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特許7278017整形外科用Z形切断ガイド装置及びそれを備えた整形外科用ロボット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-11
(45)【発行日】2023-05-19
(54)【発明の名称】整形外科用Z形切断ガイド装置及びそれを備えた整形外科用ロボット
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/15 20060101AFI20230512BHJP
   A61B 34/30 20160101ALI20230512BHJP
【FI】
A61B17/15
A61B34/30
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022529570
(86)(22)【出願日】2020-11-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-11
(86)【国際出願番号】 CN2020128449
(87)【国際公開番号】W WO2021098584
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】201911139075.7
(32)【優先日】2019-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522198922
【氏名又は名称】杭州鍵嘉医療科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hangzhou Jianjia Medical Technology Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲榮▼ 健
(72)【発明者】
【氏名】▲許▼ 靖
(72)【発明者】
【氏名】▲喬▼ 天
(72)【発明者】
【氏名】董 旭亮
(72)【発明者】
【氏名】文 理▲為▼
(72)【発明者】
【氏名】杜 思傲
【審査官】豊田 直希
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05571110(US,A)
【文献】特表2018-532463(JP,A)
【文献】米国特許第10413371(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2018/116740(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/157238(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/078098(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/083191(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/15
A61B 34/30
B25J 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クイック装着フランジ(1)と、取り付けベース(2)と、Z形拡張ハンドル(3)と、位置規制器(4)と、を備える整形外科用のZ形切断ガイド装置であって、
前記クイック装着フランジ(1)の一端は、ロボットアームの末端に取り付けられ、位置決め構造によって急速位置決めが行われ、前記クイック装着フランジ(1)の他端は、前記取り付けベース(2)を搭載し、前記取り付けベース(2)に前記Z形拡張ハンドル(3)が固定接続され、前記Z形拡張ハンドル(3)の末端に前記位置規制器(4)が固定接続され、前記位置規制器(4)の中央には、振子鋸の刃よりもやや幅広で、刃の通過を許容するガイド溝が開設されており、
前記クイック装着フランジ(1)は、凹溝状を呈し、前記位置決め構造は、前記クイック装着フランジ(1)の正面に設けられている3つのピン孔(12)を含み、前記3つのピン孔(12)は、頂点が下にある二等辺三角形に分布し、それぞれクイック位置決めピン、円柱ピン(7)及び菱形ピン(6)に対応し、頂点にあるピン孔は前記クイック装着フランジ(1)とロボットアーム末端接続口のクイック位置決めピンとの締まり嵌めに用いられ、底辺にある2つのピン孔はそれぞれ円柱ピン(7)及び菱形ピン(6)と嵌合し、
