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  • 特許-電子パーキングの機械的ロック解除機構 図1
  • 特許-電子パーキングの機械的ロック解除機構 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-19
(54)【発明の名称】電子パーキングの機械的ロック解除機構
(51)【国際特許分類】
   F16H 63/34 20060101AFI20230511BHJP
   F16H 61/32 20060101ALI20230511BHJP
   B60T 1/06 20060101ALI20230511BHJP
   F16D 63/00 20060101ALI20230511BHJP
   F16D 65/16 20060101ALI20230511BHJP
   F16D 127/04 20120101ALN20230511BHJP
   F16D 129/04 20120101ALN20230511BHJP
【FI】
F16H63/34
F16H61/32
B60T1/06 G
F16D63/00 H
F16D65/16
F16D127:04
F16D129:04
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022556128
(86)(22)【出願日】2020-04-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-24
(86)【国際出願番号】 CN2020083762
(87)【国際公開番号】W WO2021184454
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2022-09-16
(31)【優先権主張番号】202010186938.2
(32)【優先日】2020-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522084131
【氏名又は名称】精▲進▼▲電▼▲動▼科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100109036
【弁理士】
【氏名又は名称】永岡 重幸
(72)【発明者】
【氏名】侯 得▲鋒▼
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼ 冉
(72)【発明者】
【氏名】李 建文
【審査官】畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110686077(CN,A)
【文献】特開平5-322043(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106439000(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 63/34
F16H 61/32
B60T 1/06
F16D 63/00
F16D 65/16
F16D 127/04
F16D 129/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子パーキングの機械的ロック解除機構であって、パーキングカムアセンブリ、ポールアセンブリ、プルロッドアセンブリ及びパーキングギアを含み、
前記パーキングカムアセンブリが、パーキングガイド軸及びパーキングカムを含み、前記パーキングカムが前記パーキングガイド軸に外装されており、前記パーキングカムの両側には、少なくとも第一の突起部及び第二の突起部が設けられており、前記第二の突起部に接続部が設けられており、
前記ポールアセンブリがポールを含み、前記ポールアセンブリの一端が前記第一の突起部に当接し、
前記プルロッドアセンブリが前記接続部を介して前記パーキングカムに接続されており、前記プルロッドアセンブリが前記第二の突起部を引っ張って前記パーキングカムを回転させ、
前記パーキングギアについては、前記ポールアセンブリが、前記パーキングカムの回転に伴って、前記パーキングギアにパーキングインする第一の位置、及び、前記パーキングギアからパーキングアウトする第二の位置にそれぞれ位置することに応じて、前記パーキングギアが固定又は回転可能である、ことを特徴とする電子パーキングの機械的ロック解除機構。
【請求項2】
