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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-19
(54)【発明の名称】搬送装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20230511BHJP
   B65G 47/86 20060101ALI20230511BHJP
   B65G 47/28 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
A61F13/15 370
B65G47/86 H
B65G47/28 E
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021525993
(86)(22)【出願日】2020-05-29
(86)【国際出願番号】 JP2020021290
(87)【国際公開番号】W WO2020250710
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】P 2019108546
(32)【優先日】2019-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591040708
【氏名又は名称】株式会社瑞光
(74)【代理人】
【識別番号】100102060
【弁理士】
【氏名又は名称】山村 喜信
(74)【代理人】
【識別番号】110001265
【氏名又は名称】弁理士法人山村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 大輔
(72)【発明者】
【氏名】池田 奈津紀
【審査官】▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/011905(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/056952(WO,A1)
【文献】特表2010-530269(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15-13/84
A61L15/16-15/64
B65G47/00-47/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸10と、
前記回転軸10の周りに配置され、周回軌道に沿って変速されながら周回し、周方向Rに互いに隣り合って交互に配置されワークWを保持する複数の第1および第2パッド1,2と、
前記各パッドごとに設けられ前記周回中に前記各パッドを各パッドごとに加減速するための変速機構20と、
前記第1パッド1ごとに設けられ、前記第1パッド1と共に変速されながら周回する第1スライダ1Sと、
前記第2パッド2ごとに設けられ、かつ、前記第1スライダ1Sとは前記回転軸の軸方向Sの異なる位置に設けられ、前記第2パッド2と共に変速されながら周回する第2スライダ2Sと、
前記第1スライダ1Sを介して前記第1パッド1を支持すると共に前記第1スライダ1Sを案内し、かつ、前記第2スライダ2Sを案内しない第1レール1Lと、
前記第1レール1Lに対して離間して配置され、前記第2スライダ2Sを介して前記第2パッド2を支持すると共に前記第2スライダ2Sを案内し第1スライダ1Sを案内しない第2レール2Lとを備える、搬送装置。
【請求項2】
請求項1において、前記第1および第2レール1L,2Lが1つの支持リング3に取り付けられている、搬送装置。
【請求項3】
請求項2において、前記支持リング3が前記軸方向Sの一方の第1面1Fと前記軸方向Sの他方の第2面2Fとを有し、
前記第1面1Fおよび第2面2Fに、それぞれ、前記第1レール1Lおよび第2レール2Lが取り付けられている、搬送装置。
【請求項4】
請求項2において、前記第1レール1Lおよび第2レール2Lがそれぞれエンドレスのループ状に形成されている、搬送装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項において、前記第1レール1Lおよび第2レール2Lが前記軸方向Sに互いに離間して一対設けられ、
前記一対の第1レール1Lごとに前記第1スライダ1Sが設けられ、
前記一対の第2レール2Lごとに前記第2スライダ2Sが設けられている、搬送装置。
【請求項6】
請求項2において、
前記回転軸を回転自在に支持する筒状部31を更に備え、
前記筒状部31に対し前記支持リング3が回転自在に支持されている、搬送装置。
【請求項7】
請求項1の搬送装置を用いたワークWの搬送方法であって、
前記第1および第2パッド1,2が変速されながらワークWを搬送する工程と、
前記変速機構20により前記第1パッド1および第2パッド2の周速度を加速する工程と、
前記加速により増速された前記第1パッド1と前記第2パッド2との間の距離が拡がった状態で前記第1および第2パッド1,2が離間移動する工程と、
