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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-11
(45)【発行日】2023-05-19
(54)【発明の名称】照明器具及びそれを備えた照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20230512BHJP
   F21V 15/01 20060101ALI20230512BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20230512BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230512BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20230512BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20230512BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21V15/01 350
F21V19/00 510
F21Y115:10 500
F21Y115:15
F21Y115:30
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019032246
(22)【出願日】2019-02-26
(65)【公開番号】P2020136230
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2021-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 公史
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0223231(US,A1)
【文献】特開2016-157632(JP,A)
【文献】特開2019-009096(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21V 15/01
F21V 19/00
F21Y 115/10
F21Y 115/15
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形の板状に形成された底部と、前記底部の短手方向の両側辺に設けられた側面部と、を有し、光源ユニットが着脱可能に取り付けられる照明器具であって、
長手方向の両端部に形成された端部開口部に設けられ、電線を通すための端板電線穴が形成された端板部と、
前記端板電線穴を塞ぐように前記端板部に取り付けられる本体蓋部と、を備え
前記端板電線穴は、前記端板部において、前記底部と反対側の端部を開口させることにより形成されている
照明器具。
【請求項2】
長方形の板状に形成された底部と、前記底部の短手方向の両側辺に設けられた側面部と、を有し、光源ユニットが着脱可能に取り付けられる照明器具であって、
長手方向の両端部に形成された端部開口部に設けられ、電線を通すための端板電線穴が形成された端板部と、
前記端板電線穴を塞ぐように前記端板部に取り付けられる本体蓋部と、を備え、
前記本体蓋部は、
板状の蓋本体部と、前記蓋本体部の前記端板部と対向する側の面に設けられ、前記蓋本体部との間にスリットが形成された蓋保持部と、を有し、
前記端板部の前記端板電線穴の周囲に設けられた溝部に前記本体蓋部の前記スリットが挿し込まれることにより、前記端板部に取り付けられる
明器具。
【請求項3】
長方形の板状に形成された底部と、前記底部の短手方向の両側辺に設けられた側面部と、を有し、光源ユニットが着脱可能に取り付けられる照明器具であって、
長手方向の両端部に形成された端部開口部に設けられ、電線を通すための端板電線穴が形成された端板部と、
上下方向に移動することで、前記端板電線穴を塞ぐように前記端板部に取り付けられる本体蓋部と、を備えた
照明器具。
【請求項4】
前記側面部と前記端板部とによって本体開口部が形成されており、
前記側面部には、前記本体開口部側の端部に凸部が設けられており、
前記本体蓋部は、
前記蓋保持部から突出して設けられ、前記凸部に引っ掛かる一対の蓋爪部を有している
請求項に記載の照明器具。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の照明器具と、
前記照明器具に着脱可能に取り付けられる前記光源ユニットと、を備えた
