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特許7277582タンパク質キナーゼC活性化剤で処理された幹細胞またはその培養物を含む自己免疫疾患の予防または治療用薬学的組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-19
(54)【発明の名称】タンパク質キナーゼC活性化剤で処理された幹細胞またはその培養物を含む自己免疫疾患の予防または治療用薬学的組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/28 20150101AFI20230511BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20230511BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20230511BHJP
   C12N 5/0775 20100101ALI20230511BHJP
【FI】
A61K35/28
A61P37/02
A61P37/06
C12N5/0775
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021525208
(86)(22)【出願日】2019-11-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(86)【国際出願番号】 KR2019014960
(87)【国際公開番号】W WO2020096340
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2021-05-10
(31)【優先権主張番号】10-2018-0137578
(32)【優先日】2018-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520493429
【氏名又は名称】コアステム カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CORESTEM CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(72)【発明者】
【氏名】ギム ギョンスク
(72)【発明者】
【氏名】イ テヨン
【審査官】篭島 福太郎
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2016-0109356(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0144679(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第101085983(CN,A)
【文献】国際公開第2018/048220(WO,A1)
【文献】米国特許第05891906(US,A)
【文献】Cellular & Molecular Immunology,2008年,Vol.5, No.6,p.417-424
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 35/28
A61P 37/02
A61P 37/06
C12N 5/0775
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンパク質キナーゼC活性化剤(protein kinase C activator)で処理された間葉系幹細胞またはその培養物を含み、
前記タンパク質キナーゼC活性化剤は、ホルボールミリステートアセテート、インゲノール3-アンゲレート、ブリオスタチン-1、ホルボール-12,13-ジブチラート、プロストラチン、N-(6-フェニルヘキシル)-5-クロロ-1-ナフタレンスルホンアミドおよび5-クロロ-N-ヘプチルナフタレン-1-スルホンアミドよりなる群から選ばれる1つ以上を含む、自己免疫疾患の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項2】
前記タンパク質キナーゼC活性化剤は、幹細胞のCXCL10の発現を増加させることを特徴とする請求項1に記載の自己免疫疾患の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項3】
前記タンパク質キナーゼC活性化剤は、幹細胞のPD-L1(programmed death-ligand 1)の発現を増加させることによってB細胞の細胞死を増加させることを特徴とする請求項1に記載の自己免疫疾患の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項4】
前記自己免疫疾患は、ループス(全身性紅斑性狼瘡)、関節リウマチ(rheumatoid arthritis)、全身性強皮症(Progressive systemic sclerosis,Scleroderma)、アトピー皮膚炎、円形脱毛症(alopecia areata)、乾癬、天疱瘡、喘息、アフタ性口内炎、慢性甲状腺炎、炎症性腸炎、ベーチェット病(Behcet’s disease)、クローン病、皮膚筋炎(dermatomyositis)、多発性筋炎(polymyositis)、多発性硬化症(multiple sclerosis)、自己免疫性溶血性貧血(Autoimmune hemolytic anemia)、自己免疫性脳脊髄炎、重症筋無力症(Myasthenia gravis)、グレーブス病(Graves’ disease)、結節性多発動脈炎(Polyarteritis nodosa)、強直性脊椎炎(Ankylosing spondylitis)、線維筋痛症候群(Fibromyalgia syndrome)および側頭動脈炎(Temporal arteritis)よりなる群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の自己免疫疾患の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項5】
間葉系幹細胞にタンパク質キナーゼC活性化剤(protein kinase C activator)を添加して培養する段階を含み、
前記タンパク質キナーゼC活性化剤は、ホルボールミリステートアセテート、インゲノール3-アンゲレート、ブリオスタチン-1、ホルボール-12,13-ジブチラート、プロストラチン、N-(6-フェニルヘキシル)-5-クロロ-1-ナフタレンスルホンアミドおよび5-クロロ-N-ヘプチルナフタレン-1-スルホンアミドよりなる群から選ばれる1つ以上を含む、免疫抑制剤の製造方法。
【請求項6】
タンパク質キナーゼC活性化剤(protein kinase C activator)で処理された間葉系幹細胞またはその培養物を被験体に投与する段階を含み、
前記タンパク質キナーゼC活性化剤は、ホルボールミリステートアセテート、インゲノール3-アンゲレート、ブリオスタチン-1、ホルボール-12,13-ジブチラート、プロストラチン、N-(6-フェニルヘキシル)-5-クロロ-1-ナフタレンスルホンアミドおよび5-クロロ-N-ヘプチルナフタレン-1-スルホンアミドよりなる群から選ばれる1つ以上を含む、ヒトを除いた被験体の免疫反応を抑制する方法。
【請求項7】
請求項1に記載の薬学的組成物をヒトを除く個体に投与または服用させる段階を含む自己免疫疾患の予防または治療方法。
【請求項8】
自己免疫疾患を予防するための薬剤または治療するための薬剤を製造するための請求項1に記載の薬学的組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年11月9日に出願された韓国特許出願第10-2018-0137578号を優先権として主張し、前記明細書の全体は本出願の参考文献である。
【0002】