前記接続部が溝であり、前記溝が通し溝又は止まり溝であり、かつ、前記溝の形状が弧状、円形又は多角形である、ことを特徴とする請求項1に記載の機械的ロック解除機構。
【請求項3】
前記プルロッドアセンブリが、コネクティングロッド、ピン、及び止め輪を含み、
前記コネクティングロッドの一端が前記ピンを介して前記溝内に取り付けられており、前記コネクティングロッドと接触する前記ピンの外側には、前記ピンを固定するための前記止め輪が設けられており、
前記コネクティングロッドを引くことにより、前記パーキングカムを回転させる、ことを特徴とする請求項2に記載の機械的ロック解除機構。
【請求項4】
前記プルロッドアセンブリが、プルロッド及びシールリングをさらに含み、
前記プルロッドが、ギアボックス筐体における外部に通じるガイド穴に隙間ばめして取り付けられており、前記プルロッドには、前記ギアボックス筐体との間に前記シールリングが設けられており、前記プルロッドの一端が前記ピンを介して前記コネクティングロッドと可動に接続されており、前記コネクティングロッド及び前記プルロッドと接触する前記ピンの外側には、前記ピンを固定するための前記止め輪が設けられている、ことを特徴とする請求項3に記載の機械的ロック解除機構。
【請求項5】
前記第一の突起部には、周方向に弧状の突起が設けられており、前記弧状の突起が前記ポールアセンブリと接触し、前記パーキングカムアセンブリが、軸方向位置規制ブロック、パーキングカム位置規制プレート、パドルばねをさらに含み、
前記パーキングカム位置規制プレートが、前記パーキングガイド軸に固定されており、前記軸方向位置規制ブロックが、前記パーキングガイド軸に締まりばめして外装されており、前記パーキングカムが、前記軸方向位置規制ブロックとパーキングカム位置規制プレートとの間の前記パーキングガイド軸に外装されており、前記パーキングカム位置規制プレートが前記パーキングカムを回動させることが可能であり、
前記パドルばねによって、機械的ロック解除後の復帰力及びパーキングイン時の継続的な動力が提供される、ことを特徴とする請求項1に記載の機械的ロック解除機構。
【請求項6】
前記ポールアセンブリが、ローラ、ローラピンをさらに含み、
前記ポールの末端に凹溝が設けられており、前記ローラが前記ローラピンを介して前記凹溝内に固定されており、前記ローラが前記第一の突起部に当接し、前記ポールの下部には、前記パーキングギアと噛合可能なバンプが設けられている、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の機械的ロック解除機構。
【請求項7】
前記ポールアセンブリが、ポール回転軸、ねじりばねをさらに含み、前記ポール回転軸が前記ポールの一側に設けられており、前記ポールが前記ポール回転軸周りに回転揺動可能であり、
前記ポールの一側が前記ポール回転軸に外装されており、前記ポール回転軸がギアボックスの両側の筐体に固定されており、前記ポールが前記ポール回転軸周りに回動可能であり、前記ねじりばねは、一端がギアボックス筐体に固定され、他端が前記ポールに固定されていることにより、前記ポールが前記パーキングカムに予め圧着される、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の機械的ロック解除機構。
【請求項8】
前記機械的ロック解除機構が、ねじりばね故障防止アセンブリをさらに含み、前記ねじりばね故障防止アセンブリが、前記ポールの末端のガイド部の端部に設けられたガイドピンと、前記パーキングカム及び/又はパーキングカム位置規制プレートに設けられたガイド溝とを含み、前記ガイドピンが前記ガイド溝内に入り込む、ことを特徴とする請求項7に記載の機械的ロック解除機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーキング制御の分野に関し、具体的に、電子パーキングの機械的ロック解除機構に関する。
【背景技術】
【0002】
ギアボックスの電子パーキング機構は、自動車を路上や坂道に駐車する際に、車両が滑走したり後方にずり下がったりしてしまうのを防ぐ機構である。現在、多数の新エネルギーギアボックスの電子パーキング機構は、構造上の柔軟性が不十分で、製品のライフサイクルが限られ、しかも、機械的ロック解除機構がパーキングモータのウォームに配置されており、パーキングモータの電源が失われた場合、このようなロック解除方式では、機械的ロック解除を実施するために、運転者が車両の下で操作しなければならず、安全性が低く、快適性が悪い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記問題に鑑みて、本発明は、上記の問題を解決又は部分的に解決する電子パーキングの機械的ロック解除機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明の技術案は、以下のように実現される。
