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特許7277614VCSELベースのパターンプロジェクタ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-19
(54)【発明の名称】VCSELベースのパターンプロジェクタ
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/42 20060101AFI20230511BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
H01S5/42
G03B21/14 A
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021571733
(86)(22)【出願日】2020-06-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-12
(86)【国際出願番号】 EP2020065684
(87)【国際公開番号】W WO2020245397
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】19178757.1
(32)【優先日】2019-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520344981
【氏名又は名称】トルンプフ フォトニック コンポーネンツ ゲー・エム・ベー・ハー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン グローネンボルン
(72)【発明者】
【氏名】ホルガー ヨアヒム モエンチ
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-502717(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0260830(US,A1)
【文献】特表2018-534592(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00-5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造化光パターン(71)を生成するように適合されたオプトエレクトロニクス装置(1)であって、
- 垂直共振器型面発光レーザVCSEL(11)の第1のアレイ(10)と、
- 前記垂直共振器型面発光レーザの第1のアレイに関連する第1の均一化光学系構成(20)と、
- 垂直共振器型面発光レーザVCSEL(11)の第2のアレイ(10)と、
- 前記垂直共振器型面発光レーザの第2のアレイに関連する第2の均一化光学系構成(20)であって、異なるアレイにそれぞれ関連する前記第1および第2の均一化光学系構成(20)は、それらの強度分布(63)が中間面(60)において共通のトップハット型均一強度分布(61)となるように構成される、第2の均一化光学系構成(20)と、
- 前記中間面(60)における前記共通の均一強度分布に基づいて構造化光パターン(71)を生成するように適合されたパターン光学系構成(30)と
を含むオプトエレクトロニクス装置(1)。
【請求項2】
前記第1の均一化光学系構成(20)は、前記中間面(60)における強度に対する前記第1のアレイ(10)のそれぞれの個々のVCSEL(11)の寄与が、前記中間面(60)における、前記アレイによって放出された光の強度の10%未満、特に5%未満、特に2%未満、特に1%未満であるように適合される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の均一化光学系構成(20)は、前記中間面(60)における前記均一強度分布としてトップハット型強度分布を提供するように適合され、前記トップハット型強度分布の半値全幅FWHM直径は、前記VCSEL(11)の関連するアレイ(10)の直径よりも大きい、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記構造化光パターン(71)としてドットパターンを生成するように適合される、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記構造化光パターン(71)としてストライプパターンを生成するように適合される、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の均一化光学系構成は、前記中間面において、前記VCSELの第1のアレイの複数のVCSELによって放出された光の均一強度分布を提供するように適合されたマイクロレンズアレイを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記マイクロレンズアレイの少なくとも第1のマイクロレンズは、前記第1のアレイの対応する第1のVCSELのアクティブエリアの第1の拡大像を前記中間面上に投影するように適合され、前記マイクロレンズアレイの少なくとも第2のマイクロレンズは、前記第2のアレイの対応する第2のVCSELのアクティブエリアの第2の拡大像を前記中間面上に投影するように適合され、前記第1のマイクロレンズ及び前記第2のマイクロレンズは、像面において前記第1の拡大像及び前記第2の拡大像の整列された重ね合わせを提供するために、前記中間面において前記第1の拡大像及び前記第2の拡大像を投影するように適合される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第1及び/又は第2の均一化光学系構成は、(a)フライアイコンデンサ、(b)ロッドホモジナイザ、特に長方形又は正方形のロッドホモジナイザ、及び(c)前記中間面において前記アレイ全体のデフォーカス像を投影するように適合されたデフォーカスレンズ構成の少なくとも1つを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記パターン光学系構成(30)は、マイクロレンズアレイ(31)を含み、前記マイクロレンズアレイの隣接するレンズは、前記第1のアレイ(10)及び/又は前記第2のアレイ(10)の隣接するVCSEL(11)のピッチと異なるピッチを有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の均一化光学系構成(20)及び/又は前記第2の均一化光学系構成(20)並びに前記パターン光学系構成(30)は、組み合わされた一体的に形成された構成、特に射出成形によって一体的に形成された構成である、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記パターン光学系構成(30)によって生成された前記構造化光パターン(71)は、前記第1のアレイ(10)及び/又は前記第2のアレイ(10)の行及び/又は列の数と異なる数の行及び/又は列を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の均一化光学系構成(20)は、前記第1のアレイ(10)の複数のVCSEL(11)によって放出された光に基づいて、前記中間面(60)において第1のトップハット型強度分布(63)を提供するように適合され、
前記第2の均一化光学系構成(20)は、前記第2のアレイ(10)の複数のVCSEL(11)によって放出された光に基づいて、前記中間面(60)において第2のトップハット型強度分布(63)を提供するように適合され、それにより、前記第1のトップハット型強度分布と前記第2のトップハット型強度分布とは、互いに隣接し、且つ組み合わされたトップハット型強度分布(61)を一緒に形成し、前記中間面において均一強度分布を提供する、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
第2のパターン光学系構成(30)を更に含み、前記パターン光学系構成は、前記中間面(60)における前記共通の均一強度分布(61)の第1の部分に基づいて第1の構造化光パターン(73)を生成するように適合され、
前記第2のパターン光学系構成は、前記中間面(60)における前記共通の均一強度分布(61)の第2の部分に基づいて第2の構造化光パターン(73)を生成するように適合される、請求項1~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記パターン光学系構成(30)及び前記第2のパターン光学系構成(30)は、前記第1の構造化光パターン(73)と前記第2の構造化光パターン(73)とが異なる領域に向けられるように適合され、前記第1の構造化光パターンと前記第2の構造化光パターンとの間の間隔は、構造化光パターンの隣接する構造間の間隔を超えない、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