本発明は、タンパク質キナーゼC活性化剤(protein kinase C activator)で処理された幹細胞またはその培養物を含む自己免疫疾患の予防または治療用薬学的組成物に関し、より詳細には、B細胞の機能を抑制することができて、自己免疫疾患の予防または治療効果に優れた、自己免疫疾患の予防または治療用薬学的組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
幹細胞(stem cell)とは、組織を構成する各細胞に分化(differentiation)する前段階の未分化細胞を総称して言う言葉であり、特定の分化刺激(環境)によって特定の細胞への分化が進行される。幹細胞は、細胞分裂が停止した分化した細胞とは異なって、細胞分裂により自分と同じ細胞を生産(self-renewal)することができて、増殖(proliferation;expansion)する特性があり、また、分化刺激が加えられると、特定の細胞に分化するが、他の環境または他の分化刺激により他の細胞にも分化することができて、分化に柔軟性(plasticity)を有していることが特徴である。
【0004】
このような幹細胞の多分化性は、ヒトの発生過程の研究のための良い実験モデル(in vitro model)を提供する。幹細胞から得られた均質なヒトの組織や、細胞を対象に薬物検査、毒性検査を行うと、新薬の開発が容易になりえる。ひいては、損傷された組織を代替できる細胞や組織を多量で得ることができるようになって、難治性疾病の治療に利用することができる。
【0005】
間葉系幹細胞は、幹細胞能(stemness)と自己再生能(self renewal)を維持し、多様な間葉組織に分化できる能力(plasticity)を有する細胞である。骨髄(bone marrow)、脂肪組織(adipose tissue)、臍帯血(umbilical cord blood)、滑膜(synovial membrane)、骨組織(trabecular bone)、膝蓋下脂肪体(infrapatellar fat pad)等から抽出することができる。間葉系幹細胞は、Tリンパ球、Bリンパ球の活性、増殖を抑制し、ナチュラルキラー細胞(natural killer cell,NK cell)の活性を抑制し、樹状細胞(dendritic cell)とマクロファージ(macrophage)の機能を調節する免疫調節能力を有しているので、同種移植(allotransplantation)と異種移植(xenotransplantation)が可能な細胞である。また、間葉系幹細胞は、軟骨、骨組織、靭帯、骨髄基質など多様な結合組織に分化できる能力を有する。特に脂肪組織に由来する脂肪由来の間葉系幹細胞は、ASC(adipose-derived stem/stromal cell)やADAS(adipose-derived adult stem cell)等の名前で細分化され、外傷や、腫瘍除去手術、火傷などによってできた軟部組織欠損を治療する生体材料の生産に応用され得る。
【0006】
一方、ループスは、免疫異常反応で自己抗原により樹状細胞、T細胞そしてB細胞を活性化させる。したがって、自己抗体が生成され、自己抗原と免疫複合体を形成して多様な臓器を侵して症状が現れる。このようなループス疾病を治療するために多様に治療剤が開発されており、特に免疫調節作用を有している間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell,MSC)が有望な治療剤として研究されている。MSCは、T細胞の機能を抑制することが報告されたが、B細胞の機能を抑制できるMSCに関する研究が不十分な現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】韓国公開特許第10-2015-0144679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、タンパク質キナーゼC活性化剤(protein kinase C activator)で処理された幹細胞またはその培養物を含む自己免疫疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供する。
【0009】
また、本発明は、前記組成物をヒトを除いた個体に投与する段階を含む自己免疫疾患の予防または治療方法を提供する。
【0010】
また、本発明は、幹細胞にタンパク質キナーゼC活性化剤(protein kinase C activator)を添加して培養する段階を含む、免疫抑制剤の製造方法を提供する。
【0011】
また、本発明は、タンパク質キナーゼC活性化剤(protein kinase C activator)で処理された幹細胞またはその培養物を被験体に投与する段階を含む、ヒトを除いた被験体の免疫反応を抑制する方法を提供する。
【0012】
しかしながら、本発明が達成しようとする技術的課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていないさらに他の課題は、下記の記載から当業者に明確に理解され得る。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、タンパク質キナーゼC活性化剤(protein kinase C activator)で処理された幹細胞またはその培養物を含む自己免疫疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供する。
【0014】
前記タンパク質キナーゼC活性化剤は、ホルボールミリステートアセテート(phorbol myristate acetate)、インゲノール3-アンゲレート(Ingenol 3-Angelate)、ブリオスタチン-1(Bryostatin-1)、ホルボール-12,13-ジブチラート(phorbol-12,13-dibutyrate)、プロストラチン(Prostratin)、N-(6-フェニルヘキシル)-5-クロロ-1-ナフタレンスルホンアミド(SC-9)および5-クロロ-N-ヘプチルナフタレン-1-スルホンアミド(SC-10)よりなる群から選ばれる1つ以上を含むことができる。
【0015】
前記幹細胞は、成体幹細胞、多能性幹細胞、誘導多能性幹細胞(induced pluripotent stem cells)または胚性幹細胞でありうる。
【0016】
前記成体幹細胞は、間葉系幹細胞、間葉系ストローマ細胞(mesenchymal stromal cell)または多分化能幹細胞でありうる。
【0017】
前記タンパク質キナーゼC活性化剤は、幹細胞のCXCL10の発現を増加させることができる。
【0018】
前記タンパク質キナーゼC活性化剤は、幹細胞のPD-L1(programmed death-ligand 1)発現を増加させることによって、B細胞の細胞死を増加させることができる。
【0019】
前記自己免疫疾患は、ループス(全身性紅斑性狼瘡)、関節リウマチ(rheumatoid arthritis)、全身性強皮症(Progressive systemic sclerosis,Scleroderma)、アトピー皮膚炎、円形脱毛症(alopecia areata)、乾癬、天疱瘡、喘息、アフタ性口内炎、慢性甲状腺炎、炎症性腸炎、ベーチェット病(Behcet’s disease)、クローン病、皮膚筋炎(dermatomyositis)、多発性筋炎(polymyositis)、多発性硬化症(multiple sclerosis)、自己免疫性溶血性貧血(Autoimmune hemolytic anemia)、自己免疫性脳脊髄炎、重症筋無力症(Myasthenia gravis)、グレーブス病(Graves’ disease)、結節性多発動脈炎(Polyarteritis nodosa)、強直性脊椎炎(Ankylosing spondylitis)、線維筋痛症候群(Fibromyalgia syndrome)および側頭動脈炎(Temporal arteritis)よりなる群から選択され得る。
