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特許7277969マトリックス構造を有するメンブレン構造体及びこれを用いた生体分子フィルタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-11
(45)【発行日】2023-05-19
(54)【発明の名称】マトリックス構造を有するメンブレン構造体及びこれを用いた生体分子フィルタ
(51)【国際特許分類】
   B01D 71/02 20060101AFI20230512BHJP
   B81B 1/00 20060101ALI20230512BHJP
   G01N 1/10 20060101ALI20230512BHJP
【FI】
B01D71/02
B81B1/00
G01N1/10 B
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020561565
(86)(22)【出願日】2019-01-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 KR2019001102
(87)【国際公開番号】W WO2019147071
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】10-2018-0010006
(32)【優先日】2018-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520271883
【氏名又は名称】メタポア カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム,キュ ナム
(72)【発明者】
【氏名】キム,ソンフン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,サン ヨル
【審査官】富永 正史
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第00879635(EP,A1)
【文献】米国特許第05753014(US,A)
【文献】特表2008-540070(JP,A)
【文献】特表2003-526497(JP,A)
【文献】特表2013-503734(JP,A)
【文献】国際公開第2011/068753(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 61/00-71/82
B01D 53/22
C02F 1/44
B81B 1/00
G01N 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料に含まれた生体分子をフィルタリングするメンブレン構造体であって、
試料移動経路に沿って複数のウィンドウセルがマトリックス形態に形成されたウィンドウ領域と、ウィンドウセルが形成されない遮断領域を含み、前記ウィンドウ領域に沿って移動する試料から生体分子をフィルタリングするフィルタリング部;及び
前記フィルタリング部から延びて前記フィルタリング部を支持する支持部を含み、
前記フィルタリング部のウィンドウ領域に形成された各々のウィンドウセルは、一定サイズ以下の生体分子を通過させる微細ホールを有し、前記フィルタリング部は、複数のウィンドウ領域を含み、前記複数のウィンドウ領域は、前記遮断領域を挟んで順次に離隔して並んで配置されるように構成されたことを特徴とする、マトリックス構造を有するメンブレン構造体。
【請求項2】
前記微細ホールは、100nm以上3000nm以下の範囲に該当する直径を有する、請求項1に記載のマトリックス構造を有するメンブレン構造体。
【請求項3】
前記メンブレン構造体は、
前記ウィンドウセルを構成する貫通孔が形成された基板;及び
前記基板に積層されて前記貫通孔は一側開口をカバーする多孔膜を含む積層構造を有することを特徴とする、請求項1に記載のマトリックス構造を有するメンブレン構造体。
【請求項4】
前記基板は、シリコン基板を含むことを特徴とする、請求項3に記載のマトリックス構造を有するメンブレン構造体。
【請求項5】
前記基板は、前記シリコン基板に積層された酸化シリコン(SiO)層をさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載のマトリックス構造を有するメンブレン構造体。
【請求項6】
前記多孔膜は、窒化シリコン(Si)で構成されたことを特徴とする、請求項3に記載のマトリックス構造を有するメンブレン構造体。
【請求項7】
請求項1乃至6のうち、いずれか一項に従うメンブレン構造体を用いて試料に含まれた生体分子をフィルタリングする生体分子フィルタであって、
前記メンブレン構造体の一面側に位置し、試料の供給を受けて前記メンブレン構造体のウィンドウ領域に沿って移動させる第1ハウジング;及び
前記メンブレン構造体の他面側に位置し、前記メンブレン構造体の前記他面を通じて出る生体分子を収集する第2ハウジングを含む、生体分子フィルタ。
【請求項8】
前記第1ハウジングは、
前記試料が流入する流入口;
前記試料から少なくとも一部の生体分子が分離された残余試料を排出する第1排出口;及び
