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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-19
(54)【発明の名称】統合電力供給制御システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   F24C 1/00 20060101AFI20230511BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230511BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
F24C1/00 A
H02J7/00 B
H02J7/00 X
H02J7/00 302A
H02J7/35 K
【請求項の数】 36
(21)【出願番号】P 2021181833
(22)【出願日】2021-11-08
(62)【分割の表示】P 2018530675の分割
【原出願日】2016-09-01
(65)【公開番号】P2022024002
(43)【公開日】2022-02-08
【審査請求日】2021-12-08
(31)【優先権主張番号】62/212,941
(32)【優先日】2015-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512287458
【氏名又は名称】プレスコ アイピー エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】PRESSCO IP LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100109508
【弁理士】
【氏名又は名称】菊間 忠之
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン, ベンジャミン, ディ.
(72)【発明者】
【氏名】コクラン,デビッド,ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ケイツ, ジョナサン, エム.
(72)【発明者】
【氏名】コクラン,ドン,ダブリュー.
【審査官】武市 匡紘
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-041854(JP,A)
【文献】特表2012-519826(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 1/00
H02J 7/00
H02J 7/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食料品に狭帯域赤外線エネルギを供給するための狭帯域半導体照射装置のアレイを運転するのに適した直流(DC)のためのエネルギを蓄えるようにもしくは出するように構成されたエネルギストレージ部;
食品加工または調理のシーケンスを表す少なくとも1つのパルス幅変調パターンに関する命令を記憶するように構成されたメモリ部;及び
前記メモリ部からの命令を実行し、且つ 前記アレイの直流(DC)入力要件および前記少なくとも1つのパルス幅変調パターンに基づいて、前記食品加工または調理のシーケンスが遂行され、前記アレイの狭帯域赤外線エネルギが前記食品加工または調理のシーケンスに従って調節されるように、且つ直流(DC)を制限することによって、前記エネルギストレージ部と外部電源とから前記アレイへのエネルギの供給を制御するように構成され、且つ
前記アレイの温度を監視し前記アレイが所定の動作温度を維持するように前記アレイ用の冷却装置に供給される電力を制御するように構成された制御プロセッサを含む、制御装置
を含み、
前記エネルギストレージ部は外部電源によって供給される電力よりも多い電力を放出できるように構成されている、
前記狭帯域半導体照射装置のアレイを有する狭帯域食品加工又は調理装置で使用する、統合電力供給制御システム。
【請求項2】
前記エネルギの大部分は、前記エネルギストレージ部によって供給される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記エネルギの大部分は、前記外部電源によって供給される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記エネルギストレージ部は、電力を前記冷却装置に供給する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記外部電源は、標準的な壁コンセントを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記エネルギストレージ部からの利用可能な電力は、標準的な壁コンセントからのそれの少なくとも2倍である、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記エネルギストレージ部は、化学電池、燃料電池又は高放電コンデンサの中の少なくとも1つである、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記エネルギストレージ部から放出された前記エネルギは、調節された定電流モードで提供される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記制御プロセッサは、少なくとも所定の調理レシピを使用して、プログラムされた電力出力をアレイに供給し、加熱プロセスを制御する能力を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記エネルギストレージ部に蓄えられるエネルギは、前記システムに接続されソーラーパネルによって、充、再充、又は補給される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記制御プロセッサは、インターネットに接続されていて、前記エネルギストレージ部に充填されるタイミングを含む、前記エネルギストレージ部における及び放の挙動を変更、更新又は修正できるようにする、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