前記クイック装着フランジ(1)の正面には、3つのピン孔(12)からなる二等辺三角形の頂点の向きと逆方向となる位置に頂点がある3つの皿穴(11)からなる二等辺三角形がさらに設けられ、前記クイック装着フランジ(1)とロボットアーム(15)の末端接続口は、3つの皿ボルトによって、3つの皿穴(11)をそれぞれ貫通して締め付けられ、
前記クイック装着フランジ(1)の正面には、更に、前記取り付けベース(2)を前記クイック装着フランジ(1)に締着するための2つのネジ穴(13)が存在し、
前記クイック装着フランジ(1)の正面の3つのピン孔(12)、3つの皿穴(11)及び2つのネジ穴(13)は、同一の円周上に位置し、互いの間の角度は45°であり、
前記取り付けベース(2)は、前記クイック装着フランジ(1)とほぼ同一の形状を有し、前記取り付けベース(2)の凹溝面には、2つのピン孔があり、一つは、円柱ピン(7)と締り嵌め、もう一つは、菱形ピン(6)と締り嵌め、2つのピン孔と取り付けベース(2)の円心との間の接続線の夾角は、90°であることを特徴とする整形外科用のZ形切断ガイド装置。
【請求項2】
前記Z形拡張ハンドル(3)にはシフトハンドル(5)がネジとめされていることを特徴とする請求項1に記載の整形外科用Z形切断ガイド装置。
【請求項3】
前記取り付けベース(2)の凹溝面には、六角穴付ボルトと嵌合して前記Z形拡張ハンドル(3)を前記取り付けベース(2)に固定するための第一の六角穴付ザグリ貫通孔(9)が2つ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の整形外科用のZ形切断ガイド装置。
【請求項4】
前記取り付けベース(2)の正面には、第二の六角穴付きザグリ貫通孔(14)が2つ設けられ、前記第二の六角穴付きザグリ貫通孔(14)は、六角穴付きボルトによって前記取り付けベース(2)を前記ロボットアーム(15)の末端接続口に固定するためのものであることを特徴とする、請求項3に記載の整形外科用のZ形切断ガイド装置。
【請求項5】
前記第一の六角穴付きザグリ貫通孔(9)と前記第二の六角穴付きザグリ貫通孔(14)のネジ穴の向きは反対であり、前記第一の六角穴付きザグリ貫通孔(9)の間の接続線と前記第二の六角穴付きザグリ貫通孔(14)の間の接続線は互いに90°をなすことを特徴とする請求項4に記載の整形外科用Z形切断ガイド装置。
【請求項6】
前記取り付けベース(2)の正面には長方形凹溝(16)が設けられ、前記長方形凹溝(16)の底部は、前記第一の六角穴付きザグリ貫通孔(9)の貫通を許容することを特徴とする、請求項5に記載の整形外科用Z形切断ガイド装置。
【請求項7】
前記長方形凹溝(16)の4つの頂点には、3/4円柱凹溝が設けられることを特徴とする請求項6に記載の整形外科のZ形切断ガイド装置。
【請求項8】
前記Z形拡張ハンドル(3)は全体がZ形構造であり、前記Z形拡張ハンドル(3)の前記取り付けベース(2)との合わせ面には2つのネジ穴(22)が対応して設けられ、該ネジ穴(22)と前記取り付けベース(2)の凹溝面の六角穴付きザグリ貫通孔(9)とは互いに対応し、ボルトによって前記取り付けベース(2)と前記Z形拡張ハンドル(3)とが締め付けられるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の整形外科用Z形切断ガイド装置。
【請求項9】
前記Z形拡張ハンドル(3)のZ曲げの2つの角は、いずれも鈍角であることを特徴とする請求項1に記載の整形外科用Z形切断ガイド装置。
【請求項10】
前記Z形拡張ハンドル(3)の先端の前方に、前記位置規制器(4)の中間垂直セグメントと嵌合するクイック位置決め係止溝があることを特徴とする、請求項3に記載の整形外科用Z形切断ガイド装置。
【請求項11】
前記Z形拡張ハンドル(3)の先端の上方に第一のネジ穴(18)が設けられ、前記位置規制器(4)に第一のネジ穴(18)の位置に対応する第二のネジ穴(19)が設けられ、前記位置規制器(4)と前記Z形拡張ハンドル(3)がボルトにより第一のネジ穴(18)と第二のネジ穴(19)に通されてロックされることを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の整形外科用Z形切断ガイド装置。
【請求項12】
