(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-11
(45)【発行日】2023-05-19
(54)【発明の名称】収納袋及び雨具と収納袋との組み合わせ
(51)【国際特許分類】
A45F 3/04 20060101AFI20230512BHJP
【FI】
A45F3/04 400S
(21)【出願番号】P 2018077198
(22)【出願日】2018-04-12
【審査請求日】2021-04-08
(73)【特許権者】
【識別番号】510319627
【氏名又は名称】和田 美香
(72)【発明者】
【氏名】和田 美香
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3140237(JP,U)
【文献】登録実用新案第3010439(JP,U)
【文献】特許第5488432(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45F 3/04
A45C 13/26-13/40
A45C 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口が形成され、前記開口から雨具を収納する収納部と、
前記開口を開閉する開閉部と、
前記収納部の長手方向の両端部に設けられた被係止部と、
前記被係止部から延出し、前記被係止部に係止可能な係止部と、を有し、
前記長手方向の一方の端部に設けられた前記係止部は、前記長手方向の一方の端部に設けられた前記被係止部と係止可能であり、
前記長手方向の他方の端部に設けられた前記係止部は、前記長手方向の他方の端部に設けられた前記被係止部と係止可能であって、
一端に前記係止部が設けられ他端に前記被係止部が設けられたバンドをさらに有し、前記収納部には、貫通孔が形成されたループ部が設けられていて、
前記バンドは、前記被係止部が前記ループ部に近接し前記係止部が前記ループ から最も離れるように、前記ループ部に接続され、
前記係止部は、前記ループ部を貫通して前記被係止部と係止することを特徴とする収納袋。
【請求項2】
前記係止部は、前記バンドの一方面側に設けられ、前記被係止部は前記バンドの他方面側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の収納袋。
【請求項3】
前記収納部の外側にはランドセルに引っ掛ける接続部が設けられていることを特徴とする、
請求項1又は2記載の収納袋。
【請求項4】
前記収納袋の収納空間の開口近傍には接続部が設けられ、前記雨具に設けられたループ部と前記接続部が係止されることにより、前記雨具が前記収納袋に固定されること特徴とする
請求項1に記載の収納袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は収納袋雨具と収納袋との組み合わせに関し、特に雨具を収納する収納袋及び雨具と収納袋との組み合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ランドセルに着用するためのレインコート収納カバンが知られている(例えば、特許文献1)。レインコート収納カバンは雨具を収納する袋体であって、両端にマチが形成されていて持ち手と、持ち手を係止するための留め具と、を備えている。持ち手は、レインコート収納カバンの左右方向両端を結ぶように構成され、中央に設けられたバックル等の係止具と、長さ調節のためのアジャスターとを備えている。留め具には、スナップが設けられていて、スナップによって持ち手を係止することができる。
【0003】
レインコート収納カバンをランドセルや背負い鞄等に取り付ける際は、係止具を解除し、ランドセルや背負い鞄の背負いベルトに持ち手を周回させ、再び係止具を互いに係合させ、留め具のスナップによって係止具を保持する。
【0004】
また、他のランドセル補助カバンは、ランドセルの蓋版の表面に沿って設けられている(例えば、特許文献2)。ランドセル補助カバンはPPバンドの先端部分に係止具を備えていて、ランドセルのフックに係止具を係止させることによりランドセルに固定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5488432号