と放とのサイクルは、「ゆっくりとした調理(スロークッキング)」又は「長時間に亘り一定温度に保持する調理」を実行できるように、時間的に広く間隔があいている、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記エネルギストレージ部のエネルギレベルを監視でき、且つ加熱レシピを開始する前に、所望する加熱結果を達成するのに十分なエネルギが使用可能であるかを判定できる、充監視コンポーネントを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
外部電源の有無を監視できるコンポーネントを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記食料品の異なる部分で異なった加熱結果を得るために、前記狭帯域半導体照射装置のアレイを制御するように、複数の制御チャネルを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
加熱レシピを読む、スキャンする、解釈する又は実施することの少なくとも1つを行える、及び重量を計れる(scale)、または、前記食品加工又は調理装置の状態又は特定の電力構成に基づいて或いは前記食品加工又は調理装置の要素に基づいて前記レシピを解釈できる、コンポーネントを、更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
外部情報源から更新された加熱レシピを検索するためのコンポーネントを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記エネルギストレージ部に蓄えられたエネルギを周辺機器と共有ができるように構成された、又は前記システムの他の制御及び/又は支援機能を周辺機器と共有ができるように構成された、接続コンポーネントを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記周辺機器は、狭帯域半導体アレイを利用して、目標とする赤外線エネルギを、食料品に供給する、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
C-DCコンバータを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
少なくとも1つの前記狭帯域半導体照射装置のアレイは、少なくとも100ワットの光子放射パワーを生成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
追加エネルギストレージ部を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
前記アレイへのエネルギの供給において、スパイクが生じ無い、請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
メモリ部に、食品加工または調理のシーケンスを表す少なくとも1つのパルス幅変調パターンに関する命令を保存し、
エネルギストレージ部及び外部電源か食料品に狭帯域赤外線エネルギを供給するための狭帯域半導体照射装置のアレイへの直流エネルギの供給を、前記アレイの直流(DC)入力要件および前記少なくとも1つのパルス幅変調パターンに基づいて、前記食品加工または調理のシーケンスが遂行され、前記アレイの狭帯域赤外線エネルギが前記食品加工または調理のシーケンスに従って調節されるように、且つ直流(DC)を制限することによって、制御し、 且つ
監視温度に基づいて前記アレイが所定の動作温度を維持するように前記アレイ用の冷却装置に供給する電力を制御することを含む、
前記狭帯域半導体照射装置のアレイを有する狭帯域食品加工又は調理装置で使用する、統合電力供給制御方法。
【請求項25】
複数の制御チャネルを使用して、パルス幅変調された前記直流エネルギを制御することを更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記エネルギの大部分は、前記エネルギストレージ部によって供給される、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記エネルギの大部分は、前記外部電源によって供給される、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記制御は、前記エネルギストレージ部から、調節された定電流モードで放出されたエネルギを提供することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記制御は、少なくとも所定の調理レシピを使用して、プログラムされた電力出力を前記アレイに供給し、加熱プロセスを制御することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
前記エネルギストレージ部に充填されるタイミングを含む、前記エネルギストレージ部における及び放の挙動を変更、更新又は修正することを更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
前記エネルギストレージ部のエネルギレベルを監視し、加熱レシピを開始する前に、所望する加熱結果を達成するのに十分なエネルギが使用可能であるかを判定することを更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項32】
外部電源の有無を監視することを更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項33】
前記食料品の異なる部分で異なった加熱結果を得るために、前記狭帯域半導体照射装置のアレイに対する複数の制御チャネルを制御することを更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項34】
加熱レシピを読む、スキャンする、解釈する又は実施することの少なくとも1つ、及び重量を計る(scale)、または、前記食品加工又は調理装置の状態又は特定の電力構成に基づいて或いは前記食品加工又は調理装置の要素に基づいて前記レシピを解釈することを、更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項35】
外部情報源から、更新された加熱レシピを検索することを更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項36】