前記流入口を通じて流入した試料を前記メンブレン構造体のウィンドウ領域に沿って移動させた後、前記第1排出口に伝達する第1流路を含むことを特徴とする、請求項7に記載の生体分子フィルタ。
【請求項9】
前記第1流路は、
前記メンブレン構造体のウィンドウ領域に沿って形成され、前記流入口と前記第1排出口を連結する流路溝部;及び
前記流路溝部の周辺に形成されて試料の漏れを防止する隔壁部を含むことを特徴とする、請求項8に記載の生体分子フィルタ。
【請求項10】
前記第1ハウジングは、
接着剤が塗布されて前記メンブレン構造体の支持部と接着される第1接着部;及び
前記第1接着部を前記第1ハウジングの外部と連通させる第1ベントホールをさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の生体分子フィルタ。
【請求項11】
前記第2ハウジングは、
前記メンブレン構造体を通じて分離された生体分子を排出する第2排出口;及び
前記メンブレン構造体の前記他面を通じて出る生体分子を移動させて前記第2排出口に伝達する第2流路を含むことを特徴とする、請求項7に記載の生体分子フィルタ。
【請求項12】
前記第2流路は、
相互一定間隔をおいて並んで延びるように構成されて前記メンブレン構造体の前記他面から出る生体分子の移動を一定方向にガイドする複数のガイド溝部、及び前記複数のガイド溝部によりガイドされ、移動した生体分子を収集して前記第2排出口に伝達する収集溝部を有する第2流路溝部;及び
前記第2流路溝部の周辺に形成されて生体分子の漏れを防止する第2隔壁部を含むことを特徴とする、請求項11に記載の生体分子フィルタ。
【請求項13】
前記第2ハウジングは、
接着剤が塗布されて前記メンブレン構造体の支持部と接着される第2接着部;及び
前記第2接着部を前記第2ハウジングの外部と連通させる第2ベントホールをさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載の生体分子フィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[技術分野]
本発明はマトリックス構造を有するメンブレン構造体及びこれを用いた生体分子フィルタに関し、より詳しくは、マトリックス形態に配列された複数のウィンドウセルを有するメンブレン構造体及びこれを用いて試料に含まれた生体分子をフィルタリングする生体分子フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
[背景技術]
本出願は2018年1月26日付けで出願された大韓民国特許出願第10-2018-0010006号を優先権に主張し、前記明細書の全体は本出願の参考文献である。
【0003】
一般に、生体分子(biomolecule)は核酸、蛋白質、微細小胞などの生体を構成する物質または生体から由来した物質をいう。最近、細胞間の信号伝達物質であるエクソソーム(exosome)を用いて癌やアルツハイマーなどの病気を診断することができる事実が知らせられるにつれて、エクソソームのような特定の生体分子を効率よく分離することができる技術に対する関心と研究が急増している。
【0004】
しかしながら、米国公開特許公報第2012-0142001号に開示されたように、小胞蛋白質に張り付く抗体をマイクロチップに固定させて体液内の小胞を分離する既存の技術は、前処理過程として遠心分離過程を経なければならず、抗体を固定するために高価の装備を使用しなければならないので、生体分子の損傷を引き起こし、生体分子分離過程に多い時間と費用が要求される問題がある。
【0005】
また、韓国登録特許公報第10-0550515号に開示されたように、多孔膜を使用して生体分子を分離する既存の技術は、単純なフィルム形態のDFR(dry film resist)膜を使用するか、またはポリカーボネート(polycarbonate)膜を使用するので、多孔膜の耐久性が落ちて、取扱と設置が難しいという問題がある。さらに、既存の技術は多孔膜が設置されたチャンネルに試料を充填して静的な状態の試料で生体物質をフィルタリングするので、試料に含まれた他の物質により多孔膜が閉塞され、これによってフィルタリング効率が急激に落ちる問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[発明の詳細な説明]
[技術的課題]
本発明が解決しようとする技術的課題は、試料に含まれた生体分子の分離過程で生体分子の損傷を防止し、時間と費用を低減することは勿論、メンブレン構造体の耐久性を改善し、フィルタリング対象生体分子の以外の物質によるメンブレン構造体の閉塞とこれによるフィルタリング効率の低下を防止する、マトリックス構造を有するメンブレン構造体及びこれを用いた生体分子フィルタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[課題解決手段]
本発明の一実施形態に従うマトリックス構造を有するメンブレン構造体は、複数のウィンドウセルがマトリックス形態に形成されたウィンドウ領域と、ウィンドウセルが形成されない遮断領域を含み、前記ウィンドウ領域に沿って移動する試料から生体分子をフィルタリングするフィルタリング部;及び前記フィルタリング部から延びて前記フィルタリング部を支持する支持部を含み、前記フィルタリング部のウィンドウ領域に形成された各々のウィンドウセルは、一定サイズ以下の生体分子を通過させる微細ホールを有するように構成されて、試料に含まれた生体分子をフィルタリングする。
