(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-19
(54)【発明の名称】浮遊コネクタ及びそのアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01R 12/91 20110101AFI20230511BHJP
H01R 24/50 20110101ALI20230511BHJP
【FI】
H01R12/91
H01R24/50
(21)【出願番号】P 2022068023
(22)【出願日】2022-04-18
【審査請求日】2022-04-18
(31)【優先権主張番号】202110417476.5
(32)【優先日】2021-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】チェン フェン
【審査官】関 信之
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-125841(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/91
H01R 24/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浮遊コネクタであって、
上部嵌合要素及び下部嵌合要素を備える中央導電ピンと、
該中央導電ピンを内部に取り囲む絶縁シートと、
該絶縁シートの外周を取り囲み、前記絶縁シートの下に位置決めされた受容キャビティを形成する嵌合側導電シェルと、
上端が前記受容キャビティ内に移動可能に受容され、前記受容キャビティから下向きに延在する可動導電シェルと、
該可動導電シェルの上端に弾性的に当接する弾性要素と、
前記受容キャビティ内に装着され、前記嵌合側導電シェルと前記可動導電シェルとを電気的に接続するために使用される内側導電シェルであって、該内側導電シェルが、前記弾性要素と前記中央導電ピンとの間に挿入されている、内側導電シェルと、を備え、
該内側導電シェルが、
前記嵌合側導電シェル及び前記可動導電シェルの一方にスナップ留めされる固定部分と、
前記嵌合側導電シェル及び前記可動導電シェルの他方に対して摺動可能に弾性的に当接する可動接触部分と、を有する、浮遊コネクタ。
【請求項2】
前記嵌合側導電シェルが、外壁と、該外壁の内側に位置決めされた仕切壁とを備え、該仕切壁が、前記外壁から離間しており、かつ下向きに延在し、
前記弾性要素の上端が、前記外壁と前記仕切壁との間に受容される、請求項1に記載の浮遊コネクタ。
【請求項3】
前記固定部分が、前記内側導電シェルの円周方向に沿って配置された複数の固定タブを備え、該固定タブが、前記嵌合側導電シェルの前記仕切壁にスナップ留めされ、
前記可動接触部分が、前記内側導電シェルの前記円周方向に沿って配置された複数の弾性アームを備え、各弾性アームが、前記可動導電シェルに対して摺動可能に弾性的に当接する、請求項2に記載の浮遊コネクタ。
【請求項4】
前記内側導電シェルが、前記仕切壁の内面に固定され、前記固定タブが、外向きに突出し、前記仕切壁にスナップ留めされ、
前記弾性要素の上端が、下から前記嵌合側導電シェル上に対している、請求項3に記載の浮遊コネクタ。
【請求項5】
前記内側導電シェルが、前記仕切壁と前記外壁との間に固定され、前記固定タブが、内側に突出し、前記仕切壁の外面上にスナップ留めされる、請求項3に記載の浮遊コネクタ。
【請求項6】
前記内側導電シェルの頂部分から外向きに突出する突出エッジと、
前記弾性要素の上端は、下から前記突出エッジ上に対している、請求項5に記載の浮遊コネクタ。
【請求項7】
前記嵌合側導電シェルが、前記絶縁シートの外周に被覆する第1の金属シェルと、該第1の金属シェルの下端に固定された第2の金属シェルと、を備え、
前記受容キャビティが、前記第2の金属シェルと前記中央導電ピンとの間に形成されている、請求項
1に記載の浮遊コネクタ。
【請求項8】
前記中央導電ピンが、ばね及び導電被覆部材を更に備え、
前記ばねの2つの端は、上部嵌合要素及び下部嵌合要素上でそれぞれ弾性的に対しており、前記下部嵌合要素は、前記上部嵌合要素に対して上下方向に弾性移動することができ、
前記導電被覆部材が、被覆部分及び弾性接触部分を備え、前記被覆部分が、前記上部嵌合要素の外面に固定され、前記弾性接触部分が、前記下部嵌合要素の外面に対して摺動可能に弾性的に当接する、請求項
1に記載の浮遊コネクタ。
【請求項9】
回路基板と、該回路基板上に固定されたコネクタベースと、該コネクタベース上に装着された請求項
1に記載の浮遊コネクタと、を備え、
前記コネクタベースが、金属ポストと、該金属ポストを取り囲む絶縁体と、該絶縁体の外面に固定された外側金属シェルと、を備え、
前記金属ポストが、前記中央導電ピンの前記下部嵌合要素と嵌合し、前記外側金属シェルが、前記可動導電シェルの下端と嵌合する、浮遊コネクタアセンブリ。
【請求項10】
回路基板と、該回路基板上に装着された請求項
1に記載の浮遊コネクタと、を備え、
前記回路基板には、中央接触点と、該中央接触点から離間し、かつ該中央接触点を外側から取り囲む外側接触点とが設けられており、
前記中央導電ピンの前記下部嵌合要素が、前記中央接触点と電気的に接続し、
前記可動導電シェルの下端が、前記外側接触点と電気的に接続する、浮遊コネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気コネクタの分野に関し、特に、振動状況において良好な電気接続を維持することができる浮遊コネクタ及びそのアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