前記エネルギストレージ部に蓄えられたエネルギを周辺機器と共有すること、又は他の制御及び/又は支援機能を周辺機器と共有することを更に含む、請求項24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2015年9月1日付で出願された米国仮出願第62/212,941号に基づいており、同仮出願の優先権を主張するものであり、同仮出願は、全体として本明細書に援用される。
【0002】
調理台用の電気機器を設計する際には、様々な妥協がつきものである。機器の体積や設置面積は、設計上の制約事項であり、費用も、設計上の制約事項であり、使用可能な電力も、別の設計上の制約事項である。これら設計上の決定は、有利には、消費者の選好、性能要件、製品特性、エネルギ効率、及び他の多くの事項を十分に考慮して行われる。本発明の実施形態は、独特な統合電力供給制御構成を提供すること及び促進することに関する。
【背景技術】
【0003】
背景として、殆どの家庭の台所には、120ボルトの電源コンセントだけが調理台付近に設けられている。通常1970年代以前に建築された古い一戸建て、アパート、及びコンドミニアムでは、比較的最近に改装していない限り、15アンペア回路のみが使用可能なことがある。1975年頃以降に建築された住宅の台所には、通常、20アンペア、120ボルトのコンセントが調理台に設けられている。従って、「ワット」数は、ボルトとアンペアの積から求められるため、120ボルトのAC電源では、約1,800ワットだけが、米国の住宅では一般的に使用可能である。ごく最近の住宅では、製品の設計者ができる限り広く顧客に対してアピールをしたい場合に、コンセントで2,400ワットを使用可能にすることがあるものの、全ての顧客に対して2,400ワットを使用可能にすることはできない。2,400ワットの製品は、多くの顧客に受け入れられうるであろうが、所与の製品によって対処される市場の最大規模がもともと限られる。この数や使用可能な正確な電流は、世界中の住居ごとに、異なるが、台所用や他の調理台用の装置に使用可能な全てのプラグは、通常、大型のビルトイン電気機器を対象とした専用の電力回路よりも大幅に低い電流での使用が可能になっている。大型の電気機器の多くは、より高い電力回路に配線される。しばしば、安全を保つ条件として、使用できる電力を、ヒューズ又は回路遮断器に表示された電流容量から幾分低めで示している。
【0004】
多くの台所には、より高い電圧で、30アンペア~70アンペアの大電流容量の回路(7,200~16,800ワット)に電気が供給されるレンジ、ビルトインもしくは壁埋込型のオーブンなどの他の極めて大きい電気機器、およびレンジ台上面がある。極めて高い割合の台所には、240ボルトの電気が使用可能な重電回路があるが、ビルトイン電気機器専用のことが多く、調理台コンセント又はプラグには使用可能ではない。たとえ費用が高くなくても、手頃な価格の調理台製品を考えている消費者にとって、240ボルトのコンセントを追加することは悲観的な見通しかも知れない。
【0005】
従って、全クラスの調理台製品に対して、実際に全家庭の消費者に使用可能な1,800ワットの電力範囲内で機能するように設計されねばならないという結論になりがちである。
【発明の概要】
【0006】
本発明の実施形態の一態様において、
食料品に狭帯域赤外線エネルギを供給するための狭帯域半導体照射装置のアレイを有する狭帯域食品加工又は調理装置で使用する統合電力供給制御システムは、
狭帯域半導体照射装置のアレイを運転するのに適した直流(DC)のエネルギを蓄えたり放出したりするように構成されたエネルギストレージ部、
調理又は照射のシーケンスを表す少なくとも1つのパルス幅変調パターンに関する命令を記憶するように構成されたメモリ部、及び
前記メモリ部からの命令を実行し、前記エネルギストレージ部と外部電源との少なくとも一方から前記アレイへのエネルギの供給を、前記少なくとも1つのパルス幅変調パターンに基づいて、前記調理又は照射のシーケンスが遂行されるように、制御し、且つ前記狭帯域半導体照射装置のアレイ用の監視付き冷却装置に供給される電力を制御するように構成された制御プロセッサを含む。
本実施形態の別の態様において、エネルギの大部分は、エネルギストレージ部によって供給される。
【0007】
本実施形態の別の態様において、エネルギの大部分は、外部電源によって供給される。
【0008】
本実施形態の別の態様において、エネルギストレージ部は、電力を冷却装置に供給する。
【0009】
本実施形態の別の態様において、エネルギ部は、標準的な壁コンセントから得られる電力よりも多くの電力を蓄えたり放出したりする。
【0010】
本実施形態の別の態様において、エネルギストレージ部から入手可能な電力は、標準的な壁コンセントの電力の少なくとも2倍である。
【0011】
本実施形態の別の態様において、エネルギストレージ部は、化学電池、燃料電池又は高放電コンデンサの中の少なくとも1つである。
【0012】
本実施形態の別の態様において、エネルギストレージ部から放出されたエネルギは、調節(regulated)された定電流モードで提供される。
【0013】
本実施形態の別の態様において、制御プロセッサは、加熱プロセスを制御するために、少なくとも所定の調理レシピを使用して、プログラムされた電力出力をアレイに供給する能力を有する。
【0014】
本実施形態の別の態様において、エネルギストレージ部に蓄えられたエネルギは、システムに接続されたソーラーパネルによって、充電、再充電、又は補給される。
【0015】
本実施形態の別の態様において、制御プロセッサは、インターネットに接続されて、エネルギストレージ部が充電されるタイミングを含む、エネルギストレージ部の充電及び放電の挙動を容易に変更(change)、更新(update)又は修正(modify)できるようにする。
【0016】
本実施形態の別の態様において、充電と放電とのサイクルは、ゆっくりとした調理又は持久(holding)プロファイルを容易にするために、時間的に広く間隔があいている。
【0017】
本実施形態の別の態様において、前記システムは、エネルギストレージ部のエネルギレベルを監視でき、且つ加熱レシピを開始する前に、所望する加熱結果を達成し且つそれに応じて通知を提供するのに十分なエネルギが使用可能であるかを判定できる、充電監視コンポーネントを更に含む。
【0018】
本実施形態の別の態様において、前記システムは、外部電源の有無を監視でき、且つ任意の更なるエネルギ源も考えて、所望する結果となるように加熱レシピを最適化できるコンポーネントを更に含む。
【0019】
本実施形態の別の態様において、前記システムは、食料品の異なる部分で異なった加熱結果を得るために、狭帯域半導体照射装置のアレイを制御するように、複数の制御チャネルを更に含む。
