(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-19
(54)【発明の名称】保安システム
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20230511BHJP
G05B 23/02 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
H04Q9/00 301Z
G05B23/02 T
G05B23/02 301P
(21)【出願番号】P 2022095129
(22)【出願日】2022-06-13
【審査請求日】2022-06-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】313006647
【氏名又は名称】セイコーソリューションズ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592184278
【氏名又は名称】一般財団法人東北電気保安協会
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】相原 正仁
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 直之
(72)【発明者】
【氏名】福士 哲也
(72)【発明者】
【氏名】山本 崇敏
【審査官】右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/171189(WO,A1)
【文献】特開2019-061872(JP,A)
【文献】特開2020-061839(JP,A)
【文献】特開2021-064384(JP,A)
【文献】特開2019-020271(JP,A)
【文献】特開2004-096906(JP,A)
【文献】特開2016-038277(JP,A)
【文献】特開2018-092232(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
G05B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受変電設備に設置された環境センサが出力したセンサ情報を送信するゲートウェイと、
前記センサ情報を前記ゲートウェイから取得するサーバ装置と、
前記ゲートウェイからの
リアルタイムで連続した前記センサ情報の提供を、前記サーバ装置に対して要求し、要求に応じて提供された前記センサ情報を取得し、取得した情報を可視化する端末装置とを備え、
前記端末装置は、前記サーバ装置に対して前記ゲートウェイを指定し、指定した前記ゲートウェイに接続されている前記環境センサの種類に関する情報を取得し、取得した前記環境センサの種類のうち特定の前記環境センサを選択する操作を受け付け、指定した前記ゲートウェイに接続されている前記環境センサのうち選択された前記環境センサについてリアルタイムで連続した前記センサ情報の提供を要求する要求情報を前記サーバ装置に対して送信し、
前記ゲートウェイは、
前記サーバ装置から前記要求情報を受信し、前記環境センサか
ら取得した前記センサ情報のうち前記要求情報により選択された特定の前記環境センサについての情報を所定の時間間隔で前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、前記ゲートウェイから取得した前記センサ情報を前記所定の時間間隔で前記端末装置に
転送し、
前記端末装置は、
前記要求情報により指定される特定の前記環境センサについての前記センサ情報を
前記ゲートウェイから前記サーバ装置を介して前記所定の時間間隔で受信し、受信の都度、出力装置に出力することで、前記所定の時間ごとの前記センサ情報の変化を継続的に
リアルタイムで可視化する
保安システム。
【請求項2】
前記受変電設備は複数あり、
前記サーバ装置は、複数の前記受変電設備のそれぞれに設置された前記ゲートウェイと接続し、
前記環境センサは、複数の前記受変電設備のそれぞれに設置された前記ゲートウェイに対して複数接続され、
前記ゲートウェイは、自装置が設置された前記受変電設備に設置された複数の前記環境センサからそれぞれ前記センサ情報を取得して前記サーバ装置に送信する
請求項1に記載の保安システム。
【請求項3】
前記端末装置は、特定の前記ゲートウェイについて、前記ゲートウェイが複数の前記環境センサから取得する前記センサ情報のうち、特定の前記環境センサから取得された前記センサ情報の提供を前記サーバ装置に対し要求する
請求項2に記載の保安システム。
【請求項4】
前記サーバ装置は、
接続する複数の前記ゲートウェイを識別する情報に関連付けて、前記ゲートウェイが設置される前記受変電設備に設置されている複数の前記環境センサを識別する情報を記憶し、
前記端末装置から、特定の前記ゲートウェイからの前記センサ情報の提供について要求を受信した場合、前記ゲートウェイを識別する情報に基づいて、前記ゲートウェイが設置された前記受変電設備に設置された前記環境センサを識別する情報を取得し、
取得した前記環境センサを識別する情報に基づいて、前記ゲートウェイについて前記センサ情報の提供が可能なセンサを識別する情報を、前記端末装置に選択可能に提供する
請求項3に記載の保安システム。
【請求項5】
前記サーバ装置が前記ゲートウェイから取得する情報と、前記端末装置に出力する情報とは同一である
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の保安システム。
【請求項6】
前記端末装置は、特定の前記ゲートウェイからの前記センサ情報の提供の停止を前記サーバ装置に対し要求し、
前記サーバ装置は、特定の前記ゲートウェイからの前記センサ情報の提供の停止について前記端末装置から要求があった場合に、特定の前記ゲートウェイからの前記センサ情報の提供を停止する
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の保安システム。
【請求項7】
前記サーバ装置は、特定の前記ゲートウェイからの前記センサ情報の提供について前記端末装置から要求があった後、所定期間経過した場合に、特定の前記ゲートウェイからの前記センサ情報の提供を停止する
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の保安システム。
【請求項8】
前記サーバ装置は、前記ゲートウェイからの前記センサ情報に基づき前記受変電設備における異常の有無を判定し、
前記受変電設備に異常が有ると判定した場合、前記ゲートウェイからの前記センサ情報の提供を、前記サーバ装置に対して要求することが可能な情報を含めて前記端末装置に通知する
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の保安システム。
【請求項9】
さらに、警報に関するサーバを有し、
前記ゲートウェイは、前記受変電設備における異常の有無を判定し、前記警報に関するサーバに対して警報を発報し、
前記警報に関するサーバは、
前記ゲートウェイから受信した警報に基づき、前記受変電設備に異常が有ると判定した場合、前記ゲートウェイからの前記センサ情報の提供を、前記サーバ装置に対して要求することが可能な情報を含めて前記端末装置に通知する
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の保安システム。
【請求項10】
前記サーバ装置は、1つの前記ゲートウェイに対する複数の前記端末装置からの要求を許容する
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の保安システム。
【請求項11】
前記サーバ装置には、1つの前記ゲートウェイに対して要求を許容する前記端末装置の数の上限が定められて
おり、
前記ゲートウェイは、前記端末装置の数が上限に達している場合、前記環境センサから取得した前記センサ情報を前記サーバ装置に対して出力しない
請求項9に記載の保安システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保安システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気保安業務の1つとして、キュービクル式高圧受電設備(以後、受変電設備とする)に設置された漏電検出装置からの警報に基づき、監視業務が行われている。このような受変電設備の監視業務では、所定の閾値を超える漏電が発生した場合には、電気保安技術者に対して現場への出動を要請する。電気保安技術者は、漏電の発生時以外にも、月次点検、年次点検等のタイミングで定期点検業務を行う。
