.1g,47.8mmol)を、連続して加えた。混合物を室温で0.5時間攪拌した。トリエチルアミン(50mL)を用いて反応をクエンチし、溶媒を蒸発させ、淡黄色の油として粗生成物
を得た。酢酸エチル/シクロヘキサンを用いてカラムクロマトグラフィーによって粗生成物を精製し、溶媒の蒸発後、生成物を得た(38.18g,95%)。HRMS(ESI+)C3030SNa[M+Na]の計算値は525.1712,実測値は525.1708であった。
化合物4
【0576】
【化185】
【0577】
ジオール3(15g,29.8mmol)を、無水DMF(300mL)中に溶解し、氷/水浴を用いて0℃に冷却した。BuSi(OTf)(19.72g,44.8mmol)を加え、反応混合物を0℃で30分間攪拌した。混合物を、EtN(9mL)を用いて中和し、さらに5分間攪拌した。混合物を、その後、水を用いて希釈し、酢酸エチルを用いて3回抽出した。合わせた有機分画を、ブラインを用いて洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過し、および真空中で濃縮した。粗化合物を、アイソリュート(isolute)(登録商標)でチャージし、酢酸エチル/シクロヘキサンを用いた自動精製システムを用いて精製し、生成物を得た(18.18g,95%)。HRMS(ESI)C3846SSiNa[M+Na]の計算値は665.2733、実測値は665.2682であった。
化合物5
【0578】
【化186】
【0579】
化合物5を、J.Org.Chem.,2006,71,9658に記述される手順に従って調製した。
化合物6
【0580】
【化187】
【0581】
化合物5(8.6g,20.65mmol)を、無水DCM(86mL)中に溶解し、並びにレブリン酸(3.6g,31mmol)、EDC(5.94mmol,31mmol)およびDMAP(2.5g,20.65mmol)を、連続して加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌した。混合物を、DCMとブラインとの間に分配した。水層を、D
CMを用いて2回抽出した。有機層を、NaSOで乾燥させ、ろ過し、および蒸発させ、粗生成物を得た。粗生成物を、アイソリュートでチャージし、自動精製システム(酢酸エチル/シクロヘキサン)を用いて精製し、溶媒を蒸発させ、無色の油として生成物を得た(12.26g,99%)。HRMS(ESI)C2730SNa[M+Na]の計算値は537.1559、実測値は537.1544であった。
化合物7
【0582】
【化188】
【0583】
化合物6(6.59g,12.81mmol)を、THF/水1:1(250mL)中に溶解し、pTsOH(2.92g,15.37mmol)を加えた。混合物を還流下(~80℃)で攪拌し、TLCによって観察した。1.5時間後、混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO溶液を用いて中和した。水層を、EtOAcを用いて3回抽出し、有機層をNaSOで乾燥させ、ろ過し、および蒸発させ、無色の油を得た(5.76g,95%)。HRMS(ESI+)C2426SNa[M+Na]の計算値は497.1246,実測値は497.1230であった。
化合物8
【0584】
【化189】
【0585】
ジオール7(4.5g,9.48mmol)を、無水DCM(45mL)中に溶解し、氷/水浴を用いて0℃に冷却した。ピリジン(4.5g,56.9mmol)およびDMAP(0.116g,0.948mmol)を加え、その後BzCl(8g,56.9mmol)を滴下した。溶液を、ゆっくり室温に温めながら攪拌した。一晩攪拌後、飽和NaHCO水溶液を用いて反応をクエンチし、DCMを用いて2回抽出した。有機層を、NaSOで乾燥し、ろ過し、および減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、アイソリュートでチャージし、シリカ(酢酸エチル/シクロヘキサン)を用いた自動精製システムを用いて精製し、溶媒を蒸発させ、白色の泡として生成物を得た(5.78g,89%)。HRMS(ESI)C383410SNa[M+Na]の計算値は705.1770、実測値は705.1774であった。
化合物9
【0586】
【化190】
【0587】
化合物9を、Tetrahedron 2015,71,33,5315-5320に記述される手順に従って調製した。
化合物10
【0588】
【化191】
【0589】
化合物10を、J.Carb.Chem.2001,20,9,855-865に記述される手順に従って調製した。
化合物11
【0590】
【化192】
【0591】
化合物11を、J.Org.Chem.2014,79,10203-10217に記述される手順に従って調製した。
化合物12
【0592】
【化193】
【0593】
化合物12を、J.Org.Chem.2014,79,10203-10217に記述される手順に従って調製した。
化合物13
【0594】
【化194】
【0595】
アセトニトリル(100mL)中に1-O-アリルガラクトース(10g,45.4mmol)、ベンズアルデヒドジメチルアセタール(10.37g,68.1mmol)およびカンファースルホン酸(29.5g,127mmol)を有する溶液を、30分間室温で攪拌した。30分後、TLCは、出発材料から生成物への変換の完了を示した。トリエチルアミンを用いて反応をクエンチし、その後、粘度が高いシロップへと濃縮した。シリカゲルを用いた、および溶出液としてジクロロメタン/メタノールを用いた自動精製(コンビフラッシュ(Combiflash)は、白色の固体として生成物を与えた(12g,86%)。HRMS(ESI)C1620Na[M+Na]の計算値は331.1158、実測値は331.1098であった。
化合物14
【0596】
【化195】
【0597】
250mLのRBF中において、BuSnO(14.53g,58.4mmol)を、トルエン423mL中にジオール13(12g,38.9mmol)を有する透明溶液に室温で加えた。その後、反応混合物を、130℃で6時間、還流を維持し、溶媒を真空下で除去し、トルエン(3×10mL)を用いて反応を共沸した。溶媒の完全な除去後、アセタールを真空下で0.5時間乾燥した。アセタールをアルゴンの存在下で真空から除去し、DMF(423mL)に溶解した。この溶液に、2-(ブロモメチル)ナフタレート(12.91g,58.4mmol)およびTBAI(28.5g,78mmol)を加え、反応混合物を110℃で20時間、攪拌を維持した。反応をTLC(n-ヘキサン中に40%EtOAc)によって観察した。20時間後、反応混合物を酢酸エチルおよび水を用いて希釈した。水層を分離し、EtOAc(2×30mL)を用いて洗浄した。合わせた有機層を、NaSOで乾燥させ、ろ過し、およびろ液を、ロータリーエバポレーターの35℃浴温度で、30分間真空下濃縮し、粗生成物を得た。溶出液としてシクロヘキサン中に酢酸エチルを有する溶液(グラジエント、0~100%)を用いて、自動フラッシュカラムクロマトグラフィーで粗生成物を精製した。真空中、30℃~35℃の浴温度で、100mLのRBF中に不純物を含む試験管からの溶媒の濃縮は、結果的に無色の油を与えた。さらに、氷冷酢酸エチルを用いた洗浄は、純粋な生成物を与えた(14.49g,83%)。
化合物15
【0598】
【化196】
【0599】
化合物14(14.30g,31.9mmol)を、DCM(130mL)中に溶解し、氷/水浴を用いて0℃に冷却した。ピリジン(7.74mL,96mmol)およびDMAP(0.390g,3.19mmol)を加え、その後BzCl(10.15mL,96mmol)を滴下した。溶液を、ゆっくり室温に温めながら攪拌した。一晩攪拌後、飽和NaHCO水溶液を用いて反応をクエンチし、DCMを用いて2回抽出した。有機層を、NaSOで乾燥させ、ろ過し、および減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、アイソリュートでチャージし、酢酸エチル/シクロヘキサンを用いた自動精製システムを用いて精製し、溶媒を蒸発させ、白色の泡として生成物を得た(10.1g,57%)。
化合物16
【0600】
【化197】
【0601】
化合物15(8.7g,15.74mmol)を、ジクロロメタン(102mL)中に溶解した。溶液を0℃に冷却し、トリエチルシラン(17.78mL,110mmol)および2,2,2-トリフルオロ酢酸(8.44mL,110mmol)を加えた。混合物を0℃で10分間攪拌し、その後、一晩室温で攪拌した。飽和NaHCO水溶液を用いて反応をクエンチした。混合物を、DCMを用いて抽出し、有機層を、ブラインを用いて洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過し、および濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、アイソリュートでチャージし、酢酸エチル/シクロヘキサンを用いた自動精製システムを用いて精製し、溶媒を蒸発させ、白色の泡として生成物を得た(5.8g,66.4%)。HRMS(ESI+)C3434Na[M+Na]の計算値は577.2202、実測値は577.2078であった。
化合物17
【0602】
【化198】
【0603】
化合物16(5.8g,10.46mmol)を、THF/DMF 9:1(47mL/5mL)に溶解し0℃に冷却した。臭化ベンジル(2.54mL,20.91mmol)を加え、混合物を5分間0℃で攪拌した。その後、水素化ナトリウム(0.837g,20.91mmol)を、0℃で、少しずつ加えた。水素化ナトリウムの添加の完了後、混合物を、0℃でさらに5分間攪拌し、2時間かけて室温に温めた。冷却下、飽和塩化アンモニウム溶液をゆっくり添加することによって反応をクエンチし、その後、酢酸エチル/水中に注いた。層を分離し、水層を、酢酸エチルを用いて抽出し、合わせた有機層をNaHCOおよびブラインを用いて洗浄した。ろ液を、NaSOで乾燥させ、ろ過し、蒸発させ、高真空下で乾燥させ、オレンジ色の固体を得た。固体を、メタノールを用いて洗浄し、ろ過し、および乾燥させ、白色の固体として生成物(5.8g,86%)を得た。HRMS(ESI+)C4140Na[M+Na]の計算値は667.2672,実測値は667.2567であった。
化合物18
【0604】
【化199】
【0605】
単糖化合物17(0.995g,1.543mmol)を、DCM溶液(34mL)に移し、50mL RFB DDQ(1.576g,6.94mmol)中にリン酸塩緩衝液pH7.4(17mL)を有する溶液を、2.5時間の期間にわたってゆっくり加え、6時間攪拌した。飽和NaHCO水溶液(40mL)の添加よって反応をクエンチし、DCMを用いて抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO(50mL)、ブライン(100mL)を用いて洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮し、淡黄色のオイルとして粗生成物を得た。シクロヘキサン中に酢酸エチルを有する溶液を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製を行った。得られた化合物を、その後、ジクロロメタンに溶解し、真空下で蒸発を続け、無色透明な粘着性液体を結果的に得て、高真空下で乾燥させ、フワフワした白色の固体(0.55g,71%)を形成した。HRMS(ESI+)C3032Na[M+Na]の計算値は527.2046,実測値は527.1978であった。
化合物19
【0606】
【化200】
【0607】
化合物3(10.90g,21.7mmol)を、DCM(89mL)中に溶解し、0℃に冷却した。ピリジン(5.26mL,65mmol)およびDMAP(0.265g,2.2mmol)を加え、その後BzCl(6.90mL,65mmol)を滴下した。溶液を、室温に温めた。一晩攪拌後、飽和NaHCO水溶液を用いて反応をクエンチし、DCMを用いて抽出した。有機層を、NaSOで乾燥させ、ろ過し、および濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、アイソリュートでチャージし、酢酸エチル/シクロヘキサンを用いた自動精製システムを用いて精製し、溶媒を蒸発させ、白色の泡として生成物(13.85g,90%)を得た。HRMS(ESI+)C4438SNa[M+Na]の計算値は733.2236,実測値は733.2134であった。
化合物20
【0608】
【化201】
【0609】
[1,5-シクロオクタジエン)(ピリジン)(トリシクロヘキシルホスフィン)-Ir(I)]PF(0.79g,0.155mmol)をテトラヒドロフラン(30mL
)に溶解し、赤色触媒が溶解する間、窒素を、2分間室温で溶液に通して泡立てた。溶液を、その後、2分間水素を用いてパージし、その時間によって、赤色溶液は、無色に変換し、溶液を水素下で15分間攪拌した。活性触媒の溶液を、その後、テトラヒドロフラン(15mL)中に化合物15(1g,1.55mmol)を有する溶液に、窒素下で、注射器を介して加え、2時間室温で攪拌した。反応混合物を、飽和NaHCO水溶液(10mL)を用いてクエンチし、ジクロロメタン(3×10mL)を用いて抽出した。合わせた有機層を、ブライン(10mL)を用いて洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過し、および蒸発させ、アリル異性化化合物を得た。ビニル基質を、その後、テトラヒドロフラン:水(2:1,45mL)の混合物中に取り込み、ヨウ素(0.787g,3.10mmol)を室温で加えた。10%Na(10mL)を用いてクエンチする前に、褐色溶液を2時間攪拌した。水層を、酢酸エチル(3×15mL)を用いて抽出し、合わせた有機層を、NaSOで乾燥させ、ろ過し、および蒸発させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中に酢酸エチル30%)は、黄色の固体として生成物(0.55g,59%)を与えた。HRMS(ESI+)C3836Na[M+Na]の計算値は627.2359,実測値は627.2267であった。
化合物21
【0610】
【化202】
【0611】
化合物20(0.55g,0.910mmol)を、ジクロロメタン(11mL)に溶解した。CsCO(0.593g,0.910mmol)、および2,2,2-トリフルオロ-N-フェニルアセトイミドイルクロリド(0.566g,2.73mmol)を加え、反応混合物を室温で一晩攪拌した。反応混合物をセライトパッド(2cm)に通してろ過し、DCM(50mL)を用いて洗浄し、およびろ液を濃縮し、淡黄色の油を得た。フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル+0.1%EtN)によって精製を行い、黄色の泡としてイミデート(0.608g,86%)を得た。HRMS(ESI+)C4640NONa[M+Na]の計算値は798.2655,実測値は798.2555であった。
化合物22
【0612】
【化203】
【0613】
化合物11(3.65g,6.24mmol)を、DCM(40mL)中に溶解し、並びにレブリン酸(1.087g,9.36mmol)、EDC(1.795g,9.36mmol)およびDMAP(0.763g,9.36mmol)を、連続して加えた。反応混合物を室温で17時間攪拌した。混合物を、DCMとNaHCO溶液との間に分配した。水層を、DCMを用いて抽出した。有機層を、NaSOで乾燥させ、ろ過し
、および蒸発させ、粗生成物を得た。粗生成物を、アイソリュートでチャージし、自動精製システム(酢酸エチル/シクロヘキサン)を用いて精製し、溶媒を蒸発させ、無色の油として生成物(3.82g,90%)を得た。HRMS(ESI)C383410SNa[M+Na]の計算値は705.1765、実測値は705.1763であった。
化合物23
【0614】
【化204】
【0615】
化合物22(2.8g,4.10mmol)を、DCM/水 3:1(40mL)に溶解し、N-ブロモスクシンイミド(2.19g,12.30mmol)を加えた。混合物を室温で45分間攪拌した。混合物を、DCMと飽和NaHCO溶液との間に分配した。水層を、DCMを用いて抽出した。有機層を、0.1M Naを用いて洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過し、および蒸発させ、粗生成物を得た。粗生成物を、アイソリュート(登録商標)でチャージし、自動精製システム(酢酸エチル/シクロヘキサン)を用いて精製し、溶媒を蒸発させ、無色の油として生成物(2.30g,95%)を得た。HRMS(ESI+)C323011Na[M+Na]の計算値は613.1680、実測値は613.1678であった。
化合物24
【0616】
【化205】
【0617】
化合物23(2g,3.39mmol)を、DCM(20mL)に溶解し、炭酸セシウム(2.207g,6.770mmol)、および(E)-2,2,2-トリフルオロ-N-フェニルアセトイミドイルクロリド(2.109g,10.16mmol)を連続して加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌した。混合物をセライトでろ過し、DCMを用いて洗浄し、およびろ液を蒸発させ、無色の油として生成物(2.5g,97%)を得た。
化合物25
【0618】
【化206】
【0619】
化合物25を、Nakashima,S.;Ando,H.;Imamura,A.;Yuki,N.;Ishida,H.;Kiso,M.Chem.-Eur.J.20
11,17,588-597、に記述される手順にしたがって調製した。
化合物26
【0620】
【化207】
【0621】
化合物24(2.5g,3.28mmol)および化合物25(1.46g,2.74mmol)を100mLRBF中に入れ、トルエン(40mL)を加え、化合物を真空下で共沸した(2回)。高真空下で乾燥させた材料を、ジクロロメタン(25mL)に溶解し、乾燥した4Åモレキュラーシーブ(MS)を加え、室温で10分間攪拌し、その後-10℃に冷却した。TMS-OTf(50μL,0.274mmolを、反応混合物に加え、反応混合物を0℃で1.5時間にわたってゆっくり温めながら攪拌した。飽和NaHCO水溶液の添加によって反応をクエンチした。層を分離し、水層を、DCMを用いて抽出した。有機層を、NaSOで乾燥させ、ろ過し、蒸発させた。粗生成物を、アイソリュートでチャージし、自動精製システム(酢酸エチル/シクロヘキサン)を用いて精製し、溶媒を蒸発させ、無色の油として生成物(2.51g,83%)を得た。HRMS(ESI+)C5450ClNO16SNa[M+Na]の計算値は1128.1808、実測値は1128.1904であった。
化合物27
【0622】
【化208】
【0623】
化合物26(2.5g,2.26mmol)をDCM/HO 10:1(275mL)に溶解し、N-ヨードスクシンイミド(0.508g,2.26mmol)およびトリフルオロ酢酸(0.173mL,2.26mmol)を0℃で加えた。混合物を0℃で2時間攪拌し、その後、DCMと飽和NaHCO水溶液との間で分配した。水層を、DCMを用いて抽出し、有機層を0.1M Naを用いて洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過し、蒸発させた。粗生成物を、アイソリュートでチャージし、自動精製システム(酢酸エチル/シクロヘキサン)を用いて精製し、溶媒を蒸発させ、無色の油として生成物(1.09g,47.4%)を得た。HRMS(ESI+)C4846ClNO17Na[M+Na]の計算値は1036.1724、実測値は1036.1828であった。
化合物28
【0624】
【化209】
【0625】
化合物27(1.05g,1.034mmol)を、無水DCM(10mL)に溶解し、炭酸セシウム(0.674g,2.068mmol)、および(E)-2,2,2-トリフルオロ-N-フェニルアセトイミドイルクロリド(0.644g,3.10mmol)を連続して加えた。反応混合物を室温で3時間攪拌した。混合物をセライトでろ過し、DCMを用いて洗浄し、およびろ液を蒸発させ、無色の油として生成物(1.2g,98%)を得た。HRMS(ESI+)C5650Cl17Na[M+Na]の計算値は1207.2019、実測値は1207.2043であった。
化合物29
【0626】
【化210】
【0627】
化合物28(200mg,0.169mmol)および5-アジドペンタノール(43.5mg,0.337mmol)を10mL RBF中に入れ、化合物を真空下で蒸発させた(2回)。一晩乾燥後、ジクロロメタン(4mL)および乾燥した4Åモレキュラーシーブ(MS)を加え、室温で10分間攪拌し、その後-10℃に冷却した。TMS-OTf(3μL,0.017mmol)を、反応混合物に加え、反応混合物を0℃で1.5時間にわたってゆっくり温めながら攪拌した。飽和NaHCO水溶液の添加によって反応をクエンチした。層を分離し、水層を、DCMを用いて抽出した。有機層を、NaSOで乾燥させ、ろ過し、蒸発させた。粗生成物を、アイソリュートでチャージし、自動精製システム(酢酸エチル/シクロヘキサン)を用いて精製し、溶媒を蒸発させ、無色の油として生成物(64.4mg,74%)を得た。HRMS(ESI+)C5355ClNO17Na[M+Na]の計算値は1147.252、実測値は1147.2558であった。
化合物30
【0628】
【化211】
【0629】