構造化光パターン(71)を生成するように適合されたシステムであって、
- 請求項1~14のいずれか一項に記載の装置(1)と、
- 前記第1及び/又は第2のアレイの前記VCSELを制御するように適合されたコントローラ(70)と
を含むシステム。
【請求項16】
構造化光パターン(71)を生成するための方法であって、
- 垂直共振器型面発光レーザVCSEL(11)の第1のアレイ(10)を提供するステップと、
- 前記垂直共振器型面発光レーザの第1のアレイに関連する第1の均一化光学系構成(20)を提供するステップと、
- 垂直共振器型面発光レーザVCSEL(11)の第2のアレイ(10)を提供するステップと、
- 前記垂直共振器型面発光レーザの第2のアレイに関連する第2の均一化光学系構成(20)を提供するステップであって、異なるアレイにそれぞれ関連する前記第1および第2の均一化光学系構成(20)は、それらの強度分布(63)が中間面(60)において共通のトップハット型均一強度分布(61)となるように構成される、ステップと、
- 前記中間面(60)における前記共通の均一強度分布に基づいて構造化光パターン(71)を生成するステップと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オプトエレクトロニクスデバイスに関する。より詳細には、本発明は、構造化光パターンを生成するように適合されたオプトエレクトロニクス装置及びシステムに関する。本発明は、対応する方法に更に関する。
【背景技術】
【0002】
小型光学プロジェクタは、様々な用途に使用されている。例えば、このようなプロジェクタは、3Dマッピング(デプスマッピング又はデプスセンシングとしても知られている)の目的のため、コード化又は構造化された光のパターンを対象物上に投影するために使用され得る。応用シナリオは、自動車用センサから、計測用途及びユーザの顔のデプススキャンを介してスマートフォンのロックを解除するなどの機能までわたり得る。
【0003】
飛行時間(TOF)型システム又はLIDARシステムは、信号雑音比を向上させるために、投光イルミネータではなく、スポットパターンを用いることが有効であり得る。例えば、高い空間解像度を得るために、システムは、各スポットが、太陽光条件で動作可能であり、且つ検出器において十分に高い信号雑音比を実現するために、好ましくは高いピークパワーでナノ秒範囲のパルスで動作している状態で、測定されるシーン上に1万個超のスポットのパターンを映し出す必要があり得る。
【0004】
パターンは、所定のパターンで配置された複数の発光素子を有する構造化光源を提供することにより生成され得る。所定のパターンを有する光源は、投影レンズによって対象物上に投影され得る。任意選択で、前記所定のパターンの複数の複製が回折光学素子(DOE)によって設けられ得る。
【0005】
(特許文献1)は、レンズアレイプロジェクタを開示している。提案されている光学装置は、基板上に所定の均一な光源間隔で配置された光源のマトリクスを含む。ビームホモジナイザは、第1のマイクロレンズアレイを含む第1の光学面を含み、第1のマイクロレンズアレイは、光源間の間隔に等しい第1のピッチを有し、アレイ内の各マイクロレンズのそれぞれの光軸がマトリクス内の対応する光源と交差し、対応する光源によって放出される光を透過するようにマトリクスと整列している。第2のマイクロレンズアレイを含む第2の光学面は、第1のマイクロレンズアレイを透過した光を受けて集束させるように配置され、第1のピッチと異なる第2のピッチを有する。
【0006】
(特許文献2)は、共焦点3DスキャナのためのVCSELベースの低コヒーレンスエミッタを開示している。提案されている対象物を測定するための方法及び装置は、複数のスポット生成レンズを含むスポット生成器アレイに向けられる複数の光線を生成するために複数の光源を含む。複数の光源は、スポット生成レンズのそれぞれにおいて複数の光線をオーバーラップさせるのに十分な間隔距離でスポット生成器アレイから分離される。スポット生成レンズのそれぞれにおいて光線のそれぞれがオーバーラップすることにより、スポット生成レンズに入射する光エネルギーのエネルギープロファイルが滑らかになる。スポット生成器アレイは、オーバーラップする集束された光線を含む集束されたスポットを生成する。オーバーラップする光線は、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)アレイのオーバーラップする光線を含むことができ、オーバーラップする集束された光線は、光学的なアーティファクトを低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許出願公開第2013/038941A1号明細書
【文献】米国特許出願公開第2017/222404A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の態様の目的は、構造化光パターンを生成するように適合されたオプトエレクトロニクス装置を提供することである。特に、構造化光パターンを生成するように適合されたオプトエレクトロニクス装置の信頼性を更に高めることが有利であろう。更に、構造化光パターンを生成するように適合されたより柔軟且つ/又はより経済的なオプトエレクトロニクス装置を提供することが有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の第1の態様によれば、構造化光パターンを生成するように適合されたオプトエレクトロニクス装置が提示される。オプトエレクトロニクス装置は、垂直共振器型面発光レーザVCSELのアレイと、垂直共振器型面発光レーザの第1のアレイに関連する均一化光学系構成とを含む。オプトエレクトロニクス装置は、垂直共振器型面発光レーザVCSELの第2のアレイと、垂直共振器型面発光レーザの第2のアレイに関連する第2の均一化光学系構成とを更に含み得る。異なるVCSELアレイにそれぞれ関連する均一化光学系構成は、それらの強度分布が中間面において共通のトップハット型均一強度分布となるように構成され得る。オプトエレクトロニクス装置は、中間面における共通の均一強度分布に基づいて構造化光パターンを生成するように適合されたパターン光学系構成を更に含む。
【0010】
本開示の更なる態様によれば、構造化光パターンを生成するように適合されたオプトエレクトロニクス装置が提示される。オプトエレクトロニクス装置は、垂直共振器型面発光レーザVCSELのアレイと、VCSELのアレイの複数のVCSELによって放出された光に基づいて、中間面において均一強度分布を提供するように適合された均一化光学系構成と、中間面における均一強度分布に基づいて構造化光パターンを生成するように適合されたパターン光学系構成とを含む。本装置は、垂直共振器型面発光レーザVCSELの第2のアレイと、VCSELの第2のアレイの複数のVCSELによって放出された光に基づいて、中間面において第2の均一強度分布を提供するように適合された第2の均一化光学系構成と、中間面における第2の均一強度分布に基づいて第2の構造化光パターンを生成するように適合された第2のパターン光学系構成とを更に含み得る。均一化光学系構成は、VCSELアレイの複数のVCSELによって放出された光に基づいて、中間面において第1のトップハット型強度分布を提供するように適合され得る。第2の均一化光学系構成は、第2のVCSELアレイの複数のVCSELによって放出された光に基づいて、中間面において第2のトップハット型強度分布を提供するように適合され得、それにより、第1のトップハット型強度分布と第2のトップハット型強度分布とは、互いに隣接し、且つ組み合わされたトップハット型強度分布を一緒に形成し、中間面において均一強度分布を提供する。
【0011】
本開示の更なる態様では、構造化光パターンを生成するように適合されたシステムが提示され、本システムは、上述の装置の1つと、VCSELアレイのVCSELを制御又は駆動するように適合されたコントローラとを含む。
【0012】