照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、併設が可能な照明器具及びそれを備えた照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光源ユニットが照明器具に着脱可能に取り付けられる照明装置がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の照明装置は併設が可能であり、併設された複数の照明装置は、それぞれ隣接する照明装置から電線が引かれるようになっている。そのため、照明器具の長手方向の両端部に設けられた端板には、隣接する照明装置から引かれた電線を通すための電線穴が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-162365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されているような従来の照明装置は、天井等の被取付部に直接取り付けて設置される場合、あるいは、被取付部から吊り下げて設置される場合等には、照明器具の端板に設けられた電線穴が意匠面に現れてしまい、意匠性がよくないという課題があった。
【0005】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、意匠性を向上させた照明器具及びそれを備えた照明装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る照明器具は、長方形の板状に形成された底部と、前記底部の短手方向の両側辺に設けられた側面部と、を有し、光源ユニットが着脱可能に取り付けられる照明器具であって、長手方向の両端部に形成された端部開口部に設けられ、電線を通すための端板電線穴が形成された端板部と、前記端板電線穴を塞ぐように前記端板部に取り付けられる本体蓋部と、を備え、前記端板電線穴は、前記端板部において、前記底部と反対側の端部を開口させることにより形成されているものである。
また、本発明に係る照明器具は、長方形の板状に形成された底部と、前記底部の短手方向の両側辺に設けられた側面部と、を有し、光源ユニットが着脱可能に取り付けられる照明器具であって、長手方向の両端部に形成された端部開口部に設けられ、電線を通すための端板電線穴が形成された端板部と、前記端板電線穴を塞ぐように前記端板部に取り付けられる本体蓋部と、を備え、前記本体蓋部は、板状の蓋本体部と、前記蓋本体部の前記端板部と対向する側の面に設けられ、前記蓋本体部との間にスリットが形成された蓋保持部と、を有し、前記端板部の前記端板電線穴の周囲に設けられた溝部に前記本体蓋部の前記スリットが挿し込まれることにより、前記端板部に取り付けられるものである。
また、本発明に係る照明器具は、長方形の板状に形成された底部と、前記底部の短手方向の両側辺に設けられた側面部と、を有し、光源ユニットが着脱可能に取り付けられる照明器具であって、長手方向の両端部に形成された端部開口部に設けられ、電線を通すための端板電線穴が形成された端板部と、上下方向に移動することで、前記端板電線穴を塞ぐように前記端板部に取り付けられる本体蓋部と、を備えたものである。
【0007】
また、本発明に係る照明装置は、上記照明器具と、上記照明器具に着脱可能に取り付けられる光源ユニットと、を備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る照明器具及びそれを備えた照明装置によれば、照明器具の端板部に形成された端板電線穴を塞ぐように端板部に本体蓋部が取り付けられている。そのため、本体蓋部によって、端板電線穴及び端板電線穴のための加工を隠すことができ、それらが意匠面に現れないようにすることができるため、意匠性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態に係る照明装置の斜視図である。
図2】本発明の実施の形態に係る照明装置の分解斜視図である。
図3】本発明の実施の形態に係る照明装置の本体蓋部の斜視図である。
図4】本発明の実施の形態に係る照明装置において本体蓋部を端板部へ取り付ける際の第一の斜視参考図である。
図5】本発明の実施の形態に係る照明装置において本体蓋部を端板部へ取り付ける際の第二の斜視参考図である。
図6】本発明の実施の形態に係る照明装置において本体蓋部を端板部へ取り付ける際の第三の斜視参考図である。
図7】本発明の実施の形態に係る照明装置において本体蓋部を端板部へ取り付ける際の第一の縦断面視参考図である。
図8】本発明の実施の形態に係る照明装置において本体蓋部を端板部へ取り付ける際の第二の縦断面視参考図である。
図9】本発明の実施の形態に係る照明装置において本体蓋部を端板部へ取り付ける際の第三の縦断面視参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態に係る照明器具100及び照明装置1について、図面を参照して説明する。各図において同じ又は対応する構成要素には、同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。ここで、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、実施の形態の説明において、上、下、左、右、前、後、表、裏といった向きあるいは位置が示されている場合がある。これらの表記は、説明の便宜上の記載であり、装置、器具、あるいは部品等の配置、方向及び向きを限定するものではない。