【0020】
また、本発明は、前記組成物をヒトを除いた個体に投与する段階を含む、自己免疫疾患の予防または治療方法を提供する。
【0021】
また、本発明は、幹細胞にタンパク質キナーゼC活性化剤(protein kinase C activator)を添加して培養する段階を含む、免疫抑制剤の製造方法を提供する。
【0022】
また、本発明は、タンパク質キナーゼC活性化剤(protein kinase C activator)で処理された幹細胞またはその培養物を被験体に投与する段階を含む、ヒトを除いた被験体の免疫反応を抑制する方法を提供する。
【0023】
また、本発明は、タンパク質キナーゼC活性化剤(protein kinase C activator)で処理された幹細胞またはその培養物を含む薬学的組成物を個体に投与または服用させる段階を含む自己免疫疾患の予防または治療方法を提供する。
【0024】
また、本発明は、タンパク質キナーゼC活性化剤(protein kinase C activator)で処理された幹細胞またはその培養物を含む薬学的組成物の自己免疫疾患の予防または治療用途を提供する。
【発明の効果】
【0025】
本発明による幹細胞またはその培養物は、自己免疫疾患の予防または治療に有用に使用され得る。より具体的に、タンパク質キナーゼC活性化剤(protein kinase C activator)で処理された幹細胞またはその培養物は、B細胞の機能を抑制することができるところ、自己免疫疾患の予防または治療効果に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】PMA-処理された(treated)MSCがB細胞の機能に及ぼす影響を分析したものである。=p<0.05、**=p<0.01、***=p<0.001[一元分散分析(one-way ANOVA)、Tukey’s試験]
図2】PMA-処理されたMSCがB細胞の移動に及ぼす影響を分析したものである。=p<0.05、**=p<0.01、***=p<0.001[一元分散分析(one-way ANOVA)、Tukey’s試験]
図3】PMA-処理されたMSCがB細胞の接触に及ぼす影響を分析したものである。=p<0.05、**=p<0.01、***=p<0.001[一元分散分析(one-way ANOVA)、Tukey’s試験]
図4】PMA-処理されたMSCで発現するPDL1がB細胞の機能に及ぼす影響を分析したものである。=p<0.05、**=p<0.01、***=p<0.001[一元分散分析(one-way ANOVA)、Tukey’s試験]
図5】PMA-処理されたMSCで発現するPDL1がB細胞の細胞死に及ぼす影響を分析したものである。=p<0.05、**=p<0.01、***=p<0.001[一元分散分析(one-way ANOVA)、Tukey’s試験]
図6】PMA-処理されたhMSC投与によるMRL/lprマウスの治療効果を確認したものである。=p<0.05、**=p<0.01、***=p<0.001[一元分散分析(one-way ANOVA)、Tukey’s試験]
図7】PMA-処理されたhMSC投与によるMRL/lprマウスの腎臓(kidney)内免疫細胞を分析したものである。=p<0.05、**=p<0.01、***=p<0.001[一元分散分析(one-way ANOVA)、Tukey’s試験]
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0028】
本発明は、タンパク質キナーゼC活性化剤(protein kinase C activator)で処理された幹細胞またはその培養物を含む自己免疫疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供する。
【0029】
本発明において「幹細胞」は、多様な組織に分化できる能力を有する細胞、すなわち「未分化細胞」でありうる。
【0030】
本発明において、前記幹細胞は、成体幹細胞、多能性幹細胞、誘導多能性幹細胞(induced pluripotent stem cells)または胚性幹細胞でありうる。
【0031】
前記成体幹細胞は、臍帯、臍帯血、骨髄、脂肪、筋肉、神経、皮膚、羊膜および胎盤よりなる群から選択される組織に由来するものでありうる。また、前記成体幹細胞は、間葉系幹細胞、間葉系ストローマ細胞(mesenchymal stromal cell)または多分化能幹細胞であり得、好ましくは、間葉系幹細胞でありうる。各組織において幹細胞を得る方法は、従来当業界に公知となった方法によることができ、本発明の実施例の方法に限定されない。
【0032】
本発明において「培養物」は、幹細胞を含む細胞培養液、細胞培養液から幹細胞を除去した培養上澄み液、およびこれらの希釈液を全部含むことができる。前記培養物の組成は、通常の幹細胞の培養に必要な成分だけでなく、幹細胞の増殖に上昇的に作用をする成分を追加で含むことができ、これによる組成は、当業界における通常の技術を有する者により容易に選択され得る。
【0033】
前記幹細胞の培養に使用される培地としては、当業界において幹細胞の培養に適していることが知られている通常の培地を使用することができるが、例えばDMEM(Dulbecco’s modified Eagle medium)またはKeratinocyte-SFM(Keratinocyte serum free medium)を使用することができる。
【0034】
前記幹細胞培地は、添加剤で補充され得る。一般的に、等張液中の中性緩衝剤(例えばリン酸塩および/または高濃度重炭酸塩)およびタンパク質栄養分(例えば血清、例えばFBS、血清代替物、アルブミン、または必須アミノ酸および非必須アミノ酸、例えばグルタミン)を含有することができる。ひいては、脂質(脂肪酸、コレステロール、血清のHDLまたはLDL抽出物)およびこのような種類の多くの保存液培地で発見されるその他成分(例えばインスリンまたはトランスフェリン、ヌクレオシドまたはヌクレオチド、ピルビン酸塩、任意のイオン化形態または塩である糖原、例えばグルコース、セレニウム、グルココルチコイド、例えばヒドロコルチゾンおよび/または還元剤、例えばβ-メルカプトエタノール)を含有することができる。
【0035】
本発明の組成物において、タンパク質キナーゼC活性化剤は、ホルボールミリステートアセテート(phorbol myristate acetate,PMA)、インゲノール3-アンゲレート(Ingenol 3-Angelate,I3A)、ブリオスタチン-1(Bryostatin-1)、ホルボール-12,13-ジブチラート(phorbol-12,13-dibutyrate,PDBu)、プロストラチン(Prostratin)、SC-9(N-(6-Phenylhexyl)-5-chloro-1-naphthalenesulfonamide,CAS No.102649-78-5)およびSC-10(5-Chloro-N-heptylnaphthalene-1-sulfonamide,CAS No.102649-79-6)よりなる群から選ばれる1つ以上を含むことができる。
【0036】
前記タンパク質キナーゼC活性化剤の処理濃度は、1~20μg/mlでありうる。前記タンパク質キナーゼC活性化剤の処理時間は、1~120時間でありうる。
【0037】
前記タンパク質キナーゼC活性化剤は、幹細胞のCXCL10の発現を増加させてB細胞の移動を増加させることによって、接触-依存性抑制(contact-dependent inhibition)効果を増加させることができる。また、前記タンパク質キナーゼC活性化剤は、幹細胞のPD-L1(programmed death-ligand 1)の発現を増加させてB細胞の細胞死(apoptosis)を増加させることができる。
【0038】
本発明によって、タンパク質キナーゼC(protein kinase C)活性化剤で処理された間葉系幹細胞は、B細胞の機能を抑制できるところ、本発明による幹細胞およびその培養物は、自己免疫疾患の予防および治療に有用に使用され得る。