【0008】
一実施形態において、前記フィルタリング部は、複数のウィンドウ領域を含み、前記複数のウィンドウ領域は、前記遮断領域を挟んで順次に離隔して並んで配置されるように構成できる。
【0009】
一実施形態において、前記メンブレン構造体は、前記ウィンドウセルを構成する貫通孔が形成された基板;及び前記基板に積層されて前記貫通孔の一側開口をカバーする多孔膜を含む積層構造を有することができる。
【0010】
一実施形態において、前記基板は、シリコン基板を含むことができる。
【0011】
一実施形態において、前記基板は、前記シリコン基板に積層された酸化シリコン(SiO)層をさらに含むことができる。
【0012】
一実施形態において、前記多孔膜は、窒化シリコン(Si)で構成できる。
【0013】
本発明の一実施形態に従う生体分子フィルタは、前述した実施形態のうち、いずれか一実施形態に従うメンブレン構造体を用いて試料に含まれた生体分子をフィルタリングするフィルタであって、前記メンブレン構造体の一面側に位置し、試料の供給を受けて前記メンブレン構造体のウィンドウ領域に沿って移動させる第1ハウジング;及び前記メンブレン構造体の他面側に位置し、前記メンブレン構造体の前記他面を通じて出る生体分子を収集する第2ハウジングを含む。
【0014】
一実施形態において、前記第1ハウジングは、前記試料が流入する流入口;前記試料から少なくとも一部の生体分子が分離された残余試料を排出する第1排出口;及び前記流入口を通じて流入した試料を、前記メンブレン構造体のウィンドウ領域に沿って移動させた後、前記第1排出口に伝達する第1流路を含むことができる。
【0015】
一実施形態において、前記第1流路は、前記メンブレン構造体のウィンドウ領域に沿って形成され、前記流入口と前記第1排出口を連結する流路溝部;及び前記流路溝部の周辺に形成されて試料の漏れを防止する隔壁部を含むことができる。
【0016】
一実施形態において、前記第1ハウジングは、接着剤が塗布されて前記メンブレン構造体の支持部と接着される第1接着部;及び前記第1接着部を前記第1ハウジングの外部と連通させる第1ベントホールをさらに含むことができる。
【0017】
一実施形態において、前記メンブレン構造体を通じて分離された生体分子を排出する第2排出口;及び前記メンブレン構造体の前記他面を通じて出る生体分子を移動させて前記第2排出口に伝達する第2流路を含むことができる。
【0018】
一実施形態において、前記第2流路は、相互一定間隔をおいて並んで延びるように構成されて前記メンブレン構造体の前記他面から出る生体分子の移動を一定方向にガイドする複数のガイド溝部、及び前記複数のガイド溝部によりガイドされ、移動された生体分子を収集して前記第2排出口に伝達する収集溝部を有する第2流路溝部;及び前記第2流路溝部の周辺に形成されて生体分子の漏れを防止する第2隔壁部を含むことができる。
【0019】
一実施形態において、前記第2ハウジングは、接着剤が塗布されて前記メンブレン構造体の支持部と接着される第2接着部;及び前記第2接着部を前記第2ハウジングの外部と連通させる第2ベントホールをさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0020】
[発明の効果]
本発明によれば、試料に含まれた生体分子を多孔性構造を有するメンブレン構造体を通じてフィルタリングする方式により分離することによって、生体分子の損傷を防止し、生体分子分離過程に要求される時間と費用を低減することができる。
【0021】
特に、メンブレン構造体に複数のウィンドウセルを形成し、破損されやすい多孔性構造を各々のウィンドウセル単位に分割して構成することによって、メンブレン構造体の耐久性を改善し、メンブレン構造体の取扱と設置を容易にすることができる。
【0022】
また、ウィンドウセルがマトリックス形態に配列されたメンブレン構造体のウィンドウ領域に沿って試料を移動させながら試料に含まれた生体分子をフィルタリングすることで、フィルタリング対象生体分子の以外の物質によるメンブレン構造体の閉塞とこれによるフィルタリング効率の低下を防止することができる。
【0023】
また、一定量の試料をメンブレン構造体のウィンドウ領域に沿って反復的に循環させ、試料に含まれた生体分子をフィルタリングすることで、生体分子確保に必要な試料の量を減少させながらも生体分子の収得率を改善することができる。
【0024】
延いては、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者であれば、本発明に従う多様な実施形態が前記言及されていないさまざまな技術的課題が解決できることを以下の説明から自明に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
[図面の簡単な説明]
図1】本発明の一実施形態に従う生体分子フィルタを示す前方斜視図である。
図2図1に図示された生体分子フィルタを示す後方斜視図である。
図3図1に図示された生体分子フィルタを示す分解斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に従うマトリックス構造を有するメンブレン構造体を示す平面図である。