中国実用新案第210723410号明細書は、耐多方向偏差の基板対基板同軸コネクタを開示し、これは、外側弾性導電アセンブリであって、外側弾性導電アセンブリの下部分が、固定端PCBの第1の導体と固定的に電気的に接続され、外側弾性導電アセンブリの上部分が、垂直方向に伸縮式に浮遊し、及び/又は垂直方向に斜めに浮遊することができる金属外側シェルを有する、外側弾性導電アセンブリと、外側弾性導電アセンブリに同軸に装着された中央弾性導電アセンブリであって、中央弾性導電アセンブリの下部分が、固定端PCBの第2の導体と固定的に電気的に接続され、中央弾性導電アセンブリの上部分が、垂直方向に伸縮式に浮遊することができる中心導体を有する、中央弾性導電アセンブリと、中央弾性導電アセンブリと外側弾性導電アセンブリとの間に設けられ、中央弾性導電アセンブリ及び外側弾性導電アセンブリを互いに絶縁する絶縁体と、金属外側シェルの上部分及び中心導体の上部分が、多方向偏差に耐える弾性浮遊において、浮遊端PCBの2つの接触点にそれぞれ当接し、電気的に接続されている。
【0003】
耐多方向偏差コネクタのそのような設計は、浮遊端PCB及び固定端PCBを装着するプロセスで発生する位置ずれ及び信頼できない接続の問題を低減することができ、装着効率を促進することができる。しかしながら、この解決策では、一方では、中央弾性導電アセンブリと外側弾性導電アセンブリの弾性要素との間に設けられた絶縁体が信号のシールドとして機能しないため、中央弾性導電アセンブリによって送信される高周波信号は、外側弾性導電アセンブリの弾性要素に作用し、これは、ノイズ干渉を形成するためにエコーを容易に生成し、他方では、コネクタの構造強度を維持する必要があるため、金属ベースの厚さを薄くすることができず、材料もより良好な弾性を有さないがより良好な剛性を有するように事前に選択され、金属ベースの第1の吊り下げステップと金属外側シェルとの間に維持される接触の弾性が乏しくなることが多く、これは、即時破裂の問題を容易に生成するため、さらなる改善を行うことが必要である。
【発明の概要】
【0004】
本開示によって解決される技術的問題は、上記先行技術に存在する欠損を克服し、良好な電気接続を維持し、振動状況での電気信号の伝達品質を促進することができる浮遊コネクタ及びそのアセンブリを提供することである。
【0005】
本開示の一態様によれば、本開示は、上部嵌合要素及び下部嵌合要素を備える中央導電ピンと、中央導電ピンを内部に取り囲む絶縁シートと、絶縁シートの外周を取り囲み、絶縁シートの下に位置決めされた受容キャビティを形成する嵌合側導電シェルと、上端が受容キャビティ内に移動可能に受容され、受容キャビティから下向きに延在する可動導電シェルと、可動導電シェルの上端に弾性的に当接する弾性要素と、受容キャビティ内に装着され、嵌合側導電シェルと可動導電シェルとを電気的に接続するために使用される内側導電シェルであって、内側導電シェルが、弾性要素と中央導電ピンとの間に挿入されている、内側導電シェルと、を備え、内側導電シェルが、嵌合側導電シェル及び可動導電シェルの一方にスナップ留めされる固定部分と、嵌合側導電シェル及び可動導電シェルの他方に対して摺動可能に弾性的に当接する可動接触部分と、を有する、浮遊コネクタを提供する。
【0006】
本開示の別の態様によれば、本開示は、回路基板と、回路基板上に固定されたコネクタベースと、コネクタベースに装着された前述の浮遊コネクタと、を備える浮遊コネクタアセンブリを提供する。コネクタベースが、金属ポストと、金属ポストを取り囲む絶縁体と、絶縁体の外面に固定された外側金属シェルと、を備える。金属ポストが、中央導電ピンの下部嵌合要素と嵌合し、外側金属シェルが、可動導電シェルの下端と嵌合する。
【0007】
本開示の更に別の態様によれば、本開示は、回路基板と、回路基板上に装着された前述の浮遊コネクタと、を備える浮遊コネクタアセンブリを提供する。回路基板には、中央接触点と、中央接触点から離間し、かつ中央接触点を外側から取り囲む外側接触点とが設けられており、中央導電ピンの下部嵌合要素が、中央接触点と電気的に接続し、可動導電シェルの下端が、外側接触点と電気的に接続する。
【0008】
先行技術と比較して、本開示は、少なくとも、以下の利点を有する。すなわち、本開示の浮遊コネクタにおいて、内側導電シェルは、固定部分及び可動接触部分を介して嵌合側導電シェル及び可動導電シェルとの接続を常に維持し、嵌合側導電シェルと可動導電シェルとの間の電気接続が維持され、外部電気接続経路の安定性が維持される。内側導電シェルは、嵌合側導電シェル及び可動導電シェルとは独立した独立構成要素であるため、内側導電シェルが材料を選択し、プロセスを製造することがより柔軟になり、内側導電シェルはより良好な弾性を有し得、即時破裂の問題を容易に生成しない。内側導電シェルの提供に基づいて、嵌合側導電シェル及び可動導電シェルは、クリアランスフィット設計を使用してもよく、嵌合側導電シェル及び可動導電シェルは、上下方向に相対的な摺動をすることができるだけでなく、水平方向に相対的な浮遊を生成することができ、これは、振動レベルがより高い分野にも適用可能にすることができる。同時に、内側導電シェルは、弾性要素と中央導電ピンとの間に挿入されて、弾性要素を中央導電ピンから仕切り、内側導電シェルはシールドとして機能することができ、中央導電ピンの高速電気信号によって放出された電磁放射が弾性要素に作用して不適切な反射ノイズを生成することを防止することができ、電気信号の伝送品質が促進される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】特定の使用において本開示の第1の実施形態の浮遊コネクタアセンブリの概略図である。