化合物29(80mg,0.071mmol)を、ピリジン(1mL)に溶解し、ヒドラジン酢酸塩(19.6mg,0.213mmol)を加えた。反応混合物を、室温で17時間攪拌した。アセトンの添加によって反応をクエンチし、蒸発させる前に45分間攪拌した。粗生成物を、アイソリュートでチャージし、自動精製システム(酢酸エチル/シクロヘキサン)を用いて精製し、溶媒を蒸発させ、無色の油として生成物(72.8mg,100%)を得た。HRMS(ESI+)C4849Cl15Na[M+Na]の計算値は1049.2152、実測値は1049.2176であった。
【0630】
[A-2 クレブシエラニューモニエガラクタン-I(O1)糖の調製]
[A-2-1 クレブシエラニューモニエO1四糖類の調製]
化合物32
【0631】
【化212】
【0632】
5-アジドペンタノール(0.226g,1.747mmol)および化合物35(0.9g,1.344mmol)の両方を、真空中でトルエンを用いて共沸乾燥させた。トルエン(6mL)および1,4ジオキサン(2mL)混合物に室温で再び溶解し、4Åモレキュラーシーブを加え、20分間攪拌した。RMを-5℃に冷却し、TMSOTfを加え、RMを-5℃で5分間攪拌し、1時間にわたって2℃にゆっくり温めた。RMを、飽和NaHCO水溶液(2mL)を用いて10℃でクエンチし、層を分離し、有機層を乾燥させ(NaSO)、ろ過し、および真空中で蒸発させた。自動精製システムバイオタージ(EA/CHxを用いたシリカカラムクロマトグラフィー)を用いる精製は、アノマーの混合物(fr1,314mg,アルファ産物)および(fr2,300mg,ベータ産物)(75%)としての産物を導いた。
化合物33
【0633】
【化213】
【0634】
化合物32(300mg,0.492mmol)を、DCM(5mL)および緩衝溶液(10mL)に室温で入れ、DDQ(335mg,1.476mmol)を少しずつ20分にわたって加え、1.5時間攪拌した。RMを、飽和NaHCO水溶液(10mL)を用いてクエンチし、DCM(10mL×3)を用いて抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO(5mL)、ブライン(10mL)を用いて洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮し、粗生成物を得た。バイオタージ(シリカカラム-溶出液としてEA/CHx)を用いた精製は、無色粘性の高い液体(210mg,91%)としての産物を導いた。
化合物34
【0635】
【化214】
【0636】
化合物22からの化合物23の合成に記述される手順にしたがって、化合物34を化合物2から調製した。
化合物35
【0637】
【化215】
【0638】
化合物34(15.5g,31.1mmol)を、ロータリーエバポレーターでトルエンを用いて共沸乾燥させた。固体を、窒素雰囲気下、DCM(300mL)に入れ、それにCsCO(30.4g,93mmol)を加え、および10分間攪拌した。(E)-2,2,2-トリフルオロ-N-フェニルアセトイミドイルクロリド(16.13g,78mmol)をRMニート(neat)に加え、RMを室温で3時間攪拌した。RMをセライトに通してろ過し、DCM(50mL×4)を用いて洗浄した。合わせたろ液を真空で蒸発させ、粗生成物を得た。溶出液としてトリエチルアミンおよび酢酸エチル/シクロヘキサンを用いて処理されたシリカカラムで精製を行い、生成物を取り出し、蒸発させ、真空下で乾燥させると、淡黄色のフワフワとした固体(18.5g,89%)が生成した。
化合物36
【0639】
【化216】
【0640】
DCM:HO(1:0.3,26mL)に溶解されたチオグリコシド8(1.58g,2.31mmol)の溶液にNBS(1.23g,6.94mmol)を室温で加えた。反応物を同じ温度で1時間攪拌した。TLC(50%酢酸エチル/シクロヘキサン)は、出発材料の完全な消費を示した。DCM(20mL)を用いて反応物を希釈し、10%Na(10mL)および飽和NaHCO溶液(10mL)を用いて洗浄し、有機層を分離し、NaSOで乾燥させ、溶媒を蒸発させ、粗材料を得た。シリカゲル、および溶出液として酢酸エチル/シクロヘキサンを用いた自動精製(コンビフラッシュ(Combiflash))は、無色の油として生成物(1.12g,1.89mmol)を与えた。HRMS(ESI+)C323011Na[M+Na]の計算値はh613.1686、実測あ値613.1628であった。
化合物37
【0641】
【化217】
【0642】
ラクトール36(18.5g,31.3mmol)を、DCM(300mL)に室温で入れ、イミダゾール(6.40g,94mmol)およびTDSCl(11.20g,62.7mmol)を加え、室温で5分間攪拌した。白色沈殿の形成を観察し、さらに18時間攪拌を続けた。TLC分析は、強い非極性スポット(多くのべータ、および少ないアルファ)の存在、および非常に少ないSMの存在を示した。RMを、その後、水を用いてクエンチし、DCM(100mL×3)を用いて抽出した。合わせた有機層を、ブライン溶液(100mL)を用いて洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、真空中で蒸発させ、無色の粘着性残渣を得た。EA-シクロヘキサンを用いたバイオタージシリカカラム(220mg)精製で、非極性スポットをfr1(ベータアノマーのみ)およびfr2(2つのアノマーの混合物、多くはアルファ)として集め、およびfr3として極性スポットを集め、fr1(16g,純粋なベータ)およびfr2(4.6g,多くはアルファ)として無色の粘着性液体の所望の生成物を得た。したがって、反応の全収率は、90%(20.6g)であった。
化合物38
【0643】
【化218】
【0644】
化合物37(15.9g,21.69mmol)を、ピリジン(100mL)に室温で入れ、ヒドラジン酢酸塩(5.99g,65.1mmol)を加え、室温で18時間攪拌した。TLCは、40%EA/ヘキサン中でSMのRf値に対してわずかに非極性な糖活性スポットの存在を示した。RMを、その後、アセトンを用いてクエンチし、45分間室温で攪拌した。RMを、その後、真空中で乾燥のために蒸発させた。残渣を、溶出液としてEA-シクロヘキサンを用いたバイオタージを用いて精製し、糖活性スポットを得て、高真空中で蒸発および乾燥させて、所望の化合物を、無色の粘着性液体として得た(12.8g,93%)。
化合物39
【0645】
【化219】
【0646】
化合物38(5.40g,8.51mmol)および化合物35(7.41g,11.06mmol)をRBF中に入れ、真空中で乾燥トルエンを用いて共沸乾燥させた。混合物を、トルエン(60mL)およびジオキサン(20mL)の混合物中に、室温で入れ、4Åモレキュラーシーブ(MS)を加え、室温で30分間、N雰囲気下で攪拌した。RMを、氷水浴を用いて-2度に冷却し、TMSOTf(0.189g,0.851mmol)を、RMに加え、RMを5℃で20分間攪拌した。TLCは、反応のほとんどの完了を示した。RMを、その後、1時間にわたって室温にゆっくり温めた。TLC分析は、反応の完了を示した。RMを、飽和NaHCO(100mL)を用いてクエンチし、10分間攪拌した。EA(50mL×3)を用いて抽出した。合わせた有機層を、水(100mL)、ブライン(50mL)を用いて洗浄し、乾燥(NaSO)させ、真空中で蒸発させ、粗生成物を得た。シリカでのカラム精製は、バイオタージでEA/シクロヘキサンを用いて行った。したがって、反応の収率は、8.35g、88%であった。HRMS(ESI+)C667014SiNa[M+Na]の計算値は1137.4433、実測値は1137.4339であった。
化合物40
【0647】
【化220】
【0648】
化合物39(1.15g,1.031mmol)をTHF(6mL)中に入れ、乾燥4Åモレキュラーシーブ(MS)を加え、室温で15分間攪拌した。RMにBH-THF(8.25mL,8.25mmol)溶液を加え、TMSOTfの添加前に5分間攪拌し、室温で16時間攪拌した。RMを、メタノール(10mL)を用いてゆっくり(泡立ち注意)室温でクエンチし、45分間攪拌し、その後、飽和NaHCO溶液(25mL)およびEA(10mL)を用いて希釈した。RMを2時間十分に攪拌した。層を分離した。水層を、EA(25mL×3)を用いて抽出した。合わせた有機層を、ブライン溶液(10mL)を用いて洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、ろ過し、および真空中で蒸発させ、無色の粘着性液体を得た。粗生成物を、EA/シクロヘキサンを用いてカラム精製し、生成物を20~30%EA/シクロヘキサンを用いて溶出し、ロータリーエバポレーターでの生成物スポットを含む分画の蒸発により、無色の粘着性液体(0.73g,63
.4%)を産出した。
化合物41
【0649】
【化221】
【0650】
化合物40(1.0g,0.895mmol)を、DCM(20mL)中に室温で入れ、ピリジン(1.086mL,13.42mmol)およびDMAP(0.022g,0.179mmol)を加え、5分間攪拌した。その後、BzCl(0.503,3.58mmol)を加え、48時間攪拌した。TLC分析(20%EA/CHx)は、反応の完了を示した。RMを、DCM(25mL)およびNaHCO(20mL)を用いて希釈し、層を分離した。有機層を、ブライン溶液(10mL)を用いて洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、および真空中で蒸発させ、薄茶色残渣を得た。溶媒としてEAおよびCHxを有するバイオタージ-シリカカラムを用いた精製は、純粋な生成物を与え、真空中で生成物を含む分画の蒸発で無色の粘着性液体を得た。乾燥トルエンを加え、ロータベイパー(rotavapour)で二度、材料を共沸乾燥させ、その後、高真空下で乾燥し、無色の粘着性液体(900mg,82%)を得た。
化合物42
【0651】
【化222】
【0652】
化合物41(125mg,0.120mmol)を、DCM(3mL)および緩衝溶液(3mL)に室温で入れ、DDQ(69.7mg,0.307mmol)を20分にわたって少しずつ加え、RMは黒色になり、その後、赤茶色に変化した。RMを2時間攪拌した。TLC分析(20%EA/CHx)は、極性スポットの存在、およびわずかなSMの存在を示した。そこで、0.5時間さらに攪拌を続けた。RMを、NaHCO溶液(10mL)を用いてクエンチし、DCM(10mL×3)を用いて抽出した。合わせた有機層を、ブライン溶液(10mL)を用いて洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、真空中で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、シリカカラム-溶出液としてEA/Chxを有するバイオタージを用いて精製し、生成物(86mg,78%)を取り出した。化合物43
【0653】
【化223】
【0654】
化合物41(940mg,0.770mmol)を、50mLファルコンチューブのピリジンに入れ、室温で5分間攪拌した。その後、HF-Py(1144mg,11.54mmol)を加えた(注意:泡および発熱性)。RMを室温で18時間攪拌した。TLC分析(20%EA/Chx)は、SMが存在し、さらに極性スポットが生じたことを示した。そこで、10等量のHF-PyをRMにもう一度加え、RMを室温で30時間さらに攪拌し、TLC分析(20%EA/Chx)は、まだ幾つかのSMが存在し、多くの極性スポットもさらに存在していることを示した。RMを、水(50mL)を用いてクエンチし、DCM(50mL)を用いて希釈し、層を室温で攪拌しながら十分に混合し、層を分離した。水層を、DCM(25mL×2)を用いて抽出した。合わせた有機層を、NaHCO洗浄(50mL×2、多少の泡立ちに気を付ける)し、ブラインを用いて洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、真空中で蒸発させ、白色粘着性の液体を得た。粗生成物を、シリカカラム-溶離液としてEA/CHxを有するバイオタージを用いて精製し、生成物を取り出した(661mg,80%)。
化合物44
【0655】
【化224】
【0656】
ラクトール43(600mg,0.556mmol)を、室温でN雰囲気下で、DCM(20mL)に入れ、CsCO(725mg,2.224mmol)を加え、5分間攪拌した。その後、イミドイルクロリド試薬(346mg,1.668mmol)を加え、2時間攪拌した。TLC分析は、反応が完了し、強い非極性スポットが存在し、SMは存在しないことを示した。したがって、RMを、固体を除去するためにろ過し、残渣を、DCMを用いて洗浄した。ろ液を真空中で濃縮した。粗生成物を、シリカカラム(カラムをロードする前にシクロヘキサン中にTEAを有する溶液を用いて処理した)を用いて、溶出液としてEA/CHx+1%TEAを用いて、精製し、生成物分画を取り出した。真空下で蒸発させて、乾燥させ、オフホワイトのフワフワとした固体を得た(682mg,98%)。
化合物45
【0657】
【化225】
【0658】
化合物33(80mg,0.170mmol)および化合物44(256mg,0.204mmol)の両方を、一緒に、真空中で、乾燥トルエンを用いて共沸乾燥させた。それらを、DCM(5mL)中に入れ、4Åモレキュラーシーブ(MS)を加え、N雰囲気下で、20分間攪拌した。RMを、氷-アセトン浴を用いて-5℃に冷却し、TMSOTf(6.16μL,0.034mmol)をRMに加え、RMを-5℃で5分間攪拌し、1時間にわたって2℃にゆっくり温めた。TLC分析(30%EA/CHxの後20%EA/CHx)は、反応が完了したことを示した。RMを、NaHCO溶液(5mL)を用いて10℃でクエンチし、層を分離した。水層を、DCM(3mL×2)を用いて抽出した。合わせた有機層を、ブライン溶液(5mL)を用いて洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、および真空中で蒸発させた。EA/CHxを用いてシリカカラムクロマトグラフィーでバイオタージによって精製し、生成物スポット含有分画を得て、真空下で蒸発させて無色粘着性の液体として所望の生成物(231mg,89%)を産出した。
化合物46
【0659】
【化226】
【0660】
化合物45(220mg,0.144mmol)を、DCM(6mL)および緩衝溶液(12mL)に室温で入れ、DDQ(98mg,0.431mmol)を、20分にわたって少しずつ加え、RMは黒色になり、その後、赤茶色に変化した。RMを1.5時間攪拌した。TLC分析(20%EA/CHx)は、極性スポットの存在、およびわずかなSMの存在を示した。そこで、0.5時間さらに攪拌を続けた。RMを、飽和NaHCO溶液(15mL)を用いてクエンチし、DCM(10mL×3)を用いて抽出した。合わせた有機層を、飽和NaHCO溶液(5mL)、ブライン溶液(10mL)を用いて洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、真空中で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、シリカカラム-溶出液としてEA/Chxを有するバイオタージを用いて精製し、無色粘着性の液体として生成物(160mg,80%)を取り出した。HRMS(ESI+)C797920Na[M+Na]の計算値は1412.5155、実測値は1412.5040であった。
化合物47
【0661】
【化227】
【0662】
化合物46(25mg,0.018mmol)および化合物21(27.9mg,0.036mmol)の両方を、一緒に、真空中で、乾燥トルエンを用いて共沸乾燥させた。それらを、DCM(2mL)中に室温で入れ、4Åモレキュラーシーブ(MS)をそれに加え、N雰囲気下で、20分間攪拌した。RMを、氷-アセトン浴を用いて-10℃に冷却し、TMSOTf(0.650μL,3.60μmol)をRMに加え、RMを-10℃で5分間攪拌し、時間にわたって2℃に1ゆっくり温めた。TLC分析(30%EA/CHx後20%EA/CHx)は、反応が完了し、強いスポットが存在していることを示した。RMを、NaHCO溶液(5mL)を用いて10℃でクエンチし、層を分離した。水層を、DCM(3mL×2)を用いて抽出した。合わせた有機層を、ブライン溶液(5mL)を用いて洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、および真空中で蒸発させた。EA/CHxを用いてシリカカラムクロマトグラフィーでバイオタージによって精製し、生成物スポット含有分画を得て、真空下で蒸発させて無色層として所望の生成物(6mg,17%)を産出した。
化合物48
【0663】
【化228】
【0664】
化合物47(6mg,3.03μmol)を、THF-MeOH(1:1,2mL)に、室温で入れ、メタノール中にNaOMeを有する溶液をそれに加え、18時間攪拌を続けた。TLC分析(30%EA/CHx)は、SMの非存在および極性スポットの存在を示した。したがって、RMを真空中で蒸発させた。EA(3mL)および水(2mL)を用いて希釈した。AcOH(~0.2mL)を用いて酸性化した。EA(2mL×3)を用いて抽出した。合わせた有機物を、ブライン溶液(2mL)を用いて洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、および真空中で蒸発させ、粗生成物を得た。H NMRおよびHRMSは、粗生成物は所望の産物、さらに中間体産物を有し、ここで、一つのBzは、分子中にさらに存在している2つのBz基であってもよい。したがって、RMを、室温で再び反応条件に曝した。RMを、EA(3mL)および水(2mL)を用いて希釈した。AcOH(~0.1mL)を用いて酸性化した。EA(2mL×3)を用いて抽出した。合わせた有機物を、水(2mL)、ブライン溶液(2mL)を用いて洗浄し、乾燥
させ(NaSO)、ろ過し、および真空中で蒸発させ、粗生成物を得た。H NMRおよびHRMSは、粗生成物が所望の産物、その上、わずかなモノBz含有中間体を有することを示す。したがって、RMを、50℃で18時間、再び反応条件に曝した。RMを、室温に冷却し、その後、EA(3mL)および水(2mL)を用いて希釈した。AcOH(~0.1mL)を用いて酸性化した。EA(2mL×3)を用いて抽出した。合わせた有機物を、水(2mL)、ブライン溶液(2mL)を用いて洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、および真空中で蒸発させ、粗生成物を得た(3mg,68%)。
化合物49
【0665】
【化229】
【0666】
化合物48(3mg,2.060mmol)を、混合溶媒(DCM-tBuOH-2滴の水)に入れ、それにtBuOH(0.5mL)中にPd/Cを有する溶液を加え、5バール圧のHで、室温で24時間水素化した。RMをPTFEフィルターに通してろ過し、残渣をメタノール(6mL)、(50%メタノール-水(6mL)を用いて洗浄した。ろ液を真空中で濃縮し、粗生成物を得た。1H nmr分析は、反応の完了および生成物の存在を示した。したがって、粗生成物を、水(3mL×2,fr1)、20%ACN-水(3mL×2,fr2)、およびACN(3mL,fr3)を用いてC18セッパック(Sepak)カラムに通して精製した。全ての分画を24時間、凍結および凍結乾燥させ、所望の生成物としてfr1を得た(無色層、0.71mg,46%)。LRMS(ESI+)C2954NO21[M+H]の計算値は753.3222、実測値は753.4608であった。
【0667】
[A-2-2 クレブシエラニューモニエO1六糖類の調製]
化合物50
【0668】
【化230】
【0669】
化合物46(125mg,0.090mmol)および化合物107(227mg,0.135mmol)の両方を、一緒に、真空中で、乾燥トルエンを用いて共沸乾燥さ
せた。それらを、DCM(5mL)中に室温で入れ、4Åモレキュラーシーブ(MS)を加え、および20分間、N雰囲気下で攪拌した。RMを、氷-アセトン浴を用いて-10℃に冷却し、TMSOTf(3.25μL,0.018mmol)をRMに加え、RMを-10℃で5分間攪拌し、1時間にわたって2℃にゆっくり温めた。TLC分析(30%EA/CHxの後20%EA/CHx)は、反応が完了し、強いスポットが存在していることを示した。RMを、NaHCO溶液(5mL)を用いて10℃でクエンチし、層を分離した。水層を、DCM(3mL×2)を用いて抽出した。合わせた有機物を、ブライン溶液(5mL)を用いて洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、および真空中で蒸発させた。EA/CHxを用いてシリカカラムクロマトグラフィーでバイオタージによって精製し、無色層として所望の生成物(160mg,62%)を得た。LRMS(ESI+)C17116339Na[M+Na]の計算値は2906.0795、実測値は2906.0327であった。
化合物51
【0670】
【化231】
【0671】
化合物50は、一般的プロトコルAにしたがってメタノリシスを受けた:
白色粘着性の固体として得られた生成物(65mg,91%)。
MALDI-TOF C115131NaO31 [M+Na]の計算値は2072.8664、実測値2073.540。
化合物52
【0672】
【化232】
【0673】
化合物51は、一般的プロトコルAにしたがって水素化反応を受けた:
白色のフワフワした固体として得られた生成物(9mg,69%)。
HRMS(ESI+)C4174NO31[M+H]の計算値1076.4245、実測値1076.4282。
