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  • 特許-電池組付構造体 図1
  • 特許-電池組付構造体 図2
  • 特許-電池組付構造体 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-11
(45)【発行日】2023-05-19
(54)【発明の名称】電池組付構造体
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/244 20210101AFI20230512BHJP
   H01M 50/262 20210101ALI20230512BHJP
   H01M 50/242 20210101ALI20230512BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20230512BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20230512BHJP
   H01M 10/613 20140101ALN20230512BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALN20230512BHJP
   H01M 10/625 20140101ALN20230512BHJP
   H01M 10/647 20140101ALN20230512BHJP
   B60L 50/50 20190101ALN20230512BHJP
【FI】
H01M50/244 Z
H01M50/262 S
H01M50/262 E
H01M50/242
H01M50/204 401H
H01M50/249
H01M10/613
H01M10/6556
H01M10/625
H01M10/647
B60L50/50
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018016075
(22)【出願日】2018-02-01
(65)【公開番号】P2019133867
(43)【公開日】2019-08-08
【審査請求日】2021-01-26
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000100791
【氏名又は名称】アイシン軽金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】川口 聡
(72)【発明者】
【氏名】木戸 耕介
【審査官】井原 純
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-122818(JP,A)
【文献】特開2009-170687(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107093781(CN,A)
【文献】特開2018-122817(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102016009930(DE,A1)
【文献】国際公開第2012/043594(WO,A1)
【文献】特開2016-122572(JP,A)
【文献】特開2017-193287(JP,A)
【文献】特開2012-160347(JP,A)
【文献】特開2017-004923(JP,A)
【文献】特開2013-054869(JP,A)
【文献】登録実用新案第3021847(JP,U)
【文献】特開2015-000593(JP,A)
【文献】特開2009-026703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20
H01M 10/613
H01M 10/6556
H01M 10/625
H01M 10/647
B60L 50/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントフレーム及びリアフレームの両側の端部を一対のサイドフレームにて連結したフレーム枠体の内側に容器状のケース体を取り付け、前記ケース体内に取り付ける電池組付構造体であって、
電池モジュールの底部側を保持するための保持パネルと、
前記保持パネルの両端部に前記電池モジュールを挟持するように立設した一対の取付ブラケットを備え、
前記一対の取付ブラケットにて前記ケース体内に取り付けるものであり、
前記一対の取付ブラケットのうち少なくとも一方の内側に前記電池モジュールの端部を拘束するための弾性部材を有し、
前記保持パネルは中空断面形状からなる底部と、前記底部の両側にそれぞれ前記底部から立設した一対の側辺部とを一体成形してあり、前記一対の側辺部の間に前記電池モジュールの下部側が納まるものであることを特徴とする電池組付構造体。
【請求項2】
前記電池モジュールの端部と弾性部材との間に差し込み可能な差込弾性材を有していることを特徴とする請求項1記載の電池組付構造体。
【請求項3】
前記一対の取付ブラケットは中空断面形状からなることを特徴とする請求項1又は2記載の電池組付構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に駆動源用電池を搭載するための電池組付構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車,ハイブリッド自動車,プラグインハイブリッド自動車等には、駆動源として二次電池が用いられている。
一回の充電での走行距離を伸ばすために、大容量の二次電池を搭載する必要がある。
車両に搭載する二次電池には、複数の電池セルを積層した電池モジュールとして使用されている。
電池モジュールは、電池パック,組電池等とも称されている。
【0003】
電池モジュールを車両に搭載する場合に、従来は例えば図3に示すように、複数の電池セルを積層した組電池を固定具101にて保持した上で、ブラケット102を用いてフレーム体2等に固定していた。
これでは、ブラケット102による空スペースSが生じてしまい、電池モジュールの搭載スペースの省スペース化に限界があった。
【0004】