【0011】
実施の形態.
図1は、本発明の実施の形態に係る照明装置1の斜視図である。図2は、本発明の実施の形態に係る照明装置1の分解斜視図である。
以下、図1及び図2を参照して、本実施の形態に係る照明装置1の構成を説明する。以下の説明において、照明装置1の長手方向に沿った方向を長手方向(X軸方向)とする。また、長手方向(X軸方向)に直交し、長手方向(X軸方向)に対する短手方向を短手方向(Y軸方向)とする。そして、長手方向(X軸方向)及び短手方向(Y軸方向)のいずれとも直交する方向を上下方向(Z軸方向)とする。さらに、上下方向(Z軸方向)において、照明装置1が取り付けられる天井あるいは壁等の被取付部2側への向きを上向きZ1とする。そして、上向きZ1と反対側への向きであり照明装置1から光が照射される照射空間側への向きを下向きZ2とする。ここで、上向きZ1は、光源ユニット200が照明器具100に取り付けられる向きであり、下向きZ2は、光源ユニット200が照明器具100から取り外される向きである。
【0012】
本実施の形態に係る照明装置1は、天井あるいは壁等の被取付部2に取り付けられる照明器具100と、この照明器具100に取り付けられる光源ユニット200と、を備えている。図1では、照明装置1が、被取付部2に設けられた吊り具3に取り付けられた状態を示しており、照明器具100が吊り具3によって被取付部2に固定された状態で、光源ユニット200が後述するバネ250によりZ2方向からZ1方向に向かって取り付けられている。本実施の形態では、照明装置1は、いわゆるトラフタイプの照明器具100を例として示す。なお、本実施の形態に係る照明装置1は、いわゆるトラフタイプの照明器具100を例示して説明するが、照明装置1はトラフタイプの照明器具100に限定されるものではない。照明装置1は、光源ユニット200が装着される照明器具100として、例えば、いわゆる笠付タイプ、片側反射笠付タイプ、V形タイプ等、他の形状のものを採用することができる。照明器具100は、器具本体110を備えており、光源ユニット200の一部がこの器具本体110に収容されるように取り付けられている。
【0013】
[照明器具100]
照明器具100は、光源を有する光源ユニット200が取り付けられることによって照明装置1を構成する。照明器具100は、器具本体110と、電源装置120と、電源端子台130と、端板部150と、本体蓋部600とを有している。照明器具100は、器具本体110の長手方向(X軸方向)端部に端板部150が設けられているとともに、電源装置120及び電源端子台130が器具本体110の内側に設けられている。なお、照明器具100は、調光端子台(図示は省略)を器具本体110の内部に収容してもよい。
【0014】
(器具本体110)
照明器具100を構成する器具本体110は、装着された光源ユニット200の一部を内部に収容する。器具本体110は、照明器具100の外郭を構成し、例えば、金属製の板材を折り曲げて形成される。ただし、器具本体110は、金属製の板材の折り曲げから形成されるものに限定されるものではなく、例えば、樹脂、セラミック等、他の材料を用いて形成されてもよく、また、押出成型、積層造形等、他の方法で形成されてもよい。器具本体110は、箱状に形成されており、光源ユニット200の一部が収容される内部空間を形成し、また、長尺状に形成されている。器具本体110は、長方形の板状に形成された底部111と、底部111の短手方向(Y軸方向)の両側辺からそれぞれ立ち上がり突出して設けられている側面部112とを有している。器具本体110は、底部111と、互いに対向する2つの側面部112とによって凹形状に形成される。このため器具本体110は、底部111と、互いに対向する2つの側面部112とによって囲まれる内部空間を形成している。器具本体110は、互いに対向する2つの側面部112と、互いに対向する2つの端板部150とによって、本体開口部113を形成している。この本体開口部113は、光源ユニット200の着脱を行う際の装着口となり、器具本体110の長手方向(X軸方向)において、両方の端板部150の間に形成されている。
【0015】