H NMR(400MHz,重水)δ5.26(s,1H),5.22(d,J=3.9Hz,1H),5.14(d,J=2.8Hz,1H),5.00(d,J=3.3Hz,1H),4.71(d,J=7.4 Hz,1H),4.66 (d,J=7.6Hz,1H),4.46(dd,J=3.0,1.5Hz,1H),4.37-4.05(m,12H),4.02-3.89(m,5H),3.87-3.63(m,19H),3.62-3.53(m,1H),3.11-2.99(m,2H),1.84-1.64(m,4H),1.58-1.44(m,2H)。
化合物52a-I
【0674】
【化233】
【0675】
化合物52a-Iは、図12に示されるように、化合物35および対応するアルコールから、化合物52と同様に調製した。
[A-2-3 クレブシエラニューモニエO1八糖類の調製]
化合物53
【0676】
【化234】
【0677】
化合物42(40mg,0.037mmol)および化合物44(445mg,0.356mmol)の両方を、分けて、真空中で、乾燥トルエンを用いて共沸乾燥させた。それらを、DCM(10mL)中に室温で入れ、4Åモレキュラーシーブ(MS)を加え、および10分間攪拌した。これに、DCM中にイミデート供与体を有する溶液(1mL)を加え、室温で、30分間、N雰囲気下で攪拌した。RMを、氷-ACN浴を用いて-20度に冷却し、TMSOTf(7.40μL,1.34μmol)をRMに加え、RMを-20度で5分間攪拌し、1時間にわたって2度にゆっくり温めた。TLC分析(30%EA/CHx後20%EA/CHx)は、反応が完了し、SM42の非存在、およびわずかな極性スポットの存在を示した。RMを、NaHCO溶液(2mL)を用いて10度でクエンチし、層を分離し、有機層を乾燥させ(NaSO)、ろ過し、および真空中で蒸発させた。EA/CHxを用いてシリカカラムクロマトグラフィーによって精製し、生成物含有分画を得て、真空下で蒸発させて、所望の生成物である無色層を産出
した(630mg,91%)。HRMS(ESI+)C12712429SiNa[M+Na]の計算値は2164.7929、実測値は2164.7727であった。化合物54
【0678】
【化235】
【0679】
化合物53(300mg,0.140mmol)を、DCM(5mL)および緩衝溶液(pH7.4,7mL)に室温で入れ、DDQ(95mg,0.420mmol)を、20分にわたって少しずつ加え、RMは黒色になり、その後、赤茶色に変化した。RMを2時間攪拌した。TLC分析(30%EA/CHx)は、極性スポットの存在、およびわずかなSMの存在を示した。そこで、0.5時間さらに攪拌を続けた。RMを、NaHCO溶液(10mL)を用いてクエンチし、DCM(10mL×3)を用いて抽出した。合わせた有機層を、ブライン溶液(10mL)を用いて洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、真空中で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、シリカカラム-溶出液としてEA/Chxを有するバイオタージを用いて精製し、生成物(215mg,76%)を取り出した。
化合物55
【0680】
【化236】
【0681】
化合物53(1.0gg,0.467mmol)を、50mLファルコンチューブのピリジンに入れ、室温で5分間攪拌した。その後、HF-Py(1.5ml,16.34mmol)を加えた(注意:泡および発熱性)。RMを室温で18時間攪拌した。TLC分析(30%EA/Chx)は、極性スポットが生じたことを示した。RMを、水(50mL)を用いてクエンチし、DCM(50mL)を用いて希釈し、層を室温で攪拌しながら十分に混合し、層を分離した。水層を、DCM(25mL×2)を用いて抽出した。合わせた有機層を、NaHCO洗浄(50mL×2、いくつかの泡立ちに気を付ける)、ブライン(3mL)を用いて洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、真空中で蒸発させ、白色粘着性の液体を得た。粗生成物を、シリカカラム-溶離液としてEA/CHxを有するバイオタージを用いて精製し、生成物を取り出した(930mg,定量的)。
化合物56
【0682】
【化237】
【0683】
ラクトール55(1.1g,0.550mmol)を、室温でN雰囲気下で、DCM(20mL)に入れ、CsCO(717mg,2.200mmol)を加え、5分間攪拌した。その後、イミドイルクロリド試薬(0.261mL,1.65mmol)を加え、2時間攪拌した。TLC分析は、反応が完了し、強い非極性スポットが存在し、SMは存在しないことを示した。したがって、RMを、固体を除去するためにろ過し、残渣を、DCMを用いて洗浄した。ろ液を真空中で濃縮した。真空下で蒸発させ、乾燥させ、オフホワイトのフワフワとした固体を得た(1.2g,100%)。
化合物57
【0684】
【化238】
【0685】
化合物57は、一般的プロトコルBにしたがって5-アジドペンタノールとグリコシル化反応することによって化合物56から得られた:
白色のフワフワとした固体として得られた生成物(218mg,90%)。
【0686】
MALDI-TOF C12411629 [M+H]の計算値2110.7694、実測値2110.169。
化合物58
【0687】
【化239】
【0688】
化合物58は、一般的手順AにしたがってNap保護基の除去を行うことによって、化合物57から得られた:
白色のフワフワとした固体として得られた生成物(102mg,51%)。
【0689】
MALDI-TOF C11310829 [M+H]の計算値1970.7068、実測値1969.901。
化合物59
【0690】
【化240】
【0691】
化合物59は、一般的手順Bにしたがってグリコシル化反応を行うことによって、化合物58および化合物110から得られた:
白色のフワフワとした固体として得られた生成物(128mg,63%)。
【0692】
MALDI-TOF C23221655 [M+H]の計算値3923.4197、実測値3923.293。
化合物60
【0693】
【化241】
【0694】
化合物59は、一般的プロトコルBにしたがってメタノリシスを受けた:
白色の固体層として得られた生成物(44mg,定量的)。
MALDI-TOF C13416041[M+H]の計算値2467.0527、実測値2466.377。
化合物61
【0695】
【化242】
【0696】
化合物60は、一般的プロトコルCにしたがって水素化反応を受けた:
白色のフワフワとした固体として得られた生成物(21mg,95%)。
HRMS(ESI+)C539441[M+H]の計算値1400.5301、実測値1400.5375。
H NMR(400MHz,重水)δ5.19(s,1H),5.17(d,J=3.9Hz,1H),5.13(d,J=3.9Hz,1H),5.06(dd,J=4.9,3.1Hz,2H),5.02(d,J=1.6Hz,1H),4.67(d,J=7.4Hz,1H),4.64(d,J=7.6Hz,1H),4.40(dd,J=2.8,1.3Hz,1H),4.31-4.10(m,11H),4.08-3.53(m,38H),3.02-2.93(m,2H),1.66(dp,J=14.2,7.1,6.5Hz,4H),1.52-1.34(m,2H)。
化合物61a-I
【0697】
【化243】
【0698】
化合物61a-Iは、化合物56および図12に示されるような対応するアルコールから化合物61と同様に調製された。
[A-2-4 クレブシエラニューモニエO1十五糖類の調製]
化合物62
【0699】
【化244】
【0700】
化合物62は、一般的プロトコルBにしたがって化合物56および化合物46のグリコシル化反応によって得られた:
白色のフワフワとした固体として得られた生成物(293mg,81%)。
【0701】
MALDI-TOF C19818448 [M+H]の計算値3371.2049、実測値3372.109。
化合物63
【0702】
【化245】
【0703】
化合物63は、一般的手順AにしたがってNap保護基の除去を行うことによって化合物62から得られた:
白色のフワフワとした固体として得られた生成物(152mg,63%)。
【0704】
MALDI-TOF C18717648 [M+H]の計算値3231.1423、実測値3232.291。
化合物64
【0705】
【化246】
【0706】
化合物64は、一般的手順Bにしたがってグルコシル化反応を行うことによって化合物63および化合物115から得られた:
白色のフワフワとした固体として得られた生成物(52mg,32%)。
【0707】
MALDI-TOF C414H384N3O100[M+H]の計算値6996.5055、実測値7001.685。
化合物65
【0708】
【化247】
【0709】
化合物64は、一般的プロトコルBにしたがってメタノリシスを受けた:
白色固体として得られた生成物(25mg,97%)。
MALDI-TOF C24628876[M+H]の計算値4499.8763、実測値4500.132。
化合物66
【0710】
【化248】
【0711】
化合物65は、一般的プロトコルBCにしたがって水素化反応を受けた。
化合物66a-I
【0712】
【化249】
【0713】
化合物66a-Iは、化合物35および図12に示されるような対応するアルコールから化合物66と同様に調製される。
[A-3 クレブシエラニューモニエO2(2c)糖の調製]
[A-3-1 クレブシエラニューモニエO2二糖類の調製]
化合物67
【0714】
【化250】
【0715】
化合物29(15mg,0.013mmol)を無水THF(1mL)に溶解し、THFに1M TBAF溶液を有する溶液(133μL,0.133mmol)を加えた。反応混合物を、室温で18時間攪拌した。混合物を蒸発させ、残渣を酢酸エチルと水との間に分けた。水層を、酢酸エチルを用いて2度抽出し、有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させ、淡黄色の油として生成物(13.2mg)を得た。HRMS(ESI+)C505415[M+H]の計算値は951.3658、実測値は951.3650であった。
化合物68
【0716】
【化251】
【0717】
化合物67(13mg,0.014mmol)を5mLのRBF中に入れ、無水トルエン(2mL)を加え、真空下で30分間蒸発させて乾燥させ、この共沸乾燥工程を1回以上繰り返した。材料を高真空下で30分間乾燥させた。材料を、無水DCM(1mL)および無水酢酸(3.88μL,0.041mmol)の混合溶液中に溶解し、並びにトリエチルアミン(9.53μL,0.068mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で1.5時間攪拌した。混合物を蒸発させ、残渣を酢酸エチルと飽和NaHCO水溶液との間に分けた。水層を、酢酸エチルを用いて2度抽出し、有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させた。残渣を5mLのRBFに入れ、無水トルエン(2mL)を加え、真空下で30分間蒸発させて乾燥させ、この共沸乾燥工程を1回以上繰り返した。材料を高真空下で30分間乾燥させた。材料を、無水THF/メタノール1:1(1mL)に溶解し、およびメタノール中に0.5M ナトリウムメトキシドを有する溶液(1.108mL,0.70mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間攪拌した。混合物を蒸発させ、残渣を酢酸エチルと水との間に分けた。水層を、酢酸エチルを用いて2度抽出し、有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させ、淡黄色の油として生成物(5.4mg)を得た。
HRMS(ESI+)C263811Na[M+Na]の計算値は605.2435、実測値は605.2548であった。
化合物69
【0718】
【化252】
【0719】
化合物68(5mg,8.58μmol)は、一般的プロトコルCにしたがって、水素化反応を受けた。混合物を、最初にSECクロマトグラフィー(G-25,水)によって、その後、C18セッパック(Sepak)カラム(水/アセトニトリル)によって精製し、生成物(0.81mg,5ステップにわたって13.3%)を得た。
HRMS(ESI+)C193611[M+H]の計算値は469.2392、実測値は469.2419であった。
【0720】
[A-3-2 クレブシエラニューモニエO2(2c)六糖類の調製]
化合物70
【0721】
【化253】
【0722】
化合物28(38mg,0.032mmol)および化合物30(30mg,0.029mmol)を10mLのRBF中に入れ、無水トルエン(4mL)を加え、乾燥のために真空下で30分間蒸発させ、この共沸乾燥工程を2回以上繰り返した。材料を高真空下で12時間乾燥した。無水ジクロロメタン(1mL)および、乾燥4Åモレキュラーシーブ(MS)を窒素雰囲気下で加え、室温で10分間攪拌し、その後-10℃に冷却した。TMSOTf(0.53μL,2.92μmol)を、反応混合物に加え、2時間の期間にわたって、0℃にゆっくり温めながら攪拌した。TLC分析は、供与体スポットの消失、および新しいスポットの存在を示した。飽和NaHCO溶液の添加によって反応をクエンチした。層を分離し、水層を、DCMを用いて抽出した。有機層を、NaSOで乾燥させ、ろ過し、蒸発させ、粗生成物を得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/シクロヘキサン)によって精製し、溶媒を除去し、無色の油として生成物(40.5mg,68.5%)を得た。HRMS(ESI+)C9693Cl31[M+K]の計算値は2064.6023、実測値は2064.3657であった。
化合物71
【0723】
【化254】
【0724】
化合物70(40mg,0.020mmol)を、無水ピリジン(1mL)に溶解し、ヒドラジン酢酸塩(5.46mg,0.059mmol)を加えた。反応混合物を、室温で17時間攪拌した。アセトンの添加によって反応をクエンチした。反応を45分間攪拌し、その後、蒸発させ、粗生成物を得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/シクロヘキサン)によって精製し、溶媒を蒸発させ、無色の油として生成物(32.9mg,86%)を得た。HRMS(ESI+)C9187Cl29Na[M+Na]の計算値は1950.3928、実測値は1950.3255であった。
化合物72
【0725】
【化255】
【0726】
化合物28(20.3mg,0.017mmol)および化合物71(30mg,0.016mmol)を10mLのRBF中に入れ、無水トルエン(4mL)を加え、乾燥のために真空下で30分間蒸発させ、この共沸乾燥工程を2回以上繰り返した。材料を高真空下で12時間乾燥した。無水ジクロロメタン(1mL)および、乾燥4Åモレキュラーシーブ(MS)を窒素雰囲気下で加え、室温で10分間攪拌し、その後-10℃に冷却した。TMSO-Tf(0.28μL,1.56μmol)を、反応混合物に加え、1.5時間の期間にわたって、0℃にゆっくり温めながら攪拌した。TLC分析は、供与体スポットの消失、および新しいスポットの存在を示した。飽和NaHCO溶液の添加によって反応をクエンチした。層を分離し、水層を、DCMを用いて抽出した。有機層を、NaSOで乾燥させ、ろ過し、蒸発させ、粗生成物を得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/シクロヘキサン)によって精製し、溶媒を蒸発させ、白色の固体として生成物(18.9mg,41.5%)を得た。HRMS(ESI+)C139131Cl45Na[M+Na]の計算値は2947.6132、実測値は2947.5147であった。
化合物73
【0727】
【化256】
【0728】
化合物73を、化合物67の合成に記述される手順にしたがって、化合物72から調製する。
化合物74
【0729】
【化257】
【0730】
化合物74を、化合物68の合成に記述される手順にしたがって、化合物73から調製する。
化合物75
【0731】
【化258】
【0732】
化合物75を、化合物69の合成に記述される手順にしたがって、化合物74から調製する。
[A-4 クレブシエラニューモニエO2ac糖の調製]
[A-4-1 クレブシエラニューモニエO2ac四糖類の調製]
化合物76
【0733】
【化259】
【0734】
CsCO(2.2g,6.77mmol)および2,2,2-トリフルオロ-N-フェニル-アセトイミドイルクロリド(2.1g,3.39mmol)を、DCM(20mL)中にラクトール36(2.0g,3.39mmol)を有する溶液に加えた。反応混合物を室温で攪拌し、TLCによって観察した。2時間後、全ての出発材料は消費され、反応物をセライトに通してろ過し、DCM(20mL)を用いて洗浄した。溶媒を蒸発させ、生成物を、シリカゲルおよび溶出液として酢酸エチル/シクロヘキサン+1%EtNを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製した。TLCによって生成物を含む試験管を混合し、溶媒を蒸発させ、無色の油として生成物(2.58g,100%)を得た。
化合物77
【0735】
【化260】
【0736】
化合物77を、一般的プロトコルBにしたがって化合物76と化合物33との間でグルコシル化によって調製した:
白色のフワフワとした固体として得られた生成物(249mg,75%)。
【0737】
HRMS(ESI+)C5759NaO16[M+Na]の計算値1064.3793、実測値1064.3801。
化合物78
【0738】
【化261】
【0739】
化合物78を、Lev保護基の除去のために一般的プロトコルAにしたがって化合物77から調製した:
白色のフワフワとした固体として得られた生成物(171mg,79%)。
【0740】
HRMS(ESI+)C5253NaO14[M+Na]の計算値966.3425、実測値966.3422。
化合物79
【0741】
【化262】
【0742】
化合物79を、一般的プロトコルBにしたがって化合物78と化合物28との間でグルコシル化によって調製した調製した:
白色フワフワした固体として得られた生成物(44mg,46%)。
【0743】
MALDI-TOF C10097ClNaO30 [M+Na]の計算値1961.5151、実測値1963.686。
化合物80
【0744】
【化263】
【0745】
化合物79(10mg,5.48μmol)をTHF(2mL)に溶解し、室温で、THFに1M TBAF溶液を有する溶液(0.11mL,0.11mol)を反応混合物に加え、室温で18時間攪拌した。RMを、水(5mL)を用いてクエンチし、EA(5mL)を用いて希釈した。層を分離し、水層を、EA(5mL×3)を用いて抽出した。合わせた有機層を、ブライン溶液(5mL)を用いて洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、真空中で蒸発させ、粗アミン生成物を得た。この粗生成物を、DCMに入れ、TEA(50eq)およびAc2O(40eq)を加え、一晩攪拌した。反応混合物を、水(5mL)を用いてクエンチし、DCM(5mL)を用いて希釈した。層を分離し、水層を、DCM(5mL×3)を用いて抽出した。合わせた有機層を、ブライン溶液(5mL)を用いて洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、真空中で蒸発させ、粗NHAc生成物を得た。この粗混合物を、その後、THF-MeOH(1:1 mL)に室温で入れ、メタノール中に0.5M NaOMeを有する過剰な溶液を加え、55℃で18時間攪拌を続けた。RMを真空中で蒸発させた。EAおよび水を用いて希釈した。中性pHになるまでAcOHを用いて酸性化した。EAを用いて抽出した。合わせた有機物を、ブライン溶液を用いて洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、真空中で蒸発させ、
淡黄色の層として粗生成物(5mg,84%,3ステップにわたって)を得た。
化合物81
【0746】
【化264】
【0747】
化合物80は、一般的プロトコルCにしたがって水素化反応を受けた:
白色のフワフワとした固体として得られた生成物。
HRMS(ESI+)C315721[M+H]の計算値793.3454、実測値793.3455。
【0748】
[A-4-2 クレブシエラニューモニエO2a八糖類の調製]
化合物82
【0749】
【化265】
【0750】
化合物82を、一般的プロトコルBにしたがって化合物76と化合物46との間のグリコシル化反応によって調製した:
無色ガラス質の層として得られた生成物(155mg,73%)。
【0751】
MALDI-TOF C11110830 [M+H]の計算値1962.7018、実測値1963.426。
化合物83
【0752】
【化266】
【0753】
化合物83を、Lev保護基の除去のために一般的プロトコルAにしたがって化合物82から調製した:
白色のフワフワとした固体として得られた生成物(140mg,98%)。
【0754】
MALDI-TOF C10610228 [M+H]の計算値1864.6650、実測値1864.973。
化合物84
【0755】
【化267】
【0756】
化合物84を、一般的プロトコルBにしたがって化合物83と化合物28との間のグリコシル化反応によって調製した:
無色ガラス質の層として得られた生成物(85mg,55%)。
【0757】
MALDI-TOF C154146Cl44 [M+H]の計算値2859.8376、実測値2859.868。
化合物85
【0758】
【化268】
【0759】
化合物85を、Lev保護基の除去のために一般的プロトコルAにしたがって化合物84から調製した:
白色のフワフワとした固体として得られた生成物(70mg,91%)。
【0760】