これらの定期点検業務に代わるものとして、直接現場に出動する代わりに現地に種々センサをあらかじめ設置しておき、遠隔からセンサの出力を監視する仕組みが考えられている。例えば、工場等の屋内外の設備の異常を監視し、設備に設けられたセンサからの信号を受けた中央監視装置がその故障等を通知する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような技術を用いて、常時センサ情報をサーバにアップロードし解析する場合、通信量が大量になり、サーバの処理負荷が増大するといった問題があった。また、上述したような技術によれば、現在のセンサ情報を中央監視装置において知ることはできるが、ある場所に設置されたある特定のセンサについて、時々刻々と変化するセンサの状況をリアルタイムで知りたい場合、当該センサのみの情報をリアルタイムで連続して入手することは困難であり、現場に赴かなければならないといった問題があった。
【0005】
そこで本発明は、受変電設備に設置された環境センサからのセンサ情報を、好適な通信量で、遠隔でリアルタイムに視覚化表示することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様1は、受変電設備に設置された環境センサが出力したセンサ情報を送信するゲートウェイと、前記センサ情報を前記ゲートウェイから取得するサーバ装置と、前記ゲートウェイからのリアルタイムで連続した前記センサ情報の提供を、前記サーバ装置に対して要求し、要求に応じて提供された前記センサ情報を取得し、取得した情報を可視化する端末装置とを備え、前記端末装置は、前記サーバ装置に対して前記ゲートウェイを指定し、指定した前記ゲートウェイに接続されている前記環境センサの種類に関する情報を取得し、取得した前記環境センサの種類のうち特定の前記環境センサを選択する操作を受け付け、指定した前記ゲートウェイに接続されている前記環境センサのうち選択された前記環境センサについてリアルタイムで連続した前記センサ情報の提供を要求する要求情報を前記サーバ装置に対して送信し、前記ゲートウェイは、前記サーバ装置から前記要求情報を受信し、前記環境センサから取得した前記センサ情報のうち前記要求情報により選択された特定の前記環境センサについての情報を所定の時間間隔で前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置は、前記ゲートウェイから取得した前記センサ情報を前記所定の時間間隔で前記端末装置に転送し、前記端末装置は、前記要求情報により指定される特定の前記環境センサについての前記センサ情報を前記ゲートウェイから前記サーバ装置を介して前記所定の時間間隔で受信し、受信の都度、出力装置に出力することで、前記所定の時間ごとの前記センサ情報の変化を継続的にリアルタイムで可視化する保安システムである。
【0007】
また、本発明の態様2は、態様1の保安システムにおいて、前記受変電設備は複数あり、前記サーバ装置は、複数の前記受変電設備のそれぞれに設置された前記ゲートウェイと接続し、前記環境センサは、複数の前記受変電設備のそれぞれに設置された前記ゲートウェイに対して複数接続され、前記ゲートウェイは、自装置が設置された前記受変電設備に設置された複数の前記環境センサからそれぞれ前記受変電設備に生じた異常に関する前記センサ情報を取得して前記サーバ装置に送信する。
【0008】
また、本発明の態様3は、態様2の保安システムにおいて、前記端末装置は、特定の前記ゲートウェイについて、前記ゲートウェイが複数の前記環境センサから取得する前記センサ情報のうち、特定の前記環境センサから取得された前記センサ情報の提供を前記サーバ装置に対し要求する。
【0009】
また、本発明の態様4は、態様3の保安システムにおいて、前記サーバ装置は、接続する複数の前記ゲートウェイを識別する情報に関連付けて、前記当該ゲートウェイが設置される前記受変電設備に設置されている複数の前記環境センサを識別する情報を記憶し、前記端末装置から、特定の前記ゲートウェイからの前記センサ情報の提供について要求を受信した場合、前記当該ゲートウェイを識別する情報に基づいて、前記当該ゲートウェイが設置された前記受変電設備に設置された前記環境センサを識別する情報を取得し、取得した前記環境センサを識別する情報に基づいて、前記当該ゲートウェイについて前記センサ情報の提供が可能なセンサを識別する情報を、前記端末装置に選択可能に提供する。
【0010】
また、本発明の態様5は、態様1から態様4の保安システムにおいて、前記サーバ装置が前記ゲートウェイから取得する情報と、前記端末装置に出力する情報とは同一である。
【0011】
また、本発明の態様6は、態様1から態様5の保安システムにおいて、前記端末装置は、特定の前記ゲートウェイからの前記センサ情報の提供の停止を前記サーバ装置に対し要求し、前記サーバ装置は、特定の前記ゲートウェイからの前記センサ情報の提供の停止について前記端末装置から要求があった場合に、特定の前記ゲートウェイからの前記センサ情報の提供を停止する。
【0012】
また、本発明の態様7は、態様1から態様6の保安システムにおいて、前記サーバ装置は、特定の前記ゲートウェイからの前記センサ情報の提供について前記端末装置から要求があった後、所定期間経過した場合に、特定の前記ゲートウェイからの前記センサ情報の提供を停止する。
【0013】
また、本発明の態様8は、態様1から態様7の保安システムにおいて、前記サーバ装置は、前記ゲートウェイからの前記センサ情報に基づき前記受変電設備における異常の有無を判定し、前記受変電設備に異常が有ると判定した場合、前記ゲートウェイからの前記センサ情報の提供を前記サーバ装置に対して要求することが可能な情報を含めて前記端末装置に通知し、前記受変電設備に異常が有ると判定した場合に通知される前記サーバ装置から前記端末装置への通知には、異常が有ると判定された前記ゲートウェイにより検知された異常に関する情報の提供を前記サーバ装置に対し要求するための情報が含まれる。
【0014】
また、本発明の態様9は、態様1から態様8の保安システムは、さらに、警報に関するサーバを有し、前記ゲートウェイは、前記受変電設備における異常の有無を判定し、前記警報に関するサーバに対して警報を発報し、前記警報に関するサーバは、前記ゲートウェイから受信した警報に基づき、前記受変電設備に異常が有ると判定した場合、前記ゲートウェイからの前記センサ情報の提供を、前記サーバ装置に対して要求することが可能な情報を含めて前記端末装置に通知する。
【0015】
また、本発明の態様10は、態様1から態様8の保安システムにおいて、前記サーバ装置は、1つの前記ゲートウェイに対する複数の前記端末装置からの要求を許容する。
【0016】
また、本発明の態様11は、態様10の保安システムにおいて、前記サーバ装置には、1つの前記ゲートウェイに対して要求を許容する前記端末装置の数の上限が定められており、前記ゲートウェイは、前記端末装置の数が上限に達している場合、前記環境センサから取得した前記センサ情報を前記サーバ装置に対して出力しない。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、受変電設備に設置された環境センサからのセンサ情報を、好適な通信量で、リアルタイムに監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施形態に係る保安システムの概略を説明するための図である。
【
図2】実施形態に係る受変電設備の機能構成図の一例を示す図である。
【
図3】実施形態に係るセンサ処理サーバの機能構成図の一例を示す図である。
【
図4】実施形態に係るセンサ情報記憶部が記憶する情報の一例を示す図である。
【
図5】実施形態に係る端末装置の機能構成図の一例を示す図である。
【
図6】実施形態に係るリアルタイム情報記憶部が記憶する情報の一例を示す図である。
【
図7】実施形態に係るグラフ作成部が作成するグラフの一例を示す図である。
【
図8】実施形態に係る保安システムの一連の動作について説明するための図である。
【
図9】実施形態に係る表示画面のリアルタイム表示前の一例について説明するための図である。
【