本発明のまた更なる態様では、構造化光パターンを生成するための方法が提示され、本方法は、垂直共振器型面発光レーザVCSELの第1のアレイを提供するステップと、垂直共振器型面発光レーザの第1のアレイに関連する第1の均一化光学系構成を提供するステップと、垂直共振器型面発光レーザVCSELの第2のアレイを提供するステップと、垂直共振器型面発光レーザの第2のアレイに関連する第2の均一化光学系構成を提供するステップであって、異なるVCSELアレイにそれぞれ関連する均一化光学系構成は、それらの強度分布が中間面において共通のトップハット型均一強度分布となるように配置される、ステップと、中間面における共通の均一強度分布に基づいて構造化光パターンを生成するステップとを含む。
【0013】
本発明のまた更なる態様では、構造化光パターンを生成するための方法が提示され、本方法は、垂直共振器型面発光レーザVCSELのアレイを提供するステップと、中間面において、VCSELのアレイの複数のVCSELによって放出された光を均一化して、中間面において均一強度分布を提供するステップと、中間面における均一強度分布に基づいて構造化光パターンを生成するステップとを含む。本方法は、垂直共振器型面発光レーザVCSELの第2のアレイを提供するステップと、中間面において、VCSELの第2のアレイの複数のVCSELから放出された光を均一化して、中間面において第2の均一強度分布を提供するステップと、中間面における第2の均一強度分布に基づいて第2の構造化光パターンを生成するステップとを更に含み得る。均一化するステップは、VCSELアレイの複数のVCSELによって放出された光に基づいて、中間面において第1のトップハット型強度分布を提供するステップと、第2のVCSELアレイの複数のVCSELによって放出された光に基づいて、中間面において第2のトップハット型強度分布を提供するステップであって、それにより、第1のトップハット型強度分布と第2のトップハット型強度分布とは、互いに隣接し、且つ組み合わされたトップハット型強度分布を一緒に形成し、中間面において均一強度分布を提供する、ステップとを含み得る。
【0014】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項において定義される。特許請求されるシステム及び方法は、特に従属請求項において定義され、且つ本明細書において開示されるように、特許請求される装置と同様及び/又は同一の好ましい実施形態を有することを理解されたい。
【0015】
本明細書において提示される解決策は、構造化光パターンを生成するように適合されたオプトエレクトロニクス装置の信頼性を更に高める可能性を提供し得る。提示される解決策は、構造化光パターンを生成するように適合されたより柔軟且つ/又はより経済的なオプトエレクトロニクス装置を提供し得る。
【0016】
本発明は、チップ設計と、必要とされるスポットパターンとを切り離すという考えに基づくものである。VCSELの所定のパターンをチップ上に映し出し、潜在的に前記所定のパターンを回折光学素子によって複数回複製する代わりに、VCSELアレイの複数のVCSELによって放出された光に基づいて、中間面において均一強度分布を生成することが提案される。したがって、VCSELアレイにおいてVCSELの(第1の)パターンが提供されていても、VCSELアレイによって提供される前記VCSELパターンは、シーン上に映し出されない。代わりに、VCSELパターンは、均一化光学系構成に供給され、均一化光学系構成は、中間面において均一強度分布を提供し、均一強度分布は、その後、シーン又は作業面上に投影される所望の構造化光パターンを生成するための基礎としての役割を果たす。まず、VCSELパターンを形成するVCSELのアレイを提供し、次にVCSELパターンに関する情報を「破壊」し、その後、新しいパターンを提供することは、直感に反するように見え得るが、この手法には、いくつかの利点があることが判明している。例えば、提案されている解決策は、既知の設計ルールに近いチップ設計を可能にし得る。このため、VCSELの設計及び構成は、生成される最終的な構造化光パターンに必ずしも支配されない。追加的又は代替的に、CTE(熱膨張係数)の不一致による信頼性の問題が軽減され得る。更なる利点は、例えば低出力の個々のレーザ又は大型のVCSELアレイの欠陥に起因する歩留まり損失を低減できることであり得る。
【0017】
更に、異なるオプトエレクトロニクス装置を提供する柔軟性が高められ得る。用途が異なれば、必要とされる構造化光パターンが異なり得る。VCSEL半導体チップを様々な用途ごとに変更することは、効率的ではない。例えば、特定の用途のために1つの大型のVCSELアレイを提供する代わりに、所定のセットからいくつかのサブアレイが提供され得る。サブアレイは、別個のダイに設けられ得る。これは、様々な用途ごとに異なるVCSEL半導体チップを設計及び提供する必要もなくし得る。代わりに、例えば異なるサイズ及び出力の別個のVCSELアレイが必要に応じて組み合わされ得る。したがって、所望のサイズ及び/又は出力が中間面において均一強度分布として柔軟に提供され得る。提案される解決策は、標準化されたチップの使用を可能にし得る。VCSELの第1のアレイは、第1のダイ又は第1のチップ上に設けることができる。VCSELの第2のアレイは、第1のダイ又は第1のチップと異なる第2のダイ又は第2のチップ上に設けることができる。その後、それから所望の構造化光パターンを生成することができる。VCSELアレイのVCSELによって放出された放射は、中間面における中間段階において均一化され、中間面における放射又は強度分布は、所望の構造化光パターンを生成するための基礎を形成するため、ピッチの不一致でも致命的であり得ないことに更に留意されたい。VCSELアレイの異なるVCSELの強度分布が中間面において重なり合う。これにより、異なる用途及び所望の構造化光パターンのためにパターン光学系のみを変更すればよいため、効率的な実装が可能になり得る。異なるVCSELアレイにそれぞれ関連する両方の均一化光学系を、それらの強度分布が共通のトップハット型強度分布となるように構成するという考えは、VCSELの様々なアレイをどのように組み合わせるかという問題を解決し得る。したがって、第1の均一化光学系構成及び第2の均一化光学系構成を含むオプトエレクトロニクス装置は、VCSELの第1のアレイの複数のVCSELによって放出された光に基づく中間面における第1の強度分布と、VCSELの第2のアレイの複数のVCSELによって放出された光に基づく中間面における第2の強度分布との組み合わせが、組み合わせにおいて、共通のトップハット型強度分布となり得るように適合され得る。共通のパターン光学系構成は、中間面における前記共通の均一(トップハット型)強度分布に基づいて構造化光パターンを生成するように提供され得る。
【0018】
本発明者らは、特に高出力の用途では、1スポット当たりの出力が高いと、DOEスプリッタを用いる手法が可能ではあり得ないことを認識した。本発明者らは、多数のスポットを作成すること、例えば1万個のレーザを備えたVCSELアレイを映し出すことにより、1万個超のスポットを作成することに2つの重大な欠点があり得ることを更に認識した。第1に、1スポット当たり単一のレーザに対して1:1の相関関係があることに起因するスポットの欠落に起因する高い歩留まり損失又は寿命の問題である。第2に、このような構成が非常に大きいチップサイズを必要とすることであり、大きいチップサイズにわたるCTE(熱膨張係数)の不一致による高い応力に起因して、組み立て及び信頼性の問題が生じ得る。別個のVCSELチップを整列させるための配置の精度は、通常、パターンにおける許容されるスポット偏差よりも大きくなり得るため、VCSELチップを傾けることは、容易でないことに留意されたい。更に、別個のVCSELチップ間の間隙は、通常、大きすぎることがある。更に、別個の光学系をそれぞれ有するチップを傾けると、イメージングレンズ及びその正確なアライメントのためのコスト及び必要な空間がVCSELチップの数だけ倍増し得る。提案される解決策は、これらの問題の1つ又は複数を克服し得る。
【0019】
以下の改良形態は、第1及び/又は第2のVCSELアレイに準用され得る。したがって、以下の改良形態は、第1及び/又は第2の均一化光学系構成に準用され得る。
【0020】
一実施形態によれば、均一化光学系構成は、表面要素又は中間面の各表面要素における強度に対するVCSELアレイのそれぞれの個々のVCSELの寄与が、前記表面要素における、VCSELアレイによって放出された光の強度の10%未満、特に5%未満、特に2%未満、特に1%未満であるように適合され得る。本実施形態の利点は、個々の欠陥のあるVCSELが構造化光パターンの強度分布に与える影響が極めて限定的であり、それが更に許容され得ることであり得る。したがって、歩留まり、デバイス寿命及び/又は信頼性が改善され得る。