MALDI-TOF C149H140Cl3N4O42[M+H]の計算値2761.8008、実測値2763.646。
化合物86
【0761】
【化269】
【0762】
化合物86を、一般的プロトコルBにしたがって化合物85と化合物28との間でグリコシル化反応によって調製した:
無色ガラス質の層として得られた生成物(31mg,46%)。
【0763】
MALDI-TOF C197184ClN5O58 [M+Na]の計算値3756.9733、実測値3759.266。
化合物87
【0764】
【化270】
【0765】
化合物87を、化合物80の合成に記述される手順にしたがって、化合物86から調製する。
化合物88
【0766】
【化271】
【0767】
化合物87は、一般的プロトコルCにしたがって水素化反応を受けた。
[A-4-3 クレブシエラニューモニエO2ac六糖類の調製]
化合物88
【0768】
【化272】
化合物89
【0769】
【化273】
【0770】
化合物89を、一般的プロトコルBにしたがって化合物46とのグリコシル化反応によって化合物88から得た:
無色ガラス質の層として得られた生成物(9mg,17%)。
【0771】
MALDI-TOF C154145ClKN44 [M+K]の計算値2897.7934、実測値2898.015。
化合物90
【0772】
【化274】
【0773】
化合物90を、化合物80の合成に記述される手順にしたがって、化合物89から調製する。
化合物91
【0774】
【化275】
【0775】
化合物90は、一般的プロトコルCにしたがって水素化反応を受けた。
[A-5 クレブシエラニューモニエO2aeh糖の調製]
化合物92
【0776】
【化276】
【0777】
DCM(26mL)にチオグリコシド1(1g,1.998mmol)を有する溶液に、4Å MSを加えた。ジメチルホルムアミド(0.928mL,11.99mmol)を加え、溶液を30分間攪拌した。その後、NIS(0.674g,3.00mmol)を加え、反応を0℃に冷却し、TMSOTf(0.397mL,2.197mmol)を加えた。反応を、2.5時間にわたって、室温に温めた。TLC(50% 酢酸エチル/シクロヘキサン)は、出発材料の完全な消失を示した。反応を、DCM(20mL)を用いて希釈し、10%Na(10mL)および飽和NaHCO(10mL)を用いて洗浄し、有機層を分離し、NaSOで乾燥させ、溶媒を蒸発させ、粗生成物を得た。シリカゲルおよび溶出液として酢酸エチル/シクロヘキサンを用いた自動精製は、無色の油として生成物(360mg,35%)を与えた。HRMS(ESI+)C2933Na[M+Na]の計算値542.2267、実測値542.2293。
化合物93
【0778】
【化277】
【0779】
トルエン:ジオキサン(3:1,13.5mL)に化合物9(687mg,1.039mmol)および化合物92(360mg,0.693mmol)を有する溶液に、4Å MSを加え、混合物を室温で2時間攪拌させた。その後、NIS(312g,1.386mmol)を加え、反応混合物を0℃に冷却した。TMSOTf(0.013mL,0.069mmol)を加え、反応混合物を1時間0℃で攪拌した。反応を酢酸エチル(10mL)で希釈し、ろ過し、およびNaおよび飽和NaHCO水溶液を用いて抽出した。有機層を、NaSOで乾燥させ、溶媒をロータベーパー(rotavapor)で蒸発させた。自動精製システム(シクロヘキサン中に酢酸エチル、0~50%)による精製は、いくつかの不純物と共に生成物(685mg,92%)を与えた。HRMS(ESI+)C636313Na[M+Na]の計算値1092.4295、実測値1092.4306。
化合物94
【0780】
【化278】
【0781】
25mLのRFB中の、DCM:リン酸緩衝液7.4(2:1,9mL)に化合物93(250mg,0.234mmol)を有する溶液に、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(80mg,0.350mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で1.5時間攪拌した。反応物を、DCM(10mL)を用いて洗浄し、飽和NaHCO(5mL)を用いてクエンチした。有機層を、NaSO(0.2g)で乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧下で15分間濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、シリカ(酢酸エチル/シクロヘキサン)を用いた自動フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。真空中での生成物(TLCに基づく)を含む試験管からの溶媒の濃縮は、結果的に、無色の油(178mg,82%)をもたらした。HRMS(ESI)C525513Na[M+Na]の計算値は952.3633、実測値は952.3665であった。
化合物95
【0782】
【化279】
化合物95を、次のように調製した:
【0783】
DCM:HO(1:0.3,14mL)に溶解されたチオグリコシド10(1g,1.45mmol)の溶液にNBS(0.775g,4.36mmol)を室温で加えた。反応物を同じ温度で1時間攪拌した。TLC(50%酢酸エチル/シクロヘキサン)は、出発材料の完全な消費を示した。反応物を、DCM(20mL)を用いて希釈し、10%Na(10mL)および飽和NaHCO(10mL)を用いて洗浄し、有機層を分離し、NaSOで乾燥させ、溶媒を蒸発させ、粗材料を得た。シリカゲル、および溶出液として酢酸エチル/シクロヘキサンを用いた自動精製(コンビフラッシュ(Combiflash))は、無色の油としてラクトール生成物(0.85g,98%)を与えた。CsCO(1.3mg,4.02mmol)および2,2,2-トリフルオロ-N-フェニル-アセトイミドイルクロリド(0.557mg,2.68mmol)を、DCM(5mL)中にラクトール(0.8g,1.34mmol)を有する溶液に加えた。反応混合物を室温で攪拌し、TLCによって観察した。2時間後、全ての出発材料は消費され、反応物をセライトに通してろ過し、DCM(20mL)を用いて洗浄した。溶媒を蒸発させ、生成物を、シリカゲル(酢酸エチル/シクロヘキサン+1%EtN)を用いたカラムクロマトグラフィーによって精製した。TLCによって生成物を含む試験管を混合し、溶媒を蒸発させ、無色の油として生成物(850mg,83%)を得た。
化合物96
【0784】
【化280】
【0785】
DCM(3mL)に化合物95(198mg,0.258mmol)および化合物94(120mg,0.129mmol)を有する溶液に、4Å MSを加え、混合物を室温で20分間攪拌させた。その後、反応混合物を-50℃に冷却し、TMSOTf(0.005mL,0.028mmol)を加え、反応混合物を-5℃に2時間にわたって温めた。反応物をろ過し、溶媒を蒸発させた。自動精製システム(シクロヘキサン中に酢酸エチル)による精製は、生成物(120mg,62%)を与えた。HRMS(ESI+)C868122Na[M+Na]の計算値は1531.5234、実測値は1531.5304であった。
化合物97
【0786】
【化281】
【0787】
化合物96(120mg,0.080mmol)を、無水DCM(2mL)中に溶解し、エタンチオール(0.071mL,0.955mmol)およびpTSOH(18mg,0.095mmol)を、連続して加えた。混合物を室温で30分間攪拌した。TLC分析は、出発材料の変換、および新しいより極性なスポットを示した。トリエチルアミン(0.2mL)を用いて反応をクエンチし、溶媒を蒸発させ、淡黄色の油として粗生成物を得た。粗生成物を、シクロヘキサン/酢酸エチルを用いる自動カラムクロマトグラフィーによって精製し、油として生成物を得た(110mg,97%)。HRMS(ESI+)C797722Na[M+Na]の計算値は1442.4896,実測値は1441.4948であった。
化合物98
【0788】
【化282】
【0789】
25%w/wメタノール中にナトリウムメトキシドを有する溶液(0.319mL,1.478mmol)を、MeOH:THF(2:1,1.5mL)の混合物中に化合物97(105mg,0.074mmol)を有する溶液に加えた。反応物を同じ温度で20時間攪拌した。AcOH(1mL)の添加によって反応物をクエンチし、溶媒を蒸発させた。粗材料をアイソリュートにロードした。溶出液として、1)シクロヘキサン、2)酢酸エチル、3)DCM中にMeOH 5%を順番で用いたシリカカラムクロマトグラフィーによる精製は、溶媒の蒸発後、白色の固体として生成物(29mg,49%)を与えた。
化合物99
【0790】
【化283】
【0791】
化合物98(29mg,0.036mmol)を、DCM:tBuOH:H2O(0.4:1.6:0.4,2.4mL)の混合物に溶解した。PdC(25mg,0.023mmol)を加え、反応混合物を、水素を用いてパージし(5回)、水素圧(5バール)下で、22時間攪拌させた。その後、反応混合物を、HO:ACN(1:1)を用いてPTFEフィルターに通してろ過し、有機溶媒を、ロータベーパー(Rotavapor)で蒸発させ、粗材料を凍結乾燥させた。粗材料を、ミリQ(miliQ)HOを用いてセッパック(SepPak)によって精製し、白色の固体として生成物を得た(17.7mg,82%)。C2344NO16[M+H]の計算値は590.2660、実測値は590.2656であった。H NMR(400MHz,DO)δ5.21(d,J=3.5Hz,1H),5.18(d,J=1.9Hz,1H),5.11(d,J=3.7Hz,1H),4.16-4.05(m,4H),4.06-3.90(m,5H),3.89-3.49(m,11H),2.99(t,J=1.9Hz,2H),1.73-1.62(m,4H),1.51-1.41(m,2H);13C NMR(101MHz,DO)δ108.9,95.2,95.1,82.5,81.8,77.3,75.1,71.0,70.7,70.6,70.0,69.6,69.4,69.3,68.2,67.8,62.7,61.2,39.4,28.0,26.5,22.4。
【0792】
[A-6 クレブシエラニューモニエガラクタン-II糖の調製]
[A-6-1 クレブシエラニューモニエガラクタン-II六糖類の調製]
化合物100
【0793】
【化284】
【0794】
化合物19(85mg,0.119mmol)および化合物18(50mg,0.099mmol)を10mLのRBF中に入れ、無水トルエン(5mL)を加え、乾燥のために真空下で30分間蒸発させ、この共沸乾燥工程を2回以上繰り返した。材料を高真空下で12時間乾燥した。その後、無水ジクロロメタン(1mL)および乾燥4Åモレキュラーシーブ(MS)を窒素雰囲気下で加え、室温で45分間攪拌し、その後0℃に冷却した(等温線における氷-水混合物)。NIS(31mg,0.139mmol)および
トリフリック酸(0.8μL,9.91μmol)を反応混合物に加え、15分間攪拌した。その後、それを、0.5時間10℃にゆっくり温め、その後、室温で1時間攪拌した。TLC分析は、供与体スポットの消失および新しいスポットの存在を示した。トリエチルアミンの添加によって反応を5℃でクエンチした。粗化合物をDCMで抽出し、飽和Na溶液、飽和NaHCO溶液、およびブラインを用いて洗浄した。分離後、有機層を、無水NaSOで乾燥させ、ろ過し、および濃縮した。粗有機物を、シクロヘキサン/酢酸エチルグラジエントシステムを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーシステムによって精製し、淡黄色の固体を得た(70mg,63%)。HRMS(ESI)C686414Na[M+Na]の計算値は1127.4194、実測値は1127.4009であった。
化合物101
【0795】
【化285】
【0796】
二糖類100(0.14g,0.127mmol)を、10mLのRBF中にDCM(2.8mL)およびリン酸緩衝溶液pH7.4(1.4mL)を有する攪拌溶液に窒素雰囲気下で移した。DDQ(0.129g,0.570mmol)を、2.5時間の期間にわたってゆっくり加え、TLC分析(40%酢酸エチル/シクロヘキサン)は、2時間後でさえ多量の出発材料に対してわずかに極性の新しいスポットの存在を示したので、反応混合物をさらに4時間室温で攪拌した。TLCは、出発材料の非存在を示したが、かすかな極性スポットの生成物の存在も示した。反応を、飽和NaHCO水溶液(10mL)の添加によってクエンチし、DCMに抽出した。合わせた有機層を、飽和NaHCO溶液(10mL)、ブライン(10mL)を用いて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、および100mLのRBFで、ロータリーエバポレーターで30~35℃浴温度で、真空下で、1時間濃縮し、淡黄色の油として粗生成物を得た。シクロヘキサン中に酢酸エチルを有する溶液を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製を行った。ジクロロメタンを、その後加え、真空下で30分間蒸発を続け、結果的に無色透明な粘着性液体をもたらし、無色透明な粘着性液体を高真空下で、16~18時間乾燥し、フワフワとした白色の固体(81mg,66%)を形成した。HRMS(ESI+)C575614Na[M+Na]の計算値は987.3569、実測値は987.3387であった。
化合物102
【0797】
【化286】
【0798】
(1,5-シクロオクタジエン)(ピリジン)(トリシクロヘキシルホスフィン)-I
r(I)]PF(7.65mg,9.05μmol)をテトラヒドロフラン(2mL)に溶解し、赤色触媒が溶解する間、窒素を、2分間室温で溶液に通して泡立てた。溶液を、その後、2分間水素を用いてパージし、その時間によって、赤色溶液は、無色に変換し、溶液を水素下で15分間攪拌した。活性触媒の溶液を、その後、テトラヒドロフラン(1mL)中に化合物100(0.1g,0.09mmol)を有する溶液に、窒素下で、注射器を介して加え、2時間室温で攪拌した。反応混合物を、飽和NaHCO水溶液(5mL)を用いてクエンチし、ジクロロメタン(3×5mL)を用いて抽出した。合わせた有機層を、ブライン(5mL)を用いて洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過し、および蒸発させ、アリル異性化化合物(H NMRによって確認された異性化)を得た。ビニル基質を、その後、テトラヒドロフラン:水(2:1,3mL)の混合物中に取り込み、およびヨウ素(46mg,0.18mmol)を室温で加えた。褐色溶液を、10%Na溶液(5mL)を用いてクエンチする前に、2時間攪拌した。水層を、酢酸エチル(3×5mL)を用いて抽出し、合わせた有機層を、NaSOで乾燥させ、ろ過し、および溶媒を蒸発させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中に酢酸エチル30%)による精製は、黄色の固体として生成物(60mg,63%)を与えた。HRMS(ESI+)C656014Na[M+Na]の計算値は1087.3881,実測値は1087.3766であった。
化合物103
【0799】
【化287】
【0800】
化合物102(60mg,0.06mmol)を、無水ジクロロメタン(0.7mL)に溶解した。CsCO(37mg,0.113mmol)および2,2,2-トリフルオロ-N-フェニルアセトイミドイルクロリド(0.03mL,0.17mmol)を、この溶液に加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌した。TLC分析は、出発材料の完全な変換および新しいスポットを示した。反応混合物をセライトパッド(1cm)に通してろ過した。パッドを、DCM(20mL)を用いて洗浄し、ろ液を減圧下で濃縮し、高真空下で乾燥さ、淡黄色の油を得た。精製は、フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル+0.1%EtN)によって行われ、黄色の泡(60mg,86%)を得た。HRMS(ESI+)C7364NO14Na[M+Na]の計算値は1258.4177,実測値は1258.3969であった。
化合物104
【0801】
【化288】
【0802】
化合物103(13mg,0.097mmol)および5-アジドペンタノール(60mg,0.049mmol)を、無水トルエン(20mL)を加えた10mLのRBF中に入れ、真空下で30分間、乾燥のために蒸発させ、この共沸乾燥工程を2回以上繰り返した。材料を高真空下で12時間乾燥させた。その後、無水ジクロロメタン(4mL)および乾燥した4Åモレキュラーシーブ(MS)を窒素雰囲気下で加え、室温で45分間攪拌し、その後0℃に冷却した。TMS-OTf(1.8μL,9.7μL)を、反応混合物に加え、30分間攪拌した。その後、反応混合物を10℃に0.5時間、ゆっくり温め、その後1時間室温で攪拌した。TLC分析は、供与体スポットの消失および新しいスポットの存在を示した。トリエチルアミンの添加によって5℃で反応をクエンチした。粗有機物を、シクロヘキサン/酢酸エチルグラジエントシステムを用いたフラッシュクロマトグラフィーシステムによって精製した。集めた分画を、真空内で濃縮し、その後、高真空下で16時間乾燥させ、白色の泡として生成物(35mg,61%)を得た。HRMS(ESI+)C706914Na[M+Na]の計算値は1198.4677、実測値は1198.4798であった。
化合物105
【0803】
【化289】
【0804】
化合物21(355mg,0.458mmol)および化合物101(0.340mg,0.352mmol)を、無水トルエン(10mL)を加えた25mLのRBF中に入れ、真空下で30分間、乾燥のために蒸発させ、この共沸乾燥工程を2回以上繰り返した。出発材料(0.355g,0.458mmol)を高真空下で12時間乾燥させた。その後、無水ジクロロメタン(7mL)および乾燥した4Åモレキュラーシーブ(MS)を窒素雰囲気下で加え、室温で45分間攪拌し、その後0℃に冷却した。TMS-OTf(13μL,0.07mmol)を、反応混合物に加え、30分間攪拌した。その後、反応混合物を10℃に0.5時間、ゆっくり温め、その後1時間室温で攪拌した。TLC分析は、供与体スポットの消失および新しいスポットの存在を示した。トリエチルアミンの添加によって5℃で反応をクエンチした。粗有機物を、シクロヘキサン/酢酸エチルグラジエントシステムを用いたフラッシュクロマトグラフィーシステムによって精製した。集めた分画を、真空内で濃縮し、その後、高真空下で16時間乾燥させ、白色の泡として生成物(0.380g,70%)を得た。HRMS(ESI+)C959020Na[M+Na]の計算値は1573.5923、実測値は1573.5657であった。
化合物106
【0805】
【化290】
【0806】
1,5-シクロオクタジエン)(ピリジン)(トリシクロヘキシルホスフィン)-Ir(I)]PF(18mg,0.02mmol)をテトラヒドロフラン(4mL)に溶解し、赤色触媒が溶解する間、窒素を、2分間室温で溶液に通して泡立てた。溶液を、その後、2分間水素を用いてパージし、その時間によって、赤色溶液は、無色に変換し、溶液を水素下で15分間攪拌した。活性触媒の溶液を、その後、テトラヒドロフラン(2mL)中に化合物105(0.33g,0.21mmol)を有する溶液に、窒素下で、注射器を介して加え、2時間室温で攪拌した。反応混合物を、飽和NaHCO水溶液(5mL)を用いてクエンチし、ジクロロメタン(3×5mL)を用いて抽出した。合わせた有機層を、ブライン(5mL)を用いて洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、および蒸発させ、アリル異性化化合物(H NMRによって確認された異性化)を得た。ビニル基質を、その後、テトラヒドロフラン:水(2:1,3mL)の混合物中に取り込み、およびヨウ素(0.11g,0.43mmol)を室温で加えた。褐色溶液を、10%Na溶液(5mL)を用いてクエンチする前に、2時間攪拌した。水層を、酢酸エチル(3×5mL)を用いて抽出し、合わせた有機層を、NaSOで乾燥させ、ろ過し、および溶媒を蒸発させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中に酢酸エチル30%)による精製は、黄色の固体として生成物(240mg,75%)を与えた。HRMS(ESI+)C928620Na[M+Na]の計算値は1533.5610,実測値は1533.5387であった。
化合物107
【0807】
【化291】
【0808】
化合物106(0.242g,0.160mmol)を、無水ジクロロメタン(2.0mL)に溶解した。CsCO(0.104g,0.320mmol)および2,2,2-トリフルオロ-N-フェニルアセトイミドイルクロリド(0.08mL,0.480mmol)を、溶液に加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌した。TLC分析は、出発材料の完全な変換および新しいスポットを示した。反応物をセライトパッド(1cm)に通してろ過した。パッドを、DCM(20mL)を用いて洗浄し、ろ液を減圧下で濃縮し、高真空下で乾燥させ、淡黄色の油を得た。精製は、フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル+0.1%EtN)によって行われ、黄色の泡(240mg,89%)を得た。HRMS(ESI+)C10090NO20Na[M+Na]の計算値は1704.5906,実測値は1704.5603であった。
化合物108
【0809】
【化292】
【0810】