図10】実施形態に係る表示画面のリアルタイム表示中の一例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[実施形態]
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下において説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限定されない。
【0020】
[保安システム]
図1は、実施形態に係る保安システムの概略を説明するための図である。同図を参照しながら、保安システム1の一例について説明する。保安システム1は、定期的な点検が法的に求められる中小規模自家用電気工作物の受変電設備において用いられる。
【0021】
保安システム1は、警報処理サーバ5Aと、センサ処理サーバ(サーバ装置)5Bと、複数の受変電設備2と、複数の端末装置6とを備える。
図1に示す一例では、複数の受変電設備2の一例として、受変電設備2-n(nは1以上の自然数)を、複数の端末装置6の一例として、端末装置6-m(mは1以上の自然数)を備える場合の一例について説明する。以降の説明において、受変電設備2-1から受変電設備2-nをそれぞれ区別しない場合は単に受変電設備2と記載し、端末装置6-1から端末装置6-mをそれぞれ区別しない場合は単に端末装置6と記載する。
なお、保安システム1が備える受変電設備2の数であるnと、保安システム1が備える端末装置6の数であるmとは同一でなくてよい。受変電設備2と端末装置6とは、それぞれ対応していなくてもよい。
【0022】
複数の受変電設備2は、それぞれスマートゲートウェイ(ゲートウェイ)10Aとインターフェイスボックス10Bと環境センサ30を備える。
環境センサ30は、センサ情報として、受変電設備2の内部又は周辺の情報である環境情報を取得する。環境センサ30はインターフェイスボックス10Bに接続されている。インターフェイスボックス10Bは環境センサ30からセンサ情報を取得し、A/D変換する。インターフェイスボックス10Bは、A/D変換後のセンサ情報を、スマートゲートウェイ10Aに送信する。
スマートゲートウェイ10Aはインターフェイスボックス10Bから、A/D変換後のセンサ情報を取得し、必要に応じて加工し、所定期間保管する。また、スマートゲートウェイ10Aは、センサ処理サーバ5Bからの指示に基づき、A/D変換後のセンサ情報をセンサ処理サーバ5Bに送信する。なお、今後、スマートゲートウェイ10Aから送信するA/D変換後のセンサ情報のことも、単にセンサ情報と表現する。
スマートゲートウェイ10Aは、センサ処理サーバ5Bから、リアルタイムで連続したセンサ情報を提供するよう指示された場合、インターフェイスボックス10Bを介して取得した環境センサ30からのセンサ情報をキュービクル情報ICとして、所定の時間間隔で所定のネットワークNWを介してセンサ処理サーバ5Bに送信し続ける。キュービクル情報ICは、センサ情報の他、例えば、受変電設備2に接続される負荷の負荷電流及び負荷電圧等の情報を含んでいてもよい。
なお、環境センサ30は、インターフェイスボックス10Bを介してスマートゲートウェイ10Aと接続しているが、実質的に環境センサ30とスマートゲートウェイ10Aは接続状態にあると言える。そのため、今後、環境センサ30とスマートゲートウェイ10Aは接続している、と表現することもある。
また、スマートゲートウェイ10Aは、受変電設備2内にある図示しない漏洩電流センサから漏電データを受信する。スマートゲートウェイ10Aは、受信した漏電データを判断して漏電に関する警報を発報し、警報処理サーバ5Aに送信する機能も有している。
【0023】
端末装置6のユーザは、電気保安技術者など、電気保安業務を遂行する者である。
端末装置6は、特定のスマートゲートウェイ10Aにインターフェイスボックス10Bを介して接続された環境センサ30からの、リアルタイムで連続したセンサ情報を、センサ処理サーバ5Bに対して要求する。
端末装置6は、要求に応じたセンサ処理サーバ5Bから、環境センサ30からのリアルタイムで連続したセンサ情報を、リアルタイム情報IRとして取得する。
端末装置6は、連続的に取得するリアルタイム情報IRを、取得の都度、表示して可視化する。
【0024】
なお、本実施形態において、1つの受変電設備2(のスマートゲートウェイ10A)に対して、複数の端末装置6から、リアルタイム情報IRの取得を要求することができる。1つの受変電設備2に対して同時にリアルタイム情報IRの取得をすることができる端末装置6の台数の上限は、予め定められていてもよい。
【0025】
警報処理サーバ5Aは、例えば、保安に関する受付センターに備えられていたり、別途データセンタを立ててそこに備えられたり、クラウド上に設けられていたりしてもよい。警報処理サーバ5Aは、スマートゲートウェイ10Aにより検知された異常に関する警報情報IW(図示しない漏洩電流センサから取得する漏電データに基づき生成する、漏電に関する警報等)を、複数のスマートゲートウェイ10Aからそれぞれ取得する。警報処理サーバ5Aは、取得した警報情報IWに基づいて受変電設備2に異常があると判断した場合、然るべき処置を促すため、当該警報に関する電気主任技術者等に通知する。
センサ処理サーバ5Bは、端末装置6から、特定のスマートゲートウェイ10Aに接続された特定の環境センサ30からのセンサ情報を、リアルタイムで連続して提供するよう要求された場合、当該特定のスマートゲートウェイ10Aから、当該特定の環境センサ30によるセンサ情報を含むキュービクル情報ICを、所定の時間間隔で連続して取得し、リアルタイム情報IRとして所定の時間間隔で連続して端末装置6に提供する。
【0026】
図2は、実施形態に係る受変電設備の機能構成図の一例を示す図である。同図を参照しながら、受変電設備2の機能構成の一例について説明する。以下の説明において、保安システム1が備える複数の受変電設備のうち、1つの受変電設備の構成に限定して、より詳細に説明する。
【0027】
高圧配電線3は、配電用変電所において変換された6600[V(ボルト)]の交流電力を、ビルや中規模工場等に配電する。以降の説明において、高圧配電線3から電力の供給を受ける需要家を高圧需要家と記載する場合がある。
【0028】
受変電設備2は、高圧需要家に備えられる。高圧需要家は、高圧配電線3から受電した6600[V]の交流電力を、100[V]又は200[V]の交流電力に変換して使用する。
低圧配電線4には、変圧器により低電圧に変換された100[V]又は200[V]の交流電力が配電される。低圧配電線4には、様々な負荷が接続される。低圧配電線4に接続される様々な負荷の一例としては、100[V]又は200[V]の交流電力で駆動するモータ等である。
【0029】
受変電設備2は、スマートゲートウェイ10Aと、インターフェイスボックス10Bと、変圧器20と、複数の環境センサ30とを備える。
変圧器20は、高圧配電線3から受電した6600[V]の交流電力を、100[V]又は200[V]の交流電力に変換する。変圧器20は、変換した交流電力を低圧配電線4に供給する。
【0030】
ここで、受変電設備2内において漏電や機器の劣化、故障等の異常が発生する場合がある。そこで、受変電設備2内に、スマートゲートウェイ10A、インターフェイスボックス10B及び複数の環境センサ30、図示しない漏洩電流センサを備えることにより、環境センサ30や漏洩電流センサからの情報を、漏電や機器の劣化、故障等の判断に利用する。例えば、漏電に関する警報は警報処理サーバに送信し、環境センサ30からの情報はセンサ処理サーバに送信する。環境センサ30は複数あるため、第1環境センサ31、第2環境センサ32、…、第n環境センサ3n(nは1以上の自然数)と記載する場合がある。
【0031】
環境センサ30は、受変電設備2の周囲の状況を検知する。受変電設備2の周囲の状況とは、例えば受変電設備2の内部における温度や湿度であってもよい。この場合、第1環境センサ31は温度センサであり、第2環境センサ32は湿度センサ等であってもよい。
【0032】
環境センサ30は、取得した情報を環境情報IEとしてインターフェイスボックス10Bに、図示しないセンサユニットを介して、もしくは直接、出力する。第1環境センサ31が出力する情報を第1環境情報IE1、第2環境センサ32が出力する情報を第2環境情報IE2、…、第n環境センサ3nが出力する情報を第n環境情報IEnと記載する場合がある。また、第1環境情報IE1から第n環境情報IEnを区別しない場合は、単に環境情報IEと記載する場合がある。また、環境情報IEを単にセンサ情報と記載する場合がある。
