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  • 特許-端子箱 図1
  • 特許-端子箱 図2
  • 特許-端子箱 図3
  • 特許-端子箱 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-11
(45)【発行日】2023-05-19
(54)【発明の名称】端子箱
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/22 20060101AFI20230512BHJP
【FI】
H02K5/22
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019045778
(22)【出願日】2019-03-13
(65)【公開番号】P2020150663
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2022-02-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年6月1日 株式会社ニッセイのウェブサイトにて公開 平成30年6月12日~15日 FOOMA JAPAN 2018(2018 国際食品工業展)にて発表 平成30年6月20日~22日 第22回 機械要素技術展にて発表 平成30年10月3日~5日 第21回 関西 機械要素技術展にて発表
(73)【特許権者】
【識別番号】591218307
【氏名又は名称】株式会社ニッセイ
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(72)【発明者】
【氏名】都 圭二郎
(72)【発明者】
【氏名】飯島 正人
【審査官】若林 治男
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-157701(JP,A)
【文献】特開2005-110459(JP,A)
【文献】特開2009-273333(JP,A)
【文献】特開2004-056943(JP,A)
【文献】特開2009-118602(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸心が左右方向に延びる横向き姿勢で設置されるモータのフレームに取り付けられ、左右何れかの側面に外部から電源線を引き込むための開口部を有する端子箱本体と、
前記開口部に設けられるケーブルクランプと、
を備え、前記フレームの表面に形成され、前記左右方向と上下方向とで規定される取り付け面へ縦向きに取り付けられる端子箱であって、
前記開口部は、前記取り付け面への取り付け状態において、前記側面の上下方向の中心を通り、前記取り付け面と前記側面とに垂直な仮想平面から上側へずれた位置に設けられていることを特徴とする端子箱。
【請求項2】
前記開口部は、前記モータの軸心と平行な方向に開口していることを特徴とする請求項1に記載の端子箱。
【請求項3】
前記開口部は、前記取り付け面への取り付け状態において前記モータの軸心よりも上側に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の端子箱。
【請求項4】
前記開口部の数は1個であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の端子箱。。
【請求項5】
前記端子箱の内部に設けられた接地端子を備え、
前記接地端子は、前記仮想平面に対して、前記開口部と同じ側に設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の端子箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルクランプの締め付け作業が容易なモータ用の端子箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1には、端子箱本体と、端子箱内に配置された端子台と、端子箱本体の側面の中央の1箇所に外部の電源線を導入するための口金(ケーブルクランプ)とを備え、モータの枠体に4箇所のボルトで固定されるモータ用の端子箱が開示されている。この端子箱によれば、端子台の端子金具が電源線の引き込み方向に対して左右両側に平行に配置されているため、引き込まれた電源線と各端子金具の距離がより均一となり、各々の電源線の長さが均一になり配線作業が容易となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-110459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたようなモータ用の端子箱は、端子箱の防水性を確保するため、ケーブルクランプをプライヤーやスパナ等の工具によって締め付けることがあるが、ケーブルクランプが端子箱の側面の中央に配置されているために、工具の先端がケーブルクランプまで届き難いという問題がある。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ケーブルクランプの締め付け作業が容易になる端子箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、請求項1記載の端子箱は、軸心が左右方向に延びる横向き姿勢で設置されるモータのフレームに取り付けられ、左右何れかの側面に外部から電源線を引き込むための開口部を有する端子箱本体と、前記開口部に設けられるケーブルクランプと、を備え、前記フレームの表面に形成され、前記左右方向と上下方向とで規定される取り付け面へ縦向きに取り付けられる端子箱であって、前記開口部は、前記取り付け面への取り付け状態において、前記側面の上下方向の中心を通り、前記取り付け面と前記側面とに垂直な仮想平面から上側へずれた位置に設けられていることを特徴とするものである。