【0021】
均一化光学系構成は、均一強度分布として中間面においてトップハット型強度分布を提供するように適合され得る。トップハット型強度分布の半値全幅FWHM直径は、VCSELのアレイの直径よりも大きいことができる。トップハット型強度分布は、半値全幅角度の少なくとも半分、特に少なくとも80%、特に少なくとも90%の一定の強度を有し得る。一定の強度又は一定の強度を有するエリアとは、実質的に一定の強度を指し、例えば一定の強度の前記エリアにおいて、平均の強度の+/-20%以下、特に平均の強度の10%以下の許容範囲を有する実質的に一定の強度を指し得る。
【0022】
均一化光学系構成は、中間面の表面要素における強度、特にトップハット型強度分布の最大値の少なくとも80%の強度を有する表面要素に対する個々のVCSELの寄与が、前記表面要素における、VCSELアレイによって放出された光の強度を、前記表面要素を照射するすべてのVCSELの数で除した値の少なくとも5%であるように適合され得る。追加的又は代替的に、均一化光学系構成は、中間面の表面要素における強度に対する個々のVCSEL又は更にVCSELアレイの各(アクティブな)VCSELの寄与が、前記表面要素における、VCSELアレイによって放出された光の強度をVCSELのアレイのVCSELの数で除した値の少なくとも5%であるように適合され得る。したがって、均一化光学系構成は、VCSELアレイの個々のVCSELが、少なくとも最小であるが、最大以下の寄与を提供するように適合され得る。欠陥のある画素又は放射を放出しないように制御されている画素、すなわち非アクティブなVCSELは、この判定で無視され得ることを理解されたい。VCSELの数は、VCSELアレイのVCSELの数を指す場合もあれば、又は光を放出するように制御されているVCSELアレイのアクティブなVCSELの数を指す場合もある。
【0023】
一実施形態によれば、オプトエレクトロニクス装置は、構造化光パターンとしてドットパターン又はストライプパターンを生成するように適合され得る。ドットパターンは、ポイントパターンとも呼ばれ得る。ドットパターンは、例えば、飛行時間測定を用いた3Dカメラにおけるドットに対応する、異なる位置におけるシーンのサンプリングに使用され得る。オプトエレクトロニクス装置は、ストライプ又は異なる形状などの異なるパターンを生成するようにも適合され得る。
【0024】
均一化光学系構成は、中間面において、VCSELのアレイの複数のVCSELによって放出された光の均一強度分布を提供するように適合されたマイクロレンズアレイを含み得る。特に、均一化光学系構成は、チャープマイクロレンズアレイを含み得る。例えば、チャープマイクロレンズアレイは、画素アレイの非中央位置にある画素によって放出された光を、中間面における強度分布のより周辺にある領域からより中央にある領域に向け直すように構成された1つ又は複数の傾斜マイクロレンズを含み得る。
【0025】
改良形態では、マイクロレンズアレイの少なくとも第1のマイクロレンズは、VCSELアレイの対応する第1のVCSELのアクティブエリアの第1の拡大像を中間面上に投影するように適合され得、及びマイクロレンズアレイの少なくとも第2のマイクロレンズは、VCSELアレイの対応する第2のVCSELのアクティブエリアの第2の拡大像を中間面上に投影するように適合され得る。第1のマイクロレンズ及び第2のマイクロレンズは、像面において第1の拡大像及び第2の拡大像の整列された重ね合わせを提供するために、中間面において第1の拡大像及び第2の拡大像を投影するように適合され得る。第1のVCSELと第2のVCSELとの両方が中間面上の同じエリア又は少なくとも略同じエリアを照らし得る。第1の拡大像及び第2の拡大像は、同じ全体形状を有し得、中間面において一致し得る。多数のVCSEL、例えば数十、数百又は数千のVCSELを有するVCSELアレイ全体は、それぞれのマイクロレンズを用いてこのように適合され得ることが理解されるであろう。
【0026】
追加的又は代替的に、均一化光学系構成は、フライアイコンデンサを含み得る。追加的又は代替的に、均一化光学系構成は、ロッドホモジナイザ、特に長方形又は正方形のロッドホモジナイザを含み得る。フライアイコンデンサ及びロッドホモジナイザなどのそれぞれの要素は、単独で又は任意選択で更なる要素と組み合わせて、中間面において、VCSELのアレイの複数のVCSELによって放出された光の均一強度分布を提供するように適合され得る。
【0027】
追加的又は代替的に、均一化光学系構成は、中間面においてVCSELのデフォーカス像を投影するように適合された、特にVCSELアレイ全体のデフォーカス像を中間面に投影するように適合されたデフォーカスレンズ構成を含み得る。換言すれば、例えばMLAによって形成される後続のパターン光学系構成に対して、VCSELアレイの不鮮明な任意選択で拡大された像が提供され得る。
【0028】
パターン光学系構成の光学系は、(大型の)マイクロレンズアレイMLAを含み得る。任意選択で、マイクロレンズアレイの隣接するレンズは、VCSELアレイの隣接するVCSELのピッチ又は間隔と異なるピッチ、すなわちより大きい又は小さいピッチを有し得る。例えば、マイクロレンズアレイの隣接するレンズのピッチは、VCSELアレイの隣接するVCSELのピッチよりも少なくとも20%、少なくとも50%、少なくとも100%、少なくとも200%、少なくとも500%大きいか又は小さいことができる。中間面において均一強度分布を提供することにより、個々のVCSELに対応する個々のマイクロレンズを設ける必要がなくなる。これにより、モジュール式手法が可能となり、これにより柔軟性を高めることが可能となる。マイクロレンズの位置は、対応するスポットの隣り合うスポットに対する位置に依存し得る。スポットの総数からレンズアレイの全サイズを得ることができる。
【0029】
パターン光学系構成は、マイクロレンズアレイを含み得る。パターン光学系構成は、前記マイクロレンズアレイのマイクロレンズの焦点面において構造化光パターン、特にスポットパターンを提供するように構成され得る。本実施形態の利点は、構造化光パターンの構造体の位置、例えば構造化光パターンのスポット位置が、パターン光学系構成に対するVCSELアレイの(横方向の)位置とは独立していることができることであり得る。横方向の位置とは、VCSELの光軸に直交する平面における位置を指し得る。VCSELの光軸とは、VCSELによって放出された光の中心ビーム方向を指し得る。例えば、従来の手法とは対照的に、パターン光学系構成の位置、例えばパターン光学系構成のマイクロレンズの位置をVCSELアレイのレーザの位置に対して調整する必要がなくてもよい。焦点面におけるスポットサイズは、マイクロレンズの焦点距離にマイクロレンズ前での光線の拡がり角を乗じたものに等しくなり得る。
【0030】
任意選択で、均一化光学系構成は、VCSELアレイのVCSELによって放出された光を(事前に)コリメートするように適合され得る。これにより、パターン光学系構成に関する要件が軽減され得る。例えば、パターン光学系構成のマイクロレンズアレイのマイクロレンズの屈折力が低下され得る。さもなければ、パターン光学系構成のマイクロレンズの焦点距離は、極めて短くならざるを得ない場合がある。このようなマイクロレンズアレイは、製造が困難な場合があり、及び/又はパターン光学系構成の第1のステージ、例えばMLAの後の拡がり角が広すぎて、複雑な投影光学系を使用しなければならないであろう。したがって、提案される解決策により、パターン光学系構成の製造が簡素化され得る。
【0031】
パターン光学系構成の光学系は、構造化光パターンを(遠くの)シーン又は作業面又は視野(FOV)上に投影するように適合された投影レンズを含み得る。投射レンズがマイクロレンズアレイと組み合わせて使用され得ることを理解されたい。したがって、マイクロレンズアレイにより、限られた屈折力のみを提供すればよい。残りの屈折力は、投影レンズによって提供することができる。任意選択で、大型の(既製の)光学系は、構造化光パターンを視野に映し出すために使用され得る。大型の光学系とは、均一化光学系構成よりも大きい直径を有する光学素子を指し得る。一般に、投影レンズ又は視野レンズは、MLAの全サイズを所望の視野に映し出すように設計され得る。
【0032】