【
図5】2つの異なる角度からの
図4のコネクタベースの斜視分解図である。
【
図6】2つの異なる角度からの
図4のコネクタベースの斜視分解図である。
【
図7】Bで示される
図3の一部の部分拡大図である。
【
図8】2つの異なる角度からの
図4の浮遊コネクタの斜視分解図である。
【
図9】2つの異なる角度からの
図4の浮遊コネクタの斜視分解図である。
【
図10】自然状態の
図3の浮遊コネクタの断面拡大図である。
【
図11】圧縮状態にある浮遊コネクタを有する、本開示の第2の実施形態の浮遊コネクタアセンブリの断面図である。
【
図12】第1の実施形態との主な違いが内側導電シェル内にある2つの異なる角度からの
図11の浮遊コネクタの斜視分解図である。
【
図13】第1の実施形態との主な違いが内側導電シェル内にある2つの異なる角度からの
図11の浮遊コネクタの斜視分解図である。
【
図15】本開示の第3の実施形態の浮遊コネクタアセンブリの断面図である。
【
図16】2つの異なる角度からの
図15の浮遊コネクタの斜視分解図である。
【
図17】2つの異なる角度からの
図15の浮遊コネクタの斜視分解図である。
【
図19】回路基板上に直接装着された本開示の第1の実施形態の浮遊コネクタの断面図である。
【符号の説明】
【0010】
参照符号は、以下のように表される。
100 浮遊コネクタアセンブリ
1 浮遊コネクタ
11 中央導電ピン
111 上部嵌合要素
112 下部嵌合要素
113 ばね
114 導電被覆部材
1141 被覆部分
1142 弾性接触部分
1144 接触アーム
12 絶縁シート
121 嵌合キャビティ
122 制限溝
13 嵌合側導電シェル
131 第1の金属シェル
1311 制限突起
132 第2の金属シェル
1321 外壁
1322 仕切壁
1323 頂壁
1324 上方延在壁
1325 制限フランジ
1326 受容キャビティ
1327 仕切キャビティ
14 可動導電シェル
141 ボス
15 弾性要素
16 内側導電シェル
160 本体
1601 第1の開口部
1602 第2の開口部
161 固定部分
1611 固定タブ
162 可動接触部分
1621 弾性アーム
163 突出エッジ
17 封止要素
2 コネクタベース
21 金属ポスト
211 半田部分
212 嵌合部分
22 絶縁体
221 ボディ部分
222 包囲部分
23 外側金属シェル
231 バレル体
232 半田シート
3 回路基板
31 中央接触点
32 外側接触点
400 装着シェル
41 装着キャビティ
42 嵌合キャビティ
600 浮遊コネクタアセンブリ
6 浮遊コネクタ
61 中央導電ピン
62 絶縁シート
623 位置決めポスト
63 嵌合側導電シェル
631 第1の金属シェル
632 第2の金属シェル
6321 外壁
6322 仕切壁
64 可動導電シェル
65 弾性要素
66 内側導電シェル
660 本体
661 固定部分
6611 固定タブ
662 可動接触部分
6621 弾性アーム
6622 細長いノッチ
663 突出エッジ
67 封止要素
700 浮遊コネクタアセンブリ
7 浮遊コネクタ
71 中央導電ピン
72 絶縁シート
73 嵌合側導電シェル
731 第1の金属シェル
732 第2の金属シェル
7322 仕切壁
7323 頂壁
7328 スナップ溝
7329 停止突起
74 可動導電シェル
75 弾性要素
76 内側導電シェル
760 本体
761 固定部分
7611 固定タブ
762 可動接触部分
7621 弾性アーム
800 浮遊コネクタアセンブリ
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、本開示の原理の例証とみなされるべきであり、本開示を例示されるように限定することを意図しないという理解のもとで、本開示は、異なる形態の実施形態が可能であり得るが、本明細書で図に示され、詳細に説明されるものは、特定の実施形態にすぎない。
【0012】
したがって、特徴の参照は、本開示の一実施形態の特徴を説明することを意図しており、すべての実施形態が、説明される特徴を有しなければならないことを暗示するものではない。更に、説明がいくつかの特徴を例示することに留意されたい。特定の特徴は、潜在的なシステム設計を例示するためにともに組み合わせられ得るが、それらの特徴は、明示的に説明されていない他の組み合わせでも使用され得る。したがって、説明される組み合わせは、別途注記のない限り、限定することを意図しない。
【0013】
図に例示される実施形態では、本開示の様々な構成要素の構造及び移動を説明するために使用される上、下、左、右、前、及び後などの方向の表現は、絶対的なものではなく、相対的なものである。これらの表現は、構成要素が図に示される位置にあるときに適切なものである。しかしながら、構成要素の位置の説明が変化した場合は、これらの表現がそれに応じて変化する。
【0014】
以下、本開示の図面と組み合わせて、本開示の好ましい実施形態を更に詳細に説明する。
【0015】
図1~
図10は、本開示の第1の実施形態の浮遊コネクタアセンブリ100の構造を概略的に示す。
【0016】
まず、
図1~