前記位置規制器(4)もZ形であり、その折り曲げ角度はいずれも直角であることを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の整形外科のZ形切断ガイド装置。
【請求項13】
前記Z形拡張ハンドル(3)の外表面に、2つの位置がずれた第一の微小半円凹溝(20)が設けられ、前記位置規制器(4)の外表面に、2つの位置がずれた第二の微小半円凹溝(21)が同様に設けられ、前記第一の微小半円凹溝(20)と前記第二の微小半円凹溝(21)は同じ水平面に位置せず、前記第一の微小半円凹溝(20)と前記第二の微小半円凹溝(21)の両方によってZ形切断ガイド装置の位置決めが行われることを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の整形外科用Z形切断ガイド装置。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の整形外科用Z形切断ガイド装置と、ロボットアーム(15)とを備える整形外科用ロボットであって、前記ロボットアームは、能動モードと受動モードの両方を有し、能動モードと受動モードの切り替えによって切断面の正確な位置決めを実現するように前記整形外科用ロボットの前記整形外科用Z形切断ガイド装置を駆動させる、整形外科用ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整形外科手術における骨の切断を誘導案内するための整形外科用Z形切断ガイド装置及び整形外科用Z形切断ガイド装置が取り付けられた整形外科用ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
ロボット技術の飛躍的な発展に伴い、その利用需要は多岐に亘っており、医療分野の発展の見込みも目覚ましい。整形外科的処置の観点から、ロボットを補助する利点は、ますます顕著になっている。骨の切断作業において、切断面は、常に操作者の手と目視によって大きな面積を占めるように決定され、これは、作業全体の精度に大きな影響を与え、ひいては患者のリハビリの進行に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記技術的課題を解決するために、本願は、精確に位置決めすることができる整形外科用Z形切断ガイド装置及びそれを用いた整形外科用ロボットを提供し、術者が作業中に切断面の位置と角度を確定するのを補助し、ロボットアームの能動モードと受動モードに合わせて、両者の相互切り替えにより切断面の精確な位置決めを実現する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の技術的解決手段は、クイック取り付けフランジと、取り付けベースと、Z形拡張ハンドルと、位置規制器と、を備える整形外科用Z形切断ガイド装置であって、前記クイック取り付けフランジの一端は、ロボットアームの末端に取り付けられ、位置決め構造によりクイック位置決めされ、前記クイック取り付けフランジの他端は、取り付けベースに搭載され、前記取り付けベースには、Z形拡張ハンドルが固定接続され、前記Z形拡張ハンドルの末端には、位置規制器が固定接続され、前記位置規制器の中央には、振り子鋸の刃よりやや広く、刃の通過を許容するガイド溝が形成されることを特徴とする整形外科用Z形切断ガイド装置である。
【0005】
前記Z形拡張ハンドルはシフトハンドルが中間ねじで固定されている。
【0006】
前記クイック取付けフランジは、溝状であり、前記位置決め構造は、前記クイック取付けフランジの正面に配置された3つのピン穴を含み、前記3つのピン穴は、二等辺三角形に配置され、それぞれ、クイック位置決めピン、円筒ピン、及び菱形ピンに対応し、頂点の前記ピン穴は、前記クイック取付けフランジ及びロボットアームの端部との接合部の前記クイック位置決めピンと締まり嵌めするように構成され、底辺の前記2つのピン穴は、それぞれ、前記円筒ピン及び前記菱形ピンと係合する。
【0007】
前記クイック取付けフランジの前面には、前記ピン穴の二等辺三角形と反対側に位置し、3つの皿穴からなる二等辺三角形が設けられ、前記クイック取付けフランジと前記ロボットアーム先端接続部とは、3つの皿ボルトによって前記3つの皿穴をそれぞれ貫通して締結される。
【0008】
前記クイック取付フランジの前面に、前記取付基部を前記クイック取付フランジに締結するための2つのネジ穴がさらに設けられている。
