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特許7278015工事用単位ブロック及びその製造方法、二次元連結板、コンクリート施工方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-11
(45)【発行日】2023-05-19
(54)【発明の名称】工事用単位ブロック及びその製造方法、二次元連結板、コンクリート施工方法
(51)【国際特許分類】
   E04C 2/06 20060101AFI20230512BHJP
   E01C 5/08 20060101ALI20230512BHJP
   E04B 5/08 20060101ALI20230512BHJP
【FI】
E04C2/06
E01C5/08
E04B5/08 B
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022212449
(22)【出願日】2022-12-28
【審査請求日】2022-12-28
(31)【優先権主張番号】P 2022107556
(32)【優先日】2022-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518342445
【氏名又は名称】太陽技建工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100218280
【弁理士】
【氏名又は名称】安保 亜衣子
(74)【代理人】
【識別番号】100108914
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 壯兵衞
(74)【代理人】
【識別番号】100173864
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 健治
(72)【発明者】
【氏名】横山 幸司
【審査官】荒井 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特許第6842011(JP,B2)
【文献】特表2010-518275(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04C 2/00- 2/54
E01C 1/00-17/00
E04B 5/00- 5/48
E04F15/00-15/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行に配置された複数の主筋と、
井桁格子を構成するように前記複数の主筋と直交する複数の配力筋と、
矩形の上面、該上面に直交し、前記配力筋の長さよりも側面長が短い第1及び第2側面、並びに前記主筋の長さよりも側面長が短い、前記上面に直交する第3及び第4側面で定義される板状立体の内部に、前記井桁格子の一部を埋め込んだコンクリート製ブロックと
を備え、
前記複数の主筋の前記第1側面からの突出端部である複数の第1主突出端部のうち、1つが他の前記第1主突出端部よりも太い第1主荷重部であり、
前記複数の主筋の前記第2側面からの突出端部である複数の第2主突出端部のうち、前記上面方向から見た時に前記第1主荷重部と点対称の位置にある前記第2主突出端部が他の前記第2主突出端部よりも太い第2主荷重部であり、
前記上面に対向する底面が、前記第1側面、前記第2側面、前記第3及び前記第4側面とそれぞれ交わる陵部の少なくともいずれか1つを用いて複数の段欠き部を有することを特徴とする工事用単位ブロック。
【請求項2】
前記第1及び第2主荷重部を突出端部に有する前記複数の主筋はそれぞれ、太さの異なる2本の鉄筋が互いに接続された部材を含むことを特徴とする請求項1に記載の工事用単位ブロック。
【請求項3】
前記複数の段欠き部は、前記陵部の中央部に、それぞれ1つずつ構成され、
前記第1側面において、前記第1主荷重部の下方に前記段欠き部が構成されず、
前記第2側面において、前記第2主荷重部の下方に前記段欠き部が構成されないことを特徴とする請求項1又は2に記載の工事用単位ブロック。
【請求項4】
前記複数の段欠き部はそれぞれ、前記底面方向から見た時に台形形状であり、
それぞれの前記台形形状の上底が、前記底面の内側に配置されていることを特徴する請求項3に記載の工事用単位ブロック。
【請求項5】
前記コンクリート製ブロックに、融雪用の加熱手段を更に含むことを特徴とする請求項4に記載の工事用単位ブロック。
【請求項6】
互いに平行に配置された複数の主筋、井桁格子を構成するように前記複数の主筋と直交する複数の配力筋、矩形の上面に直交し、前記配力筋の長さよりも側面長が短い第1及び第2側面、並びに前記主筋の長さよりも側面長が短い、前記上面に直交する第3及び第4側面で定義される板状立体の内部に、前記井桁格子の一部を埋め込んだコンクリート製ブロックを有し、前記複数の主筋の前記第1側面からの突出端部である複数の第1主突出端部のうち、1つが他の前記第1主突出端部よりも太い第1主荷重部であり、前記複数の主筋の前記第2側面からの突出端部である複数の第2主突出端部のうち、前記上面方向から見た時に前記第1主荷重部と点対称の位置にある前記第2主突出端部が他の前記第2主突出端部よりも太い第2主荷重部であり、前記上面に対向する底面が、前記第1側面、前記第2側面、前記第3及び前記第4側面とそれぞれ交わる陵部の少なくともいずれか1つを用いて複数の段欠き部を有し、前記第1乃至第4側面のいずれかを第1対向側面とし、該第1対向側面から突出した突出端部を第1連結用枝部とする第1の工事用単位ブロックと、
前記第1の工事用単位ブロックと同一部材により同一形状をなし、前記第1の工事用単位ブロックと共に板状形状を実現する第2の工事用単位ブロックと、
前記第2の工事用単位ブロックから突出した第2連結用枝部と、前記第1連結用枝部を互いに連結し固定する連結用補助部材と、
前記第1及び第2の工事用単位ブロックの間に位置し、前記第1の工事用単位ブロックの前記複数の段欠き部の一部と、該一部に対向する前記第2の工事用単位ブロックの複数の段欠き部の一部によって構成される空間を含む連結用隙間を、前記第1の工事用単位ブロックと同一厚さとなるように埋めるコンクリートと
を含み、前記第2の工事用単位ブロックの第2対向側面が前記連結用隙間を介して、前記第1対向側面に対向することを特徴とする二次元連結板。
【請求項7】
互いに直交する複数の主筋と複数の配力筋で構成された井桁格子と、該井桁格子の一部を含み、矩形の上面にそれぞれ直交する第1側面、第2側面、第3側面及び第4側面から前記複数の主筋及び前記複数の配力筋のそれぞれの端部を突出させた板状のコンクリート製ブロックを有し、前記複数の主筋の前記第1側面からの突出端部である複数の第1主突出端部のうち、1つが他の前記第1主突出端部よりも太い第1主荷重部であり、前記複数の主筋の前記第2側面からの突出端部である複数の第2主突出端部のうち、前記上面方向から見た時に前記第1主荷重部と点対称の位置にある前記第2主突出端部が他の前記第2主突出端部よりも太い第2主荷重部であり、前記上面に対向する底面が、前記第1側面、前記第2側面、前記第3及び前記第4側面とそれぞれ交わる陵部の少なくともいずれか1つを用いて複数の段欠き部を有する工事用単位ブロックを、複数用意する工程と、
前記第1及び第2主荷重部を吊下げ好適部位として、複数の前記工事用単位ブロックを吊り下げる段階を含み、複数の前記工事用単位ブロックを施工現場に運搬する工程と、
該施工現場において、前記工事用単位ブロックがそれぞれ有する前記複数の段欠き部を互いに対向させた空間を含む連結用隙間を介して、複数の前記工事用単位ブロックのそれぞれの上面が同一平面レベルとなるように、複数の前記工事用単位ブロックを順次隣接して配置し、複数の前記工事用単位ブロックのそれぞれの境界部に、複数の前記連結用隙間を配置する工程と、
を含むことを特徴とするコンクリート施工方法。
【請求項8】
前記連結用隙間を配置する工程の後、一方の工事用単位ブロックの前記第1乃至第4側面のいずれか1面である第1対向側面から突出した前記突出端部を第1連結用枝部とし、前記連結用隙間を介して対向する他方の工事用単位ブロックの前記第1乃至第4側面のいずれか1面である第2対向側面から突出した前記突出端部を第2連結用枝部として選択する工程と、
前記第1連結用枝部と前記第2連結用枝部を互いに連結し、前記一方と前記他方の工事用単位ブロックを一体化する工程と、
複数の前記連結用隙間を生コンクリートで埋め、前記一体化された前記一方と前記他方の工事用単位ブロックのそれぞれの前記上面を連続した平坦面とする工程と、
前記生コンクリートを養生して硬化させて平坦なコンクリート面とする工程と、
を更に含むことを特徴とする請求項7に記載のコンクリート施工方法。
【請求項9】
前記連結用隙間を配置する工程の前に、コンクリートを設置する予定の土地を均して、前記コンクリートの基盤層を形成する工程を更に含み、
前記連結用隙間を配置する工程は、それぞれの上面を上側にして、複数の前記工事用単位ブロックを互いに離間して前記基盤層上に戴置して、複数の前記工事用単位ブロックのそれぞれの前記井桁格子の面レベルを調整する手順を含むことを特徴とする請求項8に記載のコンクリート施工方法。
【請求項10】
それぞれの上部に局所的な凸部が設けられ且つ複数の穴を有する4枚の側板を、下地板の上に垂直方向にそれぞれ固定して四角柱状の型枠を形成する工程と、
複数の主筋を、前記下地板に平行に配列し、前記複数の主筋のそれぞれの両端部を前記複数の穴の一部からそれぞれ同一の露出長で露出させ、かつ前記複数の主筋とそれぞれ直交する複数の配力筋を互いに平行に、かつ、前記下地板に平行に配列し、前記複数の配力筋のそれぞれの両端部を前記複数の穴の他の一部から前記露出長と同一の長さで露出させ、前記複数の主筋及び前記複数の配力筋で井桁格子形状を形成する工程と、
前記複数の主筋及び前記複数の配力筋の各直交部分を固定する工程と、
前記下地板、前記型枠、複数の前記凸部で囲まれた空間内に生コンクリートを流し込む工程と、
前記生コンクリートを養生させて硬化させる工程と、
前記型枠を前記硬化したコンクリートから分離する工程と、
前記硬化したコンクリートを前記下地板から分離して板状の工事用単位ブロックを得る工程と
を含み、
前記下地板に接する面を、工事に使用する際の露出する上面とし、
前記凸部で局所的に切取られた箇所を前記工事用単位ブロックの段欠き部とし、
前記井桁格子形状を形成する工程において、前記複数の穴の一部から露出した前記複数の主筋の両端部を露出端部と定義した時に、他の露出端部よりも太い露出端部を、点対称の2カ所に配置することを特徴とする工事用単位ブロックの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートを用いた工事用単位ブロック及びこの工事用単位ブロックを2次元平面上で互いに連結した二次元連結板に係り、特に土間コンクリート施工等の建築・土木工事に好適な工事用単位ブロック及びその製造方法、この工事用単位ブロックを用いた二次元連結板、コンクリート施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
農作業においては、工程によっては農業用機械を用いることがある。この農業用機械は重いため、農業用機械の車輪等により畑や農道に不要な轍(わだち)を作ったり、農業用機械がぬかるみにはまってしまったりすることがある。このような場合は当然、農作業の効率が大きく落ちることとなる。
【0003】
例えば、リンゴ農家においては、収穫したリンゴは一時的にリンゴ畑に隣接する倉庫等に保管する場合が多いが、リンゴが詰められたリンゴ箱の倉庫からの出し入れ作業にはフォークリフト等の荷役用の自動車が用いられる。リンゴ箱は、リンゴを詰めると約25~30kgの総重量となり、人力で運搬も可能な重さであるが、通常はフォークリフト等を用いる。この際、倉庫近辺の地面が舗装されていないと、フォークリフト等の車輪が地面に食い込んでしまい、リンゴの倉庫への収納作業や倉庫からの出荷作業がしづらくなったり、又は不可能となったりする。倉庫近辺の地面としては、リンゴ箱を複数積載した状態のフォークリフト等の荷重に耐えられ、かつ、スムーズに稼働させられるような舗装が求められる。フォークリフト等の種類にもよるが、リンゴ箱を積載すると3トンから6トンの総荷重が接地面にかかることになる。
【0004】
また、リンゴを詰めたリンゴ箱はトラック等により農協や販売店等に運搬される。そのトラック等も倉庫近辺へ乗りつけられなければならず、リンゴが詰められたリンゴ箱を積載したトラックからは、接地面に10トンオーダーの総荷重がかけられることもある。倉庫近辺の地面としては、リンゴ箱を複数積載した状態のトラック等の荷重に耐えられ、かつ、スムーズに稼働させられるような舗装が求められる。
【0005】
通常、こういった畑に隣接する倉庫近辺の地面には、コンクリート製の「土間コンクリート」構造が施工されている。土間コンクリートは、土の地面を均し、鉄筋を格子状等に組み敷き、生コンクリートを流し込んで施工する。工期は、例えば、100mで約1カ月必要である。雨天が続く場合はコンクリートの養生工程との関係で、工期が更に長引く可能性もある。休耕期間等、畑を使用していない時期のうちに施工が間に合えば良いが、間に合わなかった場合は、農家の農作業工程に大きく影響を与えかねない。また、土間コンクリートはクラック(割れ、ひび)や不陸等が生じやすく、クラックや不陸等を生じさせないためには、コンクリート打設時に多くの手間や熟練の技術が必要となる。
【0006】