【0005】
本発明では、電子パーキングの機械的ロック解除機構が提供されており、前記機械的ロック解除機構が、パーキングカムアセンブリ、ポールアセンブリ、プルロッドアセンブリ及びパーキングギアを含み、
前記パーキングカムアセンブリが、パーキングガイド軸及びパーキングカムを含み、前記パーキングカムが前記パーキングガイド軸に外装されており、前記パーキングカムの両側には、少なくとも第一の突起部及び第二の突起部が設けられており、前記第二の突起部に接続部が設けられており、
前記ポールアセンブリがポールを含み、前記ポールアセンブリの一端が前記第一の突起部に当接し、
前記プルロッドアセンブリが前記接続部を介して前記パーキングカムに接続されており、前記プルロッドアセンブリが前記第二の突起部を引っ張って前記パーキングカムを回転させ、
前記パーキングギアについては、前記ポールアセンブリが、前記パーキングカムの回転に伴って、前記パーキングギアにパーキングインする第一の位置、及び、前記パーキングギアからパーキングアウトする第二の位置にそれぞれ位置することに応じて、前記パーキングギアが固定又は回転可能である。
【0006】
さらに、前記接続部が溝であり、前記溝が通し溝又は止まり溝であり、かつ、前記溝の形状が弧状、円形又は多角形である。
【0007】
さらに、前記プルロッドアセンブリが、コネクティングロッド、ピン、及び止め輪を含み、
前記コネクティングロッドの一端が前記ピンを介して前記溝内に取り付けられており、前記コネクティングロッドと接触する前記ピンの外側には、前記ピンを固定するための前記止め輪が設けられており、
前記コネクティングロッドを引くことにより、前記パーキングカムを回転させる。
【0008】
さらに、前記プルロッドアセンブリが、プルロッド及びシールリングをさらに含み、
前記プルロッドが、ギアボックス筐体における外部に通じるガイド穴に隙間ばめして取り付けられており、前記プルロッドには、前記ギアボックス筐体との間に前記シールリングが設けられており、前記プルロッドの一端が前記ピンを介して前記コネクティングロッドと可動に接続されており、前記コネクティングロッド及び前記プルロッドと接触する前記ピンの外側には、前記ピンを固定するための前記止め輪が設けられている。
【0009】
さらに、前記第一の突起部には、周方向に弧状の突起が設けられており、前記弧状の突起が前記ポールアセンブリと接触し、前記パーキングカムアセンブリが、軸方向位置規制ブロック、パーキングカム位置規制プレート、パドルばねをさらに含み、
前記パーキングカム位置規制プレートが、前記パーキングガイド軸に固定されており、前記軸方向位置規制ブロックが、前記パーキングガイド軸に締まりばめして外装されており、前記パーキングカムが、前記軸方向位置規制ブロックとパーキングカム位置規制プレートとの間の前記パーキングガイド軸に外装されており、前記パーキングカム位置規制プレートが前記パーキングカムを回動させることが可能であり、
前記パドルばねによって、機械的ロック解除後の復帰力及びパーキングイン時の継続的な動力が提供される。
【0010】
さらに、前記ポールアセンブリが、ローラ、ローラピンをさらに含み、
前記ポールの末端に凹溝が設けられており、前記ローラが前記ローラピンを介して前記凹溝内に固定されており、前記ローラが前記第一の突起部に当接し、前記ポールの下部には、前記パーキングギアと噛合可能なバンプが設けられている。
【0011】
さらに、前記ポールアセンブリが、ポール回転軸、ねじりばねをさらに含み、前記ポール回転軸が前記ポールの一側に設けられており、前記ポールが前記ポール回転軸周りに回転揺動可能であり、
前記ポールの一側が前記ポール回転軸に外装されており、前記ポール回転軸がギアボックスの両側の筐体に固定されており、前記ポールが前記ポール回転軸周りに回動可能であり、前記ねじりばねは、一端がギアボックス筐体に固定され、他端が前記ポールに固定されていることにより、前記ポールが前記パーキングカムに予め圧着される。