【0039】
前記自己免疫疾患は、ループス(全身性紅斑性狼瘡)、関節リウマチ(rheumatoid arthritis)、全身性強皮症(Progressive systemic sclerosis,Scleroderma)、アトピー皮膚炎、円形脱毛症(alopecia areata)、乾癬、天疱瘡、喘息、アフタ性口内炎、慢性甲状腺炎、炎症性腸炎、ベーチェット病(Behcet’s disease)、クローン病、皮膚筋炎(dermatomyositis)、多発性筋炎(polymyositis)、多発性硬化症(multiple sclerosis)、自己免疫性溶血性貧血(Autoimmune hemolytic anemia)、自己免疫性脳脊髄炎、重症筋無力症(Myasthenia gravis)、グレーブス病(Graves’ disease)、結節性多発動脈炎(Polyarteritis nodosa)、強直性脊椎炎(Ankylosing spondylitis)、線維筋痛症候群(Fibromyalgia syndrome)および側頭動脈炎(Temporal arteritis)よりなる群から選ばれ得る。
【0040】
本発明において「予防」は、前記組成物の投与により自己免疫疾患の発病を抑制または遅延させるすべての行為を意味し、「治療」は、前記組成物の投与により自己免疫疾患の症状が好転したり有利になるすべての行為を意味する。
【0041】
また、本発明による幹細胞またはその培養物は、1ml当たり1.0×10個~1.0×10個、好ましくは、1.0×10個~1.0×10個、より好ましくは、1.0×10個の細胞を含むことができる。
【0042】
本発明による幹細胞またはその培養物は、凍結しないまま使用されたり、以後に使用のために凍結することができる。凍結しなければならない場合、標準冷凍保存剤(例えばDMSO、グリセロール、エピライフ(Epilife)細胞凍結培地(Cascade Biologics))が凍結前に細胞集団に添加され得る。
【0043】
さらに他の様態として、本発明は、前記組成物を個体に投与する段階を含む自己免疫疾患の予防または治療方法を提供する。
【0044】
本発明の用語「投与」とは、適切な方法で個体に所定の物質を導入することを意味する。
【0045】
本発明の用語「個体」とは、自己免疫疾患が発病したか、または発病しうるヒトを含むラット、マウス、家畜などのすべての動物を意味する。具体的な例として、ヒトを含む哺乳動物でありうる。
【0046】
また、本発明による幹細胞またはその培養物は、薬学的分野において通常の方法によって患者の身体内投与に適合した単位投与型の製剤で剤形化させて投与することができ、前記製剤は、1回または数回の投与によって効果的な投与量を含む。このような目的に適合した剤形としては、非経口投与製剤として注射用アンプルのような注射剤、注入バッグのような注入剤、およびエアゾール製剤のような噴霧剤などが好ましい。前記注射用アンプルは、使用直前に注射液と混合調製することができ、注射液としては、生理食塩水、葡萄糖、マンニトール、リンゲル液などを使用することができる。また、注入バッグは、塩化ポリビニルまたはポリエチレン材質のものを使用することができ、バクスター(Baxter)、ベクトン・ディッキンソン(Becton Dickinson)、メドセップ(Medcep)、ナショナルホスピタルプロダクツ(National Hospital Products)またはテルモ(Terumo)社の注入バッグを例示することができる。
【0047】
前記薬学的製剤には、前記有効成分の他に1つまたはそれ以上の薬学的に許容可能な通常の不活性担体、例えば、注射剤の場合には、保存剤、無痛化剤、可溶化剤または安定化剤などを、局所投与用の製剤の場合には、基剤(base)、賦形剤、潤滑剤または保存剤などを追加で含むことができる。
【0048】
このように製造された本発明による幹細胞、その培養物または薬学的製剤は、当業界において通常的に使用する投与方法を利用して移植およびその他の用途に使用される他の幹細胞とともにまたはそのような幹細胞との混合物の形態で投与され得、好ましくは、治療が必要な患者の疾患部位に直接生着または移植したり、腹腔に直接移植または注入することが可能であるが、これに限定されない。また、前記投与は、カテーテルを利用した非外科的投与および疾患部位の切開後に注入または移植など外科的投与方法が全部可能であるが、カテーテルを利用した非外科的投与方法がより好ましい。また、通常の方法によって非経口的に、例えば直接病変に投与することの他に、造血系幹細胞移植の一般的方法である血管内注入による移植も可能である。
【0049】
前記幹細胞の1日投与量は、1.0×10~1.0×1010細胞/kg体重、好ましくは、1.0×10~1.0×10細胞/kg体重を1回または数回に分けて投与することができる。しかしながら、有効成分の実際投与量は、治療しようとする疾患、疾患の重症度、投与経路、患者の体重、年齢および性別などの様々な関連因子に照らして決定されなければならないものと理解されるべきであり、したがって、前記投与量は、いかなる点においても本発明の範囲を限定するものではない。
【0050】
さらに他の様態として、本発明によるタンパク質キナーゼC活性化剤(protein kinase C activator)で処理された幹細胞およびその培養物を投与することによって、自己免疫反応を抑制することができるところ、本発明は、タンパク質キナーゼC活性化剤(protein kinase C activator)で処理された幹細胞またはその培養物を被験体に投与する段階を含む被験体の免疫反応を抑制する方法を提供する。
【0051】
本発明で「被験体」とは、牛、犬、豚、鶏、羊、馬、ヒトを含む哺乳動物を意味するが、これに制限されるものではない。また、好ましくは、タンパク質キナーゼC活性化剤(protein kinase C activator)が添加された幹細胞またはその培養物の投与は、腹腔または血管内投与、病変への直接投与または関節の滑液腔(Synovial cavity)内投与などでありうる。
【0052】
前記免疫反応の抑制は、免疫疾患を予防または治療することを特徴とすることができる。
【0053】
さらに他の様態として、本発明は、幹細胞にタンパク質キナーゼC活性化剤を添加して培養する段階を含む、免疫抑制剤の製造方法を提供する。
【0054】
本発明で「免疫抑制剤」とは、上記で説明したように、幹細胞にタンパク質キナーゼC活性化剤を処理して収得した幹細胞またはその培養物を含む製剤であり、免疫反応を抑制して自己免疫疾患を治療できる製剤を意味する。
【0055】
以下、実施例を通じて本発明をより詳細に説明する。本発明の目的、特徴、長所は、以下の実施例を通じて容易に理解されるだろう。本発明は、ここで説明する実施例に限定されず、他の形態で具体化されることもできる。ここで紹介される実施例は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明の思想が十分に伝達され得るようにするために提供されるものである。したがって、以下の実施例によって本発明が制限されてはならない。
【0056】
ループスは、免疫異常反応で自己抗原により樹状細胞、T細胞そしてB細胞を活性化させる。これにより、自己抗体が生成され、自己抗原と免疫複合体を形成して多様な臓器を侵して症状が現れる。このようなループス疾病を治療するために多様に治療剤が開発されており、免疫調節作用を有している間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell,MSC)が有望な治療剤として研究されている。MSCは、T細胞の機能を抑制することが報告された。しかしながら、MSCがB細胞の機能を抑制するか否かは明確に確認されたことがない。これより、本発明者らは、下記実施例を通じてhuman MSCがhuman B細胞の機能を抑制するかについて確認した。
【0057】