化合物107(0.666g,0.539mmol)および化合物101(0.4g,0.414mmol)を、無水トルエン(10mL)を加えた25mLのRBF中に入れ、真空下で30分間、乾燥のために蒸発させ、この共沸乾燥工程を2回以上繰り返した。出発材料を高真空下で12時間乾燥した。その後、無水ジクロロメタン(8mL)および乾燥した4Åモレキュラーシーブ(MS)を窒素雰囲気下で加え、室温で45分間攪拌し、その後0℃に冷却した。TMS-OTf(15μL,0.018mmol)を、反応混合物に加え、30分間攪拌した。その後、反応混合物を10℃に0.5時間、ゆっくり温め、その後1時間室温で攪拌した。TLC分析は、供与体スポットの消失および新しいスポットの存在を示した。トリエチルアミンの添加によって5℃で反応をクエンチした。粗有機物を、シクロヘキサン/酢酸エチルグラジエントシステムを用いるフラッシュクロマトグラフィーシステムによって精製した。集めた分画を、真空内で濃縮し、その後、高真空下で16時間乾燥し、白色の固体として生成物(0.650g,78%)を得た。HRMS(ESI+)C12211427Na[M+Na]の計算値は2033.7445、実測値は2033.7077であった。
化合物109
【0811】
【化293】
【0812】
(1,5-シクロオクタジエン)(ピリジン)(トリシクロヘキシルホスフィン)-Ir(I)]PF(6.3mg,7.45μmol)をテトラヒドロフラン(1.5mL)に溶解し、赤色触媒が溶解する間、窒素を、2分間室温で溶液に通して泡立てた。溶液を、その後、2分間水素を用いてパージし、その時間によって、赤色溶液は、無色に変換し、溶液を水素下で15分間攪拌した。活性触媒の溶液を、その後、テトラヒドロフラン(0.8mL)中に化合物108(0.15g,0.075mmol)を有する溶液に、窒素下で、注射器を介して加え、2時間室温で攪拌した。反応混合物を、飽和NaHCO水溶液(5mL)を用いてクエンチし、ジクロロメタン(3×5mL)を用いて抽出した。合わせた有機層を、ブライン(5mL)を用いて洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過し、および蒸発させ、アリル異性化化合物(H NMRによって確認された異性化)を得た。ビニル基質を、その後、テトラヒドロフラン:水(2:1,2.5mL)の混合物中に取り込み、およびヨウ素(37.8mg,0.149mmol)を室温で加えた。褐色溶液を、10%Na溶液(5mL)を用いてクエンチする前に、2時
間攪拌した。水層を、酢酸エチル(3×5mL)を用いて抽出し、合わせた有機層を、NaSOで乾燥し、ろ過し、および溶媒を蒸発させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中に酢酸エチル30%)による精製は、黄色の固体として生成物(94mg,64%)を与えた。HRMS(ESI+)C11911027Na[M+Na]の計算値は1993.7132,実測値は1993.6822であった。
化合物110
【0813】
【化294】
【0814】
化合物109(0.094g,0.048mmol)を、無水ジクロロメタン(0.6mL)に溶解した。CsCO(31mg,0.095mmol)および2,2,2-トリフルオロ-N-フェニルアセトイミドイルクロリド(23μL,0.143mmol)を、溶液に加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌した。TLC分析は、出発材料の完全な変換および新しいスポットを示した。
【0815】
反応混合物をセライトパッド(1cm)に通してろ過した。パッドを、DCM(20mL)を用いて洗浄し、ろ液を減圧下で濃縮し、高真空下で乾燥させ、淡黄色の固体を得た。
【0816】
精製は、フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル+0.1%EtN)によって行われ、黄色の泡(85mg,83%)を得た。HRMS(ESI+)C127114NO27Na[M+Na]の計算値は2164.7428,実測値は2164.7056であった。
化合物111
【0817】
【化295】
【0818】
化合物108(0.100g,0.050mmol)を、10mLRBF中に、DCM(1.3mL)およびメタノール(0.3mL)を有する攪拌溶液に窒素雰囲気下で、攪拌子を装備して、400rpmで攪拌しながら移した。DDQ(0.056g,0.248mmol)を加え、TLC分析(40%酢酸エチル/シクロヘキサン)は、2時間後でさえ多量の出発材料に対してわずかに極性の新しいスポットの存在を示したので、反応混合物をさらに4時間室温で攪拌した。TLCは、出発材料の非存在を示したが、かすかな極性スポットの生成物の存在も示した。反応を、飽和NaHCO水溶液(10mL)の添加によってクエンチし、DCMに抽出した。合わせた有機層を、飽和NaHCO
液(10mL)、ブライン(10mL)を用いて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、および100mLのRBFで、ロータリーエバポレーターで30~35℃浴温度で、真空下で、1時間濃縮し、淡黄色の油として粗生成物を得た。シクロヘキサン中に酢酸エチルを有する溶液を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製を行った。ジクロロメタンを、その後加え、真空下で30分間蒸発を続け、結果的に無色透明な粘着性液体をもたらし、無色透明な粘着性液体を高真空下、16~18時間乾燥させ、フワフワとした白色固体(43mg,46%)を形成した。HRMS(ESI+)C11110627Na[M+Na]の計算値は1893.6819、実測値は1893.6498であった。
化合物112
【0819】
【化296】
【0820】
化合物103(29mg,0.024mmol)および化合物111(34mg,0.018mmol)を、無水トルエン(3mL)を加えた10mLのRBF中に入れ、真空下で30分間、乾燥のために蒸発させ、この共沸乾燥工程を2回以上繰り返した。出発材料を高真空下で12時間乾燥させた。その後、無水ジクロロメタン(0.3mL)および乾燥した4Åモレキュラーシーブ(MS)を窒素雰囲気下で加え、室温で45分間攪拌し、その後0℃に冷却した。TMS-OTf(0.6μL,3.63μmol)を、反応混合物に加え、30分間攪拌した。その後、反応混合物を10℃に0.5時間、ゆっくり温め、その後1時間室温で攪拌した。TLC分析は、供与体スポットの消失および新しいスポットの存在を示した。トリエチルアミンの添加によって5℃で反応をクエンチした。粗有機物を、シクロヘキサン/酢酸エチルグラジエントシステムを用いたフラッシュクロマトグラフィーシステムによって精製した。集めた分画を、真空内で濃縮し、その後、高真空下で16時間乾燥させ、白色の固体として生成物(35mg,66%)を得た。Maldi C17616440Na[M+Na]の計算値は2942.2、実測値は2942.3であった。
化合物113
【0821】
【化297】
【0822】
化合物110(64mg,0.030mmol)および化合物111(43mg,0.023mmol)を、無水トルエン(3mL)を加えた10mLのRBF中に入れ、真空下で30分間、乾燥のために蒸発させ、この共沸乾燥工程を2回以上繰り返した。出
発材料を高真空下で12時間乾燥させた。その後、無水ジクロロメタン(0.5mL)および乾燥した4Åモレキュラーシーブ(MS)を窒素雰囲気下で加え、室温で45分間攪拌し、その後0℃に冷却した。TMS-OTf(0.8μL,4.59μmol)を、反応混合物に加え、30分間攪拌した。その後、反応混合物を10℃に0.5時間、ゆっくり温め、その後1時間室温で攪拌した。TLC分析は、供与体スポットの消失および新しいスポットの存在を示した。トリエチルアミンの添加によって5℃で反応をクエンチした。粗有機物を、シクロヘキサン/酢酸エチルグラジエントシステムを用いたフラッシュクロマトグラフィーシステムによって精製した。集めた分画を、真空内で濃縮し、その後、高真空下で16時間乾燥させ、白色のフワフワとした固体として生成物(66mg,75%)を得た。Maldi C23021453Na[M+Na]の計算値は3849.2、実測値は3849.4であった。
化合物114
【0823】
【化298】
【0824】
(1,5-シクロオクタジエン)(ピリジン)(トリシクロヘキシルホスフィン)-Ir(I)]PF(8.18mg,9.7μmol)をテトラヒドロフラン(1.9mL)に溶解し、赤色触媒が溶解する間、窒素を、2分間室温で溶液に通して泡立てた。溶液を、その後、2分間水素を用いてパージし、その時間によって、赤色溶液は、無色に変換し、溶液を水素下で15分間攪拌した。活性触媒の溶液を、その後、テトラヒドロフラン(0.9mL)中に化合物113(0.370g,0.097mmol)を有する溶液に、窒素下で、注射器を介して加え、2時間室温で攪拌した。反応混合物を、飽和NaHCO水溶液(5mL)を用いてクエンチし、ジクロロメタン(3×5mL)を用いて抽出した。合わせた有機層を、ブライン(5mL)を用いて洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過し、および蒸発させ、アリル異性化化合物(H NMRによって確認された異性化)を得た。ビニル基質を、その後、テトラヒドロフラン:水(2:1,2.5mL)の混合物中に取り込み、およびヨウ素(49mg,0.193mmol)を室温で加えた。褐色溶液を、10%Na溶液(5mL)を用いてクエンチする前に、2時間攪拌した。水層を、酢酸エチル(3×5mL)を用いて抽出し、合わせた有機層を、NaSOで乾燥させ、ろ過し、および溶媒を蒸発させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中に酢酸エチル30%)による精製は、黄色の固体として生成物(270mg,57%)を与えた。Maldi C22721053Na[M+Na]の計算値は3809.1,実測値は3809.0であった。
化合物115
【0825】
【化299】
【0826】
化合物114(0.210g,0.055mmol)を、無水ジクロロメタン(0.7mL)に溶解した。CsCO(36mg,0.111mmol)および2,2,2-トリフルオロ-N-フェニルアセトイミドイルクロリド(26μL,0.166mmol)を溶液に加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌した。TLC分析は、出発材料の完全な変換および新しいスポットを示した。
反応混合物をセライトパッド(1cm)に通してろ過した。パッドを、DCM(20mL)を用いて洗浄し、ろ液を減圧下で濃縮し、高真空下で乾燥させ、淡黄色の固体を得た。
【0827】
精製は、フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル+0.1%EtN)によって行われ、黄色の泡(180mg,82%)を得た。Maldi C23521453Na[M+Na]の計算値は3980.2,実測値は3981.3であった。
化合物116
【0828】
【化300】
【0829】
化合物110(0.013mg,0.103mmol)および5-アジドペンタノール(0.110g,0.05mmol)を、無水トルエン(20mL)を加えた10mLのRBF中に入れ、真空下で30分間、乾燥のために蒸発させ、この共沸乾燥工程を2回以上繰り返した。材料を高真空下で12時間乾燥させた。その後、無水ジクロロメタン(1mL)を、窒素雰囲気下で、攪拌子を装備して300rpmで攪拌しながら加え、~100mgの乾燥した4Åモレキュラーシーブ(MS)を加え、室温で45分間攪拌し、その後0℃に冷却した。TMS-OTf(1.9μL,10.26μmol)を、反応混合物に加え、30分間攪拌した。その後、反応混合物を10℃に0.5時間、ゆっくり温め、その後1時間室温で攪拌した。TLC分析は、供与体スポットの消失および新しいスポットの存在を示した。トリエチルアミンの添加によって5℃で反応をクエンチした。粗有機物を、シクロヘキサン/酢酸エチルグラジエントシステムを用いたフラッシュクロマトグラフィーシステムによって精製した。集めた分画を、真空内で濃縮し、その後、高真空下で16時間乾燥させ、白色のフワフワとした固体として生成物(0.091g,85%)を得た。HRMS(ESI+)C12411927Na[M+Na]の計算値は2104.7929、実測値は2104.7905であった。
化合物117
【0830】
【化301】
【0831】
化合物116(0.091g,0.044mmol)を、10mLのRBF中に、DCM(0.8mL)およびリン酸緩衝液pH7.4(0.8mL)を有する攪拌溶液に、窒素雰囲気下で、攪拌子を装備して、400rpmで攪拌しながら移した。DDQ(0.02g,0.087mmol)を加えた。TLC分析(40%酢酸エチル/シクロヘキサン)は、2時間後でさえ多量の出発材料に対してわずかに極性の新しいスポットの存在を示したので、反応混合物をさらに4時間室温で攪拌した。TLCは、出発材料の非存在を示したが、かすかな極性スポットの生成物の存在も示した。反応を、飽和NaHCO水溶液の添加によってクエンチし、DCMに抽出した。合わせた有機層を、飽和NaHCO溶液(50mL)、ブライン(100mL)を用いて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、および50mLのRBFで、ロータリーエバポレーターで30~35℃浴温度で、真空下で、1時間濃縮し、淡黄色の油として粗生成物を得た。粗有機物を、シクロヘキサン/酢酸エチルグラジエントシステムを用いたフラッシュクロマトグラフィーシステムによって精製した。集めた分画を、真空中で濃縮し、その後、高真空下で16時間乾燥し、白色のフワフワとした固体として生成物(0.041g,47%)を得た。HRMS(ESI+)C11311127Na[M+Na]の計算値は1964.7303、実測値は1964.7309であった。
化合物118
【0832】
【化302】
【0833】
化合物103(33mg,0.027mmol)および化合物117(40mg,0.021mmol)を、無水トルエン(3mL)を加えた10mLのRBF中に入れ、真空下で30分間、乾燥のために蒸発させ、この共沸乾燥工程を2回以上繰り返した。出発材料を高真空下で12時間乾燥した。その後、無水ジクロロメタン(0.4mL)、および乾燥した4Åモレキュラーシーブ(MS)を窒素雰囲気下で加え、室温で45分間攪拌し、その後0℃に冷却した。TMS-OTf(0.7μL,4.12μmol)を、反応混合物に加え、30分間攪拌した。その後、反応混合物を10℃に0.5時間、ゆっくり温め、その後1時間室温で攪拌した。TLC分析は、供与体スポットの消失および新しいスポットの存在を示した。トリエチルアミンの添加によって5℃で反応をクエンチした。粗有機物を、シクロヘキサン/酢酸エチルグラジエントシステムを用いたフラッシュクロマトグラフィーシステムによって精製した。集めた分画を、真空内で濃縮し、その後、高真空下で16時間乾燥し、白色の固体として生成物(37mg,60%)を得た。Ma
ldi C17816940Na[M+Na]の計算値は3013.3、実測値は3014.2であった。
化合物119
【0834】
【化303】
【0835】
化合物118(27mg,0.009mmol)を、攪拌子を装備して窒素雰囲気下でTHF(0.6mL)に入れた。ナトリウムメトキシドの0.5Mメタノール性溶液(18μL,9.03μmol)を加えた。結果的に生じる溶液を50℃で25時間攪拌した。HRMSおよびTLC[(シクロヘキサン中に50%酢酸エチル)によって反応を観察した。反応混合物を、15分間、真空中で最小量に蒸発させ、その後、酢酸エチルおよび水を用いて希釈した。反応混合物を、50%AcOH溶液を用いて酸性化し、層を分離した。水層を、その後、酢酸エチル(5mL×3)を用いて抽出した。合わせた有機層を水、ブラインを用いて洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、および10mLRBFで、ロータリーエバポレーターで、30~35℃の浴温度で、1時間、真空下で蒸発させ、黄色の固体を得た。その後、~2%酢酸エチル/ヘキサン(~5mL)を、RBF中の固体に加え、RBFを水浴で45℃に温め、粉末にし、室温に冷却し、ろ過した。温めた~2%酢酸エチル/ヘキサンを用いて固体を2回以上洗浄し、高圧で乾燥させ、所望の生成物として淡黄色の固体を得た。全てのろ液を真空中で濃縮し、その後、高真空下で16時間乾燥し、黄色の固体として生成物(14mg,76%)を得た。HRMS(ESI+)C11511331Na[M+Na]の計算値は2074.8821、実測値は2074.8574であった。
化合物120
【0836】
【化304】
【0837】
化合物119を、20mLのウィートン(wheaton)バイアル(10分オーブン乾燥した)中に、窒素雰囲気下で、攪拌子を装備して、250rpmで攪拌しながら(ヘイドルフスターラー(Heidolph stirrer))、室温で、PrOH、DCM、およびHOの混合溶媒に入れた。10%Pd/Cの懸濁液を加えた。反応混合物を、水素ガス下でパージし、続いて10バールの圧力下で、24時間、室温で、自家製水素化装置を用いて攪拌した。反応混合物を、その後、PTFE疎水性フィルター(0.45μm)に通してろ過し、ろ液を、メタノール(3mL×5)、水-メタノール(6:4,3mL×5)を用いて完全に洗浄した。ろ液を、真空下、ロータリーエバポレーター
で、30~35℃の浴温度で1時間、乾燥のために蒸発させ、粗生成物としてオフホワイトの固体を得た。粗生成物のH NMRは、反応の完了を示したが、中間体の存在を示した。粗生成物を、その後、溶出液として水およびアセトニトリルを用いてC18セッパック(Sepak)カラムを用いて精製し、水分画(fr1)に所望の純粋な生成物を得た。副生成物を、50%水-アセトン分画(fr2)に溶出し、不純物を、アセトニトリル洗浄(fr3)において溶出した。不純な水分画(fr1)を、溶出液として水を用いてSECカラムに通して、更に精製した。水分画の凍結乾燥は、白色の泡状固体として、所望の純粋な生成物(2mg,28%)を産出した。HRMS(ESI+)C11511331[M+H]の計算値は1076.4245、実測値は1076.4256であった。
H NMR(400MHz,DO)δ5.20-5.11(m,3H),4.70-4.66(m,2H),4.45(d,J=7.9Hz,1H),4.30-4.11(m,9H),4.07-3.91(m,6H),3.87-3.62(m,23H),2.91(t,J=7.3Hz,2H),1.81-1.57(m,4H),1.50-1.41(m,2H)。
化合物120a-I
【0838】
【化305】
【0839】
化合物120a-Iを、化合物110および図12に示されるような対応するアルコールから、化合物120と同様に調製した。
[A-6-2 クレブシエラニューモニエガラクタン-II八糖類の調製]
化合物121
【0840】
【化306】
【0841】
化合物110(0.172mg,0.080mmol)および化合物117(120mg,0.021mmol)を、無水トルエン(3mL)を加えた10mLのRBF中に入れ、真空下で30分間、乾燥のために蒸発させ、この共沸乾燥工程を2回以上繰り返した。出発材料を高真空下で12時間乾燥させた。その後、無水ジクロロメタン(1.2mL)および乾燥した4Åモレキュラーシーブ(MS)を窒素雰囲気下で加え、室温で45分間攪拌し、その後0℃に冷却した。TMS-OTf(2.2μL,12μmol)を、反応混合物に加え、30分間攪拌した。その後、反応混合物を10℃に0.5時間、ゆっくり温め、その後1時間室温で攪拌した。TLC分析は、供与体スポットの消失および
新しいスポットの存在を示した。トリエチルアミンの添加によって5℃で反応をクエンチした。粗有機物を、シクロヘキサン/酢酸エチルグラジエントシステムを用いたフラッシュクロマトグラフィーシステムによって精製した。集めた分画を、真空内で濃縮し、その後、高真空下で16時間乾させ、白色のフワフワした固体として生成物(125mg,52%)を得た。Maldi C23021453Na[M+Na]の計算は値3920.3、実測値は3921.1であった。
化合物122
【0842】
【化307】
【0843】
化合物121(24mg,6.2μmol)を、攪拌子を装備して、窒素雰囲気下でTHF(0.6mL)に入れた。ナトリウムメトキシドの0.5Mメタノール性溶液(12μL,6.2μmol)を加えた。結果的に生じる溶液を50℃で25時間攪拌した。HRMSおよびTLC(シクロヘキサン中に50%酢酸エチル)によって反応を観察した。反応混合物を、15分間、真空中で最小量に蒸発させ、その後、酢酸エチルおよび水を用いて希釈した。反応混合物を、50%AcOH水溶液(10mL)を用いて酸性化し、層を分離した。水層を、その後、酢酸エチル(5mL×3)を用いて抽出した。合わせた有機層を水、ブラインを用いて洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、および50mLRBFで、ロータリーエバポレーターで、30~35℃の浴温度で、1時間、真空下で蒸発させ、黄色の固体を得た。その後、~2%酢酸エチル/ヘキサン(~5mL)を、RBF中の固体に加え、RBFを水浴で45℃に温め、粉末にし、室温に冷却し、ろ過した。固体を、温めた~2%酢酸エチル/ヘキサンを用いて2回以上洗浄し、高圧で乾燥させ、所望の生成物として淡黄色の固体を得た。全てのろ液を真空中で濃縮し、その後、高真空下で16時間乾燥させ、黄色の固体として生成物(11mg,66%)を得た。HRMS(ESI+)C14817141Na[M+Na]の計算値は2669.1286、実測値は2669.1233であった。