前記変速機構20により前記第1パッド1および第2パッド2の周速度を減速する工程と、
前記減速された前記第1スライダ1Sと前記第2スライダ2Sとが一部において前記周方向Rに互いにオーバーラップすることで、前記第1パッド1と前記第2パッド2とが互いに接近し、この接近した状態で接近移動する工程と、を備える搬送方法。
【請求項8】
請求項7において、
前記接近移動する工程において、前記第1パッド1および第2パッド2が上流装置4からワークWを受け取る工程と、
前記離間移動する工程において、前記第1パッド1および第2パッド2が下流装置6にワークWを渡す工程と、を備える搬送方法。
【請求項9】
軸線10Sの周りに配置され、周回軌道に沿って変速されながら周回し、周方向Rに互いに隣り合って交互に配置されワークWを保持する複数の第1および第2パッド1,2と、
前記第1および第2パッド1,2ごとに前記軸線10Sの軸方向Sの互いに異なる位置に設けられ、前記第1および第2パッド1,2と共に変速されながら周回する第1および第2スライダ1S,2Sと、
前記第1スライダ1Sを介して前記第1パッド1または第2パッド2を支持すると共に前記第1スライダ1Sを案内し、かつ、前記第2スライダ2Sを案内しない第1レール1Lと、
前記第1レール1Lに対して離間して配置され、前記第2スライダ2Sを介して前記第1パッド1または第2パッド2を支持すると共に前記第2スライダ2Sを案内し第1スライダ1Sを案内しない第2レール2Lとを備え、
前記各第1パッド1については、前記第1レール1Lに対する前記第1スライダ1Sによる第1接触長L11が前記第2レール2Lに対する前記第2スライダ2Sによる第2接触長L12よりも長く、
前記各第2パッド2については、前記第1レール1Lに対する前記第2スライダ2Sによる第3接触長L21が前記第2レール2Lに対する前記第2スライダ2Sによる第4接触長L22よりも短い、搬送装置。
【請求項10】
請求項9において、前記各第1パッド1については、前記第1スライダ1Sの数が前記第2スライダ2Sの数よりも多く、
前記各第2パッド2については、前記第1スライダ1Sの数が前記第2スライダ2Sの数よりも少ない、搬送装置。
【請求項11】
請求項10において、前記各第1パッド1は2個の第1スライダ1Sと1個の第2スライダ2Sとで支持され、
前記各第2パッド2は1個の第1スライダ1Sと2個の第2スライダ2Sとで支持されている、搬送装置。
【請求項12】
請求項9において、前記各第1パッド1の前記周方向Rの第1長さL1は第1接触長L11よりも短く、かつ、第2接触長L12よりも長く、
前記各第2パッド2の前記周方向Rの第2長さL2は前記第3接触長L21よりも長く、かつ、第4接触長L22よりも短い、搬送装置。
【請求項13】
請求項9の搬送装置を用いたワークWの搬送方法であって、
前記第1および第2パッド1,2が変速されながらワークWを搬送する工程と、
前記第1パッド1および第2パッド2の周速度を加速する工程と、
前記加速により増速された前記第1パッド1と前記第2パッド2との間の距離が拡がった状態で前記第1および第2パッド1,2が離間移動する工程と、
前記第1パッド1および第2パッド2の周速度を減速する工程と、
前記減速された前記第1スライダ1Sと前記第2スライダ2Sとが一部において前記周方向Rに互いにオーバーラップすることで、前記第1パッド1と前記第2パッド2とが互いに接近し、この接近した状態で接近移動する工程と、を備える搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は主として着用物品の完成品、中間品または部品などを変速しながら搬送する搬送装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の搬送装置は複数のパッドを有し、上流側からワークをパッドで受け取り位置にて受取り、引き渡し位置にて下流側に引き渡す。前記受け取りから引き渡しまでの間に、パッドの搬送速度が変化することで、受け取り位置と引き渡し位置との間で、ワークの間隔を変化させる。
【0003】
この種の搬送装置は、一般に、回転軸により回転駆動される多数のパッドと、回転軸の周りに回転可能に支持されるとともに、パッドの移動が所定の軌跡となるように支持する支持リングと、パッドと回転軸の間に設けられ、パッドと支持リングとの相対な移動を案内する案内機構とを有する。案内機構のレールにはパッドと同じ数の多数のスライダが周方向に摺動自在に装着されている。各スライダはレールに案内され、パッドと共に変速機構により周方向に加減速される(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】WO 2018/011905(図4
【発明の概要】
【0005】
この種の搬送装置においてワークの単位時間当たりの搬送数を上げようとすると、搬送装置の取り数すなわち、パッドおよびスライダの数を増やす必要がある。しかし、前記取り数が多くなると、隣り合うスライダ同士が互いに干渉し、パッドの数を増やすことに限度がある。
また、パッドを案内する案内機構のスライダはパッドよりも内周側に配置される。そのため、隣り合うスライダの距離は隣り合うパッド間の距離よりも小さく、互いに干渉し易い。