本発明者らは、予備実験を通じてヒト(human)MSCがヒトB細胞のIgM生成を抑制せず、弱く増加させていることを確認した。本発明者らは、ヒトB細胞の機能を抑制させるヒトMSCを製造するために、20種余りのケミカル(chemical)をヒトMSCに処理した。スクリーニングを通じてタンパク質キナーゼC活性化剤(protein kinase C activator)であるホルボールミリステートアセテート(phorbol myristate acetate,PMA)がヒトMSCを活性化させ、究極的にヒトB細胞の機能を抑制することを確認し、タンパク質キナーゼC活性化剤(protein kinase C activator)がヒトMSCを活性化させる作用機序を解明した。
【実施例
【0058】
<材料および実験方法>
(材料)
MRL/lprマウスは、米国Jackson Laboratory(Bar Harbor,Maine,USA)から購入した。マウスは、12時間の明暗周期(12h light/dark cycle)下で21~24℃および40~60%相対湿度の条件の特定病原菌がない状態で保管された。
【0059】
Human MSC(mesenchymal stem cell)は、ヒトの脛骨(tibiae)および大腿骨(femurs)のBM(Bone marrow)細胞から収得した。BM細胞は、10%ウシ胎児血清(FBS,fetal bovine serum)、2mM L-グルタミン(L-glutamine)およびペニシリン/ストレプトマイシン(penicillin/streptomycin)を含むα-MEM培地で37℃、5%CO条件で培養した。非付着細胞(non-adherent cells)を1日目に除去し、付着細胞を3日ごとに培地を補充(medium replenishment)して培養した後、17日から20日の間に使用した。
【0060】
CXCL10、CXCL12、CCL2-ノックダウン(knockdown)hMSCは、siRNA(small interfering RNA)(Bioneerで製作、Korea)と呼ばれる12-21merのdsRNAにより配列特異的に遺伝子発現が抑制される現象を利用して、48時間の間培養してノックダウン(knockdown)反応を誘導した。
【0061】
hMSCの前処理条件に使用された物質として、PMA(10ng/ml、24時間処理、sigma)、I3A(10μg/ml、24時間処理sigma)、IFN-γ(10ng/ml、7日処理、sigma)を使用した。
【0062】
(ELISA)
IFN-γの測定は、R&D(#DY285-05)で提供された試験方法によって進め、IgMは、IgM ELISA kit(ebioscience,Vienna,Austria)を利用して測定した。ELISA用の96ウェル(well)に捕捉抗体(capture antibody)とコーティングバッファー(coating buffer)を1:250の割合で希釈して4℃で18時間コーティングした。200μlの洗浄溶液(wash solution)を利用して2回洗浄し、ブロッキングバッファー(blocking buffer)250μlをウェル(well)に入れた後、室温で2時間反応させた。その後、200μlの洗浄溶液を利用して2回洗浄し、試料をアッセイバッファー(assay buffer)(1X)に希釈してサンプルを準備した。各ウェル(well)にアッセイバッファー(1x)90μl、検出抗体(detection-antibody)50μlおよびスタンダード(standard)またはサンプル(sample)10μlを入れて室温で3時間反応させた。反応が終わると、洗浄溶液を利用して洗浄した。基質溶液(Substrate solution)100μlを各ウェル(well)に入れた後、5分間反応させ、停止液(stop solution)100μlを入れて反応を中止させた。最後に、450nm~570nmで値を測定した。
【0063】
(ウェスタンブロット(western blot))
細胞溶解バッファー(Cell lysis buffer;Cell signaling technology,Danvers,MA,USA)を利用して細胞を氷(ice)に載置した状態で溶解した。4℃で12000rpmで15分間遠心分離してタンパク質を得た。ブラッドフォード(Bradford)試薬を利用してタンパク質を定量して20μgのタンパク質をSDS-ポリアクリルアミドゲル(polyacrylamide gel)を利用して75Vで電気泳動を実施した。SDS-ポリアクリルアミドゲルを95Vで90分間PVDFメンブレン(membrane)に移した後、0.5%Tween 20が含まれたTBS(TTBS)に5%脱脂粉乳(nonfat dry milk)を添加して1時間ブロッキング(blocking)した。ブロッキング(Blocking)後、1次抗体が含まれた5%BSA/TTBSにメンブレン(membrane)を入れ、4℃で1日間シェイキング(shaking)した。翌日、TTBSでメンブレンを洗浄した後、2次抗体が入っている5%BSA/TTBSにメンブレンを入れて、常温で90分間2次抗体を付着した。TTBSでメンブレンを洗浄し、ECL(Enhanced Chemiluminescence,Amersham Pharmacia Biotech,Piscataway,NJ,USA)とmembraneを反応させた後、Chemi Doc XRSmachine(Bio-Rad,CA,USA)を利用してタンパク質発現程度を測定した。
【0064】
(トリゾール方法(Trizol method)を利用したRNA分離)
細胞(Cell)が70~80%のコンフルエンス(confluency)となった時点でTrypsin-EDTA(Gibco)0.125%で処理した後、5%CO、37℃の条件下に培養した。物質処理24時間後、細胞を回収してTRIZOL reagent(Invitrogen,MD,USA)を利用してトータル(total)RNAを細胞(cell)から分離し、260nmで吸光度の測定を通じてトータルRNA(total RNA)を定量した。
【0065】
(逆転写酵素(Reverse transcriptase)-PCR)
トータル(total)RNA 0.3μgの濃度を利用し、42℃で1時間、95℃で5分間合成した。合成されたcDNA 3μlとプライマー(primer)10pMを利用してポリメラーゼ連鎖反応を行った。この反応の基本過程は、pre-denaturing phase段階を94℃で5分を行い、denaturing phase、94℃で30秒、annealing phase、56℃で30秒、elongation phase、72℃で1分を行い、post-elongation phaseを72℃で5分の条件で実施した。1%アガロースゲル(agarose gel)を作って電気泳動を実施した。
【0066】
(RT-PCR)
FasL、PD-L1、PD-L2、ICAM1、VCAM1、β-actin、IFN-γ、TNF-α、IL-12、COX-2、iNOS、IDO、TGF-β、CCL2、CCL3、CXCL10、CXCL12に対するmRNAの発現水準をqPCR(quantitative real-time PCR)を通じて分析した。各サンプルの相対的mRNA量は、ハウスキーピング遺伝子(housekeeping gene)であるβ-actinのCt(threshold cycle)と比較した臨界周期(threshold cycle,Ct)を基準として計算された。
【0067】
(アネキシンV染色(annexin V staining))
冷たいPBSで2回細胞を洗浄後にバインディングバッファー(Binding buffer)に1×10cell/mlの濃度で細胞を溶解した。その後、5mlカルチャーチューブ(culture tube)に100μlの量を移した後、5μlの量のAnnexin V Apoptosis Detection Kit(BD Pharmingen,USA)を利用して25℃、常温、暗い条件で15分間インキュベーション(incubation)過程を経て細胞を染色した。その後、400μlバインディングバッファー(Binding Buffer)溶液を添加した後に、flow cytometry(CantoII、BD Bioscience)を利用して測定した。