図5図4に図示されたメンブレン構造体のウィンドウセル部分を示す拡大図である。
図6図5に図示されたA-A‘部分を示す垂直断面図である。
図7図3に図示された第1ハウジングの内部面を示す斜視図である。
図8図3に図示された第2ハウジングの内部面を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[発明の実施のための形態]
以下、本発明の技術的課題に対する解決方案を明確化するために添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、本発明を説明するに当たって、関連の公知技術に関する説明がむしろ本発明の要旨を曖昧にする場合、それに関する説明は省略する。また、後述する用語は本発明での機能を考慮して定義された用語であって、これは設計者、製造者などの意図または慣例などによって変わることがある。したがって、その定義は本明細書の全般に亘る内容に基づいて下されるべきである。
【0027】
本明細書において、‘生体分子’は核酸、蛋白質、微細小胞などの生体を構成する物質と、生体から由来した物質は勿論、このような物質が結合、分解、変形、または変異されてなされた全ての物質を意味するものである。
【0028】
図1には本発明の一実施形態に従う生体分子フィルタ100が前方斜視図として図示されている。
【0029】
図1に図示したように、本発明の一実施形態に従う生体分子フィルタ100は、第1ハウジング110、第2ハウジング120、及び前記第1ハウジング110と第2ハウジング120との間に設置されるメンブレン構造体(図示せず)を含むことができる。
【0030】
第1ハウジング110は、メンブレン構造体の一面側に位置し、フィルタリング対象生体分子を含んだ試料の供給を受けてメンブレン構造体の一面に接触させるように構成される。このために、第1ハウジング110は第1排出口111、流入口112、及び第1流路(図示せず)を含むことができる。
【0031】
流入口112は、第1ハウジング110の外部から供給される試料が第1ハウジング110の内部に流入するように構成される。例えば、流入口112は第1ハウジング110の外部面に形成された試料供給管挿入用突出部と、前記突出部の末端部から前記第1ハウジング110の内部面まで延びた貫通口を含むように構成できる。
【0032】
第1排出口111は、流入口112に流入した試料から少なくとも一部の生体分子が分離された残余試料を排出するように構成される。例えば、第1排出口111は第1ハウジング110の外部面に形成された試料回収管挿入用突出部と、前記第1ハウジング110の内部面から前記試料回収管挿入用突出部の末端部まで延びた貫通口を含むように構成できる。
【0033】
また後に説明するが、第1ハウジング110の第1流路は、流入口112を通じて流入した試料を、メンブレン構造体の一面と接触させながら前記一面上の一定経路に沿って移動させた後、第1排出口111に伝達するように構成される。
【0034】
また、第1ハウジング110は第1ハウジング110の内部と外部を連通させる第1ベントホール116をさらに含むことができる。
【0035】
図2には図1に図示された生体分子フィルタ100が後方斜視図として図示されている。
【0036】
図2に図示したように、本発明の一実施形態に従う生体分子フィルタ100の第2ハウジング120は、メンブレン構造体の一面側に位置した第1ハウジング110に対応してメンブレン構造体の他面側に位置し、メンブレン構造体の他面を通じて出る生体分子を収集して排出するように構成される。このために、第2ハウジング120は第2排出口121及び第2流路(図示せず)を含むことができる。
【0037】
第2排出口121は、メンブレン構造体を通じて分離された生体分子を排出するように構成される。例えば、第2排出口121は第2ハウジング120の外部面に形成された生体分子収集管挿入用突出部と、前記第2ハウジング120の内部面から前記生体分子収集管挿入用突出部の末端部まで延びた貫通口を含むように構成できる。
【0038】
また後に説明するが、第2ハウジング120の第2流路は、メンブレン構造体の前記他面を通じて出る生体分子を収集して第2排出口121に伝達するように構成される。
【0039】
また、第2ハウジング120は第2ハウジング120の内部と外部を連通させる第2ベントホール126をさらに含むことができる。
【0040】
図3には図1に図示された生体分子フィルタ100が分解斜視図として図示されている。
【0041】
図3に図示したように、生体分子フィルタ100はメンブレン構造体130を含み、前記メンブレン構造体130を用いて試料に含まれた生体分子をフィルタリングする。即ち、第1ハウジング110はメンブレン構造体130の一面側に位置し、メンブレン構造体130の前記一面と結合され、第2ハウジング120はメンブレン構造体130の他面側に位置し、メンブレン構造体130の前記他面と結合される。実施形態によって、第1ハウジング110と第2ハウジング120はメンブレン構造体130を収容するように構成されることもできる。例えば、第1ハウジング110と第2ハウジング120は、相互結合により形成された内部空間にメンブレン構造体130を収容し、上記のように第1ハウジング110はメンブレン構造体130の一面と結合され、第2ハウジング120はメンブレン構造体130の他面と結合できる。