図3を参照すると、浮遊コネクタアセンブリ100は、特定の使用において装着シェル400に装着され得る。装着シェル400には、装着キャビティ41及び装着キャビティ41の上方に位置決めされた嵌合キャビティ42が設けられている。装着キャビティ41は、使用要件に従って電気要素(図示せず)を受容してもよく、例えば、電気要素は、カメラである。嵌合キャビティ42は、ケーブルコネクタ(図示せず)が内部に挿入されることを可能にしてもよい。浮遊コネクタアセンブリ100は、装着シェル400内に受容され、電気要素とケーブルコネクタとの間の信号伝送を実現するために、それぞれ電気要素及びケーブルコネクタに接続されている。
【0017】
説明の便宜上、本明細書では、装着シェル400の嵌合キャビティ42が提示される側が「上」として定義され、装着キャビティ41が提示される側が「下」として定義される。
【0018】
図3及び
図4と組み合わせて、本実施形態の浮遊コネクタアセンブリ100は、回路基板3と、回路基板3上に固定されたコネクタベース2と、コネクタベース2の上に装着された浮遊コネクタ1と、を含む。浮遊コネクタアセンブリ100は、装着シェル400の装着キャビティ41が提示される側から装着シェル400に装着されてもよく、浮遊コネクタ1の上部分は嵌合キャビティ42内に入り、浮遊コネクタ1の下部分、コネクタベース2及び回路基板3は装着キャビティ41内に受容され、回路基板3の下側は、電気要素がその上に装着されることを可能にするために使用される。
【0019】
好ましくは、装着シェル400において、装着キャビティ41と嵌合キャビティ42との間にステップ型構造が形成され、浮遊コネクタ1には、外側に突出する制限フランジ1325が設けられ、制限フランジ1325及び装着シェル400は、位置を制限する役割を果たす。
【0020】
コネクタベース2は、浮遊コネクタ1と回路基板3との間の電気接続を実現するために、半田付けなどによって回路基板3上に固定されてもよい。
【0021】
図5~
図7を参照すると、コネクタベース2は、金属ポスト21と、金属ポスト21を取り囲む絶縁体22と、絶縁体22の外面に固定された外側金属シェル23と、を含む。
【0022】
絶縁体22は、金属ポスト21及び外側金属シェル23を固定し、絶縁する。本実施形態では、絶縁体22は、ボディ部分221と、ボディ部分221の下端の外側に位置決めされ、それを包囲する包囲部分222とを実質的に含む。
【0023】
金属ポスト21は、固体金属導体であり、絶縁体22の中心に位置決めされ、金属ポスト21及び絶縁体22は、一体として射出成形によって互いに係合していることが好ましい。本実施形態では、金属ポスト21は、半田付け部分211と、半田付け部分211の上に位置決めされた嵌合部分212とを有し、半田付け部分211は、円筒形状であり、嵌合部分212の周囲は、半田付け部分211を超える。嵌合部分212は、ボディ部分221の上面に露出している。半田付け部分211は、上下方向に沿ってボディ部分221を通過し、ボディ部分221の底面に露出している。
【0024】
外側金属シェル23は、実質的に円形のバレル形状であるバレル体231と、バレル体231の下端から外向きに曲がり、延在し、平坦なシート形状である2つの半田付けシート232と、を含む。バレル体231は、ボディ部分221の外周を被覆し、包囲部分222によって包含され、外側金属シェル23及び絶縁体22は、互いにより堅固に係合し得るようにする。
【0025】
金属ポスト21の半田付け部分211と外側金属シェル23の半田付けシート232はそれぞれ、回路基板3上に対応する接触点(図示せず)で半田付けされるため、コネクタベース2は回路基板3上に固定される。
【0026】
他の実施形態では、コネクタベース2はまた、これらの図に示されるような構造に限定されない。コネクタベース2の機能は、浮遊コネクタ1及び回路基板3を一緒に確実に電気的に接続することであり、対応する機能を実現することができる他のコネクタベース2も使用され得ることが理解されよう。
【0027】
図8~
図10を参照すると、好ましい本実施形態の浮遊コネクタ1は、主に、中央導電ピン11と、中央導電ピン11を取り囲む絶縁シート12と、絶縁シート12の外周を更に取り囲む嵌合側導電シェル13と、嵌合側導電シェル13に移動可能に受容された可動導電シェル14と、嵌合側導電シェル13と可動導電シェル14との間に装着された弾性要素15と、弾性要素15と中央導電ピン11との間に挿入された内側導電シェル16とを含む。ここで、中央導電ピン11は、1つの安定した内部電気接続経路を確立するために使用され、嵌合側導電シェル13、可動導電シェル14、及び内側導電シェル16は、1つの安定した外部電気接続経路を確立するために協働的に使用される。2つの電気接続経路により、電気信号の安定した伝送が実現される。
【0028】
主に
図10を参照すると、好ましい本実施形態の中央導電ピン11は、ポゴピンの構造形態を用いており、上部嵌合要素111、下部嵌合要素112、ばね113、及び導電被覆部材114を含む。
【0029】
上部嵌合要素111の下端には、第1の受容キャビティが設けられ、下部嵌合要素112の上端には、第2の受容キャビティが設けられ、下部嵌合要素112は、第1の受容キャビティ内に受容される。
【0030】
ばね113は、上部嵌合要素111及び下部嵌合要素112が比較的弾性的に移動することができるように、上部嵌合要素111と下部嵌合要素112との間に当接する。具体的には、ばね113の上端は、第1の受容キャビティ内に受容され、ばね113の下端は、第2の受容キャビティ内に受容される。
【0031】
図8及び