第1環境センサ31が温度センサである場合、第1環境情報IE1は受変電設備2内部又は周囲の温度情報である。第2環境センサ32が湿度センサである場合、第2環境情報IE2は受変電設備2内部又は周囲の湿度情報である。
なお、変圧器20に入る高圧配電線に関する高圧ケーブルシールド接地線電流を既知の手法により検出し、検出した結果を環境センサ30からの環境情報IEと同様に、インターフェイスボックス10Bに入力させることもできる。そのため、以後、インターフェイスボックス10Bに入力される環境情報IEについては、環境センサ30からの情報の他、高圧ケーブルシールド接地線電流の情報を含んでもよいものとする。高圧ケーブルシールド接地線電流を検出するための既知の方法の一例としては、高圧配電線を流れる電流のベクトル和を測定する方法がある。
【0033】
インターフェイスボックス10Bは、複数の環境センサ30から環境情報IEを取得する。また、インターフェイスボックス10Bは、変圧器20の低電圧配線側を流れる負荷電流及び負荷電圧についての情報である負荷情報ILを取得する。
インターフェイスボックス10Bは、取得した環境情報IEをA/D変換した情報と、負荷情報ILをA/D変換した情報とを、キュービクル情報ICとして、スマートゲートウェイ10Aに送信する。
スマートゲートウェイ10Aは、キュービクル情報ICを、所定の通信ネットワークNWを介してセンサ処理サーバ5Bに出力する。また、後述するが、スマートゲートウェイ10Aは、図示しない端末装置6からの要求に基づきセンサ処理サーバから、特定の環境センサ30の環境情報IEのリアルタイム情報を要求された場合、当該環境センサ30が検出した環境情報IEを含むキュービクル情報ICを、所定の時間間隔で連続してセンサ処理サーバに送信する。
また、スマートゲートウェイ10Aは、図示しない漏洩電流センサからの漏洩電流データを取得し警報を発するべきか否かを判断する。警報を発すると判断した場合、スマートゲートウェイ10Aは、警報に関するデータIWを警報処理サーバ5Aに送信する。
【0034】
[サーバ装置]
図3は、実施形態に係るセンサ処理サーバの機能構成図の一例を示す図である。同図を参照しながら、センサ処理サーバ5Bの機能構成図の一例について説明する。センサ処理サーバ5Bは、要求情報取得部51と、センサ情報記憶部52と、応答部53と、リアルタイム情報取得部54と、リアルタイム情報出力部55と、リアルタイム情報要求部56とを備える。
センサ処理サーバ5Bは、バスで接続された不図示のCPU、ROM又はRAM等の記憶装置等を備え、センサ処理サーバプログラムを実行することによって要求情報取得部51と、センサ情報記憶部52と、応答部53と、リアルタイム情報要求部56と、リアルタイム情報取得部54と、リアルタイム情報出力部55とを備える装置として機能する。なお、センサ処理サーバ5Bの各機能の全てまたは一部は、ASIC、PLD又はFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。センサ処理サーバプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。センサ処理サーバプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0035】
要求情報取得部51は、通信ネットワークNWを介して、端末装置6から種々の要求を取得する。例えば、端末装置6から要求情報IREQを取得する。要求情報IREQは、特定のスマートゲートウェイ10Aを指定することで、当該特定のスマートゲートウェイ10Aに接続される環境センサの種類に関する情報の提供を要求する情報である。要求情報取得部51は、取得した要求情報IREQを応答部53に出力する。
【0036】
センサ情報記憶部52は、スマートゲートウェイ10Aにインターフェイスボックス10Bを介して接続される環境センサ30の種類を、スマートゲートウェイを識別する情報(管理データ)とともに記憶する。センサ情報記憶部52に記憶される情報は、保安システム1に新たなスマートゲートウェイ10Aが接続される場合などに、初回の情報登録として取得された情報であってもよい。また、センサの追加や削減等により、スマートゲートウェイ10Aに接続される環境センサ30の種類に変化があった場合、センサ情報記憶部52に記憶される情報は更新されてもよい。
【0037】
図4は、実施形態に係るセンサ情報記憶部が記憶する情報の一例を示す図である。同図を参照しながら、センサ情報記憶部52に記憶される情報の一例について説明する。
同図には、スマートゲートウェイ10Aの一例として、“スマートゲートウェイA”と、“スマートゲートウェイB”と、“スマートゲートウェイC”とが示されている。また、環境センサ30の種類として、“環境センサa”と、“環境センサb”と、“環境センサc”とが示されている。
【0038】
“スマートゲートウェイA”は、“環境センサa”と、“環境センサb”と、“環境センサc”とをいずれも備える。“スマートゲートウェイB”は、“環境センサa”と、“環境センサb”とを備え、“環境センサc”を備えない。“スマートゲートウェイC”は、“環境センサa”を備え、“環境センサb”と、“環境センサc”とを備えない。
すなわち、本実施形態において、複数のスマートゲートウェイ10Aは、それぞれ異なる種類のセンサを備える。
【0039】
図3に戻り、応答部53について説明する。
応答部53は、要求情報取得部51から要求情報IREQを取得する。応答部53は、要求情報IREQに含まれる情報から、いずれのスマートゲートウェイ10Aの情報の提供が要求されているのかを確認し、要求があったスマートゲートウェイ10Aが備える環境センサ30についての情報を、センサ情報記憶部52からセンサ情報ISとして取得する。センサ情報ISには環境センサの種類に関する情報も含まれる。
【0040】
応答部53は、センサ情報ISを取得すると、要求情報IREQを送信してきた端末装置6に対して、承認情報IACKを出力する。承認情報IACKは、要求があったスマートゲートウェイ10Aが備える環境センサ30の種類についての情報を含む。
【0041】
なお、要求情報取得部51は、1つのスマートゲートウェイ10Aに対する複数の端末装置6からの要求を許容してもよいが、要求を許容する端末装置6の数に上限を定めてもよい。また、要求を受けて接続する端末装置6の台数の管理は、センサ処理サーバ5Bで行ってもスマートゲートウェイで行ってもどちらでもよい。
【0042】
要求情報取得部51は、端末装置6から、特定のスマートゲートウェイ10Aで選択できる環境センサ30の種類を要求するIREQを取得する他、特定の環境センサ30によるリアルタイムで連続したセンサ情報(環境情報IE)の提供を要求する要求情報IRSも取得する。すなわち、要求情報IRSには、スマートゲートウェイ10Aを識別する情報と、環境センサ30を識別する情報が含まれる。要求情報取得部51は要求情報IRSを取得すると、要求情報IRSをリアルタイム情報要求部56に出力する。
リアルタイム情報要求部56は、要求情報IRSを取得すると、要求情報IRSに含まれる特定のスマートゲートウェイ10Aに対して、特定の環境センサ30が検出するセンサ情報を連続して送信するよう、要求情報IRRを出力する。
リアルタイム情報取得部54は、要求情報IRRに対する応答として、スマートゲートウェイ10Aから所定の時間間隔でキュービクル情報ICを連続して取得する。キュービクル情報ICには、要求情報IRRによって要求した環境センサ30からのセンサ情報が含まれている。所定の時間間隔とは、例えば1秒間隔等であってもよい。
リアルタイム情報取得部54は、取得したキュービクル情報ICをリアルタイム情報出力部55に出力する。
【0043】