【文献】特開平10-313926号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のレインコート収納袋は、左右方向両端から延びる持ち手を背負いベルトに通すことにより背負い鞄等に固定していたため、レインコート収納袋が背負い鞄上で動いてしまい、安定的に背負い鞄に固定することが難しかった。また、従来のレインコート収納袋は、ショルダーバック又は手持ち鞄に固定したときも、安定感が悪かった。レインコート収納袋を手持ち鞄に固定するときは、持ち手の係止具を解除して、手持ち鞄の把手に持ち手を通し、再び係止具を係止する。このとき、持ち手が左右方向両端から延びているため、手持ち鞄に安定的に固定できず、手持ち鞄を動かすとレインコート収納袋も動いてしまっていた。
【0007】
また、ランドセル補助カバンにおいても同様に、PPバンドの先端部分に係止具が設けられているため、ランドセルに固定した際に安定感が悪く、歩く度にランドセル補助カバンが動いてしまっていた。
【0008】
そこで、本発明は、多様な種類の鞄に安定的に固定することができる収納袋及び雨具と収納袋との組み合わせを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために第1の発明は、開口が形成され、前記開口から雨具を収納する収納部と、前記開口を開閉する開閉部と、前記収納部の長手方向の両端部に設けられた被係止部と、前記被係止部から延出し、前記被係止部に係止可能な係止部と、を有し、前記長手方向の一方の端部に設けられた前記係止部は、前記長手方向の一方の端部に設けられた前記被係止部と係止可能であるとともに、前記長手方向の他方の端部に設けられた前記被係止部と係止可能であって、前記長手方向の他方の端部に設けられた前記係止部は、前記長手方向の他方の端部に設けられた前記被係止部と係止可能であるとともに、前記長手方向の一方の端部に設けられた前記被係止部と係止可能であることを特徴とする収納袋を提供している。
【0010】
係止部及び被係止部としては、面ファスナー、カラビナ、ボタン、スナップボタン、樹脂製又は金属製のバックル、磁石などを用いることができるが、両者を係止できる構成であればよく、これらに限定されるものではない。
【0011】
第2の発明では、第1の発明に記載された収納袋であって、一端に前記係止部が設けられ他端に前記被係止部が設けられた伸縮性を有するバンドをさらに有し、前記収納部の両端部には貫通孔が形成されたループ部が設けられていて、前記係止部は、前記ループ部を貫通して前記被係止部と係止することを特徴としている。
【0012】
第3の発明では、第1の発明に記載された収納袋であって、前記被係止部は貫通孔が形成されたループ形状をなし、前記係止部を前記貫通孔に係止することにより、前記係止部と前記被係止部とが係止されることを特徴としている。
【0013】
第4の発明では、開口が形成され、前記開口から雨具を収納する収納部と、前記開口を開閉する開閉部と、前記収納部の長手方向の一方の端部に設けられた被係止部と、前記被係止部から延出し、前記被係止部に係止可能な係止部と、前記係止部と前記被係止部とを接続する伸縮性を有するバンドと、を有し、前記収納部の両端部には貫通孔が形成されたループ部が設けられていて、前記係止部は、前記ループ部を貫通して前記被係止部と係止することを特徴とする収納袋を提供している。
【0014】
第5の発明では、雨具と、第1の発明から第4の発明のいずれかに記載された収納袋と、を有することを特徴とする雨具と収納袋との組み合わせを提供している。
【発明の効果】
【0015】
第1の発明によると、係止部は長手方向の一端に設けられた被係止部と係止可能であるとともに長手方向の他端に設けられた被係止部とも係止可能であるため、収納袋を様々な鞄類に取り付けることができる。例えば、長手方向一端の係止部を長手方向一端の被係止部に係止させるとともに長手方向他端の係止部を長手方向他端の被係止部に係止させることにより、収納袋をランドセルやリュックサックの各背ベルトに固定することができる。また、長手方向一端の係止部を長手方向他端の被係止部に係止させるとともに長手方向他端の係止部を長手方向一端の被係止部に係止させることにより、収納袋をランドセルのかぶせに固定することができる。さらに、収納部の開口を開閉する開閉部が設けられているため、収納部の内部に雨等が侵入するのを防止するとともに雨具の水滴が収納部から外部に漏れることを防止することができる。