【0012】
さらに、前記機械的ロック解除機構が、ねじりばね故障防止アセンブリをさらに含み、前記ねじりばね故障防止アセンブリが、前記ポールの末端のガイド部の端部に設けられたガイドピンと、前記パーキングカム及び/又はパーキングカム位置規制プレートに設けられたガイド溝とを含み、前記ガイドピンが前記ガイド溝内に入り込む。
【発明の効果】
【0013】
上記電子パーキングの機械的ロック解除機構を用いると、以下の利点を有する。
【0014】
本発明における機械的ロック解除機構は、パーキングモータへの電力供給が断たれた場合における緊急機械的ロック解除機能を提供でき、パーキングカムがプルロッドアセンブリを介して運転室内の制御部材に接続され、運転者が運転室内で機械的ロック解除を実現でき、機械的ロック解除機構によって、電源からの動力なしで純粋に機械的に運転室内でのロック解除を実現でき、運転者が車から降りて操作する必要がなく、安全性能が高くて、操作の快適性が良く、また、本発明の機械的ロック解除機構は、ねじりばね故障防止アセンブリを設けることにより、ねじりばねが故障した場合でも、パーキングロック解除を実現することができ、かつ、非パーキング状態では、ポールがパーキングギア溝内に落下するのを効果的に防止することができる。
【0015】
上記の説明は、本発明の技術案の概要に過ぎず、本発明の技術手段をより明らかに理解して、それらを明細書の内容に従って実施することができるように、また、本発明の上記及び他の目的、特徴及び利点をより容易に理解するために、以下、特に、本発明の具体的な実施形態を例示する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の一実施例における電子パーキングの機械的ロック解除機構の構造模式図を示している。
図2図2は、本発明の一実施例におけるパーキング状態のパーキングカム及びポールの構造模式図を示している。
図3図3は、本発明の一実施例における機械的ロック解除後のパーキングカム及びポールの構造模式図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の例示的な実施例をさらに詳しく説明する。本発明の例示的な実施例が図面に示されているが、本発明は、様々な形態で実現されてもよく、ここに記載の実施例によって限定されないことを理解すべきである。むしろ、これらの実施例は、本発明がよりよく理解され、本発明の範囲が当業者に完全に伝えられるように提供される。
【0018】
図1に示すように、本発明では、電子パーキングの機械的ロック解除機構が提供されており、当該機械的ロック解除機構が、パーキングカムアセンブリ、ポールアセンブリ、プルロッドアセンブリ、及びパーキングギア1を含む。
【0019】
具体的に、パーキングカムアセンブリが、パーキングガイド軸10及びパーキングカム13を含み、パーキングカム13がパーキングガイド軸10に外装されており、パーキングカム13の両側には、少なくとも第一の突起部及び第二の突起部が設けられており、第二の突起部に接続部が設けられており、パーキングガイド軸10は、一端が平軸であり、他端が丸軸であり、パーキングガイド軸10がギアボックス筐体を貫通し、パーキングガイド軸10の平軸端がパーキングモータに接続され、パーキングモータがパーキングガイド軸10を回動させる。
【0020】
ポールアセンブリがポール2を含み、ポールアセンブリの一端が第一の突起部に当接している。
【0021】
プルロッドアセンブリが接続部を介してパーキングカム13に接続されており、プルロッドアセンブリが第二の突起部を引っ張ってパーキングカム13を回転させる。
【0022】
パーキングギア1については、ポールアセンブリが、パーキングカム13の回転に伴って、パーキングギア1にパーキングインする第一の位置、及び、パーキングギア1からパーキングアウトする第二の位置にそれぞれ位置することに応じて、パーキングギア1が固定又は回転可能である。パーキングカム13の回転に伴って、第一の突起部の異なる部位がポールアセンブリに当接することで、ポールアセンブリが、パーキングギア1にパーキングインする第一の位置、又は、パーキングギア1からパーキングする第二の位置に位置するようになる。
【0023】