均一化光学系構成及びパターン光学系構成は、特に射出成形により、組み合わされた一体的に形成された構成を含み得る。例えば、均一化光学系構成のロッドホモジナイザは、例えば、射出成形により、マイクロレンズアレイと一体的に形成され得る。本実施形態の利点は、製造の簡素化、低コスト化及びアライメントの簡素化の1つ又は複数を含み得る。任意選択で、パターン光学系構成は、組み合わされた要素又は一体的に形成された構成として実装され得る投影レンズなどの投影光学系構成を含み得る。いくつかの光学素子は、一体として特に射出成形によって形成され得る。
【0033】
パターン光学系構成によって生成された構造化光パターンは、VCSELアレイの行及び/又は列の数と異なる数の行及び/又は列を含み得る。低次、回折効果及び/又はDOEによる複製は、前記行及び/又は列の数にカウントされない場合があることを理解されたい。したがって、VCSELアレイのVCSELの基礎となる構成に関係なく、様々な構造化光パターンが生成され得る。
【0034】
本装置は、垂直共振器型面発光レーザVCSELの第2のアレイと、VCSELの第2のアレイの複数のVCSELによって放出された光に基づいて、中間面において第2の均一強度分布を提供するように適合された第2の均一化光学系構成と、中間面における第2の均一強度分布に基づいて第2の構造化光パターンを生成するように適合された第2のパターン光学系構成とを含み得る。このように、いくつかのアレイが組み合わされ得る。上で説明したように、上述のVCSELアレイは、第1のVCSELアレイと呼ばれ得、上述の均一化光学系構成は、第1の均一化光学系構成と呼ばれ得、パターン光学系構成は、第1のパターン光学系構成と呼ばれ得る。任意選択で、第1の均一化構成及び第2の均一化構成は、同じ中間面において第1及び第2の均一強度分布を提供するように適合され得る。任意選択で、第1のパターン光学系構成及び第2のパターン光学系構成は、(組み合わされた又は全体的な)パターン光学系構成を形成し得、(組み合わされた)パターン光学系構成は、中間面において第1及び第2の均一化光学系構成によって提供された均一強度分布に基づいて構造化光パターンを生成するように適合される。任意選択で、第1及び第2の均一化光学系構成は、第1及び第2の均一化光学系構成の機能を提供するように適合された(組み合わされた又は全体的な)均一化光学系構成を形成し得る。これらの実施形態の利点は、すべてのスポットの互いに対する良好な位置精度が提供され得ることであり得る。例えば、別個のパターン光学系構成及び/又は別個の均一化光学系構成の互いに対する別途の高精度アライメントは、不要であり得る。
【0035】
パターン光学系構成及び第2のパターン光学系構成は、構造化光パターンと第2の構造化光パターンとが異なる領域に向けられるように適合され得る。第1の構造化光パターンと第2の構造化光パターンとは、例えば、作業面における異なる領域又は異なる視野に向けられ得る。異なる領域は、重なっていても、部分的に重なっていても又は重なっていなくてもよい。
【0036】
本装置は、第2のパターン光学系構成を含み得る。パターン光学系構成は、中間面における共通の均一強度分布の第1の部分に基づいて第1の構造化光パターンを生成するように適合され得、第2のパターン光学系構成は、中間面における共通の均一強度分布の第2の部分に基づいて第2の構造化光パターンを生成するように適合され得る。
【0037】
改良形態では、パターン光学系構成及び第2のパターン光学系構成は、構造化光パターンと第2の構造化光パターンとの間の間隔が、構造化光パターンの隣接する構造間の間隔を超えないように適合され得る。例えば、パターン光学系構成及び第2のパターン光学系構成は、ドットパターン、特に2つの別個のドットパターンを提供するように適合され得る。しかしながら、第1のパターン光学系構成によって提供されるドットパターンと、第2のパターン光学系構成によって提供される第2のドットパターンとは、連続的又は規則的なドットパターンを一緒に提供し得、例えば異なるパターン光学系構成によって提供されるドットパターン間に「間隙」又は他の不連続箇所がない状態で連続したピッチのドットを提供する。間隔という用語は、2つの要素間における最短距離を指し得る。このように、提案される解決策は、不連続性のないパターンを提供するために大型のモノリシックアレイを使用しなければならないか、又はより高度で高価なイメージング光学系が採用されるかのいずれかである従来技術の解決策と比較して、大きい利点を提供し得る。
【0038】
本明細書において提案されているように中間面において均一強度分布を提供することの更なる利点は、VCSELアレイに対してパターン光学系構成を配置するためのアライメントの許容範囲が緩和され得ることであり得る。これにより、製造コストが削減され得、歩留まりが向上され得る。
【0039】
システムについて、コントローラは、VCSELアレイのVCSELのサブセットを選択的に制御するように任意選択で適合され得ることに留意されたい。本明細書で使用される場合、VCSELアレイのVCSELとは、アレイのアクティブなVCSELを指し得る。
【0040】
オプトエレクトロニクス装置、システム及び方法は、類似及び/又は同一の改良形態及び実施形態を有し得ることを理解されたい。
【0041】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項とそれぞれの独立請求項との任意の組み合わせであり得ることを理解されたい。更なる有利な実施形態を以下に定義する。
【0042】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に説明する実施形態を参照することから明らかになり且つ明確にされる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】構造化光パターンを生成するように適合されたオプトエレクトロニクス装置の概略図である。
図2図1の様々な位置における強度分布を示す図である。
図3図2の強度分布の断面図である。
図4】1つのVCSELアレイを有する、構造化光パターンを生成するように適合されたオプトエレクトロニクス装置の概略図である。
図5】複数のVCSELアレイを有する、構造化光パターンを生成するように適合されたオプトエレクトロニクス装置の概略図である。
図6図5の様々な位置における強度分布を示す図である。
図7図6の強度分布の断面図である。
図8】等間隔に配置された光線グループを含む、ファーフィールドにおける光線パターンの平面の側面図の図表現である。
図9】複数のVCSELアレイを含むオプトエレクトロニクス装置の更なる概略図である。
図10図10A図10Hは、様々な均一化光学系構成の例示的な実施形態の概略図である。
図11】本開示の一態様によるシステムの概略図である。
図12】複数のVCSELアレイをアクティブにしたときの光線パターンを示す図である。
図13】本開示の一態様による方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1は、構造化光パターンを生成するように適合されたオプトエレクトロニクス装置の第1の実施形態を概略的に示す。本装置は、その全体が図1において参照番号1で示されている。オプトエレクトロニクス装置1は、垂直共振器型面発光レーザVCSEL11のアレイ10を含む。VCSEL11は、トップエミッタ又はボトムエミッタとして実装され得る。図1に示す例では、VCSEL11は、トップエミッタとして実装されている。
【0045】
VCSEL11によって放出された光は、均一化光学系構成20に供給される。均一化光学系構成20は、VCSELアレイ10の複数のVCSEL11によって放出された光に基づいて、中間面60において均一強度分布を提供するように適合される。更に、中間面60における均一強度分布に基づいて構造化光パターン71を生成するように適合されたパターン光学系構成30が設けられる。図1に示す例では、均一化光学系構成20は、VCSELアレイ10の上に配置された第1のマイクロレンズアレイ21を含み、このマイクロレンズアレイ21は、パターン光学系構成30からいくらかの距離を置いて配置される。パターン光学系構成は、第2のマイクロレンズアレイ31、特に大型のマイクロレンズアレイ(MLA)を含み得る。
【0046】
図2及び図3は、図1の様々な位置50、60及び70における強度分布を示す例示的な図表現を示す。図2及び図3の左の図表現は、VCSELアレイ10の出力における図1の平面50における強度分布を示す。図2及び図3の中央の図表現は、均一化光学系構成20による均一化後である、図1の中間面60における強度分布を示す。図2及び図3の右の図表現は、中間面60における均一強度分布に基づいて構造化光パターンを生成するように適合されたパターン光学系構成30の少なくとも第2のマイクロレンズアレイ31の後にある、図1の平面70における強度分布を示す。