これらの問題を解決するために、特許文献1では、予め製造しておいた規格品のプレキャストコンクリート盤を基盤層の上に縦横に敷き詰めることで、工期を大幅に短縮する方法が記載されている。仕上がりの品質管理が容易であり、雨天時等でも容易に施工できる等の利点がある。しかし、特許文献1に記載の発明では、プレキャストコンクリート盤の位置決めのためのプレートや、プレキャストコンクリート盤とプレートを接続するボルトが必要である等、手間や費用がかかるというデメリットがある。また、基盤層には、例示であるが7~15cmの砕石層を用いるため、基盤層調整工程にも時間や手間がかかる。
【0007】
更に、基盤層に敷き詰めたプレキャストコンクリート盤間には目地部として3~10cmの隙間が設けられているため、作業者の足やフォークリフト等の車輪等が嵌まる危険性があり、更には、それにより重大な事故が起こる可能性がある。よってプレキャストコンクリート盤は、農作業や重量物の運搬作業には向かない土間コンクリート構造である。更に言えば、プレキャストコンクリート盤とプレートを接続するボルトは金属であることが多いため、長期間風雨に曝されるとサビが生じる可能性があり、サビ部分の膨張効果により、コンクリートの爆裂や欠落が生じる原因となってしまう。
【0008】
これらの問題を更に解決するために、本発明者は特許文献2に記載された発明を、既に提案している。特許文献2に記載の工事用単位部材(以下において「工事用単位ブロック」という。)は、複数の主筋及び複数の配力筋から成る格子状の部材と、その格子状の部材を埋め込んだコンクリート製ブロックを含むものであり、底面の縁の一部にコの字型の溝を2カ所有する。特許文献2に記載の工事用単位ブロックによれば、特許文献2以前の従来技術と比較し、部材数はより少なく済み、工程もより少ないため、土間コンクリートの施工現場での施工工期を大幅に短縮できる。
【0009】
しかし、特許文献2に記載の工事用単位ブロックについては、運搬の際には困難さがあった。特許文献2に記載の工事用単位ブロックを施工現場へ運搬するためには、クレーン等を用いて、製造・保管場所から運搬車への積載及び運搬車から施工現場への荷下ろしが必要である。図15を用いて説明すれば、特許文献2に記載の工事用単位ブロック2についてのクレーン等での吊下げ好適部位は、コンクリートの厚さを考慮すると、基体部12の上面の各長辺から上面に連続する各側面の中心付近から突出した主筋2本(R、R10)の両端部、計4カ所である。図15に示すように、吊下げ用の玉掛け用具として、鉄筋2本を同時に隣接して通す金具2つ(100a、100b)と、その金具(100a、100b)にそれぞれ接続したワイヤ(91c、91d、91e、91f)を用いていた。金具100a及び金具100bは同一部材である。ワイヤ(91c、91d、91e、91f)はフック80にそれぞれかけられている。
【0010】
図15に示す通り、工事用単位ブロック2の主筋R、R10の一方の端部2本に一方の金具(100a)をかけ、主筋R、R10の他方の端部2本に他方の金具(100b)をかけてクレーン等で吊り下げることになるが、その吊下げ用の金具(100a、100b)は、吊下げ作業時に外れやすいという難点があった。鉄筋2本(R、R10)を同時に隣接して通す金具(100a、100b)を使用せずに特許文献2に記載の工事用単位ブロックのような鉄筋入りコンクリートを吊下げるには、端部を環状にしたワイヤを用いた2点吊りや4点吊り等が考えられる。しかし、吊下げ好適部位である主筋2本(R、R10)の両端部は各側面の中心付近から突出したものであるため、重心の関係で、2点吊りや4点吊り等の玉掛けによるクレーン等での吊下げを行うには適していなかった。
【0011】
吊下げ好適部位以外の主筋4本(R、R、R11、R12)の両端部は、段欠き部(特許文献2においては溝部)が存在する都合上、コンクリートの厚さが相対的に薄い部分であるため、吊下げ時にコンクリートが欠ける可能性が高く、こちらもまた2点吊りや4点吊り等の玉掛けによるクレーン等での吊下げを行うには適していなかった。以上のように、特許文献2に記載の工事用単位ブロックについては、端部を環状にしたワイヤを用いた2点吊りや4点吊り等を行うことができず、吊下げ好適部位である中心付近の主筋2本で吊り下げるしかなく、積載や荷下ろしの際の不具合の可能性に過度に気を遣うことになり、時間や手間が余計にかかり、運搬は効率的ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】特許第4624320号明細書
【文献】特許第6842011号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は上記の問題に着目してなされたものであって、2点吊り等による積載や荷下ろしが容易で、運搬作業の適合性に優れた工事用単位ブロック及びその製造方法、この工事用単位ブロックの複数を2次元平面上で互いに連結した二次元連結板、コンクリート施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、(a)互いに平行に配置された複数の主筋と、(b)井桁格子を構成するように複数の主筋と直交する複数の配力筋と、(c)矩形の上面、上面に直交し、配力筋の長さよりも側面長が短い第1及び第2側面、並びに主筋の長さよりも側面長が短い、上面に直交する第3及び第4側面で定義される板状立体の内部に、井桁格子の一部を埋め込んだコンクリート製ブロックとを備え、(d)複数の主筋の第1側面からの突出端部である複数の第1主突出端部のうち、1つが他の第1主突出端部よりも太い第1主荷重部であり、複数の主筋の第2側面からの突出端部である複数の第2主突出端部のうち、上面方向から見た時に第1主荷重部と点対称の位置にある第2主突出端部が他の第2主突出端部よりも太い第2主荷重部であり、(e)上面に対向する底面が、第1側面、第2側面、第3及び第4側面とそれぞれ交わる陵部の少なくともいずれか1つを用いて複数の段欠き部を有する工事用単位ブロックであることを要旨とする。
【0015】
本発明の第2の態様は、(a)互いに平行に配置された複数の主筋、井桁格子を構成するように複数の主筋と直交する複数の配力筋、矩形の上面に直交し、配力筋の長さよりも側面長が短い第1及び第2側面、並びに主筋の長さよりも側面長が短い、上面に直交する第3及び第4側面で定義される板状立体の内部に、井桁格子の一部を埋め込んだコンクリート製ブロックを有し、複数の主筋の第1側面からの突出端部である複数の第1主突出端部のうち、1つが他の第1主突出端部よりも太い第1主荷重部であり、複数の主筋の第2側面からの突出端部である複数の第2主突出端部のうち、上面方向から見た時に第1主荷重部と点対称の位置にある第2主突出端部が他の第2主突出端部よりも太い第2主荷重部であり、上面に対向する底面が、第1側面、第2側面、第3及び第4側面とそれぞれ交わる陵部の少なくともいずれか1つを用いて複数の段欠き部を有し、第1乃至第4側面のいずれかを第1対向側面とし、第1対向側面から突出した突出端部を第1連結用枝部とする第1の工事用単位ブロックと、(b)第1の工事用単位ブロックと同一部材により同一形状をなし、第1の工事用単位ブロックと共に板状形状を実現する第2の工事用単位ブロックと、(c)第2の工事用単位ブロックから突出した第2連結用枝部と、第1連結用枝部を互いに連結し固定する連結用補助部材と、(d)第1及び第2の工事用単位ブロックの間に位置し、第1の工事用単位ブロックの複数の段欠き部の一部と、その一部に対向する第2の工事用単位ブロックの複数の段欠き部の一部によって構成される空間を含む連結用隙間を、第1の工事用単位ブロックと同一厚さとなるように埋めるコンクリートとを含み、(e)第2の工事用単位ブロックの第2対向側面が連結用隙間を介して、第1対向側面に対向する二次元連結板であることを要旨とする。
【0016】
本発明の第3の態様は、(a)互いに直交する複数の主筋と複数の配力筋で構成された井桁格子と、井桁格子の一部を含み、矩形の上面にそれぞれ直交する第1側面、第2側面、第3側面及び第4側面から複数の主筋及び複数の配力筋のそれぞれの端部を突出させた板状のコンクリート製ブロックを有し、複数の主筋の第1側面からの突出端部である複数の第1主突出端部のうち、1つが他の第1主突出端部よりも太い第1主荷重部であり、複数の主筋の第2側面からの突出端部である複数の第2主突出端部のうち、上面方向から見た時に第1主荷重部と点対称の位置にある第2主突出端部が他の第2主突出端部よりも太い第2主荷重部であり、上面に対向する底面が、第1側面、第2側面、第3及び第4側面とそれぞれ交わる陵部の少なくともいずれか1つを用いて複数の段欠き部を有する工事用単位ブロックを、複数用意する工程と、(b)第1及び第2主荷重部を吊下げ好適部位として、複数の工事用単位ブロックを吊り下げる段階を含み、複数の工事用単位ブロックを施工現場に運搬する工程と、(c)施工現場において、工事用単位ブロックがそれぞれ有する複数の段欠き部を互いに対向させた空間を含む連結用隙間を介して、複数の工事用単位ブロックのそれぞれの上面が同一平面レベルとなるように、複数の工事用単位ブロックを順次隣接して配置し、複数の工事用単位ブロックのそれぞれの境界部に、複数の連結用隙間を配置する工程とを含むコンクリート施工方法であることを要旨とする。
【0017】
本発明の第4の態様は、(a)それぞれの上部に局所的な凸部が設けられ且つ複数の穴を有する4枚の側板を、下地板の上に垂直方向にそれぞれ固定して四角柱状の型枠を形成する工程と、(b)複数の主筋を、下地板に平行に配列し、複数の主筋のそれぞれの両端部を複数の穴の一部からそれぞれ同一の露出長で露出させ、かつ複数の主筋とそれぞれ交差す複数の配力筋を互いに平行に、かつ、矩形の長辺及び下地板に平行に配列し、複数の配力筋のそれぞれの両端部を複数の穴の他の一部から露出長と同一の長さで露出させ、複数の主筋及び複数の配力筋で井桁格子形状を形成する工程と、(c)複数の主筋及び複数の配力筋の各交差部分を固定する工程と、(d)下地板、型枠、複数の凸部で囲まれた空間内に生コンクリートを流し込む工程と、(e)生コンクリートを養生させて硬化させる工程と、(f)型枠を硬化したコンクリートから分離する工程と、(g)硬化したコンクリートを下地板から分離して板状の工事用単位ブロックを得る工程とを含み、(h)下地板に接する面を、工事に使用する際の露出する上面とし、(i)凸部で局所的に切取られた箇所を工事用単位ブロックの段欠き部とし、(j)井桁格子形状を形成する工程において、複数の穴の一部から露出した複数の主筋の両端部を露出端部と定義した時に、他の露出端部よりも太い露出端部を、点対称の2カ所に配置する工事用単位ブロックの製造方法であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、2点吊り等による積載や荷下ろしが容易で、運搬作業の適合性に優れた工事用単位ブロック及びその製造方法、この工事用単位ブロックの複数を2次元平面上で互いに連結した二次元連結板、コンクリート施工方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係る工事用単位ブロックの底面を上にした状態の斜視図である。
図2図1の平面図である。
図3図1の底面図である。
図4図4(a)は図1の右側面図であり、図4(b)は図1の正面図である。
図5図1の状態からコンクリート製ブロック部分を省略し、複数の主筋と複数の配力筋による井桁格子のみを示した斜視図である。
図6図5の平面図である。
図7図6のA部分の拡大図である。
図8】本発明の実施形態に係る工事用単位ブロックの製造工程を示す図その1である。
図9図8の平面図である。
図10】本発明の実施形態に係る工事用単位ブロックの製造工程を示す図その2である。
図11】本発明の実施形態に係る複数の工事用単位ブロックを2次元平面上で互いに連結した二次元連結板である土間コンクリートの施工状態を示す平面図である。
図12図12(a)は、生コンクリート21を充填する前において、図11のA-A方向から見た断面図であり、図12(b)は図12(a)に対し生コンクリート21を充填させた後の断面図であり、図12(c)は図12(b)の変形例である。
図13図1の平面図である。
図14】本発明の実施形態に係る工事用単位ブロックの吊下げ状態の一例を示す斜視図である。
図15】従来技術の工事用単位ブロックの吊下げ状態の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下において、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各部材の大きさの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。具体的な厚み、寸法等は以下の説明から理解できる技術的思想の趣旨を参酌してより多様に判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0021】
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための工事用単位ブロック、二次元連結板及びコンクリート施工方法等を例示するものであって、本発明の技術的思想は、工事用単位ブロックを構成する構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものではない。例えば以下の本発明の実施形態に係る工事用単位ブロックを構成する主筋又は配力筋が「鉄筋」である場合を主に例示するが、鉄筋に限定されるものではない。主筋又は配力筋は鉄パイプ等の円筒形であってもよく、L型鋼、C型鋼、H型鋼等でも構わない。また、鉄筋は安価に製造出来る点で好ましいが、材料は鉄に限定されるものではなく、ステンレス鋼等でも構わない。このように、本発明の技術的思想は、実施形態で記載された内容に限定されず、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0022】