【0042】
図4には本発明の一実施形態に従うマトリックス構造を有するメンブレン構造体130が平面図として図示されている。
【0043】
図4に図示したように、本発明の一実施形態に従うメンブレン構造体130は、試料に含まれた生体分子をフィルタリングするように構成された膜形態の構造体であって、フィルタリング部132及び支持部134を含む。
【0044】
フィルタリング部132は生体分子フィルタリングが遂行される部分であって、ウィンドウセルwが形成されたウィンドウ領域Dwとウィンドウセルwが形成されない遮断領域Dbを含む。
【0045】
フィルタリング部132のウィンドウ領域Dwは、試料移動経路に沿って複数のウィンドウセルwがマトリックス形態に形成されて試料と接触するように構成された領域である。メンブレン構造体130と結合される第1ハウジング110は、フィルタリング部132のウィンドウ領域Dwに沿って流路を形成し、該当流路を通じて試料を移動させる。フィルタリング部132は上記のようにウィンドウ領域Dwに沿って移動する試料から生体分子をフィルタリングする。このために、ウィンドウ領域Dwに形成された各々のウィンドウセルwは、一定サイズ以下の生体分子を通過させる多数の微細ホールを有する。
【0046】
フィルタリング部132の遮断領域Dbはフィルタリング部132の全体領域のうちのウィンドウ領域Dwを除外した領域であって、生体分子のフィルタリングが生じない領域である。このような遮断領域Dbには後述する第1ハウジング110の隔壁部などが位置するようになって、ウィンドウ領域Dwに沿って移動する試料の漏れを遮断するようになる。
【0047】
実施形態によって、フィルタリング部132は図4のように複数のウィンドウ領域Dwを含むことができる。この場合、複数のウィンドウ領域Dwは遮断領域Dbを挟んで順次に離隔して並んで配置できる。
【0048】
一方、支持部134は、フィルタリング部132から延長または拡張されて前記フィルタリング部132を支持するように構成される。即ち、支持部134はメンブレン構造体100の運搬時、ユーザにより把持されるか、またはメンブレン構造体100の設置時、他の構造体に接着または挿入されてフィルタリング部132を支持するフレームに該当する部分である。
【0049】
メンブレン構造体130が図4のように四角形の平板形態に構成される場合、フィルタリング部132はメンブレン構造体130の中心部分に位置し、支持部134はメンブレン構造体130の枠部分に位置することができる。メンブレン構造体130の形態、サイズ、フィルタリング部132と支持部134の位置などは、メンブレン構造体100が適用される環境によって多様に変更できる。
【0050】
本発明において留意する点は、試料に含まれたフィルタリング対象生体分子は、ウィンドウ領域Dwに形成されたウィンドウセルwにより分離されるのでなく、各々のウィンドウセルwに形成された微細ホールにより分離されるものであるという点である。即ち、ウィンドウセルwのサイズと形態は、フィルタリング対象生体分子のサイズとは関わらないものである。
【0051】
図5には図4に図示されたメンブレン構造体130のウィンドウセルw部分が拡大図として図示されている。
【0052】
図5に図示したように、メンブレン構造体130のフィルタリング部132に形成された各々のウィンドウセルwには多数の微細ホールhが形成される。このようなウィンドウセルwのサイズは、例えばメンブレン構造体130が50×50mmサイズで構成される場合、1.2×1.2mmサイズで構成できる。即ち、ウィンドウセルwのサイズと形態は、フィルタリング対象生体分子のサイズとは関わらないものであり、ウィンドウセル構造の強度と厚さなどによって多様に変更できるものである。
【0053】
一方、ウィンドウセルwに形成される微細ホールhのサイズは、フィルタリング対象生体分子のサイズによって決定される。即ち、ウィンドウセルwに形成される微細ホールhは10nm以上3000nm以下の範囲に該当する直径を有するように構成できる。例えば、フィルタリング対象生体分子がエクソソーム(exosome)である場合、ウィンドウセルwに形成される多数の微細ホールhは10nm以上300nm以下の範囲に該当する直径を有するように構成できる。
【0054】
図6には図5に図示されたA-A’部分が垂直断面図として図示されている。
【0055】
図6に図示したように、メンブレン構造体130は基板130a及び多孔膜130bを含む積層構造を有することができる。
【0056】
基板130aはメンブレン構造体130の基本骨格に該当するものであって、コア層をなすシリコン基板L1を含むことができる。また、基板130aは残留応力による基板の変形やクラック(crack)の発生を防止するために、シリコン基板L1に積層される酸化シリコン層L2をさらに含むことができる。酸化シリコン層L2は、図6のように、シリコン基板L1の上部面と下部面に全て積層されることができ、実施形態によって上・下部面のうち、いずれか一面のみに積層されることもできる。一実施形態において、酸化シリコン層L2は半導体製造技術の蒸着工程によりシリコン基板L1に積層できる。
【0057】