【0047】
図2の左の図表現の強度分布51は、VCSELアレイ10の個々のVCSEL11によって提供された強度52を示す。図3の左の図表現は、図2のそれぞれの図表現の線A-Aに沿った対応する断面図を示す。この例では、9×9のVCSELのアレイが設けられている。図示のそれぞれの個々のVCSELの強度分布の形状は、アクティブエリアの形状を反映し得る。これは、ニアフィールドの強度プロファイルの簡略化されたスケッチと見なすことができる。
【0048】
図1に例示的に示すように、均一化光学系構成20は、VCSELのアレイの複数のVCSEL、好ましくはVCSELのアレイのすべてのVCSELによって放出された放射を中間面60において均一強度分布に変換するように適合される。これは、図2の中央の図表現にあるトップハット型強度プロファイルによって例示的に示されている。均一強度分布は、トップハット型強度プロファイルの中央部分によって提供され得る。
【0049】
中間面60における結果として得られる強度分布61は、VCSELアレイ10の複数の個々のVCSEL11からの寄与の重ね合わせを含む。均一化光学系構成は、中間面60の表面要素における強度に対する個々のVCSEL、特にVCSELアレイのそれぞれの個々のVCSELの寄与が、前記表面要素における、VCSELアレイによって放出された光の強度の20%未満、特に5%未満、特に2%未満、特に1%未満であるように適合され得る。例えば、少なくとも7つのレーザ、好ましくは少なくとも20のレーザ、好ましくは少なくとも30のレーザの光は、中間面における均一強度分布の領域において、特に中間面における均一に照射されたエリアの各表面要素において重ね合わされ得る。中間面における均一強度分布の一部分は、強度のばらつきが10%未満、特に20%未満であることを特徴とし得る。
【0050】
均一化光学系構成は、均一強度分布としてトップハット型強度分布を提供するように適合され得る。特に、トップハット型強度分布の半値全幅(FWHM)直径は、VCSELのアレイの直径よりも大きいことができる。FWHM直径は、図2及び図3の中央の図表現において破線で示されている。中間面における均一強度分布は、中間面の一部分に広がり得る。均一強度分布のこの部分は、強度の相対的なばらつきが20%未満、特に10%未満、特に5%未満、特に2%未満であることを特徴とし得る。本明細書において提案される解決策によれば、均一強度分布の各表面要素に対する各VCSELの寄与が限られているため、VCSELアレイの個々のVCSELに欠陥があっても、均一強度分布が実現され得ることに留意されたい。
【0051】
図1に示す例では、均一化光学系構成20は、中間面60において、VCSELのアレイ10の複数のVCSEL11によって放出された光の均一強度分布を提供するように適合されたマイクロレンズアレイを含む。VCSELアレイ10の各VCSEL11がマイクロレンズ21を設けられ得る。マイクロレンズアレイの第1のマイクロレンズは、図2の左の図表現に参照番号52で示されているように、対応するVCSEL11のアクティブエリアの第1の拡大像を中間面60上に投影するように適合され得る。中間面60における強度分布61は、個々のVCSEL11のアクティブエリア52の拡大像に対応し得る。マイクロレンズ21のアレイは、複数のVCSELのアクティブエリアの像を互いに向かって向け直して、中間面60におけるVCSELのアクティブエリアの拡大像の整列した重ね合わせを提供するように適合されたチャープマイクロレンズ又は傾斜マイクロレンズのアレイを含み得る。
【0052】
中間面における均一強度分布の領域のサイズは、VCSELアレイのサイズよりも大きいことができる。これは、図5図7を参照して更に以下に詳述される。
【0053】
ここで、図2及び図3の右の図表現を参照すると、パターン光学系構成30は、中間面60における均一強度分布61に基づいて構造化光パターン71を生成するように適合され得る。
【0054】
この例では、パターン光学系構成30は、構造化光パターン71として、複数のドット72を含むドットパターンを生成するように適合される。パターン光学系構成30によって生成された構造化光パターン71は、分離されており、したがって平面50におけるVCSELアレイ10の複数のVCSEL11の特定の構成にほとんど依存しないことに留意されたい。例えば、図2の左側の図表現に示されている9×9のVCSELパターンは、異なる数のスポット72を有する構造化光パターン71に変換され得る。この手法は、図3の断面図にも例示的に示されており、それぞれの強度52を提供する9つのVCSELの発光エリアは、図3の中央の図表現に示すように、中間面60において均一強度分布61にまず変換され、次いで、これは、図3の右側の図表現に示すように、異なる数の強度ピーク72を有する所望の構造化光パターン71に変換される。このように、パターン光学系構成30によって生成された構造化光パターン71は、VCSELアレイ10のVCSEL11の行及び/又は列と異なる数の行及び/又は列を含み得る。
【0055】
この手法の利点は、異なる構造化光パターンが望まれる場合、そのような異なる構造化光パターンを生成するために同じ均一強度分布61が使用され得ることである。パターン光学系構成30のみを変更し得る。しかしながら、中間面60において均一強度分布を提供するように適合された修正された均一化光学系構成20を設けることにより、異なるVCSELアレイ10で同じパターン光学系構成30を使用することも可能である。このように、柔軟性がかなり改善され得る。更なる利点として、モジュール式手法であるため、製造コストが削減され得る。
【0056】
図4は、図1に示すような、構造化光パターンを生成するように適合された装置の概略図を示す。
【0057】
図5図7は、装置内の様々な位置において構造化光パターン及びそれぞれの強度分布を生成するように適合された装置1の更なる実施形態を示す。本装置は、図1図4で説明した装置又は装置の特徴の組み合わせと見なすことができる。以下では、追加的な態様を明らかにする。
【0058】
図5は、構造化光パターンを生成するように適合された装置1の概要を示す。オプトエレクトロニクス装置1は、垂直共振器型面発光レーザVCSEL11の第1のアレイ10と、垂直共振器型面発光レーザの第1のアレイに関連する第1の均一化光学系構成20と、垂直共振器型面発光レーザVCSEL11の第2のアレイ10と、垂直共振器型面発光レーザの第2のアレイに関連する第2の均一化光学系構成20とを含む。オプトエレクトロニクス装置1は、異なるVCSELアレイにそれぞれ関連する均一化光学系構成20を更に含み、均一化光学系構成20は、それらの強度分布が中間面60において共通のトップハット型均一強度分布となるように構成される。オプトエレクトロニクス装置1は、中間面60における共通の均一強度分布に基づいて構造化光パターン71を生成するように適合されたパターン光学系構成30を更に含む。図5に示す例では、3つのVCSELアレイ10は、関連する均一化光学系構成20を設けられている。しかしながら、異なる数のVCSELアレイが組み合わされ得る。
【0059】
図1を参照して説明した特徴に加えて、本装置は、ここで、複数のVCSELアレイ10と複数の均一化光学系構成20とを含む。この例では、3×3のマトリクスで構成された9つのVCSELアレイ10が設けられている。しかしながら、VCSELアレイの異なる数及び幾何学的構成が可能であり、本開示は、特定の構成に限定されない。この例では、各VCSELアレイ10は、対応する均一化光学系構成20が設けられている。しかしながら、共通の均一化光学系構成20を設けること又は複数のVCSELアレイ10の少なくともサブセット間で均一化光学系構成20を共有することも可能である。
【0060】
図6の左の図表現は、図5の平面50における複数のVCSELアレイ10の3×3の構成の発光エリア52の上面図を示す。図7の左側の図表現は、図6の左の図表現の線A-Aに沿った強度分布を示す。この図表現からわかるように、個々のVCSELアレイ10は、距離62だけ分離され、異なるグループ53を形成し得る。
【0061】
この例では、均一化光学系構成20のそれぞれは、対応するVCSELアレイ10の複数のVCSEL11によって放出された光に基づいて、中間面60において均一強度分布63を提供するように構成される。均一化光学系構成20又は組み合わされた均一化光学系構成は、少なくとも2つの分離したVCSELアレイ10の隣接する均一強度分布63が、中間面において組み合わされた均一強度分布61を一緒に形成するように構成され得る。この例では、図6の中央の図表現の上面図は、中間面60における均一強度分布の3×3のアレイの組み合わせを示し得る。左上の均一強度分布64は、図6の左側の図表現において参照番号54で示されるVCSELアレイによって提供される。