また、ワークの間隔を小さくしたい場合にもスライダ同士の干渉を生じる。
【0006】
したがって、本発明の目的は変速機構を備えた搬送装置および方法において、ワーク間のピッチを小さくして、搬送装置により搬送できる単位時間当たりの搬送数を増加でき、高速処理に対応することである。
【0007】
第1の局面において、本発明装置は、回転軸10と、
前記回転軸10の周りに配置され、周回軌道に沿って変速されながら周回し、周方向Rに互いに隣り合って交互に配置されワークWを保持する複数の第1および第2パッド1,2と、
前記各パッドごとに設けられ前記周回中に前記各パッドを各パッドごとに加減速するための変速機構20と、
前記第1パッド1ごとに前記回転軸の軸方向Sの互いに異なる位置に設けられ、前記第1パッド1と共に変速されながら周回する第1スライダ1Sと、
前記第2パッド2ごとに前記回転軸の軸方向Sの互いに異なる位置に設けられ、前記第2パッド2と共に変速されながら周回する第2スライダ2Sと、
前記第1スライダ1Sを介して前記第1パッド1を支持すると共に前記第1スライダ1Sを案内し、かつ、前記第2スライダ2Sを案内しない第1レール1Lと、
前記第1レール1Lに対して離間して配置され、前記第2スライダ2Sを介して前記第2パッド2を支持すると共に前記第2スライダ2Sを案内し第1スライダ1Sを案内しない第2レール2Lとを備える。
【0008】
第1の局面において、本発明方法は、前記第1および第2パッド1,2が変速されながらワークWを搬送する工程と、
前記変速機構20により前記第1パッド1および第2パッド2の周速度を加速する工程と、
前記加速により増速された前記第1パッド1と前記第2パッド2との間の距離が拡がった状態で前記第1および第2パッド1,2が離間移動する工程と、
前記変速機構20により前記第1パッド1および第2パッド2の周速度を減速する工程と、
前記減速された前記第1スライダ1Sと前記第2スライダ2Sとが一部において前記周方向Rに互いにオーバーラップすることで、前記第1パッド1と前記第2パッド2とが互いに接近し、この接近した状態で接近移動する工程とを備える。
【0009】
第1の局面において、周方向Rに互いに隣り合う第1および第2パッド1,2ごとに設けられた第1および第2スライダは、つまり、周方向Rに互いに隣り合う第1および第2スライダは、軸方向Sに互いに離れており、減速中に一部において互いに周方向にオーバーラップする(重なる)。そのため、周方向Rに互いに隣り合う第1および第2パッド1,2のピッチを小さくできる。
【0010】
したがって、各パッドに保持されたワーク間のピッチを小さくして、搬送装置により搬送できる単位時間当たりの搬送数を増加でき、高速処理に対応することができる。
また、各スライダを周方向に長く形成でき各パッドの周回動作が安定する。
【0011】
第2の局面において、本発明装置は、軸線10Sの周りに配置され、周回軌道に沿って変速されながら周回し、周方向Rに互いに隣り合って交互に配置されワークWを保持する複数の第1および第2パッド1,2と、
前記第1および第2パッド1,2ごとに前記軸線10Sの軸方向Sの互いに異なる位置に設けられ、前記第1および第2パッド1,2と共に変速されながら周回する第1および第2スライダ1S,2Sと、
前記第1スライダ1Sを介して前記第1パッド1または第2パッド2を支持すると共に前記第1スライダ1Sを案内し、かつ、前記第2スライダ2Sを案内しない第1レール1Lと、
前記第1レール1Lに対して離間して配置され、前記第2スライダ2Sを介して前記第1パッド1または第2パッド2を支持すると共に前記第2スライダ2Sを案内し第1スライダ1Sを案内しない第2レール2Lとを備え、
前記各第1パッド1については、前記第1レール1Lに対する前記第1スライダ1Sによる第1接触長L11が前記第2レール2Lに対する前記第2スライダ2Sによる第2接触長L12よりも長く、
前記各第2パッド2については、前記第1レール1Lに対する前記第2スライダ2Sによる第3接触長L21が前記第2レール2Lに対する前記第2スライダ2Sによる第4接触長L22よりも短い。
【0012】
第2の局面において、本発明方法は、 前記第1および第2パッド1,2が変速されながらワークWを搬送する工程と、
前記第1パッド1および第2パッド2の周速度を加速する工程と、
前記加速により増速された前記第1パッド1と前記第2パッド2との間の距離が拡がった状態で前記第1および第2パッド1,2が離間移動する工程と、
前記第1パッド1および第2パッド2の周速度を減速する工程と、
前記減速された前記第1スライダ1Sと前記第2スライダ2Sとが一部において前記周方向Rに互いにオーバーラップすることで、前記第1パッド1と前記第2パッド2とが互いに接近し、この接近した状態で接近移動する。
【0013】
第2の局面において、周方向Rに互いに隣り合う第1および第2パッド1,2ごとに設けられた第1および第2スライダは、軸方向Sに互いに離れており、そのため、レールに対する接触長の長い、第1パッドの第1スライダと第2パッドの第2スライダとが減速中に一部において互いに周方向にオーバーラップする(重なる)ことができる。それ故、周方向に互いに隣り合う第1および第2パッドのピッチを小さくすることができる。