化合物123
【0844】
【化308】
【0845】
化合物122(11mg,4.2μmol)を、20mLのウィートン(wheaton)バイアル(10分オーブン乾燥した)中に、窒素雰囲気下で、攪拌子を装備して、250rpmで攪拌しながら(ヘイドルフスターラー(Heidolph stirrer))、室温で、PrOH、DCM、およびHOの混合溶媒に入れた。水素化反応を
、一般的プロトコルCにしたがって行った。粗生成物のH NMRは、反応の完了を示したが、中間体の存在を示した。粗生成物を、その後、溶出液として水およびアセトニトリルを用いてC18セッパック(Sepak)カラムを用いて精製し、水分画(fr1)に所望の純粋な生成物を得た。副生成物を、50%水-アセトン分画(fr2)に溶出し、不純物を、アセトニトリル洗浄(fr3)において溶出した。不純な水分画(fr1)を、溶出液として水を用いてSECカラムに通して、更に精製した。水分画の凍結乾燥は、白色の泡状固体として、所望の純粋な生成物(2mg,34%)を産出した。HRMS(ESI+)C11511331[M+H]の計算値は1400.5301、実測値は1400.5376であった。
H NMR(400MHz,DO)δ5.20-5.16(m,3H),5.15(d,J=3.4Hz,1H),4.70-4.66(m,3H),4.46(d,J=7.9Hz,1H),4.33-4.09(m,12H),4.07-3.88(m,5H),3.88-3.58(m,33H),3.00(t,J=7.6Hz,2H),1.50-1.40(m,4H),1.42-1.29(m,2H)。
化合物123a-I
【0846】
【化309】
【0847】
化合物123a-Iを、化合物110および図12に示されるような対応するアルコールから、化合物123と同様に調製した。
[A-6-3 クレブシエラニューモニエガラクタン-II十二糖類の調製]
化合物124
【0848】
【化310】
【0849】
化合物121(0.105g,0.027mmol)を、10mLのRBF中に、DCM(0.5mL)およびリン酸緩衝液pH7.4(0.5mL)を有する攪拌溶液に、窒素雰囲気下で、攪拌子を装備して、400rpmで攪拌しながら移した。DDQ(0.028g,0.121mmol)を加えた。TLC分析(40%酢酸エチル/シクロヘキサン)は、2時間後でさえ多量の出発材料に対してわずかに極性の新しいスポットの存在を示したので、反応混合物をさらに4時間室温で攪拌した。TLCは、出発材料の非存在を示したが、かすかな極性スポットの生成物の存在も示した。反応を、飽和NaHCO水溶液の添加によってクエンチし、DCMに抽出した。合わせた有機層を、飽和NaHCO溶液(10mL)、ブライン(20mL)を用いて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥させ、ろ過し、および50mLのRBFで、ロータリーエバポレーターで30~35℃浴温度で、真空下で、1時間濃縮し、淡黄色の油として粗生成物を得た。粗有機物を、シクロヘキサン/酢酸エチルグラジエントシステムを用いたフラッシュクロマトグラフィーシステムによって精製した。集めた分画を、真空中で濃縮し、その後、高真空下で16時間乾燥し、白色のフワフワとした固体として生成物(0.044g,44%)を得た。MALDI C22122153[M+H]の計算値は3758.1、実測値は3758.4であった。
化合物125
【0850】
【化311】
【0851】
化合物110(26mg,0.012mmol)および化合物124(45mg,0.012mmol)を、無水トルエン(3mL)を加えた10mLのRBF中に入れ、真空下で30分間、乾燥のために蒸発させ、この共沸乾燥工程を2回以上繰り返した。出発材料を高真空下で12時間乾燥させた。その後、無水ジクロロメタン(0.2mL)、および乾燥した4Åモレキュラーシーブ(MS)を窒素雰囲気下で加え、室温で45分間攪拌し、その後0℃に冷却した。TMS-OTf(0.2μL,2.4μmol)を、反応混合物に加え、30分間攪拌した。その後、反応混合物を10℃に0.5時間、ゆっくり温め、その後1時間室温で攪拌した。TLC分析は、供与体スポットの消失および新しいスポットの存在を示した。トリエチルアミンの添加によって5℃で反応をクエンチした。粗有機物を、シクロヘキサン/酢酸エチルグラジエントシステムを用いたフラッシュクロマトグラフィーシステムによって精製した。集めた分画を、真空内で濃縮し、その後、高真空下で16時間乾燥し、白色のフワフワとした固体として生成物(22mg,32%)を得た。Maldi C34031953[M+H]の計算値は5711.2、実測値は5715.6であった。
化合物126
【0852】
【化312】
【0853】
化合物126を、化合物119の合成に記述される手順にしたがって、化合物125から調製した。
化合物127
【0854】
【化313】
【0855】
化合物127を、化合物120の合成に記述される手順にしたがって、化合物126から調製した。
[A-7 クレブシエラニューモニエガラクタン-III糖の調製]
[A-7-1 クレブシエラニューモニエガラクタン-III三糖類の調製]
化合物128
【0856】
【化314】
【0857】
DCM(13mL)中に化合物4(420mg,0.653mmol)を有する溶液に、4ÅのMS、PhSO(172mg,0.849mmol)および2,4,6-トリ-tert-ブチルピリミジン(404mg,1.633mmol)を加え、混合物を20分間攪拌した。反応混合物を-78℃に冷却した。TfO(240mg,0.849mmol)を加え、反応混合物を、同じ温度で20分間攪拌した。その後、5-アジドペンタノール(169mg,1.307mmol)を滴下して、2mLのDCMに溶解した。反応混合物を、-40℃で3時間にわたって温め、その後、トリエチルアミン(3mL)を用いてクエンチした。反応混合物を、DCM(20mL)を用いて希釈し、ブライン(30mL)を用いて洗浄し、有機層をNaSOで乾燥させた。粗混合物を、シリカゲル(酢酸エチル/シクロヘキサン)を用いた自動精製システムを用いて精製した。生成物(TLCに基づく)を含む試験管からの真空中での溶媒の濃縮は、無色の油として生成物(350mg,81%)を与えた。C3751Na[M+Na]の計算値は684.3445、実測値は684.3371であった。
化合物129
【0858】
【化315】
【0859】
THF(5mL)中に化合物128(350mg,0.529mmol)を有する溶液に、HF.py(0.11mL,4.23mmol)を加え、反応を室温で2時間攪拌させた。出発材料の完全な消費後(TLC)、反応を、トリエチルアミン(0.5mL)を用いてクエンチし、飽和NaHCOおよびブラインを用いて洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、溶媒を真空下で除去した。粗反応混合物を、シリカ(酢酸エチル/シクロヘキサン)を用いた自動精製システムによって精製し、無色の油として生成物(199mg,72%)を得た。
化合物130
【0860】
【化316】
【0861】
無水安息香酸(99mg,0.437mmol)およびトリエチルアミン(295mg,2.91mmol)を、DCM(2mL)中にジオール129(190mg,0.364mmol)を有する溶液に加え、反応を、室温で一晩攪拌させた。反応物を、DCM(10mL)を用いて希釈し、飽和NaHCO(5mL)を用いて洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、溶媒をロータベーパー(Rotavapor)で濃縮した。残渣を、シリカゲル(酢酸エチル/シクロヘキサン)を用いた自動精製システム(コンビフラッシュ(Combiflash))を用いて精製した。生成物を含む試験管を合わせて、溶媒を蒸発させ、無色の油として生成物(225mg,99%)を得た。C3639Na[M+Na]の計算値は648.2686、実測値は648.2625であった。
化合物131
【0862】
【化317】
【0863】
トルエン:ジオキサン(3:1,1.2mL)に化合物9(65mg,0.100mmol)および化合物130(55mg,0.088mmol)を有する溶液に、4Å
MSを加え、混合物を室温で1時間攪拌させた。その後、NIS(28mg,0.123mmol)を加え、反応混合物を0℃に冷却した。TMSOTf(1.6μL,8.8μmol)を加え、反応混合物を1.5時間、0℃で攪拌した。反応を、トリエチルアミン(0.1mL)を用いてクエンチし、DCM(10mL)を用いて希釈し、並びに10%NaSOおよび飽和NaHCOを用いて抽出した。有機層を、NaSOで乾燥させ、溶媒をロータベーパー(rotavapor)で濃縮した。シリカ(酢酸エチル/シクロヘキサン)を用いた自動精製システムによる精製は、溶媒の蒸発後に、無色の油
として生成物(60mg,59%)を与えた。C707113Na[M+Na]の計算値は1184.4885、実測値は1184.4783であった。
化合物132
【0864】
【化318】
【0865】
10mLのRFB中に、DCM:MeOH(4:1,2mL)に化合物131(60mg,0.052mmol)を有する溶液に、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノンを0℃で加えた。反応混合物を室温で2時間40分攪拌した。TLC(シクロヘキサン中にEtOAc,2:1)によって反応を観察した。反応を、DCM(10mL)を用いて希釈し、飽和NaHCO(5ml)を用いてクエンチした。有機層を、飽和NaHCO(5mL)およびブライン(5mL)を用いて洗浄した。有機層をNaSO(0.2g)で乾燥させ、ろ過し、ろ液を真空下で15分間濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、シリカ(酢酸エチル/シクロヘキサン)を用いた自動フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。生成物(TLCにく)を含む試験管からの真空中での溶媒の濃縮は、結果的に、無色の油(35mg,66%)をもたらした。C596313Na[M+Na]の計算値は1044.4259、実測値は1044.4156であった。
化合物133
【0866】
【化319】
【0867】
化合物10(33mg,0.032mmol)および化合物132(30mg,0.044mmol)を、トルエンを用いて共沸させ、高真空下で20分間乾燥した。DCM(6mL)中に供与体および受容体を有する溶液に、4ÅのMSを加え、混合物を室温で30分間攪拌した。その後、反応混合物を、-40℃に冷却した。NIS(11mg,0.048mmol)およびAgOTf(2mg,8.07mmol)を加え、反応混合物を、-20℃に1時間にわたって温めた。反応を同じ温度で1時間攪拌した。トリエチルアミン(0.2mL)を用いて反応をクエンチし、DCM(10mL)を用いて希釈し、並びにNaSOおよび飽和NaHCOを用いて抽出した。有機層を、NaSOで乾燥させ、溶媒をロータベーパー(rotavapor)で濃縮した。自動精製システム(酢酸エチル/シクロヘキサン)による精製は、溶媒の蒸発後に、無色の油として生成物(34mg,66%)を与えた。C938922Na[M+Na]の計算
値は1623.5869、実測値は1623.5714であった。
化合物134
【0868】
【化320】
【0869】
25%w/wメタノール中にナトリウムメトキシドを有する溶液(0.029mL,0.127mmol)を、MeOH:THF(2:1,1.5mL)の混合物中に化合物133(17mg,0.010mmol)を有する溶液に加えた。反応を同じ温度で20時間攪拌した。反応をAcOH(0.2mL)の添加によってクエンチ、溶媒を蒸発させた。溶出液としてDCM中に5%MeOHを有する溶液を用いたシリカゲルクロマトグラフィーによる精製は、溶媒の蒸発後、白色の油として生成物(9mg,87%)を与えた。
化合物135
【0870】
【化321】
【0871】
化合物134(9mg,0.009mmol)を、MeOH:DCM:EtOAc(2:0.5:0.5,3mL)の混合物に溶解した。Pd/C(10mg,0.009mmol)を加え、反応混合物を、水素を用いてパージし(5回)、水素圧(10バール)下で、60時間攪拌させた。その後、反応混合物を、HO:MeOH(1:1)を用いてPTFEフィルターに通してろ過し、有機溶媒を、ロータベーパー(Rotavapor)で蒸発させ、粗材料を凍結乾燥させた。粗生成物を、ミリQ(miliQ)HOを用いてセッパック(SepPak)によって精製し、白色の固体として生成物を得た(1mg,18%)。C2344NO16Na[M+H]の計算値は590.2660、実測値は590.2593であった。H NMR(400MHz,DO)δ5.26(d,J=2.7Hz,1H),5.10(d,J=3.6Hz,1H),5.05(d,J=3.7Hz,1H),4.31-4.21(m,3H),4.17-4.04(m,5H),4.03-3.94(m,2H),3.94-3.67(m,9H),3.66-3.57(m,1H),3.07(t,J=7.4Hz,2H),1.82-1.65(m,4H),1.59-1.45(m,2H)。13C NMR(101MHz,DO)δ109.0,100.1,98.3,82.2,80.9,78.3,76.8,76.1,71.6,70.8,70.5,69.1,68.9,68.0,67.9,62.7,60.7,60.4,39.4,28.1,26.5,22.4。
【0872】
[A-7-2 クレブシエラニューモニエガラクタン-III六糖類の調製]
化合物137
【0873】
【化322】
【0874】
DCM(40mL)中にイミデート供与体76(2.6g,3.41mmol)および4-メトキシフェノール(1.06,8.53mmol)を有する溶液に、4ÅのMSを加え、混合物を室温で30分間攪拌させた。TMSOTf(0.076g,0.341mmol)を加え、反応混合物を室温で2時間攪拌した。反応を、トリエチルアミン(0.2mL)を用いてクエンチし、ろ過し、溶媒をロータベーパー(rotavapor)で蒸発させた。シリカゲル(酢酸エチル/シクロヘキサン)を用いた自動精製システムによる精製は、溶媒の蒸発後に、泡として生成物(2.14g,90%)を与えた。HRMS(ESI+)C393612Na[M+Na]の計算値は719.2104、実測値は719.2036であった。
化合物138
【0875】
【化323】
【0876】
DCM(30mL)中に化合物137(2.14g,3.07mmol)を有する溶液に、酢酸(2.4mL,41.9mmol)に溶解したヒドラジン水和物(0.394g,12.29mmol)の溶液およびピリジン(3.6mL,44.5mmol)を加えた。結果的に生じる混合物を、室温で2時間攪拌した。反応をアセトン(3mL)の添加によってクエンチし、溶媒を真空下で除去し、粗生成物を得た(いくつかのピリジンは残存した)。粗生成物を、シリカゲル(酢酸エチル/シクロヘキサン)を用いる自動フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。生成物を含む試験管(TLCに基づく)からの真空中での溶媒の濃縮は、白色の泡として生成物(1.79g,97%)を与えた。HRMS(ESI+)C343010Na[M+Na]の計算値は621.1737、実測値は621.1672であった。
化合物139
【0877】
【化324】
【0878】
DCM(60mL)中に化合物4(2.5g,3.89mmol)を有する溶液に、4ÅのMS、PhSO(1.15g.5.68mmol)および2,4,6-トリ-tert-ブチルピリミジン(2.6g,10.47mmol)を加え、混合物を20分間攪拌した。反応混合物を-78℃に冷却した。TfO(1.8g,6.37mmol)を加え、反応混合物を、同じ温度で20分間攪拌した。その後、化合物138を滴下して10mLのDCMに溶解した。反応混合物を、-50℃で3時間にわたって温め、その後、トリエチルアミン(3mL)を用いてクエンチした。反応混合物を、DCM(50mL)を用いて希釈し、ブライン(30mL)を用いて洗浄し、有機層をNaSOで乾燥させた。粗混合物を、シリカゲル(酢酸エチル/シクロヘキサン)を用いた自動精製を用いて精製した。生成物(TLCに基づく)を含む試験管からの真空中での溶媒の濃縮は、無色の油として生成物(3.05g,90%)を与えた。C667015Na[M+Na]の計算値は1153.4392、実測値は1153.4268であった。
化合物140
【0879】
【化325】
【0880】
2×50mLファルコンチューブ(多量のため、溶液を2個のチューブに分けた)中のTHF(40mL)に化合物139(3g,2.65mmol)を有する溶液に、HF.py(21mL,21mmol)を加え、反応を室温で2時間攪拌させた。出発材料の完全な消費後(TLC)、反応を、トリエチルアミン(5mL)を用いてクエンチし、DCM(30mL)を用いて希釈し、飽和NaHCO(20mL)およびブライン(20mL)を用いて洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、溶媒を真空下で除去した。油残渣を、シリカゲル(酢酸エチル/シクロヘキサン)を用いた自動精製システム(コンビフラッシュ(Combiflash))を用いて精製した。生成物(TLCに基づく)を含む試験管からの真空中での溶媒の濃縮は、無色の油として生成物(2.4g,91%)を与えた。
化合物141
【0881】
【化326】
【0882】
無水安息香酸(0.66g,2.91mmol)およびトリエチルアミン(1.96g,19.37mmol)を、DCM(48mL)中にジオール140(2.4g,2.42mmol)を有する溶液に加え、反応を、室温で一晩攪拌させた。反応物を、DCM(30mL)を用いて希釈し、飽和NaHCO(20mL)を用いて洗浄した。層を分離し、水層を、DCM(2×30mL)を用いて抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、溶媒をロータベーパー(Rotavapor)で濃縮した。残渣を、シリ
カゲル(酢酸エチル/シクロヘキサン)を用いた自動精製システム(コンビフラッシュ(Combiflash))を用いて精製した。生成物を含む試験管を合わせて、溶媒を蒸発させ、無色の油として生成物(2.4g,90%)を得た。HRMS(ESI+)C655816Na[M+Na]の計算値は1117.3623、実測値は1117.3515であった。
化合物142
【0883】
【化327】
【0884】
トルエン:ジオキサン(3:1,40mL)に化合物9(2.216g,3.29mmol)および化合物141(2.4g,2.191mmol)を有する溶液に、4ÅのMSを加え、混合物を室温で1時間攪拌させた。その後、NIS(0.986g,4.38mmol)を加え、反応混合物を0℃に冷却した。TMSOTf(0.049g,0.219mmol)を加え、反応混合物を1.5時間、0℃で攪拌した。反応を、トリエチルアミン(3mL)を用いてクエンチし、DCM(70mL)を用いて希釈し、並びにNaSOおよび飽和NaHCOを用いて抽出した。有機層を、NaSOで乾燥させ、溶媒をロータベーパー(rotavapor)で濃縮した。シリカ(酢酸エチル/シクロヘキサン)を用いる自動精製システムによる精製は、溶媒の蒸発後に、黄色がかった固体として生成物(3.27g,91%)を与えた。HRMS(ESI+)C999022Na[M+Na]の計算値は1654.5855、実測値は1654.5658であった。
化合物143
【0885】
【化328】
【0886】
硝酸セリウムアンモニウム(249mg,0.453mmol)を、ACN/HO(8:1,4.5mL)中に化合物142(370mg,0.227mmol)を有する溶液に0℃で加えた。反応混合物を、20分間、同じ温度で攪拌し、室温に温めた。4時間後、さらに一定分量(aliquote)のCAN(100mg,0.182mmol)を、0℃で加え、反応混合物を、同じ温度で30分間攪拌した。30分後、反応物を、
DCM(20mL)を用いて希釈し、ブライン(10mL)を用いて洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、溶媒をロータベーパー(Rotavapor)(水浴~35℃)で濃縮した。残渣を、シリカ(酢酸エチル/シクロヘキサン)を用いた自動精製システムを用いて精製した。生成物を含む試験管を合わせて、溶媒を蒸発させ、黄色の油として生成物(275mg,79%)を得た。HRMS(ESI+)C928421Na[M+Na]の計算値は1548.5436、実測値は1548.5278であった。化合物144
【0887】
【化329】
【0888】
CsCO(141mg,0.433mmol)および2,2,2-トリフルオロ-N-フェニルアセトイミドイルクロリド(135mg,0.649mmol)を、DCM(10mL)中にラクトール143(330mg, mmol)を有する溶液に加えた。反応混合物を室温で攪拌し、TLCによって観察した。2時間後、全ての出発材料は消費され、反応物をセライトに通してろ過し、DCM(20mL)を用いて洗浄した。溶媒を蒸発させ、生成物を、シリカゲル(酢酸エチル/シクロヘキサン+1%EtN)を用いたカラムクロマトグラフィーによって精製した。TLCによって生成物を含む試験管を合わせて、溶媒を蒸発させ、無色の油として生成物(310mg,84%)を得た。
化合物145
【0889】
【化330】
【0890】