以上をまとめて、本発明の実施例における機械的ロック解除構造は、パーキングモータの電源が失われてパーキングロック解除が実現できない場合に、機械的ロック解除方式を提供することができ、プルロッドアセンブリによってパーキングカム13を回動させて、パーキングポールアセンブリとパーキングギア1との位置関係が、パーキングインする第一の位置から、パーキングアウトする第二の位置に変更され、さらに、パーキングのロック解除が実現される。本実施例による機械的ロック解除機構は、車両の下で機械的ロック解除を行う必要がなく、かつ、当該機械的ロック解除機構は、操作が簡単であり、安全性が高く、快適性が良い。
【0024】
一実施例において、接続部が溝であり、溝が通し溝又は止まり溝であり、かつ、溝の形状が弧状、円形又は多角形である。
【0025】
一実施例において、図2に示すように、プルロッドアセンブリが、コネクティングロッド7、ピン6、及び止め輪8を含む。
【0026】
コネクティングロッド7の一端がピン6を介して溝内に取り付けられており、コネクティングロッド7がパーキングカム13と可動に接続されており、コネクティングロッド7と接触するピン6の外側には、ピン6を固定するための止め輪8が設けられている。
【0027】
コネクティングロッド7を引くことにより、パーキングカム13を回転させる。
【0028】
一実施例において、プルロッドアセンブリが、プルロッド5及びシールリングをさらに含む。
【0029】
プルロッド5が、ギアボックス筐体における外部に通じるガイド穴に隙間ばめして取り付けられており、プルロッド5には、ギアボックス筐体との間にシールリングが設けられており、プルロッド5の一端がピン6を介してコネクティングロッド7と可動に接続されており、コネクティングロッド7及びプルロッド5と接触するピン6の外側には、ピン6を固定するための止め輪が設けられている。プルロッド5の一端がピン6を介してコネクティングロッド7と可動に接続されており、プルロッド5の他端が全車プルワイヤ又は全車プルロッドを介して運転室内の制御部材に接続されており、運転者が運転室内で制御部材を介してプルロッド5を引くことで、パーキングカム13の回転が実現され、機械的ロック解除が実現される。
【0030】
一実施例において、第一の突起部には、周方向に弧状の突起が設けられており、弧状の突起がポールアセンブリと接触する。弧状の突起がポールアセンブリに当接すると、ポールアセンブリが押し下げられてパーキングギア1と噛み合って、パーキングインが実現され、このとき、パーキングカム13とポール2との位置構造が、図2に示すようになり、弧状の突起以外の第一の突起部がポールアセンブリに当接すると、ポールアセンブリが持ち上げられてパーキングギア1から離れ、パーキングアウトが実現され、このとき、パーキングカム13とポール2との位置構造が、図3に示すようになる。パーキングカムアセンブリが、軸方向位置規制ブロック9、パーキングカム位置規制プレート11、パドルばね12をさらに含む。
【0031】
パーキングカム位置規制プレート11が、パーキングガイド軸10に固定されており、軸方向位置規制ブロック9が、パーキングガイド軸10に締まりばめして外装されており、パーキングカム13が、軸方向位置規制ブロック9とパーキングカム位置規制プレート11との間のパーキングガイド軸10に外装されており、パーキングカム位置規制プレート11が、パーキングカム13を回動させることが可能である。
【0032】
パドルばねによって、機械的ロック解除後の復帰力及びパーキングイン時の継続的な動力が提供される。図1に示すように、パーキングカム位置規制プレート11が少なくとも、間隔を置いて設けられた第一のブレード部及び第二のブレード部を含み、第一のブレード部及び第二のブレード部がパーキングカム13の第一の突起部の両側にそれぞれ設けられており、第一のブレード部における第一の突起部に向いた側には、第一のばね柱が設けられており、第一の突起部には、対応する第二のばね柱が設けられており、第一のばね柱及び第二のばね柱には、パドルばね12が外装されており、第二のブレード部には、第一の突起部の他側に当接する湾曲爪が形成されている。
【0033】
一実施例において、ポールアセンブリが、ローラ14、ローラピン15をさらに含む。
【0034】
具体的に、ポール2の末端に凹溝が設けられており、ローラ14がローラピン15を介して凹溝内に固定されており、ローラ14が第一の突起部に当接し、ポール2の下部には、パーキングギア1と噛合可能なバンプが設けられている。そのうち、ローラ14がローラピン15の径方向に沿って転動可能であり、ローラ14を設計するのは、ポール2の上部とパーキングカム13との接合部の摩擦力及び摩耗を低減し、その使用寿命を延ばすためである。