したがって、第1局面と同様に、単位時間当たりの搬送数を増加でき、高速処理に対応することができる。
また、第1パッドの第1スライダおよび第2パッドの第2スライダの接触長が長いため、各パッドの周回動作が安定する。
なお、レールに対する第1または第2スライダによる接触長さとは、1つのパッドを支持する第1(または第2)スライダの一方の周端から他方の周端までの長さを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は本発明の一実施例を示す搬送装置の概略正面図である。
図2図2図4の4b-4b線に沿った同搬送装置の概略縦断面図である。
図3図3Aおよび図3Bはパッドおよび保持ベースを示す概略平面図である。
図4図4(a),(b)および(c)は、それぞれ、案内機構の概略正面図、断面図および背面図である。
図5図5において、(a)は変速機構の正面図、(b)および(c)は、それぞれ、第1および第2スライダを示す縦断面図、(d)は案内機構30の一部を示す正面図である。
図6図6は本発明の別の実施例を示す搬送装置の概略斜視図である。
図7図7はレールおよびスライダを示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
第1局面の好ましい搬送装置においては、前記第1および第2レール1L,2Lが1つの支持リング3に取り付けられている。
この場合、レールごとに支持リングを設ける必要がない。
【0016】
更に好ましくは、前記支持リング3が前記軸方向Sの一方の第1面1Fと前記軸方向Sの他方の第2面2Fとを有し、
前記第1面1Fおよび第2面2Fに、それぞれ、前記第1レール1Lおよび第2レール2Lが取り付けられている。
この場合、支持リング、レールおよびスライダを含む案内機構がコンパクトになり易い。
【0017】
好ましくは、前記第1レール1Lおよび第2レール2Lがそれぞれエンドレスのループ状に形成されている。
この場合、各レールの精度がよい。
【0018】
好ましくは、前記第1レール1Lおよび第2レール2Lが前記軸方向Sに互いに離間して一対設けられ、
前記一対の第1レール1Lごとに前記第1スライダ1Sが設けられ、
前記一対の第2レール2Lごとに前記第2スライダ2Sが設けられている。
この場合、軸方向Sに互いに離間した一対のレールによりパッドを支持でき、片持ちにならないので、耐久性や安定性が良い。
【0019】
好ましくは、前記回転軸を回転自在に支持する筒状部31を更に備え、
前記筒状部31に対し前記支持リング3が回転自在に支持されている。
この場合、支持リング3がパッドと共に高速回転し、各スライダは変速による往復動を行う。そのため、各スライダと各レールが摩耗しにくく、両者の耐久性が向上する。
【0020】
好ましい搬送方法においては、前記第1パッド1および第2パッド2が上流装置からワークWを受け取る工程と、
離間移動する工程において、前記第1パッド1および第2パッド2が下流装置にワークWを渡す。
この場合、近接した2つのワーク間の距離を拡げる、いわゆるリピッチ動作を行うことができる。
【0021】
第2の局面の好ましい搬送装置は、前記各第1パッド1については、前記第1スライダ1Sの数が前記第2スライダ2Sの数よりも多く、
前記各第2パッド2については、前記第1スライダ1Sの数が前記第2スライダ2Sの数よりも少ない。
この場合、第1および第2スライダの形状や大きさを均一にした上で、各パッドを支持する第1または第2スライダの数の相違のみで、前述の各接触長さの関係に設定することができる。
【0022】
たとえば、前記各第1パッド1は2個の第1スライダ1Sと1個の第2スライダ2Sとで支持され、
前記各第2パッド2は1個の第1スライダ1Sと2個の第2スライダ2Sとで支持されていてもよい。
【0023】
更に好ましくは、前記各第1パッド1の前記周方向Rの第1長さL1は第1接触長L11よりも短く、かつ、第2接触長L12よりも長く、
前記各第2パッド2の前記周方向Rの第2長さL2は前記第3接触長L21よりも長く、かつ、第4接触長L22よりも短い。
この場合、各パッドの周方向の長さよりも長い接触長を有するスライダはパッドの安定した周回を実現する。
【0024】
1つの前記各実施態様または下記の実施例に関連して説明/およびまたは図示した特徴は、1つまたはそれ以上の他の実施態様または他の実施例において同一または類似な形で、および/または他の実施態様または実施例の特徴と組み合わせて、または、その代わりに利用することができる。
【0025】
本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施例の説明からより明瞭に理解されるであろう。しかし、実施例および図面は単なる図示および説明のためのものであり、本発明の範囲を定めるために利用されるべきものではない。本発明の範囲は請求の範囲によってのみ定まる。添付図面において、複数の図面における同一の部品番号は、同一または相当部分を示す。