また、以下の説明における「上」「下」「左」「右」等の方向の定義は、単に説明の便宜上の選択であって、本発明の技術的思想を限定するものではない。例えば、対象を90°回転して観察すれば左右は上下に変換され、上下は左右に変換されて読まれる。また、対象を180°回転して観察すれば上下は反転して逆に読まれることは勿論である。
【0023】
(工事用単位ブロックの構造)
本発明の実施形態に係る工事用単位ブロック1は、図1に示す通り、第1及び第2短辺、並びに第1及び第2短辺にそれぞれ直交する第1及び第2長辺で定義される矩形を上面13とする、ほぼ直方体の形状をなす基体部11を基礎としている。なお、「長辺」「短辺」は説明の便宜上の定義であって、より包括的には工事用単位ブロック1の基体部11の長辺と短辺の長さが等しい場合も含み得るものである。図1においては、底面15の各辺に設けられた段欠き部(段差溝)21a、21b、23a、23bの形状や位置を分かりやすく示すために、上面13を下側に、底面15を上側に配置して図示している。使用の際には、上面13が上側に、底面15が下側に配置される。
【0024】
底面15も段欠き構造を無視すればほぼ矩形と見なせるが、実際には底面15の矩形を定義する各辺に第1段欠き部21a、第2段欠き部21b、第3段欠き部23a及び第4段欠き部23bをそれぞれ有するため、基体部11は完全な直方体ではない。底面15をほぼ矩形と見なしたとき、第1段欠き部21a、第2段欠き部21b、第3段欠き部23a及び第4段欠き部23bは、底面15を構成する矩形の各辺の中央部に設けられている。そして、第1段欠き部21a、第2段欠き部21b、第3段欠き部23a及び第4段欠き部23bの各辺に沿った切り欠き間口の長さは、対応する各辺の長さよりも短い。即ち、第1側面17a、第2側面17b、第3側面19a及び第4側面19bのそれぞれの長手方向の長さを「側面長」と定義すると、第1段欠き部21a、第2段欠き部21b、第3段欠き部23a及び第4段欠き部23bの側面長方向に測った切り欠き間口の長さは、側面長よりも短い。図1では、第1段欠き部21a、第2段欠き部21b、第3段欠き部23a及び第4段欠き部23bは、底面15が、第1側面17a、第2側面17b、第3側面19a及び第4側面19bと交わる陵部(エッジ)の中央部にそれぞれ設けられた場合が例示されているが、必ずしも、4つの第1段欠き部21a、第2段欠き部21b、第3段欠き部23a及び第4段欠き部23bは必要でなく、少なくとも1つの段欠き部であっても構わない。
【0025】
図1の下側に隠れた上面13の矩形は、様々な長辺と短辺の比を取り得る。上面13と底面15は互いに平行な面である。上面13と底面15間の距離を基体部11の「厚さ」と定義したとき、基体部11の厚さも様々な値を取り得る。図1に例示した第1段欠き部21a、第2段欠き部21b、第3段欠き部23a及び第4段欠き部23bは、底面15の法線方向から視認できる形状は、図2によれば台形である。このため4つの台形で切り欠かれた底面15の形状は、図2に示す通り凹20角形である。第1側面17a、第2側面17b、第3側面19a及び第4側面19bのそれぞれの法線方向から見た第1側面17a、第2側面17b、第3側面19a及び第4側面19bの形状は、それぞれ凹八角形である。底面15の法線方向から見た第1段欠き部21a、第2段欠き部21b、第3段欠き部23a及び第4段欠き部23bをなす台形の「高さ」(=上底と下底の距離)を、「段欠き深さ」と定義する。一方、第1段欠き部21a、第2段欠き部21b、第3段欠き部23a及び第4段欠き部23bのそれぞれについて、基体部11の厚さ方向と同一方向の長さを、以下において、第1段欠き部21a、第2段欠き部21b、第3段欠き部23a及び第4段欠き部23bの「段差」と定義する。第1段欠き部21a、第2段欠き部21b、第3段欠き部23a及び第4段欠き部23bの「段欠き深さ」及び「段差」は、様々な値を取り得る。
【0026】
第1段欠き部21a、第2段欠き部21b、第3段欠き部23a及び第4段欠き部23bのそれぞれの段差は、基体部11の厚さよりも浅い。又、第1段欠き部21a、第2段欠き部21b、第3段欠き部23a及び第4段欠き部23bのそれぞれの段差は、埋め込んだ井桁格子が露出しない寸法が好ましい。上述したとおり、底面15の段欠き構造を無視すれば底面15はほぼ矩形と見なせるが、実際には底面15の矩形を定義する各辺に第1段欠き部21a、第2段欠き部21b、第3段欠き部23a及び第4段欠き部23bを有するため、基体部11は完全な直方体ではない。長辺と短辺の長さが等しい場合は、上面13は正方形となり、基体部11は正方形を上面13とする薄い四角柱になる。
【0027】
基体部11はコンクリート製である。そして、図1等に示す通り、基体部11がなす空間に対し、実施形態に係る工事用単位ブロック1は、互いに平行に配置された複数の先頭主筋(1番主筋)R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6が配置される。なお、本明細書では、先頭主筋R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6を総称して包括的に「主筋」とも言う。又、先頭主筋R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6は例示であり、主筋の本数は6本に限定されるものでもない。
【0028】
更に、実施形態に係る工事用単位ブロック1は、先頭主筋R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6と直交する、互いに平行に配置された複数の配力筋C、C、C、Cを備える。即ち、本発明の実施形態に係る工事用単位ブロック1の基体部11の上面13の第1及び第2短辺は、先頭主筋R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6の長さよりも短い。一方、基体部11の上面13の第1及び第2長辺は、配力筋C、C、C、Cの長さよりも短い。そして、基体部11の内部に、先頭主筋R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6並びに配力筋C、C、C、Cからなる井桁格子を、井桁格子の水平面が上面13に平行になるように埋め込んでいる。一例としての「井桁格子形状」の詳細は図5及び図6等に例示されている。
【0029】
実施形態に係る工事用単位ブロック1は、第1長辺に沿って上面に垂直方向に連続する第1側面17aから突出した複数の先頭主筋R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6の一方の突出端部を複数の第1主突出端部とし、第2長辺に沿って上面に垂直方向に連続する第2側面17bから突出した複数の先頭主筋R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6の他方の突出端部を複数の第2主突出端部とする。更に実施形態に係る工事用単位ブロック1は、複数の先頭主筋R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6のうちの1本の突出端部の一方である第1主突出端部が、他の第1主突出端部よりも太い第1主荷重部であり、上面13の方向から見た時に、第1主荷重部と点対称の位置の第2主突出端部が、他の第2主突出端部よりも太い第2主荷重部である。
【0030】
第1側面17aは、第1長辺に沿って上面13に垂直方向に折れ曲がって、上面13に連続する第1の垂直側面である。また、第2側面17bも、第2長辺に沿って上面13に垂直方向に折れ曲がって、上面13に連続する第2の垂直側面である。同様に、第3側面19aも、第1短辺に沿って上面13に垂直方向に折れ曲がって、上面13に連続する第3の垂直側面であり、第4側面19bも、第2短辺に沿って上面13に垂直方向に折れ曲がって、上面13に連続する第4の垂直側面である。この結果、実施形態に係る工事用単位ブロック1を構成する基体部11は、上面13の外形に沿って折れ曲がる第1~第4の垂直側面が連続して囲んだ板状立体形状をなしている。
【0031】
図1において、第1長辺に沿った第1側面17aと第2長辺に沿った第2側面17bの間隔が基体部11の「第1特徴長」を定義し、第1短辺に沿った第3側面19aと第2短辺に沿った第4側面19bの間隔が基体部11の「第2特徴長」を定義している。第1特徴長と第2特徴長によって、上面13の外形に沿った第1~第4の垂直側面が連続して囲む板状立体の占有空間を定義している。実施形態に係る工事用単位ブロック1においては、基体部11の第1特徴長が先頭主筋R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6の長さよりも短く、第2特徴長が配力筋C、C、C、Cの長さよりも短い。
【0032】
つまり、結果実施形態に係る工事用単位ブロック1を構成する配力筋C、C、C、Cの両端部及び先頭主筋R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6の両端部は、第1特徴長と第2特徴長によって定義される占有空間からはみ出すことになる。このため、図1に示すように、実施形態に係る工事用単位ブロック1は、コンクリートからなる基体部11の第1側面17aから先頭主筋R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6の一方の端部を露出(突出)して「第1主突出端部」を構成している。同様に、基体部11の第2側面17bから先頭主筋R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6の他方の端部を露出(突出)して「第2主突出端部」を構成している。同様に、第3側面19a及び第4側面19bから配力筋C、C、C、Cの両端部をそれぞれ同一長さで両側に露出(突出)して「副突出端部」を構成している。上面13と、この上面13に対向する底面15の中央の水平レベルに位置するように、図1等に示した井桁状の格子が上面13に平行に配列されている。
【0033】
複数の第1及び第2主突出端部と複数の副突出端部を、コンクリートからなる基体部11の4つの側面から突出させることにより、実施形態に係る工事用単位ブロック1は、百足型構造をなしている。図1に示すように、実施形態に係る工事用単位ブロック1の基体部11は、上面13、底面15、第1側面17a及び第2側面17b、第3側面19a及び第4側面19bを有し、内部においては、先頭主筋R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6及び配力筋C、C、C、Cが存在する部分以外はコンクリートが充填されている。
【0034】
図1等に示すように、コンクリートからなる基体部11の第1側面17aの段欠き部がないときの下端(底面15寄り)の陵(エッジ)の中央部に、段欠き部がないときのエッジを切り欠くような第1段欠き部21aが設けられている。また、第2側面17bの下端(底面15寄り)の陵(エッジ)の中央部にも、第1段欠き部21aと同様に、段欠き部がないときのエッジを切り欠くような第2段欠き部21bが設けられている。更に、第3側面19aの下端(底面15寄り)の陵(エッジ)の中央部に、段欠き部がないときのエッジを切り欠くような第3段欠き部23aが設けられ、第4側面19bの下端(底面15寄り)の陵(エッジ)の中央部にも、段欠き部がないときのエッジを切り欠くような第4段欠き部23bが設けられている。図2に示すように、第1段欠き部21a、第2段欠き部21b、第3段欠き部23a及び第4段欠き部23bの各台形形状の各上底は、いずれも底面15の中心を向くように設けられている。第1段欠き部21a及び第2段欠き部21bのそれぞれの上方(上面13寄り)からは、3番主筋R3及び4番主筋R4の両端部が突出している。また、第3段欠き部23a及び第4段欠き部23bのそれぞれの上方(上面13寄り)からは、配力筋C及びCの両端部が突出している。
【0035】
第1段欠き部21a、第2段欠き部21b、第3段欠き部23a及び第4段欠き部23bで切り取られた底面15は、上面13と同一形状、同一面積ではなく、上面13よりも小面積の平面である。
【0036】
コンクリートは、砂や砂利等の骨材、水等をセメントで凝固させた硬化物である。広範に使用されている建築資材であり、特に、凝固する前の状態を生コンクリートと呼ぶ。実施形態に係る工事用単位ブロック1のコンクリートとしては、一般的にコンクリートと呼ばれるものであれば、いずれでも使用することができる。耐久性等のコンクリートの性能は、使用するセメント、骨材、その他の混和材料の種類や構成割合によって異なるため、希望する耐荷重等の性能を実現する材料を適宜選ぶことができる。
【0037】
図3等に示す上面13は矩形で平滑な面である。例えば、実施形態に係る工事用単位ブロック1を連結した二次元連結板として「土間コンクリート」を構成した場合には、土間コンクリートの表面として露出する面となる。
【0038】
図4(a)に示すように、第2側面17bは、底面15を上側にすると扁平なU字型に近い形状の平面であり、図示は省略しているが第1側面17aも同様である。図4(b)に示すように、第3側面19aは、底面15を上側にすると扁平なU字型に近い形状の平面であり、図示は省略しているが第4側面19bも同様である。
【0039】