図10と組み合わせて、導電被覆部材114は、被覆部分1141と、被覆部分1141の下端から延在する弾性接触部分1142と、を含む。被覆部分1141は、バレル形状であり、上部嵌合要素111の下部分の外周を被覆する。弾性接触部分1142は、被覆部分1141の下端から延在し、弾性接触部分1142の円周方向に沿って配置された複数の接触アーム1144を含み、2つの隣接する接触アーム1144は、互いに離間している。複数の接触アーム1144の下端は、導電被覆部材114の中心に向かって集まり、下部嵌合要素112の外面に対して摺動可能に弾性的に当接する。
【0032】
上部嵌合要素111及び下部嵌合要素112が上下方向に比較的移動するときに、接触アーム1144は、下部嵌合要素112に沿って摺動し、常に下部嵌合要素112に当接するように維持され、また、上部嵌合要素111及び下部嵌合要素112が、接触アーム1144の弾性変形によって半径方向のオフセットを有するときに、弾性接触部分1142は、依然として、下部嵌合要素112との良好な電気的接触を維持することができる。したがって、中央導電ピン11は常に良好な電気接続を維持し、信号伝送の信頼性を促進することができ、これは、振動レベルがより高い用途分野に特に適用可能である。
【0033】
図に示されていない一実施形態では、導電被覆部材114の被覆部分1141はまた、下部嵌合要素112を被覆してもよく、弾性接触部分1142は、これに対応して、上部嵌合要素111の外面に対して弾性的に当接する。
【0034】
図9及び
図10を参照すると、絶縁シート12及び上部嵌合要素111は、注入成形によって一体として互いに係合されることが好ましく、ここでは、上部嵌合要素111の下部分は、絶縁シート12を下向きに超える。絶縁シート12の頂部分には、嵌合キャビティ121が設けられ、上部嵌合要素111の上端は、ケーブルコネクタ(図示せず)と嵌合するために使用されるように、嵌合キャビティ121内に突出する。本実施形態では、絶縁シート12の下端は、絶縁シート12の周方向に沿って制限溝122で凹んでいる。
【0035】
図8~
図10を参照すると、好ましい本実施形態の嵌合側導電シェル13は、第1の金属シェル131と、第1の金属シェル131の下端に固定された第2の金属シェル132とを含む。嵌合側導電シェル13は、より安価であり、同時により良好な剛性及び導電率を有する材料(真鍮など)で作製されてもよく、嵌合側導電シェル13は、好ましくは、ダイキャスト又はCNC(コンピュータ化数値制御)処理によって製造されてもよく、上記のプロセスによって製造された嵌合側導電シェル13は、接合シームを有さず、嵌合側導電シェル13が、より良好な水密性を有し得るようにする。
【0036】
第1の金属シェル131は、絶縁シート12の外周を被覆し、第1の金属シェル131は、絶縁シート12の長さに実質的に等しく、絶縁シート12は、内部に絶縁シート12を完全に取り囲む。
図9に示すように、第1の金属シェル131の下部分には、内側に突出する複数の制限突起1311が設けられ、制限突起1311は、第1の金属シェル131及び絶縁シート12を固定するように、絶縁シート12の制限溝122に対応して入ってもよい。
【0037】
図10に示すように、第2の金属シェル132は、第1の金属シェル131の下端を被覆し、第2の金属シェル132は、中央導電ピン11を外側から取り囲む。受容キャビティ1326は、第2の金属シェル132と中央導電ピン11との間に形成され、受容キャビティ1326は、絶縁シート12の下に位置決めされる。好ましくは、封止要素17が、第2の金属シェル132と中央導電ピン11との間に更に設けられ、封止要素17は、絶縁シート12の下端面に取り付けられ、対応する構成要素間のギャップが、外部の水が透過するのを防ぐために十分に封止され得るようにする。
【0038】
第2の金属シェル132は、外壁1321と、外壁1321の内側に位置決めされ、外壁1321から離間し、下向きに延在する仕切壁1322と、外壁1321の頂部分と仕切壁1322の頂部分とを接続する頂壁1323と、頂壁1323から上向きに延在する上方延在壁1324と、を有する。
【0039】
外壁1321は、受容キャビティ1326を形成するように取り囲み、好ましくは、外壁1321の底端は、ネッキングによって収縮口で設計されている。仕切壁1322は、外壁1321の長さよりも小さい下向きに延在する長さを有し、仕切壁1322及び頂壁1323、外壁1321は、仕切キャビティ1327を形成する。上方延在壁1324は、第1の金属シェル131の外周を被覆し、制限ステップは、上方延在壁1324と頂壁1323との間に更に形成され、第1の金属シェル131を上下方向に位置に制限し得る。
【0040】
図8を参照すると、第2の金属シェル132は、第2の金属シェル132の円周方向に沿って外壁1321から外向きに突出する制限フランジ1325を更に有する。
図3と組み合わせて、制限フランジ1325は、装着シェル400と一緒に位置を制限するために使用され得る。
【0041】
第2の金属シェル132及び第1の金属シェル131は、例えば、干渉フィット又は構造制限などによって構造協働形態で固定され得、更に、例えばレーザー溶接、接着など、他の補助方式によって更に固定され得る。
【0042】
好ましい本実施形態は、嵌合側導電シェル13を第1の金属シェル131及び第2の金属シェル132に分離し、嵌合側導電シェル13及び絶縁シート12は、一緒により便利に組み立てられてもよい。しかし、図には示されていない他のいくつかの可能な実施形態では、嵌合側導電シェル13が単一構造として設計されていると考えられてもよい。
【0043】
図8及び