【0062】
図6及び図7の中央の図表現を参照すると、それぞれの均一化光学系構成20は、対応するVCSELのアレイ10のVCSELによって放出された光に基づいて、中間面60において均一強度分布61を提供するように適合される。中間面60における強度分布は、対応する均一化光学系構成20と共に、対応するVCSELアレイ10によって提供される個々の均一強度分布63の重ね合わせの結果である。概して、異なるVCSELアレイ10にそれぞれ関連する均一化光学系構成20は、それらの強度分布が中間面60において共通のトップハット型均一強度分布となるように構成され得る。
【0063】
一実施形態では、本装置は、垂直共振器型面発光レーザVCSELの第1のアレイ10と、VCSELの第1のアレイ10の複数のVCSELによって放出された光に基づいて、中間面60において第1の均一強度分布63を提供するように適合された第1の均一化光学系構成20と、垂直共振器型面発光レーザVCSELの第2のアレイと、VCSELの第2のアレイの複数のVCSELによって放出された光に基づいて、中間面60において第2の均一強度分布を提供するように適合された関連する第2の均一化光学系構成とを含む。図7の中央の図表現の断面図は、中間面における3つの均一強度分布63の組み合わせをここではトップハット型強度分布として示す。第1のトップハット型強度分布63と第2のトップハット型強度分布63とは、互いに隣接し、且つ組み合わされたトップハット型強度分布61を一緒に形成し、中間面60において均一強度分布を提供することができる。図6の中央の図表現は、組み合わされた均一強度分布を示す。
【0064】
中間面60における均一強度分布61に基づいて構造化光パターン71を生成するように適合されたパターン光学系構成30が設けられ得る。中間面における第1及び第2の均一強度分布に基づいて第1及び第2の構造化光パターンを生成するように適合された別個の第1及び第2のパターン光学系構成が設けられ得ることを理解されたい。しかしながら、有利には、中間面60における均一強度分布に基づいて構造化光パターン71を生成するように適合された組み合わされた又は単一のパターン光学系構成30を設けることができる。例えば、図6の右側の図表現に示すようなドットパターンが設けられ得る。
【0065】
中間面において均一強度分布を提供するこの構成の利点は、個々のVCSELアレイ10間に間隙62があるにもかかわらず、間隙のない構造化光パターンが提供され得ることであり得る。図7に示すように、異なるVCSEL11によって放出された光の特別に分離されたグループ53は、中間面において隣接する均一強度分布63を提供し、その結果、構造化光パターン71内の要素の別個のグループ73がもたらされ得る。しかしながら、この構造化光パターンに対する個々のVCSELの影響は、ここで、極めて限られている。例えば、この実施形態では、VCSELの9×9のアレイは、中間面における均一強度分布63に寄与し得る。したがって、強度に対する個々のVCSELの寄与は、発光しているVCSELの数で除することにより得られるものであり得る。VCSELの9×9のアレイの例では、個々のVCSELの寄与は、1:81又は1.2%であり得る。そのため、このような画素の欠陥は、デバイスの機能に実質的に影響し得ない。したがって、信頼性及び歩留まりが改善され得る。単一のVCSELの欠陥は、スポット又はスポットのグループの欠落をもたらすものではなく、均一強度分布63をわずかに減少させるのみであることに更に留意されたい。このように、構造化光パターン71のスポットのグループの強度に与える影響は、非常に限られたものになり得る。
【0066】
例えば、図6の左の図表現の単一のVCSEL54の欠陥は、非常に低いレベルではあるが、図6の中央の図表現のフィールド全体64に影響を与える。その結果、フィールド64の均一強度分布から生成されたフィールド全体74の構造化光パターンは、ここでもまた非常に低いレベルでのみ影響を受ける。しかしながら、欠陥のあるVCSELによってスポットの欠落がもたらされることはない。
【0067】
図8は、間隙が個々のVCSELアレイ10間に設けられ得るとしても、パターンの個々の光線間に不規則な間隙のない状態でドット又は光線の連続パターンが設けられ得ることを示す。このようなVCSELアレイ間の間隙又は間隔は、図7の左側の図表現及び図9のVCSELアレイ10によって放出された光の間隔62によって例示的に示されている。
【0068】
図9は、いくつかの別個の画素アレイ10の組み合わせを含む装置のより詳細な概略図を示す。複数のVCSELアレイ10がキャリア12上に設けられ得、VCSELアレイ10は、距離62だけ分離される。キャリアは、プリント回路基板PCB、セラミック基板、(シリコン)ドライバの少なくとも1つであり得、且つ/又は冷却構造体であり得る。各VCSELアレイ10は、複数のVCSEL11を含み得る。キャリア12は、複数の別個のVCSELアレイ10を含み得る。更に、1つ又は複数の別個のVCSELアレイ10をそれぞれ含む2つ以上のキャリア12が設けられ得る。したがって、製造歩留まりの問題に直面し得るか、又はCTE(熱膨張係数)の不一致に起因してサイズが制限され得る大型のVCSELアレイ10を設ける代わりに、複数の別個のVCSELアレイ10が設けられ得る。
【0069】
ボックス20によって概略的に示されている、VCSELアレイ10の複数のVCSEL11によって放出された光に基づいて、中間面において均一強度分布を提供するように適合された均一化光学系構成が設けられ得る。隣接するVCSELアレイ10の均一化光学系構成20は、中間面において組み合わされた連続的な均一強度分布を提供するように適合され得る。このように、VCSELアレイ間に間隔62があるにもかかわらず、連続的な均一強度分布が提供され得る。中間面における均一強度分布に基づいて、パターン光学系構成30は、所望の構造化光パターンを生成するように適合され得る。
【0070】
任意選択で、図9の左側及び右側で使用される異なる構成によって示されているように、異なるVCSELアレイ10及びキャリア12であっても組み合わされ得る。
【0071】
個々のVCSELアレイ又はサブアレイのサイズは、必要な電力を生成するために必要なVCSELアレイのサイズ及び/又はドライバ回路の必要なユニットセルサイズによって規定され得る。VCSELアレイ又はサブアレイのスポット数は、アレイ内の個々のマイクロレンズの数及びその開口サイズを規定し得る。良好な効率を得るために、マイクロレンズアレイの開口率は、100%近くであり得る。例えば、間隙を有する円形の開口の代わりに、長方形の開口が使用され得る。
【0072】
図10A図10Hは、様々な均一化光学系構成20を含むいくつかの例示的な実施形態の概略図を示す。
【0073】
図10Aは、構造化光パターンを生成するように適合されたオプトエレクトロニクス装置の第1の実施形態を示す。均一化光学系構成20は、先の図を参照して既に説明したように、チャープマイクロレンズアレイによって設けられ得る。よりコンパクトな設計を可能にするために、ボトムエミッタ型のVCSELアレイ10を使用することも可能である。有利には、コンパクトな設計を可能にするために、VCSELアレイ10のキャリア構造体の反対側に均一化光学系構成20を直接適用することができる。
【0074】
図10Bは、VCSELのアレイ10の複数のVCSEL11によって放出された光に基づいて、中間面において均一強度分布を提供するように適合された均一化光学系構成20としてのロッドホモジナイザ23の一実施形態を示す。パターン光学系構成30は、大型のマイクロレンズアレイ31を含み得る別個の構造体として実装され得る。図10Cは、更なる改良形態を示し、均一化光学系構成20がパターン光学系構成30と共に一体化される。例えば、上面に複数のマイクロレンズ31を含むマイクロレンズアレイを有する正方形のロッドホモジナイザ23が設けられ得る。
【0075】
図10Dは、更なる実施形態を示し、均一化光学系構成は、フライアイコンデンサ24と、任意選択でレンズ25とを含む。図10Eに示すように、レンズ25は、パターン光学系構成30と共に一体化された要素を一緒に形成し得る。任意選択で、フライアイコンデンサ24がロッドホモジナイザ23と組み合わされ得る。
【0076】