【0016】
第2の発明によると、係止部と被係止部とは伸縮性を有するバンドに設けられているため、バンドの伸縮性を利用して収納袋を鞄などに動かないよう固定することができる。また、ループ部に形成された貫通孔を通して係止部と被係止部とを係止させるため、収納袋1が鞄等から落下することなく固定することができる。
【0017】
第3の発明によると、係止部を貫通孔に係止することにより係止部と被係止部とが係止されるため、収納袋1を鞄等から落下させることなく固定することができる。
【0018】
第4の発明によると、係止部は長手方向の一端に設けられた被係止部と係止可能であるため、収納袋を様々な鞄類に取り付けることができる。例えば、長手方向一端の係止部を長手方向一端の被係止部に係止させることにより、手持ち鞄の把持部に固定することができる。また、収納部の開口を開閉する開閉部が設けられているため、収納部の内部に雨等が侵入するのを防止するとともに雨具の水滴が外部に漏れることを防止することができる。
【0019】
第5の発明によると、雨具と第1の発明から第4の発明に記載された収納袋とを備えているため、上述の効果と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第1の実施の形態による収納袋の斜視図。
【
図2】本発明の第1の実施の形態による収納袋の蓋部を開いたときの斜視図。
【
図3】本発明の第1の実施の形態による収納袋の雨具を取り付けたときの斜視図。
【
図4】本発明の第1の実施の形態による収納袋の第1係止部材及び第2係止部材を係止させたときの斜視図。
【
図5】本発明の第1の実施の形態による収納袋をランドセルに取り付けたときの斜視図。
【
図6】本発明の第1の実施の形態による収納袋の雨具を着用するときの着用方法を説明するための図。
【
図7】本発明の第1の実施の形態による収納袋を手持ち鞄に取り付けたときの斜視図。
【
図8】本発明の第2の実施の形態による収納袋の斜視図。
【
図9】本発明の第3の実施の形態による収納袋の斜視図。
【
図10】本発明の第4の実施の形態による収納袋を手持ち鞄に取り付けたときの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の第1の実施の形態による収納袋を
図1乃至
図7に基づき説明する。
図1乃至
図4に示すように、前後上下左右方向を定義する。
【0022】
図1乃至
図3に示すように、収納袋1は、収納部2と、蓋部3と、第1係止部材4と、第2係止部材5と、から構成される。収納袋1は、
図5に示すようにランドセル6や
図7に示すように手持ち鞄7に取り付けるための袋であって、収納部2に雨具10が収納されている。
【0023】
[収納袋の構成]
収納部2は左右方向に長い略円柱形状を成し、固定部21と、接続部22と、を備えている。収納部2の内部には、雨具10を収納する収納空間10aが規定され、収納部2の上部には収納空間10aと外部とを繋ぐ開口10bが形成されている。固定部21は、蓋部3と収納部2とを固定するための部材であって、本実施の形態ではスナップボタンを用いている。接続部22は、
図3に示すように、収納空間10aの開口10b近傍に設けられていて、雨具10のループ部11に係止されることにより雨具10が収納袋1に固定される。雨具10は、ループ部11が接続部22に係止された状態で折り畳まれ、収納空間10aに収納される。
【0024】
蓋部3は開口10bを開閉し、後部が収納部2と一体的に構成され、被固定部31を備えている。被固定部31は、固定部21と係合することにより蓋部3と収納部2とが互いに固定される。本実施の形態では、固定部21及び被固定部31はそれぞれ2つ設けられているが、これに限定されず、1つであっても3つ以上であってもよい。また、固定部21及び被固定部31は、ボタンであってもよく、磁石等によって固定してもよい。蓋部3と、固定部21と、被固定部31と、は本発明の開閉部に相当する。
【0025】
