(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-11
(45)【発行日】2023-05-19
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/84 20060101AFI20230512BHJP
【FI】
G01N21/84 E
G01N21/84 B
(21)【出願番号】P 2019172271
(22)【出願日】2019-09-20
【審査請求日】2022-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】小池 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 和人
(72)【発明者】
【氏名】島田 真稔
(72)【発明者】
【氏名】谷口 慎也
【審査官】井上 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-169275(JP,A)
【文献】特開2019-158501(JP,A)
【文献】特開2019-113348(JP,A)
【文献】国際公開第2019/131155(WO,A1)
【文献】特開2006-17484(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1175171(KR,B1)
【文献】特開2008-46103(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84-G01N 21/958
G01N 21/00-G01N 21/01
G01N 21/17-G01N 21/61
G01B 11/00-G01B 11/30
H04N 23/00
H04N 23/40-H04N 23/76
H04N 23/90-H04N 23/959
B25J 1/00-B25J 21/02
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像対象物を載置するための載置部と、
1つ以上の撮像部ならびに第1A照明部および第1B照明部を含む2つ以上の照明部
が連結されて一体に設けられた撮像ユニットと、
前記撮像ユニットを前記載置部に対して相対的に移動させることが可能な移動機構と、を備え、
前記第1A照明部は、第1A照明方向に向けて前記載置部に載置された前記撮像対象物に光を照射することが可能であり、
前記第1B照明部は、第1B照明方向に向けて前記載置部に載置された前記撮像対象物に光を照射することが可能であ
り、
前記1つ以上の撮像部のうちの第1A撮像部は、光学系を含み、
前記第1A撮像部から前記載置部に載置された前記撮像対象物に向かう前記光学系の光軸に沿った撮像方向は、前記第1B照明方向よりも前記第1A照明方向に近く、
前記1つ以上の撮像部は、前記第1A撮像部と、第1B撮像部と、第1C撮像部と、を含み、
前記2つ以上の照明部は、前記第1A照明部と、前記第1B照明部と、第1C照明部と、を含み、
前記第1A照明部が前記載置部に載置された前記撮像対象物を上方から照明している状態で前記第1A撮像部が前記載置部に載置された前記撮像対象物を上方から撮像することが可能であり、
前記第1B照明部が前記載置部に載置された前記撮像対象物を斜め上方から照明している状態で前記第1B撮像部が前記載置部に載置された前記撮像対象物を斜め上方から撮像することが可能であり、
前記第1C照明部が前記載置部に載置された前記撮像対象物を水平方向に向かって照明している状態で前記第1C撮像部が前記載置部に載置された前記撮像対象物を水平方向に向かって撮像することが可能である、撮像装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の撮像装置であって、
前記第1C照明部は、鉛直方向における高さよりも水平方向における幅が大きい
水平発光領域を有する、撮像装置。
【請求項3】
請求項
1または請求項
2に記載の撮像装置であって、
前記第1B照明部は、水平方向における幅よりも斜め上方向における長さが大きい
斜め発光領域を有する、撮像装置。
【請求項4】
請求項2に記載の撮像装置であって、
前記第1C照明部は、第1水平発光領域、第2水平発光領域、および第3水平発光領域、の3つの前記水平発光領域を有し、
前記第1水平発光領域は、前記第1A撮像部における前記光学系の前記光軸である第1A光軸を中心として、前記第2水平発光領域から時計回りに45度回転した位置に配置されており、
前記第3水平発光領域は、前記第1A光軸を中心として、前記第2水平発光領域から反時計回りに45度回転した位置に配置されている、撮像装置。
【請求項5】
請求項3に記載の撮像装置であって、
前記第1B照明部は、第1斜め発光領域、第2斜め発光領域、第3斜め発光領域、第4斜め発光領域、および第5斜め発光領域、の5つの前記斜め発光領域を有し、
前記第1斜め発光領域は、前記第1A撮像部における前記光学系の前記光軸である第1A光軸を中心として、前記第3斜め発光領域から時計回りに90度回転した位置に配置されており、
前記第2斜め発光領域は、前記第1A光軸を中心として、前記第3斜め発光領域から時計回りに45度回転した位置に配置されており、
前記第4斜め発光領域は、前記第1A光軸を中心として、前記第3斜め発光領域から反時計回りに45度回転した位置に配置されており、
前記第5斜め発光領域は、前記第1A光軸を中心として、前記第3斜め発光領域から反時計回りに90度回転した位置に配置されている、撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の駆動部およびその周辺に用いられている立体形状を有する鍛造部品については、人が様々な角度から鍛造部品を見ることで欠陥を発見する目視検査が行われている。この目視検査は、例えば、カメラと照明とを含む光学機器を用いた検査に置き換えることが可能である。
【0003】
そして、例えば、人間の腕に似た構造を有する産業用のロボットアームの先端に光学機器を取り付けることで、検査対象物(ワークともいう)の所望の部分を自在に撮像可能な欠陥検査装置が考えられている(例えば、特許文献1等)。このような欠陥検査装置によれば、例えば、人による目視検査では対応しにくい大型のワークであっても、検査を行うことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、ワークを一方向から照明して撮像を行う。このため、例えば、ワークが凹凸部および孔部等の平坦ではない種々の外形を有していれば、ワークの一部については、照明からワークに照射される光がカメラに向かって反射せず、ワークを十分に捉えた画像を得ることができない場合がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、種々の形状を有する対象物を十分に捉えた画像を容易に撮像可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、第1の態様に係る撮像装置は、載置部と、撮像ユニットと、移動機構と、を備える。前記載置部は、撮像対象物を載置するためのものである。前記撮像ユニットは、1つ以上の撮像部ならびに第1A照明部および第1B照明部を含む2つ以上の照明部が連結されて一体に設けられたユニットである。前記移動機構は、前記撮像ユニットを前記載置部に対して相対的に移動させることが可能である。前記第1A照明部は、第1A照明方向に向けて前記載置部に載置された前記撮像対象物に光を照射することが可能である。前記第1B照明部は、第1B照明方向に向けて前記載置部に載置された前記撮像対象物に光を照射することが可能である。前記1つ以上の撮像部のうちの第1A撮像部は、光学系を含む。前記第1A撮像部から前記載置部に載置された前記撮像対象物に向かう前記光学系の光軸に沿った撮像方向は、前記第1B照明方向よりも前記第1A照明方向に近い。前記1つ以上の撮像部は、前記第1A撮像部と、第1B撮像部と、第1C撮像部と、を含む。前記2つ以上の照明部は、前記第1A照明部と、前記第1B照明部と、第1C照明部と、を含む。前記第1A照明部が前記載置部に載置された前記撮像対象物を上方から照明している状態で前記第1A撮像部が前記載置部に載置された前記撮像対象物を上方から撮像することが可能である。前記第1B照明部が前記載置部に載置された前記撮像対象物を斜め上方から照明している状態で前記第1B撮像部が前記載置部に載置された前記撮像対象物を斜め上方から撮像することが可能である。前記第1C照明部が前記載置部に載置された前記撮像対象物を水平方向に向かって照明している状態で前記第1C撮像部が前記載置部に載置された前記撮像対象物を水平方向に向かって撮像することが可能である。
【0010】
第2の態様に係る撮像装置は、第1の態様に係る撮像装置であって、前記第1C照明部は、鉛直方向における高さよりも水平方向における幅が大きい水平発光領域を有する。
【0011】
第3の態様に係る撮像装置は、第1または第2の態様に係る撮像装置であって、前記第1B照明部は、水平方向における幅よりも斜め上方向における長さが大きい斜め発光領域を有する。
第4の態様に係る撮像装置は、第2の態様に係る撮像装置であって、前記第1C照明部は、第1水平発光領域、第2水平発光領域、および第3水平発光領域、の3つの前記水平発光領域を有する。前記第1水平発光領域は、前記第1A撮像部における前記光学系の前記光軸である第1A光軸を中心として、前記第2水平発光領域から時計回りに45度回転した位置に配置されている。前記第3水平発光領域は、前記第1A光軸を中心として、前記第2水平発光領域から反時計回りに45度回転した位置に配置されている。
第5の態様に係る撮像装置は、第3の態様に係る撮像装置であって、前記第1B照明部は、第1斜め発光領域、第2斜め発光領域、第3斜め発光領域、第4斜め発光領域、および第5斜め発光領域、の5つの前記斜め発光領域を有する。前記第1斜め発光領域は、前記第1A撮像部における前記光学系の前記光軸である第1A光軸を中心として、前記第3斜め発光領域から時計回りに90度回転した位置に配置されている。前記第2斜め発光領域は、前記第1A光軸を中心として、前記第3斜め発光領域から時計回りに45度回転した位置に配置されている。前記第4斜め発光領域は、前記第1A光軸を中心として、前記第3斜め発光領域から反時計回りに45度回転した位置に配置されている。前記第5斜め発光領域は、前記第1A光軸を中心として、前記第3斜め発光領域から反時計回りに90度回転した位置に配置されている。
【発明の効果】
【0012】
第1の態様に係る撮像装置によれば、例えば、少ない動作で複数の照明条件における撮像を行うことができる。したがって、例えば、種々の形状を有する撮像対象物を十分に捉えた画像を容易に撮像することができる。
【0013】
第1の態様に係る撮像装置によれば、例えば、撮像方向に近い角度の照明方向で照明を行う照明条件での撮像と、撮像方向から離れた角度の照明方向で照明を行う照明条件での撮像と、を行うことで、撮像対象物からの正反射光が捉えられる条件が変わり得る。これにより、撮像対象物における凹凸等の種々の形状を十分に捉えた画像を容易に撮像することができる。
【0014】
第1の態様に係る撮像装置によれば、例えば、より少ない動作で複数の照明条件における撮像を行うことができる。したがって、例えば、種々の形状を有する撮像対象物を十分に捉えた画像をさらに容易に撮像することができる。
【0015】
第2の態様に係る撮像装置によれば、例えば、載置部上に第1C照明部を移動させても、第1C照明部が載置部に接触しにくいため、撮像対象物のサイズに合わせた距離および焦点の調整等を行うために第1C照明部を移動させやすくなる。