【0068】
(プライマー配列情報)
使用されたタプライマー情報は、次の通りである。CCL2 forward primer 5’-ATG AAA GTC TCT GCC GCC CTT CTG T-3’、CCL2 reverse primer 5’-AGT CTT CGG AGT TTG GGT TTG CTT G-3’、CCL3 forward primer 5’-ATG CAG GTC TCC ACT GCT GCC CTT-3’、CCL3 reverse primer 5’-GCA CTC AGC TCC AGG TCG CTG ACA T-3’、CXCL10 forward primer 5’-CCT GCT TCA AAT ATT TCC CT-3’、CXCL10 reverse primer 5’-CCT TCC TGT ATG TGT TTG GA-3’、CXCL12 forward primer 5’-ATG AAC GCC AAG GTC GTG GTC G-3’、CXCL12 reverse primer 5’-TGT TGT TGT TCT TCA GCC G-3’、COX-2 forward primer 5’-TCC TTG CTG TTC CCA CCCAT-3’、COX-2 reverse primer 5’-CAT CAT CAG ACC AGG CAC CA-3’、iNOS forward primer 5’-ACG TGC GTT ACT CCA CCA AC-3’、iNOS reverse primer 5’-CAT AGC GGA TGA GCT GAG CA-3’、IDO forward primer 5’-AGCC TGA TCT CAT AGA GTC TG-3’、IDO reverse primer 5’-TTA CTG CAG TCT CCA TCA CG-3’、TGF-β forward primer 5’-CAG ATC CTG TCC AAG CTG-3’、TGF-β reverse primer 5’-TCG GAG CTC TGA TGT GTT-3’、FasL forward primer 5’-GGA TTG GGC CTG GGG ATG TTT CA-3’、FasL reverse primer 5’-TTG TGG CTC AGG GGC AGG TTG TTG-3’、PD-L1 forward primer 5’-TTG GGA AAT GGA GGA TAA GA-3’、PD-L1 reverse primer 5’-GGA TGT GCC AGA GGT AGT TCT-3’、PD-L2 forward primer 5’-ACA CCG TGA AAG AGC C-3’、PD-L2 reverse primer 5’-AAT GTG AAG CAG CCA AG-3’、ICAM1 forward primer 5’-CGT GCC GCA CTG AAC TGG AC-3’、ICAM1 reverse primer 5’-CCT CAC ACT TCA CTG TCA CCT-3’、VCAM1 forward primer 5’-ATG ACA TGC TTG AGC CAG G-3’、VCAM1 reverse primer 5’-GTG TCT CCT TCT TTG ACA CT-3’、β-actin forward primer 5’-GTG GGG CGC CCC AGG CAC CA-3’、β-actin reverse primer 5’-CTC CTT AAT GTC ACG CAC GA-3’。使用されたマウスプライマーは、INF-γ forward primer 5’-AGC GGC TGA CTG AAC TCA GAT TGT AG-3’、INF-γ reverse primer 5’-GTC ACA GTT TTC AGC TGT ATA GGG-3’、TNF-αforward primer 5’-AGG TTC TGT CCC TTT CAC TCA CTG -3’、TNF-α reverse primer 5’-AGA GAA CCT GGG AGT CAA GGT A-3’、IL-12 forward primer 5’-AGA GGT GGA CTG GAC TCC CGA -3’、IL-12 reverse primer 5’-TTT GGT GCT TCA CAC TTC AG-3’、β-actin forward primer 5’-TGG AAT CCT GTG GCA TCC ATG AAA C -3’、β-actin reverse primer 5’-TAA AAC GCA GCT CAG TAACAG TCC G-3’である。
【0069】
(タイム-ラプスイメージング(Time-lapse imaging))
細胞移動確認のためのイメージ撮影のためにCulture-insert m-dish35mm(ibidi GmbH,Martinsried,Germany)を利用して、左側にMSC(70ml、0.3×10 cells/ml)をシーディング(seeding)し、右側にB細胞70ml、3×10 cells/ml)をシーディング(seeding)した。細胞が安定化すると、insertを除去した後、Biostation IM-Q(Nikon,Toyko,Japan)を利用して撮影した。この実験は、3時間~6時間の間2分間隔で撮影を実施し、データ分析は、Imaris 7.2 software(Bitplane Inc,South Windor,CT USA)を利用した。
【0070】
(ケモタキシスアッセイ(Chemotaxis assay))
B細胞の移動は、5μm insert upper wellを有する24-transwell plates(Costar,Corning,NY,USA)を利用した。PBMCから分離したB細胞(1×10 cells/well,upper chamber)とI3A-treated hMSC(1×10 cells/well,lower chamber)をODNと共に72時間の間トランスウェル(transwell)を利用して共培養を実施した。上澄み液中にあるIgMの水準をELISAを通じて測定した。
【0071】
(統計分析)
実験データ統計分析は、GraphPad Prism 5.0(GraphPad,San Diego,CA,USA)ソフトウェアを利用して分析を実施した。
【0072】
(実施例1.PMA-処理された(treated)MSCがB細胞の機能に及ぼす影響分析)
PBMC(Peripheral blood mononuclear cell)から分離したB細胞(1×10cells/well)とPMA-処理された(treated)hMSC(1×10cells/well)をCpG ODN(oligodeoxynucleotides、5μg/ml)と共に72時間の間共培養を実施した後、上澄み液中にあるIgMの水準をELISAを通じて測定した(図1のA)。PBMCから分離したT細胞(1×10cells/well)とPMA-処理されたhMSC(1×10 cells/well)をPHA(phytohemagglutinin、5μg/ml)と一緒72時間の間共培養をし、上澄み液中にあるIFN-γの水準をELISAを通じて測定した(図1のB)。PBMCから分離したB細胞(1×10 cells/well)とIFN-γ処理されたhMSC(1×10 cells/well)をODNと共に72時間の間共培養した後、上澄み液中にあるIgMの水準をELISAを通じて測定した(図1のC)。PBMCから分離したB細胞(1×10 cells/well)とI3A-処理された(treated)hMSC(1×10 cells/well)をODNと共に72時間の間共培養を実施し、上澄み液中にあるIgMの水準をELISAを通じて測定した(図1のD)。PBMCから分離したB細胞(1×10 cells/well)とPMA-処理されたhMSC(1×10 cells/well)をODNと共に72時間の間トランスウェル(transwell)を利用して共培養を実施し、上澄み液中にあるIgMの水準をELISAを通じて測定した(図1のE)。