このような基板130aにはウィンドウセルwを構成するための貫通孔Hwが形成される。この場合、貫通孔Hwは半導体製造技術のリソグラフィ(lithography)工程により形成できる。
【0058】
多孔膜130bは、ウィンドウセルwの多孔性構造に該当するものであって、一定サイズ以下の生体分子を通過させる多数の微細ホールhを有し、基板130aの一面に積層されて支持され、貫通孔Hwの一側開口をカバーする。
【0059】
一実施形態において、多孔膜130bはシリコン系化合物で構成できる。例えば、多孔膜130bは窒化シリコン(Si)、酸化シリコン(SiO)及び炭化シリコン(SiC)からなる群より選択された少なくとも1つの化合物で構成されることができ、特に、窒化シリコン(Si)で構成できる。
【0060】
窒化シリコンは、主として半導体の製造時、アルカリイオンが半導体の表面に拡散することを防止するパッシベーション(passivation)膜に使われる素材である。本発明では、窒化シリコンの特性、即ち強度が高く(常温曲げ強度100~140kg/mm)、熱膨脹率が低く(熱膨脹率3×10-6/℃)、耐熱衝撃性に優れる点などを考慮して、窒化シリコンが多孔膜130bの素材として採択される。このように、多孔膜130bを窒化シリコンで構成することによって、多孔膜の厚さを減少させ、孔隙率を高めることができ、その結果、メンブレン構造体の生体分子分離効率を改善することができる。
【0061】
この場合、多孔膜130bはナノサイズの厚さ、即ち50nm以上500nm以下の範囲に該当する厚さを有するように構成できる。多孔膜130bの厚さが50nm未満であれば、多孔膜130bの強度が落ちて、製造過程または使用過程で破損されやすい。一方、多孔膜130bの厚さが500nmを超過すれば、生体分子分離時間が長くなり、分離効率が落ちるようになる。膜強度と生体分子分離効率を同時に満たすために、多孔膜130bは100nm以上300nm以下の範囲に該当する厚さを有するように構成されることもできる。
【0062】
一方、多孔膜130bに形成される微細ホールhのサイズは、フィルタリング対象生体分子のサイズによって決定される。即ち、多孔膜130bに形成される多数の微細ホールhは10nm以上3000nm以下の範囲に該当する直径を有するように構成できる。例えば、フィルタリング対象生体分子がエクソソーム(exosome)である場合、多孔膜130bに形成される多数の微細ホールhは10nm以上300nm以下の範囲に該当する直径を有するように構成できる。この場合、多孔膜130bに形成されるナノサイズの微細ホールは高い解像度を有する電子ビームリソグラフィ(electron beam lithography)やX線リソグラフィ(X-ray lithography)工程により形成できる。
【0063】
図7には図3に図示された第1ハウジング110の内部面が斜視図として図示されている。
【0064】
図7に図示したように、第1ハウジング110は、メンブレン構造体130の一面側に位置し、フィルタリング対象生体分子を含んだ試料の供給を受けてメンブレン構造体130のウィンドウ領域Dwに沿って移動させるように構成される。このために、第1ハウジング110は、第1排出口111、流入口112、及び第1流路113を含み、実施形態によって第1接着部114、第1接着剤収容溝115、第1ベントホール116、第1外壁部117などをさらに含むことができる。
【0065】
前述したように、流入口112はフィルタリング対象生体分子を含んだ試料が第1ハウジング110の外部から内部に流入するように構成される。また、第1排出口111は流入口112を通じて流入した試料から少なくとも一部の生体分子が分離された残余試料を排出するように構成される。
【0066】
流入口112と第1排出口111を連結する第1流路113は、流入口112を通じて流入した試料を、メンブレン構造体130のウィンドウ領域Dwと接触させながら前記ウィンドウ領域Dwに沿って移動させた後、第1排出口111に伝達するように構成される。この場合、第1流路113は流入した試料をメンブレン構造体130の複数のウィンドウ領域Dwと全て接触させた後、第1排出口111に伝達するように構成できる。
【0067】
例えば、第1流路113は流入口112と第1排出口111を連結するミアンダ(meander)形態の試料移動経路をメンブレン構造体130の一面に形成するように構成できる。この場合、第1流路113は図7のように流入口112を通じて流入した試料をメンブレン構造体130のウィンドウ領域に沿ってジグザグ方向に移動させ、第1排出口111側に徐々に進行させる形態に構成できる。
【0068】
また、第1流路113は第1流路溝部113a及び第1隔壁部113bを含むことができる。第1流路溝部113aは流入口112と第1排出口111を連結する溝構造であって、前述したようにミアンダ形態に構成できる。第1隔壁部113bは、第1流路溝部113aの周辺に形成されて第1流路溝部113aでの試料の漏れを防止するように構成できる。
【0069】
一実施形態において、第1ハウジング110はメンブレン構造体130の一面と第1流路113の第1隔壁部113bとの間をシーリング(sealing)するシーリング部材(図示せず)をさらに含むことができる。このようなシーリング部材は接着性と防水性を有する高分子合成樹脂で構成できる。実施形態によって、シーリング部材はメンブレン構造体130の一面に密着するゴム部材を含むことができる。この場合、第1隔壁部113bは前記ゴム部材が挿入されて設置される設置溝113cを含むことができる。