【0016】
第3の態様に係る撮像装置によれば、例えば、斜め上方から見て奥行き方向が長い撮像対象物を広く照明することができる。また、例えば、鉛直方向に沿った仮想軸の周囲の異なる角度において斜め上方から撮像対象物を照明することが可能な複数の発光領域を容易に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1(a)は、第1実施形態に係る検査システムの外観を模式的に示す斜視図である。
図1(b)は、第1実施形態に係る検査システムの概略的な構成を示す図である。
【
図2】
図2(a)は、第1実施形態に係る撮像装置の主要な物理的構成の一例を示す図である。
図2(b)は、第1実施形態に係る撮像ユニットの物理的構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、検査システムの機能的構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、投入装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5(a)は、撮像装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図5(b)は、第1撮像ユニットの機能的構成の一例を示すブロック図である。
図5(c)は、第2撮像ユニットの機能的構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、反転装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、排出装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、撮像装置の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【
図9】
図9は、第2実施形態に係る第1撮像ユニットの物理的構成を模式的に示す図である。
【
図10】
図10(a)は、第1A照明部の一例を模式的に示す図である。
図10(b)は、第1B照明部の一例を模式的に示す図である。
図10(c)は、第1C照明部の一例を模式的に示す図である。
【
図11】
図11は、第2実施形態に係る第1撮像ユニットの外観の一例を示す側面図である。
【
図12】
図12は、第2実施形態に係る第1撮像ユニットの外観の一例を示す平面図である。
【
図13】
図13は、第2実施形態に係る第1撮像ユニットの外観の一例を示す正面図である。
【
図14】
図14は、第2実施形態に係る第1撮像ユニットの機能的構成の一例を示すブロック図である。
【
図16】
図16(a)は、第1C照明部で照明されたワークを第1A撮像部で撮像することで得られるワークを捉えた撮像画像の一例を示す図である。
図16(b)は、第1C照明部で照明されたワークを第1B撮像部で撮像することで得られるワークを捉えた撮像画像の一例を示す図である。
図16(c)は、第1C照明部で照明されたワークを第1C撮像部で撮像することで得られるワークを捉えた撮像画像の一例を示す図である。
【
図17】
図17(a)は、第1B照明部で照明されたワークを第1A撮像部で撮像することで得られるワークを捉えた撮像画像の一例を示す図である。
図17(b)は、第1B照明部で照明されたワークを第1B撮像部で撮像することで得られるワークを捉えた撮像画像の一例を示す図である。
図17(c)は、第1B照明部で照明されたワークを第1C撮像部で撮像することで得られるワークを捉えた撮像画像の一例を示す図である。
【
図18】
図18(a)は、第1A照明部で照明されたワークを第1A撮像部で撮像することで得られるワークを捉えた撮像画像の一例を示す図である。
図18(b)は、第1A照明部で照明されたワークを第1B撮像部で撮像することで得られるワークを捉えた撮像画像の一例を示す図である。
図18(c)は、第1A照明部で照明されたワークを第1C撮像部で撮像することで得られるワークを捉えた撮像画像の一例を示す図である。
【
図19】
図19(a)は、第3実施形態に係る撮像装置の主要な物理的構成の一例を示す図である。
図19(b)は、第3実施形態に係る撮像装置の主要な物理的構成の一例の一部を示す平面図である。
【
図20】
図20(a)は、第1A照明部における上部発光領域の形状および寸法の一例を示す図である。
図20(b)は、第1のワークの形状および寸法の一例を示す図である。
図20(c)は、第2のワークの形状および寸法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の各実施形態について説明する。各実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。図面は、あくまでも模式的に示したものである。図面においては、容易に理解が可能となるように、必要に応じて各部の寸法および数が誇張または簡略化されて図示されている場合がある。また、図面においては、同様な構成および機能を有する部分に対して同じ符号が付されており、重複した説明が適宜省略されている。
図1(a)から
図2(a)、
図9から
図13、
図15および
図19(a)から
図20(c)には、右手系のXYZ座標系が付されている。このXYZ座標系では、投入装置11の搬送部Cv1によって水平面に沿ってワークW0が搬送される方向が+X方向とされ、水平面に沿ってワークW0が搬送される方向に垂直な方向が+Y方向とされ、+X方向と+Y方向との両方に直交している重力方向が-Z方向とされている。
【0019】
また、本明細書では、相対的または絶対的な位置関係を示す表現(例えば「平行」「直交」「中心」等)は、特に断らない限り、その位置関係を厳密に表すのみならず、公差も含む状態を表すとともに、同程度の機能が得られる範囲で相対的に角度または距離に関して変位された状態も表すものとする。2つ以上のものが等しい状態であることを示す表現(例えば「同一」「等しい」「均質」等)は、特に断らない限り、定量的に厳密に等しい状態を表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる差が存在する状態も表すものとする。形状を示す表現(例えば「四角形状」または「円筒形状」等)は、特に断らない限り、幾何学的に厳密に形状を表すのみならず、同程度の効果が得られる範囲で、例えば凹凸または面取り等を有する形状も表すものとする。1つの構成要素を「備える」「具える」「具備する」「含む」または「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的表現ではない。「連結」という表現は、特に断らない限り、2つの要素が接している状態のほか、2つの要素が他の要素を挟んで離れている状態も含む表現である。
【0020】
<1.第1実施形態>
<1-1.検査システムの構成>
第1実施形態に係る検査システム1について、
図1(a)から
図8を参照しながら、説明する。
図1(a)は、第1実施形態に係る検査システム1の外観を模式的に示す斜視図である。
図1(b)は、第1実施形態に係る検査システム1の概略的な構成を示す図である。
【0021】
図1(a)および
図1(b)で示されるように、検査システム1は、例えば、投入装置11と、4つの撮像装置12と、反転装置13と、排出装置14と、を備えている。より具体的には、検査システム1では、例えば、投入装置11と、1つ目の撮像装置(第1撮像装置ともいう)121と、2つ目の撮像装置(第2撮像装置ともいう)122と、反転装置13と、3つ目の撮像装置(第3撮像装置ともいう)123と、4つ目の撮像装置(第4撮像装置ともいう)124と、排出装置14と、が+X方向においてこの記載の順に連結されている状態で位置している。投入装置11、撮像装置12、反転装置13および排出装置14は、適宜「装置」と略称される。ここでは、例えば、別々に作製された複数の装置11,12,13,14を+X方向において相互に連結することで、検査システム1を製造することができる。換言すれば、例えば、1つまたは2つ以上の撮像装置12を含む2つ以上の装置を適宜組み合わせることで検査システムを製造することができる。装置11,12,13,14は、例えば、連結用の部材およびネジ等の締結部材等を用いて相互に連結することができる。
【0022】
各装置11,12,13,14は、例えば、上部に検査の対象物(ワークともいう)W0が載置および搬送される内部空間を有する筒状の部分(筒状部ともいう)を有する。この筒状部は、例えば、+X方向に貫通するように位置している。具体的には、例えば、投入装置11は、筒状部11tbを有し、撮像装置12は、筒状部12tbを有し、反転装置13は、筒状部13tbを有し、排出装置14は、筒状部14tbを有する。そして、例えば、複数の装置11,12,13,14の間でワークW0の搬送が可能な経路(搬送経路ともいう)Rt1を成す1つの筒状の部分(筒状部)1tbを形成するように、複数の装置11,12,13,14が相互に連結されている。
図1(b)では、+X方向に沿った搬送経路Rt1に沿って2点鎖線の矢印が描かれている。
【0023】
ここでは、例えば、筒状部1tbは、投入装置11の筒状部11tbと、第1撮像装置121の筒状部12tbと、第2撮像装置122の筒状部12tbと、反転装置13の筒状部13tbと、第3撮像装置123の筒状部12tbと、第4撮像装置124の筒状部12tbと、排出装置14の筒状部14tbと、が+X方向においてこの順に連結されている状態で構成されている。検査システム1は、例えば、投入装置11から、第1撮像装置121、第2撮像装置122、反転装置13、第3撮像装置123、第4撮像装置124および排出装置14の順に、ワークW0を搬送して、ワークW0を検査することができる。ここで、各筒状部11tb,12tb,13tb,14tbにおける+Z方向に位置する上面部および±Y方向に位置する側面部は、例えば、透明であっても透明でなくてもよい。
【0024】
<1-1-1.投入装置の構成>
投入装置11は、検査システム1の外部からワークW0が投入される装置である。この投入装置11は、例えば、検査システム1に含まれる複数の装置のうちのワークW0の搬送経路Rt1における最初に位置している。
【0025】
図1(a)および
図1(b)の例では、投入装置11は、ワークW0を搬送可能な搬送部Cv1であるベルトコンベアを有し、各撮像装置12は、ワークW0を搬送可能な搬送部Cv2であるベルトコンベアを有し、反転装置13は、ワークW0を搬送可能な搬送部Cv3であるベルトコンベアを有し、排出装置14は、ワークW0を搬送可能な搬送部Cv4であるベルトコンベアを有する。投入装置11の搬送部Cv1は、例えば、投入装置11と該投入装置11の外部との間でワークW0を搬送することができる。撮像装置12の搬送部Cv2は、例えば、撮像装置12と該撮像装置12の外部との間でワークW0を搬送することができる。反転装置13の搬送部Cv3は、例えば、反転装置13と該反転装置13の外部との間でワークW0を搬送することができる。排出装置14の搬送部Cv4は、例えば、排出装置14と該排出装置14の外部との間でワークW0を搬送することができてもよいし、排出装置14内における所定の位置までワークW0を搬送することができてもよい。
【0026】