【0020】
本実施形態の別の態様において、前記システムは、加熱レシピを読む、スキャンする、解釈する又は実施することの少なくとも1つを行える、及び重量を計れる(scale)、でなければ、食品加工又は調理装置の状態又は特定の電力構成に基づいて、或いは食品加工又は調理装置の要素に基づいて、レシピを解釈できるコンポーネントを、更に含む。
【0021】
本実施形態の別の態様において、前記システムは、外部情報源から更新された加熱レシピを検索するためのコンポーネントを更に含む。
【0022】
本実施形態の別の態様において、前記システムは、該システムを、エネルギストレージ部に蓄積されたエネルギを共有(share)可能にする、又はシステムの他の制御及び/又は支援機能を周辺機器と共有(share)可能にする接続コンポーネントを更に含む。
【0023】
本実施形態の別の態様において、前記周辺機器は、狭帯域半導体アレイを利用して、目標とする赤外線エネルギを、食料品に供給する。
【0024】
本実施形態の別の態様において、前記システムは、DC-DCコンバータを更に含む。
【0025】
本実施形態の別の態様において、少なくとも1つの狭帯域半導体照射装置のアレイは、少なくとも100ワットの光子放射パワーを生成する。
【0026】
本実施形態の別の態様において、前記システムは、追加エネルギストレージ部を更に含む。
【0027】
本実施形態の別の態様において、前記アレイへのエネルギの供給は、クリーンで、スパイクが無い。
【0028】
本発明の実施形態の別の態様において、
狭帯域半導体照射装置のアレイを有する狭帯域食品加工又は調理装置で使用する、統合電力供給制御方法であって、該統合電力供給制御方法は、
メモリ部に、調理又は照射シーケンスを表す少なくとも1つのパルス幅変調パターンに関する命令を保存し、
エネルギストレージ部及び外部電源の少なくとも一つから前記アレイへの直流エネルギの供給を、前記少なくとも1つのパルス幅変調パターンに基づいて制御すると共に、前記アレイ用の監視付き冷却装置に供給される電力を制御することを含む。
【0029】
本実施形態の別の態様において、前記方法は、複数の制御チャネルを使用してパルス幅変調した前記直流エネルギを制御することを更に含む。
【0030】
本実施形態の別の態様において、前記エネルギの大部分は、前記エネルギストレージ部によって供給される。
【0031】
本実施形態の別の態様において、前記エネルギの大部分は、前記外部電源によって供給される。
【0032】
本実施形態の別の態様において、前記制御は、エネルギストレージ部から、調節された定電流モードで放出されたエネルギを提供することを含む。
【0033】
本実施形態の別の態様において、前記制御は、加熱プロセスを制御するために、少なくとも所定の調理レシピを使用して、プログラムされた電力出力をアレイに供給することを含む。
【0034】
本実施形態の別の態様において、前記方法は、エネルギストレージ部が充電されるタイミングを含む、エネルギストレージ部の充電及び放電の挙動を変更、更新又は修正することを更に含む。
【0035】
本実施形態の別の態様において、前記方法は、エネルギストレージ部のエネルギレベルを監視し、加熱レシピを開始する前に、所望する加熱結果を達成し且つそれに従い通知を提供するのに十分なエネルギが使用可能であるかを判定することを更に含む。
【0036】
本実施形態の別の態様において、前記方法は、外部電源の有無を監視し、任意の更なるエネルギ源も考えて、所望する結果となるように加熱レシピを最適化することを更に含む。
【0037】
本実施形態の別の態様において、前記方法は、食料品の異なる部分で異なった加熱結果を得るために、狭帯域半導体照射装置のアレイに対する複数の制御チャネルを制御することを更に含む。
【0038】
本実施形態の別の態様において、前記方法は、加熱レシピを読む、スキャンする、解釈する又は実施することの少なくとも1つ、及び重量を計る(scale)、でなければ、食品加工又は調理装置の状態又は特定の電力構成に基づいて、或いは食品加工又は調理装置の要素に基づいてレシピを解釈することを、更に含む。
【0039】
本実施形態の別の態様において、前記方法は、外部情報源から、更新された加熱レシピを検索することを更に含む。
【0040】
本実施形態の別の態様において、前記方法は、エネルギストレージ部に蓄積されたエネルギを共有(share)すること、又は他の制御及び/又は支援機能を、周辺機器と共有(share)することを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本発明の実施形態に係るシステムの一代表例を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る方法の一例を示すフローチャートである。
図3】本発明の実施形態に係るシステムの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
全く新しい種類の調理技術が、現在、消費者に紹介されている。それは、「デジタル熱注入(digital heat injection)」と呼ばれる調理技術である。この調理技術は、半導体装置、例えば、レーザダイオード装置又はLED装置を含む狭帯域半導体装置のアレイによって発生する狭帯域赤外線エネルギを、食品加工若しくは調理ユニット、又はオーブンで使用して、高品質だが、従来の固体マイクロ波オーブンを含む他の調理技術によって達成できる調理時間よりも該して速い速度で食品を調理する。かかるシステムの少なくとも一つの例では、放射される狭帯域の赤外線エネルギは、食品の少なくとも1つの所望する吸収特性に合致する波長又は狭波長帯域を有する。かかるシステムでは、光学的又は光子的放射パワーの、例えば、100ワットという。最低限の仕様が食品を調理するのに使用されるアレイの少なくとも1つに対して考慮される。
【0043】