DCM(5mL)に化合物144(250mg,0.147mmol)および化合物132(137mg,0.134mmol)を有する溶液を、DCM(5mL)に溶解した。4ÅのMSを加え、30分間攪拌した。反応混合物を、-30℃に冷却し、TMSOTf(6mg,0.028mmol)を加え、反応物を-5℃に3時間にわたって温めた。トリエチルアミン(0.5mL)の添加によって反応をクエンチした。反応混合物をろ過し、DCM(20mL)を用いて希釈し、飽和NaHCOを用いて洗浄した。有機層を、NaSOで乾燥させ、溶媒を蒸発させ、油残渣を得た。粗反応混合物を、シリ
カ(酢酸エチル/シクロヘキサン)を用いた自動精製システムによって精製した。TLCによって生成物を含む試験管を合わせ、溶媒を蒸発させ、無色の油として生成物(259mg,76%)を得た。
化合物146
【0891】
【化331】
【0892】
10mLのRBF中に、DCM:MeOH(4:1,2mL)に化合物145(255mg,0.101mmol)を有する溶液に、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノンを0℃で加えた。反応混合物を室温で2時間40分攪拌した。TLC(シクロヘキサン中にEtOAc,2:1)によって反応を観察した。反応物を、DCM(10mL)を用いて希釈し、飽和NaHCO(5ml)を用いてクエンチした。有機層を、飽和NaHCO(5mL)およびブライン(5mL)を用いて洗浄した。有機層をNaSO(0.2g)で乾燥し、ろ過し、ろ液を真空下で15分間濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、シリカ(酢酸エチル/シクロヘキサン)を用いた自動フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。生成物(TLCに基づく)を含む試験管からの真空中での溶媒の濃縮は、結果的に、無色の油(120mg,50%)をもたらした。HRMS(ESI+)C14013733Na[M+Na]の計算値は2411.9066、実測値は2411.8844であった。
化合物147
【0893】
【化332】
【0894】
化合物95(54mg,0.070mmol)および化合物146(84mg,0.035mmol)を、トルエンを用いて共沸させ、真空下で一晩静置した。その後、混合物をDCM(5mL)に溶解した。4ÅのMSを加え、30分間攪拌した。反応混合物を、-50℃に冷却し、TMSOTf(6mg,0.028mmol)を加え、反応物を-5℃に4時間にわたって温めた。トリエチルアミン(0.03mL)の添加によって反
応をクエンチした。反応混合物をろ過し、溶媒を蒸発させ、油残渣を得た。粗反応混合物を、シリカ(酢酸エチル/シクロヘキサン)を用いた自動精製システムによって精製し、無色の油として生成物(80mg,77%)を得た。HRMS(ESI+)C17416342Na[M+Na]の計算値は2411.9066、実測値は2411.8844であった。
化合物148
【0895】
【化333】
【0896】
25%w/wメタノール中にナトリウムメトキシドを有する溶液(0.12mL,0.539mmol)を、MeOH:THF(2:1,3mL)の混合物中に六糖類147(80mg,0.027mmol)を有する溶液に加えた。反応物を同じ温度で20時間攪拌した。AcOH(0.2mL)の添加によって反応をクエンチ、溶媒を蒸発させた。粗材料を、アイソリュート(isolute)にロードした。1)シクロヘキサン、2)酢酸エチル、および3)DCM中にMeOH 5%の溶出順番で用いるシリカゲルクロマトグラフィーによる精製は、溶媒の蒸発後、白色の油として生成物(44mg,90%)を与えた。C9711931Na[M+Na]の計算値は1845.7759、実測値は1845.7556であった。
化合物149
【0897】
【化334】
【0898】
化合物148(40mg,0.022mmol)を、DCM:tBuOH:HO(1:0.8:0.2,2mL)の混合物に溶解した。PdC(40mg,0.038mmol)を加え、反応混合物を、水素を用いてパージし(5回)、反応を水素圧(5バール)下で、22時間攪拌させた。その後、反応混合物を、HO:ACN(1:1)を用いてPTFEフィルターに通してろ過し、有機溶媒を、ロータベーパー(Rotavapor)で蒸発させ、粗材料を凍結乾燥させた。粗生成物を、ミリQ(miliQ)HOを
用いてセッパック(SepPak)によって精製し、白色の固体として生成物を得た(17mg,72%)。C4174NO31[M+H]の計算値は1076.4245、実測値は1076.4123であった。H NMR(400MHz,DO)δ5.08-5.04(m,2H),4.94(d,J=3.9Hz,1H),4.90(d,J=3.7Hz,1H),4.88-4.81(m,2H),4.18(dd,J=5.4,2.9Hz,1H),4.14(dd,J=8.5,3.0Hz,1H),4.11-3.84(m,13H),3.83-3.37(m,22H),2.85(t,J=7.54Hz 1H),1.62-1.43(m,2H),1.38-1.23(m,1H)。13C NMR(101MHz,DO)δ109.5,109.1,100.3,100.2,98.4,84.7,82.3,81.0,80.5,79.8,78.3,78.2,76.9,76.6,76.1,72.1,71.9,70.9,70.7,70.6,70.1,69.2,69.2,69.0,68.7,68.1,67.9,67.9,62.9,62.8,60.6,60.4,60.0,39.5,28.2,26.6,22.5。
化合物149a-I
【0899】
【化335】
【0900】
化合物149a-Iを、化合物4および図12に示されるような対応するアルコールから化合物149と同様に調製した。
[A-7-3 クレブシエラニューモニエガラクタン-II九糖類の調製]
化合物150
【0901】
【化336】
【0902】
25mLのRBF中にDCM:MeOH(4:1,3.75mL)に化合物142(500mg,0.306mmol)を有する溶液に、アルゴン雰囲気下で、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(348mg,1.532mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌した。TLC(シクロヘキサン中にEtO
Ac,2:1)によって反応を観察した。反応物を、DCM(10mL)を用いて希釈し、飽和NaHCO(5ml)を用いてクエンチした。有機層を、飽和NaHCO(5mL)およびブライン(5mL)を用いて洗浄した。有機層をNaSO(0.2g)で乾燥させ、ろ過し、ろ液を真空下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、シリカ(酢酸エチル/シクロヘキサン)を用いた自動フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。生成物(TLCに基づく)を含む試験管からの真空中での溶媒の濃縮は、結果的に、無色の油(350mg,77%)をもたらした。C888222Na[M+Na]の計算値は1514.5229、実測値は1514.5256であった。
化合物151
【0903】
【化337】
【0904】
25mLのRBF中に、三糖類150(340mg,0.228mmol)を有する溶液に、アルゴン雰囲気下でレブリン酸(119mg,1.026mmol)、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩(197mg,1.026mmol)およびDMAP(84mg,0.684mmol)を加えた。結果的に生じる反応混合物を室温で攪拌した。TLCによって反応を観察した。5時間後、反応は完了しなかった。反応混合物を、DCM(10mL)を用いて希釈し、ブライン(5mL)を用いて洗浄した。水層を、DCM(1×5mL)を用いて抽出した。有機層を、NaSO(0.2g)で乾燥させ、ろ過し、およびろ液を真空下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物を、溶出液としてシクロヘキサン中にEtOAcを有する溶液を用いて自動フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。生成物を含む試験管(TLCに基づく)からの溶媒の濃縮は、結果的に白色の油(260mg,72%)を生じさせた。
化合物152
【0905】
【化338】
【0906】
硝酸セリウムアンモニウム(179mg,0.327mmol)を、ACN/HO(8:1,3.3mL)に化合物151(260mg,0.164mmol)を有する溶液に0℃で加えた。反応混合物を、20分間、同じ温度で攪拌し、室温に温めた。4時間
後、さらに一定分量(aliquote)のCAN(100mg,0.182mmol)を、0℃で加え、反応混合物を、同じ温度で30分間攪拌した。30分後、反応物を、DCM(20mL)を用いて希釈し、ブライン(10mL)を用いて洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、溶媒をロータベーパー(Rotavapor)(水浴~35℃)で濃縮した。残渣を、シリカ(酢酸エチル/シクロヘキサン)を用いる自動精製システムを用いて精製した。生成物を含む試験管を合わせて、溶媒を蒸発させ、黄色の油として生成物(209mg,86%)を得た。HRMS(ESI+)C868223Na[M+Na]の計算値は1505.5145、実測値は1505.5186であった。
化合物153
【0907】
【化339】
【0908】
CsCO(115mg,0.354mmol)および2,2,2-トリフルオロ-N-フェニルアセトイミドイルクロリド(49mg,0.236mmol)を、DCM(20mL)中にラクトール152(175mg,0.118mmol)を有する溶液に加えた。反応混合物を室温で攪拌し、TLCによって観察した。2時間後、全ての出発材料は消費され、反応物をセライトに通してろ過し、DCM(2mL)を用いて洗浄した。溶媒を蒸発させ、生成物を、シリカゲルおよび溶出液として酢酸エチル/シクロヘキサン+1%EtN)を用いたカラムクロマトグラフィーによって精製した。TLCによって生成物を含む試験管を合わせて、溶媒を蒸発させ、無色の油として生成物(188mg,96%)を得た。
化合物154
【0909】
【化340】
【0910】
三糖類153(69mg,0.042mmol)および化合物146(50mg,0.021mmol)を、トルエンを用いて共沸させ、真空下で1時間静置した。その後
、混合物をDCM(1.5mL)に溶解し、4ÅのMSを加え、30分間攪拌した。反応混合物を、-50℃に冷却し、TMSOTf(5μL,0.028mmol)を加え、反応物を-10℃に4時間にわたって温めた。トリエチルアミン(0.03mL)の添加によって反応をクエンチした。反応混合物をろ過し、溶媒を蒸発させ、油残渣を得た。粗反応混合物を、シリカ(酢酸エチル/シクロヘキサン)を用いた自動精製システムによって精製し、無色の油として生成物(50mg,62%)を得た。HRMS(ESI+)C22621755Na[M+Na]の計算値は3877.4240、実測値は3877.3947であった。
化合物155
【0911】
【化341】
【0912】
DCM(3mL)中に化合物154(100mg,0.026mmol)を有する溶液に、酢酸(0.04mL)に溶解されたヒドラジン水和物(8.14μL)の溶液およびピリジン(0.06mL)を加えた。結果的に生じる混合物を、室温で2時間攪拌した。反応をアセトン(0.3mL)の添加によってクエンチし、溶媒を真空下で除去し、粗生成物を得た。粗生成物を、溶出液としてn-ヘキサン中にEtOAc(0~80%)を有する溶液を用いた自動自動フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。生成物を含む試験管(TLCに基づく)からの真空中での溶媒の濃縮は、白色の油(97mg,100%)を生じさせた。HRMS(ESI+)C22121153Na[M+Na]の計算値は3779.3873、実測値は3779.3708であった。
化合物156
【0913】
【化342】
【0914】
化合物95(25mg,0.033mmol)および化合物155(50mg,0
.013mmol)を、トルエンを用いて共沸させ、真空下で30分間静置した。その後、混合物をDCM(2mL)に溶解し、4ÅのMSを加え、30分間攪拌した。反応混合物を、-50℃に冷却し、TMSOTf(5μL,0.028mmol)を加え、反応物を-5℃に2時間にわたって温めた。トリエチルアミン(0.03mL)の添加によって反応をクエンチした。反応混合物をろ過し、溶媒を蒸発させ、油残渣を得た。粗反応混合物を、シリカ(酢酸エチル/シクロヘキサン)を用いた自動精製システムによって精製し、無色の油として生成物(27mg,47%)を得た。LRMS(ESI+)C25523762Na[M+Na]の計算値は4358.5483、実測値は4358.5であった。
化合物157
【0915】
【化343】
【0916】
25%w/wメタノール中にナトリウムメトキシドを有する溶液(0.025mL,0.115mmol)を、MeOH:THF(2:1,1.5mL)の混合物中に化合物156(25mg,5.77μmol)を有する溶液に加えた。反応物を同じ温度で60時間攪拌した。反応をAcOH(0.1mL)の添加によってクエンチ、溶媒を蒸発させた。粗材料を、アイソリュート(isolute)にロードした。1)シクロヘキサン、2)酢酸エチル、および3)DCM中にMeOH 5%の溶出順番で用いたシリカゲルクロマトグラフィーによる精製は、溶媒の蒸発後、白色の油として生成物(13mg,84%)を与えた。
化合物158
【0917】
【化344】
【0918】
九糖類157(13mg,4.87μmol)を、DCM:tBuOH:H2O(1
:0.8:0.2,1.4mL)の混合物に溶解した。PdC(12mg,0.011mmol)を加え、反応混合物を、水素を用いてパージし(5回)、反応を水素圧(5バール)下で、22時間攪拌させた。その後、反応混合物を、HO:ACN(1:1)を用いてPTFEフィルターに通してろ過し、有機溶媒を、ロータベーパー(Rotavapor)で蒸発させ、粗材料を凍結乾燥させた。粗生成物を、ミリQ(miliQ)HOを用いてセッパック(SepPak)によって精製し、白色の固体として生成物を得た(5.6mg,74%)。C59103NO46[M+H]の計算値は1561.5751、実測値は1562.5728であった。H NMR(400MHz,DO)δ5.23-5.17(m,3H),5.10-5.06(m,2H),5.04(d,J=3.7Hz,1H),5.02-4.94(m,3H),4.37-4.27(m,4H),4.26-4.13(m,8H),4.12-3.98(m,11H),3.98-3.62(m,32H),3.59-3.52(d,J=9.8Hz,1H),2.99(t,J=7.5Hz,2H),1.75-1.61(m,4H),1.53-1.38(m,2H)。
化合物158a-I
【0919】
【化345】
【0920】
化合物158a-Iを、化合物4および図12に示されるような対応するアルコールから化合物158と同様に調製した。
[A-8 クレブシエラニューモニエO2a(ガラクタン-I)糖の調製]
化合物159
【0921】
【化346】
【0922】
化合物44(35mg,0.028mmol)を、真空中で、別々に、乾燥トルエンを用いて共沸乾燥させた。それを、室温でDCM(2mL)中に入れ、4Åモレキュラーシーブを加え、および10分間攪拌した。5-N-カルボキシベンジル-N-ベンジルアミノペンタノール(18.33mg,0.056mmol)を加え(ニート(neat))、10分間、N2雰囲気下で、室温で攪拌した。RMを-20℃に、ドライアイス-A
CN浴を用いて冷却し、RMにTMSOTf(1.2mg,5.60μmol)を加え、RMを、-20℃で5分間攪拌し、2度に1時間にわたってゆっくり温めた。TLC分析は、新しい強いスポットの存在および供与体材料の非存在を示した。したがって、RMを、NaHCO溶液(5mL)を用いてクエンチし、層を分離した。水層を、有機層を、ブライン溶液(5mL)を用いて洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、真空中で蒸発させ、粗生成物を得て、粗生成物を、溶出液としてEtOAcおよびシクロヘキサンを有するシリカカラムのバイオタージを用いて精製し、無色の層として生成物を得た(21.4mg,55%)。
化合物160
【0923】
【化347】
【0924】
化合物159(21mg,0.015mmol)を、THF-MeOH(2mL)に、室温で入れ、メタノール中にNaOMeを有する溶液(0.605mL,0.0302mmol)を加え、18時間攪拌を続けた。TLC分析(30%EA/CHx)は、SMの非存在および極性スポットの存在を示した。したがって、RMを真空中で蒸発させた。EA(5mL)および水(5mL)を用いて希釈した。AcOH(~0.3mL)を用いて中性pHになるまで酸性化した。EA(5mL×3)を用いて抽出した。合わせた有機物を、ブライン溶液(5mL)を用いて洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、および真空中で蒸発させ、淡黄色の層として粗生成物(11.7mg,80%)を得た。
化合物161
【0925】
【化348】
【0926】
化合物160(11mg,0.011mmol)を、DCM:tBuOH:HO(1:1:0.2,2.2mL)の混合物に入れ、ブタノール(0.2mL)中にPd/C(1mg,0.011mmol)を有する懸濁液を加え、~10バールのH2雰囲気下で、23時間水素化した。RMを、PTFEフィルターに通してろ過し、メタノール(2mL×3)、水中の50%メタノール(2mL×3)を用いて洗浄した。ろ液を、真空下で濃縮し、無色の層を得た。1H nmrは、依然として、分子中に一つのベンジル基があ
るようにみえたので、溶媒として水およびブタノール、および~10mgのPd/Cを用いて、材料を再度14時間水素化した。RMを、PTFEフィルターに通してろ過し、メタノール(2mL×3)、水中の50%メタノール(2mL×3)を用いて洗浄した。ろ液を真空下で濃縮し、無色の層(2.7mg,56%)を得た。LRMS(ESI+)C1733NO11[M+H]の計算値は428.2132、実測値は428.2037であった。
化合物162
【0927】
【化349】
【0928】
化合物54(500mg,0.250mmol)および化合物56(651mg,0.30mmol)の両方を、RBFに共に入れ、真空中で乾燥トルエンを用いて共沸乾燥させた。混合物をDCM(20mL)に室温で入れ、4Åのモレキュラーシーブを加え、30分間攪拌した。RMを、-10度に氷-アセトン浴を用いて冷却し、TMSOTf(9.20μL,0.05mmol)をRMに加え、RMを-10℃で5分間攪拌し、ゆっくり1時間にわたって5度に温めた。TLC分析(30%EA/CHx)は、反応が完了し、受容体SMの非存在およびわずかに極性のスポットの存在を示した。RMを、NaHCO溶液(2mL)を用いて10度でクエンチし、層を分離し、有機層を乾燥させ(NaSO)、ろ過し、および真空中で蒸発させた。EA/CHxを用いたシリカカラムクロマトグラフィーによる精製は、生成物を含む分画を与え、生成物を含む分画を真空下で蒸発させて、所望の生成物(890mg,89%)を産出した。MALDI-TOF
235220NaO57Si[M+Na]の計算値は4004.3938、実測値は4007.795であった。
化合物163
【0929】
【化350】
【0930】
化合物162は、一般的プロトコルBにしたがって、TDS除去反応を受けた:
得られた白色のフワフワとした固体として生成物163(617mg,97%)。
【0931】
MALDI-TOF C227202NaO57 [M+Na]の計算値3862.2806、実測値3864.889。
化合物164
【0932】
【化351】
【0933】
化合物163は、一般的プロトコルBにしたがって、2,2,2-トリフルオロ-N-フェニル-アセトイミドイルの存在下でイミデート164に変換された。
【0934】
得られた白色のフワフワとした固体として生成物(625mg,定量的)。
MALDI-TOF C235206NNaO57 [M+Na]の計算値4033.3101、実測値4037.043。
化合物165
【0935】
【化352】
【0936】
化合物165を、一般的プロトコルBにしたがって、5-アジドペンタノールおよび化合物164から得た。
得られた白色の粘着性固体として生成物(310mg,79%)。
【0937】
MALDI-TOF C23221257 [M+H]の計算値3951.3783、実測値3954.175。
化合物165L1~L10
化合物165L1~L10を、一般的プロトコルBにしたがって、グリコシル化反応によって、化合物164および対応するアルコールから調製した:
L1:
【0938】
【化353】
【0939】
白色の固体層、16mg、64%
MALDI-TOF C239H226NaO58[M+Na]の計算値4046.4633、実測値4046.458。
【0940】
【化354】
【0941】
白色の固体層、23.4mg、95%
MALDI-TOF C235H218N3O60[M+H]の計算値4041.4100、実測値4041.378。
【0942】
【化355】
【0943】
白色の固体層、23.7mg、96%
MALDI-TOF C234H214NaO59[M+Na]の計算値3990.3643、実測値3990.379。
【0944】
【化356】
【0945】
白色の固体層、23.9mg、98%
MALDI-TOF C233H212NaO59[M+Na]の計算値3976.3486、実測値3979.155。
【0946】
【化357】
【0947】
白色の固体層、22mg、85%