例えば、投入装置11は、筒状部11tbのうちの撮像装置12とは逆側の-X方向の端部に開閉可能な部分(開閉部ともいう)11ocを有する。開閉部11ocは、例えば、開閉可能な扉またはシャッター等を有する。例えば、開閉部11ocを介して投入装置11にワークW0を投入することができる。例えば、作業者Op0が、投入装置11にワークW0を投入する態様が考えられる。この場合には、例えば、搬送部Cv1としてのベルトコンベアのベルト上に描画もしくは投影された目印に合わせて作業者Op0がベルトコンベアのベルト上にワークW0を載置する態様が考えられる。投入装置11では、例えば、ベルト上に載置されるワークW0を検知するセンサによって、投入装置11にワークW0が投入されたことが検知されてもよい。また、例えば、検査システム1の外部に設けられたロボット等が、ベルトコンベアのベルト上にワークW0を載置することで、投入装置11にワークW0を投入してもよい。ここで、例えば、搬送部Cv1は、搬送部Cv1としてのベルトコンベアのベルト上に載置されたワークW0を、投入装置11の+X方向の外部に位置している第1撮像装置121の搬送部Cv2(搬送部Cv21ともいう)に受け渡すことができる。
【0027】
<1-1-2.撮像装置の構成>
撮像装置12は、例えば、ワークW0を撮像の対象物(撮像対象物ともいう)とした検査用の処理としての撮像を行うことができる。
【0028】
ここで、第1撮像装置121は、例えば、投入装置11の搬送部Cv1から第1撮像装置121の搬送部Cv21に受け渡されたワークW0を対象として、検査用の処理としての撮像を行うことができる。第1撮像装置121で撮像されたワークW0は、例えば、搬送部Cv21によって第1撮像装置121から該第1撮像装置121の+X方向の外部に位置している第2撮像装置122の搬送部Cv2(搬送部Cv22ともいう)に受け渡される。第2撮像装置122は、例えば、第1撮像装置121の搬送部Cv21から第2撮像装置122の搬送部Cv22に受け渡されたワークW0を対象として、検査用の処理としての撮像を行うことができる。第2撮像装置122で撮像されたワークW0は、例えば、搬送部Cv22によって第2撮像装置122から該第2撮像装置122の+X方向の外部に位置している反転装置13の搬送部Cv3に受け渡される。第3撮像装置123は、例えば、反転装置13の搬送部Cv3から第3撮像装置123の搬送部Cv2(搬送部Cv23ともいう)に受け渡されたワークW0を対象として、検査用の処理としての撮像を行うことができる。第3撮像装置123で撮像されたワークW0は、例えば、搬送部Cv23によって第3撮像装置123から該第3撮像装置123の+X方向の外部に位置している第4撮像装置124の搬送部Cv2(搬送部Cv24ともいう)に受け渡される。第4撮像装置124は、例えば、第3撮像装置123の搬送部Cv23から第4撮像装置124の搬送部Cv24に受け渡されたワークW0を対象として、検査用の処理としての撮像を行うことができる。第4撮像装置124で撮像されたワークW0は、例えば、搬送部Cv24によって第4撮像装置124から該第4撮像装置124の+X方向の外部に位置している排出装置14の搬送部Cv4に受け渡される。
【0029】
図2(a)は、第1実施形態に係る撮像装置12の主要な物理的構成の一例を示す図である。
図2(b)は、第1実施形態に係る撮像ユニット12sの物理的構成の一例を示す図である。ここでは、第1撮像装置121、第2撮像装置122、第3撮像装置123および第4撮像装置124は、それぞれ同様な構成を有する。
【0030】
図2(a)で示されるように、撮像装置12は、例えば、搬送部Cv2と、撮像ユニット12sと、移動機構12tと、を有する。
【0031】
搬送部Cv2は、例えば、撮像対象物としてのワークW0を載置するための部分(載置部ともいう)Sg2としての機能を有する。
【0032】
撮像ユニット12sは、例えば、撮像対象物としてのワークW0を対象とした撮像を行うことができる。第1実施形態では、撮像装置12は、2つの撮像ユニット12sを有する。具体的には、
図2(a)で示されるように、撮像装置12は、2つの撮像ユニット12sとして、第1撮像ユニット12s1と、第2撮像ユニット12s2と、を有する。
図2(b)で示されるように、撮像ユニット12sは、例えば、撮像部I1および照明部F1を有する。より具体的には、第1撮像ユニット12s1は、第1撮像部I11および第1照明部F11を含む。第2撮像ユニット12s2は、第2撮像部I12および第2照明部F12を含む。
【0033】
第1撮像部I11および第2撮像部I12のそれぞれは、例えば、電荷結合素子(Charge Coupled Device:CCD)等の撮像素子と、この撮像素子にワークW0の光像を結像させるための光学系としてのレンズ部Lz1と、を有する。第1照明部F11および第2照明部F12のそれぞれには、例えば、複数の発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)が2次元的に配列された面状の照明等が適用される。この場合には、例えば、第1照明部F11および第2照明部F12のそれぞれによって、ワークW0を広範囲にわたって照明することができる。
図2(b)の例では、レンズ部Lz1は、照明部F1の孔部H1に挿通された状態で位置している。別の観点から言えば、レンズ
部Lz1の光軸Pi1が、孔部H1を通るように設定されている。具体的には、第1撮像部I11の第1レンズ部Lz11が、第1照明部F11の第1孔部H11に挿通された状態で位置している。別の観点から言えば、第1レンズ
部Lz11の光軸(第1光軸ともいう)Pi11が、第1孔部H11を通るように設定されている。また、第2撮像部I12の第2レンズ部Lz12が、第2照明部F12の第2孔部H12に挿通された状態で位置している。別の観点から言えば、第2レンズ
部Lz12の光軸(第2光軸ともいう)Pi12が、第2孔部H12を通るように設定されている。これにより、例えば、第1撮像部I11は、第1照明部F11によって照明されたワークW0の少なくとも一部を被写体として撮像を行うことができる。また、例えば、第2撮像部I12は、第2照明部F12によって照明されたワークW0の少なくとも一部を被写体として撮像を行うことができる。
【0034】
移動機構12tは、例えば、載置部Sg2に載置されたワークW0に対して撮像ユニット12sを相対的に移動させることができる。別の観点から言えば、移動機構12tは、例えば、ワークW0を載置するための載置部Sg2に対して撮像ユニット12sを相対的に移動させることができる。第1実施形態では、撮像装置12は、2つの移動機構12tを有する。具体的には、
図2(a)で示されるように、撮像装置12は、2つの移動機構12tとして、第1移動機構12t1と、第2移動機構12t2と、を有する。第1移動機構12t1は、例えば、載置部Sg2に載置されたワークW0に対して第1撮像ユニット12s1を相対的に移動させることができる。別の観点から言えば、第1移動機構12t1は、例えば、ワークW0を載置するための載置部Sg2に対して第1撮像ユニット12s1を相対的に移動させることができる。第2移動機構12t2は、例えば、載置部Sg2に載置されたワークW0に対して第2撮像ユニット12s2を相対的に移動させることができる。別の観点から言えば、第2移動機構12t2は、例えば、ワークW0を載置するための載置部Sg2に対して第2撮像ユニット12s2を相対的に移動させることができる。
【0035】
このような構成が採用されれば、例えば、ワークW0に対して、第1撮像ユニット12s1と第2撮像ユニット12s2とを別々に移動させつつ、第1照明部F11および第2照明部F12のそれぞれで照明されたワークW0を第1撮像部I11および第2撮像部I12で撮像することができる。例えば、第1撮像部I11は、第1照明部F11によって照明されたワークW0、第2照明部F12によって照明されたワークW0、および第1照明部F11および第2照明部F12の双方で照明されたワークW0のそれぞれについて、撮像を行うことができる。また、例えば、第2撮像部I12も、第1照明部F11によって照明されたワークW0、第2照明部F12によって照明されたワークW0、および第1照明部F11および第2照明部F12の双方で照明されたワークW0のそれぞれについて、撮像を行うことができる。これにより、例えば、ワークW0の各部分を複数の照明条件で撮像することができる。したがって、例えば、種々の形状を有するワークW0を十分に捉えた画像を容易に撮像することができる。
【0036】
移動機構12tには、例えば、ロボットアーム等が適用される。ロボットアームには、例えば、多くの軸を基準として駆動可能なロボットアーム(多軸ロボットアームともいう)が適用される。ここで、例えば、第1移動機構12t1および第2移動機構12t2のうちの少なくとも一方の移動機構が、多軸ロボットアームであってもよい。このように、例えば、移動機構12tに多軸ロボットアームが適用されれば、ワークW0の各部分を複数の照明条件で任意の角度から撮像することができる。
【0037】
多軸ロボットアームには、例えば、基準部Pt0と、第1可動部Pt1と、第2可動部Pt2と、第3可動部Pt3と、第4可動部Pt4と、第5可動部Pt5と、第6可動部Pt6と、を有する6軸で回動可能なロボットアーム(6軸ロボットアームともいう)が適用される。この場合には、基準部Pt0は、例えば、撮像装置12のベース部Bs12等に固定されている。このベース部Bs12には、例えば、搬送部Cv2のベルトコンベアが固定されていてもよい。基準部Pt0は、例えば、+Z方向に沿った第1軸Pl1を中心として第1可動部Pt1を回動可動に保持する回動部Pr1を有する。第1可動部Pt1は、例えば、水平方向に沿った第2軸Pl2を中心として第2可動部Pt2を回動可動に保持する第2回動部Pr2を有する。第2可動部Pt2は、例えば、水平方向に沿った第3軸Pl3を中心として第3可動部Pt3を回動可動に保持する第3回動部Pr3を有する。第3可動部Pt3は、例えば、第3軸Pl3に垂直である第4軸Pl4を中心として第4可動部Pt4を回動可動に保持する第4回動部Pr4を有する。第4可動部Pt4は、例えば、第4軸Pl4に垂直である第5軸Pl5を中心として第5可動部Pt5を回動可動に保持する第5回動部Pr5を有する。第5可動部Pt5は、例えば、第5軸Pl5に垂直である第6軸Pl6を中心として第6可動部Pt6を回動可動に保持する第6回動部Pr6を有する。そして、第6可動部Pt6に撮像ユニット12sが固定された状態で位置している。
【0038】
また、第1実施形態では、第1移動機構12t1と第2移動機構12t2とが、載置部Sg2としての搬送部Cv2を挟むように位置している。これにより、例えば、ワークW0の表面のより広いエリアについて、ワークW0の各部分を複数の照明条件で容易に撮像することが可能となる。ここでは、例えば、第1移動機構12t1と第2移動機構12t2とが、載置部Sg2を挟んで対向するように位置している態様が考えられる。このような態様が採用されれば、例えば、平面視した場合にワークW0を挟んで第1撮像部I11とは逆側に位置している第2照明部F12から発せられた光のうちのワークW0上で反射された光が第1撮像部I11に入射される照明条件を、容易に実現することができる。
【0039】
ここで、例えば、第1移動機構12t1による第1撮像ユニット12s1の移動と、第2移動機構12t2による第2撮像ユニット12s2の移動と、によって、第1撮像ユニット12s1および第2撮像ユニット12s2が、載置部Sg2上に載置されたワークW0を全周にわたって撮像可能であってもよい。この場合には、例えば、ワークW0の表面のさらに広いエリアについて、ワークW0の各部分を複数の照明条件で容易に撮像することができる。ここでは、ワークW0を全周にわたって撮像可能である態様には、例えば、載置部Sg2上に載置されたワークW0を、該ワークW0を通る鉛直方向(Z方向)に沿った仮想軸を中心とした周方向における360度の何れの角度からも撮像が可能である態様が含まれる。また、ワークW0を全周にわたって撮像可能な態様には、例えば、載置部Sg2上に載置されたワークW0を、載置部Sg2側を除く周囲における何れの角度からも撮像が可能であってもよい。