底部111には、電源装置120及び電源端子台130が取り付けられる。なお、底部111には、調光端子台が取り付けられてもよい。また、底部111には、電源穴(図示は省略)と、取付穴(図示は省略)とが形成されている。電源穴は、商用電力の供給を受けるための電源電線4を引き込むために底部111に形成された貫通孔であり、この電源電線4は、照明器具100の外部から電源穴を介して電源端子台130に接続される。取付穴は、器具本体110をビスあるいはボルト等の固定具で天井あるいは壁等の被取付部2に固定するために、底部111に形成された貫通孔である。電源穴及び取付穴は、照明器具100の長手方向(X軸方向)において、電源装置120及び電源端子台130の設置位置よりも外側に形成されている。なお、電源穴は、器具本体110に調光端子台が取り付けられる場合には、調光端子台の設置位置よりも外側に形成される。そして、器具本体110に調光端子台が取り付けられる場合には、底部111には、調光端子台に接続される信号線を引き込むための信号線穴が形成されてもよい。
【0016】
側面部112は、照明器具100の上下方向(Z軸方向)において、一方の端部は底部111と連続して形成されており、他方の端部は器具本体110の本体開口部113を形成する。2つの側面部112の本体開口部113側の端部には、光源ユニット200を保持する凸部114がそれぞれ設けられている。凸部114は、対に設けられた側面部112の端部において、互いに向かい合うように突出して設けられている。凸部114は、側面部112の底部111と反対側の先端部が、器具本体110の内部空間側に向かって円弧を形成するように折り曲げられ、かつ、凸部114の縁部が、側面部112を向くように折り曲げられている。
【0017】
(電源装置120)
電源装置120は、商用電源から供給される交流電力を直流電力に変換し、光源ユニット200を点灯させるものである。電源装置120は、略直方体形状をしたケース120aと、このケース120aの内部に配置された点灯回路(図示は省略)とを有している。また、電源装置120の出力側には、光源ユニット200の光源側電線(図示は省略)とコネクタ等によって着脱自在に接続する電源側電線(図示は省略)が設けられている。
【0018】
(電源端子台130)
電源端子台130は、商用電源から供給される電力を、照明器具100を構成する各部品へ供給するものであり、電源端子台130には外部から引き込まれた電源電線4が接続される。電源端子台130は、器具本体110の長手方向(X軸方向)において、電源装置120を挟むように2つ配置されており、また、電源装置120と電源穴との間にそれぞれ配置されている。また、電源端子台130は、電源穴と隣接するように配置されている。
【0019】
2つの電源端子台130は、互いに接続される端子台電線(図示せず)を有しているとともに、一方の電源端子台130は電源装置120の入力部と中継電線(図示は省略)を介して接続される。照明器具100は、このように2つの電源端子台130を設けることによって、どちらの電源穴から電源電線4が引き込まれても商用電源からの電力供給を受けることができる。なお、端子台電線は、照明器具100の器具内配線用の電線であり、外部から引き込まれた電源電線4よりも細く形成されている。このように、照明器具100は、電源端子台130が内部に配設されることで、器具本体110の内側に外部から引き込まれる電源電線4を配置するスペースを設ける必要がなく、器具本体110の内部空間を有効活用することができる。また、照明器具100は、電源端子台130が内部に配設されることで、器具本体110の内側に外部から引き込まれる電源電線4を配置するスペースを設ける必要がなく、器具本体110の大型化を抑制することができる。
【0020】
なお、上記のように、照明器具100は、器具本体110の内部に調光端子台を有してもよい。調光端子台は、外部から引き込まれる信号電線が挿し込まれるものであり、信号電線を介して送付される制御信号を電源装置120に伝えるものである。この信号電線は、電源穴から引き込んでもよく、底部111に信号線用の穴(図示は省略)を形成し、この信号線用の穴から引き込んでもよい。
【0021】
(端板部150)
端板部150は、器具本体110の長手方向(X軸方向)の端部に形成された端部開口部110bに配置されており、器具本体110の長手方向(X軸方向)の端部の端部開口部110bを塞ぐ端板本体部151を有している。端板本体部151は、矩形の板状に形成されており、端板本体部151の板面は、底部111及び側面部112の板面に対して略直角に配置されている。端板本体部151は、例えばノックアウト加工が施されており、矩形と円形とを組み合わせた略馬蹄形状をした端板蓋部(図示は省略)が取り外されることで端板本体部151に端板電線穴151bが形成されている。ここで、本実施の形態に係る照明器具100は併設が可能であり、複数の照明器具100を併設して連結する際に、それぞれ隣接する照明器具100から電線等が引かれる。そのため、端板本体部151には、隣接する照明器具100から引かれた電線等を通すための穴である端板電線穴151bが形成されている。つまり、端板電線穴151bは、複数の照明器具100を併設して連結する際に、照明器具100に使用される電線等の配線に利用することができる。