かかる狭帯域調理に要する時間は、食品を対象にした狭帯域赤外線エネルギの量に略比例するので、この技術を最大限利用できる大きさの、十分な照射パワーを有するアレイを使用するのが、望ましい。適切な電力がアレイに供給可能である場合、ステーキ、個々のアントレ、又は冷凍食品の調理は、ほんの1~3分間でできる。しかしながら、アレイの大きさ及びパワーが半分にされると、その時間は、およそ2倍になり、更に半分にされると、更に2倍になる。味の良し悪しは、調理時間に関係無いが、調理時間が速いという利点の幾つかは、減少するだろう。調理が、何等かの形をした固体アレイによって、促進される場合、この技術が提供できる全ての利点をユーザが享受するために適切な数の固体装置がアレイに含まれるように、オーブン技術を構成するのが、望ましい。一例として、1,800ワットの電気機器は、ある品目を調理するのに7分かかるかも知れないが、3,600ワットの電気機器では、同じ品目は、およそ3.5分で調理されるかも知れない。NXPによって製造されたような、半導体ベースのRF又はマイクロ波装置のアレイは、狭帯域赤外線装置と同じ電力が必要なことがあり、ある程度同様の電力供給コントローラを有することがある。該アレイは、幾つかの高電力構成においても、本願で示された概念から利益を得られることがある。
【0044】
概して、エネルギ入力のジュール数は、食料品の調理時間に正比例する。しかしながら、食料品の中には、食品を構成する組織が傷つきやすい性状のため、一定の閾値レベルを超えたエネルギ入力には耐えられないものも存在する。一般に、ジュール出力が高い狭帯域オーブンほど、放射エネルギ出力が増大するので、比例して速く調理される。これは、深く浸入した波長や、調理サイクルの少なくとも一部で、特に該当する。アレイの全出力は、所与の食料品又は品目の組合せに対する理想的な調理レシピを開発する一環として導出できる多くの要因に応じて、調理レシピサイクルの全体に亘り又は一部にも使用されないことがある。
【0045】
例えば、冷凍食品を調理する極最初においては、単位時間当たりのエネルギ入力のレベルを高くするのが望ましいことがある。次に、食料品の正確な種類に応じて、単位時間当たりのエネルギ入力を徐々に低下させて、最速の調理時間と最適な味の調理結果との最良な組合せになるようにするのが、最適なことがある。一般に狭帯域の調理を実行するのに使われるダイオード型半導体装置の性質から、通常、特定の調理用途に望ましいエネルギ入力パワープロファイルを得るためには、時間通りにパルス幅変調(PWM:pulse width modulate)するのが、より望ましい。狭帯域アレイのダイオードは、耐用年数が長く、出力が効率的であり、ダイオードが最適な電圧と電流で稼働されれば、時期尚早の不具合を回避できる可能性が高い、及び/又は適切なジュール出力を生成するであろう。装置がそれ程出力を生成しなくてもよい間に、装置により低電圧又は低電流が供給されれば、一般的に、壁プラグは、ワット当たりの出力ジュールに関して、効率が悪い。それ程最適ではない電圧/電流では、光子として出て来るエネルギは少ないため、装置は、一層多くの熱を発生させ、一層冷却を必要とする。過剰な電流は、これらのダイオード装置に致命的な場合があるので、何らかの形の電流制御が、必要不可欠である。
【0046】
従って、有利な、例えば、本実施形態に係る最適な電力供給は、制御された一定の電流及び電圧を有するが、所望のデューティサイクルのON(入り)/OFF(切り)のパルスにすることができる。つまり、80%の電力レベルを達成するのに、電力供給制御システムは、選択された照射時間の80%の時間ONされることになる。これは、4秒間ONにし、1秒間OFFにし、次に、再び4秒間ONにし、1秒間OFFにして、例えば、照射時間が完了するまで繰り返す形を取ることができる。或いは、半導体装置は、マイクロ秒以下で応答できるため、それより遥かに速いパルス、例えば繰返しシーケンスにおいて、0.8秒間ONおよび0.2秒間OFFのパルスにすることができる。同様に、20%の照射パワーの出力が要求される場合、装置又はアレイに電力を1ミリ秒間提供され、その後4ミリ秒間提供しないとするといった正反対のシーケンスにする。所望であれば、速度を最大限に生かすために、1マイクロ秒間ONにし、4マイクロ秒間OFFしてもよく、これは、実用的な見地から、十分に速く、連続的に20%の電力レベルで発生させる効果がある。
【0047】
所与の食料品に対するよく練られた調理レシピは、恐らく、時間の関数として導入される複数の異なるデューティサイクル電力レベルと関係する可能性がある。かかる調理レシピは、様々な方法でシステムに提供できる。例えば、このレシピは、インターネット等幾つかの他の情報源から提供されるか、手動で若しくは他の方法で入力されるか、または調理パック(cookpack)から読み込む等のような物理的実体を読み込むセンサを介して提供できる。このレシピは、本明細書で記載するように使用できる。例えば、レシピを実施するために、何かを調理する最初の10秒間に80%のデューティサイクル電力レベルを使用し、その後、次の30秒間に100%まで高め、その後、次の10秒間に20%にまで下げ、もう20秒間に100%にまで戻し、続いて別の低電力平衡化時間、続いて高電力調理時間、その後、2分間に亘るランプダウン(ramp down)期間で、80%から初めて徐々に10秒間毎に10%ずつ、30%レベルで調理シーケンスを終了するまで、減少させることが望ましい。半導体のアレイが十分にデジタル熱源に達するので、電力供給切換え及び電池自体は、本実施形態に従う少なくとも1つの形で、急速にパルス化する高電流引込み負荷要求に対応できる。制御システムは、少なくとも1つの形では、調理レシピ、例えば真に最適な調理レシピを表すことがある、長い列になる可能性があるパルス幅変調パターンをメモリから呼び出すことができる。デジタルの狭帯域の調理用又は固体マイクロ波は、様々な装置が、個別に又は小グループで、照射又はRFエネルギが対応して変調されるように、制御されることを、通常、決定付ける。フィードバックセンサは、任意の、多くの、又は全ての半導体装置に関する実際のパルス幅変調を更に精緻化可能にし、技術をより高度に実施する際に調理レシピをかなり大幅に、更に精緻化できる。制御システムには、それら自体のレシピに応じてパルス幅変調される必要がある任意の装置又は装置群のパルス化を促進するのに十分制御された出力チャネルを有する。これは、必要に応じて領域調理(zone cooking)をし易くするであろう。制御システム及び統合電流制御電力供給体は、少なくとも1つの形では、よく練られたレシピの必要な部分としてこれらシーケンスを記憶し、実行できる。
【0048】
改良された又は最適化された結果に関して、本実施形態の少なくとも1つの形では、電力供給体は、狭帯域アレイ構成が設計された電圧及び電流で、クリーンで、スパイクが無く、減衰(sag)が無い、パルス変調された電気エネルギを供給でき、且つ採用されるものと全く同じ種類のダイオード又は半導体装置と合致すべきである。高電流が可能で、クリーンなパルス変調が可能な従来の電力供給体は、かなり大型で、高価となる傾向がある。また、それらには、120ボルトで15又は20アンペアの家庭用プラグ回路から使用可能な2倍、3倍、4倍またはそれ以上の電力量に容易になり得る高入力電力要件もある。これは、調理台ユニット又はより高電力入力AC回路が容易に、経済的に、又は直ぐに利用できない場所で、狭帯域調理を実施するのに制約となる。このシステムの電池部分が、さもなければ必要とされるであろう大型のAC-DC電力供給より経済的なことが証明できるため、遥かに高電力の電気機器に対してこの技術を実施することが、望ましいことがある。