【0070】
また、一実施形態において、第1隔壁部113bは第1流路溝部113aと後述する第1接着部114との間に形成される第1接着剤遮断溝113dをさらに含むことができる。第1接着剤遮断溝113dは第1接着部114とメンブレン構造体130との間の接着時、該当接着面から漏れ出る残量の接着剤を収容するように構成されて、接着剤が第1流路溝部113a側に流入することを遮断することができる。
【0071】
一方、第1接着部114は接着剤が塗布される部分であって、メンブレン構造体130の一面に接着される。この場合、第1接着部114は接着剤により形成される接着層の厚さを考慮して第1流路113の第1隔壁部113bと段差を有し、第1隔壁部113bより低く形成できる。また、第1接着部114はメンブレン構造体130の枠部分に該当する支持部134と接着されるように環形構造で形成できる。
【0072】
第1接着剤収容溝115は第1接着部114の外側周りに形成される溝であって、基本的に第1接着部114のように接着剤が塗布できる。この場合、第1接着剤収容溝115は第1接着部114とメンブレン構造体130との間の接着時、該当接着面から漏れ出る残量の接着剤を収容し、メンブレン構造体130と接着されるように構成できる。第1接着部114が環形構造で構成される場合、第1接着剤収容溝115は第1接着部114に沿って形成された環形の溝で構成できる。
【0073】
第1ベントホール116は、第1接着部114を第1ハウジング110の外部と連通させるように構成される。第1ベントホール116は第1接着部114とメンブレン構造体130との間の接着時に発生するガスや残量の接着剤を外部に排出させることができる。この場合、第1ベントホール116は第1接着剤収容溝115内に形成できる。
【0074】
第1外壁部117は第1ハウジング110の最外郭構造であって、メンブレン構造体130の外部露出を防止してメンブレン構造体130を保護するように構成される。例えば、第1外壁部117はメンブレン構造体130の最外側の枠部と接着されるように構成できる。この場合、第1外壁部117は第1接着部114や第1接着剤収容溝115のように予め接着剤で塗布されなくても、第1接着部114と第1接着剤収容溝115がメンブレン構造体130と接着される過程で流入する接着剤によりメンブレン構造体130と接着できる。
【0075】
図8には、図3に図示された第2ハウジング120の内部面が斜視図として図示されている。
【0076】
図8に図示したように、第2ハウジング120は、メンブレン構造体130の一面側に位置した第1ハウジング110に対応してメンブレン構造体130の他面側に位置し、メンブレン構造体130の他面を通じて出る生体分子を収集して排出するように構成される。このために、第2ハウジング120は第2排出口121及び第2流路123を含み、実施形態によって第2接着部124、第2接着剤収容溝125、第2ベントホール126、第2外壁部127などをさらに含むことができる。
【0077】
前述したように、第2排出口121はメンブレン構造体130を通じて分離された生体分子を排出するように構成される。
【0078】
第2流路123は、メンブレン構造体130の他面から各ウィンドウセルwの微細ホールを通じて出る生体分子を移動させて第2排出口121に伝達するように構成される。このために、第2流路123は第2流路溝部123a、123b、及び第2隔壁部123cを含むことができる。
【0079】
第2流路溝部123a、123bはメンブレン構造体130の他面と第2排出口121を連結する溝構造であって、複数のガイド溝部123a及び収集溝部123bを含むことができる。
【0080】
複数のガイド溝部123aはメンブレン構造体130の他面から各々のウィンドウセルwを通じて出る生体分子の移動を一定方向、即ち収集溝部123b方向にガイドする溝であって、メンブレン構造体130の全体領域のうち、少なくともフィルタリング部132に該当する領域をカバーするように互いに一定間隔をおいて並んで延びた長い溝で構成できる。
【0081】
収集溝部123bは複数のガイド溝部123aによりガイドされ、移動された生体分子を収集して第2排出口121に伝達する溝であって、各々のガイド溝部123aと第2排出口121を連結するように構成できる。
【0082】
第2隔壁部123cは、第2流路溝部123a、123bの周辺に形成されて生体分子の漏れを防止するように構成できる。
【0083】
一実施形態において、第2ハウジング120はメンブレン構造体130の他面と第2隔壁部123cとの間をシーリングするシーリング部材(図示せず)をさらに含むことができる。このようなシーリング部材は接着性と防水性を有する高分子合成樹脂で構成できる。
【0084】
また、一実施形態において、第2隔壁部123cは第2流路溝部123a、123bと後述する第2接着部124との間に形成される第2接着剤遮断溝123dをさらに含むことができる。第2接着剤遮断溝123dは、第2接着部124とメンブレン構造体130との間の接着時、該当接着面から漏れ出る残量の接着剤を収容するように構成されて、接着剤の第2流路溝部123a、123b側への流入を遮断することができる。