【0040】
<1-1-3.反転装置の構成>
反転装置13は、例えば、ワークW0を反転させることができる。ワークW0の反転は、例えば、ワークW0の上下の反転を含む。ここで、反転装置13は、例えば、第2撮像装置122の搬送部Cv22から搬送部Cv3に受け渡されたワークW0を反転させることができる。反転装置13は、例えば、ワークW0を反転させるためにワークW0を保持することが可能な保持部13h(
図6参照)と、保持部13hによってワークW0を保持させた状態で保持部13hを移動させることでワークW0を反転させることが可能な移動機構13t(
図6参照)と、を有する。保持部13hには、例えば、ワークW0を挟持することが可能な2本以上の指部を有するハンド等が適用される。反転装置13の移動機構13tには、例えば、撮像装置12の移動機構12tと同様にロボットアーム等が適用される。ここで、反転装置13は、例えば、1つの保持部13hに対して1つの移動機構13tを有していればよい。より具体的には、反転
装置13は、例えば、1つの保持部13hが存在する場合には、1つの移動機構13tを有していればよいし、2つ以上の保持部13hが存在する場合には、2つ以上の移動機構13tを有していればよい。
【0041】
<1-1-4.排出装置の構成>
排出装置14は、例えば、検査システム1の内部から検査システム1の外部にワークW0を排出するための装置である。この排出装置14は、例えば、検査システム1に含まれる1つまたは2つ以上の撮像装置12を含む2つ以上のモジュールのうちのワークW0の搬送経路Rt1における最後の部分に位置している。排出装置14は、例えば、筒状部14tbのうちの撮像装置12とは逆側の+X方向の端部に開閉可能な部分(開閉部)14ocを有する。開閉部14ocは、例えば、開閉可能な扉またはシャッター等を有する。ワークW0は、例えば、開閉部14ocを介して排出装置14の外部に排出される。例えば、作業者Op0が、排出装置14の外部にワークW0を排出する態様が考えられる。また、例えば、検査システム1の外部に設けられたロボット等が、排出装置14の内部から外部にワークW0を排出してもよい。
【0042】
<1-2.検査システムの機能的構成>
図3から
図7は、第1実施形態に係る検査システム1の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図3は、検査システム1の全体の機能的構成の一例を模式的に示すブロック図である。
図4は、検査システム1の全体の機能的構成のうちの投入装置11の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図5は、検査システム1の全体の機能的構成のうちの撮像装置12の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図6は、検査システム1の全体の機能的構成のうちの反転装置13の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図7は、検査システム1の全体の機能的構成のうちの排出装置14の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0043】
<1-2-1.投入装置の機能的構成>
図4で示されるように、投入装置11は、例えば、配線Wr1を介して電気的に接続された、統括制御部C0と、入力部11iと、搬送制御部Cc1と、接続部11hと、を有する。また、投入装置11は、例えば、統括制御部C0に接続された出力部11dと、搬送制御部Cc1に接続された搬送部Cv1と、を有する。
【0044】
統括制御部C0は、例えば、検査システム1の動作を統括して制御することができる。統括制御部C0は、例えば、演算部、メモリおよび記憶部等を有する。演算部は、例えば、1つ以上の中央演算ユニット(Central Processing Unit:CPU)等で構成される。メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性の記憶媒体で構成される。記憶部は、例えば、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)またはソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等の不揮発性の記憶媒体で構成される。記憶部は、例えば、プログラムおよび各種情報等を記憶することができる。演算部は、例えば、記憶部に記憶されたプログラムを読み込んで実行することで、各種の機能を実現することができる。このとき、RAMは、例えば、ワークスペースとして使用され、一時的に生成もしくは取得される情報等を記憶する。統括制御部C0で実現される機能的構成の少なくとも一部は、例えば、専用の電子回路等のハードウェアで実現されてもよい。
【0045】
入力部11iは、例えば、作業者Op0の動作に応答して、各種の情報を入力することができる。入力部11iには、例えば、ボタンもしくはタッチパネル等の操作部または音声入力が可能なマイク部等が適用される。作業者Op0の動作は、例えば、操作および発声等の動作を含む。
【0046】
出力部11dは、例えば、統括制御部C0からの情報に基づき、作業者Op0が認識可能な態様で情報を出力することができる。出力部11dには、例えば、情報を可視的に出力する表示部もしくはランプおよび情報を可聴的に出力するスピーカー等が適用される。
【0047】
搬送制御部Cc1は、例えば、搬送部Cv1の動作を制御することができる。搬送制御部Cc1は、例えば、演算部、メモリおよび記憶部を含むコンピュータと同様な構成を有する。搬送制御部Cc1は、例えば、記憶部内のプログラムを演算部で実行することで、搬送制御部Cc1の機能を実現することができる。搬送制御部Cc1は、例えば、ベルトコンベアにおける少なくとも1つのプーリーを回転させるモータ等の駆動部の動作を制御することで、搬送部Cv1の動作を制御することができる。搬送制御部Cc1で実現される機能的構成の少なくとも一部は、例えば、専用の電子回路等のハードウェアで実現されてもよい。
【0048】
接続部11hは、例えば、検査システム1を構成する複数の装置のうちの投入装置11以外の装置と電気的に接続する部分である。接続部11hは、例えば、複数の装置の配線Wr2が別々に電気的に接続されるハブ方式のものであっても、複数の装置の配線Wr2が電気的に直列に接続される方式のものであってもよい。
【0049】
<1-2-2.撮像装置の機能的構成>
第1撮像装置121、第2撮像装置122、第3撮像装置123および第4撮像装置124は、それぞれ同一の機能的構成を有する。
【0050】
図5(a)で示されるように、撮像装置12は、例えば、配線Wr2を介して相互に電気的に接続された、搬送制御部Cc2と、撮像制御部Cs2と、移動制御部Ct2と、を有する。また、撮像装置12は、例えば、搬送制御部Cc2に接続された搬送部Cv2と、撮像制御部Cs2に接続された撮像ユニット12sと、移動制御部Ct2に接続された移動機構12tと、を有する。
【0051】
図5(a)の例では、撮像装置12は、2つの撮像制御部Cs2と、2つの移動制御部Ct2と、を有する。2つの撮像制御部Cs2は、例えば、1つ目の撮像制御部Cs2(第1撮像制御部Cs21ともいう)と、2つ目の撮像制御部Cs2(第2撮像制御部Cs22ともいう)と、を含む。2つの移動制御部Ct2は、例えば、1つ目の移動制御部Ct2(第1移動制御部Ct21ともいう)および2つ目の移動制御部Ct2(第2移動制御部Ct22ともいう)を含む。そして、撮像装置12は、第1撮像ユニット12s1と第2撮像ユニット12s2とを含む2つの撮像ユニット12sを有し、第1移動機構12t1と第2移動機構12t2とを含む2つの移動機構12tを有する。ここでは、例えば、第1撮像制御部Cs21に第1撮像ユニット12s1が接続され、第2撮像制御部Cs22に第2撮像ユニット12s2が接続されている。また、例えば、第1移動制御部Ct21に第1移動機構12t1が接続され、第2移動制御部Ct22に第2移動機構12t2が接続されている。ここで、第1撮像ユニット12s1は、
図5(b)で示されるように、第1撮像部I11と第1照明部F11とを含み、第2撮像ユニット12s2は、
図5(c)で示されるように、第2撮像部I12と第2照明部F12とを含む。
【0052】
搬送制御部Cc2、撮像制御部Cs2および移動制御部Ct2のそれぞれは、例えば、演算部とメモリと記憶部とを含むコンピュータと同様な構成を有する。
【0053】
搬送制御部Cc2は、例えば、記憶部内のプログラムを演算部で実行することで、搬送制御部Cc2の機能を実現することができる。搬送制御部Cc2は、例えば、ベルトコンベアにおける少なくとも1つのプーリーを回転させるモータ等の駆動部の動作を制御することで、搬送部Cv2の動作を制御することができる。搬送制御部Cc2で実現される機能的構成の少なくとも一部は、例えば、専用の電子回路等のハードウェアで構成されてもよい。
【0054】
撮像制御部Cs2は、例えば、記憶部内のプログラムを演算部で実行することで、撮像制御部Cs2の機能を実現することができる。撮像制御部Cs2は、例えば、撮像ユニット12sの動作を制御するとともに、撮像ユニット12sによるワークW0の撮像によって得られる情報(撮像情報ともいう)を取得することができる。例えば、第1撮像制御部Cs21は、第1撮像ユニット12s1の動作を制御するとともに、第1撮像ユニット12s1によるワークW0の撮像によって得られる撮像情報を取得することができる。具体的には、第1撮像制御部Cs21は、例えば、第1照明部F11の発光および第1撮像部I11の撮像の各タイミングを制御することができる。また、例えば、第2撮像制御部Cs22は、第2撮像ユニット12s2の動作を制御するとともに、第2撮像ユニット12s2によるワークW0の撮像によって得られる撮像情報を取得することができる。具体的には、例えば、第2撮像制御部Cs22は、第2照明部F12の発光および第2撮像部I12の撮像の各タイミングを制御することができる。ここで、例えば、統括制御部C0から第1撮像制御部Cs21および第2撮像制御部Cs22に対する制御信号によって、第1撮像ユニット12s1と第2撮像ユニット12s2とが同期して動作し得る。例えば、第1撮像制御部Cs21と第2撮像制御部Cs22との間における信号の送受信によって、第1撮像ユニット12s1と第2撮像ユニット12s2とが同期して動作してもよい。
【0055】
撮像制御部Cs2は、例えば、ワークW0に係る撮像情報をそのままあるいは各種の情報処理を施した上で配線Wr2および配線Wr1等を介して統括制御部C0に出力することができる。これにより、ワークW0を対象とした撮像の結果としての撮像情報が取得され得る。ここで、例えば、統括制御部C0が出力部11dに撮像情報に基づく画像を表示させ、その画像を作業者Op0が目視することでワークW0の外観を検査してもよいし、統括制御部C0が撮像情報に係る画像とワークW0の少なくとも一部に係る標準的な画像とを比較することでワークW0の外観を検査する演算を行ってもよい。ここで、例えば、撮像制御部Cs2が、ワークW0の外観を検査する演算を行い、その演算の結果を示す情報を統括制御部C0に送ってもよい。撮像制御部Cs2で実現される機能的構成の少なくとも一部は、例えば、専用の電子回路等のハードウェアで構成されてもよい。