図1図2等に示すように、先頭主筋R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6は略等間隔に配置した6本の鉄筋から成り、上面13の矩形の短辺より長く、基体部11の内部を貫いている。そして、基体部11の第1側面17a及び第2側面17bから各両端部を露出させている。先頭主筋R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6は、第1側面17a及び第2側面17bにおいて、基体部11の厚さ方向の略中央部から第1及び第2主突出端部として露出する。土間コンクリートの施工においては、両側に露出した鉄筋からなる第1及び第2主突出端部でもって、隣接する別の工事用単位ブロックの露出した第1及び第2主突出端部又は副突出端部と結合することになるため、アーク溶接や結束等ができる程度の長さを有していればよい。
【0040】
例えば、5cm程度の長さの第1及び第2主突出端部を採用することができる。この第1及び第2主突出端部の長さは、土間コンクリートの施工において、工事用単位ブロックの間隔により任意に設定できるものである。図1に示す先頭主筋R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6の間隔は30cm程度であるが、25~35cm程度とすることができる。先頭主筋R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6の間隔を30cm程度から変更する場合は、先頭主筋R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6を構成する鉄筋の本数を増減することができる。
【0041】
先頭主筋R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6のうち、2番主筋(R2,L1)は、図1及び図5等に示すように、太さの異なる2本の鉄筋が互いに接続された部材である。2番主筋(R2,L1)は、第1軸筋R2と、第1軸筋R2より太い第1補強筋L1から構成される複合構造である。図5等に示すように、第1軸筋R2の太さは、他の先頭主筋R1、3番主筋R3、4番主筋R4及び6番主筋R6と同一であり、第1軸筋R2の長さは、他の先頭主筋R1、3番主筋R3、4番主筋R4及び6番主筋R6より短い。2番主筋(R2,L1)は、第2側面17bから突出することになる第2主突出端部においては、他の先頭主筋R1、3番主筋R3、4番主筋R4及び6番主筋R6の第2主突出端部と同様の配置である。第1軸筋R2は、第1側面17aから突出することになる第1主突出端部側においては、第1補強筋L1が一部重なるようにして接続されており、実際に第1側面17aから突出する第1主突出端部は、図2等で示す通り、第1補強筋L1の一部が相当することになる。図1等に示すように、第1軸筋R2の一方の端部は、コンクリート製の基体部11の内部に完全に隠れる。
【0042】
第1軸筋R2と第1補強筋L1の接続箇所は、図5及び図6等に示すように、配力筋Cとの直交部分の付近である。第1軸筋R2と第1補強筋L1の接続については、図6及び図7等に示すように、結束線等で結束する方法等、通常の接続方法を採用することができる。例えば、図6及び図7等においては、第1軸筋R2、第1補強筋L1及び配力筋Cとの直交部分において、結束線Kで3本まとめて結束している。また、図6及び図7等においては、結束線Kでの結束箇所より配力筋C側において、第1軸筋R2及び第1補強筋L1を、結束線Kで結束している。結束線等での接続箇所や接続形態については、図7に示す方法に限らない。第1軸筋R2と第1補強筋L1の接続箇所については、図1等に示すように、コンクリート製の基体部11の内部に完全に隠れる。第1軸筋R2及び第1補強筋L1の接続部分の重なり度合については、第1補強筋L1の長さの3分の1から2分の1程度であることが、工事用単位ブロック1の吊下げ時の強度確保の点から好ましい。また、同様の観点から、第1軸筋R2及び第1補強筋L1の両方とも、少なくとも1本の配力筋、すなわち、配力筋Cと直交していることが好ましい。第1軸筋R2及び第1補強筋L1の接続部分の位置関係については、図1等に示すように、第1補強筋L1が3番主筋R3側、すなわち、基体部11の中心により近い方において第1軸筋R2に接続されているが、両者の位置関係については図1等に示す通りに限らない。例えば、第1補強筋L1が先頭主筋R1側、すなわち、基体部11の中心により遠い方において第1軸筋R2に接続されていても構わない。
【0043】
第1補強筋L1は、第1軸筋R2、他の先頭主筋R1、3番主筋R3、4番主筋R4及び6番主筋R6よりも径が大きい。第1軸筋R2と第1補強筋L1との径の比は、R2:L1=1:1.1~1:1.5が好ましく、R2:L1=1:1.2~1:1.4がより好ましい。例えば、第1軸筋R2、他の先頭主筋R1、3番主筋R3、4番主筋R4及び6番主筋R6の径が10mm程度の場合、第1補強筋L1は13mm程度が好ましい。日本工業規格(JIS)の公称直径の規格に基づけば、例えば第1軸筋R2は9.53mm、第1補強筋L1は12.7mmが好ましい。図6等に示すように、第1補強筋L1の長さについては、第1主突出端部となる一方の端部側を、他の先頭主筋R1、3番主筋R3、4番主筋R4、第2軸筋R5及び6番主筋R6と位置合わせした場合に、他方の端部が配力筋C及び配力筋Cの中間程度に位置する長さであることが好ましい。第1補強筋L1が過度に長すぎる場合には、工事用単位ブロック1の特に使用時の強度の面で好ましくない。第1補強筋L1と基体部11の底面15との距離は、第1軸筋R2、他の先頭主筋R1、3番主筋R3、4番主筋R4及び6番主筋R6と基体部11の底面15とのそれぞれの距離よりも小さくなる。すなわち、第1補強筋L1と基体部11の底面15との間のコンクリートはより薄くなるということである。第1補強筋L1が過度に長すぎる場合には、コンクリートが薄い状態の部分が増えることになるため、工事用単位ブロック1の特に使用時の強度の面で好ましくないのである。
【0044】
図1等に示す態様では、第1軸筋R2及び第1補強筋L1はそれぞれ別部材であるが、第1軸筋R2及び第1補強筋L1は一体化された部材であっていてもよい。例えば、第1補強筋L1に相当する部分のみ他の先頭主筋R1、3番主筋R3、4番主筋R4、第2軸筋R5及び6番主筋R6より太く、第1軸筋R2に相当する部分は他の先頭主筋R1、3番主筋R3、4番主筋R4、第2軸筋R5及び6番主筋R6と同一の太さの鉄筋部材にしてもよい。
【0045】
5番主筋(R5,L2)についても2番主筋(R2,L1)と同様であり、図1及び図5等に示すように、太さの異なる2本の鉄筋が互いに接続された部材であって、5番主筋(R5,L2)は、第2軸筋R5と、第2軸筋R5より太い第2補強筋L2から構成される複合構造である。図5等に示すように、第2軸筋R5の太さは、他の先頭主筋R1、3番主筋R3、4番主筋R4及び6番主筋R6と同一であり、第2軸筋R5の長さは、他の先頭主筋R1、3番主筋R3、4番主筋R4及び6番主筋R6より短い。5番主筋(R5,L2)は、第1側面17aから突出することになる第1主突出端部においては、他の先頭主筋R1、3番主筋R3、4番主筋R4及び6番主筋R6の第1主突出端部と同様の配置である。第2軸筋R5は、第2側面17bから突出することになる第2主突出端部側においては、第2補強筋L2が一部重なるようにして接続されており、実際に第2側面17bから突出する第2主突出端部は、図2等で示す通り、第2補強筋L2の一部が相当することになる。図1等に示すように、第2軸筋R5の他方の端部は、コンクリート製の基体部11の内部に完全に隠れる。
【0046】
図13に示す基体部11の上面13の短辺の長さBと、第2補強筋L2のうち基体部11内部の部分の長さGの比(B:G)は、工事用単位ブロック1の強度や基体部11のコンクリートの破損防止等の観点からは、B:G=3:1~5:1が好ましく、B:G=3:1~4:1がより好ましい。また、図13に示す長さB及び第2軸筋R5と第2側面17bとの離間距離Hの比(B:H)は、工事用単位ブロック1の強度や基体部11のコンクリートの破損防止等の観点からは、B:H=13:1~16:1が好ましく、B:H=14:1~15:1がより好ましい。図13に示す通り、長さGから離間距離Hを差し引いた長さが、第2軸筋R5と第2補強筋L2とが重なる部分の長さとなる。図13に示す長さB、長さG、離間距離Hの好ましい比率については、2番主筋(R2,L1)の第1軸筋R2及び第1補強筋L1においても同様である。
【0047】
第2軸筋R5と第2補強筋L2の接続箇所は、図5及び図6等に示すように、配力筋Cとの直交部分の付近である。第2軸筋R5と第2補強筋L2の接続については、第1軸筋R2と第1補強筋L1の場合と同様に、結束線等で結束する方法等、通常の接続方法を採用することができる。第2軸筋R5と第2補強筋L2の接続箇所については、図1等に示すように、コンクリート製の基体部11の内部に完全に隠れる。第2軸筋R5及び第2補強筋L2の接続部分の重なり度合については、第2補強筋L2の長さの3分の1から2分の1程度であることが、工事用単位ブロック1の吊下げ時の強度確保の点から好ましい。また、同様の観点から、第2軸筋R5及び第2補強筋L2の両方とも、少なくとも1本の配力筋、すなわち、配力筋Cと直交していることが好ましい。第2軸筋R5及び第2補強筋L2の接続部分の位置関係については、図1等に示すように、第2補強筋L2が6番主筋R6側、すなわち、基体部11の中心により遠い方において第2軸筋R5に接続されているが、両者の位置関係については図1等に示す通りに限らない。例えば、第2補強筋L2が4番主筋R4側、すなわち、基体部11の中心により遠い方において第2軸筋R5に接続されていても構わない。
【0048】
第2補強筋L2は、第2軸筋R5、他の先頭主筋R1、3番主筋R3、4番主筋R4及び6番主筋R6よりも径が大きい。第1軸筋R2と第1補強筋L1の場合と同様に、第2軸筋R5と第2補強筋L2との径の比は、R5:L2=1:1.1~1:1.5が好ましく、R5:L2=1:1.2~1:1.4がより好ましい。例えば、第2軸筋R5、他の先頭主筋R1、3番主筋R3、4番主筋R4及び6番主筋R6の径が10mm程度の場合、第2補強筋L2は13mm程度が好ましい。日本工業規格(JIS)の公称直径の規格に基づけば、例えば第2軸筋R5は9.53mm、第2補強筋L2は12.7mmが好ましい。図6等に示すように、第2補強筋L2の長さについては、第2主突出端部となる他方の端部側を、他の先頭主筋R1、3番主筋R3、4番主筋R4、第2軸筋R5及び6番主筋R6と位置合わせした場合に、一方の端部が配力筋C及び配力筋Cの中間程度に位置する長さであることが好ましい。第2補強筋L2が過度に長すぎる場合には、第1補強筋L1の場合と同様の理由で、工事用単位ブロック1の特に使用時の強度の面で好ましくない。
【0049】
図1等に示す態様では、第2軸筋R5及び第2補強筋L2はそれぞれ別部材であるが、第2軸筋R5及び第2補強筋L2は一体化された部材であっていてもよい。例えば、第2補強筋L2に相当する部分のみ他の先頭主筋R1、3番主筋R3、4番主筋R4、第2軸筋R5及び6番主筋R6より太く、第2軸筋R5に相当する部分は他の先頭主筋R1、3番主筋R3、4番主筋R4、第2軸筋R5及び6番主筋R6と同一の太さの鉄筋部材にしてもよい。
【0050】
第1補強筋L1及び第2補強筋L2のそれぞれの突出端部の根元が、運搬等の吊下げ時の吊下げ好適部位となる。図13において、第1補強筋L1及び第2補強筋L2のそれぞれの突出端部の根元とを結ぶ直線と、先頭主筋R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6との角度θは、吊下げ時の安定性の観点からは、30~75度程度が好ましく、35~45度がより好ましい。
【0051】
図1図2等に示すように、配力筋C、C、C、Cは等間隔に互いに平行に配置した4本の鉄筋から成り、上面13の矩形の長辺方向に平行で長辺より長く、基体部11の内部を貫いている。そして、基体部11の第3側面19a及び第4側面19bから各両端部を「副突出端部」として同一長さで両側に露出している。配力筋C、C、C、Cは、先頭主筋R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6と同様、第3側面19a及び第4側面19bにおいて、基体部11の厚さ方向の中央部から同一長さで両側に露出する。土間コンクリートの施工においては、この露出した鉄筋からなる副突出端部でもって、隣接する別の工事用単位ブロックの第1及び第2主突出端部又は副突出端部と結合することになるため、アーク溶接や結束等ができる程度の長さを有していればよい。
【0052】
例えば、5cm程度の長さの副突出端部を採用することができる。この副突出端部の長さは、土間コンクリートの施工において、工事用単位ブロックの間隔により任意に設定できる。図1に示す配力筋C、C、C、Cの間隔は20cm程度であるが、15~25cm程度とすることができる。配力筋C、C、C、Cの間隔を20cm程度から変更する場合は、配力筋C、C、C、Cを構成する鉄筋の本数を増減することができる。
【0053】
先頭主筋R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6及び配力筋C、C、C、Cは、鉄筋の中でも異形棒鋼が好ましい。鉄筋には大別して「丸鋼」と「異形棒鋼」の規格があるが、異形棒鋼は棒の表面に凹凸がついた特殊な形状をしており、コンクリート補強用材料として通常使用される鉄筋である。表面にリブや節と呼ばれる突起が設けられており、コンクリートとの密着力や定着力を上げることに寄与する。リブは軸の方向に連続してつけられている凹凸であり、節は軸方向以外についた凹凸である。これらの突起があるために、棒自体の表面積が大きくなり、鉄筋がコンクリートから抜けにくくなる。