【実施例
【0026】
以下、本発明の一実施例を図面にしたがって説明する。
まず、本製造装置の概略について説明する。
【0027】
図1において、本製造装置は上流ロール(上流装置)4、変速搬送装置5および下流ロール(下流装置)6を備える。変速搬送装置5は複数の第1および第2パッド1,2を周方向Rに交互に備える。前記各ロール4,6および保持用のパッド1,2はワークWを搬送する。
【0028】
保持用の各パッド1,2は変速搬送装置5の周回軌道に沿って変速されながら回転し、受取位置P1において上流ロール4からワークWを受け取り、渡し位置P2においてワークWを下流ロール6上に渡す。
【0029】
つぎに、この実施例の変速機構20の詳細について説明する。変速機構20は各パッド1,2ごとに設けられ、パッド1,2の周回中に各パッド1,2を各パッドごとに加減速する。
【0030】
図1に示すように、1つの駆動輪21には、複数個のクランクアーム22が等角度ピッチで配置されている。各クランクアーム22の間隔は不変であり、これらクランクアーム22の回転中心であるアーム中心220は駆動輪21とともに同じ角速度で回転する。駆動輪21は回転軸10と共に一定の角速度で周方向Rに回転する。
【0031】
各クランクアーム22のアーム中心220から離隔した位置には、変速用のカムローラ223がそれぞれ設けられており、カムローラ223は図2の変速用のカム溝44に沿って移動する。この変速用のカム溝44は駆動輪21の回転中心である駆動中心210に対して偏心しており、かつ不動である。したがって、駆動中心210からのカムローラ223までの距離は、カムローラ223とカム溝44との位置によって周期的に拡縮する。
【0032】
これにより、図1の各クランクアーム22は、一定の角度範囲内で周期的に揺動し、クランクアーム22の先端が周期的に揺動する。つまり、図1に示す略左半分の範囲では、各クランクアーム22の先端がクランクアーム22のアーム中心220よりも周方向Rに沿って搬送方向に変位し、図1に示す略右半分の範囲では逆方向に変位する。
【0033】
各クランクアーム22の先端にピン連結されたリンクレバー23およびリンクレバー23にピン連結された各第1および第2パッド1,2も、クランクアーム22の先端の揺動に連動して、変位する。各クランクアーム22の前記揺動によって、クランクアーム22のアーム中心220とパッド1,2との距離が変化するため、互いに隣接する第1パッド1と第2パッド2の間隔も変化する。その結果、保持用の第1および第2パッド1,2の角速度と各パッド1,2同士の周方向Rの間隔が変化する。
【0034】
つぎに、各パッド1,2の前記周回を案内する案内機構30について説明する。
【0035】
図2に示すように、第1および第2パッド1,2は、それぞれ、軸方向Sに長い第1および第2ベースB1,B2を介して、案内機構30により、前記周回軌道に沿って案内される。案内機構30は図2および図4の第1および第2スライダ1S,2Sと、第1および第2レール1L,2Lと、ドーナツ板状の支持リング3とを備える。
【0036】
図2において、駆動輪21は回転軸10と一体に回転する。回転軸10は筒状部31の内周側に回転自在に支持されている。一方、筒状部31の外周には支持リング3が回転自在に支持されている。支持リング3には図示しないモータの駆動力が入力されて、支持リング3は一定の角速度で回転していてもよい。
【0037】
図5(b)および(c)において、各支持リング3の軸方向Sの一方の第1面1Fと軸方向Sの他方の第2面2Fには、それぞれ、第1レール1Lおよび第2レール2Lが取り付けられている。したがって、第1レール1Lと第2レール2Lとは軸方向Sに互いに離間して、かつ、平行に設けられている。また、一対の第1レール1L同士は互いに平行に配置され、一対の第2レール2L同士もまた互いに平行に配置されている。
【0038】
図4(a)および(c)に示すように、各レール1L,2Lはエンドレスの円環(真円)である。図4(b)の第1レール1Lには第1スライダ1Sのみが摺動自在に取り付けられている。一方、第2レール2Lには第2スライダ2Sのみが摺動自在に取り付けられている。
図2において、各スライダ1S,2Sおよび各レール1L,2Lは各パッド1,2よりも駆動中心210に近い位置に配置されている。つまり、各スライダ1S,2Sの周回軌趾は、各パッド1,2の周回軌趾よりも内周側に位置する。
【0039】
図5において、第1および第2スライダ1S、2Sは第1および第2パッド1,2ごとに回転軸10(図2)の軸方向Sの互いに異なる位置に設けられ、第1および第2パッド1,2と共に変速されながら周回する。図2の前記第1レール1Lは第1スライダ1Sおよび第1ベース1Bを介して第1パッド1を支持すると共に第1スライダ1Sを案内し、かつ、第2スライダ2Sを案内しない。一方、第2レール2Lは第2スライダ2Sおよび第2ベース2Bを介して第2パッド2を支持すると共に第2スライダ2Sを案内し第1スライダ1Sを案内しない。
【0040】