【0056】
移動制御部Ct2は、例えば、記憶部内のプログラムを演算部で実行することで、移動制御部Ct2の機能を実現することができる。移動制御部Ct2は、例えば、移動機構12tの動作を制御することができる。例えば、第1移動制御部Ct21は、第1移動機構12t1の動作を制御することができる。また、例えば、第2移動制御部Ct22は、第2移動機構12t2の動作を制御することができる。ここでは、例えば、第1移動制御部Ct21は、載置部Sg2上に載置されたワークW0に対する第1撮像ユニット12s1の相対的な位置を移動させることで、第1撮像ユニット12s1によってワークW0の複数箇所について撮像を行うように制御することができる。また、例えば、第2移動制御部Ct22は、載置部Sg2上に載置されたワークW0に対する第2撮像ユニット12s2の相対的な位置を移動させることで、第2撮像ユニット12s2によってワークW0の複数箇所について撮像を行うように制御することができる。移動制御部Ct2で実現される機能的な構成の少なくとも一部は、例えば、専用の電子回路等のハードウェアで構成されてもよい。
【0057】
<1-2-3.反転装置の機能的構成>
図6で示されるように、反転装置13は、例えば、配線Wr2を介して相互に電気的に接続された、搬送制御部Cc3と、反転制御部Cr3と、を有する。また、反転装置13は、例えば、搬送制御部Cc3に接続された搬送部Cv3と、反転制御部Cr3に接続された保持部13hおよび移動機構13tと、を有する。
図6の例では、反転装置13は、1つの反転制御部Cr3を有する。ここで、例えば、反転装置13が、2つの保持部13hおよび2つの移動機構13tと、2つの反転制御部Cr3と、を有していてもよい。
【0058】
搬送制御部Cc3および反転制御部Cr3のそれぞれは、例えば、演算部とメモリと記憶部とを含むコンピュータと同様な構成を有する。
【0059】
搬送制御部Cc3は、例えば、記憶部内のプログラムを演算部で実行することで、搬送制御部Cc3の機能を実現することができる。搬送制御部Cc3は、例えば、ベルトコンベアにおける少なくとも1つのプーリーを回転させるモータ等の駆動部の動作を制御することで、搬送部Cv3の動作を制御することができる。搬送制御部Cc3で実現される機能的構成の少なくとも一部は、例えば、専用の電子回路等のハードウェアで構成されてもよい。
【0060】
反転制御部Cr3は、例えば、記憶部内のプログラムを演算部で実行することで、反転制御部Cr3の機能を実現することができる。反転制御部Cr3は、例えば、保持部13hおよび移動機構13tの動作を制御することができる。具体的には、例えば、反転制御部Cr3は、保持部13hによってワークW0を挟持等によって保持させ、ワークW0を保持している状態の保持部13hを移動機構13tによって移動させることで、ワークW0を上下反転させることができる。これにより、例えば、第1撮像装置121および第2撮像装置122においてワークW0の表(おもて)面を対象とした撮像を行い、第3撮像装置123および第4撮像装置124においてワークW0の裏面を対象とした撮像を行うことができる。
【0061】
<1-2-4.排出装置の機能的構成>
図7で示されるように、排出装置14は、例えば、配線Wr2に電気的に接続された搬送制御部Cc4と、この搬送制御部Cc4に接続された搬送部Cv4と、を有する。搬送制御部Cc4は、例えば、演算部とメモリと記憶部とを含むコンピュータと同様な構成を有する。搬送制御部Cc4は、例えば、記憶部内のプログラムを演算部で実行することで、搬送制御部Cc4の機能を実現することができる。搬送制御部Cc4は、例えば、ベルトコンベアにおける少なくとも1つのプーリーを回転させるモータ等の駆動部の動作を制御することで、搬送部Cv4の動作を制御することができる。搬送制御部Cc4で実現される機能的な構成の少なくとも一部は、例えば、専用の電子回路等のハードウェアで構成されてもよい。
【0062】
<1-3.撮像装置の動作>
図8は、撮像装置12の動作の一例を示すタイミングチャートである。
図8では、横軸が時刻を示し、第1撮像ユニット12s1および第2撮像ユニット12s2のそれぞれの動作のタイミングが示されている。ここでは、ワークW0のうちのX方向における位置を示す座標値がX1,X2,X3,・・・である部分が、この記載の順に撮像画像の略中央で捉えられるように、第1移動機構12t1および第2移動機構12t2によって第1撮像ユニット12s1および第2撮像ユニット12s2のそれぞれのX方向における位置を示す座標値がX1,X2,X3,・・・の順に変更される例を挙げて説明する。ここでは、時刻が時刻t0から時刻t9の順に経過している期間について説明する。
【0063】
まず、時刻t0から時刻t1の期間において、第1撮像ユニット12s1のX方向における位置を示す座標値がX1である状態で、第1撮像ユニット12s1が、第1照明部F11によってワークW0を照明しながら第1撮像部I11によるワークW0の撮像(撮像1aともいう)を行う。
【0064】
次に、時刻t1から時刻t2の期間において、第1撮像ユニット12s1および第2撮像ユニット12s2のそれぞれのX方向における位置を示す座標値がX1である状態で、第1照明部F11および第2照明部F12の双方によってワークW0を照明しながら第1撮像ユニット12s1が第1撮像部I11によるワークW0の撮像(撮像1bともいう)を行うとともに第2撮像ユニット12s2が第2撮像部I12によるワークW0の撮像(撮像1cともいう)を行う。また、時刻t1から時刻t2の期間において、第1撮像ユニット12s1および第2撮像ユニット12s2のそれぞれのX方向における位置を示す座標値がX1である状態で、第2照明部F12によってワークW0を照明しながら第1撮像部I11によるワークW0の撮像(撮像1dともいう)を行うとともに第1照明部F11によってワークW0を照明しながら第2撮像部I12によるワークW0の撮像(撮像1eともいう)を行う。
【0065】
次に、時刻t2から時刻t4の期間において、第1撮像ユニット12s1が、第1移動機構12t1によって、X方向における位置を示す座標値がX1からX2に変更されるように、X方向に移動する。
【0066】
このとき、時刻t2から時刻t3の期間において、第2撮像ユニット12s2のX方向における位置を示す座標値がX1である状態で、第2撮像ユニット12s2が、第2照明部F12によってワークW0を照明しながら第2撮像部I12によるワークW0の撮像(撮像1fともいう)を行う。
【0067】
そして、時刻t3から時刻t5の期間において、第2撮像ユニット12s2が、第2移動機構12t2によって、X方向における位置を示す座標値がX1からX2に変更されるように、X方向に移動する。
【0068】
このとき、時刻t4から時刻t5の期間において、第1撮像ユニット12s1のX方向における位置を示す座標値がX2である状態で、第1撮像ユニット12s1が、第1照明部F11によってワークW0を照明しながら第1撮像部I11によるワークW0の撮像(撮像2aともいう)を行う。
【0069】
次に、時刻t5から時刻t6の期間において、第1撮像ユニット12s1および第2撮像ユニット12s2のそれぞれのX方向における位置を示す座標値がX2である状態で、第1照明部F11および第2照明部F12の双方によってワークW0を照明しながら第1撮像ユニット12s1が第1撮像部I11によるワークW0の撮像(撮像2bともいう)を行うとともに第2撮像ユニット12s2が第2撮像部I12によるワークW0の撮像(撮像2cともいう)を行う。また、時刻t5から時刻t6の期間において、第1撮像ユニット12s1および第2撮像ユニット12s2のそれぞれのX方向における位置を示す座標値がX2である状態で、第2照明部F12によってワークW0を照明しながら第1撮像部I11によるワークW0の撮像(撮像2dともいう)を行うとともに第1照明部F11によってワークW0を照明しながら第2撮像部I12によるワークW0の撮像(撮像2eともいう)を行う。
【0070】
次に、時刻t6から時刻t8の期間において、第1撮像ユニット12s1が、第1移動機構12t1によって、X方向における位置を示す座標値がX2からX3に変更されるように、X方向に移動する。
【0071】
このとき、時刻t6から時刻t7の期間において、第2撮像ユニット12s2のX方向における位置を示す座標値がX2である状態で、第2撮像ユニット12s2が、第2照明部F12によってワークW0を照明しながら第2撮像部I12によるワークW0の撮像(撮像2fともいう)を行う。
【0072】
そして、時刻t7から時刻t9の期間において、第2撮像ユニット12s2が、第2移動機構12t2によって、X方向における位置を示す座標値がX2からX3に変更されるように、X方向に移動する。
【0073】
このとき、時刻t8から時刻t9の期間において、第1撮像ユニット12s1のX方向における位置を示す座標値がX3である状態で、第1撮像ユニット12s1が、第1照明部F11によってワークW0を照明しながら第1撮像部I11によるワークW0の撮像(撮像3aともいう)を行う。
【0074】
ここでは、例えば、統括制御部C0が、第1撮像ユニット12s1と第2撮像ユニット12s2とが交互に移動するように、第1移動機構12t1および第2移動機構12t2の動作を制御する。具体的には、例えば、第1撮像ユニット12s1および第2撮像ユニット12s2のうちの撮像および照明が完了した第1撮像ユニット12s1を先に移動させ、第2撮像ユニット12s2の撮像および照明が完了した時点で第2撮像ユニット12s2を移動させるように制御する。このような制御によれば、例えば、第1撮像ユニット12s1および第2撮像ユニット12s2を用いた撮像および照明が全て完了した後に、第1撮像ユニット12s1および第2撮像ユニット12s2の双方を同時に移動させる制御と比較して、ワークW0の複数箇所について、複数の照明条件における撮像に要する時間を短縮することができる。したがって、例えば、単位時間あたりに撮像を完了させることができるワークW0の数を増加させることができる。
【0075】
<1-4.第1実施形態のまとめ>
以上のように、第1実施形態に係る撮像装置12によれば、例えば、ワークW0に対して、第1撮像ユニット12s1と第2撮像ユニット12s2とを別々に移動させつつ、第1照明部F11および第2照明部F12のそれぞれで照明されたワークW0を第1撮像部I11および第2撮像部I12で撮像することができる。これにより、例えば、ワークW0の各部分を複数の照明条件で撮像することができる。したがって、例えば、種々の形状を有するワークW0を十分に捉えた画像を容易に撮像することができる。
【0076】
<2.他の実施形態>
本発明は上述の第1実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
【0077】
<2-1.第2実施形態>
上記第1実施形態において、例えば、第1撮像ユニット12s1は、2つ以上の第1撮像部I11を含んでいてもよいし、2つ以上の第1照明部F11を含んでいてもよい。また、例えば、第2撮像ユニット12s2は、2つ以上の第2撮像部I12を含んでいてもよいし、2つ以上の第2照明部F12を含んでいてもよい。すなわち、例えば、第1撮像ユニット12s1は、1つ以上の第1撮像部I11および1つ以上の第1照明部F11を含んでいてもよいし、第2撮像ユニット12s2は、1つ以上の第2撮像部I12および1つ以上の第2照明部F12を含んでいてもよい。