第1係止部材4は収納部2の右端部から延出し、第1バンド41と、第1係止部42と、第1被係止部43と、第1ループ部44と、から構成される。第1バンド41は伸縮性を有する部材であって、先端に第1係止部42が設けられ、他端が第1ループ部44に固定されている。
【0026】
第1係止部42は略矩形であって、第1バンド41の後面に設けられている。第1被係止部43は第1係止部42と略同形状であって、第1バンド41の前面、且つ第1バンド41と第1ループ部44との接続部分近傍に設けられている。第1ループ部44は柔軟性を有する紐であって両端が収納部2の右側端部に固定されていて、第1貫通孔44aが形成されている。
図4に示すように、第1係止部42と第1被係止部43とを係止するときは、第1係止部42を第1貫通孔44aに後方から前方に貫通させ、第1被係止部43と貼り合わせる。これにより、第1係止部材4に第1係止ループ4aが形成される。
【0027】
第2係止部材5は収納部2の左端部から延出し、第2バンド51と、第2係止部52と、第2被係止部53と、第2ループ部54と、から構成される。第2バンド51は伸縮性を有する部材であって、先端に第2係止部52が設けられ、他端が第2ループ部54に固定されている。
【0028】
第2係止部52は略矩形であって、第2バンド51の後面に設けられている。第2被係止部53は第2係止部52と略同形状であって、第2バンド51の前面、且つ第2バンド51と第2ループ部54との接続部分近傍に設けられている。第2ループ部54は柔軟性を有する紐であって両端が収納部2の左側端部に固定され、第2貫通孔54aが形成されている。
図4に示すように、第2係止部52と第2被係止部53とを係止するときは、第2係止部52を第2貫通孔54aに後方から前方に貫通させ、第2被係止部53と貼り合わせる。これにより、第2係止部材5に第2係止ループ5aが形成される。第1バンド41及び第2バンド51は本発明のバンドに相当し、第1係止部42及び第2係止部52は本発明の係止部に相当し、第1被係止部43及び第2被係止部53は本発明の被係止部に相当し、第1貫通孔44a及び第2貫通孔54aは本発明の貫通孔に相当する。
【0029】
第1係止部42は第2被係止部53とも係止可能であり、第2係止部52はも第1被係止部43と係止可能である。第1係止部42と第2被係止部53とを係止するときは、第1バンド41を収納部2の後方に回すとともに第2バンド51を収納部2の後方に回し、第1係止部42と第2被係止部53とを貼り合わせ、第1被係止部43と第2係止部52とを貼り合わせる。
【0030】
[ランドセルへの取り付け]
次に、収納袋1のランドセル6への取り付けについて
図5を参照して説明する。ランドセル6は、右背ベルト61と、左背ベルト62と、かぶせ63と、フック64と、を有している。収納袋1をランドセル6に取り付けるときは、第1バンド41を右背ベルト61の後方に回して第1係止部42を第1貫通孔44aに後方から前方に貫通させ第1被係止部43と貼り合わせる。換言すると、第1係止ループ4aに右背ベルト61を貫通させた状態で第1係止部42と第1被係止部43とを係止する。このとき、第1バンド41が僅かに伸長しているため、第1係止部材4は右背ベルト61に対して上下方向に動くことなく固定される。
【0031】
第2係止部材5を左背ベルト62に取り付けるために、第2係止部52を左背ベルト62の後方に回して第2係止部52を第2貫通孔54aの後方から前方に貫通させ第2被係止部53と貼り合わせる。換言すると、第2係止ループ5aに左背ベルト62を貫通させた状態で第2係止部52と第2被係止部53とを係止する。このとき、第2バンド51が僅かに伸長しているため、第2係止部材5は左背ベルト62に対して上下方向に動くことなく固定される。これにより、収納袋1をランドセル20の右背ベルト61及び左背ベルト62に固定することができる。
【0032】
次に、収納袋1のランドセル6のかぶせ63への取り付けについて、説明する。かぶせ63は、右背ベルト61及び左背ベルト62と比べて幅があるため、第1係止部42と第2被係止部53とを係止させるとともに第2係止部52と第1被係止部43とを係止させることにより、収納袋1をかぶせ63に取付ける。具体的には、第1係止部42を、かぶせ63の下側を回して第2被係止部53と貼り合わせるとともに、第1被係止部43と第2係止部52とを貼り合わせる。第1バンド41及び第2バンド51は初期状態から伸長しているため、収納袋1はかぶせ63上を動くことなく固定される。