【0009】
前記クイックマウントフランジの正面の3つのピン穴、3つの座ぐり穴(ザグリ穴)、および2つのねじ穴は、同一円周上にあり、互いの間に45°の角度を有する。
【0010】
前記取り付けベースは、クイック取り付けフランジと実質的に同じ形状を有し、取り付けベースの溝面には、円柱ピン及び菱形ピンとそれぞれ締まり嵌めされ、2つのピン穴と取り付けベースの円中心とを結ぶ線が90°の角度をなす2つのピン穴が存在する。
【0011】
前記取り付けベースの凹溝面に、六角穴付ボルトと係合してZ字状のエクステンションバットを取り付けベースに固定するための六角穴付ボルト用の2つの六角穴が設けられている。
【0012】
前記取付基部の前面に、六角穴付ボルトによって前記取付基部を前記ロボットアームの先端接続部に固定するための2つの六角穴付ザグリ貫通孔が設けられている。
【0013】
第一の六角穴付きザグリ貫通孔と第二の六角穴付きザグリ貫通孔とは、互いに90°の角度をなすように、互いにネジ穴の向きが反対である。
【0014】
前記取り付けベースの正面には長方形凹溝が併設され、該長方形凹溝の底部は六角穴付きザグリ貫通孔の貫通を許容する。
【0015】
前記長方形の凹部の4つの頂点に、3/4円柱の凹部が設けられている。
【0016】
前記Z形拡張ハンドルは全体がZ形構造であり、Z形拡張ハンドルの取り付けベースとの合わせ面には、取り付けベースの凹溝面の六角穴付きザグリ貫通孔と互いに対応する2つのネジ穴が設けられ、取り付けベースとZ形拡張ハンドルとはボルトにより締結される。
【0017】
前記Z形の拡張レバーの2つの角が鈍角である。
【0018】
前記Z形拡張ハンドルの前方に、位置規制器の中間垂直セクションと係合するクイック・ポジショニング・キャッチ・スロットがある。
【0019】
前記Z形拡張ハンドルの上方に第一のネジ穴が設けられ、前記位置規制器に第一のネジ穴の位置に対応する第二のザグリ貫通孔が設けられ、位置規制器とZ形拡張ハンドルは第一のネジ穴と第二のザグリ貫通孔を貫通してネジで固定される。
【0020】
前記位置規制器もZ形であり、その折り曲げ角度がいずれも直角である。
【0021】
前記Z形拡張ハンドルの外表面には、二位置が互いにずれた第一の微小半円凹溝が設けられ、前記位置規制器の外表面には、同様に二位置が互いにずれた第二の微小半円凹溝が設けられ、前記第一の微小半円凹溝と前記第二の微小半円凹溝とは、同じ水平面に位置せず、前記第一の微小半円凹溝と前記第二の微小半円凹溝は共同してZ形切断ガイド装置の位置決めを行う。
【0022】
更に、本願は、能動モードと受動モードとの間で切り替え可能なロボットアームと、上記のような整形外科用Z形切断ガイドと、を含み、両者の相互切り替えにより当該整形外科用ロボットのZ形切断ガイドを動かして、切断面の精確な位置決めを実現する整形外科用ロボットを提供する。
【発明の効果】
【0023】
従来技術と比較して、本願の有益な効果は、本願のクイック取付フランジ正面にピン孔二等辺三角形と反対の三つの皿穴からなる二等辺三角形を設置し、皿ボルトが当該皿穴を貫通してクイック取付フランジとロボットアーム末端接合部を締着し、力を均一に保持し、且つクイック取付フランジ上面の空間を十分に節約でき、本願のZ形拡張ハンドル二回の回転角が何れも鈍角であり、Z形切断ガイド装置全体を十分に拡張して作業者に多くの作業空間を残すことができ、Z形拡張ハンドルの前方にクイック位置決め係止溝が存在し、位置規制器とZ形拡張ハンドルの相対位置を迅速に位置決めでき、本願は現在の整形外科手術における骨を切り取る時の位置偏差の問題に対して、ロボットアームの主動モードと受動モードを切り替えることで、当該装置の迅速な位置決めと案内を実現し、これにより作業者にさらに優れた操作モードを提供し、構造が簡単で信頼性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本願の1つの整形外科用Z形切断ガイド装置の構造を示す模式図である。
図2】本願の整形外科用Z形切断ガイド装置の斜視図である。
図3】本願の整形外科手術用ロボットにおけるロボットアーム先端のインターフェース(接続口)の概略図である。
図4】本願の整形外科手術ロボットのロボットアームとクイックマウントフランジとの位置決め接続後の構造模式図である。
図5】本願の設置ベースのスロット面の構造模式図である。