特許文献1には、電池モジュールを、ロアホルダとアッパホルダとを重ねるように覆い、その上でブラケットにて車両側に固定する構造を開示するが、やはりブラケットの取り付けスペースによるデットスペースが生じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-123917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、コンパクトで搭載効率の高い電池組付構造体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電池組付構造体は、電池モジュールの底部側を保持するための保持パネルと、前記保持パネルの両端部に前記電池モジュールを挟持するように立設した一対の取付ブラケットを備え、前記一対の取付ブラケットのうち少なくとも一方の内側に前記電池モジュールの端部を拘束するための弾性部材を有していることを特徴とする。
【0008】
ここで、一対の取付ブラケットのうち、少なくとも一方の内側に弾性部材を設けたのは、弾性部材で電池モジュールの端部を押圧拘束するためのものであり、一対の取付ブラケットの両方の内側にそれぞれ弾性部材を設けてもよい。
【0009】
本発明において、電池モジュールの端部と弾性部材との間に差し込み可能な差込弾性材を有してもよい。
このように差込弾性材を用いると、取付ブラケットの弾性部材と電池モジュールの端部との間に差込弾性材を差し込むことで、電池モジュールを一対の取付ブラケットの間に組付けやすくなり、この電池モジュールの拘束力の調整も容易になる。
【0010】
本発明において、取付ブラケットは、中空断面形状であってもよい。
このようにすると、取付ブラケットの変形強度が向上する。
【0011】
本発明において、保持パネルは中空断面形状であってもよい。
このようにすると、電池モジュールの保護強度が高くなるとともに、この中空部を利用して、冷媒を流して電池モジュールの冷却等を行うこともできる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る電池組付構造体にあっては、一対の取付ブラケットの間に弾性部材や差込弾性材で電池モジュールを拘束するように組み付けることができるので、コンパクトな構造になり、その分だけ大容量の電池を車両に搭載できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】(a)は本発明に係る電池組付構造体の例を示し、(b)は車両に電池組付構造体を搭載した例を示す。
図2】(a)は図1のA-A線断面図を示し、(b)はB-B線断面図を示す。
図3】従来の取り付け構造例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る電池組付構造体の例を以下図に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0015】
図1(a)に電池組付構造体20の外観図を示し、(b)はこの電池組付構造体20を車両に搭載する例を示す。
電池組付構造体20は、保持パネル21とこの保持パネル21の長手方向端部から一対の取付ブラケット22,22を相互に対向するように立設してある。
一対の取付ブラケット22,22の間に挟み込まれるように、複数の電池セル1aを積層した電池モジュール1を組み付ける。
なお、本発明における電池モジュール1の構造には制限がない。
【0016】
図1(b)は、車体のフロア下に複数の電池組付構造体20を搭載する例を示し、A-A線断面図を図2(a)に示す。
フロントフレーム11とリアフレーム12のそれぞれの両側の端部をサイドフレーム13,14にて連結したフレーム枠体を形成し、その内側に容器状のケース体15を取り付けてある。
ケース体15は、底部の周縁部から側壁部15aを立設し、その上端部は外側に向けて折り曲げたフランジ部15bを形成し、フレームの上面部に締結固定してある。
【0017】
取付ブラケット22は、中空部22dを有する中空断面形状からなる例を示す。
取付ブラケット22の下端部に設けた連結部22bで、保持パネル21の端部と連結し、この取付ブラケット22の上端部には、外側に向けて延在させた取付部22aを有する。
取付部22aには、図1(a)に示すように取付孔22cを有し、図2(a)に示すように取付ブラケット22の取付部22aと、サイドフレーム14等のフレームの上面との間にケース体15のフランジ部15bを挟み込むように、ボルト等の締結部材17にて締結固定してある。
なお、必要に応じて、カバー部16を取り付けてもよい。
【0018】
一対の対向する取付ブラケット22の内側には、電池モジュール1の端部を拘束する弾性部材23を有する。
この弾性部材23は、取付ブラケット22に一体的に形成してもよく、別部材からなる弾性部材23を取付ブラケット22の内側に取り付けてもよい。
本発明は、この弾性部材23で直接電池モジュール1の端部を拘束するように押し付けてもよい。
本実施例では、電池モジュール1を組み込みやすく、また拘束力の調整がしやすいように、樹脂製又はゴム性等の弾性材からなる差込弾性材24を電池モジュール1の端部と取付ブラケット22側の弾性部材23との間に差し込んだ例となっている。
【0019】
電池モジュール組付構造体20において、電池モジュール1の底部側を支える保持パネル21は、図1(b)のB-B線断面図を図2(b)に示すように、断面が略コ字形状である。
複数の中空部21cを有する底部の両側の側端部から側辺部21a,21bを立設してあり、電池モジュールの下部側がその間に納まるようになっている。
底部を中空断面形状にしたことにより強度が高く、下部側からの衝撃から保護する。
また、この中空部を利用して冷媒等により、電池モジュール1の温調を図ることができる。
本実施例では、図2(a)に示すようにサイドフレーム13,14も中空断面形状にすることで、矢印に示すように側部から衝撃が加わった場合の保護効果が高くなっている。
【符号の説明】
【0020】
1 電池モジュール
11 フロントフレーム
12 リアフレーム
13 サイドフレーム
14 サイドフレーム
15 ケース体
16 カバー部
17 締結部材
20 電池組付構造体
21 保持パネル
22 取付ブラケット
22a 取付部
22b 連結部
23 弾性部材
24 差込弾性材
図1
図2
図3