リアルタイム情報出力部55は、リアルタイム情報取得部54からキュービクル情報ICを取得する。リアルタイム情報出力部55は、取得したキュービクル情報ICを、実質的な加工を何ら加えず、受信の時間間隔と同じ時間間隔で、リアルタイム情報IRとして端末装置6に出力する。実質的な加工を何ら加えないとは、環境センサ30からのセンサ情報をグラフに可視化する処理等を加えないことをいい、取得した情報をそのまま転送することをいう。すなわち、センサ処理サーバ5Bがスマートゲートウェイ10Aから取得するキュービクル情報ICと、センサ処理サーバ5Bが端末装置6に出力するリアルタイム情報IRとは同一である。これにより、センサ処理サーバ5Bでグラフに加工した情報を連続して端末装置6に送信する場合と比べ、端末装置6とセンサ処理サーバ5B間の通信負荷は少なくて済む。また、グラフ生成に関する処理を端末装置6で行うことで、センサ処理サーバ5Bにてグラフ化する処理が不要となることから、センサ処理サーバ5Bの処理負荷も軽減することができる。多数の端末装置6が同時期にセンサ処理サーバ5Bに対してリアルタイム情報IRを要求することも想定されるため、端末装置6にてグラフ生成を行うことでのセンサ処理サーバ5Bの処理負荷軽減効果は大きい。
また、スマートゲートウェイ10Aとセンサ処理サーバ5B間、および、端末装置6とセンサ処理サーバ5B間の通信プロトコルは、同一でなくてもよい。本実施形態では、スマートゲートウェイ10Aとセンサ処理サーバ5B間のプロトコルは、応答性が良くデータ送受のリアルタイム性に適したUDP(User Datagram Protocol)を使用する。また、端末装置6とセンサ処理サーバ5B間のプロトコルは、ブラウザとウェブサーバ間で双方向通信を行うためのプロトコルであって、サーバとユーザのブラウザでオンライン状態を維持し双方向通信を可能とするプロトコルであるWebSochetを使用する。このようなプロトコルを使用することにより、センサ処理サーバ5Bは、環境センサ30からのセンサ情報を含むキュービクル情報ICを連続的に取得しつつ、端末装置6とはオンライン状態を維持し、キュービクル情報ICに含まれる所望の環境センサ30に関するリアルタイム情報IRを連続的に提供することができる。
【0044】
センサ処理サーバ5Bは、スマートゲートウェイ10Aからキュービクル情報ICを取得することに応じて、端末装置6にリアルタイム情報IRを出力するため、スマートゲートウェイ10Aからキュービクル情報ICが送信され続ける限り、所定の時間間隔で端末装置6にリアルタイム情報IRを出力し続ける。リアルタイム情報IRの提供の停止条件としては、端末装置6からリアルタイム情報IRの停止要求がなされること、又はリアルタイム情報IRの送信が始まって所定時間が経過したこと、が挙げられる。
【0045】
リアルタイム情報IRの提供の停止条件が停止要求である場合、端末装置6は、停止したいリアルタイム情報IRに関する環境センサ30を指定する。センサ処理サーバ5Bは、端末装置6からリアルタイム情報IRの提供の停止についての要求があった場合、指定された環境センサ30に関するリアルタイム情報IRの提供を停止する。
【0046】
リアルタイム情報IRの提供の停止条件が所定時間の経過である場合、センサ処理サーバ5Bは、端末装置6から要求情報IRSを受け付けた後、所定期間経過した場合に、要求情報IRSに基づき提供し続けていたリアルタイム情報IRの提供を停止する。なお、停止条件となる所定時間とは、例えば10分等であってもよい。
【0047】
なお、センサ処理サーバ5Bは、通常、定期的にスマートゲートウェイ10Aからセンサ情報を取得し、保管したり異常分析に利用したりしている。そのため、センサ処理サーバ5Bにて、スマートゲートウェイ10Aにより送信されたセンサ情報に基づき、受変電設備2における異常の有無を判定してもよい。センサ処理サーバ5Bは、受変電設備2に異常が有ると判定した場合は、端末装置6に当該異常について通知するようにしてもよい。端末装置6への通知とは、例えばメール通知等であってもよい。端末装置6を保持する電気保安技術者は、メール通知を受信することにより出勤要請があったことを認知し、メール通知に示される受変電設備2へ向かうことができる。
【0048】
また、端末装置6が受信するメール通知には、端末装置6にてセンサ情報をリアルタイムで連続的に表示(リアルタイム表示)できるようにするため、センサ処理サーバ5Bと接続し情報送受するためのリンクが含まれていてもよい。当該リンクはweb上のURLであってもよいし、アプリケーションの起動ボタンであってもよい。すなわち、センサ処理サーバ5Bから端末装置6へ送信される通知に、異常が有ると判定された受変電設備2に設置された環境センサ30からのセンサ情報の提供を、センサ処理サーバ5Bに対し要求するための情報が含まれていてもよい。
また、警報処理サーバ5Aは、スマートゲートウェイ10Aからの漏電に関する警報情報を取得し、電気保安技術者にメール等にて連絡を行ったりしている。そのため、警報処理サーバ5Aが電気保安技術者に送信する漏電に関する警報についてのメールに、センサ情報をリアルタイム表示できるようにするため、センサ処理サーバ5Bと接続し情報送受するためのリンクが含まれていてもよい。すなわち、警報処理サーバ5Aから端末装置6へ送信される通知に、警報が発報されたスマートゲートウェイ10Aに接続された環境センサ30からのセンサ情報の提供を、センサ処理サーバ5Bに対し要求するための情報が含まれていてもよい。
また、センサ処理サーバ5Bにてセンサ情報の処理や保管、センサ情報の送受信を行い、警報処理サーバ5Aにて保安システムとしての運用管理を行う、と分担化されている場合には、センサ処理サーバ5Bがセンサ情報に基づき何らかの異常を検知した後、異常に関する情報を警報処理サーバ5Aに送信し、警報処理サーバ5Aにて、他の通知情報等と合わせて端末装置6に対してメール通知をするようにしてもよい。またこの場合にも、そのメール通知に、センサ情報をリアルタイム表示できるようにするため、センサ処理サーバ5Bと接続し情報送受するためのリンクが含まれていてもよい。
【0049】
[端末装置]
図5は、実施形態に係る端末装置の機能構成図の一例を示す図である。同図を参照しながら、端末装置6の機能構成の一例について説明する。端末装置6は、操作取得部61と、出力部62と、取得部63と、グラフ作成部65と、表示部66と、承認取得部67を備える。
端末装置6は、バスで接続された不図示のCPU、ROM又はRAM等の記憶装置等を備え、端末プログラムを実行することによって操作取得部61と、出力部62と、取得部63と、グラフ作成部65と、表示部66とを備える装置として機能する。なお、端末装置6の各機能の全てまたは一部は、ASIC、PLD又はFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。端末プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。端末プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
端末装置6は、例えば、ノートPC、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。端末装置6は、保安システム1を利用する電気保安技術者により保持及び使用される。
【0050】
操作取得部61は、電気保安技術者などのユーザからの操作によって入力された各種情報を取得する。ここで、操作とは、端末装置6が備える不図示のタッチパネルにおけるタッチ操作や不図示のキーボードによるキー入力操作等であってもよいし、不図示の音声入力装置における音声入力操作等であってもよい。
操作取得部61は、環境センサ30についての情報を取得するため、ユーザから特定のスマートゲートウェイ10Aを指定する操作を受け、当該特定のスマートゲートウェイ10Aの情報を含む要求情報IREQを出力部62に送出する。また、操作取得部61は、当該特定のスマートゲートウェイ10Aに関連付けられている環境センサ30のうち、リアルタイム情報IRを必要とする特定の環境センサ30を選択する操作を受け、当該特定の環境センサ30を指定する要求情報IRSを出力部に送出する。また、操作取得部61は、停止したいリアルタイム情報IRに関する環境センサ30を選択する操作を受け、選択された環境センサ30について、停止を要求する情報を出力部62に送出する。
出力部62は、取得した要求情報IREQ、要求情報IRS、および、リアルタイム情報IRの停止を要求する情報を、所定の通信ネットワークNWに出力し、図示しないセンサ処理サーバ5Bに送信する。
承認取得部67は、センサ処理サーバ5Bから承認情報IACKを取得する。承認情報IACKには特定のスマートゲートウェイ10Aに関連付けられた環境センサ30の種類が含まれているため、承認取得部67は、環境センサの種類を選択可能とする画面の表示データを作成し、後述する表示部66に送出する。
【0051】