図10を参照すると、可動導電シェル14は、実質的にバレル形状構造であり、外部から中央導電ピン11の下部分を取り囲む。可動導電シェル14の上端は、第2の金属シェル132の受容キャビティ1326内に受容され、上下方向に第2の金属シェル132に対して移動することができる。本実施形態では、可動導電シェル14の上端は、より大きな外径を有するが、可動導電シェル14の下端は、相対的により小さい外径を有し、可動導電シェル14の上端は、ボス141を形成するようにする。移動のためのギャップは、ボス141と第2の金属シェル132の外壁1321との間に提示され、可動導電シェル14及び第2の金属シェル132が相対的に移動することを可能にするようにし、同時に、ボス141は、外壁1321の底端での収縮口によって停止され、ボス141が第2の金属シェル132から分離しないようにし、可動導電シェル14の下端は、浮遊コネクタ1の外壁1321の収縮口から下向きに延在する。
【0044】
実用的な要件によれば、可動導電シェル14は、比較的大きな厚さを有することができ、したがって、特定の強度を有し、高電流の伝送を容易にする。
【0045】
図8及び
図10を参照すると、弾性要素15は、弾性的に延在し得るばね又は同様の構造部材であり得る。弾性要素15は、嵌合側導電シェル13と可動導電シェル14との間に装着され、弾性要素15の弾性変形によって、嵌合側導電シェル13と可動導電シェル14との間の相対的な移動量を吸収することができ、嵌合側導電シェル13と可動導電シェル14との間に、弾性を有する可動接続を維持するようにする。
【0046】
具体的には、本実施形態では、
図10に示すように、弾性要素15の上端は、外壁1321及び仕切壁1322によって画定される仕切キャビティ1327内に受容され、弾性要素15の下端は、可動導電シェル14の上端に弾性的に当接する。外壁1321及び仕切壁1322は、弾性要素15を誘導し、弾性要素15の安定性を促進するように機能し得る。
【0047】
図8及び
図9を参照すると、内側導電シェル16は、より良好な弾性を有する金属材料(ニッケル銅など)を使用してもよく、曲げ、スタンピングなどのプロセスによって形成されてもよく、内側導電シェル16がより良好な弾性を有するようにする。内側導電シェル16は、バレル形状構造である本体160を含み、本体160には、固定部分161及び固定部分161の下に位置決めされた可動接触部分162が設けられ、突出エッジ163は、本体160の頂部分から更に曲がり、外向きに突出し、突出エッジ163は、互いに離間し、かつそれぞれ本体160のエッジに沿って延在する2つの部分に分割される。
【0048】
本実施形態では、本体160の上半分には、本体160の円周方向に沿って複数の第1の開口部1601が配置され、本体160の下半分には、本体160の周方向に沿って複数の第2の開口部1602が設けられている。
【0049】
固定部分161は、複数の固定タブ1611を含み、複数の固定タブ1611は、複数の第1の開口部1601の上エッジから内側に突出する。
【0050】
可動接触部分162は、複数の弾性アーム1621を含み、複数の弾性アーム1621は、それぞれ複数の第2の開口部1602から外向きに突出する。各弾性アーム1621の先端は自由端であり、各弾性アーム1621は本体160に対して弾性を有するようにする。
【0051】
図10と組み合わせて、内側導電シェル16は、第2の金属シェル132の受容キャビティ1326内に装着され、固定部分161は、第2の金属シェル132にスナップ留めされ、可動接触部分162は、可動導電シェル14に弾性的に当接し、嵌合側導電シェル13と可動導電シェル14との間の電気接続経路を確立するようにする。
【0052】
具体的には、本実施形態では、内側導電シェル16は、第2の金属シェル132の仕切壁1322と外壁1321との間に固定されている。本体160は、仕切壁1322の外面に実質的に取り付けられ、複数の固定タブ1611は、仕切壁1322の外面とスナップ留めされ、図示されないいくつかの実施形態では、仕切壁1322には、複数の固定タブ1611とより堅固にスナップ留めするように、スナップ溝が設けられ得る。突出エッジ163の上面は、頂壁1323の下面に当接し、したがって、突出エッジ163の下面は弾性要素15の上端に弾性的に当接し、したがって、内側導電シェル16を弾性要素15の弾性的な押し込みに供され得、内側導電シェル16が第2の金属シェル132から下向きに分離することを回避するようにし、これは、内側導電シェル16の位置を維持するのに有益である。本体160の下端は、仕切壁1322を下向きに超え、可動接触部分162の各弾性アーム1621は、可動導電シェル14の内壁に弾性的に当接する。
【0053】
内側導電シェル16は、嵌合側導電シェル13と可動導電シェル14との間の中間媒体として作用し、浮遊コネクタ1が振動環境にあるときに、嵌合側導電シェル13及び可動導電シェル14が相対的に移動し、内側導電シェル16の固定部分161が、嵌合側導電シェル13との接続を維持するように使用され、可動接触部分162が、可動導電シェル14に対して常に弾性的に当接することができ、したがって、内側導電シェル16によって、嵌合側導電シェル13と可動導電シェル14との間の電気接続経路を維持することができるようにする。
【0054】
図に示されていないいくつかの他の実施形態において、固定部分161は、可動導電シェル14にスナップ留めされるが、可動接触部分162は、嵌合側導電シェル13に弾性的に当接することもあり得る。同様に、内側導電シェル16の弾性変形によって、嵌合側導電シェル13と可動導電シェル14との間の電気接続を維持することができる。