【0085】
一方、第2接着部124は接着剤が塗布される部分であって、メンブレン構造体130の他面に接着される。この場合、第2接着部124は接着剤により形成される接着層の厚さを考慮して第2流路123の第2隔壁部123cと段差を有し、第2隔壁部123cより低く形成できる。また、第2接着部124はメンブレン構造体130の枠部分に該当する支持部134と接着されるように環形構造で構成できる。
【0086】
第2接着剤収容溝125は第2接着部124の外側周りに形成される溝であって、基本的に第2接着部124のように接着剤が塗布できる。この場合、第2接着剤収容溝125は第2接着部124とメンブレン構造体130との間の接着時、該当接着面から漏れ出る残量の接着剤を収容し、メンブレン構造体130と接着されるように構成できる。第2接着部124が環形構造で構成される場合、第2接着剤収容溝125は第2接着部124に沿って形成された環形の溝で構成できる。
【0087】
第2ベントホール126は、第2接着部124を第2ハウジング120の外部と連通させるように構成される。第2ベントホール126は第2接着部124とメンブレン構造体130との間の接着時に発生するガスや残量の接着剤を外部に排出させることができる。この場合、第2ベントホール126は第2接着剤収容溝125内に形成できる。
【0088】
第2外壁部127は第2ハウジング120の最外郭構造であって、メンブレン構造体130の外部露出を防止してメンブレン構造体130を保護するように構成される。このために、第2外壁部127はメンブレン構造体130の最外側の枠部分と接着されるように構成できる。この場合、第2外壁部127は第2接着部124や第2接着剤収容溝125のように予め接着剤で塗布されなくても、第2接着部124と第2接着剤収容溝125がメンブレン構造体130に接着される過程で流入する接着剤によりメンブレン構造体130と接着できる。
【0089】
このように構成された生体分子フィルタ100は、第1ハウジング110の流入口112を通じて供給を受けた試料をメンブレン構造体130のウィンドウ領域Dwに沿って移動させながら試料に含まれた生体分子をフィルタリングした後、フィルタリングされた生体分子を第2ハウジング120の第2排出口121に排出する一方、一部の生体分子が分離された残余試料を第1ハウジング110の第1排出口111に排出することができる。また、生体分子フィルタ100は第1排出口111を通じて排出された残余試料をまた流入口112を通じて供給を受ける方式で、一定量の試料をメンブレン構造体130のウィンドウ領域Dwに沿って反復的に循環させながら試料に含まれた生体分子をフィルタリングすることができる。
【0090】
前述したように、本発明によれば、試料に含まれた生体分子を多孔性構造を有するメンブレン構造体を通じてフィルタリングする方式により分離することによって、生体分子の損傷を防止し、生体分子分離過程に要求される時間と費用を低減することができる。
【0091】
特に、メンブレン構造体に複数のウィンドウセルを形成し、破損されやすい多孔性構造を各々のウィンドウセル単位に分割して構成することによって、メンブレン構造体の耐久性を改善し、メンブレン構造体の取扱と設置を容易にすることができる。
【0092】
また、ウィンドウセルがマトリックス形態に配列されたメンブレン構造体のウィンドウ領域に沿って試料を移動させながら試料に含まれた生体分子をフィルタリングすることで、フィルタリング対象生体分子の以外の物質によるメンブレン構造体の閉塞とこれによるフィルタリング効率の低下を防止することができる。
【0093】
また、一定量の試料をメンブレン構造体のウィンドウ領域に沿って反復的に循環させながら試料に含まれた生体分子をフィルタリングすることで、生体分子確保に必要な試料の量を減少させながらも生体分子の収得率を改善することができる。
【0094】
延いては、本発明に従う実施形態は、当該技術分野は勿論、関連技術分野で本明細書に言及された内容の以外の他のさまざまな技術的課題が解決できることは勿論である。
【0095】
以上、本発明に対して具体的な実施形態を参考にして説明した。しかしながら、当業者であれば、本発明の技術的範囲で多様な変形実施形態が具現できることを明確に理解することができる。したがって、先に開示された実施形態は限定的な観点でなく、説明的な観点から考慮されるべきである。即ち、本発明の真の技術的思想の範囲は請求範囲に示されており、それと均等範囲内にある全ての差異点は本発明に含まれるものとして解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0096】
100 生体分子フィルタ
110 第1ハウジング
111 第1排出口
112 流入口
113 第1流路
114 第1接着部
115 第1接着剤収容溝
116 第1ベントホール
117 第1外壁部
120 第2ハウジング
121 第2排出口
123 第2流路
124 第2接着部
125 第2接着剤収容溝
126 第2ベントホール
127 第2外壁部
130 メンブレン構造体
132 フィルタリング部
134 支持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8