端板蓋部は、端板本体部151を構成する壁部にノックアウト加工が施された部分であり、例えば、たたくことにより、あるいは、切り取ることにより、現場で簡単に穴をあけることができる部分である。端板本体部151は、端板蓋部が取り外されることで、U字状の縁部によって形成される端板電線穴151bが形成される。端板電線穴151bは、光源ユニット200が照明器具100に取り付けられた場合に光源ユニット200と対向する側が開口するように形成されている。つまり、端板電線穴151bは、端板部150において、底部111と反対側の端部を開口させることにより形成されている。端板本体部151には、端板電線穴151bを塞ぐように、後述する本体蓋部600が取り付けられる。端板本体部151から取り外された端板蓋部は、取り外される前には端板本体部151の壁の一部を構成している。端板本体部151において、端板本体部151から取り外された際に端板蓋部の縁部を形成する部分に形成された溝部151cは、端板本体部151の壁が凹状に形成された部分であり、端板本体部151の壁の厚さが薄い部分となる。また、この溝部151cは、端板電線穴151bの周囲に設けられている。なお、溝部151cは、凹状に形成されるものに限定されるものではなく、例えば、ミシン目のように複数の貫通孔が連続して形成されてもよい。
【0022】
[光源ユニット200]
光源ユニット200は、照明器具100に取り付けられることによって照明装置1を構成する。光源ユニット200は、長尺状に形成されており、照明器具100に装着されて使用される。光源ユニット200は、照明器具100の器具本体110に一部が収容され、器具本体110に着脱自在に取り付けられる。光源ユニット200は、発光モジュール(図示せず)と、フレーム220と、カバー230と、エンドキャップ240と、バネ250とを備えている。
【0023】
(発光モジュール)
発光モジュールは、光源となり長尺状に形成されている。発光モジュールは、フレーム220よりも長尺状に形成されている。発光モジュールは、複数の発光素子(図示は省略)と、この複数の発光素子が直線状に実装される矩形状をした基板(図示は省略)と、基板の長手方向(X軸方向)の一端側に設けられた光源側電線(図示は省略)とを有している。発光モジュールの基板は、長手方向(X軸方向)の長さがフレーム220よりも長く、カバー230と略同等の長さに形成されている。したがって、発光モジュールがフレーム220上に取り付けられると、基板は、両端部がフレーム220から突出した状態となる。
【0024】
発光素子は、光源ユニット200の光源であり、電力が供給されると発光する。発光モジュールは、発光素子として、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode;以下、LEDと称す)素子を用いる。発光素子は、基板に直線状に実装される構成に限定されるものではなく、例えば、基板の実装面に、基板の長手方向(X軸方向)に沿って、列状、千鳥状等に実装されてもよい。発光素子は、例えば、波長が440~480〔nm〕の青色光を出射するLEDチップ上に、青色光を黄色光に波長変換する蛍光体を配してパッケージ化された面実装部品である疑似白色LED素子である。なお、発光素子は、発光ダイオード素子に限定されるものではない。発光素子は、例えば、固体レーザ(Solid State Laser)、半導体レーザ(Semiconductor Laser)、有機EL(Electro Luminescence)、無機EL等を用いてもよい。基板には、例えば、ガラス-エポキシ基板(FR-4)、ガラス-コンポジット基板(CEM-3)、紙エポキシ基板(FR-3)、紙フェノール基板(XPC)又は金属ベース基板等が用いられる。
【0025】
(フレーム220)
フレーム220は、発光素子を有する発光モジュールが取り付けられる。フレーム220は、長尺に形成されており、断面が略H字状に形成されている。フレーム220は、例えば、アルミ材を押出成型して形成してもよく、板金を折り曲げて一体的に形成してもよい。
【0026】
(カバー230)
カバー230は、発光モジュールを覆うとともに、フレーム220に取り付けられた状態において長手方向(X軸方向)における端部に開口部(図示は省略)が形成される。カバー230は、発光素子からの光を拡散して透過させるものであり、透過性の材料から形成されている。カバー230は、例えば、ポリカーボネートなどの樹脂材料を押し出し成型して形成している。また、カバー230は、アクリル、あるいは、ガラス等の他の材料により形成されてもよい。
【0027】