【0033】
次に、収納袋1の収納袋1の右背ベルト61又は左背ベルト62のいずれか一方への取り付けについて、説明する。右背ベルト61に収納袋1を取り付ける際は、第1係止ループ4aに右背ベルト61を貫通させた状態で第1係止部42と第1被係止部43とを係止するとともに、第2係止ループ5aに右背ベルト61を貫通させた状態で第2係止部52と第2被係止部53とを係止する。つまり、収納袋1は右背ベルト61に長手方向が上下方向となるように取り付けられる。このとき、第1バンド41及び第2バンド51が僅かに伸長しているため、第1係止部材4及び第2係止部材5は右背ベルト61に対して上下方向に動くことなく固定される。
【0034】
左背ベルト62に収納袋1を取り付ける際は、第1係止ループ4aに左背ベルト62を貫通させた状態で第1係止部42と第1被係止部43とを係止するとともに、第2係止ループ5aに左背ベルト62を貫通させた状態で第2係止部52と第2被係止部53とを係止する。つまり、収納袋1は左背ベルト62に長手方向が上下方向となるように取り付けられる。このとき、第1バンド41及び第2バンド51が僅かに伸長しているため、第1係止部材4及び第2係止部材5は左背ベルト62に対して上下方向に動くことなく固定される。
【0035】
[雨具の着衣]
次に、ランドセル6に収納袋1を装着した状態で雨具10を着るときについて、
図6を参照して説明する。
図6(a)は、収納袋1が取り付けられたランドセル6を背負った状態である。収納袋1は
図5の状態と上下方向が逆になっているが、いずれであってもよい。
図6(b)に示すように、蓋部3を開けて収納空間10aから雨具10を取り出す。このとき、接続部22はループ部11を係止した状態のままであるため、雨具10がランドセル6のかぶせ63に沿って垂れ下がっている状態となる。
図6(c)に示すように、この状態のまま雨具10のフード12を被り、両腕を雨具10の袖13に通して雨具10を着る。雨具10は、ランドセル6を背負った状態のまま着衣できるように、背中部分に十分な空間が確保されている。
【0036】
[手持ち鞄への取り付け]
次に、収納袋1の手持ち鞄7への取り付けについて
図7を参照して説明する。収納袋1を手持ち鞄7の把手71に取り付けるときは、第1係止部42を把手71の後方に回して第1貫通孔44aに後方から前方に貫通させ第1被係止部43と貼り合わせる。換言すると、第1係止ループ4aに把手71を貫通させた状態で第1係止部42と第1被係止部43とを係止する。このとき、第1バンド41は僅かに伸長しているため、第1係止部材4は把手71に対して上下方向に動くことなく固定される。
【0037】
また、第2係止部52を把手71の後方に回して第2貫通孔54aに後方から前方に貫通させ第2被係止部53と貼り合わせてもよい。換言すると、第2係止ループ5aに把手71を貫通させた状態で第2係止部52と第2被係止部53とを係止してもよい。このとき、第2バンド51は僅かに伸長しているため、第2係止部材5は把手71に対して上下方向に動くことなく固定される。これにより、収納袋1を手持ち鞄7の把手71に固定することができる。
【0038】
このような構成によると、第1係止部42は左右方向の一端に設けられた第1被係止部43と係止可能であるとともに左右方向の他端に設けられた第2被係止部53とも係止可能であるため、収納袋1を様々な鞄類に取り付けることができる。例えば、左右方向一端の第1係止部42を左右方向一端の第1被係止部43に係止させるとともに左右方向他端の第2係止部52を左右方向他端の第2被係止部53に係止させることにより、収納袋1をランドセル6の右背ベルト61及び左背ベルト62に固定することができる。また、左右方向一端の第1係止部42を左右方向他端の第2被係止部53に係止させるとともに左右方向他端の第2係止部52を左右方向一端の第1被係止部43に係止させることにより、収納袋1をランドセル6のかぶせ63に固定することができる。さらに、収納部2の開口10bを開閉する蓋部3が設けられているため、収納部2の内部に雨等が侵入するのを防止するとともに雨具10の水滴が外部に漏れることを防止することができる。