図6】本考案の設置台座正面の構造模式図である。
図7】本願のZ形拡張ハンドルの構造模式図である。
図8】本出願の制限アームの構造模式図である。
【0025】
図中、1-クイックマウントフランジ(クイック取付フランジ、クイック装着フランジ)、2-マウントベース(取り付けベース)、3-Z形拡張ハンドル(Z形拡張シャンク)、4-位置規制具(ストッパー)、5-シフトハンドル、6-菱形ピン、7-円筒ピン、8-ガイド溝、9-第一の六角穴付ザグリ貫通孔、10-整形外科用Z形切断ガイド、11-皿穴、12-ピン穴、13-ネジ穴A、14-第二の六角穴付ザグリ貫通孔、15-ロボットアーム、16-長方形凹溝、17-クイックマウントブラケット、18-第一のネジ穴、19-第二のネジ穴、20-第一の微小半円凹溝、21-第二の微小半円凹溝、22-ネジ穴B。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
図1図2に示すように、本願の前記整形外科用Z形切断ガイド10は、一端がロボットアーム15の末端に取り付けられ、位置決め構造により迅速に位置決めされる迅速取り付けフランジ1と、他端が取り付けベース2を搭載する取り付けベース2と、Z形拡張ハンドル3が固定連結されたZ形拡張ハンドル3と、末端に位置規制器4が固定連結されたZ形拡張ハンドル3と、を備え、前記位置規制器4の中央には、振り子刃よりやや広く、刃の通過を許容するガイド溝8が開けられている。
【0028】
前記Z形拡張ハンドル3には操作者がZ形切断及びガイド装置10の迅速な移動を容易にするためにシフトハンドル5がネジ止めされている。
【0029】
図3及び図4に示すように、クイックマウントフランジ1は、溝状を呈し、それ自体が円筒形であり、位置決め構造は、3つのピン穴12を含み、3つのピン穴12は、クイックマウントフランジ1の正面に配置され、二等辺三角形の分布を呈し、且つ、クイック位置決めピン、円筒形ピン6及びひし形ピン7にそれぞれ対応する。頂点にクイック位置決めピンを配置して、クイック取付フランジ1とロボットアーム15の端部接合部との間の正確な締まり嵌めを可能にする。なお、円筒形ピン6と菱形ピン7は底辺の2つのピン穴にそれぞれ取り付けられ、一方の2ピン位置決め原理により、取り付けベース2は速やかに位置決めされる。
【0030】
また、クイック取付けフランジ1の正面には、ピン穴の二等辺三角形とは反対側に、3つの皿穴11からなる二等辺三角形が設けられ、皿穴11を3つの皿ボルトがそれぞれ貫通しており、これにより、クイック取付けフランジ1とロボットアーム15の末端接続部とを締着し、力を均等に保持することができ、同時に、クイック取付けフランジ1の上面の空間を十分に節約できる。
【0031】
また、クイックマウントフランジ1の前面に、マウント基部2をクイックマウントフランジ1に固定するための2つのネジ穴A13が設けられている。
【0032】
前記クイック装着フランジ1の前記前面の3つのピン穴12、3つのザグリ貫通孔(皿穴)11、及び2つのネジ穴A13は、同一の円周上にある。ピン孔12、ダボ挿通孔11、ネジ穴A13の角度は45°に設定されており、加工工数を削減するとともに加工精度を確保するようにしている。
【0033】
図5図6に示すように、前記取り付けベース2は、クイック取付フランジ1とほぼ同一の形状を有し、且つクイック取付フランジ1と固定接続され、取り付けベース2の溝面には、2つのピン穴が設けられており、それぞれがクイック取付フランジ1の正表面を通過する円柱ピンと菱形ピンと締まり嵌め可能であり(一つは、断面円の円柱ピンの締り嵌め構造、もう一つは、断面菱形の菱形ピンの締り嵌め構造である)、2つのピン穴と取り付けベース2の円中心とを結ぶ線が90°の角度を有し、クイック取付フランジ1の正面のピン穴を十分に利用することができる。
【0034】
前記取り付けベースの凹溝面には六角穴付ボルトと嵌合してZ形拡張ハンドル3を取り付けベースに固定するための第一の六角穴付ザグリ貫通孔9が2つ設けられ、前記取り付けベース2の正面には、2つの第二の六角穴付きザグリ貫通孔14が設けられ、該正面の第二の六角穴付きザグリ貫通孔14は、六角穴付きボルトによって取り付けベース2をロボットアーム15の末端接続口に固定し、第一の六角穴付きザグリ貫通孔9と第二の六角角穴付きザグリ貫通孔14とは、ねじ穴の向きが反対であり、互いに90°の線をなしている。前記取り付けベース2の正面には長方形凹溝16が共に設けられ、該長方形凹溝16の底部は六角穴付きザグリ貫通孔9の貫通を許容する。前記長方形凹部16の四つの頂点には、3/4円柱凹部が設けられ、フライス加工工程で直角が近似できるのみであるため、3/4円柱凹部により直角加工の不便を回避することができ、Z形のエクステンションバット3と取り付けベース2の速やかな位置決めに寄与する。