【0055】
好ましくは、内側導電シェル16は、嵌合側導電シェル13及び可動導電シェル14と比較してより容易に弾性変形するように構成されており、可動接触部分162の弾性変形によって、嵌合側導電シェル13と可動導電シェル14との間の電気接続の安定性が更に促進される。具体的には、内側導電シェル16は、弾性変形の生成を容易にするように、より薄く、弾性を有する金属シートによって製造されてもよいし、少なくとも可動接触部分162が、より薄い厚さを有するように作製されるか、又は曲げなどの構造設計、開口部を提供するなどにより、可動接触部分162が、容易に弾性変形するように作製される。
【0056】
他方では、内側導電シェル16は、弾性要素15と中央導電ピン11との間に挿入され、金属材料を使用する内側導電シェル16は、シールドとして機能してもよく、これは、中央導電ピン11の高速電気信号によって放出された電磁放射が弾性要素15に作用して不適切な反射ノイズを生成することを防止することができ、電気信号の伝送品質が促進される。
【0057】
浮遊コネクタ1の組み立てシーケンスは、実質的に、射出成形によって中央導電ピン11上に絶縁シート12を形成することと、第1の金属シェル131が絶縁シート12の外周を被覆するようにすることと、封止要素17を絶縁シート12の下に設けることと、内側導電シェル16、弾性要素15、及び可動導電シェル14を第2の金属シェル132の受容キャビティ1326内に順次装着することと、第2の金属シェル132の底端は、ネッキングされることと、最終的に、第2の金属シェル132を第1の金属シェル131の下端に固定することである。
【0058】
再び
図3及び
図7と組み合わせて、浮遊コネクタ1が使用されるとき、浮遊コネクタ1及び回路基板3に装着されたコネクタベース2は一緒に接続されて、浮遊コネクタアセンブリ100を構成する。ここで、浮遊コネクタ1の可動導電シェル14の下端とコネクタベース2の外側金属シェル23の上端とは、電気接続を形成する。浮遊コネクタ1の中央導電ピン11の下端とコネクタベース2の金属ポスト21の上端とは、互いに弾性的に当接し、電気接続を形成する。最後に、浮遊コネクタアセンブリ100は、装着シェル400に装着され、装着シェル400は、浮遊コネクタアセンブリ100と一緒に、必要に応じて製品上に装着される。
【0059】
図11~
図14は、本開示の第2の実施形態の浮遊コネクタアセンブリ600の構造を概略的に示す。
【0060】
同様に、浮遊コネクタアセンブリ600は、回路基板3と、回路基板3上に装着されたコネクタベース2と、コネクタベース2に装着された浮遊コネクタ6と、を含む。
【0061】
図12及び
図13を参照すると、第2の実施形態の浮遊コネクタ6の構造は、第1の実施形態の浮遊コネクタ1の構造と実質的に同じであり、同様に、浮遊コネクタ6は、中央導電ピン61、絶縁シート62、嵌合側導電シェル63、可動導電シェル64、弾性要素65、内側導電シェル66、及び封止要素67を含む。主に違いは、第2の実施形態の内側導電シェル66の特定の構造が異なることにある。
【0062】
図14を参照すると、第2の実施形態では、内側導電シェル66は、実質的にバレル形状である本体660と、本体660上に設けられた固定部分661と、本体660の下端から下向きに延在する可動接触部分662とを含む。2つの突出エッジ663は、本体660の上端から外向きに曲がり、そこから突出する。固定部分661は、本体660の中央部分から内側に突出する複数の固定タブ6611を含む。
【0063】
可動接触部分662は、可動接触部分662の円周方向に沿って配置された複数の弾性アーム6621を含み、各弾性アーム6621は、本体660の下端エッジから下向きに延在し、外向きに曲がり、細長いノッチ6622が、2つの隣接する弾性アーム6621と本体660の下端エッジとの間に形成され、各弾性アーム6621の先端は、円弧状の弾性自由端である。
【0064】
図11に示すように、内側導電シェル66の本体660は、嵌合側導電シェル63の第2の金属シェル632の外壁6321と仕切壁6322との間に装着され、好ましくは、仕切壁6322の外面に取り付けられ、複数の弾性アーム6621は、仕切壁6322を下向きに超え、弾性アーム6621の先端は、可動導電シェル64の内壁に対して弾性的に当接する。
【0065】
図11の弾性要素65は圧縮状態にあり、可動導電シェル64のほとんどの部分構造は、第2の金属シェル632内に収縮して上向きに入り、可動導電シェル64は、その上限位置に実質的に位置決めされ、弾性アーム6621は、可動導電シェル64の内壁の下端に近い可動導電シェル64の内壁の位置に当接することに留意する。比較して、
図10の概略図に示されるような非圧縮状態で弾性要素15を参照すると、
図10に示す状態では、可動導電シェル14は、その下限位置に実質的に位置決めされ、内側導電シェル16の弾性アーム1621は、可動導電シェル14の内壁の上端に近い可動導電シェル14の内壁の位置に当接する。
【0066】
図10に示されるような内側導電シェル16及び
図11に示されるような内側導電シェル66が異なるが、2つの図の状態を比較すると、可動導電シェル14/64が嵌合側導電シェル13/63に対して上下方向に移動するとき、内側導電シェル16/66の可動接触部分162/662は、常に可動導電シェル14/64上で弾性的に摺動して当接することができることが分かる。
【0067】
図11及び