【0054】
節と節の距離や、節と軸線の角度、節の高さ等が様々な鉄筋があるが、設計上の選択の問題であり、希望の耐荷重等により種々に選択可能である。鉄筋の公称直径についても、希望の耐荷重やコンクリート量、厚さにより、設計上、様々な規格を選択することができる。例えば、日本工業規格(JIS)によると、9.53mm、12.7mm、15.9mm、19.1mm等の鉄筋における公称直径の規格があるが、様々な直径を選択することができる。
【0055】
一例として、畑等の農業用地の倉庫前に設置するものであれば、実施形態に係る工事用単位ブロック1の取扱い、耐荷重等を考慮すると、例えば上面13の長辺LS(図13における長辺の長さA)=180cm程度、上面13の短辺SS(図13における短辺の長さB)=90cm程度、厚さ12cm程度とすることができる。また、第1段欠き部21a、第2段欠き部21b、第3段欠き部23a及び第4段欠き部23bの段欠き深さは4cm程度、段差は4cm程度を採用することができる。図1等に示すように、先頭主筋R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6が6本、配力筋C、C、C、Cが4本の場合、実施形態に係る工事用単位ブロック1は約450kgの重量となる。
【0056】
また、上面13の長辺LS(図13における長辺の長さA)=180cm程度、上面13の短辺SS(図13における短辺の長さB)=90cm程度、厚さ12cm程度、第1段欠き部21a、第2段欠き部21b、第3段欠き部23a及び第4段欠き部23bの段欠き深さ4cm程度、段差4cm程度の場合、図13のような底面15側の平面視の状態においては、第1段欠き部21a、第2段欠き部21b、第3段欠き部23a及び第4段欠き部23bの4つの台形の総面積は、吊下げ好適部位の強度や基体部11の強度を保持しつつ、土間コンクリートを形成した際の全体強度を実現するという観点からは、矩形である上面13の面積の3~8%程度が好ましく、4~5%程度がより好ましい。なお、特許文献2に記載の工事用単位ブロックの底面側を同様に平面視した場合、底面の段欠き部(特許文献2においては2つのコの字型の溝部)の総面積については、上面面積の11%程度である。
【0057】
(工事用単位ブロックの製造方法)
実施形態に係る工事用単位ブロック1の製造方法は、図8に示すように、台座41となる厚さ9~16mm程度の鉄板の上に、水平に下地板43が置かれ、下地板43の表面に、下地板43に垂直方向の主面を有する4枚の側板45a、45b、47a、47bで囲まれた平面視四角柱状の型枠(45a、45b、47a、47b、51a、51b、53a、53b)を固定する。4枚の側板45a、45b、47a、47bにはそれぞれ、第1切取部材(凸部)51a、第2切取部材(凸部)51b、第3切取部材(凸部)53a、第4切取部材(凸部)53bが、それぞれの内壁上部に固定されている。第1切取部材(凸部)51a、第2切取部材(凸部)51b、第3切取部材(凸部)53a、第4切取部材(凸部)53bは、図9に示すように、それぞれ平面視が台形形状であり、それぞれの台形形状の下底に相当する部分が、対応する側板の内壁に固定されている。第1切取部材(凸部)51a、第2切取部材(凸部)51b、第3切取部材(凸部)53a、第4切取部材(凸部)53bはそれぞれ、図1における工事用単位ブロック1の第1段欠き部21a、第2段欠き部21b、第3段欠き部23a、第4段欠き部23bを形成するためのものである。下地板43としては、例えば厚さ0.27~0.8mm程度のトタン板や厚さ1.2mm程度の鉄板が採用可能である。また、台座41として、厚さ5~20cm程度のコンクリート板を用いることも可能である。なお、工事用単位ブロックを構成する基体部11の上面13を意匠面やデザイン面とする場合は、下地板43に種々の模様のある板を用いてもよい。上面13に偶発的な模様を発生させた意匠を期待する場合は、ビニールシート等の伸縮性のある膜を下地板43として用い、下地板43の縮みによる意匠パターンを形成してもよい。
【0058】
型枠(45a、45b、47a、47b、51a、51b、53a、53b)は4枚の側板45a、45b、47a、47bとなる板材を含み、それぞれの側板45a、45b、47a、47bには主筋又は配力筋となる鉄筋の丸棒を通せる程度の穴が、同一の高さで複数空いている。4枚の側板45a、45b、47a、47bは、それぞれの一面を下地板43に隙間なく密着するように固定されている。固定方法は、4枚の側板45a、45b、47a、47bが下地板43に対して着脱可能となるのであれば、ボルトによるもの等、いずれの方法をとってもかまわない。下地板43と4つの側板45a、45b、47a、47bで囲まれた内側の空間は直方体となる。図8に示す4枚の板材の代わりに、C型鋼やL型鋼の平面を側板45a、45b、47a、47bとして用いてもよい、L型鋼のL字の底面を下地板43に接するように固定することで、下地板43との側板45a、45b、47a、47bの接地面が広くなるようにしてもよい。
【0059】
次に、図8に示すように、4枚の側板45a、45b、47a、47bのそれぞれの複数の穴に先頭主筋R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6及び配力筋C、C、C、Cを通す。図8に示すように、先頭主筋R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6の6本、配力筋C、C、C、Cの4本を通して、井桁格子状のパターンが見かけ上構成されている。図8に示す井桁格子状のパターンでは、配力筋C、C、C、Cの方が先頭主筋R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6より下部に位置しているが、この配置が逆となっても構わない。井桁格子状のパターンを構成するように配置する際、二次元連結板を施工した際の表面となる上面13にひび割れを極力生じさせないようにするためには、相対的に長い方の筋、即ち配力筋C、C、C、Cを下部側に配置した方がよい。この時、2番主筋(R2,L1)及び5番主筋(R5,L2)については、それぞれの2本の鉄筋がそれぞれ互いに接続されていてもよいし、接続されていなくともよい。4枚の側板45a、45b、47a、47bのそれぞれの複数の穴の一部から露出した先頭主筋R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6の6本の両端部を「露出端部」と定義した時に、2番主筋(R2,L1)の補強筋L1側の露出端部及び5番主筋(R5,L2)の補強筋L側の露出端部が、他の露出端部よりも太く、互いに点対称に位置することになる。先頭主筋R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6の「露出端部」は、工事用単位ブロック1が形成された際の先頭主筋R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6の「突出端部」となる。
【0060】
次に、図示は省略するが、井桁格子状のパターンを構成している先頭主筋R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6及び配力筋C、C、C、Cの各直交部分を固定して、井桁格子を形成する。直交部分は、図8においては例えば、先頭主筋R1と配力筋Cの直交部分である。アーク溶接又は結束その他の方法で各直交部分を固定して、井桁格子を形成する。
【0061】
次に、図10に示すように、下地板43、型枠(45a、45b、47a、47b、51a、51b、53a、53b)で囲まれた空間内に生コンクリートを流し込む。生コンクリートは、第1切取部材(凸部)51a、第2切取部材(凸部)51b、第3切取部材(凸部)53a、第4切取部材(凸部)53bのそれぞれの上面が隠れないように量を調整して流し込む。型枠(45a、45b、47a、47b、51a、51b、53a、53b)には側面に複数の穴が空いており、図8に示す通り、先頭主筋R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6及び配力筋C、C、C、Cを通した後でも隙間は空いているが、生コンクリートの粘性により、穴から型枠(45a、45b、47a、47b、51a、51b、53a、53b)の外部に生コンクリートが流出してしまうことはほとんど起こらない。生コンクリートを流し込んだ後は、生コンクリートの間隙を少なくし、主筋及び配力筋との付着力を強めるために、振動機等を用いて通常の締固めを行う。
【0062】
次に、生コンクリートを養生させて硬化させる工程であるが、養生の方法は様々取り得る。例えば、散水養生や湿潤養生等である。外気温や湿度、天候等の条件に従い、適切な養生方法を選択する。次に、生コンクリートが十分硬化したことが確認できたら、図10の通り、型枠(45a、45b、47a、47b、51a、51b、53a、53b)等の内側には実施形態に係る工事用単位ブロック1の基体部11が形成されていることとなる。
【0063】
次に、型枠(45a、45b、47a、47b、51a、51b、53a、53b)の固定を外し、硬化したコンクリート、即ち、工事用単位ブロック1から分離する。この時点で、図1等に示すような実施形態に係る工事用単位ブロック1が現れる。第1切取部材(凸部)51a、第2切取部材(凸部)51b、第3切取部材(凸部)53a、第4切取部材(凸部)53bにより、それぞれ、図1等に示すような工事用単位ブロック1の第1段欠き部21a、第2段欠き部21b、第3段欠き部23a、第4段欠き部23bが形成されている。実施形態に係る工事用単位ブロック1の製造方法においては、工事用単位ブロック1の底面15が図1等に示すように上側に位置するように製造することになる。続いて、硬化したコンクリート、即ち、工事用単位ブロック1を下地板43から分離して、図1等に示すような工事用単位ブロック1を得る。
【0064】
(コンクリート施工方法)
以下において、図11に示した土間コンクリートの構造を例に、実施形態に係るコンクリート施工方法を説明する。実施形態に係るコンクリート施工方法の説明における「上」「下」「左」「右」等の方向の定義は、単に説明の便宜上の選択例に過ぎず、本発明の技術的思想を限定するものではないことは冒頭で述べたとおりである。例えば、実施形態に係る土間コンクリートを構成する工事用単位ブロックや二次元連結板を90°回転して観察すれば左右は上下に変換され、上下は左右に変換されて読まれる。具体的には、図11に示した土間コンクリートの構造を90°回転すれば、例えば土間コンクリートの水平面は壁材の垂直な面になる。また、図11に示した土間コンクリートの構造を180°回転すれば、例えば例示した土間コンクリートの水平面は天井材の水平面になる。
【0065】
まず、実施形態に係るコンクリート施工方法においては、基盤層31となる砂利を地面33の上に敷設してローラー等で均し、均一且つ一様な水平レベルを有する面を形成する。基盤層31の厚さは5cm程度で十分である。地面33が既に十分に平面に均された状態であれば、砂利は必要がない。次に、基盤層31の上に、図1等で示す底面15を下にするようにして、図12(a)に示すように、一方(左側)の第1の工事用単位ブロック1a及び、この一方の第1の工事用単位ブロック1aに連結用隙間61を介し対向する他方(右側)の第2の工事用単位ブロック1bを戴置する。連結用隙間61は、第1の工事用単位ブロック1a及び第2の工事用単位ブロック1bの間に位置する空間であり、第1の工事用単位ブロック1a及び第2の工事用単位ブロック1bの対向する2面における、第1の工事用単位ブロック1aの段欠き部及び第2の工事用単位ブロック1bの段欠き部によって構成される空間を含むものである。即ち、左側に配置された第1の工事用単位ブロック1a及び右側に配置された第2の工事用単位ブロック1bのそれぞれの上面の法線方向を同一方向にして、互いに離間させて連結用隙間61を設けて、それぞれの上面のすべてが同一平面レベルとなるように並列配置する。
【0066】
第1の工事用単位ブロック1aと第2の工事用単位ブロック1bは、図1に示す工事用単位ブロック1と実質的に同一構造である。同一構造であるので詳細な図示を省略するが、第1の工事用単位ブロック1aは、複数の第1鉄筋部材Ra(図12参照。)、第1鉄筋部材Raと直交し第1鉄筋部材Raと共に、第1格子を構成する、同一長さで互いに平行に配置された複数の第1配力筋を備えている。そして、第1の工事用単位ブロック1aは、上面が、第1鉄筋部材Raの長さよりも短い第1及び第2短辺と、第1配力筋の長さよりも短い第1及び第2長辺を有する矩形である。第1の工事用単位ブロック1aは、第1及び第2長辺に沿った側面並びに第1及び第2短辺に沿った側面で定義される直方体状をなしている。第1の工事用単位ブロック1aは、第1及び第2長辺に沿った側面から第1鉄筋部材Raの両端部を露出して「第1突出端部」を構成している。また、第1及び第2短辺に沿った側面から第1配力筋の両端部をそれぞれ同一長さで露出して「第2突出端部」を構成している。第1の工事用単位ブロック1aは、第1格子を埋め込んだコンクリートからなる第1のブロックを更に備える。
【0067】