本例の場合、断面において、各レールは凸状に形成され、各スライダは凹状に形成されている。しかし、各レールが凹状の溝で形成され、各スライダが凸状に形成されていてもよい。
【0041】
図2において、筒状部31にはカムドラム32が固定されていてもよい。このカムドラム32には、各パッド1,2を軸方向Sに変位させる第1および第2カム溝41,42が設けられている。
【0042】
図2において、第1および第2パッド1,2は、各々、第1および第2ベース1B,2Bに軸方向Sに往復移動自在に取り付けられている。一方、第1および第2パッド1,2は各々第1および第2カム溝41,42に嵌り込んだ第1および第2カフォロア1C,2Cを有している。
【0043】
したがって、図3Aの前記第1および第2パッド1,2は周方向R(図1)に回転する間に周方向Rに互いに離間すると共に、図3Bのように軸方向Sにも互いに離間する。
【0044】
図3Aに示すように、各パッド1,2は互いに逆向きの略三角形状で、周方向Rに互いに接近することができる。そのため、図1の受取位置P1つまり低速時においては図3Aの第1ベース1Bと第2ベース2Bとが接近する。
【0045】
一方、図4(a)および(c)の第1および第2スライダ1S,2Sは受取位置P1において、周方向Rに互いに一部がオーバーラップする程度まで相対変位する。これにより、各スライダ1S,2Sの周方向Rの長さ(大きさ)を大きくでき、安定した案内を可能にすると共に、図1の前記パッド1,2のピッチを小さくして、パッド1,2の数を増やすことができる。
【0046】
したがって、小さいワークの高速搬送が可能になる。
【0047】
つぎに、図1のワークWの変速搬送方法について説明する。
ワークの変速搬送は、以下の搬送する工程、加速する工程、離間移動する工程、減速する工程および接近移動する工程を備える。
【0048】
図1の各第1および第2パッド1,2は受取位置P1において負圧により上流ロール4からワークWを吸着して受け取る。ワークWを受け取った第1および第2パッド1,2は変速されながら周回してワークWを搬送する工程を実行する。その後、図1の第1および第2パッド1,2は、渡し位置P2において下流ロール6にワークWを引き渡した後に変速されながら受取位置P1に戻る。以下、これらの動作を詳細に説明する。
【0049】
前記加速する行程において、受取位置P1でワークWを受け取った第1および第2パッド1,2は変速機構20により周速度が加速される。この際、各パッド1,2は徐々に速度が大きくなり、互いに隣り合う第1および第2パッド1,2間のピッチが大きくなって離間移動する工程が実行される。
なお、変速機構20の動作および構造自体は周知であり、たとえばWO 2018/011905に開示されており、ここに、その全ての記述が組み込まれる。
【0050】
すなわち、離間移動する工程においては加速により増速された第1パッド1と第2パッド2との間の距離が拡がった状態で、ワークWを保持した第1および第2パッド1,2が周回移動する。
【0051】
一方、図2に示すように、第1および第2パッド1,2は、それぞれ、カムドラム32の第1および第2カム溝41,42に案内されて、図3Aおよび図3Bに示すように、周方向Rに離間した後、軸方向Sに互いに拡幅される。
【0052】
その後、図1の第1および第2パッド1,2は下流ロール6に接する渡し位置P2に到達し、保持していたワークWを下流ロール6に引き渡す。この引き渡しの際、各パッド1,2の周速度は加速中、増速中または一定速のいずれであってもよい。
【0053】
このようにワークWが周方向Rおよび図3の軸方向Sの双方に離間した状態で引き渡される場合、ワークWは使い捨てオムツの本体部に配置されるパネルであってもよい。かかるパネルの配置方法については、例えばWO 2017/056952 A1に開示されている。
【0054】
前記引き渡し後、図1の第1および第2パッド1,2は、渡し位置P2から受取位置P1に到達するまでの間に、変速機構20により周速度が減速されて、減速工程が実行される。この減速中に、第1および第2パッド1,2は図2の第1および第2カム溝41,42に沿って軸方向Sに互いに接近すると共に、図3Aのように、互いに周方向Rに接近する。
【0055】
図1の第1および第2パッド1,2は周方向Rに互いに接近した状態で受取位置P1に到達すると、ワークWを上流ロール4から受け取る。
【0056】
ここで、ワークWが小さい場合、図3Aの各パッド1,2も周方向Rに小さく、各パッド1,2は互いに接近することができる。一方、各パッド1,2の周回は図4の案内機構30により案内される。
【0057】
図4の案内機構30の第1および第2スライダ1S,2Sは、各パッドの周方向Rの案内を安定させるために、周方向Rに、ある程度の長さが必要になる。そのため、受取位置P1においては、隣り合うスライダ1S,2Sが周方向Rに互いにオーバーラップする。
【0058】
すなわち、図4の受取位置P1において、減速後の第1スライダ1Sと第2スライダ2Sとは、周方向Rの一部においてオーバーラップ(重なる)することで、図5の第1パッド1と第2パッド2とが互いに接近し、この接近した状態で移動する工程が実行される。この工程中に受取位置P1において、第1パッド1および第2パッド2は上流ロール4からワークWを受け取る。