図12を参照すると、第1の実施形態からの第2の実施形態の浮遊コネクタ6の別の違いは、絶縁シート62の下端には、絶縁シート62の円周方向に沿って突出する位置決めフランジ623が設けられ、位置決めフランジ623の上面と嵌合側導電シェル63の第1の金属シェル631が、位置の制限のために互いに対して当接し、位置決めフランジ623の下面と第2の金属シェル632が位置の制限のために互いに当接する。
【0068】
第2の実施形態の浮遊コネクタアセンブリ600の他の構成は、第1の実施形態を参照してもよく、その特定の説明は、本明細書では繰り返されない。
【0069】
図15~
図18は、本開示の第3の実施形態の浮遊コネクタアセンブリ700の構造を示す。
【0070】
第3の実施形態と第1の実施形態との間の主な違いは、浮遊コネクタ7において、内側導電シェル76が、嵌合側導電シェル73の第2の金属シェル732の仕切壁7322の内面に固定されていることにある。
【0071】
主に
図18を参照すると、内側導電シェル76の固定部分761は、本体760の中央部分から外向きに突出する複数の固定タブ7611を含み、可動接触部分762は、本体760の下端から下向き及び外向きに曲がり、延在する複数の弾性アーム7621を含み、複数の弾性アーム7621は、本体760の円周方向に沿って互いに離間している。
【0072】
図15と組み合わせて、第3の実施形態では、内側導電シェル76の本体760は、仕切壁7322によって取り囲まれており、固定タブ7611は、仕切壁7322の内面に設けられたスナップ溝7328にスナップ留めされている。好ましくは、停止突起7329は、仕切壁7322の内面から更に突出し、停止突起7329は、本体760の上で停止する。内側導電シェル76の弾性アーム7621は、可動導電シェル74の内壁に弾性的に当接する。弾性要素75の上端は、下方から第2の金属シェル732上に対しており、具体的には、弾性要素75は、第2の金属シェル732の頂壁7323の下面に直接当接している。
【0073】
第3の実施形態の浮遊コネクタ7の他の構成は、第1の実施形態を参照してもよく、その特定の説明は、本明細書では繰り返されない。
【0074】
図19及び
図20は、本開示の第1の実施形態の浮遊コネクタ1が回路基板3に直接取り付けられていることによって構成された浮遊コネクタアセンブリ800を概略的に示す。第1の実施形態と比較して、浮遊コネクタアセンブリ800は、コネクタベース2を省略する。
【0075】
回路基板3には、中央接触点31と、中央接触点31から離間し、かつ中央接触点31を外側から取り囲む外側接触点32とが設けられている。ここで、中央接触点31及び外側接触点32は、半田付けパッド、回路基板などに半田付けされた導電性パターン又は金属部材であり得る。浮遊コネクタ1の可動導電シェル14の下端及び外側接触点32は、電気的に接続され、浮遊コネクタ1の中央導電ピン11の下端及び中央接触点31は、互いに当接する。
【0076】
第2の実施形態及び第3の実施形態の浮遊コネクタアセンブリ600/700に関して、コネクタベース2も省略されてもよく、浮遊コネクタ6/7は回路基板3に直接装着されるようにしてもよい。
【0077】
上記の実施形態によれば、本開示の浮遊コネクタ1/6/7において、内部電気接続経路は、中央導電ピン11/61/71によって確立され、外部電気接続経路は、嵌合側導電シェル13/63/73と、可動導電シェル14/64/74と、内側導電シェル16/66/76との協働によって確立される。ここで、弾性要素15/65/75は、嵌合側導電シェル13/63/73と可動導電シェル14/64/74との間の相対変位量を吸収することができ、嵌合側導電シェル13/63/73及び可動導電シェル14/64/74が相対的な動きを生成するときに、内側導電シェル16/66/76が固定部分161/661/761及び可動接触部分162/662/762を介して嵌合側導電シェル13/63/73と可動導電シェル14/64/74との接続を常に維持するようにし、外部電気接続経路の安定性が維持されるようにする。内側導電シェル16/66/76は、嵌合側導電シェル13/63/73及び可動導電シェル14/64/74とは独立した独立構成要素であるため、内側導電シェル16/66/76は材料及び製造プロセスの選択がより柔軟になり、内側導電シェル16/66/76はより良好な弾性を有し得、即時破裂の問題を容易に生成しない。内側導電シェル16/66/76の提供に基づいて、嵌合側導電シェル13/63/73及び可動導電シェル14/64/74は、クリアランスフィット設計を使用してもよく、嵌合側導電シェル13/63/73及び可動導電シェル14/64/74は、上下方向に相対的な摺動をすることができるだけでなく、水平方向に相対的な浮遊を生成することができ、これは、振動レベルがより高い分野にも適用可能にすることができる。
【0078】
同時に、内側導電シェル16/66/76は、弾性要素15/65/75と中央導電ピン11/61/71との間に挿入され、内側導電シェル16/66/76は、シールドとして機能してもよく、中央導電ピン11/61/71の高速電気信号によって放出された電磁放射は、弾性要素15/65/75に作用して、不適切な反射ノイズを生成することを防止することができ、これは、高周波信号伝送の状況に特に適用可能である。
【0079】
上記の内容は、本開示の好適な実施形態にすぎず、本開示の実施する解決策を限定し得ず、当業者は、本開示の主要な概念及び趣旨に基づいて、対応する変更又は修正を好都合に行い得、したがって、本開示の保護の範囲は、特許請求の範囲の用語によって決定されるものとする。