第2の工事用単位ブロック1bは、第1の工事用単位ブロック1aと同様の構造である。第2の工事用単位ブロック1bは、同一長さで平行に配置された複数の第2鉄筋部材Rb(図12参照。)、第2鉄筋部材Rbと直交し第2鉄筋部材Rbと共に、第1格子と同一構造の第2格子を構成する、同一長さで互いに平行に配置された複数の第2配力筋を備えている。そして、第2の工事用単位ブロック1bは、上面が第2鉄筋部材Rbの長さよりも短い第3及び第4短辺と、第2配力筋の長さよりも短い第3及び第4長辺を有する矩形である。第2の工事用単位ブロック1bは、第3及び第4長辺に沿った側面並びに第3及び第4短辺に沿った側面で定義される直方体状をなしている。第2の工事用単位ブロック1bは、第3及び第4長辺に沿った側面から第2鉄筋部材Rbの両端部を露出して「第3突出端部」を構成している。また、第3及び第4短辺に沿った側面から第2配力筋の両端部をそれぞれ同一長さで露出して「第4突出端部」を構成している。第2の工事用単位ブロック1bは、第2格子を埋め込んだコンクリートからなる第2のブロックを更に備える。
【0068】
なお、第2の工事用単位ブロック1bに関し、「第2鉄筋部材」の名称を付与しているが、説明の便宜上の名称であり、第1の工事用単位ブロック1aの「第1鉄筋部材」と実質的に同一な構造と機能を持つ部材である。同様に、第2の工事用単位ブロック1bに関し、「第2配力筋」の名称を付与しているが、説明の便宜上の名称であり、第1の工事用単位ブロック1aの「第1配力筋」と実質的に同一な構造と機能を持つ部材である。同様に、第3及び第4短辺は第1の工事用単位ブロック1aの第1及び第2短辺と同じであり、第3及び第4長辺は第1の工事用単位ブロック1aの第1及び第2長辺と同じである。この結果、「第3突出端部」及び「第4突出端部」も、第1の工事用単位ブロック1aの「第1突出端部」及び「第2突出端部」にそれぞれ等価である。
【0069】
第1の工事用単位ブロック1aは重機を用いて戴置するが、重機により吊り上げる部分、即ち、第1の工事用単位ブロック1aの重量がかかる部分は、第1の工事用単位ブロック1aの強度が大きい部分が好ましい。図1で説明すると、工事用単位ブロック1の第1主荷重部(第1補強筋L1の突出端部)及び第2主荷重部(第2補強筋L2の突出端部)が最も好ましい。図14において、第1の工事用単位ブロック1aと同一構造の工事用単位ブロック1を用いて説明すれば、2点吊りの場合、工事用単位ブロック1の第1主荷重部(第1補強筋L1の突出端部)及び第2主荷重部(第2補強筋L2の突出端部)が吊下げ好適部位となる。図14に示すように、第1主荷重部(第1補強筋L1の突出端部)の根元及び第2主荷重部(第2補強筋L2の突出端部)の根元にそれぞれ、ワイヤ91b及びワイヤ91aをかけて2点吊りを行うことができる。ワイヤ91a及びワイヤ91bはフック80にかけられており、フック80をクレーン等の重機で上下等させることで、工事用単位ブロック1を吊下げ、運搬することができる。
【0070】
次に、第1の工事用単位ブロック1aの第1鉄筋部材Raの端部である第1突出端部を「第1連結用枝部」として選択し、連結用隙間61を介して対向する第2の工事用単位ブロック1bの第2鉄筋部材Rbの端部である第3突出端部を「第2連結用枝部」として選択する。第1の工事用単位ブロック1a及び第2の工事用単位ブロック1bを構成するそれぞれのブロックは、それぞれ上面の外形に沿って折れ曲がる4つの垂直側面が連続して囲んだ板状立体形状である。実施形態に係るコンクリート施工方法では、第1の工事用単位ブロック1aと第2の工事用単位ブロック1bの間に位置する連結用隙間61を介して対向する第1の工事用単位ブロック1aの1つの垂直側面が「第1対向側面」として、選択される場合を例示的に説明する。この例示では同様に、連結用隙間61を介して対向する第2の工事用単位ブロック1bの1つの垂直側面が「第2対向側面」として選択される。結局この例示では、第1連結用枝部は第1対向側面から突出した第1突出端部であり、第2連結用枝部は第2対向側面から突出した第3突出端部である。そして、第1連結用枝部と第2連結用枝部を互いにアーク溶接等で連結し固定する。第1突出端部及び第3突出端部の長さは、図1(a)の工事用単位ブロック1に示すように、例えば5cm程度とすることができる。このため、第1の工事用単位ブロック1aと第2の工事用単位ブロック1bのそれぞれのブロックの側面の間隔が10cmであれば、第1突出端部の端部と第3突出端部の端部とを直接合わせて固定できる。
【0071】
第1の工事用単位ブロック1aと第2の工事用単位ブロック1bのそれぞれのブロックの側面の間隔が10cmより大きい場合であれば、図12(b)のように連結用補助部材Rp1を用いればよい。第1突出端部と第3突出端部との間隔に適合した長さの連結用補助部材Rp1を用いて、図12(b)に示すようにアーク溶接等の接続工程を行う。例えば、連結用補助部材Rp1を5cmとすれば、第1の工事用単位ブロック1aと第2の工事用単位ブロック1bのそれぞれのブロックの側面の間隔を15cmに設定できる。
【0072】
実際の複数の工事用単位ブロックを平面充填(タイル貼り)してコンクリート面を形成する作業では、平面充填に用いられる複数の工事用単位ブロックのそれぞれを構成するブロックは、それぞれ上面の外形に沿って折れ曲がる4つの垂直側面が連続して囲んだ板状立体形状である。よって、それぞれのブロックの4つの垂直側面が、設計仕様となる平面充填のトポロジーに対応して、適宜連結用隙間を介して隣接する他のブロックの垂直側面に対向する。このため、複数の工事用単位ブロックを用いた平面充填では、連結用隙間を介して対向する一方のブロックの垂直側面が「第1対向側面」として選択され、連結用隙間を介して対向する他方の工事用単位ブロックの1つの垂直側面が「第2対向側面」として選択される。結局、施工目的となるコンクリート面の周辺部に配置されるブロックを除くと、すべてのブロックのそれぞれの垂直側面に第1連結用枝部又は第2連結用枝部が、設計仕様に応じて定義されることが可能である。したがって、図12は2つの工事用単位ブロックに着目して、その一部の手順を説明した例示的説明に過ぎないことに留意されたい。
【0073】
図12(b)に示したアーク溶接による左側の溶接部位71aにより、第1突出端部の端部と連結用補助部材Rp1の端部が互いに溶融され固定される。また、図12(b)に示した右側の溶接部位71bにより、連結用補助部材Rp1の端部と第3突出端部の端部が互いに溶融され固定される。この結果、第1突出端部と隣接する第3突出端部が、連結用補助部材Rp1によって、互いに強固に固定され、第1の工事用単位ブロック1aと第2の工事用単位ブロック1bが一体化される。
【0074】
連結用補助部材Rp1は、第1の工事用単位ブロック1aの第1鉄筋部材Ra及び第2の工事用単位ブロック1bの第2鉄筋部材Rbと同じ径の鋼材等を用いれば良い。第1の工事用単位ブロック1aの第1鉄筋部材Ra及び第2の工事用単位ブロック1bの第2鉄筋部材Rbが鉄筋であれば、同じ径の鉄筋を用いることが好ましい。アーク溶接ではなく、ガス圧接による接続を行ってもよい。
【0075】
また、図12(c)に示すように、第1突出端部からなる第1連結用枝部と第3突出端部からなる第2連結用枝部との間の間隔より長い連結用補助部材Rpを、第1突出端部と第3突出端部の両端部にそれぞれ重ね合わせてもよい。図12(c)では、連結用補助部材Rpを2段構造に重ねた後、アーク溶接等を行い、溶接部位71c及び71dにより、連結用補助部材Rpと第1突出端部からなる第1連結用枝部の端部及び第3突出端部からなる第2連結用枝部の端部をそれぞれ接続している。
【0076】
また、図示は省略するが、カプラー等を用いた機械式接続の手法も採用できる。第1鉄筋部材Ra及び第2鉄筋部材Rbがパイプであれば2重管構造で連結した後、連結部をシールしてもよく、一般的な配管継ぎ手を用いて第1鉄筋部材Raと第2鉄筋部材Rbを一本の配管となるように連結してもよい。第1鉄筋部材Raと第2鉄筋部材Rbとを配管継ぎ手等を用いて連結した場合、第1鉄筋部材Ra及び第2鉄筋部材Rbが連結された筒の内部に電気ヒータ等の配線を貫通させ、第1の工事用単位ブロック1a及び第2の工事用単位ブロック1bを融雪用パネルとすることができる。
【0077】
第1鉄筋部材Ra及び第2鉄筋部材Rbがパイプの場合、第1鉄筋部材Raと第2鉄筋部材Rbを連結して第1鉄筋部材Raと第2鉄筋部材Rbの内部に融雪温度以上の流体を流して、第1の工事用単位ブロック1a及び第2の工事用単位ブロック1bを融雪用パネルとし、ロードヒーティングや駐車場等の融雪に用いることもできる。融雪用パネルとするためには、第1の工事用単位ブロック1a及び第2の工事用単位ブロック1bの表面が1℃~2℃になるように熱設計が必要であるが、第1鉄筋部材Ra及び第2鉄筋部材Rbとしてのパイプの内部を、温泉水を通す等、種々の自然熱源を利用することも可能である。
【0078】
次に、図12(a)に示した第1の工事用単位ブロック1a及び第2の工事用単位ブロック1bの間の連結用隙間61に対し、図12(b)に示すように生コンクリート21を流し込み、第1の工事用単位ブロック1aと第2の工事用単位ブロック1bの上面を連続した平坦面に仕上げる。この際、第1の工事用単位ブロック1aの第1鉄筋部材Raと第2の工事用単位ブロック1bの第2鉄筋部材Rbが隠れるようにする。更に、第1の工事用単位ブロック1a及び第2の工事用単位ブロック1bのそれぞれの互いに対向する段欠き部にも、生コンクリート21をしっかり充填させる。この際、生コンクリート21の間隙を少なくし、主筋又は配力筋との付着力を強めるために、振動機等を用いて通常の締固めを行い、第1の工事用単位ブロック1a及び第2の工事用単位ブロック1bのそれぞれの互いに対向する段欠き部の内部に、生コンクリート21を一様かつ十分に充填する。次に生コンクリート21を養生させて硬化させる。養生の方法は実施形態に係る工事用単位ブロックの製造方法においても説明したように、外気温や湿度、天候等の条件に従い、散水養生や湿潤養生等様々採用することができる。流し込んだ生コンクリート21が十分硬化すると、土間コンクリートが完成する。図12(a)及び(b)においては、第1の工事用単位ブロック1a及び第2の工事用単位ブロック1bに着目して説明したが、他の工事用単位ブロック間にも同様に連結用隙間は存在し、同様に生コンクリートを流し込んで土間コンクリートを形成することが可能である。例えば、図12(a)においては、工事用単位ブロック1bの右側に連結用隙間62が存在するが、連結用隙間62は工事用単位ブロック1bと工事用単位ブロック1cとの間の連結用隙間である。この連結用隙間62についても同様に、工事用単位ブロック1bと工事用単位ブロック1cとを連結した後に生コンクリート21を流し込み、図12(b)の状態にすることができる。
【0079】
図12に示したような図示を省略しているが、図11に示した一方(上側)の第1の工事用単位ブロック1aの配力筋の端部である第2突出端部が第1連結用枝部と定義され、第1の工事用単位ブロック1aに連結用隙間を介して対向する他方(下側)に隣接する第2の工事用単位ブロック1dの配力筋の端部である第4突出端部が第2連結用枝部と定義され、図12に示した技術内容と同様な趣旨に従い、互いに連結し固定される。ここで「上側」「下側」は平面パターン上での定義である。上側の第2突出端部及び下側の第4突出端部は、例えば5cm程度とすることができる。図12(c)に示したのと同様に、第2突出端部の端部と第4突出端部の端部との間の間隔より長い連結用補助部材を、第2突出端部と第4突出端部の両端部にそれぞれ重ね合わせた後、アーク溶接等により接続してもよい。
【0080】
既に述べたとおり、実施形態に係る二次元連結板の説明における「上」「下」「左」「右」等の方向の定義は、単に説明の便宜上の選択例に過ぎない。図11に示した二次元連結板を90°回転して観察すれば、左右は上下に変換され、上下は左右に変換されて読まれることに留意が必要である。
【0081】
図11に、左側の工事用単位ブロック1a,1d,1g,1i、右側の工事用単位ブロック1b,1e,1h,1j及び更に右側の工事用単位ブロック1c、1fのそれぞれの間の連結用隙間にコンクリート21を流し込んだ状態の土間コンクリートの全景を示す。図11では、上側の工事用単位ブロック1a,1b,1cと下側の工事用単位ブロック1d,1e,1fの間の連結用隙間にコンクリート21が流し込まれている。下側の工事用単位ブロック1d,1eと更に下側の工事用単位ブロック1g,1hの間の連結用隙間、更に下側の工事用単位ブロック1g,1hと最も下側の工事用単位ブロック1i,1jの間の連結用隙間においても同様である。
【0082】
土間コンクリートの周縁部は、左側の工事用単位ブロック1a,1d,1g,1i、右側の工事用単位ブロック1b,1e,1h,1j及び更に右側の工事用単位ブロック1c、1fの上面の一辺であってもよいし、後から流し込んで硬化させたコンクリート21であってもよい。このように、土間コンクリートを施工する際には、工事用単位ブロック間の連結用隙間と定義されていない隙間に対しても生コンクリートを流し込む場合がある。連結用隙間ではない隙間については、例えば、土間コンクリートの端に位置する工事用単位ブロックの周囲において、他の工事用単位ブロックと隣接していない部分と施工現場の地面(又は基盤層)との間に生じる隙間、例えば、図12(a)における隙間65である。隙間65は工事用単位ブロック1aと周囲の地面との間の隙間である。また、連結用隙間ではない隙間として、一方の連結用隙間と他方の連結用隙間との間に生じる隙間等もある。一方の連結用隙間と他方の連結用隙間との間に生じる隙間については、例えば、図11における工事用単位ブロック1aと工事用単位ブロック1eとの間に生じる隙間等である。これらの連結用隙間ではない隙間に対しては、連結用隙間に生コンクリートを流し込む際に、自然と生コンクリートが流入する。図11に示す土間コンクリートの上半分は略等間隔で左側の工事用単位ブロック1a,1d、右側の工事用単位ブロック1b,1e及び更に右側の工事用単位ブロック1c、1fが配置されている。一方で、図11に示す土間コンクリートの下半分は左側の工事用単位ブロック1g,1i及び右側の工事用単位ブロック1h,1jの配置が等間隔ではない。