取得部63は、通信ネットワークNWを介して、所定の時間間隔でリアルタイム情報IRを取得する。取得部63は、図示しないセンサ処理サーバ5Bから通信ネットワークNWを介して取得したリアルタイム情報IRをグラフ作成部65に送出する。
グラフ作成部65は、表示部66に表示させるグラフ画像に関する表示データを作成する。グラフ作成部65は、表示部66に表示させるグラフの表示エリアに対し、リアルタイム情報IRを取得する都度、リアルタイム情報IRが示す値をプロット表示させるためのデータを作成し、表示部66に出力する。すなわち、グラフ作成部65は、受変電設備2にある環境センサ30のセンサ情報について、時間ごとの変化をリアルタイムで連続的に示すグラフの表示データを作成する。
【0052】
表示部66は、承認取得部67により作成された環境センサを選択する画面に関する表示データを取得して表示する。また表示部66は、グラフ作成部65により作成されたグラフの表示データを取得し表示することで、センサ情報の時間ごとの変化をリアルタイムで可視化する。表示部66は、不図示のCPUの制御に応じて各種情報を表示する。表示部66は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等であってもよい。
【0053】
なお、端末装置6において、リアルタイム情報IRの取得時に、図示しない記憶部にリアルタイム情報IRを記憶するようにしてもよい。
図6は、図示しない記憶部に記憶するリアルタイム情報IRの一例である。同図には、環境センサ30の一例として、“環境センサA”と、“環境センサB”と、“環境センサC”とが示されている。また、同図では、時刻“12時35分42秒”における“環境センサA”の値は“12.5”であり、“環境センサB”の値は“1.8”であり、“環境センサC”の値は“4.6”である。時刻“12時35分43秒”における“環境センサA”の値は“12.6”であり、“環境センサB”の値は“2.4”であり、“環境センサC”の値は“4.3”である。時刻“12時35分44秒”における“環境センサA”の値は“12.5”であり、“環境センサB”の値は“2.3”であり、“環境センサC”の値は“4.1”である。
図7は、
図6に示す、記憶されたリアルタイム情報IRを用いて作成したグラフの一例である。同図は、“環境センサA”、“環境センサB”及び“環境センサC”の出力値の時間ごとの変化を示す。このように、リアルタイム情報IRを記憶しておくことで、後でグラフ化して確認することができるようにしてもよい。
【0054】
[保安システムの一連の動作]
図8は、実施形態に係る保安システムの一連の動作について説明するための図である。同図を参照しながら、保安システム1の一連の動作について説明する。
【0055】
(ステップS110)端末装置6は、ユーザからの操作に基づき、センサ処理サーバ5Bに対して要求情報IREQを出力する。要求情報IREQには、ユーザがリアルタイム情報IRを取得したい環境センサ30が接続される、特定のスマートゲートウェイ10Aについての識別情報が含まれる。
(ステップS120)センサ処理サーバ5Bは、端末装置6から要求情報IREQを取得すると、要求情報IREQにより特定されるスマートゲートウェイ10Aが備える環境センサ30についての情報ISを、センサ情報記憶部52から取得する。センサ処理サーバ5Bは、取得した情報ISに含まれる環境センサ30の種類に関する情報を含む、承認情報IACKを、端末装置6に対して出力する。
【0056】
(ステップS130)端末装置6は、承認情報IACKを受信し、特定のスマートゲートウェイ10Aが備える環境センサ30についての情報を取得する。端末装置6は、取得した環境センサ30についての情報に基づき、環境センサ30の種類を選択可能に表示する。端末装置6は、ユーザからの操作に基づき、特定のスマートゲートウェイ10Aが備える環境センサ30のうち、リアルタイム情報IRを取得したい環境センサ30の選択を受け付ける。端末装置6は、選択された環境センサ30の種類と特定のスマートゲートウェイ10Aの識別情報とを含む要求情報IRSを、センサ処理サーバ5Bに出力する。
なお、これ以降、センサ処理サーバ5Bと端末装置6間の通信は、センサ処理サーバ5Bと端末装置6のブラウザでオンライン状態を維持し双方向通信を可能とするWebSochetを使用している。
【0057】
(ステップS140)センサ処理サーバ5Bは、端末装置6から要求情報IRSを取得すると、特定のスマートゲートウェイ10Aに対し、要求情報IRSに含まれる環境センサ30からの連続したセンサ情報を含む、キュービクル情報ICの送信を要求するため、要求情報IRRを送信する。
なお、これ以降、センサ処理サーバ5Bとスマートゲートウェイ10A間の通信プロトコルは、UDPを使用している。
(ステップS150)スマートゲートウェイ10Aは、要求情報IRRを受信すると、キュービクル情報ICの送信可否を判定する。ここで、送信が不可の場合とは、例えば既にキュービクル情報ICの送信を要求する端末装置6の数が上限に達している場合等である。スマートゲートウェイ10Aは、キュービクル情報ICの送信ができない場合、センサ処理サーバ5Bに対してエラー情報を出力する。センサ処理サーバ5Bは、図示しないが、このエラー情報を端末装置6に出力する。
なお、キュービクル情報ICの送信可否の判断については、センサ処理サーバ5Bにおいて、ステップS140の処理の実施前に、受信した要求情報IRSに含まれる特定のスマートゲートウェイ10Aの識別情報を用いて判断するようにしてもよい。すなわち、同一のスマートゲートウェイ10Aの識別情報を含むIRSを、ある上限数を超えて取得した場合には、当該スマートゲートウェイ10Aに対する要求情報IRRは送信不可とし、エラー情報を端末装置6に対して出力するようにしてもよい。
【0058】
(ステップS160)スマートゲートウェイ10Aは、常に、環境センサ30からセンサ情報をインターフェイスボックス10B経由で取得しており、複数の環境センサ30を備える場合には、複数の環境センサ30からセンサ情報を取得している。スマートゲートウェイ10Aは、取得した環境センサ30のセンサ情報のうち、要求情報IRRに含まれる環境センサ30の種類についてのセンサ情報を、キュービクル情報ICとしてセンサ処理サーバ5Bに出力する。
(ステップS170)センサ処理サーバ5Bは、スマートゲートウェイ10Aからキュービクル情報ICを取得すると、取得したキュービクル情報ICに含まれるセンサ情報を何ら加工せずそのままリアルタイム情報IRとして、通信方式をWebSochetに変更して端末装置6に出力する。
【0059】
(ステップS180)端末装置6は、センサ処理サーバ5Bから送信されたリアルタイム情報IRを取得する。端末装置6は、リアルタイム情報IRを取得すると、リアルタイム情報IRに含まれる環境センサ30のセンサ情報の値をもとに、表示部66のグラフ表示エリアにプロットする。
【0060】
ステップS160からステップS180をステップS300とも記載する。ステップS300は、リアルタイム情報IRの送信・表示ステップである。リアルタイム情報IRの送信停止条件を満たすまでステップS300を繰り返すことにより、スマートゲートウェイ10Aは所定の時間間隔でキュービクル情報ICを送信し続け、センサ処理サーバ5Bはキュービクル情報ICを受けてリアルタイム情報IRを送信し続ける。所定の時間間隔とは、例えば1秒間隔等であってもよい。
また、送信停止条件とは、センサ処理サーバ50Bがリアルタイム情報IRの送信停止要求を受信すること、又はリアルタイム情報IRの送信を開始してから所定の時間を経過したこと等であってもよい。
これにより、端末装置6は、送信停止条件となるまでの間、受信したリアルタイム情報IRを、受信の都度、グラフ表示エリアに継続的にプロットすることで、時間毎の変化を連続的に示すグラフを作成する。
【0061】
(ステップS190)ユーザは、リアルタイム情報IRの送信の停止をさせたい場合、端末装置6を操作し、送信を停止させたい環境センサ30を指定することでセンサ処理サーバ5Bに送信停止要求を指示する。端末装置6は、ユーザの操作に応じてセンサ処理サーバ5Bに停止要求を出力する。
【0062】
(ステップS200)センサ処理サーバ5Bは、端末装置6からリアルタイム情報IRの送信停止要求を取得すると、該当のスマートゲートウェイ10Aに対して、指定された環境センサ30に関するキュービクル情報ICの送信停止要求を出力する。