【0078】
<2-1-1.撮像ユニットの構成>
図9は、第2実施形態に係る第1撮像ユニット12s1の物理的構成の一例を模式的に示す図である。
【0079】
例えば、
図9で示されるように、第1撮像ユニット12s1が、第1A撮像部I11aと第1B撮像部I11bと第1C撮像部I11cとを含む1つ以上の第1撮像部I11、およびを第1A照明部F11aと第1B照明部F11bと第1C照明部F11cとを含む1つ以上の第1照明部F11を有していてもよい。ここでは、例えば、第1A照明部F11aが載置部Sg2上に載置されたワークW0を上方から照明している状態で第1A撮像部I11aが載置部Sg2上に載置されたワークW0を上方から撮像することが可能である。また、例えば、第1B照明部F11bが載置部Sg2上に載置されたワークW0を斜め上方から照明している状態で第1B撮像部I11bが載置部Sg2上に載置されたワークW0を斜め上方から撮像することが可能である。また、例えば、第1C照明部F11cが載置部Sg2上に載置されたワークW0を水平方向に向かって照明している状態で第1C撮像部I11cが載置部Sg2上に載置されたワークW0を水平方向に向かって撮像することが可能である。この場合には、例えば、第1撮像ユニット12s1を移動させることなく、より少ない動作で複数の照明条件においてワークW0の撮像を行うことができる。したがって、例えば、種々の形状を有するワークW0を十分に捉えた画像をさらに容易に撮像することができる。
【0080】
図9の例では、第1A撮像部I11aにおける光学系としての第1Aレンズ部Lz11aの光軸(第1A光軸ともいう)Pi11aと、ワークW0を通る仮想的な水平面Pn0と、が成す角度(第1A俯角ともいう)θ1aが、90度とされている。このため、第1A撮像部I11aは、上方からワークW0を撮像可能であるカメラ(上カメラともいう)として機能する。また、第1B撮像部I11bにおける光学系としての第1Bレンズ部Lz11bの光軸(第1B光軸ともいう)Pi11bと、ワークW0を通る仮想的な水平面Pn0と、が成す角度(第1B俯角ともいう)θ1bが、45度とされている。このため、第1B撮像部I11bは、斜め上方からワークW0を撮像可能であるカメラ(斜めカメラともいう)として機能する。また、第1C撮像部I11cにおける光学系としての第1Cレンズ部Lz11cの光軸(第1C光軸ともいう)Pi11cと、ワークW0を通る仮想的な水平面Pn0と、が成す角度(第1C俯角ともいう)θ1cが、5度とされている。このため、第1C撮像部I11cは、水平方向に沿ってワークW0を撮像可能であるカメラ(水平カメラともいう)として機能する。ここでは、例えば、ワークW0の略中央において、第1A光軸Pi11aと、第1B光軸Pi11bと、第1C光軸Pi11cと、が交差するような形態が考えられる。
【0081】
また、
図9の例では、第1A光軸Pi11aと、第1B光軸Pi11bと、第1C光軸Pi11cと、がYZ平面に沿った仮想平面に沿って位置している。そして、第1A撮像部I11aの第1Aレンズ部Lz11aが、第1A照明部F11aにおける第1孔部H11としての第1A孔部H11aに挿通された状態で位置している。別の観点から言えば、第1Aレンズ
部Lz11aの第1A光軸Pi11aが、第1A孔部H11aを通るように設定されている。第1B撮像部I11bの第1Bレンズ部Lz11bが、第1B照明部F11bにおける第1孔部H11としての第1B孔部H11bに挿通された状態で位置している。別の観点から言えば、第1Bレンズ
部Lz11bの第1B光軸Pi11bが、第1B孔部H11bを通るように設定されている。第1C撮像部I11cの第1Cレンズ部Lz11cが、第1C照明部F11cにおける第1孔部H11としての第1C孔部H11cに挿通された状態で位置している。別の観点から言えば、第1Cレンズ
部Lz11cの第1C光軸Pi11cが、第1C孔部H11cを通るように設定されている。
【0082】
また、
図9では、第1A撮像部I11aによってワークW0を撮像する際に第1A撮像部I11aが向いている方向(第1A撮像方向ともいう)が第1A光軸Pi11aに沿った2点鎖線の矢印Dc1aで描かれている。第1B撮像部I11bによってワークW0を撮像する際に第1B撮像部I11bが向いている方向(第1B撮像方向ともいう)が第1B光軸Pi11bに沿った2点鎖線の矢印Dc1bで描かれている。第1C撮像部I11cによってワークW0を撮像する際に第1C撮像部I11cが向いている方向(第1C撮像方向ともいう)が第1C光軸Pi11cに沿った2点鎖線の矢印Dc1cで描かれている。さらに、
図9では、第1A照明部F11aが載置部Sg2上に載置されたワークW0に向けて光を照射することが可能な方向(第1A照明方向ともいう)が1点鎖線の矢印Df1aで描かれている。第1B照明部F11bが載置部Sg2上に載置されたワークW0に向けて光を照射することが可能な方向(第1B照明方向ともいう)が1点鎖線の矢印Df1bで描かれている。第1C照明部F11cが載置部Sg2上に載置されたワークW0に向けて光を照射することが可能な方向(第1C照明方向ともいう)が1点鎖線の矢印Df1cで描かれている。ここでは、第1A照明部F11aは、上方からワークW0に光を照射する照明部(上部照明部ともいう)として機能する。第1B照明部F11bは、斜め上方からワークW0に光を照射する照明部(斜め照明部ともいう)として機能する。第1C照明部F11cは、水平方向に沿ってワークW0に光を照射する照明部(水平照明部ともいう)として機能する。
【0083】
図10(a)は、第1A照明部F11aの一例を模式的に示す図である。
図10(b)は、第1B照明部F11bの一例を模式的に示す図である。
図10(c)は、第1C照明部F11cの一例を模式的に示す図である。
図11は、第2実施形態に係る第1撮像ユニット12s1の外観の一例を示す側面図である。
図12は、第2実施形態に係る第1撮像ユニット12s1の外観の一例を示す平面図である。
図13は、第2実施形態に係る第1撮像ユニット12s1の外観の一例を示す正面図である。
図14は、第2実施形態に係る第1撮像ユニット12s1の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0084】
ここで、例えば、
図10(a)および
図14で示されるように、第1A照明部F11aが、ワークW0に向かって光を照射可能な1つの領域として上部発光領域F11a1を含む構成が採用され得る。例えば、
図10(b)および
図14で示されるように、第1B照明部F11bが、ワークW0に向かって光を照射可能な5つの領域として、第1斜め発光領域F11b1、第2斜め発光領域F11b2、第3斜め発光領域F11b3、第4斜め発光領域F11b4および第5斜め発光領域F11b5を含む構成が採用され得る。例えば、
図10(c)および
図14で示されるように、第1C照明部F11cが、ワークW0に向かって光を照射可能な3つの領域として、第1水平発光領域F11c1、第2水平発光領域F11c2および第3水平発光領域F11c3を含む構成が採用され得る。
【0085】
図10(a)から
図13の例では、例えば、上部発光領域F11a1が第1A孔部H11aを有し、第3斜め発光領域F11b3が第1B孔部H11bを有し、第2水平発光領域F11c2が第1C孔部H11cを有する。ここで、例えば、第1B照明部F11bを真上から-Z方向に平面透視した場合には、第1斜め発光領域F11b1、第2斜め発光領域F11b2、第3斜め発光領域F11b3、第4斜め発光領域F11b4および第5斜め発光領域F11b5が、この記載の順に第1A撮像部I11aの第1A光軸Pi11aを中心として45度ずつ回転した位置関係を有する。換言すれば、例えば、第3斜め発光領域F11b3を基準とすれば、第2斜め発光領域F11b2は、第1A光軸Pi11aを中心として第3斜め発光領域F11b3から時計回りに45度回転した状態で位置し、第1斜め発光領域F11b1は、第1A光軸Pi11aを中心として第3斜め発光領域F11b3から時計回りに90度回転した状態で位置し、第4斜め発光領域F11b4は、第1A光軸Pi11aを中心として第3斜め発光領域F11b3から反時計回りに45度回転した状態で位置し、第5斜め発光領域F11b5は、第1A光軸Pi11aを中心として第3斜め発光領域F11b3から反時計回りに90度回転した状態で位置している。また、例えば、第1C照明部F11cを真上から-Z方向に平面透視した場合には、第1水平発光領域F11c1、第2水平発光領域F11c2および第3水平発光領域F11c3が、この記載の順に第1A撮像部I11aの第1A光軸Pi11aを中心として45度ずつ回転した位置関係を有する。換言すれば、例えば、第2水平発光領域F11c2を基準とすれば、第1水平発光領域F11c1は、第1A光軸Pi11aを中心として第2水平発光領域F11c2から時計回りに45度回転した状態で位置し、第3水平発光領域F11c3は、第1A光軸Pi11aを中心として第2水平発光領域F11c2から反時計回りに45度回転した状態で位置している。
【0086】
上記構成を有する第1A撮像部I11a、第1B撮像部I11b、第1C撮像部I11c、第1A照明部F11a、第1B照明部F11bおよび第1C照明部F11cは、例えば、
図11から
図13で示されるように、連結部材Cn1によって相互に連結されて一体的な構成を有する。この場合には、例えば、第1移動機構12t1によって連結部材Cn1を移動させることで、第1撮像ユニット12s1を移動させることができる。
【0087】
このように、例えば、第1A照明部F11aが、1つの発光領域としての上部発光領域F11a1を含み、第1B照明部F11bが、5つの発光領域としての第1~5斜め発光領域F11b1~F11b5を含み、第1C照明部F11cが、3つの発光領域としての第1~3水平発光領域F11c1~F11c3を有していれば、発光領域ごとにワークW0に対する光の照射の有無を切り替えることで、第1撮像ユニット12s1を移動させることなく、さらに少ない動作で複数の照明条件における撮像を行うことができる。したがって、例えば、種々の形状を有するワークW0を十分に捉えた画像をさらに容易に撮像することができる。
【0088】
また、ここで、例えば、
図11から
図13で示されるように、第1C照明部F11cの各水平発光領域F11c1~F11c3が、Z方向に沿った鉛直方向における高さよりも、XY平面に沿った水平方向における幅が大きい領域であれば、載置部Sg2としての搬送部Cv2上に第1C照明部F11cを移動させても、第1C照明部F11cが載置部Sg2としての搬送部Cv2に接触しにくい。このため、例えば、ワークW0のサイズに合わせたワークW0に対する第1撮像ユニット12s1の距離および第1C撮像部I11cの焦点の調整等を行うために第1C照明部F11cを移動させやすくなる。ここでは、例えば、第1C照明部F11cは、2つの発光領域としての第1水平発光領域F11c1および第3水平発光領域F11c3を有することなく、1つの発光領域としての第2水平発光領域F11c2を有していてもよい。換言すれば、例えば、第1C照明部F11cは、1つ以上の発光領域を有していればよい。
【0089】
また、ここで、例えば、
図10(b)および
図11から