【0083】
図11の下側程、末広がりの土間コンクリート構造となっている。左側の工事用単位ブロック1iと右側の工事用単位ブロック1jとの間隔は他と比較して広く空いている。左側の工事用単位ブロック1iと右側の工事用単位ブロック1jのそれぞれの主筋を、比較的長めの連結用補助部材を用いて連結すれば、図11に示すような任意の平面パターンの二次元連結板である土間コンクリートを施工しうる。
【0084】
また、左側の工事用単位ブロック1iと右側の工事用単位ブロック1jを、実施形態に係る工事用単位ブロックの製造方法で製造した工事単位部材を任意の大きさに切り出した大きさや形状とすることも可能である。実施形態に係る工事用単位ブロックは主筋及び配力筋である鉄筋とコンクリートから成るため、ダイヤモンドカッター等の専用の切断機具により、容易に切断することができる。切り出した左側の工事用単位ブロック1iと右側の工事用単位ブロック1jを用いて、図11に示した以外の任意の平面パターンの二次元連結板である土間コンクリートも施工しうる。
【0085】
更に、図示は省略するが、一方の工事用単位ブロックの第1突出端部を第1連結用枝部とし、他方の工事用単位ブロックの第4突出端部を第2連結用枝部とし、第1連結用枝部と第2連結用枝部を接続してもよい。即ち、一方の工事用単位ブロックの長手方向に対して、他方の工事用単位ブロックの長手方向を略垂直に位置させ、第1突出端部と第4突出端部を接続させるようにするのである。同様に、一方の工事用単位ブロックの第2突出端部を第1連結用枝部とし、他方の工事用単位ブロックの第3突出端部を第2連結用枝部とし、第1連結用枝部と第2連結用枝部を接続してもよい。実施形態に係る二次元連結板であるコンクリートを施工しようとする土地の形状等により、工事用単位ブロックの配置は自由に設定することができる。
【0086】
ここで連結用隙間の幅をWと仮定する。第1の工事用単位ブロック1aの第1のブロックと第2の工事用単位ブロック1bの第2のブロックのそれぞれの長手方向が互いに直交する場合は、第1の工事用単位ブロック1a及び第2の工事用単位ブロック1bのそれぞれのブロックの第1短辺の長さSSは、平面充填においては、第1短辺の両側にW/2の長さを含める必要があるので、実効的なブロックの短辺長SSeffect=SS+Wとなる。同様に、平面充填においては、第1の工事用単位ブロック1a及び第2の工事用単位ブロック1bのそれぞれのブロックの第1長辺の長さLSは、第1長辺の両側にW/2の長さを含める必要があるので、実効的なブロックの長辺長LSeffect=LS+Wとなる。
【0087】
よって、連結用隙間の幅Wを含めた実効的なブロックの長辺長LSeffectと実効的なブロック短辺長SSeffectの関係を:

LSeffect=2SSeffect ……(1)
LS+W=2(SS+W) ……(2)

を満足するように選ぶことにより、和室に「祝儀敷き」の方式で畳を並べるような平面充填の配列が可能となる。祝儀敷きでは、四枚の畳の角が一か所に集まらないように、畳が敷かれる。なお、4畳半の間に敷かれる半畳の畳のように、一辺の長さSSで、実効的な一辺の長さSSeffectのとなる正方形のブロックを用意すれば、平面充填の自由度が増大する。また、このようなハーフサイズとなる正方形のブロックを用意すれば、レンガ積みにおける「イギリス積み」、「フランス積み」、「小口積み」等の多様な平面充填の配列が可能になる。
【0088】
第1の工事用単位ブロック1aと第2の工事用単位ブロック1bのそれぞれのブロックの長手方向が互いに直交する場合は、互いに連結する第1突出端部と第4突出端部の配列のピッチを等しくし、第2突出端部と第3突出端部の配列のピッチを等しくしておくことが好ましい。連結用隙間の幅Wよりもピッチが広ければ、第1~第4突出端部の配列のピッチを等しくしておけばよい。連結用隙間の幅Wよりもピッチが狭い場合は、第1長辺の横に2つの第3短辺が、幅Wの連結用隙間を介して並べる平面充填では、第1及び第2長辺に露出する第1突出端部の配列を中央の幅Wの箇所において省略し、その両側の第1突出端部の配列のピッチを、第3短辺に露出する第4突出端部のピッチと等しくしてもよい。あるいは、同一ピッチの配列において、中央の幅Wの箇所において、第1突出端部と第4突出端部との連結がされない未結合手(ダングリングボンド)としてもよい。
【0089】
k段目のレンガと、その直上の(k+1)段目のレンガの配列が、レンガの長手方向に半周期ずれる積み方が「長手積み(馬踏み)」である。長手積みにおいては、(k+1)段目のレンガと、その直上の(k+2)段目のレンガの配列も半周期ずれる。レンガの長手積みと同様に、k行目の第1の工事用単位ブロック1aの長手方向と、隣接する(k+1)行目の第2の工事用単位ブロック1bの長手方向を互いに平行にし、それぞれのブロックの長手方向に半周期ずれるような配列をする場合も、連結用隙間の幅Wよりもピッチが広ければ、第1及び第3突出端部の配列のピッチを等しくできる。長手積みのパターンでは、連結用隙間の幅Wよりもピッチが狭い場合は、第1長辺の横に2つの第3長辺が、幅Wの連結用隙間を介して並ぶ平面充填となる。このため、第2長辺に露出する第1突出端部の配列を中央の幅Wの箇所において省略し、その両側の第1突出端部の配列のピッチを、第3長辺に露出する第3突出端部のピッチと等しくしてもよい。あるいは、同一ピッチの配列において、中央の幅Wの箇所において、第1突出端部と第3突出端部との連結がされない未結合手(ダングリングボンド)とする長手積みのパターンでもよい。
【0090】
一方、第1の工事用単位ブロック1aのブロックの第1長辺に対して2個の第2の工事用単位ブロック1bのブロックの第1短辺が並ぶ単位パターンの配列では、2個の第2の工事用単位ブロック1bのブロックの間の連結用隙間の幅Wを考慮して、第2の工事用単位ブロック1bのブロックの第1短辺の長さSSと第1の工事用単位ブロック1aのブロックの第1長辺の長さLSとの関係を、

LS=2SS+W ……(3)

と選ぶ設計も可能である。
【0091】
第1の工事用単位ブロック1aのブロックと2個の第2の工事用単位ブロック1bのブロックの形状及び寸法が、すべて同一であるという前提では、第1短辺~第4短辺の長さSSと第1長辺~第4長辺の長さLSの関係が、式(3)を満足するように選ぶような設計である。式(3)を満足するような1個の第1の工事用単位ブロック1aと2個の第2の工事用単位ブロック1bの組み合わせを選ぶと、単位パターンとして、単位パターンの短辺の長さはLS、単位パターンの長辺の長さSS+LS+Wは選択できる。
【0092】
式(3)を満足するような1個の第1の工事用単位ブロック1aと2個の第2の工事用単位ブロック1bの組み合わせを単位パターンとする平面充填(タイル貼り)をする場合は、第1突出端部と第4突出端部とが接続され、第2突出端部と第3突出端部とが接続可能なように、第1~第4突出端部の配列のピッチをすべて等しく設計可能である。
【0093】
なお、1個の第1の工事用単位ブロック1aのブロックの第1長辺に対して1個の第2の工事用単位ブロック1bのブロックの第1短辺を対向させるL字型を単位パターンとする設計も可能である。L字型の単位パターンは凹多角形であるので、凹多角形を平面充填するトポロジーは、「45°網代(「やはず貼り」又は「ヘリンボーン」)」、「90°網代」、「二丁網代」、「重ね網代」、「ガーデン網代」、「フランス網代」等複数通り存在する。
【0094】
和室の畳の祝儀敷きのトポロジーは、L字型にした単位パターンの平面充填が呈する複数通りのトポロジー内の一つに過ぎず、「市松」、「ハーフバスケットウィーブ」、「交互貼り」等他のトポロジーも実現可能である。6畳間の祝儀敷きのトポロジーのように、2個の長方形を組み合わせてL字型にした単位パターンと、複数の長方形を直線上に配列した単位パターンの組み合わせもあるので、長方形の平面充填には多数のトポロジーが存在する。和室の場合、床の間は上座になるので、畳の縁が床の間の中央にあることは相手に失礼になる。よって、床の間に接する畳の長手方向が、床の間に平行になるように、畳が直線上に配列される。同様に和室の入口と畳の長手方向は平行になるように敷かれる。入り口から入るときに、畳の目が進行方向になるようにするためである。
【0095】
ブロックのセットであるL字型の単位パターンと、直線上にブロックを複数配列するパターンの組み合わせでも、長方形を平面充填できるので、第1突出端部と第4突出端部とが接続される箇所、第2突出端部と第3突出端部とが接続される箇所、第1突出端部と第3突出端部とが接続される箇所、第2突出端部と第4突出端部とが接続される箇所が、それぞれ種々の態様で混在するトポロジーもある。よって、第1突出端部と第4突出端部とが接続される箇所、第2突出端部と第3突出端部とが接続される箇所、第1突出端部と第3突出端部とが接続される箇所、第2突出端部と第4突出端部とが接続される箇所のそれぞれに、本発明の「第1連結用枝部」と「第2連結用枝部」が定義される。
【0096】
L字型の単位パターンの場合、複数の単位パターンをそれぞれ構成する2つのブロックによって、定義されるL字型の上面の外形に沿って折れ曲がる6つの垂直側面が連続して囲んだ板状立体形状と見なすことが可能である。このため、平面充填(タイル貼り)された場合、一方の工事用単位ブロックと他方の工事用単位ブロックの間に位置する連結用隙間を介して対向する一方の工事用単位ブロックの1つの垂直側面が「第1対向側面」として選択される。同様に、連結用隙間を介して対向する他方の工事用単位ブロックの1つの垂直側面が「第2対向側面」として選択される。結局、第1連結用枝部は一方の対向側面から突出した突出端部であり、第2連結用枝部は他方の対向側面から突出した突出端部である。よって平面充填されたL字型の単位パターンの間に連結用隙間を介して対向する2つの垂直側面(対向側面)の間にそれぞれ、「第1連結用枝部」と「第2連結用枝部」が定義される。しかし、実際のコンクリート施工の手順に従って、個別のブロック同士の連結に着目すれば、それぞれのブロックの間に「第1連結用枝部」と「第2連結用枝部」が定義されたことと等価である。
【0097】
1個の第1の工事用単位ブロック1aのブロックの第1長辺の中央に、1個の第2の工事用単位ブロック1bのブロックの第1短辺を対向させるT字型を単位パターンとすることも可能である。T字型の単位パターンも凹多角形であるので、複数のT字型の単位パターンを平面充填するトポロジーも複数通り存在する。T字型の単位パターンの平面充填においても、第1突出端部と第4突出端部とが接続される箇所、第2突出端部と第3突出端部とが接続される箇所、第1突出端部と第3突出端部とが接続される箇所、第2突出端部と第4突出端部とが接続される箇所のそれぞれに、本発明の「第1連結用枝部」と「第2連結用枝部」が定義される。
【0098】
T字型の単位パターンの場合、複数の単位パターンをそれぞれ構成する2つのブロックによって、定義されるT字型の上面の外形に沿って折れ曲がる8つの垂直側面が連続して囲んだ板状立体形状と見なすことが可能である。L字型の単位パターンの場合と同様に、T字型の単位パターンの平面充填においても、一方の工事用単位ブロックと他方の工事用単位ブロックの間に位置する連結用隙間を介して対向する一方の工事用単位ブロックの1つの垂直側面が「第1対向側面」として選択される。同様に、連結用隙間を介して対向する他方の工事用単位ブロックの1つの垂直側面が「第2対向側面」として選択される。結局、T字型の単位パターンの場合でも、第1連結用枝部は一方の対向側面から突出した突出端部であり、第2連結用枝部は他方の対向側面から突出した突出端部である。よって平面充填されたT字型の単位パターンの間に連結用隙間を介して対向する2つの垂直側面(対向側面)の間にそれぞれ、「第1連結用枝部」と「第2連結用枝部」が定義される。しかし、実際のコンクリート施工の手順に従って、個別のブロックの間の連結に着目すれば、それぞれのブロックの間に「第1連結用枝部」と「第2連結用枝部」が定義されたことと等価である。
【0099】
実施形態に係るコンクリート施工方法によれば、土間コンクリートの材料としては、従来技術と同様の「主筋及び配力筋」と「コンクリート」のみであるため、ボルト等のその他の部材が必要な場合と比較して、手間や費用がかからない。
【0100】
また、実施形態に係る工事用単位ブロック1を用いることで、土の地面を均し、主筋及び配力筋を格子状等に組み敷き、生コンクリートを流し込んで施工する土間コンクリートの従来施工方法よりも、土間コンクリートの施工工期を大幅に短縮できる。例えば、100mの土間コンクリートを施工する場合、従来施工方法では1カ月程度かかる。一方で、実施形態に係るコンクリート施工方法では、工事現場で流し込む生コンクリートの量は従来施工方法より少なくて済むため、1週間程度しかかからない。実施形態に係る工事用単位ブロック1を用いれば、例えば特許文献2に記載の工事用単位ブロックを用いた場合よりも、底面側を平面視した場合の面積を比較すると、段欠き部(特許文献2においては2つのコの字型の溝部)が最大約半分となるため、施工現場で段欠き部に流しこむ生コンクリートの量を大幅に減少させることが可能となり、施工の工期の更なる短縮を実現することもできる。実施形態に係るコンクリート施工方法では、雨天等の天候の影響もほとんど受けずに施工が進められる利点がある。