【0035】
一実施例において、ポールアセンブリが、ポール回転軸3、ねじりばね4をさらに含み、ポール回転軸3がポール2の一側に設けられており、ポール2がポール回転軸3の周りに回転揺動可能である。
【0036】
ポール2の一側がポール回転軸3に外装されており、ポール回転軸3がギアボックスの両側の筐体に固定されており、ポール2がポール回転軸3の周りに回動可能であり、ねじりばね4は、一端がギアボックス筐体に固定され、他端がポール2に固定されていることにより、ポール2がパーキングカム13に予め圧着される。ねじりばね4の作用の下で、ポール2が常にパーキングカム13に当接していることが保証される。
【0037】
一実施例において、機械的ロック解除機構が、ねじりばね故障防止アセンブリをさらに含み、ねじりばね故障防止アセンブリが、ポール2の末端のガイド部の端部に設けられたガイドピンと、パーキングカム13及び/又はパーキングカム位置規制プレート11に設けられたガイド溝とを含み、ガイドピンがガイド溝内に入り込み、ガイド溝が、緊急的なロック解除時にポール2を持ち上げる案内作用を提供する。ねじりばね4が故障すると、ポールアセンブリがねじりばね4の付勢力の作用を失ってしまうため、パーキングロック解除時に、ポール2の下部に設けられたバンプがパーキングギア1と噛合状態から分離することができず、ひいてはパーキングロック解除を実現することができない。
【0038】
本発明の当該実施例では、ガイドピン及びガイド溝の設計により、ポール2とパーキングカム13との可動接続を実現可能であり、仮にねじりばね4が故障したとしても、パーキングカム13が回転することで、ガイドピンを介してポール2が持ち上げられて、ポール2の下部のバンプがパーキングギア1から分離され、さらにパーキングロック解除が実現される。非パーキング状態では、ガイドピンがパーキングカム13のガイド溝の底部に密着し、ポール2がパーキングギア1の歯溝内に落下するのが防止される。本実施例におけるねじりばね故障防止アセンブリは、ねじりばね4などの故障に起因して正常なロック解除ができないという問題を解消した。
【0039】
以上をまとめて、本発明では、電子パーキングの機械的ロック解除機構が提供されており、機械的ロック解除機構が、パーキングカムアセンブリ、ポールアセンブリ、プルロッドアセンブリ及びパーキングギアを含み、パーキングカムアセンブリが、パーキングガイド軸と、パーキングガイド軸に外装されたパーキングカムとを含み、パーキングカムの両側には、少なくとも第一の突起部及び第二の突起部が設けられており、第二の突起部に接続部が設けられており、ポールアセンブリがポールを含み、ポールアセンブリの一端が第一の突起部に当接し、プルロッドアセンブリが接続部を介してパーキングカムに接続されており、プルロッドアセンブリが第二の突起部を引っ張ってパーキングカムを回転させ、パーキングギアについては、ポールアセンブリが、パーキングカムの回転に伴って、パーキングギアにパーキングインする第一の位置、及び、パーキングギアからパーキングアウトする第二の位置にそれぞれ位置することに応じて、パーキングギアが固定又は回転可能である。本発明による機械的ロック解除機構は、パーキングモータへの電力供給が断たれた場合における緊急機械的ロック解除機能を提供し、パーキングカムがプルロッドアセンブリを介して運転室内の制御部材に接続され、運転者が運転室内で機械的ロック解除を実現でき、当該機械的ロック解除機構によって、電源からの動力なしで純粋に機械的に運転室内での手動的なロック解除を実現でき、運転者が車から降りて操作する必要がなく、安全性能が高くて、操作の快適性が良い。
【0040】
上記は、あくまでも本発明の具体的な実施形態であり、本発明の上記教示の下で、当業者は、上記実施例に基づいて他の改良又は変形を行うことができる。当業者であれば、上記特定の記載は本発明の目的をより良く解釈するためのものであり、本発明の保護範囲が特許請求の範囲の保護範囲に基づくものであることが理解されるべきである。
【符号の説明】
【0041】
1 パーキングギア、2 ポール、3 ポール回転軸、4 ねじりばね、5 プルロッド、6 ピン、7 コネクティングロッド、8 止め輪、9 軸方向位置規制ブロック、10 パーキングガイド軸、11 パーキングカム位置規制プレート、12 パドルばね、13 パーキングカム、14 ローラ、15 ローラピン
図1
図2
図3