【0049】
本実施形態によると、こうした課題に対する例示的な解決方法は、高電流のエネルギストレージシステムを含み、該エネルギストレージシステムは、適切に制限され且つ制御された直流電力で狭帯域半導体アレイを駆動する、統合電流制御及びパルス変調能力を有する。このエネルギストレージシステムは、コンデンサ式、電池式、又はハイブリッド式としてもよいが、統合電流制御、及び制御システムの命令及び上述した仕様に従い、正確にパルス変調を行う能力を有することが極めて重要である。少なくとも1つの形では、出力電圧及び電流の制限は、装置の寿命を保護し、尚且つ適切に照射するために、半導体又はダイオードアレイの入力要件に完全に合致させなければならない。
【0050】
結局、アレイに供給される電力は、アレイに正確な電流制御電気エネルギを供給して、最終的な結果として、例えば、少なくとも1つのアレイで、100ワット以上(100+ watts)の光学的又は光子的パワー出力を生成するために、直流(DC)であるか又はDCに変換される必要がある。歴史的に、電球等の多くの発熱アレイは、非制御のAC又はDC電力入力に関し、交互に使用してもよいし、又は適切に機能するように設計されてもよいが、狭帯域光点又は半導体アレイは、本来的に、電流制御されたDC電力を必要とする。これは、本概念の特徴的な部分のひとつである。狭帯域装置のアレイは、
一連の直列したダイオードで通常設計されて、アレイを駆動する入力電圧を上昇させる。これは、比較的高電圧に設計して、アレイの入力電流をより妥当なものにすることを意味するかも知れない。このように設計されない場合、入力電圧は、極めて低くなる可能性があるが、アレイの入力電流は、実用的な電流伝達量を遥かに超えることがある。電流及びワイヤ直径が、妥当な範囲になるようにするが、完全に電気設計者の裁量で、自身の状況に応じてシステム上この態様を最適化するように、入力電圧を100ボルトDC付近にするのが望ましい場合もある。設計者が如何なる指定をしても、電池アレイは、適切な電流容量で正確な高電圧を提供できる程度の直列容量を構成しなければならない。
【0051】
また、ストレージシステム又は電池も、制御が、ダイオード/アレイの温度を監視し、そして、アレイ組立体を安全で効率的な運転温度に保つ冷却装置に電力を供給するように、統合されるであろう。
【0052】
本実施形態に係る、標準的な15アンペア120ボルトの電気回路で運転可能な高パワーの狭帯域デジタル調理アレイシステムを有するという課題に対する例示的な解決方法を、以下に記述する。図1を参照すると、オーブンキャビティ部14を照射するために大きな照射装置のアレイ12を有する、例示的な典型的な狭帯域のオーブン又は食品加工もしくは調理するための装置10は、特別な電力供給制御システム20によって駆動されるようになっている。少なくとも1つの形では、アレイは、狭帯域赤外線エネルギを食品又は食料品に供給するために、狭帯域半導体照射装置のアレイとする。また、フィードバックセンサ15も示されているが、該センサは、任意であり、様々な異なる形を取ってもよい。
【0053】
例えば、プロセッサ又はコントローラ22を使用して、電力供給制御システム20は、電力供給制御システム20内に構成されたメモリ部24に保存された調理又は照射シーケンスを表すパルス幅変調パターンの教示、保存又は検索されたストリングを繰返しながら、大量の電流制限エネルギに関して、パルス幅を適切に変調する能力を有する。これに関して、プロセッサ又はコントローラ(又は制御プロセッサ)は、メモリ部からの命令を実行し、エネルギストレージ部と外部電源との少なくとも1つからアレイへのエネルギの供給を、少なくとも1つのパルス幅パターンに基づいて制御して、調理又は照射シーケンスを実施するように構成されると共に、狭帯域半導体照射装置のアレイ用の監視付き冷却装置に供給される電力を制御するように構成される。このようにして、制御プロセッサは、加熱プロセスを制御するために、少なくとも所定の調理レシピを使用して、プログラムされた電力出力をアレイに供給できる。少なくとも1つの形では、エネルギは、調節された定電流モードで提供される。
【0054】
電力供給制御システムは、、駆動されるデジタル狭帯域アレイ用に指定された電圧及び電流になるように、全電気パルスの正確な電流レベルを制御することができる。例えば、大電流容量電池、大電流容量コンデンサ、燃料電池、ハイブリッドシステムなどを含む、電気又はエネルギのストレージシステム28が、従来のAC-DC変換電力供給の代わりに、電力供給制御と統合される。システム20のエネルギストレージ部28は、システム10における特定の調理時間(session)中に必要な電力を供給するのに十分な電気エネルギを蓄積できる。少なくとも1つの形では、エネルギストレージ体又はストレージ部又はストレージ媒体は、狭帯域半導体照射アレイを運転するのに適する直流(DC)のエネルギを蓄えたり又は放出したりするように構成される。少なくとも1つの形では、瞬間的なワット容量は、高パワーの狭帯域又は固体マイクロ波調理を容易にするために、典型的な120ボルト15アンペアの電気回路等の標準的な壁コンセントから得られるものの数倍(例えば、2倍以上)になるであろう。
【0055】
本実施形態の少なくとも1つの形では、システムによって供給されるエネルギの大部分は、エネルギストレージ部によって供給される。または、エネルギの大部分は、外部電源によって供給されてもよい。更に、エネルギストレージ部は、アレイ用冷却装置にも電力を供給できる。少なくとも1つの形では、エネルギストレージ部は、システム用の全エネルギを供給することができる。これにより、外部電源がないとき及び/又は可搬性が望まれる場合を含む多くの環境において運転可能になる。
【0056】