【0007】
また、請求項2記載の端子箱は、請求項1に記載の端子箱であって、更に、前記開口部は、前記モータの軸心と平行な方向に開口していることを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項3記載の端子箱は、請求項1または2に記載の端子箱であって、更に、前記開口部は、前記取り付け面への取り付け状態において前記モータの軸心よりも上側に設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項4記載の端子箱は、請求項1から3のいずれか1項に記載の端子箱であって、更に、前記開口部の数は1個であることを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項5記載の端子箱は、請求項1から4のいずれか1項に記載の端子箱であって、更に、前記端子箱の内部に設けられた接地端子を備え、前記接地端子は、前記仮想平面に対して、前記開口部と同じ側に設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の端子箱によれば、フレームの表面に形成され、左右方向と上下方向とで規定される取り付け面へ縦向きに取り付けられる端子箱本体に設けられた開口部は取り付け面と、端子本体の側面とに垂直で、側面の上下方向の中心を通る仮想平面に対して上側へずれた位置に設けられているため、ケーブルクランプをスパナやプライヤー等の工具で締め付ける際に工具の先端が届き易く、作業が簡単になる。
【0012】
また、請求項2記載の端子箱によれば、端子箱はモータのフレームに対して開口部がモータの軸心と平行な方向に開口するように設けられているため、ケーブルクランプとモータのフレームの表面との間の距離が近くなるが、開口部が端子箱の側面の中心ではなく、仮想平面からずれた位置に設けられているため、ケーブルクランプをスパナやプライヤー等の工具で締め付ける際に工具の先端が届き易く、作業が簡単になる。
【0013】
また、請求項3記載の端子箱によれば、開口部は、取り付け面への取り付け状態においてモータの軸心よりも上側にずれた位置に設けられている。このため上側からスパナやプライヤー等の工具の先端が届き易く、ケーブルクランプを締め付ける作業がより簡単になる。
【0014】
また、請求項4記載の端子箱によれば、開口部の数は1つであるため、ケーブルクランプの数も1つである。このため、ケーブルクランプを締め付ける作業の際に作業の妨げになる部分がなく、作業がより簡単になる。
【0015】
また、請求項5記載の端子箱によれば、アース接続用の接地端子は、仮想平面に対して、開口部と同じ方向にずれた位置に設けられている。このため、ケーブルクランプから接地端子までの距離が近くなり、接地線に余裕ができる。仮に電源線に過度な引っ張り力が加わった場合であっても、接地線に対しては引っ張り力が加わり難いため、より安全である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態における端子箱を備えたモータの正面図である。
図2】第1実施形態における端子箱を備えたモータの右側面図である。
図3】第2実施形態における端子箱を備えたモータの正面図である。
図4】第2実施形態における端子箱を備えたモータの右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態における端子箱7を備えたモータ1Aの正面図であり、端子箱7の蓋を取り外した状態を示している。図2は、第1実施形態における端子箱7を備えたモータ1Aの右側面図であり、ファンカバー6側から見た状態を示している。
【0018】
モータ1Aは、円筒状のモータフレーム2と、モータフレーム2の軸方向の負荷側(図1の左側)にギアブラケット3を介して接続されるギアヘッド4と、モータフレーム2の反負荷側(図1の右側)にモータブラケット5を介して接続されるファンカバー6と、モータフレーム2の表面に取り付けられる端子箱7とを備えている。
【0019】
モータフレーム2の内部には、図示しないステータとロータとからなるモータが収容され、ロータに結合されたモータ軸が、ギアブラケット3とモータブラケット5とにそれぞれ保持された軸受を介して軸心C0を中心として回転可能に支持されている。負荷側に突出するモータ軸の端部は、ギアヘッド4内に設けられた図示しない減速機構の入力側と噛合し、減速機構の出力軸8はギアヘッド4から突出している。ファンカバー6内には図示しないファンがモータ軸と一体に回転可能に設けられている。
【0020】
モータフレーム2の表面には、端子箱本体9と、端子箱本体9の内部に配置された端子台10とから成る端子箱7が取り付けられている。端子箱本体9は、アルミニウム合金製であり、底の中央部に角取り矩形状の開口部11が形成された箱状であって、底の各角部に貫通孔が形成され、該貫通孔を介して4本のネジ12によりモータフレーム2の表面に取り付けられている。また、端子箱本体9の上面の各角部には、蓋用のネジ穴13が4箇所形成され、該ネジ穴13には図示されない蓋がネジ止め可能である。