【0073】
ナイーブ(naive)MSCは、B cellのIgM生成を抑制しなかったが、PMA-処理されたMSCは、B細胞のIgM生成を抑制した(図1のA)。MSCは、T細胞のIFN-γ生成を約50%抑制し、PMA-処理MSCは、T細胞のIFN-γ生成を77%抑制した(図1のB)。IFN-γは、MSCの免疫抑制能を強化させるという報告があるところ、10ng/mlのIFN-γを7日間処理し、実験を進めた。実験結果、IFN-γ-処理されたMSCは、B細胞のIgM生成は、かえって増加させることが確認された(図1のC)。他のPKC活性化剤(activator)であるI3A(Ingenol 3-Angelate、10μg/ml)を24時間の間処理して実験を進めた。I3A-処理されたMSCは、B細胞のIgM生成を抑制することが確認された(図1のD)。また、PMA-処理されたMSCが細胞-細胞接触(cell-cell contact)と可溶性因子(soluble factor)のうちどんな方法でB細胞のIgMを抑制したかを調べてみるために、トランスウェル(transwell)を使用して分析した。PMA-処理されたMSCは、B細胞のIgM生成を抑制したが、トランスウェル(transwell)を利用してB細胞とPMA-処理されたMSCの接触(contact)を防止したとき、B細胞のIgM生成を抑制しないことが確認された(図1のE)。すなわち、MSCは、B細胞のIgM生成を誘導するが、PMA-処理されたMSCは、細胞-細胞接触(cell-cell contact)依存的にB細胞のIgM生成を抑制することが確認された。
【0074】
(実施例2.PMA-処理されたMSCがB細胞の移動に及ぼす影響分析)
MSCのケモカインをmRNA水準とタンパク質水準でそれぞれRT-PCR(図2のA)とELISA(図2のB)を通じて分析した。MSCのCCL2、CXCL10、CXCL12をsiRNAを利用してノックダウン(knockdown,KD)させた後、mRNA水準でRT-PCRを通じて確認した。トランスウェル(Transwell)を利用してMSCに対するB細胞の移動(migration)を測定し、下部ウェル(lower well)にはMSCを、上部ウェル(upper well)にはB細胞をシーディング(seeding)し、1.5時間後、FACS(fluorescence activated cell sorter)を利用して細胞数をカウント(counting)した(図2のC)。Culture-insert m-Dish35mmを利用して左側にMSC(70ml of 0.3×10 cells/ml)を添加し、右側にB細胞(70ml of 3×10 cells/ml)を添加し、タイム-ラプスイメージング(Time-lapse imaging)を利用して6時間の間撮影した後、代表的なB細胞の動きをグリーントラック(green track)で表示した(図2のD)。撮影したムービを時間帯別にスナップショット(snapshot)をとってB細胞の移動を観察した(図2のE)。スナップショット(snapshot)の白色ボックス内にあるT細胞の数をグラフで表示した(図2のF)。
【0075】
PMA-処理MSCは、細胞-細胞接触(cell-cell contact)によりB細胞のIgMを抑制したところ、2つの細胞間の移動(migration)および接触動力学(contact dynamics)を研究し、細胞の移動に重要なケモカインシグナリング(chemokine signaling)に関して研究を優先的に進めた。MSCがCCL2とCXCL12を発現することを確認し、PMAを処理すると、CXCL10の発現が増加した(図2のAおよびB)。PMA-処理されたMSCで分泌するCXCL10の発現をノックダウン(knockdown,KD)させると、PMA-処理されたMSC側にB細胞が移動しないことを確認した(図2のC)。これをもう一度確認するために、イメージ撮影を進めた。対照群PMA-処理されたMSC側にB細胞が移動したが、CXCL10がノックダウンされたPMA-処理されたMSC側にはB細胞が移動しないことが確認された(図2のDおよびE)。キャプチャーしたイメージのボックスにあるB細胞の数をカウント(counting)した結果、PMA-処理されたCXCL10-KD MSC(PMA-treated and CXCL10-KD MSC)と共に共培養を実施したB細胞の数が対照群より少ないことが確認された(図2のF)。
【0076】
(実施例3.PMA-処理されたMSCがB細胞の接触に及ぼす影響分析)
Culture-Dish35mmを利用してMSC(0.2×10 cells/mlとB細胞(2×10 cells/ml)を添加し、タイム-ラプスイメージング(Time-lapse imaging)を利用して3時間の間撮影した後、代表的なB細胞の動きをグリーントラック(green track)で表示した(図3のA)。撮影したムービを時間帯別にスナップショット(snapshot)をとってB細胞とMSCの接触を緑色矢印(green arrow)で表示した(図3のB)。時間帯別にMSCに接触するB細胞の数を分析した(図3のC)。MSCと接触しないB細胞の速度とMSCと接触したB細胞の速度をグラフで表示した(図3のD)。1つのMSCに接触するB細胞の数とMSCとB細胞が接触するときの接触時間を分析した(図3のE)。
【0077】
PMA-処理されたMSCとB細胞の接触を単一細胞(single cell)水準で確認するために、2つの細胞を直接混ぜて分析した。PMA-処理されたMSCをB細胞と混ぜた後、2分間隔で6時間の間撮影を実施し、対照群PMA-処理されたMSCに比べてCXCL10がノックダウン(KD)されたPMA-処理されたMSCとB細胞の接触が減少することが確認された(図3のA)。時間帯別に見たときにも、対照群PMA-処理されたMSCに比べて、CXCL10がノックダウンされたPMA-処理されたMSCとB細胞の接触は増加しなかった(図3のBおよびC)。PMA-処理されたMSCの種類と関係なく、PMA-処理されたMSCに接触しないB細胞は、約6~7μm/minの速度を示し、接触するB細胞は、約2~3μm/minの速度を示した(図3のD)。対照群であるPMA-処理されたMSCは、3時間の間に平均的にB細胞と4回接触し、1回接触するたびに80分間接触した。反面、CXCL10がノックダウンされ、PMA-処理されたMSC(CXCL10-KD PMA-treated MSC)は、3時間の間に平均的にB細胞と2回接触し、1回接触するたびに89分の時間がかかることを確認した(図3のE)。すなわち、PMA-処理されたMSCから分泌するCXCL10は、B細胞と接触を調節することが確認された。
【0078】
(実施例4.PMA-処理されたMSCで発現するPD-L1がB細胞の機能に及ぼす影響分析)