電力供給制御システム20は、十分に蓄積された電気エネルギが、次に指定された調理レシピを完成するのにまだ使用可能か否かについて、計算し、報告できる程度の知能を有する。制御システム20は、充電モードと放電モードの両方で電力供給体を通過した電気のクーロンを監視し、それによりエネルギストレージ部、例えば電池(例えば、化学電池)、燃料電池、又はコンデンサ(例えば、高放電コンデンサ)に残存する電力量を、常時、把握するようにする。システム20は、電池が、最も安価なオフピーク電気使用時間帯中に充電する能力を含む、所有者の命令及び選好に応じて充電できるように、電池の調子を監視する及び/又はスマート充電を行うことを含む様々な機能及び特徴に関して、プログラムされる能力を有する。また、制御システム20は、緊急事態に必要な場合に電池に蓄積された電力を使用するために、及び他の装置を再充電するために、他の電気製品及びパーソナルエレクトロニクスとネットワーク接続する能力も有する。制御システム20は、高電力の再充電システムを監視及び制御できる、或いは極めて低い電力の充電システムによる再充電、又は太陽光発電の充電システムによる再充電を監視することができる。また、システム20は、基本的な電力を増大させるために追加される更なるエネルギストレージ装置を収容する能力も有する。これは、例えば、ビルインの電力蓄積部で4回の平均的な食事を調理するための基本的な容量を有する電気機器に使用することができる。更なるアドオンの拡張蓄積パックを加えることによって(例えば、クイックコネクトを使用して)、その容量を恐らく6食分まで増やすことができる。第2、第3又はそれ以上の拡張蓄積パックで拡張して、より長い調理時間も可能にする能力を有するようにできる。かかるシステムは、停電又は緊急事態の場合に、実際に他の電気機器又は電気装置にバックアップ電力を提供する能力を有することができる。また、電池又はエネルギストレージ部を監視し、例えば、フル充電のための時間、残りの使用時間又は調理時間、調理容量、必要な再充電時間、再充電スケジューリング、又は調理開始容量若しくは時間を決定することができる。
【0057】
かかる電力供給制御システム20は、有利には、インターネット・オブ・シングス(IoT)と統合されて、所有者に、調理の進捗及び残り時間、再充電時間及び特定の目的のための充電に関する様々な情報、太陽光発電の使用可能な電流、及び他の情報を含む多くの物事について、徹底的に知らせ続ける。このシステムは、外部電源の有無を監視し、任意の更なるエネルギ源も考えて、所望する結果となるように加熱レシピを最適化するために、コンポーネントを含んでもよいし、又はそのように構成されてもよい。このシステムは、最も節約でき、低費用となるオフピークの時間まで充電を知的に遅らせるグリッドアウェアネス(grid awareness)を具備することができる。例えば、制御プロセッサは、インターネットに接続されて、例えば、所望する電気料金を利用するために、エネルギストレージ部が充電されるタイミングを含む、エネルギストレージ部の充電及び放電挙動を容易に変更、更新又は修正できるようにしてもよい。また、電力供給コントローラが、狭帯域アレイ用冷却装置を稼働し、監視することも期待できるであろう。また、電力供給制御システムは、極めてゆっくりとした調理を行う目的、又は長期間に亘り何かを一定温度に保持する目的で、長いサイクルの調理(例えば、一時的に間隔を広くした充電及び放電サイクルを使用する)を実行及び制御することもできる。依然としてエネルギ伝達についてパルス幅変調することになるが、間隔をあけて、長時間に亘る非常に低いデューティサイクルで、伝達するであろう。このシステムは、所望であれば、パルス幅変調放電の間に充電する程に高性能にしてもよい。
【0058】
制御プロセッサは、少なくとも1つの形では、食料品又は食品の異なる部分で異なった加熱結果を得るために、複数のチャネルで狭帯域半導体照射アレイを制御するように構成される。アレイ又はアレイの一部は、この特徴を達成するために、制御に関する異なるチャネルに応答可能である。
【0059】
また、このシステムは、少なくとも1つの形では、加熱レシピを読む、スキャンする、解釈する又は実行することの少なくとも1つを行い、且つ重量を計るように、またはさもなくは食品加工又は調理装置の状態又は特定の電力構成に基づいて、或いは食品加工又は調理装置の要素に基づいてレシピを解釈するように構成される、或いはそのように行うコンポーネントを含む。システムの監視仕様は、例えば、電池の状態、アレイの数及びパワー、エネルギ源(エネルギストレージ部又はストレージ媒体以外の供給源を含む)、及び制御チャネル数を含む様々な要素を含んでもよい。
【0060】
また、電力供給制御システム20は、少なくとも1つの形では、該システムの運転パラメータを更新するために、例えば、インターネット接続で外部の情報源に接続可能にする。例えば、このシステムは、特定の調理レシピに関する更新情報を検索するために、インターネット(又は、他の適切なネットワーク)に接続できる。かかる更新は、例えば、食料品又は食品の新しい調理プログラムや、食料品又は食品の新しい調理パック又は容器が入手可能になった場合に、適切な情報源から入手できる。更に、かかる更新は、システムの運転を更新に対応するために変更する引き金となる可能性がある。
【0061】
次に図2を参照して、運転時の、本実施形態による例示的な方法100について、説明する。まず、電力の供給及び/又は制御が、開始される(102で)。その後、コントローラ又はプロセッサ22は、メモリ部24で保存又は保持された命令を、読み込み、検索、解釈、実施、又は実行する。上述したように、これらの命令は、様々な形を取る可能性があるが、一般的に、例えば、オーブンシステム10のアレイにおける調理又は照射シーケンスを表すパルス幅変調パターンを含む。次に、エネルギストレージ部28及び/又は任意の外部電源(例えば、壁コンセント)の少なくとも一つからのエネルギを含む、システム20を通してアレイに供給される電力は、メモリ部から検索された命令に従い制御される。また、少なくとも1つの形では、電力は、任意のアレイ用冷却装置(例えば、監視付き冷却装置)のためにも供給及び/又は制御される。
【0062】