【0059】
このようなオーバーラップが可能となった理由は、図5において、第1パッド1を周方向Rに案内する図5(c)の第1スライダ1Sが第1レール1Lに摺動し、一方、図5(a)の第2パッド2を周方向Rに案内する図5(b)の第2スライダ2Sが第2レール2Lに摺動するからである。すなわち、図5(a)の互いに隣り合う第1スライダ1Sおよび第2スライダ2Sは、図5(b)および(c)のように、互いに軸方向Sに離間した第1および第2レール1L,2Lに摺動するため、図5(d)のように、オーバーラップした状態で接近できるからである。
【0060】
ところで、本発明においては図3Aおよび図3Bのように各パッド1,2は軸方向Sに移動する必要はない。また、各パッド1,2は周方向Rに離間した後、ドラムの法線のまわりに旋回する機構を有していてもよい。かかる機構は例えばWO 2005/075163に記載されており、ここにその全ての記述が組み込まれる。
【0061】
また、図5(b)および(c)のレール1L,2Lは支持リング3の第1面1Fまたは第2面2Fではなく、支持リング3の外周面に並べて配置されていてもよい。
【0062】
また、前述の実施例の各パッドは略三角形状ないし五角形状であったが、正方形状や長方形状であってもよい。
更に、第1パッドと第2パッドとは完全に同一形状であってもよい。
【0063】
また、各パッドは例えばアンビルのような加工装置などを備えていてもよい。更に、各パッドは負圧によりワークを吸着して保持してもよいし、針や爪などでワークを保持するものであってもよい。
【0064】
つぎに、変速搬送装置5の他の実施例について説明する。
図6および図7は、各々、他の例の変速搬送装置5および案内機構30を示す。
【0065】
図6において、変速搬送装置5は多数の第1および第2パッド1,2、多数の第1および第2スライダ1S,2S、並びに、第1および第2レール1L,2Lを備える。
【0066】
各第1および第2パッド1,2は軸線10Sの周りに配置され、周回軌道に沿って変速されながら周回し、周方向Rに互いに隣り合って交互に配置されワークを保持して搬送する。本例においても前述の実施例と同様に、各パッド1,2は変速搬送装置5の周回軌道に沿って変速されながら回転し、図示しない上流ロールから受取位置P1でワーク(図示せず)を受け取り、渡し位置P2でワーク(図示せず)を下流ロール上に渡す。
なお、本例においてもワークはパッドの外表面に吸着されることで保持されてもよい。
【0067】
つぎに、案内機構30の詳細について説明する。
【0068】
第1および第2スライダ1S,2Sは第1および第2パッド1,2ごとに軸線10Sの軸方向Sの互いに異なる位置に設けられ、第1および第2パッド1,2と共に変速されながら周回する。
なお、軸線10Sは前述の実施例と同様、回転軸10(図2参照)の軸線である。
【0069】
第1レール1Lは第1スライダ1Sを介して第1パッド1または第2パッド2を支持すると共に第1スライダ1Sを案内し、かつ、第2スライダ2Sを案内しない。一方、第2レール2Lは第2スライダ2Sを介して第1パッド1または第2パッド2を支持すると共に第2スライダ2Sを案内し第1スライダ1Sを案内しない。
【0070】
図7に明示するように、前記第2レール2Lは前記第1レール1Lに対し離間して、かつ、平行に配置されている。なお、前記実施例と同様に各レール1L,2Lは回転駆動される支持リング(図示せず)に固定されている。
【0071】
図6の本例においても、前述の実施例と同様に、各スライダ1S,2Sおよび各レール1L,2Lは各パッド1,2よりも軸線10Sに近い位置に配置されている。つまり、各スライダ1S,2Sの周回軌趾は、各パッド1,2の周回軌趾よりも内周側に位置する。
【0072】
図6に示すように、各第1パッド1は2個の第1スライダ1Sと1個の第2スライダ2Sとで支持されている。一方、各第2パッド2は1個の第1スライダ1Sと2個の第2スライダ2Sとで支持されている。
なお、各スライダ1S,2Sは同一又は対称の形状および構造である。
【0073】
このように、各パッド1,2を支持するスライダの数が設定されていることにより、各第1パッド1については、第1レール1Lに対する第1スライダ1Sによる第1接触長L11が第2レール2Lに対する第2スライダ2Sによる第2接触長L12よりも長い。また、各第2パッド2については、第1レール1Lに対する第2スライダ2Sによる第3接触長L21が第2レール2Lに対する第2スライダ2Sによる第4接触長L22よりも短い。
【0074】
図6において、前記各第1パッド1の前記周方向Rの第1長さL1は第1接触長L11よりも短く、かつ、第2接触長L12よりも長い。
一方、各第2パッド2の周方向Rの第2長さL2は第3接触長L21よりも長く、かつ、第4接触長L22よりも短い。
【0075】
このように、各パッド1,2の長さL1,L2に対し、各スライダ1S,2Sの接触長L1~L4が設定されていることで、隣り合う第1パッド1と第2パッド2が互いに接近しても隣り合うスライダ同士が互いに干渉するのを防止できる。