【0021】
端子箱本体9の内部には端子台10が設置され、端子台10は開口部11を通過してモータフレーム2の表面に直接固定されている。端子台10のベースは樹脂製であり、3個の金属製のスタッド端子14を備えている。スタッド端子14には、ステータと電気的に接続されるリード線15が接続される。各リード線15は、ゴムブッシュ16を介してモータフレーム2から引き出されている。各リード線15の先端部には、丸形の圧着端子17が圧着されており、圧着端子17を2個のナットで挟むことで、リード線15がスタッド端子14と電気的に接続される。以上のように各リード線15と接続されたスタッド端子14に対し、ステータに電力を供給する外部からの電源線18が、適時同様に接続されるが、図1では電源線18とスタッド端子14との接続は省略している。
【0022】
端子箱本体9における反負荷側(図1の右側)の側面S1には、外部からの電源線18を通すための開口部21が1箇所設けられ、該開口部21には、電源線18を固定するための防水型のケーブルクランプ22(またはキャプコンと呼ばれることもある)が配置されている。開口部21は、モータフレーム2と端子箱本体9との取り付け面S2と側面S1とに垂直で、側面S1の中心C1を通る仮想平面S3に対して、上方向にずれた位置に設けられている。また、開口部21は、モータの軸心C0と平行で、モータの軸心C0よりも上側にずれた位置に設けられている。ケーブルクランプ22をスパナやプライヤー等の工具で締め付けることで、電源線18が固定されると同時に、端子箱7の防水性も確保される。
【0023】
端子箱本体9の内周面には、アース接続用の接地端子23が設けられる。接地端子23は、モータフレーム2と端子箱本体9との取り付け面S2と側面S1とに垂直で、側面S1の中心C1を通る仮想平面S3に対して、上方向(ケーブルクランプ22と同方向)にずれた位置に設けられている。
【0024】
このように、上記形態の端子箱7を備えたモータ1Aによれば、端子箱本体9に設けられた開口部21は、側面S1の中心には設けられておらず、モータフレーム2と端子箱本体9との取り付け面S2と側面S1とに垂直で、側面S1の中心C1を通る仮想平面S3に対してずれた位置に設けられているため、ケーブルクランプ22をスパナやプライヤー等の工具で締め付ける際に工具の先端が届き易く、作業が簡単になる。
【0025】
また、円筒状のモータフレーム2に対して、開口部21はモータの軸心C0と平行に設けられているため、ケーブルクランプ22とモータフレーム2の表面との間の距離が近くなるが、開口部21が側面S1の中心ではなくずれた位置に設けられているため、ケーブルクランプ22をスパナやプライヤー等の工具で締め付ける際に工具の先端が届き易く、作業が簡単になる。
【0026】
また、開口部21は、モータの軸心C0よりも上側にずれた位置に設けられている。このため、モータの設置状態で上側からスパナやプライヤー等の工具の先端が届き易く、ケーブルクランプ22を締め付ける作業がより簡単になる。
【0027】
また、開口部21の数は1つであるため、ケーブルクランプ22の数も1つである。このため、ケーブルクランプ22を締め付ける作業の際に作業の妨げになる部分がなく、作業がより簡単になる。
【0028】
また、アース接続用の接地端子23は、モータフレーム2と端子箱本体9との取り付け面S2と側面S1とに垂直で、側面S1の中心C1を通る仮想平面S3に対して、上方向(ケーブルクランプ22と同方向)にずれた位置に設けられている。このため、ケーブルクランプ22から接地端子23までの距離が近くなり、接地線に余裕ができる。仮に電源線8に過度な引っ張り力が加わった場合であっても、接地線には引っ張り力が加わり難いため、より安全である。
【0029】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について図3及び図4を参照して説明する。図3は、第2実施形態における端子箱7を備えたモータ1Bの正面図であり、図1に対応する図面である。図4は、第2実施形態における端子箱7を備えたモータ1Bの右側面図であり、ギアヘッド4側から見た状態を示している。第2実施形態におけるモータ1Bの構造は、端子箱7に設けられる開口部21の向きが、第1実施形態におけるモータ1Aとは異なる。上記を除くモータ1Bの構成については、上述の第1実施形態と同様なので、詳細な説明は省略する。
【0030】
端子箱本体9における負荷側(図3の右側)の側面S1には、外部からの電源線18を通すための開口部21が1箇所設けられ、該開口部21には、電源線18を固定するための防水型のケーブルクランプ22が配置されている。開口部21は、モータフレーム2と端子箱本体9との取り付け面S2と側面S1とに垂直で側面S1の中心C1を通る仮想平面S3に対して、上方向にずれた位置に設けられている。また、開口部21は、モータの軸心C0と平行で、モータの軸心C0よりも上側にずれた位置に設けられている。ケーブルクランプ22をスパナやプライヤー等の工具で締め付けることで、電源線18が固定されると同時に、端子箱7の防水性も確保される。第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得る。
【符号の説明】
【0031】
1A,1B モータ
2 モータフレーム
7 端子箱
9 端子箱本体
18 電源線
21 開口部
22 ケーブルクランプ
23 接地端子
C0 軸心
C1 側面の中心
S1 側面
S2 取り付け面
S3 仮想平面
図1
図2
図3
図4