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  • 特許-スロープの取手取付構造 図1
  • 特許-スロープの取手取付構造 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-11
(45)【発行日】2023-05-19
(54)【発明の名称】スロープの取手取付構造
(51)【国際特許分類】
   A61G 3/06 20060101AFI20230512BHJP
   B60R 3/00 20060101ALI20230512BHJP
【FI】
A61G3/06 711
B60R3/00
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019040191
(22)【出願日】2019-03-06
(65)【公開番号】P2020141832
(43)【公開日】2020-09-10
【審査請求日】2022-01-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000100791
【氏名又は名称】アイシン軽金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】奥村 豪
【審査官】瀧本 絢奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-168619(JP,A)
【文献】特開2012-048313(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01702855(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 3/06
B60R 3/00
B65D 25/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用時には車外側に展開することでスロープ面を形成し、使用しない時には車両のフロア側に反転収納できるスロープに設けられた取手の取付構造であって、
前記スロープは前記車両のフロア側に反転収納する際にスロープ面の下面側に取手と、前記取手を回動可能に取り付けるための取付部とを有し、
前記取付部は取付孔を有し、前記取手は前記取付孔に挿通連結した取付軸部を有し、
前記取付孔は長孔形状になっていて、
前記長孔形状の長軸方向の長軸中心線とスロープ面の下面との連結角(θ)は鋭角に設定してあり、
前記スロープがフロア側に反転収納される際に前記取手がスロープの下面側に倒れ折り畳まれるものであることを特徴とするスロープの取手取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロープを反転操作するために取り付けられている取手の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車やバス等に車椅子等が乗降できるように車両のフロアから車外側に反転し、スロープ面を形成できるスロープ装置が特許文献1等に提案されている。
スロープには、特許文献1には記載がないが、使用時に車外に向けて展開操作し、使用しない時には車室内側に反転収納しやすいように取手が取り付けられている。
しかし、従来の取手の取付構造は、取手にシャフト状の取付軸部を形成し、この取付軸部を回動可能に連結した取付孔を有しているが、この取付孔の断面形状が円孔になっていた。
そのために、スロープを車室内側に反転収納する際に取手の取付軸部が円孔に沿って回動することなく、そのままスロープ荷重を受けたまま、スロープ面が取手により浮き上がった状態になる場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-23958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、スロープを収納する際に取手がスムーズに格納されるスロープの取手構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るスロープの取手取付構造は、スロープを展開操作するための取手の取付構造であって、前記スロープは展開操作する取手と、前記取手を回動可能に取り付けるための取付部とを有し、前記取付部は取付孔を有し、前記取手は前記取付孔に挿通連結した取付軸部を有し、前記取付孔は長孔形状になっていることを特徴とする。
ここで、前記長孔形状の長軸方向の長軸中心線とスロープ面との連結角(θ)は鋭角であるのが好ましい。
【0006】
本発明において、スロープは車椅子等の乗降時には車外側に展開し、路面と車両フロアとの間に架け渡され、スロープ面を形成でき、使用しない時には車両のフロア側に反転収納できるスロープであれば、その構造に制限がなく、複数のスロープ部材をスライド式に伸縮するものや複数のスロープ部材を折り畳み収納するものが例として挙げられる。
本発明において、取手は車室側に反転したスロープ面の下面側に取り付けられていて、スロープの自重により、取手がスロープ側に倒れるように折り畳まれる。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る取手の取付構造にあっては、取手の取付軸部を回動支持した取付孔の断面形状を長孔形状にしたことにより、取手にスロープの倒れ込み方向の自重が加わる際に取付軸部が長孔の長軸方向に沿って移動するので、取手の先端側がスロープ側に倒れ込みやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(a)~(c)は取手が倒れる流れを示す。
図2】スロープの先端側に設けた取手の構造例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係るスロープの取手の取付構造例を以下、図に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0010】
図2に、スロープ10の展開先端側を部分的に示す。
図2(a)は、スロープを車外側に展開し、路面と車両のフロアとの間にスロープ面を形成した状態を部分的に示す。
スロープ面にリング形状の取手12が、スロープ10側に設けた取付部11に回動自在に連結されている。
このスロープ10を車室内側に反転し、スロープ10が車両のフロア1に格納(収納)される状態を図1に示す。
【0011】
リング状の取手12は、一方がシャフト状の取付軸部12aになっていて、他方が手でのつかみ部となりカラー12bが取り付けられている。
スロープ10側に固定した取付部11は、長孔の取付孔11aを有し、この取付孔11aに取手の取付軸部12aが挿通連結されている。
取付軸部12aは断面円形状になっていて、取付孔11aは短径と長径との長孔形状になっていて、長径側の長軸中心線13とスロープ10のスロープ面との間の連結角(取付角)θが90°以下の鋭角になっている。
【0012】
図1に基づいて取手12の動きを説明する。
スロープ10を車室内側に格納するのに、図1(a)に示すようにスロープ10のスロープ面が車室内側に倒れ込む。
取手12は真下に垂下した状態で、つかみ部側のカラー12bがフロア1の上面に当たる。
その荷重が取付軸部12aに伝わるが、取付孔11aが鋭角の連結角θからなるので、取付軸部12aが長孔の長径方向に沿ってズレる。
これにより、取手12のつかみ側が図1(b),(c)に示すように、そのまま倒れ込むので、スロープ10がスムーズに車室内側に格納される。
【符号の説明】
【0013】
10 スロープ
11 取付部
11a 取付孔
12 取手
12a 取付軸部
13 長軸中心線
図1
図2