カバー230は、発光モジュールを覆うように対向する主カバー部231と、主カバー部231の短手方向(Y軸方向)の両端側よりフレーム220側へ突出するように設けられ、カバー230の側壁を構成するカバー側面部232と、を有する。なお、対になるカバー側面部232の外側の距離は、器具本体110の対になる側面部112の外寸と略同一であり、光源ユニット200が照明器具100に取り付けられた状態でカバー側面部232と側面部112とは連続的な意匠を形成することができる。主カバー部231は、カバー230の長手方向(X軸方向)の垂直断面において、直線状に形成されている。なお、主カバー部231の形状は当該形状に限定されるものではなく、例えば、カバー230の長手方向(X軸方向)の垂直断面において、円弧状に形成されてもよく、他の多角形状に形成されてもよい。
【0028】
(エンドキャップ240)
エンドキャップ240は、フレーム220に固定されてカバー230により形成される開口部を塞ぐように配置される。このエンドキャップ240は、略矩形状の板材であり、光源ユニット200において、カバー230の主カバー部231及びカバー側面部232に対して、略直角に配置される。フレーム220の両端に配置された対向する2つのエンドキャップ240の間の距離は、カバー230の長手方向(X軸方向)の長さよりも長い。
【0029】
(バネ250)
バネ250は、光源ユニット200の長手方向(X軸方向)における両方の端部のそれぞれに設けられており、器具本体110の凸部114に引っ掛かることで光源ユニット200を照明器具100に固定するものである。
【0030】
(本体蓋部600)
図3は、本発明の実施の形態に係る照明装置1の本体蓋部600の斜視図である。
次に、図3を用いて本体蓋部600について説明する。本体蓋部600は、蓋本体部610と、蓋保持部620と、蓋爪部630とを有している。
【0031】
(蓋本体部610)
蓋本体部610は、略矩形状の板材であり、蓋本体部610の板面は、器具本体110の底部111及び側面部112の板面に対して略直角に配置されている。また、蓋本体部610の板面は、端板部150の端板本体部151の板面に対して略平行に配置されている。この蓋本体部610は、端板本体部151と略同等の大きさに形成されており、端板本体部151に取り付けられた際に、端板電線穴151bの全体を塞ぐようになっている。
【0032】
(蓋保持部620)
蓋保持部620は、蓋本体部610の、端板本体部151と対向する側の面に設けられており、その面からU字状に突出して設けられている。また、蓋保持部620は、蓋本体部610とは反対側の端部(以下、反対側端部と称する)からさらに外周側に突出することによって断面が略L字状に形成されている。つまり、蓋保持部620は、断面略L字状の爪がU字形状に設けられたものである。また、蓋保持部620と蓋本体部610の板面との間には、端板本体部151の溝部151cが挿し込まれるU字状のスリット621が形成されている。なお、このスリット621は、端板本体部151の溝部151cが挿し込まれることにより、端板本体部151のX方向及びY方向への移動を規制するようなものであればU字状に限定されず、例えば、J字状などでもよい。また、蓋保持部620についても、スリット621と同様に、U字状に限定されない。
【0033】
(蓋爪部630)
蓋爪部630は、蓋保持部620の反対側端部の一部から外周側かつ上方に突出して略L字状に設けられている。また、蓋爪部630は、蓋保持部620の正面視した左右中央に対して対称となるように設けられている。この対に設けられた蓋爪部630は、本体蓋部600を器具本体110に取り付けた際に、その上端部が凸部114とそれぞれ当接して凸部114に引っ掛かることにより、本体蓋部600が落下するのを抑制するものである。なお、蓋爪部630は、その上端部が凸部114とそれぞれ当接して凸部114に引っ掛かるようなものであれば略L字状に限定されない。
【0034】
図4は、本発明の実施の形態に係る照明装置1において本体蓋部600を端板部150へ取り付ける際の第一の斜視参考図である。図5は、本発明の実施の形態に係る照明装置1において本体蓋部600を端板部150へ取り付ける際の第二の斜視参考図である。図6は、本発明の実施の形態に係る照明装置1において本体蓋部600を端板部150へ取り付ける際の第三の斜視参考図である。図7は、本発明の実施の形態に係る照明装置1において本体蓋部600を端板部150へ取り付ける際の第一の縦断面視参考図である。図8は、本発明の実施の形態に係る照明装置1において本体蓋部600を端板部150へ取り付ける際の第二の縦断面視参考図である。図9は、本発明の実施の形態に係る照明装置1において本体蓋部600を端板部150へ取り付ける際の第三の縦断面視参考図である。なお、図7図9は、照明器具100の縦断面を側面視した図である。また、図4及び図7がそれぞれ同じ状態を示し、図5及び図8がそれぞれ同じ状態を示し、図6及び図9がそれぞれ同じ状態を示している。
【0035】