MALDI-TOF C241H229N3NaO63[M+Na]の計算値4195.4705、実測値4195.435。
【0948】
【化358】
【0949】
白色の固体層、24mg、99%
MALDI-TOF C232H212NaO58[M+Na]の計算値3948.3537、実測値3950.639。
【0950】
【化359】
【0951】
白色の固体層、16.5mg、67%
MALDI-TOF C231H209N3NaO58[M+Na]の計算値3975.3395、実測値3977.916。
【0952】
【化360】
【0953】
白色の固体層、21.4mg、86%
MALDI-TOF C237H221N3NaO57[M+Na]の計算値4043.4385、実測値4043.431。
【0954】
【化361】
【0955】
白色の固体層、20.3mg、83%
MALDI-TOF C232H210NaO57[M+Na]の計算値3930.3432、実測値3933.349。
L10:
【0956】
【化362】
【0957】
白色の固体層、24mg、98%
MALDI-TOF C231H209ClNaO58[M+Na]の計算値3968.2991、実測値3969.032。
化合物166
【0958】
【化363】
【0959】
化合物165は、一般的プロトコルAにしたがってメタノリシスを受けた:
白色の粘着性固体として得られた生成物(43mg,99%)。
MALDI-TOF C120147KN41 [M+K]の計算値2324.9147、実測値2327.888。
化合物167
【0960】
【化364】
【0961】
化合物166は、一般的プロトコルAにしたがって水素化反応を受けた:
白色のフワフワとした固体として得られた生成物(8mg,64%)。
H NMR(400MHz,重水)δ5.06(s,3H),4.93(s,3H),
4.90(d,J=3.5Hz,1H),4.88(d,J=1.8Hz,1H),4.32-4.22(m,3H),4.15-4.06(m,4H),4.04-3.42(m,43H),2.91-2.78(m,2H),1.52(dp,J=13.9,7.2,6.6Hz,4H),1.29(p,J=7.7,7.1Hz,2H)。
【0962】
HRMS(ESI+)C5394NO41 [M+H]の計算値1400.5301、実測値1400.5381。
化合物168
【0963】
【化365】
【0964】
化合物165は、一般的プロトコルAにしたがってNap-脱保護反応を受けた:
白色のフワフワとした固体として得られた生成物(153mg,88%)。
【0965】
MALDI-TOF C221H204N3O57[M+H]の計算値3811.3157、実測値3812.015。
化合物169
【0966】
【化366】
【0967】
化合物169を、一般的プロトコルBにしたがってグリコシル化反応によって、化合物168および化合物56から得た:
白色のフワフワとした固体として得られた生成物(43mg,70%)。
【0968】
MALDI-TOF C340H307KN3O85[M+K]の計算値5829.9430、実測値5834.474。
化合物170
【0969】
【化367】
【0970】
化合物170を、一般的プロトコルBにしたがってグリコシル化反応によって、化合物168および化合物164から得た:
白色のフワフワとした固体として得られた生成物(105mg,58%)。
【0971】
MALDI-TOF C448H403KN3O113[M+K]の計算値7670.5518、実測値7670.338。
化合物171
【0972】
【化368】
【0973】
化合物170は、一般的プロトコルBにしたがってメタノリシスを受けた:
白色の粘着性固体として得られた生成物(29mg,79%)。
MALDI-TOF C224H276N3O81[M+H]の計算値4303.7570、実測値4305.070。
化合物172
【0974】
【化369】
【0975】
化合物171は、一般的プロトコルAにしたがって水素化反応を受けた:
白色のフワフワとした固体として得られた生成物(4.8mg,77%)。
H NMR(400MHz,重水)δ5.27-5.17(m,7H),5.04(d,J=19.4Hz,9H),4.43-4.38(m,7H),4.30-4.00(m,31H),4.00-3.55(m,60H),2.98(t,J=7.6Hz,2H),1.66(dp,J=13.4,7.3,6.6Hz,4H),1.50-1.36(m,2H)。
【0976】
MALDI-TOF C101H174NNaO812+[M+Na+H]2+の計算
値1359.4827、実測値1359.4820。
化合物173
【0977】
【化370】
【0978】
化合物170は、一般的プロトコルAにしたがってNap-脱保護反応を受けた:
白色のフワフワとした固体として得られた生成物(77mg,78%)。
【0979】
MALDI-TOF C437H395N3O113[M+H]の計算値7492.5333、実測値7496.204。
化合物174
【0980】
【化371】
【0981】
化合物174を、一般的プロトコルBにしたがってグリコシル化反応によって、化合物173および化合物164から得た:
白色のフワフワとした固体として得られた生成物(39mg,57%)。
【0982】
MALDI C664H595KN3O169[M+K]の計算値11351.7694、実測値11355.171。
化合物175
【0983】
【化372】
【0984】
化合物174は、一般的プロトコルBにしたがってメタノリシスを受けた。
化合物176
【0985】
【化373】
【0986】
化合物175は、一般的プロトコルAにしたがって水素化反応を受けた。
B 複合糖質の調製および特徴づけ
KPC合成抗原52、61、66、69、75、81、88、91、99、120、123、149および158は、下記の手順に従って、免疫付与実験のための担体タンパク質CRM197(XX-CRM197)に、およびELISA(実施例C参照)のための被覆抗原としてのウシ血清アルブミン(BSA;(XX-BSA)に結合される。
【0987】
一般的な結合プロトコル
ステップ1:PNP-エステル合成
化合物52、61、66、69、75、81、88、91、99、120、123、149または158(1eq)を、DMSOまたはDMSO-ピリジン、またはDMSO-HOに、室温で、8mLバイアル中で溶解した。これに、活性化されたビス-(4-ニトロフェニル)アジペート(20eq)を加え、5分間攪拌した。トリエチルアミン(50eq)を加え、反応混合物を室温で3~5時間攪拌させた。反応混合物を、液体窒素を用いて凍結し、その後乾燥状態へと18時間凍結乾燥させ、淡黄色に着色された粗生成物を過剰の試薬と共に得た。粗生成物を、十分な量のCHCl、続いてDCMを用いて完全に洗浄し、過剰の試薬を除去した。固体パラ-ニトロフェニル(PNP)エステルを乾燥させ、次のステップのために用いた。
【0988】
ステップ2:タンパク質への結合
結合手順:NaPi緩衝液中に0.15MのNaClを有する溶液の50μL中に52、61、66、69、75、81、88、91、99、120、123、149または158のPNPエステルを有する溶液を、緩衝液(~150μL)中にCRM197またはBSAを含む反応バイアルに滴下した。バイアルを、50μLの緩衝液を用いて最終的にリンスし、反応バイアルに完全に移した。したがって、バイアル中の反応量は200μL以下となる。反応混合物は、色が黄色になり、反応混合物を室温で24時間攪拌した。複合溶液を、アミコン(登録商標)ウルトラ-0.5mL遠心ろ過機に移し、6分間、2~8℃で遠心分離した。300μLの緩衝液を反応バイアルに加え、リンスし、フィルターに移し、再び遠心分離した。追加の洗浄を1×PBS溶液を用いて行い、黄色の色が無くなり、複合体が透明溶液になるまで遠心分離した。最後の洗浄後、複合体を1×PBS溶液中で2~8℃で保存した。
【0989】
SDS-PAGE、SECクロマトグラフィー、およびMALDI分析によって、複合体を分析した。異なる抗原が1~15であることが明らかになった。担体上の糖の負荷は、MALDI分析を用いて複合体化タンパク質と非複合体化タンパク質との間で質量を減算することによって、明確に計算された。タンパク質含有量を、製品のプロトコルにしたがってマイクロBCA方法を用いて推定した。
【0990】
SDS-PAGE分析
試料を、マイクロチューブ(microfuge tube)中で混合し、サーモサイクラーで、5分間95℃で加熱した。5分間室温に冷却後、試料を約2.5μgで、10%ポリアクリルアミドゲルの各ウェルに、10μLのマーカーと共にロードした。試料の泳動を120Vの定電圧で1時間行った。染色を、製品指示書のとおりにゲルコード(GelCode)(商標)ブルーセーフタンパク染料(Blue Safe Protein Stain)を用いて行った。ゲルを、脱イオン化水を用いて一晩洗浄し、ゲルドキュメンテーションシステム(gel documentation system)を用いてスキャンした(図5参照)。
【0991】
複合糖質のサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)
免疫付与研究のために使用された複合糖質を、複合体化CRMタンパク質と非複合体化CRMタンパク質との間の質量の差を観察するためにSECによって分析した。50mM
トリス(Tris)、20mM NaCl、pH7.2で試料を希釈し、東ソー TSK G2000カラム(SWxl,7.8mm×30cm,5μm)および東ソー TSKゲル(登録商標)ガード(Guard)カラム(SWxl,6.0mm×4cm,7μm)を装着したアジレント(Agilent)1100HPLCシステムで分析を行った。流速を1mL/minに維持した(図6参照)。
【0992】
複合糖質61-CRM197および158-CRM197の特徴づけ
免疫付与研究のために使用されたKPC抗原複合糖質61-CRM197および158-CRM197は、結合効率および抗原量のために分析された。複合糖質のMALDI分析は、非常によい結合効率を明らかにした。複合体化CRM197タンパク質と非複合体化CRM197タンパク質との間の質量差は、異なる複合糖質のために3~10抗原/CRM197分子の負荷を産出した。
【0993】
複合糖質を、10%SDS-PAGEおよびSECによっても分析し、非複合体化CRM197タンパク質と比較して明確な質量変化を明らかにした(図5および図6)。
【0994】
C 免疫付与研究
材料:
・ELISAプレート(高結合、EIA/RIAプレート、96ウェル、低い蒸発蓋を有する平底、会社:コスター(Costar)(登録商標)3361)
・検出抗体:ヤギ抗ウサギIgGペルオキシダーゼ複合体(シグマ(Sigma)社、#A4914)およびヤギ抗-マウスIgG(H+L)ペルオキシダーゼ複合体(ディアノバ(Dianova)社 コード:115-035-068)
・ブロッキング溶液:PBS中に1%FCS(v/v)
・抗体希釈液:PBS+1%BSA(w/v)
・洗浄緩衝液:PBS+0.1%Tween20(PBS-T)
・現像溶液:1ステップ(Step)(商標)ウルトラ(Ultra)TMB-ELISA現像液(サーモサイエンティフィック(ThermoScientific)社、Cat#:34028)
・停止溶液:2M硫酸(HSO4)
・プレートリーダー:アントス(Anthos)HT2
・ソフトウェア:吸光度測定のためのウィンリード(WinRead)2.36およびデータプロッティングおよび分析のためのグラフパッドプリズム(GraphPad Prism)7
・アルム:水酸化アルミニウムゲルアジュバント(アルヒドロゲル(登録商標)2%)、ブレンタグ(Brenntag)社、バッチ#:5447 使用期限:2020年2月
・不完全フロイントアジュバント(Freund’s Adjuvant)(IFA).インビボジェン(InvivoGen)社;Cat:vac-ifa-10、バッチ#:IFA-39-03;使用期限:2019年9月
・クアンチプロ(QuantiPro)(商標)BCA分析キット(SIGMA)製品:QPBCA-1KT;ロット#:SLBR7451V;Pコード:1002296464・ミニ-プロティアン(Mini-PROTEAN)(登録商標)TGX(商標)ゲル-10%、10ウェル(30μL/ウェル)対照 Nr:64175708
・プレシジョンプラスデュアルカラー(Precision Plus Dual Color)、Cat:1610374;対照 Nr:641798899
・ゲルコード(GelCode)(商標)ブルーセーフタンパク染料(Blue Safe Protein Stain);サーモサイエンティフィック(ThermoScientific)社;Ref:1860957;ロット#:TA260266
・クレブシエラ ニューモニエLPS.シグマ(SIGMA)-L4268;ロット#:116M 4057V
方法:
1.細菌株およびLPS
LPS(O-抗原)において異なり、莢膜を有する/有さない、クレブシエラ ニューモニエ(KPC)株は、対応するLPSを単離、および精製するために使用された。精製されたLPSを、酵素結合免疫吸着分析法(ELISA)における被覆抗原として使用し
た。O2a,cLPSを、シグマ-アルドリッチ社から調達した。
【0995】
【表16】
【0996】
2.免疫付与のためのワクチン製剤
複合糖質を、マウス研究のために水酸化アルミニウム(アルム)アジュバントで、およびウサギにおける免疫付与のために不完全フロイントアジュバント(Freund’s Adjuvant)(IFA)で製剤化した。
【0997】
2.1 アルムにおける製剤
全ての製剤を、無菌条件下で調製した。複合糖質(DS)およびPBSを、50mLファルコン(Falcon)(商標)チューブ中で、必要とされるアルムの量(0.25mg/mL)を除いて、最終製剤量に応じて事前に計算した適切な比率で混合した。これはDS-PBS混合物を形成した。動物当たりの抗原/DS投与量を、5μg/100μL/動物に維持した。DS-PBS混合物を、血清学的ピペットを用いて優しく混合した(5X)。DS-PBS混合物に、対応する量の保存アルム(10mg/mL)を加え、1;40の最終アルム比率、または0.0250mg/mLとした。混合物を、5mLの血清学的ピペットを用いて優しくピペッティングすることによって(20X)すぐに混合した。ファルコン(商標)チューブに蓋をして、パラフィルム(登録商標)を用いて覆い、振とう機で、250rpmで、2時間、室温(RT)で混合させた。2時間のインキュベート時間後、製剤をクリーンベンチ下に置き、等分し、更なる使用まで4℃で更に保存した。
【0998】
2.2 IFAにおける製剤
インビボジェン(InvivoGen)からの不完全フロイントアジュバントを、ウサギ免疫付与研究のためのワクチンを製剤化するために使用した。プロトコルは、製品の通りに行われた。抗原:IFA濃度を1:1に保持した。動物当たりの抗原投与量を、5μg/200μL/動物(100μLの抗原+100μLのIFA)に保持した。所望の算出された量(最終免疫付与用量の50%)でIFAを15mLの滅菌ファルコン(商標)チューブに取った。算出された量(最終免疫付与用量の50%にPBSで調節された量)の希釈抗原溶液を、20Gの針を装着された3mL滅菌シリンジに取った。DS溶液を、IFAを含むファルコン(商標)チューブに加え、すぐに15秒間(5X)ボルテックスした。製剤の色は、ボルテックスをすると淡黄色から乳白色に変化し、そのことは、安定なエマルションの形成を示す。結果的に生じるワクチン製剤を、軽くボルテックスし、所望の投与量で2mLの滅菌チューブに等分した。免疫付与の前に、ワクチン製剤を含むチューブをボルテックスし、その後、動物に注射した。
【0999】
3.3 アルム製剤の特徴付け
アルムで製剤化された複合糖質を、製剤における最終アルム濃度、およびpHを決定するために特徴付けした。
【1000】
3.免疫付与スケジュール
マウスおよびウサギの免疫付与を、特定病原体未感染条件下で行い、食物および水を自由に提供した。マウス(n=6)およびウサギ(n=4)を、100μL/マウス、および200μL/ウサギの注射量でワクチン製剤(表2)を用いて皮下に免疫付与した。マウスのための抗原量は、5μg/動物に保持した。ウサギのための抗原量は、5μg/動物に保持した。マウスおよびウサギを、0、14、および28日に免疫付与した。抗体力価の決定のために、マウスでは-1、7、および22日に、ウサギでは0、7、および21日に、それぞれ血液を採取した。35日目に、動物を犠牲にし、血液を集めた。
【1001】
【表17】
【1002】
4.自家抗原被覆プレートを用いた血清の酵素結合免疫吸着分析法(ELISA):
抗原によるプレートの被覆:
複合体61-BSAおよび158-BSA、並びにLPS#1~#4を、被覆抗原として使用した。LPSを、10/20μg/mLの濃度でイソプロパノールに溶解した。100μLを、各ウェルを被覆するために使用し、結果的に1~2μg/ウェルの被覆濃度にした。LPS溶液を、ウェルにロードし、滅菌ベンチ内で、室温で一晩、蒸発に曝した。複合体61-BSAおよび158-BSAのために、各複合体を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)pH7.4に5μg/mLの濃度で溶解した。100μLを各ウェルに被覆し、4℃で一晩インキュベートし、0.5μg/ウェルの抗原濃度を得た。
【1003】
洗浄:
一晩、抗原の吸着後、プレートを、PBS-Tを用いて1X洗浄し(200μL/ウェル)、ウェル毎の過剰な液体を、プレートを反転することによって、およびクリーンドライティッシュタオル上で軽くたたくことによって除去した。
ブロッキング:
プレートを、200μLの商用のブロッキング溶液を用いてブロックし、2時間室温でインキュベートした。
【1004】
洗浄:
ブロッキング後、プレートを、PBS-Tを用いて3X洗浄し(200μL/ウェル)、ウェル毎の過剰な液体を、プレートを反転することによって、およびクリーンドライティッシュタオル上で軽くたたくことによって除去した。
血清の希釈およびインキュベーション:
異なる実験群の異なる時点から集められた血清(n=4ウサギ/群、またはn=6マウス/群)を、抗体希釈液(PBS+1%BSA)で、集められた血清の各希釈液へと希釈した。異なる実験群における100μLの希釈血清試料を、対応するウェルへデュプリケートで加え、250rpmに設定された振とう機で2時間、室温でインキュベートした。100μL/ウェルの抗体希釈液(PBS+1%BSA)は実験的ブランクを形成した。血清を用いてインキュベート後、プレートをPBS-Tを用いて4X洗浄し(200μL/ウェル)、ウェル毎の過剰な液体を、プレートを反転することによって、およびクリー
ンドライティッシュタオル上で軽くたたくことによって除去した。
【1005】
インキュベーション(検出抗体):
対応する検出抗体、抗-ウサギIgG HRP複合体または抗-マウスIgG HRP複合体を、抗体希釈液(PBS+1%BSA)で1:10,000に希釈し、100μL/ウェルを加え、振とう機で、250rpmで1時間、室温でインキュベートした。検出抗体を用いてインキュベートした後、プレートを、PBS-Tを用いて5X洗浄し(200μL/ウェル)、ウェル毎の過剰な液体を、プレートを反転することによって、およびクリーンドライティッシュタオル上で軽くたたくことによって除去した。
【1006】
基質付加:
各ウェルに、100μLの(4℃から室温に標準に戻された)滅菌済みのTMB(3,3,’,5,5’-テトラメチルベンジジン)基質を加え、暗室で15分間インキュベートした。酵素反応における青色を、2MのHSO溶液を50μL/ウェルで加えることによって停止し、結果的に黄色溶液になった。黄色溶液の吸光度を、プレートリーダーを用いて450nmで測定した。
【1007】
結果:
吸光度値を、グラフパッドプリズム(GraphPad prism)ソフトウェアを用いてグラフをプロットすることによって分析した。
【1008】
結果
61-CRM197、158-CRM197、167-CRM197、または172-CRM197を免疫付与されたマウスからの血清は、対応する抗原を認識する(図7参照)。血清は、対応するK.ニューモニエLPSと交差反応もする(図8Aおよび図8B参照)。61-CRM197を免疫付与されたウサギからの血清は、構造的に関連したK.ニューモニエLPS O1、O2、O2a,c、O2a、およびガラクタン-IIIを認識する(図9参照)。61-CRM197/158-CRM197を免疫付与されたウサギからの血清は、関連するBSA複合体61-BSAおよび158-BSAにおける対応するO-抗原を、それぞれ認識する(図10参照)。158-CRM197を免疫付与されたウサギからの血清は、対応するK.ニューモニエLPSを選択的に認識する(図11参照)。
【1009】
本願において提供されたデータは、本発明における複合体を用いて免疫付与後に、本発明のオリゴ糖に対して、並びにK.ニューモニエ血清型O1、O2、O2ac、およびカルバペネム耐性ST258の天然O-多糖に対して機能的な抗体を、ウサギおよびマウスにおいて誘発することを示す。抗体は、K.ニューモニエ血清型O1、O2、O2ac、およびカルバペネム耐性ST258の天然O-多糖(LPS)と交差反応し、このことは、これらの抗体がK.ニューモニエ細菌に結合する、およびK.ニューモニエ感染症に対する保護を与える可能性を示す。
【1010】
ELISAデータは、本発明における複合体が免疫原性であり、高い抗体力価を誘導することを更に証明する。したがって、ELISA分析は、本発明の式(I)のオリゴ糖が、ウサギおよびマウスに対して免疫原性であり、交差反応性抗体を生成することを示す。
図1
図2
図3
図4A
図4B-1】
図4B-2】
図4B-3】
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12