(ステップS210)スマートゲートウェイ10Aは、センサ処理サーバ5Bからキュービクル情報ICの送信停止要求を取得する。スマートゲートウェイ10Aは、センサ処理サーバ5Bからキュービクル情報ICの送信停止要求を取得すると、指定された環境センサ30に関するセンサ情報を含むキュービクル情報ICの出力を停止する。
【0063】
[表示画面の一例]
次に、
図9及び
図10を参照しながら、端末装置6が表示する表示画面の一例について説明する。
図9は、実施形態に係る表示画面のリアルタイム表示前の一例について説明するための図であり、
図8のステップS130において環境センサ30の選択をした直後の図である。表示画面D10は、画面の構成要素として管理データ取得部D110と、センサ選択部D140と、表示選択部D150と、リアルタイム情報表示部D160とを備える。
【0064】
管理データ取得部D110は、ユーザからスマートゲートウェイ10Aを識別する情報である管理データを取得する。具体的には、ユーザである電気保安技術者は、管理データを、不図示のタッチパネル等の文字入力装置により、管理データ取得部D110に入力する。同図に示す一例では、管理データとして“A-0001”が入力されている。
【0065】
センサ選択部D140には、管理データ取得部D110にその管理データが入力されたスマートゲートウェイ10Aが備える環境センサ30の種類が、選択可能に表示されている。センサ選択部D140は、センサ処理サーバ5Bから取得した承認情報IACKに含まれ、管理データに関連付けらてセンサ情報記憶部52に記憶されている、環境センサ30の種類に基づいて作成される。つまり、センサ選択部D140で選択可能に表示させるセンサの種類は、管理データ取得部D110に入力された管理データに応じて変更される。ユーザは、センサ選択部D140に表示された環境センサ30のうち、リアルタイム情報IRの取得を希望する環境センサ30を選択する。同図に示す一例では、“環境センサA”、“環境センサB”及び“環境センサC”が選択されている。
【0066】
表示選択部D150は、ユーザにより押下等の操作がなされると、センサ処理サーバ5Bにリアルタイム情報IRの送信開始を要求する。表示選択部D150は、送信開始の要求と併せて、送信停止の要求を行うよう構成されていてもよい。
【0067】
リアルタイム情報表示部D160は、グラフ作成部65により作成されたグラフを表示するグラフ表示エリアである。端末装置6は、リアルタイム情報IRを取得すると、グラフを作成し、リアルタイム情報表示部D160に表示させる。同図に示す一例では、表示選択部D150を操作する前であるため、リアルタイム情報IRが取得されておらず、グラフ作成のためのデータが存在しないため、グラフは作成されず、リアルタイム情報表示部D160にグラフは表示されていない。
【0068】
図10は、実施形態に係る表示画面のリアルタイム表示中の一例について説明するための図であり、
図8のステップS300において作成されるリアルタイム情報IRのグラフを示す図である。
次に、同図を参照しながら、リアルタイム表示中の一例について説明する。同図を参照しながら行う説明において、
図9と同様の構成については同様の符号を付すことにより説明を省略する場合がある。
図10においては、リアルタイム情報表示部D160にグラフが表示されている点において
図9とは異なる。
【0069】
図10に示す一例では、既に表示選択部D150が押下されているため、端末装置6は所定の時間間隔で、スマートゲートウェイ10Aからのキュービクル情報ICに基づくリアルタイム情報IRを取得する。端末装置6は、リアルタイム情報IRを取得すると、リアルタイム情報IRに含まれるセンサ情報に基づいてグラフを作成し、リアルタイム情報表示部D160に表示させる。
同図に示す一例では、センサ選択部D140により“環境センサA”、“環境センサB”及び“環境センサC”が選択されているため、リアルタイム情報表示部D160には、“環境センサA”、“環境センサB”及び“環境センサC”のセンサ情報の値がリアルタイムでプロットされ表示される。
【0070】
リアルタイム情報表示部D160は、所定の時間間隔で、表示しているグラフの更新を続ける。端末装置6には、リアルタイム情報停止要求をしたり、所定時間が経過したりしない限り、選択した環境センサ30に関するリアルタイム情報IRが所定の時間間隔で継続的に送信されてくる。そのため、リアルタイム情報IRを受信する都度、すなわち、所定の時間間隔で、既に表示しているグラフに対して、リアルタイム情報IRに含まれるセンサ情報の値を追加プロットすることで、グラフを更新しセンサ情報を経時的に可視化する。リアルタイム情報表示部D160は、リアルタイム情報IRの受信が途絶えた場合、グラフの更新を停止する。リアルタイム情報IRの受信が途絶えた場合とは、ユーザにより停止要求が送信された場合や、リアルタイム情報IRの送信開始要求をした後、リアルタイム情報IRの送信停止を判断する所定時間が経過した場合である。
【0071】
[実施形態のまとめ]
以上説明した実施形態の保安システム1によれば、スマートゲートウェイ10Aは、受変電設備に設置された環境センサが出力したセンサ情報を送信し、センサ処理サーバ5Bは、センサ情報をスマートゲートウェイ10Aから取得し、端末装置6は、スマートゲートウェイ10Aからのセンサ情報の提供をセンサ処理サーバ5Bに対して要求し、要求に応じて提供されたセンサ情報を取得し、取得した情報を可視化する。スマートゲートウェイ10Aは、環境センサ30からセンサ情報を取得し、取得した情報を所定の時間間隔でセンサ処理サーバ5Bに送信する。センサ処理サーバ5Bは、スマートゲートウェイ10Aから取得したセンサ情報を所定の時間間隔で端末装置6に送信する。端末装置6は、センサ処理サーバ5Bからセンサ情報を所定の時間間隔で受信し、受信の都度、出力装置に出力することで、所定の時間ごとのセンサ情報の変化を継続的に可視化する。
すなわち、保安システム1によれば、環境センサ30により取得された情報を端末装置6に表示するため、好適な機能分担がされている。具体的には、環境センサ30により取得された情報は、センサ処理サーバ5Bにより仲介され、端末装置6に送信される。端末装置6は、環境センサ30の出力情報に基づいてグラフを作成する。したがって、グラフを作成する機能は、センサ処理サーバ5Bではなく端末装置6が有するため、センサ処理サーバ5Bの処理負担が少なく、送信すべき情報量も少ない。よって、本実施形態によれば、保安システム1は、受変電設備に設置されたセンサ情報を、好適な通信量でリアルタイムに監視することができる。
【0072】
また、端末装置6は、リアルタイムで受信した環境センサ30の出力情報を時間ごとに繋いでいくことによりグラフを作成することができる。したがって、端末装置6は、容量が大きいグラフ等の情報をダウンロードする必要がなく、迅速にグラフ表示することができる。
【0073】
また、上述した保安システム1によれば、インターフェイスボックス10Bは、複数の環境センサ30からそれぞれ受変電設備2に生じた異常に関する情報を取得する。複数のスマートゲートウェイ10Aが複数の環境センサ30からそれぞれ取得する受変電設備2に生じた異常に関する情報は、複数のスマートゲートウェイ10Aにおいて互いに異なる。すなわち、本実施形態によれば、受変電設備2ごとに、接続される環境センサ30が異なる。したがって、本実施形態によれば、受変電設備2ごとに必要な情報を取得することができる。
【0074】
また、上述した保安システム1によれば、受変電設備2は複数あり、センサ処理サーバ5Bは、複数の受変電設備2のそれぞれに設置されたスマートゲートウェイ10Aと接続され、環境センサ30は、複数の受変電設備2のそれぞれに設置されたスマートゲートウェイ10Aに対して複数接続される。スマートゲートウェイ10Aは、自装置が設置された受変電設備2に設置された複数の環境センサからそれぞれセンサ情報を取得してセンサ処理サーバ5Bに送信する。したがって、本実施形態によれは、複数の受変電設備2についてリアルタイムに監視することができる。
【0075】
また、上述した保安システム1によれば、端末装置6は、特定のスマートゲートウェイ10Aについて、スマートゲートウェイ10Aが複数の環境センサ30から取得するセンサ情報のうち、特定の環境センサ30から取得されたセンサ情報の提供をセンサ処理サーバ5Bに対し要求する。すなわち、本実施形態によれば、ユーザは、スマートゲートウェイ10Aに接続される複数の環境センサ30のうち、どの環境センサ30の情報が見たいか、端末装置6を操作することにより選択する。したがって、本実施形態によれば、送信する情報量を限定することにより、回線の負荷(使用量)を軽減することができる。