【0039】
このような構成によると、第1係止部42と第1被係止部43とは伸縮性を有する第1バンド41によって接続されているため、第1バンド41の伸縮性を利用して収納袋1を手持ち鞄7などに動かないよう固定することができる。同様に、第2係止部52と第2被係止部53とは伸縮性を有する第2バンド51によって接続されているため、第2バンド51の伸縮性を利用して収納袋1を手持ち鞄7などに動かないよう固定することができる。また、第1ループ部44に形成された第1貫通孔44aを通して第1係止部42と第1被係止部43とを係止させるため、収納袋1が手持ち鞄7から落下することなく固定することができる。同様に、第2ループ部54に形成された第2貫通孔54aを通して第2係止部52と第2被係止部53とを係止させるため、収納袋1が手持ち鞄7から落下することなく固定することができる。
【0040】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る収納袋101について、
図8に基づいて説明する。第1の実施の形態と同一の構成については、同一の符号を付し説明を省略する。
【0041】
収納袋101は、収納部102と、蓋部103と、第1係止部材104と、第2係止部材105と、から構成される。収納部102は左右方向に長い略円柱形状を成し、固定部121と、接続部122と、を備えている。収納部102の内部には、雨具を収納する収納空間が形成され、収納部102の上部には収納空間と外部とを繋ぐ開口110bが形成されている。固定部121は、蓋部103と収納部102とを固定するための部材であって、本実施の形態では面ファスナーを用いている。接続部122は収納部102の外側に設けられていて、
図5に示すランドセル6に収納袋101を固定するとき、フック64に引掛ける。
【0042】
第1係止部材104は収納部102の右端部から延出し、第1バンド141と、第1係止部142と、第1被係止部144と、から構成される。第1バンド141の先端に第1係止部142であるカラビナが設けられ、他端が第1被係止部144に固定されている。第1係止部142と第1被係止部144との間の第1バンド141の長さは、第1バンド141の先端部141Aを引っ張ることにより調節する。
【0043】
第1被係止部144は、前後方向に幅を有する紐であって両端が収納部102の右側端部に固定され、第1貫通孔144aが形成されている。第1係止部142を第1被係止部144に係止させることにより、第1係止部材104に第1係止ループが形成される。第1係止ループは、第1係止部142と第1被係止部144との間の第1バンド141の長さを調整することにより、大きさを調整する。
【0044】
第2係止部材105は収納部102の左端部から延出し、第2バンド151と、第2係止部152と、第2被係止部154と、から構成される。第2バンド151の先端に第2係止部152であるカラビナが設けられ、他端が第2被係止部154に固定されている。第2係止部152と第2被係止部154との間の第2バンド151の長さは、第2バンド151の先端部151Aを引っ張ることにより調節する。
【0045】
第2被係止部154は前後方向に幅を有する紐であって両端が収納部102の左側端部に固定され、第2貫通孔154aが形成されている。第2係止部152を第2被係止部154と係止させることにより第2係止部材105に第2係止ループが形成される。第2係止ループは、第2係止部152と第2被係止部154との間の第2バンド151の長さを調整することにより、大きさを調整する。
【0046】
ランドセル6への取り付けのときは、第1の実施の形態と同様に、第1係止ループに右背ベルト61を貫通させた状態で第1係止部142と第1被係止部144とを係止して第1係止ループの大きさを調整するとともに、第2係止ループに左背ベルト62を貫通させた状態で第2係止部152と第2被係止部154とを係止して第2係止ループの大きさを調整する。
【0047】
第1係止部142は第2被係止部154と係止可能であり、第2係止部152は第1被係止部144と係止可能である。これにより、収納袋101の左右方向全幅に亘る係止ループを形成することができるため、例えば、当該係止ループをランドセル6のかぶせ63に通すことにより、収納袋101をランドセル6に固定することができる。