図13で示されるように、第1B照明部F11bの各斜め発光領域F11b1~F11b5が、水平方向における幅よりも斜め上方向における長さが大きい領域であれば、斜め上方から見て奥行き方向が長いワークW0であっても広く照明することができる。また、例えば、鉛直方向(Z方向)に沿った仮想軸としての第1A光軸Pi11aの周囲の異なる角度において斜め上方からワークW0を照明することが可能な複数の発光領域(例えば、第1~5斜め発光領域F11b1~F11b5)を容易に配置することができる。ここでは、例えば、第1B照明部F11bは、2つの発光領域としての第1斜め発光領域F11b1および第5斜め発光領域F11b5を有することなく、3つの発光領域としての第2斜め発光領域F11b2、第3斜め発光領域F11b3および第4斜め発光領域F11b4を有していてもよい。また、例えば、第1B照明部F11bが、第3斜め発光領域F11b3を含む1つ以上の発光領域を有する構成が採用されてもよい。
【0090】
<2-1-2.撮像画像の例>
図15は、ワークW0の外観の一例を示す図である。
図15の例では、ワークW0は、第1~6面Sf1~Sf6を有する正六面体状の形状を有する。ただし、+Z方向を向いた上面としての第1面Sf1は、第1凹部Dp1を有し、+Y方向を向いた側面としての第2面Sf2は、第2凹部Dp2を有する。ここで、
図15で示された形状を有するワークW0を対象として、
図9で示されたように配置された第1撮像ユニット12s1によって照明および撮像を行うことで得られるワークW0に係る撮像画像の例は、
図16(a)から
図18(c)で示されるようなものとなる。
図16(a)から
図18(c)のそれぞれでは、ワークW0の表面のうち、照明によっても明るく捉えられなかった部分には斜線のハッチングが付されており、照明によって明るく捉えられた部分にはハッチングが付されていない。
【0091】
図16(a)は、第1C照明部F11cの第2水平発光領域F11c2で照明されたワークW0を第1A撮像部I11aで撮像することで得られるワークW0を捉えた撮像画像の一例を示す図である。
図16(b)は、第1C照明部F11cの第2水平発光領域F11c2で照明されたワークW0を第1B撮像部I11bで撮像することで得られるワークW0を捉えた撮像画像の一例を示す図である。
図16(c)は、第1C照明部F11cの第2水平発光領域F11c2で照明されたワークW0を第1C撮像部I11cで撮像することで得られるワークW0を捉えた撮像画像の一例を示す図である。
【0092】
ここでは、第2水平発光領域F11c2で照明されたワークW0を上方から第1A撮像部I11aで撮像すると、
図16(a)で示されるように、+Z方向を向いた上面としての第1面Sf1が第1凹部Dp1も含めて暗い状態で捉えられたワークW0に係る撮像画像が得られる。第2水平発光領域F11c2で照明されたワークW0を斜め上方から第1B撮像部I11bで撮像すると、
図16(b)で示されるように、第1面Sf1が第1凹部Dp1も含めて暗い状態で捉えられるとともに、+Y方向を向いた側面としての第2面Sf2の第2凹部Dp2の一部を除く略全面が暗い状態で捉えられたワークW0に係る撮像画像が得られる。第2水平発光領域F11c2で照明されたワークW0を側方から第1C撮像部I11cで撮像すると、
図16(c)で示されるように、第2面Sf2の第2凹部Dp2を除く略全面が明るい状態で捉えられたワークW0に係る撮像画像が得られる。
【0093】
図17(a)は、第1B照明部F11bの第3斜め発光領域F11b3で照明されたワークW0を第1A撮像部I11aで撮像することで得られるワークW0を捉えた撮像画像の一例を示す図である。
図17(b)は、第1B照明部F11bの第3斜め発光領域F11b3で照明されたワークW0を第1B撮像部I11bで撮像することで得られるワークW0を捉えた撮像画像の一例を示す図である。
図17(c)は、第1B照明部F11bの第3斜め発光領域F11b3で照明されたワークW0を第1C撮像部I11cで撮像することで得られるワークW0を捉えた撮像画像の一例を示す図である。
【0094】
ここでは、第3斜め発光領域F11b3で照明されたワークW0を上方から第1A撮像部I11aで撮像すると、
図17(a)で示されるように、第1面Sf1の第1凹部Dp1を除く略全面が暗い状態で捉えられたワークW0に係る撮像画像が得られる。第3斜め発光領域F11b3で照明されたワークW0を斜め上方から第1B撮像部I11bで撮像すると、
図17(b)で示されるように、第1面Sf1の第1凹部Dp1の一部を除く略全面が暗い状態で捉えられるとともに、第2面Sf2の第2凹部Dp2の一部を除く略全面が暗い状態で捉えられたワークW0に係る撮像画像が得られる。第3斜め発光領域F11b3で照明されたワークW0を側方から第1C撮像部I11cで撮像すると、
図17(c)で示されるように、第2面Sf2の第2凹部Dp2を除く略全面が暗い状態で捉えられたワークW0に係る撮像画像が得られる。
【0095】
図18(a)は、第1A照明部F11aの上部発光領域F11a1で照明されたワークW0を第1A撮像部I11aで撮像することで得られるワークW0を捉えた撮像画像の一例を示す図である。
図18(b)は、第1A照明部F11aの上部発光領域F11a1で照明されたワークW0を第1B撮像部I11bで撮像することで得られるワークW0を捉えた撮像画像の一例を示す図である。
図18(c)は、第1A照明部F11aの上部発光領域F11a1で照明されたワークW0を第1C撮像部I11cで撮像することで得られるワークW0を捉えた撮像画像の一例を示す図である。
【0096】
ここでは、上部発光領域F11a1で照明されたワークW0を上方から第1A撮像部I11aで撮像すると、
図18(a)で示されるように、第1面Sf1の第1凹部Dp1を除く略全面が明るい状態で捉えられたワークW0に係る撮像画像が得られる。上部発光領域F11a1で照明されたワークW0を斜め上方から第1B撮像部I11bで撮像すると、
図18(b)で示されるように、第1面Sf1の第1凹部Dp1の一部を除く略全面が暗い状態で捉えられるとともに、第2面Sf2が第2凹部Dp2も含めて暗い状態で捉えられたワークW0に係る撮像画像が得られる。上部発光領域F11a1で照明されたワークW0を側方から第1C撮像部I11cで撮像すると、
図18(c)で示されるように、第2面Sf2が第2凹部Dp2も含めて暗い状態で捉えられたワークW0に係る撮像画像が得られる。
【0097】
このように、例えば、第1撮像ユニット12s1を移動させることなく、より少ない動作で複数の照明条件における撮像を行うことができる。したがって、例えば、種々の形状を有するワークW0を十分に捉えた画像をさらに容易に撮像することができる。
【0098】
<2-1-3.撮像装置の動作>
上記構成を有する第2実施形態に係る撮像装置12においても、例えば、統括制御部C0が、第1撮像ユニット12s1と第2撮像ユニット12s2とが交互に移動するように、第1移動機構12t1および第2移動機構12t2の動作を制御してもよい。具体的には、例えば、第1撮像ユニット12s1および第2撮像ユニット12s2のうちの撮像および照明が完了した第1撮像ユニット12s1を先に移動させ、第2撮像ユニット12s2の撮像および照明が完了した時点で第2撮像ユニット12s2を移動させるように制御してもよい。このような制御によれば、例えば、第1撮像ユニット12s1および第2撮像ユニット12s2を用いた撮像および照明が全て完了した後に、第1撮像ユニット12s1および第2撮像ユニット12s2の双方を同時に移動させる制御と比較して、ワークW0の複数箇所について、複数の照明条件における撮像に要する時間を短縮することができる。したがって、例えば、単位時間あたりに撮像を完了させることができるワークW0の数を増加させることができる。
【0099】
ここで、例えば、第2撮像ユニット12s2も、第1撮像ユニット12s1と同様な構成を有していてもよい。この場合には、例えば、第1撮像ユニット12s1の構成と第2撮像ユニット12s2の構成とが、XZ平面を基準として面対称の関係を有する態様が考えられる。
【0100】
<2-2.第3実施形態>
上記第1実施形態および上記第2実施形態の何れにおいても、例えば、第1移動機構12t1による第1撮像ユニット12s1の移動、および第2移動機構12t2による第2撮像ユニット12s2の移動のうちの少なくとも一方の移動が、少なくとも1方向における移動であってもよい。このような構成が採用されても、例えば、ワークW0に対して、第1撮像ユニット12s1と第2撮像ユニット12s2とを別々に移動させつつ、第1照明部F11および第2照明部F12のそれぞれで照明されたワークW0を第1撮像部I11および第2撮像部I12で撮像することができる。これにより、例えば、ワークW0の各部分を複数の照明条件で撮像することができる。したがって、例えば、種々の形状を有するワークW0を十分に捉えた画像を容易に撮像することができる。
【0101】
図19(a)は、第3実施形態に係る撮像装置12の主要な物理的構成の一例を示す図である。
図19(b)は、第3実施形態に係る撮像装置12の主要な物理的構成の一例の一部を示す平面図である。
図19(a)および
図19(b)の例では、第1移動機構12t1は、ベース部Bs12上に位置している第1基準部Sl1と、この第1基準部Sl1によって±X方向に沿って移動可能に保持されている第1アーム部Am1と、を有する。そして、第1アーム部Am1に第1撮像ユニット12s1が取り付けられた状態にある。また、
図19(a)および
図19(b)の例では、第2移動機構12t2は、ベース部Bs12上に位置している第2基準部Sl2と、この第2基準部Sl
2によって±X方向に沿って移動可能に保持されている第2アーム部Am2と、を有する。そして、第2アーム部Am2に第2撮像ユニット12s2が取り付けられた状態にある。第1基準部Sl1に対する第1アーム部Am1の移動および第2基準部Sl2に対する第2アーム部Am2の移動は、例えば、リニアガイドと、直線的な駆動力を生じるエアシリンダーまたはモータの回転駆動力を直線的な駆動力に変換するボールネジと、の組み合わせによって実現され得る。
【0102】
ここで、例えば、第1移動機構12t1による第1撮像ユニット12s1の移動、および第2移動機構12t2による第2撮像ユニット12s2の移動のうちの少なくとも一方の移動が、少なくとも2方向における移動とされれば、ワークW0の各部分をより多くの照明条件で撮像することができる。これにより、例えば、種々の形状を有するワークW0を十分に捉えた画像を容易に撮像することができる。
【0103】
<2-3.その他の実施形態>
上記各実施形態において、例えば、第1移動機構12t1と第2移動機構12t2とが、載置部Sg2としての搬送部Cv2を挟むように位置していなくてもよい。例えば、第1移動機構12t1および第2移動機構12t2のうちの少なくとも一方が、載置部Sg2としての搬送部Cv2の上方に位置していてもよいし、第1移動機構12t1および第2移動機構12t2の両方が、載置部Sg2としての搬送部Cv2の一方の側方に位置していてもよい。ただし、例えば、第1移動機構12t1と第2移動機構12t2とが、載置部Sg2としての搬送部Cv2を挟むように位置していれば、例えば、ワークW0の表面のより広いエリアについて、ワークW0の各部分を複数の照明条件で容易に撮像することが可能となる。
【0104】
上記各実施形態において、例えば、第1移動機構12t1と第1撮像ユニット12s1とを組み合わせた1つ目の構成あるいは第2移動機構12t2と第2撮像ユニット12s2とを組み合わせた2つ目の構成と同様な構成を有する3つ目以降の構成が存在していてもよい。
【0105】