【0076】
また、上述した保安システム1によれば、センサ処理サーバ5Bは、接続する複数のスマートゲートウェイ10Aを識別する情報に関連付けて、スマートゲートウェイ10Aが設置される受変電設備2に設置されている複数の環境センサ30を識別する情報を記憶し、端末装置6から、特定のスマートゲートウェイ10Aからのセンサ情報の提供について要求を受信した場合、スマートゲートウェイ10Aを識別する情報に基づいて、スマートゲートウェイ10Aが設置された受変電設備2に設置された環境センサ30を識別する情報を取得し、取得した環境センサ30を識別する情報に基づいて、スマートゲートウェイ10Aについてセンサ情報の提供が可能なセンサを識別する情報を、端末装置6に選択可能に提供する。したがって、本実施形態によれは、センサ処理サーバ5Bは、複数の受変電設備2についてリアルタイムに監視することができる。
【0077】
また、上述した保安システム1によれば、センサ処理サーバ5Bがスマートゲートウェイ10Aから取得する情報であるキュービクル情報ICと、端末装置6に出力する情報であるリアルタイム情報IRとは同一である。すなわち、センサ処理サーバ5Bは、取得した情報についてグラフを作成する等の加工をせずに、端末装置6に送信する。したがって、本実施形態によれば、センサ処理サーバ5Bの負荷を端末装置6に分担させることができる。端末装置6は、例えば、ノートPCや、スマートフォンや、タブレット端末等であるため、受信した情報に基づいてグラフを作成し、表示する処理については、容易に行うことができる。
【0078】
また、上述した保安システム1によれば、端末装置6は、特定のスマートゲートウェイ10Aにより検知された異常に関する情報の提供の停止をセンサ処理サーバ5Bに対し要求し、センサ処理サーバ5Bは、特定のスマートゲートウェイ10Aにより検知された異常に関する情報の提供の停止について端末装置6から要求があった場合に、特定のスマートゲートウェイ10Aにより検知された異常に関する情報の提供を停止する。すなわち、本実施形態によれば、スマートゲートウェイ10Aは、端末装置6からの停止要求に基づき、リアルタイム情報IRの送信を停止する。したがって、本実施形態によれば、不要な情報の送信を抑止することができ、回線の負荷(使用量)を軽減することができる。
【0079】
また、上述した保安システム1によれば、センサ処理サーバ5Bは、特定のスマートゲートウェイ10Aからのセンサ情報の提供について端末装置6から要求があった後、所定期間経過した場合に、特定のスマートゲートウェイ10Aからのセンサ情報の提供を停止する。すなわち、本実施形態によれば、リアルタイム情報の最大送信可能時間を定めることにより、不要な情報の送信を抑止することができ、回線の負荷(使用量)を軽減することができる。
なお、情報の提供を停止するための最大送信可能時間は、リアルタイム情報IRの送信開始から定められていてもよいし、ユーザにより端末装置6の操作が最後に行われた時間から定められていてもよい。
【0080】
また、上述した保安システム1によれば、センサ処理サーバ5Bは、スマートゲートウェイ10Aからのセンサ情報に基づき受変電設備2における異常の有無を判定し、異常が有ると判定した場合、スマートゲートウェイ10Aからのセンサ情報の提供を、センサ処理サーバ5Bに対して要求することが可能な情報を含めて端末装置6に通知する。すなわち、本実施形態によれば、受変電設備2に異常があった場合、センサ処理サーバ5Bから端末装置6に連絡が行われる。したがって、端末装置6のユーザである電気保安技術者は、受変電設備2に異常がある場合、緊急出動することができる。
【0081】
また、上述した保安システム1によれば、受変電設備2に異常が有ると判定した場合に通知される通知であって、センサ処理サーバ5Bから端末装置6への通知には、異常が有ると判定されたスマートゲートウェイ10Aにより検知された異常に関する情報の提供をセンサ処理サーバ5Bに対し要求するための情報が含まれる。ここで、センサ処理サーバ5Bにより異常が有ると判定した場合に端末装置6に送信される通知とは、メールやアプリによる通知であってもよい。すなわち、本実施形態によれば、端末装置6のユーザは、警報サーバ5からのメールやアプリによる通知から、リアルタイム情報を表示させるための表示画面D10を開くことができる。したがって、本実施形態によれば、ユーザは、容易にリアルタイム情報を表示させることができる。
【0082】
また、上述した保安システム1によれば、さらに、警報に関するサーバ(警報処理サーバ5A)を有し、スマートゲートウェイ10Aは、受変電設備2における異常の有無を判定し、警報に関するサーバに対して警報を発報する。また、警報に関するサーバは、スマートゲートウェイ10Aから受信した警報に基づき、受変電設備2に異常が有ると判定した場合、スマートゲートウェイ10Aからのセンサ情報の提供を、センサ処理サーバ5Bに対して要求することが可能な情報を含めて端末装置6に通知する。すなわち、保安システム1は、受変電設備2に異常が発生した場合、端末装置6にセンサ情報を提供する。したがって、本実施形態によれば、ユーザは、警報が発報された場合に、警報が発報された受変電設備2のセンサ情報を表示させることができる。
【0083】
また、上述した保安システム1によれば、センサ処理サーバ5Bは、1つのスマートゲートウェイ10Aに対する複数の端末装置6からの要求を許容する。すなわち、本実施形態によれば、複数の端末装置6により、同時にリアルタイム情報をモニタすることができる。したがって、本実施形態によれば、端末装置6のユーザである電気保安技術者は、複数の作業員で同時に同一の受変電設備2を点検することができる。
【0084】
また、上述した保安システム1によれば、センサ処理サーバ5Bには、1つのスマートゲートウェイ10Aに対して要求を許容する端末装置6の数の上限が定められている。ここで、1つのスマートゲートウェイ10Aに対して要求を許容する端末装置6の数の上限とは、例えば4台等であってもよい。したがって、本実施形態によれば、多数の端末装置6が接続されることにより送信する情報量が多くなってしまうことを抑止することができ、回線の負荷(使用量)を軽減することができる。
【0085】
なお、上述した実施形態における保安システム1が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【符号の説明】
【0086】
1…保安システム、2…受変電設備、3…高圧配電線、4…低圧配電線、5…警報サーバ、5A…警報処理サーバ、5B…センサ処理サーバ、51…要求情報取得部、52…センサ情報記憶部、53…応答部、54…リアルタイム情報取得部、55…リアルタイム情報出力部、6…端末装置、61…操作取得部、62…出力部、63…取得部、64…リアルタイム情報記憶部、65…グラフ作成部、66…表示部、10A…スマートゲートウェイ、10B…インターフェイスボックス、11…トランスユニット、12…センサ変換ユニット、13…メインユニット、15…スマートゲートウェイ、20…変圧器、30…環境センサ、31…第1環境センサ、32…第2環境センサ、3n…第n環境センサ、NW…通信ネットワーク、IL…負荷情報、IE…環境情報、IC…キュービクル情報、IREQ…要求情報、IACK…承認情報、IR…リアルタイム情報、IS…センサ情報、D10…表示画面、D110…管理データ取得部、D140…センサ選択部、D150…表示選択部、D160…リアルタイム情報表示部
【要約】
【課題】受変電設備に設置されたセンサ情報を、好適な通信量でリアルタイムに監視する。
【解決手段】保安システムは、受変電設備に設置された環境センサが出力したセンサ情報を送信するゲートウェイと、センサ情報をゲートウェイから取得するサーバ装置と、ゲートウェイからのセンサ情報の提供を、サーバ装置に対して要求し、要求に応じて提供されたセンサ情報を取得し、取得した情報を可視化する端末装置とを備え、ゲートウェイは、環境センサからセンサ情報を取得し、取得した情報を所定の時間間隔でサーバ装置に送信し、サーバ装置は、ゲートウェイから取得したセンサ情報を所定の時間間隔で端末装置に送信し、端末装置は、サーバ装置からセンサ情報を所定の時間間隔で受信し、信の都度、出力装置に出力することで、所定の時間ごとのセンサ情報の変化を継続的に可視化する。
【選択図】
図1