【0035】
図7図8に示すように、前記Z形拡張ハンドル3は全体がZ形構造であり、その取り付けベース2との合わせ面に対応して2つのネジ穴B22が設けられ、該ネジ穴B22は取り付けベース2の凹溝面の六角穴付きザグリ貫通孔9と対応してボルトで締結される。前記Z形の拡幅ハンドル3は、2回の回転角度が鈍角に形成され、Z形の切断ガイド全体を十分に拡開することができ、作業者にとって作業スペースを多くとることができる。前記Z形拡張ハンドル3の前方には、位置規制器4の中間垂直段と嵌合するクイック位置決め係止溝17があり、位置規制器4とZ形拡張ハンドル3のクイック位置決めを実現する。
【0036】
前記Z形拡張ハンドル3の上方に第一のネジ穴18が設けられ、前記位置規制器4に第一のネジ穴18の位置に対応する第二のネジ穴19が設けられ、位置規制器4とZ形拡張ハンドル3は第一のネジ穴18と第二のネジ穴19を通してネジで締結される。
【0037】
前記位置規制器4もZ形であり、その折り曲げ角度はいずれも直角である。
【0038】
前記Z形拡張ハンドル3の外表面には、2つの位置が交互に入れ替わる第一の微小半円凹溝20が設けられ、前記位置規制器4の外表面には、同様に2つの位置が交互に入れ替わる第二の微小半円凹溝が設けられ、前記微小半円凹溝20と前記第二の微小半円凹溝とは、同じ水平面に位置せず、前記微小半円凹溝20と前記微小半円凹溝21は共同してジグザグ切断ガイドの位置決めを行う。位置決め工程は、プローブをマイクロ半円溝1(20)とマイクロ半円溝2(21)の位置にポイントし、次に両眼視装置でプローブの位置を読み取り、姿勢変換を通じて、Z形切断ガイド装置の全空間における位置を確定する。
【0039】
更に、本願は、上述のような整形外科用Z形切断ガイド10と、能動モードと受動モードとの間で切り替え可能であり、且つ、両者の相互切替により当該整形外科用ロボットのZ形切断ガイド10を動かすロボットアーム15と、を備える整形外科用ロボットを提供し、例えば、受動モードでは、ロボットアームを作業位置の近くまで手動で引き、能動モードに切り替えて、ロボットアームをアルゴリズムに従って自走させて、切断面の精密な位置決めを実現する。これにより、操作者にとってより優れた操作モードが提供され、構造が簡単で信頼性が高い。
【0040】
<産業上の利用可能性>
本願の整形外科用ロボットは、上記のようにしてZ形切断ガイド10を装着した後、位置規制器4の切欠を利用して切断位置を決定し、作業者が再び、振り子ブレードを位置規制器4の切欠に沿って挿入した後、切断作業を行うことにより、経験的に切断速度と深さを調節することができ、作業が完了した後、振り子ブレードを戻し、ロボットアーム15を安全位置に調節することができる。
【0041】
本発明の設計の特徴と有益な効果は、クイック取り付けフランジ正面に3つのピン孔と3つの皿穴が設けられ、3つのピン孔の間の接続線が構成する二等辺三角形と3つの皿穴の間の接続線が構成する二等辺三角形が互いに逆であり、前記ピン孔は、それぞれ、クイック位置決めピン、円柱ピン、及び菱形ピンと嵌合して取り付けベースをクイック位置決めし、皿ボルトが当該皿穴を貫通してクイック取り付けフランジとロボットアーム末端接続部を締め付けることにより、力を均一に保持し、且つクイック取り付けフランジ上面の空間を十分に節約でき、Z形拡張ハンドルの2つの角がいずれも鈍角であり、Z形切断ガイド装置全体を十分に拡張して、作業者に多くの作業空間を残すことができるとともに、Z形拡張ハンドル前方にクイック位置決め係止溝が存在し、位置規制器とZ形拡張ハンドルの相対位置をクイック位置決めでき、本発明は、現在の整形外科手術で骨を切り取る際に存在する位置ズレの問題に対して、ロボットアームの主動と受動モードを切り替えることにより、当該装置のクイック位置決めと案内を実現し、これにより、作業者にさらに優れた操作モードを提供し、構造が簡単で、信頼性が高い。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8