MSCにPMAを処理して24時間後、タンパク質を得、ウェスタンブロット(western blot)を通じてシグナリング(signaling)を分析した(図4のA)。MSCにPKC阻害剤(Go6983,1μg/ml)を1時間前処理し、PMAを処理した後、24時間後、タンパク質を得、ウェスタンブロット(western blot)を通じてシグナリング(signaling)を分析した(図4のB)。MSCにPKC阻害剤(Go6983、1μg/ml)を1時間前処理し、PMAを処理した後、PBMCから分離したB細胞(1×10 cells/well)とPMA-処理されたMSC(1×10 cells/well)をODNと共に72時間の間共培養を実施した後、上澄み液中にあるIgMの水準をELISAを通じて測定した(図4のC)。PMA-処理されたMSCの表面分子(surface molecule)のmRNA水準をRT-PCRを通じて分析した(図4のD)。PMA-処理されたMSCのPD-L1とB細胞のPD1の発現をFACSを通じて分析した(図4のE)。MSCにFasL blocking Ab(10μg/ml)(F)とPD-L1 blocking Ab(10μg/ml)(G)をそれぞれ処理し、PMAを入れた後、MSCとB細胞をODNと共に72時間の間培養した後、上澄み液にあるIgM水準をELISAを通じて測定した。PMA-処理されたMSCをsiRNAを処理してPD-L1をmRNA水準でRT-PCRを通じて確認した。PD-L1がノックダウンされたPMA-処理されたMSCとB細胞をODNと共に72時間の間培養した後、上澄み液にあるIgM水準をELISAを通じて測定した(図4のH)。MSCにPMAを処理して24時間後、トータルRNA(total RNA)を得、RT-PCRを通じて可溶性因子(soluble factor)を分析した(図4のI)。
【0079】
PMAは、PKC活性化剤(activator)で細胞質内PKCを活性化させてプラズマ膜(plasma membrane)に移動させる。MSCにPMAを処理した場合、細胞質内PKC-α、δを細胞膜に移動させ、ERKのリン酸化を増加させることが確認された(図4のA)。MSCにPKC阻害剤を前処理したとき、PMAによるPKC-α、δの細胞膜移動が阻害されることが確認され(図4のB)、B細胞のIgM生成を抑制しないことが確認された(図4のC)。MSCにPMAを処理したとき、PD-L1、PD-L2、FasLが発現することが確認された(図4のDおよびE)。PMA-処理されたMSCにFasL blocking Abを処理したとき、B細胞のIgM生成を抑制したが(図4のF)、PD-L1 blocking Abを処理したとき、B細胞のIgM生成を抑制しなかった(図4のG)。また、PMA-処理されたMSCでPD-L1発現をノックダウン(KD)させた場合、B細胞のIgM生成を抑制しなかった(図4のH)。MSCにPMAを処理した場合、細胞内TGF-β、COX-2、iNOS、IDO発現には、影響がなかった(図4のI)。すなわち、PMAは、MSCのPD-L1発現を誘導してB細胞のIgM生成を抑制することが確認された。
【0080】
(実施例5.PMA-処理されたMSCで発現するPDL1がB細胞の細胞死に及ぼす影響分析)
PMA-処理されたMSCにPDL1 siRNAを処理した後、24時間の間共培養し、細胞をアネキシン(annexin)V-APCとPI-PEを利用して染色した後、FACSを通じて分析した(図5のA)。PMA-処理されたMSCにPDL1 siRNAを処理した後、24時間の間共培養した後、カスパーゼAb(Caspase Ab)を添加し、1時間後、FACSを通じて分析した(図5のB)。
【0081】
PD-L1は、PD1を発現する細胞の細胞死を誘導する。本実験では、PMA-処理されたMSCのPD-L1がB細胞表面のPD1に結合してB細胞の細胞死を誘導するかを検証した。PD-L1がPD1に結合すると、B細胞内カスパーゼ(caspase)が活性化し、細胞死(apoptosis)が誘導される。細胞死(apoptosis)が進行されると、細胞膜の内側にあるPS(phosphatidic serin)が細胞膜の外側に露出し、これにアネキシンV(Annexin V)が結合して細胞死を測定することができる。PMA-処理されたMSCは、B細胞にカスパーゼ(caspase)の発現を強く増加させ(図5のB)、annexin V染色を増加させた(図5のA)。しかしながら、PD-L1 siRNA形質感染された(transfected)MSCは、B cellのカスパーゼ活性化(caspase activation)とアネキシン(annexin)V染色を増加させなかった(図5のAおよびB)。以上の結果から、PMAは、MSCのPD-L1の発現を増加させ、B細胞のPD1に結合してB細胞の細胞死(B cell apoptosis)を増加させることが分かる。
【0082】
(実施例6.PMA-処理されたhMSC投与によるMRL/lprマウスの治療効果確認)
PMA-処理されたMSCに対する治療効果実験を進めるために、自然発生ループス動物モデルであるMRL/lprマウスを通じて治療効果を検証した。MSCを4×10cells/mouseの濃度でマウスに静脈注射し、投与時期は、マウスの発病が始める12週齢から1回注射した(MRL/lprマウス12週齢に対照群(希釈液)、MSC 4×10 cells/injectionを投与する)。動物実験の測定指標としては、毎週マウスの生存率と体重を確認し、2週間隔でanti-dsDNA、IgGを測定した。生存率(図6のA)と体重(図6のB)を毎週測定し、3週間隔で血清を分離してanti-dsDNA Ab(図6のC)、トータル(total)IgG(図6のD)を測定した。24週齢のMRL/lprマウスから脾臓(spleen)を分離して、細胞を獲得し、抗体を利用して細胞を染色した後、FACSで細胞表現型を測定した(図6のE)。その後、細胞のトータル(total)RNAを得た後、RT-PCRを通じて炎症性サイトカイン(cytokine)の発現を測定した(図6のF)。
【0083】
PMA-処理されたMSCを投与群のマウスは、30週齢まで100%生存したが、IFN-γ-処理されたMSCとMSCを投与群のマウスは、それぞれ0%、33%のみが生存した(図6のA)。MSCは、MRL/lprマウスの体重に影響を与えなく、これからMSCは、マウスに毒性を示さないことが分かる(図6のB)。PMA-処理されたMSCとIFN-γ-処理されたMSCは、対照群に比べて血中anti-dsDNA Ab、total IgGの濃度を抑制したが、MSCは、anti-dsDNA Ab、total IgGの濃度を抑制しなかった(図6のCおよびD)。PMA-処理されたMSCは、対照群に比べてT細胞表現型であるCD3の割合と、プラズマ(plasma)細胞表現型であるCD138+IgG+の割合を減少させ、Treg細胞表現型であるCD4+Foxp3+の割合を増加させた(図6のE)。また、サイトカイン発現量をRT-PCRを通じて分析した結果、PMA-処理されたMSCは、対照群に比べて炎症性サイトカイン(cytokine)の発現量を減少させることが確認された(図6のF)。
【0084】
(実施例7.PMA-処理されたhMSC投与によるMRL/lprマウスの腎臓(kidney)内免疫細胞分析)
MRL/lprマウスに対照群(希釈液)、MSC(4×10 cells/injection)を12週齢に投与した後、24週齢のMRL/lprマウスから腎臓(kidney)を分離してホルマリンで固定し、免疫細胞の浸潤性をDAB染色を利用して測定した。
【0085】
ループス疾病は、自己抗体と免疫複合体により腎臓(kidney)に炎症が発生し、免疫細胞の浸潤が増加する。それで、マウスの腎臓を分離し、DAB染色法を通じて細胞の浸潤度を確認した。PMA-処理されたMSCは、対照群に比べてT細胞、B細胞、マクロファージ、樹状細胞の腎臓浸潤を減少させ、Tregの浸潤を増加させた(図7のA、B)。結論的に、PMA-処理されたMSCは、ループス疾病の治療効果を示し、従前のMSCより優れた治療効果を示した。
【0086】
前述した本発明の説明は、例示のためのものであり、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態で容易に変形が可能であることを理解できる。したがって、以上で記述した実施例は、すべての面において例示的なものであり、限定的でないものと理解しなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【配列表】
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