【0076】
その一方で、第1パッド1を2個の第1スライダ1Sと1個の第2スライダ2Sで支持することができ、周方向の支持が安定する。また、第2パッド2についても同様に周方向の支持が安定する。
【0077】
なお、第1パッド1を支持する2個の第1スライダ1Sを周方向Rに長い1個の第1スライダ1Sとしてもよい。同様に第2パッド2を支持する2個の第2スライダ2Sを周方向Rに長い1個の第2スライダ2Sとしてもよい。
【0078】
つぎに、ワークの変速搬送方法について説明する。
ワークの変速搬送は、以下の搬送する工程、加速する工程、離間移動する工程、減速する工程および接近移動する工程を備える。
【0079】
図6の各第1および第2パッド1,2は受取位置P1において負圧により上流ロールからワークを吸着して受け取る。ワークを受け取った第1および第2パッド1,2は変速されながら周回してワークを搬送する工程を実行する。その後、第1および第2パッド1,2は、渡し位置P2において下流ロール6にワークWを引き渡した後に変速されながら受取位置P1に戻る。以下、これらの動作を詳細に説明する。
【0080】
前記加速する行程において、受取位置P1でワークを受け取った第1および第2パッド1,2は変速機構20により周速度が加速される。この際、各パッド1,2は徐々に速度が大きくなり、互いに隣り合う第1および第2パッド1,2間のピッチが大きくなって離間移動する工程が実行される。
なお、変速機構20の動作および構造自体は周知であり、たとえばWO 2018/011905に開示されており、ここに、その全ての記述が組み込まれる。
【0081】
その後、第1および第2パッド1,2は下流ロールに接する渡し位置P2に到達し、保持していたワークを下流ロールに引き渡す。この引き渡しの際、各パッド1,2の周速度は加速中、増速中または一定速のいずれであってもよい。
【0082】
前記引き渡し後、第1および第2パッド1,2は、渡し位置P2から受取位置P1に到達するまでの間に、前述と同様の変速機構により周速度が減速されて、減速工程が実行される。この減速中に、第1および第2パッド1,2は、互いに周方向Rに接近する。
【0083】
第1および第2パッド1,2は周方向Rに互いに接近した状態で受取位置P1に到達すると、ワークを上流ロールから受け取る。
【0084】
図7の受取位置P1において、減速後の第1スライダ1Sと第2スライダ2Sとは、周方向Rの一部Δにおいてオーバーラップ(重なる)することで、図6の第1パッド1と第2パッド2とが互いに接近し、この接近した状態で移動する工程が実行される。この工程中に受取位置において、第1パッド1および第2パッド2は上流ロールからワークを受け取る。
【0085】
このようなオーバーラップが可能となった理由は、図6において、第1パッド1を周方向Rに案内する第1スライダ1Sが第1レール1Lに摺動し、一方、第2パッド2を周方向Rに案内する第2スライダ2Sが第2レール2Lに摺動するからである。すなわち、図7の互いに平行に移動する第1スライダ1Sと第2スライダ2Sとは、互いに軸線10S方向に離間した第1または第2レール1L,2Lに摺動するため、互いに周方向Rに、オーバーラップした状態で接近できるからである。
【0086】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施例を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
たとえば、支持リングは回転軸と同期して回転する必要はない。また、支持リングに代えて環状に連なっていない支持部材としてもよい。
各パッドの速度は、受取位置では、受取開始から受取終了までの間、一定速度であってもよい。
上流装置および下流装置はロールではなくコンベヤなどであってもよい。
したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は使い捨てパンツやオムツなどの種々の吸収性物品の完成品の他、パーツや中間品の製造の搬送に利用できる。
【符号の説明】
【0088】
1:第1パッド 2:第2パッド 1B:第1ベース 2B:第2ベース
1C:第1カフォロア 2C:第2カフォロア
1S:第1スライダ 2S:第2スライダ
1L:第1レール 2L:第2レール
1F:第1面 2F:第2面
10:回転軸 10S:軸線 20:変速機構
21:駆動輪 210:駆動中心 22:クランクアーム 220:アーム中心
223:カムローラ 23:リンクレバー
3:支持リング 30:案内機構 31:筒状部 32:カムドラム
4:上流ロール(装置) 5:変速搬送装置 6:下流ロール(装置)
41:第1カム溝 42:第2カム溝 44:変速用のカム溝
P1:受取位置 P2:渡し位置
R:周方向 S:軸方向
W:ワーク
L1:第1長さ L2:第2長さ
L11,L12,L21,L22:第1~第4接触長
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7