【0048】
このような構成によると、第1係止部142であるカラビナを第1貫通孔144aに引掛けることにより第1係止部142と第1被係止部144とを係止しているため、収納袋101を手持ち鞄7から落下させることなく固定することができる。同様に、第2係止部152であるカラビナを第2貫通孔154aに引掛けることにより第2係止部152と第2被係止部154とを係止しているため、収納袋101を手持ち鞄7から落下させることなく固定することができる。
【0049】
次に、本発明の第3の実施の形態に係る収納袋201について、
図9に基づいて説明する。第1の実施の形態と同一の構成については、同一の符号を付し説明を省略する。
【0050】
収納袋201は、収納部202と、チャック203と、を備えている。収納部202は左右方向に長い略円柱形状を成し、内部に雨具を収納する収納空間が形成され収納部102の上部には収納空間と外部とを繋ぐ開口が形成されている。チャック203は、当該開口を開閉可能である。チャック203は、本発明の開閉部に相当する。
【0051】
このような構成によると、収納部202の開口を開閉するチャック203が設けられているため、収納部202の内部に雨等が侵入するのを防止するとともに雨具の水滴が収納部202から外部に漏れることを防止することができる。
【0052】
次に、本発明の第4の実施の形態に係る収納袋301について、
図10に基づいて説明する。第1の実施の形態と同一の構成については、同一の符号を付し説明を省略する。
【0053】
収納袋301は、長手方向の一端に第1係止部材4が設けられていて、他端には第1の実施の形態の第2係止部材に相当する部材が設けられていない。これにより、手持ち鞄やショルダーバックに収納袋301を固定するとき、第2係止部材に相当する部材が持ち運びの際の邪魔にならず外観上も良好となる。
【0054】
このような構成によると、第1係止部は長手方向の一端に設けられた被係止部と係止可能であるため、収納袋を様々な鞄類に取り付けることができる。例えば、長手方向一端の係止部を長手方向一端の被係止部に係止させることにより、手持ち鞄の把持部に固定することができる。また、収納部の開口を開閉する開閉部が設けられているため、収納部の内部に雨等が侵入するのを防止するとともに雨具の水滴が外部に漏れることを防止することができる。
【0055】
本発明による収納袋及び雨具と収納袋との組み合わせは、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。
【0056】
上述の実施の形態では、収納袋はランドセル6及び手持ち鞄7に固定されたが、これに限定されない。例えば、ショルダーバックのベルト部分やハンドバックの持ち手、ウェストポーチ等にも固定することができる。
【0057】
上述の実施の形態では、第1係止部材4は第1ループ部44を備えるとともに第2係止部材5は第2ループ部54を備えていたが、これに限定されない。例えば、第1ループ部及び第2ループ部は設けられておらず、第1バンド及び第2バンドが直接収納部2から延出していてもよい。これにより、収納袋の製造コストを削減することができる。
【0058】
上述の実施の形態では、ランドセル6及び手持ち鞄7に取り付けたが、これに限定されない。例えば、スーツケースのキャリーバーに取り付けてもよい。このときは、一方のキャリーバーに第1係止部材を係止し、他方のキャリーバーに第2係止部材5を係止する。また、車椅子に取り付けてもよい。このときは、車椅子の介助者が把持するハンドルの一方に第1係止部材を係止し、他方に第2係止部材を係止する。
【符号の説明】
【0059】
1、101、201 収納袋
2、102、202 収納部
3、103 蓋部
4、104 第1係止部材
5、105 第2係止部材
6 ランドセル
10 雨具
10b 開口
41、141 第1バンド
42、142 第1係止部
43、144 第1被係止部
44 第1ループ部
44a 第1貫通孔
51、151 第2バンド
52、152 第2係止部
53、154 第2被係止部
54 第2ループ部
54a 第2貫通孔