上記各実施形態において、例えば、第1撮像ユニット12s1が、2つ以上の照明部と1つ以上の撮像部とを有していてもよいし、第2撮像ユニット12s2が、2つ以上の照明部と1つ以上の撮像部とを有していてもよい。このような構成が採用されても、例えば、2つ以上の照明部の点灯の有無の組み合わせによって、第1撮像ユニット12s1および第2撮像ユニット12s2を移動させることなく、複数の照明条件における撮像を行うことができる。すなわち、例えば、少ない動作で複数の照明条件における撮像を行うことができる。したがって、例えば、種々の形状を有するワークW0を十分に捉えた画像を容易に撮像することができる。
【0106】
ここで、例えば、1つ以上の照明部は、第1A照明部F11aと第1B照明部F11bとを含む2つ以上の照明部であってもよいし、第1A照明部F11aと第1C照明部F11cとを含む2つ以上の照明部であってもよい。また、例えば、1つ以上の撮像部は、第1A撮像部I11a、第1B撮像部I11bおよび第1C撮像部I11cのうちの1つ以上の撮像部を含んでいてもよい。具体的には、上記第2実施形態において、例えば、第1B照明部F11bおよび第1C照明部F11cのうちの何れか一方の照明部が存在せず、第1A撮像部I11a、第1B撮像部I11bおよび第1C撮像部I11cのうちの2つの撮像部が存在していない構成、が考えられる。このような構成では、例えば、第1A照明部F11aが、載置部Sg2上に載置されたワークW0に向けて光を照射する方向としての第1A照射方向に沿った仮想線と、載置部Sg2上に載置されたワークW0を通る仮想的な水平面Pn0と、が成す角度は、0度から90度の間で適宜設定されてもよい。また、例えば、第1B照明部F11bが、載置部Sg2上に載置されたワークW0に向けて光を照射する方向としての第1B照射方向に沿った仮想線と、載置部Sg2上に載置されたワークW0を通る仮想的な水平面Pn0と、が成す角度は、0度から90度の間で適宜設定されてもよい。また、例えば、第1C照明部F11cが、載置部Sg2上に載置されたワークW0に向けて光を照射する方向としての第1C照射方向に沿った仮想線と、載置部Sg2上に載置されたワークW0を通る仮想的な水平面Pn0と、が成す角度は、0度から90度の間で適宜設定されてもよい。
【0107】
ここで、例えば、1つの撮像部から載置部Sg2上に載置されたワークW0に向かう、該1つの撮像部に含まれた光学系としてのレンズ部の光軸に沿った撮像方向は、第1B照明部F11bの第1B照明方向よりも第1A照明部F11aの第1A照明方向に近い構成が採用されてもよい。より具体的には、例えば、第1A撮像部I11aから載置部Sg2上に載置されたワークW0に向かう第1Aレンズ部Lz11aの第1A光軸Pi11aに沿った第1A撮像方向が、第1B照明部F11bの第1B照明方向よりも第1A照明部F11aの第1A照明方向に近い構成が採用されてもよい。
【0108】
また、ここで、例えば、1つの撮像部から載置部Sg2上に載置されたワークW0に向かう、該1つの撮像部に含まれた光学系としてのレンズ部の光軸に沿った撮像方向は、第1C照明部F11cの第1C照明方向よりも第1A照明部F11aの第1A照明方向に近い構成が採用されてもよい。より具体的には、例えば、第1A撮像部I11aから載置部Sg2上に載置されたワークW0に向かう第1Aレンズ部Lz11aの第1A光軸Pi11aに沿った第1A撮像方向が、第1C照明部F11cの第1C照明方向よりも第1A照明部F11aの第1A照明方向に近い構成が採用されてもよい。
【0109】
これらの構成が採用されれば、例えば、撮像方向に近い角度の照明方向で照明を行う照明条件でのワークW0の撮像と、撮像方向から離れた角度の照明方向で照明を行う照明条件でのワークW0の撮像と、を行うことで、撮像部においてワークW0からの正反射光が捉えられる条件が変わり得る。これにより、ワークW0における凹凸等の種々の形状を十分に捉えた画像を容易に撮像することができる。より具体的には、例えば、撮像方向に近い角度の照明方向で照明を行う照明条件でのワークW0の撮像では、正反射光が強すぎて捉えることができなかった傷が、撮像方向から遠い角度の照明方向で照明を行う照明条件でのワークW0の撮像によって捉えることができるようなケースが想定される。
【0110】
上記第2実施形態において、例えば、第1A撮像部I11aの第1A光軸Pi11aは、ワークW0の中心から少しずれていてもよい。この場合にも、例えば、第1A照明部F11aの上部発光領域F11a1からワークW0に向けて照射される光の光束がある程度拡がりを有していれば、第1A照明部F11aの上部発光領域F11a1によってワークW0を十分照明することができる。また、例えば、第1A撮像部I11aの第1A光軸Pi11aをワークW0の中心から適宜ずらすことで、第1撮像ユニット12s1と、第2撮像ユニット12s2と、が接触しにくい構成を実現することができる。
【0111】
上記各実施形態において、撮像部I1は、照明部F1の孔部H1を介して載置部Sg2上に載置されたワークW0を撮像したが、これに限られない。例えば、撮像部I1が載置部Sg2上に載置されたワークW0を撮像する撮像方向と、照明部F1が載置部Sg2上に載置されたワークW0に光を照射する照明方向と、が成す角度は、許容範囲(許容角度範囲ともいう)内でずれていてもよい。例えば、第1撮像部I11が載置部Sg2上に載置されたワークW0を撮像する撮像方向と、第1照明部F11が載置部Sg2上に載置されたワークW0に光を照射する照明方向と、が成す角度は、許容範囲(許容角度範囲)内でずれていてもよいし、第2撮像部I12が載置部Sg2上に載置されたワークW0を撮像する撮像方向と、第2照明部F12が載置部Sg2上に載置されたワークW0に光を照射する照明方向と、が成す角度は、許容範囲(許容角度範囲)内でずれていてもよい。また、例えば、第1A撮像部I11aが載置部Sg2上に載置されたワークW0を撮像する第1A撮像方向と、第1A照明部F11a(具体的には、上部発光領域F11a1)が載置部Sg2上に載置されたワークW0に光を照射する第1A照明方向と、が成す角度は、許容範囲(許容角度範囲)内でずれていてもよい。また、例えば、第1B撮像部I11bが載置部Sg2上に載置されたワークW0を撮像する第1B撮像方向と、第1B照明部F11b(具体的には、第3斜め発光領域F11b3)が載置部Sg2上に載置されたワークW0に光を照射する第1B照明方向と、が成す角度は、許容範囲(許容角度範囲)内でずれていてもよい。また、例えば、第1C撮像部I11cが載置部Sg2上に載置されたワークW0を撮像する第1C撮像方向と、第1C照明部F11c(具体的には、第2水平発光領域F11c2)が載置部Sg2上に載置されたワークW0に光を照射する第1C照明方向と、が成す角度は、許容範囲(許容角度範囲)内でずれていてもよい。ここで、各許容角度範囲は、例えば、各照明部の発光領域の形状および寸法ならびにワークW0の形状および寸法等に依存する。
【0112】
ここで、上部発光領域F11a1の形状および寸法ならびにワークW0の形状および寸法と、許容角度範囲と、の関係について、2つの例を挙げて説明する。
図20(a)は、第1A照明部F11aにおける上部発光領域F11a1の形状および寸法の一例を示す図である。
図20(b)は、第1のワークW0の形状および寸法の一例を示す図である。
図20(c)は、第2のワークW0の形状および寸法の一例を示す図である。
図20(a)の例では、上部発光領域F11a1が、X方向に沿った幅W1の相互に対向する一対の辺と、Y方向に沿った長さL1の相互に対向する一対の辺と、を有する長方形状の領域である。
図20(b)の例では、第1のワークW0が、X方向に沿った幅W2の相互に対向する一対の辺とY方向に沿った長さL2の相互に対
向する一対の辺とを有する長方形状の底面と、高さH2と、を有する直方体状のものである。
図20(c)の例では、第2のワークW0が、YZ平面に沿った直径φ3の真円状の相互に対向する一対の面と、X方向に沿った幅W3と、を有する円柱状のものである。ここでは、第1A撮像部I11aの撮像素子とワークW0との距離、ならびに上部発光領域F11a1とワークW0との距離、がともに260ミリメートル(mm)であるものとする。上部発光領域F11a1については、幅W1が180mmであり、長さL1が120mmであるものとする。また、第1A撮像部I11aの第1A光軸Pi11aが、ワークW0の中心を通るように設定されているものとする。
【0113】
ここで、例えば、第1のワークW0について、幅W2が50mmであり、長さL2が30mmであり、高さH2が50mmである場合を想定する。この場合には、第1A撮像部I11aの第1A撮像方向と上部発光領域F11a1の第1A照明方向とが成す角度が約30度以下であれば、第1A撮像部I11aが、上部発光領域F11a1からの光の照射に応じて第1のワークW0の+Z方向を向いた上面Su2の全体から正反射光を受光することができる。このため、このような条件では、許容角度範囲は、約30度となる。
【0114】
また、ここで、例えば、第2のワークW0について、直径φ3が50mmであり、幅W3が40mmである場合を想定する。この場合には、第1A撮像部I11aの第1A撮像方向と上部発光領域F11a1の第1A照明方向とが成す角度が約12度以下であれば、第1A撮像部I11aが、上部発光領域F11a1からの光の照射に応じて第2のワークW0の側面Ss3のうちの-Z方向に平面視した場合に見える領域の全体から正反射光を受光することができる。このため、このような条件では、許容角度範囲は、約12度となる。
【0115】
上記各実施形態において、搬送部Cv1,Cv2,Cv3,Cv4には、例えば、ベルトコンベアの代わりにワークW0を搬送可能なロボット等の異なる構成が適用されてもよい。この場合には、例えば、撮像装置12は、ワークW0を搬送可能なロボットとは別に、ワークW0を載置するための載置部としてのステージ等を有する構成が採用される。
【0116】
上記各実施形態において、例えば、検査システム1の動作が、統括制御部C0等の1つ以上の制御部によって制御されてもよい。ここで、例えば、検査システム1は、ワークW0の撮像を行う1つの撮像装置とみなしてもよい。
【0117】
上記第2実施形態において、例えば、第1移動機構12t1と第1撮像ユニット12s1とを組み合わせた1つ目の構成、および第2移動機構12t2と第2撮像ユニット12s2とを組み合わせた2つ目の構成、のうちの一方の構成が存在していなくてもよい。
【0118】
なお、上記各実施形態および各種変形例をそれぞれ構成する全部または一部を、適宜、矛盾しない範囲で組み合わせ可能であることは、言うまでもない。
【符号の説明】
【0119】
1 検査システム
12 撮像装置
121~124 第1~4撮像装置
12s 撮像ユニット
12s1 第1撮像ユニット
12s2 第2撮像ユニット
12t 移動機構
12t1 第1移動機構
12t2 第2移動機構
C0 統括制御部
Cs2 撮像制御部
Cs21 第1撮像制御部
Cs22 第2撮像制御部
Ct2 移動制御部
Ct21 第1移動制御部
Ct22 第2移動制御部
Cv1,Cv2,Cv3,Cv4,Cv21,Cv22,Cv23,Cv24 搬送部
F1 照明部
F11 第1照明部
F11a 第1A照明部
F11a1 上部発光領域
F11b 第1B照明部
F11b1~F11b5 第1~5斜め発光領域
F11c 第1C照明部
F11c1~F11c3 第1~3水平発光領域
F12 第2照明部
I1 撮像部
I11 第1撮像部
I11a 第1A撮像部
I11b 第1B撮像部
I11c 第1C撮像部
I12 第2撮像部
Lz1 レンズ部
Lz11 第1レンズ部
Lz11a 第1Aレンズ部
Lz11b 第1Bレンズ部
Lz11c 第1Cレンズ部
Lz12 第2レンズ部
Pi11a 第1A光軸
Pi11b 第1B光軸
Pi11c 第1C光軸