【0101】
また、実施形態に係るコンクリート施工方法によれば、予め製造していた工事用単位ブロックの上面は製造時に平滑な下地板に接しており、平滑に仕上げられているため、水勾配加工や不陸を除去するための仕上げ加工が短時間、且つ、容易であるという利点がある。また、隙間なくコンクリートを充填することになるため、二次元連結板の上における作業者の躓き、転倒等の事故が起こらない。二次元連結板を用いて土間コンクリートとした場合は、フォークリフト等の自動車の車輪が嵌まってしまうこともない。更に、一般的に土間コンクリートは1年程度で細かなひび割れが生じることがあるが、実施形態に係るコンクリート施工方法によれば、打設後3~4年経過しても表面にひび割れが生じにくい。
【0102】
また、実施形態に係るコンクリート施工方法によれば、通常の土間コンクリート打設時に必要な、いわゆる「縁を切る」という作業が省略でき、土間コンクリートの施工工期を大幅に短縮できる。通常、土間コンクリートの表面のひび割れを防ぐために、土間コンクリートの広い面に対して一定の間隔でスリットを入れ、意図的に面を分割する「縁を切る」という作業が必要である。スリットの入れ方は、桟木を挟む方法や目地材を入れる方法、コンクリートカッターで切る方法等様々存在する。実施形態に係るコンクリート施工方法によれば、工事用単位ブロックの間を埋めるコンクリートが目地の役目をも果たすため、別途スリットを設ける必要がない。
【0103】
更に、実施形態に係るコンクリート施工方法によれば、予め製造しておいた工事用単位ブロックの段欠き部に隙間なくコンクリートが充填されることにより、段欠き部のないブロックを敷き詰めて連結用隙間にコンクリートを充填したタイプの土間コンクリートと比較して、耐荷重等の耐久性が増し、クラック等も生じにくい。
【0104】
更に、実施形態に係るコンクリート施工方法によれば、土間コンクリートのような広い面積の二次元連結板の場合において、砂利等から構成させる基盤層を高くても5cm程度敷き詰めればよいため、基盤層づくりにかかる手間や費用が比較的かからないことになる。
【0105】
更に、実施形態に係る工事用単位ブロック1によれば、端部が環状であるワイヤを用いた2点吊り及び4点吊り等の吊下げに適した構造であるため、2点吊り及び4点吊り等による積載や荷下ろしが容易で、従来技術運搬作業の適合性に優れた2点吊り方式の吊下げの場合は、図14に示す工事用単位ブロック1の第1主荷重部(第1補強筋L1の端部)及び第2主荷重部(第2補強筋L2の端部)にワイヤ91b及び91aの環状の端部をかけることにより2点で吊り下げる。4点吊り方式の吊下げの場合は、図1に示す工事用単位ブロック1の第1主荷重部(第1補強筋L1の突出端部)及び第2主荷重部(第2補強筋L2の突出端部)にワイヤの環状の端部をかけ、更に、補助的に、第1軸筋R2及び第2軸筋R5の両突出端部にもワイヤの環状の端部をかけることにより4点で吊り下げる。2点吊りの場合、図14に示す通り、第1主荷重部(第1補強筋L1の突出端部)及び第2主荷重部(第2補強筋L2の突出端部)の各根元にワイヤ91b及び91aがそれぞれかけられ、ワイヤ91b及び91aはそれぞれ第1側面17a及び第2側面17bに密着する。吊下げ時には、第1主荷重部(第1補強筋L1の突出端部)付近において、ワイヤ91bの環状の端部から第1側面17aへ、基体部11の内部方向への押圧力も生じる。同様に、吊下げ時には、第2主荷重部(第2補強筋L2の突出端部)付近において、ワイヤ91aの環状の端部から第2側面17bへ、基体部11の内部方向への押圧力も生じる。ワイヤ91b及び91aの両押圧力により、ワイヤ91b及び91aは第1主荷重部(第1補強筋L1の突出端部)及び第2主荷重部(第2補強筋L2の突出端部)においてそれぞれ固定されるため、吊下げ作業が安定して可能となる。また、ワイヤ91b及び91aは第1側面17a及び第2側面17bへ密着しており、それぞれに大きな摩擦力が働く。更に、吊下げ時には、ワイヤ91b及び91aは、第1側面17a及び第2側面17bと上面13とが形成する各エッジ部分で折れ曲がり、その部分においても大きな摩擦力が生じる。これらの摩擦力が働くため、吊下げ運搬時に、工事用単位ブロック1が、第1主荷重部(第1補強筋L1の突出端部)及び第2主荷重部(第2補強筋L2の突出端部)のそれぞれの根元を結ぶ直線を軸として回転したり、ふらついたりすることがなく、安全に2点吊りでの作業が可能となる。
【0106】
このように、端部が環状であるワイヤを用いた2点吊り及び4点吊り等の吊下げの際には、図1に示す工事用単位ブロック1の第1主荷重部(第1補強筋L1の突出端部)及び第2主荷重部(第2補強筋L2の突出端部)をワイヤの玉掛け位置として含むようにすることで、主筋や配力筋等の鉄筋の曲がりを防ぎ、コンクリートの欠けや割れ等の破損を効果的に防ぐことができる。第1主荷重部(第1補強筋L1の突出端部)及び第2主荷重部(第2補強筋L2の突出端部)を有さない工事用単位ブロックの場合、端部が環状であるワイヤを用いた2点吊り及び4点吊り等の吊下げの際に、主筋が曲がり、コンクリートが破損してしまい、工事用単位ブロックとして使用不可能となる。また、工事用単位ブロックの主筋がすべて、第1主荷重部(第1補強筋L1の突出端部)及び第2主荷重部(第2補強筋L2の突出端部)と同様に太めの鉄筋である場合は、全体として鉄筋の体積が増え、工事用単位ブロックのコンクリートの体積が相対的に小さくなり、使用の際等にコンクリートの破損が起こりやすくなる。更に、重量の面においても、工事用単位ブロックに太めの鉄筋を多用することは好ましくない。図1等に示す工事用単位ブロック1のように、第1主荷重部(第1補強筋L1の突出端部)及び第2主荷重部(第2補強筋L2の突出端部)という荷重がかかる部位を部分的に設けることで、工事用単位ブロック1の吊下げ時の強度と使用時の強度を両立させているのである。
【0107】
更に、実施形態に係る工事用単位ブロック1によれば、保管時に壁等に立てかけておくことが容易となる。工事用単位ブロック1を保管する場合は、上面13又は底面15を下側にして積層する方法や、第1側面17a、第2側面17b、第3側面19a、第4側面19bのいずれかを下側にしてやや斜めにし、複数枚重ねて立てかける方法等がある。上面13又は底面15を下側にして積層する方法では、下側の工事用単位ブロック1により大きな荷重がかかり、破損等につながるおそれがある。よって、特に長期保管をする場合においては、壁等に複数枚を重ねて立てかける方法が好ましい。壁等に立てかける場合、従来技術である特許文献2に記載の工事用単位ブロックでは、底面側のエッジ部分において段欠き部(特許文献2においては溝部)がより多くあり、コンクリートが相対的に薄い部分が多く存在するため、立てかけた場合に下側にした部分が欠けてしまう問題が生じていた。実施形態に係る工事用単位ブロック1によれば、段欠き部の総量が特許文献2に記載の工事用単位ブロックより少なく、コンクリートが相対的に薄い部分も少ない。かつ、実施形態に係る工事用単位ブロック1によれば、コンクリートが相対的に薄い部分は、各側面の中心部分に限られ、基体部11の四隅は相対的に厚い部分となるため、特に欠けが起こりやすい基体部11の四隅においても欠けにくいのである。よって、実施形態に係る工事用単位ブロック1は、複数枚重ねて立てかける保管方法に適する。
【0108】
(その他の実施形態)
上記のように、本発明は一つの実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替の実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0109】
本発明の実施形態では、工事用単位ブロック及びこの工事用単位ブロックを用いた二次元連結板及びコンクリート施工方法を説明したが、本発明の二次元連結板の利用分野は、土間コンクリートに限定されるものではない。土間コンクリートの他、壁材や天井材等の平坦なコンクリート面を有する二次元連結板に対し、実施形態に係る工事用単位ブロックを用いることができる。更には、道路や橋、側溝等の土木工事用の平坦なコンクリート面を構成するための部材として実施形態に係る工事用単位ブロックを活用することが可能である。
【0110】
上記の実施形態で一部を例示したとおり、実施形態に係る基体部11の平面充填のトポロジーは、レンガ積みにおける「長手積み」、「イギリス積み」、「フランス積み」、「小口積み」等の多様な平面充填の配列が可能である。このため、基体部11の上面のコンクリートの色と、連結用隙間を埋めるコンクリートの色を意図的に変えて、平面充填のパターンの多様なデザイン(意匠)を楽しむことも可能である。このようなコンクリートの色を意図的に変えたデザインは、壁材や天井材等に用いた場合に効果を奏することが可能である。特に、上述したL字型やT字型等の基本パターン等の場合は、基本パターンを構成する2個の基体部11のそれぞれの色や模様を変えることにより意匠性を高めることができる。
【0111】
また、例えば、複数の主筋及び複数の配力筋の少なくとも一方が棒材と中空のパイプ材とを混在させた構造とし、混在させたパイプ材の中を貫通するように電気ヒータ(発熱導体)等の配線を設けて、ロードヒーティングや駐車場等の融雪に工事用単位ブロックを用いてもよい。あるいは、複数の主筋及び複数の配力筋の少なくとも一方に含まれるパイプ材の中を融雪温度以上の流体を流してもよい。既に述べたように、複数の主筋及び複数の配力筋のすべてをパイプ材で構成して、パイプ材の内部に電気ヒータや流体を貫通させた構造の工事用単位ブロックとして、融雪用コンクリートパネルを構成してもよいことは勿論である。
【0112】
あるいは、図1等に示した上面13と主筋と配力筋の格子が配列された水平レベルとの間、主筋と配力筋の格子が配列された水平レベルと同位置、又は、底面15と主筋と配力筋の格子が配列された水平レベルとの間に、加熱手段を更に含むようにし、融雪用の加熱構造を構成しロードヒーティングや駐車場等の融雪に用いることも可能である。融雪用の加熱手段としては、上面13と平行に工事用単位ブロックを貫通するパイプ材を設け、パイプ材の中に電気ヒータ(発熱導体)等の配線を貫通させてもよい。
【0113】
あるいは上面13と平行に工事用単位ブロックを貫通するパイプ材の中に、融雪温度以上の流体を流してもよい。更に、上面13と平行に板状のヒートパネル等を基体部11に埋め込んでもよい。加熱手段が上面13と平行に埋め込まれた工事用単位ブロックの上面側を熱伝導率の高い材料を含むコンクリートで構成してもよい。
【0114】
実施形態の説明では、複数の主筋と、互いに平行に配置された複数の配力筋とが直交する格子を構成する場合を例示したが、本発明の格子には平行四辺形の格子も平成10年2月24日最高裁判決(平6(オ)第1083号)が説示する「均等の範囲」として含み得ることは、上記の実施形態の説明の趣旨から容易に理解できるであろう。直交格子系であろうと、平行四辺形の格子系であろうと、基体部11の側面から斜め方向に突出してしまう主筋又は配力筋が存在する場合は、それらを側面に対して垂直となるように曲げる等し、突出端部のそれぞれの長さが等しくなるように調整すればよい。
【0115】
更に、実施形態で説明したそれぞれの技術的思想を互いに組み合わせることも可能である。このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当と解釈しうる、特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0116】
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g、1h、1i、1j、2…工事用単位ブロック、11、12…基体部、13…上面、15…底面、17a…第1側面、17b…第2側面、19a…第3側面、19b…第4側面、21…生コンクリート、21a…第1段欠き部、21b…第2段欠き部、23a…第3段欠き部、23b…第4段欠き部、31…基盤層(砂利)、33…地面、41…台座、43…下地板、45a、45b、47a、47b…側板、51a、51b、53a、53b…切取部材(凸部)、61、62…連結用隙間、65…隙間、71a、71b、71c、71d…溶接部位、80…フック、91a、91b、91c、91d、91e、91f…ワイヤ、100a、100b…金具、R1…主筋(先頭主筋(1番主筋))、R3…主筋(3番主筋)、R4…主筋(4番主筋)、R6…主筋(6番主筋)、Ra…第1鉄筋部材、Rb…第2鉄筋部材、R、R、R、R10、R11、R12…主筋、C、C、C、C…配力筋、C、C、C、C…配力筋、Rp1、Rp2…連結用補助部材、R2…第1軸筋、R5…第2軸筋、L1…第1補強筋、L2…第2補強筋

【要約】
【課題】2点吊り等による積載や荷下ろしが容易で、運搬作業の適合性に優れた工事用単位ブロック等を提供する。
【解決手段】工事用単位ブロックは、複数の先頭主筋R1、2番主筋(R2,L1)、3番主筋R3、4番主筋R4、5番主筋(R5,L2)、6番主筋R6と、複数の主筋と直交し、複数の主筋と共に井桁格子を構成する複数の配力筋C、C、C、Cと、内部に井桁格子を上面に平行になるように埋め込んだコンクリート製の平面視矩形の基体部11とを備え、複数の主筋の突出端部の一部が第1主荷重部及び第2主荷重部であり、ブロックの4つの側面17a、17b、19a、19bのそれぞれの下端に、少なくとも1つ以上の第1段欠き部21a、第2段欠き部21b、第3段欠き部23a及び第4段欠き部23bを有する。
【選択図】図1

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