次に、図4図9を用いて本体蓋部600を端板部150へ取り付ける方法について説明する。最初に、図4及び図7に示すように、蓋本体部610の板面が端板部150の端板本体部151の板面に対して平行となるように、かつ、蓋保持部620の曲線部と端板本体部151の端板電線穴151bの開口とが対向するように、本体蓋部600を配置する。
【0036】
次に、図5及び図8に示すように、図4及び図7に示す状態から、端板本体部151の溝部151cが蓋保持部620のスリット621に挿し込まれるように、Z2方向からZ1方向に向かって本体蓋部600を移動させる。
【0037】
最後に、図6及び図9に示すように、対に設けられた蓋爪部630の上端部が器具本体110の凸部114とそれぞれ当接して凸部114に引っ掛かるまで、Z2方向からZ1方向に向かって本体蓋部600を移動させる。そうすることで、本体蓋部600の蓋保持部620は端板部150の溝部151cと嵌合し、本体蓋部600の蓋爪部630は器具本体110の凸部114に引っ掛かる。このとき、本体蓋部600によって、端板本体部151の端板電線穴151bが塞がれる。また、本体蓋部600の蓋爪部630の上端部が器具本体110の凸部114と当接して凸部114に引っ掛かっているため、本体蓋部600がZ2方向へ落下するのが抑制される。
【0038】
以上、本実施の形態に係る照明器具100は、長方形の板状に形成された底部111と、底部111の短手方向の両側辺に設けられた側面部112と、を有し、光源ユニット200が着脱可能に取り付けられる照明器具100である。そして、照明器具100は、長手方向の両端部に形成された端部開口部110bに設けられ、電線を通すための端板電線穴151bが形成された端板部150と、端板電線穴151bを塞ぐように端板部150に取り付けられる本体蓋部600と、を備えたものである。
【0039】
本実施の形態に係る照明器具100によれば、照明器具100の端板部150に形成された端板電線穴151bを塞ぐように端板部150に本体蓋部600が取り付けられている。そのため、本体蓋部600によって、端板電線穴151b及び端板電線穴151bのための加工を隠すことができ、それらが意匠面に現れないようにすることができるため、意匠性を向上させることができる。
【0040】
また、本実施の形態に係る照明器具100において、本体蓋部600は、板状の蓋本体部610と、蓋本体部610の端板部150と対向する側の面に設けられ、蓋本体部610との間にスリット621が形成された蓋保持部620と、を有している。そして、本体蓋部600は、端板部150の端板電線穴151bの周囲に設けられた溝部151cに本体蓋部600のスリット621が挿し込まれることにより、端板部150に取り付けられる。
【0041】
本実施の形態に係る照明器具100によれば、端板部150の端板電線穴151bの周囲に設けられた溝部151cに、本体蓋部600のスリット621を挿し込むことにより、体蓋部600を端板部150に取り付けことができる。そのため、本体蓋部600を端板部150に容易に取り付けることができるとともに、X方向及びY方向への移動を規制することができる。
【0042】
また、本実施の形態に係る照明器具100には、側面部112と端板部150とによって本体開口部113が形成されており、照明器具100の側面部112には、本体開口部113側の端部に凸部114が設けられている。そして、本体蓋部600は、蓋保持部620から突出して設けられ、凸部114に引っ掛かる一対の蓋爪部630を有している。
【0043】
本実施の形態に係る照明器具100によれば、本体蓋部600は、器具本体110の凸部114に引っ掛かる一対の蓋爪部630を有している。そのため、本体蓋部600の蓋爪部630の上端部が器具本体110の凸部114と当接して凸部114に引っ掛かることにより、本体蓋部600がZ2方向へ落下するのを抑制することができる。
【0044】
また、本実施の形態に係る照明装置1は、上記照明器具100と、上記照明器具100に着脱可能に取り付けられる光源ユニット200と、を備えたものである。
【0045】
本実施の形態に係る照明装置1によれば、照明器具100と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0046】
1 照明装置、2 被取付部、3 吊り具、4 電源電線、100 照明器具、110 器具本体、110b 端部開口部、111 底部、112 側面部、113 本体開口部、114 凸部、120 電源装置、120a ケース、130 電源端子台、150 端板部、151 端板本体部、151b 端板電線穴、151c 溝部、200 光源ユニット、220 フレーム、230 カバー、231 主カバー部、232 カバー側面部、240 エンドキャップ、250 バネ、600 本体蓋部、610 蓋本体部、620 蓋保持部、621 スリット、630 蓋爪部。
図1
図2
図3
図4
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図6
図7
図8
図9