勿論、この方法100は、一例に過ぎない。また、本実施形態に関する要素の機能を実施する他の方法も、実施できる。例えば、その方法は、複数の制御チャネルを使用してパルス幅変調された直流エネルギを制御することを含むことができる。その方法では、結果的に、エネルギの大部分が、エネルギストレージ部によって供給できる、又はエネルギの大部分が、外部電源によって供給できる。制御は、エネルギストレージ部から、調節された定電流モードで、放出されるエネルギを提供することを含むことができる。制御は、加熱プロセスを制御するために、少なくとも所定の調理レシピを使用して、プログラムされた電力出力をアレイに供給することを含むことができる。この方法は、エネルギストレージ部が充電されるタイミングを含む、エネルギストレージ部の充電及び放電挙動を変更、更新又は修正することを含むことができる。この方法は、エネルギストレージ部のエネルギレベルを監視すること、及び加熱レシピを開始する前に、所望する加熱結果を達成し、それに従い通知を提供するのに十分なエネルギが使用可能であるかを判定することを含むことができる。この方法は、外部電源の有無を監視すること、及び任意の更なるエネルギ源も考えて、所望する結果となるように加熱レシピを最適化することを含むことができる。この方法は、食料品の異なる部分で異なった加熱結果を得るために狭帯域半導体照射アレイへの複数のチャネルを制御することを含むことができる。この方法は、加熱レシピを読む、スキャンする、解釈する又は実施することの少なくとも1つ、及び重量を計る(scaling)こと、でなければ、食品加工又は調理装置の状態又は特定の電力構成に基づいて、或いは食品加工又は調理装置の要素に基づいて、前記レシピを解釈することを含むことができる。この方法は、外部情報源から、更新された加熱レシピを検索することを含むことができる。この方法は、エネルギストレージ部に蓄積されたエネルギを共有(sharing)することを含むことができる、又はシステムの他の制御機能及び/又は支援機能を周辺機器と共有できる。
【0063】
次に、図3を参照すると、図1に示される形態のシステムを含む本システムの別の例示的な実施形態が示されている。当然ながら、上記の特徴(図1のシステムの特徴、及び図2と関連して説明した方法を含む)は、当業者によって分かるように、図3のシステムで実施できる。図3には、システム300が描かれている。システム300は、少なくとも1つの形では、本実施形態による電力供給制御システムを使用する食品加工又は調理装置であり、電源(例えば、外部電源)を利用する-該電源には、ACプラグ301が接続でき-該電源は、例えば、交流(AC)壁コンセント又はレセプタクルの形を取ることができる。ACプラグ301は、入力バス303に接続されるAC/DCコンバータ302に接続される。また、別の電力入力304は、随意に入力バス303にも接続される。別の電力入力304は、ソーラー電源、発電機、燃料電池等の様々な別の電源に対応できる。別の電源304は、補充電力をシステムに提供できる、或いはエネルギストレージ媒体又はストレージ部306(後述する)等、システムの要素に電力を提供又は充電できる。例えば、エネルギストレージ部は、システムに接続されたソーラーパネルによって、充電、再充電、又は補給できる。また、DC/DCコンバータは、確実にシステムの全要素が、適切な又は最適な運転のために正確な電圧を受けるように、システムに具備できる。
【0064】
入力バス303は、例えば、2つの異なる経路で出力バス307に接続する。第1経路は、入力バス303と出力バス307との間の直接接続を確立する。第2経路は、充電モニタ305及びエネルギストレージ媒体306を含む。
【0065】
充電モニタ305は、エネルギストレージ媒体又はストレージ部306の充電及び放電能力を監視するように、様々な形を取ることができる。同様に、エネルギストレージ媒体306は、コンデンサ式システム、電池式システム、化学システム、燃料電池、又はハイブリッドシステムを含む、上記の形を含む、様々な形を取ることができる。また、当然ながら、エネルギストレージ媒体は、図示された外部電源(例えば、ACプラグ301又は別の電力入力307)又は他の電源(図示せず)を使用して、充電できる。
【0066】
また、代替の外部負荷308は、出力バス307にも接続できる。代替外部負荷は、様々な形を取ることができ、様々な異なる能力をシステム300に提供できる。例えば、代替外部負荷308は、外部装置及び機器用の充電ポートとすることができる。かかる外部又は周辺装置又は機器は、エネルギ(エネルギストレージ部からのエネルギを含む)を共有(シェアリング)してもよい、及び/又はシステムに提供された全ての他の制御及び/又は支援機能又は特徴を共有(シェアリング)してもよく、また、かかる装置は、目標とする赤外線エネルギを食料品に供給するために、狭帯域半導体照射アレイを利用できる。ほんの一例として、かかる装置は、トースタを含むことができる。
【0067】
制御システム309及び電流制御要素310は、出力バス307にも接続される。制御システム309は、図1のプロセッサ又はコントローラ22を含むシステムの特徴及び能力を含む、ここに記載された能力を達成するために、様々な形を取ることができる。少なくとも1つの形では、制御システム309は、例えば、システム300の全機能を達成するために、ユーザインタフェース311、リモートインタフェース312、及び様々なカメラ及びセンサ313と通信するプロセッサ又は制御プロセッサを含む。
【0068】
制御システム309は、少なくとも1つの形では、レシピ又は他のプログラムされた機能を実施するために、システムで使用される調理又は照射シーケンスを表すパルス幅変調パターンを保存したメモリ部を含む。図示したように、メモリ部は、制御システム309と統合されている;しかしながら、メモリ部は、例えば、図1の要素24によって示されたように、別々の要素としてもよい。
【0069】
また、制御システム309は、電流制御要素310とも通信して、上記パターンに基づいて、計画されたパルス幅変調技術を使用して、エミッタアレイ(放射アレイ)に提供される直流(DC)エネルギを制御する。
【0070】
本実施形態は、例示的なハードウェアの構成及び/又はソフトウェアルーチンに関して記載されるものと理解される。しかしながら、様々な異なるハードウェア構成及び/又はソフトウェアルーチンが、本実施形態を実施するのに使用できる。
【0071】
また、上記電力供給制御システムは、狭帯域ベースの又は半導体ベースの調理装置の性能を劇的に向上させ、より便利で、より持ち運びし易く、より幅広い年代の潜在的所有者に利用可能になり得る。上記では、本実施形態の特定の種類の電力供給制御システムソリューションに関する幾つかの能力について記載したが、他の特徴、能力及び利点については、当業者が、かかる技術を実施し始めると、明らかになるであろう。
【0072】
概して、例示的な実施形態について記載した。変形例及び変更例は、前述した詳細な説明を読み、理解すると、他者にも思いつくかも知れない。例示的な実施形態は、例えば、認められたクレーム又はその均等物によって、本出願に付与される保護の範囲に入る限り、全てのかかる変形例及び変更例を含むと解釈されるものとする。
図1
図2
図3