図10Eは、本開示による装置の更なる実施形態を示し、均一化光学系構成20は、パターン光学系構成30が構造化光パターンを生成するように適合された中間面上において、VCSEL11、特にVCSELアレイ10全体のデフォーカス像を投影するように適合されたデフォーカスレンズ構成25を含む。図10Gに示すように、レンズ構成25は、任意選択でロッドホモジナイザ23と組み合わされ得るか、又はここでもまたマイクロレンズアレイの形態でパターン光学系構成30と単純に共に一体化され得る。
【0077】
図10Hは、更なる実施形態を示し、均一化光学系構成20は、VCSELアレイ10の複数のVCSEL11によって放出された光に基づいて、中間面において均一強度分布を提供するように適合された導光構造体及び/又は反射構造体27を含む。VCSELアレイのVCSELによって放出された光の周辺領域28における重なり合わない放射を、VCSELアレイから出る光の光軸に向かって向け直して戻すように適合されたミラー又は反射体27が設けられ得る。これにより、パターン光学系構成30による構造化光パターンのその後の形成のために、より均一な強度分布が中間面において提供され得る。VCSELアレイ10とパターン光学系構成30との間に導光構造体及び/又は反射構造体27が配置され、VCSELアレイとパターン光学系構成との間の距離は、少なくともd/tan(γ)、特に少なくとも2・d/tan(γ)、特に少なくとも3・d/tan(γ)であり得、ここで、dは、VCSELのピッチ(又は隣接するVCSELのアクティブエリアの中心間距離)であり、γは、VCSELの拡がり角である。
【0078】
図10Hに示す図と同様に、いくつかのVCSELの代わりに、VCSELのいくつかのグループ又はVCSELアレイ(のグループ)が設けられ得る。この場合、dは、隣接するVCSELアレイ又はVCSELアレイのグループ間のピッチ又は間隔を示し得る。間隔とは、隣接するVCSELアレイ、VCSELアレイのグループ又は別個のVCSELチップの1つの中心間距離を指し得る。VCSELの異なる側面に配置された反射構造体27間の間隔は、ピッチdの整数倍であり得る。導光構造体27は、チューブとして実装され得、チューブの直径は、隣接するVCSELアレイ間の間隔の整数倍又はVCSELアレイの隣接するグループ間の間隔の整数倍である。間隔とは、ここでもまた中心間距離を指し得る。チューブは、例えば、円形、長方形又は二次曲線の断面形状を有し得る。
【0079】
図11は、構造化光パターンを生成するように適合されたシステムの一実施形態を示す。システムは、上述したような装置を含み、VCSELアレイ10のVCSEL11を制御するように適合されたコントローラ70を更に含む。コントローラ70は、VCSELアレイ10の個々のVCSEL11又はVCSEL11のグループを制御するように適合され得る。更に、コントローラは、複数のVCSELアレイ10を制御するように適合され得る。
【0080】
図11に示すように、また図9を参照して説明したように、別個のVCSELアレイ10が異なる基板上に設けられ得る。図11に示す例では、パターン光学系構成は、ここでもまた、マイクロレンズアレイ31をイメージングレンズ32との組み合わせで含み得る。別個のVCSEL又はVCSELアレイを制御することにより、異なるスポットパターンなど、異なる構造化光パターンが提供され得る。マイクロレンズアレイ31は、異なるパターンを提供するように適合されたアドレス可能なスポットパターンを提供するために、マイクロレンズアレイの異なる領域33、34において異なるタイプのマイクロレンズを含み得ることも可能である。
【0081】
図12は、図11の実施形態の複数のVCSELアレイを作動させる光学的シミュレーションを示す。
【0082】
図13は、本開示の一態様による方法のフローチャートを示す。第1のステップS101では、垂直共振器型面発光レーザVCSELのアレイが提供される。第2のステップS102では、VCSELのアレイの複数のVCSELによって放出された光が中間面において均一化されて、前記中間面において均一強度分布を提供する。第3のステップS103では、前記中間面における均一強度分布に基づいて構造化光パターンが生成される。
【0083】
同様に、本開示の更なる態様による更なる方法は、図13と類似するフローチャートを用いて説明され得る。第1のステップでは、垂直共振器型面発光レーザVCSEL11の第1のアレイ10が提供され得る。第2のステップでは、垂直共振器型面発光レーザの第1のアレイに関連する第1の均一化光学系構成が提供され得る。第3のステップでは、垂直共振器型面発光レーザVCSEL11の第2のアレイ10が提供され得る。第4のステップでは、垂直共振器型面発光レーザの第2のアレイに関連する第2の均一化光学系構成20が提供され得る。異なるVCSELアレイにそれぞれ関連する均一化光学系構成は、それらの強度分布が中間面60において共通のトップハット型均一強度分布となるように構成され得る。第5のステップでは、中間面における共通の均一強度分布に基づいて構造化光パターン71が生成され得る。
【0084】
以下では、本出願を通して使用されるいくつかの用語を簡単に説明し、定義する。本明細書で使用される場合、VCSELという用語は、垂直共振器型面発光レーザを指す。VCSELは、トップエミッタ又はボトムエミッタであり得る。本開示は、特定のVCSELに限定され得ない。VCSELアレイは、第1のVCSELアレイであり得る。均一化光学系構成は、第1の均一化光学系構成であり得る。パターン光学系構成は、第1のパターン光学系構成であり得る。中間面は、VCSELアレイのVCSELを含む平面に平行であり得る。均一化光学系構成は、前記中間面の少なくとも一部分が、VCSELのアレイの複数のVCSELによって放出された光を供給されるように適合され得る。中間面における均一強度分布は、前記中間面において均一強度分布を有する一部分又は限定されたエリアを指し得る。例えば、中間面のエリアの少なくとも30%、特に少なくとも40%、特に少なくとも60%、特に少なくとも80%の一部分は、VCSELのアレイの複数のVCSELによって放出された光を受ける。VCSELのアレイの複数のVCSELによって放出された光を受けるエリアとは、前記中間面におけるピーク強度の少なくとも10%を受けるエリアを指し得る。
【0085】
本発明を図面及び上述の説明において詳細に図示及び説明してきたが、このような図示及び説明は、例証的又は例示的なものであり、限定的なものではないと見なされるべきものであり、本発明は、開示された実施形態に限定されるものではない。開示された実施形態に対する他の変形形態は、図面、本開示及び添付の特許請求の範囲を検討することにより、特許請求される本発明を実施する際に当業者によって理解され、実施され得る。
【0086】
特許請求の範囲において、「含む」という語は、他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数のものを排除するものではない。単一の要素又は他のユニットは、特許請求の範囲に記載されたいくつかの項目の機能を果たすことがある。ある手段が、相互に異なる従属請求項に記載されているという事実のみでは、これらの手段の組み合わせを有利に使用できないことを示すものではない。
【0087】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと共に又はその一部として供給される光記憶媒体又はソリッドステート媒体などの適切な非一時的媒体に格納/配布され得るが、インターネット又は他の有線若しくは無線の電気通信システムを介してなど、他の形態で配布され得る。
【0088】
特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0089】
1 オプトエレクトロニクス装置
10 VCSELアレイ
11 垂直共振器型面発光レーザVCSEL
12 キャリア
20 均一化光学系構成
21 第1のマイクロレンズアレイ
23 ロッドホモジナイザ
24 フライアイコンデンサ
25 レンズ
27 構造体
28 周辺領域
30 パターン光学系構成
31 第2のマイクロレンズアレイ
32 イメージングレンズ
33、34 領域
50 平面
51 強度分布
52 エリア
53 グループ
60 中間面
61 共通の均一強度分布
62 距離
63 均一強度分布
64 フィールド
70 平面、コントローラ
71、73 構造化光パターン
74 フィールド
図1-2】
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図10G
図10H
図11
図12
図13